古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:小池百合子

 古村治彦です。

 

 今回はアメリカの著名な政治学者であるウォルター・ラッセル・ミードによる現在の日本の政治状況に関する記事をご紹介します。

 

 簡潔に述べると、ミードは、「現在、日本の政治状況は激動しているが、実は安定に向かっている。希望の党は自民党の新たな派閥であって、最終的には安倍氏が勝利する」ということを主張しています。

 

 外側からの目で見れば、安倍晋三首相と小池百合子都知事は対立する関係ではなく、一緒なのだということが明らかなのです。これは私がこのブログでも採算申し上げてきたことです。しかし、希望の党は自民党の派閥のような存在であるというのはミード氏の慧眼と言えましょう。

 

 メディアでは10月22日の選挙予測が出ています。自公の枠組みで100議席を減らす、もしくは自民党は単独過半数割れとなるが自公枠組みで過半数維持、といった予想が出ているそうです。自公が減らす分が希望に行ってしまうと、これはミード氏によると「自民党の派閥」なのですから、大きくは自民党に入れることと一緒になってしまうことになります。

 

 希望の党は民進党の前職や元職が多く公認を受けています。彼らがよもや自民党の一派閥に入った、自民党を助けるために存在するということは考えたくありませんが、外側の大きな目から見るとそうなってしまいます。ですから、民進党出身で心ある候補者の方は、希望の党の公認で当選しても、是非良識的な行動を取っていただきたい、自民党の派閥の一員に成り下がるようなことはないようにお願いしたい。

 

 私は自公の枠組みが大きく議席を減らすということは喜ばしいことだと思います。そして、その後に何が起きるだろうかということを考えてみたいと思います。自公の減少した議席数が大きれば大きいほど、安倍首相の退陣の可能性は高まります。しかし、自公が減らした分が希望の党に行く場合、しかも元民進党よりも希望の党独自の候補者が多く当選する場合、これは自民党の派閥になる可能性が高くなります。そうした人々がまとまって、自公と連立政権を組む、それに維新も入る、ということになると米政翼賛会、現代版の大政翼賛会が完成することになります。

 

 この時の大義名分は、「北朝鮮を巡る外交上の危機的な状況の中で、救国大連立を組む、そして、その指導者にはこれまで通り安倍晋三氏を立てて、継続性と安定を図る」ということになるでしょう。こうなると、小池氏は一度自民党に反旗を翻しながら、自分の手兵を率いて再び自民党に帰ることになります。そうなれば、一気に次の首相候補、ということにもなるでしょう。

 

 このような馬鹿げたシナリオが現実のものとならない為にも、希望の党の候補者に関してはきちんと調べて、投票すべきだと思います。希望の党のオリジナルメンバーと彼らに近い人物たちは、おそらく、自民党の一派閥になることに躊躇がない人たちでありましょうから、是非次の国会で議席を占めないようにしてもらいたいと考えます。

 

(貼りつけはじめ)

 

日本の選挙をめぐるドラマは、その激しさとは裏腹に日本政治の安定を示すものだ(Japan’s Electoral Drama Belies Its Stability

―安倍首相と彼の最大のライヴァルは主要な問題の多くで合意している

 

ウォルター・ラッセル・ミード(Walter Russell Mead)筆

2017年10月2日

『ウォールストリート・ジャーナル』紙

https://www.wsj.com/articles/japans-electoral-drama-belies-its-stability-1506983937

 

日本は世界の諸大国の中で最も低い評価しかされていない国であるが、通常は最も落ち着いた国である。1955年の結党以来、自由民主党が日本政治を独占してきた。現在、公明党と一緒になって連立与党となり、国会の両院で3分の2の議席を有している。

 

しかし、現在の日本はこれまでよりも爆発しそうな雰囲気になっている。これは先週始まった。安倍晋三首相は10月22日に衆議院の解散総選挙を行うと決めた。人気の回復と野党側の混乱を利用しようと考えてのことだ。しかし、安倍氏の計画は、覆されてしまった。カリスマ性を持つ東京都知事小池百合子氏が新党「希望の党(“Party of Hope”)を結成し、総選挙において全国規模で立候補者を出すと発表したのだ。僅か3か月前、小池氏率いる地域政党「都民ファーストの会(“Tokyoites First”)と協力政党(訳者註:公明党など)は地方選挙で圧勝した。東京都議会では127議席の3分の2に少し足りない議席を獲得した。

 

ドラマが一気に進展したのは先週のことであった。国会の野党第一党である民進党が驚くべき発表を行った。それは、民進党は衆議院内における会派を解散し、来たる総選挙において議員たちが小池氏の旗の下で選挙に出馬することを許可する、というものであった。安倍氏の勝利は突然、当然のものではなくなった。コメンテイターたちは、安倍氏が下した総選挙の決断をイギリスのテレーザ・メイの野心的な企ての大失敗と比較し始めた。

 

小池氏の影響力が小池氏をどこまで引き上げるかを語るのは早計だ。彼女が衆議院選挙に出馬するには、東京都知事を辞任しなければならない。72%の有権者は、彼女は都知事の地位にとどまるべきだと考えている。都知事に留まっても辞任しても批判に晒される。民進党の枝野幸男氏は、小池氏が保守的すぎると考えるリベラル派をまとめるために新たな党を結成しつつある。最近の世論調査では、連立与党は衆議院での3分の2という現有議席には届かないが、安倍氏は勝利すると示していた。

