古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。X accountは、@Harryfurumura です。ブログ維持のために、著作のお買い上げもよろしくお願いします。

タグ:自由民主党

 古村治彦です。

 本日、2025年10月21日に臨時国会が召集され、首班指名が行われる。現在のところ、自民党総裁の高市早苗議員が首班指名される見込みだ。自民党と日本維新の会は「連立」と称する「閣外協力」の形を取ることで合意した。両党だけでは過半数に少し足りないので、極右的な日本保守党、NHK党、更には有志の会といった政党が協力することで、過半数を超える見込みだ。
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自維「連立」政権という表現について、アメリカのノーステキサス大学の前田耕教授は、「言葉(用語)の正しい使い方」について、X上で私たちに次のように教えてくれている。私たちは改めて、言葉の正しい使い方を意識していかねばなならない。
https://x.com/MaedaPoliSci/status/1980246319580291576

 今回の政権は「連立」政権ではない。日本維新の会が「閣外協力」をする自民党政権ということになる。連立政権は閣議に出席する大臣を出すことで、責任を明確にする。内閣について共に責任を持つということだ。「閣外協力」はそうではない。その点で、「責任」のレヴェルが大きく違う。簡単に言ってしまえば、いつでも逃げられる、おいしいところ取りで、うまくいったものは自分たちの手形、失敗は相手の責任と言うことができる。非常に中途半端と言うしかない。私は今回の政権については「野合(collusion)」と呼ぶべきだと考える。

 自維「野合」は、国会の定数削減を、国民民主党も巻き込んで通過させようとしている。国会議員の議席は民意の反映させる重要なものであり、その数を党利党略で云々する、しかも、国民生活にとってより重要な景気対策と物価対策、少子化対策、与党政治家にとって痛手となる政治とカネの問題を後回しにして進めようというのは、究極の無責任である。

 今回の高市自民党執行部は、麻生傀儡であり、統一教会の影響が大きい旧安倍派清和会の復権のための存在である。極言すれば、今回の高市政権は第二次麻生政権である。麻生太郎という人物は究極の貴族主義であり、一般国民などは下僕くらいにしか思っていないだろう。家柄(と言っても平安時代以来の貴族の家柄と比ぶべくもないが)と資産くらいしか誇るものがない小人物である麻生太郎が、アメリカの言いなりになる政権をつくったということでしかない。国民生活に何の責任感も持っていない。

 究極の「無責任」の集合体である高市早苗政権の誕生を前にして、私は暗澹たる気持ちになっている。日本はこれからどれくらい衰退していくだろうか、と。

(貼り付けはじめ)

●「自民・維新の連立合意、焦点の政策で留保や先送り…定数削減「目指す」献金は「検討」」

読売新聞オンライン 10/20() 23:34配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/eae91468ad756c69c5ccc834e6c0b7c5bab76200

 自民党と日本維新の会の連立政権合意書は、国会議員定数の1割削減の目標は「目指す」との文言を付け加え、企業・団体献金、消費税減税については「検討」との言葉を盛り込んだ。いずれも維新の要求に対し、自民内に慎重論があったためで、今後に火種を残した格好だ。

 合意書では、焦点の一つだった議員定数削減の文言に腐心し、「1割を目標に衆院定数を削減するため、臨時国会において法案を提出し、成立を目指す」とした。維新の吉村代表(大阪府知事)は定数削減を「改革のセンターピン」と訴え、臨時国会で1割を目標に削減すべきだと強調したが、「目指す」とすることで実現に一定の留保を付けた。

 定数削減では、自民執行部に「比例定数の削減なら比較的容易だが、比例選を重視する公明党に配慮が必要」との声があった。公明は自民との連立解消を決めた一方、国政選挙では連携の可能性を示唆していたためで、自民側の思惑が合意書に反映されたとみられる。

 企業・団体献金を巡っては、維新は完全禁止を主張し、自民は透明性と公開性を高めることが重要との立場を取った。合意書では「(両党は)課題意識は共有しつつも最終結論に至っていない」と指摘。臨時国会中に協議体を設置して自民の高市総裁の任期中に「結論を得る」とした。高市氏の任期は2027年9月までで、結論を約2年後に先送りする形となった。

 消費税減税は、維新が物価高対策として食品を対象に2年間ゼロを求めたが、自民は社会保障財源として減税に慎重だ。協議の結果、「飲食料品について、2年間に限り消費税の対象としないことも視野に検討を行う」と、現時点で実施を明言しない表現で決着した。両党はそれぞれの協議を続ける見込みだが、議論の進展次第では連立にきしみが生じる可能性もある。

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自民・高市総裁、首相指名1回目で選出の公算大 過半数超の見通し

毎日新聞 10/20() 16:35配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/69bf77040fd2af9fbf4714d3865ae4cba639a3d1

 無所属議員でつくる衆院会派「有志・改革の会」に所属する3衆院議員が21日召集の臨時国会で行われる首相指名選挙で、自民党の高市早苗総裁に投票する見通しであることがわかった。自民(196議席)、日本維新の会(35議席)と合わせると計234議席となり、維新から離脱者が出なければ、高市氏が1回目の投票で過半数(233議席)を超えて選出される公算が大きくなった。関係者が20日、明らかにした。

 3衆院議員は維新から除名処分を受けた斉木武志氏ら。有志・改革の会は首相指名選挙を巡る対応で調整がつかず、会派を解消する見通し。【富美月】

(貼り付け終わり)

(終わり)

※2025年11月に新刊発売予定です。新刊の仮タイトルは、『「新・軍産複合体」が導く米中友好の衝撃!(仮)』となっています。よろしくお願いいたします。
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 イギリスの総選挙の投開票が実施され、労働党が圧倒的な議席を獲得し、14年ぶりに政権交代となった。保守党は歴史的な惨敗を喫した。中道派の自由民主党や右派のリフォームUKは議席を増やした。議席数は労働党が412議席(214議席増)、保守党が121議席(252議席減)、自由民主党が71議席(63議席増)、スコットランド国民党が9議席(37議席減)、リフォームUKが5議席(5議席増)、緑の党が4議席(3議席増)などとなっている。興味深いのは得票率で、労働党は前回とほぼ同じ、保守党は19.9%減、自由民主党も横ばい、リフォームUKは12.3%増となった。得票率が横ばいでも獲得議席数が激増した労働党と自由民主党、得票率は半減だったのに議席減が壊滅的となった保守党、得票率が激増したが議席数には反映されなかったリフォームUKという構図になる。
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 今回の選挙について、労働党が獲得議席数では大勝利ながら、得票率では前回とほぼ同じで、横ばいだったことを考えると、「保守党が自滅した、しかも大規模に」ということになる。このようなことが起きるのは、単純小選挙区制(first-past-the-post voting system)であるからだ。単記非移譲式投票(single non-transferable voteSNTV)と呼ぶこともある。各選挙区の定数は1で、最多得票者が当選者となる。非常にシンプルだ。炭塵小選挙区制では、死票(wasted vote)が多く出るのが特徴で、それが欠点とされる。日本では衆議院選挙で小選挙区制が導入されたが、この時に比例代表での復活も可能な制度が導入された。日本の制度では死票が減少するが、「小選挙区で落選した候補者が復活するのはおかしい」という批判がなされる。完全な比例代表制度(proportional representationPR)を採用している国もあるが、少数政党が乱立し、過半数を握る単一政党が出にくいために、連立政権となり、政治が安定しないという批判もある。完璧な選挙制度は今のところ考え出されていない。
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死票が多く出る

 今回のイギリスの総選挙では、保守党への大きな批判があったのは確かで、それをうまく利用したのが労働党であり、選挙戦術として、勝利の可能性の高い選挙区に集中した自由民主党が勝利を収めたということになる。そして、保守党への不満・批判票はリフォームUKに流れたと推察される。リフォームUKは得票率だけならば、第3位になった。労働党、保守党とリフォームUKの合計得票率は3割超えというところで、拮抗している。リフォームUKが出ていなければ保守党の議席減、労働党の議席増はそこまで大きくなかったと考えられる。私が子供の頃は、アメリカとイギリスは二大政党制と習った。小選挙区制では二大政党以外は勝ち抜くのがなかなか大変だと言われているし、実際そうである。

政治学では、デュヴェルジェの法則(Duverger's law)というものがあり、フランスの政治学者モーリス・デュヴェルジェが主張したものだが、選挙区でM人が選出される場合には、候補者はM+1人になるというものだ。小選挙区制度ではM=1なので、2人が候補者となる。この考えは最初、候補者ではなく、政党数が収れんしていくと主張するもので、小選挙区制度の国では政党数は2つになる、ということになる。昔の日本では中選挙区制(multi-member district)を採用しており、一番大きな選挙区では5人が選出されるとなっていたので、6つの政党が存在できるということになる。55年体制下の日本で考えると、自民党、社会党、公明党、民社党、共産党、社民連が国政政党として存在した。

