古村治彦です。
2025年11月21日に『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』 (ビジネス社)を刊行します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体
最新刊の刊行に連動して、最新刊で取り上げた記事を中心にお伝えしている。各記事の一番下に、いくつかの単語が「タグ」として表示されている。「新・軍産複合体」や新刊のタイトルである「シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体」を押すと、関連する記事が出てくる。活用いただければ幸いだ。
第二次ドナルド・トランプ政権は、各国からの輸入に高関税を掛ける政策を発表し。世界を混乱に陥れた。この高関税はアメリカの輸入業者に打撃を与え、消費者は物価高に苦しむことになった。私は、この高関税政策は、アメリカの製造業回帰に向けた第一段階と考えていた。しかし、現状は製造業の拠点づくりは進まず(数年単位のプロジェクトで当たり前だ)、ドルの価値は下がっているが、そこまでではない。やはり物価高もあり、強いドルで輸入品を買わねばならないということもある。
そうした中で、対中強硬姿勢を見せていたトランプ政権も、中国との妥協、合意をすることになった。アメリカが中国に頭を下げた格好である。レアアースの輸出制限がよほど厳しかったようだ。
※独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構のウエブサイト↓
https://www.jogmec.go.jp/publish/plus_vol29.html?mid=hp250515
上記のページには、各資源について、どの国がどれだけ生産し、どれだけ精製しているかを示すグラフが出ている。このグラフに今回のアメリカと中国の貿易に関する合意の理由が明らかに示されている。グラフを見れば、重要資源とレアアースの分野においては、アメリカは中国に大きく後れを取っていることが分かる。レアアースの輸出制限をされてしまうのはアメリカにとって死活問題なのである。日本が石油を禁輸されてしまうようなものだ。下に掲載した論稿には具体的な国名が出てくるが、中国とインドネシアの名前が出てこない。これでは何の意味もないということもグラフを見れば明らかだ。
ロシアは国際的な決済システムから除外されているのに、石油を輸出して外貨を稼いでいる。ロシア経済は破綻しなかった。それはロシアが資源大国であると同時に、ドルを使った国際決済システム以外に、金を使った決済を行えているからだ。ドルを基軸とするアメリカ中心の世界は終わりつつある。
アメリカは今頃になって重要資源とレアアースの確保に躍起になっている。ドルを吸って買って来ればよいという石油で行えたシステムは機能しない。重要資源とレアアースの世界は中国が支配する世界である。アメリカは頭を下げるしかない。私たちはこのことをよくよく拳拳服膺する必要がある。
(貼り付けはじめ)
【解説】 トランプ氏の一連のレアアース合意、中国による世界的支配を変えられるのか
BBC NEWS JAPAN
2025年10月30日
スランジャナ・テワリ・アジアビジネス担当編集委員
https://www.bbc.com/japanese/articles/c0jd9ywzql1o
中国が長年、支配的な立場を保っているレアアース(希土類)の分野での供給を確保しようと、アメリカのドナルド・トランプ大統領がアジア歴訪中、次々と合意文書に署名している。
合意は、日本、マレーシア、タイ、ヴェトナム、カンボジアと結んだ。規模や内容は相手によって異なり、具体的な影響を評価するにはまだ早い。しかしいずれも、電気自動車やスマートフォンなど、先進的な製品の製造で不可欠となっている鉱物の入手方法を多様化させる取り組みを、合意の中身として含んでいる。
