古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:国防長官

 古村治彦です。

 2026年2月28日にアメリカとイスラエルがイランに対して大規模な軍事攻撃を行った。イラン政府や軍の指導者層の多くが死亡した。最高指導者であるアリ・ハメネイ師も自宅に攻撃を受けて死亡した。その後、イランがイスラエルとペルシア湾岸地域にあるアメリカ軍基地を中心にして報復攻撃を実施している。アメリカのドナルド・トランプ大統領は、攻撃実施後に、イラン国民に対して、現政府に対する蜂起を呼び掛けたがそのようなことは起きなかった。また、短期間で指導者たちを殺害して、イラン政府の機能不全を引き起こそうとしたが、そのようなことも起きなかった。イラン革命防衛隊はホルムズ海峡封鎖を通告し、民間のタンカーの航行できない状況になり、世界経済に悪影響を及ぼしている。アメリカ軍はタンカーの護衛を拒否している。イランから攻撃を受ける可能性が高いということを理由に挙げている。先制攻撃でイランを無力化するというアメリカとイスラエルの目論見は完全に外れたことになる。アメリカ制服組トップの統合参謀本部議長のダン・ケイン大将は、イラン攻撃について、リスクが高いという内容の報告書を出し、反対の意向を表明していたが、トランプ大統領は無視して攻撃を実行し、このような状況を引き起こした。責任は挙げて、アメリカ軍最高司令長官(commander-in-chief)であるドナルド・トランプ米大統領にある。

 そして、今回、アメリカをイラン攻撃に引きずり込んだのは、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相である。ネタニヤフは自身のスキャンダルを抱え、有罪判決を受けると懲役を科されるということから戦争状態を維持し、選挙に勝ち続ける必要がある。また、イスラエルとしてはイランが弱体化することは望ましい。しかし、イスラエル単独でイランを大規模攻撃することはできない。そのために、これまでイランを攻撃することはできなかった。しかし、そこにトランプ大統領が出現した。「イランを攻撃するほど愚鈍な大統領」の出現はネタニヤフにとって僥倖となった。2025年だけで6回もホワイトハウスを訪問し、そこで、トランプを洗脳に近い形で説得して、イラン攻撃まで漕ぎつけた。

 イランは攻撃で大きな打撃を受けたが、反撃ができないほどの打撃ではなかった。そして、イランは2025年に続いて、軍事攻撃を受けたことで、アメリカとイスラエルからの攻撃は「国家存亡の危機」と位置付けて、総力を挙げて反撃を行っている。ここは攻撃を仕掛けた側であるアメリカとイスラエルにとって大きな誤算となった。この誤算は世界にとっての大きな不幸である。イスラエルは今回のイラン攻撃を実行したことで、世界からの信頼を失い、反イスラエル感情は高まるだろう。ここで注意すべきは、反ユダヤ感情に走らないことだ。イスラエル、特に現在の指導部、ネタニヤフに対する反感や批判は当然であるが、ユダヤ人全体に対する反感を持つことは間違っている。

 アメリカはウクライナ戦争に置いてウクライナへの支援を続け、同時にイラン戦争では、イスラエルを支援しながら、アメリカ軍を使っての攻撃も実施なければならない。アメリカの国力に一定程度のダメージを与えることになる。今回のイラン攻撃はアメリカにとって国益を損なう、最悪の選択だということになるだろう。

(貼り付けはじめ)

ベンヤミン・ネタニヤフ首相が今、イラン攻撃を選択した理由な何か(Why Netanyahu Chose to Strike Iran Now

-数十年にわたり戦争の脅威を強調してきたイスラエルの指導者は好機が閉ざされていると悟っている。

ユーセフ・モナイヤー筆

2026年3月10日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2026/03/10/iran-war-us-israel-netanyahu-trump-elections-corruption-trial/

2026年3月1日、アメリカとイスラエルによって爆弾がテヘラン上空に投下された際、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イランとの戦争は「40年間も待ち望んでいた」ことだと語った(war with Iran is something he has “longed to do for 40 years”)。この発言は、なぜ彼が今になってようやくこのような対立を引き起こすことを選んだのかという疑問を提起する。

過去30年間、数年に一度、ネタニヤフは、イランの核兵器取得を阻止する窓(機会、window)が失われつつあると、ほとんど滑稽なほど繰り返し主張してきた。しかし、昨年の夏、いわゆる 12日間の戦争の終わりに、ドナルド・トランプ米大統領は、前例のないアメリカの攻撃によってイランの核開発計画は「全滅(obliterated)」したと述べた。それ以来、テヘランが核兵器の開発に近づいていることを示唆する証拠はまったく見当たらない。

今回、ネタニヤフ首相が窓(機会、window)の一つ、いや、実際には複数の窓が閉ざされつつあると正しく認識していた。しかし、それらの窓はどれもイランの核開発への野心とは関係がなく、むしろイスラエルとアメリカの政治に大きく関係していた。

ネタニヤフ首相は昨年、ホワイトハウスを過去最多の6回訪問した。これほど頻繁にホワイトハウスに訪問した外国首脳はかつて存在しなかった。アメリカとイスラエルの関係自体が特異な歴史を持つ中で、トランプとネタニヤフの関係は、その親密さにおいて際立っている。

その理由については様々な憶測が飛び交う。ネタニヤフ首相の側近とトランプ大統領の側近との個人的な繋がりが原因なのかもしれない。あるいは、クリス・ヴァン・ホーレン連邦上院議員の言葉を借りれば、ネタニヤフ首相は「ついにイランを攻撃するほど愚鈍な大統領を見つけた」のかもしれない(Or, perhaps, as U.S. Sen. Chris Van Hollen put it, Netanyahu “finally found a president stupid enough to attack Iran”)。確かなのは、トランプが歴代大統領の誰よりもネタニヤフ首相のために尽力してきたということだ。

しかし、この2人には期限がある。両国で選挙が行われるため、早ければ今年中にも期限が来るかもしれない。

イスラエルでは秋に選挙が予定されている。これは、ネタニヤフ首相が近年のイスラエル史上最大の安全保障上の惨事、すなわち、2023年10月7日にハマス主導の攻撃が発生して以来、初めての選挙となる。この攻撃では約1200人が死亡した。イスラエル国民は、この失態について彼に責任を問う機会をまだ得ていない。(ネタニヤフ自身は責任を認めていない。)また、今回の選挙は、イスラエルでアラブ系政党が連合を組む数期ぶりの選挙となる。いわゆる「統一リスト(Joint List)」という政党連合は、イスラエル政権にとって連立の計算を複雑化させる可能性がある。

ネタニヤフの勝利の可能性は、まだ不透明だ。彼は近年の選挙で大規模な連立政権の構築に苦戦しているが、その一因は法的な問題にある。現在進行中の汚職裁判で、彼は数々の容疑に直面しており、有罪判決を受けた場合、数年の懲役刑を科される可能性がある。ネタニヤフは、政権維持を目指し、イランとの戦争をめぐるイスラエル国民の結集を図るとみられる。イスラエル民主政治体制研究所の調査によると、ユダヤ系イスラエル人の圧倒的多数が戦争を支持しているのに対し、パレスティナ系イスラエル人ではわずか4分の1しか支持していない。

一方、トランプはアメリカで中間選挙を控えている。中間選挙は現職大統領にとって有利な結果になることは稀であり、世論調査はトランプにとって特に大きな打撃となる可能性を示唆している。大統領の好感度は、明確な撤退計画のない不人気な戦争を開始する前から低かった。ロイター通信とイプソス社の調査によると、イラン戦争を支持するアメリカ人はわずか4分の1に過ぎない。現在共和党が過半数を占める連邦議会に大きな変化が生じれば、イラン問題をはじめとする諸問題に関して、トランプ大統領の選択肢は狭まる可能性がある。

ネタニヤフ首相とトランプ大統領の狙いが、イランとの戦争を、彼らがほぼ野放しで活動できる時期と捉えることだとすれば、選挙上の理由だけでも、最も安全な賭けは2026年の春から夏だったと言えるだろう。

しかし、もう一つの窓も閉じつつある。それは世論の窓だ。イスラエルはアメリカ国民を失いつつある。先月のギャラップ社の世論調査によると、初めて、イスラエルよりもパレスティナ人に同情するアメリカ人が増えている。この傾向はガザ地区虐殺のずっと前から始まっていたが、虐殺によってさらに加速した。イラン戦争によって世論はさらに低下する可能性が非常に高いということだ。重要なのは、イスラエルが共和党支持者、特に若い世代を失い始めていることだ。過去20年間、アメリカの右派はイスラエルへの支持の基盤となってきた。

第三の窓は、戦争の性質の変化に関係している。イスラエルとイランの間では、秘密作戦や代理戦争が長らく一般的だったが、近年、通常戦争の力学が変化している。イスラエルとイランは2024年に初めて直接攻撃を相互に行った。イスラエルはシリアのイラン領事館を攻撃し、テヘランではハマス幹部を殺害した。イランはこれに対し報復した。両国は昨年も12日間の戦争で交戦した。

イスラエルとイラン両国はこれらの攻撃を通じて、自らの脆弱性について教訓を得た。イランはますます空襲にさらされるようになった。イスラエルも、特定の組み合わせの弾道ミサイルで攻撃された場合、イランの攻撃に対して脆弱だった。重要なのは、アメリカとイスラエルのミサイル迎撃ミサイルは、撃墜を狙ったイランの弾道ミサイルよりもはるかに高価で、供給量も少なく、製造にも時間がかかった。

これはイスラエル、アメリカ、そして地域における同盟国にとって不利なバランスを生み出した。イランとの紛争が長期化すれば、長期的には受け入れがたいコストにつながるだろう。アメリカとイスラエルの迎撃ミサイル生産とイランの弾道ミサイル生産がそれぞれ異なるスケジュールで進められる中で、12日間の戦争でイスラエルが得た戦略的利益は、一時的なものに過ぎなかった。

イラン戦争の原動力(driving force)は、そして今もなお、ネタニヤフ首相だった。複数の機会(窓)が同時に閉ざされる中で、ネタニヤフ首相は、長年抱いてきたアメリカ軍によるイラン爆撃という夢が実現しないかもしれないという現実を直視していた。次世代のアメリカ人がイスラエルから背を向けるにつれ、ネタニヤフはトランプのような愚か者(a sucker)が再び大統領執務室に座ることはないだろうと考えたのだろう。そうであれば、今しかない。

ネタニヤフ首相は、トランプに対して、新しい宴会場のインテリアデザインを提案するために、1年間で6回もホワイトハウスを訪問したのではない。ネタニヤフはアメリカにイラン戦争という自身の夢を実現させたかったのだ。戦争が早期に終結し、イスラエルに大きな負担がかからなければ、ネタニヤフ首相は投獄を免れるかもしれない。ひょっとすると、イスラエルの総選挙で政権にとどまる可能性もある。

しかしながら、中東地域ははるかに深刻な状況に陥るだろう。その過程でアメリカの利益も損なわれ、そのツケはアメリカ国民が負担することになる。皮肉なことに、ネタニヤフ首相とトランプ大統領による戦争こそが、アメリカ・イスラエル関係に致命的な打撃を与えることになる可能性がある。

※ユーセフ・モナイヤー:パレスティナ系イスラエル市民。ワシントンDCにあるアラブ・センター「パレスティナ・イスラエル」プログラム責任者。Xアカウント:@YousefMunayyer

(貼り付け終わり)

(終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 2025年11月21日に『<a  href="https://amzn.to/49jHIUC ">シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体</a>』(ビジネス社)を刊行します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

 新刊は「新・軍産複合体」がテーマとなる。新刊では、古くからある軍産複合体と出現しつつある新しい軍産複合体を対比させながら、話を進めている。軍産複合体(Military-Industrial Complex)という言葉が一般に使われ出したのは、1961年にドワイト・アイゼンハワー大統領の退任演説で使われてからだ。アメリカ政府(国防総省とアメリカ軍)と巨大軍需産業の強固な結びつきを示す言葉だ。ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)、

RTX社(旧レイセオン・テクノロジーズ社  Raytheon Technologies)、ノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman)、ボーイング社(Boeing)、ゼネラル・ダイナミクス社(General Dynamics)の5社は、「元請契約業者(primes、プライムス)」と呼ばれている。これらの巨大企業は優遇され、アメリカ国民の血税を食い散らかしてきた。
 「軍産複合体」にとって戦争は「飯のタネ」であり、「外国の脅威」を煽り立てることが何よりも重要だった。しかし、第二次トランプ政権は人事面で古くからの軍産複合体ではなく、新・軍産複合体寄りの姿勢を見せている。陸軍長官のダン・ドリスコルはイェール大学法科大学院以来のJD・ヴァンス副大統領の盟友であり、反プライムの急先鋒だ。陸軍次官のマイケル・オバダルはアメリカ軍を退職した後は、アンドゥリル社に勤務していた。アメリカ軍の佐官クラスの退職たちの多くはシリコンヴァレーのテック産業で勤務している。新刊ではより詳しく説明している。是非お読みいただきたい。
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ダン・ドリスコル
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マイケル・オバダル
(貼り付けはじめ)
ドナルド・トランプは軍産複合体を手懐けることができるか?(Will Donald Trump Tame the Military-Industrial Complex?

