古村治彦です。
今回の総選挙では自公が215議席と過半数割れとなり、その後、追加公認や自民会派入りをしても、まだ過半数に届かない状況になり、自公連立政権は国民民主党との政策協議を通じて、閣外協力を取り付けることで、政権を維持することになる。国民民主党の玉木雄一郎代表は「対決よりも解決」「自民党のアクセル役に」と述べてきたことから、実質的な事項の補完勢力であって、その役割を果たしていることになる。
各党がそれぞれに政策協議を行っている様子がメディアで報道されているが、これまでの安倍派清和会一強時代の傲岸不遜、傲慢な形に比べれば素晴らしいことだ。「決める政治」などともてはやされて拙速な決定が尊ばれているが、デモクラシーはそのような拙速なものではない。アメリカの大統領制を念頭にこのような主張がなされてきたが、アメリカでは法案一つ可決するのも大変なことで、党議拘束というものもないので、自分の党から出ている大統領の支持する法案でも反対する議員たちが出るのは当たり前で、その人たちを説得するのが仕事の内ということになる。
今回の総選挙で、安倍派清和会系の候補者が多く落選した。その中には安倍昭恵氏や高市早苗議員が応援に入った人たちが多くいる。統一教会問題、裏金問題が出る前には栄耀栄華を誇っていたが、ここまで勢力を縮められたというのは、「栄枯盛衰、会者定離」という言葉を思わざるを得ない。
今回の選挙で自民党は大敗した訳だが、しぶとく当選した人たちもいる。今回の選挙では、自民党一強、安倍派清和会一強で、その状態に胡坐をかいて、日常活動を怠った人たちが多いのではないかと思う。安倍政権下で初当選した自民党政治家の質の悪さについては、「魔の●回生」という言葉が付けられて度々報じられてきた。こうした議員たちが今回の総選挙で落選したとすれば、自民党の体質強化につながると考えられる。
長い一強支配は腐敗を生む。「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する(Power
tends to corrupt and absolute power corrupts absolutely)」というジョン・アクトン卿の言葉が改めて思い出される。人々の「安倍(派)的なもの」に対する拒否感によって日本政治はほんの少しであるが浄化に向かう。これだけでも一つの内閣の命運を賭けるに値する大事業だった。石破茂首相はその賭けに勝ったという見方もできるだろう。
(貼り付けはじめ)
●「高市早苗氏、応援先が「ほとんど落選」報道に憤慨 地方遊説は「党役員をしておられる方々の仕事」と撤退宣言?
10/31(木) 14:45配信 J-CASTニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/42728343797257222c674aadc9215ab34befaea8
高市早苗氏(2021年9月撮影)
自民党の高市早苗衆院議員が2024年10月31日、一部メディアによる「不正確な報道」について、Xで苦言を呈した。
高市氏は衆院選(27日投開票)で10選を果たすも、その応援演説の効果に言及する報道が注目を集めていた。
■「地上波の民放2局で不正確な報道をして私を叩いていた」
高市氏は31日、1000文字を超えるポストで自身をめぐる報道に疑問をつづった。「今回の衆院選の私の遊説について、地上波の民放2局で不正確な報道をして私を叩いていた旨を、仄聞しました」と切り出した。
「例えば、私が関西を中心に30箇所を回ったとか、殆ど落選させてしまったという旨の誤報道」があったとするも、実際には「私が街頭演説や決起大会演説などに伺ったのは、46箇所です」。「遊説地域は、ブロック別では、北海道、東北、北関東、南関東、東京、北陸信越、東海、近畿、九州でした」と全国各地を回っていたと明かした。
全国を移動していたことから「時間的には限界」だったが、「伺えない選挙区については、個人演説会場で流して頂く応援動画を送信するなど、計62箇所に対応致しました」という。「私も秘書達も、体力の限界まで頑張りました」と選挙戦を振り返った。
「殆ど落選させてしまった」という報道についても、「もともと情勢調査で大激戦になっていたり、対立候補がリードしている選挙区を選んで回るわけですから、私が演説をしたくらいで楽に当選できるはずもありません」と説明。「残念な結果だった選挙区も多々ありましたが、選挙区当選や比例復活当選ができた選挙区も、それなりの数はありました」とした。
■「次の総裁選目当てだろうなどという下品な報道は、流石に悔しいですね」
また、今回の衆院選では「役職も無い自民党の1人のヒラ政治家」だったとし、自分の車で回った選挙区では「党本部からガソリン代や高速道路の通行料金が支給されるわけでもなく、長距離を遅刻しないように運転してくれた私の秘書も大変な疲労だったと思います」という。