 イギリスでは第三党、中道の第三勢力を求める動きがあり、自由民主党が一定の勢力を持つことにつながっているようであるが、リフォームUKの出現がどこまで影響を与えるかが注目される。今回の投票率は約60%であり、これはこれまでと比べての低い数字となった。有権者の関心が低かったということもあるだろうが、政治に関する無関心が拡大しているということも考えられる。
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 労働党は大きな議席を得たが、国民生活の改善、物価高の抑制と移民対策、外交政策で成果を出すことが必要で、それがなければ、次の選挙では大敗を喫するということは十分に考えられる。

●イギリスのここ最近の選挙の概略的な結果表示●

■2010年

・保守党306議席(96議席増)36.1%

・労働党258議席(91議席減)29.0%

・自由民主党57議席(議席減)23.0%

■2015年

・保守党330議席(24議席増)36.9%

・労働党232議席(26議席減)30.4%

・スコットランド国民党56議席(50議席増)4.7%

・自由民主党8議席(49議席減)7.9%

■2017年

・保守党317議席(13議席減)42.3%

・労働党262議席(30議席増)40.0%

・スコットランド国民党35議席(21議席減)3.0%

・自由民主党12議席(4議席増)7.4%

■2019年

・保守党365議席(48議席増)43.6%

・労働党202議席(60議席減)32.1%

・スコットランド国民党48議席(13議席増)3.9%

・自由民主党11議席(1議席減)11.6%

■2024年

・保守党121議席(251議席減)23.7%

・労働党411議席(211議席増)32.1パーセント

・自由民主党72議席(64議席増)12.2%

・スコットランド国民党9議席(38議席減)2.5%

・リフォームUK5議席(5議席増)14.3%

(貼り付けはじめ)

イギリス労働党は全国総投票数のわずか34%で選挙において大勝利を収めた(Britain’s Labour pulled off a thumping election victory with just 34% of the national vote

ヴィッキー・マッキ―ヴァー筆

CNBC

2024年7月5日

https://www.cnbc.com/2024/07/05/uk-election-2024-britains-labour-pulled-off-a-thumping-election-victory.html

・イギリス労働党は全国総投票数のわずか34%を獲得し、一方で保守党は約24%を獲得した。

・中道派の自由民主党、右派のリフォームUK、緑の党は一般投票の約43%を獲得したが、確保した議席は総議席数の18%弱にとどまった。

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キア・スターマー英首相と妻ヴィクトリア・スターマーが選挙の結果を受けてダウニング街10番地で労働党の選挙活動参加者や活動家たちに挨拶(イギリスロンドン、2024年7月5日)

ロンドン発。イギリスの労働党が総選挙でイギリス議会の議席で巨大な過半数を勝ち取った。しかし、独特なイギリスの選挙制度では、わずか総投票数の34%で大勝が実現した。

選挙結果によると、野党労働堂は全650議席中412議席を獲得した。残り2議席はまだ結果が判明していない。この議席数は全議席数の約63%を占めることを意味している。しかし、労働党は全「一般」投票(“popular vote”)の僅か34%を獲得しただけだ。一方の保守党は総投票数の約24%を獲得した。

他方、中道派の自由民主党、右派のリフォームUK、緑の党を含む少数政党は合計で約43%の得票となったが、獲得議席は全議席の18%にとどまった。

これは、有権者が国内650の各選挙区の地元リストから候補者を1人だけ選ぶという英国の単純小選挙区制度、「先取り」制度(first past the post” system)が手助けをしているものだ。各選挙区で最も多くの票を獲得した人物が、イギリスの下院である庶民院(the House of Commons)議員に選出される。通常、下院で最も多くの議席を獲得した政党が新政府を樹立し、その党首が首相になる。

他の投票システムとは異なり、第2ラウンドや、第1候補者と第2候補者の順位付けはない。これは、小規模政党が一般投票の増加したシェアを議席につなげることが難しいことを意味する

アクサ・インベストメント・マネージャーズのG7担当エコノミストのガブリエラ・ディケンズは金曜日に発表したメモの中で、今回の選挙は「一般投票の3分の1強で過半数を大きく超える議席が得られたため、政治制度に対する警告サインとなった」と述べた。

彼女は、今回の選挙の投票率は60%にとどまったことを指摘している。これは、投票率が59.4%に低下した2001年に次いで、1918年以降、2番目に低い投票率だ。2019年の投票率から7.6%低下した。これは「広範な政治的断絶(broader political disconnect)」を示しているとディケンズは述べた。

ディケンズは「労働党の過半数を大きく超えての大勝は、労働党の人気復活によるものというよりも、私たちの投票システムの持つ特殊性と、票の分散とスコットランド国民党(Scottish National PartySNP)の崩壊の相互作用の結果である」と述べた。

そうは言っても、ディケンズは「投票はより一般的に左にシフトした」と付け加えた。

「労働党政権が今後5年間統治し、経済成長、投資、個人の実質所得を回復させることができれば、彼らは、将来的に真の改善が見られる立場に立つだろう」とディケンズは語った。

一方、パンテオン・マルコ・エコノミクスのイギリス担当首席エコノミストのロブ・ウッドは、投資家たちは「投票シェア、右派リフォームUKの結果、政治的忠誠を転換しようとする有権者の意欲がどのように政策に反映されるのかをよく吟味する必要がある」と述べた。

ナイジェル・ファラージ率いるリフォームUK党は一般投票の14%を獲得したが、確保した議席はわずか4議席だった。

ウッドは「通常、今回の労働党が獲得した過半数よりも大幅な議席数があれば、複数期の政権を保証することになるだろう。しかし、投票動向を考慮すると、スターマーの過半数は通常ほど安全であるとは言えない」と述べた。

ウッドは、労働党は「約束した変化を実現できることを証明するために、政策変更に迅速に取り組む必要があるだろう」と述べている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 総選挙が終わって、野党側のごたごたが続いている感じです。民進党はどうなるのか、ということが大きな問題です。無所属で戦った党籍を持つ衆議院議員と参院議員を合わせれば50名上の政党ですし、政党助成金を含めたお金も100億円以上残っているということでもあり、その行く末が気になります。前原誠司代表は代表を辞任し、希望の党へ参加することになるそうです。次の代表をどうするか、党の存続をどうするか、お金をどうするかということがこれからの焦点となります。

 

 2019年の参議院議員選挙の投開票と共に改憲の国民投票が行われるのではないかというのが現在の見通しです。安倍晋三首相の下、改憲が実現する可能性が出てきました。

 

 しかし、国民投票の実現はなかなかに大変なことです。まず、国民の考えと現在の政治状況が必ずしも一致していません。今回の総選挙では与党が3分の2の議席を占めましたが、得票率は4割台です。それで獲得議席数は7割台です。これが有権者の意図を正確に反映しているとは言いづらいです。これについて、与党で3分の2を占めるのは「多すぎる」、安倍首相について「不安を持っている」と考えているのが過半数という状況です。

 

 下の新聞記事にありますが、麻生太郎副総理は議席数から、「左翼が3割を切った」と述べましたが、得票数で言えば、麻生氏の発言は当てはまらないことになります。小選挙区制につきまとう死に票の多さということを無視した発言ということになります。

 

 改憲については、18歳から29歳までの年代では改憲に賛成の人が多く、その他の年代(有権者における年上の年代)は反対が多いという世論調査の結果が出ています。

 

 こうしたことから考えると、人々は与野党が伯仲している国会で厳しい審議が行われている状況が良いと考えていることが分かります。与野党伯仲状況になれば、改憲の発議はできないことになります。しかし、こうした人々の考えは国会の議席数に反映されていないことになります。

 

 選挙は小選挙区比例代表並立制というルールの下で行われていますから、このルールで最大の成果を得るように行動しなければなりません。しかし、野党側は共闘で一対一の勝負ができず、分立のために、敗北を喫しました。ルールの特性を活かした戦い方ができなかったのは野党全体の責任ですが、やはり、希望の党に大きな責任があったと言わざるを得ません。下の新聞記事でもありますように、安倍首相の側近である萩生田光一代議士が日本会議主催の会議に出席し、希望の党の政策協定書によって、野党側が分立したということを述べています。

 

