古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。X accountは、@Harryfurumura です。ブログ維持のために、著作のお買い上げもよろしくお願いします。

タグ:少子高齢社会

 古村治彦です。

 2026年2月18日、特別国会が召集され、高市早苗議員が首相に指名された。第二次高市早苗内閣が発足し、第一次内閣の閣僚がそのまま留任した。第二次高市政権にとっては2026年度予算の成立が重要だ。国会の議席数で見れば成立は確実であるが、高市首相は、2025年度内(2026年3月31日まで)の成立を目指している。2月の総選挙、3月の訪米とありながら、3月末での成立にこだわっているようだ。そうなると必然的に審議時間は短くなる。野党に質問させない、自分にとって嫌なことを質問させないという態度が見え見えである。経団連からも審議時間の短さに対して懸念が表明されているが、そのようなことはお構いなしで突き進むのだろう。国会は国権の最高機関である。高市首相の国会軽視はやがてしっぺ返しを食らうだろう。高市首相の高い支持率が自民党の支持率とは連動していない。高市政権下で何か逆風が吹き、高市首相故人の人気が落ちてしまえば、逆回転も大きくなり、次の選挙では自民党の議員たちの大量落選が発生する。増上慢にならず、周りの浮ついた空気に流さされず、丁寧に謙虚に行動することが肝要になってくる。

 高市首相に対しては海外でも高い評価がある一方で、懸念の声も出ている。それらを以下に紹介している。様々な主張があるが、共通しているのは、日本の少子高齢社会と低成長を、日本の問題に挙げていることだ。海外メディアは高市首相がどのように対応するのかということを注目しているようだ。衆議院で多くの議席を有し、やりたいことはできるということで、大改革をするという見方もあるし、そううまくはいかずに厳しいという見方もある。

 私は、既に日本は衰退局面に入っており、厳しい撤退戦を戦う状況にあるという考えだ。少子高齢化とそれに伴う人口減少は止められないし(年間で約100万ずつ減っていく)、経済成長も見込めない(成長率3%などというのは厳しい)。それもこれも失われた30年で、就職氷河期世代を生み出し、しかも中途半端に人数が多いために、大きな負担になっており、これから負担が大きくなる一方になるということが原因だ。少なくともこれから30年は厳しい状況が続く。人口ピラミッドをみれば、逆三角形の肩幅の広いボディビルダーのような形の日本はこれから先進国の地位から滑り落ちて、また、世界の中でしょう石の地位に戻ることになる。

 そうした中で、高市首相にこうした状況を大逆転できる方策は残っていない。何とか厳しい撤退戦を戦うしかない。しかし、そんなものは国民にとって面白くもなく、負担ばかりが大きいだけのものだ。国民にアピールしない。不満ばかりが募る。それが石破茂政権時代だった。そして、お勇ましい、聞き心地の良い言葉を連発する高市首相を多くの国民は支持している。「高市さんは頑張っている、何かしてくれる」という心情は理解できる。しかし、実際には何もできない。そして、国民の不満を逸らすために、外に敵を作り、強大に見える、見掛け倒しのアメリカに莫大なお金を払って頼ろうとする。国民が「強い指導者」を高市首相に求めるように、高市首相は「強い指導者」をアメリカ、ドナルド・トランプ大統領に求めている。残念ながら、これらはすべて幻影、幻想である。結局のところ、何もうまくいかなくて、また、何か目新しいことを言う誰かを「強い指導者」として担ぎ出して捨てるということを繰り返す。このような悪循環、負のスパイラルを抜け出すことはほぼ不可能だ。なぜなら、そのためには日本国民が何かを諦め、現実を直視することが必要だからだが、それは不可能なことだ。こうして衰退に竿を指してスピードアップを続けていく。

(貼り付けはじめ)

中国は日本のダメージを与えられる部分を攻撃している。高市首相は屈するだろうか?(China is hitting Japan where it hurts. Will PM Takaichi give in?

テッサ・ワン筆

2026年2月16日

BBC

https://www.bbc.com/news/articles/c86y3ndqlxwo

写真

アナリストたちは高市首相の最近の選挙での圧倒的勝利は中国に対して断固たる姿勢を取るための政治的資本(political capital)を彼女に与えたと述べている。

先月、東京の上野動物園で、何千人もの日本のファンから涙の別れを受けたシャオシャオとレイレイは、中国行きの飛行機に乗せられた。これは、悪化する日中関係の新たな象徴だ。

2頭の中国のジャイアントパンダは、北京がパンダの引き取りを発表したことを受け、帰国を余儀なくされた。これにより、日本には数十年ぶりに中国のパンダがいなくなる事態となった。

高市早苗首相の発言により日中関係がここ数年で最低レヴェルに落ち込んで以来、北京は軍艦の派遣、レアアース輸出の抑制、中国からの観光客の制限、コンサートの中止、さらにはパンダの返還など、様々な方法で圧力を強めている。

高市首相が先日の総選挙で歴史的に強力な国民の支持を得て首相として新たな任期を迎える中、アナリストたちは日中両国にとって緊張緩和(de-escalate)は困難であり、日中関係がすぐに回復することはないだろうと警告を発している。

今回の論争は11月に始まった。高市首相が、台湾への攻撃があった場合、日本が自衛隊を出動させる可能性があると示唆した時からだ。

中国は、自治を行っている台湾を自国の一部だと主張しており、将来台湾と「再統一する(reunify)」ために武力行使する可能性も排除していない。台湾はアメリカを主要な同盟国と見なし、アメリカは台湾の自衛を支援することを約束している。

長年懸念されてきたのは、台湾へのいかなる攻撃も米中間の直接的な軍事紛争(a direct military conflict)につながり、ひいては日本やフィリピンといった地域における他のアメリカの同盟諸国を巻き込む可能性があるということだ。

