古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:森喜朗

 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。アメリカ政治と世界政治について詳しく分析しました。是非手に取ってお読みください。このブログを継続するため、本をご購読いただければ大変助かります。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 昨年からの自民党各派閥のパーティー券販売キックバック問題(裏金作り)は、複数の政治家と安倍派、二階派、岸田派の会計責任者の立件でひと段落となった。安倍派、二階派、岸田派、森山派、石破グループ(政策集団・勉強会として存続していた)は派閥解散、麻生派と茂木派は存続ということになった。菅義偉前首相を中心とする、無派閥という議員グループが大きな勢力となっている。現状は、旧派閥と新派閥の対立構造という形で捉えることができる。

 また、茂木派からは、小渕優子衆議院議員と青木一男参議院議員が退会を表明し、その後も参議院議員数名が退会した。田中角栄から竹下登、小渕恵三、橋本龍太郎と続く派閥において、「茂木敏充ではなく、小渕優子を首相にする」という意図を持った動きである。麻生派は今のところ大きな動きはないが、80歳を超えて失言も続く麻生太郎に引退してもらい、河野太郎を領袖とするという動きと、それに反対する動きが派内にはあるだろう。河野は菅義偉とも同じ神奈川県を地盤としている点で関係が良好であり、同じ神奈川県を地盤としている小泉進次郎も、以前の総裁選挙で河野太郎を支持したこともあり、河野太郎は、麻生派を継承もしくは分裂して、河野派となり、菅・小泉の神奈川グループの支援を受けるということも考えられる。

 安倍派に関しては、幹部の責任論がくすぶり続け、座長の塩谷立議員や五人衆と言われる幹部たちの離党や議員辞職についても語られている。自民党内部にそのような声がある。これは極めて重要な動きである。この議員たちは、自分たちが離党をしたり、議員を辞めたりする必要があるのかと憤慨しているだろうし、そもそも自分たちは派閥の慣例に従っただけのことで、それを作ったのは森喜朗元首相だと声に出して反論したいだろう。こうした安倍派の凋落の中で、福田達夫議員は新しい集団作りを目指すと発言した。福田派の結成ということになる。

 今回の派閥パーティー券販売をめぐる特捜検察の捜査にはアメリカの意図があっただろうということを推察し、そのことをこのブログでも書いた。そしうて、これまでの動きも合わせて考えると、私は、今回の派閥潰しの最終目標は森喜朗元首相の失脚であっただろうと考える。そして、合わせて、現在の自民党執行部の古い幹部たちの力を失わせ、新しい、若手たちの東洋を進めるということであっただろうと考えている。

 森喜朗という人物については、全くとらえどころがない、理解しがたい、日本の典型的な政治家として、アメリカは捉えていただろう。ロシアとの関係が深く(父親の代から)、清濁併せ呑むということで、アメリカ側としては御しにくいタイプの典型的な日本の政治家であった。今回、二階派も解散ということになり、二階俊博元幹事長も力を失い、引退を迫られることになるだろう。二階議員は中国との太いパイプを持つことで知られているが、アメリカにしてみれば、邪魔な存在ということで、森喜朗と二階俊博はまとめて失脚させられることになった。

 自民党の新しい実力者として、菅義偉がその地位に就くことになった。菅義偉議員は、安倍晋三政権の官房長官時代にアメリカを単独で訪問し、アメリカ側が首実検を済ませている。日本維新の会とも関係が深く、カジノ推進ということでアメリカの利益を推進する政治家である。アメリカとしては、森や二階に代わって、菅を実力者として据えるということにしたようだ。そして、派閥はご破算になって、新たに、河野派、福田派、小渕派、無派閥の小泉進次郎議員という、新しいリーダーたちを育成し、より直接的に、アメリカの意向が伝わり、実行されるような体制を構築しようとしていることになる。

 今回の動きは、アメリカ国内のジャパンハンドラーズの勢力変動の影響もあったと言えるだろう。安倍晋三を支持してきた、マイケル・グリーンがシドニー大学に移籍したことは、彼が左遷され、都落ちさせられたということである。そして、グリーンの後ろ盾を失った安倍晋三は首相の座を追われ、最終的には暗殺された。誰に暗殺されたか、このことは私の先生である副島隆彦先生の『愛子天皇待望論』(弓立社)に詳しいので、そちらを読んでもらいたい。

安倍晋三元首相と彼を取り巻く勢力は、統一教会に影響を受け、日本の歴史守勢主義を推し進め、核武装まで進めようとしていた。アメリカとしては、アメリカ軍にとって役立つ日本の防衛力強化は歓迎であるが、安倍晋三元首相はそれ以上のことをしようとした。彼はアメリカにべったりで、アメリカ従属路線の人物だと日本人である私たちは評価するが、アメリカ側からすれば、「靖国神社に参拝し、太平洋戦争での日本は正しかったと主張するカルト・オブ・ヤスクニであり、核武装まで主張する危なっかしい人物」となる。アメリカにとっては使い捨ての駒であり、どんなに栄耀栄華を誇っていても最後はポイッと捨てられる。

