古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:討論会

 古村治彦です。

 6月27日の大統領選挙候補者討論会が終わり、週末を過ぎて、各種世論調査の結果が出始めている。予想通り、トランプがバイデンを上回る数字が出ている。民主党が優勢の東部ニューハンプシャー州の最新の世論調査では、トランプがバイデンをリードしているという結果が出た。激戦州のペンシルヴァニア州でもトランプがリードという結果が出た。トランプが全体でリードしている。しかし、支持率の差が大きくないというところが気になる。
ニューハンプシャー州では2ポイント、ペンシルヴァニア州では4ポイントとなっている。トランプはどうしても嫌だという有権者が存在することを示している。

 これまで、討論会は民主、共和両党の全国大会が夏に開かれ、正式に候補者が決められた後、9月頃から複数回にわたって開催されるのが通例だった。今回は民主、共和両党の候補者が実質的に決まっていたこともあり、この早い段階での開催となった。討論会前まで、トランプがわずかだがリード、バイデンが追い上げるという展開だった。民主党、バイデン政権としては、今回の討論会で逆転の足掛かりをつかむはずだった。しかし、それはものの見事に失敗した。討論会の前に、「討論会を行うことが失敗だ。トランプに対して優位を見せつけること自体が難しい」という声があったが、この声が正しいことが証明されえる結果になった。

 バイデンとトランプの人物を対比させることで、バイデンを引き立たせようという目論見もあったが、トランプが意外におとなしかったが、元気を見せていたということで、これも空振りに終わった。

 民主党はバイデンで選挙戦を突っ走ろうという構えのようだ。これに対しては、党内からも怒りの声、批判の声が沸き上がるだろう。全国大会前に全国委員会で、バイデンを党の正式な候補者に決めてしまおうという動きが出ている。これを強行すれば、党大会で反対派が激しい抗議活動を行い、1968年のシカゴでの全国大会と同じような混乱となるだろう。奇しくも今年の民主党全国大会もシカゴで開催される。流血の混乱が再び発生するかどうか注目される。

(貼り付けはじめ)

トランプとの討論会がターニングポイントとなることをバイデンは求めている(Biden seeks turning point in debate vs. Trump)

アレックス・ガンギターノ、アル・ウィーヴァー筆

2024年6月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4732184-biden-trump-first-presidential-debate/

ジョー・バイデン米大統領とドナルド・トランプ前大統領が木曜日の討論会のステージで激突する。今回の討論会は、ホワイトハウスを目指すレースにおいて、極めて重要な瞬間となるだろう。

有権者の間での熱意は低いにもかかわらず、連邦議員や専門家たちは、アメリカ国民は木曜日の討論会に大いに注目するだろうと予測している。より良いパフォーマンスを見せた人物が、レースが最終段階に進むにつれて大きな勝利を掴む可能性がある。

両候補ともに、年齢や性格に関連した問題から、公職に適しているかどうかについて有権者からの深刻な疑問に直面している。各激戦州の世論調査でトランプにリードされているバイデンは特に、形勢を変える瞬間を必要としている。

シェリー・ムーア・カピト連邦上院議員(ウェストヴァージニア州選出、共和党)は、「非常に重要になると思う」と語った。

カピト議員は、「私たちは他の候補者たちでもこのようなことを見てきた。質問に正しく対処できなかったり、発言を間違えたりする。あなたの答えはかなり重大なものなので、これはかなり一か八かの賭けになる」と述べた。

バイデンとトランプは木曜日の討論会参加資格の要件を正式に満たした。独立候補のロバート・F・ケネディ・ジュニアは資格を逃し、最初の討論会はまさに2020年の大統領選挙候補者討論会の再現となった。

バイデン(81歳)とトランプ(78歳)が世論調査ではほぼ互角の状態で討論会に臨むことになり、この討論会の重要性を際立たせている。

「超党派政策センター」の大統領史専門家テヴィ・トロイは、今回の討論会に対するアメリカ人は熱意が低いが、各候補者の精神的な適性を判断することに人々は注目するだろうと述べた。

トロイは、「たとえ人々が候補者たちに熱意を示さなかったとしても、ステージ上で破綻(meltdown)が起きないかを見たいのだ。そして、破綻には2つのタイプがあると考えられる。トランプが怒りによって破綻する可能性があり、バイデンは年齢によって破綻する可能性がある」と述べた。

木曜日の大統領選挙候補者討論会は、1984年以降では、大統領選挙候補者討論委員会が主催しない初めての討論会となる。そして、今回よりも前となると、1960年に委員会が創設されて以降で、9月下旬まで本選挙のテレビ討論会が開催されたことはなく、木曜日の会談はまさに未知の領域での出来事となり、バイデンとトランプの再戦がどのようになるか、人々に疑問を抱かせている。

ティム・ケイン連邦上院議員(ヴァージニア州選出、民主党)は「それは未知数だ」と述べ、期日前投票(early voting)のせいで、討論は予定より早い時期に進められることになったと付け加えた。ケイン議員は、ヴァージニア州では9月中旬に期日前投票が始まる数か月前に、知事選挙と上院議員選挙の討論会が7月に開催されると指摘した。

ケイン議員は続けて、「10月に討論会を開くのはあまり意味がない。期日前投票を行う州に合わせて、カレンダーを早める必要がある」と述べた。

また、来週と9月の2回しか、討論会が開催されないという事実からも関心が高まっていると指摘する人たちもいる。副大統領討論会も開催される予定だが、その重要性は、最も重要なイヴェントに比べると通常は薄れる。

ジョー・クロウリー前連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、「候補者が2人しかいないこと、そして両候補の心構えについての議論や話を考えると、人々はバイデンのパフォーマンスを見たい、トランプがどれだけクレイジーになるかを見たいと考えていると思う。したがって、今回の討論には、大きな関心が集まるだろう」と語った。

ニューヨークの口止め料裁判(hush money trial)で、トランプ前大統領が有罪判決を受けた後も、バイデンはトランプに対して、数字を詰めることができておらず、必要とされている世論調査の伸びを得なければならないという圧力を受けて討論会に臨む。エマーソン大学とザ・ヒルの共同の最新世論調査では、判決を受けて以降、主要な激戦州ではトランプが僅差でリードしており、ディシジョンデスクHQとザ・ヒルの各世論調査集計によると、トランプ前大統領がバイデン大統領を0.6ポイント上回っているということになっている。

CNNのヴァン・ジョーンズは木曜日、今回の討論会はバイデンの負けであり、選挙全体を左右する可能性があると主張した。

ジョーンズは次のように述べている。「私に関する限り、これが選挙の全てだ」と彼は言った。「なぜなら、バイデンが外に出て失敗したら、ゲームオーヴァーだからだ。彼がその場を去って、1週間後に世論調査で数字が下がったら、党内はパニックになる。しかし、もし彼が討論会に参加して、暴走列車、機関車、荒れ狂う雄牛のドナルド・トランプに対して自分自身をうまくコントロールして対処できるならば、バイデンには再び大統領になる資格があるということになる。なぜなら、そのような行動は困難であるからだ」。

視聴者数については賛否両論あり、カピト議員のように、2016年のトランプ大統領とヒラリー・クリントン元国務長官の初討論に匹敵するほどの「大勢の聴衆(huge audience)」が集まると予想する人もいる。

トロイのように、TikTokやソーシャル・プラットフォームXなど、アメリカ人が討論会の良いところにアクセスできる他の方法があるため、他の討論会に比べて数字が低い可能性があると主張する者もいる。

トロイは、「今、素晴らしい瞬間があるとか、失言(gaffe)があるとか、破綻があるなどすれば、たとえ生で見ていなくても、誰もがソーシャルメディアを通じてそれを見ることができる。たとえ視聴者数が少なくても、リーチはより大きいと思う」と述べた。

有権者の考え方を変えるという点での討論会の重要性については、政界でも決着のついていない議論があり、専門家たちは、歴史の主要部分となった討論会もあれば、選挙サイクル全体の中では大失敗に終わった討論会もあると指摘している。

前述のトロイは「議論会が実際にどれほどの頻度で重要になったかという一般的な疑問がある。レースには、レースで何が起こるかを決定する構造的な要素があり、討論会で物事を変えることができるだろうかと疑問に思っている」と述べている。

