古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:解散総選挙

 古村治彦です。

 第二次ドナルド・トランプ政権は国内外で不安定な状況を作り出している。ヴェネズエラ攻撃を利用して、他国に脅しをかけている。グリーンランドの領有の意思を隠さずに、堂々と主張している。グリーンランドにアメリカ軍を派遣するということになれば、対ロシアの防衛同盟としてのNATOが瓦解する。卑近なたとえをするならば、「みんなで防犯組織を作ったら、仲間内から泥棒が出た」ということになるからだ。

 国内ではICE(アメリカ移民関税執行局)による不法移民取り締まりがアメリカ国内の緊張を高めている。ミネアポリスでICEの捜査員による女性の射殺事件が発生し、ミシガン州知事ティム・ウォルツは州兵の出動待機命令を出した。ICEの捜査員と一般市民の小競り合いも各地で頻発している。これがいつ更なる暴力事件から武力衝突、内戦にまで発展するか分からない。私たちは世界の大きな構造転換に直面している。アメリカの衰退がそのきっかけである。

 そうした中で、私たちが住む日本、そして東アジアと隣接する東南アジアは平穏を保たねばならない。それは、世界の経済成長エンジンであり、今や世界を支える地域になっているからだ。そこで残念なのは日本の状況だ。高市早苗首相という地政学リスクを抱え、アジアに不安定な状況をもたらしている。その高市首相の支持率が70%超えという日本国民は客観的に見て、馬鹿でアホでどうしようもないということになる。自分の頭絵で考えることを知らず(教えられてこなかったのだから仕方がないとは言え)、上から言われたとおりに生きて死ぬだけの存在だ。高市首相は解散総選挙を選択したが、高市首相を退陣させることができるかどうか、期待はできない。日本もアメリカと一緒に衰退し、沈んでいくしかないようだ。世界は大きく変化しようとしている。残念なことだが、アメリカと日本はその変化で負け組として衰退するしかない状況だ。せめて、個人個人で自分の置かれた状況を考慮して最善の方策を選択するしかない。

(貼り付けはじめ)

ドナルド・トランプは世界にアメリカを恐怖することを教えている(Trump Is Teaching the World to Fear America

-数十年かけて築き上げてきた善意(goodwill)が今や無駄になっている。

ファリード・ザカリア筆

2026年1月9日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2026/01/09/trump-fear-united-states-alliances-global-power-balance/

歴史を通して、最も力強い国は往々にして友好国を見つけるのに苦労してきた。ある国が支配的になると、他国はそれに対抗しようとする。東ヨーロッパにあるロシアの隣国群を見れば、世界が認めてすぐに、NATOに加盟した。アジアにある中国の近隣諸国を見れば、日本、インド、オーストラリア、ヴェトナムなどが、北京の台頭を受けて、アメリカとの、そして互いの安全保障関係を着実に強化してきた。

しかし、アメリカを見てみると、この理論は揺らぎ始める。

アメリカは世界で最も強力な国だが、最も豊かで能力のある国の多くはアメリカに対抗するのではなく、同盟国となっている。彼らは核心的な安全保障問題においてはアメリカに従っている。アメリカの軍隊を受け入れている。自国の軍隊をアメリカと統合する。これは近代史の長い流れの中では普通のことではない。むしろ、非常に特殊なことだ。

それなぜか? それはアメリカが聖人のよう(saintly)だからではなく、しばしば古典的な覇権国(a classic hegemon)とは一線を画す行動を取ってきたからだ。第二次世界大戦後の80年間、アメリカは往々にして、その力強さを他国が受け入れ可能なもの、すなわちルール、制度、そして正統性(rules, institutions and legitimacy)へと変換しようと努めてきた。属国体制(tributary systems)ではなく同盟関係(alliances)を築き、たとえそれが不十分な場合であっても、集団安全保障、自決、自由な商業活動(collective security, self-determination, open commerce)といった諸原則を掲げてきた。

アメリカの一極主義の象徴としてしばしば挙げられるイラク戦争について考えてみよう。私はあの戦争の賢明さを擁護している訳ではない。国際システムに対するアメリカの姿勢について、より大きな視点で論じているのだ。ジョージ・W・ブッシュ政権は2002年に連邦議会の承認を求め、承認を得た後、国連に訴え、安全保障理事会決議1441号の成立に貢献した。また、この取り組みを支持する49カ国からなる連合も結成した。ワシントンは、この主張を表明し、パートナーを集め、他国に広く受け入れられる根拠を探る必要性を感じていた。

