古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:民主党

 古村治彦です。

 アメリカ通商代表(U.S. Trade Representative)は、アメリカの通商政策を担う役職であり、閣僚級とされている。そして、外交交渉を行う権限を持ち、大使として扱われる。各国との貿易に関する取り決めについてアメリカを代表して交渉を行う。「自由で公正な貿易」を実現するという建前を持っているが、本音はアメリカにとって有利な貿易上の取り決めを行うことが仕事である。

 下の記事では、ジョー・バイデン政権の米通商代表であるキャサリン・タイのインタヴューが掲載されている。キャサリン・タイは両親が台湾からの移民でアリ、彼女自身も中国を流ちょうに話す。中国側と交渉する際には、中国語を使うことはないだろうが、米通商代表が中国語を理解できるということは、中国に対しての大きなプレッシャーとなり、アドヴァンテージとなる。

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キャサリン・タイ

 キャサリン・タイはインタヴューの中で、産業政策の重要性について述べている。アメリカが自由貿易体制を守りながら、経済成長をしていくためには、産業政策で、アメリカの各産業、特に最先端の産業分野を守り育てることが重要ということになる。このような主張に対しては、特定の企業に対する保護、税制優遇や補助金は非効率を生み出し、技術革新が阻害されるという反論がなされる。これに対して、キャサリン・タイは中国を例に挙げて、競争を阻害しない形での税制優遇や補助金供与ができるとしている。新自由主義、市場至上主義の時代ではまず考えられなかったことである。アメリカは、競争相手である中国の産業政策を学ぼうとしているのである。

アメリカは日本の産業政策については、叩き潰そうとしてそれに成功した。それは、究極的には、日本がアメリカの属国であり、日本はアメリカの指令を拒むことができなかったからだ。しかし、時代は変わった。アメリカは中国の真似をしようとしている。そして、米通商代表を、中国語に堪能な移民2世であるキャサリン・タイが務めていることは、大きな意味がある。

(貼り付けはじめ)

産業政策についてホワイトハウスが正当化する根拠(The White House’s Case for Industrial Policy

-キャサリン・タイ米通商代表はアメリカが不公正な競争を助長しているという批判に反論している。

ラヴィ・アグロウアル筆

2023年3月2日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2023/03/02/live-industrial-policy-katherine-tai-trade-economy-chips-inflation/?tpcc=recirc_carousel091023

国際貿易が激動に見舞われているのは当然のことだ。2007年に始まった世界金融危機(global financial crisis)の後、グローバライゼーション(globalization)の進展という数十年来のトレンドは、まず減速し、その後逆行し(reverse course)始めた。2020年には新型コロナウイルス感染拡大が発生し、サプライチェーンが一瞬にして寸断された。国や企業はいわゆる 「ニアショアリング(nearshoring)」や 「フレンドショアリング(friendshoring)」に注力した。その後、ロシアがウクライナに侵攻し、地政学(geopolitics)が貿易に更に影響を及ぼし始めた。米中冷戦の勃発や世界的なナショナリズムの波が加われば、世界が産業政策の時代に乗り出したように見える理由が分かるだろう。アメリカから中国、インド、ヨーロッパ、そしてその他の国々まで、主要な経済は内向きになっており、自由貿易やグローバルなモノの流れよりも国内の拡大(domestic expansion)を優先している。

今年2月の一般教書演説(State of the Union)で、ジョー・バイデン米大統領は「バイ・アメリカン(Buy American)」という言葉を展開し、大きな拍手を浴びた。バイデン政権はインフレ削減法(Inflation Reduction ActIRA)やCHIPS・科学法CHIPS and Science Act)などの画期的な法案を成立させ、クリーンエネルギーや半導体に4000億ドル以上の補助金を提供している。しかし、このような誘導策はアメリカ企業に国内投資のみを奨励し、他国への投資は奨励しない。アジアやヨーロッパの好機到来を迎えている各企業は、既にアメリカに投資を移し始めている。世界の他の地域からは抗議の声が上がっている。各国の大合唱は、ワシントンが不公正な競争(unfair competition)を助長していると非難している。

米国が保護主義に転じていると言っても、他国よりも自国の利益を優先する唯一の国とは言い難い。しかし、これは補助金競争(subsidies race)が健全な経済学を代表しているのかどうかという問題を提起している。最初の一時的な興奮状態(sugar high)の後、世界は結局、効率と技術革新(efficiency and innovation)の恩恵を犠牲にすることになるのだろうか? 大国間競争(great-power competition)の新時代から恩恵を受けるのは誰か?

産業政策の促進におけるワシントンの役割を理解するために、私はホワイトハウスの通商政策の策定と実施を任務とする、バイデン政権の最高当局者であるキャサリン・タイ米通商代表に話を聞いた。私たちの会話は、本誌のライブジャーナリズムフォーラムであるFP Liveで放送された。 FP購読者はFP Liveでヴィデオインタヴューを視聴できる。以下は、編集され要約されたトランスクリプトだ。

フォーリン・ポリシー:タイ大使、ヨーロッパの政策立案者たちは、インフレ削減法やCHIPS・科学法を見て、不公正な競争(Unfair competition)と保護主義(protectionism)の匂いを嗅いでいる。彼らの批判にどう答えるか?

キャサリン・タイ:CHIPS・科学法とインフレ削減法は重要な成果だ。長年の不手際や怠慢を経て、ようやく私たちは自分たちに投資している。非常に長い間、私たちは世界に溶け込むために自由化政策を進めてきたが、その一方で、我が国が必要としているものには目を向けてきなかった。

あなたが言うような批判は、私がその場で耳にしたものというより、むしろ報道で読んだものだ。それはパートナーからの懸念として私に届けられたものだ。これは重要な違いだ。

私たちは、パートナーや同盟国が私たちと共有している懸念を非常に深刻に受け止めている。

インフレ抑制法について考えてみよう。ヨーロッパのパートナーやカウンターパートとの会話はいつも、バイデン大統領の信じられないほどの成果、つまり気候危機との闘いにおいて私たちがこれまでに行った最大の貢献を祝福することから始まる。なぜ会話がそこから始まるのかというと、心に留めておくべき重要な事実がある。つまり、アメリカとヨーロッパは、気候変動とその持続可能性への影響、そして、私たちの経済の将来に関して、私たち全員が地球全体として直面している重大な課題を認識するという点で完全に一致している。

私たちは、パートナーや同盟国が私たちと共有している懸念を非常に真剣に受け止めている。インフレ抑制法は、気候変動との闘いへの署名であり、重要な貢献であると同時に、ここにある民主的な法の支配システムの産物でもあることを認識することが重要だ。私たちが最も緊密に対話し、協力しているパートナーも民主政体国家だ。民主政体諸国は私たちが取り組んでいる活動において団結しており、どのように協力してこれを実現できるかを考えるために、私たちが直面している課題に真剣に取り組んでいる。その全体的な文脈において、インフレ抑制法は(経済的持続可能性の課題を)解決するものにはならない。これは、技術と経済がこの課題に対処するよう奨励する重要な動機となる。これは、最初かもしれないが、行う必要がある最後の重要な政策貢献ではない。

フォーリン・ポリシー:あなたは、ヨーロッパからの批判に対処しているが、マクロ経済的な側面からの批判もある。経済学者たちは、世界が産業政策の時代に突入することを懸念している。自由貿易とは異なり、産業政策は長期的には非効率になりかねないという主張がある。また、大企業に補助金を出すと、技術革新が阻害されるとも言われている。

キャサリン・タイ:インフレ抑制法が対応している最初の課題は気候危機だが、世界経済の大きな混乱と不安定性の中で、私たちはこの危機の緊急性に直面している。新型コロナウイルス感染拡大やロシアのウクライナ侵攻決定を通じて私たちが目にしたのは、私たちが乗り越えなければならない世界経済の脆弱さだ。

世界経済もまた、世界経済において非常に重要な役割を担っているにもかかわらず、構造的に我が国の経済のような形で運営されていない、非常に大規模かつ成長を続ける経済の台頭による重大な歪みを経験している。

フォーリン・ポリシー:あなたは中国について話している。

キャサリン・タイ:そう、私は中国について話している。これは、過去数十年にわたって進められてきたグローバライゼーション・プロジェクトの基本的な前提に対する挑戦という点で、絶対に無視できない要素だ。

補助金が非効率的であるというあなたの指摘についてだが、私たちが補助金(subsidies)や税制上の優遇措置(tax incentives)を提供している限りにおいて、補助金は市場システムの中で運営され、企業の行動に影響を与えることを目的としている。中国経済を動かしていると私たちが見ている補助金や国家支援の種類は、まったく異なる規模のものだ。実際、それらは経済を動かしている。市場システムにインセンティヴを生み出すことが目的ではない。経済における国家と表現の間には直接的な境界線がある。そしてこれは、経済成長と発展への持続可能な道という観点から、ヨーロッパの友人や世界中の他のパートナーと私たちが共有するもう1つの課題の非常に重要な側面だ。分野が平等でないヴァージョンのグローバライゼーションでは、私たちは適応する方法を見つけなければない。私たちは一緒に適応する必要がある。

フォーリン・ポリシー:アメリカの内政・外交政策の多くは、中国との競争というプリズムを通してフィルターがかけられているようにいつも感じている。アメリカは既に中国から切り離されている(ディカップリング、decoupling from China)のか?

キャサリン・タイ:私がよく質問される中で、使われている言葉がいくつかあり、私はいつもそれと戦っている。ディカップリングもその1つであり、脱グローバル化(deglobalization)もその1つだ。ディカップリングという言葉が、経済を完全に切り離そうとしているという意味であれば、たとえそれが望ましい目標だったとしても、それを実現するのは非常に難しいと考える。

私たちがやろうとしているのは、現在見られるグローバライゼーションのヴァージョンにおいて、リスクと脆弱性がどこにあるのかを確認し、特定することだ。私たちが新型コロナウイルス感染拡大を通じて経験したサプライチェーンの課題は、示唆に富んでいる。感染拡大初期の個人防護具、マスク、手袋、人工呼吸器であれ、私たち全員に影響を与えた半導体チップの不足であれ、私たちは、供給と生産の集中が重大なリスクと脆弱性を生み出すことを認識することなく、最低コストを追い求め、効率性を追求して設計されたグローバル・サプライチェーンを目の当たりにしている。

私たちが焦点を当てているのは、ヨーロッパの友人たちがリスク回避と呼んでいるもので、これは実際に物事を考えるのに非常に役立つ考え方だ。私の観点からすると、それはサプライチェーンの回復力を構築し、経済の回復力を確保するためのインセンティヴを生み出すことだ。なぜなら、それが地政学的であれ、気候関連であれ、疫病であれ、私たちが遭遇する危機は更に大きくなるからだ。この期間を建設的かつ生産的に過ごすために私たちがしなければならないことは、将来のショックに耐え、和らげることができるように世界経済を適応させ、備える方法を見つけ出すことだ。それをディカップリングとは呼ばない。それは、まさに、私たち全員がより多くの選択肢を持てるようにすることなのだ。

フォーリン・ポリシー:私もディカップリングという言葉に満足していないので、あなたの前任者のロバート・ライトハイザーを含む数名のアメリカ政府当局者たちがこの言葉を使用し、アメリカの政策としてディカップリングを主張していることは指摘しておきたい。

しかし、中国と関係を持つことも重要だ。アメリカの政策の一部が中国を封じ込めたり、中国の台頭を遅らせたりすることであるなら、それは世界経済そのものに悪影響を与えるのではないだろうか?

キャサリン・タイ:私の観点からすると、少なくとも貿易と経済分野では、中国を封じ込めることがバイデン政権の政策の目的ではない。それはアメリカを引き上げることである。世界経済統合における効率性の追求において、自分たちはあまり目立たないと感じていた特定の分野の労働者を元気づける。実際には数世代前に行った投資にまだ依存しているインフラを整備する。そして、より速く走れ、より高くジャンプできるように自分自身を鍛え上げる。それはおそらく、通商政策を含む経済政策を見る上で最も有用なレンズだ。

フォーリン・ポリシー:もちろん、あなたの役割はアメリカの利益を第一(America’s interests first)に考えることだ。しかし、繰り返しになるが、大国が自らの回復力(resilience)、つまり独自の産業政策を構築している世界では、最終的には小規模な経済が苦しむことがよくある、と言う経済学者たちもいる。アメリカ、中国、ヨーロッパが内向き(looking inward)になっている時代に、グローバルサウスは勝てない。あなたの役割においてそれをどのように考えているか?