ウィリアム・ハータング筆

2024年9月13日

『フォーブス』誌

https://www.forbes.com/sites/williamhartung/2024/09/13/will-donald-trump-tame-the-military-industrial-complex/

トランプウォッチャーたちの多くを驚かせたのは、アメリカの元ナルシスト最高司令長官がウィスコンシン州で最近行われた集会で、軍産複合体(the military-industrial complex)への痛烈な批判を展開したことだ。

「私は戦争屋たち(warmongers)を追放する。常に戦争を望んでいる奴らがいる。奴らがなぜ戦争を望むか分かるか? ミサイルは1発200万ドルもする。だから戦争を望むのだ。彼らは至る所にミサイルを落とすのが大好きだ。私には戦争などなかった。・・・私は戦争屋を国家安全保障分野から追放し、必要な、軍産複合体の一掃を行う。戦争による利益追求を止め、常にアメリカ・ファーストを追求するためだ。私たちはアメリカ・ファーストを求める。これらの終わりのない戦争(these endless wars)に終止符を打つ。終わりのない戦争は、決して止められない(Endless wars, they never stop)」。

トランプの発言は、トランプを、我が国の外交政策を歪め、戦争の可能性を高めた特別利益団体(the special interests)に立ち向かう、信念を持った平和の十字軍(a principled crusader for peace)のように見せた。彼がその強硬な発言を実行に移す可能性は極めて低いが、兵器メーカーとその同盟者たちをこれほど厳しい言葉で批判したという事実は、彼の支持基盤の中にポピュリスト的で反介入主義的な勢力(a populist, anti-interventionist faction)が存在することを示唆している。

ウィスコンシン州における戦争屋や戦争利得者たち(war profiteers)へのトランプの対応が、将来の政策指針(a guide to future policy)というよりも、政治的な印象操作political spin)の問題に過ぎないとどうして言えるのだろうか?

2016年の大統領選挙運動と4年間の在任期間中の政策が、その真相を物語っている。トランプは、イラク戦争は大惨事だったという(正しい)見解を掲げて選挙活動を行い、選挙運動中は兵器企業による利己的なロビー活動や価格つり上げ(lobbying and price gouging)を批判した。

しかし、就任早々、大手兵器企業は彼の親友となった。当初、トランプは初の外遊先であるサウジアラビアで大規模な兵器売却パッケージを発表しようと考えていた際、ジャレッド・クシュナーにロッキード・マーティン社のトップに電話をかけさせ、サウジアラビアへの主要システムを割引価格で提供できないかと打診させました。そうすれば、トランプがサウジアラビア訪問中に発表しようとしていた巨大パッケージに、これらのシステムも含まれるからだ。その結果、150億ドル規模のミサイル防衛システムという提案が示された。

トランプの軍需企業への強固な支持は、サウジアラビアの反体制派ジャーナリストのジャマル・カショギの残忍な殺害を受けてもサウジアラビアへの武器販売を停止しないという決定においても、中心的な位置を占めていた。トランプの合理性は何か? それは、中国のようなアメリカの敵対諸国がその穴を埋めるとしても、我が国の素晴らしい防衛企業はビジネスを失い、アメリカの労働者は雇用を失うだろうというものだ。武器企業自身の先導に倣い、トランプはサウジアラビアへの販売に伴う雇用数を誇張した。

トランプはまた、サウジアラビアとの武器取引を、最大のPR効果を得るために利用した。ホワイトハウスでムハンマド・ビン・サルマン国王と会談した際に、サウジアラビア政権に売却または提供されたアメリカの武器の写真と、主要諸国に対する売却によって創出された雇用数の数字を添えて提示することで、その効果を最大化した。

2024年に話を進めると、トランプ・ヴァンスティームは、シリコンヴァレーのニューエイジ軍国主義者たち(the New Age militarists in Silicon Valley)と緊密な関係を築いている。パランティア・テクノロジーズ社のピーター・ティールは、共和党に定期的に寄付を行っている。アンドゥリル社のパルマー・ラッキーは、トランプのために資金調達パーティーを開催した。そして、今や世界中で知られているように、ヴァンスは、連邦上院議員選挙に出馬する(ティールからの多額の資金援助を受けて)前に、ピーター・ティールのもとでしばらく働いていた。これは、トランプ政権がこれらの企業に納税者の資金の活用について説明責任を求めるという構想にとって不吉な兆しであるだけでなく、出現しつつあるシリコンヴァレーの軍産複合体(the emerging Silicon Valley branch of the military-industrial complex)のリーダーたちが、紛争においてアメリカが「中国を打ち負かす」能力をどのように開発すべきかについて、非常に無謀な発言をしているという点でも問題である。彼らはまた、自らが開発している兵器が、アメリカの世界的な支配力を回復するための鍵であると主張している。こうした好戦的な軍事技術幻想家たち(hawkish military techno-fantasists)がトランプ政権に影響力を行使できる限り、中国やその他の指定敵国との戦争の可能性は高まるだろう。

したがって、ドナルド・トランプが、戦争屋や戦争利得者たちに立ち向かおうとしていると言うときは、その言葉を鵜呑みにしないほうがよいだろう。軍需産業を抑制し、より賢明で、より効果的で、より抑制的なアメリカの防衛政策を策定するには、政治的な印象操作や批判的なレトリック以上のものが必要になるだろう。言うまでもなく、ドナルド・トランプが、守れない、あるいは守るつもりもない約束をしたのは、今回が初めてのことではない。
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米陸軍長官が軍産複合体に宣戦布告(Army Secretary declares war on the military industrial complex

-その主要な敵は誰か? 連邦議会だ。

ベン・フリーマン筆

2025年6月9日

『レスポンシブル・ステイトクラフト』誌

https://responsiblestatecraft.org/us-army/

「今後2年間で、プライム企業(primes)の1つが廃業すれば、私はそれを成功とみなす」。これは、「プライム」として知られる米国防総省の最大手請負企業(the largest Pentagon contractors)の1つを閉鎖するよう呼びかける軍産複合体に対する強硬な批判者(a hardened critic of the military industrial complex)の言葉ではない。そうではなく、発言者は米国防総省で最も権力を持つ高官の1人であるダン・ドリスコル米陸軍長官の言葉だ。

ドリスコル長官は先月のTBPNライヴポッドキャストに出演し次のように発言した。「私の推測では、彼らは今後数日、数週間、数ヶ月のうちに、適応し、変化しなければ死に至るということに気づき始めるだろう。私たちは国家として再び彼らを救済するつもりはない」。

ドリスコル長官の発言は、陸軍の業務運営方法を根本的に改革することを約束する新たな陸軍改革イニシアティヴ(Army Transformation InitiativeATI)に基づいている。このイニシアティヴは、将官職を削減し、陸軍本部の幕僚職を1000人削減することで、陸軍の指揮系統を合理化することを目指している。また、「無駄なプログラムと旧式プログラムの排除」も提案しており、これにはブラックホーク・ヘリコプター、ハマー、統合軽戦術車両(JLTV)、グレイ・イーグル・ドローンの廃止、そして請負業者に数十億ドルもの費用を支払う代わりに、陸軍が自ら装備を修理する権利の回復が含まれる。

先週、ドリスコル長官は陸軍参謀総長ランディ・ジョージ大将と共に、陸軍改革イニシアティヴの完全施行を阻む最大の障害の1つとなり得る連邦議会と対峙した。連邦議会の公聴会が始まる前の月曜日、ドリスコル長官はパンチボウル・ニューズに対し、既に与野党双方から反発を受けていると語った。これは、連邦議会が兵士を必要としないと主張する物品の購入を陸軍に強制してきたことを考えると、ドリストル長官が「正しい決断をした(made the right decision)」ことの証左と言える。

ドリスコル長官はパンチボウル・ニューズに対して次のように語った。「私たちは、兵士とアメリカの納税者に責任を負っている。そしてそれ以上に、我々は、これは真顔で言うが、特定の利害は一切考慮しない」。ドリスコル長官は特に、国防総省が必要としない兵器の購入を連邦議会に働きかける国防総省の請負業者を激しく非難した。ドリスコル長官は「もし彼らが国防総省に資金を投入し続けるなら、中期的には、彼らは事業を失うだろうが、そして倒産する可能性もある」と付け加えた。

公聴会でドリスコル長官は、軍産複合体のビジネス手法に対する批判を続けた。先週水曜日の連邦下院軍事委員会(the House Armed Service CommitteeHASC)での冒頭発言で、ドリスコル長官は「ロビイストと官僚が、兵士と戦闘を優先する陸軍の能力を奪ってしまった」と嘆き、さらに「兵士にとって正しいことをしよう。これらの資産を買う必要はなく、資源は限られている。もう止めよう」と付け加えた。

しかし、同じ日に行われた連邦下院軍事委員会と連邦上院軍事委員会(Senate Armed Services CommitteeSASC)の両方の公聴会では、国防総省が望まないプログラムを連邦議員に支持させる偏狭な利害関係が露呈した。例えば、マーク・ケリー連邦上院議員(アリゾナ州選出、民主党)は、地元アリゾナ州フォート・フアチューカの電子実験場における陸軍の兵力削減計画を激しく批判した。 連邦下院軍事委員会の公聴会で、ロブ・ウィットマン連邦下院議員(ヴァージニア州選出、共和党)は、自身の選挙区にある陸軍訓練教義司令部が、官僚機構の肥大化を解消するために陸軍将来司令部(Army Futures Command)と統合されることに懸念を表明した。モーガン・ラトレル連邦下院議員(テキサス州選出、共和党)は、自身の選挙区に駐留する大隊を廃止するという陸軍の新たな計画を激しく非難した。ラトレル議員は「この郡で生まれ育った私の家に押しかけ、何かを奪おうとしている。その理由を知りたい」と訴えた。

ドリスコル長官とジョージ陸軍参謀総長が陸軍改革イニシアティヴで試みているのは、間違いなくこれらの連邦議員の選挙区や州の一部で雇用を奪い、従来の請負業者に数百億ドルの損害をもたらす可能性があるため、反発はある程度理解できる。監視団体「常識のための納税者」は、米国防総省が要求していないプログラムに、連邦議会が数十億ドルを追加する「裏口予算(backdoor earmarks)」を追跡している。「常識のための納税者」によると、この予算は、2025年度だけで150億ドルに上る。この資金の大部分は、米国防総省が予算要求に含めなかったプロジェクトに充てられており、「常識のための納税者」はこれを「ゼロ・トゥ・ヒーロー(Zero to Hero)」増額と呼んでいる。

陸軍改革イニシアティヴが請負業者に課すもう1つの莫大なコストは、陸軍に「修理権(right to repair)」を返還するという目標である。陸軍は、請負業者たちの利益を膨らませる一方で、軍の即応態勢(military readiness)を低下させてきた。ドリスコル長官は、『ウォー・オン・ザ・・ロックス(War on the Rocks)』誌のインタヴューで、「私たちは時折、自らの装備を修理する権利を放棄してきた。つまり、兵士にとってこれは基本的に、2ドルから20ドルで部品を3Dプリントする方法が分かっているにもかかわらず、精巧な装備品が8カ月から12カ月もの間、放置されることになる。これは原罪(sin)であり、私たち自身がそれを招いた」と説明した。

この「原罪」は毎年数十億ドルもの損失をもたらしている。政府監視プロジェクト(Project On Government OversightPOV)の修理権に関するファクトシートが指摘しているように、「国防総省は軍用車両や装備の維持に年間数百億ドルを費やしている」ため、この作業は米国防総省の請負業者にとって、納税者から支払われるドル箱となっている。彼らはこの作業の独占権を維持している。だからこそ、請負業者のロビイストたちは連邦議会における修理権に関するこれまでの取り組みを全て潰してきた。例えば昨年、請負業者たちは修理権を認めるNDAA修正案に反対する書簡を書き、その後、国防政策法案から修正案が削除されたことを歓喜した。

この事件が示すように、ドリスコル長官とジョージ陸軍参謀総長が今、明確に異議を唱えている米国防総省の請負業者の政治的影響力は、いくら強調してもし過ぎることはないだろう。2024年、米国防総省の請負業者はロビー活動に約1億5000万ドル(約215億円)を費やし、950人のロビイストたちを雇用していた。「オープンシークレッツ(OpenSecrets)」によると、そのうち約3分の2は以前、連邦議会または行政府で勤務していた。これらのロビイストの多くは、ドリスコル長官とジョージ陸軍参謀総長が以前証言していた、まさにその連邦議員たちの下で働いていた経験があり、国防総省の請負業者は彼らの選挙運動への主要な献金者の一部でもあった。

こうしたことから、ドリスコル長官とジョージ陸軍参謀総長が陸軍における請負業者の権力に異議を唱えようとする試みは注目に値する。米国防総省の高官たちが米国防総省の請負業者に対して存亡の危機を脅かしたのは、30年以上前の「最後の晩餐(The Last Supper)」として知られるようになった会合以来のことだ。当時のウィリアム・ペリー国防長官は、米国防総省の主要請負業者の代表者たちを夕食会に招き、「防衛企業は倒産するだろう。ただ傍観するだけだ(We expect defense companies to go out of business. We’ll stand by and watch it happen)」と警告したと伝えられている。その後、防衛産業では合併と買収の波が押し寄せ、ロッキード・マーティン社、ボーイング社、ゼネラル・ダイナミクス者、RTX(旧レイセオン)社、ノースロップ・グラマン社といった主要企業が誕生し、以来、防衛産業の基盤を席巻してきた。

