古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:小池百合子

 古村治彦です。

 

 今回は少し遅くなりましたが、ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員による先月の総選挙の結果に関する分析をご紹介します。

 

 クリングナーの分析を要約すると次のようになります。総選挙の結果、何も変化がなく、現状維持となり、安倍晋三政権が続投となった。良いタイミングで選挙ができたが、これは小池百合子東京都知事が失速したからである。アメリカにとって安倍晋三首相の勝利は歓迎すべきものであった。安倍首相は日本の海外における軍事的役割の増大を追求し、それに向けた改革を行っている。しかし、日本国民の抵抗もあって改憲は難しいと思われる。安倍政権は日米間の二国間の経済協力に関する合意でドナルド・トランプ大統領との関係を良好なものとしている。

 

 今回のトランプ大統領のアジア歴訪は日本から始まりました。日本では霞が関カンツリーでのゴルフとハンバーガーの昼食、ピコ太郎を招いた夕食会などが話題になりました。トランプ大統領は日本に対して対米貿易黒字(アメリカ側から見れば対日貿易赤字)の解消を迫る、そのために「日本の自動車会社にアメリカで自動車を作ってもらいたい」「日本の安全のために、アメリカから大量に武器を購入してもらいたい」と述べました。アメリカ大統領がここまで露骨に「武器のセールスマン」「死の商人」になったのは初めてのことでしょう。

 

 アメリカの貿易赤字の約半分は対中国で、対日は10%です。これも大きな数字ですが、1980年代の時の貿易戦争の時とは違います。それでも更なる貿易赤字縮小を目指して、アメリカの製品を買うように求めていますが、アメリカ製で日本が必要とするものは、農産物と武器くらいのものです。そして、アジア地域で不安定が続く限り日本は永久にアメリカから武器を買い続けなければなりません。そのような状態を脱するためには、アジア地域の安定を自分たちで実現することが必要ですが、そのように動けば邪魔をしてくるのがアメリカです。

 

 属国の悲哀、それをまた今回のトランプ大統領訪日でも痛感させられました。

 

(貼り付けはじめ)

 

日本の選挙結果がアメリカと東アジア地域に持つ意味(What Japan’s Election Outcome Means for the U.S., East Asia)

 

「ヘリテージ財団」

2017年10月24日

ブルース・クリングナー(Bruce Klingner、北東アジア担当上級フェロー)

http://www.heritage.org/asia/commentary/what-japans-election-outcome-means-the-us-east-asia

 

●要点(KEY TAKEAWAYS)

 

1.日本から遠く離れたアメリカからの視点からすると、日曜日に投開票された日本の総選挙は何も変化が起きなかった。

 

2.安倍首相の選挙の勝利は印象的なもので、日本の外交政策と安全保障政策にほぼ変化はないであろうが、選挙の結果はアメリカにとってありがたく、素晴らしいものであった。

 

3.アメリカは、固い決心を持つ日本の指導者安倍晋三氏の政権が継続することを歓迎する。安倍首相は北朝鮮に対する圧力を強めるうえで緊密なパートナーとしてやってきた。

 

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日本から遠く離れたアメリカからの視点からすると、日曜日に投開票された日本の総選挙は何も変化もなかった

 

日本の指導者は政権を維持し、与党は議会の絶対的過半数を維持し、日本の諸政策には何の変化も起きないだろう。

 

日本の有権者は現状維持の継続を選択した。しっかりとした経済成長の道筋を変更させたり、北朝鮮の脅威がこれまでになく高まっている中で試練を経ていない人物を新しい指導者に選んだりといったリスクを避けたのだ。

 

これは安倍晋三首相の支持者たちに安堵をもたらすことになるだろう。安倍首相の解散総選挙の決断は当初拙かったと考えられていたからだ。

 

安倍氏は今年初めから支持率の低下に苦しんでいた。それは、汚職に関する一連のスキャンダルと海外における日本の軍事的役割の拡大を許容するための憲法の変更を追求することが理由であった。

 

北朝鮮の好戦的な態度に対して安倍首相は決然とした態度を取っている。安倍首相は北朝鮮の核兵器とミサイル能力を向上させていることに対してより強力な手段を取ることを主張している。これによって支持率は改善しつつある。

 

安倍首相は、後ではなくこのタイミングで解散することはリスクが低いという結論を出した。このタイミングを逃すと支持率はさらに下がり、野党に共闘体制を築く更なる時間を与えることになった。

 

選挙に先立ち、小池百合子東京都知事は新党の創設を発表した。新党は与党と安倍氏に対する大きな挑戦として姿を現した。小池氏は次の選挙で総理大臣になる可能性があるとまで語られていた。

 

しかし、小池氏の輝きはすぐに消え去った。小池氏は選挙の結果を受けて、「今回の結果は完敗であるということを明確に述べたいと思います」という声明を発表した。

 

安倍首相の選挙の勝利は印象的なもので、日本の外交政策と安全保障政策にほぼ変化はないであろうが、選挙の結果はアメリカにとって素晴らしいものであった。安倍氏が長期政権を維持していることで安定をもたらしている。安倍首相以前の最近の首相は短期で後退していたので、安倍首相の長期政権は歓迎されている。

 

安倍首相は、国連安全保障理事会の決議を継続的に違反している北朝鮮に対しての圧力を高めることを信念固く主張し続けている。

 

日本は、北朝鮮が軍事力を増強し、日本政府が朝鮮半島有事の際にアメリカを炎暑するならば核兵器を使用すると繰り返し脅迫をしていることに対して、深刻な懸念を持っている。

 

北朝鮮は日本を飛び越えるミサイルを複数回発射した。これに対して日本は何もしなかった。これはこれまでと同じ対応だ。北朝鮮のミサイル発射によって日本においてミサイル防衛に関する議論が促進された。

 

安倍首相は防衛に対して様々な改革を行っている。これによって国際的な安全保障上の問題に対して日本の役割を拡大することができるようになった。これまでの防衛改革の中で最も素晴らしいものは集団的自衛政策を採用し、日本を防衛する米軍を日本が防衛することができるようになったことだ。

 

更に進めて、安倍首相は第二次世界大戦後の平和憲法を見直すための選挙を求めることになるだろう。しかし、改憲に対しては政治の世界と一般の人々の間に根強い反対があり、安倍首相はそれに直面している。安倍首相は彼が作り出した新たな現状維持を成文化させたいと思っているのか、それとも日本の海外での軍事的役割の拡大を追求したいと思っているのかは明確ではない。

 

安倍首相は、日本の人々の過半数がこのような変化に抵抗しているので、彼の意向に反して、大きな変化をもたらすことはできないだろうと思われる。

 

日本の近隣諸国もまた日本の海外における安全保障に関する役割が増大していることに懸念を持っている。これらの国々は日本の軍国主義的な過去が復活することに恐怖感を持っている。しかしながら、そのような恐怖感は、太平洋戦争後の日本の安全保障に対する姿勢に関する誤解から生じている。

 

北朝鮮がもたらす安全保障上の脅威は深刻化している。これに対して日本と韓国はより緊密に協力するようになっている。北朝鮮の脅威によって、両国は過去に関する論争を止め、現在の脅威を最重要課題とするようになっている。

 

安倍首相はドナルド・トランプ大統領と個人的、職務上の強固な関係を構築している。安倍氏は他の世界の指導者よりも緊密な関係をトランプ大統領と構築している。トランプは長年にわたり日本の制限された安全保障上の役割と貿易慣習に対して批判してきた。安倍首相はトランプ大統領からの批判を乗り越えることができた。安倍首相はアメリカの雇用と輸出を生み出す、大胆な内容の二国間の経済合意を提案した。これで批判をかわすことができた。

 

マイク・ペンス副大統領と麻生太郎副総理が主導した合意は、エネルギー分野と社会資本(インフラ)部門における協力を推進するというものだ。

 

アメリカは、固い決心を持つ日本の指導者安倍晋三氏の政権が継続することを歓迎する。安倍首相は北朝鮮に対する圧力を強めるうえで緊密なパートナーとしてやってきた。

 

安倍氏の再選はアジア地域のアメリカの同盟諸国の間で不安が広がっている中で行われた。同盟諸国は北朝鮮に対するアメリカの先制攻撃によって、自分たちが戦争に巻き込まれるのではないかという懸念を深めており、北朝鮮がアメリカを攻撃できる核弾頭を開発したら、アメリカは自分たちを捨てるのではないかという不安を持っている。

 

11月に行われるアジア歴訪中、トランプ大統領はアジアに関するより大きな戦略を明確に示すべきだし、日本と韓国に対して、アメリカが両国を防衛する責務を負っているということを再び確信させるべきだ。

 

※ブルース・クリングナー:北東アジア担当上級フェロー、朝鮮半島と日本を専門とする

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)









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 古村治彦です。

 

 昨日、自由党の小沢一郎代表が立憲民主党の枝野幸男代表と会談を持ちました。昨日は立憲民主党が党本部をお披露目した日でした。

 

 自由党の小沢代表は明日の国会で行われる総理大臣指名選挙で枝野氏に投票すると決め、その旨を枝野代表に伝えました。

 

 今回の総選挙において、小池百合子東京都知事によって希望の党が結党され、民進党の前原誠司代表が民進党全員による合流という提案を行い、そこから野党が分立する形となり、民進党は、希望の党、立憲民主党、無所属の会(民進党の党籍を持つ衆議院議員)、民進党(参院議員)に分裂しました。選挙戦も野党分立となり、結果として、自公に勝利を許す結果となりました。

 

 希望の党結党からの動きに関しては、小沢一郎氏も関与しているという話も伝えられました。そして、自由党や小沢氏に近い人々が希望の党から立候補するということにもなりました。しかし、これらの人々は選挙間近での国替えを求められ、全く活動したことのない地域での選挙戦を余儀なくされ、落選することになってしまいました。

 

 希望の党の結党に小沢氏が関与していた、シナリオを書いていたという主張に関して、私は本当だろうかという疑問を抱いていました。もしかしたら、小沢氏は名前を利用されただけで関与していないのではないかと私は考えています。

 

 小沢氏は今回の総選挙で野党共闘によって安倍政権を退陣させるという目標をもって活動してきました。そのために、民進党、共産党、社民党と話し合いを続けていました。そして、野党共闘が成立しかけていた訳ですが、希望の党が結党され、この枠組みは崩壊することになりました。希望の党は公明党や日本維新の会に秋波を送りながら、立憲民主党の候補者が立候補した選挙区にことごとく候補を立てました。

