古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:激戦州

 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。予約受付中です。よろしくお願いいたします。donaldtrumpkamalaharrisdebate001
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 2024年11月5日(日本時間では6日)の米大統領選挙が近づいてきた。今週末が最後の週末と言うことになる。共和党のドナルド・トランプ前大統領、民主党のカマラ・ハリス副大統領は共に激戦州を訪問する予定となっている。今回の大統領選挙での激戦州は、ペンシルヴァニア州(選挙人19人)、ミシガン州(15人)、ウィスコンシン州(10人)、ノースカロライナ州(16人)、ジョージア州(16人)、ネヴァダ州(6人)、アリゾナ州(11人)だ。
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 重要なのは、前回ジョー・バイデンが奪還した「青い壁(Blue Wall)」のペンシルヴァニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州の五大湖周辺州をカマラ・ハリスが守れるかどうかだ。現在のところ、ペンシルヴァニア州ではトランプ、ミシガン州、ウィスコンシン州ではハリスが僅差でリードとなっている。ペンシルヴァニア州をハリスが取れば青い壁を死守できる可能性が高まり、ハリスの勝利が近づく。逆に、トランプが取ればトランプの勝利はほぼ確定的となる。ペンシルヴァニア州はアメリカ東部標準時のエリアに入っており、日本時間6日の早い段階で結果が出ることが予想される(順調であれば)。ペンシルヴァニア州の結果で大勢が分かることになる。もちろん、一応の結果が出た後に、異議が出て、数え直しということになって正式な結果が出るまでに時間がかかることが予想される。また、選挙関連の暴力事件も多く起こるだろう。
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 今回の選挙ではやはり人々の生活の苦しさが最大のテーマとなるだろう。アメリカの給料が高いこと、しかし、その分、物価が高いことは日本でも報じられている。アメリカの大都市での住居費が平均で100万円近くに達して、住んでいられないということで、きちんと仕事を持っているのに、ホームレスになっている人たちも多い。経済問題が選挙の代々のテーマとなるだろう。その点では、トランプに一日の長があり、現政権の副大統領であるカマラ・ハリスには不利になるだろう。

 しかし、これだけの大接戦となると、選挙は平穏には終わらない。トランプ、ハリス両候補者の支持者の中には、結果に納得のいかない人々が数え直し、再集計を求めて抗議活動を活発に展開する人たちが多く出るだろう。また、暴力事件が頻発するだろう。米大統領選挙のために社会不安が増大し、治安が悪化し、状況は不安定化するだろう。

 国連は選挙監視団を派遣し、暴力事件を抑止するようにすべきではないか。また、集計に関しては、日本の優秀な係員を派遣して、集計してあげるのが良いのではないか。もちろん、これらは冗談で、皮肉であるが、それほど、「デモクラシーの総本山」であるアメリカが揺らいでいる。

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それで、一体誰が勝つのか?-米大統領選最後の週末を迎えるにあたって分かっていること(So, who’s going to win? — What we know going into the final weekend of the presidential race

ナイオール・スタンジ筆

2024年11月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4966970-trump-harris-election-race-close/

アメリカ大統領選挙は、世論調査が歴史的な大接戦を示す中、大詰めを迎えている。

各種世論調査でこれほど多くの州が接戦になったことはかつてない。

『ザ・ヒル』誌とディシジョン・デスクHQDDHQ)が管理する世論調査の平均によれば、金曜日夜の時点で、激戦州7州のいずれにおいてもドナルド・トランプ、カマラ・ハリス両候補とも2ポイント以上の差はなかった。

ミシガン州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州のいわゆる「青い壁(Blue Wall)」と呼ばれる3つの州では、その差は1ポイント以下だった。

政治の専門家たちは、最終的な結果を占う手がかりを求め、早期投票数のデータを探し回っている。既に6000万票以上が期日前に投じられた。

しかし、どのような選挙でも、早期投票数から最終結果を推定するのは、あまりにも未知数が多いため、信憑性が低いことで知られている。

トランプ、ハリス両候補の側近たちは支持者の確信を強めようとしている。

トランプ候補のスティーヴン・ミラー顧問は「期日前投票の数字は引き続き素晴らしい。カマラは崩れている」と金曜日にソーシャルメディアで熱弁をふるった。

ハリスのアドバイザーであるデイヴィッド・プルーフもX上で「決選投票の後半に投票した人が二桁の差でハリス有利に崩れている」と主張している。

以下に大統領選挙レースがどのような状況にあるのかについて分かることを列挙していく。

●トランプがわずかに優勢(Trump has a tiny edge

各種世論調査によれば、レースはほぼデッドヒートになっている。しかし、どちらの候補者がほんのわずかでも優位に立っているのかということであれば、それはトランプだ。

DDHQFiveThirtyEight、ネイト・シルヴァーの「Silver Bulletin」、『ニューヨーク・タイムズ』紙が管理する各種世論調査の平均では、トランプ前大統領はハリス副大統領よりも多くの激戦州で優勢となっている。

DDHQの平均では、トランプは6州でリードしている。他のサイトでは5州でリードしている。この違いはウィスコンシン州の扱いで生じており、他の3サイトではハリスが優勢、DDHQではトランプが優勢となっている。

ハリスは全米規模の各種世論調査で僅差でのリードを保っている。

DDHQ平均では、ハリスのリードはわずか0.3ポイントだ。2016年、ヒラリー・クリントンは選挙に敗れたが、2ポイント以上の差をつけて全米規模での世論調査でリードした。

それでも、トランプ優位は決定的とは言い難い。DDHQFiveThirtyEightの予想では、トランプの勝利の確率はそれぞれ54%と51%で、コイントスで裏表を決めるのとほとんど変わらない。

●サンベルトとブルーウォールとの間に明確な分裂がある(There’s now a clear split between the Sun Belt and the Blue Wall

ここ数週間、重要な分裂が深まっている。それは、一方ではサンベルト・南部の激戦州、他方ではブルーウォール(青い壁)州の分裂である。

大雑把に言えば、トランプは前者で健闘し、ハリスは後者で競争力を発揮する。

DDHQ平均で2ポイント差をつけているアリゾナ州では、トランプがどの激戦区よりも大きくリードしている。1.9ポイント差のジョージア州、1.4ポイント差のノースカロライナ州もそう大きな差ではない。

DDHQの予測モデルでは、ジョージア州でトランプが勝利する確率は65%だが、「青い壁」3州のいずれでも勝利する確率は53%以下とされている。

ここで、選挙人団の計算を強調しておくことが重要だ。

ハリスが「青い壁」の3州で勝利すれば、たとえトランプが他の4州で勝利したとしても、ハリスがホワイトハウスを獲得することになる。

そのシナリオでは、ハリスはトランプの268人に対して、270人という、可能な限り僅差で勝利することになる。

●2つの重要な未知数(Two key unknowns

2つのオクトーバーサプライズは、先週の日曜日に行われたトランプ前大統領のマディソン・スクエア・ガーデンでの大集会で、コメディアンのトニー・ヒンチクリフが人種差別的なジョークを言ったことと、火曜日にジョー・バイデン大統領がトランプ支持者を「ゴミ(garbage)」と表現したことだ。

ヒンチクリフの愚弄はプエルトリコを標的としたものであったため、選挙において重要であった。いくつかの激戦州にはかなりの数のプエルトリコ人が住んでおり、その中にはペンシルヴァニア州だけでも40万人以上が居住している。

ハリス陣営はこの騒動を最大限に利用しようと、この騒動に関する新しい広告を掲載し、バッド・バニーやジェニファー・ロペスといった著名人からの支持を強調した。

一方、トランプはバイデンの「ゴミ」発言に焦点を当て、支持者を増やそうとした。この発言は、火曜日の夜、ホワイトハウスに隣接するエリプスでのハリスの大演説にも影を落とした、

トランプは水曜日、ウィスコンシン州での集会の前にゴミ収集車の運転席に登場し、バイデンのつまずきをニュースにし続けた。

●どちらの候補、敗北の可能性を過小評価してはいけない(Don’t underestimate the chances of a rout — for either candidate

評判の良い各世論調査機関にはある重要な疑問がつきまとう。それは、誰が実際に投票に来るのかというモデルが外れている可能性があるのかということだ。

世論調査のこの部分には、本質的に経験則に基づく推測(educated guess)が含まれる。また、システム由来の誤差が生じる可能性もある。

もっともらしいシナリオとしては、米連邦最高裁がロウ対ウェイド法を破棄して以来、初めての大統領選挙となる今年、リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)を守りたいという願望に突き動かされた有権者たちが、ハリス候補への投票率を高めるというものが挙げられる。

そのような急増が実際に起きて、ハリスが世論調査の数字をわずか2ポイントでも上回れば、彼女は全ての激戦区で勝利するだろう。

しかし、こうしたシナリオは決して一方的ではない。トランプは過去にも世論調査を上回る結果を出している。例えば、2020年のウィスコンシン州では、トランプの得票率はRealClearPoliticsの世論調査平均の最終数字を5ポイント近く上回った。

それでもバイデンはウィスコンシン州で勝利をもぎ取った。しかし、今年のハリスには誤差はない。

激戦州でトランプがわずかでも優れたパフォーマンスを見せれば、比較的容易にトランプがホワイトハウスに復帰することになるだろう。

●トランプ大統領の最後の旅は疑問を持たれている(Trump’s final travel raises eyebrows

この数日間、候補者たちの一挙手一投足は、何か深い意味があるのではないかということで詳しく分析される。

特に、ハリスとトランプの選挙運動最後の訪問についてはそうだ。

訪問の詳細について疑念が出ている。

トランプは土曜日、日曜日、月曜日の3日間、ノースカロライナ州で4回のイヴェントを行う予定だ。
ノースカロライナ州はトランプが得意とする戦場の1つであるはずなのに、これは奇妙な決定だ。

この決定が示しているのは、トランプ陣営が公に認めている以上に、ノースカロライナ州での自分たちの立ち位置を気にしているということなのだろうか?

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。予約受付中です。よろしくお願いいたします。

 アメリカ大統領選挙投開票日まで約2週間となった。現状では、ドナルド・トランプ前大統領支持が増えており、ハリスは厳しい状況になっている。ジョー・バイデン大統領撤退によって、カマラ・ハリス副大統領待望論が醸成され、激戦州が多い中西部の代表的な男性像を示しているミネソタ州知事ティム・ウォルツを副大統領候補として選ばれた8月から9月にかけて、ハリスが支持率でトランプを逆転し、激戦州でも軒並みハリスが優位な立場に立った。
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それが、メディアに出てのハリスの受け答えなどが放送されると、「当意即妙さがない(頭が良くない)」ということがばれ始め、支持を減らしていった。「あの人がアメリカ合衆国初めての女性大統領で良いのか、大丈夫なのか」という否定的な疑問が有権者の中で芽生えている。そこに「経験不足」が加わっている。経験不足という点では、ビル・クリントンも、ジョージ・W・ブッシュも、バラク・オバマもワシントン政治の経験はほとんどなかった。ハリスに対してだけ経験不足を理由にするのは間違っているが、ハリスはそれを言わせてしまう能力の欠如が明らかにされつつある。

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『ザ・ヒル』誌の勝利可能性のグラフ(青:ハリス、赤:トランプ)

 下に紹介した記事は1カ月前の記事で、まだハリスの勢いがあった頃のものだ。それでも、選挙結果予測で有名になったネイト・シルヴァーは、自身がハリス支持であるにもかかわらず、トランプ当選の可能性が高いと危惧し、トランプ当選に備えよと述べている。シルヴァーは有能な選挙予測のプロとして、ハリスの人気が落ちていること、トランプの人気が上昇していることを掴んでいるのだろう。

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「FIveThirtyEight」での予測(赤:トランプ、青:ハリス)

 五大湖周辺州のウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州での支持率の数字は接戦となっているが、8月と9月にハリスに遭った勢いは落ちている。トランプが追い上げて逆転している。民主党のジョー・バイデン政権がハリスの援護射撃のために、オクトーバーサプライズを仕掛けることが考えられるが、経済政策では投開票日までに効果が出る施策は難しい。また、ウクライナ戦争や中東紛争で停戦ということも考えにくい。このままの状況で進むとなると、トランプが勝利を収めるということになりそうだ。また、現状から逆転してハリスが勝利ということになれば、選挙後に不満を持った有権者たちが暴力に訴えるということも起きる可能性がある。目を離せない展開となるだろう。

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「人々は今すぐに不測の事態の発生に備えるべき」:トランプ勝利の可能性について、アメリカ有数の予測者がそのように語っている

-ネイト・シルヴァーの選挙モデルは、何百万人もの有権者に再び注目されている。ギャンブラーから統計学者に転身したシルヴァーが、ホワイトハウス争奪戦、我々の文化を再定義するリスクを取る冒険者たち、そして神の確率について語っている。

デイヴィッド・シャリアトマダリ筆

2024年9月21日

『ザ・ガーディアン』紙

https://www.theguardian.com/us-news/2024/sep/21/people-should-be-making-their-contingency-plans-like-right-away-americas-leading-forecaster-on-the-chances-of-a-trump-win

ロンドンはネイト・シルヴァーにとって少し穏やかな場所だろうか? 多大な影響力を持つアメリカの選挙モデルで知られる統計の専門家は、リスクに関する新しい本の宣伝のためにロンドンを訪問しており、大西洋のこちら側で安全策を講じるあらゆる方法に注目せずにはいられない。シルヴァーは「ロンドンの地下鉄に行くと、ガードドアがあるが、ニューヨークの地下鉄には何もない」と述べている。彼は明らかにエリザベス線に乗ったようだ。あるいは、「ウーバーで呼んだ車に乗っているのに、後部座席でシートベルトをしていないと、イギリス式の非常に礼儀正しいビープ音が鳴り響く」と、彼は不安をかき立てるような高速の笑い声で言う。シルヴァーはそれほど気にしている訳ではない。彼が学生時代に1年間過ごしたこの街が気に入っているという印象を受けるが、そしていずれにせよ「両国は異なるトレードオフを行っている」と述べている。つまり、アメリカは規制が少なく、より高い成長を遂げている。しかし平均余命は低い。まさに生き急いで若くして死ぬということだ。

しかし、シルヴァーが最もくつろげる場所はロンドンであることは明らかだ。「この本を書いている間、カジノで多くの時間を過ごした」と彼は著書『魅了されて(On the Edge、オン・ザ・エッヂ)』の冒頭で告白し、「200のゲームテーブル、1275の客室、3000台のスロットマシン、そして20000フィート上空からネオンブルーの光を放つギターの形をしたきらびやかなホテル」を誇るフロリダのカジノについて述べている。王立芸術協会(Royal Society of Arts)の落ち着いた魅力からかけ離れた彼は、野球帽にTシャツという出で立ちで、広報が持ってきたチョコレートをムシャムシャと食べながら、必要な血糖値を上げている(「今日は8時間ぶっ通しで働きづめだ」)。彼の新しい現代パワーの分類法によれば、私たちはまさに「ザ・ヴィレッジ(The Village)」にいる。これは、彼が説明したあのドーパミンまみれのカジノは「ザ・リヴァー(The River)」の一部だ。