確かに、ドリスコル長官は陸軍だけでなく、ベンチャーキャピタル(the venture capitalVC)の世界でもヴェテランであり、陸軍の資金を優良企業からアンドゥリル社のようなVC支援の防衛技術企業へとシフトさせているだけだと主張する人もいるかもしれない。アンドゥリル社の上級部長であるマイケル・オバダルは、間もなく陸軍次官に就任する可能性がある。アンドゥリル社はすでに米国防総省から10億ドル以上の契約を獲得しており、大量のドローンや対ドローン技術の購入を含む、陸軍改革イニシアティヴの複数の取り組みが実現すれば、さらに数十億ドルの契約を獲得する見込みだ。少なくとも金融市場はこの可能性に大きな賭けをしている。つい先週、『フォーチュン』誌は「巨額の資金調達ラウンドと310億ドルの評価額により、アンドゥリル社は追い出したい防衛産業の巨人の規模に近づいている」と報じた。

残念ながら、陸軍は未だに来年度予算の詳細を議会に提出していないため、ドリスコル長官とジョージ陸軍参謀総長による刷新が、単に旧勢力から新興の防衛技術大手への資金移動に過ぎないのか、それとも実際に納税者の負担軽減につながるのかは、まだ不透明だ。しかし少なくとも、2人はこれまでほとんどの軍指導者が成し遂げていないことを行っている。それは、軍産複合体に戦いを挑んでいるということだ。兵士と納税者双方のためにも、彼らの成功を願うしかない。

※ベン・フリーマン:クインシー研究所民主化外交政策プログラム部長。フリーマンは政治における金、国防予算、アメリカにおける外国の影響を調査している。著書に『外交政策オークション(The Foreign Policy Auction)』がある。この著作は彼自身のデビュー作で、アメリカにおける外国からの影響を働きかける産業を体系的に分析している。

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トランプ大統領の下の米国防総省に新たに加わった兵器産業幹部(Another weapons industry exec brought into Trump's Pentagon

-マイケル・オバダルは大きな利益相反の恐れがある防衛関連テック産業の幹部の1人だ。

スタヴロウア・パブスト筆

2025年3月13日

『レスポンシブル・ステイトクラフト』誌

https://responsiblestatecraft.org/nato-summit/

ドナルド・トランプ大統領は、新政権において引き続き兵器産業の重鎮(weapons industry mainstays)を起用している。

最近では、アメリカ軍の退役軍人で、防衛技術のリーディングカンパニーであるアンドゥリル・インダストリーズ社のシニアディレクターであるマイケル・オバダルを陸軍次官に指名した。オバダルは陸軍における文民官僚ナンバー2だ。

承認されれば、オバダルは事実上陸軍の最高管理責任者として、1850億ドルの予算管理を担うことになる。陸軍と統合特殊作戦群の両方で部隊やタスクフォースを指揮してきたオバダルの長年の軍歴は、この新たな役割に大いに役立つだろう。しかしながら、アンドゥリル社が数多くの軍事契約を締結し、ワシントンでロビー活動を展開していることを考えると、オバダルが著名な兵器スタートアップ企業での仕事に就いていることは、直接的な利益相反を招きかねない。

オバダルは、ダニエル・ドリスコル陸軍長官の下で働くことになる。ドリスコル長官は、アメリカの敵対国との競争力を維持するためには、兵器産業と緊密に連携し、アメリカの防衛産業基盤を刷新する必要があると主張してきた。

ドリスコル長官は陸軍長官就任後に次のように書いている。「私たちは産業基盤を活性化し、調達プロセスを改革しなければならない。私たちはまだ同等の敵対国との大規模な紛争への準備はできていない。しかし、準備をしなければならない。私たちは共に防衛産業とのより強固なパートナーシップを築き、敵を圧倒するだけの戦力を確保していく」。

重要なのは、アンドゥリル社のクリスチャン・ブローズやパルマー・ラッキーといった防衛技術企業の最高幹部たちが、軍事契約獲得に向けて繰り返し同様の主張を展開していることである。

トランプ大統領は、政府の要職にニューテクノロジーを積極的に活用している。パランティアの元情報調査部長グレゴリー・バルバッチャを連邦政府の最高情報責任者(federal chief information officerCIO)に任命し、ペイパル・マフィアの一員であるデイヴィッド・サックスを「ホワイトハウスAI・暗号資産担当責任者(White House AI and crypto-czar)」に任命した。防衛産業との深い繋がりを持つ億万長者の投資家スティーブン・ファインバーグは国防副長官に指名された。

そして、著名な起業家であるイーロン・マスクは、政府効率化省(DOGE)の役割を通じて大統領の側近となり(以前はトランプの選挙運動に2億ドルを投じたこともあった)、自身もスペースXを通じて著名な兵器請負業者となっている。

(貼り付け終わり)

(終わり)
jinruiwofukounishitashoakunokongen001
『人類を不幸にした諸悪の根源 ローマ・カトリックと悪の帝国イギリス』
trumpnodengekisakusencover001
『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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古村治彦です。
 2025年10月10日、不注意によって転倒し、左手薬指を脱臼し、2025年10月16日に靭帯の縫合手術を受けました。11月発売の新刊のゲラの修正も同時に行っておりました。現在、パソコンのキーボードを打つのが不自由な状態で、ブログの更新が滞りがちになります。まことに申し訳ございません。歩き慣れた道での転倒で、油断もあったと思いますが、筋力低下や柔軟性の低下で足が上がらないということもあったと思います。回復に務めつつ、筋力の維持のためのトレーニングも行ってまいります。皆様におかれましても、お気を付けください。

 第二次トランプ政権の「国家防衛戦略(National Defense StrategyNDS)」の策定が進められている。以下の記事で重要な点は、政権幹部たちは不法移民や麻薬売買対策といった国内問題、国土防衛を最優先し、対中強硬姿勢を改めるという考えを持っており、それに対して、アメリカ軍の制服組、職業軍人たちが懸念を持っているということだ。

 アメリカの国力では中国との戦争を戦うことはできないし、世界の警察官となって世界を管理することはできない。そうなれば、国内に引き上げていくのが当然だ。そうなると、アメリカ軍の規模は縮小される。結果として、将官やポストの数は減らされる。巨大官僚組織であるアメリカ軍はそれを受け入れることはできない。また、国防予算も縮小され、「軍産複合体」の原資も減っていくことになる。

 私の新著のテーマは「軍産複合体」である。現在、アメリカで起きている「新・軍産複合体づくり」の動きを詳述している。今回の動きはその一環だ。是非、新刊を読んでみて欲しい。

(貼り付けはじめ)

国防戦略草案に懸念表明 米軍首脳、対中より国内問題優先で―報道

時事通信 外信部202510011413分配信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025100100671&g=int

 【ワシントン時事】9月30日付の米紙ワシントン・ポストは、トランプ政権が策定中の「国家防衛戦略」の草案に関し、米軍首脳が深刻な懸念を表明したと報じた。中国抑止を重視するこれまでの路線を変更し、不法移民や麻薬流入など国内問題を優先しているためだという。

 報道によると、懸念を表明したのは制服組トップのケイン統合参謀本部議長を含む複数の米軍最高幹部。ケイン氏はヘグセス国防長官やコルビー国防次官(政策担当)に「非常に率直に意見を述べた」とされる。

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対中より本土防衛優先か トランプ政権の次期国防戦略―米

時事通信 外信部202509081750分配信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025090600301&g=int

 【ワシントン時事】米政治専門紙ポリティコ(電子版)は5日、国防総省がトランプ政権の安全保障政策の指針となる「国家防衛戦略」で、対中国よりも本土防衛を優先する方針を打ち出す見通しだと報じた。次期国防戦略は早ければ10月にも公表されるという。

 同紙が関係者の話として報じたところによると、8月下旬にヘグセス国防長官に提出された国防戦略の草案は、中国やロシアへの対抗ではなく、本土と周辺地域での任務を最優先に位置付けた。中国抑止を重視するこれまでの路線を変更するもので、関係者は「米国と同盟国にとって重大な転換になる」と述べた。

 トランプ大統領は1月の就任後、不法移民対策でメキシコとの国境に兵士を配備したほか、「治安維持」名目で国内の大都市に州兵を派遣。麻薬流入阻止を掲げ、カリブ海で麻薬密輸船を攻撃した。

 第1次トランプ政権が2018年に発表した国防戦略は、「対テロ」から中ロとの大国間競争へと重心を移した。バイデン前政権下の22年の戦略も同じ路線を継承しつつ、対中国をより前面に押し出した。

 次期戦略は国防総省ナンバー3のコルビー国防次官(政策担当)が策定を主導している。世界規模で米軍の配置を見直す文書も公表する予定という。

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ピート・ヘグゼス国防長官の新たな国防総省戦略にアメリカ軍最高幹部たちが懸念を表明(Military leaders voice concern over Hegseth’s new Pentagon strategy

-統合参謀本部議長のダン・ケイン将軍を含む複数の高官からの批判は、ピート・ヘグゼス国防長官がアメリカ軍の優先順位を再編する中で表明された。

ノア・ロバートソン、タラ・コップ、アレックス・ホートーン、ダン・ラモース筆

2025年9月29日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/national-security/2025/09/29/hegseth-national-defense-strategy-trump-dissent/?nid=top_pb_signin&arcId=6PCTHCEQF5GUTIHZD344XKXWBM&account_location=ONSITE_HEADER_ARTICLE

アメリカ軍最高幹部たちはトランプ政権の次期国防戦略(forthcoming defense strategy)について深刻な懸念を表明しており、ピート・ヘグゼス国防長官が火曜日にヴァージニア州において、最高幹部たちを異例の会議に招集する中で、国防総省内での政治指導部と制服組指導部の間の分裂(a divide between the Pentagon’s political and uniformed leadership)が露呈したと現職および元職の当局関係者8人が明らかにした。

統合参謀本部議長のダン・ケイン大将を含む複数の高官たちからの批判は、ヘグゼス長官がアメリカ軍の優先事項を再編する中で出された。国防総省は本土への脅威認識に重点を置き、中国との競争を縮小し、ヨーロッパとアフリカにおける米国の役割を重要視していない。

ドナルド・トランプ大統領は、クワンティコ海兵隊基地で開催される将軍と提督が急遽招集されたこの会合に出席する予定だ。制服組の指導者たちは大量解雇や、戦闘指揮系統と軍階級の抜本的な再編を懸念しているが、ヘグゼス長官は軍の基準と「戦士の精神(warrior ethos)」について演説するとみられる。

国防総省が資源の優先順位付けを行い、世界各地にアメリカ軍を配置する主要な指針となる国家防衛戦略(National Defense StrategyNDS)をめぐる議論は、トランプ政権の型破りな軍事アプローチの中で舵取りを迫られる軍高官にとって、新たな課題となっている。

編集プロセスに詳しい関係者たちは、他の人々と同様に匿名を条件に、デリケートな審議について語った。彼らは、大統領の極めて個人的で、時に矛盾する外交政策へのアプローチを考えると、この計画は近視眼的で、的外れである可能性があると感じており、不満が高まっていると述べた。

国防総省のショーン・パーネル報道官は、機密文書の内容や、文書の編集プロセスで懸念が提起されたかどうかについてコメントを控えた。

パーネル報道官は、「ヘグセス国防長官は、トランプ大統領の常識的な『アメリカ第一主義、力による平和』政策(America First, Peace Through Strength agenda)の推進に焦点を絞った国家防衛戦略の策定を指示した。このプロセスはまだ進行中だ」と述べた。

国防総省政策局内のトランプ大統領の政治任命職員(中には、ヨーロッパと中東に対するアメリカの長年の関与を批判してきた当局者も含まれる)が戦略を起草し、現在最終編集段階にある。

この草案は、世界各地の戦闘司令部から統合参謀本部に至るまで、軍の指導者に広く共有されているが、関係者3人によると、その中には、この計画の優先事項が、世界中の危機に対応するために設計された部隊にとってどのような意味を持つのか疑問視する者もいた。

複数の関係者によると、起草過程で反対意見が出るのはよくあることだが、この文書を懸念する当局者の数、そして批判の大きさは異例だ。

事情に詳しい2人の関係者によると、ケイン統合参謀本部議長はここ数週間、国防総省の幹部たちに懸念を伝えていたという。

「ケイン統合参謀本部議長はヘグセス長官に非常に率直なフィードバックを与えた」と2人のうちの1人は述べ、国防総省の政策責任者であるエルブリッジ・コルビーも議論に参加していたことを指摘した。この人物は「ヘグセス氏が国家防衛戦略の重大性を理解しているかどうかさえ分からない。だからこそ、ケインはあれほど努力したのだと思う」と述べた。

2人目の関係者は、ケイン統合参謀本部議長が国家安全保障戦略(NDS)において、紛争において中国を抑止し、必要であれば打ち負かすための軍の整備に引き続き重点を置くよう働きかけてきたと述べた。

ヘグセス長官と政策当局者たちは、国防総省がヨーロッパから一部部隊を撤退させ、司令部を統合する意向を示しているが、これは特にロシアによるウクライナ戦争や、最近のNATO領空への度重なる侵攻を受け、同盟諸国の一部を不安に陥れる形となっている。長年にわたり、国防総省の戦略は、国の最善の防衛策は海外で強固な軍事同盟を構築・維持することであるという考えに基づいてきた。

第二次トランプ政権内で、この海外重視アプローチを批判する人々は、国内の利益を守るどころか、外国での多額の費用がかかる戦争にアメリカを泥沼に陥れていると主張している。トランプ大統領のこれまでのアプローチは、同盟諸国に自国の防衛費増額を促すことに重点を置いており、時には国内の防衛費増額を訴えている連邦議会共和党の国防強硬派を疎外することもあった。

