古村治彦です。
先月、スイスのハッカーが、ピーター・ティールが中心となって組織されている「ダイアログ」という組織について情報を入手し、公開した。シリコンヴァレーの中心的な人物であるティールが秘密組織の情報を抜かれるというのは迂闊(うかつ)であり、何をやっているんだということになるが、この組織にはイーロン・マスクやエリック・シュミットなどの大富豪やドナルド・トランプ政権の高官であるスコット・ベセント財務長官やダン・ドリスコル陸軍長官が入っていることが明らかになった。また、集まって討論している内容が「第三次世界大戦への備え」から「セックスライフ」まで多岐にわたっているということが明らかになった。金持ちたちはいろんなことをしているのだなという感想になるが、私が注目したのはダン・ドリスコル陸軍長官が入っていることだ。
拙著『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』(ビジネス社、2025年12月)で明らかにしたように、ダン・ドリスコルはJ・D・ヴァンス副大統領の親友であり、イェール大学法科大学院時代の学友で、側近だ。ヴァンスが連邦上院議員を務めた時期には補佐官となった。私はヴァンスが2028年の大統領選挙で勝利した暁には、かなり高い地位で政権入りをすると見ている。
もちろん、J・D・ヴァンスの最大の後ろ盾はピーター・ティールであり、イーロン・マスクだ。ヴァンスとティールの関係については複数の拙著やこのブログでもさんざん書いてきたので繰り返すことはしない。ヴァンスは共和党の大統領選挙候補としては最有力であり、ドナルド・トランプ大統領の後継者である。マルコ・ルビオ国務長官も後継候補として名前が挙がっているが、ヴァンスを抜き去って候補者となることはかなり難しいだろう。ティールは様々な形でヴァンスの大統領選挙に向けた準備を行っていると見るべきだろう。その一環がこの秘密組織「ダイアログ」ということになる。
(貼り付けはじめ)
億万長者ピーター・ティールの秘密結社「ダイアログ」について分かっていること-参加者たちも含めての紹介(What We Know About Billionaire Peter Thiel’s Secret 'Dialog’
Society—Including Who’s Involved)
メアリー・ウィットフィル・ローロフス、筆
2026年6月18日
『フォーブス』誌
https://www.forbes.com/sites/maryroeloffs/2026/06/18/what-we-know-about-billionaire-peter-thiels-secret-dialog-society-including-whos-involved/
●最重要(TOPLINE)
ペイパル創業者の億万長者ピーター・ティールが創設した極秘組織(ultra-secret
society)「ダイアログ(Dialog)」に関連するとされる機密情報が流出し、数百人もの世界的リーダー、ビジネスエグゼクティヴ、億万長者が所属するこのエリート集団の内部構造が明らかになった。
●主要な諸事実(KEYFACTS)
・今週、『ワイアード』誌が調査・公開した文書によると、ティールと投資家のオーレン・ホフマンは2006年にダイアログを共同設立した。これは、テクノロジー、政治、学術、金融、政府など、様々な分野の影響力を持つ人々による、招待制の非公開「超党派」ネットワーク(invitation-only and “bipartisan” network of influential people)である。
・ダイアログは、異なる分野やイデオロギー的背景を持つリーダーたちが非公式な交流を行う場であると自称しており、アリゾナ州のリッツ・カールトン・ダヴ・マウンテン、カリフォルニア州サンタバーバラのリッツ・カールトン、ヴェネツィアのサン・クレメンテ・パレスといった豪華な場所で、少なくとも年に一度は対面での会合を開催している。
・この会合では、参加者(発言内容は一切外部に漏らさないと約束されている)向けに、モデレーター付きのセッションが用意されており、「お金で幸せは買えるのか?」「核兵器の復活」「第三次世界大戦への備え」「あなたのセックスライフはどうだ?」といったタイトルが付けられている。
スイスのハクティヴィスト(ハッカー兼アクティヴィスト)であるマイア・アーソン・クリメウによって最初に暴露された情報漏洩により、グループのセキュリティ対策が不十分なウェブサイト(dialog.org)の公開コード内に登録記録が隠蔽されていたことが明らかになった。ダイアログは、参加者一人ひとりの会員ステータス、参加した合宿、経歴、政治的所属、居住地、そしてログイン認証情報として機能するプライヴェート・アクセス・トークン(private access token)を記録している。
ダイアログは、政治家やビジネス界のエリートが非公式に集まるビルダーバーグ会議(Bilderberg)とシリコンヴァレーのサロン(Silicon Valley salon)を合わせたような組織だと評されている。
●誰がピーター・ティールの秘密結社「ダイアログ」のメンバーになっているのか?(WHO
ARE THE MEMBERS OF PETER THIEL’S SECRET ‘DIALOG’ SOCIETY?)