リヴァーは自由に流れ、バラバラで、エキサイティングな急流や激流に満ちている。ヴォーカー・トーナメント、ヴァガス、ヴェンチャー・キャピタル、シリコンバレーを網羅し、そこに住む人々(彼は彼らを「リベリアンズ(Riverians)」と呼ぶ)は、匿名のブラックジャック・プレイヤーからイーロン・マスク、暗号通貨詐欺師のサム・バンクマン・フリードまで、少なくとも後者がカリフォルニアの矯正施設に居を構えるまでは多岐にわたる。その考え方は高度に分析的で、やや逆張りで、スリルを求めることが多い。しかし、シルヴァーによれば、それは先進資本主義の奇妙な産物以上のものであり、猛烈な技術革新の時代において、社会の形、そして私たちの集団の未来を決定する上で、非常に大きな役割を果たすことになるということだ。

「ザ・ヴィレッジ」の方が理解しやすい。堅苦しく、動きが鈍く、規範や正統性、古いメディア、大学、政府省庁の本拠地である。ヴィレッジャーたちは、『ガーディアン』紙や『ニューヨーク・タイムズ』紙を読む。シルヴァーは、経済学を学んだ後、プロのポーカー・プレーヤーになり、その後政治評論家になった。彼は自分は両方の陣営に足を踏み入れていると考えている。『魅了されて』は、そんな彼のガイドであり、溝を埋めようとする試みでもある。「私はヴィレッジとリヴァーがお互いをもっと理解し合えるようにさせたいと思っている」と彼は取材に答えて述べた。

しかし、彼とヴィレッジの関係は複雑だ。シルヴァーは2008年の大統領選挙で、彼の選挙モデルが50州中49州で勝敗を的中させたことで注目を集めた。2010年にはニューヨーク・タイムズ紙が彼を起用し、2012年のオバマとミット・ロムニーの戦いでは、彼は50点満点を獲得した(統計的思考に関するありそうでなかったベストセラー『シグナルとノイズ』も執筆)。2016年になると、彼のウェブサイト「FiveThirtyEight.com」はスポーツネットワークESPNに買収され、絶望的な不安の中で、予言的な力を持つものとして扱われるようになった。実際、心配性のリベラル派が彼の選挙人団地図を常に更新したおかげで、「人気が出すぎた」とシルヴァーは書いており、分析会社のチャートビートが彼の予測を「英語圏のインターネットで文字通り最も魅力的なコンテンツ」と評価したことを指摘している(2位はBBCの「Brexit Liveblog」)。彼のモデルは、ヒラリー・クリントンが勝利する確率を71%と、他の誰よりもずっと低い確率で予想したが、クリントンが勝利しなかったとき、「政界の多くの人々の反応は『ネイト・シルヴァーはくそったれの馬鹿野郎だ』というものだった」。ネイト・シルヴァーからすれば、彼のやっていることが理解できなかっただけなのだ。確率で言えば、トランプの勝利は青天の霹靂という訳ではなかった。

私たちは今、非常に不透明な選挙の真っただ中にいることに気づき、政治ジャンキーたちは再びシルヴァーに政治情報を求めている。今回は彼のサブスタックである「Silver Bulletin」であるが。(FiveThirtyEight」ブランドは現在ABCの所有だが、シルヴァーは彼のモデルの権利を保持している。「私はニュースレターで他のものよりはるかに多くの収入を得ている」と述べている。 私たちのインタヴューの数日後、ドナルド・トランプ大統領は記者会見を開き、「ネイト・シルヴァーはとても尊敬できる人物だが、私は彼を知らない。しかし、彼は私を大いに助けてくれた」と述べた。

今回、人々が自分の予測を誤用したり誤解したりしているのではないかとシルヴァーは心配しているのだろうか? 「いいえ」と彼は躊躇なく答えた。シルヴァーは次のように述べている。「いいえ。つまり、人々はこれらの世論調査をどのようにでも解釈するつもりだが、私たちはそれを行うための経験的に適切な方法を持っており、16年以上の実績を持っている。私は強権的な態度ではないと思っているがどうだろうか? 私は有益な情報をお届けしている。私たちはそれについて多くのコンテキストを提供する。私は昔ながらの伝統主義者で、人々に良い情報を提供し、それによって人々がより良い意思決定を行えるようになると確信している」。

大統領選の討論会を1週間後に控えた今朝、予測モデルはトランプが選挙人投票で勝つ確率を58%、ハリスが一般投票で勝つ確率を60%としている。しかし、ここまで来ると、実質的には五分五分(toss-up)だ。統計オタクはロボットのような博識者という一般的なイメージを考えると、驚くべきことかもしれないが、『魅了されて』で、シルヴァーは直感を重視している。「私は、直感や感情的な判断は、ただ押し返さなければならないものではなく、むしろ実際に付加価値を与えるものだと考えている」と彼は私に述べた。これは『シグナルとノイズ』からの転換であり、『シグナルとノイズ』では「データをもっと活用すれば問題は解決するという、ある種ナイーブな考え方をしていた」とシルヴァーは述べた。

では、彼は誰が勝つか直感(gut feeling)を持っているのだろうか? 「そうかもしれない」と彼は言うが、その前に、「選挙キャンペーン中は、誰もが脳が非常に政治的になる」ので、この文脈ではあまり信頼できないだろうとハリス支持者である彼らしい込み入った説明を始めた。彼はハリス支持者である。おそらく彼は、自分のモデルを否定するような発言はしたくないのだろう。シルヴァーは「もし私に強い直感があれば、そうだろうと言うだろう。しかし、今のところはそうではない」と述べた。

今回のような大接戦の選挙(knife-edge election)において、予想がどれほど役に立つだろうか? どちらに転ぶかわからないという洞察でさえ役に立つとシルヴァーは主張する。シルヴァーは次のように述べている。「五分五分だという予測があることの潜在的な利点の1つは、人々がすぐにでも不測の事態に備えた計画を立てるべきだということだ。弾薬やピーナツバターの備蓄が必要だということではない。あるいは、2028年(あるいは2032年)には、トランプのような共和党が、もしかしたらトランプよりも効果的かもしれない。例えば、私がリベラル派の献金者なら、必要以上の資金を持っているカマラ・ハリスにまた10万ドルを献金するのではなく、そのような事態に備え、制度を守るために今、資金提供を始めたいと思うだろう」。

そして、シルヴァーはトランプの勝利を恐れているが、「前回は完全かつ完全な惨事を防ぐために多くのガードレールが設置されていたが、そのガードレールは弱体化したということだろうか?」と述べている。シルヴァーは、それを民主政治体制に対する実存的脅威として、少なくとも政治戦略として描くことに対して警告している。シルヴァーは次のように述べている。「その意味で基本的に有権者を人質に取るという考えは非常に魅力的ではない。バイデンはこう言った、『分かった、確かに、私は86歳まで大統領をするために立候補しており、現状ではかろうじて完ぺきな文章を書けるくらいかもしれない。しかし、もし私に投票しなければ、それがやってくる』。これは有権者に投票してもらうには非常に魅力のないアピールだった。一方、ハリスはより多くの喜びをもたらし、明らかに非常に才能のある女性だ」。しかし、シルヴァーは、ハリスが「バイデンを続投させるのが得策だと考えるバイデン派の人々をあまりにも多く引き留めてしまった」ことを懸念している。「彼女はそうする必要があったのだと思う」とシルヴァーは述べている。

全てのリベラル派がハリスの立候補に熱狂している訳ではない。そのなかにはイーロン・マスクもいる。彼は、トランプが支出や規制を削減するための「政府効率化委員会」という彼のアイデアを採用したことについてコメントし、フォロワーに「機会があればアメリカに貢献することを楽しみにしている」と語った。シルヴァーの見解では、ツイッター、そして現在のXを買収したことが、彼の頭をよぎったようだ。「経済的にはかなり悪い賭けだったと思う。しかし、文化的な影響力という点では、エリートの間でアメリカの言説をかなり右傾化させた。イーロン・マスクがリベリアンとして最も分かりやすい人物でなければよかったのだが。イーロンは 「ああ、僕はただの穏健派なんだ 」と言えた時代だ。彼は右翼のミーム(中には彼自身が作り出したものもある)にとても騙されている。知らないかもしれないが、「Pilled」とは極めてオンライン的な専門用語で、ここでは「改宗した(converted)」というような意味である)。

このサイトの利用頻度が非常に高いユーザーとして、シルヴァーはこのサイトの変化についてどう感じているのだろうか? 彼は「パンデミック時代のヴァージョンに比べれば、それほど酷いものではないと思う。反対意見を取り締まるために、ヴィレッジによって利用され、非常に合理的な立場を持つ人々を本当に批判していた」と述べている。新型コロナウイルスに対する彼のスタンスは、ワクチン推進派であり、ロックダウン懐疑派であった。「イーロンの前の時代には、集団思考(group thinking)が蔓延していた。そのために絶対に非難された。今は少なくとも、より多元的だった」と述べた。彼はまた、「政治的に不都合な考えを誤報(misinformation)だとレッテルを貼る」人が多すぎることから、「誤報というのは、少なくとも第一近似値ではでたらめだ」とも考えている。彼は、「ジョー・バイデンの年齢に関する懸念に誤報や深いフェイクであるというレッテルを貼る」試みと同様に、新型コロナウイルスの研究室リーク説に対しては冷ややかに却下している。

しかし、これは本当にヴィレッジなのだろうか? それとも単なるソーシャルメディア上の接近戦なのか? 私は、研究所のリーク説は主流派の学者たちによって堂々と調査されたことを指摘する。FBI(リヴァーの前哨基地とは言い難い)は、それが最も可能性の高い説明であると結論づけた。「彼らは12年後には修正する」と彼はヴィレッジの機関について言い、民主党も最終的にはバイデンを交代させたと指摘する。シルヴァーは「しかし、ある種の機敏さが欠けていると彼は明らかに感じている」と述べている。

そして、誤報に関しては、最近のイギリスで暴動事件が起きた際にマスクが『デイリー・テレグラフ』紙の扇動的な(そして偽造された)見出しをツイートしたことについてはどうだろうか? シルヴァーは「だからこそ、政治的党派性を理解し、強権ではなく、自分自身にレンズを向けることのできる人々が必要なのではないか?」と述べた。何かを否定する閾値(threshold)を高く保つことは、実際に信頼を高めると彼は主張する。「暴動に関する嘘の映像、アメリカの選挙陰謀説、QAnonやワクチン陰謀説、これらは誤報として適切に分類されるものだと思う。完全にもっともらしい、研究室からのリーク説を否定したり、『ああ、ハンター・バイデンのラップトップだ』と言ったりするのは、ヴィレッジの信頼性を非常に損なうものだ」。(当初はロシアのフェイクとして却下されたが、ハンター・バイデンの放置されたノートパソコンから発見された証拠となる電子メールは、後に本物であることが判明した)。

シルヴァーは特にXに対して辛辣で、彼のモデルや実践を軽視する人々に対して攻撃的になる。スタンフォード大学のジャスティン・グリマー教授が、政治予測(political forecasting)についてよくある批判を行った時、選挙の頻度が低すぎるため、いかなる精度で確率を計算することもできない(あるいは、彼の言葉を借りれば、「結果データが不足しているということは、選挙予測者が予測をしなければならないことを意味している統計モデルを構築する方法についての知識に基づいた推測」)、シルヴァーはグリマーを「たわごとのモデルを作成できない退屈な学者」の1人として非難した。私たちが会った時、彼は攻撃の言葉を少し変えて、「統計的推論の実際のスキルを全然持たない退屈な学者」と呼んだ。

このようなことは人間関係を腐らせるのではないだろうか? シルヴァーは次のようになっている。「人々がツイッターをあまり深刻にとらえなければ、もっと良くなると思う。私たちはただふざけて楽しんでいるだけのことだから。これは、いかにもアメリカ的で、イギリス的ではないのではないか? 私は、このような怠惰な悪意のある批判をする人々に対して偽の善意で行動することを信じていない。80%の場合は無視するが、20%の場合は反撃する」。

いかにもイギリス人らしいと言われるかもしれないが、多くの人々が、そしてシルヴァーもその1人かもしれないが、X上で見るよりも実際に会った方が80%ほど素敵に見えるという事実は、私たちを立ち止まらせるべきだと思う。ソーシャルメディアが、人類が直面する最大の問題でないことは明らかだが、イーロン・マスクの指導は、リヴァーの権力に内在する問題を物語っている。投獄された起業家サム・バンクマン・フリードについて、シルヴァーは何度もインタヴューしている(「彼は奇妙な人物で、リスクに対する考え方が 『非合理的で、ある種狂っている』」)。SBFとして知られるバンクマン=フリードは、彼の暗号通貨取引プラットフォーム「FTX」を利用した投資家から数十億ドルを盗んだ罪で、最終的に投獄された。シルヴァーは検察側証人の証言を引用する。SBFは、「コインが裏になって世界が破滅しても、表が出れば世界が2倍以上良くなるのであれば、喜んでコインをはじくだろう」と証言している。

結果的には、この強引な態度がSBF自身の破滅を招いただけだった。しかし、その影響はもっと広範囲に及んでいた可能性がある。シルヴァーは、SBFが人工知能企業Anthropicに多額の投資をしていたことを指摘している。この技術が社会を一変させ、破壊する可能性さえあるのではないかという懸念が真剣に議論されている今、彼が大手AI企業のCEOになっていた可能性も考えられる。「シリコンバレーは、非常に自信過剰な創業者、つまり、本質的に成功する確率の低い逆張りのアイデアに大きな賭けに出ようとする人を選ぶ」と、シルヴァーは『魅了されて』の最後に書いている。それは技術革新にとってはいいことかもしれない。ヴェンチャー・キャピタルにとっても、賭けたものがうまくいったときにはいいことだ。しかし、私たちにとっては必ずしも良いことではないかもしれない。「SBの運は、ある時点でほぼ必然的に尽きることになる。しかし、その運がすぐに尽きてしまったことは、我々全員にとって幸運だった」とシルヴァーは述べている。

シルヴァーの内なる「ヴィレッジャー」たる所以は、このリスクの高さにある。彼はAIの危険性がかつてほど 「無視(neglected)」されていないことを喜んでいるが、それでもリヴァーの覇権がもたらす結果があまりにも悲惨で、規制の必要性を否定できない分野であることに変わりはない。彼は他の危険な技術に例えて言う。「自宅の裏庭に原子炉は建てられないだろう? 政府の役割は必要だと思う」。