トロイは、ミット・ロムニー連邦上院議員(ユタ州選出、共和党)が2012年にオバマ前大統領との初討論会で素晴らしい勝利を収めたが、結局その選挙戦では敗北したと指摘した。一方で、ロナルド・レーガン元大統領がウォルター・モンデール元副大統領の「若さと経験不足(youth and inexperience)」に「付け込む(exploit)」しないと発言して話題となった1984年の討論会など、討論会が重要な時期は他にもあった。

それにもかかわらず、木曜日の討論会は民主、共和両党の全国大会に先立って行われる、選挙戦にとっての最初の重要な瞬間であることに変わりはない。

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は本誌に次のように語った。「今回の討論会は大きい。見られることを喜んでいる。私たちは両党の候補者が誰になるかを知っている。彼らに直接対決させるのは良い試みだ。私は全面的にそれに賛成だ。良いことだと思う。彼らに議論してもらい、それを見ることにしよう」。

ウォーレン議員は、早期のイヴェントは「誰もが、ドナルド・トランプがドナルド・トランプであることを間近で見る機会」を与えることになるので、バイデンの再戦にとって有益だと主張した。

「それが今度の選挙で最大の争点になると思う」とウォーレンは語った。

ウォーレンは続けて「この2人がどのような人物なのか、もう一度皆さんに思い出して欲しい。それがこの討論会で明らかになるであろうものであり、まさに彼らが芯の部分でどのような人物なのかということが分かるだろう。私はこれについてかなり楽観している」と述べた。

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ロバート・F・ケネディ・ジュニアはCNN主催の討論会のステージに立てず憤慨(RFK Jr. lashes out after failure to make CNN debate stage)

ジュリア・ミュラー筆

2024年6月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4731707-rfk-jr-lashes-out-failure-make-cnn-debate-stage/

ロバート・F・ケネディ・ジュニアは木曜日、6月27日の討論会がジョー・バイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領の直接対決になるとCNNが発表したことを受けて、激しく非難した。CNNは、無所属のホワイトハウスに向けたレースの有力候補をステージから外した。

ケネディは陣営の発表した声明の中で、「バイデン、トランプ両大統領は、私が討論会の舞台に立つことを望んでおらず、CNNは彼らの要求に不法に同意した。バイデン大統領とトランプ大統領による私の討論会からの排除は非民主的で、非アメリカ的で、卑劣だ」と述べた。

バイデンとトランプだけが、大統領選挙のサイクルの最初となる来週の大統領討論会への正式な出場資格を獲得したとCNNは木曜日に発表した。

ケネディはこの討論会の参加資格獲得を目指して奔走していたが、期限を前にして、バイデンとトランプが既にクリアしている、世論調査と代議員数の基準を達成する可能性は低いと見られていた。

CNNは、ジェイク・タッパーとダナ・バッシュが司会をする、今回の討論会に参加する条件として、候補者が4つの全国世論調査で15%の支持を獲得し、総選挙人投票数270(大統領当選に必要な最低数)を獲得するのに、十分な場所(全州とワシントンDC)に宣言された候補者として登場することを要求した。無所属として、ケネディは各州で投票用紙に名前を記載してもらえることに関して、上り坂を経験してきた。

ケネディは、CNNがバイデンとトランプと「共謀(colluded)」して、ケネディをステージから遠ざけたと主張して、連邦選挙委員会(FEC)に告発状を提出しており、ケネディ陣営は木曜日、CNNのバイデンとトランプの討論会は「明らかな連邦選挙法違反()a clear violation of federal law」であるとの主張を繰り返した。

ケネディ陣営は木曜日に声明を発表し、その中で次のように述べている。「もし討論会がケネディなしで進められた場合、ケネディ陣営は、このような非民主的で非アメリカ的な(undemocratic and un-American)行為が今後二度と起こらないようにするため、この違法行為に対する裁きを得るために必要な限り、この問題を追及するつもりである」。

本誌は、ケネディ大統領の発言についてCNNにコメントを求めた。

それぞれの党の候補者とされるトランプとバイデンは、来週、2020年の選挙戦の再選を行う予定となっている。前回の選挙戦での2人の候補者間の討論は、侮辱、中断、司会者との衝突によって特徴づけられた。

ABCは9月10日に第2回討論会を主催する予定だ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 大変遅くなったが、2回目(予定では3回目の)のアメリカ大統領選挙候補者討論会についての記事をご紹介する。

 私は「またトランプ大統領がやりたい放題で、途中でマイクの音を切られて怒って退席するんじゃないか」と考えていた。しかし、これは浅慮であり、短慮だった。トランプ大統領はバイデン前副大統領の発言を遮ることはほぼなく、司会者のクリステン・ウェルカーにも丁寧に接し、感謝の言葉さえ述べた。不良がちょっと良いことをすると、何かとてもよいことをしたように感じられる、あれと同じだ。もしくは、織田信長が舅の斎藤道三と会見するときの様子と同じだ。いつでもどこでも一本調子のバイデンに比べて、これで評価が高くなったと感じた。

 バイデン前副大統領は自分のキャラクターにはない姿を見せようと躍起になっていた。彼は何度も「カモン」を連発していたが、相手を攻撃し、激しい言葉を使う、ああいう姿は彼のキャラクターに合っていない。

 私が驚き、印象に残ったのは、トランプ大統領が何度か、バイデンの発言を聞きながら、うなずいたことだ。反対の意思を示す時は顔の表情を変えたり、首を振ったりしていたので、彼はバイデンの発言内容で考えに合う部分には同意を示していた。バイデンがトランプ大統領の発言内容に同意を示すようなことはなかった。トランプ大統領のうなずきを見ながら、私は、アメリカで今出現している「分裂」について考えざるをえなかった。

 現在のアメリカの分裂は、トランプ大統領が引き起こしたという論調だ。しかし、果たしてそうなのだろうか、と私は疑問を持つ。そもそも分裂が先にあり、その結果としてトランプ大統領が当選したと私は考えている。しかし、もっと言えば、民主党側の党派的な利益と狭量さのために、分裂を演出しているのではないか、と考えるようになった。

 副大統領候補者討論会の最後で、司会者が子供からの「どうして激しくいがみ合うのか」という質問が紹介された。ペンス副大統領は「激しく論戦を戦うのは共にアメリカのことを思ってのことで、終われば仲良くするんですよ」と答えたが、カマラ・ハリスは最後までバイデンの名前を繰り返すだけで、ペンスのような素晴らしい答えをすることはなかった。

 最後の討論会の勝者はトランプ大統領だと私は判定する。そして、選挙までの最後の日々、支持率にどのような影響を与えるかを注意深く見たいと思っている。既に討論会の効果は出始めている。

(貼り付けはじめ)

トランプ・バイデンの最後の討論会の5つのポイント(Five takeaways from the final Trump-Biden debate)

ナイオール・スタンジ、ジョナサン・イーズリー筆

2020年10月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/522398-five-takeaways-from-the-final-trump-biden-debate

火曜日の夜、トランプ大統領とジョー・バイデン前副大統領は激しくも統制の取れた討論会でぶつかった。今回の討論会は11月3日の投開票日に向けて、有権者たちに候補者の考えを示す最後の機会を与えることになった。

トランプ大統領は先月末のクリーヴランドでの1回目の討論会で破壊的な姿勢を示したが、共和党関係者は選挙の結果に悪影響を与えるのではないかと懸念を持った。

討論会で何度も衝突があった。候補者たちはお互いに家族、人種、移民について激しい攻撃を行った。

2020年大統領選挙の最後の討論会のポイントについて書いていく。

(1)トランプ大統領はトーンを変えた(Trump changed his tone)

トランプ大統領は火曜日夜に最高の態度を見せた。

今月初めの討論会での破壊的なパフォーマンスによって有権者たちの多くはテレビのスイッチを消したことだろう。しかし今回の討論会では、バイデンの発言に割り込むこともほとんどなく、司会者のNBCニュースのクリステン・ウェルカーに対して丁寧に接した。

大統領選挙候補者討論会運営委員会は全く別の結果になるだろうと考えて準備していた。委員会は、一人の候補者が直接受けた質問に対して答えをしている間に別の候補者に割り込まれないようにするため、それぞれの候補者のマイクの音声を着ることができるようにしていた。

