古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:根尾知史

 古村治彦です。


 2023年4月9日に副島隆彦の学問道場主催の定例会を開催し、インターネット動画配信も開始しました。その関係で3月、4月にこのブログを更新することができませんでした。お詫びいたします。少しずつブログを再開してまいりたいと存じます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

 4月27日に根尾知史著『大恐慌と戦争に備えて 個人資産の半分を外国に逃がす準備を!』(秀和システム)が発売になります。根尾氏にとって2冊目の単著です。

daikyoukoutosensounisonaete001
大恐慌と戦争に備えて 個人資産の半分を外国に逃がす準備を!

  以下に副島隆彦先生による推薦文、はじめに、目次、あとがきを貼り付ける。是非参考にしていただいて、手に取ってお読みください。

 

(貼り付けはじめ)

推薦文 副島隆彦 

 いよいよ世界が、アメリカ発の大恐慌に突入しそうである。

3月10日に起きたカリフォルニア州のシリコン・ヴァレー・バンク(SVB)の破

綻(コラプス)で、世界が騒(ざわ)ついた。ヨーロッパに波及して、クレディ・スイス銀行が破綻しそうになった。これらの銀行の連鎖倒産の危機は一旦は、終息した。各国政府が公的資金(税金)を投入して救済したからだ。だが、この事態の鎮静は、数ヶ月しか保(も)たない。

ニューヨーク発の金融市場の崩壊が迫っている。このことは、金融、経済の動きに関心の

ある人ならば、十分に察知していることである。 

ウクライナ戦争も丸一年を越した。まだまだ戦闘は続く。たくさんの兵士、軍人が死ぬ。

だが、その一方で一時的な停戦(シース・ファイア)の交渉の途(みち)が開かれた。中国が仲裁(ミーディエイション)することになる。

この度、私の弟子、根尾知史君が、本書『大恐慌と戦争に備えて 個人資産の半分を外国に逃がす準備を!』を上梓(じょうし)した。迫り来る金融恐慌と戦争の危機から逃れるために、ある程度の資産家(金持ち)だったら、自分の金融資産を海外に逃がすことを本気で考えるだろう。そのための対策と情報がこの本にたくさん書かれている。

 金持ちは、何よりも自分と家族の命を守ることを考える。そのために、外国に高層住宅(タワー・レジデンス)を一戸確保しておくべきだ。いざとなって、外国に避難してもホテル住まいを何ヶ月も続けることはできない。だから外国に自分の住居を一つ確保しておくことは、今や富裕層の必須の知恵である。

大恐慌が起き、核戦争の危険が迫るとして、世界中で一体どこが一番安全か。自然災害(大地震)の可能性も否定できない。

どこが安全で安心できるか。それは東南アジアである。ここには核兵器は飛んで来ない。東南アジア地域(リージョン)は大国たちの激しい世界覇権(はけん)争いから外(はず)れているからである。

 これらの観点からも、この本の情報価値はきわめて高い。購入をお薦めする。

2023年3月17日

副島隆彦

=====

はじめに 根尾知史

 これから「大増税(だいぞうぜい)」の嵐(あらし)が襲(おそ)いかかってくる。この本を手に取ったあなたに、日本で資産を保有するすべての人たちに、私はいま、はっきりと「警告(けいこく)」する。

国家は、日本政府は、あなたたちを守ってくれない。日本の資産家と経営者の資産をすべて調べ上げている。最後のびた一文まで残らず、どこまでもがむしゃらに召し上げる。資産家であれば、皆、ひしひしと感じているはずだ。

政府は「召し上げる」のである。「国家のために、社会の福祉のために、正しい納税をしましょう」ではない。もうそのような次元ではない。国民の収入や資産は、国家の官僚、政府のお役人たちにとっての「収入源」である。だから「税収」は「売上げ」だ。これだけはゆるがない真実だ。まさに「年貢」のことなのである。

国家は、あなたを助けてくれない。それどころか、政府は、あなたたちの資産からどれだけ「税金」を取り上げられるか、ということしか考えていない。国民の資産を使って「国家」や「政府」そのものを守る。「国民」を守るのではない。「国家体制」を守るのである。

いま話題の「防衛費の倍増」の財源も、支払うのは私たち国民である。「税金」であれ長期の「国債」(国の借金)であれ、よくよく考えれば同じことだ。

 もしあなたが、今、「金(きん)」(ゴールドバー)を保有しているとしよう。ただそれだけで、政府から税金を取られることは、まだない。しかし、あなたは、金(きん)を買うときに納税の支払調書を提出させられる。あなたが不動産を保有していると、それだけで「固定資産税」を取られる。金も不動産も相続したときには、売って利益が出たわけでもないのに、そのときの時価で「相続税」を払わされる。誰もがこれで苦しむ。現金(キャッシュ)がないから借金をするか、せっかく引き継いだ資産を売り払って、税金を払わされる。

 あなたが生きているだけで、「都民税」や「県民税」「市民税」などの「住民税」を取られている。それから、「社会保険税(料)」も、生涯とられ続ける。いったい政府は「何重課税」したら気が済むのか。

 政府の役人、官僚たちは、あなたたち資産家の「収入」と「資産」に、寄生(きせい)している。国家予算のおよそ3分の1は、官僚、公務員、政治家その他、あらゆる公務に就く政府職員たちの給料だ。自分たちでは、何も生産することができない。「お金」を創

り出す(クリエイト)ことができる、というのはウソである。

 だから本当は、政府は、ムダなことはいっさいやめるべきだ。「必要最低限」の仕事だけをするべきである。これを「夜警(やけい)国家」という。

 国家の役割は、国民の安全を守るガードマン、夜間警備員(夜警)くらい目立たないもの

でいい。国の治安(ちあん)を維持する最低限度の仕事だけでいい。国民生活の安全と社会の治安を守ることだけが仕事である。それ以外のことに、無駄に「税金」を使うな。官僚や公務員たちは、過剰なサービスを増やすな。

 これが本当の「アメリカ建国の思想」である。この政治思想を「リバータリアニズム」( Libertarianism )と言う。アメリカ人というのは、本来、政府が巨大化し、巨大な福祉国家、巨大な軍事国家になって、そのために「重税国家」や「巨大借金国家」になることに徹底して抵抗する。これで、イギリスの植民地というくびきから脱出した。近代デモクラシーの独立共和政国家を建国した。

