古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:新冷戦

 古村治彦です。

 21世紀に入り、世界の構造は大きく変化しつつある。第二次世界大戦後の20世紀の後半は、アメリカとソ連がそれぞれ、資本主義ブロックと共産主義ブロックを率いて、対立する、冷戦(Cold War)の下で、二極(bipolar)構造となっていた。その後、ソ連が崩壊し、アメリカの一極(unipolar)支配構造となっている。21世紀に入り、中国をはじめとする非西側諸国、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の台頭もあり、米中二極構造へと変化しつつある。これを「新冷戦」(New Cold War)と呼ぶ人たちもいる。
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ゴードン・ブラウン

 こうした状況下、アメリカ一国だけでは対処しきれない国際的な問題が多く発生している。アメリカは西側諸国を巻き込んで、問題への対応を行おうとしているが、西側諸国だけでも無理な問題が多い。そこで、中国との関係を再構築すべきだというのが、下記の論稿の著者ゴードン・ブラウン元英首相の主張だ。米中関係が緊張をはらむ中で、それでも国際問題を解決するためには、協力する必要がある。そのための枠組みを構築する必要がある。冷戦期、 米ソ両国は厳しく対立したが、同時に協力できる分野では協力を行った。米中両国間もそのような関係となるべきだ。そうすることで、米中両国間が戦争となることを阻止することもできる。

(貼り付けはじめ)

新しい多極主義(A New Multilateralism)

-アメリカは自らが作り上げたグローバルな制度を如何にして再生させることができるか。

ゴードン・ブラウン筆

2023年9月11日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2023/09/11/us-china-russia-multilateralism-diplomacy-alliances-trade/

「アメリカは戻ってきた」。これは、2021年2月のミュンヘン安全保障会議で、最近のアメリカ大統領の中で最も国際主義者(internationalist)であるジョー・バイデン米大統領が語ったメッセージである。バイデンは、「多国間行動を調整する切実な必要性(dire need to coordinate multilateral action)」があると宣言した。しかし、二国間協定や地域協定に固執し、グローバルな協調行動(globally coordinated action)を犠牲にする、バイデン政権は、国際機関の可能性を過小評価し、安定した管理されたグローバライゼイションの可能性を損なっている。新たな多極主義(multilateralism)が生まれなければ、10年間にわたる世界的な混乱は避けられないだろう。

もちろん、最大の皮肉は、国際通貨基金(International Monetary Fund、IMF)や世界銀行から国連に至るまで、世界の卓越した多国間機関は全て、第二次世界大戦の直後にアメリカによって創設されたということだ。アメリカのリーダーシップを通じて、これらの機関は平和の実現、貧困の削減、健康状態の改善に貢献してきた。現在、アメリカは孤立しており、世界秩序の亀裂は深い谷になりつつあり、世界的な課題に対する世界的な解決策を策定できていない。

ウクライナ戦争の責任はウラジーミル・プーティン大統領以外にはない。この戦争は、アメリカの名誉のために言っておくと、ヨーロッパ全体を団結させた。しかし、他の地域では、世界は自ら招いた傷に苦しんでいる。増大する債務への対処の失敗、低所得および中所得のアフリカを苦しめる飢餓と貧困、新型コロナウイルス感染拡大への公平な対応の調整能力の欠如、そして最大の存亡の危機である気候変動に対処するための資金の確保の行き詰まりなどだ。これらの危機は、発展途上国を混乱させるだけでなく、主導権を握れなかった西側諸国に怒りを抱かせている。

国際社会が行ったことは、どれも中途半端で、たいていは遅すぎた。ワクチン不足で人々が亡くなり、食糧不足で人々が飢え、気候変動とそれに続く大惨事への無策で人々が苦しむのを放置してきた。国連の人道支援(humanitarian aid)や世界食糧計画を見ればわかるが、どちらも今年必要な資金の半分にも満たない額しか受け取っていない。世界銀行による貧困国への資金援助は今年、来年と削減され、人的資本介入(human capital interventions)に気候変動投資を追加するよう求める声が高まっている。

アメリカの指導者たちは、古いアプローチが機能しないことを認識したことは評価に値する。かつては支配的だった、ワシントン・コンセンサス(Washington Consensus)は、ワシントンをはじめ、現在はほとんど支持されていない。経済学者のラリー・サマーズが「政権の哲学を最も注意深く知的に展開した説明(most carefully intellectually developed exposition of the administration’s philosophy)」と的確に評した4月の演説で、ジェイク・サリヴァン国家安全保障問題担当大統領補佐官は、崩れつつあるパルテノン神殿のような世界構造を非難した。むしろ、持続可能な鉄鋼・アルミニウムに関する世界協定、インド太平洋繁栄経済枠組、米州経済繁栄パートナーシップなど、対象を絞り、精密に誘導された行動のほうが有望だと考えた。サリヴァンは、世界銀行(ジャネット・イエレン米財務長官が演説でこのテーマを取り上げているにもかかわらず)や世界貿易機関(World Trade Organization、WTO)の改革の必要性については軽く触れただけで、IMF、国連、世界保健機関(World Health Organization、WHO)についてはまったく触れなかった。そして、2009年にG20と名付けられた国際経済協力の主要なフォーラムは、名前を挙げる価値すら認めなかった。

サリヴァンの総合政策は、アメリカが経済の方向性を決める上で安全保障を決定的な要素にする必要性が高まっていることを認識した、現代の産業政策(industrial policy)に関する声明として、非難の余地はない。しかし、サリヴァンの発言は「国際経済政策(international economic policy)」の声明として事前に宣伝されており、国内産業政策だけに関するものではない。この点で何かが欠けていた。アメリカの国際関係に関するこの包括的な演説は、管理されたグローバル化の計画には至らなかった。国際協力を強化するために設立されてほぼ80年になる世界機関の誰もが認めるリーダーであるアメリカは、その重要性と改革の可能性に関する真剣な議論から姿を消しているようだ。そして、貿易戦争(trade wars)が技術戦争(technology wars)や資本戦争(capital wars)になり、競合する世界システム(competing global systems)を特徴とする新しい種類の経済冷戦にさらに陥る恐れがある中、一般的に一極世界(unipolar world)において、多国間主義的(multilateralist)だったアメリカは、多極世界(multipolar world.)での一国主義(unilateralism)に近づいている。

国際政策を、地域的および二国間関係の単なる合計に還元することはできない。世界的金融危機(global financial crisis)が再び起こったらどうなるか? 世界的伝染病が再び起こったらどうなるか? 干ばつ、洪水、火災により、講じるべき世界的な対策が明らかになった場合はどうなるか? かつて、ロナルド・レーガン米大統領がソ連の指導者ミハイル・ゴルバチョフに語ったように、小惑星が地球に向かって猛スピードで接近してきたらどうなるか?

