古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:激戦州

古村治彦です。

 

 昨日もご紹介しましたが、各メディアや大学が行う世論調査では、ヒラリーがリードしており、ヒラリーが優勢となっている州を足すと、当選に必要な選挙人の数270名を超えてしまうという報道もなされています。

 

 今回もまた、現在伯仲となっている激戦州をトランプが全部獲得しても、ヒラリーには及ばないという選挙予測の結果が出ました。

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 選挙予測とは世論調査の結果を当てはめながら行うものです。この世論調査の数字ですが、統計学的には有意(意味がある)ものなのですが、だいたい同じ期間に同じような場所で世論調査を実施手も数字にばらつきが出ます。

 

 これまで見ていると、ラスムッセンという会社やロサンゼルス・タイムズ紙と南カリフォルニア大学の共同調査の場合には、トランプにとって良い数字が出ます。

 

 この世論調査の数字を全く無視して、バカにしてしまっては選挙戦の動向を掴むことが出来ません。しかし、あまり過信し過ぎることもまた、選挙戦の動向を見失うことになってしまいます。

 

 マスコミや大学が公表することを目的にして行う者とは別に政党や候補者が独自に行う世論調査がありますが、これは公表されることはありません。この数字がどのようなものなのか気になりますが、なにせ遠い日本にいて徒手空拳でやっているものですから、これらの数字を参考にするしかありません。


 下の記事にあるように、7月の民主、共和両党の全国大会終了後、トランプは度重なる失言で、支持率を大きく落とし、ぼろ負けという選挙予測がなされていました。ヒラリー・クリントンは民主党史上最弱の候補者なのに、それに負けてしまうとなると、史上最低の敗者ということになってしまいます。

 そこで、トランプ陣営は責任者を交代させましたが、これが奏功しています。スティーヴ・バノン、ケリアン・コンウェイのコンビがこれからトランプ陣営を建て直していくでしょう。そして、その裏に、ロバート・マーサーとリベカ・マーサ―親子がいるという構図です。

 これまでは素人が無手勝流でやってきて、予備選挙まではうまくいきましたが、それ以降、トランプをうまくコントロールすることが出来ずに、素人が行き当りばったりで選挙活動をしてきたという印象がトランプ陣営にはありました。そこに、テッド・クルーズを応援していた、エスタブリッシュメントのマーサー親子(コーク兄弟と同じくリバータリアンです)が、民主党のヒラリーを倒すために、陣営建て直しのために介入し、マーサー親子の息のかかったマスコミの寵児と選挙のヴェテランを責任者に据えたということになります。

 これから、トランプはシナリオ通りの役を演じる俳優に徹して、勝利を目指すことになるでしょう。彼がそれにどこまで耐えられるか分かりませんが、そうしなければ勝てないとなったら、腹をくくって、何でもやってやるという思い切りの良さと覚悟の潔さはトランプの真骨頂でしょう。勝利のために、自分と敵対し、自分も悪しざまに罵ってきたエスタブリッシュメントの人々の言うことを聞くという大きな決断をしたのですから。しかし、選挙や政治というのはつくづく他の社会活動は違うものなのだなと再認識させられます。

 

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クック・ポリティカル・レポート:トランプが激戦州(伯仲州)を全て獲得しても、それでもヒラリーに敗れる(Cook: Trump could sweep toss-up states and still lose to Clinton

 

ニキータ・ヴラディミロフ筆

2016年8月17日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/291762-cook-trump-could-sweep-toss-up-states-and-still-lose-to

 

クック・ポリティカル・レポートが月曜日に発表した、今回の大統領選挙の選挙人獲得予想によると、ドナルド・トランプは、11月に激戦州(伯仲州)で全て勝利を収めても、ヒラリー・クリントンに敗れるという結果が出た。

 

レポートでは、「大統領選挙の現在の情勢からすると、トランプが現在、激戦州(伯仲州)となっている州を全て獲得したとしても、当選に必要な270名の選挙人に2名足りない」と書かれている。