●大動乱は日本にも及ぶ

 しかし現在、アメリカのドルを中心とする「米ドル基軸通貨体制」は、世界からの信頼を急速に失いつつある。アメリカの世界覇権(はけん)が、目に見えて崩壊し始めている。これが今、私たちの目の前で本当に起きている。このことを、この本の後半部分で書いた。これからあと数年で、「米ドル」が中心だった世界の金融システムが大転換を起こす。この3月10日に、アメリカで16番目(全4178行[こう])のシリコンバレーバンクが「取り付け騒ぎ」を起こして倒産した。これが「終わりの始まり」だ。

 だから、西側先進諸国のエリート権力者たちは「グレート・リセット」という言葉を使うようになった。そのために、「第3次世界大戦」も辞さない。「ウクライナ戦争」と、これから「台湾」で仕組まれる軍事衝突である。それを、アメリカが仕掛ける。いまもアメリカが「軍資金」と「軍備」(武器、兵器、傭兵[ようへい])をウクライナに供給し続けている。だから、ウクライナ戦争はいつまでも終わらない。停戦交渉すらできない。

 さらに火に油を注(そそ)いでいるのはアメリカ政府である。アメリカは狂い始めている。

 だから、インドも中国も、ブラジルも南アフリカも新興大国の「ブリックス」(BRICS5ヶ国)もみな、ロシアに味方する。サウジアラビアやイラン、トルコなど中東の資源国も、東欧や中央アジア、東南アジア、南米の新興諸国も、どんどんまとまってロシアを支援している。

 「戦争」が始まると、「生活」の破壊と「人命」の犠牲が始まる。「資産」が奪われるどころではない。政府は、物理的な人間の「身体」や家や街や都市まで、私たちの「生活環境」そのものを奪い取る。

 「戦争」をするのは「国家」である。しかしその遂行(すいこう)資金は、私たち国民の資産である。そして、戦うのも、私たち国民である。政府は、「人命」までも、私たちから奪(うば)い取る。これが「戦争」である。

 あなた自身にも、あなたの子供にも、あなたの孫たちにも、「徴兵令(ドラフト)」は必ず届く。自衛隊だけが戦って、私たち日本国民を守ってくれる、のではない。あなたとあなたの子供たちと孫たちが自衛隊と一緒に、「国民兵」の1人になる。

 すでにウクライナでは、18歳から60歳までの、すべての男性ウクライナ国民に「徴兵令(ドラフト)」が届いている。しかもこれを決めたのは、昨年2022年2月24日の「開戦」の日である。ゼレンスキーがこの総動員令に署名した。

 だから、これを逃れようとして、大量のウクライナ人がウクライナから出国しようとした。スーツケースのなかに隠れたり、女装までした者もいた。しかし、すべて捕まって、家族と引き離され、ウクライナ国内に連れ戻された。そのまま、軍事訓練に送り込まれた。

 だから私たちは、甘い考えで、テレビやインターネットの、「反ロシア」の偏(かた)よったニューズ報道ばかりを見て鵜呑(うの)みにしてはいけない。日本から8000キロも離れた地球の裏側の遠い国の戦争ではない。次は日本が、同じ目に遭(あ)う。

 日本は、アメリカと中国の大きな対立の間(あいだ)に位置している。アメリカと中国が台湾をめぐって戦争を始める。そのときに必ず巻き込まれる。ウクライナ人と同じように武器と軍資金だけ渡されて、アメリカの代わりに、中国と戦争をさせられる。

 どうして、アメリカや政府のために、私たち国民が犠牲にならねばならないのか。もっとじっくりと、私たち日本人は熟考するべきである。

●地球上で最も安全な東南アジア

だからこれは、私からの「緊急提言」である。東南アジアの国々は、「いまの地球上で最も安全で平和な地域(リージョン)」である。東南アジアは、世界で唯一、どこからも核ミサイルが飛んで来ない。大国同士の戦争に巻き込まれない。それが「東南アジア」なのである。戦争による世界的な大破壊から、最も遠く離れているのが、「東南アジア」の国々なのである。

 東南アジアは、中国ともアメリカとも、両方を天秤にかけながら、適度に距離を保ちながら上手(じょうず)に付き合っている。欧米西側が遂行(すいこう)するウクライナ戦争にも深く関わっていない。

 東南アジアは、このきな臭い世界情勢のなかでも、特別に平和である。私は、昨年2022年6月に、コロナ規制が緩和されてから初めて、タイの首都バンコクへ渡航した。そのあと、本年の3月までに、タイとシンガポールそして香港へ、すでに合計で9回、訪問した。

だから私は、コロナ明けの、今の最新の東南アジアの現地の空気を、身体で体感している。

 東南アジアの国々は、政治的にも経済的にも、今とてもしっかりとまとまっている。アメリカとロシアの戦争である「ウクライナ戦争」にも振り回されていない。東南アジアの国々は、いまの地球規模の動乱のなかでも、平和に団結している。

 日本や欧米の西側先進国は、「コロナ給付金」のバラまきと資源の高騰(こうとう)で「超インフレ」を起こしている。経済がどんどん衰退している。東南アジアの国々は、そのなかでも経済成長を続けている。地球上でも、稀有(けう)な場所になっている。

 日本人はまだ、東南アジアの「知られざる実力」に、気づいていない。東南アジアには、大量の天然資源が眠っている。食料資源の生産力も世界トップレベルである。経済成長を続ける7億人もの人口がいる。何よりも、日本人にとって最も重要なことは、東南アジアの

国々は、根本的に「親日(プロウ・ジャパン)」である。これは大切な事実である。日本人は、アジアの人たちから尊敬されているのである。日本人が知らないだけだ。

 タイとマレーシアは、あと5年で「先進国」になる。シンガポールという特殊な都市国家を除いて、東南アジアで初めてである。もうすでに、タイの首都バンコクなど大都市では、ホワイトカラーのビジネスマンとして働くタイ人の給料は、日本人とほぼ同じレベルにある。

 タイの先にはベトナムがある。マレーシアもある。ベトナムの対岸には、フィリピンがある。さらに、マレー半島の先端には、すでに2007年に経済レベルで日本を追い抜いたシンガポールがある。

 そこからさらに、マラッカ海峡を越えてインドネシアまで続いている。さらにその先はオーストラリアであり、その先が、欧米白人の最後の「理想郷(ユートピア)」と話題のニュージーランドがある。

 タイやベトナム、フィリピン、インドネシアは「農業の国」である。そして、マレーシアとインドネシア、そしてフィリピンは「資源国」でもある。自国で天然ガスや石油、その他の重要な天然資源を産出する。

  ウクライナ戦争によって、エネルギーと食料の価格が急騰(きゅうとう)した。「燃料危機」と「食糧危機」が、同時に世界で引き起こされている。ヨーロッパやイギリスでは、電気やガス料金が数倍になって、ヨーロッパ人たちは、あっぷあっぷしている。