こうした動きを冷静にかつ冷酷に見てきたのが岸田文雄という人物の怖さである。岸田首相に関しては世間の評価は低いが、その粘り強さや下手(したて)に出ながら、いつの間にか相手を逆に締めているような動きには、政治家としての強さを感じる。岸田首相の対米レッドライン(最終防衛線)は、「金で済むことならば金を出す(防衛費の倍増のために増税はする)が、中国とぶつけられることはなんとしても回避する」ということだろう。国民生活の苦しさは日本の政治家であれば分かっているはずだが、「戦争をさせられるよりはずっと良い、何とか耐えてもらいたい」ということだと思う。書き散らしになって申し訳ないが、私の今に日本政治に関する考えを書いた。

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

今回は日本政治について取り上げたいと思う。現在のところ、岸田文雄首相の人気は高くない。物価高に対する対応や軍事費増強のための増税のために国民の間で不満が高まっている。
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岸田文雄とジョー・バイデン
 岸田首相は親族の男性のほとんどが東京大学出身、自身も東大の合格者数で全国トップクラスに君臨する東京の名門私立開成高校の出身であるが、東大の入試に失敗して、二浪という形で早稲田大学法学部に入学、卒業している。早大時代には東大入試に不合格となった学生たちと集まってやけ酒を飲んでいたこともあったそうだ。早大には東大入試不合格組からどうしても早稲田に行きたくてギリギリで入学した早大偏愛組まで幅広くいるが、二浪してまで東大を目指しながら失敗してしまって、嫌々ながら仕方なく早稲田に入った、岸田首相のような人に対して、早大偏愛組は冷淡である。「あんまり早稲田出身とは言って欲しくない」という複雑な感情がある。

 しかし、昨年12月、早稲田大学の大隈講堂の裏、昔の大隈重信邸の庭である大隈庭園の一部にある古民家・完之荘(かんしそう)に岸田首相、森喜朗元首相、そして、青木幹雄元自民党幹事長が集まって会談が持たれた。完之荘は卒業生であれば予約をして使うことができる。食事も可能だ。この面々であれば、都内の一流の料理屋(料亭)やホテル、更に言えば昨今話題の首相公邸で会合を持つことができる。それをわざわざ完之荘という、早大卒業生でもあまり存在を知らない場所で会合を持つというのは、象徴的な行為である。それは「早稲田部族(俺もお前も早稲田じゃないかという仲間)」としての話があったということである。
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完之荘
 今年亡くなった青木幹雄は、自分の早大、政治家時代の後輩である小渕恵三元首相の娘である小渕優子に派閥(平成研究会)を引き継がせたい(日本初の女性首相にしたい)、現在派閥領袖の茂木敏充自民党幹事長は首相にしたくない、早く派閥を引き継がせたいと願っていた。そのために、健康状態が万全ではない中で、大隈講堂の裏にある完之荘に出向いた。早大雄弁会時代の後輩である森喜朗も参加して、青木の悲願を後押しすることを約束した。森の影響力が強いうちに、小渕優子の派閥継承までは進めるということになるだろう。「雄弁会の先輩である青木さんの頼みだし、後輩の小渕君の娘さんのことだから」という何とも浪花節的な話ではある。しかし、このような義理人情で日本政治の人事は動いてきた。このプリンシプルに合わない行動しかできない人物はトップに立てない。威張るばかりで、パワハラ体質でもある茂木にはこのようなことはできない。岸田にしてみれば、一応は「早稲田族」でもある訳で、ここで浪花節的な早大雄弁会人脈に恩を売っておくというのは悪いことではない。

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 岸田首相の派閥である宏池会は保守本流として伝統を誇ってきたが、2000年の加藤の乱でガタガタにされ、分裂した。現在は谷垣グループの有隣会、麻生派の志公会、宏池会となっている。宏池会系の悲願は宏池会系の派閥の再合同だ。これによって自民党内において大きな勢力となる。岸田首相としては自身の手でこの大宏池会構想の実現を成し遂げたい。そうすることで日本政界において大きな影響力を保持できる。そこで邪魔になってくるのが、麻生太郎だ。麻生太郎は吉田茂の孫ということを前面に押し出して、宏池会の正統な後継者は自分だということで、威張り腐りながら、いまだに政界にとどまっている。麻生としては自分が大宏池会を実現して、中途半端に終わった首相在任(野党転落となった)の屈辱を雪ぎたいというところだろう。麻生太郎は野中広務に大変嫌われた。平成研究会としては相容れない人物ということになる。平成研究会としては、岸田首相の派閥である宏池会を支援するということになる。田中・大平の蜜月時代以来の協力関係ということになる。そうした中で調整役・仲介役となるのは鈴木俊一財務相となるだろう。鈴木俊一は、故鈴木善幸元首相の息子だ。鈴木善幸は東大出身・キャリア官僚出身者が多い池田派と後継の大平派(お公家様集団と呼ばれた)にあって、党人派として調整役にあたっていた。息子の俊一もまた調整役に適任の人物だ。鈴木俊一は早稲田出身であり、妹(鈴木善幸の娘)は麻生太郎と結婚しているので麻生の義理の兄ということになる。