嵐の海に浮かぶ船には安定した錨が必要だが、今日ではそれが存在しない。かつて、世界はアメリカの覇権(hegemony)によって錨を下ろしていた。そうした一極主義の時代は過ぎ去った。しかし一極主義の時代の後には多極主義の時代がやってきて、多極主義の錨が必要となる。この錨とそれがもたらす安定性は、改革された多国間制度の上に築かれなければならない。実際、グローバルアーキテクチャ(global architecture)のこのような見直しこそが、今やグローバルでもリベラルでも秩序でもないグローバルなリベラル秩序を修復し、統治されていない空間の無人地帯をもたらした地政学的不足を克服する唯一の方法である。

多国間改革アジェンダがなおさら重要なのは、専門家たちが思い描く代替的な世界秩序(alternative world orders)がほとんど包括的でなく、したがって実現不可能だからである。アメリカ主導の自由貿易圏は、そこから排除された人々だけでなく、より保護主義的な米連邦議会からも反対される可能性が高い。民主政治体制諸国の連合は、定義上、ルワンダやバングラデシュからシンガポールやサウジアラビアに至るまでのアメリカの同盟諸国を排除しなければならないが、ワシントンはそれを嫌がるだろう。また、1815年以降のヨーロッパの協調(Concert of Europe)に似た列強の協調(Concert of Great Powers)、あるいはアメリカと中国だけからなるG2も、世界の他の190余りの国のほとんどから怒りの反応を引き起こすだろう。こうした排他的なクラブは、規模の大小を問わず、世界に必要な安定をもたらすことはなく、活力を取り戻した多国間システムの方が、「一つの世界、二つのシステム(one world, two systems)」の未来への傾斜を食い止めるはるかに良い方法となる。

​​中国の習近平国家主席は、地政学的な力の移行(shifts in geopolitical power)から北京が得られる利益をよく理解している。アメリカが多国間主義から二国間主義と地域主義(regionalism)に移行したのと同様に、中国は独自の新しい包括的アイデアを世界の舞台に持ち込んだ。

10年前、中国は、149カ国を誘致することに成功した一帯一路構想(Belt and Road Initiative)や、ヨーロッパの大半、イギリス、カナダを含む106カ国を擁するアジアインフラ投資銀行[Asian Infrastructure Investment Bank](アメリカは参加を拒否しており、自国が主導しないクラブには参加しないという印象を与えている)などの、公然と地域的な構造に焦点を当てていた。

これに勢いづいて、中国の焦点は、新たな開発銀行やブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカのBRICSグループを含む共同国際イニシアチヴ(joint international initiatives)に移った。現在、中国は世界に進出し、大胆な名前の「グローバル安全保障イニシアチヴ(Global Security Initiative)」と「グローバル文明イニシアチヴ(Global Civilization Initiative)」で独自に活動している。犯罪、テロ、国内安全保障に関する共同行動に焦点を当てたこれらのイニシアチヴは、中国が最初の完全に独立したグローバルプログラムであるグローバル開発イニシアチヴ(Global Development Initiative、GDI)の成功例に続くものである。これら3つの介入は、より大きな仕組みで、実際はそうではないとしても、レトリックにおいては、間違いなくより構造化され、野心的である。合計で約60カ国が既に、グローバル開発イニシアチヴのグループに加わっている。ドーン・C・マーフィーの著書『グローバルサウスにおける中国の台頭(China’s Rise in the Global South)』で詳述されているように、中国はこれらのグローバルイニシアチヴを利用して、いつか競合する世界秩序(competing global order)になり得る勢力圏(spheres of influence)を構築している。

そして、この中国の世界規模での関与の急増は、中国からの一時的なプロパガンダではなく、習近平主席の永続的な取り組みであり、政治的野心の意図的な表示であり、中国を国際秩序の真の守護者として示す試みである。サウジアラビアとイランの間で外交関係を回復し、イエメン戦争を終わらせる可能性のある合意を仲介したばかりの習近平主席は、ロシアのウクライナ戦争を終わらせるための和平提案を推進するのに十分な勇気を既に持っており、言うまでもなく、二国家によるイスラエルとパレスチナの和平解決において中国が主導的な役割を果たすという噂も流れている。これらは全て、国連憲章(U.N. Charter)の遵守という傘の下で行われている。

もちろん、細かい点もある。中国は国連憲章の領土保全(territorial integrity)と加盟国の内政不干渉(noninterference)の約束を支持しているが、憲章やその後の国連決議の人権、保護責任、自決(self-determination)の原則に焦点を当てた部分については何も語っておらず、国際司法裁判所や国際刑事裁判所、あるいは例えば国連海洋法条約の判決を支持することもほとんどない。

論理的な反応は明らかだ。アメリカはこれ以上後退するのではなく、新たな多国間主義を擁護することで変化する世界秩序に対応しなければならない。これは、アメリカの揺るぎない覇権を前提とし、同盟諸国やアメリカの同盟国になりたがっている国々(suitors)に指示することで維持できた古いハブ・アンド・スポーク型の多国間主義(hub-and-spoke multilateralism)ではない。命令(dictation)ではなく説得(persuasion)によって力づけられ、世界経済の現実に基づいた新たな多国間主義は、アメリカが再び主導する可能性のある国際機関の改革を通じて人々を団結させるだろう。

ワシントンはまだ、習近平が「1世紀の間でも見られなかった大変革(great changes unseen in a century)」と呼ぶ、パックス・アメリカーナ(Pax Americana)がもはや存在しない、分裂し分断された世界を作り出そうとしている、3つの地政学的シフトの規模とパワーを、十分に理解していない。そして、そのような世界でも、気候変動、パンデミック、金融不安、過度の不平等から生じる混乱と闘うためには、世界的な公共財の提供に依然として注意を払う必要がある。

もちろん、最初の地殻変動は、少なくともホワイトハウスの国内的野心に影響を与える限り、サリバヴァン補佐官も認識している。 30年間支配的だった新自由主義経済は、オープンではあるが十分に包括的ではなかったグローバライゼイションを引き起こした。世界の半数がより高い生活水準を享受していたが、アメリカと西側諸国の多くが停滞していた経済秩序は、国家が安全保障の観点から経済的自己利益を再定義するにつれて、新重商主義経済学に取って代わられつつある。今では回復力が、効率性を求める昔の欲求に勝ります。供給の保証はコストに勝る。そして「万が一に備えて(just in case)」は「間に合わせに(just in time)」よりも重要だ。かつては、経済が政治を動かしていたが、世界中を巻き込んでいる貿易、テクノロジー、投資、データ保護主義が証明しているように、現在は政治が経済を動かしている。