登録記録には、ダイアログの現役メンバー、リトリートに参加した人、セッションを主催した人、今年初めて参加予定の人(ワイアード誌によると、イヴェントは8月にアイルランドで開催予定)などが記載されているようだ。流出したリストには、現職のトランプ政権高官、米連邦上院議員2名、いわゆる「ペイパル・マフィア(PayPal Mafia)」(1990年代後半から2000年代初頭にかけてペイパルで働いていた創業者や初期従業員)6名、元中東情報機関トップ、現職の駐米大使、プライヴェートエクイティの億万長者、テレビ俳優、ベストセラー作家などが名を連ねている。スイス人ハッカーが名指しした人物には、以下の人物が含まれる。
・アレクサス・グリンケウィッチ大将・(NATO欧州連合軍最高司令官)(General Alexus Grynkewich, NATO's supreme allied commander Europe)
・スコット・ベセント財務長官(Treasury secretary Scott
Bessent)
・ダン・ドリスコル陸軍長官(Army secretary Dan Driscoll)
・ハリー・ホフマン麻薬取締局局長首席補佐官代理(Hallie Hoffman,
acting chief of staff of the Drug Enforcement Administration)
・テッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)(Sen. Ted Cruz
(R-Texas))
・コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)(Sen. Cory
Booker (D-N.J.))
・ジム・ハイムズ連邦下院議員(コネティカット州選出、民主党)(Rep. Jim
Himes (D-Conn))
・ウェス・ムーア・メリーランド知事(Wes Moore, Maryland
governor)
・ジャレッド・ポリス・コロラド州知事(Jared Polis, Colorado
governor)
・トム・ルー・グーグル・ディープマインド法務顧問兼ガヴァナンス部門責任者(Tom
Lue, general counsel and head of governance at Google DeepMind)
・ランディ・クロスナー元連邦準備制度理事会理事(Randy Kroszner, a
former governor of the Federal Reserve)
・ジョナサン・グリーンブラット名誉棄損防止同盟CEO(Jonathan Greenblatt, chief executive of the Anti-Defamation League)
・ピーター・ゴットラー・ケイトー研究所会長(Peter Goettler,
president of the Cato Institute)
・ライアン・ストアーズ・チャールズ・コーク財団最高責任者(Ryan Stowers,
executive director of the Charles Koch Foundation)
・ロジャー・マイアーソン(ノーベル賞受賞経済学者)(Roger Myerson,
Nobel laureate economist)
・ジャレッド・クシュナー(ドナルド・トランプ大統領の義理の息子)(Jared
Kushner, President Donald Trump’s son-in-law)
・ニール・モハンYouTube CEO(Neal Mohan, YouTube CEO)
・スクーター・ブラウン(音楽マネジャー)(Scooter Braun, Music
manage)r
・エズラ・ケイン(政治コメンテイター)(Ezra Klein, political
commentator)
・スアド・メケネット『ワシントン・ポスト』紙記者(Souad Mekhennet,
Washington Post reporter)
・ジョセフ・ゴードン=レヴィット(俳優)(Joseph Gordon-Levitt,
actor)
・ソフィア・ブッシュ(女優)(Sophia Bush, actress)
・リック・ウォーレン福音派牧師(Rick Warren, evangelical
pastor)
●WHICH BILLIONAIRES WERE NAMED IN THE
DIALOG LEAK?