このような実存的な疑問について考えることが、シルヴァーをヴィレッジの緑を越え、比喩的な教会へと導いたのかもしれない。このように尋ねると、シルヴァーは「私は無神論者(atheist)よりも不可知論者(agnostic)に近いかもしれない」と答えた。そのことを話すのが少し恥ずかしいのか、彼はくすくす笑い出した。しかし、彼が少しウジウジしてきたと思っていたが、統計学者の面がすぐに戻ってきた。「ベイズ的な見地から言えば、宇宙の起源や性質についての疑問に対する良い答えを持っていないと思うんだ。明らかに、キリスト教神学やそのようなものに低い確率を置くと思うんだ。でも、人々はもっと心を開くべきだと思う」。

「今回の本は3冊目の本になるかもしれない」と彼はつぶやいている。ネイト・シルヴァーは神の存在にオッズをつけることになるかもしれない? それに賭けてはいけない。

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙は、民主党がイリノイ州シカゴで全国大会を開催している。ここで、カマラ・ハリス副大統領が大統領選挙候補者に指名される。ハリスは既に、ミネソタ州知事ティム・ウォルツを伴走者(副大統領候補)に指名している。ウォルツの指名は党内バランスを考え、かつ、アメリカ大統領選挙の主戦場となる五大湖周辺の激戦州を見据えた人選ということになる。
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 ウォルツは極めて一般的な背景を持つ人物である。家業の農業に従事し、大学に進んで、高校の先生となり、アメリカンフットボールのヘッドコーチとしてティームを州チャンピオンに導いたこともあった。州兵に参加して軍務に就いた。カマラ・ハリスのエリート然としたたたずまいと経歴とは対照的な、叩き上げの中西部人である。ウォルツは州知事になる前に、6期12年にわたってミネソタ州選出の連邦下院議員を務めた。ワシントンでの経験と知識も持っている。ハリスに欠けている部分を持っている人物ということになる。

 私は、民主党の副大統領候補について五大湖周辺州の最大の激戦州であるペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロ、ケンタッキー州知事アンディ・ベシア、アリゾナ州選出の連邦上院議員マーク・ケリーが有力候補だと考えていた。しかし、シャピロはユダヤ系アメリカ人で配偶者もユダヤ系となり、大統領選挙候補者のカマラ・ハリスの配偶者もユダヤ系となると、3名がユダヤ系で、誰もWASP出身にならないということはある意味で偏りが起きると考えた。また、マーク・ケリーについて経歴は申し分ないが、カリフォルニア州の隣州のアリゾナ州を地盤としているので、西側に偏ってしまうと考えた。

 ティム・ウォルツは党内左派からも歓迎の声が出ている。しかし、カマラ・ハリスがカリフォルニア流のリベラルということで、大統領候補、副大統領候補がともにリベラルに偏ってしまうという欠点が出てしまう。共和党側は既にウォルツについて、「過度にリベラル」と批判している。この点を民主党側は全国大会で払拭していくことになるだろう。アメリカ大統領選挙もいよいよ最終ターンに向かって進んでいく。

(貼り付けはじめ)

ハリスがウォルツを副大統領候補に選ぶ(Harris picks Walz for vice president

エイミー・パーネス、ブレット・サミュエルズ、ブランドン・コンラディス筆

2024年8月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4789021-kamala-harris-vp-tim-walz-minnesota/

カマラ・ハリス副大統領は、11月のドナルド・トランプ前大統領との対決に向けて、ミネソタ州のティム・ウォルツ知事(民主党)を副大統領候補に選んだと火曜日に発表した。

ハリスはインスタグラムへの投稿と支持者へのテキストメッセージで、ウォルツを選んだことを発表し、中産階級家族への支持や州兵として勤務し、教師として働いていたウォルツの経歴を称賛した。

ハリスはインスタグラムへの投稿で、「私が彼の背景を共有するのは、それ自体が印象的であることと、それが彼の記録にどのような影響を与えているかがはっきりと分かるからだ」と書いた。

ハリスは続けて、ウォルツの妻と子供たちについて言及し、「しかし、私がティムについて最も感銘を受けたのは、彼の家族、グウェン、ガス、ホープに対する深い献身だ。ダグと私は、彼とグウェンと協力して、私たちの共通の価値観を反映した政権を構築することを楽しみにしている」と述べた。

ハリスは「私たちは、素晴らしいパートナーシップを築いていく。私たちは素晴らしいティームを作り上げていくつもりだ。私たちはこの選挙に勝つつもりだ」と書いている。

60歳のウォルツは、ペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロ(民主党)やアリゾナ州選出連邦上院議員マーク・ケリー(民主党)など、知名度の高い候補者の名前が噂される中、ダークホース的な二番手候補として浮上した。

しかし、ミネソタ州知事の知名度はこの1週間で大幅に上昇した。特に、ケーブルニュースのインタヴューで一部の共和党連邦議員を「変人(weird)」と揶揄し、後に全米の民主党議員がこの攻撃方法を採用した。

バイデン大統領が再選を断念し、ハリスが党内の支持を固めて推定候補者となり、副大統領ティームが11月の選挙で、ハリス候補に加わる候補者を急ピッチで吟味した、この2週間の激動の時期を締めくくる人選となった。

この人選は、進歩主義的な民主党員と穏健な民主党員の双方から賞賛を浴びた。

アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、ソーシャル・プラットフォーム「X」に「ハリス副大統領は、ウォルツ州知事を伴走者に選ぶという素晴らしい決断を下した。ヘルスケアから学校給食まで、厳しい状況下でも一歩も引き下がらないだろう」と書いた。

バイデンに撤退を求めた最初の民主党連邦下院議員であるロイド・ドゲット連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)は、ウォルツを「堅実でまともな元同僚議員で、ユーモアもあり、元教師で退役軍人だ。通常は共和党が代表している、ミネソタ州の選挙区を代表していた」と評した。

ドゲット議員はXに、「真面目なティムと仲良くできない訳がない。彼は、知事として、率直で思いやりのあるリーダーとして私たちに必要な進歩をもたらしてくれる」と投稿した。

ハリスは月曜夜の時点では伴走者を決めておらず、最後の数時間まで決断を迷っていた。

ウォルツはまた、彼のリベラルで誠実な姿勢と、他の候補者の一部が左翼の一部から攻撃を受けていたという事実のおかげで、ハリスにとってより安全な選択であると多くの人が考えるようになっていた。シャピロは最近、イスラエル・ハマス戦争後に生じた親パレスティナ抗議デモへの対応をめぐって厳しい追及を受けており、シャピロとケリーはともに労働組合指導者の怒りを買った。

ウォルツの魅力を更に高めているのは、トランプがますます逆転の狙いを定めている中西部州出身という事実だ。2020年のミネソタ州ではバイデンが7ポイント差で勝利し、ミネソタ州の大統領選では50年以上共和党員が勝利したことはないが、トランプと副大統領候補のオハイオ州選出連邦上院議員JD・ヴァンス(共和党)はミネソタ州での選挙活動を強化している。

しかし、ウォルツにも弱点がないということではない。共和党は、ハリスと同様に、中絶やLGBTQ問題に関する、ウォルツの政策的立場の一部を利用して、ウォルツを急進的なリベラル派として描く可能性が高い。

ウォルツはミネアポリスでのジョージ・フロイド殺害後の暴動の最中、ミネソタ州知事を務めており、共和党は激動の時代の映像を強調するのは確実だ。トランプ陣営は以前、フロイドの死後ミネソタ州で逮捕されたデモ参加者への保釈基金を推進したとしてハリスを攻撃していた。

トランプ陣営報道官のキャロライン・リービットは、「サンフランシスコを拠点とするリベラル派のカマラ・ハリスが、西海岸志向のティム・ウォルツを副大統領候補に望んでいることは驚くべきことではない。ウォルツはミネソタ州をカリフォルニア州のイメージに再構築することに知事職の大部分の期間を費やしてきた」と声明で述べた。

リービットは続けて次のように述べている。「ウォルツは、自身の脱炭素政策の提案から、ガソリン車の排ガス基準の厳格化の提案、有罪判決を受けた重犯罪者に投票を許可する政策の採用に至るまで、カリフォルニア州の危険な、リベラルな政策を広範囲に広めることに夢中だ。ウォルツが有権者に真実を語らないなら、私たちはそうするだろう。カマラ・ハリスと同じように、ティム・ウォルツも危険なほどリベラルな過激派であり、ハリス・ワルツのカリフォルニア・ドリームは、全てのアメリカ人にとっての悪夢だ」

ハリスとウォルツは今週、火曜日の夜からフィラデルフィアで激戦州を訪問する。2人は今週後半にウィスコンシン州、ミシガン州、アリゾナ州、ネヴァダ州を訪れる予定だ。ハリケーン「デビー」が南東部に上陸したため、予定されていたノースカロライナ州とジョージア州への訪問は延期されたと伝えられている。

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ウォルツがハリスの副大統領候補としてコンビを完成させる方法(How Walz Completes the Harris Ticket

-カマラ・ハリス副大統領の指名はそれを選ぶ人物について多くを物語っている。

ジュリアン・E・ゼリズナー筆

2024年8月6日

『フォーリン・ポリー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/08/06/walz-vp-pick-kamala-harris-us-election/

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ミネソタ州ブルーミントンの市役所で行われた新しい銃規制に関する記者会見に出席し、講演するミネソタ州のティム・ウォルツ知事(8月1日)

民主党大統領候補で現職の副大統領のカマラ・ハリスは、短縮大統領選挙キャンペーンのパートナーについての数週間にわたる熱狂的な憶測を経て、ついに今日、副大統領候補として、ミネソタ州知事ティム・ウォルツを発表した。

彼女の決断について詳しく知るにつれて、その政治的な影響が明らかになり始めるだろう。副大統領候補の決定は、有権者が見ることのできる、候補者が下す最初の大きな決断である、これは政治の世界における決まり文句だ。しかし、それは本当のことだ。そして、展開が行われるにつれて、その決定の知恵がキャンペーンの過程における主要なストーリーラインになる可能性がある。歴史が示すように、結果は異なる場合がある。

大統領候補者の決定の最も重要な短期的な効果は、彼らが統治パートナーとして誰を側に置きたいのか、そして彼らがその職を果たせなくなった場合に誰に代わってもらいたいのかを私たちに伝えることである。

一部の副大統領選出により、大統領候補がどのように統治するつもりなのかについての認識が高まった。これは、数量が不明な部外者の候補者によく当てはまる。元ジョージア州知事のジミー・カーターは1976年、グレート・ソサエティの重鎮で国会議事堂のインサイダーであるミネソタ州選出連邦上院議員ウォルター・モンデールに頼ってその原型を築いた。カーターは、自分がワシントンの部外者であるという事実、つまりリチャード・ニクソン元大統領のウォーターゲート事件の影響で有権者が信頼できる人物であるという事実を中心に選挙戦全体を構築した後、民主党の政治家や利益団体に対して、自分も信頼できるというシグナルを送る必要があった。連邦議事堂で最も尊敬され、有能なリベラル議員の1人として、カーターがモンデールを選んだことは、彼が党の周囲だけでなく、党内で働く必要性を理解していることを示した。ニューヨーク・タイムズのチャールズ・モール記者は、この選出は「ジョージア州からの部外者を不安な目で見ていたワシントンの政界の多くにとって非常に受け入れられるものだった」と述べた。「ジミー・フー?」と各新聞はこの無名の候補者カーターについて冗談を言ったが、カーターがいつものように政治を非難している一方で、物事を成し遂げることに関しては愚か者ではないという強いシグナルを送っていた。

4年後、共和党員の間でも元カリフォルニア州知事ロナルド・レーガンについて同様の懸念が広がった。レーガン大統領はカリスマ性と大胆なアイデアで保守活動家を興奮させたが、ワシントンの回廊においては、レーガンが効果を発揮できないのではないかという深刻な懸念があった。更に、ワシントンの一部の退役軍人は、レーガンが共和党のエスタブリッシュメントや、財政保守主義や国際的な同盟へのアメリカの関与など、共和党の多くのメンバーが抱いている伝統的な考えを無視するのではないかと懸念した。レーガンの主要な対立候補であった元CIA長官ジョージ・HW・ブッシュは、共和党のエスタブリッシュメントの典型であった。レーガンがブッシュに寝返ると発表したのは、ジェラルド・フォード元大統領の起用交渉が決裂したことを受けての土壇場でのことだったが、この人選によって党員たちは、偉大なコミュニケーターが真面目な政治家でもあるという安心感を得ることができ、党全体がまとまった。

1992年、46歳のアーカンソー州知事ビル・クリントンは型破りな道を選んだ。多くの専門家が、党の権力基盤が沿岸部に移っていることを考えると、クリントンは年配で南部以外の出身者を探さなければならないと予測していた中、クリントンは代わりにその考えを捨てた。クリントンは、もう一人、若くて中道派で、テレビに詳しく、聡明な南部出身者である、テネシー州選出のアル・ゴア連邦上院議員を副大統領候補に選んだ。地域的なバランスよりも、レーガン時代の影から抜け出した民主党を中心に選挙戦を展開しようとした。クリントンの最初の大きな決断は、彼が、国民がいかに新世代のリーダーシップを渇望しているかを本当に理解していることを有権者に示した。

2008年に、イリノイ州選出の連邦上院議員バラク・オバマが有権者に送ったメッセージは、伝統的な白人男性労働者階級の選挙区(traditional white male working-class constituencies)に好意を示し、外交政策における自身の限られた経験を補う必要性を理解しているというものだった。このため、オバマは、デラウェア州選出のジョー・バイデン連邦上院議員に頼った。オバマは、若い有権者、大卒の郊外住民、黒人とラテン系の有権者からの支持を集める中、バイデンの選択で労働者階級の白人有権者への理解と敬意を示し、自分も支持を得るために必要なことはするつもりだと示した。民主党の立法府。オバマ大統領はまた、外交政策の専門知識を強化する必要性を理解していることを示唆した。共和党候補のアリゾナ州選出連邦上院議員ジョン・マケインは、この問題に関する知識で広く尊敬されており、オバマ大統領は自分が知らないことを知っていることを示す必要があった。2008年8月にバイデンが副大統領候補になると発表した際、オバマ大統領は「ジョー・バイデンは理解していると言える。彼は、シーダーラピッズのバーでも、国会議事堂の廊下でも、コンコードのVFWホールでも、国際危機の中心でも、くつろげるユニークな公僕だ」と述べた。この決定は、オバマ氏が単なる扇動者ではなく、選挙に勝つために必要な連立政権について洗練された感覚を持っていることを示唆しており、実際に彼はそれを実行した。

そして、ドナルド・トランプは2016年にも効果的な選択をした。インディアナ州知事マイク・ペンスを選んだことで、トランプは党の保守層が本当に彼を信頼できるのかという懸念を和らげた。トランプは、予測可能で、ありきたりで、信頼できる右派保守派を選ぶことで、一部の神経を落ち着かせた。「クラブ・フォ・グロース」のデビッド・マッキントッシュ会長は、この人選は「マイク・ペンスが共和党の選挙券を経済保守主義と制限された政府の方向へ引っ張るのに効果的であるという希望を与えるものだ」と称賛した。当時、トランプ大統領の任期がどの程度激動することになるかは明らかではなかったが、2016年夏、彼の人選は、舞台裏では、トランプ大統領が権力を手にした後は、保守連合(behind the curtains)、特に福音派(evangelicals)から大きく逸脱することはないだろうという証拠を示していると受け止められた。

