古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:幻冬舎

 古村治彦です。

 

 今回は副島隆彦先生の最新刊『生命保険はヒドい。騙しだ』(幻冬舎新書、2019年3月)をご紹介します。発売は2019年3月28日です。

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 生命保険はヒドい。騙しだ (幻冬舎新書)

 

 本書は副島先生の実体験に基にして、生命保険について分かりやすく、そして詳しく説明したものです。既に生命保険に加入されている皆さんは、本書を読んで、より自分に有利な契約に見直すようにできると思います。

 

 以下にまえがき、目次、あとがきを貼り付けます。参考にしていただき、是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

 

(貼り付けはじめ)

 

まえがき

 

日本の生命保険は、客(契約者)の取り分(利益)がものすごく小さい。

 

日本の生保(せいほ)は、欧米のものに比べてヒドい、という話を私が耳に挟んだのは、15年ぐらい前だった。日本の生命保険は、外国に比べて契約者(お客)への償還率(しょうかんりつ)が非常に低い、悪い、とそのとき聞いた。香港に行ったとき、現地の生保(せいほ)の代理店の人に聞いた。ところが、私は、この話を真(ま)に受けなかった。真剣に受け取らなかった。

 

だから私は生保(せいほ)の掛金(かけきん)を25年間も払い続けて、ヒドい目に遭(あ)っていることに気づかないまま、今日まで来てしまった。

 

ようやく「日本の生保はヒドい」という話が、最近、私の周(まわ)りで聞こえるようになった。しまった。と気づいたときには、もう遅かった。大きく騙(だま)されていたのは、この私自身だった。ああ私はバカだった。

 

私は、この25年間、毎月56000円の掛金[かけきん](保険料)を払い続けて(現

65歳)、そして、ほとんど何も貰(もら)えない。ほとんど何も返って来ない。ごく普

通の「死んだら5000万円が払われる」という生命保険に入っている。68歳の満期(?)まで、あと3年だ。80歳で契約終了(?)だ。

 

私は、まだ死なない。死ぬ予定もない。死ぬ気もない。体のどこも悪くない。病気もない。ちょっと病気したが大(たい)したことはなかった。元気そのものだ。

 

だから、おそらく死なない。健康体だ。あ、しまった。謀(はか)られた。私はまんまと騙されたのだ。この「死んだら5000万円の保険」は、大きな罠(わな)だった。私は25年間も騙され続けたのだ。

 

=====

 

生命保険はヒドい。騙しだ/目次

 

まえがき 3

 

序章

25年間、騙され続けた。 私はバカだった 11

満期が近づき、ハッと気づいた自分の被害 12

満期で下りるお金もない。ちょっとのサービスも、私の積み立て金からだ 17

長年、保険料を払い続けた客が大事にされていない現実 20

騙しの手口はこの2つにある 24

金融評論家の私が、足元の騙しに気づかなかった 30

なぜ保険会社に都合のいい情報ばかり溢れているのか 31

「保険とはそういうものなんだ」という世間の反論にも私は反論する 34

 

1章 私は生保にひどい目に遭った 41

 

生命保険はひどい 42

68歳で切り替えで、保険料を月16万円払えと保険会社が言い出した 46

1400万円払い続けて、戻るのは100万円。ぼったくりじゃないか 52

「返し戻し金」と書いて「返戻金」だそうだ 54

こんな長生き時代になるとは誰も思っていなかった 58

生命保険の保険料のうち6割は、社員の経費に消えている 63

ファイナンシャル・プランナーもひどい 68

もう解約すべきなのか…… 72

 

2章 契約内容のおかしさを 保険会社に訴えた 79

 

まず、3度も転換していた私の保険内容を確認した 80

保険料が見直しのたびに上がっていた。保険会社の言いなりだった 87

更新、見直し、切り替え……なんなのかと聞いた 90

お客様係と名乗る人間は、苦情件数も答えなかった 98

 

3章 私が保険会社に詰問した 4つの主張 101

 

