古村治彦です。
パム・ボンディ司法長官は連邦下院での公聴会に出席し、エプスタイン・ファイルについて、民主党所属の議員たちから激しく追及された。ボンディ長官はドナルド・トランプ大統領を護るために奮闘した。300万ページにも及ぶ文書が新たに公開されたが、被害者たちの名前が編集されていないところがあった、もしくは重要な部分で編集がされていたという批判がなされている。被害者たちは、名前が編集されていなかったことについて、「これ以上は騒ぐな」という口封じのための脅しだと批判している。
民主、共和両党はエプスタイン・ファイルを自分たちにとって有利な武器として使おうとしている。民主党はトランプ大統領と政権最高幹部クラスがエプスタインと親密な関係にあったこと、トランプが大統領選挙期間中にはエプスタイン・ファイルの公開に積極的な姿勢だったのに、政権発足後には消極姿勢に転じたこと、その理由として、トランプがエプスタインと親密な関係にあり、犯罪行為に関係していたということを証明したいと考えていることなどを理由にして、攻撃材料としたいと考えている。
共和党側は、ビル・クリントンをはじめとする民主党の重鎮たちや、リベラル派の大物、更には、民主党支持の財界人たちの名前を出すことや、民主党政権下では調査が進んでいなかったこと、逆に民主党側がトランプ攻撃のために、被害者たちを利用して政争の具にしようとしているとして反撃している。
トランプ大統領自身は、エプスタイン・ファイルに関しては「騒ぐほどのものではない」「退屈な事件だ」という態度を取り、大きな騒ぎにはしたくないという姿勢を取っている。これがまた、トランプが自身の関与を隠そうとしているという批判を集めている。
私はこのブログ書いたが、エプスタイン事件の本丸はイギリス王室やイギリス上流社会ではないかと考えている。さらに、ヨーロッパ各国の政治家や上流社会にも波及しており、もちろん、アメリカの上流階級も含めてだが、「エプスタイン階級(Epstein Class)」が形成されていると考えている。被害者の方々には申し訳ない言い方になるが、ただのセックススキャンダルだと思っていたが、それよりもより深刻な上流階級、「法の支配を受けない、法の上の人々」が犯罪行為を皆でやっていたということであろうと考えている。
トランプは第二次政権になってから、ヨーロッパ諸国に対して融和的になっている。ウクライナに対してもそうだ。エプスタイン・ファイルの破壊力の深刻さを教えられ、これが破裂すれば、西側諸国は大きなダメージを受けると分かって、エスタブリッシュメントたち、上流階級の人々と何らかの「取引(ディール)」をしたのではないかと考えている。ヨーロッパ各国は王制が多く、エプスタイン事件とのかかわりが暴露されれば、王室や貴族性の廃止論が高まるだろう。もちろん、トランプ自身の身の安全が最優先だから、トランプにまで塁が及ぶようなことにはならないようにするだろう。
ボンディ長官はこうした状況で、トランプを護るために奮闘している。長官の辞任までも視野に入れて対峙しているだろう。しかし、状況はなかなか厳しいようだ。300ページもの文書の分析は大変な作業となるだろう。そうした中でどのような爆弾が破裂するか分からない。
(貼り付けはじめ)
パム・ボンディ司法長官が出席した連邦議会での公聴会は激しい応酬が占めた:4つのポイント(Fiery exchanges dominate Bondi appearance before Congress: 4
takeaways)
レベッカ・ベイッチ筆
2026年2月11日
https://thehill.com/homenews/house/5734303-pam-bondi-judiciary-committee-hearing-epstein/
パム・ボンディ司法長官は水曜日、就任後初めて連邦下院司法委員会に出席し、白熱した公聴会で議員たちと真っ向から対立した。
ボンディ司法長官は、ドナルド・トランプ大統領の敵対者たちに対する進行中の捜査から移民問題まで、幅広い問題について質問を受けたが、最も緊迫した応酬はエプスタインのファイルに関する質問の中で見られた。