そして、候補者擁立に水を差す、あるいは水差されそうになるような人選もあった。現代政治における最初の大失策は、1972年に始まった。サウスダコタ州選出の民主党連邦上院議員ジョージ・マクガヴァンは、連邦上院議員トーマス・イーグルトンを選んだ。イーグルトンは強力な信任を得ていた。しかし、報道陣は彼がうつ病を患い、ショック療法を受けていたことを知った。このニューズが流れると、マクガヴァンの選挙キャンペーンは大混乱に陥り、結果としてイーグルトンは選挙戦から撤退することになった。当時、精神的な問題はタブー視され、対立候補は、彼がいつか「ボタンに指をかける(finger on the button)」ことができるような信頼できる人物なのかという不安をかき立てていた。生き残りをかけた戦いの末、イーグルトンは結局辞退した。それは、マクガヴァンがホワイトハウスにもたらすリーダーシップだったのだろうか? 実際、1976年にカーターがじっくりと時間をかけて選んだとき、マスコミは彼の意思決定スタイルをマクガヴァンのそれと対比させた。

ジョージ・HW・ブッシュ副大統領が1988年にスペル間違いが問題になるとはほとんどの人が考えていなかった。ブッシュ大統領は、若くて人気のあるインディアナ州選出連邦上院議員ダン・クエールを副大統領候補にすると発表した。当初、保守派はこの決定を賞賛した。クエールは共和党の将来の指導者と見なされてきた。しかし、彼の副大統領選はそれほどうまくいかなかった。1988年、クエールの学歴や、コネを利用して州兵への任命によりヴェトナムへの徴兵を避けたという疑惑が浮上した。8月下旬、当時のテネシー州共和党委員長ジェームズ・ヘンリーは次のように述べた。「既にマイナスのようになっている。問題は、どれだけマイナスになるかだ」。

この質問によって、ブッシュの勝利が阻止されることはなかったが、1992年のブッシュの再選キャンペーン中にクエールは再び問題を起こした。ニュージャージー州で開催されたスペリング大会での記念撮影の際、彼はウィリアム・フィゲロアという12歳の少年の 「potato」のスペルを正した。クエールは最後に「e」をつけるべきだと言った。フィゲロアは報道陣に「副大統領に関する噂は本当だ。彼はバカだ」と語って事態を悪化させた。マクガヴァンと同様、1988年と1992年、クエールは、ブッシュが自分の周囲に誰を置くべきかを考える能力がなく、大統領になる準備ができていない若い破天荒な人物に屈服することを厭わないという証拠となった。

2008年を振り返ると、マケインも同じ罠にはまった。高齢のマケインは、共和党の次世代を代表すると考える人もいる、アラスカ州知事サラ・ペイリンと協力することで、オバマが選挙運動にもたらした興奮を少しでも打ち消したいと考えていた。しかし、状況はすぐに悪化した。メディアでの彼女の失敗したパフォーマンスは、マケインがホワイトハウスにはるかに多くの経験と知恵をもたらすことができるという主張を続けていることへの疑問を引き起こした。それが本当なら、どうしてマケインは、ペイリンのような人物を選んだのだろうか、そして彼女が権力の座に就いたら彼の側にいるということは何を意味するのだろうか? こうした疑問が出てくる。更に言えば、ペイリンは集会中、党の極右、周縁分子に訴えた。かつて、マケインが将来を見据えていたことを示唆していた人選は、最終的には共和党の要素を持ち込むことになり、レーガンの型に沿った合理的で立派で穏健な保守派としてのマケインの評判を損なうことになった。

トランプ大統領がオハイオ州選出連邦上院議員JDヴァンスが、重要な瞬間にトランプ大統領がどのように考えるかについて全く間違ったメッセージを送ったと主張する人が出ている。暗殺未遂事件の直後、共和党員の中には、ヴァンスがやや中道寄りに傾くこと、あるいは少なくとも連立を拡大して穏健に行動する意向を示してくれることを期待する者もいた。その代わり、トランプは、共和党全国大会でヴァンスを指名することで、自分が混乱と急進主義(radicalism)に更に深く陥っていることを示した。トランプ大統領の決定は、批判者たちや一部の支持者たちに、核心的な問題に関して大多数の有権者がどのような立場にあるのかを理解する人々をトランプ大統領の周囲に置くことが信頼できないという証拠を提示した。ヴァンスの「プロジェクト2025」への接近や、強権的な統治に関するコメントは、独裁的な統治方法に対するトランプの関心を軽減するどころか、むしろ増幅させた。

副大統領候補を選ぶ過程で、ハリスは自分がどのように統治するかについていくつかのヒントを提供した。この高度に精査された意思決定期間中に重大な漏洩はなかったが、これはハリスが情報を管理しながら厳密に運営することを望んでおり、また実行できることを示唆している。これはスタッフ間の混乱について浮上した話とは対照的である。ハリスはまた、メディアに精通しており、短縮されたキャンペーン期間の中で、1週間以上貴重な注目を集める方法で展開を実施した。彼女はリアリティゲームショーの戦略もプレイできる。マスコミの注目をこれほど効果的に扱うことは、報道を独占することで繁栄するトランプ大統領の前でクリプトナイト(訳者註:スーパーマンの力を吸い取る架空物質)を振るようなものだ。ハリスは、激しいスポットライトの下で、大きな決断を迅速に下す必要に直面しても、疲れ果てることはない。

ハリスはウォルツを選ぶことで、真剣さと安定性のメッセージを送りたいと考えている。ウォルツは知事および米国下院議員としての経験がある。彼は60歳で、他の人々よりも年上だが、そこまで高齢ではない。ウォルツは無愛想な性格にもかかわらず、政策に関しては真剣な指揮を執っている。彼が側にいるということは、ハリスが自分を統治したい経験豊富なパートナーに囲まれたいと思っていることを示している。彼は政府内だけでなく、政府外でも公立学校の教師として経験を積んでいる。

ウォルツの指名は、ハリスが連立政権の幅広さを尊重した決定を下したいと考えていることも示している。ミネソタ州知事ウォルツは誇り高き進歩主義者であり、社会権を擁護し、政府を擁護することに躊躇しない。彼は、既に活性化している基地を活性化するのに役立つ。しかし、ウォルツはこうした価値観を受け入れながら、共和党優勢州に住むアメリカの田舎の人々にも訴えかけているという点で、民主党員としては異例だ。ウォルツはミネソタ州内で、ヴァンスが好んで代表する有権者層の一つである共和党選挙区で好成績を収めてきた経歴がある。重要なのは、ウォルツが自分の政治原則を売り渡すことなく、そのような有権者に訴えていることだ。彼は共和党と対決することを恐れておらず、社会主義に対する標準的な攻撃に直面しても自分の信念を後退させない。彼は、コストと不安に苦しむ働くアメリカ人のために存在する代替手段、つまり現代の共和党にとって必須となっている反動的政治なしで前進する道を体現した人物である。

そして、ウォルツが民主党内で火をつけたレトリックでトランプとヴァンスをフレームワークにしてトップに躍り出た、「変人(weird)」コメントもある。メディアに精通した人材を倍増させることで、展開を補完できる。ハリスは報道陣に対応し、トランプ大統領の攻撃に対抗できるティームを構築する計画だ。民主党は長い間、メッセージングが下手だと不満を抱いてきた。ハリスはこの問題を修正し、人々が自分のやってきたことを評価してくれるだろうと考えるのではなく、大衆に売り込める大胆な政策を可決したいと考えている。

※ジュリアン・E・ゼリズナー:プリンストン大学歴史学・公共政策教授。1月14日に、コロンビア・グローバル・レポーツから新著『党派性の擁護(In Defense of Partisanship)』を出版予定。ツイッターアカウント:@julianzelizer

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ハリスが副大統領候補としてミネソタ州知事ティム・ウォルツを選択(Harris Picks Minnesota Gov. Tim Walz as Running Mate

-この人選は中西部の激戦州で民主党を助けることになるだろう。

ロビー・グラマー筆

2024年8月6日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/08/06/harris-tim-walz-presidential-election-minnesota-running-mate-views-israel/

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ウィスコンシン州ミルウォーキーでジョー・バイデン米大統領とカマラ・ハリス副大統領の選挙運動記者会見で話すミネソタ州知事ティム・ウォルツ(7月17日)

副大統領で民主党大統領選挙候補のカマラ・ハリスは、接戦となっている11月の大統領選挙に先立ち、中西部激戦州における民主党の進歩主義派基盤を活性化することを目的として、ミネソタ州知事のティム・ウォルツを副大統領候補に選んだと報じられている。

60歳のウォルツは2期目の知事であり、元高校教師で元連邦下院議員だ。ジョー・バイデン米大統領が突然大統領選挙から撤退し、7月21日にハリスを後継者として支持するまでは、全国の舞台では比較的無名だった。

それ以来、ウォルツは共和党に対する民主党の攻撃路線の主導権を握る存在となり、ドナルド・トランプ元大統領と副大統領候補のオハイオ州選出連邦上院議員JD・ヴァンスを繰り返し「変人(weird)」と呼んだ。

ウォルツは現在、投票日まで100日を切った、始まったばかりの大統領選挙活動において、全米での知名度を高めるという困難な戦いに直面している。対立する民主党と共和党の候補者たちは、世界におけるアメリカの役割についての大きく異なる見解を反映しているが、次期選挙で外交政策が有権者にとってどれだけの要素となるかは不明だ。

トランプとヴァンスは、アメリカの同盟体制に懐疑的な姿勢を表明しており、ヴァンスは特に、対ロシア戦争を戦うウクライナに対するアメリカの援助継続を声高に批判するようになり、アメリカはむしろ中国への対抗に軍事資源を振り向けるべきだと主張している。ハリスはバイデン政権のウクライナ支援政策を継続すると見られる。しかし、中東に関しては、ハリスは、ミシガン州のような激戦州で、アラブ系アメリカ人の投票権を持つ有権者にとって重要な問題である、物議を醸しているガザ地区での戦争を遂行するイスラエルとアメリカの関係を見直すよう、民主党の進歩主義派から高まる圧力に直面している。

進歩主義派団体の一部は、ハリスも副大統領候補として検討していたペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロのイスラエル支持に反対したため、シャピロを民主党の副大統領候補から遠ざけるよう積極的に運動した。

ウォルツは、イスラエルを支持するという民主党主流派の立場を堅持しているが、ガザ戦争へのイスラエルの対応を批判し、3月にはアメリカに停戦(cease-fire)を促すよう求めた。 ウォルツは、その当時にミネソタ公共ラジオに出演し、「私は人々を避難させるために人道的一時停止を要請した。このことは終わりにしたい。停戦が1週間とかその程度続くことは望まない。私たちには恒久的な解決策が必要だ」と語った。

ウォルツはネブラスカ州で育ち、最初は中国で、次にネブラスカ州で、最後はミネソタ州で教師として働いた。また、アメリカ陸軍州兵として24年間勤務し、上級曹長まで昇進した。2007年から2019年までの連邦下院議員時代、ウォルツは連邦下院軍事委員会の委員を務め、アメリカの軍事政策と国防費を監督した。軍事委員会で、所属当初から、イラク戦争を痛烈に批判し、アメリカ軍の追加派遣に反対していた。

2009年、ウォルツはシリアを訪問し、当時ミネソタ州兵が派遣されていたイラクの過激派組織への武器流入を止めるようシリアに圧力をかけようとして失敗した、連邦議会代表団の一員として、シリアの指導者バッシャール・アル=アサドと会談した。

その後、アサドによる化学兵器の使用を受けて、2013年にシリアへの軍事攻撃を命じたバラク・オバマ大統領(当時)の計画には、中東での紛争にアメリカ軍をこれ以上関与させることへの有権者の反対を理由に反対した。「この男(アサド)は怪物であり、状況は恐ろしいが、よく練られておらず、この国にとって最善の利益にならない計画を打ち出すほど説得力はない」と当時のウォルツは語った。

ウォルツは、2018年のミネソタ州知事選挙に出馬するために退任するまで、さらに5回議席を獲得した。

複数の政府高官によると、先週、国務次官(広報外交[pubic diplomacy]担当)を突然辞任したエリザベス・M・アレンは、ウォルツが選挙キャンペーンに移行する際に、首席補佐官になる見込みだという。

※ロビー・グラマー:『フォーリン・ポリシー』誌外交・国家安全保障担当特派員。ツイッターアカウント:@RobbieGramer

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙本選挙投開票日まで100日を切った。アメリカや日本の主要メディアでは、「民主党のカマラ・ハリス副大統領が急速に追い上げている」「共和党のドナルド・トランプ前大統領は、副大統領候補のJ・D・ヴァンス連邦上院議員の失言問題もあり苦戦している」という報道がなされている。それは一面では正しいが、一面では正しくない。

 アメリカ大統領選挙は有権者の投票数の合計ではなく、各州の選挙人獲得数で争われる。各州の選挙人は勝者総取り形式で配分される。例えば、カリフォルニア州でA候補が100万1票、B候補が100万票を獲得した場合には、A候補が54人の選挙人全員を獲得する。

 全米50州と首都ワシントン・コロンビア特別区のうち、40以上は既に結果が見えている。分かっている。民主、共和両党のイメージカラーから、民主党優勢州は「ブルーステイト(Blue State、青い州)、共和党優勢州は「レッドステイト(Red State、赤い州)」」と呼ばれている。40以上の州とワシントンDCはきれいに色分けされている。そして、残りの約10州は激戦州(Battleground State)とか、「パープルステイト(紫の州)」などと呼ばれる。大統領選挙の結果を決めるのはこれらの激戦州だ。今回の選挙では、激戦州(Toss-up)は、以下の地図にあるおうど色の州だ。赤と青はそれぞれ、共和党のトランプと民主党のハリスが「固めた」州と言えるだろう。基礎票はトランプ235対ハリス226となる。ここからスタートとなる。

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 おうど色の州で重要なのは、ペンシルヴァニア州とジョージア州だ。この2州をトランプが制すれば、270となって、選挙人538名の過半数を獲得することになり、大統領に当選ということになる。この2州は、2016年の選挙ではトランプが勝利し、2020年の選挙ではバイデンが勝利した。目まぐるしく勝者が変わる州である。この2州が非常に重要ということになる。トランプ銃撃事件が起きたのが、ペンシルヴァニア州バトラーだったことを考えると、トランプ陣営としては、ペンシルヴァニア州を是が非でも取りたい。ウィスコンシン州やアリゾナ州でも勝利できれば、より盤石な勝利ということになる。