トランプ大統領はイエメンとイランで爆撃作戦を実施してきているものの、その主な焦点はアメリカ本土に近い任務への軍の増強にある。

トランプ大統領の指揮下で、国防総省は今年、カリブ海で麻薬密売容疑者たちを攻撃し、南部国境にアメリカ軍と武器を配備した。また、州兵と海兵隊をアメリカの各都市に派遣し、国外追放活動を支援し、大統領が「制御不能(out of control)」と呼ぶ都市犯罪の抑制に努めた。これらの国内派遣の一部は、現在裁判で争われている。

トランプ大統領は週末、ソーシャルメディアでオレゴン州ポートランドへの部隊派遣を命じ、ポートランドで散発的な抗議活動を引き起こしている移民関税執行局(Immigration and Customs EnforcementICE)の職員を守るため、部隊に「全力(full force)」を行使することを認めた。ヘグセスは日曜日、オレゴン州兵へのメモで、この任務には約200人の州兵の連邦化(federalizing)が含まれると述べた。

複数の関係者によると、新戦略に対する内部からの批判の多くは、中国が急速な軍備増強を続け、アメリカ軍関係者が太平洋におけるアメリカの優位性を低下させていると警告しているにもかかわらず、国家防衛戦略の草案がアメリカ本土への脅威を強調していることに向けられている。

文書には依然として中国に焦点を当てた部分も相当数あるが、それらはアメリカにとって最大の敵国との世界的な競争というよりも、台湾攻撃の脅威に大きく集中していると5人の関係者は述べている。コルビーは長年、アメリカ軍は中国の侵攻リスクへの備えができていないと警告し、ワシントンに対しこの問題への注意と資源の集中を求めてきた。

ある元当局者は、この戦略について「十分に検討されていないのではないかという懸念がある」と述べた。

この文書の論調は過去の戦略よりもはるかに党派的(partisan)であり、ヘグセス長官の演説と同様のレトリックで、バイデン政権がアメリカ軍の衰退を招いたと述べていると、計画に詳しい2人の関係者は述べている。

一方、ヘグセス長官はアメリカ軍の改革を主導しており、米軍を統括する約800人の将軍と提督を20%削減し、アメリカ軍の戦闘部隊の指揮系統を再編することを約束している。ヘグセス長官は既に、チャールズ・Q・ブラウン・ジュニア統合参謀本部議長やリサ・フランケッティ海軍作戦部長など、高官を解任している。これらの解任では、不釣り合いなほど多くの女性が解任されている。

『ワシントン・ポスト』紙が3月に初めて詳細を報じた国防総省の暫定防衛戦略には、台湾と本土防衛への同様の重点が含まれており、両方の優先事項を満たすために世界の他の地域で「リスクを負う(assume risk)」よう国防総省の指導者に促すまでになっている。

この暫定文書は、国内外で軍人をより積極的な役割で活用するという新たな戦略にも示唆を与えていた。文書によると、ヘグゼス国防長官は国防総省に対し、「国境封鎖、不法な大量移民、麻薬密売、人身売買、その他の犯罪行為を含む侵略行為の撃退、そして国土安全保障省と連携した不法移民の国外追放に重点的に取り組む」よう指示した。

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国防総省の計画は中国の脅威よりも国土防衛を優先する(Pentagon plan prioritizes homeland over China threat
-これは北京への抑止力を重視した第一次トランプ政権からの大きな転換を示すものだ。

ポウル・マクリーリー、ダニエル・リップマン筆

2025年9月5日

『ポリティコ』誌

https://www.politico.com/news/2025/09/05/pentagon-national-defense-strategy-china-homeland-western-hemisphere-00546310

国防総省の高官たちは、国防総省がアメリカ本土と西半球の防衛を優先するよう提案している。これは、長年にわたり中国の脅威に焦点を当ててきた軍の任務からの、際立った転換だ。

先週、ピート・ヘグセス国防長官の机に届いた最新の国家防衛戦略(National Defense Strategy)の草案は、北京やモスクワといった敵対諸国への対抗よりも、国内および地域的な任務を優先していると、報告書の初期ヴァージョンについて説明を受けた3人の関係者が述べている。

この動きは、ドナルド・トランプ大統領の最初の任期を含む、近年の民主党政権と共和党政権の、北京をアメリカ最大のライヴァルと呼んだ状況からの大きな転換となるだろう。また、中国の指導部をアメリカの安全保障に対する脅威と見なす、両党の対中強硬派を激怒させることも予想される。

「これはアメリカと複数の大陸にまたがる同盟諸国にとって大きな転換となるだろう」と、草案について説明を受けた関係者の1人は述べた。彼は「アメリカの古くからの、信頼されてきた約束に疑問を持たれている」と発言した。

この報告書は通常、政権発足時に公表されるため、ヘグセス長官は計画に変更を加える可能性がある。しかし、多くの点で、この転換は既に起こりつつある。国防総省は、ロサンゼルスとワシントンDCの法執行機関を支援するため、数千人の州兵を動員し、アメリカへの麻薬の流入を阻止するため、複数の軍艦とF-35戦闘機をカリブ海に派遣した。

今週、アメリカ軍は国際水域(international waters)でヴェネズエラのトレン・デ・アラグア・ギャングの構成員とみられる11人を殺害したとみられる。これは、軍による非戦闘員殺害への大きな一歩となる。

国防総省はまた、メキシコとの南部国境に軍事化ゾーン(a militarized zone)を設定し、軍が民間人を拘束できるようにした。これは通常、法執行機関(law enforcement)の任務である。

この新たな戦略は、中国への抑止力を国防総省の最重要課題としていた、トランプ政権初期の2018年国家防衛戦略の重点を大きく覆すものとなるだろう。

この文書の冒頭には「中国とロシアが、自国の権威主義モデル(authoritarian model)と整合した世界を構築しようとしていることは、ますます明らかになっている」と記されている。

報告書について説明を受けた、共和党のある外交政策専門家は、この変化は「トランプ大統領の対中強硬姿勢とは全く一致していないように思える」と述べた。この専門家も、他の専門家と同様に、微妙な問題について匿名で話した。

トランプ大統領は、北京に莫大な関税を課すことや、モスクワでの軍事パレードで北朝鮮の金正恩委員長とロシアのウラジーミル・プーティン大統領と会談した後、習近平国家主席がアメリカに対して「陰謀を企てている」(“conspiring against” the U.S.)と非難するなど、中国に対して強硬な姿勢を示し続けている。

国防総省の政策責任者であるエルブリッジ・コルビーがこの戦略を主導している。彼はトランプ大統領の最初の任期中に2018年版の策定に重要な役割を果たし、より孤立主義的な政策を強く支持してきた。長年対中強硬派として活動してきたコルビーだが、アメリカを対外的な関与から切り離したいという点では、JD・ヴァンス副大統領と意見が一致している。

コルビーの政策ティームは、今後予定されている世界情勢の見直し(世界各地におけるアメリカ軍の駐留場所を概説する)と、アメリカと同盟諸国の防空体制を評価し、アメリカのシステムの配置場所に関する提言を行う戦域防空ミサイル防衛の見直しも担当している。国防総省は、早ければ来月にも両見直しを発表する予定だ。

国防総省報道官は、この見直しについてコメントを控えた。ホワイトハウスもコメント要請に応じなかった。

これら3つの文書は、多くの点で相互に関連している。ある関係者によると、それぞれの文書は、同盟諸国に対し、自国の安全保障に対する責任をより強く負うよう求めることを強調する一方で、アメリカはより国土に近い取り組みを強化するという。

同盟諸国は、この国際情勢見直し(global posture review)の影響を特に懸念している。なぜなら、この見直しによってアメリカ軍がヨーロッパや中東から撤退し、重要な安全保障支援プログラムが削減される可能性があるからだ。

国防総省当局者とヨーロッパ各国の外交官たちは、国防総省のバルト海安全保障イニシアティヴ(ラトヴィア、リトアニア、エストニアの防衛および軍事インフラ整備を支援するため、年間数億ドルを助成している)が今年資金を失うという『フィナンシャル・タイムズ』紙の報道を確認した。

ある外交官は、このイニシアティヴの資金はアメリカ製兵器の購入に充てられ、「強力な支持を受け、主要能力の開発を加速させ、ハイマース(HIMARS)のようなアメリカ製システムの取得を可能にしてきた」と指摘した。

NATO同盟諸国は、ヨーロッパに駐留する約8万人のアメリカ軍兵士の一部が今後数年間で撤退するとの見方を強めている。しかし、各国の影響の受け方は異なり、最終的にはトランプ大統領の気まぐれに左右されることになる。

水曜日にポーランドの新大統領がホワイトハウスを訪問した際、トランプ大統領は、アメリカはポーランドから軍を撤退させるつもりはないと述べた。しかし、アフリカ大陸の他の地域では軍の削減を検討していることを認めた。

「むしろ、ポーランドに兵力を追加するつもりだ」とトランプ大統領は述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

※2025年11月に新刊発売予定です。新刊の仮タイトルは、『「新・軍産複合体」が導く米中友好の衝撃!(仮)』となっています。よろしくお願いいたします。
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『トランプの電撃作戦』
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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 第二次トランプ政権の顔ぶれでサプライズ人事となったのはピート・ヘグセスの国防長官指名だ。ヘグセスは、軍歴はあるが、これまで政府で仕事をしたことがない。2003年に名門プリンストン大学を卒業後、軍隊に入り、イラクとアフガニスタンに派遣された経験を持つ。2014年からはフォックス・ニューズの司会者として活躍していた。国防長官にはこれまで、連邦議員やアメリカ軍の最高幹部の出身者が多く起用されてきたこともあり、ヘグセスの抜擢は驚きをもって迎えられた。
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ピート・ヘグセス

ヘグセスはオバマ政権下で解禁となった、女性の戦闘行為への参加やエリート部隊(陸軍であればグリーンベレー、海軍であればネイヴィーシールズ)の参加を再び禁止することを主張している。また、軍の多様性などを進めているとして、アメリカ軍制服組の最高地位にあるCQ・ブラウン統合参謀本部議長や、他の将軍たちの解任を主張している。佐藤優先生との対談『世界覇権国交代劇の真相』の中でも触れたが、共和党側の人々は、「多様性、公平性、包摂性(diversity, equity and inclusionDEI)」(この言葉は覚えておいて損はない)「意識高い系(woke)」という言葉を使って、行き過ぎた平等や多様性の追求を批判している。ヘグセスはしがらみがない中で、アメリカ軍の「リベラル化」を阻止しようとするだろう。
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クリスティ・ノーム

 国土安全保障長官に指名されたのは、サウスダコタ州知事クリスティ・ノームだ。ノームは今回の大統領選挙で、トランプの副大統領候補として名前が挙がっていたが、自伝の中で、「しつけの出来ない」犬を殺処分したことを告白したことで、批判が集まり、副大統領候補への起用は見送られた。しかし、トランプ政権ができれば入閣するだろうと見られていた。今回、トランプ政権にとって重要政策である国境問題も担当する国土安全保障長官に起用された。ノーム自身が不法移民に対して厳しい姿勢を取ることで知られ、それから全国的な知名度を上げていった。第二次トランプ政権では、「国境専門官(border czar)」であるトム・ホーマン、政策担当大統領次席補佐官スティーヴン・ミラーと協力して、不法移民壮観に取り組むことになる。不法移民対策は治安対策や麻薬対策の一環として捉えられている。更には、対テロ対策という側面も強調されることだろう。ノームはサウスダコタ州の州議会議員や州知事を務めた経験しかなく、国政や中央政府での経験はない。

 今回、ヘグセスが国防長官、ノームが国土安全保障長官に指名されたが、両者ともに中央政府との「しがらみ」がない「アマチュア(素人)」である。組織内の人事改革や風土改革を行うための人事ということになる。かなりの抵抗も予想されることから、こうした人々がどれだけ在任できるかが注目される。
 更に言えば、ヘグセスとノームの起用は、「世界各地に展開・駐留しているアメリカ軍の一部をアメリカ国内に帰国させる。帰国したアメリカ軍部隊は国境警備と不法移民の大規模な強制送還業務に従事する」という目論見があるのではないかと考えている。トランプの「アメリカ・ファースト」「アイソレイショニズム」は国内問題解決を優先する。そして、トランプの発言で「NATO離脱」というものがある。「NATO離脱」とはヨーロッパに駐留させているアメリカ軍を転進もしくは撤退させるということだ。一部をアメリカ国内に戻し、国境警備に当たらせるというのは荒唐無稽な話ではない。ノーム知事として、サウスダコタ州兵を南部国境に送ったことがある。「アメリカ・ファースト」を敷衍すると、アメリカ軍の南部国境への展開ということは十分に考えられる。トランプ大統領はアメリカに立て籠もるという大戦力を採用しようとしている。

(貼り付けはじめ)

トランプが国防長官に指名したピート・ヘグセスについて知っておくべき5つのポイント(5 things to know about Pete Hegseth, Trump’s Pentagon nominee

アシュレイ・フィールズ筆

2024年11月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/defense/4988962-fox-news-host-nominated-defense-secretary/

ドナルド・トランプ次期大統領は、フォックス・ニューズの司会者ピート・ヘグセスを国防長官に指名する意向を表明し、常識外れの選択をした。

これは驚くべき選択で、早くも波紋を呼んでいる。それは、国防総省を率いるなら、もっと経験豊富な候補者が選ばれると多くの人が予想していたからだ。

ヘグセスは、軍における 「意識の高さ(wokeness)」に激しく反対しており、戦闘任務に女性がつくことの禁止や、統合参謀本部議長CQ・ブラウン将軍を解任することを提案している。