台湾問題は中国にとって絶対的な譲れない一線(an absolute red line)であり、「外部からの干渉(outside interference)」とみなされるいかなる発言にも激怒し、これは主権の問題(a question of sovereignty)であり、中国のみが自ら決定できるものだと主張している。

高市首相の発言後、中国政府は即座に非難の嵐で応じ、発言の撤回を要求した。

専門家たちは、高市首相の発言は政府の立場や過去の日本の指導者の発言と一致すると指摘している。

しかし、相違点は、現職の日本の首相がこのような見解を表明したのは今回が初めてだったという点だ。

一方、高市首相は謝罪も発言の撤回も拒否した。アナリストたちは、高市首相が獲得した強力な支持によって、この姿勢は正当化される可能性が高いと指摘している。

しかし、高市首相は具体的な状況についてはより慎重にコメントすると述べ、日本政府は高官級の外交官を中国側と会談させた。

しかしながら、これは中国の怒りを和らげる効果はほとんどなかった。

●「グレイゾーン」の圧力('Greyzone' pressure

高市氏が譲歩を拒絶する姿勢を崩さない中、中国は一貫して圧力をかけ続けている。

アナリストたちは、日中両国の間ではここ数十年、歴史的な敵意を背景に対立が激化してきたが、今回は状況が異なっていると指摘する。

シンクタンク国際戦略研究所(IISS)日本部長ロバート・ワードは、中国はこれまでより「さらに幅広い分野(wider range of fronts)」で圧力を強めていると指摘する。

これは、台湾に対して行っている「グレイゾーン戦争(greyzone warfare)」に類似した、拡散的で低レヴェルの圧力であり、「実際には正常ではない状況を正常化させるために相手を疲弊させること」を目的としているとワードは述べた。

外交面では、中国は国連に苦情を申し立て、日本と韓国との三カ国首脳会談を延期した。

中国はまた、他の国々をこの争いに巻き込もうとしており、イギリスとフランスに自国への協力を呼びかけ、同盟国であるロシアと北朝鮮には日本を非難するよう促している。

週末、中国の王毅外相はミュンヘン安全保障会議で西側諸国の首脳たちを前に演説し、第二次世界大戦における日本の侵略の歴史に言及し、高市首相の発言を「非常に危険な展開(very dangerous development)」と呼んだ。

軍事面では、日本は中国がドローンを飛ばし、軍艦が日本の島々を航行し、戦闘機が日本の航空機を「レーダー照射(locked radars)」したと主張している。日中の海上保安庁の船舶は、係争中の尖閣諸島(釣魚島)付近で衝突し、先週は日本当局が中国漁船を拿捕した。

しかし、中国が日本の痛いところ、つまり経済にも打撃を与えようとしていることは明らかだ。

中国は、レアアース元素や重要鉱物などの軍民両用技術の対日輸出を制限しており、これは一種の経済的圧力と見られている。

中国政府はまた、中国国民に対し、留学や休暇で日本を訪れるのを避けるよう勧告し、日本行きの49路線の航空便を欠航とした。これにより、観光客の減少と一部株価の下落につながった。公式統計によると、日本を訪れる外国人観光客の4分の1は中国人である。

エンターテインメントや文化も例外(off the hook)ではない。

中国では日本の音楽イヴェントが中止され、中には歌手が演奏中にステージから降ろされるという出来事も起きた。また、映画配給会社は複数の日本映画の公開を延期した。

日本の代表的な文化輸出品の一つであるポケモンも、靖国神社で開催予定だったイヴェントをめぐり批判を浴びた。靖国神社は、中国が戦犯とみなす人々を含む日本の戦没者を祀っている。イヴェントは最終的に中止された。

また、ソーシャルメディアでは、中国のネット上の民族主義者が高市首相を攻撃し、人気キャラクターのウルトラマンやアニメキャラクターの名探偵コナンが首相と戦うAI生成動画をシェアするなどしている。

写真

上野動物園での最後の日に撮影されたシャオシャオは、妹のレイレイと共に中国に送還されました。

しかし、全体として、中国の行動は日本との過去の紛争に比べて挑発的ではないとシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のボニー・リンとクリスティ・ゴベラは指摘している。

リンとゴヴェラは「これまでのところ、中国の経済的・軍事的対応は過去に比べて比較的限定的だが、さらなるエスカレーションの余地は十分にある」と最近の分析で指摘している。

中国は現在、「第二次世界大戦後の秩序の守護者(the guardian of the post World War Two order)として積極的に位置づけ」ており、アメリカと比較して責任ある大国(a responsible power)として見られたいと考えているため、日本に対して強硬な姿勢を控えている可能性もあるとウォードは付け加えて述べている。

●「続くタンゴ」(A 'tango that will continue'

専門家たちは、緊張が緩和される場合、あるいは緩和された際には、以前よりも高い水準で落ち着く可能性が高いと一致して見ている。

リンとゴヴェラは分析の中で、日中両国が今回、緊張緩和に動く可能性は低いと指摘している。中国は現在、はるかに強力な大国であり、「台湾は中国の核心的利益の中核を成しており、北京は過去の出来事の時よりも強硬な姿勢を取る可能性が高い」と述べている。

リンとゴヴェラは、「北京は高市首相に深い疑念を抱いており、発言を明確に撤回することなく緊張緩和を試みる彼女の試みは、偽善的(hypocritical)、あるいはさらに悪いことに、戦略的に欺瞞的(deceptive)だと見なす可能性が高い」と述べている。

一方、日本は、特に高市首相が選挙で圧勝したことで、強硬な姿勢を貫く意欲が高まっており、「彼女はこれを対中姿勢の正当性(as vindication for her stance on China)を示すものと受け止めるだろう」とウォードは指摘した。