合意はまた、アメリカがパートナー各国のレアアース取引を、アメリカとの間だけに限定することを狙っている。このことは、トランプ氏が中国の習近平国家主席との重要な会談を前に、レアアースをめぐって中国への依存度を小さくしたいと思っていることをはっきり示している。
これらの合意は、いずれは中国のレアアース支配を脅かすかもしれない。ただ専門家らは、そうなるまでには何年もかかり、多くの犠牲を伴うだろうとしている。
英王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)環境社会センターのパトリック・シュローダー上席研究員は今週の論説で、「オーストラリア、アメリカ、ヨーロッパなどの地域で新たな採鉱場、精製施設、加工工場を建設するには、(中国に比べて)はるかに高い資本コスト、厳しい環境規制、費用のかかる労働力とエネルギーの投入が必要になる」と指摘した。
それでも今回の動きは、米中対立の転換点となる一歩だ。
中国は現在、世界のほぼすべてのレアアースの加工を支配している。このことが、アメリカとの貿易戦争において、習氏に強大な力を与えている。両国は、関税やTikTokの米国事業の売却など、さまざまな問題で合意を目指している。そうしたなか、中国が最近、輸出を規制したことで、レアアースの供給が減っている。
この輸出規制は、欧米やアジアの製造業の拠点で、これまでもみられた不安を引き起こしている。これは、世界のサプライチェーンが、揺れ動きの大きい米中関係の影響をいかに受けやすいかを示している。
トランプ氏は、今週のアジア歴訪を開始する前にすでに、オーストラリアと85億ドル規模の合意を成立させた。レアアースの加工などに関して、産業レベルでの協力と共同投資を約束した。
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相がホワイトハウスを訪れた際、トランプ氏は、「今から1年ほど後には、重要鉱物やレアアースが取れすぎて、どうしていいかわからなくなるだろう」と述べた。また、「値段は2ドルになる」と述べ、供給の急増に伴って価格が急落するとの見方を示した。
トランプ氏が提示した時期も価格も非現実的だ。だが、重要鉱物を欲しているアメリカにとって、オーストラリアが重要なパートナーであることは間違いない。
米シンクタンクの戦略国際問題研究所のグレイスリン・バスカラン氏とケサリン・ホーヴァス氏は、最近の小論文で、オーストラリアを「地球上で最も広範で豊富な鉱物資源を誇る、クリスマスツリーのように輝く周期表」だと表現した。
イルカ・リソーシズなどいくつかの豪企業は、すでに精製施設を建設している。同社は今年、BBCの取材で、政府の支援なしでは財政的にほぼ不可能だとした。
トランプ氏がクアラルンプールのコンベンションセンターで、署名した文書を掲げて見せている。後ろには米国旗が見える画像提供,Getty Images
画像説明,タイとの間で署名した合意書を掲げるトランプ米大統領(26日、マレーシア・クアラルンプール)
アメリカが日本との間で結んだ重要鉱物に関する合意は、レアアースの供給と生産を強化する内容だ。また、レアアースをめぐる協調投資と備蓄の計画、供給ショックに対処する緊急対応グループについても触れている。
東南アジアの小規模経済圏との合意は、詳細がはっきりしない。マレーシア、タイ、ヴェトナム、カンボジアの各国は、アメリカのレアアースに対するアクセスの拡大と、米企業を中国企業より優遇する輸出ルールに合意した。アメリカへの出荷を妨害しないという約束や、中国系ではない企業による現地での加工や投資を奨励するという約束も、合意には含まれている。
ただ、マレーシアおよびタイとの合意は、拘束力のない「基本合意書」(MOU)だ。これは関係国の政治的な変化に耐えられるのだろうか?
