古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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 古村治彦です。

 今回は、副島隆彦最新刊『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』(祥伝社)をご紹介する。発売日は2026年2月4日だ。
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『金を握りしめた者が勝つ』←青い部分をクリックするとアマゾンのページに移動します

 このブログでも何度かご紹介しているように、昨年から金をはじめとする実物資産の価格が上昇している。アメリカと日本とイスラエルの「悪の枢軸」「地政学リスクトリオ」の「活発な動き」のために、ドル離れと実物資産の需要の増加が見られる。ドナルド・トランプ、高市早苗、ベンヤミン・ネタニヤフがやりたいことをやり続けることで、実物資産の価格上昇が続くことが予想される。

 こうした状況下で、『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』の刊行は時宜を得たものとなる。

以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載する。是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』 まえがき 副島隆彦(そえじまたかひこ)

「金(きん)とドルの戦い」において、金が勝利した。

金の値段が、日本だけでなく世界中で暴騰(ぼうとう)した。世界中の人々が金を買うために金ショップに殺到している。この動きは今も続いている。中国、ロシアだけでなく、インドでも、南米のブラジルでも、アラブ中東世界でも、資金のある人は金を買うことに熱中している。欧米白人の資産家たちも同様である。これまでに金(きん)を買っていた人々の勝利である。

金1グラムの最高値段は、2025年(去年)10月21日の史上最高値(さいたかね)で2万3370円(国内の小売[こうり]の値段)まで行った。1グラム=2万円を大きく超えた。この事態に多くの人が驚いた。

 金1キログラムの延()べ板(いた) bar [バー])ならば2000万円もする。小さな家1戸()や鉄筋アパート1室が買える値段である。とんでもないことが起きてしまった。

私、副島隆彦は、ずっと金の価格の上昇を予言して、自分の本に書き続けた。この20年間の自分の金融予言が当たって、私の信用はさらに高まった。この事実を私の本の読者とともに私は喜ぶ。

私が「金とドルの戦い」という考えを思いついて書き始めたのは、2003年である。その証拠は、自分の過去の本にさかのぼって、この本に載()せる。そのころ金は1グラム=1200円ぐらいだった。だから、そのときと比べて実に、金は20倍の値上がりをした。

私はそのころ「金(きん)をどれだけ買ったらいいですか」の質問に対して「皆さんの奥さんの体重と同じだけ金を買いなさい」と講演会で話して回っていた。女性の体重は、だいたい50キロ前後である。男である私が成人女性の体重は50キロ前後なのだ、と実感で知るようになったのは最近のことである。男はだいたい70キロから80キロである。ということは、その体重分の金の値段は、当時6000万円であった(1200円×50キロ)。それが今現在、いくらになったと思いますか。

(きん)1グラム=2万2000円として50キログラムの金は12億円である。驚くべき金額である。あのころ私が講演していた聴衆の企業経営者や資産家たちにとって、6000万円というお金は本当に、たいしたことはなかった。それが今、12億円にもなってしまった。そして今度は金(きん)の、売却時(譲渡益課税)と相続のときの税金の払いのことで、これまた、たいへんなことになっている。新たに大きな問題が出現したのだ。 

私は、3年前に『金融恐慌が始まるので 金(きん)は3倍になる』(2023年12月、祥伝社刊)を書いた。この本で「金は3倍になる」と私がはっきりと予言した。ところが、誰も本気にしてくれなかった。私のすぐ周(まわ)りにいる人たちも理解しなかった。皆、ぼーっとしていた。私が何を言っているのか、誰も分からなかった。ところが現実にまさにまさしく「金は3倍に」なりつつある。あのとき、2023年8月28日に金1グラムが1万円を突破したあとだった。まさしくあの本を書いたとき、 金1グラムは1万円を突破した。あのときから「3年で3倍になる」が、私たちの目の前で実現しようとしている。

このあと金1グラムが快進撃を続け、2万円を突破した(2025年9月29日)。1万円が2万円になるのに2年と1カ月かかっている。このとき、私の書いたことが当たり始めた。私の予言は真実味を帯()びた。私の書くことを信じて、この20年間の間に金(きん)を要所、要所で買い続けた人々の大勝利である。買わなかった人たちは……

去年2025年中に2万3000円台まで行った1グラムの金が、残りの5000円上昇を達成して私の予言の金1グラム3万円を超えれば、私が3年前に予言したとおり、まさしく「3年で3倍になる」という予言は的中である。あと1年で3万円を突破すれば、私が3年前に予言したとおり、「3年で3倍になる」という予言を的中させたことになる。

このようにして、私はすでに金融の予言書として信頼されている。私の書いたことは日本国民から評価されている。

これからの金(きん)の値上がり(あるいは、一時の逆流)予測に関して、この本で細かく書いていく。ジム・リカーズ James Rickards(75歳)というアメリカ人の金融評論家(リスク・アナリスト)が「1オンス=1万ドルになる」と言った。彼の2016年刊(10年前)の本である。ということは、金1グラムは、今の為替(かわせ)1ドル=150円で計算すると、日本円で4万8000円になる。とんでもない金額である。だが私は、ジム・リカーズの、この金1オンス=1万ドルは実現すると思う。なぜならば、人類の歴史は、今や金本位制(きんほんいせい)(ゴールド・スタンダード)の復活に向かって着々と進んでいるからである。

米ドルはもはや金(きん)との戦いにおいて敗れ去った。ドル体制が崩壊して数年後にできる新しい世界通貨体制が始まる。それを支(ささ)えるだけの金が、現在のドルでの全通貨量(金額評価する)の20%はなければいけない。

(きん)は国際値段(NY(ニユーヨーク)の先物(さきもの)市場)で、1トロイオンス(31・1グラム)=4000ドルを突破した。2025年10月7日から8日にかけてである。そして10月20日の終値(おわりね)で4359ドルの史上最高値をつけた(P7のグラフ)。世界中の金融投資に関わっている人々は、驚き呆(あき)れて言葉を失った。

そしてこの翌日から下落した。1021日には1オンス=3880ドルまで下落した。その数日後には、ふたたび4000ドルを回復した。直(ちよつ)(きん)の値段は1オンス=4638ドルである(1月14日)。

年末の金の下落で、金価格のグラフに1回〝踊り場〟ができた。この金のいったんの下落はなぜ起きたか。それはNYのガラの悪いヘッジファンドたち(恐ろしい博奕[ばくち]打ちの金融ユダヤ人たちである)が急遽(きゅうきょ)(初めて、と言ってよい)、金市場に参入して、1オンス=4000ドルの声を聞いて驚いて、「オレたちも乗り遅れるな」(FOMO[フォウモウ] Fear[フィア] of[オブ] Missing[ミツシング] Out[アウト] )で、金(きん)ETF(イーティーエフ)(ペイパー・ゴールド)市場で大量の買いを入れたからだ。おそらく1兆ドル(150兆円)ぐらいの買いである。

しかし、彼らは、どんなものでも短期売買しかしない。だから10日後に4000ドルから300ドル値上がりしたところで一斉(いつせい)に売り払った。これを利益(りえき)確定(かくてい)(利確[りかく])と言う。こういう荒っぽいことをするのがヘッジファンドたちである。だから、世界の金価格に踊り場が生まれた。この動きは今後も続くだろう。金(きん)は、このあとは急には上がらないで、着々と少しずつ上がってゆくと私は予測している。

このNYのガラの悪い投機家たちの他に、世界中で金の4000ドル超え高騰が起きたあとに、「やっぱり今からでも金を買おう」と思って、自分のポートフォリオ(自己資産の割り当て表)で、金(きん)を15%にまで上げた人たちがいる。彼ら個人投資家たち堅実であり着実だ。彼らは新規の金(きん)市場への参入者である。彼らはこのあと金をずっと長く保有(ロングホールド)するつもりである。このように世界中で個人の金買いが続いてゆく。私は、この個人たちが正しい投資行動をとっていると判定する。

だから、このあと、長期での金の上昇がふたたび始まる。目先の目標値は1オンス=5000ドルである。そして1万ドルである。

私が「金を買いなさい」と言って本に書き始めて23年が経()った(2003年から)。これまでに私が書いた本を熱心に読んで、内容を信用して、金を買って持ち続けた人々に大きなご褒美(ほうび)が与えられた。

2026年1月

副島隆彦(そえじまたかひこ)

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『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』 【目次】

まえがき

第1章 世界は金本位制の復活へ向かう

●金1グラムは10万円になる、と私、副島隆彦は予言する

●アメリカ中心の時代が終わり、世界は新しい秩序に移行する

●なぜ金本位制に戻ってゆくのか

●日本円は米ドルの動きと反対方向に切り上げられ、やがて電子マネーになる

●金価格は、わずか2年で2倍になった

●〝砂金(さきん)採()り体験〟が人気に

●私は23年前から「金を買いなさい」と書いてきた

●「金を握りしめる」のは世界的な動きである

第2章 もうすぐ金1グラムは3万円になる

●リーマン・ショックのとき、アメリカは「やってはならないこと」をやった

●米ドルの価値の毀損(きそん)が起きている

●貧困国・アメリカの現実

●私の助言で金を買った人々からの大きな反響

●「写真相場」とは何か

●ゴールドマン・サックスより先に私が「1オンス5000ドル」を予言した

●先物の「裸の空売り」で巨額の損失

第3章 これからは金貨(ゴールド・コイン)を買いなさい

●NY先物市場での金(きん)の動きの全体像

●紙キレの金を売り買いして失敗した

●ペイパー・ゴールドに手を出すな

●イギリス、スイス、ヴァチカンから金地金がアメリカに運び込まれた

●〝天皇家の金〟を持ち出そうとした2人の日本人

●「13兆円の米国債」の正体

●中国とロシア、そして新興大国が金を買う

●「税務署が怖い」と言う人たちへ

●1キロや2キロの金で税金に悩む必要はない

●なぜ私は金貨(ゴールド・コイン)を薦(すす)めるのか

●業者が買い取った金はどこへ行くのか

●年間110万円までなら贈与税はかからない

●金で儲かったなら、そのお金で周りの人を助けなさい

第4章 銀(シルバー)とプラチナも上がってゆく

●相続税とタンス預金をどうするか

●金は現物(げんぶつ)を自分で守るべきだ

●女性銀行員が貸金庫の金(きん)と現金を盗んだ

●急騰の裏側で何が起きているのか

●銀1キロが300万円になる日が来る

●先端企業が「いくらでもいいから買え」と指示

●イーロン・マスクが銀鉱山の株を大量に買った

●46年前の〝シルバー・ショック〟

●インドの中央銀行が銀を融資の担保に認めた

●なぜ幕末の日本から金(小判)が流出したのか

●かつてプラチナは金より高かった

●人造ダイアの量産でダイアモンドの資産価値は失われた

第5章 金に敗れたドル覇権は崩壊する

●もうすぐ超円高=ドル暴落が起きる

●トランプのドル切り下げで1ドル=15円になる

●NYの株とともに日本株も暴落する

●日銀の利上げをアメリカは認めなかった

●日本はインフレではない。デフレだ

●トランプが各国への相互関税をやめた理由

●なぜ国(くに)は国民から消費税を取りたいのか

●国家の借金は毎年毎年、積み上がる

●15京円の借金大国・アメリカの真実

●日本は「対米投資」で80兆円をふんだくられた

●日本人は歯を食いしばって頑張り続ける

●2026年末、アメリカは世界覇権国の地位からすべり落ちる

第6章 日本と米中、世界はこうなる

●軍事政権の特殊な人間、イーロン・マスク

●トランプは軍人たちに支えられている

●黒塗りされたエプスタイン・ファイル

●なぜ江戸幕府はキリシタンを弾圧したのか

●クリントン夫妻も悪魔の儀式に参加した

●〝次の大統領〟J.D.ヴァンスの人物像

●自民党員の中に統一教会員が集団加入

●世界と歴史を大きく見るために

●日本の政治指導者は靖国参拝をしてはならない

●米中は「台湾をどうするか」で話し合っている

●台湾は平和的に中国に統一される

●誰が日本の核保有を許さないのか

●だから安倍晋三は〝処分〟された

あとがき

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『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』 あとがき

 この本の書き上げの昨年末(12月おわり)に、NYの銀(ぎん)の先物(フューチャー)市場 COMEX(コメックス) で大変動があった。銀価格は、下落した(1オンス=72ドル。銀貨1枚で1万5000円)どころか、200ドルに向かっている。米と英が支配する先物市場とETF(イーティーエフ)(ペイパー・シルバー、紙キレの銀)が壊れつつある。現物(げんぶつ)(実物)の銀の7割を握っている中国の勝ちだ。第4章で前述した。世界は金(きん)だけでなく、銀(シルバー)も加えた金銀本位制(バイメタリズム bimetallism )に向かっている。

 1月3日に、アメリカ(トランプ政権)による南米ベネズエラ国のマドゥロ大統領の拘束(キャプチュア)、連行が起きた。アメリカは、直接ベネズエラ国にある大量の石油と天然ガスを自分のものにする戦略に出た。鉱物資源(ミネラルズ)も直接、支配する。トランプはもうNY(ニユーヨーク)の金融(紙キレ)経済を信用していない。実物を握るしかない、と。世界は一気に実物(じつぶつ)経済( tangible[タンンジブル] economy(エコノミー) )が中心になった。これは『「実物経済」の復活』(2003年3月、光文社)を出版して日本では私が初めて言い始め(唱導[しょうどう])した理論だ。

 私は昨年10月中(ちゅう)の金の高騰(こうとう)の凄(すご)さを横目で見ながら、ずっと不愉快だった。もう本を書く気力を失った。「俺(おれ)がずっと20年間、書いて(主張し、予言して)きたとおりじゃないか」とブツクサ言いながら、うつ症(しょう)のまま過ごした。12月になって、ようやく「それでも、やっぱり書くか。全国に私の読者が待っている」と元気(げんき)(気の元)を取り戻した。

 本当にもうすぐ世界体制が変わる。この本に、書くべきことはすべて書いた。しっかりと読んでもらえれば分かる。

 この本も長年(25年間も)私につき合ってくれている編集者の岡部康彦氏が苦労して編集してくれた。記して感謝します。

2026年1月

副島隆彦(そえじまたかひこ)

(貼り付け終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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古村治彦です。
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2024年10月31日に副島隆彦先生の最新刊『トランプ勢力の徹底抗戦で アメリカの国家分裂は進む』(祥伝社)が発売される。

以下に、はじめに、目次、おわりにを掲載する。是非手に取ってお読みください。
(貼り付けはじめ)

はじめに 副島隆彦(そえじまたかひこ)