 日本でも、あらゆる業界の製造現場が、原材料費と燃料・光熱費の急騰で激しく圧迫されている。

 マレーシアの自国内では、ガソリン代は、今でも日本の半額である。

 タイではタイ米(ジャスミンライス)が、品質改良されてとてもおいしくなっている。1990年代に日本人が食べさせられた、あの「臭いタイ米」のイメージを、改めるべきである。

 それから、マレーシアの天然ガスは、2011年の東日本大震災で、日本中のすべての原発が一斉に停止されてから、輸入され続けている。日本国内の火力発電のためである。日本のマレーシアからの天然ガスの輸入量は875万トンで、オーストラリアに次いで2位、全体の14パーセントを占める(2021年)。日本の発電の大きな部分が、マレーシアからの天然ガスでまかなわれている。

 さらに、東南アジアの国々には、中国から流れ出る開発資金や技術、情報がどんどん注がれている。この事実も、これからの世界情勢を乗り切るうえで、非常に重要だ。

 東南アジア諸国は、今まさに、インドネシアを先頭に、中国を中心とする新しい世界の経済グループである「新G8」のメンバーに組み込まれている。

「新G8(ニュージーエイト)」とは、ブラジル、ロシア、インド、中国、というブリックス(BRICS)のなかの4大国。それから、東南アジア最大の経済力(GDP)を誇るインドネシア。中東で最もGDPが大きいイラン、それからトルコ。そして、中南米で着実に成長を続ける人口1億2600万人の経済大国メキシコである。「新興の経済大国8ヶ国」のことである。

 これらの国々は、購買力平価(PPP)で計算し直した実質の0 0 0 「GDP」(国内総生産、グロス・ドメスティック・プロダクト)で、すでに欧米諸国を抜いている。本当である。驚くべきことだが、これは事実(ファクト)だ。欧米や日本のメディアは、恥ずかしくて、嫌がって、取り上げない。

 しかしこれは、私たち日本にとって、とても重要な事態である。

●資産の半分を東南アジアに移す

 だからいまこそ、「東南アジア」へ、あなたの資産の半分を移すべきである。日本から一番近くて、資源が豊富で、平和で安全である。世界の戦争にも巻き込まれない。東南アジアの国々は、いまのこの世界的な大不況のなかでも、着実に、経済成長を続けている。「健全な成長インフレ」が続いている。

 それから、タイとマレーシアには地震がない。原発もない。台風も来ない。この2国にと

って、とても重要な利点だ。

 あなた自身とあなたの家族も、日本で何かあったら、さっと移れるようにしておくべきで

ある。「戦争」が始まったら、国家は容赦(ようしゃ)しない。東南アジアにすぐ家族で逃げられるように、「準備」だけはしっかりとしておくべきだ。

 日本国籍まで捨てなくてもいい。日本のパスポートは素晴らしい。しかし、外国でしばらく過ごせるように、海外に不動産を1軒、確保しておくべきである。購入してもいい。そうすると、他人に貸すことで家賃も入る。あるいは、「サービスアパートメント」といって、長期滞在用の上質のコンドミニアムが、タイやマレーシアの大都市にはたくさんある。家具や家電から食器まで揃っている。週2~3回の掃除とタオル、シーツの交換もしてくれる。着替えだけを持っていけば、数週間でも数ヶ月でも、そこで暮らせる。

 今すぐ逃げなくてもいい。しかしいつでも逃げられる「下調べ」と「備え」をしておく、

ということである。万が一に備えて、自分ができる限りの準備をするということだ。

 私たちは、政府に頼り、政府に依存するように洗脳0 0 され続けている。誘導されているのだ。そろそろ自覚するべきである。

 もうこれからは、政府の「補助」を当てにしない。どうせ私たちの「税金」である。政府にたかるような生き方は、間違いである。

 私は、前作に続いて、同じスローガンを繰り返す。自分のできる限りで、どんどん「資産保全」のために動き続けるべきである。

「戦争」と「大恐慌」という歴史的な「世界動乱」が、今、私たちの目の前で同時に起きている。だから、日本政府による国民の「個人資産」への強奪は、すでに始まっている。これからさらにエスカレートする。私たちの人生に、直接に降りかかる。急いで備えるべきである。

