古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。X accountは、@Harryfurumura です。ブログ維持のために、著作のお買い上げもよろしくお願いします。

タグ:自民党

 古村治彦です。

 高市早苗首相(自民党総裁)の事務所(秘書)が自民党総裁選挙や前回の総選挙で、他候補を誹謗中傷する動画(中傷動画ではなく批評動画という表現もある)の作成と拡散に関与した疑惑について、答弁をごまかし、嘘をつき、しれっと訂正するという見苦しい姿を見せている。それに対して、批判の声も大きくなっているが、高市首相を擁護する声も大きい。高市政権の支持率が70%もあるというのも、高市首相擁護の国民が多いことを示している。一部の何の芸能スキルもない芸能人がテレビ番組に出演して、週刊誌が報道しているから嘘だ、正しい話ではないという論法で、火消しを行おうとしている。こうした一部芸能人の動きについて、「幇間(たいこもち)」という言葉で形容する人たちもいるが、これは「幇間」を馬鹿にするものである。「幇間」はそのような職業ではないし、一流の幇間ともなれば、相手に嫌な気持ちをさせないようにしながら良い方向に導く。芸能スキルのない芸能人の見苦しい高市首相擁護とは全く異なる。

 高市早苗首相の醜悪な姿は、現在の私たち日本人の姿そのものだ。高市首相の見苦しい行動は私たちが常日頃の行動と同じだ。見苦しい言い訳をして、自己正当化に終始し、謝罪をせず、相手が悪いという他責志向(思考)ではないという現代日本人がどれほどいるだろうか。日本でも特に人口が集中している東京、首都圏で暮らしていれば、自分も含めて、あのような醜悪な姿を晒しながら、道路を歩き、公共交通機関を使い、レストランや居酒屋でサーヴィスを受けている。高市首相の行動を見て、大きな批判をするのは、同族嫌悪、自分の姿を見せつけられてしまって、それを忌避するという感情が根底にあるのだろうと私は考える。自分の醜い姿を鏡で見せられているような感情になってそれを避けたいということで批判をしている。

 一方で、高市首相を声高に擁護する人たちは、「高市首相みたいな偉い人がやっているのだから、自己正当化や屁理屈、嘘を言うことは悪いことではない」「高市首相みたいな偉い人でも自分たちと同じだ」「はっきりと断言して力強い」という「親しみやすさ」「力強さ」を高市首相に感じているということになる。日本の一般国民の間で自己正当化や嘘を言うことのハードルが下がっているということになる。「一億総謝らない病(謝れない病)」にり患しているかのようだ。そして、考えが足りないままでぽろっと述べたことで大きな問題になっても、得意の自己正当化で逃げ切ろうとする姿は私たち日本国民の姿だ。

 「世界で最も礼儀正しく、親切で、思慮深い」という日本国民の自己認識と現実は大きく乖離していることを私たちは良く認識しなければならない。しかし、それは非常に難しい。それは、日本人が外側からの目を自分の中に備えていないからであり、その能力に欠けているがために、現状のようなことになっているということを分からないからだ。そして、このことはこれからも続くであろうと私は悲観的になっている。そうやって日本は衰退していくのだろう。

(貼り付けはじめ)

【速報】高市内閣の支持率70.0% 先月から4.2ポイント下落 JNN世論調査

TBS NEWS DIG TBSテレビ

2026年6月7日(日) 23:29

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2715335?display=1

最新のJNNの世論調査で、高市内閣の支持率が先月の調査から4.2ポイント下落して、70.0%でした。一方、「支持しない」と答えた人は先月から3.1ポイント上昇して、27.4%でした。

各党の支持率は以下の通り。

自民  35.5%(1.6↑)

維新  2.0%(2.0↓)

国民  3.9%(0.5↑)

中道  1.9%(1.1↓)

立憲  3.4%(2.2↑)

参政  3.6%(1.3↑)

公明  2.3%(0.0→)

みらい 1.0%(1.3↓)

共産  2.4%(0.1↑)

れいわ 1.3%(0.5↑)

保守  1.1%(0.5↑)

社民  0.4%(0.3↓)

その他 1.0%(0.7↑)

支持なし37.9%(0.2↑)

【調査方法】

JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。6月6日(土)、7日(日)に全国18歳以上の男女2689人〔固定822人、携帯1867人〕に調査を行い、そのうち38.0%にあたる1021人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話463人、携帯558人でした。

インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにも、JNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。固定電話も年齢層が偏らないよう、お住まいの方から乱数で指定させて頂いたお一人を選んで、質問させて頂いています。

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●「高市首相が答弁訂正、週刊誌報道の「4月3日付の回答」事務所からと認める 秘書「勘違いをした」」

6/10(水) 19:39配信 J-CASTニュース

 高市早苗首相が2026年6月10日の衆院法務委員会で、5日の答弁から一転し、「週刊現代に引用されている4月3日付の回答については高市事務所から回答した内容であるということでしたので、その点は訂正します」と述べた。

■週刊現代掲載の「回答」に秘書「事実と違う」→首相再確認で訂正「事務所から回答」

 国会では連日、首相陣営が25年9月の自民党総裁選や26年2月の衆院選で他候補を中傷する動画に関わったと疑われている問題が取り沙汰されている。その一環で、動画作成者が発行側とされる暗号資産「サナエトークン」との関係も騒がれてきた。同トークンは実業家・溝口勇児氏が運営するYouTube番組「NoBorder」から派生し、高市早苗首相が関与を否定したことで波紋を広げた。

 6月5日の参院予算委では、週刊現代が4日に公開した「高市総理の『面識のない方』は大間違い!高市事務所所長が認めていた『サナエトークン』『誹謗中傷動画』首謀者との接点」という題の記事に話が及んだ。

 記事中では、秘書と動画作成者の参加を文春オンラインが報じた「Zoom会議」をめぐり、高市事務所の4月3日付の回答だとして「12月17日のオンライン会議は、NoBorder側からの求めに応じて行ったもの」などと掲載された。しかし、高市氏は答弁で、秘書に確認した結果として「4月3日付の回答とされる内容は、事実と違うと申しておりました」と述べていた。

 一方、6月10日の衆院法務委で事実関係を問われ、高市氏は下記のように答えた。

「これは改めて秘書に確認しましたところ、週刊現代に引用されている4月3日付の回答については高市事務所から回答した内容であるということでしたので、その点は訂正します」

●「なぜそういうことが起きたのか」首相説明は

 なぜこのようなことが起きたのか。高市氏は「6月5日の予算委員会の答弁に先立ちまして、当日未明......深夜から朝にかけて、ずっと秘書に電話を続け、未明にようやく出ましたので確認しました」と振り返り、

「その際、秘書は自宅で就寝中でもあり、手元に回答文もなかったです。私が電話で、回答文の一部が引用された週刊誌の記事を読み上げて確認いたしました。そして2か月も前の回答文であり、もともと会議について詳細を覚えていないこともあって、ごく一部抜き出されたところを私が電話で読み上げたものですから、回答した内容と違うと勘違いをしたということで、説明がございました」

と述べた。その後も「高市事務所から出した回答文、それは誠実にお答えしたものである」とし、下記のように補足している。

「違うというところは、先ほど説明したとおり、私が未明に、電話で、しかも週刊誌に一部切り取られた部分だけを秘書に確認をしたら、大変長い回答文を出しておりましたので、全体の趣旨と違うと、彼はそう思ったということでございました」

 これまで高市氏は、秘書と動画作成者は面識がなかったと繰り返してきた。今回、前出のZoom会議とされる音声を秘書本人に確認させたとして、このようにも説明していた。

「(秘書本人は)自分の声に似ているように思うが、編集されて発言が細切れになっていることなどから、内容も含め確信はもてない、ということ。ただ昨年、信頼できる方から紹介を受けた企業とのグループオンライン会議に参加し、そこで国民の声を広く聞くために検討しているという企画の紹介を聞いたことはある、ということでした」

(貼り付け終わり)

(終わり)
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ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 先日の総選挙での自民党の大勝を受けて、友人、知人から「選挙についてはどのように考えているか」という質問を受けた。これは私にはなかなか答えるのが難しい質問である。個人的には、選挙戦期間中に複数のメディアの選挙情勢分析で「自民党が300を超える議席獲得」という報道があり、ショックを受けつつ、「まさかそんな」と考えていただけに、自民党大勝という結果が突きつけられ、呆然としてしまった。しかし、いつまでも呆然としていられない。何か考えなければいけない。

 今回の総選挙の結果は小選挙区制の特徴である得票率と実際の議席占有率の乖離の大きさということが結果をセンセーショナルに見せている。2009年の総選挙でも同様のことが起きている。小選挙区制が良いのか、比例代表制が良いのか、もしくは別の選挙制度が良いのかということは結論が出ない議論である。それぞれに長所、短所がある。選挙については数千年の歴史があるが、選挙制度の精緻な研究は数十年の研究しかされていない。専門家たちの英知を集め、人々の議論の活発化が望まれる。

 私は、以下のスティーヴン・M・ウォルトの論稿を参考にして、今回の日本の総選挙の結果は、西側先進諸国に共通するある心性(mentality)がこのような結果を生み出したと考えている。それは、ウォルトが書いているように、「不確かな未来への恐怖(the fear of an uncertain future)」だ。西側先進諸国はどこも程度の差はあれ、少子高齢化が進み、経済成長も鈍化敷いている。最も厳しいのは日本であるが、他の先進諸国も同様である。そして、世界に目を転じてみれば、BRICSを中核とする「西側以外の国々」の活況や経済成長が目に入る。日本にも多くの外国人観光客が訪問し、「日本は安い」として食事や買い物を楽しんでいる。その様子を私たちは見ている。そして、「日本は安く買われる国だ」「日本は衰退しつつある」ということを肌で感じるようになっている。他の西側先進諸国もこの点で共通している。

こうした中で、強いリーダーの存在が求められるようになっている。強いリーダーは実際に強かったり、賢明であったり、頭脳明晰であったりする必要はない。嘘でも誇張でも何でも言い切り、その後に絶対に謝ったり、撤回したりしない。空とぼけるくらいの図太い人物で、強さを演出できる人物であれば良いのだ。日本はまさにそのような状況になっている。高市早苗首相は私が今書いた通りの人物であり、彼女の指導者としての正統性は、日本初の女性首相であるという目新しさと故安倍晋三元首相の正統な後継者であるという演出にある。そして、人々は強いリーダーを求め、そして、近代的な価値観を否定することが「改革」だと勘違いをする。

これらは全て、恐怖から発していることだ。未来が怖いのだ。そして、現状を正確に分析して受け入れることが怖いのだ。そして、強さを演出する指導者の語るお花畑の話を支持する。南鳥島近海で採掘されるレアアースが日本を豊かにするという夢物語を信じる。自民党が公約したのだから消費税減税がすぐに実行されるという与太話を信じる。信じたいのだ。そして、裏切られる。そして、また、新しく自分たちを騙してくれる指導者を探す。そのようにして国を滅ぼしていく。

(貼り付けはじめ)

恐怖がいかにしてリベラリズムを殺したか(How Fear Killed Liberalism)

-政治における不安感が積み重なり人々の楽観主義の時代は終焉した。

スティーヴン・M・ウォルト筆

2025年9月2日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/09/02/fear-populism-liberalism-trump-far-right/

学者、専門家、政治家たちは常に誤った予測をするが、その間違いの中には本当にとんでもないものもある。ちなみに、過去50年間で最悪の地政学的予測として私が挙げるのは、冷戦後の世界が平和でますます繁栄するリベラリズムの未来へと容赦なく押し流されていくという信念だ。フランシス・フクヤマの有名な「歴史の終わり(end of history)」という主張に表れているが、これは彼に限ったことではない。この見解は、民主政治体制が広がり続け、貿易と投資に対する障壁が全ての人々の利益のために減少し続け、ナショナリズムが衰退し、国境はますます重要ではなくなり、国際機関が最も困難な地球規模の問題に対処するために立ち上がり、戦争の危険は、指導者たちがそのメモを受け取っていない、弱くますます無関係になっている少数のならず者国家(rogue states)に限定されるだろうと想定していた。

それが全て実現していたらどんなに素晴らしいことだっただろう。1990年代に多くの賢明な人々がこの魅力的なヴィジョンに熱狂したのも無理もないことだ。ソヴィエト型の共産主義は崩壊し、アメリカ合衆国は力の頂点に君臨し、世界の多くの国々がリベラリズムの定式を受け入れているように見えた。民主政治体制は東ヨーロッパや中南米に広がり、グローバライゼーションは加速し、人権尊重は勢いを増し、専門家も政治家も、中国をはじめとする一党独裁国家(one-party states)が徐々に多党制民主政治体制(multiparty democracy)へと移行していくと予想していた。アメリカの政策決定層はリベラルな国際主義者(liberal internationalists)とネオコン(neoconservatives)が支配し、世界をアメリカのイメージに沿って再構築し、グローバルなリベラルな秩序を創造することに強く関与していた。

2025年まで早送りしよう。過去四半世紀を振り返ると、こうした楽観的な予測はほぼ完全に間違っていたことが明らかだ。中国はより権威主義的になり、ロシアは真の選挙民主政体を短期間試した後、独裁政治へと逆戻りした。実際、民主政体はここ20年近く、世界中で着実に衰退しており、アメリカ自身も例外ではない。中国、ロシア、そしてアメリカは収斂しつつあるが、アメリカはむしろこれらの腐敗した独裁政治体制(corrupt autocracies)に似てきている。トランプ政権はほとんど抑制なく行政力(executive order)を拡大し、法の支配(rule of law)は崩壊し、トランプは習近平が中国で行ったように、大学、法律事務所、民間企業から譲歩(concessions)を強要している。トランプ政権は、卑劣で抑制のきかないトランプ大統領の怒りを買った者に対して個人的な復讐を仕掛けている。そして今、連邦軍は首都ワシントンDCに展開し、主に一般市民を威嚇することを目的とした武力誇示を行っている。グローバライゼーションは保護主義の台頭に取って代わられた。現在、インド、ハンガリー、そしてアメリカ合衆国では非自由主義的な指導者が政権を握っている。そして、国連、世界貿易機関、世界保健機関、ヨーロッパ連合、核不拡散体制といった国際機関は、30年前よりも弱体化している。

要するに、アメリカ(そしてヨーロッパ)の外交政策を支えてきたリベラルな楽観主義は、全く的外れだったことが判明した。こうした展開の原因として、アメリカの傲慢さ(hubris)、「永遠の戦争(forever wats)」の悪影響、ソーシャルメディアの有害な影響、中国の経済発展、2008年の金融危機、エリート層の説明責任の欠如、格差の拡大など、様々な点を指摘するのは容易だ。そして、リベラルな世界秩序の拡大に向けた努力が失敗した理由を説明する書籍を執筆した人たちもいる。しかし、そこには、アメリカを含む多くの場所で政治が非リベラルな方向へ転じた理由を説明する、より深い力が働いていた。そして、それら全ての深層的な力に共通するのは、不確かな未来への恐怖(the fear of an uncertain future)だ。

今日、それほど裕福でも恵まれたわけでもない人々が、どれほど多くのことを心配しているかを考えてみよう。

第一に、経済の不確実性の高まりだ。これは、格差の拡大、腐敗と縁故資本主義(crony capitalism)の蔓延、人工知能(AI)とロボット工学の労働力への影響、多くの国における若者の失業率(一部のSTEM分野でさえも)、一部の経済大国における生産性の低迷、人口の高齢化、国際貿易やマクロ経済学を理解していない米大統領、またしても軽率な金融市場の規制緩和(一体何が問題になるというのか?)、そしてバブルの兆候を多く示す株式市場などが原因だ。もしあなたが既に超富裕層でなく、経済的な将来について少しでも不安を感じていないのであれば、あなたは注意を払っていないと言えるだろう。

第二のテーマは気候変動だ。その影響はますます顕著になり、ほぼ完全に有害で費用がかさみ、さらに悪化する可能性が高い。トランプとMAGAの世界は、この事実を否認し、問題をさらに悪化させるためにあらゆる手段を講じているかもしれない。しかし、物理法則や化学法則はソーシャルメディアの投稿を読んだり、フォックス・ニューズを見たりはしない。そして、ほとんどの一般人は、私たちがより暑く、より風が強く、より雨が多く、より危険な未来を迎えることを理解している。世界中の若者たちは、私たちが大きな問題を抱えていることを理解しており、彼らが子供を持つことに不安を抱く理由の一つでもある。

次に、大国間競争が再び到来する。一極化の時代は終わり、中国、ロシア、そしてアメリカ合衆国(そしてその他の国々)は対立し、新たな軍拡競争が始まり、直接衝突が起こり得る火種は数多く存在する。第三次世界大戦は避けられないものではないが、リスクは高まっている。より多くの国が核兵器の取得を試みる可能性が高く、長期的には安定化につながるかもしれないが、短期的には予防戦争(preventive war)への大きな動機付けとなり、私たちはさらに恐怖を抱く理由が増えることになる。

テロリズムについても忘れてはならない。確かに、ほとんどの人々がテロリズムに直面する実際の危険は常に誇張されてきた(あるいは、場合によっては政治的な目的で意図的に誇張されてきた)。しかし、テロリズムは依然として世界の一部の地域で深刻な問題であり、無差別的な政治的暴力行為への恐怖は、人々の認識に依然として大きな影を落としている。