 

しかし、3分の2を失うというのは問題だ。なぜなら、3分の2の議席は安倍氏にとって重要な目標を達成するためには必要な数だからだ。彼の主要な目標、それは、1948年に制定された憲法を変更することだ。この憲法は日本が戦争に参加することを禁止している。この条項は、第二次世界体制ン直後にアメリカが推進したもので、日本の漸進的な軍事力の再建と安倍氏が定義する「普通の国」になることに対してのブレーキの役割を果たしている。

 

しかし、根本的なところで保守的である日本では、変化というものは現状維持のための戦略でしかない。ある点から考えると、小池氏は一人の日本人女性としてこれまでにない力と存在感を手にしている革命家としての存在であり、彼女が所属していた政党と保護者に対して反旗を翻すことに成功している。しかし、外交政策の面では、小池氏は、安倍氏のナショナリスト的な立場にきわめて近い。現在の自公連立政権の初期段階において、小池氏は安倍内閣の防衛大臣を務め、強硬派としての評判をとっている。小池氏は定期的に、議論の的となっている靖国神社に参拝している。靖国神社には第二次世界大戦の戦死者と共に恐るべき戦争犯罪人たちも祀られている。小池氏はまた、歴史教科書から日本の戦時中の蛮行を消し去ろうとする運動を支持している。

 

政治の世界における通常の終わり方とは大きく異なる結果が出るだろう。それでも、小池氏の急速な台頭は、数十年にわたり日本政治を支配してきた政治の世界の基本モデルを更に強固なものとする可能性が高い。過去60年のうちのほとんどの期間、日本は事実上の一党しか存在しない国家であった。この状況下では、政策を巡って他の政党と競うよりも、自民党内部の派閥間の争いの方が重要であった。自民党内部の諸派閥はそれぞれ、強力な個性とボスによってまとめられ、派閥間の相違は抽象的な政治的理想というよりも、相争う産業別、政治的な各種ロビー団体の利益によって生み出されていた。

 

小池氏の東京における「反乱」は、多くの自民党の実力者たちによってひそかに支持されていた。彼女の新党「希望の党」は、西洋型の野党というよりも、自民党内部の伝統的な派閥のようである。来たる選挙における小池氏の支持者と安倍氏の支持者の争いは、自民党の大勝利をもたらす。最後に残った主要な野党は解体し、自民党内部にもう一つ派閥が出来たようなものだ。

 

安倍氏は予想していたよりも厳しい選挙戦に直面する。しかし、彼にとっての最強のライヴァルが多くの点で彼と考えが同じだということは、彼の勝利にとって重要な方策となる。日本は、アメリカによる安全の保証がかつてよりも不確かなものとなっている状況下、中国との厳しい競争、北朝鮮からの危険な脅威に晒されている。 こうした中、世界は、日本の国家戦略と軍事的な姿勢が急速に発展することを期待している。これは誰が首相になっても変わらない。

 

※ミード氏はハドソン研究所研究員で、バート・カレッジの国際問題専攻の教授である。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)




アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12






このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 

 本日、枝野幸男・民進党代表代行が記者会見を開き、「立憲民主党(The Constitutional Democratic Party of Japan)」の結成を発表しました。私は立憲民主党の結成を歓迎します。私は、民主党が民進党に党名変更する際に、「立憲民主党」がよいのではないかと考えていました。今回、枝野氏が「立憲(Constitutional)」という言葉を使ったことに驚きを覚えつつ、事態はよほど切迫しているのだろうと考えています。

rikkenminshutouedano001


(貼り付けはじめ)

 

2014年12月18日

卑怯卑劣極まりない安倍晋三自民党総裁(とその仲間たち):「立憲主義」を軸にした野党の結集を求める

http://suinikki.blog.jp/archives/18888841.html

 

(貼り付け終わり)


 「立憲主義」は、簡潔に言って、憲法で大変な力(権力)を持つ国家を縛るという考え方です。国家が国民を害さないように憲法があります。しかし、その憲法の機能を変更しよう、という動きが最近の動きです。そして、安倍晋三首相を中心として、自民党と公明党の連立政権が日本国憲法を変更しようとしています。

 急に降ってわいたかのように出てきた、小池百合子都知事による「希望の党」結成は、自民党を利するものだと考えています。本ブログでもご紹介しましたが、少しでも知識がある人であれば、安倍晋三首相と小池百合子都知事の考えが全く異なるということはない、安倍晋三氏と小池百合子氏はほぼ同じ考えだということは自明のことです。

 

 小池新党・希望の党は、安倍晋三首相の支持率が上がらず、自公連立与党に対する支持が上がらない中で、野党側に大きな分裂をもたらし、自公の敗北を小さなものとするための試みでありました。既に時効は選挙準備を始めていますが、野党側では立候補予定者たちは自分がどの政党で出るのか、それとも出られないのかという段階で右往左往しています。スタートダッシュに失敗したということが言えましょう。このスタートダッシュの失敗を「成功」させただけでも、「ゆ党」であり、米政翼賛会の一部である希望の党と小池氏は、自民党にとっての勲功第一等ということになります。

 

