古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:自民党

 古村治彦です。

 昨日、2025年10月21日に臨時国会が召集され、首班指名選挙が実施された。高市早苗自民党総裁が第104代内閣総理大臣に指名された。憲政史上、初めての女性首相となった。内閣も組織されたが、女性の登用は2名と寂しいものとなった。

 首班指名選挙の結果を見ると、高市政権の基盤は脆弱であることが分かる。閣外協力を得る日本維新の会を足しても、衆議院で231議席(定数は465議席で過半数は233議席)、参議院で120議席(定数は248議席で過半数は125議席)となり、過半数にそれぞれ2議席、5議席足りない。そのため、日本保守党やNHK党、無所属議員の意向も無視できないことになる。政策課題別で、国民民主党や参政党も巻き込まねばならない。プレイヤーが多くなれば、それだけ決定は難しくなる。妥協も強いられる。自党内の反対も考慮しなければならない。政権運営は難しくなる。それでも、国民民主党や参政党のような、「野党しぐさ」の実質的な与党、「対米隷属・統一教会志向・対中開戦翼賛会」があるというのは、心強いことであろう(嫌味で言っています)。
 首班指名選挙を見ても、なかなか厳しい結果となった。衆議院では議長、副議長も投票に参加する形式が採用されていて、465議席中、過半数は233議席、自民と維新を合わせて231議席で2議席が足りないという状況で、維新からの離党組である改革の会の3名、有志の会から1名、無所属の中村はやと(中村喜四郎氏の息子)と額賀福志郎(議長)の投票があり、1回目で過半数を超えた。参議院では議長は投票に参加しないという慣例があり、また、自民党議員1名が欠席したことで、投票総数は246票となり、過半数は124票となった。自民と維新では119票で5票足りないという状況となった。1度目の投票では日本保守党1名と無所属3名が高市氏に投票したが、124票ということで過半数に届かず決選投票となった。決選投票では国民民主党1名が勘違いで、後は日本保守党1名がそれぞれ投票し、125票となり、過半数を超えた。
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 高市政権は早速、憲法条文の変更や防衛予算増額、労働時間の規制緩和を打ち出している。これらに共通しているのは、「国民ども、お前らは一丁前の存在ではなく、下僕だ。お前らに人権などない。心身をすり減らして過労死し、税金を納めることが下僕の愛国的行為だ」という、麻生太郎たち、エスタブリッシュメントの貴族主義的な原理原則である。今回の高市早苗政権は、実質的には麻生太郎政権である。国民生活に対して無責任極まりない、地獄を煮詰めた政権の始まりである。日本を泥船にするために力を発揮するだろう。政権基盤が脆弱なことが救いである。政権運営に行き詰まって、やけっぱちの解散総選挙ということも視野に入ってくる。防衛予算増額を決定するまではアメリカが支えるだろうが、それが済んだら弊履の如く捨てられるだろう。「日本の極右は危険だ」と靖国神社・遊就館史観を攻撃してくるだろう。属国の哀しさ、何とも悲観的なスタートである。

(貼り付けはじめ)

●「【票数一覧】高市早苗首相「過半数+4」に中継番組も驚き「234とみられていたんですが」」

日刊スポーツ 10/21() 14:24配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/0a49a816efa628f2240260894dfa80444b564806

 自民党の高市早苗総裁(64)は21日、衆院本会議で行われた首相指名選挙で、第104代首相に選出された。憲政史上初めての女性首相となった。

 高市氏はブルーのジャケットに、真珠のネックレスとイヤリング。開票を待つ間は厳しい表情で集計作業が行われている壇上を見つめていたが、選出された瞬間は本会議場の自席で立ち上がり、周囲に6回、頭を下げた。首相指名に必要な過半数は233議席のところ、選出に先立ち、高市氏がそれを超える237票の得票を得たことが発表された瞬間、自民党席から「おおー!」と大きな声と拍手が起きた。高市氏はその瞬間、目を閉じて、喜びをかみしめるような様子だった。

 テレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」では、「過半数233、そして結果は237でした。3人、無所属議員が投票する方針だということでしたので、234ではないかとみられていたんですが、結果は237という数字でした」と伝えた。

◇  ◇  ◇

▼衆院の首相指名選挙の票数内訳

高市早苗(自民党総裁)237

野田佳彦(立憲民主党代表)149

玉木雄一郎(国民民主党代表)28

斉藤鉄夫(公明党代表)24

山本太郎(れいわ新選組代表)9

田村智子(共産党委員長)8

吉良州司(有志・改革の会代表)3

神谷宗幣(参政党代表)3

河村たかし(無所属)2

松原仁(無所属)1

百田尚樹(日本保守党)1
(貼り付け終わり)
(終わり)

※2025年11月に新刊発売予定です。新刊の仮タイトルは、『「新・軍産複合体」が導く米中友好の衝撃!(仮)』となっています。よろしくお願いいたします。
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

2025年10月21日に臨時国会が召集されて、首班指名選挙が実施される。現在のところ、自民党の高市早苗総裁と国民民主党の玉木雄一郎代表の名前が報道で取り沙汰されているが、自民党と日本維新の会、国民民主党での協議が続いている。高市早苗首相誕生の可能性が高いと見られている。自民党はNHK党や参政党も取り込む動きを見せている。このような重要な政権に関する動きを誰が指揮し、誰がパイプ役、調整役を務めているのか、全く見えてこない。麻生太郎副総裁なのか、義弟の鈴木俊一幹事長なのか、全く分からない。自民党の新執行部は脳内お花畑の素人集団であり、先行きは極めて不安である。
 以下に、高市早苗総裁選出の前後に出た、海外での紹介記事を紹介する。「ガラスの崖(glass cliff)」「サッチャー・ルール(Thatcher rule)」という概念が紹介されており興味深い。ガラスの崖は、危機的状況において、目くらまし的に女性をリーダーに据え、危機を回避出来たら御の字、失敗したら「だからやっぱり女性は駄目だ」と男性が留飲を下げるということであり、サッチャー・ルールは、保守勢力の中核的な保守的価値観を強固に守る女性の方が出世しやすいということである。高市総裁は、ジェンダー平等や保守的な価値観の改革ではなく、保守的でかつ好戦的な態度を見せることで、「男社会」を勝ち抜いた女性ということになる。女性初の自民党総裁であるが、本質的に女性が直面している不平等とは戦わない。なぜなら、男性中心、男性優位の極右的な価値観を最優先するからだ。

 麻生太郎元首相の傀儡であり、旧安倍派復権政権となる高市政権は、アメリカの国益に資するための対米隷属内閣となる。具体的には、日本の防衛予算の対GDP比を既に決定している2%から3.5%に引き上げることが至上命題となる。石破茂政権ではエルブリッジ・コルビー国防次官からの要求を蹴ったことが報じられている(時事通信2025年6月21日付記事「米、日本に防衛費3.5%要求 反発で2プラス2見送りか―英紙報道」)。防衛予算は現在のところ、対GDP比1.3%程度であるが、これが約2.5倍になると、予算の他の科目、例えば、社会保障や教育を削る、もしくは大増税を行う必要が出てくる。高市政権は対外的な脅威を過剰に演出し、「愛国増税」のようなことを仕掛けてくるだろう。国民生活は破壊される。

 日本の先行きは不安が大きい。高市政権がもたらす厄災が可能な限り小さくなることを願うしかない。
(貼り付けはじめ)
日本初の女性首相は強硬派でなければならない(Japan’s First Female Prime Minister Has to Be a Hard-Liner

-もし彼女が今週の総裁選で勝利すれば、高市早苗の超国家主義的な政策(ultranationalist agenda)は地域を揺るがすことになるだろう。

ミン・ガオ筆

2025年10月2日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/10/02/sanae-takaichi-japan-first-female-prime-minister/

