古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:大統領選挙

 古村治彦です。

 アメリカ国内の分断は深刻さを増している。第二次ドナルド・トランプ政権の大統領次席補佐官スティーヴン・ミラーが主導する、移民・関税執行局(ICE)の捜査員たちによる不法移民摘発で死者が出る事態となり、いくつかの地元の市や州が反発を強めている。既にご紹介したように、ミネソタ州ではティム・ウォルツ知事が州兵への出動準備のための「警告命令」を発令した。

 アメリカ国内は物価高(インフレ)による生活苦もあり、不満が溜まっている。その不満が外国や外国人(有色人種)に向かっている。アメリカ国内の分断は進み、アメリカは暴力が蔓延し、内戦状態になる可能性がある。

 2028年には大統領選挙が実施される。2027年には大統領選挙の選挙戦がスタートする。まずは民主、共和両党の大統領選挙候補者として指名を受けるための戦いが始まる。民主党では既に数名の政治家、主に各州の知事たちの名前が挙がっている。

 共和党側では、JD・ヴァンス副大統領、マルコ・ルビオ国務長官の名前が挙がっているが、トランプ大統領の三選を求める声が上がっている。アメリカ合衆国憲法では、同じ人物は大統領を2期8年までしか務められない。フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領は三選、更には四選を果たしたが、世界恐慌や第二次世界大戦という特殊な事情があり、当時は憲法に明文化されておらず(初代ジョージ・ワシントンが三選を拒否したことで慣習とされていた)、戦後になって憲法修正第22条に明記されることになった。現在では三選は違憲ということになる。それでもトランプは時に、三選を目指すような発言をしている。また、2028年に、共和党の大統領候補の副大統領候補となり、実質的に院政を行う(ジョージ・W・ブッシュ[バカ息子]大統領時代のディック・チェイニーのように)ということも取り沙汰されている。

 トランプはその時には80歳を超えて、アメリカ男性の平均寿命73歳を大きく超えることになる。また、最近になって衰えを見せる場面もあり、三選を目指すということはないと私は予想している。また、健保違反の三選を目指すということになれば、アメリカはこれまで以上に不安定な状況に追い込まれる。それよりは、自分の息のかかった人物を大統領候補にする方がより良い選択ということになる。しかし、トランプは融通無碍である。何をしてくるか分からない。そのように思わせることで、敵対勢力を翻弄するということもできる。今年の中間選挙の結果と合わせて注目していきたい。

(貼り付けはじめ)

「トランプ2028」は冗談ではない(‘Trump 2028’ Is No Joke

-ドナルド・トランプ米大統領は中国の独裁政権の戦略をより深く参考にしている。

ハワード・フレンチ筆

2025年10月8日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/10/08/trump-2028-china-xi-jinping-military/

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ミネアポリスのミネソタ大学で開催された「アメリカン・カムバック・ツアー」の会場で、列に並ぶ、「トランプ2028」のキャップをかぶった男性(2025年9月22日)

習近平国家主席は、統治開始当初から、軍幹部の粛清を常態化させてきた。不透明な法的手続きで汚職を理由にして、彼らの公然たる失脚、中国共産党からの追放、投獄を主導してきた。ほぼ全ての事例において、習近平と彼に忠実なプロパガンダ機関は、中国軍に対する政治的統制の強化に奔走してきた。

現代の中国研究者たちにとって最も重要な課題の1つは、なぜ習近平がこれほどまでに権力を掌握し、特に軍の服従(obeisance from the military)を確保することに固執するのかを見極めることである。その動機として最もよく挙げられるのは、習近平自身が常々主張している点、すなわち台湾の将来をめぐるいかなる戦いにも備え、最終的に勝利を収める必要があるという点である。

しかしながら、これが習近平の揺るぎない目的意識の全てを説明できるとは考えにくい。私には、習近平の動機は、少なくとも同程度には、自身の支配を永続させたいという願望によって支えられているように思える。それは、自身の権威に対するいかなる疑問も徹底的に排除することにかかっている。習近平の考えでは、毛沢東の言葉を借りれば、銃の絶対的な支配権を維持すること(maintaining absolute control of the gun)が、このための最低限の前提条件のようだ。中国の指導者は既に、中国の政治的継承を5年任期2期で規定していたルールブックを破棄し、2028年に党指導部による「再選(reelection)」という形式的な手続きを経れば、事実上、4期目の任期に突入する勢いだ。

過去のコラムで、ドナルド・トランプ米大統領の2期目の任期が、強圧的な権威主義と高度に個人化された統治(musclebound authoritarianism and highly personalized rule)を特徴とする中国のエリート政治の手法を借用しているように見える点について書いてきた。その最も明確な兆候の1つは、文化大革命の毛沢東のように、指導者に忠実な政治屋(political hacks)による行政を優先し、政府機関が空洞化していることである。

しかし、ここ数日、トランプ大統領が中国からさらに悲惨な教訓を引き出していることが明らかになっている。それは、国家安全保障機構に対して、そして国家安全保障機構を通して政治権力を行使することに執着する習近平国家主席の姿勢を如実に反映していると言えるだろう。これは、先週クアンティコで行われた、トランプ大統領とピート・ヘグゼス国防長官による、アメリカ軍最高幹部を集めた異例の大規模会合での演説、そして複数のアメリカ国内の都市に州兵、アメリカ移民関税執行局(U.S. Immigration and Customs EnforcementICE)などの連邦機関の職員を派遣したことからも明らかだ。

今日、アメリカ国民、そして世界は、トランプ大統領が中国の指導者と同様に権力の座を永続させるという目標を共有するという事態に備えなければならない。トランプ大統領は最近、民主党のチャック・シューマー連邦上院議員やハキーム・ジェフリーズ連邦下院議員を含む連邦議会指導者たちと会談した際、「トランプ2028」というスローガンが書かれた帽子を目立つように並べたテーブルに出席した。

トランプの公の場での発言や、最も熱烈な支持者たちの言辞に繰り返し登場するトランプの3期目就任に関する発言は、しばらくの間、広く冗談として片付けられていた。しかし、もし傍観者がかつてそのような話をこのように片付けることができたとしたら、それはもう過去の話だ。

クワンティコで行われたトランプとヘグセスの会合に関する多くの論評は、国防長官が兵士の体力強化を過度に重視していること、そしてジェンダーや多様性の問題よりも政治的正しさを重視する右翼的なアジェンダに重点を置いていることに集中している。一部の保守系メディアでさえ、ヘグセスの舞台上での威圧的なパフォーマンスを恥ずべきものと評した。しかし、この日最も重大な瞬間だったのは、トランプが「内部からの敵(enemy from within)」と呼ぶ敵と戦うためにアメリカ軍が果たすべき役割があると主張したことだ。

1878年のポッセ・コミタトゥス法(国内法執行におけるアメリカ軍の利用を禁じる)といった長年の伝統や法律を無視し、トランプ大統領は、軍に対し、国内の都市を軍事作戦のための訓練場として利用するよう求めた。

しかし、これは訓練というよりも、習近平国家主席流の、自身の政治的アジェンダの実現と忠誠心確保のための軍の再編に執着するトランプ大統領の姿勢と関係があるようだ。トランプ政権下でのアメリカの権威主義化への兆候は今に始まったことではないが、トランプ大統領の危険な発言と国内秩序の軍事化を指示する最近の行動は、ここ数世代におけるアメリカの民主政治体制に対する最も重大な挑戦の1つである。

今週のテレビインタヴューで、イリノイ州のJB・プリツカー知事は、アメリカの都市における軍人の継続的な展開は、国内秩序における軍の活用を常態化すること(to normalize)を目的としていると警告した。「来年、彼らは最終的にこれらの人々を投票所に派遣し、投票を守っていると主張するのではないかと懸念している」と彼は述べた。さらに、共和党が2026年の中間選挙で連邦議会の支配権(過半数)を失った場合、トランプは「2020年に行う可能性があると発言したこと、つまり軍隊を使って投票箱を押収し、不正があったと主張して票を集計することを実行するかもしれない」と付け加えた。

ここ数週間、トランプ大統領は数々の行動を次々と起こしており、権力への渇望(thirst for power)、牽制と均衡への焦燥(impatience with checks and balances)、そして真実軽視に対する懸念(disregard for the truth)が高まっている。

連邦裁判所の差し止め命令にもかかわらず、都市中心部の軍事統制を主張する最近の試みを推し進めるだけでなく、トランプ大統領と支持者たちは、緩やかに組織化され、一見すると一時的な反ファシスト・アナーキストの運動であるアンティファの亡霊を盾に、彼の政策に抗議する人々に対する暴力的な戦術の使用を正当化している。

法執行機関の連邦化は、不法移民の疑いのある人々や、適正手続きと人道的待遇を受ける権利を主張するあらゆる人々をも標的にしている。こうした戦術は最近、シカゴで極限まで押し進められ、貧困地域の人々がアパートから追い出されたり、路上で一斉検挙されたりしている。不法入国の疑いで、多くの場合、肌の色、言語、収入水準だけが理由となっているようだ。

一方、トランプ大統領は、反対派への憎悪を公然と表明する一方で、連邦予算を武器として利用し、伝統的に民主党を支持してきた州を罰し、大切なインフラ工事やその他のプロジェクトを凍結または中止している。

これほど多くの警告サインが点滅しているにもかかわらず、トランプ政権が、本来、そして伝統的に政治的に中立な立場にあるアメリカ軍を自らの目的のために利用しようとする最近の動きは、依然として最も危険なプロジェクトである。

習近平主席は、人民解放軍高官の度重なる粛清において、汚職を利用して排除したい人物を排除し、自身に個人的な恩義のある将軍たちのために道を作ってきた。これまでのところ、トランプは中国の習近平主席よりも曖昧で慎重な姿勢をとっており、最近排除された軍将官たちの失態とされる詳細についてはほとんど明らかにしていない。習近平の場合、軍高官の粛清のほぼ全てにおいて、その内容がいかに不透明で形式的なものであろうと、裁判が行われている。

国防長官としてヘグゼスは、元統合参謀本部議長のチャールズ・ブラウン・ジュニア将軍の場合は黒人であるという理由で、沿岸警備隊司令官のリンダ・フェイガン大将の場合は女性であるという理由以外に、明白な理由もなく、経験豊富で勲章を授与された将官を解任してきた。

軍の高官グループに対しては、昇進や職の安定をめぐる明白なイデオロギー審査はまだ行われていないが、指揮系統への服従だけでなく、トランプの政治方針への暗黙の同調が期待されているようだ。習近平主席による汚職疑惑の発言と同様に、政権が軍における民族的・性別的多様性を頻繁に軽視していることは、より広範で党派的な政策とトランプによる軍への個人的支配を隠蔽するために利用されているのではないかと警戒すべき理由が存在する。

「さらなる指導部交代が行われるだろう。それは私たちが望んでいるからではなく、しなければならないからだ」とヘグゼスはクアンティコに集まったアメリカ軍の最高幹部たちに語った。「もう一度言うが、これは生死に関わる問題だ。適切な人材を早く確保すれば、適切な政策を早く推進できる」。少し間を置いて、彼は付け加えた。「もし私が今日話している言葉に心が沈んでしまうようならば、名誉ある行動を取り、辞任すべきだ」。

※ハワード・W・フレンチ:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。コロンビア大学ジャーナリズム大学院教授。長年にわたり特派員を務めた。最新作に『第二の解放:高潮期のンクルマ、汎アフリカ主義、そしてグローバル・ブラックネス(The Second Emancipation: Nkrumah, Pan-Africanism, and Global Blackness at High Tide)』がある。ブルースカイ・アカウント: @hofrenchbluesky.social Xアカウント:@hofrench

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トランプ大統領とヘグセス国防長官が異例の政治的に緊張感漂う再興会議でアメリカ軍指導者たちに講義(Trump, Hegseth lecture military leaders in rare, politically charged summit

-この異例で、直前になって企画された会議は、大統領と国防長官が党派的な政策を喧伝する場となった。

ナタリー・アリソン、マイケル・バーンバウム、エミリー・デイヴィス、パトリック・スヴィテック、エイミー・B・ワン筆

2025年9月30日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/national-security/2025/09/30/hegseth-military-meeting-trump-generals/

火曜日、数百人のアメリカ軍最高幹部が、ドナルド・トランプ大統領とピート・ヘグゼス国防長官による極めて党派的な演説に沈黙して耳を傾けた。トランプとヘグセスは前任者たちを痛烈に批判し、自らの政治的目的を誇張するなど、両者の不満が露呈する異例の事態となった。

国防総省のヘグゼス長官ティームが主催したこのイヴェントは、世界各地の司令部から将軍や提督をワシントンから南に30マイル(約48キロ)ほど離れたヴァージニア州のクアンティコ海兵隊基地に招集した。トランプ大統領が直々に任命した統合参謀本部議長のダン・ケイン将軍は冒頭の発言で、このイヴェントは集まった最高幹部の将官と彼らの上級顧問たちにとって、軍の文民指導部から直接話を聞く「前例のない機会であり、光栄なこと(unprecedented opportunity and honor)」であると述べた。

トランプ大統領は、熱心な高官を国防総省の責任者に据え、アメリカ軍を党派政治の支配から守るために定められた長年の規範を、繰り返し、そして容赦なく踏みにじってきた。しかし、火曜日の演説は、現政権がこうした原則を全面的に無視していることをこれまでで最も露骨に示したと言えるだろう。

トランプ氏は約70分に及ぶ支離滅裂な発言の中で、もし出席者が自分の発言に納得できないなら部屋から出て行ってもいいと冗談を飛ばしつつ、「階級が下がれば将来も下がる」と付け加え、一部の人から不快な笑いを誘った。トランプが政権に復帰して以来、彼とヘグセスは多くの将軍や提督を、多くの場合、理由もなく解任してきた。一方で、女性やその他の要人に対する不均衡な解雇に焦点を当ててきた。大統領と国防長官は、軍の多様性と包括性の向上を柱とする有害な「目覚めた(woke)」イデオロギーを唱えていると広く非難している。

トランプ大統領は、アメリカの都市を警備するために軍隊を投入した自身の行動を擁護し、「内部からの敵(the enemy within)」と自ら呼ぶものを非難する一方で、国内での軍事力行使を認められるべきだと主張した。国防総省はこれらの都市を「訓練場(training grounds)」として使用できるべきだと大統領は述べた。既に訴訟を招いている展開を命じる中で、この考えは州や地方当局から確実に警戒感を抱かせるだろう。

トランプ大統領はまた、国防総省を戦争省に改称した決定を称賛し、ウクライナ紛争を終結させられなかったことを嘆き、ロシア沖におけるアメリカ潜水艦の極めて機密性の高い動きを暗黙のうちに認めた。

「私はそれを『Nワード』と呼んでいる」と大統領は潜水艦について述べ、原子力搭載を暗に示唆した。「Nワードは2つあり、どちらも使うことはできない」と語った。

集まったアメリカ軍最高幹部たちは、軍の超党派の伝統に従い、全ての時間を沈黙して演説を聴いていた。デューク大学の政治学者ピーター・フィーヴァーは、彼らが両者の演説に敬意を払いながらも反応しなかったことで、「非常に困難な綱渡りをうまくこなした(managed well a very difficult walk along a high wire)」と述べた。さらに、アメリカ軍最高幹部たちが沈黙を守っている理由を理解しているように見えた、トランプ大統領とヘグゼス国防長官も称賛に値すると付け加えた。

「演説は、アメリカ軍が今後数ヶ月間、対処しなければならない多くの問題を提起した」とフィーバーは述べた。そして、「しかし、テレビの生放送でそうする必要はない。そのため、アメリカの政軍関係(American civil-military relations)における非常に微妙な局面は、一部が懸念していたような惨事にはつながらなかった」と語った。

元国防総省高官で政軍問題の専門家であるコリ・シェイクはより悲観的な見方を示した。

アメリカン・エンタープライズ研究所の上級研究員であるシェイクは、「軍の指導者たちを、あからさまに党派的な政治劇に巻き込むことは恥ずべき行為であり、最高司令官が彼らに同胞アメリカ国民への暴力を奨励することは危険だ」と、述べた。

トランプ大統領はヘグゼスによって紹介された。ヘグゼスは、大統領就任前の激しい前座として、時折、罵詈雑言や下品で扇動的な言葉を使った。「我々の敵へ。FAFOだ」と彼は言った。これは「くそくらえ、気付け(f--- around, find out)」という意味の略語だった。

国防長官は大統領の参加を想定せずにこの行事を計画し、先週、全ての上級軍司令官とその下士官補佐官をヴァージニア州に召集するという不可解な命令を出したが、旅程については一切情報を提供しなかった。『ワシントン・ポスト』紙が木曜日に初めて報じたこの命令は、今年多くの将軍や提督が解任されたことを受けて、一部の人々を不安にさせた。

元フォックス・ニューズの司会者で、州兵として陸軍士官を務めたヘグゼス長官は、火曜日の演説で、目の前に座る男女(それぞれ数十年以上の軍歴を持つ)に説教した。ヘグセスは、軍隊を「かつてないほど強く、タフで、速く、獰猛で、力強い」ものにすると誓い、国防長官就任から繰り返してきた数々の論点を繰り返した。その中には、軍幹部は体力、身だしなみ、規律(physical fitness, grooming and discipline)といった基準を厳格に取り組む必要があるという主張も含まれていた。