さらに、移民や難民の問題もある。そして、様々な国が海外からの人々の流入に飲み込まれ、その結果、ある種の文化が消滅してしまうのではないかという恐怖がある。これは、白人至上主義運動(the white nationalist movement)の中心的な柱である「大人口置換理論(great replacement theory)」のような偏執的な幻想の背後にある恐怖だ。人口増加を切実に必要としている高齢化社会でさえ、この懸念に非常に敏感であり、アメリカ合衆国のような人種のるつぼ社会は、時計の針を戻そうと、障壁を築き、生産性の高い住民を追い出そうとしている。寛容なコスモポリタニズムの世界に溶け込む代わりに、「他者(other)」への恐怖は世界中で深刻な反発を引き起こしている。

しかし、待って欲しい。それだけではない! 専属の免疫学者を雇う余裕があったり、隠れ家としてプライヴェートアイランドを持っていたりしているのでなければ、おそらく次のパンデミックを心配していることだろう。私たちはここ数十年で、エイズ、SARS、エボラ、そしてもちろん新型コロナウイルスなど、すでにいくつかの大きな脅威を経験してきた。そして、またいずれ大きな脅威が起こるだろう(米保健長官ロバート・F・ケネディ・ジュニアの思い通りに事が運ぶなら、おそらくもっと早く起こるだろう)。

最後に、私たちが耳にする偽りの脅威を忘れてはならない。トランスジェンダーの人々、図書館の本、命を救うワクチン、ピザゲート事件、ワシントンDCをはじめとする民主党支持の都市での犯罪などだ。これらの脅威が全くの空想、あるいは極端に誇張されたものであっても、世界は民主政治体制では対処できない危険に満ちており、人々が本当に必要としているのは独裁者だ(the world is brimming with dangers that democratic systems cannot handle and that what people really need is a dictator)という、広く信じられている認識を助長することになる。もちろん、独裁者への依存は他の国々で非常にうまく機能したからだ。

不運なことに、人々は恐怖を感じると、何よりも保護を提供してくれる強力な権威を渇望する傾向がある。アルカイダによる911同時多発テロの後、アメリカ人は愛国者法の賢明さ、国内監視の拡大、そしてたとえテロとは全く関係のない外国の占領の妥当性について疑問を抱くことはなかった。人々は限界まで恐怖を感じると、事実が何であるかを理解し、どのように対応するかを慎重に検討するまで待つことはない。彼らは、誰かが指揮を執り、ただ危険に対処してくれることを望むようになる。

理想的には、有権者たちは、上記のような様々な困難な問題に効果的な対応策を講じるために24時間365日体制で働く、非常に有能な指導者を選ぶことになるだろう。しかし、恐怖心は、たとえそれが現実からどれほどかけ離れていても、強さと能力のイメージを巧みに演出する独裁者予備軍が売りつけるインチキ薬に、人々をいとも簡単に騙してしまう。野心的な独裁者は当然ながらこのことを知っているため、正当な懸念を誇張したり、架空の緊急事態をでっち上げたりすることで、権力の強化を正当化し、自らの行動の結果から人々の目を逸らそうとする。

フランクリン・ルーズベルト大統領は一期目の就任式で、「私たちが恐れるべき唯一のものは恐怖そのものである(The only thing we have to fear is fear itself)」という有名な言葉を残している。しかし、これは必ずしも正確ではない。遅滞なく対処する必要がある真の問題がいくつかあり、あなたがそれらを心配するのは当然だ。私たちが決して許されないのは、恐怖に麻痺したり、判断力を曇らせたりすることだ。私たちが直面する最大の危険は、将来への不安に駆られて、問題を悪化させる兆候を示し、個人的な力を得たいという欲によってより自由な世界というリベラルなヴィジョンを消えゆく記憶にしてしまう可能性のある指導者に頼ってしまうことだ。

※スティーヴン・M・ウォルト:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。ハーヴァード大学ロバート・アンド・レニー・ベルファー記念国際関係論教授。Blueskyアカウント: @stephenwalt.bsky.social、Xアカウント:@stephenwalt

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 古村治彦です。

 2026年2月18日、特別国会が召集され、高市早苗議員が首相に指名された。第二次高市早苗内閣が発足し、第一次内閣の閣僚がそのまま留任した。第二次高市政権にとっては2026年度予算の成立が重要だ。国会の議席数で見れば成立は確実であるが、高市首相は、2025年度内(2026年3月31日まで)の成立を目指している。2月の総選挙、3月の訪米とありながら、3月末での成立にこだわっているようだ。そうなると必然的に審議時間は短くなる。野党に質問させない、自分にとって嫌なことを質問させないという態度が見え見えである。経団連からも審議時間の短さに対して懸念が表明されているが、そのようなことはお構いなしで突き進むのだろう。国会は国権の最高機関である。高市首相の国会軽視はやがてしっぺ返しを食らうだろう。高市首相の高い支持率が自民党の支持率とは連動していない。高市政権下で何か逆風が吹き、高市首相故人の人気が落ちてしまえば、逆回転も大きくなり、次の選挙では自民党の議員たちの大量落選が発生する。増上慢にならず、周りの浮ついた空気に流さされず、丁寧に謙虚に行動することが肝要になってくる。

 高市首相に対しては海外でも高い評価がある一方で、懸念の声も出ている。それらを以下に紹介している。様々な主張があるが、共通しているのは、日本の少子高齢社会と低成長を、日本の問題に挙げていることだ。海外メディアは高市首相がどのように対応するのかということを注目しているようだ。衆議院で多くの議席を有し、やりたいことはできるということで、大改革をするという見方もあるし、そううまくはいかずに厳しいという見方もある。

 私は、既に日本は衰退局面に入っており、厳しい撤退戦を戦う状況にあるという考えだ。少子高齢化とそれに伴う人口減少は止められないし(年間で約100万ずつ減っていく)、経済成長も見込めない(成長率3%などというのは厳しい)。それもこれも失われた30年で、就職氷河期世代を生み出し、しかも中途半端に人数が多いために、大きな負担になっており、これから負担が大きくなる一方になるということが原因だ。少なくともこれから30年は厳しい状況が続く。人口ピラミッドをみれば、逆三角形の肩幅の広いボディビルダーのような形の日本はこれから先進国の地位から滑り落ちて、また、世界の中でしょう石の地位に戻ることになる。

 そうした中で、高市首相にこうした状況を大逆転できる方策は残っていない。何とか厳しい撤退戦を戦うしかない。しかし、そんなものは国民にとって面白くもなく、負担ばかりが大きいだけのものだ。国民にアピールしない。不満ばかりが募る。それが石破茂政権時代だった。そして、お勇ましい、聞き心地の良い言葉を連発する高市首相を多くの国民は支持している。「高市さんは頑張っている、何かしてくれる」という心情は理解できる。しかし、実際には何もできない。そして、国民の不満を逸らすために、外に敵を作り、強大に見える、見掛け倒しのアメリカに莫大なお金を払って頼ろうとする。国民が「強い指導者」を高市首相に求めるように、高市首相は「強い指導者」をアメリカ、ドナルド・トランプ大統領に求めている。残念ながら、これらはすべて幻影、幻想である。結局のところ、何もうまくいかなくて、また、何か目新しいことを言う誰かを「強い指導者」として担ぎ出して捨てるということを繰り返す。このような悪循環、負のスパイラルを抜け出すことはほぼ不可能だ。なぜなら、そのためには日本国民が何かを諦め、現実を直視することが必要だからだが、それは不可能なことだ。こうして衰退に竿を指してスピードアップを続けていく。

(貼り付けはじめ)

中国は日本のダメージを与えられる部分を攻撃している。高市首相は屈するだろうか?(China is hitting Japan where it hurts. Will PM Takaichi give in?)

テッサ・ワン筆

2026年2月16日

BBC

https://www.bbc.com/news/articles/c86y3ndqlxwo

写真

アナリストたちは高市首相の最近の選挙での圧倒的勝利は中国に対して断固たる姿勢を取るための政治的資本(political capital)を彼女に与えたと述べている。

先月、東京の上野動物園で、何千人もの日本のファンから涙の別れを受けたシャオシャオとレイレイは、中国行きの飛行機に乗せられた。これは、悪化する日中関係の新たな象徴だ。

2頭の中国のジャイアントパンダは、北京がパンダの引き取りを発表したことを受け、帰国を余儀なくされた。これにより、日本には数十年ぶりに中国のパンダがいなくなる事態となった。

高市早苗首相の発言により日中関係がここ数年で最低レヴェルに落ち込んで以来、北京は軍艦の派遣、レアアース輸出の抑制、中国からの観光客の制限、コンサートの中止、さらにはパンダの返還など、様々な方法で圧力を強めている。

高市首相が先日の総選挙で歴史的に強力な国民の支持を得て首相として新たな任期を迎える中、アナリストたちは日中両国にとって緊張緩和(de-escalate)は困難であり、日中関係がすぐに回復することはないだろうと警告を発している。

今回の論争は11月に始まった。高市首相が、台湾への攻撃があった場合、日本が自衛隊を出動させる可能性があると示唆した時からだ。

中国は、自治を行っている台湾を自国の一部だと主張しており、将来台湾と「再統一する(reunify)」ために武力行使する可能性も排除していない。台湾はアメリカを主要な同盟国と見なし、アメリカは台湾の自衛を支援することを約束している。

長年懸念されてきたのは、台湾へのいかなる攻撃も米中間の直接的な軍事紛争(a direct military conflict)につながり、ひいては日本やフィリピンといった地域における他のアメリカの同盟諸国を巻き込む可能性があるということだ。

台湾問題は中国にとって絶対的な譲れない一線(an absolute red line)であり、「外部からの干渉(outside interference)」とみなされるいかなる発言にも激怒し、これは主権の問題(a question of sovereignty)であり、中国のみが自ら決定できるものだと主張している。

高市首相の発言後、中国政府は即座に非難の嵐で応じ、発言の撤回を要求した。

専門家たちは、高市首相の発言は政府の立場や過去の日本の指導者の発言と一致すると指摘している。

しかし、相違点は、現職の日本の首相がこのような見解を表明したのは今回が初めてだったという点だ。

一方、高市首相は謝罪も発言の撤回も拒否した。アナリストたちは、高市首相が獲得した強力な支持によって、この姿勢は正当化される可能性が高いと指摘している。

しかし、高市首相は具体的な状況についてはより慎重にコメントすると述べ、日本政府は高官級の外交官を中国側と会談させた。

しかしながら、これは中国の怒りを和らげる効果はほとんどなかった。

●「グレイゾーン」の圧力('Greyzone' pressure)

高市氏が譲歩を拒絶する姿勢を崩さない中、中国は一貫して圧力をかけ続けている。

アナリストたちは、日中両国の間ではここ数十年、歴史的な敵意を背景に対立が激化してきたが、今回は状況が異なっていると指摘する。

シンクタンク国際戦略研究所(IISS)日本部長ロバート・ワードは、中国はこれまでより「さらに幅広い分野(wider range of fronts)」で圧力を強めていると指摘する。

これは、台湾に対して行っている「グレイゾーン戦争(greyzone warfare)」に類似した、拡散的で低レヴェルの圧力であり、「実際には正常ではない状況を正常化させるために相手を疲弊させること」を目的としているとワードは述べた。

外交面では、中国は国連に苦情を申し立て、日本と韓国との三カ国首脳会談を延期した。

中国はまた、他の国々をこの争いに巻き込もうとしており、イギリスとフランスに自国への協力を呼びかけ、同盟国であるロシアと北朝鮮には日本を非難するよう促している。

週末、中国の王毅外相はミュンヘン安全保障会議で西側諸国の首脳たちを前に演説し、第二次世界大戦における日本の侵略の歴史に言及し、高市首相の発言を「非常に危険な展開(very dangerous development)」と呼んだ。

軍事面では、日本は中国がドローンを飛ばし、軍艦が日本の島々を航行し、戦闘機が日本の航空機を「レーダー照射(locked radars)」したと主張している。日中の海上保安庁の船舶は、係争中の尖閣諸島(釣魚島)付近で衝突し、先週は日本当局が中国漁船を拿捕した。

しかし、中国が日本の痛いところ、つまり経済にも打撃を与えようとしていることは明らかだ。

中国は、レアアース元素や重要鉱物などの軍民両用技術の対日輸出を制限しており、これは一種の経済的圧力と見られている。

中国政府はまた、中国国民に対し、留学や休暇で日本を訪れるのを避けるよう勧告し、日本行きの49路線の航空便を欠航とした。これにより、観光客の減少と一部株価の下落につながった。公式統計によると、日本を訪れる外国人観光客の4分の1は中国人である。

エンターテインメントや文化も例外(off the hook)ではない。

中国では日本の音楽イヴェントが中止され、中には歌手が演奏中にステージから降ろされるという出来事も起きた。また、映画配給会社は複数の日本映画の公開を延期した。

日本の代表的な文化輸出品の一つであるポケモンも、靖国神社で開催予定だったイヴェントをめぐり批判を浴びた。靖国神社は、中国が戦犯とみなす人々を含む日本の戦没者を祀っている。イヴェントは最終的に中止された。

また、ソーシャルメディアでは、中国のネット上の民族主義者が高市首相を攻撃し、人気キャラクターのウルトラマンやアニメキャラクターの名探偵コナンが首相と戦うAI生成動画をシェアするなどしている。

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上野動物園での最後の日に撮影されたシャオシャオは、妹のレイレイと共に中国に送還されました。

しかし、全体として、中国の行動は日本との過去の紛争に比べて挑発的ではないとシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のボニー・リンとクリスティ・ゴベラは指摘している。

リンとゴヴェラは「これまでのところ、中国の経済的・軍事的対応は過去に比べて比較的限定的だが、さらなるエスカレーションの余地は十分にある」と最近の分析で指摘している。

中国は現在、「第二次世界大戦後の秩序の守護者(the guardian of the post World War Two order)として積極的に位置づけ」ており、アメリカと比較して責任ある大国(a responsible power)として見られたいと考えているため、日本に対して強硬な姿勢を控えている可能性もあるとウォードは付け加えて述べている。

●「続くタンゴ」(A 'tango that will continue')

専門家たちは、緊張が緩和される場合、あるいは緩和された際には、以前よりも高い水準で落ち着く可能性が高いと一致して見ている。

リンとゴヴェラは分析の中で、日中両国が今回、緊張緩和に動く可能性は低いと指摘している。中国は現在、はるかに強力な大国であり、「台湾は中国の核心的利益の中核を成しており、北京は過去の出来事の時よりも強硬な姿勢を取る可能性が高い」と述べている。

リンとゴヴェラは、「北京は高市首相に深い疑念を抱いており、発言を明確に撤回することなく緊張緩和を試みる彼女の試みは、偽善的(hypocritical)、あるいはさらに悪いことに、戦略的に欺瞞的(deceptive)だと見なす可能性が高い」と述べている。

一方、日本は、特に高市首相が選挙で圧勝したことで、強硬な姿勢を貫く意欲が高まっており、「彼女はこれを対中姿勢の正当性(as vindication for her stance on China)を示すものと受け止めるだろう」とウォードは指摘した。

ゴヴェラはBBCに対し、高市首相は今回の勝利を「政治的資本(political capital)」として、日本の立場を強化する防衛・経済政策を推進する可能性が高いと語った。

高市首相は、日本の防衛関連支出を予定より2年前倒しでGDPの2%に引き上げ、今年末までに主要な安全保障戦略の見直しを完了し、経済刺激策を早期に開始すると約束している。

一方、中国は「高市首相は非常に強力な指導者であり、圧力をかけることは国内で彼女をさらに強くするだけだと考えているため、圧力をそれほど強めないかもしれない」と、スタンフォード大学ショーレンスタイン記念アジア太平洋研究センター所長で日本専門家の筒井清輝は述べている。

筒井は「そのため、この駆け引き(tango)はしばらく続くだろう」と述べている。

不確定要素となるのは、ドナルド・トランプ米大統領がこれまで高市首相への強力な支持を表明しており、総選挙を前に異例の支持表明を行っていることだ。

しかし、筒井は、トランプ大統領と習近平国家主席の間で、4月の大統領の北京国賓訪問を含む複数の会談が予定されていることから、米中関係は今年さらに改善すると多くの人が予想していると指摘した。

リンとゴヴェラは、過去の出来事と比較すると、今回のアメリカの日中対立に対する反応は「今のところ控えめで、それが中国を勇気づける可能性がある」と述べた。

ワードは「日本は習近平主席とトランプ大統領の間で何らかの大きな取引が行われることを恐れている」と述べた。

週末、ミュンヘン安全保障会議の傍ら、マルコ・ルビオ米国務長官と茂木敏充外相が会談し、日米間の緊密な関係を再確認した。

高市首相は、トランプ大統領の中国訪問に先立ち、3月にワシントンDCを訪問し、再びトランプ大統領と会談する予定である。

中国が圧力を強め続ける中、日本はアメリカと分かち合っている防衛負担を「倍増(double down)」させる可能性が高いとウォードは述べ、「アメリカがこの地域(アジア)から関心を失わないように、日本とより緊密に協力していく」と付け加えた。

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日本は高市首相に圧勝したが彼女は経済を立て直すことができるだろうか?(Japan has given Takaichi a landslide win - but can she bring back the economy?)