=====

『大恐慌と戦争に備えて 個人資産の半分を外国に逃がす準備を!』 目次 

推薦文(副島隆彦) 1

はじめに 5

大動乱は日本にも及ぶ 7

地球上で最も安全な東南アジア 10

資産の半分を東南アジアへ移す 14

第1部 東南アジアで資産を保全する 23

〝危機〟が起きたら東南アジアに避難する 24

東南アジアの国々には相続税がない 29

東南アジアには食糧と天然資源がある 31

〝コロナ明け〟初めてのタイ。スワンナプーム国際空港は活気にあふれていた! 38

平和で安全だからこそ、東南アジアには健全な経済成長がある 44

「戦争」や「金融危機」の時代に大切な〝一時避難〟 48

「プライベート・バンク」と「プライベート・バンキング」は同じではない 52

銀行口座は香港やタイで開設すればいい 54

コロナの「陰性証明書」とワクチンの「接種証明書」 58

タイ人の給与は、ついに日本人を抜いた 62

タイやマレーシアの大都市のオアシスで「リゾート休暇」のような避難生活 66

ブリックス・ペイの衝撃 70

タイでビザ取得するための最新情報 83

日本にいながら海外でゴールドバーを購入し、海外で保管する 89

海外でも「出口戦略」(エグジットストラテジー)が重要 93

「英文認証済みコピー」は必要か 99

「国際運転免許証」だけが、外国で通用する日本政府の公文書だ 106

子供や孫に「引き継ぐ」ときの注意点 108

香港へ外国人もついに入国できるようになった! 109

HSBCの「インターネット・バンキング」の画面とログインの手順がまた……変わった 115

シンガポールの最新の現地情報 126

高級品貸金庫の利用 ~「高級ワイン」という実物資産で保全 130

シンガポールは、中国本土から移住してくる超・富裕層の中国人であふれている 132

シンガポール高級品貸金庫のスイス人社長から聞いた、シンガポール在住の世界の「超」資産家たちの実情 135

香港やシンガポールだけでなく、タイやマレーシアにも〝プランB〟としての「セカンド口座」を開設するべき 143

目的が漠然としたまま、海外へ資産を逃がしてはいけない 146

東南アジアで〝ゆったりと〟避難生活をしたいなら、タイの長期滞在ビザがベスト 149

マレーシアの「長期滞在ビザ」の現状 153

インドネシアはBRICS(ブリックス)への加盟を目指す 157

HSBCは、イギリスから中国・アジア部門を切り離す? 167

石油の取り引きは、「米ドル」決済から「人民元」決済へ 170

もし東京都内や地方都市が、震災や火山の噴火、ミサイルの着弾、テロ、戦争で「火の海」になったら 184

第2部 迫り来る世界大恐慌 193

今、金(きん)を売ってはいけない 194

現代版「預金封鎖」はどう起きるか 201

やがて国内で金(きん)を売っても、もう消費税は戻らない。逆に消費税を取られる! 210

銀行の貸金庫は利用しない。民間の貸金庫を利用するときの注意点 217

あなたの「資産情報」はすべて、ビッグデータとして国が把握している 221

新札切り替え・預金封鎖までの道程 228

日本国内の銀行から現金を引き出すときに注意するべきこと 230

政府が懸命に推奨(すいしょう)するニーサ(NISA)に騙されるな 233

「ドルコスト平均法」は本当に有効なのか? 242

燃料代の値上がり分まで「国債」で補助するのか? 246

アリババの創業者ジャック・マーも、日本で「海外資産保全」をやっている 250

徴税と食料配給のための「マイナンバーカード」 256 

あとがき 265

=====

あとがき 根尾知史

 私はこの3月、ついに香港へ降り立った。3年2ヶ月ぶりであった。長い「コロナ規制」が、やっと明けた。なんと香港はすでに、本土の中国人や外国人観光客であふれていた。荒

廃(こうはい)して閑散(かんさん)とした、香港のようすを想像していたので、私は本当に驚(おどろ)いた。

 香港市内をずっと見て回ったが、どこも大勢の人で、すっかりコロナ前の混雑とあの騒がしさに戻っていた。

 香港に入国するために、もう「隔離期間」も「直前のPCR検査」も、「ワクチン接種証明」の提示も、必要がなくなった。マスクも着けなくていい。規制はゼロである。

 しかしこれは、今回、現地へ入って初めて分かった。いまでも日本で手に入る情報には、香港へ入国するためには「直前の48時間以内に、PCR検査を受けた陰性証明の提示が必要」と書かれている。これは間違いである。

 もう香港入国のために事前のPCR検査も受けなくていい。香港人の友人が、「その規制はついこのあいだ撤廃されたよ」と教えてくれた。やはり、自分で現地へ足を運ばなければいけないのである。

 それでもまだ、私たち日本人は、日本へ帰国するためのPCR検査を、香港の現地で受け

る必要が残っている。ワクチンを3回以上接種している人はもういらない。香港のPCR検査は、現地にあるクリニックで唾液(だえき)検査で簡単にできる。これはもうすぐ、要(い)らなくなる。

 こうしていよいよ、香港へ自由に行けるようになった。日本の資産家は、いまから急いで資金を携(たずさ)えて外国へ向かうべきだ。 

 親しくしている香港の銀行員が、この日、中国人の客が、アメリカの銀行口座から一気に5000万ドル(いまのレートで約66億円)を香港の口座へ戻したよ、と驚きながら教えてくれた。

 これはもちろん、たったひとりの中国人の資産家の話である。つまり、これは「氷山の一角」である。今まさに、アメリカから香港への資金引き揚(あ)げが、莫大な規模で起きているということだ。もちろん大手メディアは報道しない。

 中国人ばかりではない。世界の非・欧米西側諸国の資産家たちも、ものすごい額でアメリカから資産を引き上げている。アメリカの銀行は、資金流出への対応で、戦々恐々(せんせんきょうきょう)の緊急事態 の真っただ中にあるのだ。

 だから香港は、元気なのである。欧米が仕組む「ウクライナ戦争」とアメリカ発の「金融危機」から逃(のが)れて、世界の資産家のお金がどんどん集まっている。とくに「新興国」と「資源国」の資産家たちが、アメリカとスイスから預金を急いでアジアへ移している。香港やシンガポール、タイ、マレーシアなどの東南アジアの国々に、かなりの勢いで流れ込んできている。

 この流れは、昨年、2022年の後半にまず、東南アジアで最初に始まっていた。私は、昨年の6月から何度もタイやシンガポールを訪れるうちに、このことを実感した。だから、「非・欧米諸国」である東南アジアの国々も、そのほかの世界の「新興諸国」も、今年に入ってますます元気なのである。

 タイ人もマレーシア人も東南アジアの人びとは、まだ明るく安定した気持ちで、経済成長を続けている。彼らアジアの人たちは、コロナからの回復と経済の復興、さらなる成長を目指して前向きである。

 何とか日本人に、この東南アジアの現実を見てもらいたい。私は、切に願っている。日本を出て、元気なアジアから日本を見ると、日本に足りないものが何か、気がつく。

 まず日本人はマスクを外して、元気に輝く、弾(はじ)けるような笑顔を、みんなで取り戻すべきだ。

 今年、2023年から、私たち日本人は、アジアの新興諸国から前向きなエネルギーを受け入れて、一緒に良い方向へ向かう「転換」を始めるべきだ。

「戦争」と「金融操作」ばかりに明け暮れる西側、欧米英諸国ではなく、アジアの国々と歩調を合わせて、いまのこのコロナで疲弊した社会から復活して行くべきである。

 いまの世界は「ブロック化」し始めた、と言われる。しかし、本当の正確な世界の実態は「ブロック化」ではない。冷戦時代の「西側vs東側」の対立でもない。もっと素朴で、しかし人類の歴史の根源にかかわる「欧米西洋白人」と「非・欧米白人」との、大きな対立である。

 新興国の国民たちは、みな以下のように考え始めている。

「アメリカは危ない。何をしでかすか分からない。私たちのことなど考えていない。世界の安全や平和、国際経済の安定など、もう気にも留めていない。アメリカ政府の権力者たちは、生き残りのために、ほかの国を犠牲にすることを平気でやる。もうこれ以上、アメリカの悪だくみに巻き込まれるな。私たちは大きく団結するべきだ。サウジとイランのようにお互いいがみ合っている場合ではない。彼らもすぐに手を結(むす)んだ。私たち新興国は、これから経済発展を成し遂げる。生活レベルで先進国に追いつくのだ」

こういう考えが、アジア・ユーラシア諸国と中東、中米・南米、アフリカ諸国の人々の意識のなかで、大きく急速にまとまりつつある。

 私はこの事実を、コロナ明けの東南アジアと香港を10回訪れて、強烈に感じ取った。

 いまの世界の大きな分断、対立の構造は、もうここまで来ている。有色人種(つまり、色付き人種=カラード・ピープル)どうしであれば「非・西洋白人」という大きな共感で、国籍を問わずに共闘していける。

 この「空気」が、いま、世界のすべての非・欧米の新興諸国の間で生まれつつある。日本人は、これに続くべきだ。

 このたびも、秀和システムの小笠原豊樹編集長に、多大なるお手数をお掛けいたしました。小笠原編集長と副島隆彦先生の厳しいご指導に、心から御礼を申し上げます。

2023年4月9日

根尾知史 

●著者問い合わせ先  piaport8@outlook.com

(貼り付け終わり)

(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

anatanokojinshisanwonanigaattemomamorinuke501
 
政府が狙う!あなたの個人資産を何があっても守り抜け!!