 改憲に関して、行動を注視したいのは希望の党です。希望の党では立候補者に課した政策協定書の第4条で、「改憲を支持し」という文言が入っています。ですから、希望の党は改憲を前提にして国会論戦を行うことになります。しかも、党の創設者であり代表である小池百合子東京都知事は安倍首相とほぼ同じ考えを持っています。彼女はつい最近まで自民党所属の国会議員であり、自民党の幹部や大臣を務めました。安保法制成立時も自民党の国会議員です。こうなると、希望の党は改憲勢力に分類となります。ですが、国民の多くが改憲に反対、慎重な中で、結党からすぐに統制が振るわなくなってしまっている希望の党が自公と同調する動きをすることが果たして党のために良い事なのかという主張も出てくるでしょう。

 

 安倍首相としては、広範な支持によって改憲を発議し国民投票で多くの賛成を持って、改憲を成し遂げたいと考えているでしょう。この途中で大きな騒動が起きたり、国民投票で反対多数で否決されてしまったりといったことは望んでいないでしょう。そうなれば、どうしても微温的な内容の改憲となってしまうでしょう。そうなれば、改憲推進の日本会議としては不満な内容になるでしょう。しかし、改憲の国民投票を行っていくためにも、最初の改憲はその程度で良いと許容することになるでしょう。

 

 しかし、国民の側の現在の状況を考えると、改憲には困難なハードルが待っていることが予想されます。改憲に反対、慎重な考えを国民の多くが持っているということが最大のハードルになります。これに対して、どのようなアプローチ、切り崩しが行われるのか、ということですが、既に野党側にくさびを打ち込んでありますから、これをこれからぎりぎりと打ち込んで、分断を深めようとすることでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「与党で3分の2「多すぎる」51% 朝日新聞世論調査」

 

朝日新聞 201710242239

http://www.asahi.com/articles/ASKBS3PWGKBSUZPS001.html

 

 衆院選の結果を受け、朝日新聞社は23、24日、全国世論調査(電話)を実施した。自民党と公明党合わせて定数の3分の2を超える議席を得たことについて尋ねると、「多すぎる」が51%で、「ちょうどよい」32%を上回った。

 

 自民大勝の理由については「安倍首相の政策が評価されたから」は26%で、「そうは思わない」の65%を下回った。自民支持層でも「評価」45%、「そうは思わない」48%だった。立憲支持層では「評価」9%に対し、「そうは思わない」が89%に達した。

 

 自公で「3分の2」については、比例区で自民、公明に投じた人も、それぞれ3割が「多すぎる」と答えた。年代別では、18~29歳で「ちょうどよい」56%が「多すぎる」23%を上回ったが、他の年代は、いずれも「多すぎる」の方が多かった。60代は、69%が「多すぎる」と答えた。

 

 今後、安倍晋三首相の進める政策に対しては「期待の方が大きい」29%に対し、「不安の方が大きい」は54%にのぼった。自民支持層は「期待」58%、「不安」24%だったが、無党派層では「期待」11%、「不安」69%と逆の傾向になった。安倍首相に今後も首相を「続けてほしい」は全体で37%で、「そうは思わない」47%の方が多かった。

 

 野党第1党になった立憲民主党には49%が「期待する」と答え、「期待しない」41%を上回った。「期待する」は内閣支持層でも44%、内閣不支持層では63%に達した。年代別では、60代の期待が高く、62%が「期待する」と答えた。

 

 政党支持率は自民39%に次いで立憲17%。ほかは公明4%、希望3%、共産3%、維新2%、社民1%などだった。調査方法などが異なるため、単純に比較できないが、前回14年の衆院選直後の調査で、野党第1党の民主の支持率は7%だった。

 

 内閣支持率は42%(17、18日実施の前回調査は38%)、不支持率は39%(同40%)だった。

 

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●「安倍政権のもとで憲法9条改正に賛成?反対?多かったのは……(世論調査)

1829歳と他の年代で、違いが現れた。」

 

ハフィントンポスト(朝日新聞提供)20171025 0832

 

http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/24/abe-ninth-article_a_23254665/?ncid=fcbklnkjphpmg00000001

 

 衆院選の結果を受けて、朝日新聞社が23、24日実施した全国世論調査(電話)では、安倍晋三首相が意欲を見せる憲法9条改正についても聞いた。「自衛隊明記」について、安倍政権での改正の賛否を聞くと、「反対」45%が、「賛成」36%を上回った。

 

 年代別では、18~29歳は「賛成」49%が「反対」34%を上回った。他の年代では反対の方が多かった。特に60代では反対54%に対し、賛成27%だった。男女別では、男性は45%が賛成だったが、女性の賛成は28%にとどまった。

 

 支持政党別にみると、自民支持層では賛成63%に対し、反対は22%だった。一方、立憲支持層では反対が88%にのぼり、賛成は8%。無党派層では反対44%、賛成21%だった。

 

 改憲の賛否別に、今回の衆院選の比例区投票先をみると、「賛成」の51%が比例区で自民に入れたと答えた。一方、「反対」は34%が立憲に入れ、12%は自民に投じた。

 

 安倍内閣の支持、不支持の理由を4択で聞くと、支持の理由は「他よりよさそうだから」が最も多く44%、続いて「政策の面から」が24%。不支持の理由は、最多が「政策の面から」の36%で、「首相が安倍さんだから」の27%が続いた。

 

(朝日新聞デジタル 20171024 2300)

 

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衆院選当選者、改憲「賛成」84%…読売アンケ

10/26() 7:19配信 読売新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171025-00050196-yom-pol

 

 衆院選で、与党の自民、公明両党と、憲法改正に前向きな希望の党、日本維新の会の獲得議席が、改憲の国会発議に必要な3分の2(310議席)を大きく上回り、改憲論議に弾みがつきそうだ。

 

 読売新聞の立候補者アンケートで、当選した431人(当選者全体の93%)の回答を分析したところ、84%が改憲に賛成だった。ただ、改憲項目は、所属政党によってばらつきが目立っている。

 

 政党別では、維新の100%を筆頭に、自民は97%、公明は92%、希望は87%が改憲に賛成だった。野党第1党の立憲民主党は61%が反対した。安倍首相は立民にも協議を呼びかける考えで、与野党を通じた幅広い合意形成ができるかが注目される。

 

 改憲に賛成した当選者が挙げた改憲項目で最も多かったのは、「緊急事態条項の創設」の69%。以下、「環境権」(50%)、「自衛のための軍隊保持」「参院選の合区解消」がともに49%で続いた。政党別で最も多かった項目を見ると、自公が「緊急事態条項の創設」だったのに対し、立民は「首相の解散権の制約」、希望は「国と地方の役割」、維新は「教育無償化」と「憲法裁判所の設置」だった。

 

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●「憲法改正「天の時を得た」と改憲派 「日本会議」主導の集会で訴える」

「小池百合子さんのおかげで、(民進党が)真っ二つになった。こういう状況をつくってもらった」

 

20171026 0747 JST | 更新 22時間前

朝日新聞社

http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/25/story_a_23256162/?ncid=fcbklnkjphpmg00000001

 

 憲法改正を掲げる運動団体「日本会議」が主導する集会が25日、東京都内であり、衆院選で大勝した自民党の国会議員が来賓として出席し、改憲発議に向けた取り組みを急ぐ必要性を訴えた。

 

 安倍晋三首相に近い衛藤晟一首相補佐官は、与党で国会発議に必要な「3分の2」を得たことを挙げ、「天の時を得た。発議ができるまで頑張っていきたい」と宣言。自民、公明両党に、日本維新の会と希望の党を加えると衆院で8割の議席を占める状況になったことを念頭に、「小池百合子さんのおかげで、(民進党が)真っ二つになった。(希望の党から立候補するための政策協定書に)憲法改正を認めるというハードルをつくり、こういう状況をつくってもらった」と述べた。

 

(朝日新聞デジタル 20171025 2124)

 

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●「麻生副総理「左翼が3割切った歴史ない。北朝鮮のお陰」」

 

201710262028

http://www.asahi.com/articles/ASKBV6JDNKBVUTFK014.html?ref=tw_asahi

 

 衆院選で、自民党は引き続き284議席をいただいた。衆議院(議員の定数)は(今回から)10議席減っており、占有率だと前よりはるかに良くなった。

 

 いわゆる左翼勢力が3割を切った歴史はこれまで1回もない。今回は共産党と立憲だか護憲だか知らないが、あの政党が左翼との前提で計算して、社民党が2議席で(立憲民主党と共産、社民の合計で)69(議席)。(定数)465分の69。2割切った。明らかに北朝鮮のお陰もある。特に日本海側で遊説をしていると、つくづくそう思った。(東京都内での講演で)

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)






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 古村治彦です。

 