土曜日に行われる自民党総裁選挙では、高市早苗が日本初の女性首相となる可能性が高まっている。高市は、国際舞台における進歩とジェンダーの可視化(progress and gender visibility)を力強く示したと言えるだろう。しかし、彼女の政治の本質、師である安倍晋三元首相によって形作られた、極めて硬直した超保守主義的なイデオロギー(a rigidly ultraconservative ideology)は、与党自民党の根深い保守的かつ家父長的な構造を解体するどころか、むしろ強化する方向に作用している。このように、高市の首相就任は、進歩的な飛躍というよりも、女性が日本で真の権力を獲得するには、自民党の最も深く、最も伝統的な理念への「過剰な忠誠心」(an “over-loyalty” to the LDP’s deepest, most traditional impulses)を示すしかないのかどうかという、重大な試金石となるだろう。

世界的に見ると、日本は依然としてジェンダー平等において外側に置かれている立場(outlier)にある。2025年の世界ジェンダーギャップ指数では、日本は148カ国中118位と、G7諸国の中では最下位に位置しており、懸念されている。この格差は、主に女性の政治参加が著しく不足していることに起因している。石破茂内閣がそれを如実に物語っている。2024年10月、新政権はわずか2人の女性閣僚を任命しただけだった。これは、前政権の5人から大幅に減少したことになる。高市個人の成功は稀有かつ華々しい例外であり、彼女の個人的な成功が真に実質的なジェンダー改革につながるのか、それとも表面的な進歩の象徴に過ぎないのかという疑問を提起する。

この動きは「ガラスの崖(glass cliff)」という概念と密接に符合しているようだ。これは組織の危機や衰退期に、女性(およびその他の周縁化された集団)がハイリスクで不安定な指導的立場に昇格させられる現象を指し、彼女たちを目立つ存在としながらも、避けられない失敗に対して脆弱な立場に置く。例えばオーストラリアでは、2025年5月、保守政党である自由党が史上最低の支持率を記録した時期にスーザン・レイが党首に任命された。この人事は政治評論家たちから「ガラスの崖」シナリオと見なされた。彼女は選挙展望が著しく低下した崩壊状態の党を引き継ぎ、失敗するか、単に将来の男性後継者のために党を安定させる役割を課されたのである。

同様に、高市の台頭は自民党が長期にわたる国民の不信感に直面した直後に起こった。二度の選挙敗北により、自民党は国会での多数派を失ったまま政権維持に苦戦しており、次期党首は分裂した国会を引き継ぐだけでなく、国家予算や経済対策を含む重要法案を可決するため野党との交渉という重大な課題も背負うことになる。強硬派の女性(a hard-line woman)という「非典型的な」候補を推すことは、変化とイデオロギー的揺るぎなさを同時にアピールするという自民党の差し迫った必要性に合致する。もし高市が最終的に党や経済の安定化に失敗した場合、現在の少数与党体制と受け継いだ経済的逆風を考慮すればその可能性は高いが、自民党の保守的で男性中心の既得権層は、彼女の失脚を利用して「女性はトップリーダーシップに適さない」という既存の固定観念を強化し、根強い男性優位の階層構造を集団的非難から効果的に守ることになりかねない。

韓国初の女性大統領となった朴槿恵の歴史的前例は説得力に富む。朴元大統領の保守的で世襲的なリーダーシップは、進歩的な政策の推進や、韓国におけるジェンダーギャップの解消に向けた持続的な取り組みに繋がることはほとんどなかった。実際、朴元大統領の波乱に満ちた任期は政治スキャンダルに彩られ、最終的には家父長制が色濃く残る政治体制における女性リーダーシップの脆弱性を改めて浮き彫りにした。高市にとって、自民党の歴史修正主義と伝統主義への揺るぎないイデオロギー的関与(a nearly non-negotiable ideological commitment to the LDP’s historical revisionism and traditionalism)は成功の不可欠な前提条件(prerequisites)であり、彼女のジェンダー・アイデンティティは改革の使命というよりも、むしろ戦略的な資産となった。高市の成功は、ジェンダー平等の躍進ではなく、ましてやフェミニズムの躍進ではなく、保守的な同化の勝利として解釈されるべきである。実際、彼女は保守的な支持と政策方針ゆえに、反フェミニスト的な政治家と見なされてきた。

高市パラドックスの核心は、女性としての政治的優位性(political ascendancy as a woman)と、日本における女性の平等と自立に具体的に役立つ法改正への強硬な反対(fierce opposition to legal changes that would tangibly benefit women’s equality and autonomy in Japan)という、根本的な矛盾にある。高市は、男系男子による皇位継承法制度(the male-only royal succession law)の断固たる擁護者であり、夫婦が選択的に選択できる法改正(legal changes to allow married couples the option to retain separate surnames)に強く反対している。

高市が選択的夫婦別姓制度に反対する根拠は、こうした改革が伝統的な家族の価値観を修復不可能なほど損なうという信念にある。彼女は長年、家族の結束を維持し、将来の子孫の混乱を防ぐために、現行の姓制度を維持すべきだと主張してきた。1980年代以降、民法改正を求める夫婦別姓運動は国民の間で支持を強めてきた。しかし、こうした勢いにもかかわらず、現行制度は依然として既婚女性の95%以上が結婚時に職業的および私的なアイデンティティを放棄することを強いている。したがって、高市氏の立場は単なる個人的な信念を反映しているのではなく、権力を求める女性はまさに女性の平等を最も制約する構造を守らなければならないという自民党の期待を体現している。

高市氏の立場に内在する皮肉は明白である。彼女自身、公職において旧姓を使用するという職業上の自律性を享受しているのである。彼女は、選択的二重姓法(optional dual-surname law)は戸籍制度(family registry system)と国家(国民)統合(national unity)への直接的な脅威であり、個人の自由や男女平等よりも制度的・人口統計的硬直性を優先する保守派の考えであると主張している。

このイデオロギーへの固執は、日本と高市政権を国際的な人権についての関与と直接かつ即時的に衝突させる。国連のジェンダー問題に関する最高機関である女子差別撤廃委員会(Committee on the Elimination of Discrimination Against WomenCEDAW)は、日本の男女別姓強制法と男子のみを定めた皇室典範(the male-only Imperial House Law)を差別的であると繰り返し明確に非難し、日本政府に対し国際的なジェンダー規範に沿うよう改正するよう求めてきた。CEDAWの総括所見は、これらの法律が制度的なジェンダー不平等を永続させていると繰り返し強調している。高市の政治綱領は、事実上、CEDAWとの継続的な緊張を確実なものにしており、彼女の政権の家族とジェンダーに関する政策は今後も厳しい国際的監視に直面し、CEDAWのジェンダー平等の精神に反することを保証している。

高市が伝統的かつ保守的な価値観に固執していることは、単なる好みではなく、自民党内での彼女の政治的信用と権力の揺るぎない基盤となっていると言えるだろう。彼女の権力基盤は、主に彼女のキャリアを支えた安倍首相の後援とイデオロギー的遺産、そして自民党の超保守派中核の政治的動員によって形成されている。この中核は、強力な超国家主義圧力団体である日本会議(the powerful ultranationalist pressure group Nippon KaigiJapan Conference)の影響を強く受けている。日本会議は、2010年代半ばに監視が強化されるまで、主流メディアからほとんど注目されていなかった。

日本会議は、伝統的な家族価値観の回復、歴史修正主義の正常化(日本の戦時下の東アジア「解放[liberation]」を称賛し、戦前のように天皇を崇拝すること)、そして軍隊再建のための憲法第9条改正を含む包括的な修正主義的アジェンダを積極的に提唱している。高市早苗の過去および現在の政策姿勢、例えば「慰安婦(comfort women)」や戦時中の強制労働に関する外国の主張に対抗するため「歴史外交(history diplomacy)」の戦略的強化を提唱したこと、夫婦別姓制度への反対、靖国神社への定期的な参拝などは、この組織の影響圏内における忠誠心のリトマス試験紙になっている。