 今回は、私の友人である根尾知史(ねおともし)氏のデビュー作『政府が狙う!あなたの個人資産を何があっても守り抜け!!』(秀和システム)をご紹介します。

 根尾氏は金融コンサルタントとして活動しているが、今回、財産保全の方法をまとめた著作を発表することになりました。これが根尾氏のデビュー作となる。

 以下に監修者のことば、まえがき、目次、あとがきを貼り付けます。

 是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(貼り付けはじめ)

監修者のことば(副島隆彦)

『政府が狙う!あなたの個人資産を何があっても守り抜け!!』を、私の弟子の根尾知史君が書き上げた。

 根尾君は日本の資産家や経営者たちが外国で資産を保全することをサポートするコンサルタントである。彼は多くの資産家、経営者への助言者としての付き合いの中から、目の前の現実の問題で困っている客たち(患者である)が訴えてくる必死の疑問に対応し、解決策(ソルーション)を提示することで優れた専門家になっていった。

 まさしく「客に教えられ」た。「お客様が訴えてくる真剣な質問、悩み」こそは、医者も弁護士も、各種の教師たちも、福祉ケアマネージャーたちも、専門家が第一番にするべきことだ。

 ここに、日本の小()金持ちたちが抱えている切実な課題に対処する本をまとめることができた。

 日本の資産家、経営者たちのために本当に役に立つ、諸外国の現場で、実際に身につけた経験から得た、貴重な情報がたくさん書かれている。これらの知識と情報が、日本人に届けられることは、大変喜ばしいことである。

 21ページ以下に、いまからでも、余計な預貯金や株、債券など国内の金融資産(ペーパーマネー)を減らして、世界共通の永遠の実物資産[じつぶつしさん](タンジブル・アセット)である金[きん](ゴールド)に換えて、安全に保管する方法が具体的に書かれている。

 31ページ以下に、世界の大(だい)資産家たちが、どのように資産を国際貿易都市にある高級品専用の倉庫や貸金庫で、その売り買いや遺産継承まで行っているのか。その実態を、面白く教えてくれている。

 22ページで、こう書かれている。「世界には、高価な美術品や宝飾品、貴金属、さらには、温度や湿度の管理が必要な絵画や高級ワイン、大きなものではヴィンテージもののクラシック・カーまで、〝高級で高価な実物資産〟がある。この高級品貸(かし)金庫を使っている富裕層の人たちは、ふつうの金融資産を信用していない。だから、いろいろなもっと価値の高い実物資産の形で、資産を海外にまで分散して置きたがるのである」という。

 世界の大資産家たちは、世界各国の「保税地区」に、実物資産で資産を上手に保存している。

 82ページで、これから政府が実行する預金封鎖[よきんふうさ](バンクアカウント・クランプダウン)を回避するための、鋭い対応策が書かれている。

 114ページで、いざ外国へ資産を移すときに注意するべきこと。あなたの人生の「出口戦略(でぐちせんりゃく)」が必要であることを訴えている。

「出口戦略(エグジット・ストラテジー exit strategy )」とは、ひと言で言うと「売るか、引き継がせるか」の決断である。いざという時のために「誰に売るか、誰に引き継がせるか」を決めておくべきだ。そのために、日頃から書面に一筆サインだけすればいいようにしておく。そのための手順のノウハウが書かれている。

 これからの世界は激しく動く。一体何が起こるか分からない。きっとこのままでは済まない。現金のお金はあっという間に紙切れになる。「やっぱり金(きん)を買うべきだ」という、本書の帯のサブタイトルに至りつく。それを諸外国で実行すべきなのである。

 故に、本書の購買を強く推薦する。

2021年1220

副島隆彦

=====

はじめに ―― 今、生き抜くためにどうしても大切なお金について考える

 2022年、現在の日本で、資産家層、富裕層は、いまや「金持ち難民」と呼ばれている。本当に、金持ち難民になっている。資産家たちが安心して暮らせる国がないのである。国が、あなたたち金持ちの資産を狙って、税金で奪(うば)いとろうとする。だから、資産を抱えて、諸国をさまようしかなくなっている。もはや「キャピタル・フライト」すなわち、資産の国外避難さえも、難しくなっている。

 だがしかし、まだ資産保全の方法は、ある。いまからでも間に合いますよ。資産家たちはすでにこれまでに「タンス預金」や「銀行預金」をやってきた。しかし、もう日本では、自分の資産を守りきれない。国家が、政府が、あなたの資産を奪(うば)い取りにきているからだ。

「国家は国民の福祉(幸福な生活)のためにある」というのは、ウソである。国家は、あなたの生活を守ってくれない。「政府は、国民の幸せのために、国民の皆様が納める税金が必要なのです」というのは、税金を取るための口実である。

「税金」はすべて「悪」である。税金を納めるのは、何か良いことだと思っているのは間違っている。税金は、無理やり国に取られるものなのだ。「増税」「重税」は、国民を苦しめ、国の経済から生気(せいき)を奪いとる。だから、私たちは、常に減税を要求しなければならない。

「いかに、税金の負担を減らすか」という議論をしなければならない。ところが、そんな議論なんかさせてくれない。だから、私たちは自分の資産を国外に移して、守り抜かなければならない。

 本当は政府がやるべきことは、「いかに正しく税金を使うか」である。ところが現状は、そうなっていない。政府の税金の取り立ては、金持ち層にとってヒドいことになっている。日本は「重税国家」だ。本来なら、私たちは、「いかに効率よく政府を運営するか。いかに正しく無駄なく、税金を使うか。無駄な歳出を減らして、どれだけ税金をなくせるか」を、国民みんなで議論するべきなのだ。

 「資本主義(キャピタリズム)の崩壊が近い」と騒がれて久しい。しかし最近、本当に怪しくなってきた。

 経済も金融も、「資本主義(キャピタリズム)」というシステムでできあがっている。すなわち、「お金(資本=キャピタル)」を中心に、世の中は動いている。「お金」を中心に経済活動、商業取引が行われている。もっと簡単に言うと、いまの世の中は「お金中心主義」である。「お金」がないと、不幸なのである。お金がないと必要なものは何も買えない。商品やサービスの交換ができない仕組みになっている。地球上のあらゆる経済活動、金融、貿易、国家の財政までをも動かしている「骨格」である。