ヘグセス国防長官は、軍が本来の使命である「戦争を戦い勝利すること(to fight and win wars)」から逸脱させた「愚かで無謀な政治家たち(foolish and reckless politicians)」を非難し、軍隊における「数十年にわたる衰退」(decades of decay” in the force)を是正すると誓った。また、戦闘におけるアメリカ軍の致死力行使を規定する「政治的に正しい過剰な交戦規則(politically correct and overbearing rules of engagement)」は廃止されたと宣言した。

さらに、「さらなる指導部の交代が行われることは間違いない」と述べ、追加の解任も予告した。ヘグセスは、ピーター・キアレッリ将軍、ケネス・「フランク」・マッケンジー将軍、マーク・A・ミリー将軍の3名の退役将校を、自分が「排除」したい将校の例として名指しした。

この将官3名を名指しした決定は、個人的な感情によるものと思われる。2012年に陸軍の序列第2位の将官として退役したキアレッリは、イラク駐留中のヘグセスの所属した旅団の元旅団長マイケル・スティール大佐を、同部隊の兵士たちを精査した戦争犯罪調査結果を受けて叱責した。マッケンジーとミリーは、2021年のアフガニスタンからの混乱したアメリカ軍撤退の際に指導的役割を果たし、トランプ政権の政治的標的となっている。

ミリーはコメントを拒否し、マッケンジーには連絡が取れなかった。キアレッリは電子メールで、ミリーとマッケンジーと「同じ文に名を連ねることができて光栄だ」と述べ、彼らを「私がこれまで共に仕えた中で最も優れた指導者たち」と呼んだ。

ヘグゼス長官は、1990年から1991年にかけて数カ月の間、イラクの侵攻と隣国クウェートの併合を撃退した湾岸​​戦争を、アメリカにとって模範となる紛争の例として挙げた。彼は湾岸戦争を「圧倒的な戦力と明確な終結目標を伴う限定的な任務(limited mission with overwhelming force and a clear end state)」と表現した。

また、1980年代にロナルド・レーガン大統領がアメリカ軍の増強を進めたことが重要な役割を果たしたと指摘し、当時の多くの軍指導者がヴェトナム戦争での戦闘経験を活用したことを指摘した。

ヘグセスは次のように語っている。「これは今日でも同じことが言える。我が国の文民・軍の指導部には、イラク戦争とアフガニスタン戦争を経験した軍人が多数おり、国家建設や漠然とした終末論に対して『二度と繰り返してはならない』と訴えている。ホワイトハウスにおいて、こうした明確な見解が示され、トランプ大統領の軍備増強と相まって、私たちは将来の勝利に向けて準備を整えている」。

ヘグゼスは、兵士と民間人職員が匿名で内部告発をしたり、有害な指導者を報告したり、人種、性別、性的指向、宗教に基づく不平等な扱いを指摘したりできる手段を徹底的に見直すと述べた。

ヘグゼスは次のように明言した。「軽率な苦情はもう終わりだ。匿名での苦情も、何度も苦情を言うことも、評判を落とすことも、果てしない待機時間も、法的に宙ぶらりんになることも、キャリアを台無しにすることも、気を遣って行動することももうない。もちろん、人種差別は1948年以来、私たちの部隊では違法となっている。セクハラも同様だ。どちらも間違っており違法だ」。

ヘグゼスは、高い基準を維持することは「有害ではない」と断言し、「有害な指導者」といった表現の「歪曲」だと非難した。ヘグセスは、国防総省はそのような文言の見直しを行い、軍当局者に対して「報復や疑問視されることを恐れずに基準を施行する」権限を与えると述べた。

ヘグゼスはまた、女性に配慮するために基準がどのように変更されたかについても疑問を呈し、特に戦闘専門職に関連する基準は高い水準を維持しなければならないと述べた。「女性が成功できれば素晴らしい。そうでなければ、仕方がない」と彼は語った。

ヘグゼスは、「ペンタゴンの廊下にいる太った将軍や提督を含む、太った兵士」を非難し、「見栄えが悪い(bad look)」と述べた。ヘグセスは全員が年2回、体力テストに合格し、身長と体重の基準を満たすことが義務付けられるという。彼は、自身の「厳しい」フィットネス・ルーティン(his own “hard” fitness routine)を模範とすべきものとして挙げた。

ヘグゼスは、自身のヴィジョンに沿って11の新たな指令を配布していると述べた。これらの指令は後に国防当局者たちがオンラインで公開した。指令には、いじめの定義の見直し、パープルハート勲章受章者への授与義務、そして優秀な文民職員の残留を促す一方で「業績不振」の職員には退職を促す新たな方法を国防省が模索することなどが含まれている。

ヘグゼスはまた、2024年に出版予定の著書『戦士たちへの戦争』の宣伝も行った。この本は、「目覚めた」文化がいかに軍を弱体化させてきたかを検証している。クワンティコに到着すると、彼はソーシャルメディアにこのフレーズを投稿し、演説中にも再び言及した。

ヘグセスは、「戦士たちへの戦争を終わらせていると言えるだろう」と語り、効果を狙って少し間を置いてから、「誰かがそれについて本を書いたと聞いた」と付け加えた。

この土壇場での会合は、批判的な人々の間で、その費用について疑問を投げかけている。特に、安全なヴィデオ会議機器を使って行うことができたはずの演説であったにもかかわらず、費用がかさんでいるという批判が起きている。日本、中東、ヨーロッパといった遠方から軍幹部を招聘するには、航空費、宿泊費、移動費など数百万ドルに上る可能性があると、元政府高官2人が匿名を条件に語った。彼らは、この問題の機密性から、過去の政府関係者の出張経験に基づいて推定した。

また、この会合は、火曜日が会計年度末であり、政府閉鎖が迫っていることを踏まえると、全ての最高指導者が一堂に集まることへの安全上の懸念も引き起こした。国防総省が発表したガイダンスでは、閉鎖が発生した場合、全ての出張を「中止」すべきだが、上級指導者は例外を認める場合に限られるとされている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 2025年11月21日に『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』 (ビジネス社)を刊行します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
 最新刊の刊行に連動して、最新刊で取り上げた記事を中心にお伝えしている。各記事の一番下に、いくつかの単語が「タグ」として表示されている。「新・軍産複合体」や新刊のタイトルである「シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体」を押すと、関連する記事が出てくる。活用いただければ幸いだ。

 JD・ヴァンス副大統領は2028年の大統領選挙においては有力な候補者となる。民主党側では、カリフォルニア州知事のギャヴィン・ニューサム、ミシガン州知事のグレッチェン・ウィットマー、ペンシルヴァニア州知事のジョシュ・シャピロが候補者として名前が挙がっているが、全国的な知名度を考えるとまだまだである。主流派メディアで取り上げられる回数で言えば、現職副大統領であるヴァンスが圧倒的に有利である。

 ヴァンスはドナルド・トランプ大統領の路線を引き継ぎながら、独自色を出していかねばならない。トランプにはない若さ(ビジネスや社会における経験はトランプには及ばないがこれは年連もあり仕方がない)、軍務経験(海兵隊に志願し厳しい訓練を乗り越え、イラク駐留も経験)、庶民性(自叙伝『ヒルビリー・エレジー』でも示したように、「自分と同じだ」と思ってもらえる)が武器となる。

 下記に掲載した記事にある、キリスト教的な基盤に基づく保守(「徳」や「助け合い」)ということを強調している点は重要だ。もっとも、ヴァンスはプロテスタントからカトリックに改宗しており、この点をプロテスタントの人々がどのように判断するかということになるが、「社会的結束や共同体の再構築」は宗派を超えてアピールすることになるだろう。ピーター・ティールがヴァンスを見出して育てたことは、拙著『』で詳しく書いている。記事に出てくるシンクタンクのクレアモント研究所については興味深いので、これから深堀していきたい。今後のアメリカ研究の著作で触れることができるようにしたい。

 ヴァンスはテレビに出演し、民主党左派、民主社会主義者グループのバーニー・サンダース上院議員、ロウ・カンナ下院議員、ゾーラン・マムダニ次期ニューヨーク市長を称賛した。この点は非常に興味深い。ヴァンスの柔軟性を示すものである。また、反エスタブリッシュメントという立場を堅持していることも示している。トランプがマムダニと友好的な会談を行ったこと、以前にバーニー・サンダースを評価する発言を行っていることを考えると、ヴァンスはポピュリストであり、同時にリアリストであることが分かる。この点は、大統領候補として重要だ。民主党で名前が挙がっている人物たちにこのようなことができるとは考えにくい。

 ヴァンスについては、これから更に研究を進め、2028年の大統領選挙に備えたいと考えている。

(貼り付けはじめ)

ヴァンスが現在評価している進歩主義的な政治家3人を挙げた(Vance lists the 3 progressive politicians he now appreciates

ライアン・マンシーニ筆

2025年12月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5636066-sanders-khanna-mamdani-vance/

JD・ヴァンス副大統領は、木曜日に公開されたNBCニューズのインタヴューで、自身が高く評価するようになった3人の進歩主義的な政治家を挙げた。

結婚生活、2028年の大統領選挙への出馬の可能性、そしてアメリカにおける反ユダヤ主義など、多岐にわたる話題に触れたインタヴューの中で、ヴァンス副大統領は、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)、ロウ・カンナ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、そしてニューヨーク市次期市長のゾーラン・マムダニ(民主党)を高く評価するようになったと述べた。

インタヴューの中で、ヴァンス副大統領は、2028年の大統領選挙で有力候補として懸念を持つ民主党の政治家はいないと述べた。そして、サンダース、カンナ、そしてマムダニの名前を挙げた。

ヴァンスは次のように述べた。「私は常にバーニーに魅了されてきた。以前にバーニーが私に言ったことについて話した。私が上院議員になった2日目のことだった。今まで聞いた中で一番興味深い言葉の1つだったし、私の政治観をよく表している。でも、おそらく左派、そして右派を本当に傷つけるだろう。バーニーが私に言ったことを話したら、バーニーも傷つくだろう」。

ヴァンス副大統領は、ソーシャルメディアでカンナと議論を交わしたことがあると述べた。副大統領は、カンナについて「非常にうっとうしいと思うこともあるが・・・時折、興味深いことを言う。これはほとんどの政治家には言えないことだ」と付け加えた。

トランプ大統領に同調し、ヴァンス副大統領は、民主社会主義者であるマムダニは共産主義者だと考えていると述べた。しかし、マムダニが「世界でも最悪の住宅価格高騰危機の1つを抱えるニューヨーク市において、住宅価格高騰問題に非常に積極的に取り組んでいるのは賢明であり、少なくとも人々の声に耳を傾けている」と述べた。

ヴァンス副大統領はまた、先月トランプ大統領がマムダニと会談したことを例に挙げ、大統領がマムダニを称賛したことを明かした。会談後、ヴァンス副大統領はマムダニを「魅力的(fascinating)」と評した。

ヴァンスは続けて次のように語った。「ほとんどの政治家は、ハードルが非常に低いにもかかわらず、人々の声に耳を傾けない。マムダニ、バーニー、ロウ・カンナは、少なくとも時々はそうなる人たちの範疇に入るだろう」。

ヴァンスは、3人の政治家、特にマムダニが住宅価格の手頃さに焦点を当てていることを称賛しながらも、NBCニューズに対し、この問題への懸念は「虚偽の物語(fake narrative)」の一部だと述べた。トランプ大統領は住宅価格の手頃さに関して方針を転換した。共和党がこの問題にどう取り組んでいるかを称賛する代わりに、この問題を民主党がでっち上げた「でっち上げ(hoax)」であり「詐欺(con job)」だと非難した。

ヴァンスは次のように述べた。「大統領は価格が高騰しすぎたことは当然理解している。しかし、大統領が言っているのは、政権発足から11カ月が経った今、民主党が作り出した住宅価格の手頃さの問題をすべて解決できるという考えは。つまり、それはでっち上げだ。問題は民主党のせいではなく、私たちのせいだという考えこそがでっち上げだ。そして、それは全くのでたらめな物語だと思う」。

サンダースは2028年に再び大統領選に出馬する予定はなく、マムダニは市長職に就いて2年目となることから、3人の中ではカンナが2028年の大統領選の有力候補と目されている。

ヴァンスは、現在の問題に集中するため、「2028年の大統領選挙に関する議論から距離を置こうとした」ことを認めた。2026年の中間選挙の結果は、トランプ大統領の2期目の残りの任期だけでなく、副大統領退任後のヴァンス自身の将来をも決定づける可能性があるとヴァンスは述べた。

ヴァンス氏はNBCニューズに次のように述べた。「大統領には、自分に忠実で、メディアを利用して裏切ったり、2028年大統領選挙に向けて有利な立場を築こうとしたりしない副大統領が本当に必要だ。だから、この職務において私がアメリカ合衆国大統領を攻撃することは決してない」。

ヴァンス副大統領は次のように次のように語った。「もちろん、将来私が別の職に立候補することになったら、『あなたならこうするのか? ああするのか?』と質問されるのは当然のことだ」と副大統領は付け加えた。その時が来たら、その話し合いをしよう。しかし、私はアメリカ合衆国大統領を攻撃することは決してない」。

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バンス氏に集う米次世代保守 伝統社会を重視、リベラル的政策も提案

トランプ政権

日本経済新聞 2025123 2:00

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1500C0V11C25A1000000/

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米シンクタンク、アメリカン・コンパスの創設記念式典で演説するバンス副大統領(6月)=ロイター

米共和党の次期大統領候補の有力者であるバンス副大統領の下に、次世代の保守勢力が結集している。トランプ大統領が率いる「MAGA(米国を再び偉大に)」運動を継承しつつ、リベラル的な政策も一部取り入れた新たな保守の姿を探る。

「バンス氏は『あの人なら私でもなれる』と思える人物だ。英雄のようなトランプ氏に対しては難しかった部分で共感してもらえる存在になれるかもしれない」

米シンクタンク・クレアモントのバイスプレジデント、アンドリュー・ベック氏はバンス氏のリーダー像について、こう話す。ベック氏はバンス政権が誕生したら、要職に就くとささやかれる。

クレアモントはトランプ政権にも人材を送り込み、ワシントンで急速に存在感を高める。米国は建国以来、キリスト教を基盤にした価値観によって隣人と助け合う「徳」や「誇り」を育んできたという論陣を張る。

この数十年の米連邦政府がリベラルな思想を重視しすぎて伝統的な道徳基盤を壊したと主張。過度な移民受け入れやリベラルな文化・教育政策の抜本的改革を考案する。

バンス氏は「社会的結束や共同体の再構築」を政治家としての軸に掲げる。この理念を支えるのがクレアモントだ。格差の固定化や薬物まん延などを背景に、米国社会は変革が必要だとみる。

バンス氏は2016年、白人貧困層の実相を自身の家族を通して描いた「ヒルビリー・エレジー」を出版し、一躍有名になった。22年上院選での当選を経て、40歳で副大統領に就任した。

バンス氏が高校卒業まで過ごし、著書の主な舞台となった中西部オハイオ州ミドルタウン。バンス氏が育った家の隣人のジェリー・ポピンズさんは取材に「彼はここに生まれたことを誇りに思っている」と明かした。

伝統的な製造業の衰退で失業者が町にあふれ、バンス氏の母は薬物中毒に陥った。厳しい境遇の中でも「懸命に働き、古き良き米国人の誇りを持つ祖母」に育てられて、家族や隣人との助け合いの精神を育んだという。

幼少期の体験は現在の一見、矛盾するかのような政治理念に影響を与えた可能性がある。

バンス氏は政治家になる2年前の20年、伝統的な左派・右派の双方に共鳴できないと言及した。左派は貧困層が不利な立場にあると決めつける傲慢さ、右派は個人の責任のみに焦点をあてる冷たさがあると批判した。
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バンス氏の下に参集する、もう一つの新興シンクタンク、アメリカン・コンパスが練る政策はバンス氏のこうした二面性を色濃く映す。

保守的な文化・教育政策を大事にする一方、富裕層増税や大企業独占の規制強化、労働者の保護重視といった従来はリベラルとみられた政策が並ぶ。「改革保守」と呼ばれる共和党の新潮流だ。

世論調査ではバンス氏を次期大統領として支持する共和支持者が他を圧倒する。米政治サイトのポリティコは、有力なライバルのルビオ国務長官がバンス氏支援に回る可能性を内々に示したと報じた。ルビオ氏はキリスト教的な価値観や改革保守の経済政策で、バンス氏と足並みをそろえる。

イノベーションを重視する「テクノリバタリアン」と呼ばれる新興保守勢力もバンス氏を推す。同氏とかつて共にシリコンバレーで働いた投資家のピーター・ティール氏が中心的存在だ。自由な技術開発競争で世界を変えようとするテクノリバタリアンは、MAGAと対立の火種を抱える。

トランプ氏は憲法が禁じる大統領3期目に意欲をちらつかせる。MAGA系の思想家の一人は、残り12年でMAGA運動がバンス氏の下で結束できると確信を持てるか否かが「3期目説」の浮沈を左右するとみる。