彼女の強硬なイデオロギー的姿勢は、日本の安全保障姿勢に決定的に及ぶ可能性がある。前回、2021年の総裁選挙挑戦時には、軍事費の大幅増額を主導的に提唱した。今回は国防強化と憲法改正による自衛隊の完全な合法化を主張している。これらの立場は「安倍ドクトリン(Abe Doctrine)」と密接に合致し、国家の主張と防衛拡大に焦点を当てた、強硬で断固とした男性的な日本国家像(masculine image of the Japanese state)を必然的に世界に投影するものである。

超国家主義を助長したとして国際社会の厳しい監視を受けていた安倍首相が、「ウィメン・シャイン」構想を(Women Shine initiative)通じて「ジェンダー重視の外交(pro-gender diplomacy)」を唱えたのと同様に、高市も同様にジェンダー・エンパワーメントの言説を、特に総裁選において採用してきた。これには、現金給付を伴う減税といった現実的な提案や、閣僚人事における「北欧的」な男女比(a “Nordic” gender balance)で国民を「サプライズ(オドロイテ)(surprise)」という注目すべき公約が含まれる。重要なのは、現代の「北欧基準」である閣僚人事(the modern “Nordic standard” for cabinet balance)でさえ、スウェーデンのような国に代表されるものであり、現在のクリステルソン内閣は当初、総勢24名のうち11名を女性閣僚に任命した(女性閣僚比率は約45.8%で、ほぼ男女比が同数である)。しかし、この計算された政策転換は、強硬な政策内容を隠蔽するためのソフトパワー・レトリックの戦略的な展開(a strategic deployment of soft-power rhetoric)である可能性が高い。

高市のナショナリズムの中核を成す憲法改正(constitutional revision)、明白な防衛計画、そして歴史修正主義(historical revisionism)は、即座に外交摩擦(diplomatic friction)を引き起こす可能性が高い。高市はここ数日、日本は「重要な隣国(important neighbor)」である中国と良好な関係を維持すべきとの見解など、物議を醸すいくつかの話題について発言を和らげる兆候を見せているが、中国と韓国の両国では既に超国家主義者、あるいは「安倍首相の女性版(the female Abe)」と広く見られている。

議論の対象となっている靖国神社への彼女の定期的な参拝は、特に扇動的である。靖国神社は、第二次世界大戦でA級戦犯として起訴された人々を含む、240万人以上の日本の戦没者を祀っている。北京とソウルは、こうした行動を日本の歴史修正主義の公式な承認と解釈し、戦後処理(postwar settlements)を揺るがすものと見ている。最近、フジテレビで首相として参拝するかどうかを問われた高市は、明確な表明を避け、「戦犯の刑は執行された(carried out)」ため「もはや犯罪者ではない(no longer criminals)」と述べ、「どこにいても手を合わせたい(still want[s] to put my hands together in prayer … from wherever I am)」と続けた。彼女の発言は、外交上の発火点(a diplomatic flash point)を戦略的に回避しながらも、戦没者への敬意を払い続けるという彼女の強い意志を強調したものと広く見なされている。したがって、高市政権は、地域和解(regional reconciliation)よりも国家主義的な記憶を優先する人物によって日本が率いられているというシグナルを送ることになるだろう。

さらに、高市は、領有権を公に主張したり、物議を醸したりしている「竹島の日」行事への閣僚出席を主張するなど、紛争の的となっている独島・竹島に関する最近の発言で韓国の感情を刺激しており、当選後にこれらの発言を実行に移せば、韓国との即時、厳しい外交的対立を招くことになるだろう。

この特定の島嶼紛争にとどまらず、高市の「台湾有事は日本にとっての有事である(a Taiwan contingency is a contingency for Japan)」という安倍首相の宣言に同調する高市の強硬な外交姿勢は、既に北京から意図的な挑発行為であり、安定への直接的な脅威(deliberately provocative and a direct threat to stability)とみなされている。中国はこの姿勢を、領土保全(territorial integrity)という中核的利益を直接侵害するものであり、日本が戦後の平和主義(postwar pacifism)を放棄し、地域の紛争において積極的な自己主張を展開する政治的シグナルであると捉えている。しかしながら、高市の外交政策と安全保障政策は、現在の自民党少数与党政権と「平和主義」を掲げる公明党との連立政権によって制約を受ける可能性が高い(However, Takaichi’s foreign-policy and security agendas are likely to be constrained by the current minority government of the LDP and its coalition with the “pacifist” Komeito party)。

これらの理由から、高市が首相に就任する可能性は、日本における実質的な男女平等の実現に向けた画期的な勝利(a landmark victory for substantive gender equality in Japan)というよりも、むしろ自民党の政治的な回復力と保守的な中核の強さ(the LDP’s political resilience and its conservative core)を示すものであると言える。高市の台頭は、自民党の硬直した組織体制の中で女性が権力を握る最も現実的な道は、党綱領の最も家父長的かつ国家主義的な要素(the most patriarchal and nationalist elements of the party’s platform)を揺るぎなく、完全に受け入れることであることを、おそらく最も如実に示している。もしそれが成功すれば、高市のリーダーシップは、ジェンダーに基づく改革よりもイデオロギーの同化が勝利したことを示すものとなるだろう。

※ミン・ガオ:ルンド大学(スウェーデン)歴史学部東アジア研究者。日本、韓国、中国に関する現代および歴史的な問題についての幅広い著作を持つ。

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新たな総裁選挙が迫る中、日本の真のボスたちは現状を見つめ直す(As Another Leadership Election Looms, Japan’s Real Bosses Take Stock

-名目上の指導者たちは党の権力構造において二次的な存在だがそのシステムは揺らぎを見せ始めている。

ウィリアム・スポサト筆
2025年9月30日
『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/09/30/japan-ishiba-prime-minister-elections/

今月、石破茂首相が辞任したことで、政府は新たな混乱に陥った。混沌とした世界秩序に対し、日本政府は安定した対応を求められているまさにその時期に混乱が起きた。

石破は、7月の参議院選挙における与党・自民党の惨憺たる結果の責任を取るため、辞任すると述べた。これは、2009年の衆議院選挙で敗北し辞任した麻生太郎元首相や、同様に惨憺たる選挙結果を受けて最初の任期を終えて辞任した安倍晋三元首相など、多くの歴代首相の足跡を辿るものだ。日本の政治において、このような後退は永続的なものではない。安倍首相は2012年に首相に返り咲き、約8年間の在任期間を経て、日本史上最長の首相在任期間を記録した。

日本の指導者たちはまるで回転ドアのように交代を繰り返しているように見える。ほとんどの首相は、他の世界の指導者たちが誰と対峙しているのかさえ分からないうちに退任してしまうからだ。しかし、これは日本にとって新しい現象ではなく、時に有益な場合もある。

例えば、自民党は1955年の結党以来、過去70年間のうち約64年間、いわゆる「合意に基づく一党支配(consensual one-party rule)」の下で政権の座を維持してきた。自民党のやり方は、世論調査で支持率が急落した党首を容赦なく追放することだ。支持率の基準値は定められていないものの、30%を下回ると危険水域(a danger zone)とみなされる。石破の最新の支持率は、7月の選挙後、21%から30%の間で推移している。

この決定は、戦後日本の政治を支配してきた自民党にとって、依然として混乱を招いている。党は10月3日と4日に党員投票を実施し、自民党議員に加え、各地方の党員代表も参加する。有力候補は、いずれも2024年の総裁選で総裁選に敗れた常連の顔ぶれだ。

高市早苗前経済安全保障担当大臣がトップに立っているが、強い国家主義的見解を持つ彼女は、最も物議を醸す選択肢となるだろう。彼女は麻生太郎をはじめとする党右派の有力者たちから支持されており、安倍首相の側近でもあった。こうした支持を受け、昨年9月の自民党総裁選では石破に僅差で次点となった。