 何をするにしても、私たちは「お金(すなわち資金、元手[もとで]、資本)」が必要である。「お金」がないと、まず「衣食住」が維持できない。つまり、「お金」がなければ「生きていけない」世の中になっている。だからどうしても、「お金」を得るためになんとか収入を得られる職業、事業、稼業(かぎょう)に、みんな就いている。

 これが「資本主義」経済だ。これ以上の、何か高尚(こうしょう)な定義や講釈は要()らない。小難しい、偉そうな解説も必要ない。それらは、切りのない議論になってしまう。私たちが毎日行っている、お金の使い方やお金の計算が、最も大切である。

 それに対して、「私は、自分は《自給自足》で生きている。私はすべての衣食住を、自分で調達し、自分で作り上げて生きる。誰かに《お金》を支払って手に入れる(購入する)ことはしない。私は、《資本主義》のシステムを、すべて拒否する」

 こういう人がいてもいい。実際、いまそうした「自給自足」の生き方、考え方は、静かなブームでもある。

 いくら額(ひたい)に汗して、嫌な思いをして働いても、たいしたお金にならない。「お金持ち」は、すでにお金持ちである。親の財産があって、今の自分がいる。そして、自分の力でお金持ちになった人も、2割はいるだろう。

 そして、自分で「お金」を稼いでも、どうもこの「お金」そのものの信用が、かなり落ちてきて、怪しくなってきた。私たちが、いくら「お金」をため込んでも、その「お金」の価値そのものがどんどん減っている。これを「インフレ」という。政府がどんどんお金を刷るものだから、お金の量がどんどんふくらんで、「膨張[ぼうちょう](インフレート)」している。だから、その価値はどんどん下がるいっぽうだ。

 反対に、通貨(お金)が不足して経済の拡大が制限されることを「デフレ(デフレーション。通貨量の減少。経済の拡大が制限されて不況になること)」という。「デフレ」は、不況なのである。

 私たちはまず、生きるために、生活を維持し、何らかの活動や人生の目標を継続させなければいけない。そのために、「お金(元手、資金源、資本、キャピタル)」が必要だ。これが、「資本主義」のシステムである。これが、私たちが逃げることのできない現実の世界だ。お金のシステムは、「感情」や「好き嫌い」ではない。人類は長い年月をかけて、この仕組み

を作り上げたのだ

 だから私たちは、自分が持っている「お金」を、しっかりと守り続けなければならない。あなたの資産が、今の政府の異常な資産強奪であるいろいろな種類の「重税」から逃れるための各種の情報を、この本で提供する。この本では、そのための考え方と、具体的な手段をご紹介する。

=====

『政府が狙う!あなたの個人資産を何があっても守り抜け!!目次

はじめに ―― 今、生き抜くためにどうしても大切なお金について考える 1

監修者のことば(副島隆彦) 9

第1章 あなたの資産をどう守り抜くか 15

やっぱり「金」を買うしかない 16

海外で金(ゴールド)を購入し、海外の高級品貸金庫を利用する 21

オークションは豪華なお芝居(しばい)である 28

外国口座を上手に使いこなす 33

外国の資金も、いざというときは日本で引き出せる 36

外国の高級品貸金庫を日本国内にいながら活用する 40

外国へ資金を送金するのは大変だ 42

外国人の口座情報を交換する「CRS」制度について 48

アメリカが世界に押しつけた「FATCA」という法律 50

どこの国の政府も、外国の富裕層、資産家たちに、自国に来てほしい 52

「プライベート・ジェット」は、究極の資産保全 55

「暗号資産(仮想通貨)」は、資産になるか? 60

「高級品倉庫」は、高級ワインの長期運用をするところ 66 香港の国際金融システムを中国は守り抜く 68

中国の「国債」は、外国人でも購入できる 75

海外の口座で「中国株」を買う、という方法もある 78

第2章 資産保全のために今からできること 81

「個人口座」から「法人口座」へ資金を移すと「預金封鎖」の被害を回避できる! 82

「給付金をデジタル通貨で配る」と言えば、マイナンバー制度は広まる 87

日本の銀行の貸金庫は、セキュリティに問題あり 91

寺田倉庫という、アジアの富裕層も利用する、日本の「高級品貸金庫」について 92

日本国内で金(きん)を買う 103

海外で金を売買する場合 111

「外国への資産分散」を始めるには、人生の「出口戦略」が必要である 114

日本でする「外貨預金」はやめるべきだ 118

第3章 日本人が知らない東南アジアの経済成長の実態 125

タイが先頭を切って外国人客を受け入れ始めた 126

タイ、シンガポールに続いて、マレーシアが外国人客の受け入れを始める 136

マレーシアの「外国人富裕層向け長期滞在ビザ」MM2Hの現状 139

タイで長期滞在のビザを取るには 148

まずは現地へ行って「短期滞在」してみよう 154

「海外不動産」を、ひとつは保有する 163

日本基準で建設された、バンコクの高級コンドミニアム 166

 海外タックスヘイヴン事情 171

世界的に厳しくなっている海外の「法人口座」の開設・維持 180

イギリスの伝統的な「タックスヘイヴン」 187

第4章 デジタル法定通貨の世界をどう生き抜くか 193

「デジタル人民元」が北京冬季オリンピックでデビュー 194

世界が中国の「デジタル人民元」を追いかけている 199

「デジタル通貨(暗号通貨、クリプトカレンシー)」はサイバー・スパイ 206

中国政府がいまでも、金地金(ゴールド)を買い増している理由 213

中国人はいまでも金(きん)を買い続けている 220

中国政府が「金地金」を世界中から集める、ある特別なルート 225

「コロナ対策費(コロナマネー)」で大盤振る舞い。その「財源」は? 232

あとがき 241

=====

あとがき

 時代はまさに激動期である。そこに、新型コロナウイルスの「パンデミック危機」が襲いかかった。世界の経済活動は、いっきに凍結された。世界中で、海外渡航がいっせいにできなくなった。

 各国の政府は、国民に「外出制限」や「営業規制」を強要し始めた。私は、世界はまさに、

「戦時下」の真っただ中にあるのだ、と考えるしかほかに、この現状を理解することができなかった。まるで、「第3次世界大戦」が、いま目の前で起こっているようだ。

新型コロナ危機が「口実」であるとはいえ、アメリカもヨーロッパも日本も、政府が「無制限」にお金を発行し始めた。これも軍部が政権を奪(うば)いとった時に、同じことをした。「戦費」を、財源もないのにどんどん増刷させた。その結果が「ハイパーインフレ(紙幣の紙クズ化)」と「預金封鎖(よきんふうさ)」であった。

