古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:経済成長

 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。『週刊現代』2024年4月20日号「名著、再び」(佐藤優先生書評コーナー)に拙著が紹介されました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 来年2025年に、名目GDPでインドが日本を抜いて世界第4位になるという予測が日本でも報道された。日本は世界第5位に下がる。日本の衰退が印象付けられるものだが、インドの躍進スピードが大きい。現在第3位のドイツと日本の差は小さいことから、インドがドイツを抜いて世界第3位になるのも近いということになる。インドは、「西側以外の国々(ザ・レスト、the Rest)」の中で、存在感を増している。

 インドは中国を抜いて、世界最大の人口を抱えている。14億1700万人を誇る。名目GDPは世界第4位であるが、一人当たりのGDPにすればまだ3000ドル程度だ(中国は約1万ドル、韓国は約3万ドル)。まだまだ貧しいのであるが、これから伸びしろが大きいということになる。人口ボーナス(15歳から64歳までの人口が、それ以外の人口の2倍いる状態)もあり、これから国内需要が増大し、国内市場が巨大になっていく。外国企業にとっても魅力的な市場である。
 2014年に就任したナレンドラ・モディ首相のインフラ整備と「メイク・イン・インディア」政策という製造業育成政策で、自動車生産が伸びている。もちろん、IT関係のサーヴィス業もお家芸であり、経済成長をけん引している。ヒンドゥー・ナショナリズムを経済ナショナリズムに転化させて、国内産業を育成し、雇用を確保し、国民生活を改善していくという流れになっている。それでは、インドは、中国のように世界覇権を握るほどの大国になるかどうかであるが、世界第一の経済大国にまでなれるかどうか、については疑問が残る。しかし、これからインドは注目に値する国である。

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インド経済の躍進:世界をリードする成長とチャンスの地

NEW 2024/5/23

Global X Japan

https://media.rakuten-sec.net/articles/-/45248

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●歴史的な高成長が続くインド経済

●モディ政権による経済政策、外国資本が参入しやすいビジネス環境

●インドの経済成長をまるっと捉える

■歴史的な高成長が続くインド経済

 インドの直近3年間の実質GDP(国内総生産)成長率は9.69%(2021年)、6.99%(2022年)、7.83%(2023年)と高水準です。2024年は6.81%と予測*されており、世界経済の成長率がおおむね3%で推移していることを踏まえるとインド経済の力強さが際立ちます。

 また、2023年の名目GDPは日本に次ぐ5位となり、2027年には日本とドイツを抜いて世界3位の経済大国になるとみられています*

*IMF(国際通貨基金)による予測

 力強い経済成長を支えるのは世界一の人口、特に生産年齢人口が多いことです。国連の推計では、インドの人口は2023年に中国を抜き世界一となりました。さらに人口ボーナス期(1564歳の生産年齢人口がそれ以外の人口の2倍以上に達する状態)が2050年ごろまで続く見通しであり、今後も巨大な人口に支えられた経済成長が持続すると考えられます。

 一方で、1人当たりの名目GDP(約2,410ドル、2022年)は1970年代の日本と同水準と低く、伸びしろが十二分にあります。2010年当時の中国でも同様に言われていたことですが、国民一人一人の所得水準が増加することで、その後中国経済は急速に拡大、今や米国を脅かす超巨大経済大国となりました。

 なお、一般的に1人当たりの名目GDP3,000ドルを超えると家電製品や家具などの耐久消費財の売れ行きが加速し、7,0001万ドルに達すると自動車や高級家電の普及に拍車がかかります。

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(出所)世界銀行よりGlobal X Japan作成

■モディ政権による経済政策、外国資本が参入しやすいビジネス環境

 インドのナレンドラ・モディ首相は現在2期目です。1期目(2014年~)ではインフラ整備や法税制改革を推進し、2期目(2019年~)では法人税引き下げや補助金制度の導入で製造業振興策に取り組みました。3期目については現在行われている総選挙の結果次第ですが、選挙公約として高速鉄道網の拡張などさらに積極的なインフラ政策を盛り込んでいます。

 また、インドは外国資本が参入しやすいビジネス環境となっています。英語が第二公用語であることや、初等教育の段階からプログラミングの授業が行われているためIT人材が豊富なことが主な背景です。

