古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:習近平

 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。『週刊現代』2024年4月20日号「名著、再び」(佐藤優先生の書評コーナー)に拙著が紹介されました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願い申し上げます。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 専門家ではないので不正確という批判は承知しつつも、どうしても言いたいことがある。地政学的を地球の表面に例えてみると、現在は、プレートがぐっと下に入って大きな地殻変動が起きているようなものだ。西側(ザ・ウエスト)、欧米による600年の支配が終わり、西側以外の国々(ザ・レスト)が台頭しつつある。世界の大きな構造変化が起きている。大きなプレートの境目で大地震が起きる。現在、地政学上の「大地震」が起きているのは、ウクライナとイスラエル(パレスティナ)である。これは、大きく見れば、「西側諸国(ザ・ウエスト、the West)対西側以外の国々(ザ・レスト、the Rest)」の対立によって引き起こされている。そして、現在は平穏を保っているが、「地震」が起きるのではないかと心配されているのが、インド太平洋である。具体的には、米中対立がどのようなことになるか、ということである。私たちが住むインド太平洋地域で「大地震」、つまり、戦争を起こしてはいけない。それは私たちのためだけではなく、世界のためだ。

 インド太平洋を平穏のままにしておくことは、しかしながら、難しい。それは、アメリカが自国の衰退を受け入れられず、世界覇権国としての地位から、少しずつ、静かに去るという決断ができていないからだ。ジョー・バイデンが2期目を迎えるとなると、開戦直前の日本帝国海軍のように、「今やらねば、じり貧になって戦えなくなる」ということで、中国に大打撃を与えようとする輩が何をするか分からない。歴史の流れを人間の力で逆転させることは難しい。結局、「ドカ貧」になるだろうが、その過程で大きな犠牲や損失が出て、世界は大きく停滞することになる。ドナルド・トランプが今年秋の大統領選挙で勝利することが望ましいが、現状では、「ジョー・バイデンを勝たせる」という主流派・エスタブリッシュメント派の意思が強固である。バイデンが勝利すれば、アメリカは騒乱状態になるだろう。それが内戦まで行きつくかは分からないが、その危険性、可能性は高まっていると言わざるを得ない。

 地震を食い止めることができないならば、それに備えるということも考えておかねばならない。ドルの信用失墜による紙くず化、アメリカ国債の紙くず化ということも考えておくべきだろう。

(貼り付けはじめ)

地政学的ハードランディングの可能性は極めて高い(A Geopolitical Hard Landing Is All Too Possible

介入すべき時はいまだ。

ジャレッド・コーエン筆

2024年2月21日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/02/21/geopolitical-hard-landing-economics-election-china/

市場には良いニューズもあるが、私たちはまだ危機を脱した訳ではない。つまり、エコノミストのほとんどは2024年にソフトランディング(soft landing)すると予測している。しかし、地政学的なハードランディング(hard landing)がその邪魔になるかもしれない。

マクロ経済の課題に対処するためのツールとプロセスが存在する。インフレが高すぎる場合、連邦準備制度は金融政策と金利を調整し、多くの場合、イングランド銀行やヨーロッパ中央銀行などの同等の機関と調整する。結果は保証されておらず、一律でもない。経済学者、投資家、政策立案者たちは政策とその結果について議論する。しかし、金利の上昇によって景気が減速し、不況を引き起こすことなく、インフレ率が低下すれば、ソフトランディングすることになる。インフレ率はピークから低下し(それでも目標の2%は上回っているが)、2024年1月のアメリカの新規雇用数は35万3000人で、国際通貨基金(IMF)は世界経済の成長予測を最大3.1%に修正していることから、これが最終的に達成される成果のように見える。

地政学のシナリオは、悲惨な科学よりもはるかに悲観的な分野となっている。中東やヨーロッパでの戦争、インド太平洋での緊張、そして「ポスト冷戦時代の終わり(end of the post-Cold War era)」が他に何をもたらすのかという深い疑問がある。地政学的ハードランディングは、アメリカ主導の国際システムを圧倒しかねない、複数の、関連し、拡大する紛争や危機を伴うだろう。その結果、パワーバランス(balance of power)が変化し、世界市場が根底から覆される可能性がある。

地政学的に何が起こるかは、世界市場にとっても、私たちの生活にとっても重要である。今日の地政学的課題は一過性(transitory)のものではなく、今後も続く。政治や資源の現実、恐怖、名誉、利害といった要素、主権国家としての優先順位や利害を考慮した、時宜に敵した介入が必要なのだ。あまりにタカ派的なアプローチは、過剰拡張(overreach)と反撃(blowback)を招きかねない。だからと言って、あまりにハト派的なアプローチは、侵略(aggression)とエスカレーション(escalation)を招く。実際、2024年にアメリカとそのパートナーたちがトレードオフを正しく理解できなければ、地政学的なハードランディングがますます現実味を帯びてくる。

今日、世界は過去数十年間見られなかったような連鎖的な紛争(cascading conflicts)に直面している。2021年のアフガニスタンからの混乱した撤退の後、2022年にはロシアによるウクライナへの本格的な侵攻を抑止力は防ぐことができなかった。2023年には、ハマスによるイスラエルへのテロ攻撃や、イランが支援する中東全域での地域的代理攻撃(Iranian-backed regional proxy attacks)を、抑止力(deterrence)で防ぐこともできなかった。世界で最も人口が多く、目まぐるしく動く地域であるインド太平洋でも、抑止力が機能しなくなる日が来るのだろうか? こうした連鎖はどこで止まるのだろうか?

ユーラシア全土で状況は改善されていない。ロシアから身を守る全面戦争が始まって2年が経ち、ウクライナ人は現在領土の80%以上を支配している。しかし、現場の状況は依然脆弱で、ワシントンの政治的行き詰まり(political gridlock)がこうした成果の逆転を招く可能性がある。つい最近、ウクライナが支配するアヴディーウカの町がロシアの進出により陥落した。連邦上院はウクライナ、イスラエル、台湾への950億ドルの支援策を70対29の賛成多数で可決したばかりだが、その多くはアメリカでの枯渇した武器供給の補充に費やされることになるが、連邦下院での法案の行方は不透明だ。アメリカは既存の法律の下でできる、キエフに対する最後の武器供与(drawdowns)を行った。また、ヨーロッパ連合加盟27カ国は、540億ドルのウクライナ支援パッケージに合意したが、強固な産業基盤を持たず、3月までに100万発の砲弾供与という約束を達成するのに十分な砲弾を生産できない。一方、ウクライナでは弾薬の配給が行われており、今年後半のロシア大統領選挙後(驚くべきことが起きるとは予想されていない)、ウラジーミル・プーティン大統領は大胆にも大規模な動員(larger mobilization)を命じる可能性がある。

市場は現在のロシア・ウクライナ戦争をほぼ織り込み済み(largely priced)だ。しかし、その長期的な意義や、この戦争がヨーロッパにとってどのような意味を持ちうるかについては、説明されていないと言えるだろう。ロシアがフィンランドとエストニアについて精査している中、ボリス・ピストリウス独国防相は、今後5年から8年の間にモスクワが「NATO加盟国を攻撃する可能性すらある(even attack a NATO country)」ことを考慮する必要があると述べ、それが意味することを詳しく説明した。

中東では、10月7日にハマスがイスラエルをテロ攻撃し、その後は紛争になっている。この紛争は中東地域にとって世界規模の対テロ戦争(Global War on Terror)以来最大の地政学的な試練となっている。イスラエルはハマス壊滅作戦を継続しているが、一方で、イランが支援している代理勢力(Iranian-backed proxies)が少なくとも6つの戦域で先頭をエスカレートさせている。世界経済と、バルバリア海賊(訳者註:北アフリカの各都市を拠点とした海賊)の時代から国際通商を守ってきたアメリカ海軍は、イエメンのフーシ派の攻撃に晒されている。全面的な地域戦争(full-scale regional wars)は想定されていない可能性が高いが、アメリカとイランが直接対立する事態が激化すれば、状況はすぐに変わる可能性がある。それがどのようにして起こるかを理解するのは難しいことではなく、地域で最長期間統治を行っている、最高政治指導者である85歳のアリ・ハメネイ師が統治するイランが核兵器の製造に成功すれば、混乱が加速する可能性がある。

しかし、ワシントンやウォール街、そして世界中の政治・金融資本が最も懸念しているのは、インド太平洋地域である。地政学的な理由から、中国はアメリカだけでなくオーストラリア、日本、リトアニア、韓国などの国々に対する経済的禁輸措置と相まって、「二重循環(dual circulation)」経済モデルと国内での自立(self-reliance)強化を推進している。同時に、ドナルド・トランプ政権下で始まった関税の大半はジョー・バイデン大統領の下でも継続されており、アメリカ主導の制限によって中国への半導体輸出は数十億ドル減少した。マイクロエレクトロニクスから医薬品、重要鉱物、レアアースに至るまで、国家安全保障上重要なサプライチェインのチョークポイントに焦点が当てられることで、世界経済に摩擦が生じ、それが他の分野でのリスクや機会を生み出している。

最悪のシナリオは、中国と、台湾やフィリピンといった近隣諸国との軍事衝突であり、アメリカがこれを支援した場合、計り知れない人的損失と過去数世代で最大の経済的ショックがもたらされる可能性がある。ブルームバーグ・エコノミクスは最近、台湾をめぐって中華人民共和国と戦争が起きた場合のコストを10兆ドルと見積もった。

歴史的に見れば、1973年のアラブ諸国の石油禁輸やロシアのウクライナ戦争のようなショックは、世界貿易を混乱させたことはあっても根底から覆すことはなかった。好戦的な北朝鮮やヴェネズエラとガイアナの国境紛争など、毎日の見出しには登場しない危機はもちろんのこと、ユーラシア大陸の3つの主要地域全てにわたって、深刻かつ密接な課題が山積している。

私たちが知っているように、世界は信頼できる大国であるアメリカのリーダーシップを引き継いでいる。アメリカは同盟諸国やパートナーと協力して、アメリカ人だけでなく世界中の人々に利益をもたらす国際安全保障と経済構造を構築し、支援してきた。もう1つの前提は、このアメリカ主導の国際秩序を再構築する意図と能力を他国が持たないだろうというものだった。アメリカのリーダーシップへの挑戦と、中国、イラン、ロシア、加えて北朝鮮の間の緊密化を考えると、どちらの想定も当然のこととは考えられない。

前提は変わったかもしれないが、経済学と同様、地政学(geopolitics)においても、避けられないものはない。昨年、予測者の一部は2023年に景気後退が起こる可能性は100%だと述べたが、それは間違いだった。ただし、ソフトランディングは単独で起こるものではなく、全分野にわたるリーダーシップが必要だ。

ヨーロッパの戦争は1年前と同じ状況ではない。 2023年のウクライナの反撃は成功しなかった。キエフは防御に回っており、2024年に領土の多くを取り戻す可能性は低い。ロシアは前進を続けており、現在GDPの6%を軍事費に費やしており、2021年の2.7%から増加しており、イランと北朝鮮からの軍事品によって支えられている。一方、グーグルの元最高経営責任者(CEO)エリック・シュミットが警告したように、モスクワはキエフとの「イノベーション競争に追いついており(caught up in the innovation contest)」、オーラン10やランセットなどのドローンを国内生産している。そして、アジア市場に軸足を移した後、ロシアは西側諸国の制裁を緩和し、IMFは最近ロシアの経済成長予測を2.6%に引き上げた。