 昨日、自由党の小沢一郎代表が立憲民主党の枝野幸男代表と会談を持ちました。昨日は立憲民主党が党本部をお披露目した日でした。

 

 自由党の小沢代表は明日の国会で行われる総理大臣指名選挙で枝野氏に投票すると決め、その旨を枝野代表に伝えました。

 

 今回の総選挙において、小池百合子東京都知事によって希望の党が結党され、民進党の前原誠司代表が民進党全員による合流という提案を行い、そこから野党が分立する形となり、民進党は、希望の党、立憲民主党、無所属の会(民進党の党籍を持つ衆議院議員)、民進党(参院議員)に分裂しました。選挙戦も野党分立となり、結果として、自公に勝利を許す結果となりました。

 

 希望の党結党からの動きに関しては、小沢一郎氏も関与しているという話も伝えられました。そして、自由党や小沢氏に近い人々が希望の党から立候補するということにもなりました。しかし、これらの人々は選挙間近での国替えを求められ、全く活動したことのない地域での選挙戦を余儀なくされ、落選することになってしまいました。

 

 希望の党の結党に小沢氏が関与していた、シナリオを書いていたという主張に関して、私は本当だろうかという疑問を抱いていました。もしかしたら、小沢氏は名前を利用されただけで関与していないのではないかと私は考えています。

 

 小沢氏は今回の総選挙で野党共闘によって安倍政権を退陣させるという目標をもって活動してきました。そのために、民進党、共産党、社民党と話し合いを続けていました。そして、野党共闘が成立しかけていた訳ですが、希望の党が結党され、この枠組みは崩壊することになりました。希望の党は公明党や日本維新の会に秋波を送りながら、立憲民主党の候補者が立候補した選挙区にことごとく候補を立てました。

 

 今回の小沢氏の枝野氏との会談は、小沢氏の凄みを示しています。民主党が政権交代を実現させたのは小沢一郎氏の功績です。しかし、党内の争いのために小沢氏グループは離党し、民主党は衰退の一途をたどることになりました。この党内の争いには当時の執行部であった枝野氏も関与していると思います(ご自身はレッテル貼りだと言われています)。

 

 しかし、選挙後、新たな野党共闘に向けて、恩讐を捨てて枝野氏と会談を持ち、枝野氏に投票するということを言える小沢氏はやはり大人物です。希望の党の立ち位置がいまいちはっきりしない中で、まずは野党第一党である立憲民主党と協力関係を築き、自分たちを接着剤として共産党、社民党とつなげていく、そして、無所属の会や希望の会とも連携していくというところまで、小沢氏の視野に入っていることでしょう。

 

 小沢氏は、自分の置かれた状況の中で、悲憤慷慨も有頂天になることもなく、「今自分がすべきことは何か」を把握し、それを淡々と行うことができる、日本人では稀有な存在です。おそらく政治生命が尽きる時(それが肉体的な生命が尽きる時と同じになる可能性が大いにあります)まで、自分がやるべきだと思ったことを淡々と実行していく人でしょう。

 

 この点では、小沢氏は西郷隆盛とよく似た人物と言えるでしょう(ご自身は大久保利通のほうが尊敬できる部分があると述べていたように記憶しています)。

 

 安倍政権退陣と自民党の傲慢さの解消のために、野党共闘2.0がこれから始動し、機能することを願うばかりです。この時には失敗をしても停滞があっても、我慢をして続けることが重要なのだろうと思います。そして、それができる粘り強さを持つのが小沢一郎氏なのだと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

総理指名選挙 自由党は立憲・枝野代表に投票へ

10/30() 23:38配信 テレ朝 news

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20171030-00000057-ann-pol

 

 立憲民主党の枝野代表と自由党の小沢代表が会談し、自由党は来月1日に行われる総理大臣指名選挙で枝野氏に投票する方針を伝えました。

 

 立憲民主党・枝野代表:「首班指名で私の名前を書いて頂けると。大変光栄ですので、お礼を申し上げました」「(Q.小沢さんと枝野さんはかつて確執も?)それはマスコミが貼っているレッテルですから」

 

 会合は、小沢代表からの呼び掛けで行われ、立憲民主党からは枝野代表と福山幹事長が出席しました。枝野代表は、今後の自由党との連携について「今の政治状況を変えなければならないというのは同じ思いだ」と述べたうえで、「共通の目的があるので緊密に意見交換をしていきたい」と野党で連携して安倍政権と対峙していく考えを強調しました。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)








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自由民主党所属の衆議院議員・石崎徹氏のブログ「地元生まれ 地元育ち この街から未来のリーダーを」において、2017年10月26日13時16分に投稿された「113045票の重みと与党代議士としての大事な役割」というタイトルの記事に大変興味深い記述がありました。

 

石崎議員のブログのアドレスは以下の通りです↓

https://ameblo.jp/tohru-ishizaki/entry-12322977670.html

 

 石崎議員は慶應義塾大学法学部を卒業し、国家公務員一種試験を突破し、財務省のキャリア官僚となり、その後、2012年の自民党の公募に合格し、総選挙に立候補し当選した人物です。1984年生まれで当時は最年少の当選者だったそうです。まだ三十代前半で、自民党の若手のホープだともいわれているそうです。衆議院議員2期務め、今回の総選挙でも小選挙区では落選しましたが、北陸信越ブロックから比例復活当選を果たし、衆議院議員3期目を務めることになりました。

 

 石崎議員のブログの内容で看過できない部分は以下の一文です。

 

(貼り付けはじめ)

 

野党系が多数を占める新潟県において、「新潟県だけ」国の予算が下りてこない異常事態が続く可能性もあります。

 

(貼り付け終わり)

 

 新潟県にお邪魔したこともなく、新潟県に関しては詳しい知識や情報がないのですが、この石崎氏の記述は捨ててはおけない内容です。野党系の代議士が多い新潟県はこれまでも「国の予算が下りてこない」が、今回の総選挙でも野党系が勝利をしたので、「国の予算が下りてこない」異常状態が続く、ということになる、と石崎議員は述べています。

 

 3割自治などと呼ばれて、国の予算が地方自治体において大きな部分を占めている現状において、「国の予算が下りてこない」状態が「続いている」ことは異常事態です。石崎議員は財務省キャリア官僚出身でありながら、この状態を放置しているのでしょうか。いくら、「謙虚、謙虚」と鶯のように鳴くだけの自由民主党所属の議員だからと言って、「野党系に投票する人間が多い新潟だからそれくらいの懲罰を受けるのは当たり前だ」と思っておられるのでしょうか。

 

 石崎議員は「こんなひどいやり方は止めろ。私は自由民主党所属の衆議院議員だが、自民に投票する人が少ないからといって国からの予算が下りない状態を続けるのは止めろ」と財務省なり自民党本部なりに掛け合いに行かないものでしょうか。それとも、「与党系である候補者(=石崎氏)に入れない有権者が多いのだから、懲罰を受けて当然だ」と思っておられるんでしょうか。

 

 このように与党系でなければ予算を減らす、もしくは報復的に国の予算を降ろさない状態を続ける、ということは、デモクラシーの根幹を揺るがす大問題です。与党に入れなければ生活を脅かされる、ということになれば、人々は与党に入れるしか選択肢はなくなります。これで健全なデモクラシーと言えるでしょうか。これでは間接的に一党独裁を目指しているとしか思えません。

 

党名に「自由」「民主」とついている政党が懲罰的に野党に入れた有権者が多い場所に対して報復的に予算を下ろさないということであれば、いわゆる自由民主党は党名を変更して不自由独裁志向党とでも改名すべきでしょう。

 

(終わり)







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  小池百合子東京都知事が公務でパリを訪問し帰国後に、希望の党の両院議員懇談会が開催されました。その場では今回の総選挙で当選した議員たちから小池氏の責任を問う声や代表辞任を求める声が出ました。そのほとんどが民進党出身の議員たちですから、「民進党の時もそうだったが、何かあると人のせいにする」というような批判が出ています。

 

 民進党出身者からすれば、民進党の看板では戦えないから、小池氏の人気に便乗して、民進党所属議員全員で出馬して頑張る、ということになっていたのに、それがご破算になってしまい、また、小池氏という数年前まで自民党の幹部議員として民進攻撃をし、自分たちは反対した実質改憲の安保法制を推進してきた人の下で戦うという苦渋の選択をしたのに、頼みの小池さんの人気が落ちてしまい、逆風まで吹くことになってしまった、ということで恨み言の一つでも言いたくなる気持ちは分かります。落選者はもっと言いたいことがあるでしょう。民進出身で当選してきた人たちはもともと地力があって、民進の看板でも当選できた可能性がある人たちが多いですから、「希望の党とは何だったのか」ということになります。