力を正当性へと変換しようとする努力こそが、アメリカの優位性の隠れた柱(the hidden pillar of American primacy)である。アメリカが脅迫者(a shakedown artist)ではなくルールメイカー(a rulemaker)として行動するとき、恐怖よりも価値のあるもの、すなわち同意(consent)を得ることになる。同意こそが覇権をリーダーシップへと、そしてリーダーシップを他国が他の選択肢よりも好ましいと考えるシステムへと変える。また、バランスを取ろうとする衝動を燃え上がらせないのも同意である。

そして、まさにヴェネズエラの出来事が今、危険に晒しているのはまさにこのことだ。ニコラス・マドゥロへの襲撃そのものではなく、アメリカ外交政策におけるこの断絶を特徴づけているのは、法、規範、同盟、そしてアメリカの外交政策に対する完全な無視(disregard for law, norms, alliances and diplomacy that mark this break in American foreign policy)である。

CNNのインタヴューで、ホワイトハウスのスティーヴン・ミラー大統領次席補佐官は、「アメリカ合衆国がヴェネズエラを統治している」と断言し、「国際的なお世辞(international niceties)」を一蹴し、世界は「強さ・・・力・・・権力」、つまり歴史の「鉄則(iron laws)」によって支配されていると主張した。一方、ドナルド・トランプ大統領は、ヴェネズエラが「移行(transition)」を迎えるまでアメリカが統治し、石油を奪取すると述べた。これは、アメリカの国庫を潤すための露骨な侵略行為(a naked act of aggression to benefit America’s coffers)だった。

もしあなたがカナダ人、ドイツ人、韓国人、あるいはメキシコ人なら、ミラーの言葉に恐怖を覚えるだろう。それはアメリカがオタワやベルリンに侵攻しようとしているからではなく、論理が変わった(the logic has changed)からだ。アメリカの力は、他国が受け入れることができるより広範な原則、民主政治体制、集団安全保障、ルールに基づく秩序(democracy, collective security, a rules-based order)のために使われるという主張はもはや存在しない。力には力に基づいた行動を取る権利がついてくるという主張だ。つまり、力があるから支配するのだ、という議論だ。これがまさに近隣諸国を不安にさせる大国の行動(great-power behavior)である。

トランプはこの作戦を正当化するためにモンロー主義(the Monroe Doctrine)を持ち出した。モンロー主義は1823年以降、反帝国主義的(anti-imperial)なもの、つまりヨーロッパによる西半球への植民地主義的な介入を阻止することを目的としていた(aimed at preventing colonial-style interventions by Europe in the Western Hemisphere)とよく考えられていたことを忘れてはならない。モンロー主義がラテンアメリカ全域へのアメリカの侵略を容認するものへと変化したのは、その後、特に1904年にセオドア・ルーズヴェルト大統領が同様の政策(President Theodore Roosevelt’s corollary)を採択したことによる。アメリカ帝国主義のこの栄華は長くは続かず、地域にとってもアメリカの評判にとっても良い結末にはならなかった。

過去40年間、共和党と民主党はラテンアメリカ地域に対する新たな超党派的アプローチを構築した。これはラテンアメリカ諸国が軍事政権から民主政治他一世へ移行する動きを後押しし、貿易・投資・制度改革支援を促進し、各国と連携して麻薬問題や移民問題に対処した。メキシコはこの転換の象徴だ。かつてワシントンへの深い不信感で定義づけられていた国が、密接なサプライチェインと日常的な法執行協力で結ばれた、アメリカにとって最も緊密な経済パートナーの1つとなった。(そして、21世紀の大半において、メキシコ人によるアメリカへの純移民数はほぼゼロに近い状態が続いている。)

メキシコ人による米国への純移民数はほぼゼロに近い状態が続いている。)

この数十年にわたり築き上げられた戦略的資本(strategic capital)が今、浪費されつつある。そして長期的には、国際舞台で完全なる利己的な捕食者のように振る舞うアメリカは強くなるどころか、孤立を深めるだろう。同盟諸国はヘッジし、パートナーは代替案を模索し、中立国は徐々に距離を置く。歴史が常に予見してきたバランシング(balancing)が遂に訪れるかもしれない。それはアメリカが弱体化したからではなく、自らの強さの真の源泉を忘れたからだ。