後退を味わったとはいえ、ウクライナに有利な要因はいくつかある。アメリカ人が1人も参戦せず、アメリカの年間国防費の5%を費やし、アメリカの情報諜報機関は現在、モスクワは2022年の侵攻軍の90%を失ったと見積もっている。ウクライナは黒海の戦いに勝利しており、オデッサからの穀物回廊は昨年上半期に3300万トン以上の穀物や食料品に開放され、その3分の2は発展途上国へ運ばれた。ウクライナはクリミア周辺を含め、ロシア支配下のインフラを標的にしている。キエフは防衛産業基盤の拡大も図っており、30カ国から252社が参加する防衛産業フォーラムを立ち上げている。

ヨーロッパは自国の防衛インフラ強化に遅れをとってきたが、勢いはついている。フィンランド、リトアニア、スウェーデン、ポーランドといった対ロシアの最前線の民主政体国家が牽引し、2022年のヨーロッパの国防支出は6%増加した。それでも、NATO同盟のほとんどの加盟国は、GDPの2%を国防費に充てるという、2014年のウェールズ公約を達成できておらず、GDPに占めるアメリカの国防費も、今後10年間で、2023年の3.1%から2033年には2.8%まで減少すると予測されている。ウクライナは、欧米諸国の援助なしに、国土がその28倍、人口が3倍以上の国を抑えることはできない。同様に、抑止力の低下によってヨーロッパの、いや世界の安全保障を維持することはできない。

中東では今日、ガザ地区の「その後(day after)」や、紅海でのフーシ派の攻撃、イラクでのイランの後ろ盾による代理攻撃がいつ、どのように収まるのかが主に問われている。テヘランは不安定と混乱という新たな常態を作り出しており、停戦の継続を望む動機はほとんどない。かつてイエメンでは比較的無名のシーア派の代理集団だったフーシ派は、今やアラブ世界の英雄だ。

イランの短期的な戦略的優位は、根本的に変化した情報環境によって強化されている。戦争の「ソーシャルメディア化(social-mediafication)」とは、あらゆる人気ソーシャルメディアプラットフォームにアップロードされる映像の時間が、戦争の秒数よりも多いことを意味する。911を引き起こしたアルカイダのテロリストの多くは、1990年代にボスニアの戦争から生まれたアルゴリズム以前のコンテンツを見て過激化した。今日のAIを駆使したアルゴリズムは、そのリスクを更に高めている。

しかし、ハイパーターゲットされたオンライン過激化(hyper-targeted online radicalization)によって悪化した、古き悪しき時代に戻る必要はない。アブラハム合意は維持されている。ペルシア湾岸のスンニ派諸国は、サウジアラビアの「ビジョン2030()Vision 2030」のような変革プロジェクトに注力し、地政学的な影響をできるだけ受けずに経済発展を遂げようとしている。紅海で何が起きているのかにもかかわらず、国際ビジネス界との関わりはほとんど途切れていない。カタールもサウジアラビアと同様だ。

 

 

 

 

この地域を瀬戸際から引き戻すための2つの要因は、イランに対する抑止力の回復と、イスラエルと湾岸諸国の統合である。つまり、イランとその「抵抗軸(axis of resistance)」が今日の混乱の原因であることを認識することである。そのためには、アメリカは、アラブ首長国連邦やサウジアラビアのようなパートナーと協力する必要がある。サウジアラビアはワシントンと国防協議を再開し、高官たちはイスラエルとの国交正常化に「絶対的に(absolutely)」関心があると繰り返し述べている。

南シナ海と台湾海峡は危険であるが、ありがたいことに平和である。2023年11月に行われた中国の習近平国家主席とジョー・バイデン米大統領の会談では、サンフランシスコから良いニューズが伝えられた。2024年1月13日に行われた台湾の選挙に対する中国の反応は、多くの人が予想していたよりも抑制的だった。あとは、5月に台湾総統に就任する頼清徳(ウイリアム・ライ)の就任演説に北京がどう反応するかにかかっている。

しかし、台湾は今日の戦略的な焦点ではあるが、潜在的なホットスポット(hot spots)は台湾だけではない。中国は14カ国と国境を接しており、他のどの国よりも多くの国土を隣国と接している。北京は国境を接するほぼ全ての国と領土問題を抱えており、これらの紛争にはそれぞれリスクが伴う。

それでも、インド太平洋の平和を維持することは可能である。中国の攻撃的な姿勢は、オーストラリア、インド、日本、フィリピン、韓国を大きく変化させ、安定のためのミニラテラル連合(minilateral coalitions for stability)へと導いている。クワッド(Quad)、AUKUS、韓国や日本との首脳会談、フィリピンとの基地協定は、アメリカがこれらの国々が互いに協力を強化しているいくつかの例であり、日本は、アメリカとともに、2027年までに自衛隊を世界第3位の規模にする可能性のある防衛政策の大転換を約束した。

しかし、これら全てに欠けているものがある。それは、ワシントンはまだこの地域への経済的関与の戦略を持っていないということだ。北京が支持する地域包括的経済連携(Beijing-backed Regional Comprehensive Economic Partnership)のような協定が拡大する一方で、バイデン政権のインド太平洋経済枠組み(Indo-Pacific Economic FrameworkIPEF)は停滞しており、ホワイトハウスはIPEFを「貿易協定ではない(not a trade agreement)」と説明しているが、IPEFは環太平洋パートナーシップ協定(Trans-Pacific PartnershipTTP)に代わるものではない。ワシントンの経済政策としては、アメリカが遠い国ではなく、信頼できる経済パートナーであることを伝えるようにすべきである。NATO同盟の75周年が近づくにつれ、指導者たちは、平和と繁栄がどのような挑戦を受けようとも、それを維持することに美辞麗句でも実際上でも関与する必要がある。

これらの地経学的な力は、世界中の人々にとって懸念事項だ。ただし、それらは公共部門だけの領域ではない。私たちを経済のソフトランディングに導く同じ市場力学の多くは、世界情勢において資産となる可能性がある。グローバル企業は戦争中の世界で成功することはできず、アメリカとその同盟諸国およびパートナー諸国は、民間部門によって可能になる成長と技術革新がなければ平和を維持することはできない。

この力学が最も顕著に表れているのは、エネルギーと新興テクノロジーの2つの分野である。新しい持続可能なエネルギー源を開発することは、地政学的にも経済的にも可能な最善の一手であり、アメリカが2018年以降世界トップの原油生産国となり、昨年以降世界トップの液化天然ガス輸出国となったのは、民間セクター主導の技術革新によるところが大きい。今後数年間で、アメリカが主導している生成人工知能(generative artificial intelligence)のようなテクノロジーは、地政学におけるワイルドカードとライフラインとなり、テクノロジー企業はより大きな地政学的利害関係者(stakeholders)となるだろう。このような領域は、深く開かれた資本市場、法の支配、財産権を持つ民主政体社会が、正統性(legitimacy)、安定性(stability)、成長(growth)の源泉となる優位性(advantages)を持つ場所である。

世界人口の60%が投票に向かう今年、こうした利点を生かすことが必要だ。何十億もの人々が指導者に投票することは、フリーダム・ハウスなどの団体によって世界的に記録された民主政治体制の長年の衰退の後では歓迎すべきニューズである。しかし、世界中の政府が変わることで、今年の終わりは、始まりとは大きく異なるものになるかもしれない。

特に、2024年のアメリカ大統領選は、他国にとって地政学的に最も重要な問題の1つであることは言うまでもないが、ここ数十年で最も重大な意味を持つかもしれない。有権者にとって外交政策が最優先されることはめったにないが、アメリカ国民の選択は世界情勢にとって経済以上に大きな影響を及ぼすかもしれない。バイデン、トランプどちらの政権が採用する貿易・産業政策も、国内では一部のセクターを強化するかもしれないが、海外ではパートナー諸国を含めて反発を招くかもしれない。世界におけるアメリカの役割に対する新たなアプローチは、友好国を安心させることもあれば、敵対勢力を煽ることもある。そして、どの指導者もバイデンかトランプのどちらかの結果に賭けて、リスクヘッジすることで準備を進めている。

2023年、私たちは経済のハードランディングが何を意味するかを理解し、それを防ぐために時宜を得た慎重な行動を取った。2024年には、地政学的なハードランディングが起こりうることを認識し、社会のあらゆる部門が、この瞬間に必要とされる真剣さをもって対応する時である。

※ジャレッド・コーエン:ゴールドマンサックス社国際問題担当部長・応用技術革新部門共同責任者。ゴールドマンサックス社経営委員会パートナー・委員。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。『週刊現代』2024年4月20日号「名著、再び」(佐藤優先生の書評コーナー)に拙著が紹介されました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻が起きて以来、人々の不安を煽る主張が多く出ている。「ロシアはウクライナの次として●●(バルト三国や隣接している国々の名前が入る)を狙っている、攻める」とか、「ウクライナの次は台湾だ(中国がロシアの成功を見て台湾侵攻を行う)」といった主張がなされてきた。「ロシアのプーティンも中国の習近平も共に独裁者で、自分たちの思うとおりに軍隊を動かして、他国を攻める」「ロシアも中国も膨張主義(expansionism)だ」という粗雑な、浅はかな考えが基本になっている。プーティンも習近平も、こうした浅はかな主張をする人間たちよりも、はるかに頭が良く、自分の欲望だけで何かをするという次元の人間ではない。また、ロシアも中国も国土に関して野心を持っていない。

 プーティンのウクライナ侵攻の原因をきちんと精査し、分析し、合理的な判断もしないで、粗雑な前提で、「攻めてくる、攻めてくる」と騒ぎ立てるのは、人々の不安を煽って、自分の金儲けに使おう、商売にしようというさもしい根性から出ている。独裁者だから連続してどんどん侵略するということはない。ヒトラーやナポレオンがいるではないか、という声も出るだろうが、独裁者が全員、ヒトラーやナポレオンのような行動を取った訳ではない。

 プーティンが独裁者だから必ず、ウクライナ以外にも侵略戦争を仕掛けるというのは粗雑な考えであり、プーティンがどうしてウクライナに侵攻したのか(2014年の時も含めて)を考えるならば、NATOの拡大が理由として挙げられる。NATOとは対ソ連、今では対ロシア軍事同盟だ。ロシアの側か見れば、それがどんどん東側に拡大して、自国に迫ってくる。東欧諸国やバルト三国が加盟してNATOと隣接することになる。それでもロシアは自制した。しかし、ウクライナはロシアにとっては喉首のような場所であり、NATO拡大は看過できない(EU加盟には賛成している)。こうして考えると、西側諸国がロシアの意向を無視して、ロシアを煽ったということになる。ロシアは乾坤一擲、ウクライナを抑えた。それ以上のことをする意図はない。

 これは中国にも言えることで、台湾が現状のままならば、わざわざ侵攻することはない。既に両岸関係は緊密に絡まり合って、経済的には一蓮托生の状態になっている。アメリカをはじめとする西側諸国が余計なことをしなければ、そのままの状態で、経済が発展していく。西側諸国という存在が世界にとって大いなる邪魔者になっているということを私たちは良く考えねばならない。そして、過度に単純化された、不安を煽る言説に惑わされてはいけない。

(貼り付けはじめ)

ロシアが次に何をするかを実際のところは誰も知らない(Nobody Actually Knows What Russia Does Next

-ウラジーミル・プーティンの将来に関する計画に対して西側諸国の警告はますます大きくなっているが、説得力は増していない。

The West’s warnings about Vladimir Putin’s future plans are getting louder—but not any more convincing.