 

 今回の小沢氏の枝野氏との会談は、小沢氏の凄みを示しています。民主党が政権交代を実現させたのは小沢一郎氏の功績です。しかし、党内の争いのために小沢氏グループは離党し、民主党は衰退の一途をたどることになりました。この党内の争いには当時の執行部であった枝野氏も関与していると思います(ご自身はレッテル貼りだと言われています)。

 

 しかし、選挙後、新たな野党共闘に向けて、恩讐を捨てて枝野氏と会談を持ち、枝野氏に投票するということを言える小沢氏はやはり大人物です。希望の党の立ち位置がいまいちはっきりしない中で、まずは野党第一党である立憲民主党と協力関係を築き、自分たちを接着剤として共産党、社民党とつなげていく、そして、無所属の会や希望の会とも連携していくというところまで、小沢氏の視野に入っていることでしょう。

 

 小沢氏は、自分の置かれた状況の中で、悲憤慷慨も有頂天になることもなく、「今自分がすべきことは何か」を把握し、それを淡々と行うことができる、日本人では稀有な存在です。おそらく政治生命が尽きる時(それが肉体的な生命が尽きる時と同じになる可能性が大いにあります)まで、自分がやるべきだと思ったことを淡々と実行していく人でしょう。

 

 この点では、小沢氏は西郷隆盛とよく似た人物と言えるでしょう(ご自身は大久保利通のほうが尊敬できる部分があると述べていたように記憶しています)。

 

 安倍政権退陣と自民党の傲慢さの解消のために、野党共闘2.0がこれから始動し、機能することを願うばかりです。この時には失敗をしても停滞があっても、我慢をして続けることが重要なのだろうと思います。そして、それができる粘り強さを持つのが小沢一郎氏なのだと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

総理指名選挙 自由党は立憲・枝野代表に投票へ

10/30(月) 23:38配信 テレ朝 news

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20171030-00000057-ann-pol

 

 立憲民主党の枝野代表と自由党の小沢代表が会談し、自由党は来月1日に行われる総理大臣指名選挙で枝野氏に投票する方針を伝えました。

 

 立憲民主党・枝野代表:「首班指名で私の名前を書いて頂けると。大変光栄ですので、お礼を申し上げました」「(Q.小沢さんと枝野さんはかつて確執も?)それはマスコミが貼っているレッテルですから」

 

 会合は、小沢代表からの呼び掛けで行われ、立憲民主党からは枝野代表と福山幹事長が出席しました。枝野代表は、今後の自由党との連携について「今の政治状況を変えなければならないというのは同じ思いだ」と述べたうえで、「共通の目的があるので緊密に意見交換をしていきたい」と野党で連携して安倍政権と対峙していく考えを強調しました。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)








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 古村治彦です。

 

 台風21号の接近、上陸の中、第48回総選挙の投開票が行われました。台風のために投票所の閉鎖時刻が早まる場所や、離島からの投票箱が届けられずに開票ができない場所が出てきました。このような状況では投票所の一時閉鎖と翌日の再開といった対処が必要ではないかと思います。台風のために参政権を行使することができない人がいるならば、その行使に全力を挙げるのが民主国家であると思います。

 

 選挙結果は、自公大勝ということになりました。現在のところ、自民党は公示前の勢力を維持、公明党は5議席減少、ということでほぼ公示前勢力を維持することに成功しました。自公だけで総議席の3分の2を獲得しました。自公に関しては、9月の段階では、勝敗ラインは過半数の233、その後、情勢調査が出て、絶対安定多数の261という話が、安倍晋三首相の側近・萩生田光一代議士から出ていましたから、まさに大逆転ということになりました。

 

 希望の党は公示前から8議席を失い、50議席前後、日本維新の会は4議席失い、10議席は確保、という結果になりました。立憲民主党は公示前15議席から約40議席を伸ばして54議席、共産党は21議席から9議席を減らして12議席、社民党は1議席は確保していますが、比例でどうなるか、分からない状況です。今回、民進党から無所属で出馬した候補者は20名以上が当選しました。比例復活がない中で当選してくるのは地盤が強いということになります。

 

 選挙速報の中で、共同通信や時事通信は、自民、公明、希望、維新を「改憲勢力」としてまとめ、この勢力で310議席を超えたという速報を打ちました。確かにこれら4つの政党で465議席中370議席という大きな数字を占めることになりました。希望を抜いても自公維で310議席以上320議席に迫る数字となっています。

 

 自公大勝、改憲勢力大勝ということになりました。野党は惨敗という結果になりました。しかし、9月から10月の初めにかけて、この言葉は、自公惨敗、希望大勝となるはずでした。安倍首相が解散を決断し、総選挙の投開票日が10月22日とされたころを思い出してみれば、安倍首相には森友学園小学校や加計学園岡山理科大学獣医学部の新設に絡む問題が付きまとい、安倍政権の支持率は下がっていました。そうした中で選挙をして、自民党は大丈夫なのか、過半数割れもあるという話になっていました。実際に9月末の状況では、自公で250議席を確保するのではないか、と言えば、「お前の予測は甘い、自公は過半数割れするのだ」という叱責を受けることさえありました。この時、私は自公で250、希望で150、それ以外で65ということになるのではないかと考えていました。かなりおおざっぱですが、希望が勝つだろうと思っていました。自公が公示前よりも40も50も減らせば、安倍首相の責任問題になって政権は持たないだろうし、それ以上の数字となれば倒閣運動が起きるのではないかと考えていました。

 

 しかし、私は同時に希望の党に懐疑的、批判的でありました。それは、このブログでも書きましたが、小池百合子東京都知事が安倍晋三首相と思想的に何の違いもないことやアメリカのジャパン・ハンドラーズとも関係が深いことを挙げて、希望の党は本当に自民党と対抗する野党なのだろうかということを書きました。小池都知事は、首班指名に関して、公明党の山口那津男代表の名前を挙げてみたり、維新との連携を図ってみたり、自民党との選挙後の連携、特に安全保障政策について連携する可能性に言及するなどの行動や言動を行いました。そして、選挙の候補者名簿を見てみれば、公明党が重視し候補者を出している小選挙区、日本維新の会(大阪の選挙区)、自民党・石破茂代議士に近い議員の選挙区には候補者を擁立せず、立憲民主党に対しては律儀なほどに対抗馬を立ててきました。

 

 思い出していただきたいのは、希望の党の結党から10月10日頃まで、希望の勢いは大したもので、立憲民主党は酷いものでした。「立憲民主?なんじゃそりゃ?潰してやるよ」という鼻息の荒さでした。希望の党は15議席も守れないだろうなというのが、10月10日に大宮駅西口での枝野幸男代議士の演説を聞いていた時の私の感想でした。同じ日の数十分前には小泉進次郎代議士が来ていて、その時の人の集まり具合を見ていたので、やはりそれよりも少ない人数でしたので、特にそう思ったのかもしれません。

 

 選挙戦が始まってみれば、安倍政権に対する支持率は上がらないが、自公が300議席をうかがう勢いという情勢調査の結果が出てきて、驚かされました。289の小選挙区の情勢を丹念に調査していけば、ある程度確度の高い分析ができるのでしょうが、それでもいくら何でも300は、と驚かされました。そして、希望の党の失速もまた驚くばかりのものでした。都知事選挙や都議会議員選挙の時の勢いはなくなっていました。

 

それはマスコミが面白おかしく報道したこともあるでしょうが、そのような報道をさせる隙を作ったのは小池都知事と希望の党であるし、何より、希望の党の曖昧さというか、どこか信じられないというところが有権者にあったと思います。小池都知事にマスコミは何度も総選挙への出馬はないかということを質問しました。私はどうしてそう何度も質問するのだろうか、小池さんは出馬は100パーセントない、と述べているのに、と思っていました。このパーセントを使った表現に関しては、小池さんにかわいそうな面があって、橋下徹氏が選挙に出る、出ないというときに%という表現を使って出馬はないと述べたが、結局出馬したということもあって、パーセントを使ってしまうとどうしても信用できないという印象が持たれやすくなっている状況もあって、これは小池さんには気の毒なことでした。しかし、彼女の煙に巻くような、少しすかした、馬鹿にしたような発言や行動は他にもあって、それが報道されて、希望の党への支持が伸びなかったということもありましょう。

 

 私は希望の党が無理やり過半数の233人の立候補者を立てたことに疑問を持ちました。そして、その中身を見て、憤りを覚えました。選挙はやはり勢いや風ではうまくいきません。国政選挙、特に総選挙では有権者は特に慎重になります。日頃から地道な活動をしているから応援してやろうということになります。どうしてもそうなります。それなのに、その選挙区から代議士となっている人、代議士となった経験がある人、選挙に備えて地道に活動してきた人たちに対して、選挙区の変更が指示されました。自由党に属していた人や小沢一郎代議士に近いと言われている人たちからそのような人が多く出て、私はどうしてそんなことをするんだと憤りを覚えました。

 

樋高剛氏という人物がいます。樋高氏は小沢一郎代議士の秘書として研鑽を積み、生まれ育った神奈川で代議士を目指し、3回の当選を経験した人物です。義父は平野貞夫元参議院議員で、小沢氏の側近と言える人物です。2012年、2014年に苦杯をなめましたが、地道に活動を続けていました。しかし、樋高氏は今回千葉県の選挙区から立候補し、落選しました。いきなりの国替えで、名前を覚えてもらうところから始めてよく3万6000票も獲得できたものだと思いますが、これでは人材の無駄遣いです。このような例はほかにもあります。そして、立憲民主の候補者がいる場所には律義に広報車を立てて、自民批判票を分割して共倒れ、希望の党のほうが獲得票数が多い小選挙区が少なく、立民支持者からは「希望が本当に邪魔だったなぁ」という嘆き節が出てくる始末でした。

 

 しかし、このような嘆き節が出るはずではなかったのです。希望が少なくとも100議席は獲得、うまくいけば150議席だ、ということになっていたを思い出すと、どうしてこうなったのかということを今更ながらに思います。そして、小池都知事の振りまいた幻影と風が今回の総選挙では自公を利しました。小池都知事の吹かせた風が逆風となって希望の党に吹き付け、前進を阻んだということになります。小池氏が自民党を助けるために、希望の党を作って野党を分断したということまでは言いたくありませんが、結果としてはそうなってしまいました。意図してそうしたかどうかは分かりませんが、外形上そうなってしまいました。