キャサリン・タイ:あなたは「アメリカの利益が第一(America’s interests first)」と述べたが、それがアメリカ・ファースト[America First](ドナルド・トランプ前大統領の政策)に関しての、不愉快な思いを引き起こす。どの国も自分たちの利益を大事にしているではないか? しかし、私はバイデン政権のアプローチをそれらと区別したいと考えている。アメリカ第一主義だけのことではない。それはまた、アメリカがどのようにリードし、どのように提携できるかということでもある。私たちは自分自身に投資する必要があるが、それを1人で行わないようにするにはどうしたらよいか? なぜなら、それは私たちが生きたい世界、つまり私たちが1人で何かをするような世界ではないからだ。

小国や発展途上国に何が起きているかかというあなたの質問に対しての答えは次のようになる。発展途上国から中所得国に至るまで、世界最大の経済大国にふさわしいリーダーになるためには、必然的に次のことを行わねばならない。それは、自分自身を大切にしながら、良きパートナーである必要性を決して忘れないということだ。

グローバライゼーションのより強靭な新ヴァージョンの創造を促進するために、私たちが革新しなければならない重要な要素がある。それは、大規模な先進経済国と小規模な発展途上国とのパートナーシップのこれまでのモデルを、アメリカがどのように改善できるかということだ。

あなたが世界経済を流動的であるように感じているのはその通りだが、変化は恐ろしいものであり、変化がどのようなものになるかという保証はないため、私たちは皆、変化に対してある種の偏見を持っている。

フォーリン・ポリシー:中国に関するアメリカの通商政策の長期目標は何か?

キャサリン・タイ:私は1年少し前に米中貿易関係についてスピーチをした。私はその内容全てを承認する。それは、私たちが共存し、公正に競争し、繁栄し続けることができる方法を見つける必要があるということ、そして、私たちの政治的・経済的DNAの核となる制度や原則を守る必要があるということだ。そして、市場競争の原則に基づき、強力な民主政治体制と繁栄する経済を継続するためのスペースを確保することである。

世界で第2位の経済大国が全く異なるシステムで運営され、大きな影響力を持ち、独自の主権を持ち、独自の決定を下していることを考えると、どのようにしてこれらの目標を達成できるのだろうか? これは、私たちのありのままを守り、繁栄するための空間を創造しようとしているアメリカ、そしてパートナーや同盟国として、私たちが取り組む最も重要な問題の1つだ。

フォーリン・ポリシー:最後に質問がある。個人的な質問をさせて欲しい。私はアジア系アメリカ人だ。あなたはアジア系アメリカ人だ。これは、私が自分自身に取り組んでいる質問だ。自分の文化的伝統、自分の複数のアイデンティティ、そして自分が身に着けているさまざまな帽子について、どのように考えているか? あなたは政権内でも数少ない、流暢な中国語話者でもあることを付け加えておく。あなたが守るために雇われたのはアメリカの国益でありながら、あなたの立場にいる人々には必ずしも当てはまらない世界的な展望も持っているということを考えると、これら全ての要素はあなたの政策決定にどのように影響するだろうか?

キャサリン・タイ:移民の子供で、家庭では違う言語を話して育ってきたので、私は言語を学ぶのが大好きだ。私はたくさんの言語で、「お手洗いはどこですか?」と聞けると思う。そして、私は、少なくとも2つか、3つの言語での答えを理解できるかもしれない。これは、私たちが米通商代表部で行っている仕事の重要な側面を強調しているだけでなく、コミュニケーションと理解における橋を架け、溝を埋めることができなければならないというバイデン政権の国際的な見通しも強調している。私は、皆さんとの今回のような機会を捉えて会話をし、私たちの考え方や何を達成しようとしているのかを詳しく説明することに多くの時間を費やしている。

中国を含むアジアのパートナーに関しては、非常に複雑な関係にあり、非常に大規模で重要なパートナーであるため、常に自分の視点を伝えることから始め、次にそれらの国々の意見に耳を傾けられるように、コミュニケーションする必要がある。これは、国内側の政策立案にとっても非常に重要なスキルセットとなる。こうした違いは、国家観だけにとどまらない。私が特に誇りと責任感を持っていることは、アメリカの通商政策をどのように推進するかについて超党派の見解を維持することだ。なぜなら、それが実際に私の職名と私たちの機関の肩書に入っているからだ。その肩書こそは「私たちは米通商代表だ」というものだ。米通商代表として、私たちが政策を推進し、策定する必要があるのは、アメリカ全体、経済、コミュニティ、地域、全ての構成要素の利益のためだ。

※ラヴィ・アグロウアル:『フォーリン・ポリシー』誌編集者。ツイッターアカウント:@RaviReports


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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 2024年11月5日に投開票が実施されるアメリカ大統領選挙は、現職のジョー・バイデン大統領(民主党)と前職のドナルド・トランプ前大統領(共和党)の一騎打ちになっている。各種世論調査の結果では、トランプが有利な状況になっている。しかし、ジョー・バイデンが追い上げている状況になり、大接戦になっている。アメリカはインフレが続き、一般国民の生活は苦しい状況が続いているが、経済は好調とされている。ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス紛争は終結が見えていない中で、バイデン政権は支援を継続している。

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 アメリカ大統領選挙は候補者への直接投票ではなく、各州での選挙人への投票が実施される。そして、各州で多くの票を取った候補者が選挙人を総取りする。各州の選挙人は、その州から選出される、連邦上院議員(人口や規模にかかわらず各州2名)と連邦下院議員(人口によって大きく異なる)の合計数となっている。連邦議員が出ていないワシントン・コロンビア特別区は3名となっている。一番多いカリフォルニア州で54名(上院議員が2名で、下院議員が52名)、一番少ないのはメイン州やワイオミング州の3名(上院議員が2名で、下院議員が1名)となっている。選挙人数は全米で合計538であり、過半数は270だ。

各候補の総得票数と選挙人獲得数の間に乖離があり、総得票数で勝っても、選挙人獲得数で負けた選挙というのは複数回ある。最近では、2016年(敗者はヒラリー・クリントン)と2000年の大統領選挙(敗者はアル・ゴア)がそうだった。

ちなみに、選挙人数が同数となる、あるいは、過半数を獲得する候補者が出なかった場合には、連邦下院で選挙を実施して大統領を決定するが(連邦下院では副大統領を決める)、その際には各州の代表が1票を投じる形になり、26州以上の支持を得た候補者が大統領になる。

 州ごとの各種世論調査の結果を細かく見ていき、それを選挙人獲得数に反映させていく作業を行った。その結果、トランプが268,バイデンが226、決めきれない州の合計が44となった。決めきれなかった州は、ペンシルヴァニア州(19)、ミシガン州(15)、ウィスコンシン州(10)である。2016年にドナルド・トランプを勝利に導いた、五大湖周辺州、以前はアメリカの製造業を支えたラストベルト(Rust Belt)と呼ばれる地域だ。2016年、2020年の大統領選挙で、この3つの州で勝利を得た候補者が最終的な勝利者となっている。

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※ペンシルヴァニア州

■2016年

○ドナルド・トランプ:297万733票(48.18%)、●ヒラリー・クリントン:292万6441票(47.46%)

■2020年

○ジョー・バイデン:345万8229票(49.85%)、●ドナルド・トランプ:337万7674票(48.69%)

※ミシガン州

○ドナルド・トランプ:227万9543票(47.50%)、●ヒラリー・クリントン:226万8839票(47.27%)

■2020年

○ジョー・バイデン:280万4040票(50.62%)、●ドナルド・トランプ:264万9852票(47.84%)

※ウィスコンシン州

■2016年

○ドナルド・トランプ:140万5284票(47.22%)、●ヒラリー・クリントン:138万2536票(46.45%)

■2020年

○ジョー・バイデン:163万866票(49.45%)、●ドナルド・トランプ:161万184票(48.82%)

 今回の選挙でもこれらの州は大接戦であり、ジョー・バイデンがこれら3つの州で勝利を収めることができれば、選挙人270名を獲得し、勝者ということになる。トランプとしては、2016年の選挙結果の再現を目指すことになる。

 バイデンが現職の強みで、ウクライナ戦争か、イスラエル・ハマス紛争で、大きな進展、具体的には停戦を実現することができれば、バイデンには追い風となり、再選ということになるだろう。トランプはバイデン政権の動きの遅さを攻撃しながら、ラストベルトに注力したいところである。

(終わり)
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 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。『週刊現代』2024年4月20日号「名著、再び」(佐藤優先生書評コーナー)に拙著が紹介されました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 アメリカ国民の間で、「アメリカで内戦が起きる」「アメリカで第二次南北戦争が起きる」という不安感が漂っている。このブログでも既に紹介したが、今年の4月に全米で「シヴィル・ウォー(Civil War)」(アレックス・ガーランド監督作品)という映画が公開され、ヒットした。「そんな馬鹿な」という思いもありつつも、「アメリカ国内の内戦はもしかして本当になるかもしれない」という不安が存在する。

 世界の内戦の研究を専門にしている政治学者(カリフォルニア大学サンディエゴ校教授)バーバラ・F・ウォルターの著作『アメリカは内戦に向かうのか(How Civil Wars StartAnd How to Stop Them)』(井坂康志訳、東洋経済新報社、2023年)が日本でも刊行された。アメリカでは2022年に刊行されている。

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バーバラ・F・ウォルター

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アメリカは内戦に向かうのか

 ウォルターはアメリカ国内で内戦が勃発する可能性に警鐘を鳴らしている。ウォルターによれば、内戦が発生するのは、「完全に民主政体でもなく、完全に独裁政体でもない」アノクラシー(anocracy)状態にある時だと述べている。そして、人種、民族、宗教の線で分断が起きるアイデンティティ政治(identity politics)に戻っている場合に、2つ以上のアイデンティティ(例えば、経済各社と人種)が結びついて発生したグループである「超派閥(super faction)」が政治的暴力を主導するということになる。こうした場合に、元々支配的な地位にあったグループがその地位を失い(「格下げ[downgrade]」と呼ばれる)、その憤激によって暴力に走るということになる。総体的には、「希望」が失われて、最後に武器を取るということになる。

 アメリカは民主政体の総本山である。民主政体の素晴らしさをアメリカの価値観とし、世界中に拡散しようとしてきた(そして、失敗してきた)。アメリカの観点からすれば、近代化とは民主化と資本主義化である。しかし、アメリカ国内で、民主政治、民主政体に対する疑義が出ている。2020年の選挙では、トランプ陣営と支持者たちは、「選挙は盗まれた」と主張した。彼らからすれば、アメリカの民主政体は傷つけられ、機能しないようになっている。「国の状態を良くしよう」という思いで、選挙という手段を使っても、選挙結果が不正であれば、どうしようもないではないかということになる。「希望」は失われ、「憤激」が生じる。ここに、内戦ぼっ発の可能性が生まれる。また、経済各社と人種が結びつき(トランプを支持した、貧しい白人[経済格差と人種])、暴力を主導するグループである超派閥が生まれる。

 私は、もしアメリカが内戦状態になるとするならば、選挙後だと思う。選挙までは、まだ希望があると考える人たちは多いだろう。しかし、ジョー・バイデン、ドナルド・トランプのどちらが勝利しても、負けた方は不満を持つ。これまでだって、負けた方は不満を持ってきた訳だが、暴力に至るまでの怒りや悲しみ、絶望の程度がかなり上がると私は考える。アメリカで内戦まで進まなくても、政治的暴力は各地で起きるだろう。それだけでも、アメリカの民主政治体制を毀損するものになるし、アメリカ経済にも悪影響が出るだろう。アメリカ国債の金利は上昇し、ドル安に振れるだろう。そうなれば、アメリカ国内の人々の生活は厳しいものとなる。そうなれば、益々不安、不満が募るということになる。アメリカ政治の見通しは暗いものとなる。アメリカ国債の世界第債の保有国は日本だ。このような不安な米国債については、保有量を減らすこと、「貸したお金を返してもらう(現金化)」ことをして、国内に還流する方が良いのではないか。

(貼り付けはじめ)

アメリカは本当に第二次内戦に向かっているのか?(Is the US really heading for a second civil war?