トランプ大統領は今回の討論会でバイデンに対してより多くの時間を話させる心づもりだったようだ。トランプ大統領のアドヴァイザーたちが望んだ戦略はバイデンを混乱させるか、失言をさせようというものであった。

しかし、そのようなことは起きなかった。バイデンが明らかに動揺している場面もあったが、力強く反撃をしている場面もあった。国境で不法移民の親と子を強制的に離れ離れにさせるトランプ政権の政策に対しては声を震わせ感情をあらわにし反応した。

しかし、全体を通して、トランプ大統領の前回に比べて穏やかな態度はトランプ大統領に対する評価を上げることに貢献した。

トランプ大統領はより洗練され、良く準備をしているように見えた。彼はまたリラックスしているようにも見えた。それでも、バイデンが長年職業政治家としてワシントンにいたことや刑法改正への支持を取り上げて激しく攻撃した。刑法改正によってアフリカ系アメリカ人の投獄数がかなり増えることになった。

1回目の討論会はトランプ大統領の評価を下げることにあり、共和党の幹部たちは水面下でパニックに陥った。

共和党の連邦議員たちは今回の討論会を受け、自分たちの選挙の結果について少し楽観的になれることだろう。しかし、各種世論調査の結果では、共和党の連邦議員たちは11月3日において大量落選する危険性に直面している。

(2)両候補者がパンチの応酬(Both candidates landed punches)

火曜日の夜、候補者それぞれが相手を押し込む場面を作った。それぞれの党を応援している人たちが自分の応援している候補者が明らかに勝利したと主張するのは当然のことだが、どちらに投票するか決めていない有権者にとって、今回の討論会でどちらが明確に勝利したかを決めるのは難しい。

いくつかの両者の違いが際立っている重要な分野において、引き分けであった。

例えば、新型コロナウイルス感染拡大について、バイデンはトランプが責任を取ることに失敗し、アメリカ国内で多くの死者を出したと攻撃した。しかし、トランプ大統領は、いつもに比べてより的を絞った形で防御し、ヨーロッパ諸国の多くが新型コロナウイルス感染拡大を経験していること、そして、バイデンと民主党がより広範囲な閉鎖(シャットダウン)を望んでいると述べた。

トランプはバイデンについて「彼が言っているのは閉鎖ということだけです」と述べた。

トランプはバイデンに対して、息子ハンター・バイデンとハンターのビジネスについて圧力をかけようとした。しかし、バイデンは何も間違ったことはしていないと否定し、トランプ大統領が税金還付書類を提出していないことに言及し、大統領からの攻撃をかわした。

このパターンは火曜日の討論会で何度も繰り返された。討論会はトランプ大統領の基準ではあるが、極めて真っ当な討論会となった。

共和党と民主党は共に自分たちの候補者たちの最高の瞬間に集中するだろう。ボクシングの言葉で言えば、両者は堅実なジャブを当てたが、ノックアウトパンチは出せなかった。

(3)トランプはバイデン一家を追いかけている(Trump goes after Biden’s family)

トランプ大統領はバイデン一家と彼のお金関係にスポットライトが当たるようにさせようとした。これは討論会が始まるずっと前に既に始まっていた。

トランプ大統領は討論会の会場にトニー・ボブリンスキーを特別に招待した。ボブリンスキーは元米海軍大尉で、ハンター・バイデンの海外でのビジネスの会計を管理していた時期がある人物だ。

ボブリンスキーは関係書類をFBIと連邦上院国土安全保障・政府問題委員会に提出するだろうと述べている。これらの書類はバイデンが副大統領としての政治的な影響力を利用して、ハンターの海外とのビジネス契約を締結させたことを示すものだと述べている。

メディアはこの疑惑を注意深く取り扱っている。トランプ選対は、ボブリンスキーが討論会の前にナッシュヴィルで発言ができるように調整することで、メディアが報じざるを得ないようにさせようと試みた。

トランプ大統領はとにかくどんな問題でも良いからバイデン一族に焦点が当たるように仕向けた。

バイデンは疑惑を否定し、外国からのお金は一銭ももらっていないと述べた。更に、彼の息子がやったことは全くもって公正なことであった、疑惑を持ち出しているのはロシアによる欺瞞情報作戦の一環だ、とも述べ、トランプ大統領自身の外国でのビジネスと税金の還付について人々の注意を向けさせようとした。

バイデンはカメラを見つめて「大事なことは、彼の家族や私の家族についてではなく、これをご覧になっている、皆さん自身の家族についてです。中流階級のご家庭ならば、今大変な状況を過ごしておられることと思います」と述べた。

バイデン一家に対する注目は終わっていない。トランプ大統領は11月3日の投開票日までの最後の戦いでバイデン一家についての問題を中心的なテーマにする意向であることは明らかだ。

共和党の幹部の中にはトランプ大統領のハンター・バイデンを手掛かりに攻めるという戦略について疑義を呈している人たちがいる。この人たちは、有権者は、雇用、経済、医療、新型コロナウイルス感染拡大について懸念を持っているのであり、ハンター・バイデンのビジネスについてではない、と主張している。

しかし、トランプ選対は、バイデンの好感度を下げるためにバイデンの性格やキャラクターについての疑問を呈することが必要だと確信しているようだ。各種世論調査では、2016年のヒラリー・クリントンに比べて、バイデンの方が好感度が高いという結果が出ている。

(4)クリステン・ウェルカーは司会者として輝いた(Kristen Welker shone as moderator)

今回の選挙期間中の討論会の司会者たちは火曜日の夜まで素晴らしい時間を持てなかった。

フォックス・ニュースのクリス・ウォレスは1回目の討論会でコントロールができなかったと評価された。『USAトゥディ』紙のスーザン・ペイジは副大統領候補討論会で受け身過ぎだったと批判された。C-SPANのスティーヴ・スカリーは予定された2回目の討論会での司会をすることすらできなかった。スカリーは批判を受けたツイートについてハッキングされたものだと嘘をついたことでC-SPANはネットワークへの出演できなくなった。スカリーがネットワークへ出演できなくなったのは、トランプ大統領の新型コロナウイルス陽性が判明した後、討論会が彼とは関係ない理由でキャンセルとなった。

NBCニュースのウェルカーは討論会開催以前の期間、トランプ大統領から攻撃を受けた。

実際、ウェルカーはSNS上で幅広い評価を受けた。最後の討論会の司会ぶりで、ステージ上でもトランプ大統領自身からさえも評価された。

ウェルカーは討論がきちんと続くようにし、候補者たちが数々の政策で考えを述べるようにさせた。しかし、彼女は自身の存在を目立たせようとはせず、討論会のスターになろうとはしなかった。

ウェルカーはスムーズにかつプロフェッショナルなパフォーマンスを行った。大きなプレッシャーがある中で彼女のパフォーマンスは印象的なものであった。

(5)トランプ大統領は十分にやったか?(Did Trump do enough?)

トランプ大統領のパフォーマンスは称賛を受けるだろう。特にトランプ大統領が極端に攻撃的な姿勢を見せることで、連邦議員選挙で共和党が議席を減らすだろうという懸念を持っている共和党幹部たちからは称賛を受けている。

しかし、トランプ大統領が大統領選挙の流れを変えるだけのパフォーマンスができたかどうかは疑問である。

トランプ大統領はリアルクリアポリティックスが出している全国規模の世論調査の数字の平均で、バイデンから8ポイントの差をつけられている。また、全ての激戦諸州でもバイデンにリードされている。

ナッシュヴィルでの討論会では、選挙戦を根本的に変化させるような瞬間を見ることはなかった。

より穏やかなかつ人間的な態度を取ったというだけで、トランプ大統領は1回目の討論会に比べて評価が高かった。大統領は末子のバロン君の新型コロナウイルス陽性についても言及した。

トランプ大統領が討論会の後半でバイデンについて、職業政治家として何十年も解決すると人々に約束し続けた問題が残っていることを指摘すれば、バイデンはトランプ大統領に対して感情的になって声を荒げるはずだった。

しかし、バイデンは大きな失言をしなかった。トランプ大統領はバイデンの失言を必要としていた。トランプ大統領が示した能力全てをもってしても、彼の支持率を引き上げることはできると考える理由は存在しない。