 だから、世界中の資産家たちが、慌てて、自分たちの資産を「実物資産(金地金(ゴールド)、高級品、不動産)」に換え始めた。もう彼らは、「金融資産(お金、ペーパーマネー、証券、債券類)」を信用していない。

(もの)に換えた以上、安全に保管する場所が必要だ。だから時代は、「世界中の保税(ほぜい)地区にある高級品倉庫に、資産を逃がせ」なのである。

欧米日の先進諸国が、合計2800兆円(25兆ドル)という恐ろしい金額の「コロナマネー」を、刷り散らかした。先にも書いたとおり、アメリカの昨年1年間のGDP(国内総生産)21兆ドル(2300兆円)よりも大きい。もうあとは野となれ、である。

 欧米の西洋諸国は、「近代資本主義」、「自由主義経済」と「デモクラシー(民主政体)」を人類のなかに築き上げてきた。

 そしていま、自分たちの手で、自(みずか)らそれをひっくり返す「グレート・リセット(ご破産[はさん])」をする、と言い出した。

 一昨年、2020年のはじめに「新型コロナ危機」が始まってから、やたらと「脱成長(だつせいちょう)」をいう経済学者や評論家が出てきた。

「脱成長」とは、元気のいい、経済成長を続けるアジアや、中東、アフリカ、南米の新興諸国の、成長・発展を押さえつける思想である。

 貧しかった国々から、どんどん新しい経済発展が起こることを「阻止する」。人類の「生気を奪い取る」恐ろしいイデオロギー(政治思想、信念)である。

 彼らは、新興の国々から、新しい経済拡大と発展が起こることを、どうしても抑(おさ)え込みたいのである。

 欧米のグローバル・エリートたち、世界の権力者たち、支配者たちは、そのために「脱成長(degrowth、ディグロウス)」という奇怪なスローガンをぶち上げた。

「おまえたち貧乏な途上国の有色人種たちは、もうこれ以上、経済成長、技術発展などするな。地球の環境が悪くなる。いまの貧しい、無知なレベルのままで、自然と暮らして、幸せで満足していろ」ということである。そのことが、「脱成長」、「SDGs(持続可能な開発)」や「ESG(環境、社会、企業統治)」など、生気のないキャッチフレーズによく表れている。

 人間は、元気いっぱいであるべきだ。どんどん成長していいのだ。自分の持てる能力をはばたかせて、どんどん発展していかなければ済まない。そのように生まれついている。

 社会や経済の「平等」とか、地球の「環境保護」のために、自分たちが「豊かに成長、発展することを犠牲にせよ、我慢せよ」という。「抑制(よくせい)」することを押しつける経済学が、「脱 成長」の理論なのである。

 マレーシアやタイを始め、アジアの新興諸国には、まだまだ「成長」の可能性がある。欧米の西洋白人の権力者たちは、自分たちがさんざん成長、開発し尽くして、戦後の世界的な経済成長の時代を生き抜いてきた。自分たちだけは、いい思いをして高齢化しただけなのだ。

 若い経済の生き生きとした、むせぶような高度成長の熱気、有り余(あま)る激しい活力に、辟易(へきえき)しているのだ。

 ごちゃごちゃと人口が密集し、子どもをたくさん産み、やかましくて若い元気な東南アジア人、中国人やインド人たち、中南米やアフリカの若者たち、中東のイスラム原理主義に熱狂する若いムスリムたちに、嫌気がさしているのである。

 しかし、時代はまさに、新興大国の「ブリックス(BRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)」や南米、アフリカ、中東、中央アジア、そして東南アジアの若い世代の熱狂が、これからの世界を侵食し、動かしていく。

 これが真実である。世界の支配層である欧米白人の権力者たちは、このことに心底、怯(おび)えているのだ。

 だから、「脱成長」のキャンペーンで「成長するのはいけないことだ」と、世界の人々を洗脳している。「脱成長」を提唱する学者や評論家たちに、その「自覚」はあるのだろうか。

*         *         *

  私たち日本人は、いまや、地球の裏側から、インターネット上のSNSという新しい通信手段で、アメリカや世界の政治や経済の動きを、リアルタイムで知ることができるようになった。腐りはてた「マスゴミ」である大手の新聞やテレビや雑誌は、もう瀕死(ひんし)状態である。

 第1章で書いたとおり、英語という「言葉の壁」さえも、最先端のソフトやアプリ、インターネットで乗り越えられる。「辞書機能」や「自動翻訳」などのおかげで、ずいぶん楽に、英文も読みこなせるようになった。

 くだらないテレビの御用学者や評論家たちよりもずっと早く、ライヴで、正確に、刻一刻と変わるアメリカや中国、世界の情勢を知ることができる。情報は、自分で集められる。

 このような時代だからこそ、「低成長」に甘んじるべきではない。自分から「脱成長」などと、言うこと自体がおかしい。若いうちにどんどん、活気のある「高成長(高度経済成長)」を続ける、「アジア」へ向かうべきである。アジアがあるユーラシア大陸こそが、世界 の中心となりつつある。

若くて柔軟なうちに、元気なアジアの人々とたくさん交流して、度胸をつけるのがいい。「英語の壁」だって、アジア人どうしの「ブロークン・イングリッシュ」で、すぐに気心が通じるようになる。

 若い日本人(ヤング・ジャパニーズ)な じ として、どんどんアジア諸国へ出て行く。その第一歩として、「香港」はとても馴染みやすい国だ。行ってみれば分かる。なおかつ、世界からみた香港は、「中国へのゲートウェイ」である。第1章の後半に書いたとおりだ。国際貿易と国際金融の「ハブ(hub)」である。

 高校生や大学生のご子息がいる方々には、いつも私は、このように話す。実際、大学生の子どもと一緒に、香港まで貸金庫や口座の開設に訪れた人もたくさんいる。

 それらの子息は、高校や大学の「交換留学」の制度を使って、カナダやオーストラリア、アメリカ、イギリスなど欧米の英語圏へ半年、1年と短期留学をしている学生が多い。そうした子供たちは、親から「おまえは、外国に行っていたんだから、少しは英語を話してみろ。通訳できるか」などと言われる。

 本人たちも、欧米の英語に慣れて、少しは会話ができるようになっている。それで、香港

の銀行の窓口で香港人の行員と会話をしてみる。ところが、ぜんぜん通じない。まず、アクセントが強い。独特の聞きなれない言い回しがある。かつ、非常に早口である。この「香港英語」が、まったく聞き取れないのである。