-国内が分極化し、共和党が権威主義(authoritarianism)を支持する中、一部の専門家は北アイルランド型の反乱(Northern Ireland-style insurgency)を懸念しているが、他の専門家たちは、武力衝突(armed conflict)は依然としてありそうにないと主張している。

デイヴィッド・スミス筆

2022年1月9日

『ザ・ガーディアン』紙

https://www.theguardian.com/us-news/2022/jan/09/is-the-us-really-heading-for-a-second-civil-war

ジョー・バイデンは、アメリカが正常に戻ることを願って1年を過ごした。しかし、先週の木曜日、連邦議会議事堂での暴動から1周年を迎えたこの日、大統領はついにアメリカの民主政治体制(American democracy)に対する現在の脅威の規模を認識した。

バイデンは、1年前に暴徒が群がったスタチュアリーホールで次のように語った。「この瞬間、私たちは決断しなければならない。私たちの国は、どのような国家になるだろうか? 政治的暴力を規範として受け入れる国になるのか?」。

アメリカ国内外を問わず、多くの人々が今、この問いを投げかけている。1月6日のような国家的な悲劇でさえも、人々を更に分裂させるだけであるような、深く分断された社会では、あの日が不安(unrest)、紛争(conflict)、国内テロ(domestic terrorism)の波の始まりに過ぎないのではないかという恐れがある。

最近の複数の世論調査の結果を見ると、政府に対する暴力という考えを堅持しているアメリカ人はかなり少数派であることが分かる。第二次アメリカ内戦(第二次南北戦争)の話さえ、フリンジ・ファンタジーからメディアの主流になりつつある。

今週、『ニューヨーカー』誌に掲載された記事の見出しは、「南北戦争が目前に迫っている?(Is a Civil War ahead?)」だった。金曜日の『ニューヨーク・タイムズ』紙のコラムのタイトルは「私たちは本当に第二次南北戦争(内戦)に直面しているのか?(Are We Really Facing a Second Civil War?)」だった。『ワシントン・ポスト』紙の最近のコラムでは、3人の退役したアメリカ軍将軍が、もう1回クーデターの試み(coup attempt)が起きれば「内戦に発展しかねない」と警告している。

そのような概念が、公の場での話題になりつつあるという単なる事実は、たとえそれが依然としてあり得ないと主張する人もいるとしても、かつては考えられなかったことが考えられるようになったということを示している。

バイデンの超党派協力への願望(Biden’s desire for bipartisanship)が、共和党の急進的な反対によって衝突している。そうした状況の中で、ワシントンでのわだかまりによって、内戦が起きるのではないかという懸念が大きくなっている。木曜日のバイデン大統領の発言は、「私は誰に対しても、民主政体の喉元に短剣を突き立てるような行為をすることを許さない(I will allow no one to place a dagger at the throat of our democracy)」というもので、アメリカの主要政党の1つが権威主義を受け入れている以上、通常通りにはいかないことを認めているように見えた。

この点を例示すると、共和党はトランプ大統領の選挙敗北を覆そうとした暴徒を民主政体のために戦った殉教者(martyrs fighting for democracy)に仕立て直し、歴史を書き換えようとしているため、記念式典に出席した共和党議員はほとんどいなかった。保守的なフォックス・ニューズネットワークで最も注目されている司会者であるタッカー・カールソンは、バイデンの演説の映像を再生することを拒否し、2021年1月6日は歴史的に「脚注の程度にすぎない(barely rates as a footnote)」のは「その日は本当に多くのことが起きなかった(really not a lot happened that day)」からだと主張した。

共和党内ではトランプ崇拝がかつてないほど優勢であり、オース・キーパーズやプラウド・ボーイズといった過激な右翼グループが台頭していることから、民主政治体制に対する脅威は1年前よりも大きくなっていると見ている人たちもいる。そうした人々の中に、カリフォルニア大学サンディエゴ校の政治学者で、新著『アメリカは内戦に向かうのか(How Civil Wars StartAnd How to Stop Them)』という新著の著者であるバーバラ・ウォルターがいる。

ウォルターは以前、CIAの諮問委員会である「政治的不安定性タスクフォース(political instability taskforce)」の委員を務めていたが、このタスクフォースは、アメリカ本国を除く、世界中の国々での政治的暴力(political violence)を予測するモデルを持っていた。しかし、トランプ大統領の人種差別的煽動が台頭する中、30年間内戦を研究してきたウォルターは、自宅の玄関先(doorstep)のすぐそばに、証拠となる兆候があることに気づいた。

1つは、完全に民主的でも完全に独裁的でもない政府、つまり「アノクラシー(anocracy)」の出現である。もう1つは、政党がイデオロギーや特定の政策(ideology or specific policies)を中心に組織されるのではなく、人種や民族、宗教の線(racial, ethnic or religious lines)に沿ったアイデンティティ政治(identity politics)に戻っていく光景である。

ウォルターは『ジ・オブザーバー』紙に次のように語っている。「2020年の選挙までには、共和党員の90%が白人になっている。もし、二大政党制(two-party system)を採用している他の多民族・多宗教の国(multiethnic, multi-religious country)でこのような現象が起きるとしたら、これは超派閥(super faction)と呼ばれるもので、超派閥は特に危険である」。

最も悲観的な人でさえ、北軍と南軍が激戦を繰り広げた1861年から1865年の内戦(南北戦争)の再現を予測してはいない。ウォルターは続けて次のように語った。「それは北アイルランドやイギリスが経験したような、より反乱(insurgency)のようなものになるだろう。私たち国アメリカは非常に大きな国であり、国中に非常に多くの民兵組織(militias)が存在するため、おそらく北アイルランドよりも拡散化(decentralized)が進むことになるだろう」。

ウォルターは次のように述べている。「反乱を起こす人々は、連邦政府の建物、シナゴーグ、大勢の人が集まる場所を標的とする、通常では考えられない戦​​術、特にテロ戦術、場合によっては、小規模のゲリラ戦に目を向けるだろう。この戦略は脅迫の一形態であり、連邦政府が彼らに対処する能力がないとアメリカ国民に恐怖を感じさせることになるだろう」。

2020年、民主党所属のミシガン州知事グレッチェン・ウィットマーを誘拐する計画が、起きる可能性の高い事態の兆しかもしれない。ウォルターは、野党の有力者、穏健な共和党の政治家、反乱を考える人々に対して同情的ではないと見なされる裁判官などが、暗殺のターゲットになる可能性があることを示唆している。

ウォルターは次のように語った。「ここアメリカでは、権力が分断されているため、民兵組織がその地域の法執行機関(law enforcement)と連携して、それが可能な地域で小さな白人の民族国家を作る状況も想像できる。それは確かに1860年代に起こった内戦とはまったく似ていないものとなるだろう」。

ウォルターは、内戦(civil wars)は貧しい人や虐げられた人が起こすものだと考えられやすいと指摘する。しかし、そうではない。アメリカの場合は、2008年のバラク・オバマの当選に象徴されるように、2045年頃にはマイノリティになる運命にある白人マジョリティからの反動なのだ。

ウォルターは次のように説明している。「内戦を起こす傾向を持つグループがあるのは、かつて政治的に支配的であったが、衰退しているグループである。彼らは政治権力を失ったか、政治権力を失いつつあり、国が自分たちのものは自分たちの正当な権利であり、体制がもはや自分たちのために機能しないため、支配権を取り戻すために武力を行使することが正当化されると本気で信じている」。

1月6日の暴動から1年が経った今も、礼儀正しさ、信頼、共有規範が崩壊し、連邦議事堂の雰囲気は有害なままだ。共和党所属の連邦議員の中からは、トランプ大統領が反対した超党派のインフラ法案に賛成票を投じた後、殺害の脅迫を含む脅迫的なメッセージを受け取った人たちが出た。

1月6日のテロを調査する連邦下院特別委員会の2人の共和党議員、リズ・チェイニーとアダム・キンジンガ―は、共和党からの追放を求められている。ソマリア出身のイスラム教徒であるミネソタ州選出の民主党所属の連邦下院議員イルハン・オマルは、イスラム嫌悪な嫌がらせに苦しんでいる。

しかし、トランプ大統領の支持者たちは、民主政治体制を救うために戦っているのは自分たちだと主張している。ノースカロライナ州のマディソン・コーソーン連邦下院議員は昨年、「選挙制度が不正操作(rigged)され続け、盗まれ(stolen)続ければ、ある1つの場所に行きつくことになるだろう。それは流血の惨事(bloodshed)だ」と語った。

先月、ジョージア州選出のマージョリー・テイラー・グリーン連邦下院議員は、テロに関与したとして収監された1月6日事件の被告6人の処遇について嘆き、ブルーステイト(blue states、共和党優勢州)とレッドステイト(red states、共和党優勢州)の間の「国家的別離(national divorce)」を呼びかけた。民主党所属のルーベン・ガレゴ連邦下院議員は力強く次のように反論した。「『国家間の離婚』などありえない。内戦に賛成か反対かだ。内戦を望むならば、そう言って、正式に自分たちは裏切り者だと宣言せよ(There is no ‘National Divorce’. Either you are for civil war or not. Just say it if you want a civil war and officially declare yourself a traitor)」。

トランプが2024年の大統領選に再出馬する可能性もある。共和党が主導する各州は、共和党に有利になるよう計算された有権者制限法(voter restriction laws)を課す一方、トランプ支持者たちは、選挙運営の主導権を握ろうとしている。大統領選挙が紛糾すれば、煽動的なカクテル(incendiary cocktail)になりかねない。

ヴァージニア工科大学平和研究・暴力防止センター所長ジェイムズ・ホウドンは、「私は人騒がせな人(alarmist)になるのは好きではないが、この国は暴力から遠ざかるどころか、ますます暴力に向かっている。再び争点となった選挙は悲惨な結果をもたらす可能性がある」と述べている。

ほとんどのアメリカ人は安定した民主政治体制を当然のことだと思って育ってきたが、アメリカ先住民の大量虐殺(genocide of Native Americans)から奴隷制度、内戦(南北戦争)から4度の大統領暗殺、そして、アメリカ国内で銃による暴力によって年間4万人が殺害されていることから海外で数百万人の命を奪っている軍産複合体(military-industrial complex)まで、アメリカは、暴力が例外なく常態化している社会でもある

ミネソタ大学政治・ガヴァナンス研究センターのラリー・ジェイコブス所長は次のように述べている。「アメリカは暴力に慣れていない訳ではない。非常に暴力的な社会であり、私たちが話しているのは、暴力に明確な政治的意図が与えられている(violence being given an explicit political agenda)ということだ。これはアメリカにおける恐ろしい新しい方向性だ」。

現在のところ、政治的暴力が風土病(endemic)になるとは予見していないが、ジェイコブスは、そのような崩壊はまた、北アイルランドの紛争に似ている可能性が高いことに同意している。

ジェイコブスは続けて次のように述べている。「このような物語的で、散発的なテロ攻撃を私たちは目撃することになるだろう」。彼は加えて、「北アイルランドモデルは、率直に言って最も恐れられているモデルだ。なぜなら、これを行うのに膨大な数の人員が必要ではなく、現在、こうした反乱を実行するのに、非常に意欲的で、十分な武装をしたグループが存在するからだ。問題は、彼らがテロ活動を開始する前に、FBIが彼らをノックアウトできるほど十分に潜入できるのかということだ」と述べた。

ジェイコブスは更に「もちろん、アメリカでは銃が蔓延していて、FBIの捜査も役に立たない。誰でも銃を手に入れることができ、爆発物にもすぐにアクセスできる。これら全てが、私たちが今置かれている不安定な立場を更に悪化させている」と述べた。

しかし、避けられないものなど何もない。

バイデンはまた、2020年の選挙について、新型コロナウイルス感染拡大にもかかわらず、過去最高の1億5000万人以上が投票し、アメリカ史上最大の民主政治体制のデモンストレーションになったと賞賛した。この結果に対するトランプ大統領の偽りの異議申し立ては、依然として強固な裁判制度によって退けられ、依然として活気のある市民社会やメディアによって精査された。

ハーヴァード大学の政治学者ジョシュ・カーツァーは、現実を確認して、「内戦を研究している学者をたくさん知っているが、アメリカが内戦勃発の瀬戸際にいると考えている人はほとんどいない」とツイートした。

しかし、「ここでは起こりえない」という思い込みは、政治そのものと同じくらい古い。ウォルターは、内戦に至るまでについて多くの生存者にインタヴューしてきた。ウォルターは次のように述べている。「バグダッドにいた人も、サラエヴォにいた人も、キエフにいた人も、みんな口をそろえて言ったのは、こんなことになるとは思わなかった、ということだった。実際、丘の中腹で機銃掃射を聞くまで、私たちは何かが間違っていることを受け入れようとはしなかった。その時にはもう遅かったのだ」。

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南北戦争が目前に迫っている?(Is a Civil War Ahead?