連邦上院で人事承認されれば、ヘグセスは1月にバイデン大統領とともに退任するロイド・オースティン国防長官の後任となる。

彼の指名について知っておくべきポイントは以下の通りだ。

(1)軍務と退役軍人擁護の記録(Record of military service and veterans’ advocacy

ヘグセスは2002年から2021年まで陸軍州兵の歩兵将校だった。陸軍州兵の記録によると、2003年にプリンストン大学を卒業後、2004年から2005年までグアンタナモ湾、2005年から2006年までイラク、2011年から2012年までアフガニスタンに派遣された。

彼の軍務に対して与えられた褒章は、ブロンズスター勲章2個、陸軍栄誉勲章2個、銅功星付き国土防衛従軍勲章、熟練歩兵および戦闘歩兵のバッジがある。

ヘグセスはまた、非営利団体「ヴェッツ・フォ・フリーダム(Vets for Freedom)」の上級部長や、退役軍人ケアの民営化を提唱する、コーク兄弟が支援する保守派退役軍人擁護団体「コンサーンド・ヴェテランズ・フォ・アメリカ(Concerned Veterans for America)」のCEOも務めた。

ヘグセスは一度も政府で仕事をしたことがない。彼は2012年にミネソタ州選出の連邦上院議員選挙に立候補したが落選し、トランプ第一次政権の退役軍人長官のポスト就任を検討された。

(2)長きにわたってフォックス・ニューズの司会者を務めてきた(Longtime Fox News personality

ヘグセスは、2014年にフォックス・ニューズの常連出演者として加わり、過去10年間の大部分で「フォックス&フレンズ」週末版の共同司会者を務めてきた。

ヘグセスはフォックス・ニューズで定期的にトランプ大統領と対談し、軍における「意識の高さ(wokeness)」や多様性(diversity)への取り組みに対して激しい怒りを表してきた。

ヘグセスはまた、フォックス・ニューズの大晦日生中継番組「パトリオット・アワード」の司会も務め、フォックスの出版社から複数の本を出している。

ヘグセスはフォックス・ニューズに入社して間もなく、放送中に斧を投げつけ、陸軍士官学校(ウェストポイント)のヘルキャッツ・フィールドバンド(マーチングバンド)のドラマーであるジェフ・プロスペリーにそれが当たって負傷させた。

プロスペリーは2015年の事件について、「お粗末な判断、明らかな過失、起こるべきでなかった、避けられたはずだ。射撃や投擲をするときは、常に的の後ろに何があるのかを知ることだ。それが基本的な安全ルールだ」と述べた。

米陸軍曹長であるプロスペリーはヘグセスを訴えたと報じられているが、彼の弁護士は今週AP通信に対し、この問題は法廷外で決着がついたと語った。

(3)戦闘任務に女性がつくことの禁止を支持(Backs banning women from combat roles

ヘグセスは、今月ポッドキャスト「ショーン・ライアン・ショー」に出演した際、女性が戦闘任務に就くことを禁止されるべきだと述べた。

ヘグセスは「私はただ率直に、女性を戦闘任務に就けるべきではないと言っている。女性を戦闘に参加させることで、より効果的になる訳でも、より強力になる訳でも、戦闘がより複雑になる訳でもない」と述べた。

ヘグセスは続けて「私たちは皆、女性と一緒に任務に就いてきたし、彼女たちは素晴らしい。ただ、人類の歴史を見て、そのようなポジションにある男性の方がより有能であるような場所で、私たちの制度がそのようなインセンティブを与える必要がないだけだ」と述べた。

ヘグセスは「男女が一緒に兵役につくということは、状況をより複雑にする。戦闘が複雑になるということは、死傷者が増えるということだ」とポッドキャストで付け加えて述べた。

オバマ政権は女性戦闘員の禁止を全面的に解除し、陸軍レンジャー部隊や海軍特殊部隊ネイヴィーシールズを含む軍隊のほぼあらゆる役割に女性が就くことを事実上認めた。

(4)統合参謀本部議長と「意識の高い」将軍たちの解任を求める(Wants to fire Joint Chiefs Chair and ‘woke’ generals

また、ショーン・ライアンとのインタヴューの中で、ヘグセスはCQ・ブラウン統合参謀本部議長や他の「意識の高い(woke)」将軍たちを「解任(fire)」する提案について概説した。

「最初に、統合参謀本部議長を解任しなければならない」と彼は述べた。

ヘグセスは、「多様性、公平性、包摂性(diversity, equity and inclusionDEI)」の取り組みについて触れ、「将軍でも提督でも、DEIの意識の高さに関与していた者は誰であれ、辞めなければならない。DEIとの戦争に参加するか、しないか、それで終わりだ。それが、私たちが気にする唯一のリトマス試験紙となる」と述べた。

ブラウンは昨年、マーク・ミリー前統合参謀本部議長の後任としてバイデン大統領によって任命された。通常であれば4年の任期がある。

トランプ大統領はブラウンを解任すると明言していないが、トランプの当選により国防総省内でその可能性についての不安が高まっている。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙が火曜日に報じたところによると、トランプの政権移行ティームは、署名されれば軍幹部の解雇を早める大統領令に取り組んでいる。

(5)トランプに対して戦争犯罪人たちの恩赦を求めてロビー活動を行った(Lobbied Trump for war crimes pardons

AP通信によると、ヘグセスは2019年に戦争犯罪で告発された複数の軍人を恩赦するようトランプに働きかけた。

フォックス・ニューズの司会者であるヘグセスは、自身の番組で恩赦を働きかけ、投獄された元軍人の親族にインタヴューした。

恩赦を受けた者の中には、アフガニスタンの爆弾製造者と疑われる人物を殺害した罪で裁判を受けることになっている元アメリカ陸軍コマンドと、3人のアフガニスタン人に発砲するよう部下に命じ、2人を殺害した罪で殺人の有罪判決を受けた元陸軍中尉が含まれている。

アメリカ自由人権協会(American Civil Liberties UnionACLU)はこの決定を声高に批判し、恩赦は「軍事司法制度を妨害するものだ」と警告した。

ACLUのスタッフ弁護士ヌール・ザファルは「トランプ大統領の介入は、被害者や生存者の生命、法の支配、軍事司法制度を無慈悲にも軽視している」と述べた。

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ドナルド・トランプは国土安全保障長官にクリスティ・ノームを指名(Trump to nominate Kristi Noem to lead Homeland Security

レベッカ・ベイッチ筆

2024年11月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/4985664-donald-trump-kristi-noem-homeland-security/

ドナルド・トランプ次期大統領は水曜日、サウスダコタ州知事クリスティ・ノーム(共和党)を国土安全保障省(Department of Homeland SecurityDHS)を率いる長官に選ぶと発表した。

この件に詳しいある関係者は火曜日の早い段階で、本誌に対してこのニューズの信ぴょう性を認めた。トランプはその日の遅くに声明の中で公式に認めた。

トランプは声明の中で次のように述べている。「クリスティは国境の安全保障について強い立場を取ってきた。彼女は“国境専門官(border czar)”であるトム・ホーマンと緊密に協力して職務を遂行し、アメリカの国土を私たちの敵たちから守り、安全にすることを確実に遂行するだろう」。

ノーム知事は以前、トランプ大統領の副大統領候補として名前が挙がっていたが、「しつけのできない(untrainable)」犬を殺してしまったという内容を自伝の中で発表したことで、その検討は頓挫した。

その代わり、ノーム知事は、テロの脅威からアメリカを守り、国境を守り、米移民法の施行を任務とする広大な政府機関を率いるよう抜擢された。トランプ大統領はまた、国土安全保障省に「アメリカ史上最大規模の国外追放作戦(largest deportation operation in American history)」を実行するよう命じた。

ノームの指名は、移民政策で強硬路線を取るというトランプ大統領の意向を示す最新の兆候であり、トランプ大統領はアメリカ史上最大の強制送還を行うとしている。

ノームが人事承認されれば、トランプが政策担当次席補佐官に抜擢したスティーヴン・ミラーと緊密に連携することになる。ミラーは、第一次トランプ政権でにおいて、最も厳しい移民政策の多くの形成に貢献した。

トランプ大統領はまた、トム・ホーマンを自身の「国境専門官」に選び、第一次トランプ政権下で早期に児童分離を提唱していた人物を再び歓迎し、トランプ政権の次期移民計画について議論する中で、最近「家族は一緒に国外追放できる(families can be deported together)」と発言した。

ノーム氏には国家安全保障分野での経験はほとんどないが、サウスダコタ州兵をアメリカ・メキシコ国境に派遣し、移民問題では声を上げてきた。

ノームはバイデン大統領が就任した直後の2021年、ソーシャル・プラットフォーム「X」に「サウスダコタ州は、バイデン政権が移転させたい不法移民を受け入れるつもりはない。不法移民へのメッセージ、それは、アメリカ人になったら電話をして欲しい、ということだ」と書いた。

彼女はまた、連邦議員在職中にトランプのイスラム教徒渡航禁止令を支持し、「テロ支配地域からの難民(refugees from terrorist-held areas)」の受け入れを一時停止することを支持した。

ノームは2017年、「難民、特にテロの温床地域からの難民を審査する能力について大統領の懸念を共有する。少なくとも政権がそれを認定するまでは、テロリスト支配地域からの難民の受け入れを一時停止することを支持する。もちろん、亡命希望者はアメリカにとって安全上の脅威ではない」と述べた。

ノームは第一次トランプ政権で、内務長官の候補者としても名前が挙がっていた。

ノームはこの時に「私はサウスダコタ州知事であることを愛しているし、トランプ大統領は、私ができる限り彼を助けることを知っている」と語った。

ノームはトランプの選挙運動に定期的に参加して登壇してきた。その中には、参加者に複数の医療緊急事態が発生したため、音楽鑑賞セッションとなったあるイヴェントも含まれている。

国土安全保障省は公共の安全にかかわる政府機関をいくつも抱えている。移民に関する任務以外にも、シークレットサーヴィス(Secret Service)、運輸保安庁(Transportation Security Agency)、米連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency)が国土安全保障省に属している。

国土安全保障省にはサイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)も属している。この政府機関は各企業がサイバー攻撃を受けること、物理的な社会資本に対する攻撃を防ぐように支援することを任務としている。

本誌はトランプ選対にコメントを求めた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 ドナルド・トランプ大統領の「アイソレーショニズム(国内問題解決優先主義、Isolationism)」「アメリカ・ファースト(America First、アメリカ国内の状況を第一に考える)」という言葉は日本で通じる言葉で言えば「アメリカ国民の生活が第一」ということになる。2016年のトランプの選挙公約は、「世界中に展開しているアメリカ軍を撤退させる」というものだった。これに人々が惹きつけられた。

 2008年のバラク・オバマ旋風も「チェンジ」「イエス・ウィ・キャン」というスローガンで隠されているが、ジョージ・W・ブッシュ政権の外交政策や国家安全保障政策、ネオコンが主導した諸政策の失敗に対する反対が根底にあった。しかし、オバマ政権第一期では、選挙で激しく戦ったはずのヒラリー・クリントンを国務長官に起用した。案の定、ヒラリーとその一派は余計なことをして中東を混乱に陥れてしまった。また、リビアではベンガジ事件が起き、ヒラリーの側近クリストファー・スティーヴンス大使が死亡することさえ起きた。ヒラリー派は「人道的介入主義派」と呼ばれ、共和党系のネオコンと親和性が高い。世界中に介入して、「世直し」をしてやろう、そうすることが世界平和への道だと宗教のよう信じ込んでいる人々だ。

 2003年のイラク戦争には、当時、民主党所属の連邦上院議員だったヒラリー・クリントンもそしてジョー・バイデンも賛成している。「好戦的な戦争屋(war monger)」の最たるものではないか。

 ジョー・バイデン政権(仮)で、国家安全保障政策や外交政策の分野で、どれだけヒラリー派の人々が登用されるのだろうかと私は心配している。「トランプ大統領が負けた、やったやった」と日本で投票権もないのに喜んでいるのは、単細胞の考えの足りない人々だ。これからどれだけの厄災が起きるのか、と常に悲観的に備えておくことが考え深い人たちのやることだ。
christophercmiller001

クリストファー・ミラー
 トランプ政権はアメリカ軍の撤退を進めようとしている。マーク・エスパー国防長官が解任され、クリストファー・ミラーが国防長官代理に任命された。ミラーは「全ての戦争は終わらせられなければならない(All wars must end)」という衝撃的な言葉を発した。好戦的なアメリカの国防長官が戦争を止めようと言ったのだ。「アメリカと一緒になって、中国と韓国をやっつけてやる」と言葉だけはお勇ましい日本国内のアホ右翼に聞かせてやりたい。彼らは「それじゃジョン・レノンと同じじゃないか!」と呆れて驚き、自分たちが上ったはしごが外されたと感じるだろうか。

 エスパー国防長官とその側近たちが更迭されているのは、トランプ大統領の意向に沿う動きをしなかったからだ。それがアメリカ軍の撤退であり、こうした人間たちは自分たちは快適なオフィスにいて、下っ端のことなど書類上の数字でしかとらえない。