まだ取り上げられていない大きな問題に「規制」がある。環境破壊の可能性を考慮すると、これは特に重要だ。レアアースをめぐるビジネスは、採掘だけでなく、加工までダーティーだ。採掘、浸出、熱分解、精製のすべてで放射性物質が発生する。中国での影響については多くの記録があり、他国が積極的に乗り出したくなる産業ではないことを示している。
中国を除いて、世界で最も多くのレアアースを供給しているのが、豪企業のライナス・レアアースだ。精製の一部はマレーシアに頼っており、同国では長年にわたり、規制をめぐっていくつかの問題に直面している。
トランプ氏は、日本やオーストラリアといったアジア太平洋地域の大国を投資に参加させ、レアアースの供給をめぐるアメリカのコントロールを拡大する可能性を手に入れた。確固たる基盤に立って、非常に重要な習氏との交渉に30日に臨むことになる。
とはいえ、中国がレアアース加工の約7割を占めているのは事実だ。追いつくには、膨大な資本、強力な環境法、技術の専門性が必要だ。一つの加工工場を建設するだけでも、設計からフル生産までは何年もかかる。オーストラリアは長い間、レアアースの生産拡大に真剣に取り組んできたが、工場はまだ稼働していない。
中国はこの地域で決して黙っていることはない。世界2位の経済大国の中国との貿易は、日本を含むすべての国にとって不可欠となっている。中国がもつ影響力(特に東南アジアでの影響力)を、アメリカは軽視することはできない。
レアアースのサプライチェーンは多様化と変革が必要だ。協力と投資の約束は手始めではあるが、前途は長く、曲がりくねっている。
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ホワイトハウス「中国がレアアース規制停止」 米中合意の詳細公表
日本経済新聞 2025年11月2日 10:01
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0202J0S5A101C2000000/
米ホワイトハウスは1日、10月30日に開いた米中首脳会談での合意内容の詳細を公表した。レアアースなど重要鉱物の輸出規制を「中国側が事実上撤廃する」と強調。「米国の労働者、農家、そして家族を最優先とする大きな勝利」だとアピールした。
米中が共同でまとめた文書ではなく、米国が独自に作成した説明資料「ファクトシート」の形式で発表した。ホワイトハウスは米中の約束事項を列挙したが、中国側の説明と食い違う可能性もある。
レアアース新規制「中国が施行停止」
ファクトシートによると、中国は10月9日に発表したレアアース(希土類)の新たな輸出規制を停止する。
新たな輸出規制は、中国産のレアアースをわずかでも含めば海外製品でも輸出時に中国政府の許可が必要だったり、レアアースの製錬ノウハウの国外提供を規制したりする内容。一部は施行前だった。
これらについて、ホワイトハウスは「中国が世界規模での施行を停止する」とした。
ホワイトハウスは中国が、重要鉱物であるガリウムやゲルマニウム、アンチモン、グラファイトの輸出許可を出すとも説明した。「2025年4月と22年10月に中国が導入した輸出規制の事実上の撤廃を意味する」と主張した。
米戦略国際問題研究所(CSIS)はガリウムが「米国の主要な防衛サプライチェーンにおいて並外れた重要性を持つ」として、中国の輸出規制に警鐘を鳴らしていた。
オランダ半導体ネクスペリアの輸出再開
オランダに本社を置く中国資本の半導体メーカー、ネクスペリアの半導体については「世界各国に流通できるよう(中国が)適切な措置を取る」とも明記した。
同社の半導体は、オランダとの対立を背景に中国が輸出を一時停止し、ホンダのメキシコ工場が操業を一時停止するなど影響が広がっていた。米中合意を受け、中国商務省も1日、ネクスペリアの半導体の輸出を条件付きで解禁すると発表した。
米国は、中国当局が米テクノロジー企業に対する独占禁止法違反などの調査を「終了する」とも説明した。
中国当局は、米エヌビディアや米半導体大手クアルコムによる第三国企業の買収が、中国独禁法が定める手続きに違反したとして調査を始めたばかりだった。中国側が調査を終了すれば、米各社は違反を問われなくて済む可能性がある。
「中国がフェンタニルの原料輸出対策強化」
ファクトシートの説明によると、中国は合成麻薬フェンタニルの流入対策として、麻薬に用いられる可能性がある化学物質の北米向け輸出を停止する。
麻薬原料は代替となる物資も多いため、輸出停止の対象とした物質以外も管理を厳しくすることで米中は合意した。
中国側は3月以降に導入した鶏肉や小麦といった米国製品への報復関税も停止する。報復として導入した非関税障壁もすべて「停止または撤廃」するという。