ボンディ司法長官は大きなバインダーを手にして座り、議員たちを罵倒する際に何度もバインダーを参照した。それぞれの選挙区で起きた具体的な犯罪を引用したり、株式市場の動向を自慢したりした。
この繰り返しに民主党所属の議員たちから不満の声が上がり始め、ボンディ長官がバインダーを頻繁に参照したため、ある時点でジャレッド・モスコウィッツ連邦下院議員(フロリダ州選出、民主党)は「バインダーのジャレッド・モスコウィッツのセクションをめくってほしい。反対派のスタッフが私に対してどのような情報を提供したのか興味がある」と皮肉を言ったほどだ。
この激しい公聴会に関する4つのポイントを以下に紹介する。
(1)エプスタイン・ファイルをめぐる非難が焦点になった(Finger-pointing
over the Epstein files takes center stage)
公聴会には、有罪判決を受けた性犯罪者ジェフリー・エプスタインの被害者11人が出席し(この人たち以外にも出席していた可能性がある)、公開されたファイルにおける大幅な改ざんを非難するシャツを着ていた。議員たちは被害者たちについて繰り返し言及した。
ある場面で、プラミラ・ジャヤパル連邦下院議員(ワシントン州選出、民主党)は、トランプ政権下の司法省(DOJ)とまだ面会していない被害者たちは手を挙げるよう求めた。全員が手を挙げた。
この場面は、公聴会の冒頭でボンディ司法長官が、さらなる虐待事件があれば司法省として全力で対応すると公約していたこととは対照的だった。ボンディ長官は「FBIは皆さんからの連絡を待っている。犯罪行為の容疑は全て真剣に受け止め、捜査する」と述べていた。
ジャヤパル議員は、エプスタインとのメールのやり取りの中で、司法省が彼の側近の身元を隠していたことを明らかにした。このメールは、被害者たちの名前が公開されている別のファイルと並べて表示されていた。議員たちはこのファイルを公聴会のためにぼかしを入れた。
別の事例では、トーマス・マシー連邦下院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は、司法省がファイルの中で「有罪の可能性が高い(likely incriminated)」とされている人物のメールを「私が現行犯逮捕した(of me catching you red-handed)」ためだけに修正したと述べた。
ボンディ長官は、ファイル内の不適切な修正があれば、その改善に努めると述べた。
ボンディ長官は「もし、修正されるべきでない人物の名前が修正されていたら、もちろん改善する。もし被害者の名前が修正されていない場合は、私たちにお持ちいただきたい。修正する。私たちは30日間で数百万ページに及ぶ文書を精査し、修正と修正の修正を繰り返した。私たちのミスの割合は非常に低い」と述べた。
ボンディ長官は、前任者のメリック・ガーランドを引き合いに出し、議員たちが前のバイデン政権下でエプスタイン捜査について説明を求めなかった理由を問いただして繰り返し反論した。
マシ―議員は「メリック・ガーランドについて質問されて嬉しい」と述べた。
マシー議員は「これはウォーターゲート事件よりも大きな問題だ。4つの政権にまたがる問題だ。バイデン政権に遡る必要はない。オバマ政権、ジョージ・W・ブッシュ政権まで遡ればよい。この隠蔽工作は何十年にもわたっており、あなたにはその責任の一部がある」と述べた。
(2)公聴会は嘲笑と激しい応酬で占められた(Taunts and fiery
exchanges dominate hearing)
エプスタインのファイルに関する様々な質問は、ボンディ長官と議員たちの間で最も激しい応酬を引き起こした。
特に注目すべき応酬の一つは、ボンディ議員がジャヤパル議員から、司法省と面会していないと主張する11人の被害者に対し、「司法省が被害者たちに与えた苦しみについて謝罪する」よう求められたのを拒絶したことだ。
この要求は2人の女性の間で口論に発展し、ボンディ長官は「こんな芝居がかった行動(theatrics)で汚い目に遭うつもりはない」と反論した一方、ジャヤパル議員はボンディ長官が被害者たちを無視していると主張した。