 そのため、先進国企業の業務のアウトソースを受託できる素地があります。IT分野はカースト制度の概念にない新しい職種であり、それ故、低カースト出身者が経済的に成功するための機会にもなっています。

 歴史的には中国、パキスタンなどともめる場面もありましたが、近年は経済優先の全方位外交を行っており、G7を中心とする民主主義的な国だけでなく、ロシアや中国などの権威主義的な国々とも中立的な立場で貿易を行うなど、結果として外国資本をうまく誘致できています。

 今後も外国資本により新たな雇用が生まれ、その結果として中間層を中心に所得水準が上がり、消費が拡大するという内需主導型の成長が続くと期待されます。

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(出所)世界銀行よりGlobal X Japan作成

■インドの経済成長をまるっと捉える

 上記のような背景からインドの株式市場には海外投資家から資金が流入しており、インドにおける個人の資産運用への関心の高まりも相まって、主要株価指数は最高値を更新しています。

 しかし、バリュエーションの面では高い利益成長からPER(株価収益率)は横ばいで推移しており、相場に過熱感はみられません。今後も良好なファンダメンタルズを支えに中長期的な株価上昇が期待されます。

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(注)株価指数はNifty50を使用。期間は201812月末から20244月末、株価は起点を100として指数化(月次、インドルピー建て)(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

 523日に、インド全体の経済成長を取りにいくETF(上場投資信託)が東証に上場しました。【188A】グローバルX インド・トップ10+ ETFは、インドが強みを持つ情報技術やコミュニケーション・サービスを含む9つのセクターを投資対象とし、各セクターを代表する大型の15銘柄を厳選します。ウエートは特定のセクターに偏らないようにするため均等にします。

 一般的なインドの株価指数(Nifty50SENSEXなど)は時価総額加重平均のため、時価総額の大きい金融が3040%と大きくなる傾向があります。過去のインドのGDPのセクター別の内訳をみると農業、工業、サービスの3大項目が大きく、比率を変えることなく推移しています。

 インド経済は特定のセクター、分野に偏った成長ではなく、ある程度均等に成長していることから、セクターを分散している当ETFに投資することでインド経済全体の成長を享受できます。

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※四捨五入の関係で必ずしも100にならないことがあります。(注)2024430日時点(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

 このようにセクターを分散・銘柄を厳選することで、当ETFの対象株価指数(Mirae Asset India Select Top 10+ Index)は他のインド株価指数を上回っており、今後も相対的に高いパフォーマンスが期待されます。なお、当ETFNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の成長投資枠の対象銘柄です。

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(注)Mirae Asset India Select Top 10+ Indexの算出開始日は202445日。算出開始日以前の指数に関する情報は全て指数算出会社がバックテストしたデータ。期間は2008620日から2024430日。起点を100として指数化(インドルピー建て、配当込み、日次)(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

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インドは本当に次の中国なのか?(Is India Really the Next China?

-インド経済上昇の可能性は高いが、政府の政策が妨げになっている。

ジョシュ・フェルマン、アルビンド・スブラマニアン筆

2024年4月8日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/04/08/is-india-really-the-next-china/

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インドは中国になるだろうか? 中国経済が下降線をたどり、インドの成長に対する楽観論が世界中に広がる中で、この疑問はもはやナショナリストの熱狂的な妄想として片付けることはできない。なぜなら、少なくとも、世界は既にインドを大国のように取り扱っているからだ。

次のことについて考えてみて欲しい。2023年、カナダ国内で起きたカナダ人殺害事件と、アメリカ国内で起きたアメリカ人殺害計画にインド政府が関係しているという疑惑が持ち上がった。しかし、疑惑以上に注目すべきはその反応である。アメリカ政府は、煽動的になりかねない事態を鎮火させるために、ほとんど何も語らず、ただ裁判を無事に終わらせることを選択した。つまり、インドの傲慢さは非難されることなく容認された。これは、インドの政治的地位が新たに確立されたことを示す証拠である。

経済面に関して言えば、過去40年間の中国の経験が非常に特殊なタイプの奇跡であり、再現できる可能性が低いことは事実である。しかしながら、そうではありながらも、インドはもはやかつてのような経済的に制約された大国ではないため、中国のようになる可能性は存在する。