大統領選とアメリカンデモクラシーの終焉

この本が出てすぐに、米大統領選挙が行われる(11月5日)。

私は言論の予言者を自ら名乗って、評論業で40年間生きてきた。この本の書名『トランプ勢力の徹底抗戦で アメリカの国家分裂は進む』をパッと見ただけでは、アメリカ政治に相当関心がある人たち以外には理解不可能だろう。

この書名を決めた一歩手前の案は、『米トランプ勢力は貧乏覚悟で 善人(グッドガイズ)の新国家を作る』だった。これもおそらく意味不明であろう。

 この本が出てすぐに、今度の大統領選挙でまたしても大掛かりな不正が行われることで、騒がれるだろう。それは、本当に大騒ぎになる。このことは私にとって、有(あ)り有(あ)りと目に見えるように分かる事態である。なぜなら、私は「トランプは選挙で負ける」と悲観し、悲痛になってこの半年くらいを生きたからだ。

反(はん)トランプ勢力(ディープステイト)は必ず、必ず不正選挙をやると、私は確信している。たったこの一点に共感してくれる人々は、ただちに本書の意味を分かってくれるだろう。

彼らは選挙の得票数を、2020年11月と全く同じように、コンピュータと郵便投票などで6000万票も移し替える。そして、カマラ・ハリスが勝利するよう選挙結果を捏造(ねつぞう)する。こんな巨大で大掛かりな不正が、今の世界で許されるわけがない。ところが、平気でこういうことが行われる。それが今の世界帝国アメリカだ。そして、我が日本国の選挙だって、実際に選挙の得票数の不正操作が行われて来たのである。

 私がこのように書くと、もはや私は普通の政治評論や、社会言論の枠から外れた人間と

いう扱いになる。覚悟の上である。ただでさえ日本のメディア(テレビ、新聞、雑誌)から

長年干(ほ)されて、相手にされずに生きて来た私にとって、今さら臆(おく)することはない。

 大きな真実を誰が本当に書いているのか。そんな不正選挙なんかあるはずがない、バカげた主張だと、頭のてっぺんから私を否定する人たちには、この本の存在意義はない。

それでも私は、こうやって真実暴(あば)き言論でずっと生きてきた。やせ衰えた日本の出版業界で、私は細々(ほそぼそ)ながら単行本を出し続けて、30歳から、40年間生きてきた。私の主張と謎解きに付き合い、それなりに信頼してくれる人々に向かってこの本を書く。

選挙制度はデモクラシーの土台であり、基本である。これが巨大な選挙不正で歪(ゆが)められたら、デモクラシーそのものの死を意味する。

デモクラシーという言葉は、demos(デモス)とcratia(クラティア)から出来ている。このdemosが「民衆、大衆」を意味し、cratiaが「支配体制」を意味する。だから、デモクラシーは民衆一人ひとりの1票から作られる政治体制である。デモクラシーはイデオロギー(イデアのロゴス)ではない。だから×民主主義は誤訳だ。〇民主政体(せいたい)が正しい。

大国のアメリカ合衆国で、こんなに何回も選挙の不正、捏造が行われるようでは、今の世界は本当に暗闇の中で生きているに等しい。中国とロシアを独裁国家であると言い続けて、馬鹿にして、腐(くさ)していればいい、というものではない。自らを民主的でリベラルで、自由な先進国だと信じ込んでいる者たちの責任は重い。アメリカの手先、子分を平気でやり続けている日本人も同様だ。

 私のこのような〝ぶつくさ書き〟は、普通の政治評論とは見なさない、という判定を下されても構わない。私の言論は、ずっとそのように扱われてきた。それでも私は、この世にある本当の真実を書く。こうやって生きてきた。だから最近は、私の本は日本社会で認められている。私はウソを書かないで生きてきた。

 トランプ勢力は、このあともヒドい目に遭(あ)いながらも、じりじりと後退しながら、それでも不屈に戦い続ける。そしてアメリカ帝国は国家分裂をしていく。アメリカの中西部(ミッドウェスト)と南部(サザン)のテキサスを中心にした諸州は、それぞれの州民が決断して、連邦離脱[れんぽうりだつ](セセションsecession)を徐々に州議会で決議していく。

この連邦離脱というのは、現在のアメリカ合衆国から州(state ステイト、これが国)ごとに分離(セシードsecede)し、独立することである。ワシントンとニューヨーク、シカゴを中心とする連邦(れんぽう)政府(フェデラル・ガヴァーンメント)の言うことはもう聞かない、という決断である。

 アメリカが、これから向かう国家分裂は、もはや不可避である。今のアメリカの政治や金融経済を握りしめている大富豪たちの連合体(これがディープステイト)にしてみれば、自分たちがこの先も世界支配を続けたい。そのために必要なアメリカの現在の仕組みそのものが内部から壊れてしまうのは、彼らにとって一番いやなことだろう。

それでも、アメリカの国家分裂・連邦離脱は続いていく。たとえ無理やりドナルド・ト

ランプを再び引きずり下ろしたとしても。

 この本で2つ目に重要な論点は、「もうこれ以上、移民を外国から受け入れない。そんな余裕はアメリカにはないのだ」という、P5に前掲した思想が前面に出て来ていることだ。このことを大きくはっきりと示す。

この反(はん)移民の思想は、日本ではテレビ、新聞などがグズグズ、コソコソと、ヨーロッパへの難民の死亡事件が起きるたびに小さくニューズにするだけだ。しかし、まともなヨーロッパとアメリカの白人たちは、「もう我慢しない。キレイごとは言わない。もうこれ以上、移民、難民は入ってこないでくれ」という思想を、敢然(かんぜん)と表明し実行し始めた。

それが、トランプ勢力が団結する切実な理由である。もっとはっきり書くと、アメリカは白人国家なのだ。「これまでアメリカに入ってきて、白人の言うことを聞いて生きている黒人やヒスパニック、イスラム教徒たちは、このまま生活していい。しかし、そうでない者たちは出て行ってくれ」という考え方である。これは、ヨーロッパの主要国であるフランスもイギリスもドイツもイタリアも同じだ。

ここで白人優越の思想(ホワイト・シュープレマシー white supremacy)を公然と言うと、それは明らかに③人種差別である。人種差別をしてはいけないは、今の世界の、人類の、大スローガンである。しかし、もうそんなことも言っていられない。そこまで欧米の堅実な白人たちは追い詰められている。このことを私たち日本人は、はっきりと受け止めなければならない。そのためにこの本がある。

日本でも、全国の自治体(1700個ある)それぞれに割り当てで50人、100人のネパール人やベトナム人の移民の受け入れ義務の枠があり、それは静かに実行されている。新聞記事にはならない。実情は、関係者が「困ったことだ」とコソコソと話しているだけだ。

カマラ・ハリス政権(ディープステイト側)からすると、日本はなかなか移民、難民を受け入れない人種差別の国だとされている。このことも、あまり新聞記事にならない。でも、私たちはみんな、もう分かっているのだ。今の世界を覆(おお)っているこの大きな真実のことを。

 それを私は、この本ではっきりと書く。近代ヨーロッパが作った偉大なる啓蒙思想(エンライトンメントenlightenment)と、社会契約説(ソウシアル・コントラクトsocial contracts)が打ち立てたのが、①人権の思想、②平等の思想、③人種差別をしない思想、そして④がデモス・クラティア(民主政体 ×民主主義)の制度思想である。

この4つを強く疑う時代に人類はついに突入したのである。それが今、アメリカの国家分裂の問題の主眼、中心にせり上がっている。トランプを強く支持する白人中産階級と下層の白人大衆は、「もう私たちは正直になる」といって戦いを始めた。

 これらのことを、この1冊の本に細かく書いて、凝縮(ぎょうしゅく)して皆さんに教える。この本を、ただのアメリカ政治評論本などと思ってはいけない。人間(人類)を支えているのは思想(ソート)や理念である。それが現実に深く投影されて、この世の中のさまざまな争いや苦しみ、悲しみを作っている。

2024年10月 副島隆彦(そえじまたかひこ)

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はじめに 大統領選とアメリカンデモクラシーの終焉 ──

第1章      トランプ殺害未遂事件の恐るべき真実

トランプ暗殺未遂は「国家犯罪」である ──20

トランプ銃撃事件は安倍晋三殺しと一緒 ──26

性懲りもない2度目のトランプ殺害未遂 ──35

ポピュリストこそがアメリカ政治の伝統である ──37

逃げ腰になったハリウッド ──42

トランプ暗殺計画は、まさにコンスピラシーだ ──44

ボビー・ケネディが見せた真のアメリカ人らしさ ──48

善人と悪人の終わりなき対立 ──52

第2章      アメリカを引き裂く善人と悪人の闘い

トランプ勢力の中心となるヒルビリーたち ──60

ヴァンスはトランプの真の後継者である ──66

仕組まれたカマラ・ハリス新大統領の誕生 ──72

東部諸州との境目で起こる軍事衝突 ──77

悲しみも痛みも感じない悪人たちの本性 ── 82

第3章  トランプ勢力が目指す真のアメリカ革命

レーガン革命と「プロジェクト2025」 ──88

レーガン革命の8割が失敗に終わった本当の理由 ──92

「プロジェクト2025」の4つの重要なポイント ──97

4年前の不正選挙から起きた大きな変化 ──102

トランプを未だ裏で支えるピーター・ティ―ル ──108

トランプ殺害計画の原因は「プロジェクト2025」だった ──112

成り上がりなのにディープステイト側に付かなかった男 ──118

欧米では「権力犯罪」という言葉は使ってはならない ──121

うろたえオロオロするアメリカの司法 ──125

最高裁判所長官の名前も知らない日本人 ──129

第4章 権力とカネを握り続けるディープステイトの恐ろしさ

悪の実行部隊はFBIである ──136

ディープステイトという言葉を作ったのはJBS ──141

反カソリックであるKKKの素晴らしい主張 ──142

ワシントンに結集し官僚国家を解体せよ ──148

アメリカは武力衝突の段階に入った ──152

アメリカで起こっている民族大移動の実態 ──155

教科書では教えない南北戦争の真相 ──158

今後、ズルズルと続くアメリカの国家分裂──164

「プロジェクト2025」とディープステイト ──168

博奕も麻薬もなくならないが金融博奕はなくすべき ──171

第5章  キレイごとがイヤになったアメリカ人の本音

人権、平等、人種差別、デモクラシーをめぐる大分裂 ──176

デモクラシーをぶち壊したディープステイトの大罪 ──180

崩れ落ちる近代ヨーロッパの大思想 ──187

目の前に見えるもの以外信じないベンサムの思想 ──190

人間の不平等の典型例が「親ガチャ・子ガチャ」 ──192

差別はないほうがいいが、現実にはなくならない ──195

悪人でないと繁栄を作れない問題 ──197

ヴォルテールが見抜いたルソーの思想の危険性 ──200

マンガしか読めなくても日本では首相になれる ──204

踊り狂う貴族こそがフランス革命の実態 ──206

アメリカ独立宣言はジョン・ロックの文章のほぼ丸写し ──208

LGBTQとトランプ勢力の闘い ──211

第6章  トランプ側近の重要人物14人の知られざる素顔

トランプを近くで支える真のキープレーヤーたち ──218

トランプの新共和国で廃止される中央省庁 ──232

「プロジェクト2025」の冒頭の恐ろしさ ──236

保守派が考える「アメリカへの約束」 ──239

軍隊と官僚機構を蝕むリベラルイデオロギー ──244

お わ り に ──248

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おわりに 副島隆彦(そえじまたかひこ)

この本は、米大統領選挙(11月5日)の直前、5日前には出版される。だから、ここに書かれているのは著者の予言である。大きく外(はず)れたら、私の言論人としての信用が落ちる。それだけのことだ。

私は、これからいよいよ動乱(どうらん)期に入るアメリカのここまでを、克明に描いた。この本で、これからのアメリカと世界の近(きん)未来を予言すると共に、後世に残す資料性を持たせることに主眼を置いた。

 あとあと、あの時何が起きていたのかの歴史の証拠を正確に書き並べた。

トランプ大統領を、前回の2020年11月の巨大な不正選挙 rigged election リグド・エレクションで打ち倒したのは、アメリカの大富豪の連合体――これがまさしく The Deep State ザ・ディープ・ステイトである。私は、あの時の事件を克明に追いかけた『裏切られたトランプ革命』(秀和システム、2021年3月刊)を書いている。本書はその続刊である。

 トランプは、アメリカ国民の圧倒的支持(本当の支持率は73%。本書で詳述してある)がある。にもかかわらず、無理やりカマラ・ハリス(支持率26%)を勝たせるだろう。トランプは負ける。私はこの予測(予言)を半年ぐらい前からしている。不愉快きわまりないことだが、これが今の世界だ。

 (日本を含めて)先進国のたくさんの国で、選挙の大掛(おおが)かりな不正がコンピュータ・ソフトを使った投票数の移し替え(フリップ、あるいはスイッチと言う)によって行われている。しかし、このことを西側先進国では誰も言わない。アメリカのトランプ支持派は、そのことで今も怒っている。それに関する報道もほとんどない。

 この大きな事実を全く認めないで、何喰わぬ顔をしている者たちは全て悪人(あくにん)だ。悪(ワル)の側に身を売っている者たちだ。アメリカ帝国の属国である日本にもたくさんいる。

 そして今後も、トランプは無理やり負けさせられる。合衆国大統領に復帰できない。そして、そのあとアメリカ全土で、「こんなあからさまな、再度の不正を私たちは認めない。許さない」と立ち上がる者たちが、各州(state ステイト)で出てくる。

 本書で詳細に書いたとおり、アメリカ中西部(ミッドウエスト)と南部(サザン)の30くらいの州[ステイト](国家)が今の連邦(フェデレイション。合衆国)からの離脱(secede セシード)宣言を、次々と開始するだろう。そして、それらの州(国 ステイト)が団結して、アメリカ中央国(セントラル)という新しい共和国(ニュー・リパブリック)を建国するだろう。

 それに、あと4年くらいかかる。これはまさしくアメリカ動乱の始まりであり、それはやがて内乱レヴォルト[]、内戦(市民戦争[シヴィル・ウォー])となる。

この時、ドナルド・トランプが新共和国の大統領に推(お)されて就任するか、分からない。トランプはニューヨーカーであるから、テキサスを中心にした南部人(サザン・ピーポー)となじまない。トランプ(78歳)は、「私は何も間違ったことをしていない」と言いながら、堂々と引退(リタイア)するだろう。