 そうした中で、枝野氏が立憲民主党(略称は民主党)を結成しました。これによって、私は今回の選挙の構図は、「安倍晋三氏や小池百合子氏のような考えを持つ人々による改憲」か、「それに反対する」か、ということになったと思います。きれいに整理がつくようになったと思います。決して、「安倍晋三氏率いる自公か、小池百合子氏率いる希望の党か」という枠組みではありません。もっと言えば、日本会議(彼らは立憲主義を否定する考えを持っています)に同調する議員たちを多く選出するのか、そうではないのかということになります。

 

 これで構図がはっきりしました。希望の党の立候補予定者の中にも、忸怩たる思いを持っている人たちが多くいると思います。その人々が希望の党からの立候補を再考してくれることを希望します。希望の党の立候補予定者の名簿発表が明日にずれ込みました。これは立候補予定者たちの一定数が揺れていることを示していると思います。今晩しか時間がないかもしれませんが、じっくり考えてもらいたいものです。

 

 2017年10月22日の衆議院議員選挙の投開票日が終わった後に、立憲民主党が躍進していることを期待します。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「<衆院選>新党は「立憲民主党」 枝野氏が会見で発表」

 

10/2() 17:05配信 毎日新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171002-00000045-mai-pol

 

 民進党の枝野幸男代表代行は2日、東京都内のホテルで記者会見し、新党「立憲民主党」を結成すると発表した。希望の党に合流しない民進候補の受け皿とする。枝野氏は記者会見で「安倍政権の暴走に歯止めをかける。そのための役割を果たしたい」などと述べた。

 

 また、枝野氏は「希望の党の理念や政策は、私たちが目指してきたものとは異なる」と話した。【統合デジタル取材センター】

 

=====

 

●「立憲民主党 結党会見詳報(1)「安倍政権の暴走に歯止めを」」

 

2017102日 毎日新聞

https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171002/mog/00m/010/001000c?inb=ys

 

 枝野幸男元官房長官は2日、東京都内のホテルで記者会見し、新党「立憲民主党」を結成すると発表した。会見の詳報は以下の通り。

 

 枝野氏 私は日本の国民の生活の安心、立憲主義、民主主義社会をしっかりと守っていくために、立憲民主党を結成することを決意した。この場を借りて、みなさんにご報告させていただくとともに、この立憲民主党を支えてもらって、この総選挙で安倍政権の暴走に歯止めをかける。安倍政権にストップをかける。そのために大きな役割を果たす。そうした力を国民のみなさんに与えていただく。そんな戦いを進めていきたいとみなさんに呼び掛けたいと思う。

 

 日本の国民生活は「一億総中流」と言われた時代から、格差が拡大し、貧困が増大し、そのことによって社会が分断され、「世界一安全」と言われていた治安にまで、「お互い様」という言葉に象徴されていた人と人とのつながりがどんどん壊れてしまっています。近代国家の大前提である立憲主義が破壊され、法の支配すら脅かされています。みんなで議論し、納得して物事を進めていくという、民主主義がおろそかにされています。共謀罪に象徴されるように自由な社会にもさまざまな危機が迫っています。こうした状況を変えていく責任、役割を果たしていかなければならない。そして、安心できる、立憲主義や法の支配、民主主義や自由、その中で社会の構成員がお互いに支え合い、お互いに認めあえる、そんな社会を作っていかなければならない。

 

 そんな思いで私は24年、国会で仕事をしてきた。民主党から民進党へという流れの中で、志を同じくする多くのみなさんと議論し、目指すべき社会像、理念、政策を積み重ねてた。今般の総選挙を前にして、さまざまな提起がなされ、動きがある。結論として残念ながら、希望の党の理念や政策は私たちが積み重ねてきた、私たちの目指す理念や政策の方向性とは異なるものだと判断をせざるを得ない。政治家にとって、理念や政策は何物にも代え難い、譲ってはならない筋だ。そして、これまでこの総選挙を目指して、地域の中で準備を進めてきた仲間が今回、どうしても選挙に出るなら無所属での出馬、あるいは残念ながら私から見れば、理念や政策が私たちとは異なる政党からの出馬を余儀なくされている。

 

 さまざまなプロセスの中で、いろんな批判をいただきながらも、私たちの目指すべきあり方、理念や政策の方向性について、期待して応援してくれたみなさん、期待をしたいという思いを抱きながら見守ってきたみなさんにとって、選択肢がないという状況になってしまっている。この間、多くの国民の皆さんから「枝野が立て」「その選択肢を作れ」という激励をいただいた。

 

 選挙に備えてきたのに、残念ながら、「このままでは戦えない」「共に作り上げてきた理念、政策を掲げて戦いたい」。そうした仲間の期待の声もいただいた。私はこうした声に応え、これまで民主党から民進党へ積み重ねてきた理念と政策の方向性をさらにブラッシュアップしながら、国民に訴え、国民の声を受け止める、そんな立憲民主党を結成することを決意した次第だ。この場を借りて、多くのみなさんに立憲民主党で共に衆院選を戦うことを呼びかけさせていただく。

 

 選挙はもう間もなくだ。残された時間は多くないが、私たちは国民に自信を持って政策と理念を訴えて、期待に応えていく覚悟だ。国民の理解と支援をお願いする。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12







このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 

 2017年10月22日の解散総選挙の投開票に向け、日本政治の動きは加速度を増しています。小池百合子東京都知事が「希望の党」という新党を立ち上げ、総選挙に臨むということを発表し、それに向けて保守派を中心に現職・元職の議員たちが集まり始めています。自民党や民進党からの離党者がこれからも出続けるでしょう。公明党の山口那津男代表は、小池都知事の動きに批判的ですが、公明党は都議選以降、小池都知事にコケにされ、なぶられています。自民党は一部に歓迎ムードがあります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「小池氏「日本をリセット」=希望の党、国会議員14人と旗揚げ【17衆院選】」

 

時事通信 (2017/09/27-11:26

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092700560&g=pol

 

 新党「希望の党」は27日午前、東京都内のホテルで結党の記者会見を開いた。代表に就いた小池百合子都知事は「しがらみのない政治、大胆な改革を築く。日本をリセットするために希望の党を立ち上げる」と宣言。知事職は続投し、今回の衆院選には出馬しない考えを明言した。会見には、若狭勝衆院議員、細野豪志元環境相ら結党に参画した国会議員14人が同席した。

 

小池氏記者会見要旨

 

 小池氏は「今こそ、しがらみのない政治を大胆に行っていかなければならない」と強調。「北朝鮮情勢がこういう中で政治空白があっていいはずがない」と述べた上で、「安倍晋三首相が(衆院)解散をうたっている。であるならば改革のチャンスだ」として、全国規模で候補を擁立する意向を示した。週内にも1次公認を発表する。

 

 小池氏は「改革する精神のベースにあるのは保守の精神だ。寛容な改革の精神に燃えた新しい政党だ」とも語った。衆院選後の特別国会で行われる首相指名選挙への対応については「戦いが終わったときに考える」と述べるにとどめた。

 

 将来の国政復帰の可能性に関しては「今は、この選挙で仲間の候補者が1人でも多く当選するために頑張っていきたい」と含みを持たせた。 

 

 会見では綱領を発表。「寛容な改革保守政党」「平和主義の下、現実的な外交・安全保障政策を展開」「情報公開を徹底」などが盛り込まれた。小池氏以外の党役職は現時点で決まっていない。

 

 小池氏の旗揚げ会見を受け、民進党などを離党して新党から衆院選への出馬を目指す動きはさらに広がる可能性がある。

 

◇「希望の党」参加議員

 新党「希望の党」の結党記者会見に参加した国会議員14人は次の通り。(敬称略。丸数字は当選回数)

 【衆院】細野豪志=静岡5区(6松原仁=比例東京(6長島昭久=比例東京(5笠浩史=神奈川9区(5後藤祐一=神奈川16区(3福田峰之=比例南関東(3木内孝胤=比例東京(2鈴木義弘=比例北関東(2野間健=鹿児島3区(2若狭勝=東京10区(2横山博幸=比例四国(1

 【参院】行田邦子=埼玉(2中山恭子=比例(2松沢成文=神奈川(1

 

(貼り付け終わり)

 

 希望の党については、期待する声、疑う声、それぞれに出ていますが、私は本ブログの2017年8月7日付で、小池新党について書きました。基本的な理解はここをスタートにしています。是非お読みください。

 

(貼り付けはじめ)

 

20170807

「日本ファーストの会」は本当に「Japan First!」なのかhttp://suinikki.blog.jp/archives/71722807.html

 

(貼り付け終わり)

 

 現在の日本の政治状況の動きは急です。希望の党と民進党の合流という話が出てきました。民進党に関しては離党者が続出していましたから、「解党的出直し」で希望の党との合流という選択がなされることになりました。労組の連合は、民進党と自由党との合流を求めていましたから、民進党と自由党が希望の党に合流ということになるでしょう。そして、連合は民進党と希望の党の合流に賛成だということです。そうなると、自公の連立与党、日本維新の会の「ゆ党」、希望民進自由、共産、社民ということになります。維新は分裂して、議員たちは自公と希望にそれぞれ行くでしょうから、自公、希望、共産、社民ということになるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「民進・自由、合流へ調整=希望と連携模索―前原、小沢氏【17衆院選】」

 

9/27() 11:44配信 時事通信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170927-00000053-jij-pol

 

 民進党の前原誠司代表が26日に自由党の小沢一郎代表と会談し、衆院選前の両党合流へ調整する方向で合意したことが27日、分かった。関係者が明らかにした。両氏は合流後に小池百合子東京都知事が代表を務める新党「希望の党」と選挙区の候補者調整に入りたい考え。ただ、民進党内には自由党との合併に反対論があり、前原氏の決断が焦点となる。

 

 関係者によると、連合の神津里季生会長も会談に同席。連合は合流を支持する見通しだ。

 

 一方、民進党の柚木道義衆院議員は大島敦幹事長と党本部で会い、衆院選で希望の党など自民党以外の政党との競合を避けるため、「発展的解党」を含めた新たな枠組みづくりが必要だとする申し入れ書を提出した。柚木氏によると、玉木雄一郎、小川淳也両衆院議員らも同じ考えだという。

 

 前原氏は野党連携の進め方を最終判断し、28日の党両院議員総会で提案する意向。ただ、党内がまとまるかは予断を許さず、前原氏が強引に合流を進めれば党分裂や解党につながる恐れもある。 

 

