古村治彦です。
2025年11月21日に『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』 (ビジネス社)を刊行します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体
最新刊の刊行に連動して、最新刊で取り上げた記事を中心にお伝えしている。各記事の一番下に、いくつかの単語が「タグ」として表示されている。「新・軍産複合体」や新刊のタイトルである「シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体」を押すと、関連する記事が出てくる。活用いただければ幸いだ。
高市早苗首相の台湾をめぐる発言で日中関係は悪化している。日本政府としては、「高市首相の発言と、これまでの姿勢は別で、日本側に変更はない」という何とも苦しい言い訳をすることになる。高市首相が国会の場で早めに発言を撤回・修正していればここまでの深刻な状況にならずに済んだ。「高市首相から失言を引き出した野党が悪い」という、なんとも考えの足りない、思考力と知恵を持つようにお勧めしたい人たちの擁護論がむなしく響く。一般国民が言うならまだしも、政治のプロの世界やマスコミに出ている人たちもそのようなことを述べているというのは滑稽さを通り越して、日本の将来への不安が増大するばかりである。
国際関係論学者であるジュリオ・プリエセが日本経済新聞の取材を受け、日中関係と米中関係について答えている。その内容な簡単にまとめると、アメリカが中国に対して融和的な態度を取り、「雪解け(デタント)」が進んでいる。トランプ関税でもアメリカが中国に譲歩した形になった。トランプ大統領は高市首相の発言とそれに対する中国の対応について、FOXニューズにインタヴューされ、日本を「友人」と言わないというはぐらかしで、高市首相を支持しなかった。こうしたことで、中国は日本に対して厳しい態度を取ることができると踏んで、現在のような状況になっている。
※日本経済新聞2025年11月17日付記事「中国、対日強硬の裏に米中「雪解け」 欧州大学院のジュリオ・プリエセ氏」(Deep Insight+ 本社コメンテーター 秋田浩之)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD1727K0X11C25A1000000/
高市政権はアメリカからはしごを外された形になった。お金だけを数十兆円も取られて、味方をしてもらえないというのは何とも悲惨な話である。アメリカとしても、日本の軍国主義復活の用な動きは容認できない。日本は黙ってアメリカの言うことを聞いて、軍隊を出せと言われたと時に出し、死ねと言われた時に死ぬ、それ以上は求められていない。自分で何かをするように決めることなど許されていないのだ。米中関係の改善の中で、そうした動きの邪魔になるようなことをしても助けてもらえない。下手をすれば、「高市首相は危険だ、米中両国にとって共通の敵だ」という認定をされるシナリオも考えられる。
知恵もなく、思考力もなく、高市首相を誕生させた、自民党と一般国民は歴史の教訓から多く学ぶべきである。そして、現実を客観的に直視すべきである。
(貼り付けはじめ)
日本の新首相の台湾への脅威に関する発言が中国との緊張を呼ぶ(Japan's new
leader's remarks on threats toward Taiwan spark tensions with China)
アンソニー・クーン筆
2025年11月17日
アメリカ公共ラジオ
https://www.npr.org/2025/11/17/g-s1-98081/spat-over-taiwan-china-japan
韓国ソウル発。高市早苗首相が、中国の台湾に対する軍事行動は日本の対応を正当化する可能性があると示唆したにもかかわらず、日本は中国政府に上級特使を派遣し、日本の政策に変化はないと中国政府に保証した。
中国は、高市首相が日本初の女性首相に就任してから1カ月も経たないうちに、政治的・経済的圧力を強めている。
中国外務省の毛寧報道官は記者会見で、高市首相の発言は日中関係の政治的基盤を深刻に損なうものであり、高市首相は「台湾に関する誤った発言(wrongful remarks on Taiwan)」を撤回すべきだと指摘した。
毛報道官はまた、中国の李強首相が南アフリカで開催されるG20サミットで高市首相と会談する予定はないと述べた。
11月7日、高市首相は複数の国会議員から、中国が、自治政府が支配している台湾に対して軍事行動を起こすシナリオについて問われ、「軍艦が使用され、武力行使が伴えば、どう見ても国家存亡の危機となる事態になり得る(If warships are used, accompanied by the exercise of military force,
then however you look at it, it could be a situation posing an existential
threat to the country)」と答えた。
日本は、第二次世界大戦後の憲法で戦争行為を禁じられている。しかし、2015年に成立した安全保障関連法制により、日本またはアメリカなどの緊密な同盟国が日本の存立を脅かす攻撃を受けた場合、自国を防衛する権限が認められている。