 トランプが、今の合衆国(連邦)の大統領に復帰したくない理由がある。

それは、赤字大企業の社長に再び復帰する者は、企業(会社)が抱えている巨額の累積(るいせき)赤字のもの凄さを知っているからだ。国家も同じである。だからトランプは、本心では返り咲きたくない。社長(大統領)に復帰したら自分の肩にずしりと、その借財の処理の苦しみが即座にのしかかってくるからだ。隠してある損金も膨大である。おそらく1000兆ドル(14京[けい]円)くらいの根雪(ねゆき)となった累積赤字を、今の合衆国は抱えている。

「こんなオンボロの帝国は潰(つぶ)れてしまうほうがいいのだ」と、トランプは商売人(ビジネスマン)だから、冷静に考えている。ついでに、腐り切った何百万人もの官僚たちも一緒に滅べばいい、と。

 それらの巨額負債を引き継ぐことなく、全く新しい国を作って、そっちにみんなで引っ越せばいい。決意ある正義の人々で善人(good guys グッドガイ)のアメリカ人たちは、こうやってアメリカの国家分裂を推し進めてゆく。そして本書で詳しく解説した、新国家建設の大方針(と工程表 roadmap ロウドマップ)であるProject2025「プロジェクト2025」に従って、着々と前進するだろう。

残ったディープステイト(超[ちょう]財界人と軍産[ぐんさん]複合体とエリート官僚たち)は、そのあとに襲ってくるNYを震源地とする金融大恐慌によって、自滅するだろう。

 このようにして、あと4年で世界は大きく変わってゆく。追い詰められたディープステイト側は、計画どおりロシアと中国に戦争を仕掛けて第3次世界大戦を起こしたい。自分たちが生き延びるためである。彼らは戦争が大好きだ。それには核戦争(ニュークレア・ウォーフェア)を含む。日本の場合は、台湾有事(ゆうじ)をアメリカが仕組んで、「中国が攻めてくる」を煽動(せんどう)の標語にして、動乱状況に陥(おとしい)れる。

それに対して私たち日本国民は、「平和憲法を守る。戦争反対。核兵器を持たない。アジア人どうし戦わず」の4つの旗を掲(かか)げて抵抗する。絶対に騙(だま)されない。あいつらの策略に乗らない、という深い知恵こそが大事である。私は、このように近[きん]未来を予言(プレディクト)し、かつ対策を提言する。

 最後に。最速で企画からわずか3週間でこの本を仕上げてくれた編集者の大森勇輝氏と

祥伝社に厚くお礼を言います。

2024年10月

副島隆彦(そえじまたかひこ)

(貼り付け終わり)

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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む ←クリックすると、アマゾンのページに進みます。

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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古村治彦です。

 今回は、副島隆彦の最新刊『金融恐慌が始まるので 金(きん)は3倍になる』(祥伝社)をご紹介します。発売は12月1日です。
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金融恐慌が始まるので 金は3倍になる

 以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載します。参考にして、是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

まえがき

 この本の書名は、『ドルが没落するので 金(きん)は3倍になる』である。まさしくそのまま本書を貫(つらぬ)く私の主張である。なぜ金(ゴールド)が、これから今の3倍になるのか。しかも、それは3年後(2027年)である。その理由は、アメリカの金融市場が崩れて(コラプス)米ドルによる世界支配が終わるからだ。だから、まだまだ今のうちに金を買いなさい、という本である。

 とくに、これまでまだ一度も金(きん)を買ったことのない人は、「今すぐ買いなさい」と私は言う。それに対して。これまでに金を買ってきた人は、金(きん)1グラム=9000円(小売り)を割ったら買いなさい。金は9月の終わりから10月の初めにかけて、少し値下がりした。だから、値下がりの節目(ふしめ)である小売り(リーテイル)で9000円(卸売[おろしうり]、ホールセールスで8000円)になったら、買い増しなさい。とくに、これからは金貨(ゴールドコイン)で買い増しなさい。その買い方は、本書P28以下で、指図(さしず)します。

 金の値段(小売)は8月29日に1グラム=1万円を突破した。このあと1万円を割って、9621円(10月6日) まで下がっている。だが、大きくは、すでに達成された1グラム=1万円(小売)の大台は維持されて基調は変わらない。10月26日には1万0569円の高値を付けた。いくらアメリカ政府(米財務省とFRB)とゴールドマン・サックスが結託(けつたく)して、米ドルの信用を守り抜くために、金(きん)への憎しみを込めて、金(きん)の先物市場(ペイパー・ゴールド。証券化された紙キレの金)を使って、NY先物(さきもの)市場(フューチャー・マーケット)で金(きん)の値段を、必死で上から叩いて押し潰(つぶ)すとしても、もう、そろそろ限界に来つつある。

 現在の世界の金融・経済は、もう何が起きてもおかしくはない。それぐらいの激しい変動期に入っている。

 表面上は、金融市場(株(ストツク)と債券(ボンド)と為替(FX)など)は今も穏やかに、大変化は起きていないように見える。いや、そのように見せかけている。だから、世界の足元の地盤(グラウンド)はしっかりしているように見える。だが本当は、アメリカを中心にしてかなりぐらぐらとしている。これを loose the ground(ルーズ・ザ・グラウンド) という。地盤が崩れつつある。

 比較相対的(comparatively[コンパラテイヴリー])に、日本は大丈夫である。なぜなら、ここまで30年間、日本はずっとヒドい不況と不景気(これがデフレ経済)で痛めつけられて、日本の国民生活はヒドい貧乏状態を続けてきた。だから、日本は足腰がしっかりしているのである。目下(もっか)の世界を吹き荒れる、金融恐慌と大戦争(核戦争(ニユークレア・ウオーフエア)を含む)の予兆と恐怖が押し寄せても、日本国民は、さらにじっと我慢して、この大混乱期を乗りこえるだろう。

 私はこれまでずっと当たり前のことを書いてきた。私はこの生き方の態度を変えない。この26年間、自分が書いてきた本たちで、ずっと「金を買いなさい。必ず上がるから」「アメリカ発の金融恐慌になる。アメリカは、世界覇権(ワールド・ヘジエモニー)を失う」と、ずっと書いてきた。1998年6月に出版した『悪(あく)の経済学』(祥伝社刊)から、ずっとである。

 このことで私は、自分の主張が26年間まったく変わらないことを確認できる。あの26年前の1998年ごろは、金1グラムは1200円であった。だから1キロの延()べ板で120万円だった。それが26年後の今、1グラム=1万100円になったので、1キロ=1000万円である。8・4倍である。これ以上は、私は自分で自分を褒()める言葉を使わない。自惚(うぬぼ)れでものを言う奴を、人々は軽蔑するからだ。すべては、冷静な客観的事実(オブジェクティブ・ファクト)で判定される。

 この私が、これから3年後には、金1グラムはさらに実質3万円(小売)になるだろうと書くのだから、皆さんは私の主張に耳を傾けるべきだ。

 もう、私の、この一見(いっけん)、傲慢(ごうまん)な書き方に、書評(ブックレビュー)で悪罵(あくば)を投げる者はいなくなった。金融の専門家を名乗る人々を含めてだ。「副島、ハズレー」と以前書いた者たち自身が、ハズレーの人生を歩んでいる。

 どうやらウクライナでの戦争は、ロシアの勝ちのようである。日本国内では今もテレビ、新聞を始め、「ウクライナ軍が勝利、前進をしている」という報道がまだずっと続いている。まともな知能と判断力を持つ人ならば「あれ、おかしいなぁ。ロシアと中国がそんなに負けているようには見えない」と思っている。この感覚と判断が正しい。私たちは、日本国内の、嘘だらけの洗脳報道に騙(だま)されないようにしなければいけない。あいつらはアメリカの手先たちだ。

 アメリカ政府は、もうほとんど金(きん)を持っていない。貿易決済(ぼうえきけっさい)用に金(きん)を全部使ってしまった。これまでずっと公表されてきた8200トンは、ほとんど無い。ケンタッキー州のフォート・ノックス米陸軍基地の洞窟(どうくつ)にあるFRB(NY連銀[ニューヨークれんぎん])の金庫は、ほぼスッカラカンである。ただし、アメリカの金持ち層は、イーグル金貨(コイン)(アメリカの国章である白頭(はくとう)ワシの絵が刻印されている)を中心に、金(きん)を持っている。

 この本では、その他いろいろの金融市場の数値や金融理論を使いながら、ドルによる世界支配がもうすぐ終わることを証明していく。

 私の本の書き方は、横綱相撲である。私は今さら、私と対立する主張をする者たちを大技(おおわざ)で投げ飛ばすことはない。投げ飛ばすと自分の体にも打撃が来るからだ。それよりは、ぐっと両手で相手を押さえて、じりじりと押してそのまま土俵を割らせる。これが横綱相撲である。そろそろ、周(まわ)りの人たちからもそのように見えるだろう。

副島隆彦

=====

まえがき

1章 金(きん)の値段は3倍にハネ上がる

● 金は再高騰して、1グラム=1万4000円へ

● なぜ「売り」と「買い」の差額が、わずかなのか

●「野口(のぐち)コイン」を勧める

● 金貨〝ヒロヒト・コイン〟の謎

● 買取業者に注意せよ

● その古い金貨(アンテイーク・コイン)は本物か

● 金1グラムが、いくらになったら買い時なのか

● 金・ドル体制が終わる

●「金〝資源〟本位制」が世界規模で誕生する

● 米ドルは世界の基軸通貨ではなくなる

2章 世界で「脱ドル化(デイー・ダラライゼイシヨン)」が進んでゆく

● 世界の中心が、欧米から貧乏大国同盟に移ってゆく

● 脱ドル化(ディー・ダラライゼイション)が世界で進む

● 2024年、BRICS新通貨(BRICS債券)の誕生

●「アメリカの副島隆彦」は何を書いたか

● 世界中の有識者たちが震え上がった

●「ドル覇権(ヘジェモニー)の崩壊」が始まる

● 米国務長官と財務長官は、なぜ慌(あわ)てて中国へ行ったのか

● だから金は、3年後、3倍に跳()ね上がる

3章 金利(イールド)の上昇から不景気(リセツシヨン)突入へ

● 造幣局の職員が金貨を売る

● 中央銀行は、財務省の振り出す国債を引き受けてはいけない

● 近代経済学(アメリカ計量経済学)の滅亡

● 属国・日本は耐え続ける

● 米国債の利回りが上昇している。要注意だ

● 格下げされた米国債

●「利回りの上昇」から「景気後退」を予測したアナリスト

● リスク資産(株式)の暴落が起きるだろう

● 日本はインフレではない

● アメリカ人のバブル不動産投資は止まらない

● 不況入りの条件が整った

● なぜ実質金利(リアル・イールド)が重要なのか

● 住宅ローン金利は、日米でこれほど違う

● 株価だけが異常に高い2社

● リセッション(不景気突入)は、いつ来るか

4章 お金も腐る

● 中古品が投げ売りになって、モノが腐る

● 銀行が買った日本国債を日銀の口座に寝かしておくと……

● 危ない銀行と健全な銀行

● 米地銀、連鎖破綻の真相

● 債券市場(ボンド・マーケツト)が恐ろしいことになっている

● 次のシリコンバレー銀行(バンク)はどこか

● SBI新生銀行を中心に、日本の地銀の再編が進む

● ますます世界で「脱ドル化(デイー・ダラライゼーシヨン)」が進む

5章 半導体の先端技術で読むこれからの世界

● ファーウェイの最新スマホ「Mate(メイト) 60」の衝撃

● 半導体の「6分野」を説明する

●「線幅2ナノ」の技術競争に中国企業が加わった

● TSMCとトヨタとソニーの関係

● 日本のロジック半導体で起きた〝問題〟とは

● 量子コンピュータを世界で初めて開発した日本人

● アメリカが日本の半導体メーカーを潰した

● 私は日米半導体戦争の動きを見続けてきた

● 東芝はNAND型フラッシュメモリーの発明者を冷遇した

● キオクシアとWD、経営統合の裏で……

● 中国の技術がアメリカを凌(りよう)()する

● 中国が主導する世界最先端企業連合

●「台湾有事」と騒ぐな

● アップルの製品は、ほとんど中国製だ

● GAFA+Mの「土台」となる半導体企業が重要だ

● ナノチップ製造に必要な露光装置

● NAND型について、副島隆彦が説明する

あとがき

巻末特集

半導体の新技術で

大成長する15銘柄

=====

あとがき

 この本を書き上げて、私の頭の中ではっきりと纏(まと)まったのは、私が作った「お金も(退蔵[たいぞう]していると)腐(くさ)るのだ」理論である。これは、経済学理論としてきわめて斬新(ざんしん)なものであり、おそらくこれまで誰も提言しなかった。私はすでに、アメリカ理論経済学(近代経済学(モダーン・エコノミツクス)の現代版)は、学問(サイエンス)としては死んで絶滅した、という本を1冊書いている。『経済学という人類を不幸にした学問』(日本文芸社、2020年刊)である。

 アメリカ帝国の〝衰退と没落(フォール・ダウン)〟が誰の目(頭)にも明瞭になって来た。それは世界政治の勢力論としてだけでなく、金融・経済の領域では、米ドルによる世界一局支配が一気に崩れつつあることからも分かる。世界貿易の決済通貨としての米ドルの比率は、もうすぐ50パーセントを割るだろう。

 英と米がウクライナ戦争を用意周到に、虎視眈々(こしたんたん)と仕掛けて、ロシアのプーチンを罠(わな)に嵌()めようとした。ロシアルーブルを国際送金決済システム(SWIFT[スウィフト])から遮断(しゃだん)し、追放した(2022年2月)。そのことで、かえって、現在も続く金ドル体制(およびドル石油体制)が動揺し、打撃を受けた。そして中東産油諸国(アラビア、イスラム圏)が、アメリカの支配から脱出しつつある。このことによく表われている。

 私が本書で唱導(しょうどう)する「お金(マネー)も腐(くさ)る」論は、米ドルという通貨(カレンシー)の信用崩壊は、その背後にある「10年物(もの)米国債の暴落」という債券市場(ボンド・マーケツト)で長期金利がハネ上がってゆくことが、今のアメリカの最大の危機であり、もうすぐ金融(および財政)危機(マネタリー・アンド・ファイナンシャル・クライシス)が起きる必然を洞察(どうさつ)したことである。

 ここで「金利が上がる」とは、中古の(既発債の)国債市場で、実質利回り(リアル・イールド)real yield)の下落が、市場関係者たちの、目下の最大の恐怖の的(まと)であることを、本書で描き出したことにある。これが「お金も(放っておくと)腐る」理論として、私の頭の中で結実した。