討論会終了直後に「クック・ポリティカル・レポート」のチャーリー・クックは次のようにツイートした。「トランプ大統領にとっての良いニュースは何かって?1回目の討論会の時と違って、彼は誰も傷つけなかった。悪いニュース?彼は10ポイントも引き離され、その状況を変えることはできなかった。選挙戦の情勢は変化なしだ」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 2020年10月15日(日本では16日)に、2階メイの大統領選挙候補者討論会がフロリダ州マイアミで開催予定だった。前回は司会者が候補者一対一の討論を仕切る形式であったが、2回目はタウンホールミーティング形式で実施される予定だった。タウンホールミーティング形式とは舞台上に候補者がおり、聴衆から質問を受けて答えるというスタイルだ。

 しかし、10月上旬にドナルド・トランプ大統領とメラニア・トランプ夫人の新型コロナウイルス陽性反応という診断が出て、それ以降もホワイトハウスの高官たちの間で陽性者が出たこともあり、討論会運営委員会はヴァーチャル形式の討論会に変更予定という発表を行った。これに対して、トランプ大統領がそのような形式変更ならば討論会に出席しないと反発し、民主党のジョー・バイデン前副大統領は当初は出席意向だったが、トランプ大統領が出ないならば、自分も同日の別のイヴェントに出るということを表明していた。

 結局のところ、最終的に大統領候補者討論会運営委員会は2回目の討論会の中止を発表した。

 大統領候補者討論会運営委員会には元連邦議会議員などがメンバーで入り、民主党と共和党が同数の委員を出している。名誉議長には存命中の大統領経験者たちが就任する。この人たちは実質的には何もしていないだろうから、委員会の幹部会が重要な決定をしているだろう。

 1996年の大統領選挙で共和党の候補者となったボブ・ドール元連邦上院議員(カンザス州選出)がツイッターで、運営委員会が偏っている、運営委員会に参加している共和党側の委員が誰もトランプ大統領を支援していない、という投稿をした。

 運営委員会の委員になるような共和党側の元政治家はトランプ大統領を支持していない。トランプ大統領は共和党所属であるが、共和党内部の既存の政治家たちからは嫌われている。そのことが如術に表れている。トランプ大統領は既存政治に対するアメリカ国民の不満に乗って当選した。従って、共和党内部の主流派、エスタブリッシュメントもまた敵となる。そうした中で大統領選挙を戦わねばならない。

 トランプ大統領は討論会で混乱を招いており、敷衍していれば、トランプ大統領がアメリカ社会に分裂と混乱を招いている。そのような主張の先に、今回の討論会中止がある。これに対して私が言いたいのは、トランプ大統領がアメリカに分裂と混乱をもたらしたのではない、アメリカの分裂と混乱がトランプ大統領を生み出したのだ、ということだ。

(貼り付けはじめ)

討論会運営委員会は10月15日のトランプ・バイデン討論会を中止(Debate commission cancels Oct. 15 Trump-Biden debate)

ジョーダン・ウイリアムズ筆

2020年10月9日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/520448-debate-commission-cancels-oct-15-debate

大統領選挙候補者討論会運営委員会(CPD)は10月15日に予定されていたトランプ大統領と民主党候補者のジョー・バイデンとの間での2回目の討論会を正式に中止した。この決定は、両候補者が共に討論会の形式についての論争が起きている中で、討論会開催予定日の別のイヴェントに出席する計画であることを示唆した後で発表された。

トランプ大統領が新型コロナウイルス陽性という結果を受けての医療面からの懸念から討論会運営委員会が討論会をヴァーチャル形式に変更するという計画を立てそれに対してトランプ大統領が拒否を表明したことで、「次週の討論会は変更された形で実施されるのかどうか」という懸念と論争が起きた。今回の中止決定発表はこうした論争に終止符を打った。

バイデン選対は最初討論会に参加する意思を継続して持っていると主張していたが、木曜日午後になって、トランプ大統領がヴァーチャル形式の討論会に参加しないということになり、バイデン選対はABCニュースが主催するペンシルヴァニア州でのタウンホールミーティング形式のイヴェントに出席する計画であることを発表した。

金曜日夜に大統領選挙候補者討論会運営委員会は声明を発表し次のように述べた。「10月15日に討論会が開催されないということは明確だ。そして、討論会運営委員会は10月22日に開催予定の最後の大統領候補者討論会の準備に関心を向けている」。

運営委員会は10月22日に予定されているテネシー州ナッシュヴィルにあるベルモント大学での討論会は開催予定であり、開催にあたっては医療的安全について考慮し、コロナウイルス対策ガイドラインを遵守すると述べている。

トランプ選対は来週開催予定の討論会は元々の計画通りに人々が出席しての形式にするようにとこれまでずっと主張してきた。しかし、先週になってトランプ大統領の新型コロナウイルス陽性という診断が下され、それ以降にトランプ大統領が陰性になったという検査結果の証明が出ていないことで、運営委員会の担当者たちは人々が出席する形での討論会の開催に疑問を呈してきた。

トランプ選対の広報担当ティム・マータウは本誌のコメント依頼に対して次のように答えた。「10月15日にマイアミで開催予定の討論会を中止する医療的な理由は存在しません。それは大統領が既に健康であり、討論会の準備ができているからです。ジョー・バイデンが元々同意していたように、大統領選挙候補者討論会を3回もすべきではないなどと考える理由は存在しません」。

マータウは続けて次のように述べている。「バイアスのかかった委員会がバイデンを守り続けることを止めるべきです。そして、大統領選挙の候補者2人の言葉を有権者が聞くことを妨げることを止めるべきです」。マータウは更に選挙戦は、「委員会の割り込みなし」にバイデンとの討論会がなされるようにすべきだとも述べている。

本誌はバイデン選対にコメントを求めているところだ。

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ボブ・ドールは委員会に属する共和党員たちが誰もトランプを支援していないと主張(Bob Dole claims no Republicans on debate commission support Trump)

ジョーダン・ウイリアムズ筆

2020年10月9日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/520442-bob-dole-claims-no-republicans-on-debate-commission-support-trump

共和党所属の連邦上院議員(カンザス州選出)であったボブ・ドールは金曜日、ツイッターに投稿し、大統領選挙候補者討論会運営委員会の共和党側委員は誰もトランプ大統領を支援していないと主張した。

ツイッターへの投稿は次のようなものだ。「大統領選挙候補者討論会運営委員会は超党派であり、共和党側と民主党側の委員が同数所属している。私は委員会に属する共和党側の委員全員を知っており、そのほとんどは友人だ」。ドールは続けて、委員の誰もトランプを支援していないことを憂慮していると述べた。「バイアスがかかった討論会運営委員会は不公平だ」。

ドールのツイートは、トランプ大統領と側近たちが繰り返し委員会を非難している中で投稿された。大統領たちは、委員会は無党派であると述べているが、実際には民主党の候補者ジョー・バイデンを助けようとしていると非難している。こうした主張は、これから実施される予定の大統領選挙候補者討論会においていくつかの変更を委員会が実施しようとしている中で、起きている。

運営委員会の役員会議には共和党所属で連邦上院議員を務めたジョン・ダンフォース(モンタナ州選出)とオリンピア・スノウ(メイン州)が含まれている。存命中の大統領経験者は全員が名誉共同議長となっている。

トランプ大統領は木曜日、運営委員会が10月15日の討論会をヴァーチャル形式にするという決定について、これはバイデンを守るためのものだと述べた。今回の決定はトランプ大統領の新型コロナウイルス陽性の中でなされたものだ。

トランプ選対の責任者ビル・ステピエンもまた木曜日の決定を批判した。彼は「ジョー・バイデンを必死に守ろう」とするための「病的な」試みだと発言した。

最初の討論会でバイデンと司会者だったクリス・ウォレスに繰り返し割り込んだことを受け、運営委員会はより秩序立たせるために変更をしようとしているが、それを受けて、トランプ選対はこうした主張を繰り返してきた。トランプ選対は運営委員会がこうした変更をバイデンのためにやっていると非難している。

この時、ステピエンは、運営委員会は非党派の組織ではない、なぜなら委員会のメンバーの一定数が民主党側に肩入れし、トランプ大統領に対する批判を表明しているからだ、と主張した。