バンス氏は一部支持者から熱狂的な人気を誇るトランプ氏の「カリスマ色」を脱しながら、保守層をまとめられるかが課題だ。バンス氏の政治理念は保守色の強い内容を含むだけに、大統領選の勝敗を決する無党派層から広く共感を得るには高いハードルがある。

(ワシントン=飛田臨太郎)

(貼り付け終わり)

(終わり)
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 

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 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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 アメリカでは来年の2026年に連邦上下両院の選挙が実施され(大統領選挙の間に行われるので中間選挙と呼ばれる)、2028年には大統領選挙が実施される。現職のドナルドトランプ大統領は任期制限で立候補できないので、新大統領が誕生する。

最新の世論調査の結果では、共和党側では、JD・ヴァンス副大統領が大きなリードを取ってトップになっている。民主党側では、このブログでも何度もご紹介してきたピート・ブティジェッジ前運輸長官が1位になっている。前回の大統領選挙で敗れたカマラ・ハリス前副大統領は、昨年の同様の世論調査の結果では、ハリスが大きくリードして1位だったことを考えると、ハリスの支持が下がっていると見るべきだ。これらのことは、拙著『トランプの電撃作戦』(秀和システム)で書いている。
※古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ
「2024年12月2日付 2028年米大統領選挙候補者は誰になるのかという話が早くも出ている:共和党はJD・ヴァンス次期副大統領が有力、民主党は多くの名前が出ている状況」
<a href=" https://suinikki.blog.jp/archives/89190113.html "> https://suinikki.blog.jp/archives/89190113.html </a>

 『トランプの電撃作戦』でも書いたが、カマラ・ハリスは2026年のカリフォルニア州知事選挙出馬を模索している。州知事選挙に関する世論調査の結果では、ハリスがトップになっている。2026年の州知事選挙に出馬して当選して州知事になれば、2028年の大統領選挙には出ることができない(1期目の途中での出馬は批判が多く出るだろうし、続けての選挙は物心両面で不可能だろう)。しかし、カリフォルニア州知事の2期目途中の2032年ならば可能性が出てくる。ハリスは2032年でもまだ60代なので、大統領選挙を狙える。
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 2028年の大統領選挙でハリスが出ないとなれば、民主党は有力者不在ということになる。今のところ、トップとなっているピート・ブティジェッジは弁舌爽やかでまだまだ若いが、同性愛者というところがどうしてもネックになる。3位につけたギャヴィン・ニューサムはカリフォルニア州では人気が高いが、ロサンゼルスでの山火事や暴動への対応などで印象が良くない。大統領選挙での激戦地域となる中西部の各州の知事であるジョシュ・シャピロ(ペンシルヴァニア州)とグレッチェン・ウィットマー(ミシガン州知事)はまだ知名度が上がっていない。こうなると、共和党側のJD・ヴァンス副大統領が大統領本選挙で勝利する可能性が今のところ高いということになる。

(貼り付けはじめ)

世論調査:2028年大統領選挙において共和党の明確なトップランナーはヴァンスだ(Vance is clear front-runner for GOP nod in 2028: Poll

ジャレッド・ガンス筆

2025年6月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/5372037-vance-is-clear-front-runner-for-gop-nod-in-2028-poll/

金曜日に発表された世論調査によると、2028年共和党大統領候補指名争いで、JD・ヴァンス副大統領が他の候補者を大きく引き離し、最有力候補となっている。

エマーソン大学世論調査によると、ヴァンス副大統領の支持率は46%で、これに次ぐのはマルコ・ルビオ国務長官の12%、フロリダ州知事ロン・デサンティス(共和党)の9%だった。無所属のロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官が5%で続き、クリスティ・ノーム国土安全保障長官とニッキー・ヘイリー元国連大使はそれぞれ2%だった。

他の6人の支持率は1%以下で、回答者の17%は態度未定、4%はリストにない人物を希望すると回答した。

これは、エマーソン大学が11月に実施した、2028年共和党予備選挙を想定した世論調査と比べて、ヴァンスの支持率が向上したことを示している。この調査では、ヴァンスの支持率は30%と、デサンティスが5%、2024年共和党大統領候補のヴィヴェック・ラマスワミの3%と比べてわずかにリードしていた。

回答者の半数は、当時、誰かを支持するかは未定だと回答していた。

エマーソン大学世論調査のエグゼクティブ・ディレクターであるスペンサー・キンボールは声明の中で、ヴァンスが最有力候補としての地位を「確固たるものにした」と述べ、共和党支持の男性有権者と60歳以上の有権者の52%から支持を得たと指摘した。

トランプ大統領は、2028年の共和党候補者として誰が後継者になるかについてある程度言及しているが、特定の候補者への支持を表明することは避けている。2月にフォックス・ニューズのインタヴューで、ヴァンスを後継者と宣言するのは「時期尚早」だとしながらも、自身と他の候補者は「非常に有能」だと述べた。

先月、NBCの「ミート・ザ・プレス」のインタヴューで、トランプ大統領はヴァンス副大統領とルビオ国務長官を、自身が率いる「アメリカを再び偉大に(Make America Great AgainMAGA)」運動の将来のリーダー候補として挙げた。

トランプは、「(ヴァンス氏は)素晴らしく、聡明な人物だと思う。マルコも素晴らしい。他にも素晴らしい人はたくさんいる」と語った。

今回の世論調査は6月24日から25日にかけて、共和党予備選挙の有権者416人を含む登録済み有権者1000人を対象に実施された。共和党支持者の回答の誤差は4.8ポイントだった。

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世論調査:カマラ・ハリスがカリフォルニア州知事選立候補者および候補予定者たちに2桁のリード(Harris holds double-digit lead over declared, potential California governor candidates: Poll
ジュリア・ミュラー筆

2025年7月2日

『ザ・ヒル』

https://thehill.com/homenews/campaign/5382192-kamala-harris-lead-california-governor-candidates-poll/

カリフォルニア州知事選挙への出馬を検討しているカマラ・ハリス副大統領は、2026年の知事選挙を想定すると、ハリス氏の支持率は2桁のリードを保っていることが、最新の世論調査で明らかになった。

カリフォルニア大学アーバイン校社会生態学部の最新データによると、ハリスは他の立候補を表明している候補者や噂されている候補者たちと比較した場合、24%の支持率を獲得した。

実業家から政治家に転身し、来年の知事選への出馬を検討していると報じられているリック・カルーソは9%の支持率で次点となった。

ハリスがリードしているにもかかわらず、カリフォルニア州民の40%が、任期制限(3期前)を迎えるギャヴィン・ニューサム知事(民主党)の後任としてどの候補者を支持するかまだ決めていないと回答した。

しかし、ハリス前副大統領と一般的な共和党員のどちらを支持するかという質問では、ハリスの支持率はさらに高く、それぞれ41%と29%の支持率を獲得した。

今回の世論調査によると、ハリスはカリフォルニア州民の間で11%の好感度を獲得しており、これは調査対象となった候補者の中で最も高い数値である。

2024年の大統領選挙で敗北したハリスの今後の動向に政界は注目している。

ハリスは、カリフォルニア州知事選挙への出馬を真剣に検討していると報じられている。カリフォルニア州は、ハリスが以前連邦上院議員を務め、州司法長官も務めた州だ。彼女は夏の終わりまでに出馬の是非を判断すると伝えられており、その間、知事選の候補者たちには幾分か冷ややかな反応が出ている。

カリフォルニア州副知事のエレニ・クナラキス氏(民主党)と州教育長のトニー・サーモンド氏(民主党)は、2023年から出馬している。民主党側では、ケイティ・ポーター元下院議員(カリフォルニア州)、元米国保健福祉長官のザビエル・ベセラ氏、元州議会議長のトニ・アトキンス氏、元州会計監査官のベティ・イー氏、元ロサンゼルス市長のアントニオ・ビラライゴサ氏も出馬を表明している。

California Lt. Gov. Eleni Kounalakis (D) and state Superintendent of Public Instruction Tony Thurmond (D) have been running since 2023. Also in the ring on the Democratic side are former Rep. Katie Porter (Calif.), former U.S. Health and Human Services Secretary Xavier Becerra, former State Assembly Speaker Toni Atkins, former state Controller Betty Yee and former Los Angeles Mayor Antonio Villaraigosa.

カリフォルニア州のロブ・ボンタ司法長官(民主党)は2月、知事選挙への出馬を取り止める決断を下し、『ポリティコ』誌に対し、ハリスの立候補は「民主党の整理を行い、新規開拓になるだろう」と述べた。

ハリスは2028年大統領選挙の初期の世論調査でも、民主党の最有力候補として浮上している。しかし、エマーソン大学の最新データによると、ハリスの大統領選挙への再出馬への支持はここ数カ月で低下しており、2028年大統領選挙の有力候補の中では、ピート・ブティジェッジ元運輸長官に次ぐ2位となっている。

エマーソン大学はトゥルードット(Truedot)と提携し、州全体で2つの世論調査を実施した。1つ目はハリスへの好感度に関する質問を含み、5月27日から6月2日にかけてカリフォルニア州の成人2143人を対象に調査した。2つ目は知事選投票に関する質問を含み、5月29日から6月4日にかけてカリフォルニア州の成人2000人を対象に調査した。誤差は、1つ目の調査が2.9ポイント、2つ目の調査が3.6ポイントだった。

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世論調査:カマラ・ハリスは2028年の大統領選挙で支持率低下が予測されている(Kamala Harris sees support drop in potential 2028 horse race: Poll

ジュリア・ミュラー筆

2025年6月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/5372074-support-for-harris-declines-new-poll/

2028年大統領選挙の理論上の候補者争いにおいて、カマラ・ハリス前副大統領への支持が低下していることが世論調査で明らかになった。ハリスは次の政治的行動を検討している。

エマーソン大学世論調査の最新調査によると、ハリスは2028年の大統領選挙民主党予備選挙の候補者の中で2位につけており、民主党予備選の有権者の13%から支持を得ている。16%のピート・ブティジェッジ前運輸長官にわずかに及ばなかった。

民主党支持者たちのうち、まだ決めていないと回答した人が最も多く、23%だった。ハリスに僅差で次ぐのは、任期制限にかかるカリフォルニア州知事ギャヴィン・ニューサム(民主党)で12%だった。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)とペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロ(民主党)がそれぞれ7%の支持を得て上位5位に入った。

最新の数字は、回答者に2028年の候補者の支持を記入させたエマーソンの11月の調査とは大きく異なっている。2024年大統領選の数週間後に行われたこの調査では、ハリスの支持率は37%で、次いでニューサムが7%、ブティジェッジが4%、シャピロが3%だった。さらに35%は未定だった。

2024年の大統領選挙での敗北を受け、ハリスの今後の動向をめぐって憶測が飛び交っている。

ハリスは、以前連邦上院議員を務め、州司法長官も務めた。ハリスは、カリフォルニア州知事選への出馬を真剣に検討していると報じられている。この不透明感は知事選挙の行方を左右する要因となっており、ハリスは出馬の是非を判断する期限を夏の終わりに設定していると言われている。

同時に、2028年初頭の世論調査では、ハリスが再び大統領選挙に立候補した場合、民主党の最有力候補となることが繰り返し示されている。カリフォルニア州知事公邸への出馬は2028年大統領選挙への出馬を阻む可能性があるが、ハリスはあらゆる選択肢を検討していると報じられている。

ハリスは今春、カリフォルニア州で開催された黒人女性のためのリーダーシップ・サミットで、「私はどこにも行かない(I’m not going anywhere)」と述べた。

一方、2028年大統領選挙の共和党候補者の中では、世論調査によると、ヴァンス副大統領が明確なリードを保っており、共和党予備選の有権者の46%の支持を得ている。未決定はわずか17%だった。

ヴァンスに続いたのは、マルコ・ルビオ国務長官(12%)、そして2024年予備選挙でトランプと戦ったフロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)(9%)だった。

2028年大統領選挙の一般投票では、有権者は二大政党に分かれ、一般民主党候補と一般共和党候補をそれぞれ42%ずつ支持した。さらに16%は未決定だった。

無党派層では、一般民主党候補が37%、一般共和党候補が29%で、未決定は34%だった。

6月24日、25日に実施された今回の世論調査は、アメリカの登録済み有権者1000人を対象に実施され、誤差は3ポイントだった。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 古村治彦です。

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今回はジョー・バイデン前大統領の健康問題についての報道が多く出たがそのことについて書いていく。
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ドナルド・トランプ、ジョー・バイデン、ジル・バイデン
 ジョー・バイデン前大統領の健康状態について、前立腺がんと診断され、がんが骨に転移していることが明らかになったという報道がなされた。私が甚だ疑問なのは、正式には今年の1月まで大統領を務めていたバイデンの健康診断や健康チェックの状況である。がんが骨にまで転移しているということはがんは以前からあったということであり、それを早期発見できなかったのかということだ。高齢になればがんの拡大のスピートは遅くなると聞いたことがある。それならば、そこまでがんが進行するとなると時間がかかる。大統領在任時に健康診断や健康チェックはしていなかったのか、もしくはその方法がずさんだったのではないかという疑問がある。
 次に、リベラル派のメディアの記者たちが書いた『原罪』という本についてである。この本では、ジョー・バイデンの認知機能が2024年の大統領選挙前から既に衰えており、大統領の職務遂行に支障をきたすほどだったということが書かれている。ジェイク・サリヴァン国家安全保障問題担当大統領補佐官の名前を思い出せない、とりとめのない話を繰り返すということがあったようだ。ホワイトハウスの高官たちはこの状況では大統領を続けるのは無理だと分かっていたようだが、夫人のジル・バイデンや側近によるグループ(「政治局(Political BureauPolitburo)」と揶揄されていたようだ)が、バイデンの再選に固執したということだ。

 バイデンの恒例や健康状態についての不安は大統領選挙前から既に出ていた。そして、今回の出版でも分かるように、それはホワイトハウスの高官たちも分かっていた。家族や側近たちだけがそれを否定していたが、バイデンで公の場で何かをするたびに多くの人々が「大丈夫だろうか、心配だ」と思うようになっていた訳で、このような不安を持たせること自体が問題ではある。

 これは民主党全体の問題でもある。党が機関として機能して、「アメリカ国民のために、バイデン大統領に対して勇退を勧告する」ということができなかったのは、実際にそんなことをするのは困難であることは分かっているが、それでも勧告すべきだった、予備選挙をきちんと実施すべきだったということになる。それだけの重たい責任がある。結局、事なかれ主義で、隠ぺいに走ったために、民主党は2024年の大統領選挙と連邦上下両院議員選挙において敗北を喫した。

 バイデン自身が決断をする、もしくはバイデンに近い人々が冷静に判断して強く勧めるということができなかったのは、バイデンという政治家の晩年に大きな汚点を残すことになった。「一期目だけで勇退します。後任は党の予備選挙でしっかりと決めてください」とバイデンが言えれば、選挙の結果は変わっていたかもしれない。しかし、バイデンは、このような大きな決断ができないくらいの人物であった。それでもアメリカ大統領になれたのだから、幸運な人物ではあっただろう。
(貼り付けはじめ)
●「バイデン前米大統領に前立腺がんの診断 骨にも転移と事務所発表」

2025519日 BBC NEWS JAPAN

https://www.bbc.com/japanese/articles/crr7zqzwn14o

ジョー・バイデン前米大統領(82)が前立腺がんと診断されたと、個人事務所が18日、発表した。骨に転移しているという。

今年1月に退任したバイデン氏は先週、排尿に関する症状があり医師の診察を受けたところ、16日に診断を受けた。

がんは悪性度が高く、がん組織の悪性度を検査で調べ点数化した「グリソンスコア」の等級10段階のうち9だという。英研究団体キャンサーリサーチUKによると、がん細胞が急速に転移する可能性があることを示す結果だという。

バイデン氏と家族は、治療方法の選択肢を検討していると伝えられている。同氏の事務所は、がんはホルモン感受性のある種類なので、おそらく治療は可能だろうと説明した。

前大統領の病状が公表されると、与野党を問わずアメリカ政界から支援のコメントが相次いだ。

ドナルド・トランプ大統領は、自分のソーシャルメディア・プラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に、自分と妻メラニア氏は「ジョー・バイデン氏の最近の診断結果を聞き、悲しく思っている」と投稿。さらに、バイデン氏の妻ジル氏に対して「ジルと家族に心からお見舞い申し上げる」と呼びかけ、「ジョーの1日も早い回復を願っている」と書いた。

バイデン政権で副大統領を務めたカマラ・ハリス氏は、自分と夫のダグ・エムホフ氏がバイデン一家のために祈っているとソーシャルメディア「X」に書いた。

「ジョーは闘士なので、これまでの人生とその指導力を常に決定してきた力強さとたくましさと楽観姿勢で、この困難に立ち向かうはずだと承知している」と、ハリス氏は書いた。

バイデン氏が2009年から2017年まで副大統領を務めた際の大統領だったバラク・オバマ氏は「X」で、自分と妻のミシェル氏が「バイデン一家全員のことを考えている」と書いた。

「あらゆる種類のがんに対する画期的な治療法の発見に、ジョーほど貢献した人はいない。彼が持ち前の強い意志と品位をもって、この試練に立ち向かうと確信している。早期の完全回復を祈っている」とオバマ氏は書いた。