スティーヴン・M・ウォルト筆

2024年4月2日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/04/02/russia-putin-nato-warning-war-west/?tpcc=recirc062921

どうやら、西側諸国の外交政策エリートの主要メンバーたちは読心術者(mind readers)であるようだ。彼らは、ロシアのウラジーミル・プーティン大統領の意図が何であるかを正確に知っていると主張している。著名な当局者や政治評論家たちは、プーティンの野心は無限であり、ウクライナは単なる最初の標的に過ぎないとの意見で一致している。

ロイド・オースティン米国防長官は、「プーティンはウクライナに止まらないだろう」と述べた。デイヴィッド・ペトレイアス元CIA長官は、CNNのクリスティアン・アマンプール記者に「プーティンはウクライナに止まらないだろう」と語った。ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は、「次はリトアニア、ラトビア、エストニア、モルドバになるかもしれない」と警告し、ジェーン・ハートリー駐英米大使は、「ロシアがこの後止まるかもしれないと考える人は誰でも間違っている」と述べた。リトアニアのガブリエリウス・ランズベルギス外相も同じ考えだ。「ロシアは止まらないだろう。プーティンは、明らかに更なる計画を持っている」と述べている。ジョー・バイデン米大統領も2023年12月に同じ警告を発し、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長も同じ警告を発した。西側諸国の政府関係者たちは、ロシアがいつNATOを狙うのか定かではないが、モスクワを断固として打ち負かさなければ、より広範な戦争は避けられないと考える声が高まっているようだ。

ウォルター・リップマンが警告したように、「全ての人が同じように考えるとき、誰もあまり考えない」。ウクライナ戦争が終結し、ロシアが2022年以前のウクライナの領土の一部を支配することになる場合、プーティンやロシアがどのような行動に出るかは、これらの人々の誰も、何も分からないというのが明白な事実である。私もそうだし、プーティン自身(そしてプーティン自身もはっきりとは知らないかもしれない)を除いて、他の誰も分からない。プーティンが大きな野心を持っていて、ウクライナでの高価な成功に続いて、どこか別の場所で新たな攻撃を試みる可能性はある。しかし、プーティンの野望が、ロシアが莫大な犠牲を払って勝ち取った以上のものには及ばず、それ以上のギャンブルをする必要も欲望もないという可能性も十分にある。例えば、プーティンは最近、ロシアはNATOを攻撃するつもりはないと宣言したが、ウクライナに供与されるF-16やその他の航空機がウクライナに配備されれば、合法的な標的になるとも指摘した(当たり前だ)。プーティンの保証を額面通りに受け取るべき人はいないが、彼の言うことは何でも全て嘘だと決めつけるべきではない。

もちろん、プーティンの将来的な行動について、薄気味悪い警告を発している西側の専門家たちは、西側諸国の人々(そしてアメリカ連邦議会)を説得して、ウクライナへの援助を増やし、ヨーロッパの防衛費を増額させようとしている。はっきり言って、私もウクライナへの援助を継続することには賛成だし、NATOの加盟国であるヨーロッパ各国が通常戦力を増強することで抑止力(deterrence)を強化することを望んでいる。私が気になるのは、このような宣言に触発される反射的な脅威を危険視する不安感の急速な膨張であり、このような暗い予測をあたかも確立された真実であるかのように扱い、それに疑問を呈する者を考えが甘い人間、親ロシアでロシアの手先、あるいはその両方と決めつける傾向があることだ。

プーティンに無限の野望があるという、偏った、信仰に近い考えは、全ての独裁者は生来攻撃的で抑止が難しいという、おなじみのリベラル派の主張にもとづいている。その論理は単純だ。「全ての独裁者は拡大を求める。プーティンは独裁者だ。だからプーティンはウクライナで止まらない。証明終わり」。この三段論法(syllogism)はリベラルなエリートたちの間では信条(article of faith)になっているが、この主張を裏付ける証拠はほとんどない。確かに、ナポレオンやアドルフ・ヒトラーのように危険な連続侵略者だった独裁者もいる。だから、現在私たちが偶然対峙することになっている独裁者は誰でも、必然的に「もう1人のヒトラー(another Hitler)」というレッテルを貼られる。しかし、他の独裁者たちは、国内での行いがいかに酷いものであったとしても、国際舞台ではむしろ品行方正(well-behaved)であった。毛沢東は誰がどう見ても暴君であり、彼の政策は何百万人もの同胞を死に至らしめたが、毛沢東の征服戦争(war of conquest)は1950年のチベット占領だけだった。オットー・フォン・ビスマルク率いるプロイセンは、8年間に3度にわたって戦争を繰り返したが、1871年に誕生した統一ドイツは、それから19世紀が終わるまで、断固として現状維持(status quo)に努めた。スタニスラフ・アンドレスキーが何年も前に論じたように、多くの軍事独裁政権は平和的な姿勢を取る傾向がある。プーティンが国内のライヴァルを投獄したり殺害したりする冷酷な独裁者であり、その他の卑劣な行為を行っているという事実は、彼がロシアの近隣諸国を征服したいと思っているかどうか、あるいはそうできると信じているかどうかについては、ほとんど何も語っていない。そして、いわれのない違法で破壊的な戦争を仕掛けるのに、独裁者である必要はほぼないのである。

第二に、ウクライナでの戦争が最終的に終わったとき、ロシアは新たな侵略戦争(new wars of aggression)を仕掛けることができる状態にはないだろう。アメリカの情報諜報機関は、ロシアがウクライナで死傷した兵力は30万人を超え、数千台の装甲車や数十隻の船舶・航空機も失ったと考えている。プーティンは、(「再選[reelection]」が終わった今、そうするかもしれないが)追加出動(additional troop mobilizations)を命じることに消極的だ。そのような措置はロシア経済をさらに弱体化させ、民衆の不満を煽る危険があるからだ。西側の制裁措置(sanctions)は、アメリカとその同盟諸国が期待したほどにはロシア経済に打撃を与えなかったが、ロシアにとって長期的な経済的影響は依然として深刻なものになるだろう。長い通常戦争(conventional wars)を戦うにはコストがかかる。現在の戦争が終わるたびに次の戦争を始めるのは、プーティンが簡単だと信じていた「特別軍事作戦(special military operation)」を開始するという当初の決断以上に無謀なことだ。ウクライナでのロシアの困難は、たとえプーティンの軍隊が最終的にピュロスのような勝利を収めたとしても、プーティンを今後はるかに慎重にさせる可能性が高いのではないだろうか?

第三に、プーティンが侵攻を決意した大きな理由が、ウクライナが西側の軌道に乗り、いつの日かNATOに加盟するということを阻止するためだったとすれば、その後の和平協定でその可能性が封じられれば、プーティンは満足するかもしれない。国家はしばしば、貪欲さ(greed)よりも恐怖(fear)から戦争に踏み切るものであり、ロシアが持つ安全保障上の恐怖が弱まれば、ヨーロッパ地域の他国を狙うインセンティヴ(誘因)もおそらく低下するだろう。もちろん、NATO加盟諸国はこの可能性を当然と考えるべきではないが、プーティンの狙いに際限がないという仮定と同程度には、説得力を持つ話だ。

ヨーロッパの専門家たちの一部は、ロシアのウクライナ侵攻に、NATOの拡大は関係ないと主張し、プーティンが侵略したのは、ウクライナ人とロシア人は文化的・歴史的に深いルーツを共有しており、形式的には統一されていなくても、政治的には同盟を結ばなければならないと考えているからだと主張している。この見解では、NATOの拡大は開戦の決断とは無関係であり、古き良きロシアの文化的帝国主義(cultural imperialism)の一例に過ぎない。しかし、もしそうだとすれば、プーティンの思考においてウクライナは特別な存在であり、プーティンが侵攻した理由(そして侵攻が容易だと考えた理由)は他の国には当てはまらないということになる。興味深いことに、この結論は、2008年にウィリアム・バーンズ駐ロシア米大使(当時)がワシントンに警告した「ウクライナのNATO加盟は(プーティンだけでなく)ロシアのエリートにとって最も明白なレッドラインだ」という指摘と一致している。ロシアはそれ以前のNATO拡大についてはしぶしぶ容認していたが、ウクライナはまったく異なるカテゴリーだった。プーティンの「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性(historical unity of Russians and Ukrainians)」についての錯綜した主張をどう考えるかにしても、プーティンはフィンランドやスウェーデンやポーランドや他の誰をも同じようには見ていない。バルト三国におけるロシア語を話す少数民族の地位は、その後のロシアの干渉の口実になるかもしれないが、プーティンは、国民のほとんどがロシア人ではなく、再統合されることを断固として反対して、ロシアを敵視している国々をめぐって、NATOと直接武力で衝突する危険を冒すだろうか?

私が指摘したいのは、プーティンがロシア人とウクライナ人を「ひとつの民族(one people)」だと考えているから侵略したと考えるのであれば、プーティンの野望はこの特殊なケースに限定されると結論づけるのが合理的だということになる。

最後に、プーティンは完全敗北させなければ新たな戦争を仕掛ける、容赦のない連続侵略者だという主張は、戦争を終結させ、ウクライナのさらなる被害を免れる努力を妨げている。プーティンが新たな戦争を始めるのを防ぐには、完全な敗北しかないと考えるのであれば、ウクライナが全ての領土を取り戻すまで現在の戦闘を続けなければならないということになる。私はウクライナが領土を回復して欲しいと考えているが、西側欧米諸国の追加支援があったとしても、その可能性はますます低くなっているようだ。昨夏のウクライナの反転攻勢(Ukraine’s counteroffensive last summer)が成功すると誤って予測した、考えの足りない楽観主義者たちは、その誤りを謝罪し、なぜ間違っていたのかを説明しただろうか?