 

レポートでは続けて次のように書かれている。「8月中旬の時点で、ヒラリー・クリントンは21の州とワシントン・コロンビア特別区、更にメイン州の4名の選挙人の3名を、確実州、優位州、優勢州として押さえている。これらの合計が272名となり、当選のために必要な270名を2名超えている」。

一方、レポートではトランプについて次のように書いている。「ドナルド・トランプは22の州とネブラスカ州の5名のうちの4名を、確実州、優位州、優勢州として押さえている。これらの合計は190名となり、270名から80名足りない」。


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クック・ポリティカル・レポートでは、フロリダ州、アイオワ州、ネブラスカ州、メイン州の連邦下院議員選挙第2区、ネヴァダ州、ノースカロライナ州、そしてオハイオ州を激戦州(伯仲州)としている。これらの各州の合計は76名となる。

 

クック・ポリティカル・レポートは、いくつかの重要な州で、共和党大統領選挙候補者トランプが、民主党大統領選挙候補者ヒラリーに差をつけられているとし、トランプは世論調査でうまくいかずに劣勢になっていると報告している。

 

レポートでは次のように書かれている。「多くの専門家たちが、過去60年間の大統領選挙ので、各党の全国大会が終わってから2週間経った時点で、世論調査でリードしている候補者が最終的に勝利を収めていると指摘している」。

 

レポートでは次のように結論付けられている。「11月8日の投開票日まで84日残っている段階で、ヒラリー・クリントンがドナルド・トランプを破って当選する可能性が極めて高いと私たちは考えている。その差についてはいまだに確定的なことは言えない」。

 

クック・ポリティカル・レポートは、アメリカ連邦議会、州知事、大統領選挙の分析を専門とする超党派のニューズレターである。


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トランプは負ける準備をしている?(Is Trump getting ready to lose?

 

ティモシー・スタンレー筆

2016年8月15日

CNN

http://edition.cnn.com/2016/08/15/opinions/is-trump-getting-ready-to-lose-stanley/index.html?iid=ob_article_organicsidebar_expansion

 

CNN発。ドナルド・トランプは負ける準備をしている最中だ。私は、彼が絶対に負けるとか、彼が密かに「もう終わった」と考えていると言いたい訳ではない。彼の言葉遣いは、彼の心理状態の変化を明確に反映してはいないと考えている。

 

つい最近まで、彼は「私は勝つ」と言っていた。それが、突然、彼は自分が勝利できないだろうと言い出し、その理由を挙げるようになっている。

 

理由その1:民主党側が不正をする。オハイオ州での遊説で、トランプは選挙自体が「捻じ曲げられている」と語った。ペンシルヴァニア州では、自分が負けるとすれば、民主党支持者たちが「1人で5回投票する」場合だけだと述べた。

 

トランプは、最初は本気で言ったのに、後にそれを皮肉だったと言い訳することで良く知られている。だから、彼がどれほど真剣に発言しているか、気を付けて見る必要がある。彼は、「私の考えでは、ペンシルヴァニアで私たちが負けるとするならば、それは不正が続けられた場合だけだ」と語っている。そこには皮肉や諧謔の兆候はない。

 

理由その2:マスコミがトランプを公正に扱っていない。トランプは、特にニューヨーク・タイムズ紙のトランプ選対全体が絶望感に包まれ、トランプは候補者として力不足だという記事について怒り狂っているようだ。

 

トランプはツイッター上で次のように不満を漏らしている。「ねじ曲がったヒラリー・クリントンはマスコミによって守られている。もし汚れきって腐敗し尽くしたマスコミが自分の姿を正直に報道し、言葉も正確に解釈して伝えていたら、今頃ヒラリーに20ポイントの差をつけて勝っていただろう」。

 

この時点で、私は筆を止めて笑ってしまうのだ。真面目にこんなことを言っているのだろうか?