主張1 「主契約がたった100万円で、特約が4900万円というのは異常だ」102

主な契約という「主契約」の割合が、なぜこんなに低いのか 102

私のメリットはどこにあるのか 108

主張2 「保険料が急に3倍になる根拠を教えなさい」 112

満期から急に保険料が上がるのはなぜなのか 112

3倍になると計算した人間を出せ、という話が通じない 116

なぜ急に支払いが3倍になるのか 122

誰のための保険なのか 131

主張3 「配当金が20年間でたったの28000円。安すぎる」 135

客の利益を考える発想はとうに消えていた 135

生命保険は単なるバクチ、金融商品だ 139

主張4 「今から終身保険の額を大きくして、かつ掛け金を7万円程度に抑えられるのか」 142

終身保険の額=返ってくるお金を大きくできるか 142

県民共済はえらい 147

 

4章 「転換」という仕組みにダマされた 151

転換というひどいサギ 152

転換すると前までの契約が下取りになる。ここがサギだ 160

保険の転換と予定利率の関係 169

 

5章 私たちは長生きする。保険はどうなる 175

 

満期の人が大量に出る問題を保険会社はどうするのか 176

結局、毎月の払いが3倍になるのは、死亡率が高まるから、らしい 178

「転換でお得」とは、同じ年齢で他の会社に新たに入り直す金額との比較 181

私は総額1460万円払っていた。解約したらパーだ 182

生保レディがとうとう会社を訴えた 186

 

あとがき 195

 

=====

 

あとがき

 

私が、「あ、騙された。生命保険は騙しだ」と気づいたのは、20183月だった。奥さんから、「早く契約(の見直し。転換)をしないと、もういい条件では入(はい)れないのよ」とせかされたときだ。そのとき「ご提案プラン」の紙を渡された。私はこれまできちんと、この手の勧誘もののパンフレットとかを真面目に(つまり真剣に)読んだことがなかった。

 

生命保険のことは奥さんに任(まか)せっきりで、手をつけようとしなかった。私が(事故か病気で)死んだら、保険金5000万円は奥さんにおりる。それしか考えなかった。それで24年間が過ぎていた。

 

ところが、毎月5万6000円の掛け金(保険料[りょう]という)が「163000円になる」と書いてあった。一体、誰が、こんな高額な保険料を毎月払えるというのだ。私は一瞬でカッとなった。奥さんに「こんな高い金を払える人がいるか。どうなっているの」と怒鳴った。これが小さな夫婦ゲンカになった。

 

この時から、私のニッセイとの闘いが始まった。痩(や)せても枯(か)れても私は金融評論家だ。〝お金(かね)の専門家〞である私が、こんなヒドい騙(だま)され方をした。私は激しく怒った。そして半年、私はニッセイの社員たちと話し合いを重ね、自分でも「生命保険のしくみ」の勉強や調査研究を始めた。たくさんの資料を読んだ。

 

そして、ついに彼らの〝ダマシの手口〞をいくつか発見した。これには、法律学(民法学)の知識と確率[かくりつ]probability プロバビリティ)と統計[とうけい]statistics

タティスティックス=日本国民はどれぐらいの割合で死ぬか)の知識が必要だ。なぜなら生命保険の料率決定には、確率微分(びぶん)方程式の曲線が使われているからだ。

 

だが、私に対面したニッセイの「お客様サービス係」の職員たちには、この知識はない。「副島さまの払い込んだ原価[げんか](原[げん]資金)の配分先(どのように使い込まれてしまったか)については情報を開示できないかもしれません」の一点張りで、ついに私の保険料(1400万円ぐらい払った)が積み立てられていたはずの原資(げんし)は、無惨にもコウカツにも、「3回の転換(見直し)」で、使い込まれてほとんど残っていない私は68歳の契約終了時に、ポイされる。今解約しても「返戻金(へんれいきん)はゼロです」と言われた。

 

「終身(しゅうしん)部分」のたったの100万円が、私が死んだときにおりる(ニッセイから払われる)らしい。何ということだ。私は激しく怒った。

 

「いや、生命保険というのは元々そういうものだよ。自分の命を賭けたバクチなのだから」と冷ややかに、この本で細かく書かれた言動を突き放す人もいるだろう。

 

だが、セイホの真実はそんなものではないのだ。皆さんも、きっと保険でダマされている(セイホに入っていない賢い人は別)。だから、私のこの本を読んでください。

 

