古村治彦です。
本日、2025年10月21日に臨時国会が召集され、首班指名が行われる。現在のところ、自民党総裁の高市早苗議員が首班指名される見込みだ。自民党と日本維新の会は「連立」と称する「閣外協力」の形を取ることで合意した。両党だけでは過半数に少し足りないので、極右的な日本保守党、NHK党、更には有志の会といった政党が協力することで、過半数を超える見込みだ。
自維「連立」政権という表現について、アメリカのノーステキサス大学の前田耕教授は、「言葉(用語)の正しい使い方」について、X上で私たちに次のように教えてくれている。私たちは改めて、言葉の正しい使い方を意識していかねばなならない。
https://x.com/MaedaPoliSci/status/1980246319580291576
今回の政権は「連立」政権ではない。日本維新の会が「閣外協力」をする自民党政権ということになる。連立政権は閣議に出席する大臣を出すことで、責任を明確にする。内閣について共に責任を持つということだ。「閣外協力」はそうではない。その点で、「責任」のレヴェルが大きく違う。簡単に言ってしまえば、いつでも逃げられる、おいしいところ取りで、うまくいったものは自分たちの手形、失敗は相手の責任と言うことができる。非常に中途半端と言うしかない。私は今回の政権については「野合(collusion)」と呼ぶべきだと考える。
自維「野合」は、国会の定数削減を、国民民主党も巻き込んで通過させようとしている。国会議員の議席は民意の反映させる重要なものであり、その数を党利党略で云々する、しかも、国民生活にとってより重要な景気対策と物価対策、少子化対策、与党政治家にとって痛手となる政治とカネの問題を後回しにして進めようというのは、究極の無責任である。
今回の高市自民党執行部は、麻生傀儡であり、統一教会の影響が大きい旧安倍派清和会の復権のための存在である。極言すれば、今回の高市政権は第二次麻生政権である。麻生太郎という人物は究極の貴族主義であり、一般国民などは下僕くらいにしか思っていないだろう。家柄(と言っても平安時代以来の貴族の家柄と比ぶべくもないが)と資産くらいしか誇るものがない小人物である麻生太郎が、アメリカの言いなりになる政権をつくったということでしかない。国民生活に何の責任感も持っていない。
究極の「無責任」の集合体である高市早苗政権の誕生を前にして、私は暗澹たる気持ちになっている。日本はこれからどれくらい衰退していくだろうか、と。
(貼り付けはじめ)
●「自民・維新の連立合意、焦点の政策で留保や先送り…定数削減「目指す」献金は「検討」」
読売新聞オンライン 10/20(月)
23:34配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/eae91468ad756c69c5ccc834e6c0b7c5bab76200
自民党と日本維新の会の連立政権合意書は、国会議員定数の1割削減の目標は「目指す」との文言を付け加え、企業・団体献金、消費税減税については「検討」との言葉を盛り込んだ。いずれも維新の要求に対し、自民内に慎重論があったためで、今後に火種を残した格好だ。
合意書では、焦点の一つだった議員定数削減の文言に腐心し、「1割を目標に衆院定数を削減するため、臨時国会において法案を提出し、成立を目指す」とした。維新の吉村代表(大阪府知事)は定数削減を「改革のセンターピン」と訴え、臨時国会で1割を目標に削減すべきだと強調したが、「目指す」とすることで実現に一定の留保を付けた。
定数削減では、自民執行部に「比例定数の削減なら比較的容易だが、比例選を重視する公明党に配慮が必要」との声があった。公明は自民との連立解消を決めた一方、国政選挙では連携の可能性を示唆していたためで、自民側の思惑が合意書に反映されたとみられる。
企業・団体献金を巡っては、維新は完全禁止を主張し、自民は透明性と公開性を高めることが重要との立場を取った。合意書では「(両党は)課題意識は共有しつつも最終結論に至っていない」と指摘。臨時国会中に協議体を設置して自民の高市総裁の任期中に「結論を得る」とした。高市氏の任期は2027年9月までで、結論を約2年後に先送りする形となった。
消費税減税は、維新が物価高対策として食品を対象に2年間ゼロを求めたが、自民は社会保障財源として減税に慎重だ。協議の結果、「飲食料品について、2年間に限り消費税の対象としないことも視野に検討を行う」と、現時点で実施を明言しない表現で決着した。両党はそれぞれの協議を続ける見込みだが、議論の進展次第では連立にきしみが生じる可能性もある。
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自民・高市総裁、首相指名1回目で選出の公算大 過半数超の見通し
毎日新聞 10/20(月) 16:35配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/69bf77040fd2af9fbf4714d3865ae4cba639a3d1
無所属議員でつくる衆院会派「有志・改革の会」に所属する3衆院議員が21日召集の臨時国会で行われる首相指名選挙で、自民党の高市早苗総裁に投票する見通しであることがわかった。自民(196議席)、日本維新の会(35議席)と合わせると計234議席となり、維新から離脱者が出なければ、高市氏が1回目の投票で過半数(233議席)を超えて選出される公算が大きくなった。関係者が20日、明らかにした。
3衆院議員は維新から除名処分を受けた斉木武志氏ら。有志・改革の会は首相指名選挙を巡る対応で調整がつかず、会派を解消する見通し。【富美月】
(貼り付け終わり)
(終わり)

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』