-連邦議事堂襲撃事件から1年経過し、アメリカは民主政治体制(democracy)と独裁政治(autocracy)の間で宙ぶらりんの状態にある。

デイヴィッド・レムニック筆

2022年1月5日

『ニューヨーカー』誌

https://www.newyorker.com/news/daily-comment/is-a-civil-war-ahead

アメリカ例外主義(American exceptionalism)の体系は、自己幻想(self-delusion)という粗末な基盤の上で常にぐらつき続けてきたが、それでもほとんどのアメリカ人は、アメリカが世界最古の継続的な民主政治体制国家(the world’s oldest continuous democracy)であるという常識を疑わずに受け入れてきた。その冷静な主張は今や崩れ去った。

2021年1月6日、白人至上主義者(white supremacists)、民兵、MAGA信者たちがトランプ大統領からインスピレーションを得て、2020年大統領選挙の結果を覆すために連邦議事堂を襲撃し、議員たちと副大統領が実質的に人質になった状態で、私たちは完全な民主政治体制国家としての活動を中止した。その代わりに、私たちは現在、学者たちが「アノクラシー」と呼ぶ限界的な状況に住んでいる。つまり、この200年で初めて、私たちは民主政治と専制政治の間で板挟みになっている。そして、その不確実性(uncertainty)の感覚は、アメリカでの突発的な流血の可能性を根本的に高め、さらには内戦の危険さえも高めている。

これが、カリフォルニア大学サンディエゴ校の政治学者バーバラ・F・ウォルターの新著『アメリカは内戦に向かうのか(How Civil Wars Start)』の説得力ある主張である。ウォルターは、スリランカから旧ユーゴスラビアまでの国々における政治的暴力の根源を研究する「政治的不安定性タスクフォース」と呼ばれるCIAの諮問委員会の委員を務めた。ウォルターは、このタスクフォースが外国の政治力学を分析するために使用している「センター・フォ・システミック・ピース(Center for Systemic Peace、システム平和センター)」がまとめたデータを引用しながら、民主政体が最も古くから続いているという「栄誉(honor)」は、現在スイスが持ち、ニュージーランドがそれに続いていると説明している。アメリカでは、侵食されつつある不安定さ(instability)と非自由主義的な流れ(illiberal currents)が悲しい状況を呈している。ウォルターが書いているように、「私たちはもはやカナダ、コスタリカ、日本のような国々と肩を並べる存在ではない」のである。

ウォルターは著書と今週の「ニューヨーカー・ラジオ・アワー」での対談の中で、「恐怖を煽る行為(an exercise in fear-mongering)」は避けたいと明言した。彼女は扇情主義者(センセーショナリスト、sensationalist)だと思われることを警戒している。実際、彼女は過熱する憶測を避けるために苦労しており、臨床的な観点から内戦の可能性について警告を伝えている。しかし、数十年前に地球温暖化の危険性について明確に声を上げた人々と同様に、ウォルターは重大なメッセージを伝えているが、それを無視すると危険が伴う。依然として、多くのことが流動的だ(So much remains in flux)。ウォルターは、21世紀のアメリカの内戦は、1860年代の戦場で繰り広げられた、消耗的で対称的な紛争(symmetric warfare)とは似ても似つかないだろう、と注意深く言っている。むしろ、最悪の事態が起こった場合、爆弾テロ、政治的暗殺、ソーシャルメディアを介して結集した過激派グループによって実行される非対称戦争(asymmetric warfare)の不安定化行為など、散在的かつ持続的な暴力行為の時代が到来すると彼女は予想している。これらは比較的小規模で、緩やかに連携した、自己拡大を目指す戦士の集まりであり、「加速主義者(accelerationists、アクセレイショニスツ)」と呼ぶこともある。彼らは、救いようのない非白人社会主義共和国(non-white, socialist republic)の崩壊を早める唯一の方法は、暴力やその他の超政治的手段によるものだと自分たちに確信させている。

ウォルターは、この国が民主的制度を強化しない限り、冒頭のような脅威に耐えることになるだろうと主張する。2020年、ミシガン州の民兵組織「ウルヴァリン・ウォッチメン」がグレッチェン・ウィットマー知事を誘拐しようとした事件である。ウルヴァリン・ウォッチメンは、ウィットマー知事がミシガン州で新型コロナウイルス感染対策(公衆衛生を守るためではなく、自分たちの自由を侵害する耐えがたい行為と見なした規制)を実施したことを軽蔑していた。トランプが公言したウィットマーへの軽蔑は、こうした狂人たちを思いとどまらせることはできなかっただろう。FBIは幸いにもウルヴァリン・ウォッチメン一味を阻止したが、必然的に、このような企てが十分な数存在し、十分な武器があれば、標的を見つける組織が複数出てくるだろう。

アメリカは常に政治的暴力行為、つまりKKKのテロ行為に悩まされてきた。1921年のタルサの黒人コミュニティで虐殺が起きた。マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの暗殺は、全てのアメリカ人にとって民主政体が決して定着し、完全に安定した状態ではなかったが、それでもトランプ時代は、移民に「取って代わられる」ことを恐れた多くの右翼の田舎の白人たちの激しい憤りによって特徴づけられている。有色人種だけでなく、最も独裁的な扇動者に屈し、もはや民主主義の価値観や制度を擁護するつもりはないようである共和党指導部も同様である。他の学者と同様、ウォルターも、168人が死亡した1995年のオクラホマシティのアルフレッド・P・ムラー記念連邦ビル爆破事件など、現在の反乱の初期の兆候があったと指摘している。しかし、多民族民主政体(multiracial democracy)の台頭を最も鮮明に浮き彫りにしたのはバラク・オバマの選挙であり、過半数の地位を失うことを恐れた多くの白人アメリカ人にとって脅威と受け止められた。ウォルターは、オバマが当選した2008年当時、アメリカではおよそ43の民兵組織が活動していた、と書いている。 3年後、その数は300以上に増加した。

ウォルターは世界中の内紛の前提条件(preconditions)を研究してきた。そして。ウォルターは、自己満足と7月4日の神話を取り去り、現実的なチェックリストを見直し、「内戦の可能性を高める各条件を評価(assessing each of the conditions that make civil war likely)」すれば、アメリカは「非常に危険な領域に入った(has entered very dangerous territory)」と結論づけざるを得ないと言う。この結論は彼女だけではない。ストックホルムの民主政体・選挙支援国際研究所は最近、アメリカを「後退している」民主政体国家(“backsliding” democracy)としてリストアップした。

1月6日以降の数週間ほど、後退が憂鬱にはっきりと表れたことはなかった。ミッチ・マコーネルは当初、反乱におけるドナルド・トランプの役割を批判した後、2024年の大統領選挙で党の候補者になれば、トランプを支持すると述べた。深淵を見つめながら、彼は闇を追い求めた(Having stared into the abyss, he pursued the darkness)。

少し前までは、ウォルターは人騒がせな人物だと思われていたかもしれない。2018年、スティーヴン・レビツキーとダニエル・ジブラットは、トランプ時代の研究『民主主義はいかにして滅びるか(How Democracies Die)』を出版した。この本は、アメリカの読者に法の支配が、アメリカの多くの時代と同様に攻撃に晒されているという現実を目覚めさせようとした数多くの本の1つである。しかし、レヴィツキーが私に語ったように、「私たちでさえ1月6日を想像することはできなかった。」レヴィツキーは、ウォルターやこのテーマに関する他の高く評価されている学者の著書を読むまでは、内戦の警告は行き過ぎだと思っていただろうと語った。

ロシアやトルコとは異なり、アメリカは、たとえどれほど欠陥があったとしても、民主政体統治の深い経験に恵まれている。裁判所、民主党、両党の地方選挙管理者、アメリカ軍、メディアは、たとえどれほど重大な欠陥があったとしても、独裁的な大統領の最も暗い野望に抵抗することが可能であることを2020年に証明した。民主政体と安定のガードレールは決して突破できないものではないが、ウラジーミル・プーティン大統領やレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領が立ち向かわなければならないものよりも強力である。実際、トランプは再選を目指して共和党史上最大の票を集めたが、それでも700万票の差で落選した。それも諦観が支配する運命論(fatalism)を阻害することになる。

レヴィツキーは私に次のように語った。「私たちは、ファシズムやプーチニズムに向かうわけではない。しかし、憲法上の危機が繰り返され、権威主義的な、もしくは少数派による支配が拮抗し、爆弾テロや暗殺、集会で人々が殺されるなど、かなり重大な暴力のエピソードが起こる可能性はあると思う。2020年には、政治的な理由で人々が路上で殺された。これは黙示録(apocalypse)ではないが、恐ろしいことが起きたのだ」。

アメリカの民主政治体制を守るための戦いは、対称的(symmetrical)ではない。一方の政党である共和党は現在、反主流主義(anti-majoritarian)、反民主的を装っている。そして、伝統的な政策的価値観にはあまり焦点を当てず、部族的所属(tribal affiliation)や怨恨(resentments)を重視する党になっている。リズ・チェイニーやミット・ロムニーをはじめとする少数の人物は、これが権威主義的な党のレシピであることを知っているが、最も憂慮すべき傾向を逆転させるために必要なこと、すなわち、共和党指導者たちが立ち上がり、民主的価値の再認識に基づく連合に民主党や無党派層とともに参加するための広範な努力の兆候は見られない。

反乱の記念日を迎えるにあたり、より大きなドラマが起こっていることは明らかだ。私たちはバラク・オバマを、そしてその8年後にはドナルド・トランプを選出することができる国だ。私たちは、ジョージア州がアフリカ系アメリカ人とユダヤ人の2人の連邦上院議員を選出した1月5日と、馬鹿馬鹿しい陰謀論の名のもとに数千人が連邦議事堂を襲撃した1月6日のことを思い浮かべることができる。

レヴィツキーは次のように語っている。「同じ国で2つの全く異なる運動が同時に起きている。この国は初めて多民族民主政体(multiracial democracy)に向かって進んでいる。21世紀において、私たちは多様な社会と平等の権利を保証する法律を持つことを支持する多民族の民主的な多数派(multiracial democratic majority)を持っている。多民族による民主的な多数派が存在しており、それが普通選挙で勝利する可能性がある。そして少数派の共和党員もいるが、危険な過激派が共和党員のために行動しているのを見て見ぬふりをすることがあまりにも多い。新しい種類の内戦についての警告が無駄になり、ウォルターのような本が警鐘を鳴らしたものとして振り返ることができることを祈ろう。しかし、私たちが気候の危機的な状況で学んだように、願うだけではそれは叶うことはない」。

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私たちは本当に第二次南北戦争(内戦)に直面しているのか?(Are We Really Facing a Second Civil War?