 一方、自民、公明両党幹部は同日午前、東京都内で会談した。10月の衆院選について、希望の党の旗揚げで「厳しい戦いになる」との認識で一致。安倍晋三首相が勝敗ラインに掲げた「与党過半数」獲得へ結束して臨むことを確認した。

 

 会合後、公明党の斉藤鉄夫選対委員長は記者団に、先の都議選で連携した小池氏との衆院選での選挙協力について、「自公で政権を共有することを国民に約束して選挙をするので、希望との協力はない」と語った。

 

 民進、共産など野党4党は国対委員長が会談。首相が臨時国会冒頭での衆院解散を表明したことに対し、代表質問や党首討論を実施するよう大島理森衆院議長に申し入れることで合意した。

 

(貼り付け終わり)

 

 希望の党が出てくるまでは、民進を中心に民進、共産、自由、社民の野党4とうの選挙協力という枠組みが議論されていましたが、希望の党が出てくることで、これはご破算となりました。そして、自公と反自公はそれぞれ反共産党という前提で二大政治グループ、疑似二大政党ということになります。社民はあまりにも小さい政党ですが、私は10月22日の選挙では比例では社民党に投票することも考えています。

 

 「希望の党によって、反自民、反安倍の野党勢力の結集ができた」と喜ぶことは私にはできません。それは、これは「米政翼賛会(べいせいよくさんかい、アメリカを第一に考える日本の根本的な政治システム)」体制の完成まであと一歩というところまで来ている、ということを現在の状況は示していると私は考えるからです。米政翼賛会というのは私の造語ですが、これは大政翼賛会の現代版です。また、小池氏が安倍晋三首相と同じ改憲論者であり、軍備増強主義者であるということも懸念を持っています。

 

 私は、ドナルド・トランプ政権下で駐日大使となったウィリアム・ハガティ―ジェイムズ・アワー―長島昭久―小池百合子―細野豪志というラインで現在の状況は作られていると考えています。この動きは「改憲を成功させて、日本の軍備増強、軍事費増大をして、アメリカから更なる武器を購入させる、軍事増強によって日本を東アジア地域の“棘”にして中国にけしかける、その間にアメリカは中国とは仲良くけんかをする」というアメリカの戦略を前提にしているものであると私は見ています。

 

 この米政翼賛会体制となれば、自公と希望の間に表面上は相違があっても根っこは同じですで、アメリカの利益が第一、ですから、大同団結、国益のために協力するということが容易にできるということになります。

 

 さらに私は、小池百合子東京都知事が一気に首相候補になったとも考えています。そして、小池氏が首相となる時には自公と希望の救国大連立が成立するのではないかと思います。そして、小池氏の次の首相、もしくは次の次の首相は小泉進次郎代議士ではないか、そういうシナリオ作りが進んでいるのではないかと思います。こうなれば、ジャパン・ハンドラーズのマイケル・グリーンは、大手を振って日本政治にますます介入し、吸血虫のように日本から血を吸い続けることができるでしょう。

 

 私はこれからの日本政治の進む方向に悲観的になっています。安倍首相を退陣にまで追い込むということは賛成ですが、その次に小池百合子氏が出てくるようでは結局同じではないか、と考えてしまうからです。私の悲観論が考えすぎの杞憂であればよいと思います。しかし、最悪のシナリオが待っているかもしれないということは言っておきたいと思います。

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 

 2017年8月7日、若狭勝衆議院議員は、「日本ファーストの会」という国政政党を立ち上げると発表しました。

 

(貼りつけはじめ)

 

●「「日本ファーストの会」設立 小池氏は役職に就かず」

 

8/7() 11:56配信

テレ朝 news

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20170807-00000013-ann-pol

 

 若狭勝衆議院議員が国政選挙をにらんで、政治団体「日本ファーストの会」を立ち上げたことが分かりました。候補者集めの政治塾も開き、小池都知事が講師を務めるということです。

 

 若狭議員は7日午後、自らが代表を務める政治団体「日本ファーストの会」の設立を発表します。「輝照塾」という政治塾も立ち上げ、国政進出に向けた候補者集めを始めます。小池都知事は都政に専念する立場から当面、役職に就かない方針ですが、来月16日に予定される第1回の政治塾で講師を務めるということです。

 

(貼りつけ終わり)

 

 若狭氏は昨日、民進党を離党した細野豪志代議士との連携もあるという発言を行っています。日本ファーストの会は、小池百合子都知事を中心とする地域政党「都民ファーストの会」の国政版となります。若狭代議士の他、長島昭久代議士(民進党除籍)渡辺喜美参議院議員(日本維新の会除名)、松沢成文参議院議員(無所属)が都民ファーストの会を軸に結集すると見られています。ここに細野氏が入ることは大きな戦力になることを意味します。長島氏は細野氏の師匠格として知られています。

 

 「都民ファーストの会」の国政版であるからには「国民ファーストの会」であるべきですが、「日本ファーストの会」ということになりました。ここにこの「小池新党」の限界があります。この政党は「国民ファースト」を名乗ることができなかったということは、「国民のことを第一とはできない、しない」ということになります。

 

 私は今回の動き、都民ファーストの会の躍進から国政政党日本ファーストの会結成までの動きは、安倍晋三政権を支援する動きであり、その裏にアメリカ人脈が動いているということが考えられるということを私は主張したいと思います。

 