 クリストファー・ミラーはジョージ・ワシントン大学時代にROTC(士官養成プログラム)を利用して、大学を卒業後に米軍に入隊している。特殊作戦部隊(グリーンベレー)に所属していたこともある。また、大学在学中には、ワシントン市内を警護する、3400名の将兵を擁するワシントン・コロンビア特別区陸軍州兵部隊(District of Columbia National Guard)の憲兵を務めていたこともある。ミラーを国防長官代理に登用したということは、トランプ大統領はワシントンを固めようとしているのだろうということが分かる。

 バイデンが勝って良かった、良かったと言っている人たちはよく考えた方が良い。あなたたちが考えているよりも事態はより深刻でかつ危険なのだ。

(貼り付けはじめ)

●「アフガン停戦協議の加速を 米長官、タリバンと会談」

2020/11/22 09:12 (JST)

©一般社団法人共同通信社

https://this.kiji.is/702996862120199265?c=39550187727945729

 【ワシントン、イスラマバード共同】ポンペオ米国務長官は21日、アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンの交渉団とカタールの首都ドーハで会談し、恒久停戦に向けアフガン政府との協議を加速させるように促した。アフガン政府交渉団にも同様の考えを伝えた。国務省が発表した。

 2月の米タリバン和平合意に基づきカタールで停戦協議が続いているが、タリバンが各地で攻撃を続けているため進展していない。

 トランプ米大統領は大統領選での敗北を認めておらず、米政権は17日にアフガン駐留米軍を現在の約4500人から来年115日までに約2500人に削減すると発表している。

(貼り付け終わり)

 

 

(貼り付けはじめ)

新しい国防長官は海外派遣の米軍の数を減らす可能性を示唆している:「全ての戦争は終わらせられねばならない」(New Defense chief signals potential troop drawdown: 'All wars must end'

セリーヌ・キャストロヌオヴォ筆

2020年11月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/defense/525967-new-defense-chief-signals-potential-troop-drawdown-all-wars-must-end

クリストファー・ミラー国防長官代理は金曜日に国防総省のスタッフに宛てたメモにおいて中東における米軍の数を削減する可能性を示唆した。メモの中でミラーは「全ての戦争は終わらせなければならない」と書いている。

ミラーは、今週になってトランプ大統領が国防長官だったマーク・エスパーをツイッターでの書き込みで解任した後を受けて、国防長官となった。ミラーはメモの中で、現在の様々な衝突が終わっていないことを認めながらも、「私たちは永続戦争を行う国民ではない」と書いている。

ミラーは、アフガニスタンでの戦争に言及しながら、次のように述べている。「私たちが将来に備える中で、2001年に我が国にアルカイーダがもたらした戦争を終わらせるための努力を続けねばならない。この戦争は終わってなどいない」。

ミラーは続けて次のように述べている。「私たちはアルカイーダと協力者たちを敗北の淵にまで追い込んでいる。しかし、私たちは、戦いを終わりにまで導くことができなかった過去の戦略的な誤りを避けねばならない。実際のところ、この戦いは長期化し、私たちの払った犠牲は多大なものとなっている。そして、多くの国民は戦争に疲弊している」。

ミラー国防長官代理は「現在の段階は、私たちが指導的な役割から支援的な役割に移行するための重要なものなのである」とも書いている。

ミラーは「私たちは永続戦争を叩か国民ではない。私たちが支持するもの、私たちの先祖が戦ったもの二大して永続戦争は反対する考えだ」と述べ、「全ての戦争は終わらせられなければならない」と続けた。

ミラーは「戦争を終わらせるためには、妥協とパートナーシップが必要となる。私たちは困難に直面した。私たちは全ての力を注ぎこんだ。そして今、私たちはアメリカに帰る時なのだ」と書いている。

トランプ大統領が今週エスパーを解任してから、アフガニスタンから米軍将兵の撤退を促進するのではないか、国防総省の幹部たちの人事を大きく変更するのではないかという疑念が大きくなっている。

2016年の大統領選挙で、トランプは「終わりのない戦争」を終わらせ、外国の争いから米軍将兵を撤退させることを公約として選挙戦を戦った。しかし、19年間も続くアフガニスタン戦争におけるアメリカ軍の存在を削減しようとする試みは困難であることが証明され続けた。

トランプ政権は今年初めにタリバンとの間に条件付きの講和条約を締結した。その内容は、タリバンがアフガニスタンにおけるアルカイーダの存在を拒否するために努力することで、アメリカは来年5月までに完全撤退をするというものだ。トランプ大統領は米軍撤退のペースに不満を募らせているという報道がなされている。

先月、トランプ大統領はツイッター上に、アフガニスタンに駐留している米軍はクリスマスまでにアメリカ本土に帰還させるべきだ、と投稿した。

今週になって国防長官代理に任命され、その直後に、ミラーはダグラス・マクレガー退役陸軍大佐を自身の上級顧問として採用した。

マクレガーは過去、頻繁にアメリカ政府は米軍を中東の争いから撤退させるように主張してきた。そうしたマクレガーを国防総省に迎えたということは、トランプ大統領が任期の終わりの時期にアメリカ軍を中東から引き上げさせる試みが行われる可能性を示唆している。

人事変更については報復だという見方も出ている。トランプ大統領に対して厳しい批判を展開している元CIA長官ジョン・ブレナンは金曜日、トランプ大統領が国防総省の人事を大幅に変更したのは「復讐」をしているのだと述べた。

ブレナンはCNNとのインタヴューの中で次のように述べた。「大統領は人々に対して個人的に忠誠を誓うように求めます。従って、マーク・エスパーを解任し、国防総省内の幹部クラスの文官たちを更迭したことは、トランプ氏の個人的な恨みを晴らす行動に過ぎないのです」。

エスパーの解任以降、国防総省の幹部たちの中から辞任を示唆する動きが出ている。国防総省の政策担当のトップであるジェイムズ・アンダーソン、国防総省の情報部門のトップであるジョセフ・カーナン、エスパーの首席補佐官ジェン・ステュワート、次席補佐官アレクシス・ロスが辞任の動きを見せている。

国防総省の元幹部職員で、現在の国防総省の幹部クラスの状況について詳しい人物は今週、マクラッチーに対して次のように語った。「今回の選挙では自分が勝利したというトランプ大統領の主張を促進するために、米軍を積極的に使用する準備のため、国防総省の幹部文官たちを解任することはトランプ大統領にとって重要なことなのです」。

ある幹部職員は国防総省の人事の更迭と招聘について次のように述べた。「これはこうした種類の決定を行うにあたり、恐らく最悪の、最も極端な理由となるでしょう」。

先週、ジョー・バイデンが大統領選挙の勝者となったと大手メディアは報じた。しかし、トランプ大統領は敗北を認めることを拒絶し、民主党による選挙を盗む試みとして、激戦諸州で不正選挙が実施されたということを繰り返し主張している。

これらの主張は選挙の専門家、地方の選挙関連職員たち、そして裁判所によって反論され、覆されている。

ミラーは金曜日、指導部の変更があっても、米軍は「極力な体制」を維持し続けると述べた。

リトアニアからの訪問団との会談の前に、国防総省でミラーは次のように発言した。「アメリカ国民と我が国の同盟諸国とパートナー諸国について、国防総省は強力な体制を維持し、アメリカの国土、アメリカ国民、世界規模での我が国の国益を保護し続けるという重要な仕事を継続するということを明確にしておきたいと思います」。

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプは2017年1月に正式に米大統領に就任しました。そして、トランプ政権が発足しました。政権発足後、2年が経過する訳ですが、様々な出来事があり、これまでの政権の中でも、中身の「濃い」政権発足後の2年間であったと思います。

 

 様々な出来事の中には人事異動も含まれています。これまでに多くの辞任、解任がありました。下にご紹介する記事は、外交政策、国家安全保障政策に関するポストの人事異動について簡潔にまとめたものです。簡潔にまとめたとは言いながら、たくさんの人たちの名前が出てきます。政権発足後2年(米大統領の任期は4年間)で人事異動が多く行われました。まずアメリカの閣僚級の仕事はそれだけタフでありまたハードで、大統領と副大統領以外は4年続けることは大変なことです。大統領と副大統領がハードではないということではありませんが、この2人は「疲れたから」「自分と家族のための時間を確保したい」などという理由で代えることはできません。

 

 この記事を読むと、そう言えばそういうこともあったなぁと思い出すことばかりです。経済関係の閣僚ではここまで大きな人事異動はないのとは対照的に、国家安全保障関係、外交関係で人事異動が目立ったのは、トランプ政権では、トランプ大統領のイニシアティヴが強く、彼についていけない、彼の考えとは合わないということで辞任するケースが多くなっているということが言えると思います。トランプ大統領の対外政策は一言で言って、アイソレーショニズム(国内問題解決優先主義)であり、アメリカの世界における役割を縮小していこうという立場ですから、国家安全保障関係、外交関係の人々は戦々恐々としているでしょう。その間に立つ閣僚級の人々のストレスもまた大変なことでしょう。

 

 これからの2年間は2020年米大統領選挙が最大のテーマとなります。トランプ大統領は再選を最大の目標として動いていくでしょう。アメリカ国内の景気を何とか持たせることが最大の施策であり、それ以外は二の次ということになるでしょう。外交で何かやるとすれば、中国とは何とか妥協して、景気がこれ以上悪化しないようにしつつ、アメリカに投資しろ、アメリカ製品(武器)を買え、と迫ることになるでしょう。高尚な国際政治や理想主義的なことなど語っていられない、ということで、こうした時期にトランプが大統領であるというのは、歴史の必然ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプの国家安全保障ティームは常に不安定さをもたらしている(Trump's national security team is constant source of turnover

 

モーガン・チャルファント筆

2018年12月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/national-security/422792-top-national-security-posts-with-turnover-under-trump

 

ジェイムズ・マティス国防長官の辞任の決断は、トランプ政権が常に不安定であることを示す最新の具体例となっている。

 

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トランプとジェイムズ・マティス

 

トランプ大統領は日曜日、マティス長官が年末に辞任すると発表した。マティスは2019年2月に辞任すると発表していたが、それよりも早くなってしまった。マティスは政権内の国家安全保障政策・外交政策の最高幹部クラスの中で最新の退任者となった。

 

数人は辞任し、数人は解任され、数人は政権内で人事異動となった。

 

2019年、トランプ大統領の国家安全保障ティームの顔ぶれは全く違うものとなるだろう。

 

これからはトランプ政権において人事異動があった国家安全保障に関連するポジションについて見ていく。

 

●国家安全保障問題担当大統領補佐官

 

トランプのホワイトハウスにおける国家安全保障と外交の諸問題についての担当補佐官にはこれまで3名が就任している。

 

陸軍の三ツ星の将軍で、トランプの大統領選挙陣営に参加していたマイケル・フリンを、トランプは2016年の選挙直後すぐに、国家安全保障問題担当補佐官に指名した。

 

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マイケル・フリン

 

フリンの任期は極めて短かった。フリンは就任して1カ月もしないうちに辞任せざるを得なくなった。フリンは、マイク・ペンス副大統領に対して、政権移行期に駐米ロシア大使との接触について誤った情報を与えたことが暴露され、辞任に追い込まれた。フリンは、駐米ロシア大使との接触についてFBIに対して有罪であると認め、ロシアの2016年米大統領選挙への介入についてのロバート・ムラー特別検察官に協力している。

 

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ロバート・ムラー

 

トランプはHR・マクマスター陸軍中将をフリンの後任に指名した。マクマスターはトランプ政権の中でより穏健な人物だと見られ、様々な問題についてトランプと衝突を繰り返したと言われていた。2015年のイランとの合意もその中に含まれていた。トランプは大統領選挙期間中、この合意について常に非難していた。

 
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 HR・マクマスター

 

マクマスターの任期も長くはなかった。2018年4月、トランプはマクマスターを解任し、ジョン・ボルトンを後任に据えた。ボルトンはジョージ・W・ブッシュ政権に参加し、中国とイランに対して強硬な考えを持つタカ派である。

 

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ジョン・ボルトン

 

FBI長官

 

トランプは2017年5月にジェイムズ・コミーFBI長官を解任する決断を下した。コミーの解任はトランプ政権において最も議論を巻き起こした出来事であった。

 

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ジェイムズ・コミー

 

コミー解任は、ロシア政府が2016年の米大統領選挙に介入するためにトランプ選対の幹部たちが協力したのかどうかについてFBIが捜査していることを、コミーが公式に認めてからわずか数か月後のことであった。

 

コミーの解任は、司法省がヒラリー・クリントン元国務長官の私的Eメールサーヴァー使用に関する捜査の指揮からコミーを外すように勧告した時点で予想がされていた。一方、後にトランプはNBCニュースとのインタヴューの中で、「ロシアに関する出来事」はコミー解任の決断の参考になったとも述べている。コミー解任についてムラー特別検察官は、トランプ大統領が司法の執行を邪魔したのかどうかについて、コミー解任の敬意を詳しく調査したと報じられている。

 

コミーは解任後、何度もトランプを批判することになった。また、連邦上院で、大統領がコミーに対してFBIによるフリンの捜査を取り止めるように要求したかどうかについて証言を行った。

 

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クリストファー・レイ

 

連邦上院は、コミーと同じくジョージ・W・ブッシュ政権に参加していたクリストファー・レイのFBI長官就任を承認した。

 

●司法長官

 

ジェフ・セッションズ前司法長官は、選挙期間中にトランプと親密な関係を築き、信頼できる側近として政権に参加した。

 

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ジェフ・セッションズ

 

しかし、アラバマ州選出の共和党所属の連邦上院議員だったセッションズとトランプとの関係は、セッションズが選挙期間中にセルゲイ・キスリャクと接触を持っていたとし、ロシアに関する捜査の指揮を行わないと発表したことで、悪化してしまった。キスリャクはその当時駐米ロシア大使を務めていた。