20192月 副島隆彦

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 2017年5月30日に発売となります、副島隆彦先生の最新刊『老人一年生 老いるとはどういうことか』(副島隆彦著、幻冬舎、2017年)を皆様にご紹介します。

 今回の本は、副島隆彦先生が自身の経験を基にして、年齢を重ね、老人になるとはどういうことかを書いています。私はまだ中年入口の年齢ですが、学生時代の友人たちと話すと、体重が増えて、おなかやあごに贅肉がついてきた、健康診断で数値が悪くなった、痛風が出た、血圧が高くなったなどなど、健康の話が多くなります。これが中年になるということか、と実感しています。これに痛みが加わるのか、体の動かなくなるのか、という少し暗い気持ちになりますが、老人になるということを追体験してみたいと思います。

 宜しくお願い致します。

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老人一年生 老いるとはどういうことか (幻冬舎新書)

(貼りつけはじめ)

まえがき

 老人とは何か。それは痛い、ということだ。老人は痛いのだ。

 年(とし)を取ると、あちこち体が痛くなる。毎日生きているだけでも痛い。本当に苦痛だ。人間、体の痛みぐらい嫌なものはない。

 私は半年間、痛風(つうふう)のせいで具合が悪く、足の裏(かかと)が痛くて歩くことが困難だった。トイレに行くだけでも大変だった。杖(つえ)をついたり、足をひきずりながら一歩ずつ歩いた。歩く一歩ずつが痛かった。今はもう治った。あれこれ努力したからだ。

 そして心からしみじみと思う。老人になる、とは体があちこち順番に痛くなることなのだ、と。自分のこの病気はそのうちまた再発するだろう。私はその痛みに耐えながら、やがて70歳になるだろう。そして、80歳になったら。きっともっとあちこちが痛くなるはずだ。

 私はまだ64歳だ。だから前期高齢者だ。75歳から後を、後期高齢者と言う。だから、もう私は初期の老人であり、「老人一年生」である。私はハッキリとこのことを自覚した。

 痛風(つうふう)のために起きる足の一歩一歩ごとの痛みは、小さな痛みだ。だが、それが続くと、もう、「これはたまらん」ということになる。歩きたくなくなる。やがて外に出るのも嫌に、となる。家の中でなんとか体を支えて、摑(つか)める所を摑みながら移動する。歩くと痛いからなるべく歩かなくなる。起きて歩きたくなくなる、ということは、ベッドから起き上がるのがいやになるということだ。ということは、寝たり起きたりで一日を過ごす、ということになる。今はまだなんとかなっている。

 だから、やがて寝込むようになるのだろう。いったん寝込んだら、もう起き上がれない。だから、老人同士は「寝込んだら終わりだよ」と、お互い励まし合いながら、「ちょっとぐらい痛くても起きて歩かなきゃ」と言い合って、元気を出している。これが本当の老人の姿だろう。

 私がこの原稿を書こうと思った理由は、「老人は痛いのだ」「老人というのは、あちこち痛いということなのだ」ということを、何と若い人たちは分かってくれない、という、大きな秘密を明らかにするためだ。老人(になった人間)にとっては当たり前のことが、若い人たちには分からない。若い人たちは本当に、老人の体の痛みのことを分からない。

 若いといっても、40代、50代の人たちだ。なんとつい最近までの私自身だ。自分が元気なときは、老人と障害者と病人の気持ちが全く分からなかった。老人病になって初めて老人の気持ちが分かる。

 自分がその立場になって初めて分かる。私が自分の足の痛みをいくら周りの人に訴えても、家族も弟子たちも、編集者たちも、まったく分かってくれなかった。人は人(他人)のことを理解しない生き物だ。「かわいそうね」という言葉すらかけない。しょせんは他人事(ひとごと)なのである。

 人は他人のことを、そんなに同情したり、憐(あわ)れんだりする生き物ではないということがよく分かった。今の日本人はとにかくウソをつきたくないから、わざとらしく、相手をいたわる言葉など吐かない。わざとらしいウソは必ず相手に見抜かれてバレてしまう。そうすると自分の信用がその分、落ちる。だから、思ってもいないことをわざと口に出して言うことはウソになる。だから相手へのいたわり(同情)の気持ちなど、よっぽどのことがないと口にしない。それが今の日本人である。