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 ハリス陣営としては、この2つの州を明け渡す訳には行かない。何とかどちらか1つの州を取りたいところだ。ネヴァダ州は2016年も、2020年も民主党が取っているので、ここは激戦州だが大丈夫という計算をしているだろう。アリゾナ州選出のマーク・ケリー連邦上院議員を副大統領候補にすれば、アリゾナ州も民主党が取れる可能性が高まる。しかし、そうなると、大統領候補のハリスがカリフォルニア州出身、副大統領候補のケリーがアリゾナ州出身となって、ロッキー山脈より西の西部に偏り、五大湖周辺州や南部にはなじみがない顔ぶれとなってしまう。やはり重要なのは、五大湖周辺州、ペンシルヴァニア州だ。そして、アフリカ系アメリカ人有権者の多いジョージア州だ。ジョー・バイデンはアフリカ系アメリカ人の政治家やコミュニティリーダーと長年にわたり、深い関係を築いていた。ハリスは、父親がジャマイカからのアフリカ系アメリカ人移民ということで何とかアピールしたいところだ。

 激戦州の戦いでは、現在、トランプがやや有利となっている。各州を細かく見ていくと、アメリカや日本の報道とはまた違う姿が見えてくる。

(終わり)

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 古村治彦です。

 五大湖は東側からオンタリオ湖、エリー湖、ヒューロン湖、ミシガン湖、スペリオル湖から成り立っている。この五大湖周辺に接しているのは、東側からニューヨーク州、ペンシルヴァニア州、オハイオ州、ミシガン州、インディアナ州、イリノイ州、ウィスコンシン州、ミネソタ州である。これらの州はアメリカの勃興期に製鉄業や石油採掘業、自動車製造業で大きく発展した。シカゴ、デトロイト、クリーヴランドなどの工業で発達した大都市が存在する。
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 これまでの歴史では、五大湖周辺州は工業地帯ということもあり、労働組合の活動が盛んで、民主党が優位であった。2016年の大統領選挙ではそのこともあり、民主党候補のヒラリー・クリントンが勝利すると見られていたが、僅差で共和党候補のドナルド・トランプが勝利した。このことが大番狂わせの原因となった。

 労働組合に参加していた白人労働者たちが、一向に良くならない生活と雇用環境に業を煮やし、民主党支持を止め、「雇用を取り戻すために保護貿易を行う」と訴えたトランプに投票したという分析がなされている。保護貿易といえば、1980年代に日米間の貿易摩擦で、民主党所属のリチャード・ゲッパート連邦下院議員の激しい日本叩きが思い出される。2010年代以降、その亡霊が姿を現したのだ。ちなみに、現在のトランプは共和党所属だが、2010年代半ばまでずっと民主党員であった。

 共和党候補であるトランプが、民主党が主張していた保護貿易を訴えて当選したというところから、共和党内部にはトランプ大統領への嫌悪感がある。また、大統領選挙と合わせて実施される連邦上院議員選挙と連邦下院議員選挙では現在のところ、民主党が有利である。大統領選挙と同時に実施される連邦議員選挙の場合には、大統領選挙の情勢が大きく影響すると言われ(これをdown ballotと言う)、トランプが大統領に再選されても、共和党の連邦議員数が減れば、トランプの責任ということになり、彼の影響力は大きく減退する。

 トランプがフロリダ州とテキサス州で勝利をすればの話だが、五大湖周辺州は今回の大統領選挙の最終決戦場となる。現在のところ、各種世論調査の結果では、五大湖周辺州ではバイデンが有利という結果が出ている。ミシガン州とウィスコンシン州ではバイデンのリード差が広がっているが、オハイオ州とペンシルヴァニア州では両者の差は小さい。オハイオ州とペンシルヴァニア州でトランプが勝利ということになれば結果は大接戦ということになる。オハイオ州とペンシルヴァニア州の選挙人数は38名であり、ここをトランプが取ればトランプ大統領の再選が近づく。

(貼り付けはじめ)

世論調査:トランプがミシガン州。ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州で追いかける展開に(Trump trailing in Michigan, Pennsylvania and Wisconsin: poll

ジョセフ・チョイ筆

2020年10月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/520534-great-lakes-poll-shows-trump-trailing-in-michigan-pennsylvania-and

最新の世論調査によると、トランプ大統領は3つの激戦州(スイング・ステイト)であるミシガン州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州で民主党の大統領選挙候補者ジョー・バイデンを追う展開になっている。

ボールドウィン大学がオークランド大学とオハイオ・ノーザン大学と共同して行った世論調査の結果を金曜日に発表した。それによると、ミシガン州ではバイデンの支持率が50%、トランプの支持率が43%で7ポイントのリード、ペンシルヴァニア州ではバイデンの支持率が50%、トランプの支持率が45%で5ポイントのリード、ウィスコンシン州ではバイデンの支持率が49%、トランプの支持率が43%で約7ポイントのリードとなっている。

トランプ大統領はオハイオ州では僅差でリードしている。支持率はトランプ大統領が47%、バイデンが45%だった。しかしその差は誤差の範囲内であった。

2016年の大統領選挙ではトランプがこれら4州全てで勝利した。

最新の世論調査では、調査に応じた人々の過半数が1回目の大統領選挙候補者討論会を視聴し、バイデンがより良いパフォーマンスを行ったと答えた。51%がバイデン前副大統領の方がより良いパフォーマンスをしたと答え、32%が勝利者だったと答えた。

有権者の多くは、1回目の討論会では頻繁に繰り返される割り込みと個人攻撃によって酷くイラついたと答えた。しかし、トランプ支持の有権者たちのほとんどは討論会を見たことを理由にトランプへ投票する気持ちが「全く変わらない」と答えた。

世論調査担当者たちは、有権者たちは勝利が発表されるまでに全ての投票が集計されるようにすべきだと答えた。全ての投票が集計される前にトランプ大統領が勝利を主張しても、投票集計の正確性について信頼を持てないと有権者の過半数が述べている。トランプ大統領は来月の選挙で負けて平和的な政権移行に協力することを拒絶し続けている。

今回の世論調査の結果は、『ワシントン・ポスト』紙とABCニュースによる全国規模の世論調査の結果が出る数日前に発表された。ワシントン・ポスト紙とABCニュースの世論調査の結果では、バイデンがトランプに12ポイントのリードをしている。有権者の53%がバイデンを支持し、41%がトランプを支持した。

今回の五大湖周辺州での各種世論調査は9月30日から10月8日にかけて4166名を対象に実施された。これら4つの州での世論調査の誤差は約3ポイントである。

最新の世論調査のデータを見て、共和党の最高幹部たちは連邦上院で共和党が過半数を維持できるかどうか懸念を持っている。幹部たちはトランプ大統領の支持率を見て、これが各州レベルの選挙にマイナスの影響を与えることになるだろうと恐怖感を持っている。カンザス州やサウスカロライナ州のような伝統的に共和党優位の各州で民主党の候補者たちが大きなリードをつけている。共和党側は現在、連邦上院の23の議席を防衛しようとしている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙も残り50日を切った。ラストスパートである。来週には第1回目の大統領選挙候補者同士の討論会が開催される。第1回目の討論会のテーマは、新型コロナウイルス感染拡大、経済、人種間の不平等に関する不正義と都市における暴動などである。

 現在のところ、全国規模での各種世論調査では民主党候補のジョー・バイデン前副大統領が6ポイントから8ポイントの差をつけている。しかし、このことは何度も書いているが、全国規模の世論調査の数字は当てにならない。なぜなら、アメリカ大統領選挙は全国での得票総数で結果が決まるものではないからだ。大統領選挙の動向は、各州レヴェルでしっかり見ていくことが重要だ。そうなると、ドナルド・トランプ大統領とバイデンは接戦ということになる。

 ロイター通信・イプソス社の共同世論調査の結果についての記事を以下に紹介する。ウィスコンシン州とペンシルヴァニア州での世論調査の結果だが、ウィスコンシン州ではバイデンが5ポイントのリード、ペンシルヴァニア州では3ポイントのリードだ。どちらの州でも世論調査の誤差の範囲は5ポイントなので、どちらも大接戦ということになる。記事によると、経済運営ではトランプの評価が高く、新型コロナウイルス感染拡大対応ではバイデンの評価が高いということになる。

「投票を行う際に候補者の特性の中で、どの特性が最も重要だと考えますか?」という設問に対する答え、つまり、どの問題を最重視しますか、という設問に対して、人々の答えは、新型コロナウイルス感染拡大対応への関心が最も高く、次いで経済と雇用創出の問題ということになる。だいたい3割程度が新型コロナウイルス感染拡大対応、2割程度が経済と雇用創出ということになっている。

 ロイター通信は9月21日にウィスコンシン州とペンシルヴァニア州、22日にミシガン州とノースカロライナ州、23日にアリゾナ州とフロリダ州での世論調査の結果を発表した。下の記事は21日の記事なので、22日以降の結果については書かれていない。

 簡単に結果について書いておくと、ミシガン州ではバイデンが5ポイントのリード(誤差4ポイント)、ノースカロライナ州では同点(誤差は5ポイント)、アリゾナ州ではバイデンが1ポイントのリード(誤差は5ポイント)、フロリダ州では同点(誤差は5ポイント)だった。これら激戦州では大接戦だ。

 経済と雇用創出、年暴動に対する対応についてはトランプの方がより良く行い、新型コロナウイルス感染拡大からの回復と公民権保護についてはバイデンの方がより良く行うであろうというのがこの6つの州の人々の共通の考えだ。そして、全米規模でも同様である。大統領選挙では10月に現職側が自分たちに有利になるような施策を行う、「オクトーバー・サプライズ」がある。それがどのようなものになるかで状況は変わってくる。アメリカ大統領選今日は大接戦で、最後のコーナーを回り、直線勝負ということになる。

(貼り付けはじめ)

世論調査:ウィスコンシン州ではバイデンがトランプをリード、ペンシルヴァニア州はより接戦となっている(Poll: Biden leads Trump in Wisconsin; Pennsylvania a tight race

ジュリア・マンチェスター筆

2020年9月21日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/517455-biden-leads-trump-in-wisconsin-pennsylvania-a-tight-race-poll

アメリカ大統領選挙民主党候補者ジョー・バイデンはウィスコンシン州においてトランプ大統領に対して5ポイントの差をつけてリードしている。ペンシルヴァニア州ではより小さい数字ではあるがリードを保っている。ロイター通信・イプソス社共同世論調査の結果が月曜日に発表された。

ウィスコンシン州でのバイデンの支持率は48%、トランプの支持率が43%だった。48%がバイデンの方が新型コロナウイルス感染拡大危機により良く対応するだろうと答え、40%がトランプの方がより良く対応するだろうと答えた。

しかし、ウィスコンシン州において、経済に関してはトランプの支持率がより高かった。48%がトランプの方が経済をより良く運営するだろうと答え、42%がバイデンの方がより良く運営するだろうと答えた。

ペンシルヴァニア州ではより接戦になっている。バイデンの支持率は49%、トランプの支持率は46%だ。支持率の差は誤差の範囲内に入っている。ペンシルヴァニアの調査対象者のうち48%がバイデンの方が新型コロナウイルス感染拡大により良く対応できるだろうと答え、一方44%がトランプ大統領の方がより良く対応するだろうと答えた。

経済については、トランプ大統領はペンシルヴァニア州でもリードを保っている。51%がトランプ大統領の方が経済をより良く運営するだろうと答えた。45%がバイデンの方がより良く運営するだろうと答えた。

2016年の大統領選挙で、トランプは予想を覆して、ウィスコンシン州とペンシルヴァニア州で勝利を収めた。白人の労働者階級の有権者の支持がその理由となった。しかしながら、4年後の現在、両州は元に戻っている。バイデンとオバマ前大統領は2008年と2012年の大統領選挙で両州において手堅く勝利した。

リアルクリアポリティックスが発表している、世論調査の数字の平均を見ると、ウィスコンシン州ではバイデンが6.7ポイントの差をつけており、ペンシルヴァニア州では4ポイントの差をつけている。

ロイター通信・イプソス社はウィスコンシン州で9月11日から16日にかけて世論調査を実施した。調査対象者は1005名で、そのうち609名が選挙に必ず行くと答えた。ペンシルヴァニア州では9月11日から16日にかけて実施された。調査対象者は1005名で、そのうち611名が選挙に必ず行くと答えた。両調査の誤差は共に5%だ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 2000年の大統領選挙以降、フロリダ州は極めて重要な激戦州となっている。フロリダ州で勝利した候補者が選挙戦を制している。ジョージ・W・ブッシュ、バラク・オバマ、そしてドナルド・トランプだ。

 フロリダ州の特徴はキューバ系アメリカ人と高齢者という2つの人口グループが選挙戦のカギを握るということだ。どちらも共和党支持が多い。キューバ系アメリカ人たちは、キューバ革命以降、アメリカに逃げてきた人々とその子孫たちで、反共主義という点から、共和党支持が多い。フロリダ州には仕事をリタイアした後に、余生を暖かい場所でのんびり過ごそうというお金を持った高齢者たちが移住してくる。そうした人々は選挙に熱心に行くので、投票率が高い。また、共和党支持の割合が高い。

 しかし、今回の新型コロナウイルス感染拡大への対応で高齢者たちのトランプ支持は低くなると思われる。新型コロナウイルスは高齢者たちにとっては脅威である。感染拡大が続いているということは、高齢者たちは危険に晒されていると判断し、トランプではなく、バイデンを支持することになるだろう。しかし、一方で、お金持ちである高齢者たちの資産は一定の割合で株式でも構成されている。そうなると、経済問題も避けては通れない。今更働くことも難しい高齢者たちにしてみれば、資産の安定のためには経済もまた重要であり、株高を演出してきたトランプの手腕を期待する人たちも多い。

 フロリダ州について見ていくと、前回のヒラリーに比べて、バイデンの数字が芳しくないという結果が出ているようだ。民主党内からは、バイデン陣営はフロリダ州を手薄にしたという批判も出ており、陣営も慌てて人員と資金を投入しているようだ。フロリダ州が重点州になるなどということは、少し知識があれば誰にでも分かることだ。それができていなかったというのは驚くばかりだ。バイデン陣営がなぜフロリダ州に力を入れなかったのか、その理由ははっきり分からない。陣営の中で楽勝ムードが漂っているとするならば、それこそが致命傷になってしまう可能性が高い。

(貼り付けはじめ)

民主党は、バイデンに対するラティーノ系有権者の支持が下がっていることが彼にマイナスになるだろうという懸念を持っている(Democrats fear Biden's lagging Latino support could cost him

マックス・グリーンウッド筆

2020年9月9日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/515770-democrats-fear-bidens-lagging-latino-support-could-cost-him

民主党内部では、民主党の大統領選挙候補者ジョー・バイデンに対するラティーノ系有権者の支持が下がっており、11月の選挙で、フロリダ州を落とし、更にはホワイトハウスに届かない可能性が出ているという懸念が出ている。

最近出されたフロリダ州での各種世論調査の結果によると、ラティーノ系有権者のバイデン前副大統領に対する支持率の数字は、2016年の大統領選挙の際のヒラリー・クリントンの跡を追っており、バイデンが重要な激戦州を落とすのではないかという懸念が増大している。