 

 野党、安倍政権批判勢力が大敗したことは間違いありません。野党が分立し、しかも野党の核となるであろうと考えられていた希望の党に逆風が吹く中ではいかんともしがたいということになりました。立憲民主党は現有から40議席伸ばしましたが、これを喜ぶことは当然ですが、浮かれてはいけないと思います。支持者で浮かれている人は少ないでしょう。希望、民進系無所属、共産、社民といった野党、維新という「ゆ党(野党でも与党でもない)」、自公という与党の中で、自分たちの立ち位置を確かめ、これから支持を拡大していくという作業が必要になります。参加しているプレイヤーが多くなるとどうしてもその作業は複雑なものとなります。ここで失敗すると順風から逆風になりますし、その変化の速さは希望の党が今回示しました。

 

 総投票数、各政党の獲得票数といったことをこれから見ていかねばなりませんが、自民党に対する票数が全投票数に占める割合は、議席に占める割合である約60%を大きく下回っているでしょう。野党が分立してさえいれば、漁夫の利で自公が勝利する、ということを2012年からずっと見せられてきました。野党共闘の枠組み作りが全国各地で進められてきましたが、結局それはうまくいかないということになりました。

 

 前原誠司・民進党代表は野党共闘路線ではなく、希望に全員合流して、一気に巨大政党を作り上げることをもくろんだのでしょう。しかし、希望の党の結党メンバーには民進党のリベラル派が嫌で離党した人々が多く、とても全員が合流できる状態ではありませんでした。また、安保法制であれだけ反対していたのに、希望の党から出るということは、その時との整合性を問われるということになります。自公からそのような戦いを強いられたら、厳しい戦いになったことは間違いありません。また、小池氏は自分の子飼いを増やすということもあったでしょうから、民進系は厳しい処遇をされたことでしょう。自由党から言った人たちに対する扱いを見ればそのように思わざるを得ません。

 

 希望の党にも行けない、行っても厳しい、当選も難しいという「負け犬」たちが作ったのが立憲民主党です。しかし、この立憲民主党に支持が集まってしまったのです。これは安倍政権もいや、だけど、小池都知事もいやという人たちの受け皿となりました。私はこれまでずっと枝野幸男という政治家に批判的でした。しかし、安倍晋三、小池百合子、枝野幸男と並べられて、誰を支持するかと問われたときに、枝野幸男という選択しかありませんでした。「立民は現有維持できないだろうな、いやできるかもしれない、へー20台獲得という話も出ているのか、倍増の30?本当に?、40台なんてそんな馬鹿な」という感情の変遷がありますので、立憲民主党が50台を獲得できたことはうれしいですが、はたしてこれからどうしていくのか、いけるのかということには不安もあります。

 

 自公は自分たちへの支持が増えなくても、野党が分立してくれれば勝てるという基本戦略を確立しました。それに対しての対抗策は、野党がまとまること(候補者を立てあって潰しあうのを止めること)しかありません。今回の選挙で大きな傷が野党側に残ってしまいました。希望と立民が協力することは難しいかもしれません。また、小池氏が敗北を認めた希望から離脱する議員も出てくるのではないかという話も既に出ています。そうなったときに、元民進党の再合流となる時には、民進党の再興では意味がありません。リベラルから中道右派までを包むアンブレラパーティーになることが重要であると思います。

 

 今回は自公惨敗、となるべき選挙でした。それが野党分立となってしまったことは、野党側に責任があります。自民党を利してしまったという事実は厳然として残ります。そこで、どこが悪い、何が悪いということを言い合うのはありですが、それをいつまでも引きずっても自公を利するだけです。自公政権、安倍一強状況を打ち壊すために何が最善なのかということを考えていかねばなりません。

 

(終わり)



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





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 古村治彦です。

 

今回の選挙ほど序盤と中盤以降で評価が大きく振れた選挙は珍しいのではないかと思います。最初は自公過半数割れという話が出て、その後、中盤以降では自公が300をうかがう勢いという数字が出ています。現在の状況は分かりませんが、アナウンスメント効果とアンダードッグ効果が出て自公の伸びが抑制されていると思います。自民党の伸びは鈍化し、立憲民主党の指示が急速に伸び、希望の党は下落傾向に歯止めがかかっていません。立憲民主党の結党に際して、ダメだろう、日本未来の党の末路を見てみればわかる、という意見もありましたが、まさか、希望の党が日本未来の党のようになってしまうとは誰も予想できませんでした。私は「未来」「希望」のような抽象的な言葉ではなく、「立憲」「民主」というはっきりした言葉を使う潔さと真面目さが有権者に受けたのだろうと思います。

 

 選挙戦では「安倍・自公対小池・希望」の一騎打ちという図式がマスコミでも盛んに喧伝されましたが、有権者もバカではありません。それは表面上だけのことで、本当は対立なんかしていない、安倍・自公も小池・希望も同じじゃないかとなって、「改憲翼賛会(現代版大政翼賛会・米政翼賛会)である自公維希対立憲民主党・共産党・社民党や無所属など」が正しい図式だと理解しています。それは、小池百合子東京都知事の優柔不断さを見てみればわかります。彼女は勢いと風に乗って、民進党の自民党とやっていけそうな前職・元職、そして希望の党プロパーの候補者たちを当選させ、国政に復活するつもりであったと思わざるを得ません。しかし、「安倍晋三首相2号」を国政に送り込むことを、1号にうんざりしている国民が選択することはありません。

 

希望の党は、立憲民主党にはライヴァル候補を擁立し、日本維新の会や公明党には立てなかった、ということで、「ああ、あわよくば自民党の地位に自分たちが入って連立政権を組んで、小池百合子氏が首相になって改憲をしたい(これじゃ安倍晋三氏と違わない)、もしくはこれらの党に気を遣ってうまくいけば自民党と大連立を組みたいのか(結局改憲に協力して、小池氏が次の総理を狙うためか)」ということを国民に看破されてしまったからです。

 

安倍首相と考えが一緒の小池百合子氏を利用して勢力を増やそうとしたと言われる前原誠司代議士(一応まだ民進党代表)と小沢一郎代議士(自由党共同代表)は策士策に溺れる、もしくは、策の弱い部分を小池氏に利用されてうまく騙されて、自分たちはポイ捨てされたということになります。小池氏は民進党の自民党に考えが近い前職に希望の党のプロパー新人候補者を入れて、安倍氏よりもタカ派路線で国政復帰を目指していたのでしょう。そのために前原氏は民進党を供物として差し出す羽目になり、小沢氏は目指していた野党共闘の形を崩壊させる結果になりました。小沢氏の構想力と説得力は日本政界随一でしょう。惜しむらくは、その構想を実現することに貢献できる人物が周囲にいなかったということでしょう。自由党系で希望の党から出馬した人たちはそれぞれ地道に活動していた地元から離れた場所に「国替え」をさせられました。こうした人たちが地元で出ていたらどんなに良かっただろうかと思います。

 

 小選挙区制度を導入して二大政党制を日本に実現する、ということが果たして良かったのかどうか、という問題について、私は問題が多かったと思います。最大の問題は、自民党に対してつけられていた「拘束具」が外されてしまった、ということだと思います。小選挙区制になって、特に小泉政権以降の選挙では、大勝ち、大負けという結果が出るようになっています。得票率に比べて議席数が割高に出てくるのが小選挙区制の特徴で、これを抑えるために、比例代表制も併せて採用していますが、それでも、勝つときは大勝ち、負けるときは大負けとなります。

 

これを防いで、与野党伯仲状態を作り出すためには、小選挙区と比例区で別の政党に投票する、与党支持者の場合であれば、小選挙区で与党候補者、比例で野党(できれば野党第一党)に投票する、野党支持者であれば小選挙区、比例共に野党に入れるということをしなければなりませんが、これはこれで大変複雑なことを有権者、特に与党支持者に強いる、お願いすることになりますから、難しいです。やはり応援している政党に勝ってほしいですから。また、無党派層が多いので、それがどちらにふれるか、投票に行くかでも結果が大きく変わります。ただ、国民の多くはあまりに強力な与党の出現は求めておらず、はっきり言って、小選挙区制とその結果としての二大政党制は日本にそぐわないと私は考えます。

 

 大勝ちした政党は本来であれば、民意よりも大きく反映された議席数を与えられたことに畏怖を感じ、権力を行使する際には慎重にかつ協調的に行おうとするものです。しかし、小泉政権以降の自民党政権は少数の例外を除いて、権力をふるうことに畏怖を感じず、やりたい放題ができるという勘違いを基礎にして行動してきました。恐怖を感じ慎重にふるまうためにはこれまでの人類の歴史を知り、人間は愚かなのだから慎重に行動しなければならない、ということを知らねばなりませんが、残念ながら今の自公連立政権は学歴や職歴は超一流でまばゆいばかりですが、そうしたことを忘却している、ネトウヨに実際に権力を持たせたらこうやるだろうなということを実際にやっているにすぎません。

 

 今回の選挙では自民党と公明党の連立枠組みは序盤大変厳しい状況が伝えられました。100議席を失って過半数割れをするのではないか、と言われていました。それは、小池百合子東京都知事が希望の党を結成し、都知事選挙、都議選挙での小池旋風の凄まじさに人々が目くらましをされていたためです。希望の党が出現し、民進党は合流する形になるはずでしたが、全員が希望の党に行けないということになり、小池氏の安倍氏と同じ考えに同調すること(踏み絵を踏む)ということが要求され、民進党合流はなくなりました。この時点で、簡単に言えば民進党は2つに分裂させられました。そして、野党共闘体制も崩壊させられました。自民党に批判的な無党派層有権者の票は分散し、死に票が増え、結果として自民党が漁夫の利を得るということになります。

 