オバマ元大統領は2016年、がん治療の進歩加速を目指す「がん・ムーンショット」イニシアチブを開始。バイデン氏が取り組みを主導した。「ムーンショット」とは、月面到達を目指したアポロ計画にも匹敵する意欲的な取り組みを意味する。

男性にとって2番目に多いがん

現職の米大統領として最高齢だったバイデン氏は昨年7月、健康状態と高齢が不安視される中で、2024年大統領選から撤退を余儀なくされた。

それまで再選を目指していたバイデン氏は、共和党候補だったトランプ氏を相手にした6月末のテレビ討論会で精彩を欠いたことから、民主党内の懸念が高まり、当時のハリス副大統領が民主党候補になった。

米オハイオ州のクリーヴランド・クリニックによると、前立腺がんは男性が発症するがんの中で、皮膚がんに次いで2番目に多い。米疾病対策センター(CDC)によると、男性100人中13人がどこかの時点で前立腺がんを発症する。年齢が最も一般的な危険因子だという。

アメリカがん協会の最高科学責任者で前立腺がん専門医のウィリアム・デイハット博士はBBCに対して、バイデン氏の病状に関する公開情報を基に、悪性度の高いがんのようだと話した。

「一般的に、がんが骨に転移した場合、治癒可能ながんだという見方はしない」とデイハット博士は述べた。 ただし、ほとんどの患者は初期治療によく反応する傾向があり、「診断から何年も生きることもあり得る」という。

デイハット博士によると、バイデン氏のような診断を受けた患者にはおそらく、症状を緩和し、がん細胞の増殖を遅らせるためにホルモン療法が提供される可能性が高い。

バイデン氏は退任以来、表舞台から退き、公の場に登場することもほとんどなかった。

前大統領は今年4月、アメリカ拠点の障害者支援団体「障害者の擁護者、相談員、代表者協会」がシカゴで開いた会議で基調講演を行った。 5月には退任後初めてBBCのインタビューに応じ、2024年大統領選から退く決断は「困難」だったと認めた。

アメリカではこのところ、バイデン氏の健康状態を疑問視する指摘が相次いでいた。人気トーク番組「ザ・ヴュー」に5月に出演したバイデン氏は、ホワイトハウスでの最後の年に自分の認知能力が低下していたという意見を否定し、「それを裏付けるものは何もない」と述べた。

バイデン氏は長年にわたり、がん治療の研究推進を提唱してきた。大統領在任中の2022年には、妻ジル氏と共に、2047年までに400万人以上のがんによる死亡を防ぐための研究強化を掲げ、「がん・ムーンショット」イニシアチブを再開した。

バイデン氏の長男ボー氏は2015年、脳腫瘍のため亡くなっている。

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●「米民主党、大統領任期中のバイデン氏の衰えに衝撃受けるも沈黙守る 新著が明かす内幕」

2025.05.21 Wed posted at 20:00 JST CNN日本版

 https://www.cnn.co.jp/usa/35233278.html

(CNN) 米大統領任期中の最後の2年間、バイデン前大統領は非公開の場面で最側近の名前を思い出せずにいた。個人的な予定がどんどん制限され、首尾一貫しない発言を連発。思考の脈絡を失ったその姿は世間の目から隠され、衰えの度合いは伏せられた。CNNのジェイク・タッパー記者とアクシオスのアレックス・トンプソン記者が手掛けた新著で明らかになった。

同書に収録された詳細なエピソードの数々からは民主党議員、ホワイトハウスの側近、バイデン政権の閣僚、民主党への献金者らがバイデン氏の心身の衰えに衝撃を受ける様子が浮かび上がる。当時バイデン氏は2024年大統領選での再選に向けて動き出していたが、彼らのほぼ全員が同氏の状態について公言せず、大統領選出馬を止めようともしなかった。

「世界が目の当たりにした、バイデン氏にとって最初で最後の24年大統領選のテレビ討論は、例外的な事象ではなかった。本人が風邪を引いていたのではない。準備不足もしくは準備のし過ぎでもなかった。多少の疲労によるものでもない」。タッパー氏とトンプソン氏はそのように記す。

「長年能力に衰えが生じていた81歳の男性として、自然な結果だった。バイデン氏とその家族、彼のチームは、自分たちの利益とトランプ氏再選への不安を理由に正当化しているが、ここでの試みは思考の混乱した老人をさらに4年間、オーバルオフィス(大統領執務室)に据えておこうとするものに他ならない」

当該の新著「原罪:バイデン大統領の衰えとその隠蔽(いんぺい)、再出馬という破滅的な選択(仮題)」は、20日に発売された。本書の元になっているのは200を超えるインタビューで、その大半は民主党の内部関係者に対するものだ。ほぼ全てのインタビューが24年大統領選の終了後に行われた。

この数日、バイデン氏の年齢と健康には大きな注目が集まっている。18日には同氏の事務所が本人について、進行性の前立腺がんと診断されたと発表。がんが骨にまで転移していることを明らかにした。現在同氏と家族は、医師と相談しながら治療の選択肢を検討しているという。

それでも再選を目指したバイデン氏の選択にまつわる議論は続いている。バンス副大統領は19日に記者団に対し、バイデン氏の健康を祈る一方、「前大統領が職務可能な状態だったのかどうかについて、我々は本当に正直になる必要がある」と付け加えた。

「ある意味で、私が非難するのは彼よりも彼の周囲の人間たちだ」「我々としては健康を祈ることはできるが、同時に仕事が可能な健康状態にない人物はそもそも仕事に就くべきではないと考える」(バンス氏)

16日には、バイデン氏の元事務所や自宅から副大統領時代の機密文書が見つかった問題で同氏から聴き取り調査を行ったロバート・ハー特別検察官との会話の音声記録がアクシオスによって公開された。ハー氏は当時、聴き取り調査後の報告書でバイデン氏の記憶力の衰えに言及していた。

■最側近らが結束

タッパー氏とトンプソン氏が伝えるところによれば、バイデン氏の健康に関しては20年の段階で周囲から懸念する声が上がっていた。それでも心身の衰えが加速したのは23年から24年にかけてだという。

22年12月のある時点で、バイデン氏は政権のジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)とケイト・ベディングフィールド広報部長の名前を思い出せなくなった。23年秋には、民主党全国委員会のジェイミー・ハリソン委員長を認識できないようだった(ハリソン氏はこれに異議を唱えている)。そして24年初め、バイデン氏は長年付き合いのある映画スターのジョージ・クルーニー氏のことが分からなかったという。

バイデン政権時代の一部の閣僚はタッパー氏とトンプソン氏のインタビューに答え、バイデン氏が国家的緊急事態の際、午前2時に職務を遂行できるとはとても思えないと明らかにした。

タッパー氏とトンプソン氏は、バイデン氏が妻と息子、長年の取り巻き集団などで構成される孤立したグループによって守られていたと記述する。この取り巻き集団は共産党の上級機関にちなんで「政治局」とあだ名されている。

選挙陣営スタッフなどこうした取り巻きから外れる人々は、これらの側近がバイデン氏を否定的な情報から守っていたと考えている。新書の内容によるとバイデン氏が再選への出馬を決断する際も議論は行われず、ホワイトハウスと選挙陣営に所属する他の人々の意見は入れられなかったという。

CNNへの声明で、バイデン氏の広報担当者は同書を批判。同氏が当時職務遂行が不可能な状態だったことを示す証拠はないと主張し、実際にはしっかり職務を果たした大統領だったと示唆した。

■「まるで別人」

タッパー氏とトンプソン氏は、バイデン氏の健康に関する懸念が20年大統領選の時期から存在していたことを確認した。バイデン氏は党大会の前、有権者へ向けて語りかける形式の選挙動画を撮影したが、それらの大半の映像は使用されなかった。陣営の一部はその映像に衝撃を受けている。

「まるで別人のようだった。信じられなかった。運転を任せられないおじいちゃんを眺めているようだった」「大統領が務まるとは思えなかった」。同書の中で、ある民主党議員はそう振り返った。

バイデン氏に近い一部の人々は、本人の状態の悪化を強いストレスに関連するものとの見方を示した。特に次男のハンター氏が起訴され、24年6月に有罪評決を受けたことが大きな打撃になったと、ある閣僚は証言している。

24年3月、バイデン氏は熱のこもった一般教書演説を行ったが、同日夜の高校生に向けての演説では状態の悪化にホワイトハウスの一部の側近たちが動揺。とりとめのないスピーチを続けるバイデン氏の姿に側近の一人は、自分たちが何を見せられているのか分からなかったという。

同書によればこの側近は、「これでうまくいくはずがない」「彼には無理だ。こんなことはクレージーだ。全くもってクレージーだ」と思ったという。

■テレビ討論後の圧力

散々な結果に終わった24年6月のトランプ氏とのテレビ討論後、バイデン氏の最側近らは失態を過去のものにしようとした。まるで何事もなかったかのように。

ある選挙陣営顧問は、テレビ討論の後、エアフォースワン(大統領専用機)の機内でバイデン氏と議論したときのことを振り返る。同書の中でこの顧問は、一文もまともに話せないバイデン氏に困惑。「このような会話では、相手が大統領でなくてもその人の健康状態が不安になる。だが実際ここにいるのは、現職の合衆国大統領なのだ」。この顧問はそのように当時を回想する。

バイデン氏と妻のジル夫人は今月、米ABCとの共同インタビューで大統領時代のバイデン氏の仕事ぶりを擁護。任期最後の年に認知機能が低下していたとする見方に反論した。

ジル氏は「そうした書籍を書いた人々は、ホワイトハウスで私たちと一緒にいたわけではない。だからジョー(・バイデン氏)が毎日どれだけ懸命に働いていたか、彼らは目にしていない」と主張した。

昨年の大統領選で、オバマ元大統領と民主党のシューマー上院院内総務(当時)は、バイデン氏が自身の最側近から必要な情報を与えられていないのではないかとの懸念を抱いていた。「原罪」の著者らによれば、この情報とはバイデン氏の再選の見込みがどれだけ薄いかを示す率直なデータのことを指す。オバマ氏はシューマー氏に対して、バイデン氏と話をし、データを渡すべきだと告げたという。

シューマー氏はデラウェア州へ出向き、上院民主党の間でバイデン氏の大統領選継続を望む声がいかに少ないかを表すデータを本人に示した。その上で、バイデン氏には大統領選の勝算にまつわる情報が伝えられていないと警告した。

これを聞いたバイデン氏はシューマー氏に、「カマラ(・ハリス氏)なら勝てると思うか?」と問いかけた。

「原罪」の記述によるとシューマー氏は、「彼女が勝てるかどうかは分からない」「ただあなたが勝てないことだけは分かる」と答えた。

バイデン氏は24年7月、大統領選からの撤退を決めた。

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バイデン前大統領の健康問題、組織的な隠ぺい疑惑…「補佐官の名前も覚えていない」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.05.21 06:470 글자 작게
https://japanese.joins.com/JArticle/333997

米国のジョー・バイデン前大統領が少なくとも就任2年目(2022年)から「毎日会う補佐官の名前を覚えていない」という主張が出た。

昨年の米大統領選挙時代に提起されたバイデン前大統領の健康悪化と認知力の低下が、実はすでに執権初期から始まったということだ。

CNNアンカーのジェイク・タッパー氏とアクシオス誌記者のアレックス・トンプソン氏が20日(現地時間)に出版した『Original Sin(原罪)』(原題)によると、バイデン氏はこのように政権初期から認知力問題を抱えていた。

また、昨年の大統領選挙中には「車椅子を使わなければならない」という深刻な議論があったが、高齢イシューを避けるために車椅子を使わなかったという。

『原罪』はホワイトハウスと選挙キャンプ関係者200人に対するインタビューを基に執筆された。彼らはインタビューを通じてバイデン氏の家族と中心参謀らがこのような問題を組織的に隠ぺいした可能性を提起した。

著者は「昨年6月、初の大統領選挙テレビ討論で世界が見たのは突発状況や風邪、あるいは準備不足か、過度に準備された人、または少し疲れた人ではなかった」として「バイデン氏の家族と彼のチームは自分たちの私利私欲とトランプ氏の任期に対する恐れのため、数年間認知力が低下してきた81歳の老人を執務室に4年さらに置こうとする試みを正当化した」と主張した。

著者は特に「ジル夫人はホワイトハウスの参謀たちに自身を『ドクターB』と呼ぶように指示した」とし「ジル夫人は(バイデンの)再選出馬の決定を最も強く支持した人の一人であり、彼の病状悪化を最も強く否認した人」と書いた。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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『トランプの電撃作戦』
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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 2024年は選挙の年だった。世界各国で選挙が実施された。アメリカ、イギリス、フランス、インド、インドネシア、日本などで選挙が実施され、イギリスでは政権交代が起きた。しかし、日本人である私たちにとって関心が高かったのは、自国内の与党である自民党の総裁選挙で石破茂氏が総裁に選ばれたことと首相となった石破氏がすぐに仕掛けた総選挙で自公連立政権が衆議院で過半数割れとなり、少数与党になったことと国民民主党が躍進したことである。そして、これらの次としては、アメリカの大統領選挙で、共和党のドナルド・トランプ前大統領が民主党のカマラ・ハリス副大統領を破り、大統領に返り咲いたことだ。共和党は連邦議会上下両院で過半数を獲得し、更には連邦最高裁の判事構成でも保守派が過半数を占める状態となり、「クオドルプル・レッド(quadruple red)」状態になった。

 アメリカ大統領選挙の結果は、トランプが激戦州を全て制し、かつ、得票総数でもハリスを上回った。民主党は惨敗であるが、ブルーステイトを中心に支持は根強い。トランプ嫌いの人々もまた、アメリカには多くいる。それは当然のことだ。私がこのブログで論稿を紹介しているハーヴァード大学教授のスティーヴン・M・ウォルトもその一人だ。彼は、民主党内の介入主義派や共和党のネオコンを厳しく批判してきた。国際関係論においては、リアリズムという立場を取っている。リアリズムの立場からすると、トランプのアイソレイショニズムやアメリカ・ファーストの方が支持しやすいと考えられるが、ウォルトは選挙の前に、ハリス支持を表明した。アメリカの高名な知識人がどのように考えていたかを示すためにも、彼の論稿を紹介したい。

 ウォルトは下の論稿の中で、トランプの一期目の政権の外交を厳しく批判している。まとめると、「トランプが大統領だった際の彼の行動は、リアリストとしての資質を欠いていた。彼は粗野なナショナリストであり、北朝鮮、中国、ロシアとの外交の失敗に直面している。さらに、彼は「永遠の戦争」を終結させることなく、無謀な軍事行動を続け、アブラハム合意は中東での混乱の原因となっている。トランプの外交政策は、イランとの合意破棄やパリ協定の撤回などを通じてアメリカの国益を損ねており、リアリストとして支持されるべきではない。トランプは、あた、有能な人材を雇うことに興味を示さず、忠実な部下を求める傾向があるため、政府の機能に問題が生じる」ということである。また、経済政策についても、ハリスの方がよく分かっているという主張を行っている。

 ウォルトのトランプ批判についてはおそらく正しい。ウォルトは冷静な分析と判断をしている。トランプになったからと言って、バラ色の未来がアメリカに待っている訳ではない。トランプが実施するであろう関税の引き上げと不法移民の大量送還や厳しい国境政策によって経済はダメージを受ける可能性が高い。インフレが起きて、利上げを迫られて、景気が冷え込む可能性もある。しかし、人々はトランプを選んだ。ウォルトのやったような分析や判断は折り込み済みだろう。それでもなお、民主党、ジョー・バイデンとカマラ・ハリスの行ったことよりも、「少しはまし」になるだろうということでトランプが選ばれた。しかし、トランプにとってもできることは少ない。4年間の任期は長いようで短い。この間をうまく取り繕って、次にバトンを渡すということになるだろう。そもそもアメリカにとってできることは既に限られている。そして、衰退は既に止められない状況になっている。その衰退の速度を弱めることがこれからのアメリカにとって大事なことになる。

(貼り付けはじめ)

カマラ・ハリスはリアリストではない。しかし、とにかく私は彼女に投票する(Kamala Harris Is Not a Realist. I’m Voting for Her Anyway

-今年の選挙におけるリアリストの唯一の選択はトランプを拒絶することだ。

スティーヴン・M・ウォルト筆

2024年10月16日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/10/16/kamala-harris-realist-trump-election/?tpcc=recirc_trending062921

現時点では、アメリカには数十人の未決定有権者しか残っていないかもしれないのだから、正しい投票をするよう説得するコラムを書くことは無意味かもしれない。しかし、選挙が激戦州の数票の差で決着するかもしれないことを考えると、できる限りのことをしておかなければ後味が悪い。そこで、私がカマラ・ハリスに投票する理由と、あなたもそうすべき理由を説明しよう。