 日本ファーストの会が次の衆議院議員選挙で民進党がまだ勝利できている都市部に進出したとすると、民進党はぼろ負けで消滅の危機に瀕することになるでしょう。自民党はもともと負けているのですから、惜敗率で比例復活できる人が出てきたらいいや、というくらいの選挙区です。日本ファーストの会は組織力はない訳ですから、組織で固めた自民党の地盤、特に地方でそこまで切り崩すことは不可能ですから、民進党を切り崩して、「新しい受け皿」を狙うことになるでしょう。

 

 日本ファーストの会がどのような香料や政策を掲げるかはまだ分かりませんが、現在の民進党に比べて、かなり自民党寄りになることは、合流予定の議員たちの顔ぶれを見ても明らかです。そうなれば、「第二自民党」の誕生であり、自民党の補完勢力となることもまた明白です。日本ファーストの会が民進党を食ってくれれば自民党、そして安倍政権は安泰となります。

 

 私はこうした仕掛けはアメリカが行ったものと考えます。このように書くと、陰謀論だ、反米に凝り固まった考えという批判を受けるでしょうが、アメリカが日本政治に深く絡んでおり、アメリカの利益のために日本が存在するという状況が続いていることには多くの人々が気付いているだろうと思います。


williamhagaety005
ハガティ

 8月下旬、ウィリアム・ハガティが駐日アメリカ大使として日本にやってきます。ハガティはドナルド・トランプ大統領の政権移行ティームで、政治任用担当者として、登用すべき人物たちの面接を担当していました。今回の大使起用はその論功行賞ということになります。ハガティはヴァンダービルト大学卒業、並びに同校法科大学院終了後にボストン・コンサルティングに入社し、日本で3年間勤務した経験を持っています。その後は、出身地であるテネシー州に戻り、投資会社を立ち上げ、またテネシー州への外国からの投資を誘致していました。また、ジョージ・W・ブッシュ大統領の経済顧問も務めました。


vanderbuiltuniversity001
ヴァンダービルト大学

 ハガティという人物を考える上で重要なのは、彼がヴァンダービルト大学卒業、並びに同法科大学院修了である点です。ハガティは出身地から離れることなく地元の名門大学に進み、そこで法科大学院まで修了しています。テネシー州やナッシュヴィルに大変愛着があるのかもしれませんが、東部の名門大学に進むチャンスもあったでしょうに、彼はテネシー州に残ります。しかし、ボストン・コンサルティングに入社し、極東アジアの日本、東京まで来ることになります。

 

 ハガティはその後の人生でも自分の投資会社をナッシュヴィルで創設し、テネシー州に他の地域や国々からの投資を呼び込む仕事をしていました。ヴァンダービルト大学人脈に組み込まれた地元の名士ということになります。そして、このヴァンダービルト大学には、ジェイムズ・アワー教授がいます。ハガティとアワーの共通項は「日本」です。

jamesauerabeshinzo001

アワー
 

 ジェイムズ・アワーはウィスコンシン州出身で、1963年にマーケット大学(ウィスコンシン州)を卒業後、米海軍に入隊し、佐世保に赴任します。その後、1968年にボストンにあるタフツ大学フレッチャー記念法律外交大学院(フレッチャースクール)の博士課程に入学します。ボストンにあるハーヴァード大学、マサチューセッツ工科大学、タフツ大学は名門校同士で、教授や学生たちの交流が盛んなことで知られています。

 

 アワーはハーヴァード大学教授だったエドウィン・O・ライシャワーの勧めもあって、日本の海上自衛隊の研究で博士号を取得します。博士論文(「日本海上兵力の戦後の再軍備194571年」)は、『よみがえる日本海軍』(妹尾作太男訳、時事通信社、1972年)として日本でも出版されました。その後、在日米海軍司令官付政治顧問、横須賀基地所属ミサイル・フリゲート艦長などを歴任し、1983年に海軍を退役し、国防総省勤務となりました。国防総省では、日本部長や国防次官特別補佐官を歴任し、1988年に国防総省を退官し、ヴァンダービルト大学教授となりました。ヴァンダービルト大学でアワーの薫陶を受けた人物には、長島昭久衆議院議員(民進党除籍)がいます。長島代議士は防衛政策に造詣が深いことで知られています。


nagashimaakihisajamesheur005
 恩師ジェイムズ・アワーと長島昭久

 ジェイムズ・アワーは防衛省と深い繋がりを持っています。そして、日本初の女性防衛大臣となった小池百合子氏ともつながりを持っています。小池氏は自身の著書の中で、アワーについて「自分よりも防衛省内部に詳しい」と書いています。長島議員は民主党政権時代に防衛大臣政務官、防衛副大臣を歴任しました。

 

 ウィリアム・ハガティ駐日アメリカ大使、ジャパン・ハンドラーズの1人ジェイムズ・アワー、長島昭久衆議院議員、小池百合子東京都知事(元防衛大臣)はこのようにしてつながっていきます。

 

 アメリカのジャパン・ハンドラーズのトップとも言うべき人物マイケル・グリーンは、2012年の段階で、日本の「リベラル」を壊滅することで、安倍政権を成立させることに成功しました。野党は多弱化し、「ゆ党」として維新勢力も出てきて、安倍一強体制が構築されました。

 