フロリダ州民主党の職員の一人は次のように語っている。「バイデン選対にとっては全くよろしくない答えが出ています。選挙戦の現段階において、アメリカ史上最も反ヒスパニックな大統領に関してこれらの数字は出てしまってはいけないのです」。

先週発表された複数の世論調査の結果によると、バイデンはフロリダ州では追いかける展開になっていることは明らかだ。フロリダ州は激戦州であり、トランプ大統領にとってはどうしても勝利が必要な州である。キュニピアック大学が実施したフロリダ州での世論調査の結果では、ヒスパニック系有権者たちの間での支持率は、トランプ大統領が43%、バイデンが45%となって接戦であった。

ラティーノ系へのアウトリーチ企業「イクイス・リサーチ」社による別の調査によると、ヒスパニック系有権者たちの間での支持率は、バイデンが53%、トランプ大統領が37%でバイデンが大きくリードしている。バイデンのリードは大きく見えるかもしれないが、2016年の選挙戦の際のヒラリー・クリントンがトランプにつけた差よりも小さいものである。2016年の選挙の際には、フロリダ州においてヒラリー・クリントンはラティーノ系の62%の東京を獲得し、トランプ大統領は35%だった。

マイアミ州デード郡は、フロリダ州の中で最も人口が多く、州全体の中で最も民主党が強い地域である。このマイアミ州デード郡でベンディクスン・アンド・アマンディ・インターナショナル社と『マイアミ・ヘラルド』紙が共同で実施した世論調査の結果によると、ヒスパニック系の有権者の間で、バイデンとトランプの支持率はほぼ同率であった。バイデンの指示率は46%、トランプの支持率は47%だった。

マイアミ州デード郡で世論調査を実施した会社の会長であるフェルナンド・アマンディは次のように述べている。「各種世論調査の結果を見ると、バイデンは全くうまくやっていないのです。バイデンがフロリダ州でアングロ系の有権者の間での支持を上げて、ヒスパニック系の支持の下落を相殺できるならば、問題ではないということになります。しかし、バイデン陣営がそれをやろうとするならば、これはリスクの高い賭けとなります」。

ブレンディクソン・アンド・アマンディ・インターナショナル社が今週発表した世論調査の結果によると、マイアミ州デード郡に住むヒスパニック系ではない、白人の有権者の間の支持率では、バイデンがトランプをリードしており、その数字はそれぞれ48%と44%だった。無党派の有権者については、バイデンが更に大きなリードをしており、支持率の数字は51%対33%だった。

バイデンはまた高齢者たちの間で支持を広げている。高齢有権者たちはフロリダ州においてもう一つの重要な有権者グループである。また、トランプ大統領は11月の大統領選挙で勝利を収めるためには重要な存在となる。

アマンディは、バイデン前副大統領のマイアミ州デード郡での勝利はほぼ確実だと述べた。しかし、11月の選挙でトランプが負ける場合でもその差をより小さいものにすることに成功したら、フロリダ州全体でのバイデンの勝利に響く可能性は大きくなる。

バイデンの問題はフロリダ州だけにとどまるものではない。今年8月にテキサス・ヒスパニック・ポリシー・ファウンデーションとライス大学ベイカー研究所が共同で行った世論調査の結果によると、テキサス州に住むラティーノ系有権者の間で、バイデンはトランプに対して10ポイントの差をつけていた。2016年の時には、ヒラリーの支持率は61%、トランプの支持率は34%だった。

エマーソン大学が先月開催された民主、共和両党の全国大会後に実施した全国規模の世論調査によると、2016年の段階に比べて、トランプ大統領はラティーノ系有権者の間の支持率で約10ポイントも改善している。2016年、トランプ大統領は、ラティーノ系有権者の28%の投票を獲得した。エマーソン大学の世論調査の結果では、バイデンはラティーノ系有権者の間では60%の支持率を記録した。

バイデン陣営は新型コロナウイルス感染拡大という理由もあったが、ここ数カ月の中でラティーノ系への働きかけを強めているが、比較的遅いスタートとなった。バイデン陣営は、フロリダ州でスタッフの強化を進めている。フロリダ州での経験が豊富なラティーノ系の政治活動家やオーガナイザーたちを多く陣営に集めている。

バイデン選対は今月になって2億8000万ドルの資金をCMに投入している。その大部分は、コロラド州、フロリダ州、アリゾナ州、ネヴァダ州、そしてヴァージニア州に住むラティーノ系有権者への働きかけに使われている。また、ノースカロライナ州とミネソタ州でのスペイン語を使ったプログラムの拡充にも使われている。

しかし、フロリダ州を拠点としているヴェテランの民主党系ストラティジストは資金投入が遅すぎたと批判している。

このストラティジストは次のように述べている。「バイデン陣営と民主党は、フロリダ州とヒスパニック系共同体に対してリップサーヴィスばかりを繰り返し、選挙戦の終盤まで資金の投入を怠ってきました。民主党は非効率の罠に絡めとられ続けているが、その理由な何なのかよく分かりません」。

フロリダ州での緊急事態に対してテコ入れをするために、バイデン選対は水曜日、バイデン自身が来週フロリダ州を訪問すると発表した。

トランプ選対はラティーノ系有権者に働きかけを行っている。

今月初めの記者たちの電話での対応の中で、トランプ選対の上級顧問ジェイソン・ミラーは、「トランプ大統領はアメリカ全体でヒスパニック系の総投票数の40%以上を獲得する」という予測を示した。そして、トランプ選対は、共和党支持が多いキューバ系アメリカ人有権者を惹きつけるために、フロリダ州でスペイン語を使った広告に多くの資金を投入している。

2020年の大統領選挙予備選挙において、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)選対でラティーノ系対策プログラムを率いたチャック・ロカは次のように述べている。「ドナルド・トランプ選対はアメリカ全体でラティーノ系有権者からの得票を得ることは難しいということは認識していますが、マイアミのキューバ系有権者からの得票がうまくいき、非キューバ系からの得票もある程度獲得できれば、これがトランプ大統領の選挙勝利のための方程式となるでしょう」。

しかし、トランプの政治的なブランドはラティーノ系の間では評価が高くない。2016年の選挙でトランプはアメリカとメキシコの国境に壁を作ると主張した。また、トランプ政権の移民政策については繰り返し激しい批判が巻き起こった。2017年に発生し、プエルトリコに大きな被害をもたらした「ハリケーン・マリア」へのトランプ政権の対応は、プエルトリコにルーツを持つフロリダ在住の有権者たちからの評価をさらに下げることになった。

マイアミを拠点とする民主党系のコンサルタントであるクリスティアン・ウルヴァートは、キューバ系アメリカ人が「2016年の選挙の後に元通りに共和党支持に戻った」が、フロリダ州在住有権者の中で割合を高めつつあるキューバ系以外のヒスパニック系有権者たちからの支持をバイデンは増加させている、と述べている。

ウルヴァートは次のように述べている。「フロリダ州の状況はルービック・キューブのようなものです。フロリダ州全体で投票を得ることはできるが、より重大な問題は、フロリダ州南部に住むキューバ系以外のヒスパニック系有権者たちはバイデン副大統領を支持している、ということです」。

ウルヴァートは最近になってバイデン陣営のフロリダ州戦略担当顧問に就任した。ウルヴァートは、ラティーノ系有権者たちの間での最近の世論調査の数字についての懸念を否定した。

ウルヴァートは「スペイン語放送のラジオやテレビで積極的にCMを流しています。これからさに積極的に行う予定です。選挙の投開票日に近づけばその効果が各種世論調査に反映されることになるでしょう」と述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙本選挙の情勢について現在までの各種世論調査の結果を軸にして見ていく。その前にアメリカ大統領選挙について簡単に説明する。アメリカ大統領選挙の投票日は「11月の最初の日曜日の次の火曜日」と決まっている。連邦下院全議席(435議席)、連邦上院議席の一部(100議席の約3分の1)で同時に選挙が実施される。

 アメリカ大統領選挙は、民主、共和両党がそれぞれ指名する本選挙候補者を決めるための予備選挙から始まる。予備選挙を勝ち上がった候補者が夏の全国大会で党の指名を受け、本選挙候補者となる。そして、11月の本選挙を迎える。

 アメリカ大統領選挙の仕組みは有権者の得票総数で決まるのではなく、各州で配分された選挙人を取り合う形になる。一つの州で一票でも多く上回った候補者が選挙人を総取りできる、「勝者総取り方式」を取っている。メイン州とネブラスカ州は勝者にある程度の選挙人を配分し、得票率によって敗者にも選挙人が配分されることもある制度を採用している。全米50州に首都ワシントンDCに人口に比例して合計で538名の選挙人が配分されている。最小の州には3名、最大の州カリフォルニア州には55名が配分されている。

 現在のアメリカ政治の特徴は、何と言っても「青い州(Blue States)」と「赤い州(Red States)」に分かれていることだ。青色は民主党のイメージカラーであり、青い州は民主党が強い州、赤色は共和党のイメージカラーであることから、赤い州は共和党が強い州である。これはなかなか動かない。青い州は、アメリカの東西両岸地域に多く、人口が多い都市部を抱えている。赤い州は、アメリカ中西部と南部に多く、農業が産業の中心になっている。

しかし、2016年の大統領選挙で共和党の候補者ドナルド・トランプが大方の予想を覆して民主党の候補者ヒラリー・クリントンを破ったのは、青い州の代表格と見られていた、アメリカ北部五大湖周辺の労働組合が強い工業地帯(ラストベルトと呼ばれる)であるウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州、オハイオ州でトランプが勝利を収めたからだ。

 今回、私なりに過去の大統領選挙の結果や現在の世論調査の結果を考慮して、全米50州とワシントンDCを以下のように分類した。以下の分類からは、現状では、ジョー・バイデンがドナルド・トランプ大統領を大きくリードしているということになる。トランプ大統領が優勢なのは21州で選挙人の合計が142名、バイデンが優勢なのは18州で選挙人の合計が208名となっている。世論調査やこれまでの結果を考慮してどちらとも言えない激戦州(赤色と青色を混ぜた紫色、Purple Statesと呼ばれている)は12州で選挙人の合計が188名となっている。

 トランプ優勢州とバイデン優勢州はよほどのことがない限り、結果は動かない。そうであるならば、大事なのはどちらとも言えない12州だ。これらの州の情勢を見ていけば大統領選挙の結果は予想しやすい。アメリカ国内でもこれらの州は激戦だ、もしくは重要だということで複数回にわたり、定期的に世論調査が実施されている。トランプ、バイデン両者の優勢州では世論調査が実施されていないか、されていても少ない数だ。

 どちらとも言えない州での世論調査の結果から見ていくと次のようになる。バイデン優勢は、・アリゾナ州、コロラド州、フロリダ州(Florida)、ミシガン州、ミネソタ州、ネヴァダ州、オハイオ州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州で、選挙人合計は129名、一方、トランプ大統領が優勢なのはアイオワ州、ノースカロライナ州、テキサス州で、選挙人合計は59名だ。そうなると、トランプ大統領の獲得選挙人は201名、バイデンの獲得選挙人337名ということになる。過半数は270名なので、バイデンが圧倒的優勢ということになる。

 しかし、これはあくまで現状のしかも世論調査の数字だけを見ての分析である。世論調査は調査対象者の数(サンプル数)や質問方法、質問の言葉選びなどが重要な要素であり、それらは改善が行われているが、まだまだの部分もあり、あくまで大きな動向を掴むための道具であると私は考えている。従って、世論調査にだけ頼ることは危険である。しかし、アメリカにも住んでいない場合には、全米を調査に回るほどの費用もない中では、アメリカの報道や世論調査の結果を見るしかない。

 今回の大統領選挙では、民主党が前回失った五大湖周辺4州を再奪取できるか、南部の大票田であるテキサス州とフロリダ州でバイデンがどこまで戦えるか、ということが注目される。現在のところ、テキサス州を除いた5州の各種世論調査でバイデン優勢の結果が出ている。そのために単純に足し上げをするとバイデンが圧倒的優勢という分析になる。

しかし、あと4カ月以上も時間がある。トランプ大統領が不利な状況、現職大統領が敗れるというような状況であれば、連邦議会選挙にも悪影響が出る。トランプ陣営と共和党は巻き返しに躍起となるだろう。トランプ大統領としては新型コロナウイルス感染拡大でダメージを受けた経済の回復を最優先したい。民主党はバイデンの弱いイメージの払しょくと党内分裂の回避に力を注ぐ。両党の全国大会からいよいよラストスパートとなる。

(貼り付けはじめ)

■大統領選挙代議員数:538名(過半数270名)

●トランプ[共和党]優勢州(red states

・アラバマ州(Alabama:9名

・アラスカ州(Alaska):3名

・アーカンソー州(Arkansas):6名

・ジョージア州(Georgia):16名

・アイダホ州(Idaho):4名

・インディアナ州(Indiana):11名

・カンザス州(Kansas):6名

・ケンタッキー州(Kentucky):8名

・ルイジアナ州(Louisiana):8名

・ミシシッピ州(Mississippi):6名

・ミズーリ州(Missouri):10名

・モンタナ州(Montana):3名

・ネブラスカ州(Nebraska):5名(4名はトランプ、1名はバイデン)

・ノースダコタ州(North Dakota):3名

・オクラホマ州(Oklahoma):7名

・サウスカロライナ州(South Carolina):9名

・サウスダコタ州(South Dakota):3名

・テネシー州(Tennessee):11名

・ユタ州(Utah):6名

・ウエストヴァージニア州(West Virginia):5名

・ワイオミング州(Wyoming):3名

・合計:141名(+1)、21州

●トランプ・バイデン激戦州

・アリゾナ州(Arizona:11名(バイデン優勢)

・コロラド州(Colorado):9名(バイデン優勢)

・フロリダ州(Florida):29名(バイデン優勢)

・アイオワ州(Iowa):6名(トランプ優勢)

・ミシガン州(Michigan):16名(バイデン優勢)

・ミネソタ州(Minnesota):10名(バイデン優勢)

・ネヴァダ州(Nevada):6名(バイデン優勢)

・ノースカロライナ州(North Carolina):15名(トランプ優勢)

・オハイオ州(Ohio):18名(バイデン優勢)

・ペンシルヴァニア州(Pennsylvania):20名(バイデン優勢)

・テキサス州(Texas):38名(トランプ優勢)

・ウィスコンシン州(Wisconsin):10名(バイデン優勢)

●バイデン[民主党]優勢州(blue states

・カリフォルニア州(California):55名

・コネティカット州(Connecticut):7名

・デラウェア州(Delaware):3名

・ハワイ州(Hawaii):4名

・イリノイ州(Illinois):20名

・メイン州(Maine):4名(3名はバイデン、1名はトランプ)