トランプ選対の上級顧問ジェイソン・ミラーは様々な変更は「単純にバイデン選対とバイデン選対を支援する運営委員会のメンバーたちによって進められた」と述べている。

本誌はバイデン選対にコメントを求めている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 ドナルド・トランプ大統領とメラニア夫人が新型コロナウイルス陽性反応で自主隔離、トランプ大統領は軽い症状が出てウォルター・リード陸軍病院に入院し、大統領として病院で執務を行うというニュースが駆け巡った。このことについては後ほど、記事をご紹介するが、今回は大統領選挙第1回討論会についての記事をご紹介したい。このことはすっかり吹き飛んでしまったようではあるが、かなり異例な討論会であったことは間違いない。

 2020年大統領選挙の民主、共和両党の候補者による第1回討論会がオハイオ州クリーヴランドで開催された。90分間の討論会は、プロレスの試合だった。

年齢の高い人たちにしか分からないたとえになって恐縮だが、ジャイアント馬場対タイガー・ジェット・シン(アブドラ―・ザ・ブッチャーでも可)のベルトをかけた試合で、シンが最初から大乱闘で、ジャイアント馬場は何とかルールを守って試合をしようとするも、シンの狂気攻撃で流血し、最後は怒って場外乱闘、両者リングアウトで無効試合、というところだった。どちらが勝った、負けたということは言えない試合だった。

確かに多くのテレビ局で討論会後に視聴者にアンケートを実施し、CNNでは「68%対27%」、CBSでは「48%対41%」でバイデン勝利ということになった。混乱を招いたのはトランプということで、そういう判定になったのだろう。
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トランプが場外乱闘を仕掛けてくるのは明白であり、それに対して、バイデンが冷静に対応しようとしていることは明らかだった。トランプはバイデンを苛立たせて失言を引き出そうとしたが、これはうまくいかなった。

バイデンはいわゆるカメラ目線で、有権者に語り掛けるという方式を取った。私はこれに対して違和感を持った。発言の際に何度も下を向いて原稿を確認するということが繰り返され、その間にトランプに割り込みを許していた。私にはバイデンの姿が弱弱しく映った。「いじめられっ子の優等生対いじめっ子のガキ大将」という構図で、バイデンの弱さが際立つことになってしまった。カメラ目線は何か救いを求めるような姿に映った。「クラスメイトのみんな、助けてよ」という風に。これで弱さが際立つことになってしまった。
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 面白いことに、アメリカ国内のスペイン語放送専門チャンネル「テレムンド」のアンケートでは、今回の討論会の勝者はトランプという判定の方が多かった。これは、バイデンの弱さを見て取った、スペイン語を話す視聴者が多かったということになる。バイデン陣営は、スペイン語話者を含む(ヒスパニックと呼ばれる)、ラティーノ系への働きかけを強めているが、テレムンドのアンケートの結果はバイデン陣営にとっては歓迎できないものである。

 CBSテレビは討論会の視聴者に対して「どのように感じたか」という質問をしたところ、69%が「イライラした(annoyed)」、31%が「面白かった(entertained)」、19%が「悲しかった(pessimistic)」、17%が「情報が多かった(informed)」という結果が出た。
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 「面白かった」「悲しかった」という反応は私が感じた反応そのままである。そもそも討論会だと思うから間違いで、プロレスの試合なのだと思えば、面白いという反応は当然に出てくる。また、悲しかったという反応も、いろいろなことを考えればそう思うだろうなということになる。こんな人たちしかアメリカ大統領になれないのか、国内問題だけを語るだけで、アメリカの世界唯一のスーパーパワーの矜持はどこに行ったのか、という思いを持った視聴者も多かったことが推察される。

私は、討論会を見ていて、「アメリカも終わっていくなぁ」という感想を持った。まず、討論会のテーマに外交も防衛も貿易も入っていなかった。全てが国内問題であった。アメリカは世界の超大国であり、アメリカ大統領は世界の指導者のはずだ。しかし、アメリカ以外の国々に住む人々に何もメッセージを発することができなかった。

また、数多くの人々が選挙戦に参加して、残り2人の候補者となった訳だが、この2人の70代の高齢者たちが元気なのは結構なことだが、何ら生産的な行為も出来ていないということはどういうことだ、民主党側はもっとましな候補者を立てることができなかったのか、ということを思えば、こりゃ駄目だ、ということになった。

もし私がアメリカ国民ならば、今回は棄権しただろう。アメリカ国民以外の日本人としてならば、トランプ大統領の方がまだまし、と考えている。しかし、自分がアメリカ国民ならば、「こんな人たちしか大統領になれないのか」と思えば、悲しさと呆れで棄権してしまうだろう。CBSの調査で「悲しかった(pessimistic)」と答えた19%に私は同調する。

今回の大統領選挙では全米各地の投票所や開票所では、トランプ支持派と反対派が集まって、小競り合いや衝突が起きるだろう。そのために軍隊まで派遣されるということになるだろう。アメリカはデモクラシー(民主政治体制)の理想を世界に輸出するという使命を自認してきた。しかし、その本家本元で衝突というような事態が起きれば、アメリカの掲げた理想は崩れてしまう。

「デモクラシーは最善ではないが、次善の体制だ」という理念が壊れた先に何があるのか。中国の姿がますます大きく見える。20世紀末、「歴史の終わり」という議論で、「民主政治体制と資本主義が最終的に勝利した」という主張が華々しかった。あの時代は幸せだったのだとノスタルジーを感じている。民主政治体制も資本主義も変化し、衰退し、崩れ去っていく運命にあるのだろう。

(貼り付けはじめ)

トランプ対バイデンの討論会での衝突についての5つのポイント(Five takeaways from Trump-Biden debate clash)

リード・ウィルソン筆

2020年9月30日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/518893-five-takeaways-from-trump-biden-debate-clash?__twitter_impression=true

トランプ大統領とジョー・バイデン前副大統領との間の耳ざわりで無秩序な衝突は、アメリカ国民に対して、自分の選択肢について検討するための第1回目の機会となった。ホワイトハウスをめぐる戦いは現在までのところ、安定的に推移してきている。

コロナウイルス感染拡大のために、両者はぎこちない、そしておそらくやりたくない握手をしなくて済んだ。握手ができていたとしても、その後の討論会もやはり叫び声からスタートしたことだろう。

ミズーリ大学政治コミュニケーション研究所所長ミッチェル・マキニーは討論会終了直後、「我が国の歴史において最も無秩序で、攻撃に満ちた大統領選挙候補者討論会だった」と述べた。

クリーヴランドでの衝突についての5つのポイントをこれから挙げていく。

(1)トランプはチャンスを逸した(Trump missed a chance)

トランプは今年の大統領選挙の3回の討論会の一つを無駄にした。現在、全国規模、激戦諸州での各種世論調査において劣勢に置かれている選挙戦を討論会によってかき回すことができたのだが、そのチャンスを逸した。

トランプは、バイデンと司会者クリス・ウォレスの発言に対して、休みなく割り込みを続けた。このために討論会はまとまりがなく、発言が良く分からないようになってしまった。しかし、トランプがバイデンに対して連続攻撃を行っても、バイデンにダメージを与えることができなかった。

トランプは討論会の中でウォレスに次のように述べた。「彼じゃなくて、あなたと討論をしているかのようだよ。しかし、それでもOKさ。驚きはしない」。

その後、バイデンを馬鹿者と呼んだ。トランプは「君に部分などどこにもないけどね、ジョー」と述べた。

トランプ大統領は、前任者たちに比べて、自身の大統領としての業績を挙げていくという伝統的な手法に頼らなかった。そして、トランプ大統領の熱狂的な支持者たちは、トランプ大統領がいつも通りに通常の政治のやり方を破壊することを支持している。しかし、トランプ大統領の相手に一撃を与えるパフォーマンスによって、トランプ大統領が選挙に勝利するために必要な有権者たちを説得することができなかった。

11月の選挙について構想を練っている共和党関係者たちは、トランプ大統領が自身の熱心な支持者たちにだけ集中していることに不満を募らせた。

しかし、2016年の大統領就任式以来の最大の聴衆を前にして、トランプは火曜日の夜を再びその少数の人々にだけ語りかける結果となった。

ミシガン大学の討論会担当部長アーロン・コールは次のように述べた。「トランプ大統領は二期目に向けて楽観主義と前向きな姿勢を促すことで、穏健的な有権者、都市部郊外の住む有権者たちを自身の支持に動かす必要がありました。しかし、トランプ大統領が示したのは、この国で起きている犯罪と人種間の緊張関係についての悲観的な将来でした」。