繰り返す。私はプーティンが何をするか知っていると言っていない。また、ウクライナでの戦争が終われば、プーティンの意図は良性となり、ヨーロッパの現状を確実に維持するだろうと単純に考えるべきだとも思わない。私が反対しているのは、彼が何をするか正確に知っていると主張し、単なる推量(mere guesswork)に基づいて非現実的な目標を追求し続ける影響力のある声全てに対してだ。

ウクライナでの戦争がウクライナの完全勝利に満たないもので終わるのであれば、適切な対応とは、将来的に他の国がウクライナのような運命をたどる可能性を低くすることだ。プーティンが何をしでかすかは誰にも分からないのだから、NATOのヨーロッパ加盟諸国は防衛能力を高め、明らかな脆弱性(vulnerabilities)について是正すべきだ。しかし同時に、アメリカとNATOの同盟諸国は、ロシアの正当な安全保障上の懸念(全ての国がそうであるように、ロシアにも実際に懸念はある)を認め、それを和らげるために何ができるかを検討すべきである。そのような努力は、ロシアが行ったことに対して「代償を払わせる(make Russia pay)」という願望が残っていることを考えれば、物議を醸すだろうし、こんなことになるだろう。しかし、賢明な国家運営とは将来を見据えたものであり、将来の戦争を防ぐことが優先されるべきだ。そのためには、信頼できる抑止力と信頼できる保証を組み合わせる必要がある。そうすれば、プーティンやその後継者たちが持つ、武力行使を考える必要性も、武力行使をすればロシアが有利になるという確信も減るだろう。

※スティーヴン・M・ウォルト:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト、ハーヴァード大学ロバート・アンド・レニー・ベルファー記念国際関係論教授。ツイッターアカウント:@stephenwalt

(貼り付け終わり)

(終わり)
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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。『週刊現代』2024年4月20日号「名著、再び」(佐藤優先生書評コーナー)に拙著が紹介されました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 ドイツのオラフ・ショルツ首相が訪中を行った。昨年にもショルツ首相は訪中を行っており、ドイツの対中重視の姿勢が見て取れる。ウクライナ戦争が続く中、また、最先端技術分野での西側と中国の競争が続く中で、ショルツ首相訪中は西側を中心として批判を浴びている。「対中弱腰」「自国の経済的利益のみを追求」「必要なことは何も言わないで媚中的な態度」といった批判を浴びている。対中姿勢については、ショルツ政権内でも意見が割れている。

現在のドイツの内閣は、ショルツ首相が所属する社会民主党(SPDSozialdemokratische Partei DeutschlandsSocial Democratic Party of Germany)、同盟90・緑の党(Bündnis 90/Die GrünenAlliance 90/The Greens)、自由民主党(FDPFreie Demokratische ParteiFree Democratic Party)の連立政権になっている。ドイツ連邦議会で3番目の議席を有する緑の党は対中強硬姿勢を取っている。人権問題や経済問題、中国のロシア支援などについて、厳しい批判を行っている。ショルツ政権には、重要閣僚である副首相並びに経済・環境保護相(ロベルト・ハーベック)と外相(アンナレーナ・ベアボック)に緑の党から入閣している。これらの人物たちは、中国に対する強硬姿勢を崩していない。閣内不一致と言える状態だ。ちなみに、ドイツの緑の党や環境保護運動には戦後、多くの元ナチス党員やナチ支持者たちが参加しており、ファシズムとの共鳴性があることが指摘されている。

 しかし、ドイツのようなアメリカの属国の立場ではこれは賢いやり方だ。アメリカにあくまで追従して、中国に敵対するという姿勢を見せながら、実利的に、特に経済面において、中国と良い関係を保っておくということを行うことは重要だ。ドイツの産業界は、日本の産業界と同様に、中国との緊密な関係を望んでいる。政治は政治として、経済は別という立場で、経済成長が鈍化したとは言え、まだまだ経済成長を続ける中国と中国市場から排除されることは大きな損失である。また、成長を続ける中国企業の海外投資もまた魅力的である。「ドイツの外交政策は大企業の役員室で決められている(だから対中弱腰なのだ)」という悪口がある。それで、平和が保たれ、経済的利益が生み出されるならば、何よりも結構なことではないか。政治家が、自分たちは安全地帯にいて、排外的、好戦的な、強硬姿勢を見せるのは、あくまで政治の方便としてならともかく、本気でそのようなことをしているのは馬鹿げたことであり、何よりもそれが平和に慣れ切って、平和の大切さを忘れて、平和をいじくろうとする、想像力の欠如した、「平和ボケ」ということになる。ショルツ首相の舵取りを日本も見習うべきだ。いや、水面下では既に中国とうまくやっているのだとは思うが。

(貼り付けはじめ)

オラフ・ショルツの戦略的不真面目さ(The Strategic Unseriousness of Olaf Scholz

-彼の最新の訪中は、ドイツの対中国政策は大企業の役員室で作られていることを示すものだ。

ジェイムズ・クラブトゥリー筆

2024年4月22日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/04/22/olaf-scholz-germany-china-policy-companies-mercedes-vw-xi-jinping/

 

4月16日、釣魚台国賓館でのドイツのオラフ・ショルツ首相と中国の習近平国家主席

中国への最善の対応を巡るヨーロッパとアメリカの間に存在する、深く長期間続く分裂が再び全面的に露呈した。アントニー・ブリンケン米国務長官は4月24日に中国を訪問する予定だ。訪中前、ブリンケン国務長官は、中国がクレムリンへの兵器関連技術の提供を通じて、対ウクライナ戦争におけるロシアの支援をやめない限り、厳しい措置を講じると警告を発した。対照的に、ドイツのオラフ・ショルツ首相は、口調も内容もはるかに融和的な中国訪問を終えたばかりだが、このアプローチはドイツ、ひいてはヨーロッパを、驚くほど甘い態度のために、経済と安全保障を前にして、危険に晒している。経済と安全保障をめぐる諸問題は中国が提起する課題となっている。

ブリンケンの訪中は、米中関係の改善が進めようとする試みに続くものだ。ジョー・バイデン米大統領と習近平国家主席は、2023年11月にカリフォルニア州ウッドサイドで生産的な会談を行い、今月はそれに続く電話会談を行った。ジャネット・イエレン米財務長官も4月初めに北京を訪問した。新たな閣僚レヴェルのコミュニケーション・チャンネルは、昨年、制御不能(out of control)に陥る危険性があると思われた関係を安定させた。イエレンは現在、中国の何立峰副首相と経済問題に対処し、ジェイク・サリヴァン国家安全保障問題担当大統領補佐官は中国の王毅外相と交渉している。

ホワイトハウスはサリヴァンと王毅のチャネルが特に成功していると見ているが、その理由の1つは、王が現在、政府と中国共産党の外交政策責任者という2つの役割を兼ね備えているからだ。これにより、これらの役割が2つに分割されていたときと比較して、より効率的なコミュニケーションが可能になる。

それにも関わらず、アメリカのアプローチは基本的に競争力を維持している。今週到着するブリンケン国務長官がウクライナについて警告を発したのと同じように、イエレン財務長官もまた、中国の不公平な工業生産慣行(China’s unfair manufacturing practices)と彼女が表現したものについて厳しいコメントを訪問中何度か行った。

ショルツのアプローチは著しく異なっており、良い内容ではなかった。このことは、彼の代表団の詳細が明らかになった瞬間から明らかだった。ドイツには、ロベルト・ハーベック副首相やアンナレーナ・ベアボック外相を筆頭に、中国に対して強硬で戦略的な見方をする閣僚がいる。しかし、どちらも北京にはいなかった。代わりにショルツは、北京との緊密な協力を好む農業などの分野の閣僚や、中独貿易・投資を推進する産業界の重鎮たちを連れて行った。

ショルツはまたお膳立てされた厳しい内容の演説を拒絶した。実際、ショルツ首相は、中国のロシア支援から産業の過剰生産能力の増大するリスクに至るまで、ヨーロッパの経済と安全保障の重要な利益に打撃を与える問題について、公の場において、驚くほどほとんど発言しなかった。ショルツのこうした態度について、中国メディアが大喜びしたのは当然だ。ロディウム・グループの中国アドヴァイザーであるノア・バーキンはショルツの訪中後に、「報道は熱狂的だったと言えるだろう。中国が弾丸を避けたという感覚があるのは明らかだ」と書いている。

ショルツのアプローチは、ドイツの経済的利益に対する認識を基盤にしている。ドイツの対中経済的利益は昨年、著しく悪化した。3月上旬の全国人民代表大会(National People’s Congress、全人代)で習近平は、中国が「新たな質の高い生産力(new quality productive forces)」を発揮することを要求した。これは、電気自動車(electric vehiclesEVs)やバッテリーを含む先進的な製造業に巨額の資金を投入し、中国の経済モデルの失速を補うことを意味する。国内需要が限られている以上、その成果は必然的に輸出されることになり、中国はヨーロッパや北アメリカの先進製造業経済と衝突することになる。

ヨーロッパ連合(European UnionEU)は、中国政府からの補助金(subsidies)が自動車やソーラーパネルを含む産業の企業に競争上の優位性を与えているかどうかを調査しており、ショルツが指摘したように、中国の電気自動車に対する関税を検討し始めている。しかし、中国が国家補助金を削減するという、極めてあり得ないシナリオがあったとしても、その膨大な生産量と低コストのために、ヨーロッパ各国が対抗するのは極めて困難である。電気自動車からエネルギー転換技術、よりシンプルなタイプの半導体まで、ヨーロッパは現在、中国製の工業製品に支配される未来が明らかに近づいている。

ベルリンは、ドイツが誇る製造業の中で最も重要な自動車部門において、特別な課題に直面している。BMW、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲンといった企業にとって、中国は何十年もの間、最も重要で最も収益性の高い市場だった。しかし、その時代は終わった。中国のBYD(比亜迪)は現在、テスラ(Tesla)と、世界最大の電気自動車メーカーの座を争っている。BYDは、アメリカのライヴァルであるテスラとほぼ同等の性能を持ち、それよりもはるかに安価な自動車を生産している。北京や上海の通りには、他の中国電気自動車ブランドで作られた車でごった返しているが、そのほとんどは西側職の人々には知られていない。伝統的な内燃エンジン(traditional combustion engines)の需要は崩壊しつつある。

クライスラーの中国における元責任者で、現在はコンサルタント・グループであるオートモビリティの責任者であるビル・ルッソは、こうした状況の変化に伴い、中国国内の自動車市場における外国ブランドの総シェアは、2020年以降の短期間で、64%から過半数を割る40%に急落したと述べている。現在、フォルクスワーゲンは、まだ中国で多くの自動車を販売しているが、それも長くは続かないだろう。「これらの企業に未来があるとは思えない」とルッソは述べている。

ドイツには二つ目の懸念がある。それは、自国市場へのリスクだ。中国製のバッテリーやその他の部品を対象とした規制のため、現在アメリカでは中国製電気自動車はほとんど販売されていない。中国からの電気自動車輸入の波に直面し、ヨーロッパは関税をアメリカとほぼ同じ水準に引き上げる可能性が高い。

しかしながら、ショルツは自国ドイツの自動車メーカーからは正反対の要求を突きつけられている。電気自動車への移行に多額の投資を行ってきたメルセデス・ベンツのオラ・ケレニウスCEOは、ブリュッセルに電気自動車関税の引き上げではなく引き下げを求め、競争がヨーロッパの自動車メーカーの改善に拍車をかけると主張した。中国をヨーロッパ市場から締め出すだけでは、ドイツが電気自動車で競争力を取り戻すことはできないだろう、という意見には真実味がある。ドイツが電気自動車分野で競争力を取り戻すためには、ドイツ企業は少なくとも自国での製造方法を確立するまでの間、バッテリーなどの分野で中国の技術を利用する必要がある。ドイツはまた、ヨーロッパの関税が中国のドイツ自動車メーカーを標的にした相互措置につながることを恐れている。

したがって、好意的に見れば、ドイツのアプローチは、2008年の世界金融危機を前にした当時のシティグループCEOチャック・プリンスの有名な格言の変形である。その格言とは「音楽が流れている限り、立ち上がって踊るしかない」である。2007年、プリンスは、災難が近づいている兆候が明らかになる中で、なぜ自分の銀行がリスクの高い金融取引を続けたのかを説明しようとしてこの言葉を使った。これと同じように、ショルツはドイツ企業がかつての国際競争力を取り戻そうとする一方で、中国市場の残りのシェアで稼ぎ続けられることを願っている。

もちろん、中国の工業力が高まっていることを考えれば、これがうまくいく確率は低い。しかし、たとえうまくいったとしても、この戦略はドイツ企業にとっての利益と、ドイツやヨーロッパ全体にとっての利益を混同するという、昔からの過ちを犯していることに変わりはない。