私のようなリアリスト・抑制主義者(realist/restrainer)は、ドナルド・トランプやJ・D・ヴァンスに傾倒していると思うかもしれない。特にバイデンやその同僚たちのガザ地区やウクライナ戦争、その他の外交問題への対応に失望していることを考えればそう思うのも当然だ。ハリスはそれらの政策に責任を負っていないのであるが、機会を与えられても、それらの政策が間違っていたと言うことを拒否してきた。彼女の主要な外交政策アドヴァイザーであるフィリップ・ゴードンはアメリカの力の限界や、私たちのイメージ通りに地域全体を作り変えようとすることの愚かさについて賢明なことを書いてはいるが、ハリス自身の外交政策に対する見解が、ワシントンのコンセンサスから外れたものであったり、国際問題に対するリアリスト的な見方を反映したものであったりする気配はない。対照的に、トランプとヴァンスは、ヨーロッパとアジアの同盟諸国に、自国の防衛に関してもっと負担して欲しいと言い、ウクライナでの戦争を終結させるべき時だと考え、外交政策の「専門家たち(ブロブ、Blob)」を軽蔑とまではいかないまでも懐疑的に見ている。だから自称リアリストたちは彼らに熱狂するのであり、私が彼らと同じ考えを持っていると結論づけるのは簡単だろう。

では、なぜ私はトランプとヴァンスの厄介な欠点を無視し、前庭にトランプとヴァンスの看板を立てないのだろうか? その理由を数えてみよう。

第一に、トランプが大統領だったときに何度も指摘したように、彼はリアリストではなく、トランプ大学から教育を受けるのと同じように、彼から賢明な外交政策を学ぶことはできない。彼は粗野なナショナリストであり、一極主義者であり、彼を最もよく表す「イズム」はナルシシズム(narcissism)である。そのため、北朝鮮の金正恩委員長、中国の習近平国家主席、ロシアのウラジーミル・プーティン大統領とのリアリティショー的な首脳会談は失敗に終わった。彼は最初の任期中に「永遠の戦争(forever wars)」を終結させることなく、国防総省に必要以上の予算を与え、気に入らない指導者を殺すために外国にミサイルを撃ち込むことに完全に満足した。彼は衝動的で、粗野で、不注意で、明確な戦略を立て、それを貫くことができなかった。大々的に宣伝されたアブラハム合意は、評論家たちが警告していたように、現在中東を混乱させている大虐殺の土台を築くのに役立った。(大統領が無資格の娘婿に不安定な地域で外交官をやらせるからこうなったのだ)。

そして、忘れてならないのは、トランプはイランに包括的共同行動計画からの離脱による核開発再開を許し、パリ協定を放棄し、環太平洋経済連携協定(TPP)を破棄してアジアの同盟諸国に喧嘩を売ることで、中国とのバランスを取ろうとする努力を弱めたことだ。このような外交政策は、まともなリアリストなら支持すべきではない。また、リアリストなら、分断の種をまき、アメリカ人に互いを恐れろと言うことが、国を強くする最善の方法であり、ましてや国を偉大にすることだとは考えないだろう。しかし、それこそがトランプがそのキャリアを通じて、そして特に今回の選挙戦で行ってきたことなのだ。

トランプのビジネスキャリアが長い無能の記録であることを考えれば、どれも驚くべきことではない。その特徴は、巧みな取引や抜け目のない経営ではなく、度重なる破産、騙されて食い物にされた顧客、終わりのない訴訟、そして重罪の税金詐欺の長い歴史である。彼の支持者たちは、最初の任期で自分の部下を信頼することを学んだと主張するが、残念ながら、彼は才能を見極めるのが下手なことが証明されている。彼の最初の国家安全保障問題担当大統領補佐官は1カ月も持たず、トランプは任期中で更に3人、複数の国務長官と国防長官を使い果たした。トランプ大統領のホワイトハウスにおけるスタッフの離職率は過去最高レヴェルであり、トランプ大統領と直接仕事をした何十人もの人々が、トランプ大統領にもう一度チャンスを与えることに断固反対している。

もちろん、トランプは政府で働く有能な人材を雇うことに興味がある訳ではなく、自分の決定がどんなに馬鹿げていても、違法であっても、自分の言いなりになってくれる忠実な人材を求めている。彼の専門知識蔑視は、彼が何も知らない科学へのアプローチに特に顕著に表れている。この盲点は、新型コロナウイルスのパンデミックに対する彼の対応や、気候危機を否定し続ける姿勢を見ても明らかだ。ハリスは、気候が大きな問題であり、温室効果ガスの排出を制限し、すでに経験している影響に適応するためにもっと努力する必要があることを理解している。フロリダ州の住民の方々にはご注意いただきたい。

憲法を守ると宣誓し、職務に有能で国民への奉仕に尽力する人物を任命する代わりに、トランプは行政府に個人として変人を配置したいと考えている。これは極めて深刻な問題だ。なぜなら、自分たちが何をしているのかを理解し、政治的圧力に弱い、よく訓練された有能な人材が大勢いない限り、複雑な現代社会を運営することはできないからだ。私が話しているのは、財務省、国立気象局、連邦準備制度、連邦航空局、国土安全保障省、日常生活が依存している様々な送電網、IRS、食品医薬品局、行政、そして私たちの社会が機能することを可能にするその他の全ての機関を運営する公務員のことだ。

これらの機関は完璧だろうか? いや、誤りを犯しやすい人間で構成された組織が完璧であるはずがない。無知で意地悪な大統領の腐敗した取り巻きが責任者であれば、これらの組織がない方が良いのだろうか? そうではない。アメリカは何十年もの間、主要な公共機関への資金が組織的に不足しており(そのため、政府のパフォーマンスはしばしば期待外れに終わっている)、トランプは(そして彼のために「プロジェクト2025」を起草した過激派は)この問題を更に悪化させようとしている。必要なサーヴィスを全て購入できる富裕層は困らないだろうが、それ以外の人々にとっては、アメリカはますます不快で非効率な場所になるだろう。

第三に、トランプ大統領の対外経済政策へのアプローチは悲惨なものになることが予想される。貿易赤字を縮小することも、中国の経済政策を変えることもできず、アメリカ経済の一部の部門にかなりの損害を与えた。トランプは今、関税を2倍、3倍に引き上げると約束している。現在でも彼は、外国製品に対する関税はアメリカの消費者に対する税金であり、外国の輸出業者が私たちに支払うペナルティではないことを理解していない。(馬鹿げた国境の壁の費用を払うのはメキシコではなく、アメリカの納税者であるということと同様だ)彼が提案する関税は、インフレを再燃させ、基軸通貨としてのドルの魅力を低下させ、アメリカの輸出企業に損害を与えるだろう。私の身勝手な考えではなく、『フィナンシャル・タイムズ』紙のマーティン・ウルフの簡潔で破壊的な評価を見て欲しい。ハリスは経済政策で私が望むことをすべてやるとは限らないが、何十年も拒否されてきた通商政策へのアプローチを採用するつもりもないだろう。

より重要なことは、トランプは今回の選挙で、アメリカの民主政体に真の脅威をもたらす唯一の人物であるということだ。我が国の政治システムには欠点もあるが、それでもほとんどの国民に多大な自由を与えており、改革と刷新(reform and renewal)が可能である。トランプのキャリア全体、とりわけ政治家としてのキャリアを見れば明らかなように、彼は法の支配(rule of law)を軽んじており(前科持ちで性犯罪者であることが確定していることを考えれば、驚くにはあたらない)、憲法秩序(constitutional order)を守ることにまったく関与していない。ハリスが当選すれば、間違いなく私が反対することをするだろうが、権威主義的なシステムを押し付けたり、2028年の再選に敗れても退任を拒否したりはしないだろう。トランプはすでに後者をやろうとしているし、前者もやりたがっているようだ。

私が大げさに言っていると思うだろうか? 私は2016年当時、トランプがもたらす危険性を過小評価していたことを告白するが、証拠が積み重なるにつれて見解を改めた。最も明確な兆候は、トランプが誰を尊敬しているかを見れば分かる。彼は、エイブラハム・リンカーンやFDR、ネルソン・マンデラのような人物ではなく、ウラジーミル・プーティン、ビクトル・オルバン、ムハンマド・ビン・サルマン、ベンヤミン・ネタニヤフのような独裁者であり、彼と同様にルールや規範を軽んじている人物である。プーティンは彼らと同じようにチェック・アンド・バランスに無関心でありたいと考えており、もし彼の思い通りになれば、時計の針を戻すことは容易ではなく、不可能になるかもしれない。ひとたび民主政治体制が独裁に崩壊すれば、それを取り戻すのは困難で不安定なプロセスだ。

トランプは才能あふれる詐欺師(gifted con man)であるため、過去30年間にアメリカで起きたいくつかの変化に対する不安を利用して、多くの一般人を惑わすことができたとしても、それほど驚くことではない。驚くべきは、高学歴で大成功を収めた人々の中に、トランプは自分たちの味方であり、自分たちを裏切ることはないと考えている人々が大勢いることだ。私はピーター・ティールやイーロン・マスクのような人々をそのように考えているが、彼らはアドルフ・ヒトラーをコントロールできると考えていたナイーヴで生意気なドイツの政治家たちを思い出させる。トランプについてはっきりしていることがあるとすれば(それは変幻自在のヴァンス[the shape-shifting Vance]についても同じようなことが言えるようだ)、自分の利益になると思えば誰であろうと裏切るということだ。ボリス・ベレゾフスキーやミハイル・ホドルコフスキーのようなロシアのオリガルヒは、プーティンをコントロールでき、自分たちの富が報復から守ってくれると考えていた。もしあなたがハイテク業界の億万長者で、トランプが信頼できる同盟者だと考えているなら、マイク・ペンス前米副大統領に起きたことを反省したほうがいい。そしてこの警告は、彼の集会に行き、彼が自分たちのために何かしてくれると純粋に思っているように見える全ての人々にも当てはまる。

だから11月5日には、ハリスに一票を投じるつもりだ。奇跡を期待している訳ではないが、彼女は過去30年間、アメリカの外交政策がいかに大きく舵を切ってきたかを理解し、新たな方向に舵を切り始めるかもしれない。私はすでにトランプのショーを見たが、続編はオリジナルよりも更に悪いものになるだろう。私のようなリアリストにとって、これは簡単な決断だ。

※スティーヴン・M・ウォルト:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。ハーヴァード大学ロバート・アンド・レニー・ベルファー記念国際関係論教授。「X」アカウント:@stephenwalt

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 2024年の大統領選挙も終了し、第二次ドナルド・トランプ政権の顔触れが固まった。来年1月にいよいよトランプ政権が正式に発足する。そうした中で、早くも2028年大統領選挙についての世論調査が実施されている。「どの候補者がふさわしいか」という内容で世論調査が実施されている。共和党では、JD・ヴァンス次期副大統領が有力であるが、有権者の半分が「分からない」と答えている。民主党では、カマラ・ハリス副大統領が有力と見られているが、その他にも有力候補として様々な名前が出ている。それぞれ以下に貼り付けるグラフの通りだ。
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2028democraticpresidentialcandidates202411001

 民主党では、カマラ・ハリスは気の毒だった論が出ていることはこのブログでもご紹介している。ジョー・バイデンがとても再選を目指せるような状況ではなかったのに、選挙戦での居残りを引っ張ってしまって、ハリスにスイッチするのが遅くなり過ぎたという論が出ている。また、バイデンがハリスへの協力に消極的だったとも言われている。そうした中で、 7400万票を獲得したハリスが次回も出るべきだという意見は大きい。一方で、女性の候補者が連敗したことで、女性候補者は厳しいのではないかという意見も出ている。ハリスは自身の選択肢を幅広く残しておきたいと考えているようだ。カリフォルニア州知事で経験を積んで60代後半で大統領選挙に再チャレンジということも考えているようだ。
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カマラ・ハリスとジョー・バイデン

 民主党内では、ミシガン州知事グレッチェン・ウィットマーとカリフォルニア州知事ギャヴィン・ニューサムが2028年の大統領選挙有力候補と見なされてきた。ニューサムは、リベラルなカルフォルニア州の知事として人気が高いが、全米が保守化している中で、どれだけアピール力があるかが分からない。カマラ・ハリスもカリフォルニア州司法長官、州選出の連邦上院議員の経験しかなかったこともあり、青い壁の各州での伸びはなかった。長い経歴と豊富な経験を持ち、更にペンシルヴァニア州出身だったジョー・バイデンは地上戦で勝つことができたが、カリフォルニア州の経験しかないハリスやニューサムでは厳しいだろう。

ウィットマーは民主党にとって重要な「青い壁(blue wall)」の各州(ペンシルヴァニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州)の一角の知事を務めている。これは、ペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロにも言えることだが、「青い壁」の奪還が2028年の民主党にとって最重要課題となる。そのことを考えると、2028年の大統領選挙は、ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事、ペンシルヴァニア州のジョシュ・シャピロ知事が手を組む形で戦うのが最上の選択であると考えられる。共和党側はJ・D・ヴァンスが有力だろうが、この4年間でどのように遇され、経験を積んでいくかで、これから先が大きく変わることになるだろう。

(貼り付けはじめ)

カマラ・ハリスの次はどうなるか?(What’s next for Kamala Harris?

ジュリア・ムラー筆

2024年11月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/5005513-whats-next-for-kamala-harris/

ドナルド・トランプ次期大統領に対して敗北をしたことで、ホワイトハウスから退出する準備をしているカマラ・ハリス副大統領の次の行動をめぐって疑問が起きている。

初期の世論調査では、民主党員はハリス副大統領が2028年の大統領選に再び立候補することを望んでいるようだ。しかし党内には、ハリス副大統領が別の役職(手始めにカリフォルニア州知事公邸)を目指すか、トランプ2期目に対する抵抗勢力を強化するために選挙政治以外の道を追求する可能性があると推測する人たちもいる。

民主党系ストラテジストのケイト・メーダーは次のように述べている。「彼女にはまだ長いキャリアが待っている。彼女はこの国の政治家としてはまだ若いし、人々は彼女が次に何をするのか本当に楽しみにしていると思う。なぜなら彼女の周りには非常に強力な支持者がいるからだ。それは選挙後も続くと思う」。

選挙当日は民主党にとって痛ましい夜となった。国の大部分が右傾化する中、トランプは激戦州の全てを席巻し、民主党の拠点に進出し、共和党は来年のワシントンでの三極の権力を掌握する道を開くために連邦上下両院を確保した。

しかし、共和党のライヴァルに2024年の選挙戦伝敗北を受け入れるスピーチで、ハリスは、急浮上した選挙戦を「促進した戦い(the fight that fueled)」を決して止めないことを強調した。

退任する副大統領となるハリスの年齢は60歳で、「まだ闘志を燃やしている(still has a fight in her)」とメーダーは語った。彼女は「それが公共政策となるのか、民間部門となるのか、戦いの場はまだ分からない」とも述べた。

セントルイス大学ロースクールの名誉教授で、副大統領職に関する専門家であるジョエル・ゴールドスタインは、ハリスは、近年の歴史上、大統領選に挑戦して落選し、その後それぞれ異なる道を歩んだ数少ない副大統領の一人であると指摘する。リチャード・ニクソンは1968年にホワイトハウスにカムバックする前にカリフォルニア州知事選に出馬して落選し、ヒューバート・ハンフリーは連邦上院議員に復帰した。アル・ゴアは環境保護活動に専念し、ノーベル平和賞を受賞した。

ゴールドスタインは次のように語っている。「だから、彼女には多くの様々な選択肢がある。 彼女が大統領政治で積極的に活動し続けたいのであれば、それは確かに彼女に開かれたことだと思う。もしそれが彼女の望む道であればそこに進めるだろう」

左派シンクタンク「サードウェイ」の共同設立者であるジム・ケスラーは、「もし彼女が2028年の大統領選に出馬すると決めたら、最初は有力候補としてスタートするだろう。絶対的な有力候補とは思わないが、間違いなくトップでスタートし、資金を集めることができ、有権者に知られ、トランプとの短い選挙戦で非常に良い結果を残した人物ということになるだろう」と述べた。

しかし、2028年の候補者リストには、カリフォルニア州知事ギャヴィン・ニューサム(民主党)、ミシガン州知事グレッチェン・ウィトマー(民主党)、ペンシルヴァニア州知事のジョシュ・シャピロ(民主党)、運輸長官のピート・ブティジェッジなど、民主党の新星が既に名を連ねている。このような候補者層の厚さを前にして、ハリスが今年の勢いを取り戻すのは難しいかもしれない。

民主党系ストラテジストのフレッド・ヒックスは「彼女が2028年の予備選挙で勝つのは難しいだろう。今から予備選挙までの期間は長すぎる。出馬予定、あるいは出馬する可能性が高い人が大勢控えている」と述べている。

その代わり、ハリスの地元カリフォルニア州では、トランプ次期政権に対する民主党優勢(青い州、bule-state)の抵抗の砦としてすでに注目されているハリスに、また新たな道が開けるかもしれない。

ニューサムは州知事の任期制限があるので、2026年の任期満了時に再選を目指す資格はない。

カリフォルニア大学バークレー校政治研究所と『ロサンゼルス・タイムズ』紙が今月行った世論調査によると、カリフォルニア州の有権者の半数近くが、2026年の知事選にハリスが出馬した場合、ハリスを支持する可能性があると回答している。

そうすることで、彼女は「任期後半のトランプ主義に対抗する格好のポジション」に就くことができるとヒックスは語った。ニューサムの事務所は、カリフォルニア州当局が州法に関して、「トランプ対策(Trump-proof)」する用意があると述べており、州司法長官も同様に、物議を醸すトランプ政策に抵抗するために警戒している。しかし、知事も司法長官も22026年に投票が行われる。