 岸田首相は「開成高校族」でもある。岸田首相は開成高校出身者として初めての首相となった。多くの東大合格者を出し、それに比例して中央官僚のキャリア官僚、政治家たちを生み出してきたが、岸田首相が初めての開成高校出身の首相というのは驚きである。開成高校出身者のキャリア官僚と政治家で構成される同窓会組織もあり、その組織が岸田首相をバックアップしているということは良く知られている。開成出身者にしてみれば、「早稲田程度にしか行けなかった勉強のできなかった人」扱いであろうが、東大法学部を出た、中央官庁のキャリア官僚になって出世コースに乗ったと言ったところで、首相の座を掴むためには、勉強の出来や頭脳明晰さだけではどうしようもない部分が大きい。
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岸田首相を中心にして、開成出身の中央官庁のキャリア官僚たちはまとまって支えているということになるだろう。財務省としては、岸田首相がアメリカから「厳命」されている防衛費倍増をかなえながら、増税の幅を小さくしたい(大増税に賛成なのは防衛費増額を望む国会議員たちだ)ということで苦心しているようだ。増税の時期もまだはっきりとは決まっていない。腹芸で出来るだけ遅らせて、その間に世界の政治情勢、経済情勢の変化を待って対応しようという感じになっている。

岸田首相は2つの部族にうまくはまっている。政治力を持つ早稲田族と、中央官庁、霞が関で大きな影響力を持つ開成高校族だ。こうした2つの勢力をうまく使いながら、中央政界でうまくやっていく、誰とも衝突しないという戦略で生き延びていくと思われる。。

(貼り付けはじめ)

●「「ご遺族の意向を押し切って参列」 茂木幹事長が青木幹雄元官房長官のお別れ会に姿を見せた理由」

7/20() 5:56配信

デイリー新潮

https://news.yahoo.co.jp/articles/f0f8753c79027d48866a4795a4120807efb52887

https://news.yahoo.co.jp/articles/f0f8753c79027d48866a4795a4120807efb52887?page=2

 山陰地方が記録的な大雨に見舞われた今月9日。島根県出雲市で、6月に死去した参議院のドンこと青木幹雄元官房長官のお別れ会が行われた。

「政界引退後も、平成研究会(茂木派)の実質的なオーナーとして歴代政権に影響力を及ぼした。悪天候の中、式典には300人もの参列者が集まりました」

 とは、さる自民党関係者。

「青木さんのご遺族は、事前に“改めて東京でも開催します”と周知し、国会議員には声を掛けませんでした。例外的に招かれたのは、細田博之衆院議長ら中国地方選出議員のほか、小渕優子元経産相くらい。派閥会長の茂木敏充幹事長も招待は見送られていたんです」

 青木氏は平成10年に発足した小渕恵三内閣で官房長官に就任。が、小渕総理は在職中に病に倒れて優子氏がその後を継いだ。その縁で青木氏は、彼女に「実の娘のように目をかけてきた」(地元関係者)ことで知られる。もう一人の招待者である細田氏は、同じ島根県選出の盟友だ。

●“茂木敏充の名義の花なら受け取るな”

 先の自民党関係者が言う。

「青木さんは生前、茂木さんを“我(が)が強すぎる”などと蛇蝎(だかつ)のごとく嫌ってきた。二人の確執は最後まで解消されず、青木さんは“茂木敏充の名義の花なら受け取るな。受け取るなら平成研の名義にしてもらえ”と言い残したとも。供花の名義にまでこだわるのは細やかな配慮で有名だった青木さんらしいですが、“そこまで嫌っていたのか”と、改めて対立の根深さが浮き彫りになりました」