このアプローチが甘く見える理由は2つある。1つは、中国の進路が決まってしまったことだ。ショルツは上海で学生たちを前にして、中国に節度ある行動を求めた。「競争は公正でなければならない」とショルツ首相は述べ、北京がダンピング(dumping)や過剰生産(overproduction)を避けるよう求めた。しかし、中国のシステムは現在、この道を十分に進んでおり、北京がショルツの言葉に耳を傾けたとしても、そのような要求の実現は実際には不可能だ。

それどころか、中国は自国の経済モデルを復活させるために製造業を強化しようとしている。ドイツの自動車メーカーが自国(中国)の市場で成功することなどまったく考えておらず、電気自動車やその他の産業で世界的なリーダーになることに全力を注いでいる。ドイツの自動車メーカーは、中国での地位が救われると誤解しているかもしれないが、ドイツの政治指導者たちが同じ作り話を信じる必要はない。ショルツのソフト・ソフト・アプローチ(softly-softly approach)もまた、中国との競争によってもたらされる自国の経済モデルへの巨大な挑戦に対して、ドイツの国民や企業を準備させることはほとんどない。

ドイツのアプローチには、ヨーロッパと西側の団結に対する地政学的な二つ目のコストが伴う。中国の熱烈な報道が示すように、ショルツの訪独は、ヨーロッパ内、そしてアメリカとの分断を狙う北京の長年のアプローチへの贈り物であった。この分断は、貿易をめぐっても明らかだった。しかし、それはウクライナ問題でも同様だった。ショルツ首相の官邸は、ショルツ首相が習近平との個人的な会談でウクライナを取り上げ、ロシアの「再軍備(rearmament)」は「ヨーロッパの安全保障に重大な悪影響(significant negative effects on security in Europe)」を及ぼし、ヨーロッパの「核心的利益(core interests)」に直接影響すると主張したと述べている。しかし、中国にロシアへの支援を止めるよう求める私的なメッセージは、同様の公的なメッセージが既に失敗している以上、効果があるとは考えにくい。

ドイツのアプローチはまた、近年中国への依存を減らすために真剣に取り組んでいるインドや日本を含む、より広いインド太平洋地域の新たなパートナーとの信頼できる関係を構築することを、ヨーロッパにとって難しくしている。インドと日本の指導者もまた、中国がもたらす経済的・安全保障的脅威を率直に公言している。ニューデリーや東京から見れば、ショルツの今回の訪中は、単にヨーロッパの信頼性のなさ(unreliability)と戦略的真剣さの欠如(strategic unseriousness)の証拠としか受け取られないだろう。

もっと良いテンプレートがあることを考えると、ドイツのアプローチは特に奇妙に見える。ブリンケンとイエレンの訪中は、厳しいメッセージを発信しながらも北京でのビジネスが可能であることを示している。ヨーロッパ委員会のアーシュラ・フォン・デア・ライエン委員長は、昨年(2023年)12月に北京で開催された直近のEU・中国首脳会議で、リスク回避に関して同様のバランスを取った。オランダのマーク・ルッテ首相も2024年3月に同様のことを行い、中国のサイバースパイ戦術とウクライナでのロシア支援を公然と批判した。 

ショルツ首相がヨーロッパのパートナーやワシントンと調整し、最も有能な閣僚とともに北京に到着し、明確な飴と鞭を携えて公の場でしっかりと共同方針を表明するような、これまでとは異なるドイツの姿勢を見せると想像することは可能だ。その代わり、ドイツのアプローチは長期的な戦略的洞察に欠けているように見えた。ドイツの政策立案者たちは、ドイツの経済政策や外交政策がベルリンの首相府や省庁ではなく、企業の役員室で決定されるという考え方に歯がゆさを感じている。しかし、ショルツの訪中を、そして気の遠くなるようなことだが、ドイツの中国政策の多くを、それ以外の方法で説明するのは難しい。

※ジェイムズ・クラブトゥリー:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。アジア国際戦略研究所元上級部長。著書に『億万長者による支配:インドの新しい黄金時代を通じての旅路(The Billionaire Raj: A Journey Through India’s New Gilded Age)』がある。ツイッターアカウント:@jamescrabtree

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オラフ・ショルツは本音を隠せないままに中国訪問に向かう(Olaf Scholz Is on a Telltale China Trip
-ヨーロッパは中国に対して強硬な姿勢を取っているが、ドイツが本当にそれに協力しているかどうかはすぐに分かるかもしれない。

ノア・バーキン筆

2024年4月13日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/04/13/scholz-germany-china-trip-europe-derisk-decouple/

 

2022年11月3日、中国に向かうためにベルリンで飛行機に乗り込むオラフ・ショルツ

ヨーロッパ連合(European UnionEU)は、これまで何年も小さな棒を持ち、やわらかく話してきたが、安価な中国製品の流入が自国産業を衰退させることを懸念し、中国に対して経済的な力を行使し始めた。大きな問題は、EU圏最大の経済大国であるドイツが、より積極的なアプローチに全面的に賛同するかどうかだ。

これが、ドイツのオラフ・ショルツ首相の来週の中国訪問を特に興味深いものにしている。ベルリンの対中国政策は近年、硬化している。昨年(2023年)7月、ショルツ政権は厳しい文言の対中戦略を発表し、焦点をリスク回避(de-risking)、多様化(diversification)、対中依存度の削減(reduction of dependencies on China)に移行した。

しかし、もしショルツ1人だけが戦略を立案していたら、そもそもこの戦略は発表されなかったかもしれない。新たな批判的アプローチの原動力となったのは、ショルツの連立パートナーの1つである緑の党(the Greens)だ。ショルツ自身は慎重な姿勢を崩しておらず、中国市場を将来と結びつけている一握りのドイツ大企業に対して北京が報復するのではないかという懸念もあって、中国をあまり強くプッシュしたがらない。

2021年の首相就任以来、最長となる二国間訪問の1つであるショルツ首相訪中は、4月14日から16日まで3日間フルに中国を滞在し、重慶と上海のドイツ企業を訪問した後、習近平国家主席および李強首相と会談するために北京へ向かう予定となっている。中独両国は様々な協力分野が存在することの強調について熱心である。

ショルツは、ドイツ経済の弱体化と、タカ派もハト派も満足させられないウクライナ政策によって、国内ではプレッシャーにさらされている。ドナルド・トランプの再選によって大西洋を越えた関係に衝撃が走るかもしれない今年、北京と新たな戦線を開くことを避けたいとショルツは考えている。習近平は、中国経済が不動産危機、新型コロナウイルス規制解除後の経済不振、そしてアメリカの技術規制によって大きな圧力にさらされているときに、中国とドイツが互いに協力することを約束し続けるというシグナルを送りたいと考えているだろう。

しかし、水面下には、両首脳が封じ込めるのが難しい、様々な対立問題(a range of divisive issues)が潜んでいる。

ウクライナ戦争におけるロシアの戦争継続に対する中国の支援は、ドイツにとって重要なアジェンダとなるだろう。北京が西側のレッドラインを越え、軍事作戦に不可欠な物資や技術援助をモスクワに提供しているという懸念が高まっているからだ。

ジャネット・イエレン米財務長官は先週中国を訪問した際、ロシアの戦争に物質的支援を提供した中国企業は制裁という形で「重大な結果(significant consequences)」に直面するだろうと警告した。ショルツが同様のメッセージをより穏やかな口調で伝えることを期待したい。

しかし、おそらく最重要のアジェンダは、ヨーロッパ連合と中国の貿易関係の悪化だろう。ブリュッセルでは、中国が安価な補助金付き商品(cheap, subsidized goods)をヨーロッパ市場に膨大に流入させることで、経済の停滞から脱出しようと考えて、対ヨーロッパ輸出を試みるのではないかという懸念が高まっている。同時にヨーロッパ諸国は、ワシントンからの圧力が強まる中、中国への機密技術の輸出(export of sensitive technologies to China)をどこまで制限するかについて議論している。

昨年(2023年)6月、ヨーロッパ委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は、中国との技術協力のレッドラインを定めることを目的とした経済安全保障戦略(economic security strategy)を発表した。その数カ月後、ヨーロッパ委員会は中国からの電気自動車(electric vehicles)輸入に関する調査を開始した。そしてここ数週間は、風力タービン(wind turbines)、ソーラーパネル(solar panels)、鉄道に関連する補助金についての調査結果を発表し、中国企業が自国で受けている手厚い国家支援のおかげでヨーロッパ市場で不当な優位性を得ていると非難している。

これらを総合すると、これは、これまで私たちが目にすることがなかった、ヨーロッパからの最も強力な中国に対する反発に相当するが、それはほんの始まりにすぎない。

今週、プリンストン大学で行われた重要な講演で、競争問題ヨーロッパ委員のマルグレーテ・ヴェステアーは、新たな措置を強調したが、ヨーロッパの「モグラたたき(whack-a-mole)」戦術では不十分かもしれないと認めた。

「ケース・バイ・ケース以上のアプローチが必要だ。系統だったアプローチが必要だ。そして、手遅れになる前にそれが必要である。ソーラーパネルで起きたことが、電気自動車や風力発電、あるいは必要不可欠なチップで再び起きるような事態は避けたいと考えている」。

ヴェステアーは、重要なクリーン技術に対する「信頼性(trustworthiness)」基準の策定を提案した。これは、ファーウェイのような「ハイリスク」の5Gサプライヤーに対するアプローチと同じものだ。サイバーセキュリティ、データセキュリティ、労働者の権利、環境基準などの分野でヨーロッパの基準を満たさない国は、自国の企業が制限を受けるか、市場から排除されることになる。これは、ヨーロッパと中国との経済関係の重大な変化を意味する。

しかし、その戦術が機能するためには、ドイツからの支援が不可欠である。そしてショルツが、中国との特権的な経済関係を、たとえそれがますます緊張状態にあるとしても、危険に晒す覚悟があるかどうかは不明である。ショルツは、近年中国市場への進出を倍増させている三大自動車メーカー(BMW、メルセデス、フォルクスワーゲン)のCEOを含むドイツ産業界のリーダーを集めた代表団とともに中国を訪問する予定だ。ロディウム・グループの統計数字によれば、ドイツの対中直接投資額は2022年に71億ユーロを記録し、驚くべきことに、EU全体の79%を占めた。

2022年11月に首相として初めて中国を訪問する数週間前、ショルツは中国の海運大手コスコにドイツ最大のハンブルク港のターミナルの株式を与えるという取引を強行した。ショルツはまた、ファーウェイをドイツの通信ネットワークから段階的に排除する決定を下すよう、連立パートナーから受けている圧力に抵抗している。ファーウェイはドイツの5Gネットワークにおいて、59%のシェアを持っており、これはヨーロッパで最も高いレヴェルに達している。

このような背景から、ヨーロッパ委員会の担当者たちは、ショルツ首相が中国で発するメッセージを注視している。貿易関係に対するヨーロッパの懸念が深刻であることを中国側に説明し、EUが対応するという意思表示をするのだろうか? そうすれば、中国経済が苦境に立たされ、北京の指導者たちがヨーロッパからの投資を誘致し、欧州市場へのアクセスを維持しようと必死になっているときに、ドイツとそのパートナーが経済的な影響力を行使する用意があることを示すことができる。

それとも、ドイツ産業界がショルツに強く求めているように、貿易摩擦(trade tensions)を軽視し、その過程において、ブリュッセルを弱体化させるのだろうか?