スランジャナ・テワリ筆

2026年2月10日

BBC

https://www.bbc.com/news/articles/cddn7qed35eo

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日本の高市早苗首相は解散総選挙という賭けに出たがそれが成功した。

高市首相率いる自由民主党は465議席中316議席という圧倒的多数を獲得した。これは近年、ほとんどの指導者が達成していない圧倒的多数だ。むしろ、日本は首相が入れ替わり立ち替わりしてきた(a revolving door)と言える。

今、問われているのは、高市首相がそれをどう活用するかだ。彼女は、日本経済が何十年も達成できなかったもの、すなわちより速い成長(faster growth)を実現できるだろうか?

日本は、低調な成長(sluggish growth)、世界最大の公的債務(public debt that is the largest in the world)、そして高齢化と減少が進む労働人口(a working population that is both ageing and shrinking)など、多くの問題を抱えている。

専門家の中には、高市首相にはこの状況を打開し、世界第4位の経済大国である日本の経済運営のあり方、そして市場が日本をどのように見ているかを根本から変えるチャンスがあると考えている。

故安倍晋三首相の政策顧問とスピーチライターを務めた谷口智彦は高市首相が日本を正しい方向に導いてくれるだろうと述べている。

谷口は「もし成功すれば、世界中の高齢化社会にとって貴重なケーススタディとなるだろう」と述べている。

●資金はどこからやって来るのか?(Where will the money come from?)

高市首相は、主要産業への投資を含む歳出拡大で経済成長を後押しすると公約していた。

これは前任者たちからの方針転換だった。彼女は減税によって国民の消費支出を増やすと誓い、貯蓄よりも経済成長が優先事項だ(growth rather than savings was the priority)と述べた。

しかし、市場は高市首相がこれらの計画をどのように財源確保するのかという疑念で動揺した。圧倒的多数の賛成を得たことで投資家は安心したようで、それは日曜夜の彼女の勝利に対する市場の好意的な反応に表れた。

投資家たちは「高市トレード(Takaichi trade)」と呼ばれる、日本株を買い、円と国債を売る取引を行っている。重要なのは、円高も進んでいることだ。投資家の一部にとって、通貨高は好ましい状況だ。

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市場は高市早苗首相の勝利を歓迎した。

しかし、事態はもっと複雑だ。

高市首相が2025年10月に首相に就任すると、国債利回り(実質的には日本が借金をするために支払う金利[effectively the interest Japan pays to borrow money])は急上昇した。

日本の公的債務が巨額であるため、これは投資家にとって大きな懸念事項となっている。高市首相が公約してきたより多い支出とより少ない税金(more spending and lower taxes)は、政府がより多くの借金をしなければならないことを意味する。

日本の債券市場は世界最大級の規模を誇り、東京での小さな変化でさえ世界市場に波及し、借入コスト、投資判断、そして通貨に影響を与える可能性がある。

投資家は金利にも注目している。なぜなら、日本銀行はインフレ抑制のための数十年にわたる超低金利からの脱却を目指しているからだ。

例えば、米の価格は2025年に倍増した。価格の安定、あるいは下落に慣れてしまった国にとって、価格上昇は大きな衝撃だ。

これが、高市首相の台頭を支えたメッセージの中心だった。有権者はより貧しく、物価はより高く感じる(voters feel poorer and prices feel higher)。結局のところ、これは彼女の前任者が失脚した原因の一つとなった。

高市首相が提案した減税は、短期的には家計の痛みを和らげるかもしれません。

しかし、慶応義塾大学の経済学教授である小林慶一郎は、これは危険な道だと警告している。「支出の増加はインフレを刺激し生活費を上昇させるだけだ」と述べている。

むしろ、政府はインフレ対策として日本銀行が引き続き金利を引き上げることを許可しつつ、政府支出を引き締めるべきだと小林教授は主張する。そうすれば投資家も満足するだろう。

金利が低く政府支出が多いと、日本は外国人投資家にとって魅力が低下するため、通貨需要が減少し、円安につながる。

円安は、特にエネルギーや食料品といった輸入コストを押し上げるが、より安価な中国製品との競争において輸出業者にとって有利となる。

高市首相が約束した成長を実現するためには、これは非常に繊細な綱渡り(balancing act)であり、高市首相はそこから逃れることはできない。

しかし、課題は市場だけのことではない。

円安は、日本人の日本での生活に対する意識も変化させる。不動産や海外製品の購入が難しくなる一方で、外国人観光客にとっては物価が安くなり、より魅力的な場所となる。

観光ブームは収益をもたらしたが、同時に過密状態(overcrowding)や、一部地域では外国人に対する反発も高まっている。

●パズルの中で欠けているピース(A missing piece of the puzzle)

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日本は高齢化が進んでいるが外国人労働者の受け入れに抵抗している。

日本の人口、そしてその労働力は長年減少傾向にある。今や世界有数の高齢化社会となり、医療や社会福祉といった公共サーヴィスに大きな負担がかかっている。

日本は既に建設(construction)、介護(care work)、農業(agriculture)、そして接客業(hospitality)といった分野で深刻な労働力不足に直面している。労働者の減少は生産量の減少、ひいてはより弱い経済成長を意味する。

移民はこの負担を軽減できる可能性がある。公式データによると、政府は近年、一部の規制をひそかに緩和しており、外国人労働者の数は増加している。しかし、欧米諸国と比較すると、日本における外国人労働者の数は依然としてはるかに少ない。

高市首相は、移民問題は特に保守派支持層にとって非常にデリケートな問題であるため、この状況を変えるような大きな対策は講じないだろうと示唆している。

高市首相とその支持者たちは、生産性向上のためには(to lift productivity)、テクノロジー、自動化、そして女性や高齢者の参加率向上に頼るべきだと述べている。

エコノミストたちは、それだけでは不十分かもしれないと警告している。日本は依然として外国人労働者のさらなる増加を必要としている。他の先進国が長らく経済の維持のために外国人労働者に依存してきたのと同様だ。

専門家たちは、移民に対する抵抗は、過去に技術革新と改革の妨げとなってきた、より広範な変化への抵抗感の一環でもあると指摘している。

●中国はどうだろうか?(What about China?)

しかし、日本は変化する必要がある。しかも迅速に変化しなければならない。なぜなら、中国は既に規模と工業生産力で日本を追い抜いており、ヴェトナムをはじめとするアジア諸国も追い上げているからだ。

中国は日本にとって最大の貿易相手国でもある。これは高市首相の計画にとって重要である。なぜなら、国内需要の回復には時間がかかるからだ。それまでは、日本は成長を促進するために貿易に頼らざるを得ない。

しかし、レアアース輸出をめぐる紛争を含む、中国との継続的な緊張は、戦略的サプライチェインにおける日本の脆弱性(vulnerability)を露呈させている。みずほ銀行の日本担当チーフエコノミスト服部直樹は、こうした緊張関係は電気自動車や防衛装備品の生産にも悪影響を及ぼす可能性があると指摘している。

一方、高市首相は、希少鉱物や医薬品といった重要分野における中国への依存度の低減を最優先事項としている。また、トランプ大統領に対して積極的に機嫌を取り(court)、日本の平和憲法の下では物議を醸すことになる防衛予算の増額に同意した。

高市首相はトランプ大統領の「温かい言葉(warm words)」に感謝し、今春ホワイトハウスを訪問することを楽しみにしていると述べ、「日米同盟の潜在力は“無制限”だ(the potential of our Alliance is LIMITLESS)」とも述べた。

高市首相は米中の「等距離(equidistance)」を否定し、ワシントンとの同盟こそが日本の安全保障と経済の強靭性の中核を成すと考えていると谷口は述べている。

しかし、日本はどちらか一方を選択する余裕はない。

小林教授は、特に中国の不動産危機と国内経済成長の鈍化が、この地域における中国の影響力を再編する可能性があることから、日中両国との関係強化は賢明だと述べている。

高市首相のアプローチは、彼女の師である故安倍晋三元首相の戦略を踏襲しているように見える。つまり、成長を刺激するための大規模な支出と投資を支える低金利だ。

安倍首相は物価下落、円高、そしてはるかに弱体化した中国という問題に対処していた。

高市首相が直面する課題はより深刻だ。日本は高齢化が進み、経済成長は依然として低迷しており、世界情勢は大きく変化している。

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世界で最も力を持つ女性(The world’s most powerful woman)

-日本の首相は一世代に一度の国を立て直すチャンスを手にした。彼女はそれを掴むことができるだろうか?

2026年2月12日

『エコノミスト』誌

https://www.economist.com/leaders/2026/02/12/the-worlds-most-powerful-woman
自由民主党(LIBERAL DEMOCRATIC PARTY、LDP)は1955年の結党以来、わずか二度の短い中断を挟みつつ、日本の政治を支配してきた。2月8日の衆議院総選挙で、これほど圧倒的な勝利を収めたことはかつてなかった。優越的な衆議院の議席の約70%を獲得した。勝利を収めた高市早苗首相は、今、国を変革する歴史的なチャンスを手にしている。この機会を決して逃してはならない。

選挙での賭けと大勝利によって生まれた期待に応えるために、高市首相はより大きく、より広い視野で考える必要がある。在任期間を、目先の救済策にばかり目を向け、現状の苦痛を和らげることに終始するのではなく、日本が直面する長期的な人口動態と経済の課題に真正面から向き合わなければならない。また、不安定な世界情勢において、安定をもたらす力として、日本が果たすべき重要な役割を認識すべきだ。そして、右派の支持者だけでなく、日本全体のリーダーでなければならない。つまり、彼女は再び賭けに出なければならない。

●日本の首相は新たな大きな責務をどう活かすのか(How Japan’s prime minister will use her massive new mandate)

彼女には支持がある。高市首相への支持は全国から寄せられた。自民党は衆議院(定数465)で198議席から316議席を獲得し、3分の2の超多数(supermajority)を獲得した。これにより、自民党は掌握していない参議院の決定を覆すことが可能になる。高市首相は、日本の有権者が求める安全と変革の両方の欲求を捉えた。彼女は、厳しい時代にふさわしい、強硬な現実主義(realism)を提示した。また、彼女は旧態からの脱却を体現している。彼女は中流家庭の出身で、率直な物言いをする人物であり、多くの先人たちのように、堅苦しい政治王朝の御曹司ではない。そして、彼女は女性として、民主政治体制国家である日本を率いる最初の人物である。

高市首相がそれを大胆に捉えるならばの話だが、歴史的な選挙は、歴史的な機会を解き放つ。最も重要なのは、彼女が日本の防衛力改革を加速させる上で有利な立場にあることだ。2012年から2020年まで首相を務めた故安倍晋三元首相は、中国の強硬姿勢とアメリカの信頼性の低さに対抗するため、軍事力の強化に着手した。しかし、世界の変化は日本よりも速い。高市首相は既に、当初2027年度に予定されていた防衛費の対GDP比2%への増額を今年度に前倒ししたが、それでもまだ不十分だ。いずれにせよ、単に予算を増額するだけでは不十分だ。日本は新たな世界の混乱に真摯に向き合う必要がある。核兵器への言及を含め、タブーを破る首相の姿勢は健全である。防衛産業の束縛を解き放ち、防衛技術革新を促進し、国の情報収集能力を強化するという点において、彼女は正しい考えを持っている。

これには進取的な外交が必要となる。他の同盟国と同様に、日本もドナルド・トランプの大統領復帰に動揺している。しかし、NATO加盟諸国以上に、日本はアメリカを疎外することはできない。日本は中国、ロシア、北朝鮮という核兵器を保有する敵対国に囲まれており、当面はアメリカの核の傘(nuclear umbrella)に頼らざるを得ない。高市首相はトランプ大統領の機嫌を損ねることなく、称賛に値する仕事をしてきた(トランプ大統領は投票前に高市首相への支持を表明していた)。しかし、日本はアメリカと協力する一方で、アメリカを迂回する動きも躊躇すべきではない。これは、トランプ大統領が最初の任期中に放棄した環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)を安倍首相が救済した際に行った行動である。これは、安倍首相がトランプ大統領と良好な関係を築くことを妨げたわけではない。今回は、日本はCPTPPとヨーロッパ連合(EU)を連携させる取り組みを主導すべきである。これにより、世界の生産量の30%以上をカバーする貿易圏が誕生することになる。

日本は、国内資源が逼迫する今こそ、このグローバルな指導力を発揮する必要がある。減少が続き、高齢化が進む人口(shrinking, ageing population)は、日本の成長を阻む大きな要因となっている。多くの国が学んでいるように、容易な解決策はない。家族は簡単にスピードアップできる生産ラインではない。むしろ、気候変動と同様に、人口動態の変化は絶え間ない適応を必要とする。選挙での圧倒的勝利は、高市首相にこれまで他国が避けてきた難しい選択を迫る余裕を与えている。

高市首相は、日本が持つ人々の力を解き放ち、新規参入者をより歓迎する体制を構築することに注力すべきである。社会保障制度(social-security system)は緊急に改革する必要がある。企業は、硬直的で年功序列の終身雇用慣行(seniority-based lifetime employment practices)から、より柔軟な職務に基づく制度へと転換すべきである。結婚を阻害し、女性を低賃金労働に留める家父長制的な家族法と税制は廃止されなければならない。日本は移民を誘致すべきであり、彼らを悪者にするのではなく、受け入れるべきである。そして、防衛費と福祉支出への需要が高まる中、日本は必要なプログラムに資金を提供できることを市場に保証しなければならない。総負債(the gross debt)の削減に貢献するために、今は海外資産(overseas assets)から徐々に利益を得る好機かもしれない。

高市首相は果たしてその任務を果たせるだろうか? 2025年10月に首相に就任したばかりで、まだ試練を迎えていない。彼女は、幅広い支持を、自身の狭いイデオロギー的目標を追求する許可証と誤解する恐れがある。熱烈な国家主義者である彼女は、日本の戦没者、その中には戦犯も含まれている帝国の指導者たちを祀る靖国神社を参拝するかもしれない。これは中国との関係を悪化させ、中国の台頭に対抗するために不可欠な、日本と韓国の脆弱な関係を悪化させるだろう。また、社会的な保守主義者である彼女は、外国人排斥感情を煽り、人口減少を補うために日本が必要とする移民や、経済成長を牽引する観光客を遠ざける可能性がある。財政ハト派である高市首相は、インフレを煽り、国債保有者をパニックに陥れるような大規模な支出政策を推進する可能性がある。試金石となるのは、新たな国債を発行することなく、食​​料品への8%の消費税を2年間停止するという、ポピュリスト的な選挙公約だろう。有権者はそのような魔法のような考えを信じていたかもしれないが、市場はより深く理解している。彼女は景品代を支払う方法を見つけるか、それを中止する必要があるだろう。

●実行の難しさ(The difficulty of doing)

首相のメールボックスは気が遠くなるような量だ。国民が不安になるのも無理はない。高市首相は有権者たちに対し、この激動の時代を彼女に導いてほしいかと質した。その答えは圧倒的な「イエス」だった。しかし、もし彼女が象徴主義(symbolism)とポピュリズム(populism)に基づく信任を無駄にすれば、より有害な代替案が蔓延するだろう。そして日本はすぐには、次のリーダーにこれほど大きなチャンスを与えることはないだろう。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 高市早苗総裁率いる自民党は国会で戦時中の大政翼賛会に迫る議席占有率を達成した。3分の2という議席数は非常に重たい。これで、「野党が邪魔をして、私たちがやりたいことが出来ないんです」という言い訳はできない。最近になって、「自民党内には右から左までいてそう簡単ではない」という主張も出てきているが、そんな泣き言はいらない。国民が高市首相に「国民生活を何とかしてくれ」ということで与えた議席である。是非、国民生活が豊かになるようにしてもらいたい。

 しかし、話はそう簡単ではない。高市政権は2年間の食料品にかかる消費税率をゼロ%にするという話を「検討する」ということにして、この国会では法案を出さない構えである。高市早苗政権がやりたいことは改憲と防衛予算対GDP比引き上げである。これは、宗主国アメリカからの厳命である。事実上の対日担当責任者であるエルブリッジ・コルビー国防次官は、自身の著作では防衛費の対GDP比3%を求めていたが、国防次官になってみると、第二次ドナルド・トランプ政権の意向は3.5%であり、最近では5%となっている。高市政権はこの5%を達成したい。日本のGDPは約600兆円なので、5%は30兆円となる。2025年度の予算約115兆円のうち、社会保障関係が約38兆3000億円で、約33.2%で、分野別としては最大だ。次は防衛関係で約8兆7000億円、約7.5%である。防衛予算が30兆円となれば、4倍弱、20兆円以上の増加となる。

 20兆円も増加するとなれば、他の分野を削ってもなかなか厳しい。現在でもかつかつでやっているのが現状だ。少子高齢社会(少子高齢「化」社会の段階はとうに過ぎている)で社会保障関係は増大していく。そうなれば、国債発行か増税ということになる。日本では、既に、税金と社会保障の負担率が5割に迫っている。その割にその恩恵を感じられていないことに国民間で潜在的な不満が高まっている。しかし、20兆円をどうやってねん出するかとなれば、国債発行か、増税しかない。高市政権を支持した国民にだけ20兆円を負担してもらうということもできない。やはり国民全体で負担を負うしかない。国債発行となれば、インフレや金利上昇のリスクは高まる。増税となれば、国民の不満は増加する。いくら「中国が気に入らない、やっつけろ」と言ってみても、税金でお金を吸い上げられ続けて、手許にお金が残らなければ生活もできない。

 改憲に関しては、ありがたいことに、衆参両院で3分の2以上の賛成で発議され、国民投票という手続きになっている。現在の参議院は、自民維新国民参政保守チーム未来保守などの改憲、憲法9条の条文変更を行うことに進みそうな勢力がギリギリで3分の2という状況だ。これだけのグループであれば意向の違いややる気に濃淡があるので、一気に憲法改正の発議まで進むのは難しいだろう。次の参議院議員選挙は2028年で、ここで憲法改正の発議を阻止できる、護憲勢力を3分の1以上にすることが重要だ。高市政権は20230年の衆議院議員の任期の最後まで総選挙はやらないと考えると、2028年の参議院選挙が重要だ。

 しかし、その前に高市政権が苦境に陥るということも可能性としてある。高市首相がやりたいことをやろうとすれば財政規模は拡大してしまう。何より防衛費が10兆円、20ちょうえんと倍々ゲームで増えていく。増税か、国債発行か、どちらにしても良い結果には結びつかない。円安やインフレが進行する。あれだけ「早苗ちゃん、頑張っている」「何か変えてくれる」と熱狂した国民は、高市早苗真理教の熱心な信者以外は離れていく。「生活が苦しいのは中国のせいだ」とばかりも言っていられなくなる。それで、皆で口を拭って、知らんぷりして「私は最初から高市という人を評価していなかった」と言い出す。高市首相の個人的な人気に支えられた自民党の議席は、決して盤石ではない。高市人気の終焉の時に、逆回転が起きる。そのことが分かっている自民党幹部たちほど、今回の大勝利に浮かれていない。しかし、何とかしようにもなかなか厳しい状況が続く。

(貼り付けはじめ)

高市早苗首相は日本を再び偉大な国にできるか?(Can Sanae Takaichi Make Japan Great Again?)