 それで、あまりの英会話の通じなさに、「ショック」を受けるのだ。これは、本人たちの英語力のせいではない。問題なのは、香港人の訛(なま)りの強い「香港英語」のせいである。

 しかしこれで一念発起(いちねんほっき)して、本気で英語の勉強を始めたお子さんたちが、何人もいた。これが、私がこの仕事をやっていて、本当に嬉しかったことのひとつである。

 じっさい、1年後くらいにもう一度、香港やタイ、マレーシアなどへ、私が主催するツアーで戻ってくる。そしてその時には、十分に、香港人の英語としっかりやり取りできるくらいの自信をつけているのだ。

 こうした、現場で実際に通じなかった体験が、英語をどうやって勉強したらいいのか、ちょっとした視点や視野、気づき、を与えてくれたのである。

 私自身、アメリカに留学していた。帰国して就いた仕事で、香港人と英語でやり取りするようになった。アメリカ英語に慣れていたせいもある。「アメリカ英語」だって、「イギリス英語(クイーンズ・イングリッシュ)」を話すイギリス人が聴けば、「べらんめえ調」の巻き舌、 妙にアクセントが強い、田舎(いなか)の方言のような英語である。 

私も最初は、香港人が話す英語を聞き取ることができなかった。しかし、何度も香港人と話しているうちに、そうでないことに気がつく。彼らの英語の発音がおかしいのだ。イントネーションから音の長短や、アクセントのある音節の場所まで、とにかく、ヘンなのである。

 香港人が話す英語には、独特のイントネーションや単語のアクセントがある。彼らが話す「広東語(かんとんご)」という、独自の中国語のせいだ。

「広東語」は、中国の標準語である「北京語(普通話(プートンホワ))」とは、まったく違う発音をする。文法や単語も、ところどころ違いがある。漢字は難しい繁体字(はんたいじ)である。

 たとえば、「カード・ナンバー」(カード番号)の発音は、「カッナンバー」あるいは「カーナンバー(自動車番号)」にしか聞こえない。ほかにも、たとえば「ウイストゥン」に聞こえるのは、「ウエスタン(western)」のことであった。

 分からなかった「香港英語」の発音やイントネーションから、もとの英語の単語を探し出つぶすしかない。比べて確かめて、ひとつひとつ、潰していく。

 私は、そのようにして、香港人がしゃべっている「英語」がなんとか分かるようになるまで、1年くらいかかった。

*         *         *

 激動の時代のまっただ中で、先が見えない不安ばかりがつのる。しかし、新しい世界史の幕開けという、新鮮で青天井(あおてんじょう)の、好奇心にあふれる時代でもある。

「日本の外側の世界」を、ゆがみなく見ることができれば、たくさんの可能性が広がっている。日本人は、目の前に広がるアジアの世界へ向かうべきである。

 日本は、アメリカとも中国ともバランスを取りながら、ゆったりと立ち回ればいいのだ。日本人はすぐに「長いものに巻かれろ」で、強そうなアメリカの「グローバリスト(地球支配主義者)」や世界のエリート権力者たちに、考えもなく引っぱられていく。ふらふらとついて行く。

 私たちは騙(だま)されると、最後は「戦争」に巻き込まれる結果になる。これまでの日本の「戦争」は、政治家も国民もみんなで騙されて、引きずり出されたものばかりだ。歴史をじっくり検証すれば、必ず分かる。

 第3章でも書いたとおり、タイとシンガポールが、昨年11月に、外国人旅客を受け入れ始めた。12月からは、オーストラリアやアメリカ、イギリス、イタリアなども観光客を受け入れ始めている。

中東の「保税特区(フリーポート)」であるドバイは、ワクチンを接種していない外国人旅行客も、「PCR検査の陰性証明」だけで受け入れている。それで、シンガポールやヨーロッパの資産家や事業家たちが、どんどんうるさい規制を嫌って、自由でオープンなドバイへ移り住んでいる。この2年間で、世界の富裕層とその資金が集まり続けて、ドバイはすごいことになったようだ。

 今春、2月の「北京冬季オリンピック」で、中国政府も少しずつ、外国人の受け入れを再開するだろうと、私は予測している(中国の国会にあたる全人代(せんじんだい)がある3月より後という情報もある)。

 中国が動き出せば、周りのアジア諸国は、それに続いてどんどん国境を開いていくだろう。あともう少しの辛抱(しんぼう)である。

  だから、どのような「危機」が起きようとも、自分ができるやり方で、自分ができる限りの対策を実行することである。粛々(しゅくしゅく)と、淡々(たんたん)と、しかし着実に慎重に、冷静に、強い決意を持ってこれからも、自分たちの資産を、そして人生を守り抜くべきである。

 ふりまわされることなく、自分の頭で考えて、自分がもっている常識の感覚(コモン・センス)を信じる。自分のできる限りで、実際に対策と準備をやってみる。自分で現場まで出かけていって、自分の目で見て、体感する。自分で動いて経験することが、もっとも重要である。

 そして、自分にできるだけの備(そな)えをやったら、あとは、それで安心すること。どっしりと構えて、何があってもゆったりと、おおらかに構えて生きるだけである。

*         *         *

 私のような名もない人間が、何とか一冊まとめて、出版することができました。大切なここうしょうとは、「高尚な知識」や「政治談義」や「経済評論」ではなく、私にしか書けない、海外の現地の、現場の生(なま)の情報である。と、監修をいただいた副島隆彦先生からも、出版に多大なるご尽力をいただいた小笠原編集長からも、何度も厳しく言われた。

 私が、これまでの事業の経験から知り得たことで、私だから書けること、世の中にまだ伝えられていない真実の情報を書くように、指導された。

 ご自身の大切な資産を、本気で切実に保全することを考えて悩んでいる方々のために、こ うした情報がどれだけ貴重で、価値があるか。どれだけ、その知識を、読者の皆様の人生の 「備え」「準備」「危機対策」のために役立てていただけるか。このことだけを忘れるな、と厳しく繰り返し、言い聞かされた。

 執筆(しっぴつ)というのは、ともすれば勝手に、自分が言いたいこと(書きたいこと)ばかりを、つらつらと語り始めてしまう。そして読み手を見失う。書き手は、読者を置き去りにしてはいけないのである。

 私が、この度の、最初の単著の執筆で、気付き、学ぶことができたのはその事でした。

 なかなか原稿が仕上がらず、大変なご迷惑をおかけした、秀和システムの小笠原豊樹編集長に、最後に、心より御礼を申し上げます。

2021年12

根尾知史 

●著者問い合わせ先  piaport8@outlook.com

(貼り付け終わり)

(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