 しかし、安倍政権も長期化する中で緩みが出て、傲慢さや強引さが政権運営で目立つようになりました。そうした中で、安倍政権最後の大仕事、総仕上げである改憲(アメリカにとっても利益となる)も先行きが不透明となってきました。こうした中で、小池百合子都知事の誕生、都民ファーストの会の躍進、日本ファーストの会設立といった一連の流れは、安倍政権を別働隊として支える第二自民党、維新に代わる「ゆ党(与党でも野党でもない)」という補完勢力を生み出し、うまくいけば民進党にとどめを刺すというシナリオになっており、このシナリオを描いているのは恐らく、マイケル・グリーンであり、実行者はジェイムズ・アワーなのだろうと私は考えています。

 

 こうした動きを阻止するためには、民進党やその他の野党を自民党に代わる受け皿となるようにすることです。そうしなければ、大政翼賛会ならぬ、「米政(アメリカのための政治)翼賛会」が生み出されてしまうことになります。

 

(終わり)



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 

 昨日、東京都知事選挙の投開票が行われました。

 

 結果は、小池百合子氏が圧勝し、初の女性と知事となることが決定しました。小池氏は自民党に所属しながら、自民党からの推薦を得ず、「先出しじゃんけん」「ひとりの戦い」を強調しました。自民党、公明党は元総務大臣の増田寛也氏を推薦しましたが、2位に終わりました。後出しじゃんけんで、知名度がそこまで高くないこともあって準備不足となって、小池氏に120万票ほどの差を付けられての次点(179万票)となりました。

 

 3位にはジャーナリストで、野党共闘候補となった鳥越俊太郎氏が136万票を獲得して入りました。鳥越氏の前に前回の都知事選挙で次点となった宇都宮健児氏が立候補を表明していましたが、野党共闘の枠組みの尊重もあって、立候補を取り止めました。また、民進党が擁立を模索していた古賀茂明氏も立候補を取り止めたこともあって、選挙が始まる前には、鳥越氏で盛り上がりを見せましたが、演説や選挙運動の低調と週刊誌によるスキャンダル報道が響き、選挙戦を通じて支持が盛り上がることはありませんでした。

 

 4位にはジャーナリストの上杉隆氏が入り、5位の在特会元会長の桜井誠氏が入りました。「愛国右翼ヘイト」枠で言えば、前回は田母神俊雄氏が60万票を獲得しましたが、桜井氏は11万票でぎりぎり二桁を確保することができたということになりました。前回、田母神氏に投票した人たちは多くが核武装容認、中韓との対決姿勢を鮮明にする小池氏に投票することが出来たということだと思います。

 

 投票率が10%以上跳ね上がったことで、自民党、公明党得意の組織中心選挙は不発に終わり、支持政党がなく、選挙に対して関心の薄い無党派の多くが小池氏に投票した結果が、小池氏の圧勝につながりました。

 

 小池氏は政界渡り鳥で、様々な大物政治家の許で勉強したということもあってか、政治的な勘と勝負度胸が卓越しています。今回は、小泉純一郎元首相型の「敵をフレームアップして一点突破する」という戦術を使い、当選しました。彼女はまず、都議会、特に都議会自民党と自民党都連、更には都連の実力者である内田茂・都連幹事長を敵に設定しました。見た目で色々と言いたくないですが、東京都連の幹部クラスになると、高齢の男性ばかりで、見た目も悪人、敵とされるのに十分な貫録を備えています。また、最近の都議会自民党のセクハラ野次のこともあって、都議会議員については悪い方面での関心が高く、「楽な選挙で高い報酬を得て、女性差別をする年寄りたちの集まり、特に自民党が」という印象が出来上がっていました。

 

 ここに、小池氏が切り込んで、都議会と都議会を牛耳る自民党東京都連を「ぶっ壊す」ということになりました。小池氏は、選挙終了後には、対立的な姿勢は取らないと述べましたが、立候補宣言後には、「都議会を冒頭解散する」ということまで述べていました。また、小池氏は、東京オリンピック・パラリンピックについても予算を精査してということも述べていましたが、選挙期間中に「個人の財産を出していただく」ということも述べており、はっきり言って政策に一貫性はない(右派的、タカ派的な政策には一貫性を持っていますが)、恐らく、森喜朗元首相とはうまく妥協するだろうと思われますが、イメージで、自分が改革者、破壊者であることを印象付けることに成功しました。こうした役割と印象付けは野党共闘候補である鳥越氏が行うべきでしたが、うまくいきませんでした。

 

 地方政治における「抵抗勢力」に対峙する「改革勢力」という自己規定をしているおおさか維新は小池氏を肯定的に受け止めていました。「維新運動」の生みの親である、テレビ司会者の橋下徹氏は、最初から小池氏支持でした。彼らは、地方では自公と戦いながら、国政では、自公の連立与党の枠組みにうまく接近し、その補完勢力になりつつあります。「自民・おおさか維新・公明」という枠組みができれば、自民党は公明党に対して強気な対応をすることが出来るようになります。

 

 小池氏は自民党にとっては分裂選挙を引き起こし、自民党推薦候補を落選させた人物ですが、まだ自民党員です。彼女を除名するのかどうかですが、選挙が始まった時点で除名をしていない時点で、自民党は本気で小池氏を潰すつもりはなかったし、出来ないと判断したのだろうと思います。更には、「小池が勝ってくれれば、言うことを聞かない自民党東京都連を屈服させるチャンスになる」という判断もあると思われます。