その答えは、11月のアメリカ大統領選挙を頂点とする重要な年に、ヨーロッパが中国に対してどれだけ団結しているかを多く物語ることになるだろう。ショルツ首相訪問の数週間後、習近平は5年ぶりにヨーロッパを訪問し、フランス、ハンガリー、セルビアをそれぞれ訪問する。ショルツとフランスのエマニュエル・マクロン大統領が習近平に同じメッセージを伝えれば、それは強力なシグナルとなるだろう。それができなければ、致命的である。

※ノア・バーキン:ロディアム・グループ上級アドヴァイザー、アメリカのジャーマン・マーシャル基金非常勤上級研究員。

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 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。『週刊現代』2024年4月20日号の、佐藤優(さとうまさる)先生の書評コーナー「名著、再び」で2ページにわたってご紹介いただきました。ありがとうございます。是非お読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 4月10日に岸田文雄首相が国賓待遇でアメリカを訪問し、ジョー・バイデン米大統領と首脳会談を行った。岸田首相の連邦議会での演説では「巧みなジョークで大うけ」という演出がなされた。これだけのおもてなしを受けるためには、お土産にどれくらいが必要なのだろうか、と考えると気が重くなる。ウクライナ戦争やパレスティナ紛争で、ウクライナとイスラエルへの支援をしなければならないアメリカからすれば、唯々諾々とお金を出してくれる日本は移動式金庫のようなもので、首相を呼びつければお金を持ってやってくる、「カモがネギを背負ってやってくる」ということでしかない。今回も「共同開発」「協力」などと言う言葉たくさん並べられたが、それぞれの請求書は東京に送られる。

 日本にとっての最大の懸念は、「アメリカの尖兵となって、中国にぶつけられること」であり、「中国と戦争をしなければならない状態にさせられること」だ。日本では、「中国が攻めてくる、攻めてくる」と声高に叫ぶ考えの足りない人たちが一部にいる。中国が日本に軍事的に侵攻してどのような利益があるのか、よく考えた方が良い。そうした日本人は、「日米安全保障条約があるから、いざとなったらアメリカが一緒に戦ってくれる」などとも言う。それは大きな間違いだ。アメリカは日本と一緒になって戦ってくれない。それどころか、いざとなれば、「日本国憲法があるのに中国と勝手に戦争をした」という理由で、日本を米中共同の敵に祀り上げるくらいの論理構成をしてくるだろう。ここで怖いのは、アメリカの間接的なお墨付きを得て、日本が中国に攻め込ませさせられる(中国とぶつけられる)ということだ。日米防衛協力は、自衛隊をアメリカ軍の下に置いて、好きに使えるようにするということだ。そして、自衛隊がアメリカ軍の尖兵となって(アメリカは自分たちの不利益にならない形で)、中国と戦えるようにするということだ。

 日本の自衛隊は今のところ、正式な形でアメリカ軍の指揮下に入っていない。実質的には入っているようなものではあるが、今のところは、アメリカ軍と協議をしてという形を取って、独立した形になっている。今、テーマになっているのは、「いざとなった時に、話し合いなどをしている時間的余裕などないのだから、いざとなったら、自衛隊はアメリカ軍の指揮下に入れるということ」である。このような状態になった時に怖いことは、アメリカがシナリオを書いて、日中が衝突するということを起こされることだ。もしくは、中国人民解放軍の一部(アメリカに使嗾されるスパイのような存在)が暴発して、自衛隊を攻撃するという事件を起こすことだ。

 そのようなことが起きるはずがないと考えるのは当然だろうが、そのようなことが起きる危険については可能性についても私たちは考えておくべきだ。日中が戦わないということを基本線にして、物事を組み立てていく。アメリカには面従腹背、中国には実態を説明して何か起きても自制、そしてどうしようもなくなれば、八百長を仕組む、これくらいのことは日本政府に期待したいところだ。

(貼り付けはじめ)

バイデン・岸田首脳会談は新たな防衛協力を確実なものとする(Biden-Kishida Summit Secures New Defense Cooperation

-アメリカと日本は南シナ海における中国の影響力に対抗することを目的としている。

アレクサンドラ・シャープ筆

2024年4月10日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/04/10/us-japan-summit-biden-kishida-state-visit-south-china-sea/

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ホワイトハウスにてジョー・バイデン大統領の隣で演説を行う日本の岸田文雄首相

●「壊れることのない」パートナーシップ(An ‘Unbreakable’ Partnership

ジョー・バイデン米大統領は水曜日、日本の岸田文雄首相をホワイトハウスに迎え、二国間の防衛・情報協力を強化するための70項目以上の計画を発表した。今回の数日間にわたって行われた日米首脳会談は、南シナ海における中国の野心や北朝鮮の核開発計画への懸念など、インド太平洋における緊張の高まりに対処することを目的としている。

バイデン大統領は、日米のパートナーシップは「壊れることはない(unbreakable)」と述べ、「2つの偉大な民主政治体制国家の間の記念碑的な同盟(monumental alliance between our two great democracies)」を称えた。

バイデンと岸田はまた、日本の自衛隊との連携を強化するため、日本にあるアメリカ軍司令部の機能向上(upgrading)についても話し合う予定だった。両首脳はまた、アメリカと日本がどのような種類の防衛兵器を共同生産できるかを検討するための「軍産評議会(military industrial council)」の設立も発表した。ロイド・オースティン米国防長官と日本の木原稔防衛大臣は今後数カ月かけて詳細を最終決定する予定だ。

第二次世界大戦での日本の敗北後、日本は軍隊を自衛(self-defense)の目的に限定する平和憲法(pacifist constitution)を制定した。しかし、岸田は前任者の安倍晋三政権下で始まったそのドクトリン(doctrine)からの転換を続けている。2021年の首相就任以来、岸田は殺傷兵器の輸出規制を緩和し、2027年までに防衛費をGDPの2%に引き上げると約束し、反撃能力(counterstrike abilities)を高めるためにアメリカ製トマホークミサイルを購入し、日米豪印戦略対話(Quadrilateral Security DialogueQuad)などの安全保障グループの設立を支援した。

岸田首相は「今日、世界はこれまで以上に多くの課題と困難に直面している。日本はアメリカの友人たちと手を携え、共にインド太平洋地域と世界の課題に取り組む先頭に立って進んでいく」と述べた。

首脳会談の中で、バイデンと岸田は、共同月探査計画、人工知能、半導体、クリーンエネルギーに関する研究協力、日本の学校との交流プログラムに参加するアメリカの高校生のための新しい奨学金制度創設を発表した。両首脳の会話の多くは、東京の機密情報保護活動を強化する方法(ways to boost Tokyo’s sensitive intelligence protection efforts)にも及んだ。日本は以前から、中国の挑発行為により対抗するため、ファイブ・アイズ[Five Eyes](オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリス、アメリカで構成される情報諜報ネットワーク[intelligence network])への加盟を目指してきた。

木曜日、岸田首相はアメリカ連邦議会の合同会議で演説する史上2人目の日本の指導者となる。また、南シナ海で繰り返される中国とフィリピンの沿岸警備船との敵対行為について話し合うため、バイデン、フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領との三者会談にも出席する。バイデンが計画している岸田首相、マルコス大統領との会談の狙いについて、あるアメリカ政府関係者はロイター通信の取材に対して、「台本をひっくり返し、中国を孤立させる(flip the script and isolate China)」ことだと語った。

※アレクサンドラ・シャープ:『フォーリン・ポリシー』誌「ワールド・ブリーフ」欄記者。ツイッターアカウント:@AlexandraSSharp

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バイデンと岸田にとって勝利のヴィクトリーランをするにはまだ早過ぎる(It’s Too Soon for Biden and Kishida to Take a Victory Lap

-日米同盟にはまだ3つの不愉快な疑問が存在する。

ジェニファー・カヴァナー、ケリー・A・グリ―コ筆

2024年4月9日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/04/09/kishida-biden-japan-summit-united-states-military-alliance/

joebidenkishidafumio2022japanvisit001
2022年5月23日、東京・赤坂の迎賓館で行われた歓迎式典で、儀仗兵を閲兵するジョー・バイデン米大統領と岸田文雄首相。

4月10日にジョー・バイデン米大統領が日本の岸田文雄首相をホワイトハウスに迎える際、国内で国内政治的課題に直面している両首脳は、日米同盟の強靭さを熱心に宣伝するだろうが、それには当然の理由がある。日米安全保障協力は、日米両国の管理の下で新たな高みに達している。日本は防衛費を増額し、同盟諸国は緊急時対応計画(contingency planning)を深め、軍事演習を強化した。

日米両首脳は、結束のイメージが不一致によって損なわれないよう、茨の道を突き進みたくなるだろう。しかし、喫緊の問題が依然として日米同盟の上に横たわっている。過去3年間の急速な進展にもかかわらず、日米両国は、紛争が発生した場合に信頼できる共闘を行うために必要な、協調的な意思決定プロセスと統合をいまだに欠いている。同盟に弱点があると見なされれば、中国を増長させる危険性があるため、これは憂慮すべきことだ。

日米同盟の最大の脅威により効果的に対抗するために、バイデンと岸田は今度の訪問をきっかけにして、3つの難問に緊急に取り組むべきだ。同盟の指揮統制体制をどのように近代化するか、日本がアメリカの地上配備型長距離攻撃能力を自国内に配備すること(the deployment of U.S. ground-based long-range strike capabilities)を認めるかどうか、認めるとすればどのような条件になるのか、そして在日アメリカ軍、特に沖縄の態勢と再配分をどうするか、である。

ワシントンと東京がこれらの問題に対処する窓口は限られており、それを避ければ避けるほど、抑止力(deterrence)が破綻し、日米同盟が真の危機に備えられなくなるリスクが高まる。

軍事同盟にとって、同盟軍の展開と使用をどのように調整するかほど重大な決定はほとんどない。しかしながら、日米同盟はこれまで決して戦争をするための同盟ではなかったため、基本的な軍事調整メカニズムが欠如している。

過去70年間、日米同盟は2つの異なる指揮系統(two separate command structures)で運営されてきた。日米両国はそれぞれ独立した指揮系統を維持し、同盟国全体の指揮官に権限を委譲することはなかった。朝鮮戦争でそうであったように、日本は主として、アメリカがこの地域で作戦を展開するための拠点であり続け、戦場における同盟国ではない状態が続いたので、この取り決めは機能した。

中国の軍事力がより強力になり、自分たちの権益を主張する態度が強まり、日本自身の能力と役割が拡大するにつれて、この取り決めはもはや同盟のニーズに合わなくなっている。今や日米同盟の成功は、並列作戦(parallel operations)ではなく、統合作戦(combined operations)を実施できるかどうかにかかっている。この時代遅れの構造を更新することが、バイデンと岸田が取り組むべき喫緊の課題である。幸いなことに、彼らは今週、指揮系統関係を見直す計画を発表する予定だ。理想的な世界では、日米両国は韓国の連合軍司令部(Combined Forces Command)のような統一司令部構造(unified command structure)を確立するだろうが、日本国内の法的・政治的制約があるため、日本軍がアメリカ軍の指揮下に入ることはできない。