(2)バイデンは冷静さを維持した(Biden kept his cool)

これまでの数カ月、民主党系のストラティジストたちは、バイデンが冷静さを失い、トランプの罠に引っかかるってしまうのではないか、特に彼の息子ハンター・バイデンに話が及んだ時にそうなるのではないかという懸念を持っていた。

トランプはハンター・バイデンを標的にして攻撃を仕掛けてきたが、これはここ数カ月の共和党が仕掛けてきたものと同じだった。ハンターのウクライナのガス会社とのかかわりから他国での投資事業についてまで攻撃されてきた。しかし、トランプは新しい深みにまで達した。彼はハンターの過去の薬物使用に踏み込んだ。

バイデンは、2008年から2020年までの間に、2度の副大統領候補者として一対一の討論会を経験しているヴェテランであり、また民主党大統領選挙予備選挙で更に多くの討論会を経験してきた。バイデンは今回の討論会で穏やかさを保っていたが、トランプの退役軍人と現役軍人たちを馬鹿にする発言を取り上げた時には怒りをにじませた。

彼の末息子について話が及ぶと、この致命的となるはずだったパンチをバイデンはうまくかわして、次のように述べた。

「私の息子は、多くの人々と同じく、アメリカ国内の多くの人々と同様に、麻薬使用に関する問題を抱えていました」。

マキニーは次のように述べた。「今晩の討論会で、ジョー・バイデンは大きな失言も失敗もしませんでした。もしそのようなことがあれば、トランプは、バイデンが年をとり過ぎていて、大統領を務めるのに不適格だと宣伝したことでしょう」。

(3)バイデンのカメラに向かい姿勢についての戦略(Biden’s to-camera strategy)

候補者2人がそれぞれどこに目を向けていたかで、大きな違いがあった。

トランプは演壇につかまって寄りかかり、バイデンに目を向けて、攻撃の機会をうかがっていた。

バイデンは繰り返しカメラを見て、家でテレビを通じて視聴している有権者たちに発言を行った。

「皆さん、おうちにいらっしゃると思いますが、どれだけの数の皆さんが今朝起きて、テーブルの近く置いてある誰も座ることのない椅子に目を向けたことでしょう?その椅子に座るはずの人は新型コロナウイルスのために亡くなったのです」とバイデンは問いかけた。その後、バイデンはトランプについて次のように語った。「彼は皆さん方、アメリカ国民が必要としていることについて話したがりません」。

トランプは攻撃的な割り込みの勢いを鈍らせていったが、バイデンの発言は冴えを見せるようになっていった。上院議員を長く務め、自分を激しく非難する人物さえも友人と呼ぶバイデンが減益大統領を「馬鹿者」や「道化師」と呼んだ。そして、トランプの終わることのない一人語りに対応して、頭を振りながら「いいか、口を閉じていろよ」とさえ言い放った。

民主党予備選挙での討論会では、この種の発言はバイデンに対しての攻撃となって返ってきたが、トランプに対してだと、驚きは少なった。

(4)討論会によって多くの人の考えが変わることはない(The debate is unlikely to change many minds)

火曜日夜のごたごたによってまだ投票する候補者を決めていない有権者の数を減らしたが、その数はかなり少ないものである。

実際のところ、実際に投票に行くと考える有権者の数を減らすような結果になることは珍しい。共和党系の世論調査専門家フランク・ランツは討論会の開催時間中に、インターネット上で複数の有権者に集まってもらってグループ討論をしてもらった。その中で、誰に投票するかを決めていなかった有権者の中から、「自分は投票に行かないと決めた」と発言する人たちが複数出た、とランツは述べている。

ランツはツイッター上に次のように書きこんだ。「私は棄権するという有権者の反応を生み出すような討論会をこれまで見たことはありません」。

選挙戦の最終盤になって行われる討論会で有権者の考えが大きく変わるということはあまり起きていない。討論会の専門家たちは、人々がテレビをつけて討論会を見るのは、自分たちが選んだ候補者についてさらに支持の気持ちを高めることが必要なのでその補強のためだと指摘している。どちらの候補者に入れるかを決めるためではないのだ。

共和党全国委員会の広報部門の責任者を務めたダグ・ヘイは「大変に醜い討論会でしたが、討論会の中で選挙戦の基本的な流れを変わるようなことは何も起きませんでした。トランプは後れを取っており、バイデンを倒すためには、パンチを当てる必要がありましたが、彼にはできませんでした」と述べている。ちなみにヘイはトランプを支持していない。

火曜日の討論会の前でも、各種世論調査の結果を見ると、誰に投票するかについてまだ決めていないという有権者は少なかった。トランプ大統領に何か得意技があるとするならば、それは、世論を自分の言葉で巧みに表現することである。ホワイトハウスの現在の主であるトランプに対して、大変に好意を持つか、大変に嫌悪感を持つか、それ以外の艦上を持つアメリカ人はほとんどいない。

カタウバ・カレッジの政治学者マイケル・ビッツアーは次のように述べた。「1時間15分の間に常に割込みがある討論会をたとえうまく管理できていたとしても、これから説得可能な有権者はほとんどいません。その数少ない説得可能な有権者も、今回の討論会では、何も考えることができなくて、テレビを途中で消したことでしょう。既に誰に投票するかを決めているアメリカ人の大多数の中で、今回の討論会で投票する候補者を変えるような人はいるだろうかと疑問に思っています」。

(5)討論会が再び開催されるだろうか?(Will there be another debate?)

討論会の最後がぐちゃぐちゃで終わり、上記の疑問が人々の間に生まれたけれども、この問いに対する答えは「イエス」である。

バイデン選対の副責任者ケイト・べディングフィールドは記者たちの電話取材に対して次のように答えた。「皆さん、私たちはこれからも討論会をやりますよ。これまでとはどれくらい違うやり方になるかについては分かりませんが。私たちは討論会には必ず出席すると申し上げます」。

ここ数カ月、バイデン陣営は早い段階から、頻繁に、記録に残る形で、バイデンは討論会の壇上でトランプと相まみえると発表してきているのに、トランプ陣営はバイデンが討論会に出てくるのかどうかという疑問を呈してきた。

トランプが討論会に出てこないということの方があり得そうだと人々は考えていた。2015年の共和党大統領選挙予備選挙の討論会で、トランプは司会者の選定に抗議するということで実際に討論会を欠席した。今年の大統領選挙に残った最後の2人の候補者のうち、実際に討論会を欠席したことがあるのはトランプだ。

しかし、実際のところ、どちらの候補者も、10月15日と10月22日に予定されている残り2回の討論会に出ない方が良いという考えにはならない。

トランプは現在のところ、全国規模と激戦諸州での各種世論調査でバイデンを追いかける展開になっている。そのために選挙戦を彼に有利な方向に再編しなければならない。そして、そのための時間は残されていない。バイデンは、彼自身の精神的な強さに疑念を呈するトランプに反撃をしなければならなかった。彼は保守的な言動から時に外れることがあっても、それを守り、支持者を増やさねばならない。

討論会はこれからも続くだろう。アメリカにその準備ができているかいないかに関係なく。

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 古村治彦です。

 宣伝になるが、『ザ・フナイ』2020年11月号に今回のアメリカ大統領選挙について拙文を掲載していただいた。このことは前々回のブログで紹介した。拙文の中で私は、「民主党のジョー・バイデンがかなり有利だと報道されているが、それは間違いだ」という点から、その論拠となる世論調査の結果を紹介するなどして、トランプ大統領再選がある、ということを主張した。
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ザ・フナイvol.157(2020年11月号)

 今回、ご紹介する記事は、偶然にも拙文の内容とよく似た内容になっており、私の主張が独りよがりの、論拠のないものではない、ということを伝えたいと思い、このブログでご紹介することにした。

 アメリカでも日本でも「全国規模の世論調査の結果で、民主党のジョー・バイデン前副大統領が共和党の現職、ドナルド・トランプ大統領を10ポイント近くリード」という報道がなされ、「バイデンが圧勝だな」という雰囲気作りがなされている。しかし、そもそも全国規模での世論調査で判断するのは間違いのもとだ。そのことは、2000年の大統領選挙、2016年の大統領選挙で、アル・ゴア、ヒラリー・クリントン(共に民主党)が全国規模での得票総数で勝利したのに、選挙人獲得数で敗北したことでも明らかだ。