過去四半世紀にわたり、インドの発展はインフラによって妨げられ、インド自身の製造ニーズを満たすには、インフラの納涼区が不十分であり、インドを輸出基地として検討する外国企業にとってもまた明らかに不十分だった。しかし、過去10年間で、インドのインフラは大きく変化した。ナレンドラ・モディ首相の政府は、道路、港湾、空港、鉄道、電力、電気通信を大量に建設し、以前のインドの姿が認識できないほどになった。ほんの一例を挙げると、2014年にモディ政権が発足して以来、約3万4000マイルの国道が建設された。

インドのデジタルインフラも大きく姿を変えた。かつてはギシギシと音を立て、技術的にも後進的だったデジタルインフラは、今や最先端を行くようになり、一般的なインド人は、ごく日常的な買い物でさえスマートフォンで決済するようになった。より重要なのは、デジタル・ネットワークが全てのインド国民をカバーするようになったことで、政府は困っている人に現金を直接給付するなどのプログラムを導入できるようになり、民間企業は起業や技術革新のプラットフォームとして活用している。

同時に、モディ政権の「新福祉主義(New Welfarism)」はインド国民の生活の質を向上させた。この特徴的なアプローチは、基本的に私的な財やサーヴィスを公的に提供することを優先し、有権者にクリーンな燃料、衛生設備、電力、住宅、水、銀行口座を提供する一方で、恩恵を受けるのはモディ首相であることを明確にしている。こうしたプログラムの結果、新型コロナウイルス感染拡大のような苦難の時期にも、国家は雇用や無料の食料で弱者を救済できるようになった。インドが国家として、より良いものを構築し、提供する能力には目を見張るものがある。

これらは主要な政策成果であり、累積的な国家的努力の成果だ。これらの取り組みの多くは、実際には、モディ政権前の中央政府および州政府によって開始されたものだが、その進歩を加速させている点でモディ政権は重要な称賛に値する。そして、その成果が出ている兆しも見えている。

第一に、インドは、技能ベースのサーヴィス輸出に新たな大きな弾みをつけている。インドのサーヴィス産業は2000年代初頭にブームになったが、2008年から2009年にかけての世界金融危機の後に停滞した。そして今、再生が見られる。2022年、インドの世界市場シェアは1.1%ポイント(約400億ドル)増加し、これはスキルの重要なジャンプアップを反映している。(2023年、インドは更に世界市場シェアを拡大する可能性が高いが、そのペースはそれほど速くない)。

以前は安価なコードを書いたり、コールセンターで働いたりしていたインド人が、今では世界規模の能力センターを運営し、高いスキルを持った人材が世界のトップ企業で分析業務を行っている。JPモルガン・チェースだけでも、インドに5万人以上の従業員がおり、ゴールドマン・サックスのニューヨーク以外で最大のオフィスはベンガルールにある。アクセンチュアやアマゾンなども大規模な拠点を構えている。このブームが高層マンションの建設に火をつけ、アーメダバード、ベンガルール、ハイデラバード、ムンバイ、プネーといったハイテク都市のスカイラインに点在するようになった。建設業も大いに発展している。SUVの販売台数は急増し、高級ショッピングモールや高級レストランが誕生している。

第二に、インドで最も人口が多く、最も開発が遅れているウッタル・プラデシュ州が復活の兆しを見せている。ウッタル・プラデシュ州は、老朽化したインフラ(多くの寺院は言うまでもない)を改修し、財政を管理下に置き、自警団のヒンドゥー教の僧侶から政治家に転身したカリスマ的な宗派指導者の下、汚職や暴力を激減させている。ウッタル・プラデシュ州が最終的に魅力的な投資先になることができれば、その人口的な重さによって国全体の軌道を変える可能性がある。その変革は、インドのヒンディー語中心地域(最近までバイマル(bimaru、病んだ地域[diseased region])と蔑称されていた)が永久に低開発(underdevelopment)を強いられる訳ではないというシグナルを送ることになるだろう。

最後に、習近平国家主席の下で中国経済の下降スパイラルが加速している。その結果、資本は驚くべきペースで中国から流出し、公式の数字によれば、2023年には企業や家計の資金が正味690億ドルも流出したという結果になっている。