一方、中国は、台湾が独立を宣言した場合、あるいは外国の干渉があった場合、軍事力行使の可能性を排除していない。
●中国は撤回を要求している(China demands retraction)
、中国外務省の林剣報道官は先週、「日本は直ちに卑劣な発言を訂正し、撤回しなければならない。さもなければ、日本はあらゆる責任を負わなければならない」と述べた。
高市首相は発言の撤回を拒否しているが、具体的な想定シナリオについては今後コメントしないとしている。
在大阪中国総領事の薛剣は、ソーシャルメディアへの投稿で、より強い言葉を使った。「無謀にも侵入する汚らしい首は、一瞬の躊躇もなく切り落とさなければならない(the filthy head that recklessly intrudes must be cut off without a
moment's hesitation)」とXに書き込んだ。
多くの人がこれを高市首相の首だと解釈した。その後、日本政府が抗議したことで、この投稿は削除された。
金曜日、中国は経済的圧力をかけた。中国政府は、高市首相の挑発的な発言によって日本の安全が損なわれており、中国人は日本を訪問すべきではないと警告した。
専門家の中には、高市首相率いる日本が長年の台湾に対する曖昧な政策(long-standing
policy of ambiguity towards Taiwan)を放棄するのではないかと懸念している人もいるが、変化はほとんどないと見ている人もいる。
高市首相の政治面の師である故安倍晋三元首相は、「台湾有事は日本有事でもある(a
Taiwan contingency would also be a Japan contingency)」と発言したことで知られている。しかし、これは首相退任後の発言であり、具体的なシナリオには触れなかった。
インディアナ大学ブルーミントン校の東アジア国際関係論教授アダム・リフは「日本が長年続けてきた戦略的曖昧性(strategic ambiguity)の立場から脱却する可能性は極めて低いだろう」と述べている。
リフは、台湾が日本の南西諸島に近接していること、そしてアメリカと同盟関係にあることを考えると、台湾をめぐる紛争は日本の安全保障にとって、そしてあらゆるイデオロギーを持つ日本の指導者たちにとって、重大な問題となるだろうと述べている。
「特に平時において、日本が関心を持ち、必ずしも特定の行動方針を約束することなく、日本がこの問題に利害関係を持っていることを示すことは、歴代の指導者が抑止力を強化するために試みてきたことの一つだと思います。そして、これは何十年も前から行われてきました」とリフ氏は述べる。
"Especially in peacetime, signaling
that Japan cares, Japan has a stake in this without necessarily committing to
any particular course of action," Liff says, "is one thing that I
think successive leaders have tried to do in order to bolster deterrence. And
this goes back decades."
●堅調な世論調査の数字、脆弱な連立(Robust poll numbers,
fragile coalition)
しかし、慶應義塾大学名誉教授の添谷芳秀は、高市首相は強硬派の保守派という狭い政治基盤を喜ばせ、ひいては自身の政治信条を正当化しようとしているように見えると指摘する。
添谷教授は、「この発言を喜ぶのは、限られた支持者だけだろう。高市首相もそのことを承知しているはずだ。そして、こうした全体的な文脈において、日本の首相がこのような発言をするのは無謀(reckless)だ」と述べた。
高市首相とその内閣の支持率は70%近くと、歴代首相の支持率を上回っている。
しかし、共同通信社が週末に行った世論調査によると、台湾紛争の際に日本は自衛権を行使すべきだと回答した人が約49%、反対する人が約44%だった。
添谷教授はさらに、高市首相の発言は、先月韓国で習近平国家主席と会談し、日中関係を安定的かつ建設的に維持することで合意した外交的成果を無駄にしているようだと付け加えた。
高市首相はまた、日本の中核となる安全保障戦略文書の見直し、場合によっては改訂、さらには核兵器非保有の誓約についても検討したいと述べている。
しかし、数十年にわたる政策を根本から見直すのに必要な政治的影響力を高市首相が持っているかはまだ分からない。
高市首相が率いる与党自民党は国会で過半数を握っておらず、専門家の一部は、高市首相が政権維持のために築き上げた新たな連立政権は不安定で短命に終わる可能性があると見ている。
(貼り付け終わり)
(終わり)
シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

『人類を不幸にした諸悪の根源 ローマ・カトリックと悪の帝国イギリス』

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』