 

反対のことこそが真実だ。マスコミがトランプについて報道することを止めていたら、トランプは20ポイントの差をつけて勝っていただろう。どうしてか?それは、ヒラリー・クリントンが1856年以降、最弱の大統領選挙候補者であるからだ。共和党の大統領選挙候補者がベンガジ事件の中心人物に勝てない唯一の理由は、候補者がドナルド・トランプであることだ。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは長年にわたり、スポットライトを浴びてきた。不動産開発からテレビ番組の企画出演まで、彼はトランプ帝国を築き上げてきた。

 

トランプの問題意識、彼が口にする問題は、多くの有権者が憂慮しているものであろう。従って、反エスタブリッシュメントであるトランプを候補者として選ぶというのは保守派にとってはそれだけの理由があったものと思われる。しかし、トランプは自爆している。彼は、人々の目から見て、本気なのか、「皮肉を言っている」のか分からない。

 

トランプが当選した場合に、彼のアホさからアメリカを守ってくれるであろう部下を選ぶ能力にも疑問符がつく。トランプ選対の責任者ポール・マナフォートは、ロシアとの「トラブルを引き起こす関係」(民主党)のために批判を受けている。これは、ニューヨーク・タイムズ紙が、マナフォートがウクライナの金権政治家たちからお金をもらっていたと示唆する記事を掲載した後から起きた。

 

マスコミは、ヒラリー・クリントンの難点よりもドナルド・トランプの難点をより多く報道しているように見えるだろう。しかし、トランプには規律が欠け、判断力も悪いために、それが報道するネタとなってしまうのだ。数千人が集まる集会で主人公にカメラを向け、発言を録音するのは、「腐りきった主流」マスコミの偏りのためではない。それがジャーナリズムなのだ。

 

しかし、トランプは「集会はいつ大入り満員、大盛り上がりだ(訳注。YUGEと書かれている。これはトランプがhuge[巨大な]yugeと発音している)」と述べている。実際にそうなのだ。いつもそうなのだ。

 

しかし、思い出してもらいたい。1984年の投開票日の数日前に、民主党大統領選挙候補者であったウォルター・モンデールはニューヨークに10万人を集めた。モンデールは、世論調査の結果について言及し、彼のファンたちはブーイングをした。集会に集まった人の数で見れば、モンデールが勝者のはずだった!しかし、それから数日後、モンデールは、ニューヨーク州でロナルド・レーガンに54%対46%で負け、全国では59%対41%で敗北した。トランプ陣営はマスコミの偏りに照準を定めている。

 

群衆は鏡のようなものだ。候補者たちは群衆の中に投影される自分の姿を見る。候補者たちは群衆たちの希望を映し、群衆の中に映される自分のイメージに対して恋に落ちる。彼のファンであるマイク・ハッカビーとのインタヴューの中で、トランプはテレビカメラが彼の顔ばかりを映して、集会の大きさを映そうとしないと不満を述べた。彼は見られ方に異常な「関心」を持っている。

 

トランプは支持者たちと本物の関係を築いているということは恐らく真実だろう。しかし、彼らは、トランプの選挙運動が家でニュースを見ている普通の有権者たちにアピールしていると考えることで、現実から目を背け、騙し合いをしている。彼らは、世論調査でトランプの数字が低いことを納得できる唯一の説明である「民主党とマスコミが選挙を盗むために協力し合っているのだ」を言い合うことで、お互いに現実から目を背けている。

 

敗北を知りながら、それに目を伏せるだけが方法ではない。候補者は禅のような方法で敗北を受け止めることができる。モンデールは実際には、民主党全国大会開催時までに既に自分が選挙に敗れるだろうことは知っていた。そして、彼は実際の勝利ではなく、女性を副大統領候補に選ぶことで、道徳的な勝利を目指すことにした。ジョージ・HW・ブッシュは、1988年の共和党大会の時点では、マイケル・デュカキスに大きくリードされていた。そこで、ブッシュは、自分の身を彼の選対幹部たちに預けることに合意し、民主党側の弱点を執拗に攻める攻撃的な選挙戦を展開した。ブッシュは容易に勝利を収めることが出来た。規律を導入することで物事は良い方向に進むのだ。