2つ目のシフトは、ワシントンではあまり理解されていない。政策立案者たちは、単極世界(unipolar world)の30年間の確実性が多極世界(multipolar world)の不確実性に取って代わられつつある中、その影響を十分に認識できていない。もちろん、これは、3つ以上の国が同等の力と地位を持っているという狭義の「多極(multipolar)」と表現できる世界ではない。したがって、専門家の一部は、依然として「部分的な一極(partial unipolarity)」が存在すると結論付けている。むしろ、多極化とは、複数の権力の中心地が競合する世界を意味し、将来の世界におけるアメリカの関係に多大な影響を与える。私たちは、このことが、世界の半分、つまりほとんどの非西側諸国(non-Western countries)が、ロシアとの戦争でウクライナを支援することに劇的な形で働いているのを目にしてきた。モスクワへの制裁に参加しているのはわずか30カ国程度だ。アシュリー・J・テリスの著書『非対称性の攻撃(Striking Asymmetries)』で説明されているように、複数プレイヤーグループの成長を反映する多極性のより脅威に関する尺度は、核兵器の拡散の可能性だ。イランが核兵器を確保すれば、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコ、エジプトはいずれも核武装を目指す可能性が高い。そして、中国の核兵器保有量が2035年までに約400発から1500発以上に拡大する中、韓国と日本が自ら核保有国にならないためには、アメリカからのより決定的な保証が必要となるだろう。おそらくもっと憂慮すべきは、中国の力の増大にますます懸念を強めているインドが、インドで最も信頼できる兵器の収量が中国の100分の1であることを考えると、信頼できる熱核兵器設計の取得を目指していることだ。これら全ては、より致死性の高い核兵器を求めるパキスタンと中国との関係の深化という形で、別の種類のドミノ効果を引き起こす危険性がある。

主に新自由主義と一極から、1つの覇権国家と1つの覇権的な世界観からの脱却の結果として、第三の地殻変動が進行中である。過去20年間の大部分を特徴づけたハイパーグローバライゼイション(hyperglobalization)は、新しい種類のグローバライゼイションに取って代わられている。貿易は依然として拡大している(以前のように世界経済拡大は2倍の速度ではないが、それに歩調を合わせている)ため、これは脱グローバル化(deglobalization)ではない。実際、世界の商品貿易は2022年に記録的な水準に達した。デジタルサーヴィスにおける世界のサプライチェーンは、2025年から2022年の間に年間平均8.1%で成長しましたが、これは5.6%であったのに対し、カタツムリのペースで進むグローバル化、「スローバライゼイション」ですらない。商品の場合。デジタルサーヴィスの世界輸出は2022年に3兆8000億ドルに達し、輸出サーヴィス全体の54%を占めた。会計、法律、医学、教育などの専門職が分離されているため、現在世界のどこからでも提供できる技術サーヴィスの多くは、コールセンター業務と同様にオフショアリング(offshoring)されることになる。「グローバライゼイション重視(globalization-heavy)」、つまり貿易によるグローバライゼイションが自国の国民の暮らしを良くするだろうという思い込みは、「グローバライゼイション軽視(globalization-lite)」、つまり、貿易を制限する方が国民の生活水準を守るより良い保証になるかもしれないという考えに取って代わられている。

この3つの激変を底支えしている共通項があり、それがこれらの新たな動きをまとめているように見える。それは、ナショナリズムの復活(resurgent of nationalism)であり、世界的な自国第一主義運動(country-first movements worldwide)に最もよく反映されている。バイデンの「バイ・アメリカ」というラベルでさえ、トランプ政権時代の「アメリカ・ファースト」の水増しヴァージョンであり、アメリカの経済ナショナリズムを薄めることはできないようだ。

それは、国境管理の強化、関税の強化、移民制限の強化だけでなく、関税戦争、テクノロジー戦争、投資戦争、産業補助金戦争、データ戦争によっても特徴付けられるナショナリズムだ。世界的には、内戦(civil wars)が増加し(その数は約55件)、分離主義運動(secessionist movements)が増加し(約60件)、物理的に国を隔てる壁やフェンス(more walls and fences physically separating countries)が増えています(2019年時点で70件、1990年の4倍以上)。

この復活したナショナリズムは更に攻撃的な形で表現されている。ますます多くの政府や国民が、「私たちと彼ら(us and them)」、つまり、内部の人間と外部の人間との間の闘争の観点から考えるようになってきている。この偏狭で啓発されていない自己利益(narrow and not enlightened self-interest)への新たな焦点は、地球規模の課題に対処するために国際協力(international cooperation)が最も必要とされているまさにその時に、国際協力を犠牲にして行われた。

断片化には経済的なコストもある。WTOの研究者たちは、国際貿易が減少し、専門化と規模から得られる利益が減少する「1世界2制度(one world, two systems)」の未来では、長期的には実質所得が少なくとも、5%減少すると試算している。低所得国は所得が12%減少し、更に大きな打撃を受けることになり、中所得国や高所得国との融合という期待は損なわれることになる。IMFも同様の調査を行っており、貿易の細分化による世界的な損失は、GDPの0.2から7%に及ぶ可能性があると示唆している。技術的なデカップリング(decoupling)を考慮すると、コストが高くなる可能性がある。考えてみて欲しい。1970年代と1980年代には、アメリカとソ連間の貿易は両国の貿易総額の約1% にとどまっていたが、現在では、中国との貿易はアメリカの16.5%、EUの貿易の約20%を占めている。

これらの地殻変動による地政学的な影響により、世界は流動的、あるいは更に悪いことに、亀裂が生じ、分裂の危機に瀕している。私たちに固定的な忠誠心と揺るぎない同盟関係をもたらした古い世界的構造は、緊張に晒されている。新たな世界的な道筋が敷かれ、古い同盟関係が再評価されているが、特筆すべき例外としては、アメリカが大西洋横断安全保障協力(trans-Atlantic security cooperation)を復活させた拡大NATO(expanded NATO)がある。サリヴァンは現在、G20ではなくG7を「自由世界の運営委員会(steering committee of the free world)」と見なしている。しかし、それでは G180+は感動せず、表現されていないと感じている。そして、他の長期にわたる関係にも緊張がかかり、地政学的な状況には不規則で重なり合い、競合する取り決めが点在している。人々を団結させる新たな計画がなければ、セメントが固まるまでに私たちは10年間の混乱に直面することになる。

既に一極の束縛から解放された国々は、大国との距離を享受し、それを美徳としており、シンガポールを拠点とする学者ダニー・クアが「第三国家機関(Third Nation agency)」と呼ぶものを実践している。多くの場合、一時的な同盟だ。ゴールドマン・サックスのジャレッド・コーエンは、これらの国々を忠誠心が風前の灯火となっている、「スイングステイト(swing sates)」だと表現した。彼らは、インドのオブザーバー研究財団の理事長サミール・サランが「有限責任パートナーシップ(limited liability partnerships)」と名付けたものを形成することを好むが、これは、それ自体、政治学者がミニラテリズム(minilateralism)と呼んでいるものとは異なる形態であり、各国がグループとして集まり、目的を達成することを目的とするものではない。長期的な共通の目標は追求するが、短期的な経済的利益や安全保障上の利益は追求しない。