トランプ政権の志向は、アメリカをプーティンのロシアのように振る舞わせることにあるようだ。露骨に自国の利益を追求する攻撃的な国家として振舞う。そしてミラーが指摘するように、歴史の大半において強大国はそう行動してきた。アメリカを除いてはそうしてきた。アメリカは、紆余曲折と多くの過ちを伴いながらも、過去80年間にわたり異なる道を歩み、新たな世界を築き上げてきた。その世界が今、無謀にも解体されつつある。

※ファリード・ザカリア:CNN「ファリード・ザカリアGPS」司会者。著作も多く、最新刊は『』。『ワシントン・ポスト』紙に各週でコラムを掲載し、それは『フォーリン・ポリシー』誌にも掲載されている。Xアカウント:@FareedZakaria

(貼り付け終わり)

(終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 2014年11月18日夜、安倍晋三内閣総理大臣は記者会見を行い、2014年12月14日に衆議院議員選挙(総選挙)を実施するために、衆議院を解散すると発表しました。衆議院は明日、2014年11月21日に解散される予定です。

 

 2014年9月3日に第二次安倍改造内閣が発足した時点では、女性閣僚を多く起用し、「女性の社会進出の促進」「女性が輝ける社会」を訴え、大物の石破茂前自民党幹事長を地方創生担当大臣に起用するなど、アベノミクスと強硬な外交路線を堅持しながら鉄壁の布陣で進んでいくものと思われました。しかし、政治とカネの問題が起き、アベノミクスの効果が全く証明されない経済指標が次々と発表される中で、急激に「解散風」が吹き始め、ついに解散となりました。

 

 

 今回の解散ですが、どなたも仰っている通り、解散する理由も大義も全く存在しない選挙です。アベノミクスが正しいか間違っているかを国民に判断していただく、ということですが、これまでアベノミクスは途半ば、徐々に良くなっているということを繰り返してきた強気の安倍首相と安倍氏周辺の無能アホ政治家たちは、信念を貫いて任期までこのまま政権を運営しておけばよかったのです。それなのに途中で「念のため」(引き際を完全に間違った高村正彦自民党副総裁の言)に解散するなどと訳の分からないことになりました。

 

 ただ、消費税増税は2015年10月に予定していたものを2017年4月に先送りし、それ以上遅滞することなく、確実に行うということを安倍首相は発表しました。その時に経済状況を判断して、という付帯条項をつけることなく確実にやるということです。私たちは、この安倍首相の「公約」を大きな判断材料にして投票する必要があります。増税が良いのか、悪いのかを判断して、増税を主張している自民党の議員を国会に多数送り込んでしまえば、そのまま実施されるということをよくよく頭に叩き込んで投票所に向かう必要があります。

 

 安倍首相は勝敗ラインを「与党で過半数」と設定しました。現在が自公合わせて320ほどですから、80名近くの落選があっても「勝った」と言い切るつもりのようです。公明党は基礎票に少しのプラスだけですから大きな増減はないと思われますから、落ちてしまうのは自民党の当選回数の少ない若手政治家たちでしょう。彼らはダイエットで削られる脂肪のように、また炭火で焼かれる時に落ちる焼肉の脂身のように消えていなくなってしまうでしょう。2012年の自民党大勝に驕り、威張り散らしてきたかどうか、まじめに活動してきたのかどうか、ここで試されることになります。

 

 

 この消費税増税を決定しておいての解散の裏には財務省がいるでしょう。2012年12月の解散総選挙の時、当時のアホで間抜けの野田佳彦首相に解散しても民主党は100議席以上は確保して与党のままでいられますと進言し、結局政治家たちを騙し切ったのは財務省です。今回も安倍首相とその周辺のアホたちをうまく操ったのは財務省でしょう。

 

 そして、財務省の裏にはアメリカの影が見えます。現在のバラク・オバマ大統領は安倍首相が嫌いであることを国際会議など機会があるごとに示しています。逆に、2016年の米大統領選挙の有力候補者であるヒラリー・クリントン前国務長官は安倍首相が国連総会でニューヨークを訪問した時、女性の社会進出に関する公開討論会を行い、安倍首相を賞賛しました。ヒラリーも安倍首相は好きではないでしょうが、敵の敵は味方で安倍首相に肩入れをしたのです。