 

トランプの選対幹部は、ニューヨーク・タイムズ紙は「ゴミだ」と語った。

 

対照的に、ニューヨーク・タイムズ紙は、トランプが「陰鬱で、冷静さを保てない」状態になり、妥協を拒んでおり、「自分の本能ママにやることがよほど良いとぶつぶつ言っている」最中だと報じた。この記事の内容は、トランプの頑固さについての他の記事内容とも合致しているし、公の場での彼の怒りっぽい振舞いとも一致する。

 

こうしたことは全て、人々の最大の懸念に集約される。それは「トランプが大統領にふさわしい気質を持っていない」ということだ。トランプはプレッシャーがかかる状況で冷静さを欠き、予備選挙と本選挙では選挙運動のやり方が異なることを再認識する知性にかけているのだ。

 

「共同謀議があり、それが自分を邪魔する真犯人だ」と心底信じることで、候補者たちは修正することが出来なくなってしまう。どうしてそんなことが起きるのか?それは彼らが無意識で敗北を受け入れ、進んで炎の中に飛び込もうとしているからだ。 しかし、無意識のうちに敗北に向かうことで、トランプは11月8日の投開票日の後にアメリカにわなを仕掛けることになってしまう。トランプの支持者たちに選挙結果の正当性に疑問を持たせてしまうことになってしまう。

 

もしトランプが選挙に敗れたら、彼の支持者たちが民主的なプロセスに対する信頼を失う危険がある。そうなれば、アメリカ国内に辛辣さと無力感、分裂が広がるだろう。そして、そうなれば大規模な暴力が起きる可能性も高まる。

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙ですが、現在、全国世論調査では、ヒラリー・クリントンがドナルド・トランプを平均で5ポイントから6ポイントリードしている状態です。この数字はそんなに大きな差ではないように感じられますが、この数字以上に、トランプは苦戦を強いられています。

 

 アメリカの大統領選挙では各州+ワシントンDCに割り当てられた合計538名の選挙人を取り合う選挙になります。270名を取れば当選ということになります。この選挙人の取り方ですが、各州で投票が多かった候補者がその州の選挙人を総取りするという方式がほとんどです(そうではない州も2州あります)。選挙人は各州の人口を基にして割り当てられています。一番多い州はカリフォルニア州で55名、少ない州は3名というところが複数あります。簡単に言ってしまうと、選挙人が多い州だけを取れれば後の州は取れなくても勝ってしまうということになります。

 

 ここ最近のアメリカ大統領選挙では、レッド・ステイト(赤い州、共和党が強い州)、ブルー・ステイト(青い州、民主党が強い州)がはっきり出てきています。人口が多いアメリカ東部、西部の沿岸部の各州はブルー・ステイト、南部と内陸部の各州はレッド・ステイトとなっています。

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 現在の世論調査の状況では、ヒラリーが地滑り的な勝利を収める可能性が大きいです。いわゆるレッド・ステイトに分類されるアリゾナ州やジョージア州も現在ではヒラリーがリードしている世論調査の結果が出ていますので、これらの州でヒラリーが勝利を収めると、538名の選挙人のうち、400名に近い選挙人をヒラリーが獲得するという可能性も出てきます。

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 トランプ陣営としては、まずはレッド・ステイトを固めつつ、支持率で接戦を演じている激戦州のほぼ全てを獲得するという戦い方をしなくてはなりません。しかし、共和党内部で分裂が起きていますから、各州の共和党組織がトランプのためにどれだけ熱心に動くかは疑問です。一方、ヒラリーは、レッド・ステイトのうちで、トランプが弱いアリゾナ州やジョージア州、ユタ州で支持の拡大とトランプ忌避の雰囲気作りをしながら、ブルー・ステイトを固めていく、それで270名近くは確保していますから、こちらも激戦州の獲得に全力を挙げるということになりますが、資金力の面や党組織の面からもヒラリーが優勢だと考えられます。今のところ、「8対2」でヒラリーが優勢であると言えます。