一方、高市は、第二次世界大戦の責任を日本に押し付けるべきかどうかという歴史修正主義的な立場や、過去の日本の公式謝罪に対する批判などから、党内穏健派(the more moderate parts of the party)からも強い嫌悪感を持たれている。彼女が首相に選出されれば、日本初の女性首相となり、「サッチャー・ルール(the “Thatcher rule”)」、つまり女性は左派よりも右派からトップに上り詰める傾向があるという考え方を体現することになる。

もう一人の有力候補は、自民党議員の「新世代(new generation)」を代表する小泉進次郎農相だ。しかし、彼は少なくとも一つの伝統的な要素、すなわち政治王朝(political dynasties)を継承している。44歳の小泉はテレビ映りが良く、非常に人気のある父である小泉純一郎元首相の恩恵を受けている。小泉元首相は、安倍首相と並んで、平均2年の任期を超えて首相を務めた数少ない日本の元首相の一人だ。

小泉進次郎は、5月に突然の米不足に見舞われた直後に農水大臣に就任し、高い注目を集めた。米価高騰は、既にくすぶっていたインフレに拍車をかけ、米が文化において神聖な役割を担う日本にとって、感情的なレヴェルで大きな衝撃となった。

有力候補として、内閣官房長官の林芳正と、与党のヴェテランである茂木敏充が挙げられる。穏やかで温厚な林は、元外務大臣で、英語も堪能(日本のエリート層では珍しい)であり、カントリークラブで活躍する頼れる人物として、穏健派の代表格となるだろう。同じく元外務大臣の茂木は、より闘争心が強く、ドナルド・トランプ米大統領とその側近たちと渡り合うには最適な人物と目されている。

しかし、日本では集団指導体制(a system of collective leadership)において、首相自身はそれほど重要ではないという見方もある。集団指導体制では、主に党内の派閥(factions within the party)を率いて権力を握る、舞台裏にいる実力者たち(figures behind the scenes)が、領袖に忠実な議員たちで構成される派閥を率いていた。森喜朗元首相と麻生元首相は、支持率の急落を受けてわずか1年で辞任したが、不名誉な辞任にもかかわらず、辞任後も相当の権力を握っていた。

さらに、政治権力の変動が激しい中で、日本の高級官僚たちは、いわゆるアメリカの「ディープステート」(U.S. “deep state”)も羨むほどの権力を握ってきた。第二次世界大戦後、日本を経済大国(an economic powerhouse)へと変貌させた功績は、第一線で政策を立案したティームにある。

しかし、自民党は現在、この戦後モデルが危機に瀕している兆候に直面している。有権者たちが上からのリーダーシップを受け入れる意欲が低下している。これは、日本の国会である参議院の議席の半分を争った7月の選挙で顕著に表れた。参議院は衆議院に比べて力を持っていないが、世論の指標と捉えられることが多い。

この低迷により、宗教色の強い連立政権を組む公明党の支持を得ても、自民党は両院で過半数を獲得できない状態となった。与党は現在、参議院248議席中121議席、衆議院465議席中わずか220議席しか保有しておらず、政権維持は困難を極めている。他党との何らかの協力関係の構築が不可欠となっている。

同時に、自称「日本ファースト(Japan first)」を掲げる参政党の台頭により、ポピュリズムの台頭も見られるようになった。参政党は参議院で議席を2議席から15議席に増やし、今回の選挙での比例代表候補の得票率も12.6%と好調だった。

自民党の内紛はこれまで、同性婚や平和主義の立場を撤廃あるいは弱体化させるべきかどうかといった社会・政治問題に大きく焦点が当てられてきたが、今回の選挙戦の焦点は明らかに経済だ。ジョー・バイデン前米大統領が指摘したように、物価上昇率が賃金上昇率を上回っていると考える国民は、怒りの有権者となる可能性が高いだろう。

日本の小売物価上昇率は2.5~3.5%程度だが、凶作と政府の過剰生産抑制策により米価がほぼ倍増したため、7月の食料品インフレ率は7.6%に達し、日々の家計に非常に大きな影響を与えている。日本では食品の60%が海外から輸入されており、急激な円安(外国人観光客にとっては恩恵)が大きな原因となっている。

提案されている解決策は、根本的な問題に取り組むのではなく、政府が負担すべきでない資金をばら撒いて打撃を和らげるというものだ。

物価上昇による痛みを和らげるために、所得税の減税、10%の消費税の一部軽減、あるいはその他の補助金を講じるという考えは、7月の選挙で主要政党の主要政策課題となった。日本の巨額の政府債務問題に目を向けていた石破茂率いる自民党は、この分野での大胆な公約を最も躊躇し、一時的な現金給付を限定的にしか提供しなかった。これが党の低迷の主な原因と見られていた。

これに対し、今回の自民党総裁選挙の候補者全員が何らかの対策を公約しており、財政ハト派(a fiscal dove)の高市は最も野心的な提案をしている。彼女は出馬表明の際に、所得税控除と現金給付を組み合わせた対策を講じ、所得基準を引き上げると述べた。

彼女はこうした対策の財源について具体的な説明を避けたが、これは既に先進国の中で最大規模となっている日本の政府債務水準に更なる負担をかけることになるだろう。国際通貨基金(International Monetary FundIMF)は、日本の総債務残高をGDP比236.7%と推定しているが、これは2020年のピーク時の約260%からは減少している。財政余地を見出した政治家たちは、長期的な影響を顧みず、これまで通り、その余地を埋めようとするだろう。

ドイツ銀行東京支店チーフエコノミストの小山健太郎は「補助金の増額は財政拡大につながり、インフレ率を上昇させる可能性がある。家計の購買力は一時的に改善するかもしれないが、高インフレが定着しているため、この効果は長くは続かないだろう」と述べた。

これは、日本銀行が2024年3月以降に「ゼロ金利」政策(“zero interest rate” policy)から段階的に金利を引き上げる計画にも影響を与える可能性が高い。この政策は、数十年にわたるデフレ圧力から経済を脱却させるために策定されたものである。為替レートは厳密には日銀の管轄外であるが、金利上昇に伴う円高は、輸入コストの低下を通じてインフレ圧力をいくらか緩和するのに役立つだろう。

戦略や防衛問題はあまり目立たないが、日本は決して手をこまねいているわけではない。安倍首相の約9年間の任期が2020年に終了して以来、3人の短期政権を経験したが、日本は「志を同じくする」国々(“like-minded” countries)との関係構築に熱心に取り組んできた。これは使い古された表現であるが、世界中のアメリカの同盟諸国がワシントンからの混乱に直面し、独自のネットワーク構築に奔走していることを示している。

最近の例としては、イギリス海軍の空母プリンス・オブ・ウェールズを筆頭とする機動部隊が、日本を含むアジア地域に8カ月間展開したことが挙げられる。イギリスとイタリアは、日本国旗を掲げるだけでなく、アメリカの軍装備品への依存からの脱却を図るため、イタリアと戦闘機プログラムで提携しています。

近年、このような協定が相次いで締結されています。日本は、オーストラリア、イギリス、アメリカを連携させるAUKUS(オーカス)プロジェクトの非公式パートナーだ。また、アメリカ、オーストラリア、インドを連携させる四カ国安全保障対話(the Quadrilateral Security Dialogue)にも参加している。この3カ国は、それぞれ独自の緊張関係を抱えている。

日本は、この地域の他の国々、特に中国との対立を抱えるフィリピンを支援している。これには、1980年代から1990年代にかけて海上自衛隊が使用した中古フリゲート艦の移転も含まれると見込まれている。また、オーストラリアが次世代フリゲート艦の建造を巡る入札で、日本は意外な落札者となったが、契約交渉はまだ続いている。

日本では、政権が交代しても、このような戦略的取り組みの方向性が変わることはほぼない。国内の政治的混乱にもかかわらず、日本は依然としてアジアおよび世界においてある種の安全な避難場所を提供している。前例と安定を重んじる国が、突然トランプのような方向転換(a Trumpian detour)をするリスクは低いように思われる。