応酬の最後に、ボンディ長官は「プロ意識がない(unprofessional)」と呟いた。
その直後、ボンディ長官がトランプ大統領に反対する者への訴追と、エプスタイン事件に関する訴追の欠如を比較するよう求められ、再び緊張が高まった。ボンディ長官が話している最中、委員会筆頭議員のジェイミー・ラスキン連邦下院議員(メリーランド州選出、民主党)が口を挟み、ジェリー・ナドラー下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)が自分の発言権を取り戻したと主張した。
ボンディ長官は、弁護士で憲法学教授を務めた経験を持つナドラー議員に向かって「あなたは落ちこぼれ弁護士だ。弁護士ですらない」と言い放った。
マシー議員がエプスタイン事件について質問すると、ボンディ長官は「トランプ錯乱症候群(Trump
derangement syndrome)」にかかっていると述べ、マシー議員を「失敗した政治家(a
failed politician)」と呼んだ。
ダン・ゴールドマン連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)の質問に対し、ボンディ長官は「あなたは現代の弁護士として、2016年にトランプ大統領を弾劾しようとした時と同じくらいしか優秀ではない」と述べた。
ハンク・ジョンソン連邦下院議員(ジョージア州選出、民主党)は質問の中で、「ここではまるでジキル博士とハイド氏のようなやりとりをしている」と述べ、ボンディ長官が説明を求めると、「つまり、共和党員には優しく、民主党員にはハイド氏のように振る舞うということだ」と付け加えた。
民主党所属の議員たちとのやり取りのほぼ全てにおいて、ボンディ長官は後続の共和党所属の議員たちに時間を割いて発言を求め、しばしば民主党優勢選挙区で起きた犯罪の詳細を述べた。ある場面では、ベッカ・バリント下院議員(ヴァーモント州選出、民主党)が「弱腰だ(weak sauce)」と答えた。
ボンディ長官は、バリント議員が反ユダヤ主義を非難する決議に反対票を投じたと示唆して反論した。
バリント議員は、「そんなことを言いたのか? あなたは本気なのか? ホロコウストで祖父を亡くした女性に反ユダヤ主義について何かを言うのか」と言い放ち、部屋を飛び出した。
ジャスミン・クロケット連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)は、ボンディ長官が民主党所属議員たちの質問に答えなかったことを非難した。
「私たちが迎えている証人はどういう訳か弁護士でありながら、証言の仕組みを理解していない」とクロケット議員は述べた。
(3)エプスタイン事件と比較したトランプの敵対者への訴追(Prosecution of
Trump foes compared to Epstein case)
民主、共和両党ともに、ボンディ長官に対し、トランプの敵対者たちに対する多数の事件と捜査について追及したが、それらの問題をどのように進めるべきかについては異なる見解を示した。
ラスキン議員は「あなた方は、アメリカ国民のための司法省をトランプの復讐の道具に変えてしまった。ドナルド・トランプはピザのように訴追を注文し、あなた方は毎回それを実行する」と述べ、軍人が違法な命令を拒否できると指摘するヴィデオ映像を撮影した民主党所属議員6人をトランプ政権が起訴しようとしたが、大陪審(grand jury)が却下したというニューズに言及した。
「またしても大陪審があなた方の復讐工場を閉鎖した。・・・あなた方が大陪審の叡智と憲法に則った愛国心に耳を傾け、あの屈辱を倍増させることを二度としないよう願う」。
ナドラー議員は、トランプ大統領の敵対者たちを訴追することに関心を示していることと、エプスタインの側近たちに関する新たな訴追がないことを対比させた。
ナドラー議員は、「司法省はこれらの加害者を一人も裁きにかけることができていない。それどころか、ドナルド・トランプ大統領の敵と見なされる人たちを執拗に追及している。エプスタインの共謀者のうち、何人を起訴したのか?