ゴヴェラはBBCに対し、高市首相は今回の勝利を「政治的資本(political capital)」として、日本の立場を強化する防衛・経済政策を推進する可能性が高いと語った。

高市首相は、日本の防衛関連支出を予定より2年前倒しでGDPの2%に引き上げ、今年末までに主要な安全保障戦略の見直しを完了し、経済刺激策を早期に開始すると約束している。

一方、中国は「高市首相は非常に強力な指導者であり、圧力をかけることは国内で彼女をさらに強くするだけだと考えているため、圧力をそれほど強めないかもしれない」と、スタンフォード大学ショーレンスタイン記念アジア太平洋研究センター所長で日本専門家の筒井清輝は述べている。

筒井は「そのため、この駆け引き(tango)はしばらく続くだろう」と述べている。

不確定要素となるのは、ドナルド・トランプ米大統領がこれまで高市首相への強力な支持を表明しており、総選挙を前に異例の支持表明を行っていることだ。

しかし、筒井は、トランプ大統領と習近平国家主席の間で、4月の大統領の北京国賓訪問を含む複数の会談が予定されていることから、米中関係は今年さらに改善すると多くの人が予想していると指摘した。

リンとゴヴェラは、過去の出来事と比較すると、今回のアメリカの日中対立に対する反応は「今のところ控えめで、それが中国を勇気づける可能性がある」と述べた。

ワードは「日本は習近平主席とトランプ大統領の間で何らかの大きな取引が行われることを恐れている」と述べた。

週末、ミュンヘン安全保障会議の傍ら、マルコ・ルビオ米国務長官と茂木敏充外相が会談し、日米間の緊密な関係を再確認した。

高市首相は、トランプ大統領の中国訪問に先立ち、3月にワシントンDCを訪問し、再びトランプ大統領と会談する予定である。

中国が圧力を強め続ける中、日本はアメリカと分かち合っている防衛負担を「倍増(double down)」させる可能性が高いとウォードは述べ、「アメリカがこの地域(アジア)から関心を失わないように、日本とより緊密に協力していく」と付け加えた。

=====

日本は高市首相に圧勝したが彼女は経済を立て直すことができるだろうか?(Japan has given Takaichi a landslide win - but can she bring back the economy?

スランジャナ・テワリ筆

2026年2月10日

BBC

https://www.bbc.com/news/articles/cddn7qed35eo

写真

日本の高市早苗首相は解散総選挙という賭けに出たがそれが成功した。

高市首相率いる自由民主党は465議席中316議席という圧倒的多数を獲得した。これは近年、ほとんどの指導者が達成していない圧倒的多数だ。むしろ、日本は首相が入れ替わり立ち替わりしてきた(a revolving door)と言える。

今、問われているのは、高市首相がそれをどう活用するかだ。彼女は、日本経済が何十年も達成できなかったもの、すなわちより速い成長(faster growth)を実現できるだろうか?

日本は、低調な成長(sluggish growth)、世界最大の公的債務(public debt that is the largest in the world)、そして高齢化と減少が進む労働人口(a working population that is both ageing and shrinking)など、多くの問題を抱えている。

専門家の中には、高市首相にはこの状況を打開し、世界第4位の経済大国である日本の経済運営のあり方、そして市場が日本をどのように見ているかを根本から変えるチャンスがあると考えている。

故安倍晋三首相の政策顧問とスピーチライターを務めた谷口智彦は高市首相が日本を正しい方向に導いてくれるだろうと述べている。

谷口は「もし成功すれば、世界中の高齢化社会にとって貴重なケーススタディとなるだろう」と述べている。

●資金はどこからやって来るのか?(Where will the money come from?

高市首相は、主要産業への投資を含む歳出拡大で経済成長を後押しすると公約していた。

これは前任者たちからの方針転換だった。彼女は減税によって国民の消費支出を増やすと誓い、貯蓄よりも経済成長が優先事項だ(growth rather than savings was the priority)と述べた。

しかし、市場は高市首相がこれらの計画をどのように財源確保するのかという疑念で動揺した。圧倒的多数の賛成を得たことで投資家は安心したようで、それは日曜夜の彼女の勝利に対する市場の好意的な反応に表れた。

投資家たちは「高市トレード(Takaichi trade)」と呼ばれる、日本株を買い、円と国債を売る取引を行っている。重要なのは、円高も進んでいることだ。投資家の一部にとって、通貨高は好ましい状況だ。

写真

市場は高市早苗首相の勝利を歓迎した。

しかし、事態はもっと複雑だ。

高市首相が2025年10月に首相に就任すると、国債利回り(実質的には日本が借金をするために支払う金利[effectively the interest Japan pays to borrow money])は急上昇した。

日本の公的債務が巨額であるため、これは投資家にとって大きな懸念事項となっている。高市首相が公約してきたより多い支出とより少ない税金(more spending and lower taxes)は、政府がより多くの借金をしなければならないことを意味する。

日本の債券市場は世界最大級の規模を誇り、東京での小さな変化でさえ世界市場に波及し、借入コスト、投資判断、そして通貨に影響を与える可能性がある。

投資家は金利にも注目している。なぜなら、日本銀行はインフレ抑制のための数十年にわたる超低金利からの脱却を目指しているからだ。

例えば、米の価格は2025年に倍増した。価格の安定、あるいは下落に慣れてしまった国にとって、価格上昇は大きな衝撃だ。

これが、高市首相の台頭を支えたメッセージの中心だった。有権者はより貧しく、物価はより高く感じる(voters feel poorer and prices feel higher)。結局のところ、これは彼女の前任者が失脚した原因の一つとなった。