※ウィリアム・スポサト:東京を拠点とするジャーナリスト。2015年から『フォーリン・ポリシー』誌に寄稿している。ロイター通信と『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙で勤務し、20年以上にわたり日本の政治と経済を取材してきた。彼はまた、カルロス・ゴーン事件とその日本への影響に関する2021年の本の共著者でもある。

(貼り付け終わり)

(終わり)

※2025年11月に新刊発売予定です。新刊の仮タイトルは、『「新・軍産複合体」が導く米中友好の衝撃!(仮)』となっています。よろしくお願いいたします。
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『トランプの電撃作戦』
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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 2025年10月4日に投開票が実施された自由民主党総裁選挙において、高市早苗議員が当選した。女性初の自民党総裁となり、総理大臣となる。高市政権は、麻生太郎傀儡政権であり、旧安倍派復権政権だ。とても「解党的な出直し」のための政権とは言えず、究極の先祖返りということになる。高市氏の極右的な思想を考えると、先祖返りも汚れまくった旧来の自民党政治に戻るのを通り越して、1930年代の対中侵略を行った戦前の軍部が幅を利かせた時代にまで戻る可能性が高い。女性初の総理大臣は慶賀すべきことであるが、思想的には全くもって支持できない、極右政権、対米絶対隷属政権となるだろう。
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 故安倍晋三政権下で行われた政策や、発生したスキャンダル、国会軽視、野党軽視、傲慢さ、極右や統一教会との深い関係といったことがこれから再び出現してくるかと思うと、気が重くなる。しかし、選挙結果を見ると、1回目の投票では、党員票・党友票では高市議員がトップの119票(全体の約40.3%)、小泉進次郎議員と林芳正官房長官が合わせて147票(約49.5%)となり、議員票では、高市氏は3位で34票(約21.7%)で、トップの小泉氏の80票(約21.7%)、2位の林氏の72票(24.4%)の後塵を拝した。高市氏の党内基盤は盤石ではない。麻生太郎元首相が率いる麻生派が唯一残った派閥として、決選投票で、「党員票が多かった人物に入れろ」という指令が飛び、元々支援していた高市氏を当選させる動きに出たために勝利したが、麻生派に対する批判や非難はこれから大きくなっていくだろう。旧安倍派4人衆の復権も進められるだろうが、これについても国民全体で批判を強めていかねばならない。統一教会との関係が深く、日本政治を大いにゆがめてきた勢力の復権に私たちは厳しい目を注がねばならない。
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苗字と閨閥だけで生きてきて、86歳になってもなお、私怨にまみれ、私欲のために政界にとどまり、日本の失われた30年において中心的な存在として、日本を衰退、滅亡へと進めた張本人としての責任感も罪悪感も持たない、およそ民主政治体制下での政治家とは思えない三流政治家である麻生氏を復権させるような結果になったことはただただ残念だ。

 選挙の結果を見ると、今回の総制裁選挙には5名が立候補し、高市議員と小泉進次郎議員の一騎打ちかと思っていたところに、林芳正官房長官が追い上げる展開となり、小林鷹之議員と茂木敏光議員は独自の戦いを強いられるという構図になった。茂木氏は田中派からの流れをくむ茂木派を率いる派閥の両州であったが、大惨敗ということになり、これで党内での力を失うことになるだろう。もっとも麻生氏に腰ぎんちゃくみたいにして従っていれば名誉職は与えられるだろう。

 小林鷹之議員は若手の支持を集めているようであったが、前回2024年の選挙からの伸びはなかった。党員票も議員票も大きな伸びはなかった。昨年の選挙では、旧安倍派である清和会の中の、福田達夫議員のグループの支援を受けて形になったが、今回はそういう動きはなかったようだ。小林氏が若手のリーダーとなるのはまだしばらくは難しいだろう。既に旧派閥で言えば、福田氏や小渕優子議員といった人物たちがリーダーとなっていくだろう。小林氏自身が資金力と影響力を蓄えることが重要だが、どうも難しいようだ。こいずみぎいんはやはり、国民全体から「あの人程度の頭脳では厳しい」という判断が昨年の総裁選から定着してしまったのは厳しい。林議員については、捲土重来を期して、自民党保守本流の総理総裁候補として健康に留意して研鑽を積んでいただくように期待するばかりだ。

 高市氏が総理総裁になって、生活が急に良くなるということはないが、日本をめぐる国際関係は緊張感を増すだろう。私が懸念しているのは、国防予算の3倍増である。具体的には現在の国防予算の対GDP比は1.2%程度であるが、これを2%にまで増加させるのは既に決まっていることだ。NATOが3.5%増、関連インフラ整備で1.5%増ということを決めており、アメリカ政府、具体的にはエルブリッジ・コルビー国防次官は、日本に3.5%までの引き上げを求め、石破政権はそれを拒絶した。高市政権は、愛国増税と、愛国予算組み替え(教育や福祉を削る)を実行する可能性が高い。それがアメリカ製の武器購入に回され、そのために、日本国民の生活はさらに苦しさを増す。造成をするならば、株式投資や不動産投資を行って、濡れ手で粟の暴利をむさぼっている人たちから多く取ってもらいたい。

 自民党が少数与党である状態は高市新総裁になっても変えられない。物価上昇や税金や社会保障による生活の苦しさをどうするかということになるが妙案はない。野党はガソリンの暫定税率の廃止や消費税減税・廃止を主張しているが、自民党としてはどこまで受け入れられるか不透明だ。高市氏が新総裁になっても何か大きく変わるということはない。国内の不満を簡単に解消できないとなれば、これまでの歴史が証明しているように、不満を外側に向ける、もしくは、国内にいる少数派や外国人に向けることになる。既にその兆候が明確に出ている。この点で、高市新政権は非常に危険である。

 公明党が高市新総裁を受けて、連立枠組変更を示唆しているが、なんともタイミングが遅すぎる対応だ。公明党は安倍晋三政権下で、下駄の雪のようにひたすら与党であることに執着してきた。それを今更馬鹿げた寝言を言っているのかということになる。整合性の取れない示唆である。小泉氏が新総裁になっていれば菅義偉元首相と関係の深い日本維新の会が連立パートナーの候補になっただろうが、高市氏ということになり、国民民主党が第一候補となるだろう。公明党が連立与党から抜けてしまえば、複数の政党が入らなければ過半数にならない。参政党や保守党は高市新総裁を歓迎し進んで協力するだろうが、連立与党に入れてしまえば、「極右が入った」ということで国際的な批判を受けることになるだろう。レ率政権に入る政党の数が多くなればそれだけ合意を取り付けることは難しく、しこりが残れば、政権運営は不安になる。高市新政権は決して盤石ではなく、前途多難といわざるを得ない。そして、その多難さを外側に向けて、国民の不満を外に逸らすということが起きないように私たちは注意すべきだ。

(貼り付けはじめ)

自民新総裁に高市氏 決選投票、小泉氏下す―15日、初の女性首相に・「新しい時代刻む」

時事通信 政治部202510050033分配信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025100400343&g=pol#goog_rewarded

 自民党は4日、総裁選の投開票を党本部で行い、高市早苗前経済安全保障担当相(64)を第29代総裁に選出した。決選投票で小泉進次郎農林水産相(44)を下し、自民初の女性総裁に就任。野党側の足並みはそろっておらず、15日にも召集される臨時国会で、石破茂首相の後継となる第104代首相に指名される見通しだ。女性首相は憲政史上初めてとなる。

 少数与党の政治状況下、当面は連立政権の枠組み拡大が焦点となる。自民は衆参両院選挙で相次いで惨敗しており、党の立て直しに向けても高市氏の手腕が問われる。

 高市氏の総裁選出馬は3度目。任期は石破氏の残りを引き継ぎ2027年9月末までになる。高市氏は両院議員総会などで役員人事に一任を取り付け、幹事長など要の人事を7日にも決める方向で調整に入った。幹事長には麻生派の鈴木俊一総務会長(72)の起用が取り沙汰されている。