検討中と報じられている、次善の選択肢は、ハワイを拠点とする米太平洋艦隊(U.S. Pacific Fleet)の四つ星の海軍大将クラスが司令官として率いる統合任務部隊(joint task forceJTF)の下で、2つの国の司令部をより緊密に統合することである。在日アメリカ軍(U.S. Forces JapanUSFJ)は現在、統合作戦司令部(joint operational command)ではない。その代わり、三つ星の海軍中将クラスの司令官は日本との日米地位協定(the Status of Forces Agreement with Japan)を監督する管理的な役割を果たし、作戦を実施する権限は限られている。しかし、提案されているオプションでは、統合任務部隊(JTF)は有事の際にアメリカ軍統合部隊の作戦統制権を握り、日本の自衛隊と調整することになる。

しかし、統合任務部隊(JTF)のオプションは、日米同盟の指揮統制の問題に対する特効薬ではない。例えば、日本の陸上自衛隊に命令を下す正式な権限がないため、統合任務部隊(JTF)司令官は説得によってしか同盟を指揮することができないが、ハワイからではその任務がさらに困難になっている。同盟国の指揮系統が重複することは複雑なだけでなく、しばしば軍事的惨事に終わることもある。たとえば、1940年にはフランス側の代表団が複数の階層構造になっていたため、イギリスの同盟諸国は誰と調整すべきか混乱し、フランスのドイツへの降伏に終わった急速な軍事崩壊の一因となった。

バイデンと岸田は、より合理的なアプローチ、具体的には在日アメリカ軍をアメリカの四つ星の大将クラスが司令官を務める統合作戦司令部(joint operational command headquarters)に移行させることを検討すべきだ。このアプローチでは、在日アメリカ軍を日本の将来の統合作戦司令部(Japan’s future joint operational headquarters)と同居させるかどうかや、両者間の調整をどのように行うかといった問題に日米が取り組む必要がある。しかし、情報共有、適時的な意思決定、密接に統合された作戦の効果的な遂行を促進することができるようになり、現在のモデルから大幅に改善されるであろう。

しかし、紛争時に意思決定を行うためのより効果的な枠組みは、いざというときに同盟軍がどのように共闘するのかについての明確なコンセプトも持っていなければ意味をなさない。日米両国はそのような統合計画に向けて取り組んできたが、アメリカ軍が日本本土において、どのようなシステムを使用できるかという疑問はまだ解決していない。例えば、アメリカ軍の地上発射型長距離ミサイルを日本に配備できるかどうかなどである。これは岸田首相とバイデン大統領にとっての2番目の議題になるはずだ。

アメリカの立場からすれば、日本に配備される、信頼できる地上攻撃能力の第一の目的は、台湾海峡や南シナ海、東シナ海周辺にいる中国の水上艦船やその他の標的を狙い撃ちすることだ。そうすることで、この地域で起こりうる様々な事態において、北京に軍事的勝利を簡単に与えないようにすることである。日本は、独自の地上配備型長距離ミサイル[ground-based long-range missiles](アメリカ製トマホーク400発)の購入を計画しているが、主に、北京が日本本土を攻撃した場合に中国本土を標的にするための反撃能力(counterstrike capability)の一部として使用するつもりである。

自国の作戦上の野心を満たすため(To fill its own operational ambitions)、アメリカは、アメリカが所有し、運用している地上配備型トマホークや、より短距離の精密攻撃弾道ミサイルシステム(shorter-range precision-strike ballistic missile systems)を日本国内に配備することに関心を示している。しかし東京都は、アメリカがミサイルを配備することを容認することには否定的だ。アメリカのミサイルを受け入れると、日本は中国からの報復(retaliation)を受けやすくなる、もしくは、先制攻撃(preemptive attack)を招き、民間人に被害が及ぶ可能性が高まるからだ。

しかし、日本が、アメリカの運用しているミサイルを受け入れるかどうかについて曖昧な態度であることは、同盟国軍が中国の軍事作戦を妨害し、低下させる能力について、複雑に様々な要素が絡み合った、抑止力のシグナルを中国に送っている。日本とアメリカには今後の選択肢がいくつかあるが、時間が最も重要である。ミサイルシステムを配備する場合、アメリカのミサイルは紛争が始まるかなり前に日本に配備する必要がある。なぜなら、ミサイルの運搬は攻撃や封鎖(blockade)に対して脆弱であるからだ。紛争以外でも、緊張が高まる中での配備は誤算(miscalculation)と事態悪化(エスカレーション、escalation)の可能性を高めるだろう。

バイデンと岸田は次回の会談でこの問題を完全には解決できないかもしれないが、そのような展開が受け入れられる時期と場所を定義することで議論を進めることはできるだろう。また、長距離ミサイルシステムの共同生産(co-production)や共同管理(shared management)、あるいは二国間軍事演習に長距離ミサイルを組み込むなど、ある種のローテーション体制など、短期的な代替案も検討すべきである。

岸田とバイデンが取り組むべき最後の問題は、在日アメリカ軍の態勢を、特に沖縄における日本自身の防衛態勢とより緊密に連携させることである。第二次世界大戦後、アメリカは沖縄に大規模な軍事プレゼンスを維持してきたが、沖縄は台湾海峡や南シナ海に近いため戦略的に貴重である一方、日本本土から遠いため脆弱でもある。

アメリカは沖縄でより生存可能で信頼できる戦力の構築を目指しており、沖縄の海兵隊連隊(Marine Corps regiment)を転用するという野心的な計画を進めている。これらのアメリカ軍は、近くに駐留する自衛隊と並行して戦い、対艦ミサイル(anti-ship missiles)や無人機(drones)を装備し、中国が発見しにくく、重要なシーレーンで中国の船舶を狙いやすくなる周囲の島々に迅速に分散することを可能にする。

しかし、日本政治は独自の戦力態勢の変更を推進している。日本との長年にわたる兵力再編計画では、約9000人のアメリカ海兵隊が沖縄からグアムなど他の場所に移動することになっており、日本が新基地建設費の3分の1以上を負担すると決定している。

これら2つの取り組みは相互に作用し、対処すべきリスクを生み出している。たとえ危機の時期であっても、沖縄全土に海兵隊を配備することは、既に中国の攻撃の標的になることを恐れている沖縄県民との緊張を悪化させるだろう。こうした憤りは、アメリカ軍と沖縄県民、さらには沖縄と東京との関係を悪化させ、中国の偽情報(disinformation)が日米同盟と日本国内の結束を損なう隙を生む可能性がある。しかし、アメリカ軍を沖縄からグアムに移転すれば、政治的緊張は緩和される可能性があるが、アメリカ軍は統合作戦に直接貢献できなくなる。

政治的緊張(political tensions)を緩和しながら沖縄のアメリカ軍の態勢を維持するために、アメリカと日本は、沖縄のアメリカ軍基地を、2015年の三沢基地や横須賀海軍基地のように、アメリカ軍と日本の陸上自衛隊の両方が使用する統合基地に転換することを検討すべきである。日本の他の地域。この変更は、統合作戦のための部隊をさらに統合し、アメリカ軍が占領軍であるかのような外観を回避し、日米同盟が互恵協力(mutually beneficial cooperation)に基づいていることをより具体的に伝えることになるだろう。

日米同盟は日米両国の安全保障と防衛の要であり、国内の政治的議論においても重要な役割を果たしている。しかし、その目的に沿うためには、日米同盟は効果的な戦闘力になるために真剣になる必要がある。バイデンと岸田は、今回の訪日をきっかけにこうした対話を開始し、日米同盟が最も差し迫った脅威に立ち向かうために十分な強さと信頼性を持つようにすべきである。

※ジェニファー・カヴァナー:カーネギー国際平和財団アメリカン・ステイトクラフト・プログラムの上級研究員、ジョージタウン大学非常勤教授。ツイッターアカウント:@jekavanagh

※ケリー・A・グリ―コ:スティムソンセンターのアメリカ大戦略再構築プログラムの上級研究員、海兵隊大学のブルート・クルラック記念革新・未来戦争センターの非常勤研究員、ジョージタウン大学の非常勤教授。ツイッターアカウント:@ka_grieco
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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。私は現職のジョー・バイデン大統領が、合法・非合法あらゆる手段を用いて、大統領に再選されると考えています。これを打ち破って、トランプ大統領が再び登場するとなれば、アメリカの民主政治体制も捨てたものではないということになりますが。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 アメリカの衰退基調は止められない。長期的な視点を持てばそれは明らかだ。短期に小さな変化があるにしても、衰退という流れを止められない。ジョー・バイデンが再選されようが、ドナルド・トランプが2度目の大統領になろうが、それは変わらない。トランプのスローガンである「Make America Great AgainMAGA)」は、「アメリカを再び偉大に」という意味であるが、「現在のアメリカは偉大ではない」という認識が根底にある。トランプとトランプ支持者にとっては残念なことであるが、アメリカが再び偉大になり、世界に冠たる超大国である状態にはもう戻れない。

西側以外の国々(ザ・レスト、the Rest)をリードする中国にとって、この長期的な視点から見ると、アメリカ大統領には誰がふさわしいのかということは一般的な常識とは異なる答えが出る。

 中国にとって、長期的な視点に立てば、トランプ大統領が望ましいということになる。トランプは前回の大統領時代に中国との貿易戦争を開始した人物であり、「そんな人物は中国にとってはふさわしくないのではないか、ジョー・バイデンの方がいいのではないか」と私たちは考えてしまう。しかし、長期的な視点では、トランプの方が良いということになる。
その理由を下に掲載した記事の著者デマライスは5つを挙げている。
 アメリカはもう世界を管理する力を失いつつある。「アメリカ(軍)は国に帰ろう」というのがトランプの考えだ。そうなれば、アメリカのグリップが緩む。世界システムは西側手動から大きく変化する。トランプはヨーロッパを「敵(貿易面では)」と呼び、かつ、アメリカからタダで守ってもらっている、安全保障をただ乗りしていると考えている。

トランプが大統領になれば、米欧間の不信感は大きくなる。トランプとロシアのウラジーミル・プーティンは仲が良い間柄だ。『ニューヨーク・タイムズ』紙は、トランプ、プーティン、そして、中国の習近平の関係を「新しいヤルタ体制」と呼んだ。そうなれば、ヨーロッパは、「トランプとプーティンに挟まれている」という考えを持ち、焦燥感に駆られるだろう。そこに中国が付け込む隙ができるし、ロシアはエネルギー供給を利用して、ヨーロッパを取り込むこともできる。アメリカはヨーロッパ本土から駆逐されて、イギリスにまで下がる可能性がある。
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 アジア太平洋地域で見る場合に、大事なのは「列島線(island line)」である。最近では、「第3列島線」という言葉まで出ている。トランプとアイソレイショニスト(isolationists、国内問題解決優先派)は恐らく、第3列島線まで下がることを容認するだろう。バイデンをはじめとするエスタブリッシュメントは、第1列島線の固守にこだわるだろう。しかし、アメリカの長期的な衰退においては、第3列島線までの後退は避けられない。中国にしてみれば、トランプが大統領になって、米軍の縮小や撤退があれば好都合ということになる。
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 下の記事では、既に経済の最先端分野では中国が主導権を握っているものがあるということで、アメリカが輸出規制をしてくれれば好都合ということや、発展途上国からすれば中国の方が付き合いやすく、トランプが大統領になればその流れが加速するということが書かれている。こうしてみると、トランプこそはアメリカ帝国の解体を促すことができる、最有力の存在ということになる。