中国が米国産の大豆を2025年にまず1200万トン以上輸入し、26〜28年にも少なくとも年2500万トンを購入することを約束したと明記した。
米国はフェンタニル関税引き下げ
米国側はフェンタニルの流入対策が不十分だとして中国に課した20%の追加関税のうち10%を11月10日から引き下げる。レアアースの輸出規制に対抗して示唆していた100%の追加関税も発動を見送る。
米国は中国企業に対する事実上の禁輸措置となる「エンティティーリスト」の対象を大幅に拡大する措置や、中国船からの入港料の徴収措置もそれぞれ1年延期する。
入港料については、中国側も報復措置として米国船から徴収する方針を示していたが、米国側が1年延期を決めたことで中国側も報復措置を「撤廃する」(ホワイトハウス)という。
米国の入港料を巡っては、中国船以外に日本の自動車運搬船も徴収対象になっていた。自動車運搬船の容積1トン当たり46ドルの入港料を、12月10日以降に本格的に徴収する予定だった。
ファクトシートでは、日本の自動車運搬船からの入港料徴収も併せて延期となるかどうかはまだ明確になっていない。今後、連邦官報や米税関・国境取締局(CBP)の通達で詳細を公表するとみられる。
(八十島綾平、ワシントン=高見浩輔)
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重要鉱物でトランプ大統領のご機嫌を伺う国々(The Countries
Courting Trump With Critical Minerals)
-日本からパキスタンまで、取引は続いている。
リシ・イエンガー筆
2025年10月28日
『フォーリン・ポリシー』誌
https://foreignpolicy.com/2025/10/28/trump-critical-minerals-deals-rare-earths-list-japan-china/
ドナルド・トランプ米大統領は、重要鉱物がどこにあろうともその発見に躍起になっており、世界中の国々がそれらの供給に名乗りを上げている。
重要鉱物とレアアース(critical minerals and rare
earths)は、和平協定から関税の脅威(peace deals to tariff threats)まで、トランプ大統領の第2期における外交政策の多くの柱となっている。その理由は明白だ。アメリカ地質調査所(U.S. Geological Survey、USGS)がアメリカの安全保障に不可欠とみなす約50種類の鉱物は、ミサイルや戦闘機を含む多くの先進軍事技術に不可欠な原材料である。問題は、レアアースと重要鉱物の生産と加工の大部分を中国が占めていることであり、中国は貿易交渉においてこの締め付けをますます武器として利用しようとしている。
いくつかの国が、ワシントンのこうした優位性への対応を支援し、同時にトランプ大統領の支持を得ることで自国にも利益をもたらすべく、動き出している。
●日本(Japan)
トランプ大統領は10月28日、日本の新首相であり、女性初の首相でもある高市早苗と会談し、レアアースおよび重要鉱物に関する協力に関する暫定合意に至った。
この合意に基づき、ワシントンと東京は、共同採掘投資、重要鉱物埋蔵量の地理的位置特定に関する協力、相互備蓄(joint mining investments, cooperation on geolocating critical
mineral reserves, and mutual stockpiling)といった措置を通じて、両国それぞれおよび共同の重要鉱物供給の確保に向けて協力していく。
●マレーシア(Malaysia)
トランプ大統領は大統領復帰後初のアジア歴訪で、まずマレーシアを訪れ、東南アジア諸国連合(Association for Southeast Asian Nations、ASEAN)首脳会議に出席した。マレーシアは、アメリカへの複数の投資約束とアメリカ製品に対する関税障壁の削減を約束する代わりに、貿易協定を締結した。
この協定には、アメリカとマレーシア両政府間の重要鉱物に関する覚書が含まれており、両国は「重要鉱物の代替市場を開拓」し、「世界の重要鉱物サプライチェーンの多様化を支援する」ために協力していくと表明した。
●タイ(Thailand)
タイは、トランプ大統領がアジア歴訪中に重要鉱物協定に署名した2番目のASEAN加盟国となった。両国は枠組み貿易協定の締結に向けた交渉を継続している。
両政府間の覚書によると、アメリカ政府とアメリカ企業はタイの重要鉱物サプライチェインの発展を支援し、「タイの重要鉱物セクターの競争力向上」に貢献し、アメリカ企業にタイの重要鉱物への優先的なアクセスを与える可能性がある。