こうした資本のうち、わずかではあるが、インドに流れ込んでいるものがある。最も顕著なのは、アップルがインドの多くの州に工場を設立したことで、インド国内市場への供給が容易になり、特に米中間の経済的緊張が高まっている現在、輸出基盤が多様化している。その結果、国内の電子機器供給のためのチェーンが構築され、特にインド南部では2万人以上の労働者を雇用する大規模な工場の設立を計画しているところもある。これは、常に小規模で非効率な製造業を特徴としてきたインドにおいて、驚くべき現象である。

このような大規模工場が実現可能であることが証明されれば、商品輸出の急増に火をつけることになる。それは、長年苦境に立たされてきたインドの製造業だけでなく、高スキルの輸出サーヴィス・ブームを享受できなかった、低スキル労働者にとっても、展望を大きく変えることになるだろう。この計算は考慮に値する。インドの低スキル輸出は、40%を超える世界市場シェアに反映される中国の競争力レヴェルには決して到達しない。それは、先進諸国が産業基盤の多くを、1国(中国)だけにシフトすることを促した政治的・経済的な特殊事情が、もはや存在しないからだ。しかし、今後10年間で、インドが現在の3%程度のシェアを5~10ポイント高めることは十分に可能であり、これは数千億ドルの追加輸出に相当する。

良好な前兆にもかかわらず、インドが中国を追い越すという宣言は時期尚早である。それは、明るい兆しはまだ経済データには説得力を持って反映されておらず、政府の政策も新たなチャンスを実現するには不十分なままだからだ。

経済データについて考えてみよう。私たちはしばらくの間、インドが2010年代の失われた10年間を本当に脱却することができたという主張に懐疑的であった。この時代は、緩やかな成長、ほとんど構造的変化が見られず、雇用創出も弱かった。確かに、新型コロナウイルス感染拡大後に経済は回復したが、その方法は不平等であり、労働力よりも資本が、中小企業よりも大企業が、そして非公式経済で雇用されている数百万の人々よりも給与をもらっている中産階級や富裕層が優遇されている。

問題の一部は、インドがこれまで、中国の相対的な経済衰退によって生まれた新たな機会のごく一部しか活用できていないことだ。政府が「メイク・イン・インディア(インドで製品を作ろう、Make in India)」というキャンペーンを決然と展開しているにもかかわらず、多くの企業にインドでの事業拡大を納得させるまでには至っていない。実際、外国直接投資(foreign direct investmentFDI)の流入は減少している。また、中国を除く新興市場への外国直接投資の流入に占めるインドの割合も小さくなっている。

これは慎重な外国人だけの話ではない。政府が整備したインフラ整備や補助金、そして場合によっては製造業に対しての惜しみない保護主義(protectionism)にも関わらず、国内企業でさえ投資に消極的だ。プラントや機械への民間投資は、過去10年間の低迷した水準から依然として回復していない。そして、この状況が好転していることを示す説得力のある兆候はない。実際、2023年の新規プロジェクトの発表は、前年のレヴェルと比較して名目上において、減少した。

その結果、膨大な非熟練労働力の雇用創出の源泉であるインドの製造業輸出は低迷を続けている。実際、世界金融危機以降、アパレルなどの主要分野におけるインドの世界市場シェアは低下している。このような事態はモディ政権やインド中央銀行にとっても大きな懸念材料であり、中央銀行は最近、民間セクターが「行動を共にし(get its act together)」、政府の投資負担を軽減するよう促す報告書を発表した。

なぜ企業は、目の前にあるチャンスをつかむことに消極的なのだろうか? 基本的には、インドで事業を拡大することのリスクが高すぎると認識しているからである。

企業の懸念は主に3つの分野にある。第一に、彼らは政策決定の「ソフトウェア(software)」が依然として脆弱であることを懸念している。少数の国内複合巨大企業と一部の大手外資企業が有利な企業と見なされており、競争の場は平等ではなく、広範な投資環境に悪影響を及ぼしている。結局のところ、リスクが低減されたという理由で投資を引き受けるあらゆる好意的な企業に対し、リスクが増大したために投資を削減した競合他社も数多く存在する。彼らにとって、国家の恣意的な行動の犠牲者となるリスクは依然として大きい。