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なぜ中国は熱心にトランプを応援しているのか(Why China Is Rooting for Trump

-中国政府の長期戦は、トランプの政策と、トランプが即死するアメリカ国内の分裂によって、はるかにうまくいくことになるだろう。

アガーテ・デマライス筆

2024年2月7日

https://foreignpolicy.com/2024/02/07/china-trump-biden-us-presidential-election-2024/

2017年1月にドナルド・トランプが米大統領に就任する前の世界の様子を思い出すと、印象的な光景が鮮明に思い出される。当時、北京が世界の安全保障に脅威を与えているという考えはワシントンでは主流ではなかった。ヨーロッパからの輸入品に関税を課すことは考えられなかった。そして、冷戦終結以降、徐々に使われなくなっていた技術輸出の規制は、一部の政策マニアの領域だった。

良くも悪くも、特にアメリカと中国の関係に関して言えば、トランプが世界を変えたことは否定できない

米中貿易戦争の激化を約束するなど、中国に対するトランプ大統領の扇動的な発言を考慮すると、中国の指導者たちが共和党大統領選挙候補となる可能性が高いトランプよりも現職のジョー・バイデン大統領を好むと考えるだろうというのは簡単に推測できることだ。

しかし、この見方はおそらく近視眼的(shortsighted)であり、全体像を覆い隠してしまう。おそらく中国はトランプを応援していることだろう。

中国政府は、トランプ政権下でもバイデン政権下でも、その他の米大統領の下でも、アメリカとの関係改善の見込みがないことを承知している。西側諸国に対する中国の長期戦の観点からすれば、トランプ大統領のホワイトハウス復帰は、少なくとも経済分野では中国に有利になる可能性が高い。その理由を5つ挙げていく。

(1)トランプはアメリカとヨーロッパの間の分断をさらに拡大するだろう。(Trump would increase divisions between the United States and Europe.

「貿易において、彼らが私たちにしていることから見て、ヨーロッパ連合(EU)は敵だと思う」 (トランプ、2018年7月)

2023年12月、『フィナンシャル・タイムズ』紙は、中国の諜報機関が元ベルギー上院議員フランク・クレイエルマンを何年にもわたってエージェントとして利用していたと報じた。彼を担当していた中国の当事者は、関係の目的について要約し、「私たちの目的はアメリカとヨーロッパの関係を分断することだ」と簡潔に語った。

中国政府の論拠は単純だ。共同輸出規制など、中国の利益を損なう大西洋横断政策の出現を防ぐには、アメリカとヨーロッパとの間に不信感を醸成し強固にすることが最善の方法だ。その観点からすれば、トランプの第二期大統領就任は中国の思う壺ということになる。トランプ大統領は2018年に「貿易において、彼らが私たちにしていることから見て、ヨーロッパ連合(EU)は敵だと思う」と述べたが、この考えが変わったこと示す兆候はない。

もしトランプが当選すれば、おそらく全面的に10%の関税を課すという公約を実行するなど、ヨーロッパとの貿易戦争を再開したいという衝動に抗うことはできないだろう。貿易戦争が起これば、中国の利益を損なう可能性のある措置に関するアメリカとEUの協力が停止する可能性が高い。もちろん、中国からの輸入品に最低60%の関税を課すというトランプの最近の約束も、中国にとっては苦痛となるだろう。しかし、大局的に見て、アメリカとEUの分裂が実現できるのであれば、中国政府はそのような代償を払う価値があると考えるかもしれない。

(2)トランプは対ロシア制裁について撤回する可能性がある。(Trump could make a U-turn on sanctions against Russia.

「彼らはロシアに対して制裁を行っている。ロシアと良い取引ができるか試してみよう」(2017年1月)

トランプの外交政策は予測不可能であるにもかかわらず、一貫しているのは、ロシアのウラジーミル・プーティン大統領と良好な関係を築きたいという明らかな傾向である。これは2018年にフィンランドで行われた米ロ首脳会談で、トランプが自国の諜報機関よりもプーティン大統領の方を信頼していると示唆した際に最も顕著に表れた。プーティン大統領への称賛の気持ちが変わらなければ、トランプは大統領就任後すぐに対ロシア制裁の解除を決定する可能性が十分にあり、ヨーロッパ諸国に大きな懸念を持たせている。

このような状況はモスクワを喜ばせるだけでなく、中国にとっても有利となるだろう。ロシアと中国の無制限の友好宣言にもかかわらず、現実には中国企業はロシアとの取引に慎重になっている。中国のロシアへの輸出は2022年以降急増しているが、これは低いベースからのものであり、これまでのところ中国企業がロシアへの投資を急いでいるという証拠はほとんどない。

これは、アメリカ政府がモスクワに二次制裁を科し、世界中の企業がアメリカとロシアの顧客のどちらかを選択するよう迫られるのではないかとの懸念のためだ。このようなシナリオでは、ほとんどの中国企業にとってアメリカ市場に固執するのは当然のことだろう。その結果、中国企業はロシア企業との関係構築にはほとんど関心がなく、近いうちに断念する必要があるかもしれない。トランプが対モスクワ制裁を解除すれば、中国企業にとってこの問題は解決されることになるだろう。

(3)トランプ氏は中国による代替金融メカニズムの推進を後押しするだろう。(Trump would give a boost to China’s push for alternative financial mechanisms.

「中国は米ドルを人民元に置き換えたいと考えているが、それは私たちには考えられないことだ。考えられない。決して起こらないだろうし、起こってはならない。しかし、今、人々はそれについて考えている」(2023年8月)

中国は長年、非ドル化、西側管理のSWIFT世界銀行システムに代わる代替手段の創設、あるいは国境を越えた決済のためのデジタル人民元の計画などを通じて、アメリカの制裁から逃れようとしてきた。しかし、中国は単独でこの戦略を達成することはできない。中国の金融構造が確立された西側諸国の金融構造に取って代わるためには、中国の貿易相手国も同様に非西側の代替手段を選択する必要がある。そこに至るまでの道は険しいだろう。ほとんどの企業や銀行は、完全に機能する SWIFT を捨てて、はるかに小規模な中国製の代替手段を試す必要はないと考えている。

トランプが第二期大統領に就任すれば、この推論が変わる可能性がある。 2018年のロシアのアルミニウム生産会社ルサールの事件はその理由を物語っている。何の警告もなくルサールに制裁を加えた後、トランプ政権はその措置が世界に多大な波及効果をもたらすことを認識し、急いで制裁を撤回して解除しなければならなかった。

この話から得られる教訓は明らかだ。トランプ政権下では、どんなことでも起こる可能性があり、誰もが警告なしに制裁に晒される可能性がある。その結果、トランプがホワイトハウスに復帰した場合、多くの国はこうした措置から先制的に自分たちを守ろうとするだろう。現段階での最善の方法は、中国政府の代替金融メカニズムに切り替えることだ。それは中国にとってもう1つの勝利となるだろう。

(4)トランプが勝利すれば、新興国からの重要資材調達における中国の支配力が高まるだろう。(A Trump win would increase China’s domination for critical materials sourcing from emerging countries.

「なぜクソみたいな国からこんな人たちがここにやって来るんだ?」(2018年1月)

影響力をめぐる世界的な戦いにより、コバルト、銅、黒鉛、リチウム、ニッケルなど、グリーンエネルギーへの移行に不可欠となる原材料へのアクセスを確保するために、西側諸国は中国と対立している。これまでのところ、この戦いは主にボリビア、ブラジル、コンゴ民主共和国、ギニア、インドネシアなどの資源豊富な新興諸国で行われている。中国はこの競争において、群を抜いたリーダーであり、例えば世界のリチウム供給の精製の約50から70%を支配している。

2度目のトランプ大統領就任は、かつてトランプ大統領がまとめて「クソ国家」と軽蔑していた発展途上諸国に、重要な原材料の供給でアメリカと提携するよう説得するのには役立たないだろう。 2018年のイラン核合意からの突然の離脱が示したように、多くの鉱物資源諸国はトランプ大統領の約束にはほぼ価値がないのではないかと懸念を持つだろう。

その上、トランプの発展途上国経済への軽蔑、移民の抑制の可能性、そしてイスラム教に関する扇動的な発言は、アフリカ、東南アジア、南米諸国の指導者たちとの緊張を正確に打ち砕く訳ではない。中国は自らをその場にいる余裕のある大人のような存在、つまりビジネスと政治を混同しない信頼できるパートナーとして振る舞うことで、新興国経済における自国の利益を喜んで推進し続けるだろう。

(5)中国はアメリカのクリーンテクノロジー輸出規制から恩恵を受けるだろう。(China would benefit from U.S. export controls on clean tech.

「地球温暖化という概念は、アメリカの製造業の競争力を失わせるために中国によって生み出された」(2012年11月)

輸出制限は、アメリカ政府が中国に重点を置いた経済リスク回避戦略を実行するための重要な手段である。これらの措置は、半導体、人工知能、量子技術など、二重用途を持つ技術を対象としている。これまでのところ、クリーンテクノロジーはアメリカの輸出規制から逃れられているが、トランプ大統領の誕生でおそらく状況は変わるだろう。共和党は中国に対してよりタカ派的な姿勢をとり、バイデン政権よりも幅広い分野に輸出規制を適用することを明らかにしており、その中には再生可能エネルギーや電池技術などのクリーンテクノロジーも含まれるだろうと考えられる。

中国から見れば、アメリカのグリーン商品の輸出規制は素晴らしいニューズとなるだろう。中国企業は太陽光パネル、風力タービン、電気自動車などの分野で、既に世界のリーダーであるため、短期から中期的には、こうした措置は中国企業にほとんど影響を及ぼさないだろう。

長期的には、中国企業もこうした規制から恩恵を受ける可能性がある。世界最大の市場を奪われ、アメリカ企業は収益が減り、研究開発予算の削減を余儀なくされるだろう。寛大な公的補助金の支援を受けて、中国企業は研究を倍増させ、次世代のクリーンテクノロジー機器の開発で米国企業を追い越すことができるだろう。加えて、アメリカのクリーンテクノロジー削減のシナリオは、中国が将来のクリーンテクノロジー製品の世界基準に影響を与えるのに役立ち、最終的には中国政府の全面的な勝利につながるだろう。

2016年の選挙集会で、トランプは「私は中国を愛している」と高らかに述べた。これが真実であるかどうかに関係なく、中国政府はトランプの第二期大統領就任について、一見予想よりも高く評価している可能性が高い。貿易、制裁、金融インフラ、重要原材料へのアクセス、輸出規制などの主要な経済分野において、トランプ2.0シナリオは中国の長期的利益に十分に影響を及ぼす可能性がある。

もちろん、経済学以外にも考慮すべき領域はある。しかし、中国にとってもう1つの重要な問題である台湾の防衛にはあまり熱心ではないというトランプの最近の発言も中国政府を喜ばせるだろう。中国から見ると、2024年11月のトランプの勝利は、それによって引き起こされる混乱、分断、そしてアメリカの威信への打撃から利益を得られる魅力的な機会に見える可能性が非常に高い。

※アガーテ・デマライス:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。ヨーロッパ外交評議会上級政策研究員。著書に『逆噴射:アメリカの利益に反する制裁はいかにして世界を再構築するか』がある。ツイッターアカウント:@AgatheDemarais

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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