ミッシェル・ゴールドバーグ筆

2022年1月6日

『ニューヨーク・タイムズ』紙

https://www.nytimes.com/2022/01/06/opinion/america-civil-war.html

カリフォルニア大学サンディエゴ校の政治学者バーバラ・F・ウォルターは、内戦を経験した多くの人々にインタヴューしてきたが、内戦が起こるとは誰もが思っていなかったと言っていると語った。ウォルターは「彼らは全員、驚いたと述べている。それを研究している人にとっては、何年も前からそれが明らかだったとしても、実際に経験した人たちには驚きだった」と述べた。

アメリカが再び内戦に陥るかもしれない、という考えを否定したい衝動に駆られるなら、このことは心に留めておく価値がある。今でも、この国の、殴られ過ぎてフラフラな状態になっている、崩壊に常に恐怖を感じているにもかかわらず、私は完全なメルトダウン(meltdown)という考えにはなかなか納得がいかない。しかし、ウォルターのように内戦を研究している一部の人々にとっては、アメリカの崩壊は、明白ではないにせよ、1月6日の事件以降は、可能性ははるかに低い状態ではないということである。

今月発売された2冊の本は、ほとんどのアメリカ人が理解している以上にこの国は内戦に近づいていると警告している。ウォルターは、『アメリカは内戦に向かうのか』の中で次のように書いている。「私は内戦がどのように始まるかを見てきた。私は人々が見過ごす兆候について知っている。そして、その兆候がここでは驚くほどの速さで現れているのを目撃している」。カナダの小説家で評論家のスティーヴン・マルシェは、著書『次の南北戦争:アメリカの未来からの警告(The Next Civil War: Dispatches From the American Future)』の中でより率直に述べている。マルシェは「アメリカは終わりに近づいている。問題はそれがどのように実現するかである」と書いている。

トロントの『グローブ・アンド・メール』紙において、暴力紛争を研究する研究者トーマス・ホーマー=ディクソンは最近、カナダ政府にアメリカの崩壊に備えるよう促した。ホーマー・ディクソンは次のように書いている。「2025年までにアメリカの民主政体は崩壊し、広範な市民暴力を含む極度の国内政治的不安定を引き起こす可能性がある。早ければ2030年までに、アメリカは右翼の独裁政権に支配されるかもしれない」。ジョン・ハリスが『ポリティコ』誌で書いているように、「真剣に考えてエイル人々は今、比喩としてではなく、文字通りの前例として『南北戦争(Civil War)』を持ち出している」。

もちろん、全員が真剣に懸念している人ばかりではない。ハーヴァード大学の政治学者ジョシュ・ケルツァーは、多くの内戦研究をしている学者を知っているが、「アメリカが内戦の瀬戸際にあると考えている学者はほとんどいない」とツイッターに書いた。しかし、内戦の話に抵抗する人たちでさえ、アメリカがどれほど危険な状況にあるのかを認識する傾向がある。『ジ・アトランティック』誌でフィンタン・オトゥールは、マルシェの本について書いて、内戦の予言は自己実現(self-fulfilling)する可能性があると警告している。アイルランドでの長い紛争中、双方は相手が動員している(mobilizing)のではないかという恐怖に駆られていた、とオトゥールは述べている。オトゥールは続けて、「アメリカが分裂し、暴力的に分裂する可能性があるという現実の可能性を認めることは1つのことだ」と書いている。その可能性を必然性として捉えるのはまったく別のことだ(It is quite another to frame that possibility as an inevitability)」と書いている。

内戦を当然の結論として扱うのは馬鹿げているというオトゥールの意見に私も同意するが、内戦発生の可能性が明らかにあるように見えるのは、やはりかなり酷い状態にあるということだ。内戦に関する憶測が偏屈な末端から主流に移ったという事実自体が、市民の持つ危機感の兆候であり、我が国がいかに崩壊しているかを示している。

ウォルターやマルシェが懸念しているような内戦は、北軍と南軍が戦場で対峙するようなものではないだろう。もし起こるとすれば、ゲリラの反乱(guerrilla insurgency)ということになるだろう。ウォルターが私に語ったように、彼女はマルシェと同様、年間少なくとも1000人の死者を出す紛争を「大規模な武力紛争(major armed conflict)」と学術的に定義している。「小規模な武力紛争(minor armed conflict)」とは、年間25人以上の死者を出す紛争である。この定義によれば、マルシェが主張するように、「アメリカは既に内紛状態にある(America is already in a state of civil strife)」ということになる。名誉毀損防止同盟(Anti-Defamation LeagueADL)によれば、過激派(その多くは右翼)は2018年に54人、2019年に45人を殺害した。(2020年には17人を殺害したが、これは新型コロナウイルス感染拡大のためか、過激派の銃乱射事件がなかったため低い数字となった)

ウォルターは、内戦には予測可能なパターンがあると主張し、著書の半分以上を費やして、そうしたパターンが他の国々でどのように展開したかを整理している。内戦は、ウォルターや他の学者たちが「アノクラシー(anocracy)」と呼ぶ、「完全な独裁国家でも民主主義国家でもない、その中間のような国(neither full autocracies nor democracies but something in between)」においてよく起こる。警告の兆候としては、イデオロギー(ideology)よりもむしろアイデンティティ(identity)に基づく激しい政治的分極化の台頭(the rise of intense political polarization)、特に、それぞれが他方に押しつぶされることを恐れる、ほぼ同規模の2つの派閥間の分極化が挙げられる。

内乱を引き起こすのは、自分たちの地位が失墜していくのを目の当たりにした、以前は支配的だった集団である。戦争を始める民族は、その国が「自分たちのものである、あるいはそうあるべきだと主張する集団だ」とウォルターは書く。左翼にも暴力的な行為者はいるが、彼女もマルシェも左翼が内戦を起こすとは考えていない。マルシェが書いているように、「左翼の急進主義(left-wing radicalism)が重要なのは、それが右翼の急進化(right-wing radicalization)の条件を作り出すからである」ということである。

右派の多くが内戦を空想し、計画していることは周知の事実だ。1年前に連邦議事堂に押し寄せた人々の中には、「MAGA内戦・南北戦争(MAGA Civil War)」と書かれた黒いトレーナーを着ていた人もいた。超現実的で暴力的、ミームに取り憑かれた反政府運動「ブーガルー・ボワ」は、南北戦争の続編についてのジョークからその名を得た。共和党はますます武力衝突のアイデアを投げかけている。8月、ノースカロライナ州選出のマディソン・コーソーン連邦下院議員は、「選挙システムが不正に操作され、盗まれ続ければ、行き着く先は1つ、それは流血の惨事だ」と述べ、消極的ではあるが、武装する意向を示唆した。

ウォルターは、ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事の誘拐を計画した男たちを引き合いに出して、現代の内戦は「こうした自警団(vigilantes)、つまり国民に直接暴力を振るう武装好戦派から始まる」と書いている。

ウォルターの議論には、私が完全に納得できない部分がある。たとえば、アノクラシーとしてのアメリカの状況を考えてみよう。アメリカの民主政体の後退の憂慮すべき範囲を示すために彼女が依存している政治学の尺度に私は異論を唱えない。しかし、彼女は権威主義から民主政体に向かう国々と、その逆の道を進む国々の違いを過小評価していると考える。ユーゴスラビアのような国が、国をまとめていた独裁体制が消滅したときになぜ爆発するのかが分かるだろう。新たな自由と民主的競争により、ウォルターが「民族主義仕掛人(ethnic entrepreneurs)」と呼ぶ人々の出現が可能になる。

しかし、民主政体から権威主義への移行が同じように不安定化するかどうかは分からない。ウォルターも認めているように、「自由民主政体国家の衰退は新しい現象であり、全面的な内戦に陥った国はまだない」ということだ。私にとっては、アメリカが共和党大統領のもとでハンガリー型の右翼独裁政治国家(Hungarian-style right-wing autocracy)へと硬化する脅威の方が、大規模な内戦よりも差し迫っているように思える。彼女の理論は、権力を失った右派が反旗を翻すというものだ。しかし、右派はますます、有権者が望むと望まざるとにかかわらず権力を維持できるよう、硬直化したシステムを不正に操作している。

内戦の可能性がまだ低いとすれば、多くのアメリカ人が慣れ親しんだ民主的な安定に戻るよりは可能性が高いように私には思える。

マルシェの本では、アメリカがどのように崩壊するかについて、現在の動きや傾向から推測した5つのシナリオが示されている。そのうちのいくつかは、完全にもっともらしいとは私にはとても思えない。例えば、ウェーコ、ルビー・リッジ、マルヒア国立野生生物保護区での極右勢力との連邦政府の対立の歴史を考えると、主権市民の野営地を壊滅させようと決意したアメリカ大統領は、対反乱ドクトリンに頼る陸軍大将ではなく、FBIを派遣するであろう。

※ミッシェル・ゴールドバーグ:2017年から論説コラムニストを務めている。政治、宗教、女性の権利に関する数冊の著書を持ち、2018年には職場のセクシャルハラスメントに関する報道でピューリッツァー賞(公共サービス部門)を受賞したティームの一員でもある。ツイッターアカウント:@michelleinbklyn

(貼り付け終わり)

(終わり)
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)が刊行されました。『週刊現代』2024年4月20日号「名著、再び」(佐藤優先生書評コーナー)に拙著が紹介されました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 アメリカ大統領選挙は、民主党は現職のジョー・バイデン大統領、共和党はドナルド・トランプ前大統領が候補者として内定している。現職の副大統領であるカマラ・ハリスもそのまま二期目を目指す。共和党側の副大統領候補、トランプの伴走者(running mate)はまだ決まっていない。

共和党全国大会(Republican National Convention)は、2024年7月15日から18日までウィスコンシン州ミルウォーキーで開催される。一方、民主党全国大会(Democratic National Convention)は、2024年8月19日から22日までイリノイ州シカゴで開催される。全国大会で、大統領候補、副大統領候補が正式決定される。その後は、9月と10月に大統領候補者による討論が3回、副大統領候補者による討論が1回実施されるのが通例で、その日程も早く決まるが(大統領選挙討論委員会が決定する)、今回は、両党が委員会の日程を拒否したので、正式な日程はまだ決まっていない。これまでにないこととして、6月27日にCNN主催、9月10日にABC主催で大統領候補者討論会が実施することで、バイデン、トランプ両陣営が合意している。正式な党の候補者決定の前での討論会開催は異例のことだ。

トランプ陣営では、まだ副大統領候補を決めていない。トランプの副大統領候補については報道が出ており、複数の人物の名前が出ている。その基準は、「トランプにどれだけ忠誠心を持っているか」「仲良くしているか」というものだ。その点で、名前が挙がっている人物たちは申し分ない人物たちばかりである。それぞれ、女性、貧しい白人家庭出身、黒人といった特徴があり、選挙戦術上、最善の候補者を選ぶことになる。

トランプを支持するのは、貧しい白人労働者たちというイメージがある。共和党は、経営者や投資家など富裕層の政党と言われてきたが、トランプ出現以降、労働者の党、労働者の雇用を創出し、雇用を守る党となっている。そう考えると、JD・ヴァンス上院議員は有力な選択肢である。ヴァンス議員は日本語訳もある、ヒット作『ヒルビリー・エレジー』の著者として知られている。貧しい白人たちの生活とコミュニティについて書いた本だ。トランプが、中核的な支持者を固めた上で、あまり強くないと思われる層にアピールしようと思ったら、エリース・ステファニックという選択肢もあるだろう。若く、社会的に活躍している子育て世代の代表のような人物であり、女性たちにアピールできるだろう。副大統領候補が両方ともに女性となるのは史上初のことで注目を集めることになる。黒人からの支持を得たいという場合はティム・スコット上院議員だろうが、中核的な支持者が離れてしまうことも考えられる。ヴァンスか、ステファニックかということになると私は考えている。

(貼り付けはじめ)