-圧勝したにもかかわらず、高市首相の人気と財政計画には疑問が残る。

ウィリアム・スポサト筆

2026年2月9日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2026/02/09/japan-sanae-takaichi-election-economy/

高市早苗首相が政権発足直後に総選挙を実施するという賭けは見事に成功し、自民党は歴史的な圧勝を収めた。これにより、高市首相は中国への敵対、ドナルド・トランプ米大統領の要求をのむことで満足させての懐柔、そしてインフレ進行に苦しむ有権者への支援策といった面で、事実上、フリーハンドを手にした。

また、今回の総選挙は、長きにわたり政権を握ってきた自民党にとって新しい段階を与えた。自民党は2024年10月の参院選で連立政権を組む与党と共に衆議院(日本の国会でより強力な下院)の過半数の議席を失った惨敗の後、深刻な危機に瀕していた。右派寄りでテレビ映りの良い新政党の台頭により、過去70年間のうち6期を除く全期間にわたり日本を支配してきた自民党の統治はついに終焉を迎えるかもしれないという噂も広まっていた。

しかし、アメリカの共和党と同様に、新しい自民党は少なくとも今のところは事実上、一人党(a party of one,)だ。日曜日の選挙前、高市氏は57~68%の支持率を誇っていたが、党全体の支持率はわずか30%だった。

高市首相の人気により、自民党は衆議院465議席中316議席を獲得した。最も重要なのは、戦後初めて3分の2の超多数(supermajority)を獲得したことだ。この圧倒的な結果により、自民党は参議院の拒否権(vetoes)を覆すことができる。日本の参議院は独自の選挙日程を持ち、依然として野党が多数派を占めているため、高市首相にとって歯止めとなる可能性がある。

自民党は伝統的に集団指導体制(a system of collective leadership)を採用していて、党の実力者たちや派閥(factions)は権力争いを繰り広げながらも、公の場では統一された姿勢を見せてきた。今回の選挙結果は、高市首相にとって、党をワンマンショー(a one-woman show)へと転換させる稀有な機会となる。しかし、彼女のリーダーシップは不透明だ。高市首相の人気急上昇が持続するかどうか、そして日本の財政にさらなる負担をかけるような歳出拡大計画に金融市場がどのように反応するかについては、依然として疑問が残る。

また、この調査結果は、経済と政治の不確実性の中で、日本の若者たちがますます不安定になり、安易なスケープゴートを求める新政党のポピュリスト的極右路線(the populist, far-right takes of new parties)を支持していることも示している。極右路線が主張する敵役の中には外国人も含まれる。彼らは人口のわずか3%を占めるに過ぎず、日本の長期的な人口減少が続く中で、雇用者からは経済にとってより重要な構成要素とみなされているにもかかわらず、敵役となっている。この点を強調するため、ソーシャルメディアの投稿では、行儀の悪い外国人観光客、特に中国人観光客が取り上げられ、酔っ払った日本人サラリーマンに頻繁に見られる、より見苦しい行動は無視されている。

高市首相は、この支持基盤を自民党に引き戻そうと、「ジャパン・ファースト」アプローチを採用している。昨年秋、党首選、ひいては首相選に立候補した際、奈良公園周辺で外国人が鹿を蹴った事件に対し、憤りを表明した。事件が実際に起きたのか、あるいは数人の外国人観光客の行動が合理的な移民政策とどう関係するのかは不明だ。

高市首相はまた、国会で、中国が台湾に対して何らかの行動を起こす可能性、そしてそれが自衛隊による紛争介入を可能にする可能性について発言し、北京の怒りを買っている。これらの発言は安倍晋三首相や麻生太郎首相といった歴代首相の発言を反映したものではあったが、国会という形式的な場は中国にとって明らかに重大だった。また、これは中国にとって、日本が自国の経済利益を犠牲にしてどこまで踏み込む覚悟があるのか​​を探る機会にもなった。中国は日本にとって最大の輸出市場であり、トランプ大統領による数々の貿易上の脅威に直面して、さらに重要になる可能性がある。

しかし、高市首相の大胆な振る舞いは、長らく政治のブラックホールとなってきた、普段は無関心な若い有権者にとって、魅力の一部となっていることが証明された。これは日曜日の選挙において決定的な要因となり、投票直前の世論調査では、18歳から29歳、特に若い女性の間で高市首相の支持率は90%近くに達していた。

高市首相は反エスタブリッシュメントな姿勢を強調し、首相官邸に初めてスウェットスーツ姿で現れ、韓国の李在明大統領とK-POPのドラムデュエットを披露し、トランプ大統領の支持を獲得した。高市首相は米大統領の支持にきちんと感謝の意を表したが、トランプが、昨年、日本自動車メーカーの輸入を妨害しない見返りに、アメリカによる強制的な投資という形で日本から5500億ドルを搾取したと豪語した人物と同じ人物であるという事実は、都合よく伏せていた。

こうした強気な姿勢はソーシャルメディア上では好意的に受け止められ、主要野党グループとは対照的だった。中道改革連合(Centrist Reform Alliance、CRA)という興味関心を引かない名前で急遽結成された合併政党は、名前と同じく興味関心を引かない政策を掲げ、国民が全く望んでいない政策を繰り返し公約していた。

中道改革連合は、26年間自民党と連携してきた公明党の参加から恩恵を受けることができなかった。公明党は高市首相との連携が困難だと判断して連立から離脱した。創価学会の800万人以上の会員を擁する公明党は、日本で最も信頼できる投票率向上団体だった。しかし、高市首相の前では、公明党と中道改革連合のもう一つの加盟政党である立憲民主党は、まるで過去の遺物のように映ってしまった。両党は議席の3分の2以上を失い、最終的に49議席にとどまった。

人口動態(demographics)が明らかに重要な役割を果たした。朝日新聞の出口調査によると、40歳以下の層では中道改革連合の得票率は10%以下となった。

しかし、高市首相への支持はより幅広く、自民党はあらゆる年齢層で、ソーシャルメディアをよく利用する層以外からも支持を得た。大手日本企業の幹部は次のように述べた。「この30年間、変化も進歩もなかった。高市首相は新しいことに挑戦する意欲があるように見える。もしうまくいかなければ、他の方法を試せばいい。しかし、私たちは新しいことに挑戦しなければならない」。

高市首相にとって最大のリスクは、彼女の経済政策だ。数々の素晴らしい成果を約束したことで、就任わずか45日で失脚した英国のリズ・トラス前首相との不名誉な比較が生まれている。トラス前首相は、史上最速の市場崩壊(market rubouts)の一つとなった。

問題は、賃金上昇率を上回る物価上昇(rising prices that are outpacing growth in wages)にどう対処するかだ。高市首相の解決策は、食料品に対する8%の消費税を2年間停止し、インフレ圧力を抑制するためのより痛みを伴う従来の対策ではなく、インフレの副作用の一部を緩和することだ。

財政刺激策は通常、経済を活性化させ、物価上昇のスパイラルを助長するため、これは従来の経済学に反する。多くの経済学者もそれに応じて反応している。

野村総合研究所のエコノミストで、元日本銀行理事の木内登英は、「インフレ対策としての消費税減税には多くの欠点がある。効果は限定的であり、財政健全性を悪化させ、円安と長期金利の上昇を助長する可能性がある。そして、消費税で賄われている社会保障制度への信頼を損ない、長期的な不安を増大させる」と述べている。

木内をはじめとするエコノミストたちが指摘するもう一つの差し迫った問題は、既に巨額となっている日本の対GDP比約240%の債務がさらに増加すれば、債券市場は更なる不安に陥り、円安が進行し、ひいてはインフレが加速するという点だ。日銀が円安を抑制し物価上昇を抑制するために利上げに踏み切れば、政府は自らの借入コストの壊滅的な上昇に直面することになる。市場の急落は、日本だけにとどまらず、はるかに広範な影響を及ぼすだろう。

こうした制約を踏まえ、高市首相は最近、財政健全性(fiscal soundness)への懸念が依然として残ると述べ、消費税減税による約320億ドルの歳入減は追加国債の発行なしに補填できると主張し、計画の規模を軽視している。しかし、その「方法」は完全には明確ではなく、市場を納得させるにはある程度の説得力が必要となるだろう。

ドイツ銀行日本担当チーフエコノミスト小山健太郎は顧客向けメモの中で、「重要なのは、投資家は目先の選挙結果よりも、その後の政治的駆け引きにもっと注目すべきだ。こうしたその後の展開こそが、日本の財政政策と金融政策の最終的な方向性を決定づけることになる」と述べた。

もう一つの大きな不確実性は、高市首相の支持基盤がどれほど持続するかだ。東京の慶応義塾大学経済研究所の政治問題専門家である茂垣正弘は「今回の結果の主な要因は、若い有権者からの強い支持にあるようだ。若者たちの支持は、実質的な政策分析よりも、メディアやソーシャルメディアを通じた印象によって動員されたようだ」と述べた。

しかしながら、現時点では高市首相が明らかに実権を握っており、しかもそれを楽しんでいるようだ。

※ウィリアム・スポサト:東京を拠点とするジャーナリスト。2015年から『フォーリン・ポリシー』誌に寄稿している。ロイター通信と『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙で勤務し、20年以上にわたり日本の政治経済を取材してきた。また、2021年にはカルロス・ゴーン事件とその日本への影響に関する著書を共著で刊行している。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

高市早苗首相が通常国会冒頭で衆議院を解散し、総選挙が実施された。2026年2月8日に投開票が行われ、自民党が選挙前よりも118議席増の316議席(小選挙区は249議席、比例代表は67議席)を獲得した。閣外協力の日本維新の会は2議席増の36議席(小選挙区は20議席、比例代表は16議席)となった。与党側は352議席となった。与党側の議席占有率は75.7%となった。戦時中の1942年の衆議院議員選挙(通称は翼賛選挙)では大政翼賛会の推薦候補381名(定数466)が当選し、大政翼賛会の議席占有率は約81.7%となったが、今回の選挙の自民党と日本維新の会はそれに迫る勢いとなった。
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選挙前に連立与党から離脱した公明党は、立憲民主党と新党となる中道改革連合を結成した。中道改革連合は123議席減の49議席(小選挙区は7議席、比例代表は42議席)となり、大惨敗を喫した。比例名簿で公明党出身者が上位に来ていたために、小選挙区で敗退した立民系の大物議員たちは比例での復活もできず、議席を失った。公明系は選挙前よりも4議席増えて28議席となった。立憲民主党全体がほぼ消滅(148議席から21議席に)したということになる。

国民民主党は28議席で1議席増となり、善戦したということになる。小選挙区絵8議席は、中道の7議席を上回る成果だ。比例代表の20議席はやや埋没感があったということになるだろうが、中道の大惨敗に比べて大善戦、勝利と言えるだろう。しかし、与党側が圧倒的な議席数を有する中で、独自色を出して戦うということは厳しくなるだろう。昨年に自民党との連立という話があった時に乗っていればどうだったかということも含めて、これから情勢の検討や方針策定が行われるだろう。

参政党とチームみらいは小選挙区での議席獲得はならなかったが、比例代表で二桁の議席、参政党は15議席、チームみらいは11議席の獲得となった。2025年の参議院選挙から続く流れで両党ともに勢力を伸ばしたが、参政党の勢いはスローとなり、チーム未来の勢いは増している。共産党は議席を8議席から半減させて4議席、れいわは選挙前の8議席から1議席に減らした。どちらにとっても厳しい戦いだった。社民党は議席獲得ならずで、党の存在もこれから厳しい状況となる。保守党も議席獲得に届かなかった。減税・ゆうこく連合は1議席獲得となったが、原口一博氏は落選した。

 今回の選挙での敗北者は立憲民主党であった。他の二桁議席を獲得している政党は、公明党を含めて議席を伸ばしている。立憲民主党は旧民主党時代から執行部に入っていたような大物議員たちが軒並み小選挙区で落選し、比例代表でも復活できなかった。立憲出身の比例代表復活者たちの多くは自民党の候補者が全員当選した上に議席が余る形で配分された人たちである。立憲民主党が消滅し、他の政党で議席を分け合ったという形になる。

 立憲民主党代表を務め、中道改革連合の共同代表を務めた野田佳彦は、旧民主党時代に続いて、二度目の100名を超える同僚議員たちを落選させた指導者となった。私は野球好きであるが、日本のプロ野球史上で最多勝利数を誇り、長く南海ホークスを率いた鶴岡一人氏は「指揮官が無能だと部隊は全滅する」という発言を残している。鶴岡市は戦時中に将校として部隊を率いた経験を持つ。その経験から出た言葉だ。野田佳彦元首相に拳拳服膺して欲しい言葉だ。旧民主党時代に「花斉会」などという、自民党の派閥を真似たおままごとの派閥気取りで党内闘争をもてあそび、「国民の生活が第一」路線を裏切った、蓮舫氏をはじめとする野田佳彦元首相を祀り上げた政治家たちも今回の大惨敗の責任がある。

野田氏と共に中道改革連合成立を主導した安住淳共同幹事長は小選挙区で落選し、比例復活もできなかった。野田氏と共に現実路線・保守路線を走り、左派・リベラルを切り捨てた。野田・安住コンビは自分たちが政界のヴェテランで、政治工作の匠だと増長し、結果として公明党を助け、自分たちは消滅の道を進んだ。公明党の方が一枚も二枚も上手であった。二度の大惨敗の責任を取って、野田・安住コンビは政界から永久に消え去り、自分たちの失敗の日々を思い返しながら、表舞台に一切出てこないでひたすら反省の日々を送ることこそが肝要だ。立憲民主党は立憲主義を捨て去り、「民主党」を復活させて、権力闘争のおままごとに耽溺した。理念を忘れ、現状追認こそが保守の途だとばかりに野田・安住コンビの復活を許したことは、所属した政治家たち全員の責任でもある。

 現状の選挙制度(小選挙区比例代表並立制)によって、議席のスイングが大きくなることは、小泉旋風、民主党大勝でも経験したことであるが、自民党のこれほどの大勝は史上初めてのことだ。自民党だけで衆議院の議席の3分の2以上を占めた。自民党だけで総得票数の3分の2を占めた訳ではない。比例代表で見れば、約36.7%である。小選挙区での得票数を合わせても50%を超えてはいないだろう。
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高市早苗首相の「人気」に促されての小選挙区・比例代表での大勝利となった。「高市首相は頑張っている」「高市首相は変えてくれる」という有権者の「期待」が集まった結果ということもできるだろう。しかし、そもそも考えてみれば、この「失われた30年」のほとんどを自民党や与党として過ごした。議席を多く獲得してきた。しかし、結果として、日本は少子高齢社会となり、GDPの成長率は低く、実質賃金も下がるばかりだ。この結果を招いたのは自民党であるのに、自民党に票が集まり、野党が議席を減らされる結果となっている。日本の有権者は現在の衰退状況を野党の責任だと考えている。もちろん、野党の責任もあるだろうが、自民党はずっと与党で、やりたいことをやって来た。消費税を上げることだってできた。思想家の内田樹先生はXのポストで「自民党は“議席が足りない”ので、野党に足を引っ張られてやりたいことが出来ない」という主張をして人々を納得させていると述べている。それに人々が納得しているということだ。今回、自民党だけで3分の2の議席を獲得した。これ以上の議席はない。野党は邪魔のしようがない。是非、やりたいことをやって、衰退状況を改善し、国民生活を少しは良くしてもらいたいものだ。この議席数で、やりたいこともできずに、衰退も止められないのなら、自民党は民主政治体制(デモクラシー)には向かない政党である。解党してしまった方が良い。

 このブログでも紹介したが、選挙期間終盤に、アメリカのドナルド・トランプ大統領が高市早苗首相を支持するという内容をSNSに投稿した。これは明確な内政干渉であり、独立国に対しての非礼である。しかし、このことについて起こっている人たちはほぼいなかった。日本人は自分たちがアメリカの属国に住んでいて、アメリカに奉仕することが存在意義である奴隷であるということを芯から理解している人たちということになる。高市早苗首相はさしずめ奴隷頭である。トランプは次のように考えるだろう。「俺の一声で、高市は大変な勝利を収めた。俺はアメリカよりも日本で人気がある。日本がアメリカの51番目の州だったら、大統領選挙で1億票は日本から俺に票が入ったんだが」。