高市首相が提案した減税は、短期的には家計の痛みを和らげるかもしれません。

しかし、慶応義塾大学の経済学教授である小林慶一郎は、これは危険な道だと警告している。「支出の増加はインフレを刺激し生活費を上昇させるだけだ」と述べている。

むしろ、政府はインフレ対策として日本銀行が引き続き金利を引き上げることを許可しつつ、政府支出を引き締めるべきだと小林教授は主張する。そうすれば投資家も満足するだろう。

金利が低く政府支出が多いと、日本は外国人投資家にとって魅力が低下するため、通貨需要が減少し、円安につながる。

円安は、特にエネルギーや食料品といった輸入コストを押し上げるが、より安価な中国製品との競争において輸出業者にとって有利となる。

高市首相が約束した成長を実現するためには、これは非常に繊細な綱渡り(balancing act)であり、高市首相はそこから逃れることはできない。

しかし、課題は市場だけのことではない。

円安は、日本人の日本での生活に対する意識も変化させる。不動産や海外製品の購入が難しくなる一方で、外国人観光客にとっては物価が安くなり、より魅力的な場所となる。

観光ブームは収益をもたらしたが、同時に過密状態(overcrowding)や、一部地域では外国人に対する反発も高まっている。

●パズルの中で欠けているピース(A missing piece of the puzzle

写真

日本は高齢化が進んでいるが外国人労働者の受け入れに抵抗している。

日本の人口、そしてその労働力は長年減少傾向にある。今や世界有数の高齢化社会となり、医療や社会福祉といった公共サーヴィスに大きな負担がかかっている。

日本は既に建設(construction)、介護(care work)、農業(agriculture)、そして接客業(hospitality)といった分野で深刻な労働力不足に直面している。労働者の減少は生産量の減少、ひいてはより弱い経済成長を意味する。

移民はこの負担を軽減できる可能性がある。公式データによると、政府は近年、一部の規制をひそかに緩和しており、外国人労働者の数は増加している。しかし、欧米諸国と比較すると、日本における外国人労働者の数は依然としてはるかに少ない。

高市首相は、移民問題は特に保守派支持層にとって非常にデリケートな問題であるため、この状況を変えるような大きな対策は講じないだろうと示唆している。

高市首相とその支持者たちは、生産性向上のためには(to lift productivity)、テクノロジー、自動化、そして女性や高齢者の参加率向上に頼るべきだと述べている。

エコノミストたちは、それだけでは不十分かもしれないと警告している。日本は依然として外国人労働者のさらなる増加を必要としている。他の先進国が長らく経済の維持のために外国人労働者に依存してきたのと同様だ。

専門家たちは、移民に対する抵抗は、過去に技術革新と改革の妨げとなってきた、より広範な変化への抵抗感の一環でもあると指摘している。

●中国はどうだろうか?(What about China?

しかし、日本は変化する必要がある。しかも迅速に変化しなければならない。なぜなら、中国は既に規模と工業生産力で日本を追い抜いており、ヴェトナムをはじめとするアジア諸国も追い上げているからだ。

中国は日本にとって最大の貿易相手国でもある。これは高市首相の計画にとって重要である。なぜなら、国内需要の回復には時間がかかるからだ。それまでは、日本は成長を促進するために貿易に頼らざるを得ない。

しかし、レアアース輸出をめぐる紛争を含む、中国との継続的な緊張は、戦略的サプライチェインにおける日本の脆弱性(vulnerability)を露呈させている。みずほ銀行の日本担当チーフエコノミスト服部直樹は、こうした緊張関係は電気自動車や防衛装備品の生産にも悪影響を及ぼす可能性があると指摘している。

一方、高市首相は、希少鉱物や医薬品といった重要分野における中国への依存度の低減を最優先事項としている。また、トランプ大統領に対して積極的に機嫌を取り(court)、日本の平和憲法の下では物議を醸すことになる防衛予算の増額に同意した。

高市首相はトランプ大統領の「温かい言葉(warm words)」に感謝し、今春ホワイトハウスを訪問することを楽しみにしていると述べ、「日米同盟の潜在力は無制限だ(the potential of our Alliance is LIMITLESS)」とも述べた。

高市首相は米中の「等距離(equidistance)」を否定し、ワシントンとの同盟こそが日本の安全保障と経済の強靭性の中核を成すと考えていると谷口は述べている。

しかし、日本はどちらか一方を選択する余裕はない。

小林教授は、特に中国の不動産危機と国内経済成長の鈍化が、この地域における中国の影響力を再編する可能性があることから、日中両国との関係強化は賢明だと述べている。

高市首相のアプローチは、彼女の師である故安倍晋三元首相の戦略を踏襲しているように見える。つまり、成長を刺激するための大規模な支出と投資を支える低金利だ。

安倍首相は物価下落、円高、そしてはるかに弱体化した中国という問題に対処していた。

高市首相が直面する課題はより深刻だ。日本は高齢化が進み、経済成長は依然として低迷しており、世界情勢は大きく変化している。

=====

世界で最も力を持つ女性(The world’s most powerful woman

-日本の首相は一世代に一度の国を立て直すチャンスを手にした。彼女はそれを掴むことができるだろうか?