 

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トランプとセルゲイ・キスリャク

 

セッションズは、不法移民と犯罪集団に対する取り締まりを強化するとしたトランプの公約を実行しようと積極的に動いた。トランプは公的な場で、多くの場合はツイッター上で、セッションズを数カ月にわたり激しく非難した。2018年9月には「ヒルTV」に出演し、「自分の政権には司法長官は存在しない」とまで発言した。

 

セッションズは、中間選挙投開票日の翌日、トランプから辞任するように言われて辞任を決めた。トランプは、セッションズ司法長官の首席補佐官を務めたマシュー・ウィッテカーを臨時長官に任命した。それから、トランプ大統領は、司法長官にジョージ・HW・ブッシュ(父)政権で司法長官を務めたウィリアム・バーを指名した。ウィッテカー、バー両者ともにムラーのロシアの選挙介入に関する捜査に対して批判的な態度を取っている。

 

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ウィリアム・バー

 

●国土安全保障長官

 

退役した海兵隊将軍であるジョン・ケリーは、トランプ政権に最初国土安全保障長官として入閣した。ケリーの働きはすぐにトランプから尊敬され、関心を持たれることになった。そして、2017年夏に大統領首席補佐官に異動することになった。

 

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ジョン・ケリー

 

トランプはラインス・プリーバスに代わってケリーを大統領首席補佐官に就けるという決断を行った。これはトランプ大統領の日常的な行動の具体例を示している。それは、既に政権内で高位の職にある人物を空いたポジションに就けるというものだ。

 

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ラインス・プリーバス

 

こうした行動の結果として、旅行禁止や国境警備の手法といったトランプ大統領の議論を巻き起こす政策を実行するにあたり中心的な役割を果たす省庁のトップがしばらく空位になってしまった。

 

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キリステン・ニールセン

 

トランプは最終的にキリステン・ニールセンを後任に選んだ。ニールセンはジョン・ケリーの次席を務め、またジョージ・W・ブッシュ政権にも参加していた。しかし、2018年秋になりすぐに、トランプは11月の中間選挙後にニールセンを更迭する意向だという報道が数多く出るようになった。

 

●国務長官

 

トランプは、エクソンモービル社CEOであり、自身が選んだ最初の国務長官だったレックス・ティラーソンとたびたび衝突したことは既に知られている。イラン問題からパリ気候変動合意まで多くの点で衝突した。ティラーソンは昨年、国防総省で開催されたある会議の席上でトランプのことを「愚か者」と呼んだと報じられた。

 

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レックス・ティラーソン

 

今年3月にトランプがツイッターを通じてティラーソンを解任したことに誰も驚かなかった。トランプはツイッター上でイランとの核開発を巡る合意の放棄について両者の意見が合わなかったと述べた。

 

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マイク・ポンぺオ

 

トランプはすぐにCIA長官だったマイク・ポンぺオを次の国務長官に指名した。外交政策についてタカ派的な考えを持つ元カンザス州選出連邦下院議員だったポンぺオを政権の中でより人の目に晒される地位に就けた。ポンぺオは、北朝鮮の核兵器開発プログラムの停止に関して、北朝鮮を交渉のテーブルに引き出す試みにおいて推進役を担った。

 

CIA長官

 

ポンぺオの国務長官就任によって、CIA初の女性長官が就任する道が開かれた。ジナ・ハスペルは長くCIAに勤務したヴェテランで、トランプによってCIA長官に指名され、2018年5月に連邦上院において54対45で人事を承認され、CIAを率いることになった。

 

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ジナ・ハスペル

 

ハスペルの就任承認は平穏にはいかなかった。911当時多発テロ事件以降のテロ容疑者たちに対する尋問には批判も出ており、こうした尋問についてのハスペルの関与について様々な角度からの調査が行われた。

 

ハスペルは歴代のCIA長官と同じく、就任以降、目立たないようにしていた。しかし、アメリカを拠点にして活動していたジャーナリストのジャマル・カショギがイスタンブールのサウジアラビア領事館で殺害された事件についてCIAが情報を掴んでいたことがマスコミで報じられたことで、ハスペルはスポットライトの当たる場所に再び引きずり出されることになった。

 

●米国連大使

 

2018年10月、ニッキー・ヘイリーは2018年いっぱいで米国連大使を辞任すると突然発表を行った。

 

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ニッキー・ヘイリー

 

サウルカロライナ州知事を務めたヘイリーは、トランプ政権発足後からすぐに、政権の外交政策における重要な人物となった。そして、国際問題についてのトランプの行動を支持してきた。早い段階でヘイリーはトランプからの尊敬を勝ち取り、トランプとの間で合意ができない場合でも、独立した姿勢を貫き続けた。

 

ヘイリーの辞任の発表は、共和党所属の連邦議員たちと保守派の人々の間に失望をもたらした。

 

ヘイリーは2020年の米大統領選挙に出馬しトランプに挑戦するために大使を辞任するのではないかという憶測を否定し、公的な仕事から退いて「休息を取りたい」と述べた。

 

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ヘザー・ナウアート

 

トランプは、フォックス・ニュースのキャスターを務め、国務省報道官を務めているヘザー・ナウアートをヘイリーに後任に指名した。しかし、国連大使の地位を閣僚レヴェルから引き下げることをトランプは計画している。

 

●国防長官

 

先週、マティスはワシントンに衝撃を与えた。マティスは2019年2月に辞任すると発表した。その中で、彼はトランプ大統領と政策面で合意が出来なかったことを示唆した。辞任の決断は、トランプ大統領がシリアから米軍を撤退させると発表してから数日後に行われた。トランプ大統領の米軍撤退の発表は幅広い層から批判を受けた。

 

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ジェイムズ・マティス

 

多くの人々は、マティスこそは、無秩序に陥りつつある政権を安定させる存在であり、第二次世界大戦後のアメリカの同盟関係を守る人物であると考えた。民主、共和両党はマティス辞任のニュースを受けて狼狽した。これ以降、トランプと連邦議員で彼を擁護してきた人々との間で亀裂が生じることになった。

 

連邦上院院内多数派総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は木曜日、「アメリカの世界における指導力に関するいくつかの重要な点」について大統領と合意できない点があったのでマティスは辞任するということを知り、「酷く動揺」したと述べた。

 

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ミッチ・マコーネル

 

トランプは外部からの批判と、トランプとマティスとの間の相違を明らかにしたマティスの辞任についての書簡に苛立ったと報じられている。そして、日曜日に、マティスは2018年の年末までに辞任すると発表した。

 

トランプはツイッターを通じて、マティスは、アメリカが、アメリカの納税者の犠牲の上に、「多くの」富裕な国々の軍隊に対して「実質的に補助金を支給し続けている」ことを認識していないと述べた。トランプは更に、マティスを二カ月も早く追い出して、臨時の国防長官にパトリック・シャナハン国防副長官を任命した。

 

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パトリック・シャナハン

 

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 古村治彦です。

 

 2018年12月20日、ジェイムズ・マティス国防長官の辞任が前倒しとなり、在任は年内いっぱいまでとなりました。マティス長官の辞任は、ドナルド・トランプ大統領のシリア政策、具体的には米軍の撤退に反対したことが原因でした。トランプ大統領は正式の後任を置く前に、代行として、パトリック・シャナハン(1962年―)国防副長官を指名しました。このシャナハンもマティスの後任の有力候補として名前が挙がっています。

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パトリック・シャナハンとトランプ
 

シャナハンは1986年にボーイング社に入社し、最後は供給担当の上級副社長を務めました。政府での経験はないというところが不安を持たれているようですが、シャナハンはトランプ大統領が提唱した宇宙軍創設を推進しており、大統領からの信頼も厚いようです。彼自身もコンピューター技術者出身ということもあり、技術に関しては有能ということになるでしょう。

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トム・コットンとトランプ

 その他にケリー・アヨッテ、トム・コットン、デイヴィッド・マコーミック、ジム・タレントといった名前が挙がっています。アヨッテ、タレントは連邦上院議員の経験者、コットンは現役の連邦上院議員です。それぞれ軍事委員会に所属し、軍事知識が豊富なようです。トム・コットンはハーヴァード大学卒業後、法科大学院に進学し、弁護士資格を取得しました。その後、アメリカ陸軍に入隊し、幹部候補生学校に入学し、士官(最終階級は大尉)としてイラクとアフガニスタンに派遣されました。その後、ネオコンのウィリアム・クリストルに見出されました。そして、2014年の連邦上院議員選挙に当選しました。ネオコン派の議員として、タカ派的言動で知られています。

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デイヴィッド・マコーミックとトランプ
 

 デイヴィッド・マコーミックはヘッジファンドのブリッジウォーター社のCEOですが、ジョージ・W・ブッシュ政権で財務次官を務めた経験を持っています。また、イヴァンカ・トランプ、ジャレッド・クシュナーと個人的に親しい関係にあるようです。

 
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ジム・タレント

 下に掲載した記事が書かれた頃にはシャナハンの代行はまだ発表される前でした。シャナハンが代行に任命されたことで、シャナハンがマティスの後任になる可能性が高まったように考えられます。アヨッテ、コットンといった人たちはトランプ大統領のシリアとアフガニスタンの米軍の縮小に反対を表明しています。主要な政策に反対する人を入れるのかどうかは分かりません。それぞれに一長一短があるので、誰と決め打ちすることは難しいですが、もしこの中から誰かが選ばれた場合に、トランプ大統領の思考法を理解するための手助けになると思われます。

 

(貼り付けはじめ)

 

マティスの後任の有力候補者5名(Five possible successors to Mattis

 

エレン・ミッチェル、レベッカ・キール筆

2018年12月23日

『ザ・ヒル』誌

 https://thehill.com/policy/defense/422560-five-possible-successors-to-mattis

 

トランプ大統領はジェイムズ・マティス国防長官の今週の辞任を受けて公認を決めるのに苦労するかもしれない。

 

マティスは木曜日(20日)に辞任した。最高司令官(大統領)との間で政策をめぐる大きな相違があったことを理由に挙げている。マティスは民主、共和両党から幅広い支持を受け、アメリカの同盟諸国から尊敬を集めていた。マティスの存在のおかげで発足してから2年間、無秩序な政権が何とかやっていくことが出来たが、現在、政権人事のこれまでにない大幅な異動が展開されている。

 

トランプ大統領は2月末までに退役した4つ星の将軍マティスの後任を決めることとなるが、有力候補者として数名の名前が挙がっている。

 

しかし、名前が挙がっている有力候補者たちで大統領と一対一であった人はほぼいない。また、連邦上院において大差で承認を得られるであろう人もほぼいない。現段階での名前が挙がっているのはトランプ大統領以外の人物の推測に基づいた人々である。

 

トランプ大統領によるシリアからのアメリカ軍の撤退という決定とアフガニスタン駐留の米軍の半減を考慮していることについて、連邦上院軍事委員長ジェイムズ・インホフェは次のように語った。「大統領は自分の考えを進んで実行してくれる人物を選ばなければならない。これは難しいと思う。多くの人間はシリアからの撤退決定、アフガニスタン駐留米軍の半減について憤慨していると思う」。

 

マティスの後任の候補者5名を紹介する。

 

●ケリー・アヨッテ(Kelly Ayotte)前連邦上院議員(ニューハンプシャー州選出、共和党)

 

政権に近い匿名の人々はアヨッテがマティスの後継者となると語っている。彼女は、マティスが国防長官に指名される前に、国防長官に指名されると考えられていた。

 

ニューハンプシャー州選出の前連邦上院議員アヨッテは国防に関して豊富なバックグラウンドを持っている。アヨッテは連邦上院議員時代に連邦上院軍事委員会即応小委員会の委員長を務めた。

 

2016年の選挙で彼女は敗れてしまった。2015年のイランとの核開発を巡る合意に関しては激しく反対する共和党議員の一人であった。彼女はイランと北朝鮮に対する経済制裁を強化することを主張した。

 

上院議員退任後すぐに、アヨッテはトランプが大統領になって初めて連邦最高裁判所判事に指名したニール・ゴーサッチのための連邦議会におけるシェルパ、先導役を務めた。アヨッテの名前は、2017年5月にトランプがジェイムズ・コミーFBI長官を解任した際を含む、複数の機会で取り沙汰された。

 

しかし、アヨッテの持つ考えの中にはトランプ大統領の考えと齟齬をきたすものがあるようだ。その中には中東からの米軍撤退に関する考えも含まれている。

 

アヨッテは2011年にオバマ前大統領がイラクから米軍を撤退させたことを激しく批判した。このことは、彼女が、トランプ大統領が望むシリアからの米軍撤退について同様に批判するのではないかということを示している。

 

連邦上院議員在任中、アヨッテは「スリー・アミーゴス」の一員として知られていた。他の二人はトランプを多くの場面で批判した故ジョン・マケイン前連邦上院議員(アリゾナ州選出、共和党)と、ここ数日シリアとアフガニスタンについてトランプ大統領と激しい応酬を展開しているが、基本的には大統領の味方であるリンゼー・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)である。

 

●トム・コットン(Tom Cotton)連邦上院議員(アーカンソー州選出、共和党)

 

ここ数カ月、連邦上院軍事委員会と情報委員会の委員を務めている、トム・コットン連邦上院議員が国防長官、もしくはCIA長官に指名されるのではないかという憶測が流れている。

 