 高市首相はトランプからの選挙干渉、内政干渉のお礼を早速SNSにポストした。しかし、さすがにまずいと進言を受けたのか、現在は削除している。何もやましこともなく、まずくもなければ、堂々とポストしたままにすればよいが、さすがに全世界に「内政干渉、選挙干渉をしていただいてありがとうございます」と発信するのは日本の指導者がアホであることがばれるということになったようだ。日本国内だけだったら何も問題視されなかっただろうが。しかし、インターネット時代だ、既に画像は保存されている。加筆します。削除されていなかった。猶更よくない。

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 選挙期間中の1月28日、アメリカの国防総省ナンバー3のエルブリッジ・コルビー国防次官が訪日し、防衛省を訪問した。コルビー次官の訪日の目的は日本に防衛予算の対GDP比5%とへの引き上げを「要求(と書いて実質は厳命)」することだ。コルビーについては、これまで拙著において詳しく紹介している。彼は著書の中で「3%」を要求していた。国防次官になって「3.5%」を要求し、当時の石破茂政権に拒絶されている。石破政権は恒例の日米の外務大臣・国務長官、防衛大臣・国防長官による「2プラス2会談」をキャンセルした。高市早苗政権は防衛費増額に前向きどころか、前のめりである。2026年は約9兆円、約1.5%であるが、補正予算で更に防衛予算を増加させたいとしている。衆議院議員の任期は4年であり、高市首相はこれ以上の議席数はさすがに望めないだろうから、任期ギリギリまで次の選挙はしないだろうから、その間に防衛予算増額を続けていく。5%ももうすぐだ。倍の倍の倍のファイトだ。3月の訪米時に何らかのシグナルを出すだろう。
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 防衛予算が対GDP比5%になるということは、30兆円規模になるということだ。社会保障や教育予算を削ると言っても10兆円、20兆円を浮かすということはできない。そうなれば、国債発行か、増税しかない。私たちはこの10兆円、20兆円(その多くはアメリカからの武器、装備品を買うために使われるが)を収めるために働いて、働いて、働いて、働いてまいらねばならない。私は「愛国増税」と呼んでいるが、このアメリカのために奴隷のように働くことは「愛国的行為」となるだろう。日本国民はそのことを選んだのだからどんな増税にも耐え抜く覚悟を持たねばならない。一度増えた予算はなかなか減らすことはできないということも覚えておかねばならない。

 予算規模がどんどんと拡大していくということになれば、やはり国債発行は避けられないとなり、インフレと円安は進む。金利も上昇していく。増税だけではなく、円安とインフレ、金利上昇によっても私たちは手許のお金を吸い取られることになる。金利上昇となれば、住宅ローンの返済額も増加する。変動金利で数十年という人たちにとっては頭が痛い問題だ。それに教育費ということものしかかってくる。少子化で学校に入りやすくなっているかと思えばそんなことはなく、教育はまさに「地獄の沙汰も金次第」となっている。高等教育がこのような状態になれば、社会階層の固定化は進む。新しい階級が出現する。それもこれも私たちが選び取ったことである。

 最後に、中国が攻めてくる、攻めてくる論であるが、そのようなことはない。日本は攻めるだけの価値もない国だ。奴隷労働に向いている若者の数は減少し、その若者たちは体力がない。老人たちに奴隷労働させようにも、膝が痛い、腰が痛いで働けない。資源はない。そもそも放っておいたら、どんどん毎年100万人ずつ減っていく国だ。こんな国を攻めて何の意味があるだろうか。ただ、怖いのは、日本の暴発だ。実際に戦争をしても、日本は短期間で敗北してしまうだけだが、中国側に被害が出るのが困る。静かに消え去ってくれれば良いが、勝手に国内で不満を貯めて、自分たちが悪いのに、「中国が悪い」と逆切れしている。そんな頭のおかしい連中と関わりたくないが、攻撃してくるならば打ち払うしかないということになる。アメリカに「もう少しちゃんと躾をしてくれないと困るじゃないか」と言うしかない。日本はその程度の国だ。残念なことであるが。

 日本国民の多くが「中国が日本をいじめる」「日本に嫌なことをする」という幼稚園のお教室内での子供たちの喧嘩並みのことを言っている。「中国との関係は良くならなくてよい」と答える人も多くいる。戦後日本の国民は太平洋戦争での無残な、悲惨な敗北を受けてもう少し賢かった。今でも多くの賢い国民がいるが、そうではない人たち、考えの足りない極医的な人たちの声と行動力に引きずられている。1956年に当時の経済企画庁が発表した経済白書には「もはや戦後ではない」という有名な言葉が使われた。この言葉は本当は、中野好夫の文章のタイトルだそうだ。私はこの言葉を借りて、「今回の選挙はこうして、これまでの戦後が終わり(もはや戦後ではない)、新しい戦前が始まった」と主張したいと思う。

(終わり)

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 古村治彦です。

 明日、2026年2月8日に総選挙の投開票が実施される。現在の情勢は、自民党と閣外協力の日本維新の会を合わせた議席数が300議席に迫る勢いで、自民党だけで単独過半数を窺うという状況だ。立憲民主党と公明党が合同した中道改革連合は議席を減らすと見られている。この状況は非常に憂慮される事態だ。

 高市早苗首相は、「私を首相として選ぶかどうか」の判断を国民にさせるという「白紙委任(carte blanche、a blank check)」を得ようという暴挙に出た。目玉政策はなく、「国論を人分する政策」の中身は最後まで明かさなかった。ところどころでは、憲法の条文を変更するということを述べていたが、そのことを前面に押し出すことはなかった。消費税の減税についても、食料品に対する消費税を2年刊だけゼロにするということは述べていたが、自民党の公約では「検討を加速」と書かれており、「必ず実施する」とは書かれていない。候補者個人の公約として「減税」と書いている人もいるが、党として実施すると約束していない。選挙戦の途中で、ある自民党候補者からは「消費税12%も検討している」という言葉が出てきた。党本部は否定しているが、現状ではそのような検討をしていることは間違いない。選挙後に「検討を加速」して、結果として「減税はどうしても無理ですので12%にしまう」と言われても後の祭りだ。

 選挙戦終盤になって、アメリカのドナルド・トランプ大統領がSNS上に高市早苗首相を支持するという内容の投稿を行った。この投稿を喜ぶ人間たちが多く出た。なんと情けないことだろう。これは立派な「内政干渉(intervention)」であり、「選挙干渉(interference in election)」である。「アメリカさまが、トランプさまが高市さんを日本の指導者にするようにと私たちにお示しくださっている、ありがたいことだ」という考えが最初に出てくるような人間は、奴隷である。しかも奴隷であることを誇り、喜んでいる人間だ。

 日本の総理大臣や大臣が、他国の選挙、たとえばアメリカ大統領選挙で「○○党の●●さんを支持します」と言ったことがあるか。そんなことをすれば、「内政干渉をした」ということで辞任させられる。それくらいに重大なことだ。民主政治体制と外交、国際関係の基本原理を毀損する行為である。日米が対等な関係であるならば、このようなことを去れたら、即座に抗議を行うことが当然だ。しかし、日本にはそれができない。なぜなら、日本はアメリカの従属国・家来国(a tributary state、a vassal state)だからだ。もっと露骨に言えば、日本はアメリカにとって搾取大将の奴隷国であり、日本国民はアメリカに奉仕することのみで存在を許される奴隷であって、日本の首相は奴隷頭でしかない。主人に「厳命」されればそれに従うしかない。もっとも、これまでにも日本の政治家で気骨がある人物たちはアメリカと交渉したり、要求について断ったりということをやって来た。その多くは失脚させられる運命に見舞われたが。自民党保守本流にそうした人々が多く出て、保守傍流からは、アメリカの奴隷頭を喜んで務める政治家たちが多く出た。

 今回の選挙で、自民党、日本維新の会、国民民主党、参政党、保守党という改憲勢力が衆議院の3分の2以上の議席を獲得する可能性がある。改憲へ一歩進むことになる。これは、アメリカに従って、中国とぶつかりやすくするための、中国と戦争を行うための第一歩となる。「血税」という言葉には2つの意味がある。一つは「血を流すほどに厳しい、重たい税金負担」という意味で、もう一つは「徴兵制などで強制的に軍務に服務すること」である。私たちは、アメリカの奴隷として、これからこの2つの意味の「血税」を支払わされることになる。

 このような絶望的な状況の中で、私たち日本人はまず、アメリカの奴隷であるということをしっかり認識することから状況の改善を進めねばならない。この認識がないから、アメリカと交渉する、アメリカに意見をするという政治家を支えることが出来ない。すぐにふにゃふにゃとなってしまう。アメリカに物申す政治家を国民の多くで盛り立てる、このことが出来なければアメリカの奴隷国をこれからも続けて、国力を吸い取られ、衰退への道を進んでいくことになる。

 明日の総選挙では、護憲を掲げる候補者や政党に投票されることを心からお願い申し上げます。

(貼り付けはじめ)

トランプ氏、高市氏への支持表明 衆院選を目前に

2026年2月6日 BBC NEWS JAPAN

ケリー・アン記者、シャイマ・ハリル東京特派員

https://www.bbc.com/japanese/articles/c75x2565n4no

アメリカのドナルド・トランプ大統領は5日、日本で8日投開票の総選挙が目前に迫ったタイミングで、高市早苗首相への支持を表明した。

トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、高市氏が「すでに強力で、力強く、そして賢明な指導者だと証明した。(中略)そして自国を真に愛する人物だ」と記した。また、「彼女は日本の人々を失望させないだろう!」と書き込んだ。

アメリカの大統領が他国の国政選挙について、候補者を公然と支持することはまれだ。しかしトランプ氏はこれまでにも、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領やハンガリーのオルバン・ヴィクトル首相に対し、同じように支持を表明してきた。

日本は、トランプ氏が各国に関税を発動した後、最も緊密な同盟国であるアメリカとの関係にさらなる安定を求めている。そうした中で、高市氏はトランプ氏とのとの関係構築を模索してきた。

トランプ氏は昨年4月、日本に対し25%の関税を課すと脅した。しかし同7月、当時の石破茂首相との間で、日本がアメリカに5500億ドル(約80兆円)を投資することで合意。その見返りとして、トランプ政権は日本からの輸入品への関税を15%に引き下げた。

高市氏は、石破氏の辞任を受けた与党・自民党総裁選で勝利し、国会でも十分な支持を確保して、昨年10月に首相に就任した。しかし今年1月、国民の信任を得るためだとして、衆議院の解散と総選挙の実施を発表した。

■「黄金のパートナー」

高市氏は首相就任のわずか1週間後、トランプ氏の日本訪問をレッドカーペットを敷いて歓迎。東京・元赤坂の迎賓館で、自衛隊の楽隊や儀仗隊を動員して盛大な歓迎式典を実施した。

これが高市氏にとっての外交デビューだったが、その光景は印象的だった。高市氏が米海軍横須賀基地に停泊中の米原子力空母「ジョージ・ワシントン」に乗り込み、数千人の米兵を前にトランプ氏の称賛を受けながら拳を突き上げる姿が、世界中に放送された。

高市氏は、トランプ氏が取引を望み、また取引可能だと思う首脳だと、自身を印象づけようとした。さらに、個人的に良好な関係を築ける人物だとも、トランプ氏に思わせようとした。

両首脳は防衛政策でも一致している。トランプ氏は日本が自国の安全保障により多くを費やすことを求めている。高市氏も、日本国内でも防衛投資を増やすべきだという世論が高まる中、同様の考えを示している。

この訪日で両者は互いを称賛し合い、レアアース(希土類)に関する合意文書に署名した。また、日米関係の新たな「黄金時代」を告げる文書にも署名した。

高市氏はトランプ氏を「新たな黄金時代のパートナー」だとし、中東和平におけるトランプ氏の役割を称賛した。

一方、トランプ氏は今月5日の投稿で、「日本訪問で私と代表団一同は、彼女に強く感銘を受けた」とし、両国が安全保障協力や経済面で進展していると語った。

トランプ氏はまた、高市氏を3月19日にホワイトハウスへ招くと述べた。

画像説明,高市氏は、イギリスのマーガレット・サッチャー元首相を尊敬していると語り、日本の「鉄の女」になると表明している

■中国へのメッセージ

トランプ氏の投稿は、高市氏は米政権と協力する人物だという印象を与えるもので、日本の有権者だけでなく、周辺地域、特に中国を意識したメッセージだ。

日中は外交的な対立の最中にあり、歴史的な緊張を抱えていた両国関係は、過去10年以上で最も悪化している。

高市氏は昨年11月、中国が台湾を攻撃した場合、日本は自衛隊で対応できると発言し、中国政府の怒りを買った。高市氏はその後も発言の撤回を拒んでいる。

中国政府は台湾を自国の領土だとしており、武力で台湾を手に入れる可能性を否定していない。

トランプ氏による高市氏支持は、こうした緊張が続く中で示された。トランプ氏は前日の4日、中国の習近平国家主席と電話会談したばかりだった。

トランプ氏は、中国とは「極めて良好」な関係にあると述べ、習氏も自分も「こうした関係の維持がいかに重要かを認識している」と語った。

中国国営メディアによると、習氏は台湾をアメリカとの関係における「最重要問題」と呼び、台湾は「中国の領土」だと強調した。習氏はまた、台湾への武器供与についてアメリカは慎重になるべきだと、トランプ氏に伝えたという。

これまでのところ、世論調査では高市氏の圧勝が予測されている。しかし8日の選挙で勝ったとしても、それはいくつもある難題の最初の一つにすぎない。

高市首相の指導力は、日本の停滞した経済の運営、アメリカという最重要の安全保障上の同盟国とのデリケートな関係、そして最大の貿易相手国である中国との関係にどう対処していくかで評価されていくことになる。

=====

●「自民党が単独過半数の勢い、中道改革連合は大幅減…衆議院選挙終盤情勢」

2026/02/05 22:00 読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20260205-GYT1T00723/

 読売新聞社は8日投開票の衆院選(定数465)について、電話とインターネットによる調査を3~5日に実施し、全国の総支局などの取材を加味して終盤の情勢を探った。自民党は優位に戦いを進めており、単独で過半数(233)を超える勢いだ。野党第1党の中道改革連合は公示前から大幅に議席を減らす情勢で、日本維新の会と国民民主党は苦戦している。
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 自民は、1月27、28日の序盤調査と比較すると、289の小選挙区の半数近くで優勢を維持していて、公示前の198議席から大きく上積みしそうだ。比例選も含め、衆院の常任委員長ポストを独占し、各委員会で過半数を確保できる「絶対安定多数」(261)を自民単独で獲得することも視野に入る。維新を加えた与党では、法案の再可決や憲法改正の国会発議に必要な3分の2(310)もうかがう。

 維新(公示前勢力34)は、本拠地の大阪ではリードを保っている小選挙区が多い。ただ、全国的な広がりには欠けており、比例選も含めた全体では伸び悩んでいる。

 中道改革(同167)は小選挙区選、比例選ともに勢いを欠く。100議席を割り込み、さらに公示前から半減する可能性もある。公明党の支持母体である創価学会の組織力などを生かして盛り返しているとみられる選挙区もあるが、限定的だ。

 国民民主は比例選で堅調だが、小選挙区では伸び悩んでおり、公示前の27議席を確保できるかどうか微妙な情勢が続く。

 参政党(同2)は比例選で大幅増が見込まれるものの、序盤ほどの勢いはみられない。

 共産党は苦戦が続いており、公示前の8議席を確保する見通しが立っていない。れいわ新選組(同8)も苦しい戦いで、議席を失う可能性がある。

 減税ゆうこく(同5)は、小選挙区での議席獲得が視野に入る。日本保守党は比例選で1議席を維持できる可能性が出てきた。社民党は引き続き、議席獲得が厳しい見込みだ。

 チームみらいは序盤から伸ばしており、比例選で10議席近くを獲得できる見通しとなっている。

 電話調査は、自動音声による調査で18万2081人、インターネット調査は「Yahoo! JAPAN」のIDを持つユーザーら17万4512人、計35万6593人から回答を得た。一定数の回答者が投票する候補者や政党を挙げておらず、情勢は流動的な要素もある。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 昨日、2025年10月21日に臨時国会が召集され、首班指名選挙が実施された。高市早苗自民党総裁が第104代内閣総理大臣に指名された。憲政史上、初めての女性首相となった。内閣も組織されたが、女性の登用は2名と寂しいものとなった。