 

 ただ、ヒラリーにはEメール問題と健康問題がどうしても付きまといます。これらがさく裂した場合には、ヒラリーはすぐに苦戦を強いられることになるでしょう。ところが、相手がトランプであるという点で救われているとも言えます。他の候補者であれば、ヒラリーは現在の時点で既に苦戦を強いられていた可能性があります。

 

 選挙投開票日まで残り80日ほどとなりました。選挙からますます目が離せなくなっています。

 

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これら3つの州の存在がトランプの勝利を不可能にしようとしている(These three states are making a Trump win basically impossible

 

アーロン・ブレイク筆

2016年8月12日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2016/08/12/these-three-states-are-making-a-trump-win-basically-impossible/?tid=sm_Fb

 

ドナルド・トランプの世論調査の悪夢が続いている。今週もまた数字がどんどん悪くなっていった。

 

金曜日(2016年8月12日)にNBCとマリスト大学による4つの州での共同世論調査の結果が新たに発表された。民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは、共和党の候補者トランプに対して、フロリダ州では5ポイント、ノースカロライナでは9ポイント、コロラド州では14ポイント、ヴァージニア州では13ポイントのリードを保っている。これら4つの州は、最近の大統領選挙で激戦州であった。

 

実際のところ、コロラド州とヴァージニア州での数字を見る限り、現在のところ、トランプが当選することはかなり困難であると言わざるを得ない。なぜなら、コロラド州とヴァージニア州、更に二桁のポイントをつけられて負けているペンシルヴァニア州を落としてしまえば、選挙に当選することは不可能となるからだ。

 

全国世論調査の数字は上がったり下がったりが激しい。今週行われたいくつかの全国世論調査の数字では、トランプはヒラリーに対して逆転可能な数字でリードされているだけのことだ。しかし、全国世論調査の数字は問題ではないのだ。大事なのは選挙人なのだ。コロラド州、ヴァージニア州、ペンシルヴァニア州の世論調査の数字では、トランプの勝利はほぼ不可能なのだ。

 

ウェブサイト『リアル・クリア・ポリティックス』によると、ペンシルヴァニア州で行われた最新の4回の世論調査では、トランプは10から11ポイントの差をつけられて負けている。コロラド州での最新の3回の世論調査では、10から14ポントの差をつけられている。ヴァージニア州では、最新の2回の世論調査では二桁の差をつけられており、その前の2回の世論調査ではそれぞれ7ポイント、9ポイントをつけられていた。

 

ヒラリー選対とヒラリーを支持するスーパーPACは、コロラド州とヴァージニア州で大胆な宣伝を行っている。

 

しかし大事なことは、これら3つだけが重要な激戦州ではないということだ。トランプは勝利を得るためには、これら3つの州全てを勝たねばならない。最悪でも、2つを落としてしまってはダメなのだ。

 

民主党側は選挙人の数で既に優位に立っている。本紙のクリス・シリーザが書いているように、ヒラリーは勝利に必要な270名のうち、既に242名を固めている。これまでの6回の大統領選挙それぞれで民主党が勝利を収めた州のうち、19州を押さえたらと仮定すると、242という数字になる。この州の中にはペンシルヴァニア州も含まれている。 ヒラリーがこれら19州すべてで勝利し、更にフロリダ州で勝利を収めたら、当選、トランプは落選ということになる。

 

このシナリオでは、いつも激戦となるコロラド州とヴァージニア州、更にはニューメキシコ州を落としてもヒラリーの当選ということになる。ニューメキシコ州は今回の選挙では民主党がリードを保っているが、ここ20年ほどの間の大統領選挙では共和党が勝利を収めた。これら3つを全部落としてもヒラリーは勝ってしまうのだ。