 本書書き上げの伴走は、いつものとおり岡部康彦氏にお願いした。コロナ・ウイルス騒ぎとワクチンという、これもアメリカが仕組んだ日本民族抹殺計画に、身をもって自分の体の痛みに耐えながら、この本は成った。記して感謝します。

2023年11月

副島隆彦

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 今回は、副島隆彦先生の最新刊『金融暴落は続く。今すぐ金を買いなさい』(祥伝社)をご紹介します。発売日は2022年11月1日です。
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金融暴落は続く。今すぐ金を買いなさい

 以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載します。参考にしていただき、手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

まえがき

 この本で書く一番大事なことは、以下の事実である。

 実は金(きん)の価格が、世界値段では、ものすごく値上がりしているという事実である。金は、実はロシアをはじめBRICs(ブリツクス)諸国では、1オ(ウ)ンス( once 31・1グラム)で、2700ドルである。これの日本円での価格は、ちょうど1グラム=1・2万円である。金はもう1グラム=1万円を超えているのだ。

 ところが、私たちが今、日本国内で金(きん)を買おうとすると、1グラム=8600円ぐらい(田中貴金属の小売値段)である。安い。100グラムの金の小さな板だったら86万円である。1グラムあたり、世界値段と3400円の差が出ている。

 いったい何が起きているのか。

 ただし私が「世界値段」と書いたのは、ロシア政府が6月に、「金1グラムを、=5000ロシアルーブルとする」と決めて固定したからである。この固定値段を、フィックスト・プライス fixed price と言う。ロシア中央銀行は、世界に向かって、金の地金(じがね)を持参した人にこの値段で買い取ると発表した。だから前述したように、日本円なら1グラムを1万2000円なのである。現在「1ルーブル=2・4円」である(図表を参照)

 だが日本人は、1キロの金の延()べ板(いた)を(自分の)ポケットに入れて、モスクワに飛行機で飛んでいくわけには、そう簡単にはいかない。

 今、日本の金券ショップ(古物商の認可だけ)では、金(きん)1グラム=8460円とかで買い取っている。いわゆるバッタ屋と呼ばれる「おたからや」や「大(だい)(こく)()」のような業者が、どんどん金を買い取っている。それらの金(きん)は、いったいどこに行くのか。興味津々(しんしん)である。

 まさか日本の暴力団とロシアのマフィアが組んで、北海道の漁民たちの漁船で、いつもはタラバガニやシャケやウニを、半分非合法で買い取っている、その船でロシアに金の地金(ゴールド・インゴット)を持ち出しているか分からない(笑)。

 このように金の値段はどんどん上がっている。アメリカは、自分のドル体制とドル紙幣を守りたいから、憎(にく)き金の価格をニューヨークやシカゴでたたき落している。貴金属の先物(さきもの)の市場で、金ETF(イーティーエフ)という仕掛けを使って、たたき落している。政府自(みずか)ら、こんなみっともないことをしている。

 アメリカ政府(NY連邦銀行が係)は、公表している8300トンの金を、もうほとんど持っていない。すっからかんなのだ。だから金が憎らしくて憎らしくて仕方がない。

だから、この本の読者になってくれる皆さんは、金の価格は、これからもっと2倍、3倍になってゆくのだという私の考え(近未来への予言)を信じてください。

 この本の第1章から、このことをガンガン書いていきます。

 ここまで書いたとおり、金(きん)は次第に世界値段のほうに近寄ってゆく。だから、日本国内でも1グラム=1万2000円になる。わざわざ金の延()べ板(いた)を、暴力団に頼んでロシアに持ち出さなくても(笑)、手持ちの金を黙ってじっと持っていればいいのである。

 だから、まだ金(きん)を買ったことのない人は、今からでもいいから金を買いなさい。あなたの旧(ふる)くからの友だちで、金を1グラム2000円とか、3000円で買った人たちを妬(ねた)んでばかりいないで。決心して買いなさい。もうすぐ買えなくなる。だから私はこの本の表紙に、表題(タイトル)に「今こそ金を買いなさい」と打ち込んだ。

 すでに金(きん)を買ってたくさん持っている人たちは、新たな金融制度の大変動(新円切り替えのリデノミネーション)が起きたときに、さらに金の値段も上がるのだが、そのときどのように売るかは前の本で書いた。「それは何ですか、教えてください」という人は勉強が足りない。人が儲かったことを妬(ねた)んで羨(うらや)んで嫉妬(しっと)してばかりいないで、自分で動きなさい。

副島隆彦

=====

目次

まえがき

1章 金は〝世界値段〟に近づいてゆく

● 金の世界値段は1グラム=1万2000円

● 値段の格差を、どう埋めてゆくか

● 米政策金利はどこまで上げられるのか

● 金利の上げ下げは政府の武器

● 危険な相場と国家自身が張る金融バクチ

● アメリカに迫り来るバブル崩壊

● 危険な債券市場に手を出すな

● 債権()と債券()の違い

● 年金が半分に減らされる!?

● 本当の円とドルの力を「購買力平価」で見る

● 中国人が日本のワンルームマンションを買う理由

● 私たちは、生きてゆく

2章 金融暴落は続く

● 連鎖する大暴落

● 自分で自分に借金をしている

● 2023年末、NY発の大恐慌突入

● ウクライナ開戦と同時期の金融緩和

● 〝日本売りの仕掛人〟は、なぜ負けたのか

● なぜ円安が進んだのか

● ミセス・ワタナベの勝利

● リーマン・ショックの再来

● ドルペグ制の仕組み

● 英ポンドを暴落させたジョージ・ソロス

● 米国債の秘密

● 中国が米国債を売れば、アメリカの金融市場は崩壊する

● 米国債を売らせない法律とは

3章 世界恐慌突入は2024年

● 世界経済体制が変更される

● アメリカを襲う不動産バブル

● ノンバンクがふたたび暴れる

14年前、リーマンは人身御供にされた

● 資本主義の原理を政治力でゆがめた

● 2024年、大恐慌突入の序曲

● 日本の不動産を買う中国人や韓国人たち

4章 賢く金を買う

● 金の値段をどう読むか

● 金の売り方と金券ショップ

● 金券ショップが買い集めた金は、どこへ行くのか

● 自分の金は倉庫業者に預けなさい

● なぜパラジウムは値上がりするのか

● プラチナの可能性

● ソフトバンク、5兆円赤字決算の原因

●「アリババへの投資を5分で決めた」は本当か

● QRコードで成長するPayay

● 新生銀行買収と北尾吉孝

● テレビ朝日買収騒動と孫正義の黒幕

●「評価」と「再評価」は違う

5章 資源〝貧乏〟大国が台頭する

● 仮想通貨を買ってはいけない

● ロシアルーブルは強い

● 金本位制が復活する

●「8515」の時代

● 人民元がルーブルと結合した

● SWIFTからCIPSへ

附章 安倍晋三暗殺の真実

● 統一教会への組織解散命令

● カルトとは何か

● 副島隆彦も命を狙われた

●〝安倍処分〟を世界最高度で決定した者たちの実名

あとがき

=====

あとがき

 この本を書き終えて、つくづく思う。

 私は、この「エコノ・グローバリスト・シリーズ」25冊を毎年1冊、1998年から書いて出版し続けてきた。

 四半世紀が経()って、まさしくエコノ・グローバリスト econo-globalists たち、すなわち「経済面の地球支配者」たちが滅びつつある。彼らの現在の通称(つうしょう)は、 the Deep State(ザ・ディープステイト) である。

 際限なく(リミツトレス)刷って世界中に垂れ流したドル紙幣が、およそ100兆ドル(1・4京[けい]円)ある。それと貸借(たいしゃく)を取っている米国債の無制限の大増刷が、もはやこれ以上は許されない時代になりつつある。

 なぜならロシアのプーチン大統領が、今年の4月から、ロシア産天然ガスはルーブル通貨でしか売らない、と宣言した。それと同じくして、金(きん)を固定価格(フイツクスド・プライス)にして、「金1グラム=5000ルーブルでロシア中央銀行が買い取る」とした。これで実物資産(タンジブル・アセット)に裏打ちされたお金しか通用しなくなる。

 欧米白人文明のG7(ジーセブン)体制に対決して、中国とロシアを先頭にした非白人の貧乏〝資源〟大国による〝新興国(ニユー)G8〟の連合が出来上がりつつある。「15(欧米):85(その他)」の世界である。

 このことを本書でずっと説明した。

 本書も祥伝社(を定年退職した)岡部康彦氏と、熱海の寓居(ぐうきよ)で寝泊まりして完成させた。記して感謝します。

 私たちは四半世紀、幾山河(いくさんが)を渡ってここまで来た。私は自分の命が尽きるときまで、このシリーズを書き続ける。

2022年11月

副島隆彦

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。
副島先生新刊書影

金とドルは光芒を放ち 決戦の場へ (単行本)

 今回は、副島隆彦先生の最新刊『金(きん)とドルは 光芒(こうぼう)を放ち決戦の場へ』(祥伝社、2020年11月)をご紹介します。発売は2020年11月1日です。以下にまえがき、目次、あとがきを貼り付けます。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(貼り付けはじめ)

まえがき

 金(きん)の値段が、私が予測(予言)したとおり、この7月に大きく上昇した。

 私の言うことを聞いて、今年の5月にさらに金を買い増した(あるいは買い直[なお]した)人たちまでは大きな利益を出した。他の人たちのことは知らない。人それぞれがすることだから、千差万別(せんさばんべつ)である。

 人々の金銭欲望はすさまじい。「あのとき(手持ちの金[きん]を)売らないで、ずっと持っていたら今ごろ1億円になっていた」、「副島先生の言うとおり、金を早めに買い戻しておけば儲(もう)かったのに」と、悔やんでいる人たちの話は私の耳に入っている。

 私は一体、こういう欲ボケ人間たちのために、ずっと自分の金融本を23年間も書いてきたのか。きっとそうだ。誰でも分かるとおり、私は〝金買(きんか)え評論家〟であるから、みんなの期待を裏切ってはいけない。ただし、私の本を買って読んでくれる人たちだけの世界のことである。今ごろ急に、初めて私の本に近寄ってきて「金(きん)を買っておけばよかった」と言う人たちのことなんか知らないよ。

 でも私は、今年、降って湧いたコロナ馬鹿(ばか)騒ぎの中で、店のドアをそっと開けて入ると中にお客がたくさんいるレストランのオヤジ(経営者)のような気持ちで、ずっと金融本を書いてきた。朝、シャッターをガラガラと開けながら「今日は何十人、客が来るかなあ」と空の天気を見ながら、その日の仕入れや算段(さんだん)を立てている店主と、まったく気持ちは同じで、もの書き業をやっている。

 この半年間で私が一番大事だと思うのは、4月27日に、日銀・黒田東彦(くろだはるひこ)総裁が、「(市場から、いや本当は日本政府から)国債を無制限に購入する。必要なだけいくらでも買う」(新聞各社が報道)と言い切ったときだ。このことは1章で論じるが、こんな「いくらでも買って、お札(さつ)(現金、日銀券)を渡す。だから、財投債(ざいとうさい)でも大企業の社債でもCP(シーピー)(コマーシャル・ペーパー)でも、いくらでも持ってこい。無利子・無担保で、無制限に買ってやる」と言ったのである。このことの重要性を、ちょっとでも頭のしっかりした人は本気で考えなければいけない。

 日本経済に大変なことが起きている、という自覚がないなら金融や経済のことを考える資格も知能もないということになる。金融や経済の専門家ぶって、偉そうなことを言っているんじゃない! 世界の時流(じりゅう)に乗ってMMT(エムエムティ)(現代金融理論)に嵌()まるしかない若手の経済学者たちへの対応は、本書ではあまりできなかった。だが、彼らの国家社会主義[こっかしゃかいしゅぎ](ムッソリーニ主義)への危険な道を、私は見抜いている。

 CPというのは、例えば三井(みつい)物産や大成(たいせい)建設の本社の資金部が、ガチャンガチャンと、約束手形(プロミサリー・ノート)の用紙1枚に、2000億円とかを打ち込んで、そのまま日銀に持ち込むということだ。ただの約手(やくて)だ。そうしたら無審査で、手数料ただで、2000億円の現金が大企業の口座に振り込まれる、ということだ。民間銀行だったら、日銀に有()る自分の口座に自動的に付け替えられる。これが〝無利子(ゼロ金利)・無担保〟の時代だ。企業財産に抵当権を付けられることがないということなのだ。

 こんな恐ろしく馬鹿げたことを、米、欧、日の先進国の〝ダンゴ3兄弟〟はやっている。それを今や堂々と、恥ずかしげもなくやっている。中堅企業や中小企業であっても、県の財政局に「助けてください。資金繰(しきんぐ)りができない」と言いさえすれば、無利子・無担保で5億円ぐらいはすぐに下()りる。

 私は何も憂国(ゆうこく)の士()ぶって、現世(げんせ)を嘆き悲しんで、悲観して屈原(くつげん)が汨羅(べきら)の淵(ふち)に身を投げた、というようなドラマチックを装(よそお)わない。さっさと行くところまで行けばいい、と冷ややかに見ている。

 たった従業員5人、10人の製造業や流通業にも、無利子・無担保で7000万円の県の融資が下りたようだ。「そのお金で先生。オレは金(きん)を買ったよ。何に使ってもいい(使途[しと]を問わない)と言われたからさ」と聞いて、その社長と私は2人で笑った。世の中こんなもんだ。「まあ、5年で(元本[がんぽん]だけ)返せばいいんだから。その間に金(きん)がグーンと上がれば、我が社は儲かるよ」と言われた。「先生の予言は大丈夫でしょうね」と念を押された。私はギクッとしたが、今さら後(あと)には退()けない。ただ、「法人買()いの場合は、危ないから、急激に値上がりしたところで手放しなさいよ」と忠告した。

 私はこの本で、金(きん)を社長、経営者が、個人ではなく法人(会社、企業)でも買う、という人たち向けにも初めて書く。私が何も威張(いば)っているわけではないと分かるでしょ。

 もうすでに金融評論家たちは全滅していなくなった。金融や経済の本は、もう書店に並んでいない。私には競争相手がいない。自分の客(読者)になってくれる人たち相手に、さらに本当のことをガリガリ書くだけである。

副島隆彦

=====

目次

まえがき

1章 目先の目標は、金1gグラム 1万円だ 

金は1グラム8000円近くまで上がった 

日銀は730トンあるはずの金を、手元に持っていない 

2024年に金融体制の大変動が起きる 

金とドルは、4年後の「決戦の場」へ 

ゴールドマン・サックスが受けた打撃 

金は5倍に値上がりする 

円ドル相場の歴史から分かること 

金を売るときの課税はどうなるのか 

今の株価は吊り上げ相場である 

アメリカ(FRBと財務省)も日本(日銀)も資金を無制限供給 

1オンス=2300ドルという予測 

MMT理論と「ベイシック・インカム」が結びついた 

アメリカの世界支配の終わり 

2章「金の取引停止」が迫っている 

これからの金の値段 

「リデノミ」は金にどんな影響を与えるか 

アメリカで金の取引が禁じられた歴史 

ヘッジファンドの主宰者が警告する「金が買えなくなる動き」 

金地金と金貨が足りない 

飛行機で現物を運べば大金が稼げる 

金先物もの市場は崩壊する 

法人で金を買う 

税務署が嫌がることとは 

「客が選別される時代」が始まった 

金きんの代替物としての銀

金貨(コイン)も買う 

もはや不動産は優良なものしか資産にならない 

3章 国に狙われる個人資産 

バフェットはなぜ金鉱山の株を買ったのか 

「中間業者」に金を売る 

財産税が狙う国民の個人資産 

国の標的は小金持ち層(資産家)だ 

世界の中央銀行3つの「資金の動き」が分かる 

米、欧、日で〝資産総額〟は2400兆円! 