 しかし、希望の党から排除された人々が立憲民主党を創設し、選挙戦に新たな軸を立てました。安倍政治とそれに親和性の高い小池政治とは違う、2本目の対抗軸です。立憲民主党は希望の党のように選挙に多くの候補者を出すことができませんでした。準備が足りませんでした。しかし、今や希望の党を上回る支持を集めているという世論調査の結果も出ていました。立憲民主党が野党再編の軸となって、リベラルから中道へとウイングを広げていく、そのために無所属、希望の民進系で心ならずも公認をもらったという人たち、が協力できる体制づくりが必要でしょう。そうなると、希望の党は分裂してしまう可能性は高いです。希望の党の結党メンバーのうち何人が国会に戻ってこられるか分かりませんが、民進系の大量離脱となると、希望の党は先細りということになるでしょう。そうなれば極端に言えば、彼らは自民党に吸収されてしまうかもしれません。それはそれで彼らのためかもしれません。

 

 今回の民進党の分裂は、自民党内の保守本流である宏池会(池田派を源流とする)の分裂と同じで、分裂が長引けば日本政治に大きなマイナスとなってしまいます。自民党内の保守本流・宏池会は2000年の加藤の乱で崩壊してしまいました。その後、合流ということもなく分かれてしまって、党内における力を落としています。その間に、保守傍流である清和会(岸派を源流とする)が勢力を伸ばし、やりたい放題となって現在に至っています。

 

 「リベラルから中道」をまとめるべき勢力である、自民党内宏池会と民進党が分裂したままで喜ぶのは安倍首相が属する清話会をはじめとする、日本政治の傍流の人々です。ですから、自民党内部の宏池会の復活と立憲民主党を軸とする野党再編、民主党勢力の結集は選挙後の急務です。これらの勢力が伸びねば、安倍首相一強状態を抑制することはできません。
 

 リベラル分断・野党殺しは、2012年のマイケル・グリーンの記事にもあったジャパン・ハンドラーズの安倍首相支援のシナリオです。私は意図的なのかどうかはともかく、小池都知事はこのシナリオに乗った、しかし、今回は日本国民がこのたくらみを見抜いて、リベラルを支援する方向に動いているということだと思います。また、世界的に見れば、アメリカでは民主党のバーニー・サンダース連邦上院議員、イギリスでは労働党のジェレミー・コービンといった指導者たちが人々の支持を集めています。立憲民主党の堅調さはこの世界的な流れの中に位置づけられると思います。

 ですから、立憲民主党が40台後半、民進系無所属が20前後、希望の党の心ある民進系で何とか30、合計で100に近い90台後半を結集させることが今回の選挙では重要であると思います。希望の党の小選挙区の候補者で、希望の党プロパーではない民進系でよさそうな人にはその人に投票、その人が危なそうであれば、比例で希望の党に投票、をお願いしたいと思います。そして、無所属の人の場合には、比例には立憲民主党か共産党、社民党をお願いしたいと思います。自民党支持者や公明党支持派の皆さんも、どうか比例だけでもこの3党にご投票ください。お願い申し上げます。

 

自公政権の議席を1議席でも削り取り、立民共産社民の議席が増えて欲しい、そう願っています。

 

(終わり)



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




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古村治彦です。

今回の総選挙について、現在の時点での結果予想が出ました。自公が堅調、希望不振、立憲民主に勢いというところです。

 

自公は公示前の勢力が325議席でしたから、300議席をうかがう勢いとなると、290議席台ということになります。減少する議席数は30から35ほどということになります。公明はいつも手堅いので、そんなに大きな増減はないでしょうから、自公枠組みでの結果は、自民党の結果が大きく左右します。

 

先週は、自公連立が過半数割れ、公明党が自民党から離れて希望の党と連立を組むという話も出ていました。そのシナリオを書いているのが、小沢一郎代議士だという話もまことにしやかに話されていました。しかし、小沢氏は希望の党の結党について、話を聞いて、「これなら反安倍の議員を当選させることができる」と思ったが、それ以上はかかわっていないのではないかと私は考えます。前原誠司・民主党代表はもっと深くかかわり、希望の党結党メンバーの元民進党議員たちに騙されてしまったのではないかと考えます。希望の党と民進党の混乱については、選挙後に関係者が虚心坦懐に証言をすることが日本政治のためであると考えます。

 

希望の党は現有勢力からあまり伸びがないという予想結果が出ています。先週の予想結果では100議席という予想が複数のメディアで出ていました。それが60前後ということになるという厳しい結果が出ました。希望の党が立憲民主党と共倒れをするような立候補者の立て方をしたことがやはり大きいと思います。また、比例で希望に入れた場合に、好ましくない人物が議員になってしまうという警戒感も大きいと思います。新党でこれだけ風が吹かない新党も珍しいです。2014年の日本未来の党を思い出します。今の状況では、希望の党は、自民党をアシストするために結成されたということ以上の役割を今回の選挙で果たせないということになります。

 

立憲民主党は倍増ということですが、元が小さい政党ですから、増えても30台ということだと言われています。これからの更なる伸びが期待できると思いますが、30台後半から40に近づけることもできると思います。

 

共産党は野党共闘の枠組みを尊重して、候補者調整に一番貢献があったわけですから、やはり比例でいつもは共産党以外に入れている人たちに向けて、一種の抵抗感、躊躇をなくすようにできれば、これから更なる上積みが期待できると思います。

 

日本維新の会は大阪でもだいぶ苦戦しているようだという話を聞きました。小選挙区で希望の党の立候補者がいないにもかかわらず苦戦となると、現有維持から微増が精いっぱいのところでしょう。関東では好ましくない人物が比例で当選してしまうことのないようにしてもらいたいと願うばかりです。国会にこれ以上、品位を落とす暴言議員は必要ありません。維新は自民や希望との差別化がうまくいっていないのではないかと思います。社民党は小選挙区1、比例1を何とか確保したいところです。

 

希望の党で当選してくる人たちのほとんどは、民進党の前職だった人たちでしょう。彼らについては、やはりこれからも希望の党でやっていくのかどうか、をよく考えてもらいたいと思います。現在、希望の党で出ていることは決してプラス要因ではないのですから、それで小選挙区で勝ち抜いてきた人たちは、希望の党に対していろいろと注文を付けることができるし、場合によっては離党することだって考えられるでしょう。

 

今回、安倍首相に退陣してもらう機会でもあるわけですから、自民党の議席を大幅に減らすことが重要ですが、問題は希望の党がそれを促進しているどころか、邪魔をしているということです。安倍首相に退陣してもらいたい人たちは、それぞれの選挙区の立候補者をよく見て、どのような選択が安倍首相退陣につながるのかということを考えつつ、安倍氏のエピゴーネンになるような人たちは国会に出さないという、アクロバティックな方法を考えねばなりません。しかし、それは意外に難しいことではないと思います。

 

また、選挙は最後の最後まで分からないと言いますし、勝ち馬に乗る「バンドワゴニング」が起きるか、判官びいきの「アンダードッグ」が起きるか、あと10日間で分かりません。

 

これから自民党の議席数を少しでも削り取り、立憲民主党の議席数を増やしてほしいというのが私の希望です。野党の立憲勢力の議席を150議席に近づけてもらいたいと思います。改憲のための大政翼賛会、米政翼賛会の結成を阻止するために。しかし、今回の世論調査の結果ではそれはかなり困難なことだと思われます。アメリカのジャパン・ハンドラーズによる、日本の野党勢力殺し、リベラル殺しのシナリオがうまく働ているという感じです。私がこれまでに書いてきましたように、小池百合子東京都知事はその手駒の一つだと考えねばならないと思います。

 

はっきり申し上げて、小池百合子氏を担ぎ上げた人々の思惑は大きく外れ、逆回転が起きて自分たちが苦しむ結果になっています。そのために日本政治は大きな困難を迎えようとしています。私たちは現在の状況をしっかり目撃し、記憶し、間違いを正していく、という作業をずっと続けていかねばなりません。それこそが日本のデモクラシーを生き延びさせる確実な方法であると考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「衆院選序盤情勢 自公300議席うかがう 立憲民主、倍増も 希望、伸び悩み」

 

産経新聞 10/12(木) 7:55配信 産経新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171012-00000054-san-pol

 

 産経新聞社は11日、第48回衆院選(22日投開票)について全国の総支局の取材に共同通信社の電話世論調査の結果などを加味し、選挙戦の序盤情勢を探った。自民党は選挙区、比例代表で優位に立ち、連立を組む公明党と合わせ300議席をうかがう勢いだ。過半数(233議席)を超える235人を擁立した小池百合子代表(東京都知事)率いる希望の党は伸び悩み、100議席に届かない公算が大きい。

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                   ◇

 

 安倍晋三首相(自民党総裁)は自民、公明両党で過半数の獲得を勝敗ラインに掲げている。序盤情勢では自民党は単独で過半数に届き、絶対安定多数(261議席)を上回る勢いだ。絶対安定多数は常任委員長ポストを占め、委員数でも野党を上回る議席を確保し、国会運営が安定する。公明党は公示前勢力を維持する見通しだ。

 

 公示前は57議席だった希望の党は60議席前後にとどまるとみられる。小池氏は政権選択選挙を掲げ、民進党前職を含め多くの候補者を擁立したが、選挙区、比例ともに勢いがみられない。小池氏の不出馬に加え、党として首相候補を示していないことが影響した可能性がある。東京と大阪で希望の党と候補者をすみ分けた日本維新の会は、関西圏を中心に議席を獲得し、公示前の14議席から微増となる見込みだ。

 

 枝野幸男代表が立ち上げた立憲民主党は公示前の16議席から倍増の勢いとなっている。民進党から分裂した立憲民主党は護憲色が強く、安全保障関連法を「違憲」とする共産党が競合する選挙区で候補者を取り下げたことも追い風になっているとみられる。

 

 一方、共産党は公示前の21議席の維持が難しい情勢で、社民党は公示前の2議席を維持する見通しだ。

 

 ただ、共同通信の調査では投票先を「決めていない」との回答が選挙区で54・4%、比例代表で47・2%に上った。無党派層の多くが投票先を決めていないとみられ、投開票日に向けて情勢が変化する余地も残っている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回はアメリカの著名な政治学者であるウォルター・ラッセル・ミードによる現在の日本の政治状況に関する記事をご紹介します。

 

 簡潔に述べると、ミードは、「現在、日本の政治状況は激動しているが、実は安定に向かっている。希望の党は自民党の新たな派閥であって、最終的には安倍氏が勝利する」ということを主張しています。

 

 外側からの目で見れば、安倍晋三首相と小池百合子都知事は対立する関係ではなく、一緒なのだということが明らかなのです。これは私がこのブログでも採算申し上げてきたことです。しかし、希望の党は自民党の派閥のような存在であるというのはミード氏の慧眼と言えましょう。