・メリーランド州(Maryland):10名

・マサチューセッツ州(Massachusetts):11名

・ニューハンプシャー州(New Hampshire):4名

・ニュージャージー州(New Jersey):14名

・ニューメキシコ州(New Mexico):5名

・ニューヨーク州(New York):29名

・オレゴン州(Oregon):7名

・ロードアイランド州(Rhode Island):4名

・ヴァーモント州(Vermont):3名

・ヴァージニア州(Virginia):13名

・ワシントン州(Washington):12名

・ワシントンDCWashington, District of Columbia):3名

・合計:207名(+1)、18州

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 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙の特徴といえば、有権者の総得票数で結果を決めるのではなく、各州に割り当てられた選挙人を取り合う形になっていることです。2000年の大統領選挙では、民主党のアル・ゴアが全米の総得票数では勝っていましたが、最後、フロリダ州で僅差で共和党のジョージ・W・ブッシュに敗れたために、大統領の座を逃したことがありました。選挙人制度は、各州の人々が自分たちの代表を決めて、その代表たちがワシントンDCまで出向いて、大統領決定を行うというシステムの名残です。昔のことですと、アメリカを横断するだけでも相当な時間とお金がかかり、各州の名士たちしか選挙人になれませんでしたし、識字率も低かったので、こういう制度ができました。

 

 今では各州の独自性を担保するという意味もあって選挙人を取り合う形で、しかも各州で1票でも多く勝った候補者が選挙人を総取りということになっています。「各州の代表」で、「我が●●州は共和党のドナルド・トランプ!」「我が●●州は民主党のヒラリー・クリントン!」ということになります。各州に割り当てられる選挙人の数は人口(下院議員の選挙区の数)に基づいて配分されていますので、各州で平等ではありません。

 

 さて、今回の大統領選挙では、激戦州として11の州が挙げられています。これらの州では、ドナルド・トランプ、ヒラリー・クリントンどちらとも相手に5ポイント差以上をつけられない、大変な接戦となっています。10ポイント以上の差をつけていると優位な州といえますが、一けた台になり、それが5ポイントを切ると逆転される可能性も見えてきます。

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 この接戦州でもいくつかの州はトランプ優位、またはヒラリー優位となっていますが、全体の傾向として、ヒラリーの方がお金と人材を投入していると言えます。選挙のヴォランティアが集まる選挙事務所(campaign field offices)の数、後は各州のテレビCMの放送枠への投入資金の金額では、ヒラリーが圧倒しています。人材と資金の面で大差をつけているのに、支持率で接戦となっているということは、ヒラリーは本質的に脆弱な候補者と言えます。トランプはその点で、効率よく戦っていると言えます。

 

 残り2カ月となり、これからラストスパートという時期、ますます目が離せなくなっています。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプが勝つか、クリントンが勝つか?11の州が選挙の帰趨を決める(Will Trump or Clinton win? The 11 states deciding the race

 

ニオール・ストレンジ筆

2016年9月7日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/294716-will-trump-or-clinton-win-the-11-states-deciding-the-race

 

投票日までの追い込みが始まり、ドナルド・トランプはヒラリーに付けられている差を縮めつつある。

 

最新のCNNORCの共同世論調査が火曜日の朝に発表され、それでは全国規模でトランプがヒラリーに2ポイントリードしているという結果が出た。この結果に民主党幹部に衝撃を与えた。リアルクリアポリティクスが出している各種世論調査の平均では、ヒラリーが3.3ポイントの差をつけているが、この差は最大の時と比べて半分になっている。

 

しかしながら、民主党大統領選挙候補ヒラリー・クリントンは大統領選挙で優位な立場に立ち、勝利を収める可能性が高い。その理由の一つとして、選挙の結果を決める激戦州での強さが挙げられる。

 

ヒラリーは、ジョージア州とアリゾナ州のような共和党の牙城で接戦を演じている。しかし、今回の選挙もまた、最近の複数回の大統領選挙の帰趨を決めた州によって結果が決まるだろう。

 

本誌は、11の激戦州それぞれで何が起きているかを見ていく。

 

(1)オハイオ州

 

トランプは、他の激戦州に比べてオハイオで優位に立っていることに安堵していることだろう。

 

火曜日(9月6日)に発表された、ワシントン・ポスト紙とサーヴェイ・モンキーによる全米50州を対象にした共同世論調査の結果によると、トランプはアイオワ州で3ポイントの差をつけてリードしている。エマーソン大学の世論調査では、引き分けという結果が出た。火曜日の午後に出された、リアルクリアポリティックスによる各種世論調査の平均では、ヒラリーが3.3ポイントの差をつけてリードしている。

 

オハイオ州の人口構成によって選挙の激戦化の説明が可能だ。出口調査の結果によると、2012年の選挙では、オハイオ州の有権者のうちヒスパニックは3%に過ぎなかった。大学卒業は40%に留まった。この数字は11の激戦州の中で最も低い。

 

これらの数字から、トランプの中核となるアピールは白人のブルーカラーに受けが良いので、オハイオはトランプのアピールが有効な土地ということになる。

 

ヒラリー選対は、オハイオ州で勝つために伝統的な戦術を採用している。最近のPBSのニュースアワーの分析によると、ヒラリー選対は、8月末までにオハイオ州に36カ所の選挙事務所を開設しており、一方のトランプは16カ所だ、ということだ。TV画面の上では、ヒラリーはトランプに比べて多額の資金を投入している。クリントン陣営は、2200万ドルを投入して、9月から11月までの放送枠を確保している。一方、トランプと支持者たちの投入額は200万ドル以下だ。この数字は、「アド・エイジ」が「カンター・メディア」傘下の「キャンペーン・メディア・アナリシス・グループ」の発表したデータを分析して得られたものだ。

 

フロリダ州

 

フロリダ州は激戦州の中で最も多い選挙人を擁している州だ。その数は29名だ。最近行われた4つの主要な会社や組織の世論調査の結果では、いずれもヒラリーがトランプを2ポイントリードしているという結果が出た。フロリダ州では、どちらの候補がトップに立っても相手に対して2ポイント以上の差をつけられないという状況が続いている。

 

フロリダ州は、選挙戦を戦ううえで、お金がかかる州となっている。アド・エイジとカンター・メディアの分析によると、ヒラリーと支持者たちは、テレビの放送枠確保のために3400万ドルを投じている、ということだ。

 

2012年のフロリダ州の有権者のうち、17%がヒスパニックだった。また、フロリダ州に多く住むキューバ系アメリカ人たちは伝統的に共和党を支持してきたが、その伝統も薄れつつある。しかし、多くの専門家たちの予想よりも、トランプにとって情勢は有利に展開している。

 

しかし、トランプの選挙運動は不活発で、これが彼の勝利を不意にしてしまうことはないだろうか?PBSの調査によると、8月末の時点で、トランプは州内に選挙事務所を1カ所しか設置していない。一方、ヒラリーは34か所設置している。

 

ヴァージニア州

 

激戦州の中で、ヴァージニア州は、ヒラリーが最強の州だ。ヴァージニア州は、選挙情勢地図の大変化を示す第一の具体例となっている。

 

ヴァージニア州は2008年まで共和党の金城湯池だった。2008年にオバマ大統領がヴァージニア州で勝利を収めたが、これは1964年にリンドン・ジョンソンが勝利を収めて以来のことだった。しかし、選挙結果予測サイト「ファイヴサーティーエイト」は、ヒラリーの勝利の確率を80%以上としている。リアルクリアポリティックスの平均では、ヒラリーは5ポイントの差をつけてトランプをリードしている。

 

ここで注目すべき事実がある。それは、アド・エイジによると、ヒラリー陣営もトランプ陣営もヴァージニア州では選挙CMを大々的に流す計画を持っていないということだ。

 

2012年の有権者のうち、黒人が占める割合は20%だ。黒人はトランプをほとんど支持していないことは各種世論調査で明らかになっている。トランプを支持していないもう1つのグループである大卒者は、2012年の選挙で54%を占めている。これは11の激戦州の中で最も高い数字となっている。

 

ノースカロライナ州

 

ノースカロライナ州は南部の性質の変化を示す具体例となっている。ヒラリーはノースカロライナ州でトランプを僅差でリードしている。ヒラリーがノースカロライナ州で接戦を演じていることに関しては言うべきことがたくさんある。2008年、オバマ大統領は約30年ぶりにノースカロライナ州で民主党候補者として勝利を収めたが、2012年には敗北を喫した。

 

現在のところ、リアルクリアポリティックスの平均の数字では、ヒラリーは僅差でリードしているという状況だ。しかし、ヒラリーは州内に30カ所の選挙事務所を開設しているが、トランプは今のところ開設しているかどうか不明だ。ヒラリーと支持者たちは1600万ドルを投入して放送枠を確保しているが、トランプが投じているのはわずか100万ドルだ。

 

ヒラリーにとって心強いのは、11の激戦州の中で、ノースカロライナ州の有権者のうちで黒人が占める割合がいちばん高く、2012年背の選挙では23%であったということだ。

 

ペンシルヴァニア州

 

トランプ選対はこれまでペンシルヴァニア州での勝利について語ってきた。しかし、今のところ、その可能性は低い。リアルクリアポリティックスの平均では、ヒラリーは6ポイント以上の差をつけてリードしている。

 

1988年以降、共和党は、ペンシルヴァニア州をひっくり返して、共和党が勝利できるようにしようと努力してきたが、いつも今一歩のところで涙を呑んでいる。

 

2012年の総得票数において、約20%は非白人からの投票だった。共和党は、トランプが大都市フィラデルフィア郊外に住む穏健な有権者たちからの支持を得ることに苦労するだろうという懸念を持っている。

 

アド・エイジによると、ヒラリーとヒラリー支持の各グループは、9月から11月にかけて1800万ドル以上を投入して放送枠を確保している。一方、トランプはわずか100万ドルを投入しているだけだ。

 

コロラド州

 

コロラド州ではヒラリーが優勢だ。ヒラリーがコロラド州で優勢であるという事実は、人種多様性(白人の割合の低下)を増しつつあるアメリカの将来に対する共和党の一部の恐怖感を象徴している。

 

リアルクリアポリティックスの平均ではヒラリーが11ポイントの差をつけてリードしている。ファイヴサーティーエイトの「世論調査のみ」の予測では、ヒラリー勝利の確率は75%となっている。

 

この2つの数字はヒラリーの強さを説明する要素になっている。これらの数字以外にも、2012年の大統領選挙では有権者の14%がヒスパニックであったこと、49%が大卒者であったことも要素として挙げられる。これら2つの数字はアメリカ全体の平均よりも高く、これら2つのグループに対してトランプのアピールは奏功していない。

 

ウィスコンシン州

 

ウィスコンシン州を獲得することはトランプにとって大きな前進となるだろう。1984年にロナルド・レーガン大統領が地滑り的大勝利で再選を決め、その時に勝ってから、共和党は勝てないままできた。しかし、これまでと比べて、トランプはとてもよくやっている。最新のワシントン・ポスト紙の世論調査では、トランプはヒラリーを2ポイント差まで追い上げている。その他2つの最新の世論調査の結果では、ヒラリーのリードはそれぞれ3ポイントと5ポイントだった。トランプに有利な要素が1つある。それは、2012年の選挙でウィスコンシン州の有権者の86%を白人が占めたということだ。大卒者の割合は激戦州の中で最も低い42%だった。

 

ミシガン州

 

ミシガン州は、トランプの対ラストベルト戦略の限界を示している州だ。リアルクリアポリティックスの平均では、ヒラリーが7ポイント以上の差をつけてリードしている。ファイヴサーティーエイトの予測では、ヒラリー勝利の確率は約75%だ。それでもトランプにはまだ希望が残されている。最近のワシントン・ポスト紙の世論調査では、ヒラリーのリードは2ポイントに縮まっている。トランプと支持者たちは、選挙CMの放送枠に対して一定の資金を投入している。しかし、PBSによると、ヒラリー選対は23カ所の選挙事務所を設置しているが、トランプが選挙事務所を設置しているかどうかは不明だ。

 

ネヴァダ州

 

2012年の選挙ではネヴァダ州の有権者のうち、19%がヒスパニックだった。ヒスパニックの間でトランプの支持率は低いが、それでもトランプはネヴァダ州で接戦を演じている。リアルクリアポリティックスの平均では、ヒラリーは2.3ポイントという僅差でトランプをリードしている。特筆すべきは、トランプは選挙事務所の数でヒラリーと均衡しているということだ。PBSによると、両陣営共に6カ所の選挙事務所を設置している、ということだ。

 

アイオワ州

 

アイオワ州は、激戦州の中で唯一、リアルクリアポリティックスの平均で、トランプがリードしている州だ。火曜日の午後に出た最新の平均では、トランプが1ポイント弱リードしている。2012年の総得票数のうち、93%が白人からの投票であった。また、歴史的にヒラリーにとっては鬼門とも言える州である。2008年大統領選挙の民主党予備選挙で、アイオワ州の党員集会(予備選挙)でヒラリーは3番手に沈んだ。今年初めの党員集会(予備選挙)では、ヒラリーは、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)を僅差で降した。

 

ニューハンプシャー州

 

ヒラリーは、ニューハンプシャーで強さを発揮している。有権者における白人の割合はアイオワ州と変わらないが、ニューハンプシャーではヒラリーが優位だ。ヒラリーはリアルクリアポリティックスの平均では9ポイントリードしている。アイオワ州との違いは、ニューハンプシャー州の社会の雰囲気が違うことが原因だ。ニューハンプシャー州の共和党は、アイオワ州の共和党に比べて、リバータリアンに近い。PBSによると、ヒラリーは17の選挙事務所を設置しているが、トランプは1カ所だ。アド・エイジによると、ヒラリーと支持者たちはボストンまで含めて、700万ドルを投じて放送枠を確保しているが、トランプは放送枠を買い取っていないということだ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)






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 古村治彦です。

 

 少し古い記事になりますが、以下に、民主党のヒラリー・クリントンが共和党支持者の獲得を目指しているという記事を掲載します。

 

 今週になって、トランプがこれまでのやり方を変えた(pivot)したことで、トランプの支持率が少し持ち直すと思われますが、共和党全国大会以降、失言が続いて支持率が下がり、激戦州でも軒並みヒラリーが優位となった上に、2000年以降、常に共和党が勝ってきたレッド・ステイト(共和党が優位な州)の中でも、アリゾナ州とジョージア州でヒラリーがリードするという展開になっていきました。

 

 ヒラリー陣営は、レッド・ステイトへも積極的に浸透を図っているようです。ここまでされてしまうと、選対内部で内紛があり、選挙運動がめちゃくちゃだったトランプ陣営は押されてしまうのは当然です。しかし、ケリアン・コンウェイを登用して、トランプ選対は体制を立て直しつつあります。

 

 ここまでのところ、選挙資金、人員、選挙運動の熱心さではヒラリーが圧倒しています。しかし、彼女が投入しているリソースから考えて、支持率は低いと言わざるを得ません。コストパフォーマンスが悪いのです。ヒラリーを民主党史上最弱の候補者と言う人たちが民主党支持者の中にもいるので、このコストパフォーマンスの悪さは当然なのかもしれません。

 