 9日の朝、それでも茂木氏は出雲市に向かった。

 政治部デスクが解説する。

「茂木にとり、この日は南米と欧州に向かう外遊の出発日。彼が強行軍にもかかわらず出向いたのは、青木の“最後の一撃”の影響を気に病んだからでしょう」

 青木氏が自身の死後も続けた“茂木切り”に、茂木氏は危機感を募らせた。

「この日、小渕は弔辞を任されていました。個人名での供花すら断られていた茂木は、弔辞を読む小渕の姿が派閥の世代交代を内外に印象付けることを恐れたはず。だから彼は、あくまで遠慮を求めたご遺族の意向を押し切って、強引に顔を見せたとみられています」

●後がない茂木氏は…

 折悪く、岸田文雄総理は今秋と目される内閣改造と党役員人事で、茂木幹事長の交代を検討しているとされる。

「最大の理由は東京都における公明党との選挙協力を巡るトラブルです。交代となれば、派閥における茂木の影響力低下は避けられませんが、一方で小渕の求心力は一気に高まりますね」

 政治ジャーナリストの青山和弘氏はこんな見方だ。

「茂木氏は65歳の岸田総理より2歳年上で、年齢的にも次の総裁選が最初で最後の挑戦になる。衆院33人、参院21人からなる派閥の結束や小渕氏の台頭を考えれば大雨の中、外遊の出発日に出雲まで出向いたという事実は今後、大きな意味を持つ可能性がある。派閥の中堅幹部は無理して行かなくても……”と鼻白んでいましたが、後がない茂木氏に行かないとの選択肢はなかったのでしょう」

 恩讐の彼方に仄見えてしまう老獪な打算――。

「週刊新潮」2023720日号 掲載

=====

●「岸田政権は5月までもつ? 「第1次安倍政権と似てきた」の声」

村上新太郎

2022年12月14日

『アエラ』

https://dot.asahi.com/wa/2022121300069.html?page=1

https://dot.asahi.com/wa/2022121300069.html?page=2

https://dot.asahi.com/wa/2022121300069.html?page=3

 秋の臨時国会が1210日、閉幕した。焦点だった旧統一教会問題をめぐる救済新法は成立したものの、世論の評価はいまいち。相次ぐ閣僚スキャンダルも来年に持ち越されそうな情勢だ。満身創痍の岸田文雄政権、いつまでもつのか──!?

*  *  *

「総理大臣は実に孤独なものです……ちょっとつらいときもあります」

 岸田文雄首相は1121日夜、母校・早稲田大学の大隈庭園内にある「完之荘」で森喜朗元首相や自民党の青木幹雄元参院議員会長らと会食し、こう心情を吐露してみせたという。森、青木両氏とも早大雄弁会出身の実力者。今後の政権運営などについて意見交換したと思われる。大物たちに悩みを打ち明けた岸田首相の真意は何だったのか。政府関係者はこう語る。

「岸田首相は、財務省出身で最側近の木原誠二官房副長官や、官邸官僚たちの進言をほぼ言いなりで聞いて政権運営をしてきた。それに対し、自民党サイドからは『事前に一切説明がない』と猛反発を食らい、政府・与党の連携欠落が明らかになった。問題閣僚の更迭判断の遅れや身体検査のずさんさなども影響し、官邸が機能不全に陥った」

「政高党低」と言われた時代から一転、いまや官邸は党を抑えられなくなっているという。物価高騰対策の補正予算案では、萩生田光一政調会長に押し込まれ、当初政府が想定していた25兆円規模から4兆円超の上積みを余儀なくされた。注目された2023年度から5年間の防衛費についても、財務省は当初30兆円台前半を主張していたが、増額を求める防衛族をバックにした防衛省に押し切られ、総額約43兆円の大盤振る舞いに。岸田首相は1兆円強の増税を表明せざるを得なくなった。

 閣僚の辞任ドミノも止まらない。岸田派の葉梨康弘前法相、寺田稔前総務相に続き、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との深い接点が明らかになった秋葉賢也復興相も危うい状態だ。「岸田首相は非主流派の菅義偉前首相や二階俊博元幹事長と面会したり、麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長と3人で何度も会ったりするようになった。ある程度、党側に軸足を移さないといけないと思ったようだ」(自民党関係者)

■新閣僚にも醜聞 野党の鼻息荒く

 だが、肝心の支持率は低下する一方だ。共同通信社が112627日に実施した世論調査によると、岸田内閣の支持率は10月末の前回調査から4.5ポイント減の33.1%で、過去最低を更新。不支持は51.6%で初めて5割を超えた。

 中でも、旧統一教会問題を巡る被害者救済新法について、マインドコントロール(洗脳)された人の寄付の取り消し規定が必要との回答が75.8%に上ったことは重要だ。新法に洗脳下の寄付規制を明記しない政府方針は、世論とズレていることになる。「この数字に官邸は焦ったが、『洗脳下』は定義付けが難しい。そこで、寄付を勧誘する際、十分に配慮する規定を修正法案に盛り込むなど、内閣提出法案としては異例の、野党案を取り入れた法案となった」(与党国対関係者)という。