 

 メディアでは10月22日の選挙予測が出ています。自公の枠組みで100議席を減らす、もしくは自民党は単独過半数割れとなるが自公枠組みで過半数維持、といった予想が出ているそうです。自公が減らす分が希望に行ってしまうと、これはミード氏によると「自民党の派閥」なのですから、大きくは自民党に入れることと一緒になってしまうことになります。

 

 希望の党は民進党の前職や元職が多く公認を受けています。彼らがよもや自民党の一派閥に入った、自民党を助けるために存在するということは考えたくありませんが、外側の大きな目から見るとそうなってしまいます。ですから、民進党出身で心ある候補者の方は、希望の党の公認で当選しても、是非良識的な行動を取っていただきたい、自民党の派閥の一員に成り下がるようなことはないようにお願いしたい。

 

 私は自公の枠組みが大きく議席を減らすということは喜ばしいことだと思います。そして、その後に何が起きるだろうかということを考えてみたいと思います。自公の減少した議席数が大きれば大きいほど、安倍首相の退陣の可能性は高まります。しかし、自公が減らした分が希望の党に行く場合、しかも元民進党よりも希望の党独自の候補者が多く当選する場合、これは自民党の派閥になる可能性が高くなります。そうした人々がまとまって、自公と連立政権を組む、それに維新も入る、ということになると米政翼賛会、現代版の大政翼賛会が完成することになります。

 

 この時の大義名分は、「北朝鮮を巡る外交上の危機的な状況の中で、救国大連立を組む、そして、その指導者にはこれまで通り安倍晋三氏を立てて、継続性と安定を図る」ということになるでしょう。こうなると、小池氏は一度自民党に反旗を翻しながら、自分の手兵を率いて再び自民党に帰ることになります。そうなれば、一気に次の首相候補、ということにもなるでしょう。

 

 このような馬鹿げたシナリオが現実のものとならない為にも、希望の党の候補者に関してはきちんと調べて、投票すべきだと思います。希望の党のオリジナルメンバーと彼らに近い人物たちは、おそらく、自民党の一派閥になることに躊躇がない人たちでありましょうから、是非次の国会で議席を占めないようにしてもらいたいと考えます。

 

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日本の選挙をめぐるドラマは、その激しさとは裏腹に日本政治の安定を示すものだ(Japan’s Electoral Drama Belies Its Stability)

―安倍首相と彼の最大のライヴァルは主要な問題の多くで合意している

 

ウォルター・ラッセル・ミード(Walter Russell Mead)筆

2017年10月2日

『ウォールストリート・ジャーナル』紙

https://www.wsj.com/articles/japans-electoral-drama-belies-its-stability-1506983937

 

日本は世界の諸大国の中で最も低い評価しかされていない国であるが、通常は最も落ち着いた国である。1955年の結党以来、自由民主党が日本政治を独占してきた。現在、公明党と一緒になって連立与党となり、国会の両院で3分の2の議席を有している。

 

しかし、現在の日本はこれまでよりも爆発しそうな雰囲気になっている。これは先週始まった。安倍晋三首相は10月22日に衆議院の解散総選挙を行うと決めた。人気の回復と野党側の混乱を利用しようと考えてのことだ。しかし、安倍氏の計画は、覆されてしまった。カリスマ性を持つ東京都知事小池百合子氏が新党「希望の党(“Party of Hope”)を結成し、総選挙において全国規模で立候補者を出すと発表したのだ。僅か3か月前、小池氏率いる地域政党「都民ファーストの会(“Tokyoites First”)と協力政党(訳者註:公明党など)は地方選挙で圧勝した。東京都議会では127議席の3分の2に少し足りない議席を獲得した。

 

ドラマが一気に進展したのは先週のことであった。国会の野党第一党である民進党が驚くべき発表を行った。それは、民進党は衆議院内における会派を解散し、来たる総選挙において議員たちが小池氏の旗の下で選挙に出馬することを許可する、というものであった。安倍氏の勝利は突然、当然のものではなくなった。コメンテイターたちは、安倍氏が下した総選挙の決断をイギリスのテレーザ・メイの野心的な企ての大失敗と比較し始めた。

 

小池氏の影響力が小池氏をどこまで引き上げるかを語るのは早計だ。彼女が衆議院選挙に出馬するには、東京都知事を辞任しなければならない。72%の有権者は、彼女は都知事の地位にとどまるべきだと考えている。都知事に留まっても辞任しても批判に晒される。民進党の枝野幸男氏は、小池氏が保守的すぎると考えるリベラル派をまとめるために新たな党を結成しつつある。最近の世論調査では、連立与党は衆議院での3分の2という現有議席には届かないが、安倍氏は勝利すると示していた。

 

しかし、3分の2を失うというのは問題だ。なぜなら、3分の2の議席は安倍氏にとって重要な目標を達成するためには必要な数だからだ。彼の主要な目標、それは、1948年に制定された憲法を変更することだ。この憲法は日本が戦争に参加することを禁止している。この条項は、第二次世界体制ン直後にアメリカが推進したもので、日本の漸進的な軍事力の再建と安倍氏が定義する「普通の国」になることに対してのブレーキの役割を果たしている。

 

しかし、根本的なところで保守的である日本では、変化というものは現状維持のための戦略でしかない。ある点から考えると、小池氏は一人の日本人女性としてこれまでにない力と存在感を手にしている革命家としての存在であり、彼女が所属していた政党と保護者に対して反旗を翻すことに成功している。しかし、外交政策の面では、小池氏は、安倍氏のナショナリスト的な立場にきわめて近い。現在の自公連立政権の初期段階において、小池氏は安倍内閣の防衛大臣を務め、強硬派としての評判をとっている。小池氏は定期的に、議論の的となっている靖国神社に参拝している。靖国神社には第二次世界大戦の戦死者と共に恐るべき戦争犯罪人たちも祀られている。小池氏はまた、歴史教科書から日本の戦時中の蛮行を消し去ろうとする運動を支持している。

 

政治の世界における通常の終わり方とは大きく異なる結果が出るだろう。それでも、小池氏の急速な台頭は、数十年にわたり日本政治を支配してきた政治の世界の基本モデルを更に強固なものとする可能性が高い。過去60年のうちのほとんどの期間、日本は事実上の一党しか存在しない国家であった。この状況下では、政策を巡って他の政党と競うよりも、自民党内部の派閥間の争いの方が重要であった。自民党内部の諸派閥はそれぞれ、強力な個性とボスによってまとめられ、派閥間の相違は抽象的な政治的理想というよりも、相争う産業別、政治的な各種ロビー団体の利益によって生み出されていた。

 

小池氏の東京における「反乱」は、多くの自民党の実力者たちによってひそかに支持されていた。彼女の新党「希望の党」は、西洋型の野党というよりも、自民党内部の伝統的な派閥のようである。来たる選挙における小池氏の支持者と安倍氏の支持者の争いは、自民党の大勝利をもたらす。最後に残った主要な野党は解体し、自民党内部にもう一つ派閥が出来たようなものだ。

 

安倍氏は予想していたよりも厳しい選挙戦に直面する。しかし、彼にとっての最強のライヴァルが多くの点で彼と考えが同じだということは、彼の勝利にとって重要な方策となる。日本は、アメリカによる安全の保証がかつてよりも不確かなものとなっている状況下、中国との厳しい競争、北朝鮮からの危険な脅威に晒されている。 こうした中、世界は、日本の国家戦略と軍事的な姿勢が急速に発展することを期待している。これは誰が首相になっても変わらない。

 

※ミード氏はハドソン研究所研究員で、バート・カレッジの国際問題専攻の教授である。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)




アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12






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 古村治彦です。

 

 本日、枝野幸男・民進党代表代行が記者会見を開き、「立憲民主党(The Constitutional Democratic Party of Japan)」の結成を発表しました。私は立憲民主党の結成を歓迎します。私は、民主党が民進党に党名変更する際に、「立憲民主党」がよいのではないかと考えていました。今回、枝野氏が「立憲(Constitutional)」という言葉を使ったことに驚きを覚えつつ、事態はよほど切迫しているのだろうと考えています。

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2014年12月18日

卑怯卑劣極まりない安倍晋三自民党総裁(とその仲間たち):「立憲主義」を軸にした野党の結集を求める

http://suinikki.blog.jp/archives/18888841.html

 

(貼り付け終わり)


 「立憲主義」は、簡潔に言って、憲法で大変な力(権力)を持つ国家を縛るという考え方です。国家が国民を害さないように憲法があります。しかし、その憲法の機能を変更しよう、という動きが最近の動きです。そして、安倍晋三首相を中心として、自民党と公明党の連立政権が日本国憲法を変更しようとしています。

 急に降ってわいたかのように出てきた、小池百合子都知事による「希望の党」結成は、自民党を利するものだと考えています。本ブログでもご紹介しましたが、少しでも知識がある人であれば、安倍晋三首相と小池百合子都知事の考えが全く異なるということはない、安倍晋三氏と小池百合子氏はほぼ同じ考えだということは自明のことです。

 

 小池新党・希望の党は、安倍晋三首相の支持率が上がらず、自公連立与党に対する支持が上がらない中で、野党側に大きな分裂をもたらし、自公の敗北を小さなものとするための試みでありました。既に時効は選挙準備を始めていますが、野党側では立候補予定者たちは自分がどの政党で出るのか、それとも出られないのかという段階で右往左往しています。スタートダッシュに失敗したということが言えましょう。このスタートダッシュの失敗を「成功」させただけでも、「ゆ党」であり、米政翼賛会の一部である希望の党と小池氏は、自民党にとっての勲功第一等ということになります。

 

 そうした中で、枝野氏が立憲民主党(略称は民主党)を結成しました。これによって、私は今回の選挙の構図は、「安倍晋三氏や小池百合子氏のような考えを持つ人々による改憲」か、「それに反対する」か、ということになったと思います。きれいに整理がつくようになったと思います。決して、「安倍晋三氏率いる自公か、小池百合子氏率いる希望の党か」という枠組みではありません。もっと言えば、日本会議(彼らは立憲主義を否定する考えを持っています)に同調する議員たちを多く選出するのか、そうではないのかということになります。

 