●オーストラリア(Australia)
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相も、重要鉱物資源をトランプ大統領のご機嫌取りとして利用し、2025年10月のワシントン訪問時に、アメリカがオーストラリアの重要鉱物資源とインフラへのアクセスを拡大する協定に署名した。
この協定の一環として、両国は今後6カ月間で重要鉱物プロジェクトに30億ドルを共同投資し、ホワイトハウスによると推定530億ドル相当の鉱物の採掘を目指す。国防総省はまた、ガリウム鉱石を採掘するため、西オーストラリア州に先進的な精錬所建設への投資を行う。
「今から約1年後には、重要鉱物とレアアースがあまりにも大量に存在し、どう扱えばいいのか分からなくなるだろう」とトランプ大統領は記者団に語った。
●ウクライナ(Ukraine)
重要鉱物は、トランプ大統領の最も困難な外交努力の1つであるロシアとウクライナの戦争終結交渉に絡んでいた。
2025年2月、トランプ大統領は、アメリカが既にキエフに提供した援助に対する補償として、ウクライナ産の5000億ドル相当の鉱物資源の提供を要求した。ウクライナのウォロディミール・ゼレンスキー大統領は以前、アメリカの指導者トランプをなだめ、キエフの戦争遂行への支持を将来的に維持するため、アメリカにウクライナ資源へのアクセスを提供する用意があると示唆していた。しかし、ゼレンスキー大統領は「国を売る(sell our country)」ことはできないと明言し、トランプ政権の当初の提案には同意しなかった。
トランプ大統領がホワイトハウスでゼレンスキー大統領を叱責した悪名高い事件から数カ月後の4月下旬、ウクライナとアメリカは、リチウムやチタンなどの重要鉱物の100以上のウクライナ鉱床への優先的なアクセスをアメリカ企業に与える協定に署名した。
●コンゴ民主共和国(Democratic Republic of the Congo)
重要鉱物資源が豊富なアフリカ大陸の中でも、コンゴは際立っている。この中央アフリカの国は、タンタルとコバルトの世界最大の供給国であり、金や銅といった他の資源も豊富に埋蔵している。中国は長年にわたり、コンゴをはじめとする鉱物資源の豊富なアフリカ諸国に足場を築いてきた。歴代のアメリカ政権は、この優位性を打破しようと試みてきた。
トランプ大統領の最新の試みは2025年6月、コンゴと隣国ルワンダの間で数カ月にわたって続いていた軍事衝突を終結させる合意の仲介役を務めたことだ。この合意には、重要鉱物資源に関する両国の協力が含まれており、安全保障の保証と引き換えに、アメリカがこれらの鉱物資源へのアクセスを拡大する道が開かれている。
しかし、複数のアメリカの連邦議員たちの反対を受けている合意内容については、現在も交渉が続いており、和平合意自体も依然として不安定な状況にある。
●パキスタン(Pakistan)
アメリカ政府の高官たちは数カ月にわたり、パキスタンの膨大な重要鉱物資源へのアクセスに関心を示してきたが、2025年9月初旬、パキスタンはついにその意向を表明した。パキスタン政府は、アメリカ企業U.S.ストラテジック・メタルズと5億ドルの契約を締結し、アンチモンや銅などの鉱物資源へのアクセスを認めた。
パキスタンは2025年10月初旬、これらの鉱物資源の最初の出荷をアメリカに引き渡した。この南アジアの国における重要鉱物・金属資源の埋蔵量は、推定23万平方マイル(約57万平方キロメートル)以上に及ぶ。これはイギリスの国土の2倍以上の面積に相当する。
●予想以上(Above and beyond)
トランプ大統領は、やや型破りな方法で鉱物資源のパイのより大きな部分を掌握しようと試みてきた。2025年7月には国防総省がアメリカのレアアース採掘会社MPマテリアルズの筆頭株主となり、最近ではトランプ政権がカナダの重要鉱物企業2社の株式を取得した。
重要鉱物は、大統領就任当初、グリーンランドを買収あるいは武力行使によって支配するという執念を抱かせた重要な要因でもあったが、最終的には実現しなかった。
※リシ・イエンガー:『』誌スタッフライター。アカウント:@iyengarish.bsky.social
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@iyengar.rishi
(貼り付け終わり)
(終わり)
シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

『人類を不幸にした諸悪の根源 ローマ・カトリックと悪の帝国イギリス』

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』