 

 そもそも今回の総選挙では、野党共闘で戦う準備が進められていました。その軍師は、自由党の小沢一郎共同代表でした。小沢一郎氏は、共産党も含めた野党共闘で安倍一強状態を打破するという「オリーブの木」構想を練りました。新潟では小沢氏に近い森裕子参議院議員をはじめ多くの方々が努力し、野党共闘が実現し、「新潟サプライズ」とも言うべき、野党側の勝利、自公側の敗北という結果が出ました。これが全国に拡大していれば、一強状態を崩すことは可能であったと思います。朝日新聞の報道では、野党共闘ができていれば約60の選挙区で結果が野党勝利になっていたという結果が出ています。しかし、野党共闘についていえば、希望の党が出てきたために、ご破算となりました。希望の党に関しては、小沢一郎氏も絡んでいたということでしたが、小沢氏が絡んでいて、こんな稚拙なことをするだろうか、野党共闘を崩すようなことをするだろうかと私はずっと疑問に思っています。民進党の前職を受け入れて立ち上げるところまでは話ができていたのに、それ以降、小池氏が出馬をして首相になるかどうかの決断を遅らせ、受け入れの民進前職の数を減らし、自由党系の人たちを冷遇、切り捨てた頃には、既に小沢氏は排除されていたのではないかと思います。

 

 これは私の勝手な考えですから笑って聞き流していただきたいのですが、小池氏は自公と野党側と両天秤をかけて、「どちらがより自分に有利な条件を出してくれるのか」ということを測っていたのではないかと思います。9月末の時点で敗北必至であった自公側は、野党分断という戦術の有効性を熟知していますから、小池氏にかなりいろいろな誘いをかけたと思います。「今のままなら小池さんが希望の党を率いて出てきたら、大勢力になる。そこで、安倍さんの改憲に協力してくれたら、ポスト安倍はあなたですよ。だけどそのためには民進党全員はまずいでしょうね。今ならずぶの素人新人でもあなたの勢いで通りますよ」くらいのことを言われてそれに乗ってしまったんでしょう。しかし、結局、失敗した、自公の口車に乗せられて失敗した、ということではないかと思います。これは私の想像ですから、「馬鹿な話だ」と笑って捨ててくださって構いません。

 

 こう書いては何ですが、各小選挙区でだいたい2万票あると言われている公明票を自民党が利用して勝利している、それならば、野党側は、多くいところで2万票、少なくとも1万票ある共産党の支持票を使わせてもらって、何とか自公に競り勝ちたい、これまでは非共産の野党と共産が協力してこなかったが、この枠組みが作れたら、自公に迫れるのではないかということだと思います。その成果はあったと思います。野党共闘は機能するということが証明されたと思います。

 

 しかし、希望の党を立ち上げた元民進メンバーたちは共産党との共闘に懐疑的、民進党の前原誠司代表も共産党となんか組めるか、という考えでした。今回の総選挙後、テレビに出た細野豪志氏や前原氏は共産党批判を展開しました。希望の党が野党共闘の枠組みを吹き飛ばして、いきなり野党第一党になろうとしたということです。しかも代表に小池百合子東京都知事を担いで、です。小池氏は2015年の安保法制、実質改憲の時は自民党所属の衆議院議員で、安保法制を推進した人物です。また、改憲に関しては安倍首相と同じ考えの人です。その人を支持するということは、実質改憲である安保法制に賛成し、この法律に合わせた憲法改悪に賛成するということになります。

 

 最近の世論調査を見ても、安倍首相が主張している改憲案に対して、賛成反対が拮抗しつつ、やや反対が多いという結果が出ています。そうなると、小池氏は改憲については安倍首相と考えが同じで協力できると述べているのですから、小池氏に対して反対する有権者の数は多くなります。確かに「排除」や「サラサラ」などの言葉や、小池氏のヘラヘラした態度が人々の反感を買ったということはあるでしょうが、これらだけが希望の党に逆風が吹いた理由ではなく、小池氏のこれまでの主張を人々が見聞きして、危険だ、安倍さんと一緒だということを認識したことも大きな理由となったと私は考えます。

 

 候補者がサインした政策協定書には、「2、現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する。その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する。4、憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること」と言った文言が見られます。第2条に関しては、「憲法違反である可能性がある安保法制を廃止も含めて見直す」野田から民進党と変わらない、ということになっています。しかし、民進党は「安保法制は憲法違反だ」と述べて反対したと思います。違憲の法律を「憲法にのっとり運用」するということができるのでしょうか。また、第4条の「憲法改正を支持し」とありますが、これはどういうことでしょうか。誰が主張する内容の憲法改正を支持するのでしょうか?小池氏は安倍首相と会見に関しては考えが同じですから、これについては、「小池氏が主張する、安倍首相と同じ内容の憲法改正の内容を支持する」と考えるのが自然です。これは民進党と同じことなのでしょうか。民進党は安倍晋三首相の下での会見は反対ではなかったでしょうか?

 政策協定書の文言については、小池氏と民進出身者両方が合意できる内容になっている、ということですが、そもそも、安倍氏の改憲と同じ考えで、かつ実質改憲である安保法制に賛成した小池氏と、それらに反対した民進党出身の人々との間で「合意」できる内容の文書というのは、「こうも読める、ああも読める」という霞が関文学のようなものです。頭の良い官僚や法曹関係出身の民進系の人が、ナイフのように切れ味鋭い頭脳で、「こうも読めるから民進党の時と同じ内容です」と言ったところで、「それじゃ、小池さんは考えを変えて民進党の政策を支持することになったんですか?」ということになります。「憲法改正を支持し」という文言で人質に取られても、「いやこれは決して憲法を変えることを意味しない」と言うでしょう。そういうところが有権者の支持を失った理由であると思います。

 

 希望の党に関しては、小池氏が後ろに下がって、民進党右派の人々が国会では主導権を握ることになるでしょうし、安保法制や改憲については小池氏よりも慎重な姿勢を取ると思います。そうなれば、より積極的な野党連携も可能であると思います。また、これから、日本の各政党がどのように動くかをこれからしっかりと見ていかねばならないと思います。

 

 これから、各政党、各政治家がどのように行動するかを自分ができる範囲で監視することが重要です。安倍一強状態を作り出したのは野党に責任がありますが、同時に私たち有権者にも責任があります。製造責任というか、そういうものがあると思います。

 

 衆議院は解散がありますが、参議院は3年おきに選挙があります。次は2019年です。国政に自分の考えを反映させるには次の2019年ということになります。長いようで短いものです。ですから、この時まで何が起きているか、何が自分の考えと違うかということを考えておくと、次の機会に投票しやすくなります。

 

「俺が投票に行くくらいに政治に関心を持たせろ(俺は投票に行っていない)」という芸能人がいました。彼は逆説的に政治に関心を持ってもらおうとしているのだという解釈をする人もいました。そうかもしれませんが、投票に行っていないということは実質的には与党支持、自公支持であることを述べていることと同じです。投票しないで野党支持ということはできないので、それだけでも与党に有利です。「持たせろ」という言葉は、お客様、消費者様の目線があります。「お客様は神様だろ、だから無理なことをしろ」と言っているのと同じです。デモクラシーにはお客様は想定されていません。政治家になろうとする人もそうではない有権者も参加者です。

 

 お客様の立ち位置を取ることで、自分が決めたくない、責任を取りたくないという気持ちがあるのだろうと思います。「お客様デモクラシー」になれば政治家は喜ぶでしょう。「お客様は何もしなくて結構ですよ、私たちでやりますから」ということになって、監視がなくなってやりたい放題、それでも選挙には通って議員の地位を確保できるということになります。そうなればお客様が一番損をするということになります。

 

 デモクラシーとはかくも難しい制度なのかということを改めて認識しています。

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12







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 古村治彦です。

 

 安倍晋三内閣は改造を経て、新たなスタートを切りました。今回は、安定した仕事のできる人物を集めたということで、「仕事人内閣」だと安倍首相も自画自賛しました(じゃあ、これまでは仕事人内閣じゃなかったのですか、と言いたくなりますが)。しかし、早速、とても仕事人とは思えない人物が入閣していることが明らかになりました。それは、江崎鉄磨(えざきてつま、1943年~、当選6回、自民党二階派)です。江崎代議士は、父である江崎真澄元通産大臣の地盤を引き継いだ二世委議員です。江崎代議士は今回、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策担当・消費者及び食品安全・海洋政策)及び領土問題担当大臣として初入閣となりました。

 