 これで構図がはっきりしました。希望の党の立候補予定者の中にも、忸怩たる思いを持っている人たちが多くいると思います。その人々が希望の党からの立候補を再考してくれることを希望します。希望の党の立候補予定者の名簿発表が明日にずれ込みました。これは立候補予定者たちの一定数が揺れていることを示していると思います。今晩しか時間がないかもしれませんが、じっくり考えてもらいたいものです。

 

 2017年10月22日の衆議院議員選挙の投開票日が終わった後に、立憲民主党が躍進していることを期待します。

 

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●「<衆院選>新党は「立憲民主党」 枝野氏が会見で発表」

 

10/2(月) 17:05配信 毎日新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171002-00000045-mai-pol

 

 民進党の枝野幸男代表代行は2日、東京都内のホテルで記者会見し、新党「立憲民主党」を結成すると発表した。希望の党に合流しない民進候補の受け皿とする。枝野氏は記者会見で「安倍政権の暴走に歯止めをかける。そのための役割を果たしたい」などと述べた。

 

 また、枝野氏は「希望の党の理念や政策は、私たちが目指してきたものとは異なる」と話した。【統合デジタル取材センター】

 

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●「立憲民主党 結党会見詳報(1)「安倍政権の暴走に歯止めを」」

 

2017年10月2日 毎日新聞

https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171002/mog/00m/010/001000c?inb=ys

 

 枝野幸男元官房長官は2日、東京都内のホテルで記者会見し、新党「立憲民主党」を結成すると発表した。会見の詳報は以下の通り。

 

 枝野氏 私は日本の国民の生活の安心、立憲主義、民主主義社会をしっかりと守っていくために、立憲民主党を結成することを決意した。この場を借りて、みなさんにご報告させていただくとともに、この立憲民主党を支えてもらって、この総選挙で安倍政権の暴走に歯止めをかける。安倍政権にストップをかける。そのために大きな役割を果たす。そうした力を国民のみなさんに与えていただく。そんな戦いを進めていきたいとみなさんに呼び掛けたいと思う。

 

 日本の国民生活は「一億総中流」と言われた時代から、格差が拡大し、貧困が増大し、そのことによって社会が分断され、「世界一安全」と言われていた治安にまで、「お互い様」という言葉に象徴されていた人と人とのつながりがどんどん壊れてしまっています。近代国家の大前提である立憲主義が破壊され、法の支配すら脅かされています。みんなで議論し、納得して物事を進めていくという、民主主義がおろそかにされています。共謀罪に象徴されるように自由な社会にもさまざまな危機が迫っています。こうした状況を変えていく責任、役割を果たしていかなければならない。そして、安心できる、立憲主義や法の支配、民主主義や自由、その中で社会の構成員がお互いに支え合い、お互いに認めあえる、そんな社会を作っていかなければならない。

 

 そんな思いで私は24年、国会で仕事をしてきた。民主党から民進党へという流れの中で、志を同じくする多くのみなさんと議論し、目指すべき社会像、理念、政策を積み重ねてた。今般の総選挙を前にして、さまざまな提起がなされ、動きがある。結論として残念ながら、希望の党の理念や政策は私たちが積み重ねてきた、私たちの目指す理念や政策の方向性とは異なるものだと判断をせざるを得ない。政治家にとって、理念や政策は何物にも代え難い、譲ってはならない筋だ。そして、これまでこの総選挙を目指して、地域の中で準備を進めてきた仲間が今回、どうしても選挙に出るなら無所属での出馬、あるいは残念ながら私から見れば、理念や政策が私たちとは異なる政党からの出馬を余儀なくされている。

 

 さまざまなプロセスの中で、いろんな批判をいただきながらも、私たちの目指すべきあり方、理念や政策の方向性について、期待して応援してくれたみなさん、期待をしたいという思いを抱きながら見守ってきたみなさんにとって、選択肢がないという状況になってしまっている。この間、多くの国民の皆さんから「枝野が立て」「その選択肢を作れ」という激励をいただいた。

 

 選挙に備えてきたのに、残念ながら、「このままでは戦えない」「共に作り上げてきた理念、政策を掲げて戦いたい」。そうした仲間の期待の声もいただいた。私はこうした声に応え、これまで民主党から民進党へ積み重ねてきた理念と政策の方向性をさらにブラッシュアップしながら、国民に訴え、国民の声を受け止める、そんな立憲民主党を結成することを決意した次第だ。この場を借りて、多くのみなさんに立憲民主党で共に衆院選を戦うことを呼びかけさせていただく。

 

 選挙はもう間もなくだ。残された時間は多くないが、私たちは国民に自信を持って政策と理念を訴えて、期待に応えていく覚悟だ。国民の理解と支援をお願いする。

 

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(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12







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 古村治彦です。

 

 2017年10月22日の解散総選挙の投開票に向け、日本政治の動きは加速度を増しています。小池百合子東京都知事が「希望の党」という新党を立ち上げ、総選挙に臨むということを発表し、それに向けて保守派を中心に現職・元職の議員たちが集まり始めています。自民党や民進党からの離党者がこれからも出続けるでしょう。公明党の山口那津男代表は、小池都知事の動きに批判的ですが、公明党は都議選以降、小池都知事にコケにされ、なぶられています。自民党は一部に歓迎ムードがあります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「小池氏「日本をリセット」=希望の党、国会議員14人と旗揚げ【17衆院選】」

 

時事通信 (2017/09/27-11:26)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092700560&g=pol

 

 新党「希望の党」は27日午前、東京都内のホテルで結党の記者会見を開いた。代表に就いた小池百合子都知事は「しがらみのない政治、大胆な改革を築く。日本をリセットするために希望の党を立ち上げる」と宣言。知事職は続投し、今回の衆院選には出馬しない考えを明言した。会見には、若狭勝衆院議員、細野豪志元環境相ら結党に参画した国会議員14人が同席した。

 

小池氏記者会見要旨

 

 小池氏は「今こそ、しがらみのない政治を大胆に行っていかなければならない」と強調。「北朝鮮情勢がこういう中で政治空白があっていいはずがない」と述べた上で、「安倍晋三首相が(衆院)解散をうたっている。であるならば改革のチャンスだ」として、全国規模で候補を擁立する意向を示した。週内にも1次公認を発表する。

 

 小池氏は「改革する精神のベースにあるのは保守の精神だ。寛容な改革の精神に燃えた新しい政党だ」とも語った。衆院選後の特別国会で行われる首相指名選挙への対応については「戦いが終わったときに考える」と述べるにとどめた。

 

 将来の国政復帰の可能性に関しては「今は、この選挙で仲間の候補者が1人でも多く当選するために頑張っていきたい」と含みを持たせた。 

 

 会見では綱領を発表。「寛容な改革保守政党」「平和主義の下、現実的な外交・安全保障政策を展開」「情報公開を徹底」などが盛り込まれた。小池氏以外の党役職は現時点で決まっていない。

 

 小池氏の旗揚げ会見を受け、民進党などを離党して新党から衆院選への出馬を目指す動きはさらに広がる可能性がある。

 

◇「希望の党」参加議員

 新党「希望の党」の結党記者会見に参加した国会議員14人は次の通り。(敬称略。丸数字は当選回数)

 【衆院】細野豪志=静岡5区(6)▽松原仁=比例東京(6)▽長島昭久=比例東京(5)▽笠浩史=神奈川9区(5)▽後藤祐一=神奈川16区(3)▽福田峰之=比例南関東(3)▽木内孝胤=比例東京(2)▽鈴木義弘=比例北関東(2)▽野間健=鹿児島3区(2)▽若狭勝=東京10区(2)▽横山博幸=比例四国(1)

 【参院】行田邦子=埼玉(2)▽中山恭子=比例(2)▽松沢成文=神奈川(1)

 

(貼り付け終わり)

 

 希望の党については、期待する声、疑う声、それぞれに出ていますが、私は本ブログの2017年8月7日付で、小池新党について書きました。基本的な理解はここをスタートにしています。是非お読みください。

 

(貼り付けはじめ)

 

2017年08月07日

「日本ファーストの会」は本当に「Japan First!」なのかhttp://suinikki.blog.jp/archives/71722807.html

 

(貼り付け終わり)

 

 現在の日本の政治状況の動きは急です。希望の党と民進党の合流という話が出てきました。民進党に関しては離党者が続出していましたから、「解党的出直し」で希望の党との合流という選択がなされることになりました。労組の連合は、民進党と自由党との合流を求めていましたから、民進党と自由党が希望の党に合流ということになるでしょう。そして、連合は民進党と希望の党の合流に賛成だということです。そうなると、自公の連立与党、日本維新の会の「ゆ党」、希望民進自由、共産、社民ということになります。維新は分裂して、議員たちは自公と希望にそれぞれ行くでしょうから、自公、希望、共産、社民ということになるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「民進・自由、合流へ調整=希望と連携模索―前原、小沢氏【17衆院選】」

 

9/27(水) 11:44配信 時事通信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170927-00000053-jij-pol

 

 民進党の前原誠司代表が26日に自由党の小沢一郎代表と会談し、衆院選前の両党合流へ調整する方向で合意したことが27日、分かった。関係者が明らかにした。両氏は合流後に小池百合子東京都知事が代表を務める新党「希望の党」と選挙区の候補者調整に入りたい考え。ただ、民進党内には自由党との合併に反対論があり、前原氏の決断が焦点となる。

 

 関係者によると、連合の神津里季生会長も会談に同席。連合は合流を支持する見通しだ。

 

 一方、民進党の柚木道義衆院議員は大島敦幹事長と党本部で会い、衆院選で希望の党など自民党以外の政党との競合を避けるため、「発展的解党」を含めた新たな枠組みづくりが必要だとする申し入れ書を提出した。柚木氏によると、玉木雄一郎、小川淳也両衆院議員らも同じ考えだという。

 

 前原氏は野党連携の進め方を最終判断し、28日の党両院議員総会で提案する意向。ただ、党内がまとまるかは予断を許さず、前原氏が強引に合流を進めれば党分裂や解党につながる恐れもある。 

 

 一方、自民、公明両党幹部は同日午前、東京都内で会談した。10月の衆院選について、希望の党の旗揚げで「厳しい戦いになる」との認識で一致。安倍晋三首相が勝敗ラインに掲げた「与党過半数」獲得へ結束して臨むことを確認した。

 