 

 現在のオバマ大統領があるのは、2008年の米大統領選挙で民主党の王朝ケネディ家が支援に回ったからです。そして、ケネディ家のお姫様から王女となり、現在は男性陣が若いこともあって仮の当主のような役割を果たしているキャロライン・ケネディ米駐日大使とオバマ大統領はしっかりとつながっています。


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オバマ大統領とキャロライン・ケネディ大使

 キャロライン大使はこれまでも安倍首相に対抗する動きを表面的ではないにしてもしています。私は今回の解散はアメリカ大使館の意向、もっと言うとオバマ大統領の意向も働いていると思います。国務省はヒラリー派が押さえていますからそういう動きはないでしょうが、全権大使であるキャロラインはオバマと直接話ができるのです。「前のブッシュ政権の時に好き放題やったジャパン・ハンドラーズのお蔭で、日本に変なのがたくさん出てきた。政界でも自民党が余りにも勝ち過ぎたのでアホが多くて困る。だから少しダイエットさせましょう」ということになったのだと思います。

 今の状況を人間の体に譬えると、自民党は太り過ぎてしまって、血液検査で血糖値(反韓反中)や尿酸値(太平洋戦争で日本は悪くなかった論)が上がり過ぎたので、ダイエットして、それを抑えるということなのだと思います。

 また、最近円安がどんどん進行していますが、アメリカのジェイコブ・ルー財務長官は過度な円安をけん制する発言を行いました。アメリカからすると過度な円安はドル高につながり、アメリカの輸出を増やそうとしているオバマ政権にとっては喜ばしいことではありません。ですから、アベノミクスが続く限り円安が続く訳ですから、アメリカとしては通貨政策の面からもアベノミクスにブレーキをかけたいという意向もあるのだと思います。

 安倍氏の立場になってみると、少し同情の余地があります。それは、自分は日本の総理大臣であり、日本は世界でも大国として遇されているのに、自分の思い通りにならないで、それどころか、「アメリカの気に入るように、ジャパン・ハンドラーズの言うことをきちんと守って来たのに」、騙されたり、ノセラレたりしながら、最後は首をかけるところまで来てしまったということです。都合の良い時は賞賛されて、いらなくなったらぽいっと捨てられてしまう、属国の指導者の悲哀を感じているのではないかと思います。

 

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「首相、21日の衆院解散と消費増税先送りを表明」

 

2014年11月18日 読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141118-00050126-yom-pol&pos=3

 

 安倍首相は18日夜、首相官邸で記者会見し、2015年10月から予定されている消費税率10%への引き上げを17年4月に1年半先送りするとともに、21日に衆院を解散する考えを表明した。

 

 首相は「国民経済にとって重い決断をする以上、速やかに国民に信を問うべきだ」と述べた。記者会見に先立ち、首相は関係閣僚に新たな経済対策の策定を指示した。衆院選は「12月2日公示・14日投開票」の日程で行われる。各党は12年12月以来2年ぶりとなる衆院選に向けて走り出した。

 

 首相は増税を延期する理由について、7~9月期の国内総生産(GDP)が速報値で2四半期連続のマイナス成長となったことを挙げ、「(4月の)3%分の税率引き上げが、個人消費を押し下げる大きな重しとなっている。来年10月からの引き上げは、個人消費を再び押し下げ、デフレ脱却も危うくなる」と述べた。「消費税を上げることで景気が腰折れすれば、国民生活に大きな負担をかける。税率を上げても税収が増えないのでは、元も子もない」とも語った。

 

 17年4月の再増税に関しては、「18か月(1年半)後にさらに延期するのではないかといった声があるが、再び延期することはない」と強調した。来年の通常国会で、増税の道筋を定めた社会保障・税一体改革関連法を改正する際、景気次第で増税を見送る「景気条項」を撤廃する方針も示した。財政健全化目標を維持するため、来夏までに新たな計画を策定する。

 

 衆院解散については、12年に民主、自民、公明3党の合意で増税を決めたことに言及し、「(増税先送りは)重大な変更だ。信を問うのは当然だ。景気を回復させ、賃金を上昇させていく。こうした政策を進めるためにも国民の理解が必要だ」と語った。「アベノミクスが正しいのか、間違っているのか。選挙戦を通じて明らかにする」とも述べた。

 

(新聞記事転載終わり)

 

(終わり)








 

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