第二に、インド政府は輸出を促進する必要性を認識しながらも、内向き志向(inwardness)、つまり、輸入障壁には依然として強い執着を持っている。この保護主義には新たな魅力がある。それは、インドの国内市場は今や非常に大きく、国内企業は非常に発展しているため、政府の後押しを受けさえすれば、外国企業に取って代わることは容易だと多くの人が考えているからだ。当然のことながら、経済的ナショナリズム(economic nationalism)は必然的に政治的ナショナリズム(political nationalism)を伴う。

しかし、インドの国内市場は、少なくともグローバル企業が売ろうとしている、中産階級向けの商品については、特別に大きくはないというのが現実だ。また、保護主義的な措置が頻繁に発表されると、企業は遅かれ早かれ重要な海外からの供給を断たれるかもしれないとリスクを回避するようになり、実際に国内投資が減退する。例えば、昨年(2023年)8月に発表されたノートパソコンの輸入規制は、重要なIT部門の企業にパニックを引き起こした。結局、規制は緩和されたが、他のセクターでも同様の措置が実施されたため、その懸念はいまだに残っている。

結局のところ、政治と経済の間に、くさびのようにして、はまり込んでいる問題が立ちはだかっている。政治体制が安定している限り、制度の崩壊に直面しても、投資と成長は生き残り、さらには繁栄することができる。そして、モディ首相の人気は安定を予感させている。しかし、インド北部の少数民族コミュニティ、南部諸州、反政府派、農民の間で不満と反抗心が高まり、突発的な事件発生の可能性が高まっている。経済学者のジョン・メイナード・ケインズが述べた有名な言葉にあるように、「避けられないことは決して起こらない。それはいつも予想外のことだ(The inevitable never happens. It is the unexpected, always.)」。

※ジョシュ・フェルマン:JHコンサルティング社代表。国際通貨基金(IMF)インド事務所長を務めた。

※アルビンド・スブラマニアン:ピーターソン国際経済研究所上級研究員。モディ政権の首席経済補佐官を務めた。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 

 北朝鮮については、なかなか渡航できず、情報も制限されており、実態がつかみにくい国です。たまにテレビや雑誌で隠し撮りされた写真や映像が流れたり、脱北者の証言が報道されたりで、そういうものから私たちはそれぞれに北朝鮮のイメージを作っています。YouTubeにアメリカ人が観光で北朝鮮を訪れた際に隠し撮りした映像があり、私にとっては興味深いものでした。

 

 韓国の統計庁という政府機関が北朝鮮の統計指標を毎年発表しているそうです。2017年度版が昨年12月に発表になっているそうです。『東洋経済』誌の福田恵介記者が統計数字を日韓と比較しながら、分析記事を書いています。

 

 経済規模も小さく、国民一人当たりの所得も大変低いわけで、日本や韓国の数十分の1、百分の1という数字が並んでいるのですが、北朝鮮が3.9パーセントの経済成長をしている、出生率が1.93で韓国や日本よりも高いという数字は私にとって驚きでした。

 

 鉱業生産、石炭や鉄鉱石の生産は韓国よりも優位に立っているというのは当然ですが(日本統治時代に北部は工業、南部は農業に適しているのでそのように開発された)、石炭の生産によって火力発電に使う石油の代替が出来ているとなると、石油の禁輸の効果も薄れてしまうと思われます。

 

 国連や日本による経済制裁を受けているのに、貿易が数千億円規模あって、経済成長率が3.9パーセントというのは私たちのイメージ外の北朝鮮の姿です。そして、食糧生産高は韓国と変わらない量であること(韓国は日本と同じく農産物を輸入している、できているということではありますが)、北朝鮮の人口が韓国の半分ですから、輸入が足りない、不足気味ではあっても一応食べていけているのだろうと推測されます。そうでなければ出生率が1.93で、人口増加もしているという数字は出てきません。

 

 そして、ご飯が食べることが出来て、出生率も高いということになると、これは、金正恩政権は安定していると言うことが出来ます。国民が金正恩の支配の正統性を認めているということになるでしょう。ご飯が食べられて、家族を形成できるとなると、北朝鮮国内で金体制を転覆させる勢力が力を持ちにくいということになります。