・イーロン・マスク(1兆3000億ドル、約210兆円)(Elon Musk ($1.3
trillion)):スペースX、テスラ、「X」、ペイパル・マフィア
・エリック・シュミット(401億ドル、約6兆5000億円)(Eric Schmidt
($40.1 billion)):グーグル元CEO,グーグルの持株会者アルファベット元会長、現技術顧問
・ピーター・ティール(278億ドル、約4兆5000億円)Peter Thiel
($27.8 billion):パランティア、ペイパル・マフィア
・ヘンリー・クラヴィス(122億ドル、約2兆円)(Henry Kravis
($12.2 billion)):投資会社KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)共同創業者
・マルコス・ガルペリン(68億ドル、約1兆円)(Marcos Galperin
($6.8 billion)):テクノロジー起業家、メルカド・リブレの共同創業者
・マイク・キャノン=ブルックス(77億ドル、約1兆3000億円)(Mike
Cannon-Brookes ($7.7 billion)):ソフトウェア会社アトラシアン共同創業者兼CEO
・スコット・クック(44億ドル、約7100億円)(Scott Cook ($4.4
billion)):大手金融・財務ソフトウェア会社インテュイット共同創業者
・バリー・スターンリヒト(31億ドル、約5000億円)(Barry
Sternlicht ($3.1 billion)):投資ファンドスターウッド・キャピタル・グループ共同創設者、会長、CEO
・ニコラス・バーグルエン(29億ドル、約4700億円)(Nicolas
Berggruen ($2.9 billion)):非公開投資会社ベルグルーエン・ホールディングス創設者、社長
・ジョン・アーノルド(28億ドル、約4500億円)(John Arnold ($2.8
billion)):ヘッジファンド、ケンタウルス・アドバイザーズ創業者
・ジョー・ロンズデール(28億ドル、約4500億円)(Joe Lonsdale
($2.8 billion)):パランティア共同創業者
・リード・ホフマン(27億ドル、約4350億円)(Reid Hoffman ($2.7
billion)):リンクトイン共同創業者、ペイパル・マフィア
●驚きの事実(SURPRISING FACT)
別のウェブサイトである「dating.dialog.org」は、関心のあるグループメンバー同士の恋愛関係のマッチングを目的としている。ダイアログの参加登録フォームでは、登録者たちに「愛を探していますか?」と尋ね、「特別な人々のための有意義なつながり」を見つけると約束している。
●余談(TANGENT)
ダイアログはデジタル上の痕跡をほとんど残しておらず、メンバーも公には沈黙を守っているが、過去にはグループの様子が少しだけ明らかになったことがある。昨年、『アクシオス』誌は、リーダーたちがワシントンDC郊外にダイアログのキャンパスを購入しようとしていると報じた。統計学者のアンドリュー・ゲルマンは、2022年にダイアログからの招待状を自身のブログに掲載し、それを皮肉たっぷりに紹介した。メールのスクリーンショットには、カリフォルニアで開催されるイヴェントの参加費が1万6846ドルと記載されていたが、ゲルマンが送られてきた割引コードを使用したことで70%割引になったことが示されていた。2014年にユタ州サンダンス・リゾートで開催されたダイアログ会合への招待状は、ハーヴァード大学の物理学者リサ・ランドールがジェフリー・エプスタインに「これは行く価値があるか?」と尋ねた招待状を転送した後、エプスタイン文書を通じて公開された。エプスタインは「サンダンスはいいところだ。行くべき」と返信した。イギリスの金融家イアン・オズボーンも2014年の招待状をエプスタインに転送し、「同じようなものだ。ピーターは出席すらしない。彼には、自分の名前を使うのを止めるように伝えておく」と書き添えた。
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リーク情報でピーター・ティールの秘密結社「ダイアログ」のメンバーが明らかになる(Leak
Exposes Members of Peter Thiel’s Secretive ‘Dialog’ Society)
-世界のエリート200人以上が、カルト構築やセックスに関するパネルディスカッションから第三次世界大戦への備えまで、多岐にわたる議題を扱う会合に登録していた。関連アプリではマッチング(matchmaking)も提供されている。
デル・キャメロン、ユリア・アルマゾヴァ筆
2026年6月16日
『ワイアード』誌
https://www.wired.com/story/leak-exposes-members-of-peter-thiels-secretive-dialog-society/
アメリカの政治、金融、テクノロジーの各分野の有力者で構成される秘密結社の内部記録が大量にオンライン上に流出したこと(trove)をワイアード誌が確認した。流出した記録には、イヴェント参加者の名前や、秘密保持を約束されていたはずの機密性の高い個人情報が含まれている。