 岸田政権の現状について、政治ジャーナリストの野上忠興氏は「閣僚が次々とドミノ辞任した第1次安倍政権と酷似している。こういう展開になると、内閣自体がもう長くない」と断言する一方で、こうも語る。

「岸田首相は案外しぶといから、支持率が30%あれば来年5月の広島サミットまではもつのではないか。状況的には20%台前半に落ちていてもおかしくないが、日本人はお人よしだから信任してしまう。ただ、岸田首相には危機感がない。自分の長男を首相秘書官にして、後ろがついていくはずがない。今、ほとんどの霞が関幹部の心は岸田首相から離れている」

 政権の危機はまだ続く。寺田氏の後任に据えた松本剛明総務相は就任早々、資金管理団体が会場収容人数を超えるパーティー券を販売し、政治資金規正法違反の疑いがあると「しんぶん赤旗」にスクープされてしまった。

 松本氏は旧民主党から自民党に転じた転向組で、麻生派(志公会)所属。「適材適所」(岸田首相)と言うものの、あからさまな麻生人事だ。だが、旧民主の流れをくむ立憲民主党にとって松本氏はいわば裏切り者。立民にとっては“制裁”を加える絶好の機会とあって、批判の手は緩めないだろう。立民幹部は「元々、プライドが高く、自民党内でも浮いた存在と聞く。徹底的に追及し辞任に追い込む」と鼻息は荒い。

岸田首相からすれば、松本氏や秋葉氏を更迭しようにも、これ以上、首を切ると政権がもたない恐れもある。そこで浮上していたのが年明け以降の内閣改造。人心一新し、立て直しを図るのが狙いだ。ただ、11月下旬ごろから「改造は視野に入れているが慎重に見極めようという意見が出てきた。問題大臣の交代だけで収める可能性も十分ある」(自民党幹部)という。

 自民党役員人事も合わせて行うとみられていたが、国会運営をめぐり立憲民主党の安住淳国対委員長にやられっぱなしの、高木毅国対委員長も所属する安倍派の要請で交代させない芽も出てきた。

 そもそも内閣改造しても支持率が上がるとは思えないが、来年5月の広島サミットで議長国として存在感を発揮して支持率を上げ、余勢を駆って解散に持ち込むというのが首相の基本戦略だろう。

 最大の救いは「ポスト岸田」の有力候補が不在で、野党の支持率も非常に低い点だ。支持率がジリ貧でも、どこかの段階で解散の引きがねを引き、反転攻勢に出ることを狙っているのは間違いない。

「残念なのは、かつては三角大福中(三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘各氏)、安竹宮(安倍晋太郎、竹下登、宮沢喜一各氏)など自民党はベンチの中に予備軍がいっぱいいたのに、今はいないこと。国民の側は誰も『あの人がいいね』という発想ではなく、『あの人でいいや』という見方をする。政治の劣化ぶりもこれ極まれりだ」(野上氏)

「冗談に聞こえるかも」と前置きしたうえで、前出の政府関係者は語る。

「官邸内部ではサッカー日本代表が格上のドイツ、スペインに勝ち、メディアがサッカー一色になり政治ニュースが霞むと喜んでいた。しかし、クロアチアにPK戦で負けて、これで平時に戻ったとがっくりする職員が多いといいます」

 このままでは何も成し遂げないまま、“オウンゴール”で試合終了だ。(本誌・村上新太郎)

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 2021年5月29日に新刊『』(秀和システム)が発売になりました。全国の書店にもようやく並び始めたところです。是非手に取ってお読みください。

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悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

 2020年(笑)東京オリンピック・パラリンピックの開催が近づいている。東京を中心に各地で「TOKYO 2020」という間の抜けたポスターや横断幕が貼られて、オリンピック気分を盛り上げている()。私は、招致段階から東京の真夏の気温と湿度は運動に適さない、のに、日本の招致委員会がいい加減なことを言って招致活動を展開し、IOCもそれに「騙される」ふりをして、大茶番で決まった東京大会には反対してきた。今でも開幕には反対だ。

 これでも大人になってからはさほどではないが、子供の頃には人並みにオリンピックに出る日本代表の選手たちを熱心に応援していた。柔道や体操、水泳などでメダルを獲得した選手たちのことは今でも覚えている。深夜、テレビの前にかじりついて見ていた。何と無邪気なことだったことだろう。

 日本で世論調査をやれば、保守系の読売新聞の結果でも、調査対象者の過半数が開催に反対であり、再延期まで含むと大多数ということになる。現状では開催すべきではない、というのが大勢となっている。こうした人々も新型コロナウイルス感染拡大がなければ、オリンピックを楽しみにしていたことだろう。