 アメリカ大統領選挙は各州の獲得票数が多かった候補者が選挙人を総取りするという形式で行われるのだ(メイン州とネブラスカ州はそうではない)。単純に全米での得票総数で決まる訳ではない。だから、各州の動きを見ておかねばならない。しかし、選挙人が配分されている全米50州+ワシントンDCすべてを見る必要はなく、激戦州と言われる10程度を見ていればよい。

 下の記事では、「トランプの意外な強さ」が選挙戦の様相を複雑化させている、つまり、バイデンが勝利すると言いきれない要素がある、と述べている。それが、「経済運営に関してはトランプの方の評価が高い」「トランプ支持者は熱心な人が多いが、バイデン支持者はそうではない」というものだ。私も拙文(まだ暑い8月上旬の時点で書いた)でこの2点の重要性を取り上げた。

 バイデンが圧勝ということはないし、大統領選挙は終わってなどいない。

 あと1時間もしないで第1回目の討論会がオハイオ州クリーヴランドで開催される。『ニューヨーク・タイムズ』紙が、トランプが税金を少ない金額しか払っていなかった、もしくはラっていなかったという報道をした。討論会でのテーマは既に決まっていることは前回ご紹介したが、この税金問題を取り上げざるを得なくなる。これは、他の重要な問題についての時間を削るためのものだ。特に経済問題について時間を使わないようにするためのものだろう。

(貼り付けはじめ)

メモ:トランプの強さが選挙の様相を複雑化させている(The Memo: Trump's strengths complicate election picture)

ナイオール・スタンジ筆

2020年9月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/517893-the-memo-trumps-strengths-complicate-election-picture

ジョー・バイデン前副大統領はホワイトハウスをめぐる戦いで明らかにリードをしている。しかし、民主党の候補者にとっていくつかの問題が表面化しつつある。

トランプ大統領は、伝統的に多くの有権者にとって最重要の問題である、経済運営の点で、劣勢をはね返す強さを見せている。多くの世論調査の結果で、トランプ支持者たちはバイデン支持者に比べて熱心に支持しているということも分かっている。

大統領候補者同士による討論会は3回実施される予定で、その日程も近づいている。来週火曜日に第一回目の激突が予定されている。これはバイデンにとって最大の試練となるだろう。また、バイデンのラティーノ系有権者からの支持についても疑問が出ている。ラティーノ系有権者は重要な激戦諸州の多くでカギを握る存在だ。

民主党内部で希望となっているのは、多くの物事が発生しており、それらのためにトランプが二期目を勝ち取ることが難しくなっているということだ。

アメリカ国内における新型コロナウイルスによる死者数は今週火曜日には20万を超えた。経済は最低の状態から回復しつつある。しかし、全国規模での失業率は通常よりも高いままであり、8月の時点で8.4%を記録した。

トランプ大統領の個人的な性格については、アメリカ国民から支持を得られるよりも、見放されることの方が多いという状態である。各種世論調査の数字によると、トランプ大統領は多くの問題、特に人種関係で有権者から厳しい評価を下されている。トランプ大統領の人種関係についての言動などは状況を悪化させており、それが選挙に影響を与えている。

今週水曜日に、ケンタッキー州在住のアフリカ系アメリカ人女性ブレオンナ・テイラーが今年3月に銃撃で殺害された事件に関連して、警官が1人だけが訴追されたということを受け手、更に多くの抗議活動が行われた。この警官はテイラーの殺害による告訴ではなく、テイラーの近隣住民を危険に晒したという件で訴追された。

しかし、これらトランプに対して逆風となるカードが多く出ている状況ではあるが、民主党内部には、党内に過度の楽観論が広がっていることに懸念を持っている。

ある民主党系のストラティジストは率直に次のように述べた。「選挙戦は既に終わりで、トランプは負けだろうと言う人たちがいるが、私はその時にこう考える。“一体何を言っているんだ?”と」。

最新の『ワシントン・ポスト』とABCニュースの共同世論調査の結果が今週水曜日に発表されたが、これは民主党関係者の神経を刺激した。世論調査が実施されたフロリダ州とアリゾナ州でトランプが僅差ではあるがリードしているという結果が出たのだ。

トランプはフロリダ州の選挙に必ず行くと答えた有権者の間で、バイデンに対して4ポイントのリードを確保し、アリゾナ州では1ポイントのリードであった。両方の結果は共に誤差の範囲内の数字ではあった。ワシントン・ポスト紙は、「これら2つの世論調査の結果は他の機関が行った同じ2つの調査の結果に比べて、トランプ大統領にとってより良いものとなった」と評価している。

しかし、こうした結果は、トランプの熱狂的な支持者たちに希望を与える、表面的に報道される数字だけでのことではない。

両州の有権者はトランプに対して経済運営について比較的高い評価を与えた。アリゾナ州では、登録済有権者のうちトランプの経済運営を評価したのは57%で、42%は評価しなかった。フロリダ州では、53%がトランプ大統領の経済運営を評価し、43%が評価しなかった。

両州における経済運営に関するトランプへの評価の数字は、両州におけるトランプの大統領としての仕事への支持率の数字よりもかなり高い数字となっている。

トランプに投票するつもりの有権者でそれを「隠して」おり、世論調査の調査員との面談で自身の支持候補を明確にしたくないという人たちがいる場合、彼らの存在は、トランプ大統領の2期目で自分たちの経済状態が更に良くなる考える人々の中に見つけることができるだろう。

ワシントン・ポスト紙とABCニュースの共同世論調査で、経済運営に対する評価に関しては他の世論調査の結果でも示されている。全国規模で選挙に必ず行くと答えた有権者を対象にした、キュニピアック大学の世論調査の結果が今週水曜日に発表されたが、トランプは経済に関して僅差であるがバイデンを49%対48%で上回った。トランプ大統領の大統領としての支持率は低いままで、支持率は43%、不支持率は53%だった。

キュニピアック大学の世論調査の結果では、バイデンはトランプに10ポイントの差をつけている。これが11月の選挙でも同様であれば、選挙の結果はほぼ地滑り的にバイデンの勝利ということになる。21世紀の大統領選挙において、総得票数で最も差が開いたのは2008年の大統領選挙であった。この時にはバラク・オバマはジョン・マケインに7ポイントの差をつけて勝利した。

また、有権者の熱意はトランプにとって希望が持てる、もう一つの指標である。アリゾナ州とフロリダ州におけるワシントン・ポスト紙とABCの共同世論調査では、トランプ支持の有権者の中で、「とても熱心だ」と答えた人の割合は、バイデンの支持者の中での熱心な支持者の割合に比べて、かなり高いことが分かっている。熱心な支持者の割合の差は、アリゾナ州では22ポイントに達し、一方でフロリダ州ではそこそこの7ポイント差となっている。

民主党の一部には、「バイデンがトランプに対して大差をつけていることを強調し過ぎないことが大事だ」とする声もある。

民主党系のストラティジストであるポール・マスリンは、2012年の共和党候補者だったミット・ロムニーとロムニー選対は、有権者の熱意によって当時のオバマ大統領に対して勝利を収めることができるだろうと確信していたと述べている。マスリンは次のように述べている。「私たちが学んでいることは、熱意というものを測定すること、そしてそれに頼ることは大変に難しいということです。しかし、ロムニー選対が説明していなかったのは、選挙戦において重要である5つか6つの州で、オバマ陣営は素晴らしい組織を持っていたということです。熱意という点では、10人のうち8人が選挙に行くと答えていたのですが、実際には全員が投票に行っていたのです」。

トランプの分断を招きやすい性格と現在の通常ではない状態は、火曜日の討論会で多くの視聴者がテレビの前に座ることになるだろうということが容易に予測される。トランプはバイデンの心を乱そうとするだろう。そして、トランプ選対は民主党側のミスにつけこむだろう。しかし、バイデンが無傷で切り抜けることができれば、これからの選挙戦は彼に有利に進むことになるだろう。