「選挙後も、特に党役員から慰労の御言葉を頂いたわけでもなく、ヒラ政治家が勝手にボランティア遊説をしていただけの事」と執行部との距離感をにじませた。
こうした中での自身についての報道に「次の総裁選目当てだろうなどという下品な報道は、流石に悔しいですね」と憤りを見せた。
高市氏は3年前の衆院選時には、自民党の政調会長をつとめていたが、「3年前の全国遊説先でも、今年の総裁選を応援して下さった議員は、ごく数名」だという。こうした背景から、「選挙応援は、純粋に党勢拡大を期するもので、3年も後の総裁選などとは無関係」だと強調した。
「少なくとも心身ともに限界まで頑張った挙句に、不正確な憶測報道をされ、コメンテーターに叩かれるのでは虚しい限り」と落胆している。
今後については「今後は、党勢拡大など地方遊説は党役員をしておられる方々の仕事と割り切り、ヒラの1議員として政策活動に励みます」と地方遊説を控える意向も匂わせた。
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●「「安倍晋三」の威光に陰り…衆院選で「昭恵夫人応援」候補ボロボロまさかの3勝6敗」
10/30(水) 11:03配信 日刊ゲンダイDIGITAL
https://news.yahoo.co.jp/articles/9acc531a8f09acf1b820e92c786f1b7cf2e2cd16
丸川珠代氏と抱き合う昭恵夫人(C)日刊ゲンダイ
永田町から「安倍印」が激減だ。自公過半数割れという政権与党の大敗に終わった衆院選は、かつて最大派閥を誇った旧安倍派の面々が相次いで落選。安倍元首相の妻・昭恵夫人が応援に駆け付けた候補は3勝6敗の惨状だった。
昭恵夫人は今回の選挙戦で少なくとも9人の選挙区へ応援入り。公示翌日から、新人の黒崎祐一氏(東京27区)→萩生田光一元政調会長(同24区)→丸川珠代元五輪相(同7区)→世耕弘成前参院幹事長(和歌山2区)→石井拓前衆院議員(愛知13区)→井原巧前衆院議員(愛媛2区)→新人の大空幸星氏(東京15区)→下村博文元文科相(東京11区)→岸信千世前衆院議員(山口2区)と、駆けずり回っていた。
昭恵夫人は「主人と一緒に応援して回りたい」と意気込んでいたものの、フタを開けてみれば小選挙区で当選したのは萩生田、世耕、信千世の3氏。大空氏は比例復活した。
開票後すぐに当確が出たのは、安倍元首相の形見の靴を履いて二階元幹事長の三男との保守分裂戦に臨んだ世耕氏だけ。萩生田氏は次点候補に約8000票差、信千世氏は約1700票差まで追い上げられた。
ギリギリ逃げ勝った候補がいる一方、旧安倍派幹部だった下村氏、安倍元首相の覚えめでたかった丸川氏は開票直後に落選確実が判明。「安倍」の威光は逆風に勝てなかった。
丸川氏の応援に駆け付けた際、昭恵夫人はマイクに力を込めて「本当に素晴らしい候補だと確信しております」と語り、「こんなに安倍先生がいないことが悲しく思える時はありません」と涙を流す丸川氏の横で目元を拭っていた。
■ぎこちない昭恵夫人と丸川氏
ところが、街頭演説が終わった後、2人一緒に聴衆へ駆け寄って握手するのかと思いきや、なぜかバラバラにスタート。最終的に2人そろっての写真撮影に応じ、互いに抱きしめあったが、その姿はどことなくぎこちなかった。
一通り挨拶を終えた昭恵夫人は、丸川氏が有権者への声かけに歩いて行った方向とは逆方面に歩き始め、さっさと帰路に。すっかり涙も乾いている様子だった。
来年夏の参院選では、激戦が予想される1人区に旧安倍派の裏金議員も出馬する見込み。またしても昭恵夫人は「主人と一緒に」応援して回るつもりかもしれないが、安倍元首相の威光も長くは続くまい。
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自民旧安倍派3分の1の20人に 裏金逆風、衆院勢力変化
自民派閥の衆院勢力
2024年10月28日 21時58分 共同通信
https://www.47news.jp/11689994.html
27日投開票の衆院選を経て、自民党内の衆院勢力構図は大きく変わった。派閥裏金事件に多くの前議員が関わった旧安倍派は昨年12月1日時点の59人から、約3分の1の20人に激減。旧安倍派と同様、政治資金収支報告書に不記載のあった旧二階派は31人から21人に減らした。
旧安倍派のうち9人は、裏金事件に関与して自民非公認となり、無所属で立候補した。このうち萩生田光一、西村康稔両氏を除く7人が落選した。
旧二階派は、自民非公認で出馬した平沢勝栄氏が当選したものの、比例代表との重複立候補が認められなかった武田良太氏が落選した。
旧岸田派は34人から26人、旧茂木派は32人から27人にそれぞれ減らした。旧森山派は増減なしの7人。党内で唯一、存続している麻生派は公示前の40人から31人となった。
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