 今回のオリンピックをめぐる状況で改めて、多くの人々が認識したのは、国際オリンピック委員会の異常さである。特に金銭面に関しては情報公開を拒み(スイスの国内法を盾に取っている)、しかし、役員たちの贅沢三昧、開催都市や国家に対する、信じられないような過大な要求を平然と行って恬として恥じない、根っからの「お貴族様」たちであることがバレた。白日の下に晒された。

 下の記事にあるが、日本共産党の志位和夫委員長は、IOCの最高幹部たちの言動を受けて、「日本はIOCの植民地ではない」と反発した。IOCのディック・パウンド委員(カナダ)は「仮に菅(義偉)首相が中止を求めても、個人的な意見に過ぎない。大会は開催される」と発言した。これを受け手、志位委員長は「主権侵害だ」と反発した。この認識は正しい。日本はIOCの植民地なのだ。そして、日本にオリンピック関係者はIOCの植民地支配を手助けする、現地人の買弁(ばいべん)、 compardor である。

 日本の組織委員会やオリンピック委員会の最高幹部になること、それはIOCの役員、「お貴族様」の仲間入りができるチャンスを貰ったことになる。今回の東京大会を「開催」すれば、「お貴族様」の仲間に入れてもらえる、同国人を裏切っても、同国人を金のために犠牲にしても、それがIOC「お貴族様」の仲間入りの条件ならば、平然と行えるのが、植民地根性、奴隷根性であり、買弁気質だ。戦後日本はアメリカの植民地にされ、植民地根性だけは世界に誇れるほど発達させてきた。それが21世紀になっても続いている。何とも悲しい話である。

(貼り付けはじめ)

●橋本会長、IOC幹部の問題発言連発に「強い情熱が言葉として出ていると感じる」

5/28() 17:14配信

スポーツ報知

https://news.yahoo.co.jp/articles/04b43a5ae9e68f450e5fc3904e39518df24f9fc7

東京五輪・パラリンピック組織委の橋本聖子会長は28日、都内で定例会見を開き、バッハ会長ら国際オリンピック委員会(IOC)の幹部の一連のコメントが強い批判を受けていることに「開催への強い意志の表れが、強い言葉になってしまっている」との見解を示した。

 21日の会見でコーツ副会長が口にした「緊急事態宣言下での開催? 答えはイエスだ」との発言をはじめ、最古参議員のディック・パウンド氏の「アルマゲドンが起きない限り大会は開催される」など、日本の国民感情への配慮を欠くものが目立つ。会見で「上から目線の発言に違和感がないか」と問われた橋本会長は「IOCは五輪を開催する強い意志を持っている。強い情熱が言葉として出ていると感じる」と、その真意を読み解いた。

 さらにバッハ会長が22日の国際ホッケー連盟の会合で「我々は犠牲を払わなければならない」と発言し、「我々」に日本人が含まれるかどうかの解釈を巡って物議を醸した一件もあった。橋本会長は「日本人を犠牲にしてまでも、とは言ってはおらず、誤訳だったと聞いている。IOCも明確にしている」と、補足説明した。

=====

●「命より五輪、日本はIOCの植民地か」 志位氏、幹部発言を批判

毎日新聞 2021/5/27 18:53(最終更新 5/27 18:54

https://mainichi.jp/articles/20210527/k00/00m/010/186000c

 共産党の志位和夫委員長は27日の記者会見で、国際オリンピック委員会(IOC)幹部が東京オリンピック・パラリンピック中止に否定的な発言を繰り返しているとして、「日本をIOC帝国の植民地扱いする発言だ」と強く反発した。

 IOCのジョン・コーツ副会長が緊急事態宣言下でも東京五輪は開催可能と発言。また、IOC最古参委員のディック・パウンド氏(カナダ)は27日発売の週刊文春のインタビューで、東京オリンピック・パラリンピックについて「仮に菅(義偉)首相が中止を求めても、個人的な意見に過ぎない。大会は開催される」などと発言した。

 志位氏は「常軌を逸した発言で看過できない」と指摘。「日本国民の命よりも五輪開催を優先させるものだ。一体、IOCは何様か。何の権限でそんなことが言えるのか。主権侵害につながる発言だ」と批判した。【古川宗】

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今朝、私は以下の新聞記事を読みました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに関しては、新国立競技場建設を巡る政府と東京都、具体的には森喜朗元首相(文教族のドン)と下村博文文部科学大臣(東京を地盤とする文教族で安倍晋三首相の側近)対舛添要一東京都知事の「500億円」を出すか出さないかの問題が大きくクローズアップされています。

 