金融秩序が破壊される 

「バーゼル・クラブ」の秘密 

4章 次の株価暴落を予言する 

これから株価はどうなるのか 

10年の「輪切り」で日本の株価を考える

金融大変動の〝法則〟が見えてきた 

巨大バブルのあとの30年間、日本はデフレのままである 

HFT(超高速取引)も追いつけない暴落が来る 

「GAFA+M(マイクロソフト」の動き 

ソフトバンクグループの株投資の限界 

MMT理論の源流はミルトン・フリードマンである 

ファシズムの復活 

人類を不幸にした経済学 

5章 国民を一元管理する菅政権 

菅義偉政権はどこへ向かうか 

私が1年前に予言したこと 

日本の首相はアメリカが決める 

首相の背後にいる男 

悪の思想と秘密結社 

国民を一元的に管理して飼い殺しにする政策 

コロナ対策という〝ショック・ドクトリン〟 

世界の動きを読む 

中国はコロナを「迎撃」した 

あとがき 

巻末特集 金融恐慌にも動じない鉱物資源株25

=====

あとがき

 金(きん)の値段が、今年3月に、1オンス(31・1グラム)1500ドルから、2000ドルまで上がった(P17のグラフ参照)。今は1900ドルぐらいだ。これが1800ドルを割るようなら直ちに買い増し(ヽヽヽヽ)なさい。と言われても、何のことだか分からない人が今も大半だ。

 それなら、日本円で金(きん)の「国内小売(こうり)価格」が1グラム5000円から8000円近くまで行った。今は7200円ぐらいだ(P5のグラフ参照)。これが1グラム7000円(小売)を割るようだったら、急いで買い増ししなさい。

 これなら分かるだろう。ただし、卸売(おろしうり)(業者間[かん]での値段)は、これから1グラム700円を差し引いたものだ。だから、現在は、1グラム6500円である。

 こう書くと、もう分からなくなる。私は今や〝金買(きんか)え評論家〟であるから、どうやって人々に「金の買いどき、売りどき」を説明するか、で苦労してきた。ちょっと難しいことを書くと、もう読者は分からなくなる。わかったふりをして読み飛ばす。それでもP5などのグラフを見ると、それだけで、金(きん)の値動きが一目瞭然で分かる。そのとき私の説得はホントウ(真実)なのだと分かる。ここに私の本を読む効用がある。だから買って読みなさい。ネットでチャラチャラ、金融情報を拾い読みしてもダメです。それだと思考に体系性(システム)を獲得できない。

 私は、今も、一体どこまで分かりやすく書いたら、皆にこの世の大きな真実を分かってもらえるかで、苦心惨憺(さんたん)している。もの書き業の苦しさは、一旦(いったん)世に出たあとは、このことに尽きる。もうプロのもの書きになって36年になるが、今もこのことで嫌(いや)になるほど苦しんでいる。いくつになっても、人生、楽になるということがない。人(ひと)それぞれの苦しみがあるだろう。

 私は、自分の書く本の客(読者)になってくれる人たちのために頑張り続ける。それ以外の目標はない。この世の隠された真実を暴き立て人々に知らせること。これ以外に私にはすることがない。ただし、その真実は、「世の中(世界)の大きな枠組(わくぐ)みの中の真実」を表(おもて)に出すこと、でなければならない。私の苦闘はあと暫(しばら)く続く。

 この本も祥伝社の岡部康彦氏の手を煩(わずら)わせた。社長になった辻浩明氏から「本を書いてくださいよ」と頼まれたのが1997年だったから、今年で23年になる。この本の表紙に「エコノ・グローバリスト・シリーズ23」と打ち込んでいるのは、この本が23冊目であることを示している。頭はまだ大丈夫だが、体のほうにガタが来()始めた。何とかこれを修理しながら、時代に合わせて前に前に進まなければ(マルシオン、マルシオン)ならない。記して感謝します。

2020年10月

副島隆彦

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 副島隆彦先生の最新刊『米中激突恐慌』が発売されます。以下にまえがき、目次、あとがきを貼り付けます。参考にして、お手に取ってお読みください。よろしくお願いします。

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米中激突恐慌-板挟みで絞め殺される日本 (Econo-Globalists 22)

(貼り付けはじめ)

まえがき

この本を書き上げた直後(9月30日)、私はヨーロッパから情報をもらった。名門ドイツ銀行(ヨーロッパ最大の民間銀行。ドイツの中央銀行[ブンデスバンク]ではない)が破綻(はたん)する。ヨーロッパに金融危機(フアイナンシヤル・クライシス)が起きる。日本円は、激しく円高になる。1ドル=100円を割って80円、60円台になるだろう。

ヨーロッパ(EU)とアメリカ(トランプ政権)の貿易戦争(トレイド・ウオー)も始まった。制裁関税のかけ合いだ。欧米白人文明の内部分裂が起きている(10月2日)。

(きん)が、この6月初めから急激に上がりだした。

1トロイオンス(31.1グラム)が1560ドル(9月4日)まで上がった。日本の国内の価格では、1グラムが5300円(9月5日。卸値[おろしね])になった。「金(きん)を買うように」と、ずっと勧(すす)めてきた私の考えの勝利である。このあと、金(きん)はもっと上がってゆく。これまで金を買ったことのない人は、今のうちに金(きん)の地金(じがね)を買ったほうがいい。長い目で見て、金はもっともっと上がる。今の2倍になる。第2章で、これからの動きを詳しく予測する。

あと一度、下(した)()し(下落)したら、そこでサッと拾い(買い)なさい。

株価は、NY(ニユーヨーク)でも日本でも、最高値を更新しつつあるように見えた。だが、もうすぐ暴落が起きる。いくら上がっていると言っても、ジェットコースターと同じで、急降下する。この動きを2カ月周期で繰り返す。今の世界の金融市場は、きわめて不安定である。

このことを投資家、資産家、企業経営者は、肌身(はだみ)でよく分かっている。私たちは注意深くならなければいけない。常に慎重になって、用心しなければいけない。調子に乗って、また大損して痛い目に遭()うのは自分だ。ただし、生来(せいらい)の博奕(ばくち)打ちの才能のある人は別である。彼らは瞬時(しゅんじ)に動く。そうでないと、勝ち残れない。そういう人々は、私の本から世界の金融の動きの知識と情報だけ、取って行ってください。

この本では、米と中が、防衛(軍事)と金融経済の両面でぶつかることで、世界が不安定になって、金融恐慌が起きることをずっと説明してゆく。

アメリカと中国が貿易戦争(トレイド・ウオー)(ハイテク、IT[アイテイ]戦争でもある)で激しく衝突するたびに、NYや東京の株価が落ちる。そのせいで、世界中が不安定だ。このことを投資家や資産家が、心配して動揺している。自分の金融資産や投資した資金が、安全に守られるか、という根本的な不安を抱えて、そのことを口に出し始めている。

「株や債券の値下がりを見越して、先物(さきもの)の売りで儲けを出そう」とか、「金(きん)の地金(じがね)が値上がり出したので、そっちに短期間だけ資金を移そう」とかいう、安易な考えはダメだ。どうも、アメリカを中心にした戦後76年目の、世界金融体制(金・ドル体制。ブレトンウッズ体制)の崩壊、終わりが近づいている。そのことを投資家や資産家が、肌合いで敏感に感じ取っている。

私は最近、彼らから、直接の苛立(いらだ)ちや訴えを聞くようになった。彼らの、投資家としての動物的な勘(かん)から来る不安に対して、私はどのような理論と対策を立てることができるか、を真剣に考えている。

米と中が、世界覇権(ワールド・ヘジェモニー world hegemony )すなわち、世界の支配権をめぐって激突している。これが今の不安定な金融市場の大きな原因である。この本の英文書名に載()せたとおり、" The US‐China Hegemonic Cold war "「ザ・ユーエス・チャイナ・ヘジェモニック・コールド・ウォー」である。それは去年(2018年)3月に、貿易戦争(トレイド・ウオー)の火ぶたが切られたときからだ。米トランプ大統領が、先制攻撃(プリエンプテイブ・アタツク)で先に手を出した。

「もうこれ以上、中国を放っておくことはできない」と。さあ、それでだ。この戦いは、アメリカと中国の、果たしてどちらが勝つか。

日本国内では、今もなお、保守的な資産家や投資家、企業経営者たちは、「絶対に、アメリカが勝つ」と固く信じている。「やっぱりアメリカは強いんだー」と威勢よく言っている。だから、彼らは「NYや東京の株は、まだまだ上がり続ける」、そして「円ドルの為替(かわせ)相場は、強いドルが続くので、1ドル=130~140円の円安ドル高になる」と予想している。そういう人が多い。果たしてそうか。

私、副島隆彦の本の読者であれば、もう少し深い知恵に基づく、別の見方をする。このことをずっと、この本で説明してゆく。

副島隆彦

=====

目 次

まえがき

第1章 「米中激突 恐慌」と日本

●中国に対する、アメリカ国民の切迫感とは

●なぜトランプは「2人の主要閣僚」を叱りつけたのか

●市場を直撃した大統領のトゥイッター

●消費税10%で日本の景気はどうなるか

●ジェットコースター相場で、下落(11月)上昇(12月)暴落(2020年1月)

●反中国の「フォアマン・レイバラー」とは何か

●〝スプートニク・ショック〟の再来

●アメリカ人は中国への親近感を抱き続けてきた

●これからの株価を予測する

●トランプの「(政策)金利を下げろ」は正しいのか

●逃げ場がなくなる先進国

●2024年、先進国の財政崩壊(フィナンシャル・カタストロフィー)が起きる

●中央銀行総裁と財務長官の違い

●トランプは、アメリカの隠された大借金を無視できない

●「強いドル」の終わり

●恐るべき中国のプラットフォーマー

●銀行が消滅する時代

●日本が買わされたのは、トウモロコシだけではなく大量の兵器

第2章 今こそ金(ゴールド)を握りしめなさい

●金(きん)を買う人、売る人が増えている

●あと2年で金(きん)1オンス=2000ドルに

●世界金価格を決めるのは上海とロンドン

●ウソの統計数字に騙(だま)されてはいけない

●中国とロシアは、米国債を売って金(きん)を買った

●最後の買い場がやってきた

第3章 米中貿易戦争の真実

●米と中の冷戦(コールド・ウオー)はどのように進行したか

●ファーウェイ副社長の逮捕と、中国人物理学者の死

●トランプを激怒させた中国からの政府公電

●「アメリカ政府による内政干渉を許さない」

●なぜトランプは折れたのか

●李()(こう)(しよう)になぞらえられていた劉鶴

●対中国制裁関税「第4弾」の復活

●妥協派と強硬派――アメリカ国内が分裂している

●米国のIT企業とファーウェイ

●アメリカに敗北し続けてきた日本

第4章 米国GAFA 対 中国BATHの恐るべき戦い

●アリババ(BATHのA)の金融商品が与えた衝撃

●追い詰められたアップル社

●トランプはアメリカ帝国の墓掘り人になる

●アリババの歴史と全体像

●7000倍の資産膨張

●貿易戦争からハイテク戦争、そして金融戦争へ

●「中国の手先」と非難されるグーグル

●ホワイトハウスに呼びつけられたグーグルのCEO

●未知なる最先端の何ごとかが進行している

第5章 金融秩序の崩壊

●日本が買わされている米国債の秘密

●ECB総裁が「恐慌突入」を認めた

●2024年、10000円が1000円になる

あとがき

=====

あとがき

この『米中激突 恐慌』は、表紙に打ち込んだとおり、 Econo-Globalists 「エコノ・グローバリスト・シリーズ」の22冊目である。よくもまあ22年間も、私は金融本を毎年、書き続けて、生きながらえたものだ。我ながら感心する。

 この本を書き進めながら、第4章に入ったところで異変が起きた。私の脳にひらめきが起きた。第3章までは、まあ私のいつもの金融と経済(そしてそれを世界政治の動きから見る)の、どぎついあれこれの洞察(どうさつ)である。

第4章に来て、私は急に一気に、高いところに到達した。問題は、米と中の貿易戦争が、IT(アイテイ)ハイテク戦争に姿を変えたことではなかった。現下(げんか)の貿易戦争は、本当は金融戦争だったのである。すでに5(フアイブ)(ジー)の世界規準を握った中国ファーウェイ(華為技術)社をめぐるあれこれの抗争と、米中政府間(かん)の激突ではなかった。問題は、ファーウェイではなく、アリババ(及びテンセント)だったのだ。アリババが先駆(せんく)して握りしめた、スマホ決済と与信(金融)、さらには預金機能(金融商品のネット販売だ)が、世界の金融体制を根底から覆(くつがえ)しつつある。まさしく大(だい)銀行消滅である。クレジット会社もカード会社も銀行も、世界中で消滅してゆく。

 ヨーロッパ近代(モダーン)が始まって、ちょうど500年である。この近代500年間の欧米白人文明が敗北しつつある。問題はファーウェイではなく、アリババだったのだ。真に頭のいい人は、本書の第4章を読んで驚愕してください。ついでに、ソフトバンクの孫正義(そんまさよし)氏の力(ちから)の謎と裏側もバッサリと解いた。乞()うご期待だ。

 私とともに、この20年間、「エコノ・グローバリスト・シリーズ」で走り続けてくれた、担当編集者の岡部康彦氏が、満期退職した。岡部氏が念入りに下ごしらえしてくれたので、本書の第4章の快挙も成し遂げることができた。彼との仕事での長い付き合いは、このあとも続く。記して感謝する。