「もしトラ」政権のキーマンはベストセラー著者バンス米上院議員  編集委員 瀬能繁

2024327日    日経新聞  

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD180TV0Y4A310C2000000/

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ベストセラー「ヒルビリー・エレジー」の著者バンス米上院議員は米副大統領候補の一人に名前があがる=ロイター

11月の米大統領選挙はバイデン大統領(民主党)とトランプ前大統領(共和党)の一騎打ちの構図がほぼ固まった。世論調査では前大統領が僅差で大統領をリードする。本番まで約7カ月も残し、勝敗の行方は見通せないが、もしも前大統領が再選したらだれが次期政権のキーマンになるのか。

JD・バンス上院議員は有力な副大統領候補の一人」。今月来日した米保守系シンクタンク、ハドソン研究所ジャパンチェアー副部長のウィリアム・チョウ氏に「トランプ政権2期目」のキーマンを尋ねるとこんな答えが返ってきた。

バンス氏は米中西部オハイオ州選出の上院議員で、経済のグローバル化によって取り残された「ラストベルト(さびついた工業地帯)」の悲哀を描いたベストセラー「ヒルビリー・エレジー」の著者として知られる。

●急速に強まるバンス氏の存在感

バンス氏が副大統領候補の一人と目されるようになったのは24年に入ってからだ。前大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏が米メディア「ニュースマックス」のインタビューで有力候補の一人に挙げたからだ。

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ミュンヘン安全保障会議で発言するバンス米上院議員=AP

バンス氏本人は「前大統領とこの件について話したことはない。いまは上院議員としての仕事に集中している」としつつも「もちろん前大統領に要請されれば真剣に考えなければならない。前大統領を再選させることが重要だからだ」と含みを持たせた。

もちろん前大統領が本当にバンス氏を大統領選を共に闘う「ランニングメイト(伴走者)」に選ぶかはわからない。「自由に発言できる上院議員の職にとどまり、前大統領と連携しながら影響力を保つという道もある。ホワイトハウスに入るか否かにかかわらず大統領に助言できる立場に就くだろう」とチョウ氏は語った。

●「女性か黒人」はなお有力な選択肢

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米中西部サウスダコタ州のノーム知事は同州で初めての女性知事=ロイター

米共和党の保守系サークルの間ではバンス氏の人気が高いのだという。2月のミュンヘン安全保障会議に出席し、なぜウクライナへの追加支援に反対しているかを「前大統領のスポークスマン」(外交筋)のように訴えた。

バンス氏は2022年に米上院議員に当選する前は米海兵隊、米エール大学ロースクールを経て投資会社を経営していた。かつて自らを「トランプ支持者ではない」と明言していたものの、上院選前にトランプ支持者に転向した過去がある。自らへの忠誠者を重用するという前大統領の基準を満たしているかは不明だ。

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大統領選から撤退したスコット米上院議員も副大統領候補者の一人だ=ロイター

これまでのところ前大統領は副大統領候補として、大統領選から撤退した共和党黒人のティム・スコット上院議員(南部サウスカロライナ州選出)、中西部サウスダコタ州初の女性知事クリスティ・ノーム氏らの名前を挙げている。

「今回は最初の訪日機会ではない。トランプ大統領と何回か一緒に来ている」。313日、都内で経団連幹部を前に前大統領との近さをアピールしたのは、米南部アーカンソー州のサラ・ハッカビー・サンダース知事だ。前政権での大統領報道官を務め、知名度は高い。サンダース氏も副大統領候補の一人とみられている。今回は韓国と日本を相次いで訪問。中国共産党を「日米両国が直面する最大の脅威」と言い切った。

●「当たり前」を嫌うトランプ流

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米南部アーカンソー州のサンダース知事はトランプ前政権で大統領報道官を務めた=ロイター

大統領が副大統領候補としてハリス副大統領を選ぶ公算が大きく、これに対抗するため前大統領は「白人・男性」以外の票掘り起こしを期待して「女性か少数派」を候補にするとの見方が多い。しかし、前大統領は「『当たり前と思われる』のを嫌う」(チョウ氏)。可能性が低いシナリオにも目配りする必要があるかもしれない。

バンス氏以外のキーマンは誰か。通商政策では前米通商代表部(USTR)代表のロバート・ライトハイザー氏の影響力がなお強いという。就任後にすべての国・地域を対象に「普遍的基本関税」を課し、中国を世界貿易機関(WTO)の最恵国待遇から外すと公約する前大統領。ライトハイザー氏が再びUSTR代表にならなかったとしても、その考え方は色濃く反映されそうだ。

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トランプ前政権で国防副次官補を務めたエルブリッジ・コルビー氏=米国防総省提供

外交・安全保障チームに関して、チョウ氏は国防長官の候補としてエルブリッジ・コルビー氏の名前を挙げた。前政権で国防副次官補を務め、18年に公表した「国家防衛戦略」を起草した。現在は非営利のシンクタンク、マラソンイニシアチブの代表で、著書「拒否戦略」は邦訳されている。前駐日米国大使を務めたウィリアム・ハガティ上院議員が要職に就くとの見方も取り沙汰されている。

●日本企業は各州知事との連携強化を

では、日本はどう向き合うべきか。チョウ氏は現時点で前大統領が勝利する確率を「6070%」としたうえで、仮に前大統領が2期目の政権を担う場合は「最優先課題は米国。そのために協業できると日本は示さなければならない」と説く。

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米保守系シンクタンク、ハドソン研究所ジャパンチェアー副部長のウィリアム・チョウ氏=ハドソン研究所提供

たとえば米国の対日貿易赤字は大きく、その点を問題視される可能性がある。一方で日本の対米直接投資残高は首位である。「米国経済を力強くし雇用を創出するため、直接投資を通じて貿易不均衡に対処しようとしている」「直接投資は米国の科学技術を盗むのではなく米国の能力を高めることなのだ」などと粘り強く説明していく必要があるという。

ただ前大統領は「『当たり前』と思われることを嫌う」「正当化することなく他国が米国から利益や恩恵を受けているのを見るのを嫌う」のが特徴。日本企業の対応策のひとつとして進出先の各州知事との連携を強化し、現地での雇用創出を前大統領にアピールしてもらう「地域別アプローチ」が賢明だと述べた。

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●「トランプ氏、副大統領候補を競わせる方針-献金者イベントで」

Nancy CookStephanie Lai

ブルームバーグ 202453 4:42 JST

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-02/SCVGGOT1UM0W00#:~:text=%E5%89%AF%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E5%80%99%E8%A3%9C%E3%81%AB%E3%81%AF,%E5%90%8D%E5%89%8D%E3%81%8C%E6%8C%99%E3%81%8C%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82

・バンス、ルビオ、スコット各上院議員やノースダコタ州知事らが候補

・トランプ氏、7月に副大統領候補を発表する可能性が高いと発言

トランプ前米大統領は11月の大統領選に向けて副大統領候補選びを本格化させており、今週末に行われる富豪の献金者とのイベントでその座を競わせる方針だ。

トランプ氏はリアリティー番組「アプレンティス」に出演していた際も、自身に気に入られるよう出場者を互いに競わせていた。パームビーチのフォーシーズンズで開催される今回のイベントも、同じような雰囲気になるだろう。

副大統領候補にはJ・D・バンス上院議員(オハイオ州)、ノースダコタ州のダグ・バーガム知事、マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州)、ティム・スコット上院議員(サウスカロライナ州)らの名前が挙がっている。内情を知る複数の関係者が明らかにした。

トランプ氏にとっては有力候補者を試す機会となる。上記4候補の担当者は現時点でコメントの要請に応じていないか、コメントを拒否した。

トランプ氏は多くの訴訟を抱えており、副大統領候補はトランプ氏の代理として選挙戦で重要な役割を果たす可能性がある。無党派層や女性、マイノリティー有権者への訴求力を高めることに加え、献金者の開拓も求められるだろう。

トランプ氏はこれまで副大統領候補はまだ決めておらず、7月15日に始まる共和党全国大会に近づいたら発表する予定だと繰り返し強調している。

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トランプ氏、副大統領候補に誰を選ぶか…支持層広げるため白人以外や女性が有力

2024/05/24 20:21

https://www.yomiuri.co.jp/world/uspresident/20240524-OYT1T50126/

 【ワシントン=淵上隆悠、ニューヨーク=田島大志】米大統領選で共和党のドナルド・トランプ前大統領(77)が誰を副大統領候補に選ぶのかに注目が集まっている。支持層拡大のためマイノリティー(人種的少数派)や女性が有力とされるほか、前副大統領と対立した経緯や訴訟費用の増大を背景に忠誠心や資金力も重視されそうだ。有力候補たちは競うようにトランプ氏支持をアピールしている。

 トランプ氏は23日、ニューヨークで開いた集会で地元出身の黒人下院議員バイロン・ドナルズ氏を紹介し、ステージに上げた。ドナルズ氏が「トランプ氏を次の大統領にするのはあなたたちだ」と訴えると、観客から「VP(vice presidentの略)」を連呼する副大統領コールが上がった。

 ドナルズ氏は、トランプ氏が自ら副大統領候補として認める人物だ。副大統領候補は、本選を勝ち抜くために大統領候補を補佐したり、弱点を補ったりする「ランニングメート(伴走者)」と呼ばれる。支持層の異なる候補を選び、得票の上積みを図るのが常道だ。

 共和党唯一の黒人上院議員ティム・スコット氏も有力候補の一人とされる。黒人候補を据えれば、民主党支持者が多くトランプ氏の課題となっている黒人票を集められる可能性がある。

 フロリダ州選出でキューバ系の上院議員マルコ・ルビオ氏は、ヒスパニックの支持拡大が期待される。2016年大統領選の共和党指名候補争いでトランプ氏と戦ったことから、トランプ氏を忌避する党内穏健派を引きつけられそうだ。

 トランプ氏の弱点である女性票を巡っては、下院共和党でナンバー3の議員総会議長を務める女性議員エリス・ステファニク氏が注目されている。

 16年大統領選で政治経験がなかったトランプ氏は、下院議員やインディアナ州知事を歴任したマイク・ペンス氏を副大統領候補に選んだ。キリスト教福音派の熱心な信者で、支持基盤を固める側面もあった。ペンス氏はトランプ氏の忠臣として政権を支えたが、トランプ氏が敗れ、不正があったと主張した20年大統領選の結果を認め、対立した。

 このため、トランプ氏は今回、より忠実な「イエスマン」を求めるとみられる。米紙ニューヨーク・タイムズは副大統領候補の「資格」について「トランプ氏に当たったスポットライトを奪うことなく、強力に擁護する人物」と指摘した。

 こうした条件は、有力候補者たちも認識している。スコット氏は5日の米NBCのインタビューで、トランプ氏が結果を認めない20年大統領選の経緯を踏まえ「誰が勝者でも結果を認めるか」と繰り返し問われても、「仮定の質問には答えない」と応じただけだった。ステファニク氏は19日、米FOXニュースのインタビューで過去にトランプ氏を批判していたと指摘されたが、「私は彼を強力に支持してきたことを誇りに思っている」と反論した。

 トランプ氏は刑事・民事双方の裁判を抱えて訴訟費用がかさんでおり、副大統領候補の選定では資金面の貢献を重視するとの見方もある。当面は有力候補同士の競争を見守り、共和党大会が予定される7月中旬までに決断を下す見通しだ。

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トランプの副大統領候補最終リストは「ペンスにならない」忠誠心によってランク付けされている(Trump’s VP shortlist, ranked by ‘Pence-proof’ loyalty

ミラ・アダムス筆

2024年5月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/4681815-trumps-vp-shortlist-ranked-by-pence-proof-loyalty/

ドナルド・トランプ前大統領は、不動産業界の経験から、不動産価値に最も影響を与える3つの言葉、「場所、場所、そして場所(location, location, and location)」を知っている。