老人一年生/目次


●まえがき


第1章 老人は痛い。だから老人なのだ
●若い人は残酷だ
●街中、白髪の老人だらけ
●痛風で、痛みのつらさが初めてわかった
●誰もが老人病になる。それが運命
●医者は「生活習慣病」と言うな。「老人病」だ
●ピンピンコロリは1%もいないだろう
●私の5つの老人病はこれ

第2章 私の5つの老人病
●私の「痛風」対処法
●痛風の薬は、私にはインテバンが合った
●「前立腺肥大症」は男の生理痛ではないか
●「高血圧(による頭痛)」は放っておいて我慢するだけ
●「腰痛」と「頸痛」がかなり問題だ
●私は自分が「椎間板ヘルニア」と「脊柱管狭窄症」だと信じていた
●「慢性気管支炎」なので私は熱海へ逃げ帰る
●頭痛と眼精疲労も60歳を過ぎて出てきた

第3章 「腰痛と首、肩の痛みは治るようである」論
●腰、首、肩の痛みへの私の対処法
●腰痛の定番の診断名「椎間板(ついかんばん)ヘルニア」「脊柱管(せきちゅうかん)狭窄症(きょうさくしょう)」
●腰痛治療でボルトを入れられてしまった中年女性の話
●腰痛は本当に、背骨からくる神経の痛みなのか?
●筋肉のことを学ばない外科医
●ケネディ大統領の腰痛を治した治療法
●ペインクリニックの「神経ブロック注射」には注意

第4章 痛みをとるのがいい医者だ
●患部の痛みとは何なのか
●痛みには「なんとかなる痛み」と「腐った痛み」がある
●「腰痛は、脳が勝手に作り出した説」はおかしいだろう
●「痛み」の正体が明らかになりつつある
●医者は「当時はそれが最善の治療法だった」と逃げる
●医者は老人病の痛みを軽減してくれればいい
●70代、80代で手術する人は医者の稽古台だ
●手術は素朴なものだけやる
●医者たちも大変な時代になった

第5章 目と歯も大事だ
●私の体の通信簿を載せる
●インプラントは恐ろしい
●歯周病は歯磨きで少し改善した
●歯磨きの大切さが今頃わかった
●レーシック手術も私はやらない

第6章 いい鍼灸師、マッサージ師は少ない
●鍼灸師(しんきゅうし)は3~5人の口コミで確かめる
●柔道整復師(ほとんどのマッサージ師)に気をつけなければならない
●椎間板ヘルニアについて、ある内科医の告白
●形成外科はいいが、整形外科はひどい

●血液&尿検査項目解説

(貼りつけ終わり)

(終わり)





アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22
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 古村治彦です。

 

 今回は、2017年3月7日に発売になります『税金恐怖政治が資産家層を追い詰める』(副島隆彦著、幻冬舎、2017年3月)をご紹介します。本書は、2017年初めての副島先生の単著になります。

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税金恐怖政治が資産家層を追い詰める

 

 この時期、確定申告で大変な思いをされている方々も多くいらっしゃると思います。この時期ほど、税金についてとても切実に感じられることはありません。

 

 驚くべき内容の本になっています。是非手に取ってお読みください。

 

 宜しくお願い致します。

 

(貼り付けはじめ)

 

まえがき

 

 税金恐怖政治(タックス・テロリズム)の始まりである。

 

 国税庁はついに、「(いわゆる)富裕層(ふゆうそう)への課税強化宣言」(国税庁HPにあり)を昨年11月初めに行った。後述する。

 

 併(あわ)せて、中小企業のオーナー経営者で、給与(だけ)を受け取っているものたちへの税務調査を「わざと」行うようになった。そして「おみやげ」(修正申告)を徴収しないでにやりと笑って税務調査を終わらせる。「国(くに)は、あなたの相続税時()の資産をしっかり把握(はあく)した。もう逃げられないよ」という脅(おど)しの調査である。「(いわゆる)富裕層」(金持ち)に対する〝萎縮効果〟を狙ったものだ。

 

もうどうにもならない。

 