2019年10月

副島隆彦

(貼り付け終わり)
ginkoushoumetsu005

銀行消滅 新たな世界通貨(ワールド・カレンシー)体制へ (Econo-Globalists 20)

(終わり)

ketteibanzokkokunihonron001
決定版 属国 日本論
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 古村治彦です。

 

 今回は2018年11月2日に発売となる副島隆彦先生の最新刊『「トランプ暴落」前夜』をご紹介いたします。10月中旬から世界的に株式が下落していますが、本書ではいち早くそのことを警告しています。


trumpbourakuzenya001
「トランプ暴落」前夜 破壊される資本主義

 

 以下にまえがき、目次、あとがきを掲載します。参考にしていただき、ぜひ手にとってご覧ください。よろしくお願いいたします。

 

(貼り付けはじめ)

 

まえがき

 

 嵐の前の静けさである。

 

 本は、その最初に一番重要なことを書かなければいけない。それは結論でもある。アメリカの大学の論文の書き方指導(ライテイング)では、「一番大事なことを頭(あたま)に書きなさい」と教える。だから私も、この本の初めを大事なことから書いて読者に伝える。

 

 年内は、株価も他の金融市場も大きくは崩れない。年明けの2019年1月から崩れるだろう。それでもまだ大した株の崩れ、大暴落ではない。その次の年の2020年が米大統領選挙の年である。その翌年、2021年が危ない。

 

そして、その先、今から6年後の2024年に、株価が大暴落を起こして、世界は大恐慌に突入するだろう。その年に、日本でも預金封鎖(よきんふうさ)が断行される。

 

 前のP3の表に、これらのことを書いた。今後の世界の動きを、このように予言(予測)して私が作成した年表である。今年(2018年)から10年後の2027年までを、この表で時系列に並べている。

 

なぜ私が2024年を大恐慌突入の年とする、と決めたか。

 

それはアメリカのドナルド・トランプ大統領が、この年に任期を終えるからだ。2024年は、トランプの2期目4年の最後の年である。このときトランプは、もうすべての方策が尽きて、どうしようもなくなる。このころからヨーロッパ諸国を初めとして、世界中で金融危機が起こる。先進国の諸国の財政が破綻(はたん)し、崩壊してゆく。当然、日本もこれに含まれる。

 

トランプは1期目4年の終わりの年である、今から2年後の2020年11月の大統領選挙に勝つだろう。そして次の4年(2期目)を務(つと)める。そのときには、トランプは「もう俺は好きなようにやる」と居直る。それでも次から次へと起こる難事、難題を処理することだけで手一杯となる。攻めの政治(それまでに蓄[たくわ]えた政治資源に頼る)が、もうできなくなって、守りの政治になる。トランプはボロボロになって、2024年になると「俺はもう知らん。どうにでもなれ」と責任を回避する。その次の大統領が誰になるか、まだ分からない。だが誰が次の大統領になっても、アメリカの国力の大きな低下と衰退は止められない。

 

〝リーマン・ショック〟から10年である。

 

あのときは深く仕組まれていたとおり、ジョージ・ブッシュ(アホ息子のほう)大統領の最後の年であり、黒人のバラク・オバマが大統領として現われた。それが〝9・15リーマン・ショック〟の始まりであり、大統領選挙はその2カ月後の11月3日であった。

 

これらの動きは大きく仕組まれているのだ。私は当時、このことを予言(予測)して当てた。知っている人は、みんな知っている。

 

まさにあのときと同じように、次の時代の大きな図式がつくられてゆく。その年が2024年である。

 

トランプは2期8年で、それ以上はもう出られない(任期は2025年1月まで)。「あとは野となれ山となれ」”Après(アプレ) moi(モワ), le() deluge(デリユージユ) である。

 

トランプなりには、あれこれ努力して頑張った、となる。

 

それでもアメリカ帝国は、もうどうにもならない状況に落ち込んでゆく。

 

「だけど俺は、大(だい)戦争(ラージ・ウォー)だけはしなかったからな」というのが、最大の言い訳となるだろう。トランプは根()っからの商売人であるから、なんとかかんとか諸外国を虐(いじ)めまくって、世界中から資金を奪い取り、自国民(アメリカ国民)の利益になるように、最大限の人気取りの政治をやり続ける。これが「アメリカ・ファースト!」 America First!  自国民優先主義である(× アメリカ第一主義は誤訳。意味不明)。

 

「(諸)外国のことなんか知ったことか。俺はアメリカだけの大統領だ」

 

それでも。

 

アメリカ政府(アメリカ財務省とF(エフ)(アール)(ビー))が秘密で抱え込んでいる、裏(うら)帳簿(オフ・ブック off book )の財政赤字が、どうしようもないくらいに巨額(60兆ドル 6600兆円)になっている。連邦(れんぽう)政府(Federal[フエデラル] Government[ガヴアメント] ワシントンの中央政府)の分だけで、これだけある。他に50州と40の大都市の分が隠れている。それと、健康保険と年金だ。これらの真実が外側に露出し露見して、巨大な危機が起きるだろう。同じ先進国であるヨーロッパ(EU[イーユー])のほうがもっとヒドい。

 

日本だって同じだ。日本政府も同じく、アメリカへの巨額な貢(みつ)ぎ金(上納金[じょうのうきん]。すでに1400兆円)を含めた隠れ財政赤字が原因で、大きな経済変動が発生する。それはもはや従来のような金融危機ではなく、財政危機(ファイナンシャル・クライシス financial crisis )である。

 

もしかしたら、それは財政崩壊(ほうかい)(ファイナンシャル・カタストロフィ financial catastrophe )にまで至る。これは、アメリカの巨額の隠れ財政赤字を元凶とする、世界的な大恐慌突入と軌()を一(いつ)にしたものとなるだろう。それまで、あと6年である。

 

 私はこれまでどおり、金融予言者としての自覚と自信を持って、自分の人生で残り最後の大きな知識・言論の闘いを推()し進めてゆく。私の言うこと(書くこと)に耳を傾(かたむ)けてくれる人たちでいい。本気で自分の財産(金融資産)を守りたいと思う人は、私の主張に注目してください。

 

副島隆彦

 

=====

 

まえがき

 

1章 2019年の「トランプ暴落」

 

●今の株高は人工的に吊り上げられている

●なぜ私は〝リーマン・ショック〟と〝オバマ当選〟を当てたか

●米ドル基軸通貨体制の終わり

●跳ね上がった日米の長期金利(国債利回り)

●恐ろしいジャンク・ボンド市場

●政府の〝秘密〟が金融市場に伝わった

●「引き金(トリガー)」を引くのはどこだ

●世界的財政崩壊の時限爆弾

●〝食べられないお金〟とは何か

●米、中、ロの〝3帝会談〟が開かれる

●NYダウと日経平均は、いつ連動して落ちるのか

 

2章 アメリカ「貿易戦争」の正体

 

●中国からの輸入品すべてに25%の関税をかけると18兆円の増収

●「米国債売却」か「人民元切り上げ」か

●アメリカの「資本収支」は黒字である

●もめていた「NAFTA(ナフタ)」(北米自由貿易協定)

●2国間交渉に持ち込むトランプの「本当の目的」とは

●日本車の対米輸出は、これからどうなるのか

●「アメリカ・ファースト!」は「アメリカ国内優先主義」だ

●兵器購入と引き替えの追加関税回避

 

3章 2024年の大恐慌に向けて

    世界はこう動く          

 

●トランプ自身が認めた、アメリカの大借金問題

●「高関税はスゲー」  

●エネルギー計画に示された「推定50兆ドル」の隠された真実  

●「50兆ドル分の埋蔵エネルギー」は、政府債務60兆ドルの「反対勘定」だ  

●6大IT銘柄の異常な株高現象  

●新興国の債券暴落は、どれほど危険なのか  

●公的マネー(GPIFと日銀)が日本の株価を吊り上げている  

●ヘッジファンドが仕掛ける空売り  

●イーロン・マスク(テスラ)は、なぜ中国に飛んだのか  

●日本と中国が電気自動車で組む  

●ZOZO前澤友作社長とイーロン・マスク  

●ラーム・エマニュエル(シカゴ市長)と前大統領夫人の秘密  

●2024年までを見越した動きが始まっている  

 

4章 金(きん)(ゴールド)とドルの戦いは続く  

 

●戦争が起きてもおかしくはなかった  

●やがて新しい時代の金融秩序が誕生する  

●日銀は長期金利の上昇を容認したのか  

●ロシアの米国債売却vs.アメリカ政府  

 

副島隆彦の特別コラム

仮想通貨への投資は危ない  

 

 

5章 近づく国家財政破綻  

 

●世界金融危機の再来――〝リーマン・ショック〟の当事者が発言したこと  

●あの投資家が「政府債務が原因の金融危機」を警告  

●ノーベル賞候補の日本人経済学者も「危ない」と言った  

●日銀は緩和マネーの供給を止められない  

●アメリカは長期国債を超()長期債に秘密で〝洗い替え〟している  

●日本は衰退しつつある  

●危険な金融商品に手を出してはいけない  

 

あとがき  

 

巻末特集

産業廃棄物と都市鉱山

推奨銘柄25        

 

=====

 

あとがき

 

 本文で書き忘れたことを、最後に書く。この本の英文書名である「トランプ・カタストロフィ」 Trump Catastrophe の由来について、である。

 

 迫り来つつある今度の経済危機(エコノミツク・クライシス)は、単なる金融危機(ファイナンシャル・クライシス)では済まない。今度襲いかかってくる危機は、各国政府の財政破綻、崩壊(ファイナンシャル・カタストロフィ)を原因とする、資本主義の全般的な危機、である。

 

今度は、もう1929年の大恐慌( The Great Depression  グレイト・デプレッション)のようなデプレッション(恐慌)では済まない。だから、カタストロフィ(崩壊)である。

 

1980年代の、アメリカの不況は、レーガン不況 Reagan(レーガン) Recession(リセツシヨン) で済んだ。当時のロナルド・レーガン政権は、サプライサイド改善政策(ポリシー)(減税と緊縮財政)で乗り切れる、と思って失敗した。だがビル・クリントン政権(1992年から)のときに、大(だい)景気回復を達成した。ポール・ボルカーFRB議長が、悪性のインフレ退(たい)()の高金利政策(実に、なんとFFレート=短期金利19%まで行った)をして、劇薬を呑ませて、アメリカ国民を苦しめて、それで達成した。

 

今はデフレから脱出するために、年率2%のインフレを待望しているのだ。隔世の感がある。

 

日本はアメリカにまんまと嵌()められて、1993年から25年間も続く慢性不況(デプレッション)で、ずっと不景気(リセツシヨン)に国民が苦しんでいる。今も地獄だ。

 

カタストロフィ理論は、たしか1970年代末に、フランスの文明論者のルネ・トム René F. Thom が唱えた。これをイギリス人でオックスフォード大学教授のクリストファー・ズィーマン Christopher Zeeman が増幅した。

 

日本の人口は、このあと22年後には2000万人減って1億人になる。今の1億2700万人が、2040年には、1億700万人になる(国立社会保障・人口問題研究所)。これでは、まったく元気が出ない。

 

まったくヒドい国になったものだ、の慨嘆(がいたん)しか出ない。国民はしっかりしているのに。指導者(政治家)が粗悪なのだ。彼らはこの責任を自覚しない。

 

最後に。この本も祥伝社書籍出版部の岡部康彦氏にお世話になった。7月、8月の熱暑と、9月の暴風雨を乗り切って、できた。

 

2018年10

副島隆彦

 

(貼り付け終わり)


trumpbourakuzenya001
 
「トランプ暴落」前夜 破壊される資本主義

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回は、副島隆彦先生の最新刊『金儲けの精神をユダヤ思想に学ぶ (祥伝社新書) 』(副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所著、祥伝社新書、2018年7月1日発売)をご紹介します。

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金儲けの精神をユダヤ思想に学ぶ (祥伝社新書)

 

 この本は、2005年に副島先生と弟子たちの初めての論文集として刊行されました。それが新書版として再刊されることになりました。中身は全く同じではなく、古くなった部分は削られ、副島先生による書下ろし「ユダヤ思想の中心、マイモニデス」が加えられました。

 

 副島先生による書下ろし「ユダヤ思想の中心、マイモニデス」を読むと、合理性や理性ということがどういうことかをより理解することが出来ます。

 

 ぜひ手に取ってお読みください。よろしくお願い申し上げます。

 

(貼り付けはじめ)

 

まえがき

 

 みんな金持ちになりたい。

 

 しかし、ほとんどの人はなれないで終わる。それはなぜなのか。それはユダヤ人の精神(思想)が分かっていないからだ。

 

 この本は、「金儲(もう)けの精神を、ユダヤ人あるいはユダヤ思想に学ぼう」という本である。ユダヤ思想について、いろいろな角度から論究している。

 

 私たちは、みんな金儲けがしたい。貧乏は嫌(いや)だ。みんな金儲けをして、いい生活をしたいのである。ところが現実には、私たちのほとんどが貧しい。貧しいまま人生を終える。

 

 もちろん、皆が皆、貧しいわけではない。たしかに世の中には「お金持ち」と呼ばれる人々がいる。簡単に考えれば、大きくて立派な家に住んでいる人たちのことだ。あるいは、高級車に乗っているとか、いい洋服を着ている人のことをお金持ちという。

 

 自分もそういう人になりたい、と思いながら、ところが現実の私たちは貧しいままで人生を終わる。それはなぜなのか。私は、私の弟子の研究員たちと一緒に、本気でこのことを考えた。

 

 そして分かったことは、どうも、ユダヤ人とかユダヤ教( Judaism ジュダイズム。これはそのままユダヤ思()(そう)と訳してもよい)なるもの、を私たちが分かっていないからだ。

 

 すべての世界の大宗教の中で、ユダヤ教だけが、もともと初めからお金儲けをすることを認めていた。ユダヤ教だけが、金儲けを、根本の所で罪悪視しなかった。他のキリスト教も、イスラム教も、アジアの仏教も、中国の儒教(じゅきよう)も道教(タオイズム)(これの日本版が神道(シントウイズム))も、根本の所で金儲け(金銭欲望)を嫌(きら)って罪悪視している。

 

 ユダヤ教だけが、資本主義(キャピタリズム)をもともと全面肯定している宗教であり、思想なのだ。近代資本主義(モデルネ・カピタリスムス)の精神(ガイスト)をつくったのはプロテスタンティズム(キリスト教の新版)ではない。ユダヤ教(ジユダイズム)(ユダヤ思想と同義)である。

 

