古村治彦です。
昨年は初のリーグ優勝、そして日本一となった東北楽天ゴールデンイーグルスですが、今シーズンは9月18日現在で58勝71敗の勝率4割五分で、リーグ4位と低迷しています。やはり鬼神の働きを見せた田中将大投手がメジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースに移籍したことが大きかったようです。2年目の則本昂大投手がシーズン7完封と気を吐きましたが、やはり戦力ダウンは埋めようがないほどに大きかったようです。
昨年の日本一監督、星野仙一氏も今年は病気で戦列を離れ(その間は二軍監督の大久保博元氏が指揮を執りました)、その後復帰しましたが、チームの状況は好転せず、今シーズン限りでの退任を発表しました。
そこで、注目されるのは後任監督です。今のところ、大久保博元氏の名前が有力候補として挙がっていますが、その対抗馬として浮上してきているのが、元東京ヤクルトスワローズの選手と兼任監督を務めた、古田敦也氏の名前です。古田氏と言えば、楽天でも監督を務めた野村克也氏の薫陶を受け、理論派として知られ、選手としてはキャッチャーという守備面での負担が大きいポジションながら、首位打者を獲得し、2000本安打を達成しています。
下の新聞記事では、古田氏が楽天の次期監督の有力候補である理由を書いてありますが、これは私が本年1月に上梓した、『ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側』(PHP研究所)の第一章「ハーヴァード大学出身者の日本における人脈・最新版―「クリムゾン・クラブ(Crimson Club)」が動かす現在の日本」の内容に沿ったものです。
この章で私は、三木谷浩史楽天会長兼社長、平田竹男早稲田大学大学院教授、鈴木寛前参議院議員・元文部科学副大臣の関係とスポーツ界、特に桑田真澄元読売巨人軍投手と古田敦也氏との関係を克明に描き出しました。
竹中平蔵、新浪剛史、三木谷浩史といったハーヴァード退学に在籍した経験を持つ人々が日本を動かしており、その人脈を「クリムゾン・クラブ」と名付けました。クリムゾンというのは色の名前で、その色は三木谷氏が所有している、楽天、東北楽天ゴールデンイーグルス、サッカーJリーグのヴィッセル神戸の色、あのワインレッドのような色なのですが、ハーヴァード大学のスクールカラーなのです。
古田敦也氏も桑田真澄氏もこの人脈に連なる人々であり、新しい楽天イーグルスの首脳陣に名前を連ねる可能性は大いにあります。
詳しくは是非本を読んでいただきたいのですが、皆さまの知的好奇心と知識欲を満足させるお得な一冊です。ぜひよろしくお願い申し上げます。
(新聞記事転載貼り付けはじめ)
楽天後任監督候補に古田敦也氏 三木谷オーナーと太いパイプ
日刊ゲンダイ 9月19日(金)13時51分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140919-00000018-nkgendai-base
すでにデーブこと大久保博元二軍監督(47)が有力といわれている、楽天・星野監督の後任候補。
デーブが経営する野球塾に三木谷浩史オーナー(49)の長男が通っていたことで、2人には強いつながりができたのは有名な話。星野監督が休養した際、デーブが「監督代行の代行」になったのも、三木谷オーナー主導の人事といわれた。毀誉褒貶相半ばするイメージの強いデーブだが、球界ではその野球理論と指導手腕を高く評価する声が多く、代行の代行としても8勝9敗と5割近い成績を残した。
ところが、「そうスンナリは決まらないと思う」と、チーム関係者がこう続ける。
「菊池雄星に対する暴力行為騒動で西武を解任されたデーブを拾ったのが星野監督。デーブは感謝してもし切れない恩を感じています。星野監督を『オヤジ』と呼んでいる気持ちに偽りはなく、事実上の解任という側面のある今回の退団騒動で、その後釜に座れば、大恩ある星野監督を追い落としたというイメージがつきまとう。デーブはそれをよしとしないでしょう。最終的には三木谷オーナーの鶴の一声で決まるとはいっても、球団内には“デーブ監督絶対阻止”という一派もいます。特にデーブと某フロント幹部との犬猿の仲は有名ですからね」
■古田氏のブレーンには元楽天執行役員が
そこで浮上するのが、古田敦也元ヤクルト監督(49)である。古田氏と三木谷オーナーの関係は、実はデーブ以上に強固。04年の楽天の球界参入はそもそも、当時の古田選手会長が決行したストライキが道を開いたもので、それ以前から面識のあった2人はこれを境に一気に結びつきを強めた。
「ヤクルト時代からの古田のブレーンに、元民主党の鈴木寛前参議院議員がいます。三木谷オーナーはこの鈴木前議員の最大の支援者で、『すずきかんを応援する会発起人代表』を務め、古田もそのメンバーに名を連ねています。楽天と古田氏の関係でいえば、球界参入時に三木谷オーナーの右腕として球団立ち上げグループをまとめた元楽天執行役員も古田氏のブレーンのひとり。2人はトライアスロン仲間でもある。今年7月、04年のストライキから丸10年の節目を迎えたということで、当時の関係者が『同窓会』と称して都内で開いた集まりには鈴木前議員、古田氏、その執行役員も出席していました」(球界事情通)
この日、楽天の立花球団社長は星野監督の後任について、「白紙としか言えない。勝たせることができる人が一番。しっかり議論していきたい」と話したが、ポスト星野は三木谷オーナーの腹ひとつである。
(新聞記事転載貼り付け終わり)