ハリスは今年、ホワイトハウスの選挙キャンペーンを行うにあたり、カリフォルニア州での検事としての経験をアピールした。彼女はサンフランシスコ地方検事、そして州司法長官を歴任し、女性初、アフリカ系アメリカ人初、そしてアジア系アメリカ人初の検事と州司法長官として歴史に名を残した。彼女は2017年に連邦上院議員に当選し、バイデン政権に加わるまで進歩主義派の牙城を代表する人物であった。

知事(任期4年)として出馬すれば、ハリスは2028年の大統領選挙の候補から外れる可能性が高いが、必ずしも彼女が再び大統領執務室に挑戦しないことを意味する訳ではないとヒックスは述べている。ヒックスは2032年の選挙に出る可能性を指摘し、その時点でも、20歳以上年上のトランプやバイデン大統領と比較してハリスの年齢がまだ若いことを強調した。

しかし、ハリスがどの道を選ぶにせよ、「彼女は民主党のトランプ抵抗勢力の顔になれるし、なるべきだ」とヒックスは主張した。

弁護士で民主党系のストラテジストでもあるアブー・アマラは、カリフォルニア州知事選、大統領選への再出馬、あるいは市民団体の世界へ足を踏み入れることも、全てハリスのテーブルの上にあるように見えると語った。しかし、「最大の目標は、彼女が前進するにあたり、柔軟性を保つことだ」とアマラは述べている。

アマラは更に「この質問のもう一つの部分は、彼女が自分の政治的キャリアの頂点に何を望んでいるのかということだ」と語った。

そして、2024年に事態が落ち着くにつれ、専門家たちはハリスが民主党の探求活動に介入し、選挙戦で何が起こったのかを自身の物語を語るのではないかと予想している。たとえば、2016年にトランプに敗れた後、クリントンは『何が起きたのか?(What Happened)』という適切なタイトルの回想録で自身の選挙戦を記録した。

アマラは次のように述べている。「今後8カ月から12カ月の間は、何が起こったのかを整理するための期間になると思う。講演であれ、本を書くことであれ、何が起こったのかについてのハリスの理解を明らかにすることを期待している。民主党は、様々な説や理論をめぐって喧々諤々と議論することになるだろう。しかし、彼女から直接話を聞くことは重要だと思う」。

専門家も民主党の関係者たちも、選挙日からわずか数週間、ホワイトハウスが変わる2カ月前では、ハリスの将来を水晶玉のように覗き込むのは時期尚早だと強調した。しかし、2024年以降に党が再建される際、退任する副大統領はこのゲームに残り、党のチェンジメーカー的存在であり続けるだろうというのが一致した予測だ。

メーダーは、「彼女は休息をとり、次のステップについて考える十分な時間を確保するべきだと思う。彼女は、民主党が切望しているリーダーシップや次世代のリーダーシップに関して、彼女が提供できるものがあることを、民主党と国民に証明したと思う。それでも、彼女が次に何をするかは、まだ分からないと思う」と述べた。

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民主党員をランク付けする:民主党が次に大統領候補として指名するかもしれない人々(Ranking the Democrats: Here’s who the party could nominate next as president

エイミー・パーネス筆

2024年11月29日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/5013304-democrats-2028-presidential-contenders/

民主党はカマラ・ハリス副大統領が、ドナルド・トランプ次期大統領に敗れて、傷を癒している最中であるが、既に2028年の大統領選挙で誰が党を率いるかに注目が集まっている。

それは、間口が大きく開いているように見られる戦いだ。

確実なのは、憲法で2期までと制限されているため、トランプ自身が投票に参加しないことだ。共和党の次期大統領候補としては、JD・ヴァンス次期副大統領が有力視されている。

民主党には候補者が多く出てくる可能性があり、党内でも何を重視するかで意見が分かれている。

民主党の一部は、党は次の大統領選挙に向けて新しい血を注入し、再出発する必要があると主張している。

別の人々は、今月初めに7400万票がハリスに投じられたことを指摘し、ハリスはもう一度大統領の座を狙うに値すると主張している。

ある民主党系ストラテジストは、「2016年と同様、私たちは少し道に迷って、舵を失っている状態だ。今後何がしたいのかよく分かっていない」と述べた。

確かなことは、混戦だということだ。

現在、早い段階ではあるが、ハリス、ジョージア州のラファエル・ワーノック連邦上院議員、メリーランド州のウェス・ムーア知事、ケンタッキー州のアンディ・ベシア知事、ニュージャージー州のフィル・マーフィー知事まで名前が挙がっている。

これから有力な候補者たちを見ていく。

(1)カマラ・ハリス(Kamala Harris
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民主党は少なくとも大部分において、敗北の責任をハリス氏に押し付けていない。

最も多くの批判を受けているのは、7月に選挙戦から撤退し、ハリス副大統領を支持したバイデン大統領だ。

多くの民主党員は、ハリスがバイデンから受け継いだレースは、多くの点で、もし彼女が当初候補者としてのレースとは違ったと述べている。

ハリスに近いある人物は、「多くの点で、これはまだジョー・バイデンのレースだった。最終的に彼女が候補者になったとはいえ、必要なときに彼と距離を置くという作戦が取れなかったことを含め、彼女には多くの制約があった」と語った。

同時に、再出馬を切望する人々によると、ハリスは短いレース期間でも印象的なキャンペーンを実行できることを示したという。

副大統領の政治的本能も成長し、今では10億ドルの選挙運動を展開した人物のような理解と経験を備えている。

また、知名度(name recognition)もある。今週発表されたエマーソン・カレッジの世論調査では、ハリスは2028年の他の候補者候補をリードしている。

確かに、ハリスが候補者になることはないだろうし、競争的な予備選を勝ち抜くこともないだろうと考える理由はいくつもある。

ジェンダーの問題もある。民主党が過去2回、女性を大統領候補の旗手に指名したとき、候補者はトランプに敗れた。民主党の中にも、別の方向に進みたいと考える人たちはいるだろう。

ハリスもまた、10億ドルを投じた選挙戦を率いて敗れた。そして、彼女のキャンペーンは完璧とは言い難いものだった。2024年に負けたのと同じ候補者を2028年に選ぶのは愚かだと考える民主党員もいる。

ハリスもまた、選択肢を広げておきたいと盟友たちに語っている。大統領選に再出馬しないのであれば、カリフォルニア州知事選への出馬は容易だとも言われている。

(2)ギャヴィン・ニューサム(Gavin Newsom
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バイデンが選挙戦から撤退するずっと前から、カリフォルニア州知事ギャヴィン・ニューサムは、大統領が再選に立候補しないことを決めた場合に備えて、自らを候補者候補として位置づけていた。

多くの意味で、ニューサムはトランプに対抗する民主党の防波堤となった。

バイデン政権を通じて、ニューサムはトランプ大統領やフロリダ州知事ロン・デサンティス氏(共和党)と対戦したが、これは共和党の顔を殴る指導者を望んでいた民主党にとって喜ばしいことであった。

ある民主党系ストラテジストは「彼は戦いに身を投じており、民主党は一発逆転を狙っている」と述べている。

ニューサムは資金を集めることができるだろう。彼は全国的に知られており、人口の多い民主党優勢州を率いている。

彼は自らをトランプ抵抗運動の一員と位置付けており、すでに「次期トランプ政権に直面してカリフォルニアの価値観と基本的権利を守る」ためにカリフォルニア州議会の特別議会の開催を求めている。

カリフォルニアの民主党員は大統領選挙で総選挙に勝てるのか? アメリカの歴史上、それはまだ実現しておらず、多くの民主党議員が疑念を抱いている。

しかし、ニューサムが2028年の最有力候補であることは間違いない。

(3)グレッチェン・ウィットマー(Gretchen Whitmer
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ミシガン州知事グレッチェン・ウィットマーは、以前から有力な大統領候補と見なされてきた。

民主党の中には、今回の大統領選挙の候補者指名争いについて、もっとオープンなものであれば、ホイットマーがより強力な総選挙候補であったかもしれないと考える人たちもいる。

2024年にはハリスが、2016年にはヒラリー・クリントンがトランプに敗れているため、2028年にはウィトマーはジェンダーに関する疑問に直面することになる。

民主党系ストラテジストであるクリスティ・セッツァーは、「次の候補者は、常に前回の候補者についての審判を受けることになる」と語っている。

セッツアーは「ハリスは誰もが望んでいたよりもはるかに良いレースをしたと思うが、明らかな結論は、私たちは有色人種の女性や女性が出馬すべきではないということだ。残念だが、違う分析をしている人がいるとは思えない」と述べた。

ウィトマーのファンは、ミシガン州知事は民主党が競争力のある「青い壁(blue wall)」の州で勝てるだけでなく、政策課題も成功させられるという証拠だと指摘する。

ウィトマーは2020年のバイデンの伴走者(副大統領候補)の最有力候補だったが、それ以来、彼女の立場は政治的スターとして上昇した。

連邦政府の選挙資金報告書によると、彼女はまた、自身のスーパーPACである「Fight Like Hell PAC」のために数百万ドルを集め続けている。

ここ数カ月でウィットマーと話したことのある、ある民主党関係者は、「彼女は本物(real deal)だ」と語った。

(4)ジョシュ・シャピロ(Josh Shapiro
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ペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロは、ハリスがペンシルヴァニア州で敗北したとは言え、民主党のホワイトハウス喪失からより強い立場に浮上した。

シャピロはミネソタ州知事ティム・ウォルツに次いで、ハリスの副大統領候補として第二候補と広く見られており、シャピロが青い壁(blue wall states)で変化をもたらしたかどうかについては今後疑問が残るだろう。

ある民主党の大口献金者は「その結果がどうなるかは分からないが、彼がそのことで多くの注目を集めたことは確かだ。そして、私たちの多くは、彼にはいつかもっと上の選挙に出馬する素質があると考えている。彼には確かな重みがある」と述べた。

シャピロは全国的な知名度を高める一方で、州内では堅実な支持率を維持している。

しかし、世論調査によると、知名度を上げるにはまだ課題があるようだ。今週発表されたエマーソン・カレッジの世論調査では、シャピロを支持すると答えた人は全体のわずか3%だった。

(5)ピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg
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2020年の大統領選に出馬して以来、ピート・ブティジェッジ運輸長官は民主党の将来を担う人物だと言われてきた。

42歳になるブティジェッジは、バイデンの運輸長官としての在任期間は必ずしも順調ではなかったが、民主党員たちは次々、彼は間違いなくバラク・オバマ元大統領以来の党最高のコミュニケーターだと主張している。

大勢の観衆の前でも、またフォックス・ニューズの番組でも余裕のある彼は、トランプに群がる労働者階級の男性を取り込むために党がもっと努力する必要があると言う民主党にとって魅力的な存在だ。今のところ、彼は民主党の大半の候補者を引き離している。

(6)JB・プリツカー(JB Pritzker

バイデンが6月の討論会で惨敗した後、イリノイ州知事JB・プリツカーは、イリノイ州知事の地元であるシカゴで開催された大会での予備選で、候補者指名を狙うかもしれないと多くの人が考えていた民主党員の一人だった。

ハイアット・ホテル・チェーンの後継者であるプリツカーは、選挙資金を簡単に、しかも迅速に蓄えることができる。

彼はまた、民主党にとって魅力的な可能性のある一連の立法上の実績も持っている。

彼は州の最低賃金を15ドルに引き上げる法案に署名した。また、リプロダクティブ・ライツ(reproductive rights、生殖に関する権利)法案にもいくつか署名している。

コロラド州のジャレッド・ポリス知事とともに、「民主政治体制を守る知事(Governors Safeguarding Democracy)」と呼ばれる民主党知事連合の結成に貢献した。

民主党はまた、今月初めにトランプ氏が当選した翌日、プリツカーがトランプを追及したことを称賛している。

プリツカー「イリノイ州民の自由と機会と尊厳を奪いに来るつもりなら、幸せな戦士はやはり戦士であることを思い出して欲しい。皆さん、人々のために、そして、私を通じて、戦いをやり遂げて欲しい」と述べた。

(7)アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez
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民主党が党の将来について語るとき、35歳のニューヨーク選出の連邦下院議員の名前は常にトップに出てくる。

民主党は以前から、オカシオ=コルテスの「でたらめ(BSBullshit)を切り裂き、ありのままを語る」能力に感銘を受けてきたと別の民主党系ストラテジストは語っている。

「彼女は雑音を切り抜けることができ、ワシントンのように話すことはない」と述べている。

民主党は、オカシオ=コルテスは若い有権者たちを惹きつけるだろうし、2018年に連邦下院議員に当選して以来続けているように、ソーシャルメディアやポッドキャスト、その他のオンラインツールを使うこともほとんど問題ないだろうと言う。

オカシオ=コルテスは、かつてはバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)を含む進歩主義派と連携していたが、その後はより中道的な候補者を支持している。

それでも、民主党の一部有権者たちは、オカシオ=コルテスは依然として党の左派の代表であり、彼女がより高い役職を目指した場合、不利になる可能性があると述べている。

彼女と「スクワッド(squad)」は、あまりに早く、あまりに強くプッシュし始めた。「ワシントンDCはそんな風にはいかない。我が党もそうではない。私たちは基本に戻る必要がある」と最初のストラテジストは語っている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。
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 第二次ドナルド・トランプ政権の顔触れで注目を集めていた財務長官に、スコット・ベセントが指名された。スコット・ベセントはウォール街の投資会社の創設者で、投資家として実績を上げた人物だ。なんと言っても著名な投資家であるジョージ・ソロスの下で、10年以上にわたり、投資担当を務めた人物である。ウォール街の真ん中を歩いてきた人物と言えるだろう。ベセントはトランプ側近として、減税と規制緩和、財政赤字削減を通じての経済成長を主張している。トランプが目指す、ロナルド・レーガン政権時代の経済政策を実行することになるだろう。
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ドナルド・トランプとスコット・ベセント

 トランプの最側近となっているイーロン・マスクは、商務長官に指名されたハワード・ラトニックを財務長官に指名するように求めていたという報道もあり、今回、ベセントが指名されたことで、財務長官に関しては、トランプが自身の意思を通したということになる。しかし、財務長官指名に時間がかかったことは、陣営内部で相当な検討や話し合いが行われたことが容易に推察される。

 ベセントの財務長官指名をはじめとして、第二次ドナルド・トランプ政権は、各担当省庁の人事に相当な介入を行う用意があることは分かるが、意外と中道派というか、強固な、時に狂信的なトランプ支持を表明する人物は入っていないという印象である。狂信的な支持者は力強い存在であるが、逆に、あまりにも熱心すぎるあまりに考えが異なるようになると、強力な反対者となってしまう。これは私たちの身近な生活においても良く起きることだ。

 財務長官の場合はやはり、ウォール街の主要な人物たちとの面識がなければ務まらない。そうした点で、ソロスの下で働いて、自身の会社を成功させたベセントは適任ということになる。ベセントが減税を主張し、規制緩和を行い、経済成長率を上げる、また、トランプが主張している関税に関しても賛成しているということから、ドル安傾向になると考えられるので、日本円との関係で言えば円高ということになる。既に、市場ではそのように織り込んで動いているようだ。

(貼り付けはじめ)

●「米次期財務長官に投資家起用 ベセント氏、減税を主張」

11/23() 9:41配信 共同通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/e958a70cf6a10487f4b589260d232f2eaccb533b

 【ワシントン共同】トランプ次期米大統領は22日、財政政策のかじ取りを担う財務長官に投資家のスコット・ベセント氏を起用すると発表した。これまで規制緩和や減税を通じた経済成長を重視する姿勢を示しており、トランプ氏が選挙戦で主張した法人税や所得税の減税などを担う。

 議会上院の承認を経て正式に就任する。ベセント氏は自ら創業した投資会社の運用責任者を務め、共和党の大統領候補者選びの段階からトランプ氏への支持を明確にしてきた。

 トランプ氏はベセント氏に関し「米国の新たな黄金時代をもたらす手助けをしてくれるだろう」とコメントした。

 ベセント氏は10日のウォールストリート・ジャーナル紙への寄稿では「トランプ氏は、規制緩和と税制改革を通じ、供給サイドの成長を促進するという使命を担っている」と指摘。バイデン政権による財政赤字拡大やエネルギー政策を批判した。

 米財務省は、G7で協調するロシアのウクライナ侵攻を巡る制裁や、ウクライナへの財政支援を手がけてきた。トランプ氏は支援の見直しなどに踏み切るかどうかも焦点となる。

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ドナルド・トランプ大統領はリスクの高い財務長官にスコット・ベセントを指名:知っておくべきこと(Trump taps Scott Bessent for high-stakes Treasury chief: What to know

アシュレイ・フィールズ筆
2024年11月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/business/5006200-trump-taps-scott-bessent-for-treasury-what-to-know/

ドナルド・トランプ次期大統領は金曜日、億万長者の投資家スコット・ベセントを財務長官に選んだ。トランプは、関税引き上げ(increase in tariffs)と世界貿易活動の大幅な転換(major shifts in the country’s global trade operations)を求め続けている中で、ベセントを財務長官に選んだ。