 私たちは羽入辰郎(はにゅうたつろう)著『マックス・ヴェーバーの犯罪』(2002年、ミネルヴァ書房刊。2003年、山本七平賞受賞)に触発されて、この大著を大いに支持する立場に立って、8人の若い研究員たちが、さまざまな角度から個々に書いた。この本はSNSI(エスエヌエスアイ) 副島国家戦略研究所の第一回論文集である。多くの人に注目していただきたい。

 

 2005年1月                           副(そえ) (じま) (たか) (ひこ)

 

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(目次)

 

まえがき  副島隆彦

 

新書版の刊行に寄せて〈書下ろし〉

ユダヤ思想の中心、マイモニデス  副島隆彦

 

[副島国家戦略研究所]とは

 

1 ユダヤ人だけが、なぜ金儲けが上手(うま)いのか  副島隆彦

 

・キリスト教徒は、金儲けを大いに嫌う

・イスラム教におけるシャリーアとザカード

・「ラシオナリズム」――合理主義とは何か

・マックス・ヴェーバーを祭壇から引きずり降ろす

 

2 ユダヤ商人の原像  山田宏哉

 

・資本主義の掟を学ぶテキスト

・高利貸しこそ、資本主義精神の実践である

・法廷を去るシャイロックの後ろ姿

 

3 近代資本主義の精神をつくったのはプロテスタントではない  伊藤睦月

 

・ヴェーバーの資料操作を暴く

・では、誰が近代資本主義をつくったのか

 

4 「近代資本主義・ユダヤ人起源説」を、いちはやく見抜いたのは誰か  伊藤睦月

 

・大著『ユダヤ人と経済生活』

・ユダヤ人たちこそ、金融制度の担い手にして形成者

・なぜ「ユダヤ人起源説」は葬られたのか

 

5 近代ヨーロッパ史とユダヤ人  日野貴之

 

・スペイン、ポルトガルからのユダヤ人国外追放

・名誉革命で拡大する影響力

 

6 十七世紀オランダの盛衰とユダヤ商人  吉田祐二

・「前期的資本」としてのユダヤ資本

・オランダ衰退の原因

 

7 ユダヤ教が果たしたカルヴァンへの影響  関根和啓

 

・プロテスタンティズムとユダヤ教との関係

・ユダヤ教カバラと、ライモンドゥス・ルルス

・カルヴァンがヘブライ語を学んだことの意味

 

8 ユダヤの商法を擁護したベンサムの思想  根尾知史

 

・ユダヤ人の金融力が、大英帝国を築いた

・ユダヤ人にとって「お金」は、唯一最強の武器である

 

9 ユダヤ商人と浪花(なにわ)の商人(あきんど)  庄司 誠

 

・日本の商人と、ユダヤ商人の違い

・日本人の労働は、はたして仏行か

 

10 アメリカ映画にみるユダヤ人の強(したた)かさ  首藤良尚

 

・『ベン・ハー』――独立不羈(ふき)のユダヤ人像

・『オリバー・ツイスト』――ユダヤ人・フェイギン像の変転

・『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』――本当の主人公は

 

あとがき  副島隆彦

 

《巻末》ユダヤ人とユダヤ思想史年表

 

執筆者略歴

 

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あとがき

 

 この本は、私が主宰する副島国家戦略研究所(SNSI)の第一回論文集である。

 

 私の弟子の一騎当千の研究員たちが各々(おのおの)、「ユダヤ思想について」の優れた論文を寄稿してくれた。

 

 この一冊で、「現代ユダヤ思想論の集成」になっており、「ユダヤ人とはこういう人々である」の網羅的な解説になっている。本書の英文タイトルは、 ` The Spirit of Jewish Capitalism `『ユダヤ資本主義の精神』である。私がつくった書名である。

 

「近代資本主義(モダン・キヤピタリズム)の精神(スピリツト)をつくったのは、キリスト教のプロテスタントではなくて、実はユダヤ商人たちのユダヤ思想だったのだ」という衝撃的な理論が、本書によって登場することで、日本の文科系の学問世界(政治学、経済学、社会学)がこれから大きく変貌を遂げてゆく。

 

 プロテスタンティズム(カルヴァン派)の「勤勉(きんべん)の哲学」が、近代資本主義をつくったのではない。ということになると、日本の江戸時代の「勤勉の哲学」(二宮尊徳(にのみやそんとく)やら鈴木正三(すずきしょうざん))が、日本の近代資本主義を準備したのだ、という山本七平(やまもとしちへい)氏と、私の先生の小室直樹(こむろなおき)先生、そして大塚久雄(おおつかひさお)の学説「大塚史学」は大間違いということになる。ガラガラと崩れ去る。今や崩れ去るべきである。

 

 コツコツと勤勉に働いて、普通の人の三倍努力すれば金儲けができ、富裕者になれるのなら、それはたいていの人にできることである。ところが現実にはそういうことはない。勤勉だけで人は金持ちにはなれない。

 

 プロテスタンティズムの思想を大成させたマルチン・ルターとジャン・カルヴァンが唱えた職業召命(しょうめい)観、すなわちベルーフ Beruf (英語では Calling(コーリング) )、神(ゴツド)の声に従い己(おのれ)の天職をまっとうせよ、が、カトリック思想を打ち破ったと考えることも再度、疑ってかからなければならない。

 

 資本主義は、太初(はじめ)からずっとユダヤ人の精神で彩(いろど)られており、どこの国でもユダヤ人的な人格を、生まれながらに備え持っていた人々によって荷()()われてきたのである。命懸(いのちが)けの極度のケチ(守銭奴)になりきらなければ金は貯()まらない。かつ、企業経営者として成功する人々は、将来予測に、先見(せんけん)という独特の投機家(バクチ打ち)の才能を持っていなければならない。それだけではなく、もともとユダヤ人の思想を身に付けていたのである。それは『ユダヤの商法』(1972年、ベストセラーズ刊)を書いた、日本マクドナルドの創業者の藤田田(ふじたでん)氏が、私たちに教えていたことである。

 

 私たちが金儲けをして、裕福な生活を送りたければ、ユダヤ人の生き方に学ばなければならない。彼らの非情さ(合理(レイシオ)と理性(リーズン))こそは、これからの日本人が真剣に学び、受け入れてゆかなければ済まされない。そうしないと、ますます日本は衰退(すいたい) decline デクライン。成(グロ)(ウス)の反対)を続け、惨(みじ)めになる。

 

 私たち副島国家戦略研究所は、どこの公共団体や大組織にも頼らない在野の研究機関である。不偏不党の立場で、日本国民の利益に資()することだけを目標として、今後も研鑽(けんさん)を重ねてゆく。さらに多くの、学問的に恵まれない境遇、人生環境にある俊秀の結集を待ち望む。彼らを続々と知識人、言論人として育ててゆくことが私に残された仕事である。ある年齢になったら、人を育てることだけが大事だ。

 

 この本を編むにあたっては、祥伝社書籍出版部編集長の角田勉氏にお世話になった。私たちの研究所を次々に襲う苦難(例えば国税庁、税務署との闘い)の中で、根気強くつきあってくださった。記して感謝します。

 

 2005年1月

 

(貼り付け終わり)

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金儲けの精神をユダヤ思想に学ぶ (祥伝社新書)

(終わり)

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今の巨大中国は日本が作った


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真実の西郷隆盛
 

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迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
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 古村治彦です。

 

 今回は、2017年11月2日に発売となります副島隆彦先生の最新刊『銀行消滅 新たな世界通貨(ワールド・カレンシー)体制へ』(祥伝社刊)をご紹介いたします。関東圏の大書店であれば11月3日(金)からの週末、その他の地域の大書店でも11月5日(日)くらいまでには店頭に並ぶものと考えられます。


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銀行消滅 新たな世界通貨(ワールド・カレンシー)体制へ


 今回の最新刊は、世界規模のテーマとしてビットコイン、日本のテーマとしては銀行消滅が柱となっています。家電量販店ビックカメラでは、ビットコインによる決済が可能となっており、ビットコインについて、知識を得るようにしなければならない状況になっています。また、地方銀行の合同も進んでいます。私の生まれ故郷の第一地銀である鹿児島銀行は、隣県の肥後銀行とグループを形成することになりました。これが何を意味するのか、ということは生活者として興味があります。

 

 今回の最新刊『銀行消滅 新たな世界通貨(ワールド・カレンシー)体制へ』は大変興味深い内容になっていると思います。ぜひ手に取ってお読みください。よろしくお願い申し上げます。

 

(貼り付けはじめ)

 

まえがき

 

 最近、私たちの周(まわ)りから銀行の支店(店舗)がどんどん消えている。この本『銀行消滅』は、この事実を追跡することから始まる。

 

皆が、コンビニで公共料金やコンサート・チケットの振り込みをするようになった。「コンビニ決済」である。その次が「スマホ決済(モバイル決済)」で、やがて「ビットコイン決済(支払い)」の時代になっていくだろう。ビットコイン Bitcoin なる、奇妙奇天烈(きみょうきてれつ)な暗号通貨(あんごうつうか)(クリプト・カレンシー crypto currency )という、お金なのか、貨幣(コイン)なのか、通貨になれるのか分からない「インターネット上のお金」が出現しつつある。それで投資家たちが大騒ぎしている。仮想通貨(かそうつうか)は、政府や官僚の統制を受けない、新しい金融市場のフロンティア(辺境の地)で蠢(うごめ)いている。 

 

地方銀行の大合併がますます進んでいる。この「銀行消滅」の課題以外に、北朝鮮の核ミサイルの脅威に対する、日本国としての対応が目の前の緊急の問題である。私は、国際政治(外交。安全保障=軍事)の問題の最先端の情報、知識をこの本に書いた。すでに私は、今年(2017年)4月に予言して、「米軍による北朝鮮爆撃は、来年(2018年)の4月である。直後に中国軍が平壌(ピョンヤン)に侵攻(進撃)して金正恩(キムジョンウン)体制を崩壊させるだろう」と書いて公表している。私のこの近(きん)未来予測にまったく変わりはない。さあ、私の予言は当たるか、外(はず)れるか。

 

 私は質問を受けた。「副島先生。それでは、その〝第2次朝鮮戦争〟へ向かっての戦争銘柄や復興需要(〝朝鮮戦争特需(とくじゆ)〟)で儲(もう)かる日本の企業はどれですか」という質問だった。私は、呆(あき)れたが己(おのれ)の不明を恥じた。それで極力それらの戦争需要、復興特需から生まれる株高への投資期待に応(こた)えようと思う。だが、私の視線はすでにさらにその先の先に向かう。私の中では、迫り来る〝第2次朝鮮戦争〟さえも過ぎ去りつつある。

 

 これからの世界の金融・経済は、どうなるか。ドナルド・トランプはおそろしく獰猛(どうもう)な企業経営者あがりである。米トランプ政権は、QE(キユーイー) じゃぶじゃぶマネー(=金融緩和(かんわ)マネー)を、このあともやっていくしかないのだ、と腹の底から分かっている。金融引き締め(=金融タカ派(ホーク))に転換したフリも一方でするだろうが。

 

だから今のまま、低金利(日本とヨーロッパはゼロ金利)を続け、株をニューヨークの「大親分たちの談合(だんごう)」で吊り上げ続ける。それしか他にやりようはない。ドル札と米国債(トレジャリー・ビル Treasury Bill 米財務省(ざいむしょう)証券)をさらに大量に刷り続けて、国家財政(ファイナンス)と米国経済(ナシヨナル・エコノミー)を成り立たせるしかない。日本の株価もズルズルと、この先もニューヨーク相場に〝連れ高〟する。そうやって先進国(米、欧、日)の退職老人たちの年金を賄(まかな)い続ける。これが何よりも国家運営の基本だからだ。老人たちを怒らせたら政権はもたない。トランプは、アメリカの国内産業を建て直して輸出振興を目指す。だから、「ドル安路線、低金利路線」なのである。だが〝ちょっとだけ〟利上げのポーズはする。若い元気なFRB議長にやらせるだろう。

 

 私は、この本では、気合いを入れて、どうしても人類に出現しなければ済まず、新しい世界通貨(ニュー・ワールド・カレンシー new world currency )になってゆく仮想通貨(サイバー・マネー)の運命を予測する。

 

森羅万象(しんらばんしょう)の中に生起し有象無象(うぞうむぞう)のひとつ、であるビットコインは、各国の権力者(官僚たち)に叩き潰されるだろう。だがこれから何度でも復活する。仮想通貨には「中心がない(ノン・セントラル)」のだ。だから、世界を操(あやつ)る権力者たちや支配層の言いなりにならない。このサイバー・マネーが、やがて実体を持つ実物資産(タンジブル・アセット tangible assets )である金(きん)や銀、銅などの金属資源と、エネルギー(石油と天然ガス)と、小麦や豚肉などの食糧品目などの基本物資(コモディティ commodity 商品)のすべてを大きな籠(かご)(バスケット)に入れて総量を金額換算した「コモディティ・バスケット」commodity baskets によって裏打ち(担保、保証)される。そのとき、この地上に新しい世界通貨体制(秩序)ができてゆく。この世界通貨は、大(だい)経済学者ジョン・メイナード・ケインズが、第2次大戦末期にアメリカ政府と激論したときに唱えた、まさしく bankall「バンクオール」通貨の実現である。もう米ドル体制の時代ではない。

 

世界の中心は、やがてニューヨークとワシントンから、ユーラシア大陸(ユーロッパとアジア)に移ってゆく。そのとき、新しい世界の中心都市は、中央アジア5国のひとつであるカザフスタン国の都市アルマトゥ(アルマティ)であろう。私は、すでに2010年に拙著でこの予言もしている。

 

 今の北朝鮮危機はどうせ過ぎ去っていく。このあと、日本に年間1億人の外国人旅行者がやってくる時代(現在の3倍の数)が来る。だから外国人向け旅行客ビジネスで活躍しているネット企業の推奨銘柄一覧を巻末に載せた。

 

 いわゆるIT(アイティ)企業を、私たちは、大きく二つに分けて考えるべきだ。私の中で閃(ひらめ)いた。

 

      EV(イーヴイ)(電気自動車)や自動運転、そして生活のインターネットとロボット

化(IoT(アイオウテイ) )、コンビニ・スーパーの完全無人化などは、総じてAI(エイアイ)(人工知能)の開発として考えるべきだ。

 

もう一つは、前述した、

 

  ビットコインなどの、奇妙きわまりない新しいサイバー(ウェブ)マネーたちだ。この新しい世界通貨の発達を、これからの人類のあるべき世界秩序の問題として大きく考えるべきである。ビットコインは政治問題なのである。ビットコインは、国家(官僚たち)の支配を打ち破って国境線を超えてゆくからだ。