 首班指名選挙の結果を見ると、高市政権の基盤は脆弱であることが分かる。閣外協力を得る日本維新の会を足しても、衆議院で231議席(定数は465議席で過半数は233議席)、参議院で120議席(定数は248議席で過半数は125議席)となり、過半数にそれぞれ2議席、5議席足りない。そのため、日本保守党やNHK党、無所属議員の意向も無視できないことになる。政策課題別で、国民民主党や参政党も巻き込まねばならない。プレイヤーが多くなれば、それだけ決定は難しくなる。妥協も強いられる。自党内の反対も考慮しなければならない。政権運営は難しくなる。それでも、国民民主党や参政党のような、「野党しぐさ」の実質的な与党、「対米隷属・統一教会志向・対中開戦翼賛会」があるというのは、心強いことであろう(嫌味で言っています)。
 首班指名選挙を見ても、なかなか厳しい結果となった。衆議院では議長、副議長も投票に参加する形式が採用されていて、465議席中、過半数は233議席、自民と維新を合わせて231議席で2議席が足りないという状況で、維新からの離党組である改革の会の3名、有志の会から1名、無所属の中村はやと(中村喜四郎氏の息子)と額賀福志郎(議長)の投票があり、1回目で過半数を超えた。参議院では議長は投票に参加しないという慣例があり、また、自民党議員1名が欠席したことで、投票総数は246票となり、過半数は124票となった。自民と維新では119票で5票足りないという状況となった。1度目の投票では日本保守党1名と無所属3名が高市氏に投票したが、124票ということで過半数に届かず決選投票となった。決選投票では国民民主党1名が勘違いで、後は日本保守党1名がそれぞれ投票し、125票となり、過半数を超えた。
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 高市政権は早速、憲法条文の変更や防衛予算増額、労働時間の規制緩和を打ち出している。これらに共通しているのは、「国民ども、お前らは一丁前の存在ではなく、下僕だ。お前らに人権などない。心身をすり減らして過労死し、税金を納めることが下僕の愛国的行為だ」という、麻生太郎たち、エスタブリッシュメントの貴族主義的な原理原則である。今回の高市早苗政権は、実質的には麻生太郎政権である。国民生活に対して無責任極まりない、地獄を煮詰めた政権の始まりである。日本を泥船にするために力を発揮するだろう。政権基盤が脆弱なことが救いである。政権運営に行き詰まって、やけっぱちの解散総選挙ということも視野に入ってくる。防衛予算増額を決定するまではアメリカが支えるだろうが、それが済んだら弊履の如く捨てられるだろう。「日本の極右は危険だ」と靖国神社・遊就館史観を攻撃してくるだろう。属国の哀しさ、何とも悲観的なスタートである。

(貼り付けはじめ)

●「【票数一覧】高市早苗首相「過半数+4」に中継番組も驚き「234とみられていたんですが…」」

日刊スポーツ 10/21(火) 14:24配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/0a49a816efa628f2240260894dfa80444b564806

 自民党の高市早苗総裁(64)は21日、衆院本会議で行われた首相指名選挙で、第104代首相に選出された。憲政史上初めての女性首相となった。

 高市氏はブルーのジャケットに、真珠のネックレスとイヤリング。開票を待つ間は厳しい表情で集計作業が行われている壇上を見つめていたが、選出された瞬間は本会議場の自席で立ち上がり、周囲に6回、頭を下げた。首相指名に必要な過半数は233議席のところ、選出に先立ち、高市氏がそれを超える237票の得票を得たことが発表された瞬間、自民党席から「おおー!」と大きな声と拍手が起きた。高市氏はその瞬間、目を閉じて、喜びをかみしめるような様子だった。

 テレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」では、「過半数233、そして結果は237でした。3人、無所属議員が投票する方針だということでしたので、234ではないかとみられていたんですが、結果は237という数字でした」と伝えた。

◇  ◇  ◇

▼衆院の首相指名選挙の票数内訳

高市早苗(自民党総裁)237

野田佳彦(立憲民主党代表)149

玉木雄一郎(国民民主党代表)28

斉藤鉄夫(公明党代表)24

山本太郎(れいわ新選組代表)9

田村智子(共産党委員長)8

吉良州司(有志・改革の会代表)3

神谷宗幣(参政党代表)3

河村たかし(無所属)2

松原仁(無所属)1

百田尚樹(日本保守党)1
(貼り付け終わり)
(終わり)

※2025年11月に新刊発売予定です。新刊の仮タイトルは、『「新・軍産複合体」が導く米中友好の衝撃!(仮)』となっています。よろしくお願いいたします。
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『トランプの電撃作戦』
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『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

2025年10月21日に臨時国会が召集されて、首班指名選挙が実施される。現在のところ、自民党の高市早苗総裁と国民民主党の玉木雄一郎代表の名前が報道で取り沙汰されているが、自民党と日本維新の会、国民民主党での協議が続いている。高市早苗首相誕生の可能性が高いと見られている。自民党はNHK党や参政党も取り込む動きを見せている。このような重要な政権に関する動きを誰が指揮し、誰がパイプ役、調整役を務めているのか、全く見えてこない。麻生太郎副総裁なのか、義弟の鈴木俊一幹事長なのか、全く分からない。自民党の新執行部は脳内お花畑の素人集団であり、先行きは極めて不安である。
 以下に、高市早苗総裁選出の前後に出た、海外での紹介記事を紹介する。「ガラスの崖(glass cliff)」「サッチャー・ルール(Thatcher rule)」という概念が紹介されており興味深い。ガラスの崖は、危機的状況において、目くらまし的に女性をリーダーに据え、危機を回避出来たら御の字、失敗したら「だからやっぱり女性は駄目だ」と男性が留飲を下げるということであり、サッチャー・ルールは、保守勢力の中核的な保守的価値観を強固に守る女性の方が出世しやすいということである。高市総裁は、ジェンダー平等や保守的な価値観の改革ではなく、保守的でかつ好戦的な態度を見せることで、「男社会」を勝ち抜いた女性ということになる。女性初の自民党総裁であるが、本質的に女性が直面している不平等とは戦わない。なぜなら、男性中心、男性優位の極右的な価値観を最優先するからだ。

 麻生太郎元首相の傀儡であり、旧安倍派復権政権となる高市政権は、アメリカの国益に資するための対米隷属内閣となる。具体的には、日本の防衛予算の対GDP比を既に決定している2%から3.5%に引き上げることが至上命題となる。石破茂政権ではエルブリッジ・コルビー国防次官からの要求を蹴ったことが報じられている(時事通信2025年6月21日付記事「米、日本に防衛費3.5%要求 反発で2プラス2見送りか―英紙報道」)。防衛予算は現在のところ、対GDP比1.3%程度であるが、これが約2.5倍になると、予算の他の科目、例えば、社会保障や教育を削る、もしくは大増税を行う必要が出てくる。高市政権は対外的な脅威を過剰に演出し、「愛国増税」のようなことを仕掛けてくるだろう。国民生活は破壊される。

 日本の先行きは不安が大きい。高市政権がもたらす厄災が可能な限り小さくなることを願うしかない。
(貼り付けはじめ)
日本初の女性首相は強硬派でなければならない(Japan’s First Female Prime Minister Has to Be a Hard-Liner)

-もし彼女が今週の総裁選で勝利すれば、高市早苗の超国家主義的な政策(ultranationalist agenda)は地域を揺るがすことになるだろう。

ミン・ガオ筆

2025年10月2日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/10/02/sanae-takaichi-japan-first-female-prime-minister/

土曜日に行われる自民党総裁選挙では、高市早苗が日本初の女性首相となる可能性が高まっている。高市は、国際舞台における進歩とジェンダーの可視化(progress and gender visibility)を力強く示したと言えるだろう。しかし、彼女の政治の本質、師である安倍晋三元首相によって形作られた、極めて硬直した超保守主義的なイデオロギー(a rigidly ultraconservative ideology)は、与党自民党の根深い保守的かつ家父長的な構造を解体するどころか、むしろ強化する方向に作用している。このように、高市の首相就任は、進歩的な飛躍というよりも、女性が日本で真の権力を獲得するには、自民党の最も深く、最も伝統的な理念への「過剰な忠誠心」(an “over-loyalty” to the LDP’s deepest, most traditional impulses)を示すしかないのかどうかという、重大な試金石となるだろう。

世界的に見ると、日本は依然としてジェンダー平等において外側に置かれている立場(outlier)にある。2025年の世界ジェンダーギャップ指数では、日本は148カ国中118位と、G7諸国の中では最下位に位置しており、懸念されている。この格差は、主に女性の政治参加が著しく不足していることに起因している。石破茂内閣がそれを如実に物語っている。2024年10月、新政権はわずか2人の女性閣僚を任命しただけだった。これは、前政権の5人から大幅に減少したことになる。高市個人の成功は稀有かつ華々しい例外であり、彼女の個人的な成功が真に実質的なジェンダー改革につながるのか、それとも表面的な進歩の象徴に過ぎないのかという疑問を提起する。

この動きは「ガラスの崖(glass cliff)」という概念と密接に符合しているようだ。これは組織の危機や衰退期に、女性(およびその他の周縁化された集団)がハイリスクで不安定な指導的立場に昇格させられる現象を指し、彼女たちを目立つ存在としながらも、避けられない失敗に対して脆弱な立場に置く。例えばオーストラリアでは、2025年5月、保守政党である自由党が史上最低の支持率を記録した時期にスーザン・レイが党首に任命された。この人事は政治評論家たちから「ガラスの崖」シナリオと見なされた。彼女は選挙展望が著しく低下した崩壊状態の党を引き継ぎ、失敗するか、単に将来の男性後継者のために党を安定させる役割を課されたのである。

同様に、高市の台頭は自民党が長期にわたる国民の不信感に直面した直後に起こった。二度の選挙敗北により、自民党は国会での多数派を失ったまま政権維持に苦戦しており、次期党首は分裂した国会を引き継ぐだけでなく、国家予算や経済対策を含む重要法案を可決するため野党との交渉という重大な課題も背負うことになる。強硬派の女性(a hard-line woman)という「非典型的な」候補を推すことは、変化とイデオロギー的揺るぎなさを同時にアピールするという自民党の差し迫った必要性に合致する。もし高市が最終的に党や経済の安定化に失敗した場合、現在の少数与党体制と受け継いだ経済的逆風を考慮すればその可能性は高いが、自民党の保守的で男性中心の既得権層は、彼女の失脚を利用して「女性はトップリーダーシップに適さない」という既存の固定観念を強化し、根強い男性優位の階層構造を集団的非難から効果的に守ることになりかねない。

韓国初の女性大統領となった朴槿恵の歴史的前例は説得力に富む。朴元大統領の保守的で世襲的なリーダーシップは、進歩的な政策の推進や、韓国におけるジェンダーギャップの解消に向けた持続的な取り組みに繋がることはほとんどなかった。実際、朴元大統領の波乱に満ちた任期は政治スキャンダルに彩られ、最終的には家父長制が色濃く残る政治体制における女性リーダーシップの脆弱性を改めて浮き彫りにした。高市にとって、自民党の歴史修正主義と伝統主義への揺るぎないイデオロギー的関与(a nearly non-negotiable ideological commitment to the LDP’s historical revisionism and traditionalism)は成功の不可欠な前提条件(prerequisites)であり、彼女のジェンダー・アイデンティティは改革の使命というよりも、むしろ戦略的な資産となった。高市の成功は、ジェンダー平等の躍進ではなく、ましてやフェミニズムの躍進ではなく、保守的な同化の勝利として解釈されるべきである。実際、彼女は保守的な支持と政策方針ゆえに、反フェミニスト的な政治家と見なされてきた。

高市パラドックスの核心は、女性としての政治的優位性(political ascendancy as a woman)と、日本における女性の平等と自立に具体的に役立つ法改正への強硬な反対(fierce opposition to legal changes that would tangibly benefit women’s equality and autonomy in Japan)という、根本的な矛盾にある。高市は、男系男子による皇位継承法制度(the male-only royal succession law)の断固たる擁護者であり、夫婦が選択的に選択できる法改正(legal changes to allow married couples the option to retain separate surnames)に強く反対している。

高市が選択的夫婦別姓制度に反対する根拠は、こうした改革が伝統的な家族の価値観を修復不可能なほど損なうという信念にある。彼女は長年、家族の結束を維持し、将来の子孫の混乱を防ぐために、現行の姓制度を維持すべきだと主張してきた。1980年代以降、民法改正を求める夫婦別姓運動は国民の間で支持を強めてきた。しかし、こうした勢いにもかかわらず、現行制度は依然として既婚女性の95%以上が結婚時に職業的および私的なアイデンティティを放棄することを強いている。したがって、高市氏の立場は単なる個人的な信念を反映しているのではなく、権力を求める女性はまさに女性の平等を最も制約する構造を守らなければならないという自民党の期待を体現している。

高市氏の立場に内在する皮肉は明白である。彼女自身、公職において旧姓を使用するという職業上の自律性を享受しているのである。彼女は、選択的二重姓法(optional dual-surname law)は戸籍制度(family registry system)と国家(国民)統合(national unity)への直接的な脅威であり、個人の自由や男女平等よりも制度的・人口統計的硬直性を優先する保守派の考えであると主張している。

このイデオロギーへの固執は、日本と高市政権を国際的な人権についての関与と直接かつ即時的に衝突させる。国連のジェンダー問題に関する最高機関である女子差別撤廃委員会(Committee on the Elimination of Discrimination Against Women、CEDAW)は、日本の男女別姓強制法と男子のみを定めた皇室典範(the male-only Imperial House Law)を差別的であると繰り返し明確に非難し、日本政府に対し国際的なジェンダー規範に沿うよう改正するよう求めてきた。CEDAWの総括所見は、これらの法律が制度的なジェンダー不平等を永続させていると繰り返し強調している。高市の政治綱領は、事実上、CEDAWとの継続的な緊張を確実なものにしており、彼女の政権の家族とジェンダーに関する政策は今後も厳しい国際的監視に直面し、CEDAWのジェンダー平等の精神に反することを保証している。

高市が伝統的かつ保守的な価値観に固執していることは、単なる好みではなく、自民党内での彼女の政治的信用と権力の揺るぎない基盤となっていると言えるだろう。彼女の権力基盤は、主に彼女のキャリアを支えた安倍首相の後援とイデオロギー的遺産、そして自民党の超保守派中核の政治的動員によって形成されている。この中核は、強力な超国家主義圧力団体である日本会議(the powerful ultranationalist pressure group Nippon Kaigi、Japan Conference)の影響を強く受けている。日本会議は、2010年代半ばに監視が強化されるまで、主流メディアからほとんど注目されていなかった。

日本会議は、伝統的な家族価値観の回復、歴史修正主義の正常化(日本の戦時下の東アジア「解放[liberation]」を称賛し、戦前のように天皇を崇拝すること)、そして軍隊再建のための憲法第9条改正を含む包括的な修正主義的アジェンダを積極的に提唱している。高市早苗の過去および現在の政策姿勢、例えば「慰安婦(comfort women)」や戦時中の強制労働に関する外国の主張に対抗するため「歴史外交(history diplomacy)」の戦略的強化を提唱したこと、夫婦別姓制度への反対、靖国神社への定期的な参拝などは、この組織の影響圏内における忠誠心のリトマス試験紙になっている。

彼女の強硬なイデオロギー的姿勢は、日本の安全保障姿勢に決定的に及ぶ可能性がある。前回、2021年の総裁選挙挑戦時には、軍事費の大幅増額を主導的に提唱した。今回は国防強化と憲法改正による自衛隊の完全な合法化を主張している。これらの立場は「安倍ドクトリン(Abe Doctrine)」と密接に合致し、国家の主張と防衛拡大に焦点を当てた、強硬で断固とした男性的な日本国家像(masculine image of the Japanese state)を必然的に世界に投影するものである。

超国家主義を助長したとして国際社会の厳しい監視を受けていた安倍首相が、「ウィメン・シャイン」構想を(Women Shine initiative)通じて「ジェンダー重視の外交(pro-gender diplomacy)」を唱えたのと同様に、高市も同様にジェンダー・エンパワーメントの言説を、特に総裁選において採用してきた。これには、現金給付を伴う減税といった現実的な提案や、閣僚人事における「北欧的」な男女比(a “Nordic” gender balance)で国民を「サプライズ(オドロイテ)(surprise)」という注目すべき公約が含まれる。重要なのは、現代の「北欧基準」である閣僚人事(the modern “Nordic standard” for cabinet balance)でさえ、スウェーデンのような国に代表されるものであり、現在のクリステルソン内閣は当初、総勢24名のうち11名を女性閣僚に任命した(女性閣僚比率は約45.8%で、ほぼ男女比が同数である)。しかし、この計算された政策転換は、強硬な政策内容を隠蔽するためのソフトパワー・レトリックの戦略的な展開(a strategic deployment of soft-power rhetoric)である可能性が高い。

高市のナショナリズムの中核を成す憲法改正(constitutional revision)、明白な防衛計画、そして歴史修正主義(historical revisionism)は、即座に外交摩擦(diplomatic friction)を引き起こす可能性が高い。高市はここ数日、日本は「重要な隣国(important neighbor)」である中国と良好な関係を維持すべきとの見解など、物議を醸すいくつかの話題について発言を和らげる兆候を見せているが、中国と韓国の両国では既に超国家主義者、あるいは「安倍首相の女性版(the female Abe)」と広く見られている。

議論の対象となっている靖国神社への彼女の定期的な参拝は、特に扇動的である。靖国神社は、第二次世界大戦でA級戦犯として起訴された人々を含む、240万人以上の日本の戦没者を祀っている。北京とソウルは、こうした行動を日本の歴史修正主義の公式な承認と解釈し、戦後処理(postwar settlements)を揺るがすものと見ている。最近、フジテレビで首相として参拝するかどうかを問われた高市は、明確な表明を避け、「戦犯の刑は執行された(carried out)」ため「もはや犯罪者ではない(no longer criminals)」と述べ、「どこにいても手を合わせたい(still want[s] to put my hands together in prayer … from wherever I am)」と続けた。彼女の発言は、外交上の発火点(a diplomatic flash point)を戦略的に回避しながらも、戦没者への敬意を払い続けるという彼女の強い意志を強調したものと広く見なされている。したがって、高市政権は、地域和解(regional reconciliation)よりも国家主義的な記憶を優先する人物によって日本が率いられているというシグナルを送ることになるだろう。