「ダイアログ(Dialog)」と呼ばれるこの団体は、億万長者のテクノロジー投資家ピーター・ティールが2006年に共同設立した、招待制の非公開組織(a private, invitation-only organization)である。アメリカ政府関係者、外国政府関係者、シリコンヴァレーの経営幹部たちが、非公開の年次会合に集まる。ダイアログは20年間、会員名簿の公表を拒否してきた。
ウェブサイトのコード内に存在していた名簿を最初に明らかにしたのは、スイスのハクティビストであるマイア・アーソン・クリムだ。アメリカ政府の飛行禁止リストの暴露や、監視カメラ会社ヴェルカダ(Verkada)へのハッキングで知られるクリムは、匿名の情報提供によって名簿が流出したとワイアードに語っている。ワイアードは独自にその内容を検証した。
●参加者が秘密にされる「言論の自由」再移行会議(The ‘Free Speech’
Remigration Convention Where the Attendees Are Kept Secret)
ワイアード誌は、情報提供者からダイアログの2026年会合の登録者リストを入手した。このリストには222名の名前が記載されており、各登録者の会員ステータスと参加者タイプ(「アクティヴメンバー」と「ゲスト」を含む)が記録されている。会合は8月12日から16日まで、アイルランドのダブリン近郊の会場で開催される予定だ。
同じデータには、非公開セッションのプログラムも記載されている。「お金で幸せは買えるのか?」「核兵器の復活」「第三次世界大戦への備え」「戦場技術」「あなたのセックスライフは?」といったセッションが含まれる。その他にも、キリスト教系ソーシャルネットワーキングサイト「Pray.com」の創設者が司会を務める「カルトの構築」や元ホワイトハウス国家安全保障担当官が運営する「パーティーの構築」といった講演も予定されている。
これらの経営幹部は、それぞれの業界を監督するアメリカの高官たちと肩を並べている。ダイアログの会長であるオーレン・ホフマンは、位置情報データ仲介会社セイフグラフ(SafeGraph)と本人確認サービス会社ライヴランプ(LiveRamp)の創業者であり、これらは消費者データ経済における最も重要なサプライヤー2社である。ホフマンは、金融データに関する規則を策定する財務省のスコット・ベセント財務長官、そして連邦取引委員会(FTC)とそのデータプライバシー権限を監督する連邦上院商務・科学・運輸委員会のテッド・クルーズ委員長と並んで名簿に掲載されている。
アメリカ移民税関執行局(ICE)の事件管理や国防総省および情報機関のデータ融合にソフトウェアを提供するパランティア(Palantir)の共同創業者ジョー・ロンズデールも、陸軍長官ダン・ドリスコル、そして、パランティアが契約する機関を監督する連邦下院情報委員会の筆頭委員であるジム・ハイムズ連邦下院議員と同じ名簿に掲載されている。
この記事で名前が挙がった人物はいずれもコメントの要請に応じなかった。 リンクトイン(LinkedIn)のプロフィールでダイアログのエグゼクティブディレクターを名乗り、自己啓発書『大人になる方法(How to Be a Grown-Up)』の著者でもあるラフィ・グリンバーグは、コメントの要請に応じなかった。
登録記録からは、ダイアログの会員だけでなく、参加者も明らかになっているようだ。流出した記録によると、2026年の会合に登録した222人のうち、87人が初参加とされている。中には10年以上前から参加している人もおり、中には20年前の設立当初からの参加者もいる。グリンケウィッチを含め、登録者の中に政府機関のメールアドレスを使用している者はいなかった。全員が個人または企業のメールアドレスで登録しており、参加記録は公文書公開法の対象となるメールシステムの対象外となっている。
肩書きや役職以上に、この名簿を結びつけているのは、人工知能、長寿、そして近未来への共通の関心である。登録フォームで未来予測を尋ねられたところ、登録者たちは繰り返し同じテーマに言及した。それは、AIが数年以内に仕事、戦争、教育、そして信仰のあり方を根本的に変えるだろうというものだ。大規模な労働力喪失と労働組合や政府プログラムへの回帰を予測する人もいれば、「AIの冬」、データセンターを標的とした国内テロ、被告人が公選弁護人ではなくAI弁護士を選ぶようになること、あるいはAIによる混乱が宗教復興を引き起こすことを予測する人もいた。
「社会の退廃(societal degeneration)は加速し続けるだろう」とある人は予測した。
メンバーは他にも、「遊園地の鏡の組み立て」「アクセントの真似」「バックカントリースキー」「都市探検」「現実の本質を探求する瞑想的かつサイケデリックな探求」といった特技を挙げている。あるメンバーは「思いやりと実存的不安」、別のメンバーは「ディナーパーティー、秘密を守ること、誕生日を覚えること」を挙げている。おすすめの本は、マルクス・アウレリウスやミラン・クンデラといった古典的名著や最適化志向の作品に偏っており、アニー・デュークの『シンキング・イン・ベッツ(Thinking in Bets)』、ピーター・アッティアの『アウトライヴ(Outlive)』、そして少なくとも一人の参加者はティール自身の『ゼロ・トゥ・ワン(Zero to One)』を挙げている。