 以下の新聞記事によると、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで当初計画されていた東京のお台場を中心とする湾岸地域に集中しての各競技開催が放棄され、既存の施設を多く利用した開催に変更になるようです。地図で見れば分かりますが、お台場を中心とする湾岸地域での多くの新施設建設が放棄されることになります。

 

 私は「東京オリンピック・パラリンピックなどと言っているが、正確には何か裏事情がプンプンのお台場オリンピック・パラリンピックじゃないか。こんなものを開催する意味はない」と考えてきました。私は、このオリンピック・パラリンピック開催はお台場カジノ構想とセットであると考えていました。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「20年東京五輪:会場変更、戸惑いも」

 

毎日新聞 20150610日 東京朝刊

http://sportsspecial.mainichi.jp/news/20150610ddm035050100000c.html

 

 国際オリンピック委員会(IOC)が8日に2020年東京五輪の会場計画で新たに7競技の会場見直しを承認したことを受け、対象となった競技団体の関係者からは理解を示す声が上がる一方、選手村(東京都中央区)から8キロ圏内というコンパクトな当初の計画が崩れたことを残念がるコメントも聞かれた。

 

 若洲オリンピックマリーナ(東京都江東区)から1964年東京五輪と同じ江の島ヨットハーバー(神奈川県藤沢市)に変更された日本セーリング連盟の鈴木修専務理事は「(当初の計画以外で)コンディションが一番いい所が選ばれた。市民の盛り上がりなどを総合した結果」と納得した様子だった。

 

 江東区に新設予定だった夢の島ユースプラザから武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称、東京都調布市)に変わる日本バドミントン協会の能登則男事務局長は「決まったら仕方ない」と諦めの表情を浮かべ、「選手村から会場までの移動時間が長い。(道路の五輪関係車両)専用レーンもどれぐらいになるか分からないが、選手に負担のないようにしてほしい」と注文した。

 

 東京ビッグサイト(江東区)から幕張メッセ(千葉市)に移るテコンドーの関係者は「競技人口が少ないテコンドーは都心で開催して埋没するより、千葉で自治体の後押しなどで盛大にやれたら、良かったと言えるかもしれない」と前向きにとらえつつも、「東京五輪なのになぜ千葉で、と外国人選手には抵抗を感じる人が多いかも」と戸惑いをにじませた。【新井隆一、熊田明裕】

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

 ただ、お台場オリンピック・パラリンピックと言いながら、メインスタジアムは相も変わらずに新宿区霞町のあたりの旧国立競技場の場所にそのまま建てられるというのが気になっていました。「お台場に新たに建てれば良いのに」と考えていました。

 

 しかし、カジノ構想の見せかけの理由としてのオリンピック・パラリンピックで、政治的な影響力がまだまだ大きい森喜朗元首相(ラグビーにも深く食い込んでいる)に利権を食わせるために新国立競技場を建設することになったのだと思います。

 

 東京オリンピック・パラリンピックは石原慎太郎元都知事の独りよがりの悲願でした。石原慎太郎氏の長男は石原伸晃代議士で、父慎太郎氏の頼みを受けた森喜朗氏の支援を受けて、自民党総裁選挙に出馬したことがあります。また、石原慎太郎氏と森喜朗氏は若手代議士時代には、血判状で有名になった議員グループであった青嵐会に属していました。こうした点から、2人は親しい関係にあります。そして、国立競技場とその周辺の利権は森喜朗氏、お台場開発に関しては石原慎太郎氏の棲み分けができていたのだろうと思います。下村博文大臣は森氏の子分格でしかありません。

 

 しかし、お台場オリンピック・パラリンピックの様相が変わってきました。お台場での開発が縮小され、既存施設の利用、更には東京西部・調布市にある施設利用計画が浮上してきました。前回の都知事選挙で舛添要一氏は東京オリンピック・パラリンピックにおける東京西部地区の利用を公約に掲げていました。そして、カジノ構想には慎重な公明党の支援も受けて当選することが出来ました。今から思い返してみると、舛添都知事誕生は、お台場オリンピックの放棄とセットだったということになります。そして、舛添氏は、現在、新国立競技場建設について、「正論」の立場に立って、文教族を攻撃しています。私は、ここに、安倍政権内部の暗闘があると考えました。

 

 先日、私はSNSI・副島隆彦を囲む会の中田安彦研究員と雑談をしていました。彼は私がスポーツ好き(彼はスポーツ好きではありません)であることを知っているので、スポーツの話、特に横浜にあるプロ野球球団である横浜DeNAベイスターズの話をしてきました。私は彼がそんな話をしてくるのは珍しいと思ってその理由を尋ねたところ、カジノ構想絡みの話で、質問したと答え、以下のような記事がたくさん出ていることを教えてくれました。

 

(雑誌記事転載貼り付けはじめ)

 