 

 このような状況では、金正恩政権を倒すこと、北朝鮮の統治システムを根本から作り直すことは難しいということになります。特に外国勢力がそのようなことをすれば、反感を生むだけということになるでしょう。ですから、アメリカは北朝鮮の体制転換までは考えていないと思われます。核兵器とミサイル開発を止めさえすれば、あの国がどうなろうが知ったことか、そこは中国とロシアが面倒を見ろよ、ということになります。

 

 中国とロシアにしてみれば、お荷物であることは事実ですが、北朝鮮があることで、米軍と国境で対峙しなくて済むというメリットもあります。ですから、中露両国はなんとかして北朝鮮情勢を軟着陸させたいと考えているでしょう。しかし、北朝鮮が中国に対して舐めた態度を取るようならば、膺懲ということがあるでしょう。その時にアメリカが中国に協力して地上軍の投入なしで、空爆、ミサイル攻撃で支援するということはあるのだろうと思います。

 

 しかし、北朝鮮を徹底的に破壊するという選択肢は米中露には存在しません。うまく北朝鮮を軟着陸させるという選択肢の実現のために、苦労しているということになるのでしょう。

 

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●「経済統計で見える「北朝鮮」の知られざる実像」

人口は韓国の半分、1人当たりGNI22分の1

 

2018年1月2日

福田 恵介 : 東洋経済 記者

『東洋経済』誌

http://toyokeizai.net/articles/-/203023

http://toyokeizai.net/articles/-/203023?page=2

http://toyokeizai.net/articles/-/203023?page=3

 

人口は韓国の半分、1人当たり国民総所得(GNI)22分の1――。韓国統計庁は201712月、「2017北朝鮮の主要統計指標」を発表した。

 

毎年12月、韓国政府は収集・推測したデータを基に、韓国と比較しながら前年の北朝鮮の経済分野などの統計を発表する。核実験とミサイル発射で日米など東アジア情勢をかきまわす北朝鮮。北朝鮮と言えば軍事面ばかり強調されるが、北朝鮮の経済・社会的姿がうかがえる統計だ。

 

今回発表された統計によると、2016年の人口は北朝鮮が2490万人(前年比12万人増)、韓国が5125万人(同23万人増)と、北朝鮮の人口は韓国のほぼ半分の規模だ。また、北朝鮮の出生率は1.94と、1.33の韓国を上回っている。

 

2016年の経済成長率は3.9%増

 

経済規模はどうか。2016年の北朝鮮の国民総所得(GNI、名目)は363730億ウォン(約3.8兆円)、1人当たりGNI146万ウォン(約15万円)で、前年比でそれぞれ1兆ウォン、7万ウォン増となっている。

 

韓国はそれぞれ16390665億ウォン(約172兆円)、3198万ウォン(約336万円)で、韓国と比べると北朝鮮の規模は45分の122分の1となる。日本の1人当たりGNIは約415万円(2015年)だ。また、経済成長率は北朝鮮は3.9%で、前2015年のマイナス1.1%から、一気にプラスへと回復したようだ。

 

核・ミサイル開発で北朝鮮に対する経済制裁が強化され、対外的な経済活動に制約を受けている北朝鮮だが、2016年の貿易総額(輸出額と輸入額の合計)は65億ドル(約7360億円)となっている。韓国は9016億ドル(約102兆円)で、北朝鮮の139倍の規模だ。北朝鮮の貿易総額のうち、輸出額は28億ドル(約3171億円)、輸入額は37億ドル(約4190億円)。ちなみに2016年の日本の貿易総額は約136兆円だった。

 

日本では食糧不足のイメージが続く北朝鮮の農業生産はどうか。2016年の食糧作物生産量は482万トン(前年比31万トン増)、韓国は471万トンとほぼ同レベルだ。そのうち、北朝鮮のコメ生産量は222万トン、トウモロコシは170万トンだ。北朝鮮が自給できる食糧作物生産量は550万~600万トンと言われている。食糧作物生産量のうち韓国はコメがほぼ9割を占めるが、北朝鮮ではトウモロコシも主食の一つとされている。

 