ベセントはヘッジファンドのキー・スクエア・グループの創設者として巨額の利益を上げ、数十年にわたり民主党の大統領候補を支援してきた。しかし、今回、トランプの2期目を目指す選挙キャンペーンに資金を提供した。

トランプは声明の中で、「アメリカの主流とアメリカの産業の生涯のチャンピオンとして、スコットは、アメリカの競争力を高め、不公正な貿易不均衡を止め、成長を最前線に置く経済、特に来るべき世界エネルギー支配を通じた経済の創造に取り組む私の政策を支持している」と書いている。

(1)民主党員からトランプ支持者へ転身(Democrat turned Trump supporter

ベセントは民主党とつながりがあり、バラク・オバマ、ヒラリー・クリントン、アル・ゴアの大統領選挙キャンペーンに献金し、2000年代には資金集め集会のホストを務めた。

自身の会社を設立する以前、ベセントは億万長者ジョージ・ソロスの下で10年以上、投資の最高責任者として働いていた。ソロスは民主党の最も著名な献金者の一人であるが、トランプ大統領とその同盟者たちから長年怒りを買っており、今年初めにはイスラエル・ガザ戦争に反対する大学キャンパスの抗議行動に資金を提供したと指摘する共和党員もいた。

『ナショナル・インタレスト』誌によれば、ソロスはアメリカ自由人権協会(American Civil Liberties UnionACLU)、全米家族計画連盟(Planned Parenthood)、ブレナン・センター(Brennan Center)など民主党の活動に対する強力な支持者である。

それにもかかわらず、『ウォールストリート・ジャーナル』紙の報道によれば、ベセントは長年トランプの周辺におり、JD・ヴァンス次期副大統領とも親しい。

(2)投資家としての背景(Background as an investor

ベセントのキャリアはソロスの下で飛躍的に成長し、1992年にロンドンの投資会社の対英ポンド賭けを手伝い、会社に10億ドルの支払いをもたらしたとロイター通信は報じている。

数年後、彼は最終的に450万ドルを集め、世界のマクロ経済をモニターする自身のヘッジファンドを立ち上げた。金融業界でのキャリアを通じて、投資家であるトランプの兄ロバート・トランプとも親密な関係を築き、一族の腹心であり続けた。

金曜日の発表前、ある情報提供者は本誌に対し、ベセントがトランプ政権に参加する場合、債券市場や為替市場での経験が有利に働くだろうと語っていた。

(3)トランプ選対の経済担当顧問(Economic adviser to Trump campaign

トランプは選挙期間中、経済情勢、特に減税と関税引き上げについて頻繁に語った。選挙期間中、ベセントは定期的にトーク番組に出演し、次期大統領の経済政策を宣伝した。

財務長官候補ベセントは第一次トランプ政権時に実施された減税の支持者で、連邦上院で人事承認されれば、国内市場の規制緩和を優先することになるだろう。

AP通信によると、ベセントは、国内総生産の3%に相当する財政赤字の削減と日量300万バレルの追加石油生産を通じて3%の経済成長を促進するという提案でトランプ前大統領に感銘を与えたということだ。

しかし、トランプ支持者の中には、ベセントが関税については弱いのではないかと懸念する者もいる。トランプはベセントに関する発表で関税について全く触れなかった。

(4)関税を支持(Support of tariffs

トランプはホワイトハウスへの立候補を通じて、アメリカ国内で調達・製造されていない製品への全面戦争(all out war)を宣言した。

共和党は、全ての輸入品に10~20%の一般関税を、中国からの輸入品には60%の関税をかけることを提案し、ベセントはその監督を任されることになる。ベセントは、関税は貿易協定を洗練させるために、制裁措置の代わりに使うことができると述べた。

AP通信によると、ベセントは8月に『ブルームバーグ』誌に対し、「ある意味、関税は制裁なき経済制裁(economic sanction without a sanction)とみなすことができると思う」と語った。

ベセントは「もし中国の経済政策が気に入らなければ、過剰な生産で市場を溢れさせれば、制裁を加えることもできるし、関税をかけることもできる。それは為替操作に対する答えともなる」と述べている。

(5)歴史上として初の同性愛者を公言した財務長官(First openly gay Treasury chief

ベセントが人事承認されれば、共和党政権で初めてLGBTQの閣僚が連邦上院で人事承認されることになる。ベセンは元ニューヨーク市検察官のジョン・フリーマンと結婚している。

ベセントは、2021年に連邦上院でLGBTQを公開した初の閣僚となった運輸長官ピート・ブティジェッジの足跡をたどることになる。

その前年、トランプ大統領はゲイであることを公表しているリチャード・グレネルを連邦上院の人事承認を必要としない国家情報長官代理に任命した。

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「三つ巴」:トランプ大統領の財務省指名権は宙に浮いている(‘Three-way tie’: Trump Treasury pick hanging in limbo

アレックス・ガンギターノ筆

2024年11月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5005347-trump-treasury-pick-limbo/

ドナルド・トランプ次期大統領はここ数日、財務長官に指名されそうな人物との会合に明け暮れているが、今のところ最終決定はどう転ぶか分からない状況だ。

アポロ・グローバル・マネジメントの共同設立者であるマーク・ローワン、連邦準備制度理事会の元理事のケヴィン・ウォーシュ、キー・スクエア・グループの創設者であるスコット・ベセントの3人は今週、次期大統領と会談するためにフロリダ州パームビーチを訪れた。

共和党関係者によると、会談にはトランプと、JD・ヴァンス次期副大統領、スコット・ラトニック、リンダ・マクマホン政権移行共同議長を含むトランプのティームのメンバーも含まれていたという。ローワンは金曜日にトランプのマー・ア・ラーゴ邸に戻った、と情報関係者は付け加えた。

ある共和党関係者は「今は試合前のボールのトスを待っている、そんな状況だ。 ボールは3人の候補者のうちの真ん中に位置している」と語った。

この情報提供者は、現状を「三つ巴(three-way tie)」と表現し、指名のタイミングはトランプが「車輪を回すのを止めた時(stops spinning the wheel)」になるだろうと付け加えた。

政権移行に詳しいある関係者は「流動的だ トランプ大統領は、ウォーシュの浮き輪がどう動くか見ている」と述べた。

ビル・ハガティ連邦上院議員(テネシー州選出、共和党)も財務長官の候補と目されており、火曜日にテキサス州で行われたスペースXの打ち上げにトランプ大統領とともに出席した。

トランプ政権移行ティームはコメントの要請に応じなかった。

トランプ大統領は、ウォール街の潜在的な不安を静めながら、自身の関税計画を支持した実績のある候補者を見つけるのに苦労しているため、財務長官の競争は数日間続いた。

財務長官は、トランプ大統領にとって最も重要な閣僚候補であり、木曜日にマット・ゲイツ前連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)が辞退したことで、司法長官候補がスポットライトを浴びた後に指名されることになる。

財務省を除き、そしてトランプ大統領がケリー・ロフラー元連邦上院議員(ジョージア州選出、共和党)に農務長官を依頼する可能性もあるが、トランプ大統領はまだ労働省と住宅都市開発省のトップを誰にするか選ばなければならない。

再選を逃したばかりのロリ・チャベス=デレマー連邦下院議員(オレゴン州選出、共和党)は、労働省の最有力候補と目されており、米国際トラック運転手組合(ティームスターズ)の支援を受けてきた。

財務長官の候補者の1人は、財務長官の代わりに国家経済会議(National Economic CouncilNEC)のトップに抜擢される可能性もある。ウォーシュはまた、ジェローム・パウエル議長の任期終了後の次期連邦準備制度理事会(FRB)議長に興味を示している。

今週初めにハワード・ラトニックが商務長官に指名され、財務長官候補から外れ、リンダ・マクマホンは教育長官に指名された。

(貼り付け終わり)

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 古村治彦です。
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 アメリカ大統領選挙が終わって3週間ほどが経過した。結果は共和党のドナルド・トランプ前大統領(次期大統領)が民主党のカマラ・ハリス副大統領を破って二回目の当選を果たした。トランプは選挙人312人(一般得票約7700万票、約49.9%)、ハリスは選挙人226人(一般得票約7400万票、約48.3%)という結果になった。トランプにとっては選挙人だけではなく、一般得票でも勝利し、圧勝、完勝ということになった。一度敗れた前大統領が再び勝利を収めたのは100年以上ぶりのことだった。

 前回は民主党のジョー・バイデン前副大統領(当時)が選挙人306名(一般得票約8100万票、約51.3%)で、共和党のドナルド・トランプ大統領(当時)を破った。トランプの獲得した選挙人は232名(一般得票約7400万票、46.8%)だった。この4年間で民主党はどうしてここまで票を落とすことになったのかということを、民主党自身が詳しく分析しているだろうが、各メディアでも出口調査の結果を基にして分析している。

 何よりも重要な原因となったのは、中絶問題を一番の争点として訴えて、経済問題を訴えることができなかった、アピールできなかったということになる。

民主党の支持基盤である、若者たち、ヒスパニック系、アフリカ系での支持を伸ばせなかった。ここに尽きるようだ。生活に密着する問題、インフレ問題について、バイデン政権も対策を行っていたが、それをアピールできなかったこと、更には生活実感として、そのような対策の効果を実感できなかったということである。インフレが直撃するのは所得が低い人々であり、そうした人々は、元々は民主党支持であったが、民主党がそうした人々の生活実感を救い取れなくなっている、また、都市部の中間層からエリート層が支持基盤となっているというところが大きい。また、有権者全体として、「経済問題はやはり、経営者出身のトランプだ」という感覚がある。

 文化的、価値観に関する問題で選挙を戦って勝てることもあるが、アメリカで生活に不安を持つ人々、明日の生活もどうなるか心配している人々、家賃高騰のために車上で生活することを余儀なくされている人々は直近の生活問題を解決することを望む。生活が安定しなければ、社会的な問題について考えることはできない。民主党はそうした生活実感を取り戻すことができるかどうか、ここが重要になってくる。

(貼り付けはじめ)

2024年大統領選挙について出口調査が語っていること(What the exit polls say about the 2024 election

ダグラス・ショーエン、カーリー・クーパーマン筆

2024年11月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/4993162-trump-victory-exit-polls/?tbref=hp

ドナルド・トランプ次期大統領の選挙での勝利から2週間近くが経過したが、民主党員も専門家たちも、トランプが300人以上の選挙人を獲得するために、どのようにして7つの激戦州全てを席巻したのかを理解しようとしている。

出口調査はトランプ大統領の勝利の背後にある最大の理由を明らかにしている。有権者たちはカマラ・ハリス副大統領と民主党の左派によった綱領(left-leaning platform)を拒否した。この綱領は経済をほとんど無視しながら進歩的な社会問題に力を入れるものだった(doubled down on progressive social issues while largely neglecting the economy.)。

その代わりに、経済や移民問題といった生活に密着した台所テーブルに関する諸問題(kitchen table issues)に焦点を当てたトランプは、中絶の権利に焦点を当てたハリスや民主党よりも、特にハリスが勝利するために必要とした若年層、ヒスパニック系、黒人有権者に対して大きな効果を発揮した。

言い換えるならば、出口調査は、民主党が主要な有権者の間でさえ、意向を正しく読み取ることに失敗したことを示している。彼らは、2024年は2022年に似ていると想定していた。2022年は、中絶の権利をめぐる争いがインフレへの懸念をかき消し、全米で民主党を押し上げた。

しかしながら、CNNの2022年、2024年の出口調査によると、2022年には全米の有権者たちにとって中絶(27%)が2番目に重要な問題であったのに対し、2024年には14%だけが重要な問題だと答えただけだった。

『ニューヨーク・タイムズ』紙によると、その時点までに、ヒスパニック系が多数を占める郡は2020年と比べてトランプの支持率が13ポイント、アフリカ系アメリカ人が多い郡は3ポイントも上昇しており、これは主にトランプが選挙運動の目玉とした経済への懸念によるものだと言われている。

ハリスと民主党が明確な経済政策を打ち出せなかったことは、この2つの票田(ヒスパニック系とアフリカ系アメリカ人)に特に大きなダメージを与えた。実際、ヒスパニック系有権者の40%が、経済が自分の投票にとって最も重要な問題であると答えており、CNNによれば、これは全米の有権者全体よりも8ポイント高い。

経済が最重要課題であると答えたヒスパニック系有権者のうち、3分の2(67%)がトランプに投票したのに対し、ハリスに投票したのはわずか32%であった。

更に言えば、経済を最重要課題とした20%の黒人有権者のうち、トランプはその4分の1強(26%)の票を獲得し、黒人有権者全体における支持率の2倍に達した。

ペンシルヴァニア州やアリゾナ州のようないくつかの激戦州の中では、ヒスパニック系の支持率が2020年と比べてトランプはそれぞれ27ポイント、10ポイント改善した。これが決定的だったようだ。

そのため、ヒスパニック系有権者を詳しく見ると、民主党のメッセージ発信(messaging、メッセージング)がいかにずれていたかが浮き彫りにされる。

ハリスと民主党全体は、トランプ大統領の移民排斥のレトリックに大きく傾倒したが、ヒスパニック系有権者の10人に7人以上(71%)は、ユニドスの出口調査によれば、より厳しい国境警備政策を支持している。

これと同様に、2022年の中間選挙では中絶(28%)がヒスパニック系有権者の最重要課題であったが、CNNによれば、今年同じことを答えたヒスパニック系有権者は2分の1以下(13%)であった。

同様に、伝統的に民主党の信頼できる有権者である若い有権者も、ハリスと民主党のメッセージ発信には動かなかった。ニューヨーク・タイムズの分析によると、「18~34歳の人口が多い」郡は、トランプ支持に6ポイント動いた。

特に30歳未満の有権者について見ると、ハリスはこれらの有権者の支持を勝ち取ったものの、彼女の獲得した11ポイント差は、4年前のバイデンの24ポイント差の約半分にとどまった。

ペンシルヴァニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州といった「青い壁(Blue Wall)」の州と呼ばれる各州では、民主党はハリスが選挙人270人を超えることを期待していたが、若い有権者のシフト(移動)はさらに顕著だった。

エジソン・リサーチ社によれば、2020年と比較して、30歳未満の有権者はミシガン州で24ポイント、ペンシルヴァニア州で18ポイント、ウィスコンシン州で15ポイントもトランプにシフトした。これらは激戦州7州全てで最大の動きとなった。

中間選挙とは異なり、大統領選挙はほぼ常に経済と現政権をめぐる国民投票(referenda)であり、ハリスが苦戦したのはまさにここだった。

タフツ大学の世論調査によれば、30歳以下の有権者が今回の選挙の争点として挙げたのは、中絶よりも経済であり、その割合はほぼ4対1(40%対13%)となった。

ハーヴァード大学ケネディスクール政治学研究所の世論調査ディレクターであるジョン・デラ・ヴォルペが指摘するように、「私が実施した初期のフォーカス・グループから、トランプ政権下では若年層の財政が良くなるという生得的な感覚(innate sense)があった」ということだ。

興味深いことに、外交政策が経済、移民、中絶といった問題よりも関心が低いことが多い中、中東戦争に対する一貫した立場を明確に打ち出せなかったハリスは、ミシガン州のアラブ系有権者とペンシルベニア州のユダヤ系有権者からの支持を失った。

アラブ系アメリカ人の人口が多い都市であるミシガン州ディアボーンでは、トランプが得票率42%、ハリスの36%で僅差で勝利したが、これは2020年のバイデン大統領と比べてハリスは33ポイントも得票率を下げたことになり、これは驚異的な低下となった。多くの住民は、ハリスがイスラエル支持だと感じ、それに反対した。

逆に、ペンシルヴァニア州の世論調査によれば、ハリスがジョシュ・シャピロ州知事を副大統領候補に選ばなかったことは、CNNのヴァン・ジョーンズのような一部の民主党員でさえも、反イスラエルの進歩主義派をなだめるための努力だと非難しており、ハリスはペンシルヴァニア州を失った可能性がある。

ハリスはペンシルヴァニア州のユダヤ人票を48%対41%で獲得した。しかし、『ニューヨーク・ポスト』紙は、彼女がシャピロを選んでいたら、2倍以上の差をつけて勝っていた可能性が高いという世論調査を報じた。ユダヤ系有権者が有権者の3%を占めており、トランプが13万票弱の差で勝利した、この州では、これは大きな失敗だったかもしれない。

ミシガン州とペンシルヴァニア州でのハリスの苦戦は、彼女の選挙戦を悩ませた核心的な問題を象徴している。彼女は大統領になるための政策課題を明確に示すこともなく、不人気なバイデン大統領と自分を切り離して定義することもなかった。

より大きなスケールで見れば、全米および激戦州の世論調査は、ハリスと民主党のより深い問題を明らかにしている。有権者が、食卓に食べ物を並べられるかどうかや、管理されていない南部国境の脅威よりも、中絶のような問題を優先してくれることを期待し、手遅れになるまで間違った問題を優先したのだ。

ポジティヴに捉えれば、民主党の敗北の大きさと世論調査は、2026年、そして2028年に民主党がどのように立ち直ることができるかの明確な道筋を示している。とはいえ、民主党がこの地図に従って、経済中心の中道主義を発展させることを選択するかどうかは重要である。綱領を強化するか、その代わりに左寄りの社会問題に力を入れるかは見ていかねばならない。