2026年2月12日

『エコノミスト』誌

https://www.economist.com/leaders/2026/02/12/the-worlds-most-powerful-woman
自由民主党(LIBERAL DEMOCRATIC PARTYLDP)は1955年の結党以来、わずか二度の短い中断を挟みつつ、日本の政治を支配してきた。2月8日の衆議院総選挙で、これほど圧倒的な勝利を収めたことはかつてなかった。優越的な衆議院の議席の約70%を獲得した。勝利を収めた高市早苗首相は、今、国を変革する歴史的なチャンスを手にしている。この機会を決して逃してはならない。

選挙での賭けと大勝利によって生まれた期待に応えるために、高市首相はより大きく、より広い視野で考える必要がある。在任期間を、目先の救済策にばかり目を向け、現状の苦痛を和らげることに終始するのではなく、日本が直面する長期的な人口動態と経済の課題に真正面から向き合わなければならない。また、不安定な世界情勢において、安定をもたらす力として、日本が果たすべき重要な役割を認識すべきだ。そして、右派の支持者だけでなく、日本全体のリーダーでなければならない。つまり、彼女は再び賭けに出なければならない。

●日本の首相は新たな大きな責務をどう活かすのか(How Japan’s prime minister will use her massive new mandate

彼女には支持がある。高市首相への支持は全国から寄せられた。自民党は衆議院(定数465)で198議席から316議席を獲得し、3分の2の超多数(supermajority)を獲得した。これにより、自民党は掌握していない参議院の決定を覆すことが可能になる。高市首相は、日本の有権者が求める安全と変革の両方の欲求を捉えた。彼女は、厳しい時代にふさわしい、強硬な現実主義(realism)を提示した。また、彼女は旧態からの脱却を体現している。彼女は中流家庭の出身で、率直な物言いをする人物であり、多くの先人たちのように、堅苦しい政治王朝の御曹司ではない。そして、彼女は女性として、民主政治体制国家である日本を率いる最初の人物である。

高市首相がそれを大胆に捉えるならばの話だが、歴史的な選挙は、歴史的な機会を解き放つ。最も重要なのは、彼女が日本の防衛力改革を加速させる上で有利な立場にあることだ。2012年から2020年まで首相を務めた故安倍晋三元首相は、中国の強硬姿勢とアメリカの信頼性の低さに対抗するため、軍事力の強化に着手した。しかし、世界の変化は日本よりも速い。高市首相は既に、当初2027年度に予定されていた防衛費の対GDP比2%への増額を今年度に前倒ししたが、それでもまだ不十分だ。いずれにせよ、単に予算を増額するだけでは不十分だ。日本は新たな世界の混乱に真摯に向き合う必要がある。核兵器への言及を含め、タブーを破る首相の姿勢は健全である。防衛産業の束縛を解き放ち、防衛技術革新を促進し、国の情報収集能力を強化するという点において、彼女は正しい考えを持っている。

これには進取的な外交が必要となる。他の同盟国と同様に、日本もドナルド・トランプの大統領復帰に動揺している。しかし、NATO加盟諸国以上に、日本はアメリカを疎外することはできない。日本は中国、ロシア、北朝鮮という核兵器を保有する敵対国に囲まれており、当面はアメリカの核の傘(nuclear umbrella)に頼らざるを得ない。高市首相はトランプ大統領の機嫌を損ねることなく、称賛に値する仕事をしてきた(トランプ大統領は投票前に高市首相への支持を表明していた)。しかし、日本はアメリカと協力する一方で、アメリカを迂回する動きも躊躇すべきではない。これは、トランプ大統領が最初の任期中に放棄した環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)を安倍首相が救済した際に行った行動である。これは、安倍首相がトランプ大統領と良好な関係を築くことを妨げたわけではない。今回は、日本はCPTPPとヨーロッパ連合(EU)を連携させる取り組みを主導すべきである。これにより、世界の生産量の30%以上をカバーする貿易圏が誕生することになる。

日本は、国内資源が逼迫する今こそ、このグローバルな指導力を発揮する必要がある。減少が続き、高齢化が進む人口(shrinking, ageing population)は、日本の成長を阻む大きな要因となっている。多くの国が学んでいるように、容易な解決策はない。家族は簡単にスピードアップできる生産ラインではない。むしろ、気候変動と同様に、人口動態の変化は絶え間ない適応を必要とする。選挙での圧倒的勝利は、高市首相にこれまで他国が避けてきた難しい選択を迫る余裕を与えている。

高市首相は、日本が持つ人々の力を解き放ち、新規参入者をより歓迎する体制を構築することに注力すべきである。社会保障制度(social-security system)は緊急に改革する必要がある。企業は、硬直的で年功序列の終身雇用慣行(seniority-based lifetime employment practices)から、より柔軟な職務に基づく制度へと転換すべきである。結婚を阻害し、女性を低賃金労働に留める家父長制的な家族法と税制は廃止されなければならない。日本は移民を誘致すべきであり、彼らを悪者にするのではなく、受け入れるべきである。そして、防衛費と福祉支出への需要が高まる中、日本は必要なプログラムに資金を提供できることを市場に保証しなければならない。総負債(the gross debt)の削減に貢献するために、今は海外資産(overseas assets)から徐々に利益を得る好機かもしれない。

高市首相は果たしてその任務を果たせるだろうか? 2025年10月に首相に就任したばかりで、まだ試練を迎えていない。彼女は、幅広い支持を、自身の狭いイデオロギー的目標を追求する許可証と誤解する恐れがある。熱烈な国家主義者である彼女は、日本の戦没者、その中には戦犯も含まれている帝国の指導者たちを祀る靖国神社を参拝するかもしれない。これは中国との関係を悪化させ、中国の台頭に対抗するために不可欠な、日本と韓国の脆弱な関係を悪化させるだろう。また、社会的な保守主義者である彼女は、外国人排斥感情を煽り、人口減少を補うために日本が必要とする移民や、経済成長を牽引する観光客を遠ざける可能性がある。財政ハト派である高市首相は、インフレを煽り、国債保有者をパニックに陥れるような大規模な支出政策を推進する可能性がある。試金石となるのは、新たな国債を発行することなく、食​​料品への%の消費税を2年間停止するという、ポピュリスト的な選挙公約だろう。有権者はそのような魔法のような考えを信じていたかもしれないが、市場はより深く理解している。彼女は景品代を支払う方法を見つけるか、それを中止する必要があるだろう。