江崎氏は二階派に所属していますが、初当選以来、二階俊博代議士とずっと行動を共にしてきた人物です。二階代議士は、江崎代議士の父・真澄氏に近い人物で、竹下派結成時、竹下派結成に反対していた真澄氏に遠慮してすぐには竹下派結成に駆けつけることができないほどでした。

 

鉄磨氏は父真澄氏の秘書を1971年から20年以上務めており、1983年に初当選の二階氏とは古くからの付き合いということになります。二階氏は真澄氏に深い恩義があり、その息子である鉄磨氏を何とかしてあげよう、引き立ててあげねばという気持ちが強いのだろうと思われます。ですから、二階派から是非、江崎氏を入閣させて欲しいと働きかけてそれが実現したようです。

 

 江崎氏はとても正直な人物のようです。彼は入閣の打診に対して、「自分には荷が重い」「年齢が高い」などを理由にして、辞退しようとし、二階氏から叱責されたという報道がなされました。また、国会答弁について、官僚が書いた文書を朗読する、間違いがあってはいけないから、とも述べました。「自分には大臣をやるだけの能力がない」ということを自分自身でよく分かっていて、辞退するというのは、自分自身を冷静に見つめて分析ができているという点で、人間として素晴らしいことだと思います。

 

 しかし、当選6回となると、「入閣適齢期」などと呼ばれ、それだけの期間、国会議員をやっていれば大臣を務める力がついているはずだ、という判断が自民党内のキャリアパスのモデルによってなされるということもまた事実です。しかし、当選回数の多い少ないにかかわらず、大臣に不適格な人物がいるということは、ここまでの安倍内閣の大臣を見てきても明らかです。

 

 私は江崎鉄磨氏は、自民党の二世議員のひとつの典型ではないかと思います。父・真澄氏は閣僚を複数回務めた経験を持っています。1971年から父の秘書を務めた訳ですから、父が、自治大臣、通産大臣、総務庁長官を務めた時には近くで仕事を見てきたはずです。1971年から50年近く政界におり、代議士としても6回も当選してきた人物である真澄氏が、自分が初めて大臣をやるにあたり、「自信がない」と言うのは、そもそも政治家として研鑽を積むとか、大臣を目指して勉強をしてきたということが全くない人物であるということが言えます。議席を守って、親分の言うことを聞いて、平々凡々、穏やかに暮らせたらいい、地盤はしっかりとあるし(少し弱いけど)、何かあったら親分(二階俊博代議士)が何とかしてくれるよという極めて安定志向な政治人生であったと言えます。そして、二世議員の中にはこういうお坊ちゃんがいるのだろうと推察されます。江戸時代のお殿様みたいです。

 

 自民党にとってはこういう人物は、採決の時くらいにしか役に立たない人物です。こうした人物ばかりでは活力がなくなってしまいます。そこで重要なのは、ここ最近の選挙で通って来た安倍チルドレンの面々です。安倍チルドレンは別名「魔の二回生」とも呼ばれています。問題行動を起こす議員たちが複数出ていることが理由です。その一人が豊田真由子議員(とよたまゆこ、1974年~、当選2回、自民党に離党届提出中)です。豊田氏は、秘書へのパワーハラスメント(暴言が録音され、暴力行為もあったと言われている)が明らかにされ、

 

 豊田議員は、都内の超名門女子教育機関である桜蔭中・高を卒業し、ストレートで東京大学文科一類に合格し、東大法学部に進学し、キャリア官僚として厚生省(当時・現厚生労働省)に入りました。在職中にはハーヴァード大学にも留学し、修士号を取得しました。彼女はエリート中のエリートではない、という主張をする人々もいますが、それでもエリート官僚であることは間違いありません。そして、2012年に地縁などなかった埼玉四区から立候補し、初当選します。豊田議員は選挙区内には住まず、家族と一緒に都内に住みながら、通いで選挙区内での活動を行っていたということです。豊田議員はキャリアが示すように、官僚の世界に長くいたこともあって、政策通という評価を受けていたとも言われています。

 

 豊田議員の暴言や暴行(本当であれば)には驚くばかりですが、これは彼女が子供の頃から受けていた虐待が理由としてあるのではないかと私は推察しています。過度の完璧主義と暴言の酷さは彼女の成育歴の中に原因があるのではないかと思います。また、豊田議員が秘書に対して暴言をぶつけていたのは、手違いで別の人物に誕生日のお祝いカードを送ってしまったことに対するお詫び行脚の中で行われ、暴言の中に「これ以上、私の支持者を怒らせるな」という言葉があったことは報道されています。

 

 豊田議員が何よりも恐れていたのは、落選です。官僚はよほどのことがない限りは身分は保障されています(退職勧奨されても次のポジションはしっかりと確保されています)が、議員は選挙に落ちたら、何もできません。政策通として国会で活躍することはできません。豊田議員は落下傘候補として埼玉四区にやってきた人物ですから、古くからの友人、知人、親戚、支援者もいない中で、地盤を固めていかねばなりません。固めきれていない地盤=弱いとなれば他党からも狙われるということになります。自然の世界でまだ力の弱い動物が必死で生き抜こうとする姿が思い出されます。

 

 豊田議員の暴言は彼女の持つ焦りを示すものであり、その焦りとは地盤が強固ではないために、次は落選するかもしれない、そうなれば国会で活躍する、当選を重ねて党の重要なポストや大臣を狙う、ということができなくなるということです。もし豊田議員に何のスキャンダルもなくて、「大臣をやりませんか」となれば彼女は何があっても大臣を引き受けていたことでしょう。

 

 江崎代議士と豊田代議士。2人の代議士は自民党内部が格差社会であることを示しています。親の「遺産」で優雅に代議士生活(落選を経験しているのでそうとばかりも言えませんが)と、代議士の地位を守るために必死で駆けずり回る代議士生活。どちらも自民党の典型的な議員の姿と言うことができます。

 江崎大臣について言えば、「ぼんくら坊ちゃん」気質が、早速安倍内閣の弱点となっています。安倍政権の退陣を求めている私にとっては何とも心強い存在です。沖縄担当大臣として、日米地位協定の変更に言及しました。これは安倍政権ではタブーですが、江崎大臣は至極真っ当なことを述べています。また、皇居での認証式の前に出されたドンペリをグビグビと飲み、初閣議の後に出される日本酒を人よりも飲んで、「会見が控えているのだから」と安倍首相や周囲に制止されたそうです。それに関して、「不適格ならいつでも辞めます」と啖呵を切っています。


 江崎氏のこうしたお殿様気質というか、怖いもの知らずは、開き直りともとれますが、坊ちゃん気質という面もあるのだろうと思います。総理に向かって何でも唯々諾々という大臣が続いてきました。しかし、昔はこれくらいの謀反気がある大臣はいました。


 江崎議員のように総理を恐れない人物は得難い人物であり、坊ちゃん育ちのひ弱さがありながら、いざ開き直った時の怖いもの知らずの態度は、応援したくなります。


 正直さと開き直りが安倍内閣にとってプラスになるか、マイナスになるか、注目です。 

 

(終わり)





アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 昨日、2014年12月27日、毎日新聞が山田美樹代議士(自民党所属[細田・安倍派]・当選2回、東京一区選出)の運動員が選挙期間中に人身事故を起こしていたということをスクープの形で報道しました。

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山田美樹代議士(自由民主党[細田・安倍派]、当選2回、東京一区選出) 

 

 交通事故は不幸なことですが、根絶することはほぼ不可能なことです。私たちが道を歩いていても、自動車や自転車の運転にヒヤッとさせられることは多いですし、完全に防ぐことは残念ながら、現在はできません。ですから、大事なことは事故が起きたら、状況を確認し、何よりも負傷者が出たら救護を最優先し、周囲に危険が及びそうであったらそれを防いで、被害を拡大させないことです。

 

 2014年12月12日(投開票日は14日・金曜日)午後1時30分ごろ、不幸にして交通事故が起きてしまいました。金曜日の午後、恐らく昼食後ということもあったのでしょうから、ついつい油断もあったことでしょう。また、選挙戦終盤、東京一区は海江田万里民主党代表の選挙区ですから注目を集め、大接戦とも報じられていましたから、運動員は連日フル回転で働いていて、疲れもたまっていたことでしょう。

 

 事故が起きたのは千代田区神田神保町の交差点です。この交差点の辺りは、私も何度も足を運んだことがある場所ですが、出版社や古書店が密集し、人通りも自動車や自転車の通りも多い場所です。少し歩けば明治大学や日本大学もあります。ここの近く、岩波ホールの前で街頭演説をするというのは頷けます。ここで事故が起きてしまいました。

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 自動車を停めた運動員が後部ドアを開けたところ、そこにバイクに乗った男性が衝突して転倒してしまったのです。男性は一時意識不明に陥ってしまったとのことです。救急車で搬送され、診断は外傷性くも膜下出血ということです。