米大統領選挙の共和党候補者に内定しているトランプは、新たな副大統領候補の選定について、熟考しているが、同時に「忠誠心、忠誠心、そして忠誠心(loyalty, loyalty, and loyalty)」の影響も知っており、2021年1月6日に「不誠実な(disloyal)」元副大統領が、地震の権力の維持という壮大な計画を阻止したと信じている。

トランプ大統領は「忠誠心」を前提条件として明確に挙げてはいないが、副大統領志望者たち(vice presidential wannabees)は、「アメリカを再び偉大に(Make America Great AgainMAGA)」のメガホンで再生されるこの言葉を無意識のうちに聞き、それに応じて行動し、太りすぎで神経質な男トランプの背後で大統領職まであと一息という機会に誘惑されている。トランプは6月14日に78歳になる。 

  従って、野心的な副大統領「最終リスト」の候補者たちは、かつてはトランプ大統領に非常に忠実だったマイク・ペンスの警告に耳を貸さない。注目すべきは、ドナルド・トランプ大統領が2020年の選挙を覆そうとした疑いで起訴された、2023年81日に、ペンス​​は「トランプ大統領は、私に自分と合衆国憲法のどちらかを選択するよう要求した。私は憲法を選んだ、そして、これからもそうする」と述べた。

ペンスは2024年3月、トランプを大統領候補として支持しないと発表した。トランプを歴史的に見て、軽蔑の対象だと考える人たちもいる。

1月6日以前、ペンスはトランプとその政権、そして2度の大統領選挙運動において、ひるむことのない忠誠を示していた。しかし、その「例外(except)」を念頭に置いた上で、トランプ大統領は、1月6日のような危機に直面した場合、憲法よりもトランプ大統領を選ぶ可能性すらある「ペンスにならない」忠誠心を持つ人物を選択しようとしているように見える。

以下に、「ペンスにならない」忠誠心の順にランク付けしたのは、トランプ大統領の副大統領候補となる可能性が最も高い4人である。

(1)エリース・ステファニック(Elise Stefanik)連邦下院議員(ニューヨーク州選出、共和党):39歳(7月に40歳になる)
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忠誠心がトランプの第一の基準だとすれば、ステファニックは彼のリストのトップに位置する。彼女は連邦下院共和党指導部の序列第3位で、2021年から連邦下院共和党議員会会長を務めている。ステファニックはトランプへの忠誠心を体現しており、トランプが2022年11月15日に大統領選挙出馬を正式発表する1週間前に、トランプを大統領候補として支持することをいち早く表明した。

2024年2月、ステファニックは、「ペンスにならない」忠誠心を証明するためのテストに合格した。CNNのインタヴューで、2021年1月6日について質問されたステファニックは、「私ならマイク・ペンスがしたようなことはしない。あれが正しいやり方だとは考えない」と答えた。

ステファニクは、自分自身がトランプに対する忠誠心という点で他よりも優れていることを証明するために、先週の日曜日、イェルサレムで彼女はイスラエルの議会であるクネセトで演説した。演説の中で、ステファニックは、イスラエルがガザ地区のラファに侵攻した場合に重火器提供を差し控えるというバイデン大統領の政策を彼女が強く非難した。これに対して、ホワイトハウスは彼女を激しく非難した。

イスラエルから、ステファニックは「フォックス・ニューズ・サンディ」に出演し、トランプを喜ばせる見出しを増やした。険悪なやりとりの中で、ステファニックは司会者のシャノン・ブリームの質問に対し、2016年に、悪名高い「アクセス・ハリウッド」のテープが流出した後に、トランプの女性に対する扱いを批判した、ブリームの発表した文書について反撃を行った。

ステファニックは法律の面での攻撃犬だ。今週、彼女はマンハッタンでトランプの「口止め料」裁判の裁判長を務めるファン・メルチャン判事に倫理上の苦情を申し立てた。同様に、トランプの民事詐欺裁判を担当したジャック・スミス特別検察官とアーサー・エンゴロン判事を批判した。

トランプはNBCの「ミート・ザ・プレス」に出演し、女性の伴走者(female running mate)という「コンセプト」が気に入ったと発言し、マーアラゴでの夕食会で、ステファニクを「必殺仕事人(キラー、a killer)」と呼んだ。

ハーヴァード大学出身のステファニックは、トランプの伴走者にふさわしい忠誠心と度胸を持っているため、カマラ・ハリス副大統領との論戦において有利な立場にある。

副大統領候補としての評価:若くて、大胆な候補者であり、郊外に住む女性有権者たちを引き付ける可能性がある。

(2)JD・ヴァンス(J.D. Vance)連邦上院議員(オハイオ州選出、共和党):39歳(8月に40歳になる)
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ヴァンスが当選して連邦上院議員になれたのはトランプ前大統領のおかげであり、そのことはヴァンスのトランプ前大統領への忠誠を保証している。

そのお返しとして、副大統領候補者の有力候補として、ヴァンスは今月CNNでペンスに

警告カードを切り、16日に連邦議事堂を襲撃した暴徒がヴァンスの絞首刑を要求した際に、ヴァンスが経験した十分に証拠が揃っている、身体的危険に疑問を呈した。「マイク・ペンスの生命がこれまで危険に晒されていたかどうか、私は本当に懐疑的だ。政治や政治家は時々物事を誇張するのが好きだと考える」。こうした言葉は、トランプにとって耳触りの良いものであった。

ヴァンスは、2016年の「不誠実のダブルアルバム(double album of disloyalty)」を破ろうと懸命だ。ヴァンスはルームメイトに、トランプは「アメリカのヒトラー(America’s Hitler)かもしれない」と言ったことがあり、トランプについて 「なんてこった、なんて馬鹿だ」とツイートしたこともあった。それにもかかわらず、トランプの大統領当選の見通しが全てに優先し、ヴァンスは、5月12日にCNNの「ステイト・オブ・ザ・ユニオン」で、新たに「私はトランプについて間違っていた」と述べた。翌日、ヴァンスはトランプの口止め料裁判に出廷し、追加の忠誠心ポイントを獲得した。

・副大統領候補としての評価:ハイリスク・ローリターンの退屈な選択であり、トランプの選挙運動を強化するものではない。

VP assessment: A high-risk, low-reward, boring choice that does not enhance Trump’s ticket.

(3)ティム・スコット(Tim Scott)連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党):58歳
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トランプへの忠誠心と愛がにじみ出ているスコットが、副大統領候補の上位に挙がっている。自身の2024年大統領予備選の失敗の際、この黒人の保守派連邦上院議員はトランプを批判することはなく、前大統領に対する4度目の起訴を「非アメリカ的 (un-American)」と呼んだ。

2024年1月19日に、スコットが大統領選挙からの撤退を表明し、トランプを支持した後、この過剰なほどの褒め合い(love-fest)は本当に始まった。ニューハンプシャー州での予備選勝利演説でトランプは、2012年に連邦上院の議席の空席補充にスコットを任命した、当時のニッキー・ヘイリー元知事(共和党)よりも、トランプ氏を支持するのはどうしてかとスコットに質問した。スコットはトランプに「あなたをただ愛しているだけのことだ」と答えた。

今月、スコットはNBCの「ミート・ザ・プレス」で気まずい議論に満ちたインタヴューの中で、ペンスにならない忠誠心の信頼を示した。司会者のクリステン・ウェルカーが、2024年大統領選挙の結果を受け入れるかどうかをスコット上院議員に絶えず詰め寄ったが、スコットは、トランプの副大統領候補リストのトップシードを確保すること、そしておそらくはカマラ・ハリスとの歴史的な副大統領戦を確実に行えるようにすることを念頭に置いており、簡潔な返答を拒絶した。

・副大統領候補としての評価:激戦州のアフリカ系アメリカ人有権者たちにアピールできる、もう1つの大胆な選択。

(4)ダグ・バーガム(Doug Burgum)・ノースダコタ州知事(共和党):67歳
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ノースダコタ州知事2期目のバーガムは、今年の政界ブレイク株(breakout star)だ。バーガムは選挙資金を準備できるだけの、自営業の億万長者であるだけでなく、トランプと選挙運動をしている間に「兄弟のようなつながり(bro-connection)」が生まれた。忠誠心を示すため、バーガムはトランプの口止め料裁判に出席し、外で演説した。

バーガム知事は、トランプにアピールするための主要な助演俳優の風貌(central-casting look)を持つ、普通の真面目な男として良い報道がされている。マイナス面としては、2016年、バーガムはトランプをバッシングしており、バーガムが「ペンスにならない」トランプへの忠誠度は証明されていない。

ホワイトハウスとの取引上の関係、そして少なくとも閣僚ポストは相互尊重(mutual respect)に基づいて期待されている。

・副大統領候補としての評価:全体として、リスクは低いが見返りも少ない選択だ。成熟し、裕福で、知的なビジネスの「相棒」であり、最悪の場合、「保険」として。副大統領候補として選ばれる可能性がある。

※ミラ・アダムス:2004年と2008年の大統領選挙で、共和党のクリエイティヴティームに参加した。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。アメリカ政治について詳しく分析しました。2024年はアメリカ大統領選挙の年です。『週刊現代』2024年4月20日号「名著、再び」(佐藤優先生書評コーナー)に拙著が紹介されました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 アメリカ連邦議会(上院と下院)の民主、共和両党の議員たちの間には、議員連盟(caucus)と呼ばれるグループがある。民主、共和両党内の議員連盟は、日本の派閥(faction)的な色合いがあるが、明確な親分・子分関係は存在せず、イデオロギーや信条が近い議員たちが一緒に行動するというような形のものである。民主、共和両党に複数の議連があり、採決の時などに、賛成、反対の動きや票読みの際に、注目を集める。

 『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』でも取り上げたが、アメリカ連邦下院共和党において、重要な存在になっているのが、「フリーダム・コーカス」と呼ばれる議連だ。この議連は、日本語では「自由議員連盟」と訳されることもある。フリーダム・コーカスは、保守派・リバータリアン派の議連である。オバマ政権時代に、勢いを伸ばした、ティーパーティー運動に源流があり、ティーバーティ―運動で当選した議員たちが結成した議連であり、政府による介入や規制を排除することを求めている。2015年に結成された比較的新しい議連であるが、メンバーは41名を数える。共和党の連邦下院議員が217名の内の41名が属しており、一大勢力となっている。共和党内で最も右寄りの議連であり、エスタブリッシュメント派とも対立する場面があり、トランプ支持の議連と言われるが、そのような単純な話では済まない。この議連には、トランプ支持派の議員たちも入っているが、同時に、トランプに対して反対する、リバータリアンの議員たちも入っており、中で対立が起きた。トランプ派の議員たちが、自分たちだけの議連を結成しようとして、その動きを潰されたことがある。

 昨年(2023年)、トランプ派として有名なマジョ―リー・テイラー・グリーン連邦下院議員(ジョージア州選出)が「アメリカ・ファースト・コーカス(議連)」を結成する動きを見せた。グリーンを中心とするトランプ派の議員たちがフリーダム・コーカスから独立する動きを見せた。それに対して、連邦下院共和党指導部とフリーダム・コーカスの幹部メンバーたちが激怒し、アメリカ・ファースト・コーカスが結成されたら、参加議員たちは、議会のどの委員会にも参加させないという脅しを行った。委員会に所属できなければ、立法作業に参加する道を閉ざされることになり、議員活動はできなくなる。トランプ派の議員たちはおとなしく従うしかなかった。首謀者のグリーン議員は、フリーダム・コーカスから追放処分となった。

 共和党所属の連邦議員たちの間では、トランプに対する恐れと反感、諦観が入り混じっている。トランプに表立って反対すれば、「あいつは落とすべきだ」とトランプに言われてしまう。そうなると、トランプ支持者たちは、その議員を落選させてしまう。これまでにも、トランプに反対した議員たちは多くは落選させられる、もしくは自主的な引退を選択することになった。だから、議員たちはよほど選挙に自信があるなら別だが、表立っては従うしかない。しかし、同時に反感もある。それが、トランプ派議員たちに対する動きとして出てくる。このような複雑な動きになっているので、一概に「この議連はトランプ支持の議連」と決めつけてしまうのは実態に即していないということになる。