 会合後、公明党の斉藤鉄夫選対委員長は記者団に、先の都議選で連携した小池氏との衆院選での選挙協力について、「自公で政権を共有することを国民に約束して選挙をするので、希望との協力はない」と語った。

 

 民進、共産など野党4党は国対委員長が会談。首相が臨時国会冒頭での衆院解散を表明したことに対し、代表質問や党首討論を実施するよう大島理森衆院議長に申し入れることで合意した。

 

(貼り付け終わり)

 

 希望の党が出てくるまでは、民進を中心に民進、共産、自由、社民の野党4とうの選挙協力という枠組みが議論されていましたが、希望の党が出てくることで、これはご破算となりました。そして、自公と反自公はそれぞれ反共産党という前提で二大政治グループ、疑似二大政党ということになります。社民はあまりにも小さい政党ですが、私は10月22日の選挙では比例では社民党に投票することも考えています。

 

 「希望の党によって、反自民、反安倍の野党勢力の結集ができた」と喜ぶことは私にはできません。それは、これは「米政翼賛会(べいせいよくさんかい、アメリカを第一に考える日本の根本的な政治システム)」体制の完成まであと一歩というところまで来ている、ということを現在の状況は示していると私は考えるからです。米政翼賛会というのは私の造語ですが、これは大政翼賛会の現代版です。また、小池氏が安倍晋三首相と同じ改憲論者であり、軍備増強主義者であるということも懸念を持っています。

 

 私は、ドナルド・トランプ政権下で駐日大使となったウィリアム・ハガティ―ジェイムズ・アワー―長島昭久―小池百合子―細野豪志というラインで現在の状況は作られていると考えています。この動きは「改憲を成功させて、日本の軍備増強、軍事費増大をして、アメリカから更なる武器を購入させる、軍事増強によって日本を東アジア地域の“棘”にして中国にけしかける、その間にアメリカは中国とは仲良くけんかをする」というアメリカの戦略を前提にしているものであると私は見ています。

 

 この米政翼賛会体制となれば、自公と希望の間に表面上は相違があっても根っこは同じですで、アメリカの利益が第一、ですから、大同団結、国益のために協力するということが容易にできるということになります。

 

 さらに私は、小池百合子東京都知事が一気に首相候補になったとも考えています。そして、小池氏が首相となる時には自公と希望の救国大連立が成立するのではないかと思います。そして、小池氏の次の首相、もしくは次の次の首相は小泉進次郎代議士ではないか、そういうシナリオ作りが進んでいるのではないかと思います。こうなれば、ジャパン・ハンドラーズのマイケル・グリーンは、大手を振って日本政治にますます介入し、吸血虫のように日本から血を吸い続けることができるでしょう。

 

 私はこれからの日本政治の進む方向に悲観的になっています。安倍首相を退陣にまで追い込むということは賛成ですが、その次に小池百合子氏が出てくるようでは結局同じではないか、と考えてしまうからです。私の悲観論が考えすぎの杞憂であればよいと思います。しかし、最悪のシナリオが待っているかもしれないということは言っておきたいと思います。

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





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 古村治彦です。

 

 2017年8月7日、若狭勝衆議院議員は、「日本ファーストの会」という国政政党を立ち上げると発表しました。

 

(貼りつけはじめ)

 

●「「日本ファーストの会」設立 小池氏は役職に就かず」

 

8/7(月) 11:56配信

テレ朝 news

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20170807-00000013-ann-pol

 

 若狭勝衆議院議員が国政選挙をにらんで、政治団体「日本ファーストの会」を立ち上げたことが分かりました。候補者集めの政治塾も開き、小池都知事が講師を務めるということです。

 

 若狭議員は7日午後、自らが代表を務める政治団体「日本ファーストの会」の設立を発表します。「輝照塾」という政治塾も立ち上げ、国政進出に向けた候補者集めを始めます。小池都知事は都政に専念する立場から当面、役職に就かない方針ですが、来月16日に予定される第1回の政治塾で講師を務めるということです。

 

(貼りつけ終わり)

 

 若狭氏は昨日、民進党を離党した細野豪志代議士との連携もあるという発言を行っています。日本ファーストの会は、小池百合子都知事を中心とする地域政党「都民ファーストの会」の国政版となります。若狭代議士の他、長島昭久代議士(民進党除籍)渡辺喜美参議院議員(日本維新の会除名)、松沢成文参議院議員(無所属)が都民ファーストの会を軸に結集すると見られています。ここに細野氏が入ることは大きな戦力になることを意味します。長島氏は細野氏の師匠格として知られています。

 

 「都民ファーストの会」の国政版であるからには「国民ファーストの会」であるべきですが、「日本ファーストの会」ということになりました。ここにこの「小池新党」の限界があります。この政党は「国民ファースト」を名乗ることができなかったということは、「国民のことを第一とはできない、しない」ということになります。

 

 私は今回の動き、都民ファーストの会の躍進から国政政党日本ファーストの会結成までの動きは、安倍晋三政権を支援する動きであり、その裏にアメリカ人脈が動いているということが考えられるということを私は主張したいと思います。

 

 日本ファーストの会が次の衆議院議員選挙で民進党がまだ勝利できている都市部に進出したとすると、民進党はぼろ負けで消滅の危機に瀕することになるでしょう。自民党はもともと負けているのですから、惜敗率で比例復活できる人が出てきたらいいや、というくらいの選挙区です。日本ファーストの会は組織力はない訳ですから、組織で固めた自民党の地盤、特に地方でそこまで切り崩すことは不可能ですから、民進党を切り崩して、「新しい受け皿」を狙うことになるでしょう。

 

 日本ファーストの会がどのような香料や政策を掲げるかはまだ分かりませんが、現在の民進党に比べて、かなり自民党寄りになることは、合流予定の議員たちの顔ぶれを見ても明らかです。そうなれば、「第二自民党」の誕生であり、自民党の補完勢力となることもまた明白です。日本ファーストの会が民進党を食ってくれれば自民党、そして安倍政権は安泰となります。

 

 私はこうした仕掛けはアメリカが行ったものと考えます。このように書くと、陰謀論だ、反米に凝り固まった考えという批判を受けるでしょうが、アメリカが日本政治に深く絡んでおり、アメリカの利益のために日本が存在するという状況が続いていることには多くの人々が気付いているだろうと思います。


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ハガティ

 8月下旬、ウィリアム・ハガティが駐日アメリカ大使として日本にやってきます。ハガティはドナルド・トランプ大統領の政権移行ティームで、政治任用担当者として、登用すべき人物たちの面接を担当していました。今回の大使起用はその論功行賞ということになります。ハガティはヴァンダービルト大学卒業、並びに同校法科大学院終了後にボストン・コンサルティングに入社し、日本で3年間勤務した経験を持っています。その後は、出身地であるテネシー州に戻り、投資会社を立ち上げ、またテネシー州への外国からの投資を誘致していました。また、ジョージ・W・ブッシュ大統領の経済顧問も務めました。


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ヴァンダービルト大学

 ハガティという人物を考える上で重要なのは、彼がヴァンダービルト大学卒業、並びに同法科大学院修了である点です。ハガティは出身地から離れることなく地元の名門大学に進み、そこで法科大学院まで修了しています。テネシー州やナッシュヴィルに大変愛着があるのかもしれませんが、東部の名門大学に進むチャンスもあったでしょうに、彼はテネシー州に残ります。しかし、ボストン・コンサルティングに入社し、極東アジアの日本、東京まで来ることになります。

 

 ハガティはその後の人生でも自分の投資会社をナッシュヴィルで創設し、テネシー州に他の地域や国々からの投資を呼び込む仕事をしていました。ヴァンダービルト大学人脈に組み込まれた地元の名士ということになります。そして、このヴァンダービルト大学には、ジェイムズ・アワー教授がいます。ハガティとアワーの共通項は「日本」です。

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アワー
 

 ジェイムズ・アワーはウィスコンシン州出身で、1963年にマーケット大学(ウィスコンシン州)を卒業後、米海軍に入隊し、佐世保に赴任します。その後、1968年にボストンにあるタフツ大学フレッチャー記念法律外交大学院(フレッチャースクール)の博士課程に入学します。ボストンにあるハーヴァード大学、マサチューセッツ工科大学、タフツ大学は名門校同士で、教授や学生たちの交流が盛んなことで知られています。

 

 アワーはハーヴァード大学教授だったエドウィン・O・ライシャワーの勧めもあって、日本の海上自衛隊の研究で博士号を取得します。博士論文(「日本海上兵力の戦後の再軍備1945―71年」)は、『よみがえる日本海軍』(妹尾作太男訳、時事通信社、1972年)として日本でも出版されました。その後、在日米海軍司令官付政治顧問、横須賀基地所属ミサイル・フリゲート艦長などを歴任し、1983年に海軍を退役し、国防総省勤務となりました。国防総省では、日本部長や国防次官特別補佐官を歴任し、1988年に国防総省を退官し、ヴァンダービルト大学教授となりました。ヴァンダービルト大学でアワーの薫陶を受けた人物には、長島昭久衆議院議員(民進党除籍)がいます。長島代議士は防衛政策に造詣が深いことで知られています。


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 恩師ジェイムズ・アワーと長島昭久

 ジェイムズ・アワーは防衛省と深い繋がりを持っています。そして、日本初の女性防衛大臣となった小池百合子氏ともつながりを持っています。小池氏は自身の著書の中で、アワーについて「自分よりも防衛省内部に詳しい」と書いています。長島議員は民主党政権時代に防衛大臣政務官、防衛副大臣を歴任しました。

 

 ウィリアム・ハガティ駐日アメリカ大使、ジャパン・ハンドラーズの1人ジェイムズ・アワー、長島昭久衆議院議員、小池百合子東京都知事(元防衛大臣)はこのようにしてつながっていきます。

 

 アメリカのジャパン・ハンドラーズのトップとも言うべき人物マイケル・グリーンは、2012年の段階で、日本の「リベラル」を壊滅することで、安倍政権を成立させることに成功しました。野党は多弱化し、「ゆ党」として維新勢力も出てきて、安倍一強体制が構築されました。

 