 

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現在、トランプはフロリダ州では接戦に持ち込んでいる。最新の世論調査では引き分けとなっている。しかし、たとえフロリダ州で勝利を収めても、数字を落としているコロラド州、ペンシルヴァニア州、ヴァージニア州で勝利を収めることはできない。これら3つの州とニューメキシコ州を落としたら、ヒラリーが獲得する選挙人は269名となり、勝利のためにはあと1名の獲得ということになる。

 

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そうなると、ヒラリーが勝利を収めるためには次の各州のうちの1つの州を獲得しなければならない。ネヴァダ州(選挙人6名)、アイオワ州(6名)、オハイオ州(18名)、ニューハンプシャー州(4名)、ノースカロライナ州(15名)だ。更に忘れてはならないのは、最新のNBCとマリスト大学の共同世論調査では、ノースカロライナ州ではヒラリーが9ポイントもリードしており、また、今週発表された別の世論調査によると、ニューハンプシャー州ではヒラリーが17(!)ポイントもリードしている。

 

ニューハンプシャー州をヒラリーが獲得し、更には、最新の世論調査で二桁の差をつけてリードしている激戦州全てでヒラリーが勝利をすると仮定すると、獲得する選挙人は273名となる。

 

繰り返しになるが、トランプが現在一桁のリードで負けている各州を全部獲得したとしても、彼は当選できないということは付け加えておく。

 
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選挙戦が進んでいく中で、フロリダ州での世論調査の数字は重要になっていく。そのように取り扱われるだろう。フロリダ州はトランプが勝利するためには絶対に落とせない州だ。

 

しかし、トランプがコロラド州、ペンシルヴァニア州、ヴァージニア州で二桁の差やそれに近い大差をつけられたままであれば、フロリダ州を獲得しても意味はなくなってしまうのだ。

 

(終わり)





 
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 古村治彦です。

 

 今回は、アメリカ大統領選挙の本選挙について書きたいと思います。

 

 共和党はドナルド・トランプ、民主党はヒラリー・クリントンがそれぞれの党の大統領選挙の本選挙の候補者に内定しています。7月にそれぞれの塔が開く党大会で、正式に党の候補者に指名されます。この時までに、副大統領候補を決めることになります。

 

 アメリカ大統領選挙は、各州の人口に合わせて割り当てられた選挙人(Electorates)の取り合いとなります。1つの州で一番の得票を得た候補者がその選挙人を総取りします。これをウィナー・テイク・オールと言います。ネブラスカ州とメイン州だけは総取り方式ではありませんが、州に属さない首都ワシントンDCを含む他の州では総取りとなります。

 

 現在のアメリカでは、共和党が強い州は党のイメージカラーから「レッド・ステイト」、民主党が強い州は「ブルー・ステイト」と呼ばれています。大体これらの州が40ほどあって、固定化されています。レッド・ステイトはアメリカ中西部、農業が盛んな地方の州、ブルー・ステイトは、東海岸と西海岸の工業が発達した大都会を抱える州と言うことができます。人口で言えば、やはり大都市を抱える州が多くなり、選挙人の配分は多くなります。

 

 選挙人は全米で539名となりますので、過半数は270名となります。選挙人270名以上を獲得した候補者がアメリカの大統領となります。この選挙の動向を決めるが激戦州(Swing States)です。激戦州としては次の各州が挙げられます。

 

激戦州(Swing States

・フロリダ州:29名

・ジョージア州:16名

・ノースカロライナ州:15名

・ヴァージニア州:13名

・ペンシルヴァニア州:20名

・オハイオ州:18名

・ミシガン州:16名

・ウィスコンシン州:10名

・合計:139名


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 アメリカの政治情報サイト「リアルクリアポリティックス(Real Clear Politics)」では、現在の情勢を見やすい画像にして公開しています。この画像では、現在のところ、ヒラリーが優勢のようですが、灰色の激戦州の状況によってはこの数字が十分ひっくり返り、トランプが過半数の270名の選挙人を獲得する可能性があります。