そもそも何人の加害者を捜査しているのか?」と述べた。
一方、委員会のジム・ジョーダン委員長(オハイオ州選出、共和党)は、元CIA長官ジョン・ブレナンを刑事告発したことについて質問した。
ジョーダン委員長は、「ブレナン長官は委員会に嘘をついた。そして、アメリカ国民は彼が本当に嘘をついたことで起訴されるのかを知りたいと思うだろう」と述べた。
ジョーダン委員長はさらに、2016年の大統領選挙に関する捜査においてスティール文書が果たした役割についてブレナン長官が嘘をついたと非難した。ブレナン長官はいかなる不正行為も行っていないと否定している。
「捜査が進行中であるかどうかは確認も否定もできないが、法の上にある者はいない(no
one is above the law)ということは言える」とボンディ長官は述べた。
(4)民主党所属議員たちがボンディ長官に対してトランプとエプスタインの関係について追及(Democrats press Bondi on Trump’s ties to Epstein)
複数の民主党所属の議員たちがボンディ長官に対し、トランプ大統領とエプスタインの関係、そして司法省がトランプの行動をどの程度調査したかについて質問した。
ある時点で、テッド・リュー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は、ボンディ長官がトランプ大統領とエプスタインがパーティーで撮影された映像を示した後、ボンディ長官が宣誓供述書で嘘をついたようだと述べた。
ボンディ長官は「これは全く馬鹿げている」と反論した。「彼らはドナルド・トランプ大統領が成し遂げた素晴らしいこと全てから目を逸らそうとしている。トランプ大統領が罪を犯したという証拠は何もない」と述べた。
リュー議員は、「あなたは宣誓下での(under oath)供述で嘘をついたと思うので、FBI国家脅威対策センターに通報した証人からの別の文書を提示する」と答え、トランプのリムジン運転手がトランプについて語った未確認の主張をまとめた文書を示した。
リュー議員は、「この証人を直ちに尋問する必要がある」と続けた。
「私を犯罪で告発することはできない」とボンディ長官は言い返した。
ゴールドマン議員はまた、司法省が編集した電子メールを示し、編集前のヴァージョンではエプスタインと側近のギレーヌ・マクスウェルが「ドナルド・トランプがジェフリー・エプスタインとの以前の関係について述べた発言」について話し合っていると述べた。
ゴールドマン議員は、「アメリカ国民が、ドナルド・トランプがジェフリー・エプスタインとの関係についてどれほど嘘をついているか理解できるよう、このメールの編集前のヴァージョンを公開することお約束してもらえるか?」と質問した。
民主党所属の議員たちはまた、トランプの名前がファイルに何回登場するかについても言及した。特にカシュ・パテルFBI長官が以前、その数は1000回未満だと主張していたことを踏まえると、なおさらその多さを強調する形となった。
モスコウィッツ議員は、聖書と『ハリー・ポッター』シリーズを傍らに置いて座っていた。
「エプスタイン・ファイルにトランプの名前が登場する回数は、神についての本に登場する神の名前よりも多くなっている。ちなみに、これはトランプ版聖書だ。ジェームズ王版ではない」とモスコウィッツ議員は述べた。
モスコウィッツ議員は、「エプスタイン・ファイルの中で、トランプの名前が登場する回数は、ハリー・ポッターの7冊の小説に登場するハリー・ポッターの回数よりも多い」と述べた。
多くの共和党所属の議員たちは、エプスタイン・ファイルについて質問しなかったが、質問した議員たちからはボンディ長官への称賛の声が上がった。
チップ・ロイ連邦下院議員(テキサス州選出、共和党)は「トランプ政権がこの問題を主導し、前政権は沈黙を守っていたと言っても言い過ぎには当たらない」と述べた。しかし、ロイ議員はさらに、なぜ被害者たちの名前が恣意的ではないにしても公表されたのかと問いただした。
しかし、ヘスス・“チュイ”・ガルシア連邦下院議員(イリノイ州選出、民主党)は激しい非難を行いその中で、ボンディ長官がファイルの取り扱いをめぐって激しい批判を受けていると指摘した。
ガルシア議員は、「これだけのことをした後では、誰もあなたを支持しない。私は民主党の日立のことを言っているのではない」と述べ、共和党が任命した判事たちによる敗北を指摘した。
「あなた方のMAGA支持基盤は、あなた方がエプスタイン・ファイルを隠蔽しているので、あなた方を軽蔑している。なんと皮肉なことか」
(貼り付け終わり)
(終わり)

シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』