 高市氏は総会で「自民党の新しい時代を刻んだ」と強調。両院で与党が過半数を割る現状を踏まえ、「これからが大変だ。力を合わせてやらなければならない」と結束を呼び掛けた。

 この後、就任の記者会見に臨み、政権の人事について「全員活躍、全世代総力結集で取り組む」と表明。派閥裏金事件の関係議員も「人事に影響はない。しっかり働いてもらう」として、登用する意向を明らかにした。総裁選を争った4候補を起用する考えも示した。

 連立拡大に関しては、憲法改正や外交・安全保障、財政政策などを巡る立場の一致を重視すると強調した。

 決選投票は、国会議員票295票に加え、47都道府県連に1票ずつが割り振られ、計342票で争われた。高市氏は185票を獲得し、156票の小泉氏に勝利。内訳は、国会議員票が149対145、都道府県連票が36対11で、いずれも高市氏が上回った。

 総裁選には5人が出馬。1回目投票は、295人の国会議員票と、同数の295票が割り振られた党員・党友票の計590票で争われた。高市氏が183票でトップに立ち、小泉氏が164票で続いた。林芳正官房長官(64)が134票で3位に入り、小林鷹之元経済安保相(50)が59票、茂木敏充前幹事長(69)が49票だった。

 いずれの候補も過半数に届かず、高市氏と小泉氏の決選投票となった。

 ◇自民総裁選の投票結果

【1回目の投票】

       国会議員票   党員票   計

高市 早苗     64   119  183

小泉進次郎     80    84  164

林  芳正     72    62  134

小林 鷹之     44    15   59

茂木 敏充     34    15   49

【決選投票】

        国会議員票  都道府県票   計

高市 早苗     149     36  185

小泉進次郎     145     11  156

※敬称略。国会議員票は1回目、決選ともに白票1

 ◇高市早苗氏略歴

 高市 早苗氏(たかいち・さなえ)64 神戸大経営卒。党政調会長、総務相、経済安全保障担当相。衆(10)奈良2区(無派閥)。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 7月28日、自民党は両院議員懇談会を開催した。4時間にわたる会議となったが、石破茂総裁と執行部は、ほぼ全員からの発言を聞き取った。懇談会後、石破茂総裁は改めて続投の意思を示した。執行部は8月7日に両院議員総会を開催する予定だ。今回の参議院議員選挙についての自民党内の報告書は8月前半をめどに出されるとされているが、総会までに発表されるかは微妙なところだ。

 麻生太郎元首相、麻生派、高市早苗議員、元安倍派四人衆、おまけで書くと自民党組青年局といった自民党裏金・極右勢力が、石破首相退陣を求めて動いている。両院議員総会で、石破首相の退任を求める決議を通そうとして動いている。自分たちが安倍晋三政権下でしてきた失政や違法行為の責任を石破首相におっかぶせて、なかったことにして、復権しようという私利私欲にまみれ尽くした、旧態依然の、統一教会やカルト集団に汚染され尽くした自民党極右勢力の動きは断じて許されるものではない。野党支持者の中には、石破首相が退陣してのちのことを考え、高市早苗総理総裁や小泉進次郎総理総裁になるシナリオが実現することはとんでもないと考え、石破首相続投を求める人たちが出ている。

 最悪のシナリオは、自民党が参政党(加えて国民民主党)と連立を組む、あるいは閣外協力をすることだ。現在、衆参両院で自公連立政権は過半数を握っていない。野党勢力が数字上は過半数を握っている。しかし、野党は数が多く、限られたテーマでしか一致協力することができない。自公政権と部分的な協力を各党が模索していくことになる。私はそれでよいのではないかと思う。問題は参政党、国民民主党といった排外主義手的な極右政党が自公(公明は抜けるかもしれないが)と連立政権を組んで、極右的な政策を進めることだ。野党支持者を含む多くの人々がこのことに懸念を持っている。安倍政権下で進んだ日本政治の劣化を繰り返すことに懸念を持っている。特に、参政党について、その十互い知られるようになって、懸念や忌避感は大きい。7月27日に毎日新聞が発表した世論調査の数字によると、参政党に期待できると答えた19%、期待できないと答えたのは46%だったということだ。期待できると期待できないの、2つの数字の差はこれから大きくなっていくだろう。

 石破政権で保守本流による自民党の立て直しこそが、日本政治の再スタートの前提となる。それらが整ってからが、全ての政党による政権を目指すレースのスタートである。残念なことに、立憲民主党執行部は今回の選挙で議席数を増やすこともできていない上に、石破降ろしに加担するかのような発言をする幹部クラスがいる。立憲民主党もまた、内部をしっかりと整えて、日本政治の再スタートができるようにすべきだ。保守傍流・安倍政治の誕生と隆盛を許した旧民主党執行部の面々が今でも大きな顔をして闊歩しているようでは、「立民に是非政権を担って欲しい」という声が国民から澎湃として湧き上がるということは絶対に起きないとここに断言しておく。私は断言することは好まないが、このことに関しては断言しておく。立民もまた内部を改革し、中身を変えていくべきだ。

 秋からの国会で、旧安倍勢力と結んだ参政党や国民見主党が石破政権打倒、高市政権樹立のために様々な画策を行い、国益を毀損する行動に出るだろう。しかし、私利私欲にまみれた動きは国民世論の後ろ盾を得られないだろう。そして、次の選挙で審判を受けることになる。

(貼り付けはじめ)

極右の挑戦者の出現で日本の自民党は揺らぎつつある(Japan’s LDP Is Teetering as Far-Right Challenger Emerges

-与党はソーシャルメディア時代への備えができていないのかもしれない。

ウィリアム・スポサト筆

2025年7月28日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/07/28/japan-election-ishiba-sanseito-ldp/

写真

日本の野党である参政党の指導者である神谷宗弊がメディアに話している(7月20日、東京)

日本の国会議員選挙の惨憺たる結果を受け、日本の議員や政治アナリストの間では、石破茂首相の余命は僅かだという見方が広がっている。しかしながら、続投を誓っている石破首相に直接そう告げた者はいないようだ。

現在の政治危機は、7月20日に行われた参議院選挙の結果である。参議院は国会の中では比較的権限の少ない議院である。参議院選挙は首相の選出に直接的な役割を果たさないものの、与党は堅固である一方で、個々の指導者の基盤が概して不安定な日本の政局を象徴するものだ。

1955年の結党以来、70年間のうち64年間政権を握ってきた石破首相率いる自由民主党は、宗教色の強い連立政権を組む公明党の支持を得ても、過半数の議席を失った。与党連合は現在、参議院の248議席のうち122議席を握っているが、衆議院の465議席のうちわずか220議席しか握っておらず、政権の掌握力は不安定だ。

しかし、この衰退は主要野党の勢いを全く押し上げることができていない。2017年に合流して誕生し、前身の政党が2009年から2012年にかけて政権を握った立憲民主党は、衆議院で148議席、参議院ではわずか38議席しか獲得していない。

日本は、若い有権者、特に男性がソーシャルメディアで世界観(view of the world)を構築し、そこで目にする情報に満足していないという、西側諸国で増加している勢力の仲間入りを果たしつつある。他の国々と同様に、物価高や外国人といった安易な標的に対する怒りが高まっている。しかし、その結果台頭してきたポピュリストたちは、明確な政策を提示していない。怒りのユーチューブチャンネルから誕生し、「日本人ファースト(Japanese First)」という耳になじみがある、漠然とした理念を掲げ、テレビ映りの良い参政党(Sanseito)は、今回の選挙で大勝し、前回の1議席から15議席に増え、二段階選挙の比例候補者の得票率も15%と、まずまずの成績を収めた。少なくとも今のところは、彼らは依然として少数政党のままである。