ついに、こういうところにまで日本の資産家、小金持ちたちは追い詰められた。何が何でも「ひとり(最低)1億円ずつは相続税で取ってやる」という構えだ。これは税金(タックス)テロリズムの始まりだ。課税強化と増税は悪であり、悪政なのだ、という自覚を税金(取り)官僚たちが無くしつつある。自分たちが悪人なのだ、という自意識を喪失しつつある。愚劣なことに、「税金徴収は正義(ジャスティス)である」と巨大な勘違いをしている。

 

私は、前作『税金官僚から 逃がせ隠せ個人資産』(2013年10月 幻冬舎刊)で、日本の小金持ちや小資産家たちを守る努力をしてきた。それでも金融庁と国税庁がここまで激しい攻撃を仕掛けてくると、もう手の打ちようがない。それぐらいまで激しい動きになっている。皆さんも気づいているだろう。日経新聞のど真ん中に、「富裕層への課税の強化」という言葉が去年から毎週のように出るようになった。金融庁と国税庁がヒステリー状態で、日本の小資産家、小金持ち層を痛めつけようとしている。

 

痛めつけるとは、たった一言、「税金を徴収する」ということだ。とくに外国(避難)財産課税がものすごい勢いで強化された。法律をどんどん新たに作っている。「立法者(ラー・メイカーズ)(国会議員たち。国民の代表)をそっちのけでバカ扱いして勝手にどんどん法案を通してしまう。

 

タックス・テロリストは、アメリカやヨーロッパで使われている言葉である。

 

副島隆彦

 

=====

 

税金恐怖政治(タックス・テロリズム)が資産家層を追い詰める/目次

 

 

まえがき

 

1 ヒステリー状態の税金官僚たち

・いま狙われているのは小金持ち層

・国内で身動きがとれない資産5億円以下の人たち

・税金テロリズムとは

・徴税は悪政である

 

2 税金官僚たちの動きを知る

・「パナマ文書」から発覚したセコム創業者・飯田亮氏の対応

・たくさん相続税を納める人たちに、この国はなぜ社会的名誉を与えないのか

・相続税の基準が、1億円から5千万円まで下がった

・公務員たちはなぜ金持ちが嫌いなのか

・世界中の税金官僚が、自国の金持ちを追い回している

 

3 パナマ文書問題とは何だったのか

・パナマ文書流出の引き金となった事件 アメリカVSイギリスの争い

・アメリカの狙いは、外国の金持ちや大企業のお金

・アメリカに狙われる日本企業

・衰退国家アメリカの、なりふり構わぬ恐ろしさ

・結託する世界の税金官僚たち

・税理士も、親戚も旦那も妻も子供も信用してはいけない

 

4 マイナンバーと申告書類

・マイナンバー制で税金が取られやすくなった

FinTech(フィンテック)の阻止に使われるマイナンバー

・政治家を利用してマイナンバー制を導入した税金官僚

・マイナンバーは、国に一元管理されるIDになる

・消費税法はインボイス(適格請求書)制度に変わる

・国外財産調書をどうするか

・財産債務明細書にどこまで書くか

・不良少年の「関係ねえ」に私は感動した

 

5 不動産をどうするか問題

・田舎の土地は生きているうちに売る

・路線価のどうしようもないひどさ

・タワーマンション節税やアパート経営などやめる

・借り手がつかない駅前商業ビル、アパート、マンション

・フリー・レントとマイナス金利はよく似ている

・不動産鑑定士というひどい商売

 

6 現金をどうするか

・日本のデフレは続く。現金が大事だ

・財務官僚たちにとって重要なのは〝国民〟より〝国〟

・お札を刷り散らかした副作用がこれから出る

・「引き出し制限」と「新札切り替え」が迫っている

・現金を消せ、という世界の動き

 

7 どう逃がすか、と金(きん)の扱い

・今からでも外国に移住して、住民票を捨てることを考える

・海外に逃がす時は、体に貼付けていくのが大原則

・シンガポールの保税倉庫を使う手もある

・タンス預金は、国にこうして狙われる

・現金は金(きん)に変えるのが基本

・金の卸価格は4300円が攻防戦

・泥棒がますます増える。気をつけてください

 