●実行の難しさ(The difficulty of doing

首相のメールボックスは気が遠くなるような量だ。国民が不安になるのも無理はない。高市首相は有権者たちに対し、この激動の時代を彼女に導いてほしいかと質した。その答えは圧倒的な「イエス」だった。しかし、もし彼女が象徴主義(symbolism)とポピュリズム(populism)に基づく信任を無駄にすれば、より有害な代替案が蔓延するだろう。そして日本はすぐには、次のリーダーにこれほど大きなチャンスを与えることはないだろう。

(貼り付け終わり)

(終わり)

sillionvalleykarasekaishihaiwoneraugunsanfukugoutainoshoutai001
シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
trumpnodengekisakusencover001
『トランプの電撃作戦』
sekaihakenkokukoutaigekinoshinsouseishiki001
世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 日本は世界に先駆けて、「少子高齢社会」「少生多死社会」に突入している。「高齢化」ではなく、「高齢」である。ある学者の言葉を借りれば、「日本は老人ホーム」ということになる。下の記事にあるように、1年間で生まれる乳児の数が約75万人で、亡くなる数は約159万人で、差し引きすれば、約84万人の人口減少ということになる。移民などを考えれば、減少数はこれよりも少ないとなるが、約80万人が日本からいなくなったということになる。約1億2000万人の人口を誇る(世界第12位)日本で80万人くらいと思えるが、問題は、人口減少が2011年からずっと継続しており、出生数は1970年代中盤の第二次ベイビーブーム(現在の50歳前後)を最後に、減少し続けている。
japanesepopulation19502065graph001
japanesepopulationpyramid2022001
japanesepopulationpyramid195020152050001

第二次ベイビーブーム世代(団塊ジュニア世代)が前の世代に近い形で婚姻、出産できていれば、2000年代前半(現在の20代中盤から30代中盤)に多少のベイビーブームが起きていただろうが、経済氷河期ということと、自己責任ブームもあり、経済的に安定せず、結果として、第二次ベイビーブーム世代は前の世代のような婚姻も出産もできなかった。ここに国家(政府与党自民党)は力を注ぐべきであったが、国家(政府与党自民党)は団塊ジュニア世代を斬り捨て、見捨てて、結果として、現在の日本の惨状を招いている。生まれてくるはずの人たちを出現させなかったということになり、自民党の罪は万死に値する。
japanesepopulationshiftbyprefectures20212022table001

今頃になって、少子化対策などと言っているが、既に手遅れである。時を逸している。適材適所という言葉があるが、適時という言葉もある。その最も効果を発揮する時に政策をびしっと打てなければ、それは失敗であり、その点で自民党は失策を、しかも日本にとって致命的な大失策をしてしまったということになる。一度ダウンスパイラルにはまり込んでしまえば抜け出すのは容易ではない。デフレスパイラルのことを考えればそれは理解できる。

人口を維持するためには、合計特殊出生率2.07が必要である。1.5が「超少子化」と分類され、それより下になると深刻な事態ということになる。日本は2005年から10年間程度は特殊出生率が持ち直していたが、それでも1.5にも及ばない状況である。出生率を2.07に近づけることは不可能である。出生数100万を目指すことも夢のまた夢である。日本は衰退国家であるということを改めて認識しておかねばならない。
globalbirthratesbycountry19702020graph001
japanesebirthnumbers19892020graph001

 日本の人口はこれからも減り続け、これから50年間で1億人を下回り、やがて8000万人台になるだろう。2100年頃には8000万人台を割り込んでいるかもしれない。現在のような社会システムを維持することはできないだろうが、人口の過密から解放されているかもしれない。日本が先進国であった時代の遺産を食いつぶしながら、やがてそれもなくなれば、また一から始めるということになるだろう。そういう循環になっているのかもしれない。

(貼り付けはじめ)

●「2023年生まれの赤ちゃん 8年連続減で過去最少758631人 去年1年間の死亡者数は3年連続増で過去最多」

2/27() 15:31配信 FNNプライムオンライン

https://news.yahoo.co.jp/articles/5c530414ee9b8e3fe575968cac7f8b5811ecec1f

2023年に生まれた赤ちゃんの数が8年連続で減少し、過去最少となった。

厚生労働省によると、20231年間で生まれた赤ちゃんの数を示す出生数は前の年よりも約41000人減って、758631人だった。

出生数が減少するのは8年連続で、過去最少となった。

一方、20231年間で死亡した人は159503人で3年連続で増加し、過去最多に。

また、結婚の件数は489281組で減少した一方、離婚の件数は、187798組で増加した。

=====

2023年出生数、最少75万人 人口減り幅も過去最大、厚労省

2/27() 15:31配信 共同通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/5c8cf6a517a7a4b0f43c374069832f80381c2f64

 厚生労働省が27日に発表した人口動態統計の速報値(外国人らを含む)によると、2023年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は過去最少の758631人だった。初めて80万人を割った22年から5.1%減り、少子化が一段と進んだ。今後発表する日本人だけの出生数は70万人台前半への落ち込みが確実な情勢だ。婚姻数も90年ぶりに50万組を割った。死亡数は過去最多の159503人となり、出生数を引いた人口の自然減は831872人と最大の減少幅になった。

 未婚・晩婚化の傾向は変わらず、少子化は政府想定より12年早いペースで進む。

 出生数は第2次ベビーブームのピークだった1973年(約209万人)以降、減少傾向に入り、16年に100万人を割った。2022年の速報値は799728人で初めて80万人を下回り、23年はさらに41097人減った。減少は8年連続。