インドを例に挙げてみよう。インドは現在、ヒンズー教ナショナリズム(Hindu-nationalism)、権威主義(authoritarianism)、宗教的不寛容(religious intolerance)を支持する指導者によって統治されている。しかし、インドとアメリカが共有する価値観、つまり民主政治体制と信教の自由への支持が弱まるにつれ、両国の共有する物質的利益、特に中国との関係は今のところ強くなっている。インドのナレンドラ・モディ首相は、アジアにおける中国の影響力拡大を懸念しながらも、アメリカとロシアを互いに相手にし、武器契約や有利な貿易協定をめぐって両国を争わせている。

次にインドネシアについてだ。ジャカルタが主要な鉱物資源であるニッケルを管理する中、資源ナショナリズム(resource nationalism)が議題となっている。しかし、インドネシアの資源ナショナリズムは、ニッケルだけでなく銅やその他の鉱物の主要購入者同士が対立することも意味する。あるいは、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などの国々が、アメリカ、中国、ロシアの全く異なる利益を利用して、アメリカのインド太平洋への軸足を利用している中東について考えてみよう。

しかし、一度限りの貿易・安全保障協定や、敵対味方の関係で国家を獲得できるのは今のところ限られている。彼らの経済の将来は、その時々の都合に合わせた場当たり的で日和見的な取引よりも、安定した国際システムに依存している。各国はそれぞれ異なる理由から、古い日和見主義(opportunism)ではなく、新たな多国間主義を必要としている。

アフリカには、鉱物資源だけでなく、未開拓の市場や労働力、そしてアフリカの関与なしには気候危機に対処し克服することはできないという認識からもたらされる新たな交渉力がある。改革された多国間システムの中心に、アフリカを近づけること(G20でのより大きな役割、世界銀行とIMFでの代表強化、新たな気候変動金融の受益者)は、大陸全域に国々を強制するよりも優れた、より永続的な解決策である。中国、ロシア、アメリカのいずれかを選択する。

実際のところ、これらの各ブロックは、ヨーロッパと同様に、国際機関を通じた多国間調整から恩恵を受けるだろう。ヨーロッパ各国には、理由は異なるにせよ、中国との貿易を維持したい理由がある。ドイツは製造業の輸出を維持するため、フランスは戦略的自律性(strategic autonomy)の考えを推進するため、東ヨーロッパは一帯一路構想への依存のため、イベリア諸国はラテンアメリカとのつながりがあるため、最大の貿易相手国との関係を断つことを望んでいないため、ヨーロッパもアメリカと中国の間で圧迫されることを望んでいない。そして、アメリカは中国を穏健にするために、ヨーロッパを必要とし、中国もヨーロッパを使って、アメリカを穏健にする必要があるため、ヨーロッパはおそらく認識しているよりも多国間主義を擁護する強い立場にある。

より安定した多国間主義を促進することは、アフリカ、中東、ヨーロッパだけの利益ではない。世界的により効果的になるためには、アメリカが自ら創設し主導してきた国際機関に対する偏見を失うことから始めなければならない。それはなぜか? それは、古いヴァージョンのパックス・アメリカーナの誘惑は、もはや世界の他の国々をアメリカの力に応じるように誘惑するほど強力ではないからだ。しかし、アメリカを中心とした新たな多国間主義であれば、その可能性はある。それが十分な理由でないとすれば、中国の世界安全保障抗争は、ワシントンにとって警鐘を鳴らすものであり、二国間や地域的な構想にとどまらない手を差し伸べるよう呼びかけるものとなるだろう。

私が長年かけて気づいたことは、例えば、IMFや世界銀行の理事会において新興諸国の経済力の向上を認識し、これらの機関の資本を増強するために改革が緊急に必要とされているときでさえ、アメリカには、「物事を先延ばしにする(dragging its feet)」習慣があるということだ。世界的な制度を刷新し、国連での膠着状態を終わらせるよう求める声が、イギリスなどの最も近い同盟国からも高まっているにもかかわらず、ワシントンが沈黙していることがあまりにも多く、その理由はほぼ確実に、一極世界の考え方が定着してからもずっと存続していることである。時代錯誤的で、素朴ですらある。ほとんどの加盟国が痛感しているように、根本的な改革を先行させなければ、このような制度は発展しない。しかし、今日、アメリカには、そのような改革を進める力を持っていない。

このことについて考えてみて欲しい。アメリカがあまりにもしばしば一極時代の古い考え方に囚われているため、バラク・オバマ政権が中国を封じ込めるために創設した貿易協定そのものである環太平洋経済連携協定(Trans-Pacific Partnership、TPP)から離脱した。アメリカが中国を排除することを構想していたグループが現在、中国を参加させるよう圧力を受けているのは実に皮肉である。太平洋に軸足を移したアメリカが、大陸最大の貿易パートナーシップの一部となるのは理にかなっている。しかし、自らが設立し管理していないクラブには加盟しないという印象を与え続けている。そして、その同じ一国主義的な考え方が、対アフガニスタン連合を形成した同盟諸国との実質的な協議なしに命令されたアフガニスタン撤退の失敗につながった。

アメリカは自らを空売りしている。一極世界を主導した国は、同盟国に属国(vassals)であるかのように命令を下すのではなく、同盟国として説得することで、多極世界でも主導することができる。協力の力によってのみ、アメリカが多国間秩序(multilateral order)を擁護し、各国に多国間秩序の支持を求めるという、不可能なことを企てること(square the circle)ができる。ワシントンは、もはや首尾よく押し付けることができなくなっても、首尾よく提案することができる。そしてもしそうすれば、世界の大半が今もリーダーシップを期待しており、今後もリーダーシップを発揮したいと望んでいる国アメリカは、活性化した多国間主義のもとに世界の大多数を結集できる唯一の国となるだろうし、そうするだろう。グローバルな機関を通じて、グローバルな問題に対するグローバルな解決策を提供する。

2つの結論が導き出される。アメリカは世界中で同盟を構築し、各国を参加させるのに時間がかかる必要がある。慇懃なる無視(benign neglect、訳者註:通貨当局が為替相場の変動を静観すること)は問題の無害な説明である。たとえば、過去100年間に米大統領が訪問したのはアフリカ54カ国中、20カ国に届かない。私たちは彼らにレッテルを貼るのではなく、昔ながらの陳腐なレンズを通して彼らを見るのではなく、対等な立場で彼らの話を聞き、彼らとの共通の原因を見つけなければならない。私たちは、西側諸国が発展途上国に説教するだけではなく、共通の世界的大義のパートナーとしてサインアップしなければならない世界について考える必要がある。

そして第二に、もしアメリカが、自らが創設に大きな役割を果たした国際機関への歴史的な支持を新たにすれば、中国のハッタリは通用しなくなるだろう。そうなれば、習近平は、国連、IMF、WTO、WHOへの支持を含む国際秩序を守るか、自身の世界安全保障構想が真実ではなくプロパガンダに基づいていることを認めるかのどちらかを迫られることになる。