コットンは金曜日に国防長官就任の可能性について質問しようと集まってきた記者たちに何も答えなかった。

 

コットンは陸軍士官としてイラクとアフガニスタンに従軍した経験を持つ。コットンは連邦上院の中で国防タカ派として名前を知られている。また、トランプ大統領による対イラク政策の変更を支持している。

 

現在41歳のコットンが国防長官になると、現代においては最年少の国防長官の一人ということになる。

 

コットンはいくつかの間違いを犯している。2017年2月にマイケル・フリンが国家安全保障問題担当大統領補佐官を辞職した後に、トランプ大統領にH・R・マクマスターを後任に推薦したと報じられている。

 

マクマスターの名前は、コットンによる推薦があるまで、トランプ大統領のレーダーには引っかかっていなかったと言われている。マクマスターはトランプと衝突を繰り返し、トランプの対ロシア、対イラン、対北朝鮮政策に反対し続け、2018年3月に解任された。

 

コットンは、トランプがシリアとアフガニスタンにおける米軍の規模を縮小すると発表したことに対して、激しい批判を行った。これらの問題はマティスの辞任を誘発した。

 

ロビー活動会社「ナヴィゲイター・グローバル」社長アンディ・カイザーは、トランプの政権移行ティームの国家安全保障部門に参加していた。カイザーは、コットンのシリアに対する姿勢が彼の国防長官に就任するチャンスにどのように影響するかどうかははっきりしない、と述べた。

 

カイザーは次のように述べている。「誰が国防長官になるかを推測するのは難しい。ニッキー・ヘイリーはトランプ大統領に批判的であった。それでもヘイリーは米国連大使に指名された。どのコメントが重要でどれが重要でないかを判断するのは難しい。公平に述べて、トム・コットンはトランプ政権に対して好意的であり、トランプ政権が発足してから帰還のうち99%の時期は政権を評価してきたと私は思う。従って、彼にも大いに可能性があると考えている」。

 

しかし、問題を複雑にしているのは、コットンが安泰な連邦上院議員の座を捨てて、国防長官になるかどうかということ、そして、トランプ大統領が、共和党が過半数を占めている連邦上院から議員を引き抜くかどうかということである。

 

●元財務省上級職員のデイヴィッド・マコーミック(David McCormick

 

今年9月、『ワシントン・ポスト』紙はマコーミックがマティスの後任になる可能性があると報じた。この時期、中間選挙(11月6日)後にマティスの辞任があるのではないかという話が出始めていた。

 

マコーミックは陸軍士官学校を卒業後、陸軍士官として湾岸戦争に従軍した。ジョージ・W・ブッシュ(子)政権で、国際問題担当財務次官を務めた。それ以前には産業・安全保障担当商務次官と国家安全保障問題担当次席大統領補佐官(国際経済政策担当)を務めた。

 

マコーミックは現在、世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーターの共同CEOを務めている。また、トランプ政権の酷寒安全保障問題担当次席大統領補佐官を務めたディナ・パウエルと婚約している。

 

マコーミックは大統領の娘と義理の息子であり、ホワイトハウスの上級顧問を務めるイヴァンカ・トランプとジャレッド・クシュナーとは社交グループを通じて個人的に大変に親しい関係にある。

 

2017年、マコーミックは国防副長官就任の申し入れを拒否した、その理由としてブリッジウォーターでの仕事に満足していること、国防副長官の仕事に自分は適していないことを挙げた、と報じられたことがある。

 

●パトリック・シャナハン(Patrick Shanahan)国防副長官

 

トランプ大統領はマティスの後任を見つけることが出来ない場合、国防副長官の中から選ぶこともある。その場合、ボーイング社の重役であったパトリック・シャナハンは有利な立場にある。

 

国防総省内で2番目の高位の文官は、企業の役員を務めた背景を持つ。1986年にボーイング社に入社し、2017年に国防副長官の指名を受けるまで、ボーイング社の供給チェーン担当上級副社長を務めていた。

 

更に言えば、シャナハンは、実際の戦争と戦闘に関してのアドヴァイスではなく、ビジネスと行政における経験に基づいて、国防総省の改革を主導する役割を担っている。

 

シャナハンは、宇宙軍新設というトランプの計画を支持しているだけでなく、実際に国防総省内で宇宙軍新設計画を推進している。そのために、ホワイトハウスを頻繁に訪問し、トランプ大統領とマイク・ペンス副大統領と会談を持っている。

 

シャナハンがマティスと緊密な関係にあるのかどうかは知られていない。

 

●ジム・タレント(Jim Talent)元連邦上院議員(ミズーリ州選出、共和党)

 

2016年の米大統領選挙直後、トランプの政権移行ティームは国防総省トップにタレントを就けようとした。ミズーリ州選出の連邦上院議員だったタレントは、連邦上院軍事委員会印を務めた経験を持ち、今でも連邦議員たちと太いパイプを持っている。また、ニューヨークでトランプと会談を持った。2015年と2016年、トランプを批判した多くの共和党の政治家たちと異なり、選挙期間中、タレントはトランプを批判しなかった。

 

国防長官決定の過程の中で、タレントを強力に推したのはその当時の大統領首席補佐官レインス・プリーバスであった。しかし、プリーバスは2017年7月にホワイトハウスを去った。今回、タレントは大統領に対して影響を与えることが出来る大物支持者を得ているのかどうかははっきりしていない。

 

タレントは現在、米中経済・安全保障問題検討委員会の委員を務めている。タレントを2019年末までの2年の任期の委員に任命したのは、連邦上院多数党院内総務ミッチ・マコーネル(ケンタッキー州選出、共和党)であった。

 

トランプの政権以降ティームに参加したヘリテージ財産の国防政策担当アナリストであるジェイムズ・カラファノは誰がマティスの後任にふさわしいかと質問され、タレントとジョン・カイル連邦上院議員(アリゾナ州選出、共和党)の名前を挙げた。

 

カラファノは次のように述べている。「ジョン・カイルやジム・タレントのような人物は経験豊富、尊敬を集める連邦上院議員とその経験者で、国家安全保障問題に精通している。連邦議会の中で人々の尊敬を集めている。そのような人々は素晴らしく、国防長官に適格だろう」。

 

2012年の米大統領選挙で共和党候補者となったミット・ロムニーは、タレントを国防長官にすると明言していた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回はアメリカのレックス・ティラーソン国務長官(日本で言えば外務大臣に相当)の発言についての記事をご紹介します。

 

 ティラーソン国務長官がワシントンにあるシンクタンクで講演を行い、「北朝鮮とは最初の爆弾が落ちる直前まで外交交渉を続ける」と発言しました。

 

米朝のどちらが「先に爆弾を落とすのか」ということが問題になります。ティラーソンの発言の文脈では、どちらとも言えないですが、「アメリカはあくまで外交努力を続ける、先制攻撃をするにしても外交上の全ての努力が効果を挙げないということが分かった時だ」というのがティラーソンの言いたいことのようです。

 

 ティラーソン国務長官の行っているのは、リアリズムに基づいた外交です。リアリズムとは、自国の国益を第一に考え、理想に走らず、与えられた状況下で最大の成果を得る(目的を達成する)という考えです。

 

 しかし、ティラーソン国務長官は外交がうまくいかなければ、次はジェイムズ・マティス国防長官の出番となり、「マティス長官は自分の出番となれば、自分の仕事をうまくやり、成功を収めると確信している」ともティラーソン国務長官は発言しました。これは、軍事的な方法を放棄してはいないということを示唆しています。

 

 ドナルド・トランプ大統領はアイソレーショニズム(国内問題優先主義)を掲げて当選しましたので、外交は外国にあまり関わらないということを基本線にしています。従って、ティラーソン国務長官の外交姿勢が基本線ですが、同時に、北朝鮮に対しては強硬な姿勢も保っています。硬軟両路線いずれも選べるということは、相手を迷わせる、疑心暗鬼にさせるのに適したやり方です。

 

 しばらくはティラーソン国務長官に外交努力を続けてもらい、もうどうしようもないとなったら、北朝鮮に対して強硬路線ということになるでしょう。強硬路線と言ってもかなりアメリカにとってかなり自己限定した内容になると思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

ティラーソンは北朝鮮との交渉の扉を開いている(Tillerson Open To Talks With North Korea

―ティラーソン国務長官は「最初の爆弾が落ちる直前まで」交渉を行うだろうと述べた。核兵器をめぐる対決の脅威を減らそうと外交努力をさらに高めると示唆した。

 

ロビー・グラマー筆

2017年12月12日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2017/12/12/tillerson-open-to-talks-with-north-korea-asia-state-department-china-pyongyang-nuclear-weapons-program-nonproliferation-diplomacy-pressure-campaign/

 

レックス・ティラーソン国務長官は北朝鮮との交渉に向けてドアを大きく開けた。今週火曜日、北朝鮮政府から準備が整ったというシグナルが送られたらすぐに無条件で交渉を行うと述べた。

 

火曜日、ワシントンにあるシンクタンクであるアトランティック・カウンシルでのイヴェントでティラーソンは「私たちは無条件で初めての会談を行う準備が整っている」と語った。ティラーソンは続けて次のように語った。「まずは会ってみよう。もし相手が望むなら天気の話だってできる。もしこれが楽しいというなら、交渉のテーブルの形を四角にするか丸にするかだって話せる。少なくとも交渉の席に座り、お互いの顔を見てみることができる」。

 

ティラーソンはこのイヴェントの後に交渉を申し出る条件を提示した。ティラーソンは、北朝鮮に対してミサイル発射テストを凍結するように求めた。ティラーソンの一連の発言は、トランプ政権から北朝鮮政府に対しての現在における外交交渉開始の明確な提案である。ティラーソンは、ドナルド・トランプ大統領は北朝鮮政府と間で対話を行う必要性について認識しており、「とても現実的」であると述べた。トランプ大統領は彼の発言とツイッター上の書き込みで戦争の恐怖を高めているように見られている。

 

ティラーソンは「私は最初の爆弾が落とされる直前まで外交努力を続けるだろう。しかし、交渉が打ち切りとなってマティス国防長官は彼の出番となったら物事をうまく進めて成功させるだろうという確信を持っている」と述べた。ティラーソンは交渉が行き詰まったら、軍事的に解決するという計画があることを示唆しつつ発言を行った。今年2月から北朝鮮は16回の試験で23発のミサイルを発射した。結果として朝鮮半島における戦争の危険性が高まった。最新のミサイル発射テストは11月29日に行われた。この時の実験ではミサイルの新しい機能が示された、このミサイルはワシントンを攻撃するのに十分な高度と距離を飛ぶことが出来ることを示した。

 

北朝鮮は核兵器とミサイル開発を大きく進めている。ティラーソンは何カ月もかけて北朝鮮の首にかけた経済的、外交的に、北朝鮮の首にかけられた処刑ロープを少しずつ締めながら、北朝鮮を交渉のテーブルに座らせようとしている。ティラーソンのやっていることは、外交政策についてのトランプ政権の複雑な姿勢の中で、明確な試みとなっているが、トランプの外交に対する否定的な姿勢が続く中で、これは効果が削減されてもいる状況だ。

 

北朝鮮に圧力をかける動きの中で勝利が得られている。イタリア、スペイン、メキシコ、ペルー、クウェートは北朝鮮の大使を国外退去とした。北朝鮮からの労働者を出国処分とし、北朝鮮との間の限定的な交易関係を断つ国々も出ている。労働力輸出と貿易は金正恩政権にとっての主要な収入源だと見られている。

 

ティラーソンは「金政権は大使が送り帰されたことで、こうした状況に気づいている、ということを私たちはつかんでいる」と語った。

 

専門家たちは、こうした小さな勝利の積み重ねは遅々として進まない厳しい試みであっても、やがて大きな勝利をもたらすことが出来ると述べている。センター・フォ・ニュー・アメリカン・セキュリティーのパット・クローニンは次のように語っている。「これは重要な責務である。法的、外交的な障害は多く存在している。しかし、ティラーソン国務長官の下で確実に事態は前に進んでいると私は考えている」。

 

外交的な下準備を進めているが、ティラーソンの前には厳しい仕事が待っている。クローニンは、「外交によって、危機を完全に取り去ることはできず、一時的な妥協しか成立しないかもしれない」と発言している。しかし、戦争を避けるために外交はあくまで進める価値がある。北朝鮮に対して、ほぼ条件をつけずに交渉を開始しようとしたのは今回の政権が初めてという訳ではない。2001年にコリン・パウエルが国務長官だった時に交渉を行おうとした。

 

対決的な状況に対する切り札は中国だ。中国はアメリカやアメリカの同盟諸国から、北朝鮮に対する姿勢を変えるように常に圧力を受けながらも、北朝鮮の金政権にとっての経済的、外交的な頼みの綱を与えている。中国は隣国である北朝鮮の体制が突然崩壊して、難民が押し寄せることを危惧している。

 

今年になって、中国は北朝鮮政府に対してより圧力をかける方向に進んでいる兆候を見せている。中国は繊維、石炭、石油、燃料などの北朝鮮向け輸出を削減し、北朝鮮の労働力輸出を厳しく取り締まるようになった。ティラーソンは、ティラーソンとトランプは次の段階として北朝鮮向けの石油輸出の更なる削減を中国に求めている、と語った。

 

クローニンは次のように語った。「中国はできることをやっているが、それがどれほどの効果があり、そもそも十分なのかははっきりしないというのは事実である。しかし、中国がこれまでにないほど熱心に取り組んでいるのは確かだ」。

 

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