 厚労省の国立社会保障・人口問題研究所は将来推計人口で、76万人を割るのは35年と見込んでいたが、実際は12年早まった形だ。

(貼り付け終わり)
(終わり)
bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 昨日、色々な記事を読んでいたら、日米の人口に関する研究結果に関する記事が出ていた。その前に人口に関するいくつかの言葉を整理しておきたい。まずベビーブーム世代(baby boomers)だが、この世代は第二次世界大戦終結前後から1964年くらいまでに生まれた人たちのことを指す。日本では「団塊の世代」とも呼ばれる。その子供たちの世代(1960年代後半から1980年くらいまでに生まれた人たち)をアメリカでは「X世代(Generation X)」と呼ぶ。日本では1970年代前半に生まれた、団塊の世代の子供たち世代を「団塊ジュニア世代(第二次ベビーブーム世代)」と呼ぶ。

 「X世代」の次に来る世代は、アメリカでは「ミレニアル世代(Millennials)」と呼ぶ。1981年から1996年くらいまでに生まれた、現在25歳から40歳くらいまでの人たちだ。その下の世代で現在大学生くらいから下の世代を「Z世代(Generation Z)」と呼ぶ。上からまとめて挙げていくと次の通りだ。

アメリカ         日本

・ベビーブーム世代    ・団塊の世代

X世代         ・団塊ジュニア

・ミレニアル世代

Z世代
2019populationpyramidjapan001

日本の人口ピラミッド
2019populationpyramidusa
アメリカの人口ピラミッド
 人口ピラミッド(population pyramid)という年齢別の人口数を表す図がある。子だくさんだが平均寿命が短い発展途上国型では三角形(下にアフリカ諸国の総計を示した図を掲載する)、子供の数が減少する先進諸国では釣鐘型、日本のように極度な少子高齢社会だと頭でっかちの逆三角形に近い形となっていく。下の記事にあるが、アメリカでは40代以下の世代が人口の半分を占めるという形になっているが、日本の場合は40代以上の世代が人口の半分以上を占めるようになっている。日本は人口減少時代に入り、昨年はおおよそ85万人が新たに生まれ、135万人が亡くなるので、50万人も減っている。人口の減少率が1%以上という都道府県も増えている。日本以上のペースで子供が生まれにくく、高齢者(65歳以上)が人口に占める割合が急激に増加している国は他にはない。人類の大いなる実験場だ。
2019populationpyramidafricancountries001

アフリカの人口ピラミッド
 アメリカの研究結果で興味深いのは、アメリカの若い人たちの間で、白人が過半数を割るということだ。ベビーブーム世代は4人に3人は白人であり、現在はまだ白人が過半巣を占めているが、数十年後には過半数を割るようになる。また、若い人たちはリベラルな考えを持つ人が多く、政府が諸問題解決のために大きな役割を果たすべきだと答える割合が高いということだ。若い世代を代表する政治家としてはアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)がいる。「ミレニアル社会主義(Millennial Socialism)」という言葉も生まれているほどだ。日本の若者層に関しては、いくつかの研究結果で、自民党支持が多いということとは対照的だ。

 「人口ボーナス(demographic dividend)」という現象がある。これは「総人口に占める働く人の割合が上昇し、経済成長が促進される」ということだ。アジアでは、インドネシアやマレーシアなどがこれから人口ボーナス期を迎える。一方、日本は2005年の段階で人口ボーナス期を終了している。そのために経済成長が鈍化している、ということになる。これからは人口ボーナス期の果実を食いつぶしていくことになる。

 人口動態は社会や経済、政治に大きな影響を与える。人口学(demography)、歴史人口学(historical demography)は実は重要な学問だ。

(貼り付けはじめ)

ミレニアル世代が現在、アメリカの人口で最大のシェアを占める(Millennials now largest share of US population

リード・ウィルソン筆

2020年8月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/state-watch/510478-millennials-now-largest-share-of-us-population

ミレニアル世代とそれ以降に生まれた人々の人口が史上初めてアメリカの人口の過半数を占めることになった。しかし、より年上の世代はまだアメリカの有権者の過半数をまだ占めている。

ブルッキングス研究所所属の人口学者ウィリアム・フレイの新しい研究によると、1981年から1996年の間に生まれたミレニアル世代の数はアメリカの人口の22%を占めるようになっている。

1997年から2012年の間に生まれたZ世代と、まだ名前がついていない2013年生まれ以降の世代の数を合わせると、現在40歳以下の人々がアメリカの人口に占める割合は50.7%になっている。

第二次世界大戦後の1946年から1964年の間に生まれたベビーブーム世代は人口の21.8%を占めている。

しかし、ベビーブーム世代は有権者の中で最大のシェア、28.9%を占めている。ミレニアル世代は27%を占めている。X世代は24.8%を占めている。Z世代はやっと投票ができる年齢に到達し始めているが、人口では20.3%を占めているが、有権者の中では10.1%を占めているに過ぎない。

ベビーブーム世代はその政治的な力を使ってこれまで4名の大統領を連続して自分たちの世代から選び出した。今年の選挙でジョー・バイデン前副大統領が大統領になれば5人連続となる。

人口調査の推計によると、ミレニアル世代とそれ以降の人々は2030年までに有権者の中で過半数を占めるようになる。

より若い世代の塊はより年上の世代に比べて、人種の多様性に富み、移民、警察改革、そして環境保護といった諸問題でよりリベラルな態度を取る。

世代の中に白人人口が占める割合はミレニアル世代の60%、Z世代の55.6%に過ぎない。ベビーブーム世代ではその割合は約75%だった。Z世代の下の世代では白人の人口は半分を割っている。アメリカの世代で白人が過半数を割ったのは史上初だ。