 

私は、① のAI(サイバー・ショップから実(リアル)(てん)()へ)よりも、の仮想通貨(サイバー・マネー)のほうを、より重要だと考える。

 

副島隆彦

 

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目次

 

 

まえがき

 

1 消える銀行

●今、銀行で何が起きているのか

●破綻処理と国有化

●アメリカでも日本でも進む「銀行消滅」

●三菱東京UFJも、みずほも店舗閉鎖

●地方銀行は「2県で1行」の時代に

●コンビニが銀行になっている

●〝手数料競争〟が始まった

●ポイントカードがクレジットカードに

●「非接触型」(コンタクトレス)の決済とは何か

●銀行どころか証券会社も不要になる

 

2 朝鮮半島有事と

  これからの個人資産の守り方

●〝第2次朝鮮戦争〟は2018年4月に起きる。1カ月で終了する

●「副島先生。戦争銘柄を教えてください」の質問に答えよう

●一挙公開! 日本の軍需銘柄

●「日本は1万円札を廃止せよ」という米経済学者の主張

●インフレ・ターゲティング理論の大失敗

●仮想通貨と金(きん)

●税金官僚から資産を守る。金はどう保管すべきか

●海外へ資産を「逃がせ隠せ」した人は、日本に持ち帰らないように

●税務署に〝本当のこと〟を言うべきではない

●事業所得の目安「5棟10室」ルールとは何か

●法律は上級公務員の理屈からできている

 

3 仮想通貨は

  新たな世界通貨(ワールド・カレンシー)となるか

●誰が「コイン」を発行するのか

●ビットコインは「現金」に戻せない。おそらく損をするだろう

●1BTC(ビツトコイン)=110万円の夢を見るのもいいけれど

●仮想通貨の取引所が倒産して28億円が消えた事件

●ビットコインは「通貨」(カレンシー)になれるか

●リバータリアンの思想からビットコインは生まれた

●仮想通貨市場の時価総額は15兆円

●ブロックチェーンとは何か

●なぜ金融工学は滅んだのか

●国家体制の外側へ逃げてゆく

●2万台以上のコンピュータで「マイニング」(採掘)する中国の会社

●「ビットコインは10万ドル(1100万円)になる」

●なぜ中国でビットコイン取引の規制が強化されたのか

●巨大銀行連合が仮想通貨を乗っ取ろうとしている

●仮想通貨と実物資産が結びついて、新たな世界通貨体制ができる

 

4 フィンテックから民泊まで

  副島隆彦が見通す未来

●インターネット決済を始めたピーター・ティールという男

●仮想通貨は金融市場のフロンティア(最前線)か

●アマゾンとトランプの激しい対立

●I(アイ)(オウ)(テイ)で無人化が進むと、どうなるか

●自動運転(運転の無人化)と電気自動車の時代は、まだまだ遠い

●訪日外国人は年間で1億人になる。これがビジネスチャンスだ

●「富士山ビジネス」に投資せよ

 

5 日米〝連動〟経済は続く。そして……

●〝トランプ暴騰〟は、なぜ起きたか

●証拠を残さない相場操縦が行なわれていた

●ドル円の為替相場も操作(マニピュレイシヨン)されている

●トランプは国家借金の「上限」を引き上げた

●アメリカの「歴史的な減税」とは

●緩和マネー問題で、次期FRB議長の人事も決まる

94歳のキッシンジャー博士が、トランプ、プーチン、習近平の先生

●世界の3巨頭による「第2次ヤルタ会談」が開かれる

 

あとがき

 

(巻末付録)

外国人旅行者で成長する企業たち推奨銘柄27

 

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あとがき

 

 本書で「エコノグローバリスト・シリーズ」は、ついに20冊目となった。

 

私は金融本としてこのシリーズを書き続けた。毎年1冊ずつ出し続けて、本書で20周年となった。シリーズ1冊目は、『悪(あく)の経済学』(1998年刊)である。

 

我ながらよくもこんな本を、倦()まず弛(たゆ)まず20年も書き続けたものだ、と感慨深い。このシリーズ本の出版を支えてくれた編集者二人が、著者である私よりももっとこのことを喜んでくれた。最初の担当編集者は、一昨年、祥伝社社長に就任した辻浩明氏である。

 たしかあのとき、私は「本を1冊書け、書け、と言われても、何をどう書いてよいか分からないんだ」と喚(わめ)いた。そしたら辻氏は、「まあまあ、そう怒鳴らないで。あれこれ応援しますから書いてくださいよ」と言った。私は拍子(ひょうし)抜けして、なんとか書く気になった。優れた編集者との出会いが、人々が求めている良い本を世の中に送り出す。著者(書き手、演技者、芸術家も同じ)は、一人で勝手にもがき苦しんでいるから周(まわ)りが見えない。すべての演戯者(パフオーマー)は、「本当に、私のこんな踊りや歌でいいんだろうか」と何歳(いくつ)になっても自問している。スポーツ選手と違って1等賞、2等賞がない。有能な編集者と組まないと良い本はできない。作家生活35年にして、私はようやくこういうことが分かる。

 

シリーズ1冊目の『悪の経済学』を出した、前年の1997年に、私は『属国(ぞっこく)・日本論』(五月書房刊)を出版している。「日本はアメリカの属国(ぞつこく)(朝貢国(トリビユータリイ・ステイト))である」という理論を敢然(かんぜん)とこのとき提起した。今では多くの国民がこのコトバをつぶやくようになった。

 

その2年前の1995年(42歳)に、私は、現代アメリカの政治思想の諸流派12派からなる全体像を描いた本を出した。のちのち私の最大業績だと評価されるだろう。だが政治思想の研究の出版では、ご飯は食べられない。私は、金融本を次々と書くことで、いつの間にか金融評論家になっていた。予期してやったことではない。4冊目から担当編集者は岡部康彦氏に代わった。

 

シリーズ11冊目である『恐慌前夜』は、〝リーマン・ショック〟(2008年9月15日勃発)を予言(プレデイクト)した。予言は預言(プロウフエシー)とは違う。この本の「第4章 恐慌への道のり」に「リーマン・ブラザーズは破綻する」と書いた。この本が出版された2週間後にリーマン・ブラザーズ社は本当に潰(つぶ)れたのである。これも私の勲章のひとつだ。

 

以後ずっと岡部氏と二人でこのシリーズ本をつくってきた。こうやって20年が経()った。

 

私が、物書き業(評論家)を、1982年(28歳)から始めてから35年が過ぎた。これまでに220冊の本を書いた。もう他の職業に転じることができる歳ではない。このまま死ぬまで書くしかない。「お前の本はもういいよ」と飽()きられても私は書く。職業とはそういうものだ。

 

インターネット時代(さらにスマホ時代)になって、本を買って読む人々が大きく減った。本が売れなくなって出版業界はヒドく追い詰められている。出版業は世の中にある800ぐらいの業種のうちのひとつである。どこの(産)業界も自分たちが生き延びることで厳しい試練に耐えている。私も出版業界で禄(ろく)を食()む者のひとりとして、この業界が生き延びるための、新たな知恵と方策を絞り出さなければならない。これは残りの人生で自分に与えられた使命である、と思っている。

 

この本も、前述した祥伝社書籍出版部の岡部康彦部長とつくった。毎度のことだが、私が暗中模索(あんちゅうもさく)でへばりそうになるのを助けてくれて、なんとか完成した。記して感謝します。

 

副島隆彦

 

(貼り付け終わり)

 

 古村治彦です。

 今回は、2016年11月1日発売の副島隆彦先生の最新刊『』を皆様にご紹介いたします。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

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ユーロ恐慌 欧州壊滅と日本

(貼りつけはじめ)

まえがき

 日銀の黒(くろ)田(だ)東(はる)彦(ひこ)総裁は、「まだまだやるぞ、マイナス金利」である。

 しゃかりきになっている。金利を今よりもさらに下げて、日本を氷づけにする気だ。「景気回復(デフレ脱却)」という言葉は、安(あ)倍(べ)晋(しん)三(ぞう)首相から消えた。日本は金融緩(かん)和(わ)路線(ジャブジャブ・マネー路線)を今も突き進んでいる。

日本は、「10年もの国債の利回りを、0(ゼロ)%に釘(クギ)打ちして、それより短期の金利を深(ふか)掘(ぼ)り( steepening(ステイープニング) )して、さらにマイナス金利を〝深化〟させる」のだそうだ。9月21日に発表した。その代わりに「20年もの、30年ものの長期金利は右肩上がりに〝跳ね上が〟ってもいい」らしい。右ページの図表のとおりである。

「10年もの国債の利回りを0%で釘打ちすること」が、何がそんなにすばらしいことなのか、私には分からない。日銀黒田総裁たちは自画自賛して、これを「イールドカーブ・コントロール」政策と呼んで小躍りしている。「量(りよう)(ジャブジャブ)中心から、金利を中心の金融政策(マネタリー・ポリシー)に移す」と、何か大変すばらしいことを考えついたように触れ回っている。

 短期金利(政策金利)だけでなく、長期金利までも自分たち為(い)政(せい)者(しや)は管理できる、自分たちで動かせるのだ、と宣言したに等しい。これは統制(とうせい)経済(けいざい)(コントロールド・エコノミー)の手法である。

 この冬に、ヨーロッパ金融崩れが起きそうだ。「ユーロ恐慌」である。ドイツ銀行が危ない。破綻したら負債総額は2・2兆ユーロ(約260兆円)だそうである。ヨーロッパが団結して何とかするであろう。が、この打撃は世界中に広がる。

=====

目次

 まえがき

1章  ユーロ恐慌が私たちを襲う0
●〝ドイツ銀行ショック〟は、なぜ起きたのか
● ブレグジット(イギリスのEU離脱)の余波――日米の株価も下落した
● アメリカがドイツ銀行に科した制裁金1・4兆円
●黒田日銀総裁は任期満了(2018年)まで〝三次元緩和〟を続ける
● マイナス金利という焦(しよう)土(ど)作戦
● そして日銀は「金利操作」にまで手を出した
● 市場が縮小する

2章 「氷づけ経済」が続く世界
● イエレンFRBは、利上げ「する、する」詐欺だ
● ハト派なのか、タカ派なのか
● 世界経済は氷づけされたまま
● 永久国債=ヘリマネとは何か
● 中国が世界経済を牽引(けんいん)する時代

3章 追いつめられた銀行
● なぜ三菱UFJは「特権」を投げ捨てたのか
● 銀行に預金するだけで「手数料」を取られる日
● 日経平均を〝上げ底〟している者の正体
● 日本の銀行は国有化されてゆく
● 先進国の金利は低下する――歴史の法則
● 欧州銀行の「ストレステスト」で判明したこと
● イタリアの銀行は40兆円の不良債権を抱えている
● 破産国家・ギリシャは、それでもEUを離れない
● 愚かな通貨戦争

特別レポート
現役ファンド・マネージャーの最先端情報
「欧州壊滅」と日本経済の寿命
■ ドイツの金融は強くない
■ ECBに積み上がる債務
■ 欧州から日本へ「資本逃避」が始まった
■ ニューヨークに集められたデリバティブ取引
■ 市場(マーケツト)が警告する、7年後の国債暴落
■ 日本経済の寿命は、あと7年
■ 狙われた企業預金

4章 個人資産を守り抜くために
● ブレグジットの落とし穴
● イギリスの高級不動産を中国人が買っている
金の価格(値段)について
● 金の値段を決めるのは、これからは中国とイギリスだ
● ゴールドの覇権をめぐる争奪戦
● 卸価格で1グラム=4200円割れの今が金(きん)の底値だ!
● 売るときには、消費税分が戻ってくる
● 個人資産を〝逃がす〟ことはできるか
● 人民元は、こう動く

5章 「実物経済(タンジブル・エコノミー)」の地政学
● トルコのクーデターは「資源戦争」が要因だった
● 世界の動きを見るための大事な視点とは
● サハリンから日本へパイプラインで天然ガスを運ぶ計画

6章 帝国の衰亡と
   マイナス金利時代の終わり
● アイショレイショニズム=国内問題優先主義
● サウジアラビアが「米国債売却」を言い始めた
● アメリカは「世界の警察」を返上した
● トランプの経済政策とは
● 〝金融バクチ禁止法〟の復活
● ロックフェラー家の「資産圧縮」が日本にも影響を
● なぜ私、副島隆彦は「ヒラリー有罪」を書いたのか
●「ベンガジ事件」と「ヒラリー・メール」の真実
● IS(イスラム国)の創設者と、共同創設者。その名は――
● 塗りつぶされた尋問調書

あとがき

巻末付録
日本株の超プロが推奨する秘密銘柄10
ここは「コバンザメ株」を買いなさい!

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あとがき

 マイナス金利が、もっと進むようだ。このことを「金利の深掘り(ステイープニング)」と言うらしい。そうなると、いったい何が起きるか。

私たちの銀行預金に利息(インタレスト)どころか、手数料(コミツシヨン)がかかるようになるだろう。銀行がお金を預かってあげているとして、口座手管理手数料( handling(ハンドリング) charge(チヤージ) )を取ります、となる。ますます不景気でイヤな時代になる。

銀行のATM(現金自動預け・払い機)で、一回に下(お)ろせるお金が10万円から5万円と、政府が(ヽヽヽ)決めるかもしれない。何ということをする気か。銀行ATMでの支払い(送金)の手数料も上がってゆく。ところがその一方で、大手コンビニで、昼間に下ろしたり公共料金の振り込みをすると、タダである。

いったい、何が起きつつあるのか。銀行よりもコンビニのほうが、銀行らしく(ヽヽヽヽヽ)なりつつある。「電子マネー(キャッシュレス)の時代だ」などと、短慮(たんりよ)(軽薄(けいはく)、浅(あさ)知(ぢ)恵(え)という意味)で喜んでいる人々がいる。銀行なんかいらない。コンビニ・カードとビットコインと Fintech(フインテツク) があればいい。本当に便利でいい世の中だ。と、あなたは本気で思うか?

私たちの身の周りで、何か得(え)体(たい)のしれない恐ろしいことが起きつつある。「いや、待てよ」と、立ち止まって、金融(お金の動きと流れ)のことを真剣に考えてみよう。そのために私はこの本を書いた。「まだまだやるぞ、マイナス金利」という実に奇怪な時代を私たちは生きている。

 いつものとおり、〝熊さん、八っつあん〟で、祥伝社書籍出版部の岡部康彦部長と二人三脚でこの本を作った。記して感謝します。

2016年11月
副島隆彦

(貼りつけ終わり)

(終わり)







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