(貼り付けはじめ)

グリーンがフリーダム・コーカスから追放された、と幹部メンバーが言及(Greene ousted from Freedom Caucus, board member says

エミリー・ブルックス筆

2023年7月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/4084065-greene-ousted-from-freedom-caucus-board-member-says/

強硬派のフリーダム・コーカスは、マジョーリー・テイラー・グリーン連邦下院議員(ジョージア州選出、共和党)をメンバーから除名するための投票を実施した、とフリーダム・コーカスの幹部メンバーであるアンディ・ハリス連邦下院議員(メリーランド州選出、共和党)は述べた。

ハリスは木曜日、『ポリティコ』誌とCNNの取材に対して、「マジョーリー・テイラー・グリーンは、彼女のこれまでの行動を理由にして、連邦下院フリーダム・コーカスから除名されるべきかどうかの投票が実施された」と述べた。

連邦下院フリーダム・コーカスの報道担当者は、コーカスの秘密保持条項を指摘して、コーカスがグリーンを除名したかどうかについて、その正否を認めなかった。

フリーダム・コーカスは「連邦下院フリーダム・コーカスはメンバーの地位や資格(membership)や内部のプロセスについてコメントしない」と発表した。

今回のニューズに関する声明の中で、グリーンは連邦下院フリーダム・コーカスにおける、彼女の地位について直接言及しなかった。

グリーンは「連邦議会において、私は自分が代表している選挙区であるジョージア州北部を最優先にして仕事をしている。ワシントンにおけるいかなるグループのためにも仕事をしていない。アメリカ・ファーストの考えは、私のキリスト教の信仰に導かれ、鋼で鍛えられ、私の人格に焼き付けられ、決して変わることはない」と述べた。

グリーン議員は「私は、この国を破壊しようとするアメリカを憎んでいる民主党と、連邦議会の儀仗で毎日戦っている。私は、国境を守り、子宮の中にいる、もしくは生まれた後の子どもたちを守り、永遠に続く外国の戦争を終わらせ、この国を救うために働くことを望む人となら誰とでも協力する。共和党は、2024年にドナルド・トランプ大統領が選挙に勝利する時、共和党主導の、強力で統一された連邦議会が何をするのかをアメリカに示すことができる期間は、既に2年を切っている。私が最重要視しているのはこの一点であり、他には何もない」と締めくくった。

広報担当のハリスは、グリーン議員が正式にフリーダム・コーカスから外れたかどうか質問され、次のように答えた。「私の知る限り、そういうことだ」。

ケヴィン・マッカーシー連邦下院議長(カリフォルニア州選出、共和党)がジョー・バイデン大統領と交わした債務法案の合意を支持することで、多くの同僚と対立したため、グリーン議員はフリーダム・コーカスから排除されることになった。グリーン議員はマッカーシーに近い支持者となっている。フリーダム・コーカス所属の同僚議員たちの多くが反対し、1月に歴史的な15票差の連邦下院議長選挙を余儀なくされた時でさえ、マッカーシーを議長候補として支持した。

ハリスは、債務法案とグリーンのマッカーシー支持について、「その全てが重要だったと思います」と語った。

しかし、グリーン議員と同様の、お騒がせ議員であるローレン・ボーバート下院議員(コロラド州選出、共和党)との最近の衝突が、結果としてフリーダム・コーカス所属の議員らにグリーン議員の排除投票を促したようで、広報担当ハリスはそれを「決定的な一撃となった(the straw that broke the camel’s back)」と語った。

グリーン連邦議員は2023年6月下旬、ボーバートが国土安全保障省長官アレハンドロ・マヨルカスに対する弾劾訴追を強行する意表をつく行動に出た後、連邦下院の議場でボーバートを「小娘(little bitch)」と呼んだ。グリーンは、ボーバートが連邦下院共和党所属議員会に自分の決定について説明しに来なかったことを批判し、ボーバートがマヨルカスに対する弾劾訴追についても自分の行動を真似ただけのことだと非難した。

ハリスは、「グリーンが同僚議員ボーバートに使った表現は、おそらく同僚議員、特に女性議員に対して使うべきではなかったと思う」と述べた。

『ポリティコ』誌が先週初めて報じたこの投票は、連邦下院が独立記念日を前に2週間の休会に入る前の朝に行われた。

ハリスは投票方法については明言しなかったが、連邦下院フリーダム・コーカスのスコット・ペリー会長(ペンシルヴァニア州選出、共和党)を「真のリーダー(true leader)」であり、「素晴らしい仕事(great job)」をしていると称賛した。

しかし、グリーンを排除する動きは、ペリーやフリーダム・コーカス全体に対する外部からの批判を呼んでいる。

ある共和党幹部補佐官は本誌の取材に対して、「私がスコット・ペリーなら、8月の休会前の3週間の会期を前に、これが最後の見出しになることを望んでいる。HFCをめぐるドラマの連続のせいで、議員たちはどの議案も通過させることができない。指導部も疲れているはずだ」と述べた。

連邦下院フリーダム・コーカスのメンバーと下院共和党指導部との間の最も差し迫った争いは、予算と支出レヴェルをめぐるものだ。先月、同グループの一部メンバーとその協力者たちは、債務上限法案で設定された歳出水準の上限に抗議し、下院議場での立法活動を1週間妨害した。

それ以来数週間、同グループのメンバーは支出レヴェルについて定期的に指導部と会談してきたが、意見の相違が残ったまま2週間の休暇に入った。

支出レヴェル以外にも、フリーダム・コーカスのメンバーは、自分たちの法案を強行採決するための特権的動議で、指導部の頭痛の種を増やした。マヨルカス弾劾訴追案を強行採決したボーバートの動きは最終的に委員会に差し戻されたが、これに加え、アナ・パウリナ・ルナ議員(フロリダ州選出、共和党)は、アダム・シフ議員(カリフォルニア州選出、民主党)のトランプ前大統領に関する発言に対する問責決議案を強行採決した。

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マジョーリー・テイラー・グリーンは、共和党からの反撃を受ける中で、「アメリカ・ファースト」コーカス発足の計画を放棄する(Marjorie Taylor Greene scraps planned launch of controversial ‘America First’ caucus amid blowback from GOP

ダニエラ・ディアズ筆

CNN

2021年4月18日

https://edition.cnn.com/2021/04/17/politics/marjorie-taylor-greene-america-first-caucus/index.html

CNN発。保守派のマジョーリー・テイラー・グリーン連邦下院議員は金曜日、報道担当者を通じて「アメリカ・ファースト」コーカス(議員連盟)の発足を確認していたにもかかわらず、共和党内の指導者たちから反撃を受け、コーカスの発足を取りやめることになった。

グリーン議員の報道担当ニック・ダイアーは土曜日の午後、ジョージア州選出の共和党連邦下院議員グリーンは「何も立ち上げない」とCNNに送った電子メールの中で述べた。

ダイアーは、パンチボウル・ニューズが入手した、煽動的な表現が使われたコーカスの宣伝ビラに言及しながら、「議員は、何も立ち上げてようとしていないを明確にしたいと望んでいる。これはごく初期の提案であり、合意も承認もされていない」とCNNに送ったメールの中で語った。

ダイアーは更に、「彼女はその文言を承認しておらず、何も立ち上げる予定はない」と付け加えた。

これは、グリーン議員の事務所が「ごく近いうちに」コーカスを発足させると言っていた金曜日からの大きな後退だ。

ダイアーは金曜日、CNNに送った声明の中で、「アメリカ・ファースト・コーカス(議員連盟)の綱領が近々発表されるので、楽しみにしていてください」とダイアー氏はCNNに声明の中で述べていた。

グリーンは土曜日の午後、一連のツイートで、彼女の「アメリカ・ファースト」コーカスのスタッフ・レヴェルの草案は、「私が読んでいない外部グループからのもの」だと主張した。彼女はまた、メディアが「誤った物語(false narratives)」を作り、人種に焦点をあてて、「アイデンティティ政治(identity politics)を通じ、憎しみでアメリカ国民を分断している」と非難した。

グリーンはツイッター上で、ドナルド・トランプ前大統領のアメリカ・ファーストのアジェンダの提唱を進める計画を示唆した。

新しいコーカス(議員連盟)を宣伝するチラシは、「アングロサクソン独自の政治的伝統に対する共通の敬意(common respect for uniquely Anglo-Saxon political traditions)」を呼びかけ、選挙の整合性に関する一連の共同謀議論を前面に押し出している。

チラシはまた、「大量の移民」が「独自の文化とアイデンティティを持つユニークな国としてのアメリカの長期的な存続的な未来」を脅かすと警告する、白人中心主義的な(nativist)主張も概説している。

連邦議会の議員連盟は通常、特定の政策課題を推進しようとする議員たちで構成される任意団体である。このグループは正式な議会の立法機構の外で運営されているが、その多くは、議論に影響を与え、共通の政策提言を増幅させることに成功している。

金曜日、新しいコーカス(議員連盟)に関する報道がなされる中、ダイアーはチラシの初期案が流出したことに不満を述べたが、CNNに対する声明では、このコーカス(議員連盟)の結成計画が進行中であることを確認した。

グリーン議員の事務所からの発言の撤回は、連邦下院共和党トップのケヴィン・マッカーシー連邦下院議員・連邦下院少数党院内総務が間接的に同議員の新しいコーカスに言及しながら、「共和党はリンカーンの党であり、すべてのアメリカ人にさらなる機会を与える党であり、排外主義的な白人中心主義者にとっての犬笛(dog whistles)ではない」とツイートした翌日に行われた。

また、連邦下院共和党第3位の地位にある共和党連邦下院議員会議長リズ・チェイニーは、グリーンの新しいコーカス(議員連盟)に関する報道についてツイッター上で次のように反応した。

チェイニー議員は「共和党は、万人に平等な機会、自由、正義を信じている。私たちは子供たちに寛容、良識、道徳的勇気という価値観を教えている」と彼女は書いた。「人種差別、民族主義、反ユダヤ主義は悪だ。歴史が教えているように、私たちには皆、そのような悪意ある憎しみに立ち向かい、拒絶する義務がある」と書いた。

闘争中の共和党のマット・ギーツ下院議員(フロリダ州選出)は、金曜日に次のようにツイートした。彼は現在、性売買と売春の疑惑で連邦捜査を受けている、「私はマジョ―リー・テイラー・グリーン議員(@mtgreenee)と共に、アメリカ・ファースト・コーカスに参加することを誇りに思う。私たちは戦争を終わらせ、不法移民を阻止し、アメリカの労働者にとっての公平な貿易を推進する。これは、ビッグ・メディア(主流メディア)、ビッグ・テック(GAFAなど)、ビッグ・ガヴァメント(大きな政府)に属するアメリカ・ラスト派による単なる反撃に過ぎない」。

共和党のポール・ゴーサー連邦下院議員(アリゾナ州選出)は、「アメリカ・ファースト」コーカスの立ち上げ計画への関与を否定し、土曜日の声明で 「連邦下院フリーダム・コーカスに所属して、アメリカ・ファーストの問題に取り組み続ける」と記した。パンチボウル・ニューズは、ゴーサーがこの「アメリカ・ファースト」コーカス(議員連盟)に関与していると報じていた。

彼は土曜日、パンチボウル・ニューズの報道を読み、初めてビラの存在を知ったと主張した。

共和党のアダム・キンジンガー連邦下院議員(イリノイ州選出)は、新しいコーカス(議員連盟)についての最初の報道を受けて「うんざりしている」と述べ、金曜日、新しい議員連盟に参加する議員から委員会の割り当てを剥奪され、共和党の議員会議への参加を阻止されるべきだと述べた。

キンジンガ―議員は「私たちは、共和党員、共和党所属を名乗ることを阻止することはできないが、彼らは共和党に属しいていないと声を大にして言うことはできる」とツイッターに投稿した。

この記事は追加で更新された。

CNNのアリ・メイン、ヴェロニカ・ストラカルシ、アニー・グレイヤー、ライアン・ノーブルズ、ポール・ルブランがこのレポートに貢献した。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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