「新世界秩序(new world orders)」の歴史的な運命は、読んでいて憂鬱になることが多い。

1815年、1918年、1945年の新世界秩序は、世界構造の変化が戦争や崩壊の後にのみ起こる傾向があることを示している。実際、1990年は米大統領ジョージ・H・W・ブッシュ大統領によって歓迎された。ブッシュ大統領は、冷戦の終結とともに「新世界秩序(new world order)」の始まりを宣言した。実際には、それは歴史が十分に決定的な方向に転換しなかった転換点だった。ドイツはドイツの統一を望み、ドイツのことだけを考えていたと主張することもできるだろう。フランスはヨーロッパの統一を通じてドイツを封じ込めたいと考えており、フランスのことだけを考えていた。そして、アメリカはNATOとその指導力を維持したいと考えており、アメリカのことだけを考えていると主張した。屈辱を与えられたロシアは決して新世界秩序に組み込まれることはなかった。そして、変化が議題に上っているこの瞬間に、中国、インド、そして発展途上国が将来果たす役割についてはほとんど考慮されていなかった。

気候変動や私たちが経験している地殻変動(seismic shifts)に始まり、私たちが現在直面している存在にかかわる課題は、私たちの足元で岩盤が変化し(bedrock shifts)、国際的な枠組みが再び作り直されなければ衰退してしまうという、まれな世界的瞬間を生み出している。1940年代に組み立てられた国際構造は、より経済的に統合され、より社会的に相互接続され、地政学的に相互依存する(geopolitically interdependent)世界において、世界的な相互依存(global interdependence)によって、全ての国の独立が認められる2020年代のニーズに合わせて再考されなければならない。全く新しいパルテノン神殿を建設することはできないかもしれないが、アクロポリスの廃墟でキャンプをすることを避ける方法を見つけなければならない。それを避けるためには、変化が伴わなければならない。

金融危機の波及(financial contagion)が常にリスクとなり、グローバルサプライチェーンがかつてないほど国や大陸を結びつけている世界では、各国を従来のように、つまり各国が単独で十分な存在として見ることはできない。むしろ、ネットワークと関係の網の一部として見るべきであり、一国からの波及効果が他の国に壊滅的な影響を及ぼす可能性がある。したがって、IMF はもはや、個々の国が国際収支危機に陥ったときに行動を起こすのを待つ機関ではなく、危機の予防と解決に携わらなければならない。そして、将来の不況を未然に防ぐために、IMF のグローバル監視部門は、金融安定理事会および国際決済銀行(Bank for International Settlements)と協力して強化され、世界経済を脅かす全てのリスクの監視と報告を行う必要がある。

世界銀行は、人的資本と環境管理の両方に重点を置くグローバルな公共財銀行にならなければならない。そして、世界銀行がこれらの役割を果たすには、現在の支出の3倍にあたる年間約4500億ドルの資金が必要になるため、活力あふれる、新総裁アジャイ・バンガは改革の過程で、アメリカの支援を必要とするだろう。さらに、株主たちは、銀行の低所得者向け施設と中所得者向け施設の統合、保証、融資、補助金の利用における革新、そして銀行を民間投資を動員するためのプラットフォームとみなすなどの改革に、より多くの資本を割り当てることに同意しなければならない。

1940年代から1990年代にかけて、WTOは合意に基づいて機能し、しばしば苦痛を伴う交渉と不安定な妥協を経てきた。1990年代半ばのWTOの新自由主義的再編以来、そして50年の間で初めて、世界貿易協定は成立していない。そして、広く尊敬されている事務局長のンゴジ・オコンジョ=イウェアラの下では、最も規制の少ない貿易分野、つまりサーヴィス、データ、情報技術全般を扱うには、外交と改革された控訴制度への更なる重点化が不可欠となるだろう。そして、インターネットだけでなく、人工知能における自由奔放(free-for-all)の危険性から生じる規制や倫理的な問題に対処するために、新たな国際的枠組みを構築しなければならないだろう。

新型コロナウイルス感染拡大の余波の中で、アメリカの中規模病院3つに相当する予算を持つWHOを真剣に検討する者なら、今や、拡大し続けるリスクリストに立ち向かうために十分な資金が不可欠であることを過小評価することはできない。G20は他の175カ国をより代表するようになり、年次会合の合間にも存在できる適切な事務局を設立し、世界の最貧地域で相互に関連する危機にもっと注意を払う必要がある。

そして、国連は進化しなければならない。ロシアが、独占的な安全保障理事会内で戦争犯罪、大量虐殺、人道に対する罪を処罰することを含む、全ての問題で拒否権(veto)を握っている限り、国連全体が無力化される(frozen into inaction)可能性がある。拒否権の権限を削減または廃止することで、安全保障理事会を改革できない場合、アメリカは国連総会とその193カ国が、より責任あるリーダーシップを発揮するよう促すべきだ。

少なくとも、アントニオ・グテーレス国連事務総長の熱心なリーダーシップの下、国連の平和維持活動の改革は達成され、世界中で増加する難民や避難民のために年間410億ドル必要でありながら、必要な額の半分以上が支給されることのない人道援助予算をより適切に提供する方法を構築することができる。出発点は、気候変動対策、パンデミックへの備え、人道的取り組みに十分な資金を提供するための負担分担協定をワシントンが提案し、推進することだろう。特に、今年ドバイで開催される国連気候変動会議では、巨額の臨時利益の恩恵を受けている中東の石油産出諸国は、過去および現在の炭素排出諸国に加わり、低・中所得国に必要な緩和と適応に資金提供すべきである。

アメリカのこうした改革アジェンダは、多国間主義を軌道に戻す可能性がある。国際関係論分野の学者たちは、トゥキュディデスの罠(Thucydides trap)についてよく語る。トゥキュディデスの罠は、紀元前5世紀にアテネがスパルタに挑んだのと同じように、台頭する大国が定着した覇権国に挑むというものだ。しかし、スパルタが負けたのはアテネの力によるものではないし、実際の戦争ではスパルタはアテネを破ったということを忘れがちだ。その数年後、アテネより小さな国々がスパルタの覇権を破壊し、スパルタは敗北した。

ますます中国に注意関心を持っているアメリカにとって、ここに教訓がある。しばらくの間、アメリカが最大の競争相手に打ち勝つ能力は計算され、証明される。あまり注目されていないのは、アフリカ、アジア、ラテンアメリカ、中東におけるアメリカの影響力の喪失による影響である。アメリカは中国との戦いに勝つかもしれないが、そうすることで世界からの支持獲得戦争に負けることになる。

アメリカにとってはるかに良いのは、世界秩序の再構築を主導することであり、この点ではアメリカが最善の策を持っている。ワシントンが世界規模の解決策を必要とする世界規模の問題に十分大胆に立ち向かうことができれば、北京の影響力拡大にそれほど執着する必要はないだろう。その代わりに、中国は決定的な選択に直面することになるだろう。アメリカが望んでいるように、アメリカと協力するか、国際協力や世界機関の重要性について語りながら「中国第一(China first)」政策にしか関心がないことで暴露されるかだ。今日、中国は世界の先導者(global beacon)となるために必要な関心は持っているが、価値観を持っていないように見える。アメリカは価値観を持っているが、現状では十分な関心を持っていない。価値観は一夜にして変わることはないが、利益は変わる。アメリカよ、君たちの番だ。

