古村治彦です。
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2025年7月20日に第27回参議院選挙の投票が粉割れ、開票作業が進んでいる。現在までのところの私の雑感を書いておきたいと思う。与党である自公は、非改選議席を合わせても過半数を確保できず、既に過半数割れとなっている衆議院と合わせて、少数与党となった。焦点は、自民党執行部の責任問題であり、森山裕幹事長の辞任で済むのか、石破茂総裁の辞任まで進むのか、ということになる。既に、前回の自民党総裁選挙で敗れた高市早苗議員が総理総裁を目指す姿勢を選挙戦終盤から見せていた。また、選挙直後には、麻生太郎元首相が率いる麻生派が集まり、麻生元首相が石破総理の責任を取り沙汰し、続投を認めないと述べたという報道が出た。自民党は政局となるだろう。
「自民党は支持層の一部の離反を止められなかった」という報じられ方をしているが、これは、故安倍晋三元首相を支持していた人々だ。こういった人々が支持したのが、国民民主党と参政党だ。今回の選挙では誰もが述べているが、国民民主党と参政党の大幅な議席増が見込まれている。それは当たり前のことで、自民党から流れていった、ネトウヨ的な、考えの足りない、空気に流されて自分の頭では判断できない有権者たちが流れていったに過ぎない。NHKの開票速報では、国民民主が14議席から21議席の獲得予想、参政が10議席から22議席の獲得予想となっている。現在、衆院では国民民主の会派が27議席、保守党が3議席となっている。この国民民主・参政勢力は自民党で高市早苗議員が総裁になったら支持するだろう。これもまた当たり前のことで、こうした勢力の支持基盤は故安倍晋三元首相を支持した人たちだから、こうした有権者を裏切ることはできない(少なくとも最初は)。国民民主は連合との関係もあるので、国会での首班指名で、少なくとも一回目は高市氏に投票しないとも考えられるが。これらの勢力と自民党の高市をつなぐのに、小池百合子都知事が絡むことも考えられる。高市首班となれば、衆院の解散総選挙ということもあるだろう。
故安倍晋三元首相の影響が今でも色濃く残る日本社会と政界ということが浮き彫りになった。岸田文雄、石破茂と自民党の保守本流の政治家たちが出てきて、小泉純一郎から安倍晋三へと続いた保守傍流、統一教会のようなカルトや日本会議と親和性の高い勢力が荒らしまわったこの20年近くの尻拭いをさせられた。しかも成果が出る前に厳しい状況に追い込まれた。
保守本流の要諦は「大国を治むるは小鮮(しょうせん)を烹(に)るがごとくす」というもので、「むやみにかき回して煮崩れを起こさない」ということから、「政治を行う際には、小さい魚を煮る時のように、むやみに動かしたりしないで自然に任せる」ということになる。小泉改革以来、日本で行われてきたのは、まさに「むやみに菜箸を動かして、煮崩れを起こさせる」ということだった。憲政史上最長の政権担当期間となった安倍晋三元首相は、その最たるものだった。その煮崩れた日本を何とかしようとするのは短期間では非常に厳しい。しかし、国民は、「煮崩れするほどの菜箸の動き」を求めた。小泉改革や安倍政権下での動きを熱狂的に支持した多くの有権者は、今回は(そして前回の選挙では)国民民主党や参政党の「分かりやすさ」に熱狂した。熱狂の行きつく先は失望と冷笑である。私たち日本国民は小泉政権以来の「自分たちの身を煮崩す菜箸の動き」の中毒になり、更に自分たちの身を傷つけることになる。
参政党の酷さについてはSNS上でずっと書いてきたので、ここでは繰り返さない。歴史を学び、歴史の事例から現状を類推する力を養っていれば、とても支持できるものではない。しかし、今回、多くの有権者が熱狂した。多くの有権者は与党のみならず、野党にも期待できないということで、参政党を支持したということになるだろう。私たちの日本社会は安倍晋三元首相が遺した毒が回り続け、彼に呪われたままの状況になっている。この毒を抜き、呪いを解く作業は多くの時間と失敗を要するだろう。しかし、それを私たちは我慢しなければならない。最低の守るべきラインを越えないようにしながら、少しずつでも進んでいくしかない。それに嫌気が差す人も出る。そして、極端に走るだろう。それで進まなくなることもあるだろう。しかし、私たちはそれでも一緒に進んでいかねばならない。
(終わり)

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』





