昨年ピュー・リサーチ・センターが実施した世論調査の結果では、より若い世代は諸問題を解決するために政府は関与すべきだと答えるようになっている。また、多様性が高まることは社会にとって良いことであると答える。また、より年上の世代に比べて気候変動は人間の活動によってもたらされると考えている。

より若い世代はトランプ大統領の行っている仕事を評価しない傾向にある。最近のエマーソン大学の世論調査の結果では、30歳以下の人の36%、50歳以下の38%しかトランプ大統領の仕事ぶりを評価しなかった。50歳以上の人の過半数はトランプ大統領の仕事ぶりを評価した。

=====

日本の人口、過去最大50万人減少 12427万人に 東京・神奈川・沖縄以外は減

毎日新聞202085 1804(最終更新 85 1804)

https://mainichi.jp/articles/20200805/k00/00m/040/182000c

 総務省は5日、住民基本台帳に基づく11日現在の人口動態調査結果を発表した。国内の日本人の人口は、前年より505046人少ない124271318人(前年比040%減)と11年連続で減少。減少幅も6年連続で広がり、1968年の調査開始以降で最大となった。一方で、留学生や技能実習生らの増加に伴い、外国人の人口は199516人増の2866715人(同748%増)と6年連続で増え、過去最多を更新した。

 昨年1年間の日本人の出生者数は、前年比54092人減の866908人と4年連続で減少し、79年度に調査項目に加えて以降、最少を更新した。死亡者数は前年より15342人多い1378906人と7年連続で増加。死亡者数が出生者数を上回る「自然減」は511998人と12年連続で拡大した。年齢別の構成比は、65歳以上が2841%(同035ポイント増)と増える一方で、014歳は1230%(同015ポイント減)と減少傾向が続き、少子高齢化に歯止めがかかっていない。

 東京圏・名古屋圏・関西圏の「3大都市圏」に住む日本人は、64479280人と2年連続で減少したが、14年連続で全国人口の半数を占めた。都道府県別で人口が増えたのは、東京、神奈川、沖縄の3都県で、東京は68547人増と21年連続でトップ。減少数が最も多かったのは北海道の42286人で、兵庫県26937人、静岡県25600人と続いた。人口減少率は秋田県152%、青森県136%、山形県127%の順で、東北の減少率が高かった。

 一方、外国人の国内での出生者数は17859人、死亡者数は7306人で、自然増加数は1553人と2012年度に調査を始めて以来、過去最多を更新した。都道府県別では、島根県を除く46都道府県で増加。外国人の人口が最も多いのは東京都の577329人(前年比25646人増)で、愛知県274208人(同2700人増)、大阪府252742人(同16765人増)と続いた。全住民に占める外国人の割合は、東京都が417%と最大で、愛知県362%、群馬県305%だった。【堀和彦】

2020年 住民基本台帳に基づく都道府県別の日本人の人口

都道府県  人口    増減数   増減率(%)

北海道  5226066  ▼42286  ▼0.80

 

青森県  1269494  ▼17535  ▼1.36

 

岩手県  1227464  ▼15548  ▼1.25

 

宮城県  2268775  ▼13140  ▼0.58

 

秋田県   981114  ▼15178  ▼1.52

 

山形県  1074351  ▼13774  ▼1.27

 

福島県  1866570  ▼2436   ▼1.08

 

茨城県  2851707  ▼19476  ▼0.68

 

栃木県  1922681  ▼12782  ▼0.66

 

群馬県  1909403  ▼15202  ▼0.79

 

埼玉県  7197793  ▼2400    ▼0.03

 

千葉県  6154626  ▼3059    ▼0.05

 

東京都  13257596  68547    0.52

 

神奈川県 8981167  4213     0.05

 

新潟県  2217650  ▼24867  ▼1.11

 

富山県  1036503  ▼8528    ▼0.82

 

石川県  1123115  ▼7622    ▼0.67

 

福井県   764795  ▼7052    ▼0.91

 

山梨県   809800  ▼7265    ▼0.89

 

長野県  2049761  ▼16652  ▼0.81

 

岐阜県  1973948  ▼16650  ▼0.84

 

静岡県  3611596  ▼25600  ▼0.70

 

愛知県  7301322  ▼1479   ▼0.14

 

三重県  1758638  ▼15356  ▼0.87

 

滋賀県  1387945  ▼2861    ▼0.21

 

京都府  2481833  ▼13090  ▼0.52

 

大阪府  8596893  ▼16128  ▼0.19

 

兵庫県  5435379  ▼26937  ▼0.49

 

奈良県  1340085  ▼1180   ▼0.75

 

和歌山県  947173  ▼1882   ▼1.14

 

鳥取県   556195  ▼5250    ▼0.94

 

島根県   670468  ▼6783    ▼1.00

 

岡山県  1872421  ▼11505  ▼0.61

 

広島県  2770709  ▼16377  ▼0.59

 

山口県  1352180  ▼14642  ▼1.07

 

徳島県   735974  ▼8547    ▼1.15

 

香川県   967202  ▼7667    ▼0.79

 

愛媛県  1355720  ▼14133   ▼1.03

 

高知県   704396  ▼8610    ▼1.21

 

福岡県  5047263  ▼7915    ▼0.16

 

佐賀県   816605  ▼5838    ▼0.71

 

長崎県  1340026  ▼15197   ▼1.12

 

熊本県  1752215  ▼12553   ▼0.71

 

大分県  1137378  ▼170    ▼0.88

 

宮崎県  1088186  ▼9107    ▼0.83

 

鹿児島県 1618119  ▼14979   ▼0.92

 

沖縄県  1461018   2332    0.16

全国計124271318  ▼505046  ▼0.40

11日時点。増減は前年比。はマイナス

(貼り付け終わり)
rekishijinkougakunosekai001

歴史人口学の世界 (岩波現代文庫)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