※ゴードン・ブラウン:イギリス元首相、国連の国際教育特使。ブラウンは、モハメド・A・エラリアン、マイケル・スペンス、リード・リドウと共著で『長期にわたる不安定な状況:破壊された世界の修理計画(Permacrisis: A Plan to Fix a Fractured World)』を執筆した。

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(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 第二次世界大戦後から1991年のソヴィエト連邦崩壊まで、アメリカとソ連は激しく対立した、資本主義と共産主義というイデオロギー上の対立から、世界各地で代理戦争が勃発した。しかし、同時に、米ソは直接戦うことはなく、核戦争の危機を回避するために、米ソ両国の首脳はホットラインを設置し、核兵器削減のための枠組みを構築した。冷戦期は、「長い平和(Long Peace)」という評価もある。

 冷戦後は、冷戦に勝利したアメリカの一極(unipolar)支配状態が続いたが、21世紀に入り、アメリカ支配への反発(ブローバック)が起き、アメリカはテロとの戦争(war on terror)の泥沼にはまり込んだ。そして、中国の台頭という新たな局面にも直面している。中国の台頭は、世界構造を「西側諸国(the West、ザ・ウエスト)」対「西側以外の国々(the Rest、ザ・レスト)」の対立構造へと変化させた。これは、グローバルノース対グローバルサウスの対立と言い換えることもできる。現在は、米中両国による新冷戦時代へ突入しつつあるという見立てがある。これは正しい見立てということになる。米中による二極(bipolar)構造、G2体制が形成されつつある。

 ここで重要なのは、米中が直接戦うことがなく、世界大戦も核戦争も起きなかった、冷戦期から教訓を引き出すことである。米中両国の直接の戦い、熱い戦い(hot war)を防ぐことが何よりも重要だ。

 下記論稿の著者アジーム・イブラヒムは、中国が中国であることが理由による敵意を高めず、協力の可能性を追求することが重要だと指摘している。しかし、同時に、西側諸国は、中国に対して過度に依存することなく、戦略的物資供給や技術独立を重視しなければならない。中国に対する抑止力のバランスや明確な交戦規則が重要であり、中国による民主国家への不干渉が、中国との共存に不可欠だとしている。米ソ冷戦時代のように、熱い戦争を避けるため、冷静な判断と宥和を選択すべきであるとしている。

 米中関係は相手の意図を読み取り、コミュニケーションを途切れさせず、世界の諸問題や衝突を深刻化させない、エスカレーションさせないという協力の枠組みが必要だ。アメリカが国力を減退させ、中国が国力を増進させる中で、長期的に見れば、米中逆転が起きる可能性は高まっている。そうした中で、アメリカによる一極支配から米中による二極構造へと変化していく。そうした中で、世界が戦争を避けるために、冷戦時代に培った教訓を活かす時期が来ている。

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新たな冷戦には独自のルールが必要となる(A New Cold War Needs Its Own Rules)

-中国との衝突は避けられないが、コントロールは可能だ。

アジーム・イブラヒム筆

2024年6月6日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/06/06/china-cold-war-rules-competition/

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ワシントンのホワイトハウスで中国の習近平国家主席とのヴァーチャル会談に参加するジョー・バイデン米大統領(2021年11月15日)。

ソヴィエト連邦との冷戦の記憶は薄れつつある。多くの人は、中国と新たな冷戦が始まるという考えや、差し迫った核による絶滅の脅威(threat of imminent nuclear annihilation)が頭上に漂う世界に戻っているという考えに躊躇(ためら)いを抱いている。専門家の一部は、中国との貿易から戦略物資を削減する取り組みは行き過ぎだと考えている。

残念なことに、多くの人が、中国の人権侵害や地政学的な挑発に対して、それらに対処することで、世界の国々が統合されている貿易関係が混乱することを避けることと求めており、何の影響も発生しないことを望んでいる。

サルマン・ラシュディやシャルリー・エブドに対して団結し、そして今度は再びイスラエルに対しても立ち上がったイスラム世界ですら、中国に対して沈黙を選択している。西側諸国に住む私たちが、同じように宥和を求める圧力(same pressure to appease)から免れているなどと想像しないで欲しい。

新冷戦に代わる選択肢が、激戦であるならば、前者は後者よりも限りなく好ましい。これha,

私たちが直面している二分法(dichotomy)だ。戦争を回避するということは、中国の野望と戦うために何が必要なのかという現実を受け入れることを意味する。

中国とワシントンが、特に世界市場(global markets)で競争するのは当然のことだ。競争は建設的である場合もあれば、破壊的な場合もある。技術的および経済的な競争は、誰にとっても良い結果となる可能性がある。たとえば、アメリカとソ連の間の宇宙開発競争(space race)は、科学技術における恩恵だ。これとは対照的に、戦争は当然、私たち全員をより貧しくさせ、安全性を低下させることになるだろう。

台頭する大国が衰退する大国に遭遇すると、常に暴力が発生する可能性がある。大英帝国とアメリカの間の覇権(hegemonic power)の譲渡のような友好的な移行(transfer)はまれだ。 1990年代の活気に満ちた時代、更には2000年代においても、中国の台頭により中国がアメリカの敵ではなくパートナーになる可能性があるように思われた。ナイオール・ファーガソンのような著名な歴史家は、リーダーシップを共有する世界的な双子である「G-2」と「チャイメリカ(Chimerica)」について語った。これは中国の一部の人たちに受け入れられている考えだ。

しかし、そうした世界は、中国共産党(Chinese Communist Party、CCP)において、習近平が政権を掌握した2012年に終焉を迎えた。習近平は、中国が地球上で最も強力な国になる運命に揺るぎない信念を持ち、西側諸国に対する復興主義者の熱意(revanchist fervor)を持った漢民族至上主義者(Han supremacist)である。習近平は、他の最近の中国指導者よりも、この国の「屈辱の世紀(Century of Humiliation)」について中国の学校で教えられた教訓を吸収してきた。中国の教科書によると、この期間は、第一次アヘン戦争から中国共産党が権力を掌握するまでの期間のことである。この時期、西側諸国は中国の首を絞め続けた。

今日、再び熱い戦争が起こる可能性があるが、それに対しては冷戦がより良い選択肢だ。

習近平の中国共産党総書記(CCP general secretary)への昇格が実現したとき、中国政府は容赦ない地政学的競争の道を選択した。おそらく一部の前任者とは異なり、習近平は、既存のグローバル化した自由主義秩序(incumbent globalized liberal order)内での必然的な中国権力の台頭が中国の「正当な立場(rightful standing)」にとって十分であるとは考えていない。米大統領ジョージ・H・W・ブッシュ、ビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュは皆、中国がグローバル化した世界経済の中心となる未来を予見し、黙認したが、その中で、アメリカは引き続きこの世界秩序のハードパワーの執行者であった。習近平は、そのような取り決めは中国の力と潜在力に不当な制約を課すものだと考えている。