※ダグラス・E・ショーン、カーリー・クーパーマン:ニューヨークに拠点を置く世論調査会社「ショーン・クーパーマン・リサーチ」の世論調査専門家兼パートナー。共著として『アメリカ:団結するか、死ぬか(America: Unite or Die)』の共著者である。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。よろしくお願いいたします。
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選挙後のカマラ・ハリスとジョー・バイデン

 アメリカ、特に民主党界隈では、「カマラ・ハリスは気の毒だった」という主張が出ている。私もその通りだと考える。佐藤優先生との対談『』は期せずして、「カマラ・ハリスの敗北分析」のようになったが、私たちが話していた内容が現在、カマラ・ハリスの敗北分析で言われている。

 それでも、ハリスには気の毒な面が多かった。まず、選挙活動が実質3カ月ほどに限定された。ジョー・バイデンの高齢問題について注目が集まり、選挙戦からの撤退の声が大きくなったのが今年6月で、それまでは大統領選挙は無風状態で、トランプが有利という展開になっていた。大統領選挙候補者討論会で、一気にバイデンへの不安が噴出し、民主党側は火消しに躍起になっていたが、そのうちに、バイデンを諦めさせることが必要ということになり、バラク・オバマに「何とかしてくれ」という声が集まり、彼が引導を渡す形になったようだ。それが今年7月のことで、1カ月もの間、ぐずぐずしていたことになる。そして、「副大統領のカマラが良いのではないか」という空気づくりがなされて、「カマラ待望論」が無理やりつくられた。

 そもそも、カマラ・ハリスは大統領選挙の候補者になるほどの資質を持った人物ではない。以下の論稿でネイト・シルヴァーが書いているように、「誰かの代わりになるくらいのレヴェル」であって、連邦上院議員でも彼女の資質だと持て余すくらいだと思われる。バイデンがハリスを副大統領に選んだのも、自分を脅かさないくらいの人物ということもあったと思われる。ハリスにとって大統領選挙候補者は荷が重すぎたということになる。そもそも、2020年の大統領選挙民主党予備選挙では、カマラ・ハリスは早々に撤退している。有力候補という見方をされていたのに、支持率が伸びなかった。民主党自体がカマラ・ハリスの資質について最初から見切っていた。自分の能力よりも上の仕事をさせられるのは気の毒なことである。

 7月末からカマラ・ハリスは選挙運動を始めることになったが、選対は「居抜き」のような形で、それにバラク・オバマが自身の選対のスタッフだった人たちに声をかけて急ごしらえで整えられたものだ。これではまず一体感が出ない。バイデンのために一生懸命頑張ってきたというスタッフたちにとっては、「なんで能力もないカマラのために働かねばならないのか、自分はバイデンを大統領にするために頑張っている」ということになり、士気が上がらない。「トランプの大統領就任を阻止する」だけでは士気は上がらない。

 更に言えば、バイデンは全く協力的ではなかったということも言えるだろう。バイデンはハリスの選挙運動にほとんど関わらなかった。「現政権の失敗と彼女とを結びつけるのはよくない」という言い訳はできるが、ハリスが副大統領である以上、バイデン政権を背負わねばならないのは当然だ。従って、バイデンは「自身の後継者」としてカマラ・ハリスを支援しなければならなかったが、それができていなかった。結果として、民主党側は盛り上がりに欠けた戦いになった。また、ハリスの候補者指名についても、結局、党の「ボス」たち、エスタブリッシュメントが空気づくりをして、手続きをすっ飛ばして決めてしまったことで、「非民主的」という批判を受ける口実を与えることになった。

 カマラ・ハリスは負けるべくして負けた。まさに「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」ということになる。

(貼り付けはじめ)

ネイト・シルヴァーがバイデンは「代わりの人レヴェル」の候補者カマラ・ハリスに対して「何の助けも」しなかったと発言(Nate Silver says Biden did ‘no favors’ for ‘replacement-level’ candidate Harris

アシュレイ・フィールズ筆

2024年11月15日

『ザ・ヒル』誌

by Ashleigh Fields - 11/15/24 10:57 PM ET

https://thehill.com/homenews/campaign/4993995-nate-silver-says-biden-did-no-favors-for-harris-bid/

世論調査専門家のネイト・シルヴァーは、ジョー・バイデン大統領が今夏の大統領選からの撤退前後に「彼女に手を貸さなかった(did her no favors)」ため、トランプ次期大統領に敗北したハリス副大統領に「大きな同情(a lot of sympathy)」を抱いていると述べた。

シルヴァーは金曜日に自身のウェブサイトに投稿し、ハリス副大統領が在任中に注力したことについて、「おそらく民主党が最も苦手とする国境問題や、ホワイトハウスがおそらく進展がないと分かっていたであろう投票権問題など、バイデンはハリスに厳しい課題を与えた」と書いた。

シルヴァーは「バイデンは、討論会のスケジュールを空白にし、9月11日以降、ハリスが最も得意とする討論会であったにもかかわらず、何も予定を入れなかった。最後まで、バイデンは彼女のメッセージを踏みにじった」と書いた。

しかし、シルヴァーは、この感情がハリス候補に対する一部の肯定的な見方を歪め、彼女は 「代替レヴェルの政治家(replacement-level politician)」であり、トランプを打ち負かすには「平均か平均より少し上(average or slightly above average)」の人物が必要だったと述べた。

シルヴァーは、11月の投票での民主党の連邦上院議員候補者たちに比べてハリスの成績が劣っていたことを挙げ、「人々はハリスの立場に対する同情を、彼女が良い候補者だったことと混同していると思う」と書いた。

シルヴァーは「計算してみると、ハリスは民主党上院候補と比べて、平均2.6ポイント、中央値で2.4ポイント下回った」と書いている。

シルヴァーによれば、ハリスの劣勢の理由には、メッセージ発信の問題、バイデンとの差別化を「拒否(refusal)」したこと、2020年の最初のホワイトハウスを目指した予備選挙と、2024年の直近の千四の間で彼女のスタンスが変化したことなどが含まれるという。

シルヴァーは「彼女は今回の選挙戦で中道(the center)に軸足を移そうとしたのだろうが、なぜ以前の立場を捨てたのか、彼女の政策課題が実際にどのようなものなのかについての説明が不足していたため、せいぜい不器用な努力をしているだけのことだった」と書いている。

それでも、シルヴァーは、バイデンが選挙戦を続けていれば負けていただろうと主張し、内部世論調査でトランプが400人の選挙人を獲得したとの報道を引き合いに出した。

シルヴァーは「バイデンが選挙戦から撤退したとき、バイデンは全米世論調査の平均でドナルド・トランプに4ポイント差をつけられていた。最終的な票差は、良くなるどころか、悪くなっていたと思う」と書いている。

(貼り付け終わり)

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。よろしくお願いいたします。

 ドナルド・トランプ次期大統領は既にSNSなどを使って、第二次トランプ政権の顔ぶれを発表しつつある。当然視される名前もあれば、驚きを持って迎えられた名前もある。今回の人事、指名や抜擢の基準となっているのは「忠誠心(loyalty)」だ。

一期目に重要なポジション、国務長官や国家安全保障問題担当大統領補佐官などを務めた人物たちは、2020年1月6日の連邦議事堂侵入事件でトランプ批判に回ったことで、今回は排除されている。更には、トランプは、マイク・ポンぺオ前国務長官やニッキー・ヘイリー元米国連大使を政権に起用しないと明言した。この点については、後程私の分析を書きたいと思う。

 今回は急いでこれまでに判明している第二次トランプ政権の顔ぶれについての記事を紹介したいと思う。

(貼り付けはじめ)

トランプの閣僚指名:トランプの政策課題対応を実行する名簿に前が乗っている人々を見ていく(Trump Cabinet picks: Here’s who’s on the list to carry out his agenda

アレックス・ガンギターノ、ブレット・サミュエルズ筆

2024年11月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/4985802-trump-cabinet-nominees-second-term/

トランプ次期大統領は、1月の就任を前に、ホワイトハウスでの2期目に向けた内閣と上級スタッフの編成を進めている。

トランプは、連邦上院の人事承認(Senate confirmation)が必要な15の政府機関やその他の政権トップの仕事のリーダーを指名し、上級スタッフを任命しなければならない。

これから、これまでに指名された人々の顔ぶれを見ていく。

●内閣(Cabinet

・国務長官指名:マルコ・ルビオ(Secretary of State pick: Marco Rubio
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ドナルド・トランプとマルコ・ルビオ
共和党所属のフロリダ州選出連邦上院議員であるマルコ・ルビオは、中国とイランに厳しい外交政策のタカ派と見られている。トランプ政権のトップ外交官への抜擢は、2人が共和党大統領予備選で熾烈なライヴァルだった2016年からの劇的な転換を意味する。ルビオは、トランプがJD・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出、共和党)を選ぶ前までは、トランプの伴走者(副大統領候補)候補にも名前が挙がっていた。

・環境保護局長官指名:リー・ゼルディン(Environmental Protection Agency director pick: Lee Zeldin
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ドナルド・トランプとリー・ゼルディン
トランプ大統領が環境保護局長官に選んだのは、共和党の元ニューヨーク州選出の連邦下院議員で州知事候補だったゼルディンで、2020年の第1回弾劾裁判では第45代大統領トランプを率直に擁護した。トランプ次期大統領はゼルディンの法的経歴に言及したが、これは彼が環境保護局を環境規制撤廃に傾ける可能性が高いことを示している。

・米国連大使指名:エリス・ステファニック(United Nations ambassador pick: Elise Stefanik

ニューヨーク州北部の選挙区で5期目の当選を果たしたばかりの連邦下院議員会会長のステファニックは、外交経験は少ないが、国連を露骨に批判し、イスラエルの強力な盟友だ。

・国土安全保障長官指名:クリスティ・ノーム(Homeland Security secretary pick: Kristi Noem

2019年からサウスダコタ州知事を務める共和党のノームは、トランプ次期大統領の忠実な盟友であり、2期目には彼の移民取り締まりを監督する手助けをするだろう。彼女はまた、20年前に狩猟犬を殺したことが著書の抜粋で明らかになる前は、トランプの伴走者(副大統領候補)候補にも挙げられていた。

・駐イスラエル米大使:マイク・ハッカビー(Ambassador to Israel: Mike Huckabee
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マイク・ハッカビーとドナルド・トランプ

1996年から2007年までアーカンソー州知事を務めたハッカビーは、中東の緊張が高まる中、主要な外交的役割に抜擢された。ハッカビーはこれまで外交ポストを務めたことはなかったが、イスラエルとハマスの停戦を支持する理由は見当たらず、戦争を終結させる唯一の方法はテロ集団を根絶することだとニューズネイションに語るなど、ガザ地区での戦争に重きを置くこともあった。

トランプ大統領は、2023年10月の攻撃後、イスラエルにハマスとの戦いで「問題を終わらせる」よう促しているが、イスラエルの軍事作戦の遂行方法については批判的だ。

CIA長官指名:ジョン・ラトクリフ(CIA director pick: John Ratcliffe
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ジョン・ラとクリフとドナルド・トランプ

CIAのトップに抜擢されたラトクリフは、前回のトランプ政権で情報機関のトップである情報長官(Director of Intelligence)を務めた人物だ。彼は以前、テキサス州選出の連邦下院議員を務めており、トランプ大統領は声明の中で、ラトクリフを「アメリカ国民に対する真実と誠実さの戦士(a warrior for Truth and Honesty with the American Public)」と呼んだ。ラトクリフはまた、民主党が次期大統領の就任を阻止しようと最初に取り組んだ際、トランプの弾劾ティームのメンバーも務めた。

・国防長官指名:ピート・ヘグセス(Defense secretary pick: Pete Hegseth
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ピート・ヘグセスとドナルド・トランプ

ヘグセスは陸軍州兵の歩兵大尉を務め、アフガニスタンとイラクに派遣され、2つのブロンズスター勲章を獲得した。ヘグセスは現在、「フォックス&フレンズ・ウィークエンド」の共同司会者を務めている。トランプ大統領は、2021年のアフガニスタン撤退に関与した将軍を解任し、軍の多様性と公平性に焦点を当てた「覚醒した(woke)」取り組みを排除すると約束した。ヘグセスの選出は、ヘグセスの名前が候補者に含まれていなかったため、トランプ支持者の一部にとっても驚きだった。

●ホワイトハウス(White House

・大統領首席補佐官:スージー・ワイルズ(Chief of staff: Susie Wiles
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スージー・ワイルズとドナルド・トランプ
スージー・ワイルズは過去2年間、トランプ大統領の選挙キャンペーンを共同運営し、政治家として高い評価を受けている。彼女はホワイトハウスの大統領首席補佐官を務める初の女性となる。

ワイルズは、トランプが2024年の勝利後に感謝した人物の1人で、選挙期間中は主に舞台裏の人物だった。彼女はリック・スコット連邦上院議員(フロリダ州選出、共和党)やロン・デサンティス知事(フロリダ州選出)の下でも働いた経験があり、ロナルド・レーガン元大統領の1980年の選挙キャンペーンでは副部長を務めた。

・大統領次席補佐官:スティーヴン・ミラー(Deputy chief of staff for policy: Stephen Miller
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スティーヴン・ミラーとドナルド・トランプ

スティーヴン・ミラーはトランプ大統領の1期目の最側近のアドバイザーの1人で、イスラム教徒が多い数カ国からの渡航禁止や家族分離といった政策の立役者だった。彼は2期目でもトランプ大統領の移民取り締まりを実現するための努力を指揮することが期待されている。

・国境問題担当責任者:トム・ホーマン(Border czar: Tom Homan
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ドナルド・トランプとトム・ホーマン

トランプ次期大統領の声明によると、元移民税関捜査局長(Immigration and Customs Enforcement director)のホーマンは、移民を取り締まり、「南部国境、北部国境、全ての海上、航空保安(“the Southern Border, the Northern Border, all Maritime, and Aviation Security)」を監督する任務を担うトランプ大統領の「国境担当官(border czar)」に任命された。

ホーマンは、労働力と性的人身売買に対処する手段として職場の強制捜査を強化し、国境担当官としての国外追放については「公共の安全への脅威と国家安全保障への脅威(public safety threats and national security threats)」を優先すると述べた。ホーマンは、第一次トランプ政権で4000人以上の子どもを親から引き離した「ゼロ・トレランス(zero tolerance)」政策の初期の支持者で、最近では次期計画について話し合う中で「家族は一緒に国外追放できる(families can be deported together)」と述べた。

・国家安全保障問題担当大統領補佐官:マイク・ウォルツ(National security adviser: Mike Waltz
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ドナルド・トランプとマイク・ウォルツ

グリーンベレー出身者として初めて連邦下院議員に選出された陸軍退役軍人のウォルツは、トランプ大統領の国家安全保障の最高責任者を務めることになり、2019年から務めてきたフロリダ州選出の連邦下院の座から去ることになる。

ウォルツは、次期大統領の重要な外交政策目標に沿って、ヨーロッパに対しウクライナ支援に一層の努力をすることと、アメリカに対しウクライナ支援をより厳格にするよう求めた。彼はまた、バイデン政権による2021年のアフガニスタンからの撤退を厳しく批判してきた。

・大統領上級顧問:ビル・マッギンリー(White House counsel: Bill McGinely
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ビル・マッギンリー

マッギンリーはトランプ大統領のホワイトハウスに大統領上級顧問として戻ることになる。マッギンリーは第一次トランプ政権でホワイトハウス法務顧問を務め、全米共和党連邦上院委員会で顧問弁護士を務めた経験もある。

トランプ大統領は声明の中で、マッギンリーを「選挙の完全性のために戦い、法執行機関の武器化に反対しながら、アメリカ・ファーストの政策課題を進めるのを助けてくれる、賢く粘り強い弁護士」と呼び、2024年の選挙で共和党の勝利に大きな役割を果たしたと述べた。

・中東問題担当特使:スティーヴン・ウィットコフ(Middle East envoy: Steven Witkoff
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スティーヴン・ウィットコフとドナルド・トランプ

ニューヨークを拠点とする実業家であるウィトコフは中東問題担当特使を務めることになる。彼はトランプ大統領は声明の中で、「平和の代弁者(voice for peace)」としての役割を担うと述べた。彼はトランプ次期大統領の長年の友人であり、不動産王として知られ、ウィトコフ社の会長兼CEOである。

・政府効率担当省:イーロン・マスク、ヴィヴェック・ラマスワミ(Department of Government Efficiency: Elon Musk, Vivek Ramaswamy
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ヴィヴェック・ラマスワミとイーロン・マスク

トランプ大統領は、億万長者の支援者であるマスクと、今年初めにトランプ大統領を支持した大統領選挙候補者のラマスワミが、政府の支出と規制を削減する取り組みを指揮すると発表した。彼らは2026年7月4日までに、つまり、中間選挙の数カ月前に作業を終える予定だ。トランプ大統領は、この取り組みは行政管理予算局(Office of Management and Budget)と提携するが、「政府の外部(outside of Government)」から指揮することになると述べた。特にマスクは、政府の請負業者と広範な金融関係を築いており、政府の正式な仕事が複雑になる可能性がある。

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