8 私は1600万円を泥棒された

・副島隆彦、泥棒にやられる

・自己防衛がこれからますます大事になる

・防犯態勢を今更ながら整えた

・タンス預金をしているといつの間にかなくなる

・警察は動かない

・保険会社は意地でも払わないとわかった

 

9 海外で暮らす富裕層に話を聞いた

・日本を棄てた経営者たちのその後

・マイナンバー制度で海外資産はどうなる

・移住したら日本の健康保険は捨てる

・海外の不動産投資の実情

・国際免許証が使える

・マレーシアのビザの取り方

 

10 税金官僚は企業を洗脳する

・国税通則法の改正が意味すること

・官僚のスパイを養成するための「コーポレート・ガバナンス」

・官僚は、投資家も使って経営陣を痛めつける

・企業の税金裁判が増えている

・「コンプライアンス」という密告制度

・外国企業への締め付けは厳しくなっている

 

=====

 

 あとがき

 

 この本の書名『税金恐怖政治(タックス・テロリズム)が資産家層を追い詰める』の元になった tax terrorism 「タックス・テロリズム」という言葉は本当にある。欧米の先進諸国にある。私の勝手な造語ではない。

 

 なぜ、税金を取る税務署員(タックスマン)たちが、テロリストなのか、と不思議に思うだろう。だが本当にそうなのだ。ここまでヒドい税金取り立てをすると、国民が怒りだす。徴税(ちょうぜい)テロが起きているのだ。

 

 アメリカで1980年の選挙で、ロナルド・レーガンがなぜ大統領になったのか。それは、アメリカの共和党(リパブリカン)を支える金持ちや経営者たちの間に、税務署員に対する大きな怨嗟(えんさ)の声が上がっていたからだ。P.13に載せたIRS(米国税庁)に飛行機で突っ込んだ経営者がいるとおりだ。

 

「レーガンよー。お願いだから、あのIRS(アイアールエス)(内国歳入庁(ないこくさいにゅうちょう)。日本でいう国税庁)の職員たちを何とかしてくれ。あいつらのやることはあんまりだ。金持ちの家に襲いかかって、税金逃れをした、と言って、暴力を振るって、私たち金持ちに辱めを加える。なんとかしてくれー」という呻(うめ)き声がアメリカで起きていたのだ。資産家の家に税務署員が急襲(スクワッド)して、逆らったと言って撃ち殺された人たちが本当にたくさんいる。レーガンはその時、カリフォルニア州の州知事をして、同州で起きていた「税金の取り立てがひどい」という反(アンタイ)税金(タックス)裁判の原告たちを支援した。IRSの職員たちは、税の取り立て競争で、報奨金を20万ドル(2千万円)とか貰って、キューバのハバナで優雅にバカンスを楽しむ者たちまでいた。だからアメリカ国民のあの頃の怒りに圧()されて、レーガンが当選したのだ。今も同じだ。

 

 今度のトランプ当選も全く同じ感じで、「トランプはレーガンの再来」と言われている。トランプの選挙対策本部の主要なメンバーは、80年代のレーガン主義者である。超エリート大学(東部のアイビー・リーガーズ、名門8大学)を出ている者はひとりもいない。

 

 トランプに対して米国民が「あの、ワシントンで威張り腐っている官僚とロビイスト(政治利権屋)たちを、トランプよ、叩(たた)きのめしてくれー」と、動いたのである。こういう世界で流通している大きな真実を、日本国民に隠しているから、私がたくさんの本を書いてきた。

 

 幻冬舎の相馬裕子氏にひとかたならぬ苦労をおかけして、ようやくのことで本書は成った。記して感謝します。私にとっての厳しい苦しい2年間であった。

 

 日本では私が唯(ただ)ひとり、「トランプが当選する」と予言(プレディクト)の本を書いて出版して、そして事実となった。私には何の名誉も与えられなかった。ただ、多くの国民の間に、ザワザワと噂が立って広がった。これだけでも有り難いことだと思わなければいけないのだろう。

 

 私の、真実の暴(あば)きの言論の苦闘の人生は、このあとも続く。分かってくださる人たちの無言の支援が私を支えている。

 

2017年1月      副島隆彦

 

(貼り付け終わり)

 

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