言い換えれば、習近平は、前任者たちがそうしたように、アメリカが制定し強制する世界秩序が、中国の必然的な成功への道であるとは考えていない。むしろ、彼はそれを、挑戦しなければならない束縛(straitjacket)だと考えている。彼は同じように世界的にアメリカの力に挑戦したいと考えている。彼はウクライナでも同様のことを行っており、ロシアの軍産基盤を支援し、モスクワの侵略を非難することを拒否している。習近平はまた、ハマス、ヒズボラ、その他の代理勢力を通じて中東に大きな不安定化をもたらすテヘランの影響を考慮し、中国がイランの石油の主要顧客となり、イランの軍事近代化を支援している。習近平は、アメリカに対抗して深まりつつあるイランとの連携を維持するため、フーシ派反政府勢力(Houthi rebels)を巡る航路など共通の利益を犠牲にする用意がある。

もちろん、中国が自国の再建を可能にした貿易から利益を得ることを依然として望んでいるため、その全てが常にそうであるとは限らないが、現在の国際秩序の規範や制度が、中国共産党の気まぐれや企みを制約する可能性がある場合には、習近平の提唱している「チャイニーズ・ドリーム(Chinese Dream)」を確保するために、その全てに挑戦しなければならない。

現在の国際的な制度的秩序は、中国共産党だけでなく、グローバルイーストとグローバルサウスの大部分の動機ややり方と衝突する価値観や規範を前提としている。西側の偽善は、確かにそれらは偽善ではあるけれども、中国のレトリック攻撃に対して危険なほど脆弱になっている。アメリカによる、悲惨かつ誤った戦争の真最中にあるイスラエルへの支援により、アメリカの立場は世界的に弱体化している。アメリカ主導の秩序と協力してきた長い歴史を持つインド、パキスタン、インドネシアを含む第三世界の国々は、最近の国連総会での投票結果が示しているように、中国が西側の行動を牽制できるようになる、多極化世界を非公式に、あるいは公然と応援している。中国のソフトパワーは、残忍な人権侵害に対する抗議活動をかき消すほど遠く離れた北京において仲介された、サウジアラビアとイランの国交回復合意などの成果を上げている。

現在の中国共産党を支配している世界観は、西側諸国との対決、そして西側諸国が第二次世界大戦後に構築し、冷戦終結時に作り直した国際統治システムの転覆、占領、破壊に取り組んでいる。

西側諸国の指導者たちは、この現実を認識し、世界システムとその価値観に対する攻撃に適切に対応することができる。理由が何であれ、彼らがそうしないことを選択した場合、それは紛争の、善意による回避とはならない。それは、弱みを察知し、更なる要求をするだけの危険な権威主義体制に対する宥和(appeasement)に過ぎない。中国がより強力になり、抑制力を失っていることで、熱戦のリスクが増大している。

中国自体も、道徳的にも戦略的にもより強硬な姿勢を正当化するほどの深刻な国内課題に直面している。最近の中国共産党中央委員会政治局(Politburo)の粛清、景気低迷、信用危機、企業や資本逃避(capital flight)の取り締まりにより、中国は特に制裁に対して脆弱になっている。習主席は久しぶりに、アメリカがいくつかの重要な難題、特に半導体への技術禁輸問題を解決し、アメリカ企業の中国からの投資引き揚げの流れを逆転させることを求めている。西側諸国は譲歩(concessions)を強要し、中国の軍事技術を後追いの状態においておけるだけの影響力を持っている。

中国との新冷戦は、紛争と競争を確立された範囲内に厳密に制限し、真の紛争に波及する可能性を制限するだろう。ソ連に対する冷戦から私たちが学べる貴重な教訓がある。

第一に、冷戦は慎重に行われた熱戦であるかのように語られてはならない。中国政府の敵対的な立場を認めて適切に対応することと、中国であるという理由だけで中国に対する敵意を高めることにイデオロギー的に関与することは別だ。冷戦が示すように、一般的な正反対の対立の中には、アメリカとソ連がポリオワクチンで協力している場合でも、現在中国と気候変動やパンデミックで協力している場合でも、協力の例が含まれる可能性がある。これは、世界の人権や国際秩序に対する中国の攻撃に全面的に従うことを要求するものではなく、問題を慎重に切り離し、独自のスペースを作り出すことを要求するものだ。

1990年代と2000年代の経験が示すように、アメリカと中国の間で協力は可能だった。将来の中国政権が西側諸国およびルールに基づく国際秩序(rules-based international order)とのより友好的で協力的な関係を選択できるよう、私たちは扉を開いたままにしておくべきである。習近平が権力を握っている間に、これが起こる可能性は低いが、中国が現在の行動を撤回する限り、西側諸国はそれが可能であるとシグナルを送り続ける必要がある。

中国はソ連ではない。ソ連のように、戦争の失敗や軍拡競争によって経済的に挫折することはない。モスクワに対して有効だった解決策は、中国に対しては有効ではないかもしれない。それは、特に北京もまた、冷戦に関する歴史書を読むことができるからだ。

しかし、私たちが長期に​​わたる紛争に陥っているという現実を考慮すると、戦略的物資供給(strategic supplies)を中国に依存しないことが絶対に必要となる。中国はアメリカの技術から戦略的に、特に軍事的に独立するために、最善を尽くしている。西側諸国も同様に、中国の技術、バリューチェイン、製造業の戦略的独立性を発展させなければならない。西側経済と防衛力に対する、非対称的なレバレッジは災厄を招くことになる。抑止力の安定したバランスにより、ソ連との対決中に大惨事は避けられた。中国に対してもまたそうなる可能性がある。

紛争から抜け出す道を提供すること(providing a path out of conflict)は、この新たな競争において何が許容され、何が許容されないか、そして最終的にどのようなステップが紛争につながるのかについて明確な一線を引くことを意味する。曖昧さがあるとエスカレーションが起こる。エスカレーションはすぐに手に負えなくなる可能性がある。民主政治体制国家への不干渉により、中国は受け入れ可能な世界的パートナーとなり、無数の敵対的な国家行動にもかかわらず、アメリカとの共存が可能になるだろう。経済戦争やサイバー戦争(economic and cyberwarfare)といった現在の敵対行為、特にイギリス選挙管理委員会やアメリカ軍施設などを標的とした行為には、長期にわたるエスカレーションのリスクが伴う。しかし、西側諸国は、これらの犯罪行為を非難以上にエスカレートさせるつもりはないことを既に示しており、おそらくそれが私たちにできる最善のことである。