 しかし、安倍政権も長期化する中で緩みが出て、傲慢さや強引さが政権運営で目立つようになりました。そうした中で、安倍政権最後の大仕事、総仕上げである改憲(アメリカにとっても利益となる)も先行きが不透明となってきました。こうした中で、小池百合子都知事の誕生、都民ファーストの会の躍進、日本ファーストの会設立といった一連の流れは、安倍政権を別働隊として支える第二自民党、維新に代わる「ゆ党(与党でも野党でもない)」という補完勢力を生み出し、うまくいけば民進党にとどめを刺すというシナリオになっており、このシナリオを描いているのは恐らく、マイケル・グリーンであり、実行者はジェイムズ・アワーなのだろうと私は考えています。

 

 こうした動きを阻止するためには、民進党やその他の野党を自民党に代わる受け皿となるようにすることです。そうしなければ、大政翼賛会ならぬ、「米政(アメリカのための政治)翼賛会」が生み出されてしまうことになります。

 

(終わり)



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




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 古村治彦です。

 

 昨日、東京都知事選挙の投開票が行われました。

 

 結果は、小池百合子氏が圧勝し、初の女性と知事となることが決定しました。小池氏は自民党に所属しながら、自民党からの推薦を得ず、「先出しじゃんけん」「ひとりの戦い」を強調しました。自民党、公明党は元総務大臣の増田寛也氏を推薦しましたが、2位に終わりました。後出しじゃんけんで、知名度がそこまで高くないこともあって準備不足となって、小池氏に120万票ほどの差を付けられての次点(179万票)となりました。

 

 3位にはジャーナリストで、野党共闘候補となった鳥越俊太郎氏が136万票を獲得して入りました。鳥越氏の前に前回の都知事選挙で次点となった宇都宮健児氏が立候補を表明していましたが、野党共闘の枠組みの尊重もあって、立候補を取り止めました。また、民進党が擁立を模索していた古賀茂明氏も立候補を取り止めたこともあって、選挙が始まる前には、鳥越氏で盛り上がりを見せましたが、演説や選挙運動の低調と週刊誌によるスキャンダル報道が響き、選挙戦を通じて支持が盛り上がることはありませんでした。

 

 4位にはジャーナリストの上杉隆氏が入り、5位の在特会元会長の桜井誠氏が入りました。「愛国右翼ヘイト」枠で言えば、前回は田母神俊雄氏が60万票を獲得しましたが、桜井氏は11万票でぎりぎり二桁を確保することができたということになりました。前回、田母神氏に投票した人たちは多くが核武装容認、中韓との対決姿勢を鮮明にする小池氏に投票することが出来たということだと思います。

 

 投票率が10%以上跳ね上がったことで、自民党、公明党得意の組織中心選挙は不発に終わり、支持政党がなく、選挙に対して関心の薄い無党派の多くが小池氏に投票した結果が、小池氏の圧勝につながりました。

 

 小池氏は政界渡り鳥で、様々な大物政治家の許で勉強したということもあってか、政治的な勘と勝負度胸が卓越しています。今回は、小泉純一郎元首相型の「敵をフレームアップして一点突破する」という戦術を使い、当選しました。彼女はまず、都議会、特に都議会自民党と自民党都連、更には都連の実力者である内田茂・都連幹事長を敵に設定しました。見た目で色々と言いたくないですが、東京都連の幹部クラスになると、高齢の男性ばかりで、見た目も悪人、敵とされるのに十分な貫録を備えています。また、最近の都議会自民党のセクハラ野次のこともあって、都議会議員については悪い方面での関心が高く、「楽な選挙で高い報酬を得て、女性差別をする年寄りたちの集まり、特に自民党が」という印象が出来上がっていました。

 

 ここに、小池氏が切り込んで、都議会と都議会を牛耳る自民党東京都連を「ぶっ壊す」ということになりました。小池氏は、選挙終了後には、対立的な姿勢は取らないと述べましたが、立候補宣言後には、「都議会を冒頭解散する」ということまで述べていました。また、小池氏は、東京オリンピック・パラリンピックについても予算を精査してということも述べていましたが、選挙期間中に「個人の財産を出していただく」ということも述べており、はっきり言って政策に一貫性はない(右派的、タカ派的な政策には一貫性を持っていますが)、恐らく、森喜朗元首相とはうまく妥協するだろうと思われますが、イメージで、自分が改革者、破壊者であることを印象付けることに成功しました。こうした役割と印象付けは野党共闘候補である鳥越氏が行うべきでしたが、うまくいきませんでした。

 

 地方政治における「抵抗勢力」に対峙する「改革勢力」という自己規定をしているおおさか維新は小池氏を肯定的に受け止めていました。「維新運動」の生みの親である、テレビ司会者の橋下徹氏は、最初から小池氏支持でした。彼らは、地方では自公と戦いながら、国政では、自公の連立与党の枠組みにうまく接近し、その補完勢力になりつつあります。「自民・おおさか維新・公明」という枠組みができれば、自民党は公明党に対して強気な対応をすることが出来るようになります。

 

 小池氏は自民党にとっては分裂選挙を引き起こし、自民党推薦候補を落選させた人物ですが、まだ自民党員です。彼女を除名するのかどうかですが、選挙が始まった時点で除名をしていない時点で、自民党は本気で小池氏を潰すつもりはなかったし、出来ないと判断したのだろうと思います。更には、「小池が勝ってくれれば、言うことを聞かない自民党東京都連を屈服させるチャンスになる」という判断もあると思われます。

 

 また、小池氏が除名された場合、おおさか維新系との提携、都市型政党の結成ということもあると思われます。地方議員を中心に「とうきょう維新」のようなものが既に形が出来つつあるようです。彼らは国会議員を持たないので、おおさか維新と提携することになるでしょう。おおさか維新としては東京に足がかりを作ることができます。

 

 そして、大きく見れば、改憲において、「自民・おおさか維新・公明」の中核ブロックが出来上がります。自民党とすれば、改憲に関して不安がある公明をつなぎとめておくための牽制を行う存在としておおさか維新を使えますし、おおさか維新としては、与党と近い「ゆ」党として、地方(大阪)における戦いで、自公の党中央とつながっていることで影響力を行使できます。「ゆ」党として、おいしい立場に立つことが出来ます。

 

 安倍晋三首相にしてみれば、分裂選挙にはなって、自民党が推薦した候補者が負けてしまったのですが、全く痛手にはならないことになりました。

 

 安倍氏は政治家としての資質を備えているのかどうか疑わしい人物だと私は思っていますが、ひとつだけ、運の良さだけはこれまでの政治家たちの中でもトップクラスではないかと考えています。しかし、彼個人の運の良さが国の運の良さに転換されていないことが現在の不幸だと考えています。

 

(新聞記事貼り付けはじめ)

 

<都知事選>小池氏が当選…女性初、増田氏らに大差

毎日新聞 8月1日(月)0時59分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160801-00000005-mai-pol

 

 舛添要一氏の辞職に伴う東京都知事選は31日投開票され、元防衛相の小池百合子氏(64)が、元総務相の増田寛也氏(64)=自民、公明、こころ推薦=やジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)=民進、共産、社民、生活推薦=らを大差で破り、初当選を果たした。初の女性都知事が誕生した。都知事が3代続けて任期途中で辞職しており、保育所待機児童や高齢化、防災など首都が抱えるさまざまな課題に有効な対策が講じられていない。小池氏には混乱した都政の立て直しが求められる。投票率は59.73%(前回46.14%)。

 

 この5年余で4回目となる今回の都知事選には史上最多の21人が立候補した。小池氏が所属する自民党は増田氏を推薦して1999年以来の分裂選挙となり、野党4党は統一候補として鳥越氏を擁立。国政の対立構図が持ち込まれたが、有権者は政党の支援を受けない小池氏を選択した。

 

 小池氏は選挙事務所で「結果の重みを感じながら、都政にまい進していく。これまでにない都政を進めたい」とあいさつした。

 

 舛添氏の辞職から告示まで時間がなく政党の候補者擁立が混迷する中、衆院議員だった小池氏は主要候補者でいち早く手を挙げた。候補者選定を自民党都連幹部に一任する方針に反したと都連側は反発したが、小池氏は対決姿勢を鮮明にして都連や自民党都議の批判を展開した。不信任案可決を踏まえた「都議会冒頭解散」を公約とし、選挙戦では「東京大改革」「たった一人の戦い」を強調した。

 

 政策では遊休空間の活用による待機児童の解消、2020年東京五輪・パラリンピックをはじめとした都の事業を巡る利権の追及などを掲げた。シンボルカラーの緑色を身につけてもらう「参加型選挙」を演出して支持を広げた。

 

 増田氏は告示3日前の7月11日、正式に出馬表明した。「政治とカネ」の問題で著名人都知事が2代続けて辞職したことを踏まえ、建設官僚、岩手県知事、総務相の経歴をもとに「実務型」を強調した。他の主要2候補に劣る知名度を挽回しようと積極的に街頭演説を行い、持論だった東京一極集中是正への言及は避けた。自民、公明両党は幹部を応援に送り込み、増田氏支援徹底の文書を出して組織の引き締めを図ったが、及ばなかった。

 

 鳥越氏は12日に出馬表明し、参院選で共闘した民進、共産、社民、生活の野党4党が統一候補として支援を決めた。知名度から表明直後は大きな注目を集めたが、出遅れで選挙戦序盤は十分な政策を提示できず、当初の「がん検診100%」から終盤の「原発ゼロ」へと重点を置く主張が変遷した。街頭演説も少なく、選挙戦が進むにつれて支持は伸び悩んだ。【篠原成行】

 

 ◇東京都知事選確定得票数

 

当2,912,628小池百合子<1>無新

 

 1,793,453増田 寛也 無新=[自][公][こ]

 

 1,346,103鳥越俊太郎 無新=[民][共][社][生]

 

   179,631上杉  隆 無新

 

   114,171桜井  誠 無新

 

    51,056マック赤坂 無新

 

    28,809七海ひろこ 諸新

 

    27,241立花 孝志 諸新

 

    16,664高橋 尚吾 無新

 

    16,584中川 暢三 無新

 

    15,986山口 敏夫 諸新

 

     8,056岸本 雅吉 無新

 

     7,031後藤 輝樹 無新

 

     6,759谷山雄二朗 無新

 

     4,605武井 直子 無新

 

     4,010宮崎 正弘 無新

 

     3,332望月 義彦 無新

 

     3,116山中 雅明 諸新

 

     3,105今尾 貞夫 無新

 

     2,695内藤 久遠 無新

 

     1,326関口 安弘 無新

 

(新聞記事貼り付け終わり)

 

(終わり)





 
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