 

 個人的なことで恐縮ですが、私の父は、私が生まれて間もなく、このくも膜下出血で倒れました。意識不明で発作などもありましたが、幸い一命は取り留めましたが、重い後遺症が残ってしまいました。私にとっての父は体が不自由で、意志疎通も困難な存在でした。ですから、私はこの病名を聞くと、心が粟立ってしまって冷静さを保つのが難しくなります。私から「父」を奪った病気だと憎む気持ちがあるからです。外傷性の場合はまた違うかもしれませんが、事故に遭われた男性が快癒されることをお祈りするばかりです。

 

 この病名を見て、私は「交通事故が起こることは仕方がない」と書くのは本当は嫌だったのですが、それが現実ですから仕方がありません。事故を起こしたら、その後の対応が何よりも重要です。被害者の方は救急車で病院に搬送されたようなので、事故直後の対応は良かったようです。しかし、事故後の対応は非人間的、杜撰なものでした。私が問題だと思う点を4つ挙げたいと思います。

 

①山田氏らは救急車が到着後に現場から約30メートルの場所で街頭演説を始め、事故処理中も続けた。

 

 候補者にとっては街頭演説は重要です。東京一区は日本の首都東京の中でも一番の繁華街やオフィス街を抱えているので、その場所取りや場所の選定は大変だと思います。ですから、街頭演説を優先したい気持ちは分かります。しかし、サイレンを鳴らして救急車がやって来たわけです。それなのに、事故処理中も大音量のマイクで演説を続けたというのはどういう神経なのか、理解に苦しみます。「事故処理が終わるまで、少し待ちましょう」となるのが当然ではありませんか。この非人間的、非人道的な行為を日本の政治家が行ったということに私は悲しみを覚えます。

 

②山田氏本人に事故の報告をしたのは同日夕方だったという

 

 この点もおかしいなと思います。自分が街頭演説をしている時に恐らく人々が自分ではなく、別のものを取り囲んでいて、救急車が来ていて、自分の選挙陣営の車がそこにあったら、少なくとも「何かあったのか」と不思議に思うはずです。そして、演説が終わった後に陣営の人々に「何があったのか」と聞くはずです。報告を受けたのが夕方というのはおかしいと思います。事故が起きたのは午後1時半、救急車が着いた後に演説を始めた訳ですから、夕方に報告を受けて初めて知ったというようなことはまずありえないはずです。その場で、「私の陣営の運動員が事故を起こしてしまった」と知ったはずですから、事故が起きて、被害者が渋滞であることを知りながらも、その後も何事もなかったかのように選挙運動を続けたことになります。事故の翌日は選挙戦最終日で、東京一区に含まれる秋葉原には安倍晋三総理大臣、麻生太郎財務大臣がやって来て、最後の打ち上げ演説を行いました。その場に山田美樹氏もいた訳ですが、どんな気持ちだったのでしょうか。

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山田氏と麻生、安倍両大臣

 

③翌日に被害者の入院先を訪ねてきた秘書が、応対した親族に「(投開票後の)月曜まで待ってくれ」などと言って身分を明かさなかった

 

 事故の翌日は2014年12月13日(土曜日)です。翌日ともなれば、被害者の状態もだいぶ落ち着いた頃でしょうから、この日に秘書がお見舞いに行ったのは良かったですが、ここで、秘書が自分の身分を明かすことを拒み、「月曜(2014年12月15日)まで待ってくれ」と言ったという部分は最悪です。事故が起きたら、お互いの姓名や連絡先、出来たら勤務先を交換しておくことをまずやるべきだということは常識です。どこの誰とも分からない人と事故後の対応ができる訳がありません。それを拒むというのは、間接的な「ひき逃げ」行為です。

 

 被害者の家族や勤務先の人々は、おそらく、「選挙運動の車で事故に遭ったんだろう」という推測は現状から判断していたと思います。ここで、きちんと「自民党公認候補の山田美樹の運動員が事故を起こしました。申し訳ありません。誠実に対応させていただきます」と言えば、被害者の家族や勤務先の方々も事故に対して怒りを持っていたとしても、「逃げ隠れするようなことはないんだな」と事故後の対応については安心できたと思います。

 

 それを「月曜日まで待ってくれ」などと言って身分を明かさないとなっては、「こいつら逃げようとしている。被害者のこと、事故後の対応よりも選挙を優先している」と感じるのは当然でしょう。

 

 今回の選挙では、安倍晋三首相(自民党総裁)と茂木敏充選対本部長は、民主党の執行部や幹部の選挙区を重点的に狙い撃ちし、重点的に大物を選挙応援に投入していました。

事故発生時の演説には、小池百合子元環境相が応援演説に来ていたという話もあります。東京一区は海江田万里民主党代表の選挙区で、海江田氏が元々選挙に強くないということもあって、「何としてでも落とせ」という厳命が山田氏陣営には自民党本部から降りて来ていたことは想像に難くありません。これは当選1回の山田氏にとっては大きなプレッシャーになったでしょうし、陣営全体にも重くのしかかったことでしょう。

 

 こうした状況下で、非人間的な対応が起きてしまったのではないかと私は考えます。これは、ブラック企業とそっくりです。

 

④山田氏が病院を訪れたのは、毎日新聞が取材を申し込んだ翌日(20日)だったという。事故当日の経緯や事故後の対応について、国会周辺で山田氏本人に直接聞いたところ「イレギュラーな取材は勘弁してほしい」とだけ述べた。

 

 山田氏が直接事故を起こした訳ではありません。しかし、事故を起こした運動員の上司です。それならば、せめて選挙期間中は無理にしても15日以降にすぐに病院に駆けつけて、謝罪の言葉を述べるのが当然ではないかと思います。それを新聞社から取材の申し込みがあって慌ててお見舞いに行くなど、対応があまりにも杜撰です。政治家として理想も理念もおありで、立派なことを言われても、このような対応一つで、「この人の言うことは響かない」ということになります。政治家にとっては言葉は命であり、それが人々に響かないとなれば、潔く身を引くしかありません。

 

 この事故の記事が今頃になって出てきたことは、東京一区の有権者にとっても不幸なことでした。有権者は候補者のあらゆる情報を知って自分の一票を投じる権利があります。立候補者は有権者の審判を仰ぐわけですから、それこそあらゆる情報が開示されることになります。そこには「下半身事情」やら「健康情報」すらも含まれます。それが嫌ならば、人々から選挙で選ばれる公職に就こうなどと考えないことです。

 

 今回の事故のことも有権者にとっては当然知らされて当然の候補者情報です。それを隠蔽するかのような山田氏陣営の行動は、有権者の不利益となります。有権者の不利益を敢えて行うような候補者が国民の代表、選良にふさわしいとは賢明なことで知られる東京一区の有権者の方々はまさか思われないと思います。

 

 私が今でも引っかかっているのは、山田氏の秘書が述べた「月曜日まで待ってくれ」という言葉です。これは「月曜日になったらきちんと身分や連絡先を教える」ということだと思いますが、「月曜日には恐らく当選して、再び議員になるのだから、議員になってしまえば、こんな事故なんて揉み消せる。ただ落選してしまえばそうもいかない」という気持ちがあったのではないかということです。

 

 最後になりましたが、事故で負傷された男性の一日も早い快癒を心からお祈り申し上げます。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「山田美樹氏:運動員人身事故、近くで演説 秘書が身分隠す」

 

毎日新聞 20141227日 1500分(最終更新 1227日 1828分)

http://mainichi.jp/select/news/20141227k0000e040214000c.html

 

 ◇被害男性、一時意識不明 秘書「月曜まで待って」

 

 衆院選公示期間中の12日、東京1区の自民党、山田美樹氏(40)の運動員が選挙区内で人身事故を起こし、被害者が救急搬送される近くで山田氏ら陣営が街頭演説を行っていたことが毎日新聞の取材で分かった。翌日に被害者の入院先を訪ねてきた秘書が、応対した親族に「(投開票後の)月曜まで待ってくれ」などと言って身分を明かさなかったことも判明。被害者側は「非常識だ」と批判しており、山田氏の事務所は取材に対し、山田氏本人に事故をすぐ報告すべきだったなどと釈明している。

 

 警視庁神田署などによると、事故は12日午後1時半ごろ、東京都千代田区神田神保町2の神保町交差点そばで発生。道路左側に止めた車の右後部ドアを運動員の30代男性が開けたところ、後ろから来た都内の印刷関連会社に勤務する60代男性のバイクと接触した。男性は転倒して一時意識不明となり、搬送先で外傷性くも膜下出血と診断されて2週間以上入院した。半年間の通院が必要で運転もできない状態だという。