これまでのところ、戦略的曖昧さ(strategic ambiguity)が唯一明確に機能している例は、台湾に対するアメリカの立場である。そしてその場合、台湾に間違った動機を与えたり、無用な不安を煽ったりしないように、政策を維持することができる。しかし、それ以外の場合は全て、アメリカが中国の何らかの行動を懸念するのであれば、その懸念を明確に説明し、一線を越える場合に、どのようなコストを課す準備ができているかを事前に正確に述べるべきだ。明確な交戦規則(clear rules of engagement)は冷戦時代の紛争管理に有益だった。それらは新冷戦にも役立つだろう。

このような見立ては西側の人々の懸念を掻き立てることだろう。それは、私たちの思考と内省を研ぎ澄ますはずだ。しかし、宥和は有益な選択肢でも道徳的な選択肢でもない。私たちは、直接的な軍事衝突、つまり熱い戦争への不必要なエスカレーションを避けるために必要な行動について、冷静に判断しなければならない。

冷戦は恐ろしい時代だった。しかし、私たちが思っているよりもうまく管理されていた。戦争は避けられた。熱い戦争はなかったし、現在もあってはならない。実際、中国は冷戦時代のソ連のように激しい代理戦争(proxy wars)に資金を提供してはいない。中東におけるイランの植民地獲得の野心やソ連のイデオロギー闘争とは異なり、中国の目標はより独善的であるが、恐ろしいほど偽りのないものである。

そして、少なくとも、その意味では、政府、学者、軍隊内の「冷戦の心性(Cold War mentality)」は、本能的な宥和、あるいはその恐ろしい2つの要素、制御不能なエスカレーション(uncontrolled escalation)を避けるためにまさに必要なものなのかもしれない。私たちは、この新冷戦を正確に把握し、それに応じて行動する準備をしなければならない。

※アジーム・イブラヒム:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。アメリカ陸軍大学戦略研究所研究教授。ワシントンのニューラインズ戦術・政策研究所部長。著書に『過激な起源:なぜ私たちはイスラム過激派との戦いに敗れつつあるのか(Radical Origins: Why We Are Losing the Battle Against Islamic Extremism)』と『ロヒンギャ族:ミャンマーの隠された大量虐殺の内側(The Rohingyas: Inside Myanmar’s Hidden Genocide)』がある。ツイッターアカウント:@azeemibrahim

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 古村治彦です。

 私は常々、子供の頃に見たアニメ「トムとジェリー」の言葉で、「仲よく喧嘩しな」ということが米中関係のみならず、外交関係においての基本だと考えている。人間関係でもそうだが、この「仲よく喧嘩する」はなかなか難しい。自分の方が優位に立とうとして、結局、言わなくても良いことを言ってしまい相手を深く傷つけ、関係を壊してしまうということが起きる。これは友人や知人関係だけでなく、家族関係も起きることだ。

 個人間の関係ならば、連絡をしないとか訴訟をするとかその程度で済むが、国同士の関係となると、国交断絶や戦争ということになれば、犠牲となる人間の数は格段に多くなる。従って喧嘩はしても良いが、決定的な断裂を招くようなことはしない、ということが重要になる。中国の歴史書やヨーロッパ近代の外交関係史はそのことを教えてくれている。

 ヘンリー・キッシンジャーが現在の米中関係について、お互いの非難合戦がエスカレートして取り返しがつかないようにするために「制限を設ける」ことを提唱したということだ。キッシンジャーは国際関係史、特にヨーロッパの歴史の専門家であり、第一次世界大戦のような人類史上初の長期にわたる総力戦が勃発した経緯については熟知している。

 そのキッシンジャーが米中関係の悪化に懸念を持っている。米中間の新しい冷戦(new cold war)という言葉も出て来ている。冷戦は米ソ間の共存という方向に進み、一面では「長い平和(long peace)」ということになった。もちろん、朝鮮半島やインドシナ半島の人々は長期にわたり戦争の厄災に苦しんだ。しかし、米ソ間の直接の戦争は起きなかった。

 米中間での新冷戦も米ソ間の冷戦と同様に直接戦争にならなければよいが、代理で戦争をさせられる国はたまったものではない。アメリカはインド、オーストラリア、日本を使って中国を封じ込めようとしている。アメリカは中国と直接対決するのではなく、これらの国々を使って、キャンキャンと吠え掛からせようとしている。

 アメリカが世界で唯一の超大国であり、警察官であるという構造は終わりを告げた。世界に自国のデモクラシーと資本主義を輸出するというおせっかいな正義感も終わりを告げることになる。今回の大統領選挙一つを取ってみても、デモクラシーの総本山、本家家元の国があの体たらくである。そんな国がデモクラシーの自由のと威張ってみても、「欠陥商品を押し売りするんじゃねぇ」と馬鹿にされるのが関の山だ。

 話が散らばってしまって恐縮だが、米中間は「仲よく喧嘩する」ことが重要である。

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ヘンリー・キッシンジャーはアメリカと中国に対して世界大戦に向かう脅威やリスクに「制限」をつけるように求める(Henry Kissinger Calls on U.S., China to Set ‘Limits’ on Threats or Risk World War)

ザカリー・エヴァンス筆

2020年10月8日

『ナショナル・レヴュー』誌

https://www.nationalreview.com/news/henry-kissinger-calls-on-u-s-china-to-set-limits-on-threats-or-risk-world-war/

ヘンリー・キッシンジャー元国務長官はアメリカと中国に対して、お互いに対しての脅威、もしくは世界大戦に向かうリスクに制限をつけるように求めた。

リチャード・ニクソン大統領の国務長官として、共産主義中国とアメリカとの間の関係構築を行ったことでキッシンジャーは高い評価を受けている。キッシンジャーは、米中両国の関係樹立の理由は中国の北方と西方で国境を接していたソヴィエト連邦に対する戦略的優位性を得るためとしている。

それから中国は世界第2位の経済大国となり、アメリカにとって最大のライヴァル国となった。両国の敵対関係はそもそも新型コロナウイルス感染拡大の初期から厳しくなっていった。現在97歳のキッシンジャーは水曜日、ニューヨークでの経済倶楽部においてヴァーチャルで講義を行い、その中で米中両国は両国間の争いに制限を設ける必要があるという警告を発した。

キッシンジャーは次のように発言している。「我が国の指導者たちと(中国の)指導者たちは脅威にまで進めないように制限について、そして制限をどのような内容にするかについて議論しなければならない。そんなことは全く不可能なことだという人もいるだろうが、もし不可能なままで推移すれば、第一次世界大戦に似た状況に陥ってしまうことになるだろう」。

キッシンジャーは、アメリカの政策立案者たちが「私たちに脅威を与える国が出てこないような経済世界を考えるべきだが、その目的の達成のために、他国が技術的な可能性を拡大することに対峙しその可能性を減らすような様式を採用するようにすべきではない」と説明した。

キッシンジャー元国務長官は過去にアメリカと中国との間の闘争の可能性について警告を発した。2019年11月、新型コロナウイルス感染拡大が起きる前に、キッシンジャーは北京でのある会合で両国は「冷戦の間際にいる」と述べた。

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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