ダイアログはマッチングサーヴィスも提供している。参加登録フォームでは、「恋人を探しているか」を尋ね、「独身男性」「独身女性」「その他」の回答者を「今後のマッチング」に含めることができる。別のサイト「dating.dialog.org」では、「特別な人々のための有意義なつながり」を謳うアプリを提供している。
このフォームでは、登録者の「政治的傾向(political leaning)」など、機密性の高い情報も収集される。ダイアログは、これらの情報は「アプリ内や他の参加者と決して共有されない」と約束している。しかし、このデータとマッチング結果がリークによって明らかになった。
記録は商用データベースであるAirtableに保存されています。Dialog社は、各参加者について、会員ステータス、参加したすべてのリトリート、経歴、居住地、そしてプライヴェート・アクセス・トークンを記録している。ワイアード誌は、ログイン認証情報として機能するトークン、およびそれらを含む個人アカウントリンクを公開していない。
リークされた登録者リストには、公開されている113名の名簿には記載されていない著名人も含まれている。例えば、元連邦準備制度理事会理事で現在はイングランド銀行金融政策委員会委員を務めるランディ・クロスナー、元麻薬取締局法務顧問兼首席補佐官代理のハリー・ホフマン、反名誉毀損連盟(ADL)最高経営責任者のジョナサン・グリーンブラット、ケイトー研究所会長のピーター・ゴットラーなどだ。チャールズ・コーク財団の事務局長であるライアン・ストワーズと、シカゴ大学のノーベル経済学賞受賞者であるロジャー・マイアーソンも含まれている。
また、グーグルおよびグーグル・ディープマインドの幹部数名も名を連ねており、その中にはグループ・ディープマインドの最先端AI部門のグローバル担当責任者であるトム・ルーや、『ワシントン・ポスト』紙の元国家安全保障担当記者であるジャーナリストのスアド・メケネットも含まれている(彼女は「ユリシーズ・ブッククラブ」というイヴェントを主催していると記載されている)。
その他の会員には、ヘッジファンドやプライヴェートエクイティの億万長者、現職および元外国政府高官、テレビ俳優、ベストセラー作家、宗教指導者などが名を連ねている。
ダイアログが登録記録を保管していたオンラインデータベースに公開していた複数の内部文書の1つは、イヴェントのモデレーター向けガイドで、参加者に対し、全ての発言は「非公式(off the record)」であり、コメントは簡潔かつ「露骨でない(nonobvious)」ように注意するよう促している。また、連邦上院議員、要人、大物実業家が集まる場で「地位を誇示しない(avoid status signaling)」ために、簡潔な自己紹介を心がけるよう指導している。
しかし、このグループが課していた規律は、ウェブサイトには適用されていなかった。このディレクトリは、ほぼ空のページである「dialog.org」のコードに埋め込まれており、ページのソースコードを閲覧した全ての訪問者に表示されていた。別のダイアログのページ(app.dialog.org)には、ダブリン郊外で開催される「Dialog Global
2026」のサインイン画面が表示される。このページでは、メールアドレスまたはグーグルアカウントでのサインインが促されるが、利用規約、アプリケーションが会員限定である旨の通知、招待状が必要である旨の表示は一切ない。
ダイアログは設立以来、ほとんど公に活動していない。年に少なくとも1回は会合を開催しており、座席指定制、モデレーター付きのセッション、そして発言内容の出典を明記しないというルールが設けられている。ワシントンDC近郊にキャンパスを建設する計画を最初に報じたアクシオス誌によると、過去の会合はアリゾナ州のリッツ・カールトン・ダヴ・マウンテンやイタリアのヴェネツィアにあるサン・クレメンテ宮殿で開催された。これは、西側諸国の政財界のエリートが非公式に集まるビルダーバーグ会議のテクノロジー業界版に例えられている。
記録によると、参加者は約100名だった。ワイアード誌が確認した2026年の登録者リストには222名の名前が載っている。公に知られることは稀だ。統計学者のアンドリュー・ゲルマンは2022年にダイアログの招待状を自身のブログに掲載し、その形式と1万6000ドルを超える登録料について説明した。2014年の会合は今年、金融家のジェフリー・エプスタインに転送された招待状が米司法省によるエプスタイン文書の公開で明らかになったことで再び注目を集めた。添付された過去の参加者リストには「ジェフ・エプスタイン」という人物の名前があるが、実際には故人となった性的人身売買犯ではなく、オラクルの元CFOである。
・更新:2026年6月16日午後5時47分(アメリカ東部標準時):ワイアードはこの記事を更新し、ジェフ・エプスタインという名前の2名の人物を混同していた点を訂正した。また、ダイアログの担当者から指摘されたセキュリティ上の懸念に対応するため、若干の修正も行った。
・更新:2026年6月18日午後2時17分(アメリカ東部標準時):この記事の掲載後、『ワシントン・ポスト』紙は、スアド・メケネットが同紙の元従業員であることを明らかにした。
(貼り付け終わり)
(終わり)

シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』