外国嫌いの右翼政党の台頭は、日本、そして自民党は既に広く外国嫌いが広がっているとみなされているので、やや過剰に思われる。2018年、自民党保守派の代表格であった当時の安倍晋三首相は、国会で「いわゆる移民政策を取るつもりはない(no intention of taking a so-called immigration policy)」と述べた。近年、低賃金労働の補充を目的とした移民の流入が見られるものの、外国人人口は日本の人口の3%を占めており、これは経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も低い水準であり、アメリカの14%を大きく下回っている。もちろん、永住者(permanent residents)は約半数に過ぎない。

怒りの多くは、東京や京都といった人気都市に大勢の外国人観光客が押し寄せていることに向けられているようだ。もちろん、これは移民問題とは全く関係ないが、参政党にとって、日本の土地を買い漁り、犯罪を実行しているという外国人の悪事を語る格好のネタとなっている。参政党の主要な政策論点には、かつて「狂信的な過激派(unatic fringe)」と呼ばれていた人々が常々主張する陰謀論や虚偽が含まれており、それらは政治の片隅から中心へと躍り出る恐れがある。彼らは、新型コロナウイルスは製薬会社が仕組んだものであり、第二次世界大戦中、日本は単に他のアジア諸国の解放を目指しただけであり、グローバライゼイションは日本の輸出主導型経済(Japan’s export-driven economy)に何らかの形で打撃を与えたと主張している。

平均的な日本人にとってより顕著なのは、インフレ率が依然として緩やかであることだ。インフレ率は、物価の構成要素によって異なるが、2.5から3.5%だ。しかし、この抑えられる数字の中には、日本文化において神話的な地位を占める主食である米の小売価格が倍増しているという現実がある。

米不足は計画経済の落とし穴を明らかにした(ドナルド・トランプ米大統領は留意すべきだ)。その責任の多くは、食生活の変化に合わせて年間米生産量を削減するという、長年にわたる政府の政策にある。卸売価格と生産量が政府によって固定されていたため、日本では米備蓄が増大し、管理コストが増大した。しかし、気温上昇と戦後世代の農家の大量退職により、この状況は急激に悪化し、米の生産に利用可能な土地が減少した。これに対し、政府は価格低下を促すため、備蓄の放出と輸入の増加に着手したが、効果は鈍いままだ。

インフレの復活は、政府と中央銀行の長年の目標であり、日米両国ともデフレ圧力が経済の足かせになっていると認識していた。しかし、2024年のアメリカ大統領選挙で見られたように、たとえそれが賃金の停滞を意味するとしても、消費者はデフレを好む。

その影響は心理的なものも一部にあるが、測定可能なものでもある。インフレ環境では、物価は着実に上昇する一方で、賃金の上昇は(たとえ同じ水準であっても)緩やかになり、どんなに速く走っても追いつけないという「トレッドミル」感覚(a “treadmill” feeling)につながる。データもこの認識を裏付けており、日本の労働者の実質賃金(インフレ調整済み)は過去2年間の大半で低下している。5月には、前年同月比で2.9%下落した。

賃金の上昇も一様ではない。大企業は円安の中で増加した利益の一部を賃金の引き上げに充てることができたが、日本の労働者の70%を雇用する中小企業は圧迫されており、賃金の引き上げに苦闘している。

 

 

こうした不満はソーシャルメディアを通じて「メガホン効果(megaphone effect)」を帯びている。参政党の経済政策は漠然としており、実現可能性は低いだろうが、だからと言って、国民の支持が薄れる訳ではない。参政党のカリスマ的な指導者であり、共同創設者でもある神谷宗弊は、日本の労働力人口の減少と、対GDP比230%を超える債務比率(アメリカの約2倍)といった問題を抱えながらも、日本の経済問題は外国人労働者の削減と減税によって解決できると述べた。

「新聞を読み、それに基づいて意思決定をする人々は、伝統的な政党に投票している。一方、ブログやソーシャルメディアの投稿、YouTubeを多く見て意思決定をする人々は、反エスタブリッシュメント政党に投票する傾向がある」と、参政党の台頭を研究している、東京の早稲田大学の研究者ロメオ・マルカントゥオーニは最近ロイター通信に語った。

しかし、不満を抱える有権者に金銭を分配しようとしているのは、参政党だけではない。他の政党も所得税減税や、現在10%である消費税の減税を提案している。自民党は財政債務の悪化を懸念し、より限定的な一時金支給(more limited once-time cash payments)を提案している。

自民党は、その危機的な状況に対する対応が鈍い。党の再構築と意思決定の透明性を求める声があるにもかかわらず、焦点は石破首相の後任に誰を据えるかに移っており、最も有力視されているのは、2024年10月の党総裁選での石破以外の他の候補者たちだ。これらには、極右派(far-right)の高市早苗、小泉進次郎農水相、麻生太郎元首相などが含まれる。しかし、いずれも斬新なイメージを醸成するものではなく、それぞれに問題を抱えている。高市は過激すぎると見られ、党内のリベラル派を懐柔できない。小泉はその役割において精彩を欠き、元総裁である小泉純一郎の息子であることで知られている。一方、84歳の麻生は、頻繁な失言で知られている。

一方、石破氏、7月28日に230人を超える自民党国会議員と4時間にわたる緊迫した会合を行った後、総裁職にとどまらねばならないという立場を繰り返した。選挙後、石破には辞任を求める声が広く上がっているものの、世論調査では一定の支持も得られており、即時退陣は不透明になっている。

石破はまた、土壇場でアメリカとの貿易協定を驚異的な形で締結したことを誇示している。この協定により、少なくとも日本の輸出品、特に自動車部品への関税によるダメージは限定的なものとなる。しかし、反対派はこれを逆手に取り、合意が成立した以上、石破は辞任できると主張している。政治において、感謝の気持ちは決して余剰物にはならない。

これらは、自民党をはじめとする日本の既存政党が直面する構造的な問題を解決するものではない。慶應義塾大学産業研究所の政治問題エキスパートである茂垣昌宏は、「自民党のような包括的政党(catch-all parties)が、新興の社会課題に対応できるかどうかは不明だ。物事がうまくいかない状況下で、人間が過激化するのは自然な反応かもしれません」と語った。茂垣を含むアナリストたちは、自民党がインフレ、低経済成長、高齢化社会といった課題を受け入れ、それらに対処するための国民的な合意を模索すべきだと指摘した。ソーシャルメディアが注目するかどうかとはまた別の問題だ。

※ウィリアム・スポサト:2015年から『フォーリン・ポリシー』誌に寄稿する東京在住のジャーナリストだ。20年以上、日本の政治と経済を追跡し、ロイター通信とウォールストリート・ジャーナル紙で働いてきた。また、2021年に発行されたカルロス・ゴーン事件とそれが日本にもたらした影響に関する著作の共著者でもある。

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※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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 石破茂首相の退陣報道が出た。今日は、ドナルド・トランプ大統領がSNSで日本と関税15%で合意、米や自動車の市場開放、日本の対米投資5500億ドル(約80兆円)で雇用創出という内容を発表した。この内容ならば、先日の参議院選挙の投開票日前にでも発表出来るではないかと思うが、石破政権、特に赤澤亮正経済再生担当大臣の粘り腰の交渉が実を結んだということになるだろう。合意内容に不満はあるだろうが、石破政権だからこそ手にできた成果でもある。これが対米隷属の旧清和会系の首相だったら、条件闘争はほぼできなかっただろう。このように、日本国民の利益のために、世界覇権国と交渉できる指導者こそが愛国者(patriot)であり、ナショナリスト(nationalist)だ。石破茂首相が敬愛する石橋湛山元首相はまさにそうだ。