さらに、高市は、領有権を公に主張したり、物議を醸したりしている「竹島の日」行事への閣僚出席を主張するなど、紛争の的となっている独島・竹島に関する最近の発言で韓国の感情を刺激しており、当選後にこれらの発言を実行に移せば、韓国との即時、厳しい外交的対立を招くことになるだろう。

この特定の島嶼紛争にとどまらず、高市の「台湾有事は日本にとっての有事である(a Taiwan contingency is a contingency for Japan)」という安倍首相の宣言に同調する高市の強硬な外交姿勢は、既に北京から意図的な挑発行為であり、安定への直接的な脅威(deliberately provocative and a direct threat to stability)とみなされている。中国はこの姿勢を、領土保全(territorial integrity)という中核的利益を直接侵害するものであり、日本が戦後の平和主義(postwar pacifism)を放棄し、地域の紛争において積極的な自己主張を展開する政治的シグナルであると捉えている。しかしながら、高市の外交政策と安全保障政策は、現在の自民党少数与党政権と「平和主義」を掲げる公明党との連立政権によって制約を受ける可能性が高い(However, Takaichi’s foreign-policy and security agendas are likely to be constrained by the current minority government of the LDP and its coalition with the “pacifist” Komeito party)。

これらの理由から、高市が首相に就任する可能性は、日本における実質的な男女平等の実現に向けた画期的な勝利(a landmark victory for substantive gender equality in Japan)というよりも、むしろ自民党の政治的な回復力と保守的な中核の強さ(the LDP’s political resilience and its conservative core)を示すものであると言える。高市の台頭は、自民党の硬直した組織体制の中で女性が権力を握る最も現実的な道は、党綱領の最も家父長的かつ国家主義的な要素(the most patriarchal and nationalist elements of the party’s platform)を揺るぎなく、完全に受け入れることであることを、おそらく最も如実に示している。もしそれが成功すれば、高市のリーダーシップは、ジェンダーに基づく改革よりもイデオロギーの同化が勝利したことを示すものとなるだろう。

※ミン・ガオ:ルンド大学(スウェーデン)歴史学部東アジア研究者。日本、韓国、中国に関する現代および歴史的な問題についての幅広い著作を持つ。

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新たな総裁選挙が迫る中、日本の真のボスたちは現状を見つめ直す(As Another Leadership Election Looms, Japan’s Real Bosses Take Stock)

-名目上の指導者たちは党の権力構造において二次的な存在だがそのシステムは揺らぎを見せ始めている。

ウィリアム・スポサト筆
2025年9月30日
『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/09/30/japan-ishiba-prime-minister-elections/

今月、石破茂首相が辞任したことで、政府は新たな混乱に陥った。混沌とした世界秩序に対し、日本政府は安定した対応を求められているまさにその時期に混乱が起きた。

石破は、7月の参議院選挙における与党・自民党の惨憺たる結果の責任を取るため、辞任すると述べた。これは、2009年の衆議院選挙で敗北し辞任した麻生太郎元首相や、同様に惨憺たる選挙結果を受けて最初の任期を終えて辞任した安倍晋三元首相など、多くの歴代首相の足跡を辿るものだ。日本の政治において、このような後退は永続的なものではない。安倍首相は2012年に首相に返り咲き、約8年間の在任期間を経て、日本史上最長の首相在任期間を記録した。

日本の指導者たちはまるで回転ドアのように交代を繰り返しているように見える。ほとんどの首相は、他の世界の指導者たちが誰と対峙しているのかさえ分からないうちに退任してしまうからだ。しかし、これは日本にとって新しい現象ではなく、時に有益な場合もある。

例えば、自民党は1955年の結党以来、過去70年間のうち約64年間、いわゆる「合意に基づく一党支配(consensual one-party rule)」の下で政権の座を維持してきた。自民党のやり方は、世論調査で支持率が急落した党首を容赦なく追放することだ。支持率の基準値は定められていないものの、30%を下回ると危険水域(a danger zone)とみなされる。石破の最新の支持率は、7月の選挙後、21%から30%の間で推移している。

この決定は、戦後日本の政治を支配してきた自民党にとって、依然として混乱を招いている。党は10月3日と4日に党員投票を実施し、自民党議員に加え、各地方の党員代表も参加する。有力候補は、いずれも2024年の総裁選で総裁選に敗れた常連の顔ぶれだ。

高市早苗前経済安全保障担当大臣がトップに立っているが、強い国家主義的見解を持つ彼女は、最も物議を醸す選択肢となるだろう。彼女は麻生太郎をはじめとする党右派の有力者たちから支持されており、安倍首相の側近でもあった。こうした支持を受け、昨年9月の自民党総裁選では石破に僅差で次点となった。

一方、高市は、第二次世界大戦の責任を日本に押し付けるべきかどうかという歴史修正主義的な立場や、過去の日本の公式謝罪に対する批判などから、党内穏健派(the more moderate parts of the party)からも強い嫌悪感を持たれている。彼女が首相に選出されれば、日本初の女性首相となり、「サッチャー・ルール(the “Thatcher rule”)」、つまり女性は左派よりも右派からトップに上り詰める傾向があるという考え方を体現することになる。

もう一人の有力候補は、自民党議員の「新世代(new generation)」を代表する小泉進次郎農相だ。しかし、彼は少なくとも一つの伝統的な要素、すなわち政治王朝(political dynasties)を継承している。44歳の小泉はテレビ映りが良く、非常に人気のある父である小泉純一郎元首相の恩恵を受けている。小泉元首相は、安倍首相と並んで、平均2年の任期を超えて首相を務めた数少ない日本の元首相の一人だ。

小泉進次郎は、5月に突然の米不足に見舞われた直後に農水大臣に就任し、高い注目を集めた。米価高騰は、既にくすぶっていたインフレに拍車をかけ、米が文化において神聖な役割を担う日本にとって、感情的なレヴェルで大きな衝撃となった。

有力候補として、内閣官房長官の林芳正と、与党のヴェテランである茂木敏充が挙げられる。穏やかで温厚な林は、元外務大臣で、英語も堪能(日本のエリート層では珍しい)であり、カントリークラブで活躍する頼れる人物として、穏健派の代表格となるだろう。同じく元外務大臣の茂木は、より闘争心が強く、ドナルド・トランプ米大統領とその側近たちと渡り合うには最適な人物と目されている。

しかし、日本では集団指導体制(a system of collective leadership)において、首相自身はそれほど重要ではないという見方もある。集団指導体制では、主に党内の派閥(factions within the party)を率いて権力を握る、舞台裏にいる実力者たち(figures behind the scenes)が、領袖に忠実な議員たちで構成される派閥を率いていた。森喜朗元首相と麻生元首相は、支持率の急落を受けてわずか1年で辞任したが、不名誉な辞任にもかかわらず、辞任後も相当の権力を握っていた。

さらに、政治権力の変動が激しい中で、日本の高級官僚たちは、いわゆるアメリカの「ディープステート」(U.S. “deep state”)も羨むほどの権力を握ってきた。第二次世界大戦後、日本を経済大国(an economic powerhouse)へと変貌させた功績は、第一線で政策を立案したティームにある。

しかし、自民党は現在、この戦後モデルが危機に瀕している兆候に直面している。有権者たちが上からのリーダーシップを受け入れる意欲が低下している。これは、日本の国会である参議院の議席の半分を争った7月の選挙で顕著に表れた。参議院は衆議院に比べて力を持っていないが、世論の指標と捉えられることが多い。

この低迷により、宗教色の強い連立政権を組む公明党の支持を得ても、自民党は両院で過半数を獲得できない状態となった。与党は現在、参議院248議席中121議席、衆議院465議席中わずか220議席しか保有しておらず、政権維持は困難を極めている。他党との何らかの協力関係の構築が不可欠となっている。

同時に、自称「日本ファースト(Japan first)」を掲げる参政党の台頭により、ポピュリズムの台頭も見られるようになった。参政党は参議院で議席を2議席から15議席に増やし、今回の選挙での比例代表候補の得票率も12.6%と好調だった。

自民党の内紛はこれまで、同性婚や平和主義の立場を撤廃あるいは弱体化させるべきかどうかといった社会・政治問題に大きく焦点が当てられてきたが、今回の選挙戦の焦点は明らかに経済だ。ジョー・バイデン前米大統領が指摘したように、物価上昇率が賃金上昇率を上回っていると考える国民は、怒りの有権者となる可能性が高いだろう。

日本の小売物価上昇率は2.5~3.5%程度だが、凶作と政府の過剰生産抑制策により米価がほぼ倍増したため、7月の食料品インフレ率は7.6%に達し、日々の家計に非常に大きな影響を与えている。日本では食品の60%が海外から輸入されており、急激な円安(外国人観光客にとっては恩恵)が大きな原因となっている。

提案されている解決策は、根本的な問題に取り組むのではなく、政府が負担すべきでない資金をばら撒いて打撃を和らげるというものだ。

物価上昇による痛みを和らげるために、所得税の減税、10%の消費税の一部軽減、あるいはその他の補助金を講じるという考えは、7月の選挙で主要政党の主要政策課題となった。日本の巨額の政府債務問題に目を向けていた石破茂率いる自民党は、この分野での大胆な公約を最も躊躇し、一時的な現金給付を限定的にしか提供しなかった。これが党の低迷の主な原因と見られていた。

これに対し、今回の自民党総裁選挙の候補者全員が何らかの対策を公約しており、財政ハト派(a fiscal dove)の高市は最も野心的な提案をしている。彼女は出馬表明の際に、所得税控除と現金給付を組み合わせた対策を講じ、所得基準を引き上げると述べた。

彼女はこうした対策の財源について具体的な説明を避けたが、これは既に先進国の中で最大規模となっている日本の政府債務水準に更なる負担をかけることになるだろう。国際通貨基金(International Monetary Fund、IMF)は、日本の総債務残高をGDP比236.7%と推定しているが、これは2020年のピーク時の約260%からは減少している。財政余地を見出した政治家たちは、長期的な影響を顧みず、これまで通り、その余地を埋めようとするだろう。

ドイツ銀行東京支店チーフエコノミストの小山健太郎は「補助金の増額は財政拡大につながり、インフレ率を上昇させる可能性がある。家計の購買力は一時的に改善するかもしれないが、高インフレが定着しているため、この効果は長くは続かないだろう」と述べた。

これは、日本銀行が2024年3月以降に「ゼロ金利」政策(“zero interest rate” policy)から段階的に金利を引き上げる計画にも影響を与える可能性が高い。この政策は、数十年にわたるデフレ圧力から経済を脱却させるために策定されたものである。為替レートは厳密には日銀の管轄外であるが、金利上昇に伴う円高は、輸入コストの低下を通じてインフレ圧力をいくらか緩和するのに役立つだろう。

戦略や防衛問題はあまり目立たないが、日本は決して手をこまねいているわけではない。安倍首相の約9年間の任期が2020年に終了して以来、3人の短期政権を経験したが、日本は「志を同じくする」国々(“like-minded” countries)との関係構築に熱心に取り組んできた。これは使い古された表現であるが、世界中のアメリカの同盟諸国がワシントンからの混乱に直面し、独自のネットワーク構築に奔走していることを示している。

最近の例としては、イギリス海軍の空母プリンス・オブ・ウェールズを筆頭とする機動部隊が、日本を含むアジア地域に8カ月間展開したことが挙げられる。イギリスとイタリアは、日本国旗を掲げるだけでなく、アメリカの軍装備品への依存からの脱却を図るため、イタリアと戦闘機プログラムで提携しています。

近年、このような協定が相次いで締結されています。日本は、オーストラリア、イギリス、アメリカを連携させるAUKUS(オーカス)プロジェクトの非公式パートナーだ。また、アメリカ、オーストラリア、インドを連携させる四カ国安全保障対話(the Quadrilateral Security Dialogue)にも参加している。この3カ国は、それぞれ独自の緊張関係を抱えている。

日本は、この地域の他の国々、特に中国との対立を抱えるフィリピンを支援している。これには、1980年代から1990年代にかけて海上自衛隊が使用した中古フリゲート艦の移転も含まれると見込まれている。また、オーストラリアが次世代フリゲート艦の建造を巡る入札で、日本は意外な落札者となったが、契約交渉はまだ続いている。

日本では、政権が交代しても、このような戦略的取り組みの方向性が変わることはほぼない。国内の政治的混乱にもかかわらず、日本は依然としてアジアおよび世界においてある種の安全な避難場所を提供している。前例と安定を重んじる国が、突然トランプのような方向転換(a Trumpian detour)をするリスクは低いように思われる。

※ウィリアム・スポサト:東京を拠点とするジャーナリスト。2015年から『フォーリン・ポリシー』誌に寄稿している。ロイター通信と『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙で勤務し、20年以上にわたり日本の政治と経済を取材してきた。彼はまた、カルロス・ゴーン事件とその日本への影響に関する2021年の本の共著者でもある。

(貼り付け終わり)

(終わり)

※2025年11月に新刊発売予定です。新刊の仮タイトルは、『「新・軍産複合体」が導く米中友好の衝撃!(仮)』となっています。よろしくお願いいたします。
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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 2025年10月4日に投開票が実施された自由民主党総裁選挙において、高市早苗議員が当選した。女性初の自民党総裁となり、総理大臣となる。高市政権は、麻生太郎傀儡政権であり、旧安倍派復権政権だ。とても「解党的な出直し」のための政権とは言えず、究極の先祖返りということになる。高市氏の極右的な思想を考えると、先祖返りも汚れまくった旧来の自民党政治に戻るのを通り越して、1930年代の対中侵略を行った戦前の軍部が幅を利かせた時代にまで戻る可能性が高い。女性初の総理大臣は慶賀すべきことであるが、思想的には全くもって支持できない、極右政権、対米絶対隷属政権となるだろう。
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 故安倍晋三政権下で行われた政策や、発生したスキャンダル、国会軽視、野党軽視、傲慢さ、極右や統一教会との深い関係といったことがこれから再び出現してくるかと思うと、気が重くなる。しかし、選挙結果を見ると、1回目の投票では、党員票・党友票では高市議員がトップの119票(全体の約40.3%)、小泉進次郎議員と林芳正官房長官が合わせて147票(約49.5%)となり、議員票では、高市氏は3位で34票(約21.7%)で、トップの小泉氏の80票(約21.7%)、2位の林氏の72票(24.4%)の後塵を拝した。高市氏の党内基盤は盤石ではない。麻生太郎元首相が率いる麻生派が唯一残った派閥として、決選投票で、「党員票が多かった人物に入れろ」という指令が飛び、元々支援していた高市氏を当選させる動きに出たために勝利したが、麻生派に対する批判や非難はこれから大きくなっていくだろう。旧安倍派4人衆の復権も進められるだろうが、これについても国民全体で批判を強めていかねばならない。統一教会との関係が深く、日本政治を大いにゆがめてきた勢力の復権に私たちは厳しい目を注がねばならない。
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苗字と閨閥だけで生きてきて、86歳になってもなお、私怨にまみれ、私欲のために政界にとどまり、日本の失われた30年において中心的な存在として、日本を衰退、滅亡へと進めた張本人としての責任感も罪悪感も持たない、およそ民主政治体制下での政治家とは思えない三流政治家である麻生氏を復権させるような結果になったことはただただ残念だ。

 選挙の結果を見ると、今回の総制裁選挙には5名が立候補し、高市議員と小泉進次郎議員の一騎打ちかと思っていたところに、林芳正官房長官が追い上げる展開となり、小林鷹之議員と茂木敏光議員は独自の戦いを強いられるという構図になった。茂木氏は田中派からの流れをくむ茂木派を率いる派閥の両州であったが、大惨敗ということになり、これで党内での力を失うことになるだろう。もっとも麻生氏に腰ぎんちゃくみたいにして従っていれば名誉職は与えられるだろう。

 小林鷹之議員は若手の支持を集めているようであったが、前回2024年の選挙からの伸びはなかった。党員票も議員票も大きな伸びはなかった。昨年の選挙では、旧安倍派である清和会の中の、福田達夫議員のグループの支援を受けて形になったが、今回はそういう動きはなかったようだ。小林氏が若手のリーダーとなるのはまだしばらくは難しいだろう。既に旧派閥で言えば、福田氏や小渕優子議員といった人物たちがリーダーとなっていくだろう。小林氏自身が資金力と影響力を蓄えることが重要だが、どうも難しいようだ。こいずみぎいんはやはり、国民全体から「あの人程度の頭脳では厳しい」という判断が昨年の総裁選から定着してしまったのは厳しい。林議員については、捲土重来を期して、自民党保守本流の総理総裁候補として健康に留意して研鑽を積んでいただくように期待するばかりだ。

 高市氏が総理総裁になって、生活が急に良くなるということはないが、日本をめぐる国際関係は緊張感を増すだろう。私が懸念しているのは、国防予算の3倍増である。具体的には現在の国防予算の対GDP比は1.2%程度であるが、これを2%にまで増加させるのは既に決まっていることだ。NATOが3.5%増、関連インフラ整備で1.5%増ということを決めており、アメリカ政府、具体的にはエルブリッジ・コルビー国防次官は、日本に3.5%までの引き上げを求め、石破政権はそれを拒絶した。高市政権は、愛国増税と、愛国予算組み替え(教育や福祉を削る)を実行する可能性が高い。それがアメリカ製の武器購入に回され、そのために、日本国民の生活はさらに苦しさを増す。造成をするならば、株式投資や不動産投資を行って、濡れ手で粟の暴利をむさぼっている人たちから多く取ってもらいたい。