2017年秋から山形県や秋田県、石川県などの海岸に漂着する北朝鮮漁船が相次いでいる。北朝鮮の漁獲量をみると、2016年は101万トンで前年の93万トンより増えている。だが、韓国は325万トンで、3分の1の規模だ。日本は465万トン(2015年)水準である。

 

鉱工業統計では北朝鮮が優位に

 

北朝鮮が韓国を上回る数少ない経済データは、鉱工業関連統計だ。たとえば石炭生産量は北朝鮮が3106万トン(前年比357万トン増)、鉄鉱石は53万トン(同3.4万トン増)と、韓国の173万トン、4.5万トンよりはるかに多い。

 

朝鮮半島はもともと現在の北朝鮮である北部地方に地下資源が多く眠っている。また、1990年代後半からの経済難や自然災害で鉱山の生産活動が萎縮していたが、2010年以降、緩やかな経済回復を追い風に掘削など生産設備の更新も進んで生産活動が徐々に正常化したことが、増産の背景となっている。

 

だが、経済活動の基本となる電力生産量がふるわない。北朝鮮の発電設備容量は766万キロワットで韓国の14分の1。発電量も239億キロワット時で、韓国の23分の1水準だ。前2015年はそれぞれ743万キロワット、190億キロワット時で増加傾向にはあるが、十分な経済活動を行うには足りないことは、北朝鮮の最高指導者である金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長も認めている事実だ。

 

20171012月に平壌を訪れた中国人や在日コリアンらに話を聞くと、「停電もほとんどなく、電力事情は悪くはなかった」と口をそろえる。最も簡単に入手できる石炭を燃料とする火力発電所を増やし、電力供給量を増やしていることもある。最近では、「石炭から原油を生産する石炭液化を積極的に進めている」という話も出てきた。しかし、経済制裁で原油やガソリンなどの石油関連製品の輸入が強く制限され始めており、2018年以降、発電事情がより厳しくなるとの見方が多い。

 

ユニークな統計も発表されている。携帯電話加入者数だ。北朝鮮での携帯電話加入者数は361万人で、10人に1.4台となり、まだ11台という状況ではない。北朝鮮では200812月ごろから移動通信事業が本格化したが、2009年の加入者は7万人だった。

 

その後、金党委員長政権が本格化した2012年以降、加入者数は増加。170万人から翌2013年は242万人に、2015年には324万人と300万台を突破した。平壌など都市部では携帯電話で通話する市民の光景は日常茶飯事となって久しい。

 

平壌市内には、日本のような携帯電話販売店も出現。北朝鮮で製造されているとされる「平壌」「アリラン」「チンダルレ(日本語でツツジ)」といったブランド名が付けられた携帯端末が販売されている。どのブランドも、現在はいわゆるガラケーとスマートフォンともに製造・販売されている。同時に、さまざまな携帯電話向けアプリも開発され、通信教育にも使用されているという。

 

韓国政府の意向が働く場合も

 

だが、韓国側が発表する北朝鮮統計には、注意も必要だ。その理由はまず、あくまでも韓国側の推計であることだ。北朝鮮は「敵国である米国に自国の状況を知らせるわけにはいかない」(朝鮮社会科学院経済研究所)という理由で、自国の統計を発表していない事情もあるが、韓国の情報機関などが情報分析などを土台に、これら統計を推計しているに過ぎない。韓国のある統一相経験者も「おおよそのトレンドがわかる統計」と述べるなど、その正確性については口を濁すほどだ。

 

さらに、韓国の時の政権における北朝鮮政策のスタンスによって、数字に手を加えられることもある。たとえば前述した経済成長率の場合、2015年のそれはマイナス成長と発表された。だが、2012年以降は平壌だけでなく全体的に北朝鮮経済が改善していることが実感できる状況だったのも事実で、けっしてマイナス成長とされるような要因を探すことは難しかった。

 

朴槿恵(パク・クネ)前政権は北朝鮮に対して厳しい政策スタンスを取っていたため、あえて低めの数字が発表された可能性もある。一方、20175月に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権は前政権よりも北朝鮮との対話を重視する方針であり、より温和な対北朝鮮政策を掲げている。そのような背景もあり、3.9%と前年比で大幅なプラス成長として発表されたのではないかとの見方もある。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



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