●「有力視されたお台場カジノ開設 菅官房長官の地元横浜逆転か」

 

2015.04.25 16:00 NEWSポストセブン

http://www.news-postseven.com/archives/20150425_317893.html

 

 

 株価は上がり、統一地方選でも勝って、浮かれ放題の安倍晋三首相だが、実は足下は大揺れだ。

 

 現在、首相官邸で実権を握っているのが菅義偉・官房長官と世耕弘成・官房副長官のラインだ。官房長官はあらゆる政策で各省庁の調整を行なう役目であり、その権限は絶大だ。

 

 その菅氏のライバルがお友達大臣の筆頭格の下村博文・文部科学相だ。下村氏は長く首相と同じ細田派(清和会)に所属し、安倍氏とは家族ぐるみの付き合いで知られる。「いずれ官房長官として安倍総理を支えるのが悲願」(細田派中堅)というから菅氏は目障りな存在に映るだろう。

 

 その2人が安倍政権が力を入れる「カジノ特区」の招致合戦で激突した。東京選出の下村氏は、「東京・お台場の一角に国際観光産業としてのカジノを構えたい。お台場に行ったら歌舞伎も浄瑠璃もAKB48も見られる。その一角だけでも年間2000万人ぐらいの集客力があるようなものだ。これだけで東京はものすごく元気になる」と旗を振り、当初はお台場でのカジノ開設が有力視されていた。

 

 ところが、菅氏の地元・横浜に逆転されたという。

 

「政府は東京五輪までに全国2か所にカジノ特区を開設する方針だ。有力なのは横浜と大阪。お台場は東京都知事が慎重派の舛添要一氏に代わったことで後退し、その隙に菅さんが巻き返した。特区を指定する国家戦略特別区域諮問会議のメンバーには菅さんと甘利明・経済再生相の2人の神奈川選出議員がいるのに、下村氏ら東京選出議員が1人も入っていない」(カジノ議連の議員)

 

 菅vs下村の力関係に大きな影響を与えたのが下村氏の政治資金スキャンダルだ。下村氏を応援する教育関係者の団体が政治団体の届出をしないままパーティーや講演会を開催し、下村氏が寄付を受けていたことが政治資金規正法違反にあたると追及された。

 

 安倍首相はあくまで下村氏を庇(かば)ったが、「これで次の内閣改造でも下村氏の官房長官の目はまずなくなり、菅氏は漁夫の利を得た」(自民党幹部)格好なのだ。

 

※週刊ポスト201551日号

 

(雑誌記事転載貼り付け終わり)

 

 このように、お台場カジノ構想は頓挫しており、現在は横浜と大阪が有力な候補地となっているそうです。そして、安倍晋三首相の側近の座を巡り、菅義偉官房長官と下村博文文部科学大臣が争っているが、菅氏の方がリードしているということのようです。菅氏と大阪の橋下徹市長の関係などについては、中田安彦研究員がウェブサイト「副島隆彦の学問道場」(http://www.snsi.jp/)において、文章にして発表する予定となっていますので、そちらを是非お読みください。

 

 横浜DeNAベイスターズは今シーズン好調ですが、前身の大洋ホエールズ、横浜大洋ホエールズ、横浜ベイスターズから含めてあまり強くないティームであることはプロ野球ファンならば誰でも知っています。相手に白星ばかりを供給して、自分たちは借金(負け越し)を重ねる「横浜大洋銀行」などと揶揄されたこともありました。それでも1960年と1998年に2度セントラル・リーグを制覇し、日本シリーズでも勝利を収め日本一になっています(消滅した大阪近鉄バファローズは日本一になったことはありませんでしたし、人気球団阪神タイガースの日本一は1985年の1度きりです)。

 

 ベイスターズが本拠地としているのが横浜スタジアムで、1978年開場、この年にそれまで川崎球場を本拠地としていた大洋ホエールズが移ってきました。川崎球場には、東京下町にあった本拠地東京スタジアムを追われた当時ジプシー球団と呼ばれたロッテ・オリオンズが入りました。カジノ建設候補地である山下公園付近や中華街にもほど近い公園の中にある横浜スタジアムは絶好の場所にありますが、カジノ構想ではかえって邪魔になる可能性が大きいようです。別の場所に横浜ドームを建設、しかもそのドームは音楽コンサートなどメインになる可能性もあるということです。

 

 話を元に戻すと、お台場オリンピック・パラリンピックからカジノへという東京自民党と石原慎太郎氏の思惑は外れ、菅義偉官房長官のお膝元である横浜におけるカジノ構想が進んでいるということです。そして、このことが2020年の東京オリンピック・パラリンピックの計画の迷走の原因になっているのだろうと私は考えています。

 

(終わり)





ダニエル・シュルマン
講談社
2015-07-29




 
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