 

 また、小池氏が除名された場合、おおさか維新系との提携、都市型政党の結成ということもあると思われます。地方議員を中心に「とうきょう維新」のようなものが既に形が出来つつあるようです。彼らは国会議員を持たないので、おおさか維新と提携することになるでしょう。おおさか維新としては東京に足がかりを作ることができます。

 

 そして、大きく見れば、改憲において、「自民・おおさか維新・公明」の中核ブロックが出来上がります。自民党とすれば、改憲に関して不安がある公明をつなぎとめておくための牽制を行う存在としておおさか維新を使えますし、おおさか維新としては、与党と近い「ゆ」党として、地方(大阪)における戦いで、自公の党中央とつながっていることで影響力を行使できます。「ゆ」党として、おいしい立場に立つことが出来ます。

 

 安倍晋三首相にしてみれば、分裂選挙にはなって、自民党が推薦した候補者が負けてしまったのですが、全く痛手にはならないことになりました。

 

 安倍氏は政治家としての資質を備えているのかどうか疑わしい人物だと私は思っていますが、ひとつだけ、運の良さだけはこれまでの政治家たちの中でもトップクラスではないかと考えています。しかし、彼個人の運の良さが国の運の良さに転換されていないことが現在の不幸だと考えています。

 

(新聞記事貼り付けはじめ)

 

<都知事選>小池氏が当選…女性初、増田氏らに大差

毎日新聞 81()059分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160801-00000005-mai-pol

 

 舛添要一氏の辞職に伴う東京都知事選は31日投開票され、元防衛相の小池百合子氏(64)が、元総務相の増田寛也氏(64)=自民、公明、こころ推薦=やジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)=民進、共産、社民、生活推薦=らを大差で破り、初当選を果たした。初の女性都知事が誕生した。都知事が3代続けて任期途中で辞職しており、保育所待機児童や高齢化、防災など首都が抱えるさまざまな課題に有効な対策が講じられていない。小池氏には混乱した都政の立て直しが求められる。投票率は59.73%(前回46.14%)。

 

 この5年余で4回目となる今回の都知事選には史上最多の21人が立候補した。小池氏が所属する自民党は増田氏を推薦して1999年以来の分裂選挙となり、野党4党は統一候補として鳥越氏を擁立。国政の対立構図が持ち込まれたが、有権者は政党の支援を受けない小池氏を選択した。

 

 小池氏は選挙事務所で「結果の重みを感じながら、都政にまい進していく。これまでにない都政を進めたい」とあいさつした。

 

 舛添氏の辞職から告示まで時間がなく政党の候補者擁立が混迷する中、衆院議員だった小池氏は主要候補者でいち早く手を挙げた。候補者選定を自民党都連幹部に一任する方針に反したと都連側は反発したが、小池氏は対決姿勢を鮮明にして都連や自民党都議の批判を展開した。不信任案可決を踏まえた「都議会冒頭解散」を公約とし、選挙戦では「東京大改革」「たった一人の戦い」を強調した。

 

 政策では遊休空間の活用による待機児童の解消、2020年東京五輪・パラリンピックをはじめとした都の事業を巡る利権の追及などを掲げた。シンボルカラーの緑色を身につけてもらう「参加型選挙」を演出して支持を広げた。

 

 増田氏は告示3日前の7月11日、正式に出馬表明した。「政治とカネ」の問題で著名人都知事が2代続けて辞職したことを踏まえ、建設官僚、岩手県知事、総務相の経歴をもとに「実務型」を強調した。他の主要2候補に劣る知名度を挽回しようと積極的に街頭演説を行い、持論だった東京一極集中是正への言及は避けた。自民、公明両党は幹部を応援に送り込み、増田氏支援徹底の文書を出して組織の引き締めを図ったが、及ばなかった。

 

 鳥越氏は12日に出馬表明し、参院選で共闘した民進、共産、社民、生活の野党4党が統一候補として支援を決めた。知名度から表明直後は大きな注目を集めたが、出遅れで選挙戦序盤は十分な政策を提示できず、当初の「がん検診100%」から終盤の「原発ゼロ」へと重点を置く主張が変遷した。街頭演説も少なく、選挙戦が進むにつれて支持は伸び悩んだ。【篠原成行】

 

 ◇東京都知事選確定得票数

 

当2,912,628小池百合子<1>無新

 

 1,793,453増田 寛也 無新=[自][公][こ]

 

 1,346,103鳥越俊太郎 無新=[民][共][社][生]

 

   179,631上杉  隆 無新

 

   114,171桜井  誠 無新

 

    51,056マック赤坂 無新

 

    28,809七海ひろこ 諸新

 

    27,241立花 孝志 諸新

 

    16,664高橋 尚吾 無新

 

    16,584中川 暢三 無新

 

    15,986山口 敏夫 諸新

 

     8,056岸本 雅吉 無新

 

     7,031後藤 輝樹 無新

 

     6,759谷山雄二朗 無新

 

     4,605武井 直子 無新

 

     4,010宮崎 正弘 無新

 

     3,332望月 義彦 無新

 

     3,116山中 雅明 諸新

 

     3,105今尾 貞夫 無新

 

     2,695内藤 久遠 無新

 

     1,326関口 安弘 無新

 

(新聞記事貼り付け終わり)

 

(終わり)





 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