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 激戦州の現在の動向を知りたくなるわけですが、昨日、マンモス・ユニヴァーシティの世論調査の結果が発表されました。この世論調査は、2016年6月15日から19日にかけて行われたものです。下記のアドレスに調査結果の詳細が書かれています。

 

http://www.monmouth.edu/assets/0/32212254770/32212254991/32212254992/32212254994/32212254995/30064771087/568faad2-81ab-4bd0-b373-8577326e76bd.pdf

 

 この世論調査では、前回2012年のアメリカ大統領選挙の結果で、民主党のオバマ、共和党のロムニーの差が7%以内だった州をマンモス・ユニヴァーシティは「激戦州(swing state)」と定義して世論調査結果を発表しています。激戦州として、コロラド州、フロリダ州、ルイジアナ州、ネヴァダ州、ニューハンプシャー州、ノースカロライナ州、オハイオ州、ペンシルヴァニア州、ヴァージニア州、ウィスコンシン州の10州が挙げられています。私がこの論稿で書いた激戦州とも符合します。2012年の選挙結果では、ロムニーがノースカロライナ州で勝利を収めましたが、それ以外の9州ではオバマが勝利を収めました。

 

 世論調査の結果では、激戦州では、「ヒラリー:47%対トランプ:39%」と言う結果が出ました。この数字は激戦州をすべて合わせた結果ですので、細かい数字でありませんが、大変参考になります。

 

 この世論調査では、「全てのイスラム教徒のアメリカ入国禁止を支持しますか」という質問には「支持:21%、不支持:70%」という結果が出ました。2015年12月の調査では「支持:26%、不支持:65%」という結果が出ていますから、不支持が伸びています。激戦州では「支持:14%、不支持:80%」となっています。

 

「西洋諸国に対するテロ攻撃を行った歴史を持つ国からの移民を禁止することを支持しますか」という質問には、「支持:34%、不支持:57%」となり、激戦州では、「支持:29%、不支持:63%」となりました。「オーランドの銃撃事件で使われたような攻撃力の高い武器の販売禁止を支持しますか」という質問の答えは「支持:52%、不支持:43%」となっています。激戦州では、「支持:55%、不支持:41%」となっています。

 

 本日、キュニピアック・ユニヴァーシティが激戦州のフロリダ州、ペンシルヴァニア州、オハイオ州に限定した世論調査の結果を発表しました。皆考えることは同じで、民主党や共和党がもともと強い州に関してはよほどのことがない限り結果は変わりませんので、関心が低く、激戦州の動向が知りたいわけです。

 

https://www.qu.edu/images/polling/ps/ps06212016_Sfw34kbm.pdf

 

 この3州は激戦州の中でも選挙人の配分が多い州ですから、特に気になります。結果としてはフロリダ州では「ヒラリー:47%、対トランプ:39%」、オハイオ州では「ヒラリー:40%、対トランプ:40%」、ペンシルヴァニア州では「ヒラリー:42%、対トランプ:41%」ということで、大接戦であるということが分かります。


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 激戦州は北米大陸五大湖沿岸の工業地帯で、「ラスト・ベルト(Rust Belt)」と呼ばれる地域にあります。Rustは油汚れやさびを意味します。トランプが共和党予備選挙で勝利を収めたのは、南部の保守的な州と共に、このラスト・ベルトに住む大学教育を受けていない労働者階級の白人男性たちの支持を獲得したことが理由に挙げられます。ですから、激戦州=ラスト・ベルトでトランプが勝利を収めることは十分に可能となります。

 

 11月の本選挙まで約5か月もある段階での本選挙の予測をすることは不可能ですが、ヒラリーがかなりリードしていたはずの選挙で、トランプが肉薄し、接戦になっているということが分かります。

 

(終わり)







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