 

車に乗っていた山田氏事務所の吉沢昌樹政策秘書らによると、遊説支援で山田氏と合流するため神保町へ向かい、到着直後に事故が起きた。山田氏らは救急車が到着後に現場から約30メートルの場所で街頭演説を始め、事故処理中も続けた。終了後に選挙カーで移動し、山田氏本人に事故の報告をしたのは同日夕方だったという。

 

 被害者の男性は勤務中で、勤め先の会社会長(68)は「運動員の事故も知らず、近くで演説するのはおかしい」と指摘。「吉沢秘書らが親族を訪ねたのは事故翌日で、名刺を渡すことや身分を明かすことを『月曜(投開票翌日)まで待ってほしい』と言って拒んだと親族から聞いた。不誠実だ」と批判する。

 

 取材に対し、山田氏の事務所は「候補者(山田氏)への事故発生の連絡が遅くなった点については厳重に注意した」と文書で回答。被害者側への対応については「捜査中で詳細について説明できないが、誠意を持って対応している。山田もお見舞いに伺った」としている。

 

 しかし、山田氏が病院を訪れたのは、毎日新聞が取材を申し込んだ翌日(20日)だったという。事故当日の経緯や事故後の対応について、国会周辺で山田氏本人に直接聞いたところ「イレギュラーな取材は勘弁してほしい」とだけ述べた。

 

山田氏は東京大法学部卒業。米コロンビア大経営学修士の元経済産業官僚で、東京1区で民主党代表だった海江田万里氏を破り再選された。【鈴木泰広】

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 2014年12月14日の総選挙投開票日が近づいてきました。今回の選挙では自民党大勝で、安倍晋三政権の基盤がますます強化されるという結果予想が各新聞で出されています。最新のフジテレビと産経新聞の共同世論調査の結果に関する報道によると、自民党は単独で3分の2を占める勢いであると言われています。詳しくは下に貼り付けました、新聞記事をお読みください。

 

 私がまず皆様に自分の失敗についてお話ししたいと思います。私は、2014年11月に安倍晋三首相が衆議院を解散し、総選挙を行うと発表した時、「自民党の衆議院での議席数を減らして、安倍晋三氏を退陣させるために、天の声(アメリカ、具体的にはアメリカ大使館とキャロライン・ケネディ大使)が衆議院解散をやらせたのだ」と考えました。

 

 アベノミクスの効果が見られないことと消費税増税で国民からの人気が下がっている時に、安倍晋三氏と自民党を抑えるために解散をするのだと考えました。アメリカのバラク・オバマ大統領、ジェイコブ・ルー財務長官や経済関係者たちは、日本の過度な円安を嫌ったり、景気回復が進まないことに苛立ったりしていることは発言からも分かりました。

 

 そして、日本国民も実際に「自民党が議席を多く占めるのは良くないことだ」と考えています。それは、以下の新聞記事にもある通りです。「与野党伯仲が望ましい」とする国民が約半数いるのです。

 

 しかし、選挙結果予想では自民党は大勝、野党は共産党以外敗北となっています。以下の新聞記事によると、自民党が小選挙区で200から220(全部で295選挙区)、比例区で80議席を獲得すると予想されています。自民党だけで3分の2である317議席を獲得する勢いと報じられています。私は、今回の総選挙は「不人気の安倍晋三政権を勝たせて、安倍氏を国政選挙3連勝(2012年総選挙、2013年参議院議員選挙、2014年総選挙)に導いた大政治家、名指導者ということにして、2016年の参議院議員選挙にも勝たせて、一気に憲法改正にまで向かわせる」ということであったということに気付けませんでした。これは私の見方の甘さと頭の悪さが原因です。

 

 有権者の半数が与野党伯仲を望みながら、議席は自民党が3分の2を占めるという予想が出ているのです。これはとても奇妙なことですが、小選挙区比例代表並立制を採用しているので、獲得票数と議席の割合との間のねじれが出てくることになるのだと言われています。小選挙区の場合は二大政党制になり、政権交代が起きやすくなるが、少数政党は生き残りが難しいので、比例代表を制を入れたのですが、これがかえって仇となるというか、いわゆる「民意」「世論」が反映しにくいことになってしまいました。

 

 2012年からの動きや野党殺し、リベラル殺しであり、これがいよいよ完遂されようとしており、結果として米政翼賛会体制と憲法改正の完成が間近に近づいています。そして、アメリカのヒラリー・クリントン大統領誕生と合わせ技で東アジア、極東の状況が一気にきな臭くなっていくのだと私は考えています。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「自民単独で3分の2迫る 衆院選で本社・FNN合同終盤情勢調査」

 

産経新聞  2014年12月9日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141209-00000064-san-pol

 

 

 

 ■伸び欠く民主、共産は倍増も

 

 産経新聞社は8日、FNN(フジニュースネットワーク)と合同で実施した電話世論調査(4~7日)に全国総支局の取材を加味し、14日投開票の衆院選終盤情勢をまとめた。自民党は、平成21年に民主党が単独政党として獲得した現行憲法下での最高議席(308議席)を上回り、衆院の3分の2に当たる317議席をうかがう勢い。民主党は目標の100議席は難しい情勢だ。共産党は前回(8議席)の倍増をうかがう勢いだが、その他の野党は軒並み苦戦を強いられている。

 

 産経新聞など報道各社は序盤情勢で「自民300議席超」と報じたが、自民党は勢いを維持している。

 

 選挙区(295議席)のうち200議席前後を固め、優勢の選挙区を含めると約220議席となる見通しだ。激戦区でも半数以上でやや優位となっている。青森、群馬、山口など21県で選挙区全勝の可能性がある。大都市圏では東京、神奈川などで地滑り的勝利を狙える勢いで、前回衆院選で旧日本維新の会が躍進した大阪でも健闘している。

 

 比例代表(180議席)では、前回(57議席)を大幅に上回る80議席が射程に入った。

 

 公明党も、公示前の31議席以上を確保する公算が大きい。参院で法案が否決されても衆院で再議決して可決するために必要な議席の3分の2を自公両党で上回るのは確実で、焦点は自民単独で3分の2を握るかどうかに絞られている。

 

 民主党は、前回獲得の57議席から10議席以上の増加が見込まれるが、目標の100議席は極めて難しく、80議席にも届かない可能性がある。維新の党も25議席前後にとどまり、公示前勢力の42議席から激減する見通しだ。次世代の党、生活の党、社民党は比例での議席獲得に苦戦しており、選挙区でも1桁台に低迷するのが確実だ。

 

 ただ、接戦区が約40選挙区あり、選挙区によっては態度未定の有権者が約4割を超えているため、情勢が変化する可能性がある。

 

                   ◇

 

 ◆世論調査の方法

 

 サンプル数は4万936。平成26年9月末の選挙人名簿を基に、選挙区ごとに満20歳以上の有権者から男女別・年代別の構成割合に応じて調査対象を抽出。電話番号を無作為発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で算出した回答数が得られるまで電話調査を行った。

 

 

●「衆院選「与野党伯仲望む」47.9% 本社・FNN合同調査」

 

産経新聞  2014年12月9日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141209-00000065-san-pol

 

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が衆院選の情勢調査に合わせ、6、7両日に実施した合同世論調査によると、衆院選の望ましい結果について「与野党の勢力が伯仲する形」との回答が47・9%と半数近くに達し、前回の41・9%より6ポイント増えた。一方、「与党が野党を上回る形」は35・4%で、前回の38・0%より2・6ポイント減った。

 

 「与野党が伯仲する形」が望ましいとの回答に関しては、自民党支持層の31・3%、公明党支持層でも21・1%が答えており、与党支持層の中にも「勝ち過ぎ」を警戒する声があるとみられる。

 

 しかし、比例代表の投票先に関しては、自民党が37・5%で、民主党の13・2%、維新の党の10・7%を大幅に上回り、衆院選の終盤情勢調査と同様、「1強多弱」の構図を反映しているといえそうだ。

 

 「支持政党なし」と回答した無党派層に限ると、比例投票先として自民党が14・7%、民主党が12・8%、維新の党が11・3%とほぼ分散する傾向が出た。

 

 安倍晋三内閣の支持率は47・8%で、前回比1・1ポイント減。不支持率は39・6%(前回比1・3ポイント減)だった。

 

 衆院選について「関心がある」と答えたのは62・2%だった。戦後最低の投票率(59・32%)となった平成24年の前回衆院選のほぼ同時期に比べて17・7ポイントも減っており、投票率の低下が懸念されそうだ。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

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