 トランプは十分に巻き返す余地がありますが、まずは足場を固め、ヒラリーの共和党支持層への浸透を防ぐことが必要になります。そして、討論会が始まる9月には反転攻勢を始めることが出来るかがポイントになると思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

クリントン選対が共和党員に対する勧誘の動きを公に(Clinton Campaign Makes Republican Recruiting Effort Official

 

モリー・オトゥール筆

2016年8月10日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2016/08/10/clinton-campaign-makes-republican-recruiting-effort-official/?utm_content=buffer06f25&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

 

ヒラリー・クリントン選対は水曜日(2016年8月10日)、共和党員で共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプに反対し、民主党の候補者ヒラリーを支持する人たちが出続けていることを受けて、彼らへの働きかけを公に強め始めた。

 

「トゥゲザー・フォ・アメリカ」というスローガンを使い始めたことは、ヒラリー・クリントン前国務長官の自信を示すものである。この動きは、共和党と無党派に向けて非公然に支持を訴えてきたことを正式に訴え始めたのだ。

 

ヒラリーは、水曜日の午後、アイオワでの集会で演説し、その中で「これは通常の選挙ではない」と語った。そして、共和党からの離脱者や「我が国を第一に考えたいと思う人なら誰でも」歓迎するとした。

 

ヒラリーは「ドナルド・トランプは共和党の価値観を代表していないだけでなく、私たちアメリカ人の価値観を代表していない」と述べた。

 

ヒラリー選対が発表した文書によると、共和党の大物50名がヒラリー支持を表明している。その中には3名の元閣僚、20名の現職・元職の連邦議会議員、元大使、元米軍幹部、共和党が政権を握っていた当時の政府高官、実業界のリーダーたちが含まれている。

 

共和党や無所属の中の大物には、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ、ジョージ・W・ブッシュ大統領の大統領国家安全処方問題担当補佐官を務めたブレント・スコウクロフトがヒラリーを支持していることは既に知られている。水曜日になって、国家情報局長官だったジョン・ネグロポンテ、元商務長官でケロッグ社の会長兼最高経営責任者カルロス・ガティレス、ヒューレット・パッカード社の会長兼最高経営責任者メグ・ウィットマンといった人々もクリントン支持を表明したことが明らかになった。

 

彼らは、メイン州選出の連邦上院議員スーザン・コリンズとイリノイ州選出の連邦下院議員アダム・キンジンガーのような、最近になってトランプに激しく反発している共和党の指導者たちの隊列に参加している。水曜日、民主党の副大統領候補で現在は無所属となっているジョー・リーバーマン前連邦上院議員がヒラリー支持を表明した。

 

共和党予備選挙中や、トランプが予想外に共和党候補者になった後に起きた様々な「ネヴァー・トランプ」活動は収まらなかった。それは、トランプが自分たちの選択肢になるとは考えられなかったからだ。

 

しかし、トランプの過激な言葉遣いや突飛な政策志向についての懸念が高まっている。反対に、ヒラリーに対する信頼やトランプに対する選択肢はヒラリーしかないという考えが広がっている。そうした中で、 トランプではなくヒラリーを公然と支持する共和党員が増え続けている。

 

ヒラリー陣営は、トランプはアメリカを分裂させ、危険なので、アメリカ大統領にふさわしくないと強調している。月曜日、50名の共和党系の国家安全保障・外交政策の専門家たちが、トランプには投票しないとする公開書簡を発表した。この動きをヒラリー陣営は把握していたが、協働してはいない。

 

「トランプはアメリカの国家安全保障と福利を危機に晒すだろう」と書いている。しかし、彼らはヒラリーに投票すると公然とは言っていない。

 

ヒラリー陣営による「トゥゲザー・フォ・アメリカ」のスタートは、タイミングよく出された強烈なパンチとなった。共和党大統領選挙候補者トランプは、先月の共和党全国大会以降、世論調査の数字を落とし続けている。主要な激戦州の共和党支持の有権者たちの支持を落とし、全国規模の世論調査でもヒラリーにリードを許している。

 

共和党内の最重要人物であるコンドリーザ・ライス、コリン・パウエル両元国務長官は、これまで大統領選挙について何も言及していない。

 

どれだけの共和党員が反対党の候補者に投票するかははっきりしない。また、ヒラリー陣営の試みが、反エスタブリッシュメントで熱心なトランプ支持者たちの考えを変えることが出来るかははっきりしていない。しかし、ヒラリー選対の委員長ジョン・ポデスタは、共和党員の中からヒラリー支持が出ている動きは、無党派や穏健派の有権者たちが「自分たちの代弁者はトランプではなく、ヒラリーだ」と考えていることを示す兆候だと述べている。

 

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クリントンはユタ州の新聞の論説ページでモルモン教徒にアピール(Clinton makes appeal to Mormon voters in Utah paper op-ed

 

リサ・へーゲン筆

2016年8月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/290990-clinton-makes-appeal-to-mormon-voters-in-utah-paper-op-ed

 

ヒラリー・クリントンは、教会が所有しているユタ州の新聞の論説ページに自ら文章を投稿し、モルモン教徒の有権者たちにアピールを行っている。

 

『デザート・ニュース』紙の論説ページに掲載した文章の中で、民主党の大統領選挙候補者ヒラリーは、世界における信教の自由のために彼女がこれまでどのような闘いをしてきたかを書いている。

 

ヒラリーは次のように書いている。「私は長年にわたり、信教の自由のために戦い続けてきた。国務長官として、私は世界各地の宗教的少数者たち、エジプトのキリスト教コプト派からチベットの仏教徒まで、彼らを守ることを外交政策の基本とした。」

 

ヒラリーがこのような論稿をユタ州の新聞に掲載したのは、民主党側がユタ州のような伝統的に共和党が強い「レッド・ステイト」での情勢を楽観視していることを示している。各種世論調査の結果によると、ヒラリーとドナルド・トランプが接戦を展開していること、共和党が強い州ではあるが、トランプの人気は低いままであることが明らかになっている。

 

ヒラリーは論説の中で、モルモン教徒でユタ出身の政府関係者たちと仕事をしてきたと強調した。

 

ヒラリーは、論説の中で、「私は、元ユタ州知事で駐中国大使を務めたジョン・ハンツマンと一緒になって、政府からの弾圧を受けている中国のキリスト教徒たちと連帯した」と書いている。

 

ヒラリーはまた、2012年の共和党大統領選挙候補者でモルモン教徒のミット・ロムニーがトランプのイスラム教徒の入国禁止について懸念を持っていることを強調し、ユタ州知事ケーリー・ハーバートが「宗教弾圧とテロリズムから逃れてきたシリア難民たちに対して温かい歓迎」をしたことを称賛した。

 

ヒラリーは、モルモン教会の指導者であり、シスターのローズマリー・M・ウィクソンの言葉「個人として私たちは強い。神と一緒ならば、私たちを止めることなどできない」を引用している。

 

この論説について最初に報道したのは『バズフィード』だった。

 

ヒラリーの論説が発表されたのは、夫ビル・クリントン元大統領が資金集めのためにユタ州のパーク・シティを訪れる1日前であった。ビル・クリントンがユタ州で人々の前に姿を現すかどうかははっきりしない。

 

トランプは、モルモン教徒初の主要政党の大統領選挙候補者となったロムニーを激しく批判してきた。ユタ州の総人口のうち、末日聖徒イエス・キリスト教会の信者が占める割合は60%だ。彼らの圧倒的多数が共和党に投票してきた。ユタ州の共和党予備選挙では、トランプは3位に終わり、得票率は14%に留まった。

 

52年間も民主党が勝ったことがないユタ州でヒラリーが勝利を得るには長い道のりが待っている。しかし、ユタ州の政治関係者たちは、今年の大統領選挙は前例のないものであるので、接戦となるだろうと予測している。

 

新聞の編集兼発行人のポール・エドワーズは、バズフィードの取材に対して、「クリントン、トランプ両陣営に連絡を取って、今年の選挙にあたってユタ州の有権者たちに訴える機会を提供しますと伝えました」と答えた。エドワーズによれば、彼はトランプ陣営に数回連絡を取ったのだが、何も返答がないということだ。

 

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「クリントン・リパブリカン」は2016年の流行語(Clinton Republicans a 2016 trend

 

エイミー・パーネス筆

2016年8月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/290923-clinton-republicans-are-2016-trend

 

 

「クリントン・リパブリカンズ(ヒラリーを支持する共和党員)」に会ってみよう。

 

30年前にレーガン・デモクラッツ(レーガンを支持する民主党員)が出現し、ロナルド・レーガンのホワイトハウスへの道をきれいに舗装したように、今回の大統領選挙では、支持する政党とは反対の候補者を応援する人々が出現している。

 

彼らは民主党の候補者ヒラリー・クリントンを助けている。

 

共和党からヒラリー支持を表明する人々が次々と出てきている状況は、ヒラリー陣営を勢いづけ、共和党内部の分裂の深刻さに人々の関心を集めている。

 

スーパーPAC「レディ・フォ・ヒラリー」の創設者アダム・パークホメンコは先週末、ツイッターに次のように投稿した。「“レーガン・デモクラット”という言葉を覚えている?最近になって“クリントン・リパブリカン”について多く聞くようになった」。

 

ヒラリーを支持する共和党員たちには、共和党の大口献金者であり、IT企業の最高幹部であったメグ・ホイットマン、元ミシガン州知事ウィリアム・ミリケン、MGM社の最高経営責任者で共和党の大口献金者であったハリー・スローン、引退を表明している連邦下院議員リチャード・ハンナ(ニューヨーク州選出、共和党)が含まれている。

 

あるヒラリーの側近は、共和党員が次々とヒラリー支持を表明することで、ドミノ効果が起き、更なる幹部クラスの共和党員のヒラリー支持表明を行いやすくし、それに拍車をかけることになると述べている。

 

ヒラリーに近いある人物によると、共和党員でヒラリーを支持する人たち(「避難民たち」)は、ヒラリーに対する好意でそうしていると言うよりも、トランプに対する嫌悪感によってヒラリー支持に回っている、ということだ。

 

この人物は、「私たちは何もする必要がない。ドナルド・トランプが私たちのために働いてくれているのだから」と語っている。

 

ヒラリーはこの状況をうまく利用しようとしている。

 

民主党全国大会において、ヒラリーは共和党のテーマや価値観を強調した。

 

ヒラリーは次のように語っている。「私たちは世界で最強の軍隊を持っている。最も革新的な企業家、自由と平等、正義と機会といった最も永続的な価値観も持っている。私たちはこのような言葉を口にできることを誇りに思うべきだ。こうした言葉を聞いているとき、その人はアメリカについて聞いているのだ」。

 

クリントン陣営は、共和党政権時代に閣僚を務めた大物たちと保守派の論客たちによるトランプの批判の言説を集めたコマーシャルを放送している。これは、共和党支持の有権者の支持を得ようとする試みだ。

 

最近のある演説の中で、ヒラリーは、トランプが大統領に「不適格」で、核兵器のボタンを預けられるほどの信頼は出来ないと述べた。

 

共和党ストラティジストであるロン・ボンジェーンはトランプ支持を表明していないが、熱烈な共和党支持者たちがヒラリーの支持をするようなことはないだろうと語った。しかし、ボンジェーンは、トランプの出現で共和党が狂わされてしまったとも語っている。

 

ボンジェーンは「トランプは大統領になってしっかりと仕事をするということを人々に信じさせることが出来ていない」と語った。

 

しかし、ボンジェーンをはじめとする共和党員たちは、トランプがヒラリー支持を表明する共和党員の出現と流出を止めることが出来るとも考えている。

 

ボンジェーンは次のように語っている。「トランプが方針を正しい方向に向け直し、共和党内部の内輪もめやゴールド・スターを授与された戦死した兵士の家族に対する批判ではなく、ヒラリーに対する批判に集中したら、共和党員の中で、トランプを支持しようという人たちも出てくるだろう」。

 

過去にも、共和党員が民主党の大統領選挙候補者に投票したことがあった。

 

コリン・パウエル元国務長官は2008年の大統領選挙で、共和党の候補者であったジョン・マケイン連邦上院議員(アリゾナ州選出、共和党)ではなく、民主党の候補者バラク・オバマを支持した。

 

また、元マサチューセッツ州知事ウィリアム・ウェルドは、今回の大統領選挙では、リバータリアン党の副大統領候補となっている。

 

ヒラリーは今回の民主党予備選挙で、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州選出、無所属)からの挑戦を受けたので、ヒラリーは左旋回した。しかし、彼女は中道派であるという評価を受け、連邦議会で共和党所属の議員たちと協力してきた歴史を持つ。

 

外交政策と国家安全保障に関する諸問題について、ヒラリーはタカ派と目されている。彼女はイラク戦争を支持した。ヒラリーは、オバマ政権内で、リビアとシリアに対して軍事行動をとるように訴え続けた。

 

ヒラリーのこのような姿勢は共和党支持の有権者にとって魅力的なものとなる可能性がある。トランプはこれまで、ジョージ・W・ブッシュ前大統領を含む共和党の外交政策に関する指導者たちに対して批判を展開してきたが、それを気に入らない有権者たちもいる。

 

しかしながら、歴史家たちは、どれだけの共和と員が船から逃げ出すか、そして、ヒラリーがどれだけの期間彼らの支持を維持できるのかはっきりしないと述べている。

 

ヒラリーを支持する共和党員の多くは、民主党が好きだからではなく、トランプが嫌いだからヒラリー支持になっているという事実がある。

 

プリストン大学教授で、歴史学と公共問題を専門とするジュリアン・ジージラーは「私たちは大きな転換が起きるのを見ることだろう」と語っている。

 

オハイオ大学の歴史学教授キャサリン・ジェリソンは、共和党員によるヒラリーへの支持は長く続かないだろうと予測している。

 

ジェリソンは次のように語っている。「今回の選挙ではそのような動きを見ることが出来るが、それが繰り返されることはないだろう。それは、共和党員のヒラリー支持は、ドナルド・トランプに反対する動きであるからだ」。

 

ボンジェーンはそもそも「クリントン・リパブリカン」という動きなど見ていないと述べている。

 

ボンジェーンは次のように語っている。「共和党員は、ヒラリーが素晴らしい大統領になるなどとは考えていないと思う。トランプから離れる共和党員たちは、自分が知らない悪魔よりも自分が知っている悪魔を選択するというだけのことだ」。

 

共和党政権で政府高官となった人々が次々とヒラリー支持を表明しているが、そうした人々に更に共和党の最高幹部クラスが続くのかどうかは明確ではない。特に元国務長官のコリン・パウエルやコンドリーザ・ライス、その他トランプ支持を表明していないビッグネームがどうするかははっきりしていない。

 

ジージラーは次のように語っている。「共和党の幹部クラスでヒラリーに投票すると表明する人々が続出しているが、党派性が強まっている現状で、どれほどの共和党員が民主党に投票するかははっきりしない。1980年代に比べて、有権者たちは姿勢を変えたがらない。従って、棄権するのではなくヒラリーに投票する共和党員がどれほど出るかははっきりしない」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 
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