 自民党が少数与党である状態は高市新総裁になっても変えられない。物価上昇や税金や社会保障による生活の苦しさをどうするかということになるが妙案はない。野党はガソリンの暫定税率の廃止や消費税減税・廃止を主張しているが、自民党としてはどこまで受け入れられるか不透明だ。高市氏が新総裁になっても何か大きく変わるということはない。国内の不満を簡単に解消できないとなれば、これまでの歴史が証明しているように、不満を外側に向ける、もしくは、国内にいる少数派や外国人に向けることになる。既にその兆候が明確に出ている。この点で、高市新政権は非常に危険である。

 公明党が高市新総裁を受けて、連立枠組変更を示唆しているが、なんともタイミングが遅すぎる対応だ。公明党は安倍晋三政権下で、下駄の雪のようにひたすら与党であることに執着してきた。それを今更馬鹿げた寝言を言っているのかということになる。整合性の取れない示唆である。小泉氏が新総裁になっていれば菅義偉元首相と関係の深い日本維新の会が連立パートナーの候補になっただろうが、高市氏ということになり、国民民主党が第一候補となるだろう。公明党が連立与党から抜けてしまえば、複数の政党が入らなければ過半数にならない。参政党や保守党は高市新総裁を歓迎し進んで協力するだろうが、連立与党に入れてしまえば、「極右が入った」ということで国際的な批判を受けることになるだろう。レ率政権に入る政党の数が多くなればそれだけ合意を取り付けることは難しく、しこりが残れば、政権運営は不安になる。高市新政権は決して盤石ではなく、前途多難といわざるを得ない。そして、その多難さを外側に向けて、国民の不満を外に逸らすということが起きないように私たちは注意すべきだ。

(貼り付けはじめ)

自民新総裁に高市氏 決選投票、小泉氏下す―15日、初の女性首相に・「新しい時代刻む」

時事通信 政治部2025年10月05日00時33分配信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025100400343&g=pol#goog_rewarded

 自民党は4日、総裁選の投開票を党本部で行い、高市早苗前経済安全保障担当相(64)を第29代総裁に選出した。決選投票で小泉進次郎農林水産相(44)を下し、自民初の女性総裁に就任。野党側の足並みはそろっておらず、15日にも召集される臨時国会で、石破茂首相の後継となる第104代首相に指名される見通しだ。女性首相は憲政史上初めてとなる。

 少数与党の政治状況下、当面は連立政権の枠組み拡大が焦点となる。自民は衆参両院選挙で相次いで惨敗しており、党の立て直しに向けても高市氏の手腕が問われる。

 高市氏の総裁選出馬は3度目。任期は石破氏の残りを引き継ぎ2027年9月末までになる。高市氏は両院議員総会などで役員人事に一任を取り付け、幹事長など要の人事を7日にも決める方向で調整に入った。幹事長には麻生派の鈴木俊一総務会長(72)の起用が取り沙汰されている。

 高市氏は総会で「自民党の新しい時代を刻んだ」と強調。両院で与党が過半数を割る現状を踏まえ、「これからが大変だ。力を合わせてやらなければならない」と結束を呼び掛けた。

 この後、就任の記者会見に臨み、政権の人事について「全員活躍、全世代総力結集で取り組む」と表明。派閥裏金事件の関係議員も「人事に影響はない。しっかり働いてもらう」として、登用する意向を明らかにした。総裁選を争った4候補を起用する考えも示した。

 連立拡大に関しては、憲法改正や外交・安全保障、財政政策などを巡る立場の一致を重視すると強調した。

 決選投票は、国会議員票295票に加え、47都道府県連に1票ずつが割り振られ、計342票で争われた。高市氏は185票を獲得し、156票の小泉氏に勝利。内訳は、国会議員票が149対145、都道府県連票が36対11で、いずれも高市氏が上回った。

 総裁選には5人が出馬。1回目投票は、295人の国会議員票と、同数の295票が割り振られた党員・党友票の計590票で争われた。高市氏が183票でトップに立ち、小泉氏が164票で続いた。林芳正官房長官(64)が134票で3位に入り、小林鷹之元経済安保相(50)が59票、茂木敏充前幹事長(69)が49票だった。

 いずれの候補も過半数に届かず、高市氏と小泉氏の決選投票となった。

 ◇自民総裁選の投票結果

【1回目の投票】

       国会議員票   党員票   計

高市 早苗     64   119  183

小泉進次郎     80    84  164

林  芳正     72    62  134

小林 鷹之     44    15   59

茂木 敏充     34    15   49

【決選投票】

        国会議員票  都道府県票   計

高市 早苗     149     36  185

小泉進次郎     145     11  156

※敬称略。国会議員票は1回目、決選ともに白票1

 ◇高市早苗氏略歴

 高市 早苗氏(たかいち・さなえ)64 神戸大経営卒。党政調会長、総務相、経済安全保障担当相。衆(10)奈良2区(無派閥)。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 ※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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 7月28日、自民党は両院議員懇談会を開催した。4時間にわたる会議となったが、石破茂総裁と執行部は、ほぼ全員からの発言を聞き取った。懇談会後、石破茂総裁は改めて続投の意思を示した。執行部は8月7日に両院議員総会を開催する予定だ。今回の参議院議員選挙についての自民党内の報告書は8月前半をめどに出されるとされているが、総会までに発表されるかは微妙なところだ。

 麻生太郎元首相、麻生派、高市早苗議員、元安倍派四人衆、おまけで書くと自民党組青年局といった自民党裏金・極右勢力が、石破首相退陣を求めて動いている。両院議員総会で、石破首相の退任を求める決議を通そうとして動いている。自分たちが安倍晋三政権下でしてきた失政や違法行為の責任を石破首相におっかぶせて、なかったことにして、復権しようという私利私欲にまみれ尽くした、旧態依然の、統一教会やカルト集団に汚染され尽くした自民党極右勢力の動きは断じて許されるものではない。野党支持者の中には、石破首相が退陣してのちのことを考え、高市早苗総理総裁や小泉進次郎総理総裁になるシナリオが実現することはとんでもないと考え、石破首相続投を求める人たちが出ている。

 最悪のシナリオは、自民党が参政党(加えて国民民主党)と連立を組む、あるいは閣外協力をすることだ。現在、衆参両院で自公連立政権は過半数を握っていない。野党勢力が数字上は過半数を握っている。しかし、野党は数が多く、限られたテーマでしか一致協力することができない。自公政権と部分的な協力を各党が模索していくことになる。私はそれでよいのではないかと思う。問題は参政党、国民民主党といった排外主義手的な極右政党が自公(公明は抜けるかもしれないが)と連立政権を組んで、極右的な政策を進めることだ。野党支持者を含む多くの人々がこのことに懸念を持っている。安倍政権下で進んだ日本政治の劣化を繰り返すことに懸念を持っている。特に、参政党について、その十互い知られるようになって、懸念や忌避感は大きい。7月27日に毎日新聞が発表した世論調査の数字によると、参政党に期待できると答えた19%、期待できないと答えたのは46%だったということだ。期待できると期待できないの、2つの数字の差はこれから大きくなっていくだろう。

 石破政権で保守本流による自民党の立て直しこそが、日本政治の再スタートの前提となる。それらが整ってからが、全ての政党による政権を目指すレースのスタートである。残念なことに、立憲民主党執行部は今回の選挙で議席数を増やすこともできていない上に、石破降ろしに加担するかのような発言をする幹部クラスがいる。立憲民主党もまた、内部をしっかりと整えて、日本政治の再スタートができるようにすべきだ。保守傍流・安倍政治の誕生と隆盛を許した旧民主党執行部の面々が今でも大きな顔をして闊歩しているようでは、「立民に是非政権を担って欲しい」という声が国民から澎湃として湧き上がるということは絶対に起きないとここに断言しておく。私は断言することは好まないが、このことに関しては断言しておく。立民もまた内部を改革し、中身を変えていくべきだ。

 秋からの国会で、旧安倍勢力と結んだ参政党や国民見主党が石破政権打倒、高市政権樹立のために様々な画策を行い、国益を毀損する行動に出るだろう。しかし、私利私欲にまみれた動きは国民世論の後ろ盾を得られないだろう。そして、次の選挙で審判を受けることになる。

(貼り付けはじめ)

極右の挑戦者の出現で日本の自民党は揺らぎつつある(Japan’s LDP Is Teetering as Far-Right Challenger Emerges)

-与党はソーシャルメディア時代への備えができていないのかもしれない。

ウィリアム・スポサト筆

2025年7月28日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/07/28/japan-election-ishiba-sanseito-ldp/

写真

日本の野党である参政党の指導者である神谷宗弊がメディアに話している(7月20日、東京)

日本の国会議員選挙の惨憺たる結果を受け、日本の議員や政治アナリストの間では、石破茂首相の余命は僅かだという見方が広がっている。しかしながら、続投を誓っている石破首相に直接そう告げた者はいないようだ。

現在の政治危機は、7月20日に行われた参議院選挙の結果である。参議院は国会の中では比較的権限の少ない議院である。参議院選挙は首相の選出に直接的な役割を果たさないものの、与党は堅固である一方で、個々の指導者の基盤が概して不安定な日本の政局を象徴するものだ。

1955年の結党以来、70年間のうち64年間政権を握ってきた石破首相率いる自由民主党は、宗教色の強い連立政権を組む公明党の支持を得ても、過半数の議席を失った。与党連合は現在、参議院の248議席のうち122議席を握っているが、衆議院の465議席のうちわずか220議席しか握っておらず、政権の掌握力は不安定だ。

しかし、この衰退は主要野党の勢いを全く押し上げることができていない。2017年に合流して誕生し、前身の政党が2009年から2012年にかけて政権を握った立憲民主党は、衆議院で148議席、参議院ではわずか38議席しか獲得していない。

日本は、若い有権者、特に男性がソーシャルメディアで世界観(view of the world)を構築し、そこで目にする情報に満足していないという、西側諸国で増加している勢力の仲間入りを果たしつつある。他の国々と同様に、物価高や外国人といった安易な標的に対する怒りが高まっている。しかし、その結果台頭してきたポピュリストたちは、明確な政策を提示していない。怒りのユーチューブチャンネルから誕生し、「日本人ファースト(Japanese First)」という耳になじみがある、漠然とした理念を掲げ、テレビ映りの良い参政党(Sanseito)は、今回の選挙で大勝し、前回の1議席から15議席に増え、二段階選挙の比例候補者の得票率も15%と、まずまずの成績を収めた。少なくとも今のところは、彼らは依然として少数政党のままである。

外国嫌いの右翼政党の台頭は、日本、そして自民党は既に広く外国嫌いが広がっているとみなされているので、やや過剰に思われる。2018年、自民党保守派の代表格であった当時の安倍晋三首相は、国会で「いわゆる移民政策を取るつもりはない(no intention of taking a so-called immigration policy)」と述べた。近年、低賃金労働の補充を目的とした移民の流入が見られるものの、外国人人口は日本の人口の3%を占めており、これは経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も低い水準であり、アメリカの14%を大きく下回っている。もちろん、永住者(permanent residents)は約半数に過ぎない。

怒りの多くは、東京や京都といった人気都市に大勢の外国人観光客が押し寄せていることに向けられているようだ。もちろん、これは移民問題とは全く関係ないが、参政党にとって、日本の土地を買い漁り、犯罪を実行しているという外国人の悪事を語る格好のネタとなっている。参政党の主要な政策論点には、かつて「狂信的な過激派(unatic fringe)」と呼ばれていた人々が常々主張する陰謀論や虚偽が含まれており、それらは政治の片隅から中心へと躍り出る恐れがある。彼らは、新型コロナウイルスは製薬会社が仕組んだものであり、第二次世界大戦中、日本は単に他のアジア諸国の解放を目指しただけであり、グローバライゼイションは日本の輸出主導型経済(Japan’s export-driven economy)に何らかの形で打撃を与えたと主張している。

平均的な日本人にとってより顕著なのは、インフレ率が依然として緩やかであることだ。インフレ率は、物価の構成要素によって異なるが、2.5から3.5%だ。しかし、この抑えられる数字の中には、日本文化において神話的な地位を占める主食である米の小売価格が倍増しているという現実がある。

米不足は計画経済の落とし穴を明らかにした(ドナルド・トランプ米大統領は留意すべきだ)。その責任の多くは、食生活の変化に合わせて年間米生産量を削減するという、長年にわたる政府の政策にある。卸売価格と生産量が政府によって固定されていたため、日本では米備蓄が増大し、管理コストが増大した。しかし、気温上昇と戦後世代の農家の大量退職により、この状況は急激に悪化し、米の生産に利用可能な土地が減少した。これに対し、政府は価格低下を促すため、備蓄の放出と輸入の増加に着手したが、効果は鈍いままだ。

インフレの復活は、政府と中央銀行の長年の目標であり、日米両国ともデフレ圧力が経済の足かせになっていると認識していた。しかし、2024年のアメリカ大統領選挙で見られたように、たとえそれが賃金の停滞を意味するとしても、消費者はデフレを好む。

その影響は心理的なものも一部にあるが、測定可能なものでもある。インフレ環境では、物価は着実に上昇する一方で、賃金の上昇は(たとえ同じ水準であっても)緩やかになり、どんなに速く走っても追いつけないという「トレッドミル」感覚(a “treadmill” feeling)につながる。データもこの認識を裏付けており、日本の労働者の実質賃金(インフレ調整済み)は過去2年間の大半で低下している。5月には、前年同月比で2.9%下落した。

賃金の上昇も一様ではない。大企業は円安の中で増加した利益の一部を賃金の引き上げに充てることができたが、日本の労働者の70%を雇用する中小企業は圧迫されており、賃金の引き上げに苦闘している。

 

 

こうした不満はソーシャルメディアを通じて「メガホン効果(megaphone effect)」を帯びている。参政党の経済政策は漠然としており、実現可能性は低いだろうが、だからと言って、国民の支持が薄れる訳ではない。参政党のカリスマ的な指導者であり、共同創設者でもある神谷宗弊は、日本の労働力人口の減少と、対GDP比230%を超える債務比率(アメリカの約2倍)といった問題を抱えながらも、日本の経済問題は外国人労働者の削減と減税によって解決できると述べた。

「新聞を読み、それに基づいて意思決定をする人々は、伝統的な政党に投票している。一方、ブログやソーシャルメディアの投稿、YouTubeを多く見て意思決定をする人々は、反エスタブリッシュメント政党に投票する傾向がある」と、参政党の台頭を研究している、東京の早稲田大学の研究者ロメオ・マルカントゥオーニは最近ロイター通信に語った。

しかし、不満を抱える有権者に金銭を分配しようとしているのは、参政党だけではない。他の政党も所得税減税や、現在10%である消費税の減税を提案している。自民党は財政債務の悪化を懸念し、より限定的な一時金支給(more limited once-time cash payments)を提案している。

自民党は、その危機的な状況に対する対応が鈍い。党の再構築と意思決定の透明性を求める声があるにもかかわらず、焦点は石破首相の後任に誰を据えるかに移っており、最も有力視されているのは、2024年10月の党総裁選での石破以外の他の候補者たちだ。これらには、極右派(far-right)の高市早苗、小泉進次郎農水相、麻生太郎元首相などが含まれる。しかし、いずれも斬新なイメージを醸成するものではなく、それぞれに問題を抱えている。高市は過激すぎると見られ、党内のリベラル派を懐柔できない。小泉はその役割において精彩を欠き、元総裁である小泉純一郎の息子であることで知られている。一方、84歳の麻生は、頻繁な失言で知られている。

一方、石破氏、7月28日に230人を超える自民党国会議員と4時間にわたる緊迫した会合を行った後、総裁職にとどまらねばならないという立場を繰り返した。選挙後、石破には辞任を求める声が広く上がっているものの、世論調査では一定の支持も得られており、即時退陣は不透明になっている。

石破はまた、土壇場でアメリカとの貿易協定を驚異的な形で締結したことを誇示している。この協定により、少なくとも日本の輸出品、特に自動車部品への関税によるダメージは限定的なものとなる。しかし、反対派はこれを逆手に取り、合意が成立した以上、石破は辞任できると主張している。政治において、感謝の気持ちは決して余剰物にはならない。

これらは、自民党をはじめとする日本の既存政党が直面する構造的な問題を解決するものではない。慶應義塾大学産業研究所の政治問題エキスパートである茂垣昌宏は、「自民党のような包括的政党(catch-all parties)が、新興の社会課題に対応できるかどうかは不明だ。物事がうまくいかない状況下で、人間が過激化するのは自然な反応かもしれません」と語った。茂垣を含むアナリストたちは、自民党がインフレ、低経済成長、高齢化社会といった課題を受け入れ、それらに対処するための国民的な合意を模索すべきだと指摘した。ソーシャルメディアが注目するかどうかとはまた別の問題だ。

※ウィリアム・スポサト:2015年から『フォーリン・ポリシー』誌に寄稿する東京在住のジャーナリストだ。20年以上、日本の政治と経済を追跡し、ロイター通信とウォールストリート・ジャーナル紙で働いてきた。また、2021年に発行されたカルロス・ゴーン事件とそれが日本にもたらした影響に関する著作の共著者でもある。

(貼り付け終わり)

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