 昨日、村上誠一郎総務大臣が記者会見で、「旧統一教会との関係など『自民党が数十年やってきた問題が今回、噴出したのではないか』と指摘し、『今回の結果が本当に石破さん個人の責任なのか』と述べ」たということだ。きわめて正常な見識である。村上大臣は、記者会見場で涙を浮かべていたということだが、これは、石破首相の退陣の決意を聞いていたのだろうと推察される。

 自民党保守本流の総理大臣がまた職を辞する。国民は刺激のない、面白みのない総理大臣を使い捨てる。つまらない、人気がない、問題を即座に解決することができないということを理由にして。何度も書いているが、「大国を治むるは小鮮(しょうせん)を烹(に)るがごとくす」(国家を治めるには小さい魚を煮るようにする)が保守本流の真骨頂だ。退屈で苦しい日常が続き、大きな変化はない。しかし、それこそが貴重なのだ。大きな変化は危険だ。漸進的に、少しずつこそが理想だ。理想を性急に手に入れようとして、人類はどれだけの失敗をしてきたか、そのことを知っているのが保守だ。最近の言葉で言えば、それは「ショック・ドクトリン」でもある。そして、退屈で平凡な日常を過ごす力を「教養」という。物事をたくさん知っているとか、試験の出来が良かった、学歴が高いということが、教養があるとか、知性があるということではない。日本は保守と教養が衰えた国家だ。そして、この衰退はこれからも続くだろう。石破茂の師でもあった田中角栄の「必要なのは学歴ではなく学問だよ。学歴は過去の栄光。学問は現在に生きている」「いくら死にたくなくても、人間は必ず灰になる。ところが人間でも植物でも、生物は劣性遺伝なんだ。働かない、勉強しない奴は親よりバカになる」という言葉を拳拳服膺したい。

 統一教会やキリストの幕屋というような危険な考えを持つカルトとつながっていた自民党保守傍流・旧清和会、故安倍晋三元首相勢力、参政党の蠢動によって、日本政治は危険な状況に追い込まれる。高市早苗代議士を総理総裁にすることは日本滅亡への第一歩だ。しかし、そのシナリオはかなり明確に見える。参政党、国民民主党が連立、もしくは閣外協力で高市早苗政権を誕生させ、憲法改悪、国内の不満を逸らすために、外国人排斥、対中強硬姿勢からの最悪の日中衝突が見えてしまう。アメリカの対中強硬派はそのように画策するだろう。そのことを防ぐ必要がある。

 失われた30年間のうちの9割は自民党が政権を保持していた。その9割の内の約32%、3分の1弱は安倍晋三元首相が政権を担ってきた。不思議なことに、安倍晋三元首相を敬愛している人々は、安倍政権時代にはそうは言わなかったのに、急に「失われた30年」という言葉を使い始めている。そのうちの多くを安倍晋三元首相が政権を担っていたのだが。年数にして約9年、安倍首相だったのだ。安倍首相に全く責任がないかのように、そして、現在の多くの問題が、石破茂首相が引き起こしたかのように非難をしている。敢えて言うならば、故安倍晋三元首相と彼が象徴となっている、祖父岸信介元首相から戦後政治の負の部分が問題の根本だ。

 私たちは賢くならねばならない。戦略的に動かねばならない。最悪のシナリオを避けるために、一般国民にできることは少ないかもしれない。しかし、何もできないということはないし、何もしないというのは座して死を待つのと同じだ。現在は情報化社会である(もう既に古臭い言葉になっている)。まずは自分が居住している選挙区の自民党議員を調べてみる。もしこの議員が保守傍流(旧安倍派・麻生派・二階派など)に参加し、石破降ろしをやっている政治家なら投票しない、保守本流系でまともな考えならば投票する。比例は自民党、維新・国民民主・参政のゆ党以外に投票する(公明党に投票することは考慮する)ということをしてみるというのは、既に多くの方々が行っているだろうが、どうだろうかと考える。最悪を避けるための戦略的投票について、SNSを通じての洗練が望まれるところだ。

 戦後80年が戦後100年、戦後200年と続き、日本が緩やかな衰退の道を進みながら、何とか平穏に暮らしていけるようにと願うばかりだ。石破首相退陣報道を受けて、書き散らしになってしまったが、雑感を書き残しておく。

(貼り付けはじめ)

●「石破首相、退陣へ 8月末までに表明 参院選総括踏まえ」

毎日新聞 7/23() 11:17配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/81483105d5094d1b717f392d166ec6dd932287fd

 石破茂首相は23日、自民党が8月にまとめる参院選の総括を踏まえ、同月までに退陣を表明する意向を固め、周辺に伝えた。首相は同日、自民党の麻生太郎最高顧問、菅義偉副総裁、岸田文雄前首相と会談し、自らの進退を巡り協議するとみられる。

 ただ、参院選大敗直後に続投の意向を表明した首相に対し、党内から退陣要求や批判の声が高まっているため、判断時期が前後する可能性もある。

 首相に対しては、各地の地方組織が退陣や党の体制刷新を求める他、中堅・若手議員からは党大会に次ぐ意思決定機関「両院議員総会」を開催し、総裁選の前倒しの議決を求める声も出ている。

 こうした状況を踏まえ、首相は麻生氏ら首相経験者3人と意見を交わし、理解を求めたい考えだ。現職首相が首相経験者と一堂に会するのは異例。政府関係者は「石破首相が3人に頭を下げるスタンスだ」と話す。

 党執行部は当初31日の開催を予定していた両院議員懇談会を29日にも前倒しし、参院選の総括を開始する。8月に総括をまとめた後、執行部として責任のあり方を判断する方向だ。木原誠二選対委員長は検証・総括を終えた段階で辞任する意向を示しており、党総裁である首相の進退も判断することになる。政権幹部は「総括が出れば、執行部は責任についてしっかりと判断しないといけない」と話した。

 首相が今月中に退陣した場合、来月に召集予定の臨時国会で首相指名選挙が行われるが、少数与党の状況では自民党総裁が首相になれる保証はない。首相指名を巡り野党と協議する時間を確保するため、退陣する場合は来月以降の表明を検討している。

 首相は23日、続投理由の一つに挙げていた日米関税交渉が合意に至ったことが進退に与える影響について、「合意の内容をよく精査をしなければ申し上げることはできない」と首相官邸で記者団に語った。

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●「最側近閣僚ら涙ながらに「石破総理個人の責任か」 「支えていきたい」村上総務大臣」

7/22() 17:01配信 テレビ朝日系(ANNAll Nippon NewsNetwork(ANN)

https://news.yahoo.co.jp/articles/99c41b7587e157e1e187c770859f9c6c9f98caa5?source=sns&dv=sp&mid=other&date=20250722&ctg=dom&bt=tw_up

参議院選挙での大敗を巡り石破総理大臣に近い村上総務大臣は涙ながらに「支えていく」などと述べました。

村上総務大臣

「確かに選挙の結果がこうなるとね、皆さんの不満は本当によく分かります。だけど今までの色んな負の遺産を背負いながらね、やっぱりここまでやってきたっていうことに対してはね、私は石破さんだからここまでやってこられたというふうに心底、思っているので、私はできる限り一生懸命、支えていきたいとそういうふうに考えています」

 村上大臣は旧統一教会との関係など「自民党が数十年やってきた問題が今回、噴出したのではないか」と指摘し、「今回の結果が本当に石破さん個人の責任なのか」と述べました。

岩屋外務大臣

「ここは言ってみれば進むも地獄、退くも地獄ということでございますけれども、国家国民のために前に進んでいかなければならないというふうに考えている」

 また、岩屋大臣はアメリカとの関税協議での合意に向けて「国内の政治基盤が極めて不安定に映ることは決して交渉にプラスに作用しない」「足元をみられないよう、今こそ一致結束が必要だ」と強調しました。

 村上大臣、岩屋大臣、そして中谷防衛大臣ら石破内閣を支える総理最側近のメンバーは参院選投開票の前夜に集まり、与党が過半数割れしても石破総理を支えることで一致し、続投を促していたということです。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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