共和党系のストラティジストであるマット・ゴーマンは、今年の大統領選挙討論会はこれまでに比べて重要性が低い、その理由は有権者の多くは既に誰に投票するかを決めていると述べている。ゴーマンは、金曜日に亡くなった最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグの後任選びを巡る戦いは、民主、共和両党の基礎的な支持者たちの熱意で選挙の結果が決まってしまう場合には、重要な戦いになるとなるだろうと主張している。

ゴーマンは次のように述べている。「民主、共和両党の支持者で、候補者たちによって説得されるであろうという人はほとんどいません。私が最高裁をめぐる戦いがかなり重要である考える理由はこれです。左派はトランプ大統領に刺激を受けて活発化しています。しかし、右派は最高裁判事の構成のためにも大統領選挙がいかに重要かということを認識しています」。

選挙まで6週間に迫り、バイデンに有利な状況は明白だ。しかし、トランプ大統領が除外されているということでもないのだ。

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 古村治彦です。

 2020年アメリカ大統領選挙は最終盤を迎え、これから大統領選挙候補者討論会が3回、副大統領候補者討論会が1回開催される。バイデンが1対1の討論会を乗り切れるかどうか、が注目される。

トランプ攻撃も勢いを増しており、バイデンの応援団『ニューヨーク・タイムズ』紙では、トランプが税金を少額しか払っていなかった、全く払っていなかったという報道がなされた。最終盤で、バイデン支持の伸びに勢いがなく、トランプが重要州で追い上げている中で、なりふり構わない攻撃となっている。しかし、バイデンがそうした攻撃の勢いを活かせていない。

 新型コロナウイルス感染拡大は大統領選挙にも影響を与えている。有権者の関心は新型コロナウイルス感染拡大対策と経済にある。このブログでもご紹介したが、新型コロナウイルス感染拡大対応ではバイデンの方がうまくやるだろうという評価があり、一方で経済対策ならばトランプだという声が多い。

 アメリカ国内での新型コロナウイルス感染拡大によって死者数が20万を超えた。日本では人々の努力もあり、他国に比べてかなり低く抑えられているように思われる。また重篤化して死亡する人も少ないように思われる。アメリカで死者数が多いのはどうしてなのか、ということは検証されるべきことだが、私がアメリカに住んでいた経験から考えると、やはり国民皆保険ではない医療体制とそれに伴う生活習慣病を持つ人の数が多いということが挙げられると思う。

 新型コロナウイルス感染拡大においては、糖尿病や心臓疾患などの生活習慣病を持つ人々の重篤化率が高くなるという研究結果が出ている。こうした病気を持っていても、常日頃から節制し、きちんと治療や投薬をしていれば、重篤化する率は低くなると考えられる。

 アメリカでは無保険という状態の人も多く、また医療にお金がかかり、慢性的な疾患を放置してしまう人も多いのではないかと考えられる。そうなると、こうした病気をコントロールできない状態になり、新型コロナウイルスに感染すると重篤化して死亡してしまうということになるのだろうと思う。

 新型コロナウイルスはアメリカ型の国民皆保険ではない医療制度の問題点を突いているのではないかと思う。そして、これを解決するためには一朝一夕にはいかない。国民皆保険を社会主義的だという風潮も根強く残っている。

 経済については新型コロナウイルス感染をいかにしてコントロールしながら、人々の社会科活動をどれくらい以前の状態に戻すかということになる。これはアメリカだけにとどまらず、全世界の国々にとって共通の重要な課題である。

 更に言えば、最高裁判事の人事は左派、右派両方にとって重要だ。そのための大統領選挙ということでもある。同性愛結婚や妊娠中絶など社会的に重要な問題について、「アメリカ合衆国憲法にかなっているかどうか」ということを判断するのが連邦最高裁判所であり、9名の判事たちによる採決で判決が決まることになる。この時に、保守的な考えを持つ判事が多いのか、リベラルな人が多いのかで結果が変わってくる。今回の大統領選挙でもこの点は争点ということになる。

 もうすぐ開催される第1回の討論会ではどのようなことが起きるのか、注目される。

(貼り付けはじめ)

第1回目の大統領選挙候補者討論会はコロナウイルス、最高裁判事を取り上げる(First presidential debate to cover coronavirus, Supreme Court)

モーガン・チャルファント筆

2020年9月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/517580-first-presidential-debate-to-cover-coronavirus-supreme-court

トランプ大統領と民主党候補者ジョー・バイデンは、新型コロナウイルス、最高裁についての質問と、大統領と副大統領在職中の記録について質問されることになる。来週、2020年大統領選挙における第1回の討論会で顔を合わせることになる。

フォックス・ニュースのアンカーであるクリス・ウォレスが第1回目の討論会の司会者である。ウォレスは火曜日、議題のリストを発表した。討論会では、経済、アメリカの各都市の人種と暴力、選挙が誠実に行われるかについての問題を取り上げるとウォレスを述べた。

討論会は9月29日に、ケイス・ウェスタン・リザーヴ大学とクリーヴランド・クリニックの共有キャンパスで開催される。有権者たちに対して、候補者たちを判断する機会を与えることになる。選挙まで2カ月を切った現在、バイデンはトランプを全国規模と各激戦州の各種世論調査でリードしている。

バイデンは、トランプ大統領のコロナウイルス対応について批判している。現在、アメリカ国内でのコロナウイルス感染による死者数は20万となった。バイデンはトランプによるコロナウイルス対応に対する批判を選挙戦の柱としている。トランプはウイルス対応について防衛をしつつ、暴力と破壊について特に取り上げている。ここ数カ月、アメリカ各地で、人種による不正義に対するデモ活動が行われ、それに伴って暴力と破壊が発生している。

トランプ、バイデン両候補者は最高裁についての質問に答えることになる。討論会の前に、トランプは欠員が出た最高裁判事を発表することになっている。金曜日にルース・ベイダー・ギンズバーグ判事が在職のまま亡くなり、空席となった。

これ以降の大統領選挙は10月15日と10月22日に開催される。ペンス副大統領とカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)による、副大統領候補者討論会は10月7日に開催される。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。
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 2020年3月15日にアメリカ大統領選挙民主党予備選挙の候補者討論会が開催された。今回が初めてジョー・バイデンとバーニー・サンダースとの一対一の討論会の形式となった。元々はアリゾナ州フェニックスで聴衆を入れて行われる予定であったが、移動距離を短くするということで、ワシントンDCのスタジオで開催された。聴衆も入れない「無観客」討論会となった。

 大相撲大阪場所は無観客で開催中だ。日本相撲協会員である力士、親方、行司、呼び出し、裏方から1人でも新型コロナウイルス感染が確認された時点で中止という条件付きだ。中日を越えて開催できているというのは徹底した管理がなされているということだろう。無観客の取り組みがいつも通りにNHKで放映されているが、序盤は歓声もなく、緊張感があり、違和感があった。しかし、いつもは聞くことができない呼び出しの声や力士のぶつかり合う音が聞こえ、力士の中には集中ができるという声もあり、この形も悪くはない(よほどのことがなければ二度とない)という感想が聞かれる。

 今回の討論会も「無観客」開催となったために、視聴者には違和感があったようだ。また、サンダースは観客を盛り上げて雰囲気作りをするのが得意なのでそれが封じられてしまうことになった。しかし、観客を盛り上げようとする過激な発言がなかった代わりに、政策の違いについて落ち着いた議論ができたのは良かったという感想が多く聞かれた。「こういう形も良いものだ」ということになった。

 サンダースは討論会を通じて攻撃を控えて、政策論争にとどめた。また、リベラル左派が主張する政策を売り込み、バイデンにも取り入れるように進言する場面もあった。全体として融和を目指すという形になった。討論会において、バイデンが女性を副大統領候補に選ぶという発言をし、注目された。

 アメリカでも新型コロナウイルス感染拡大は深刻になっており、予備選挙の延期を決定する州も出ている。そうした中で、バイデンが党内融和とまとまりを目指すという形が出来上がりつつある。民主党の反転攻勢という勢いがついているように感じられる。トランプ大統領もうかうかしていられない。

(貼り付けはじめ)

民主党討論会の5つの特徴(5 takeaways from the Democratic debate)

ジョナサン・イーズリー筆

2020年3月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487729-5-takeaways-from-the-democratic-debate

ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は日曜日夜、ワシントンDCにあるスタジオの中で聴衆がいない中で、一対一で討論を行った。討論会はコロナウイルスの拡散に関する世界的なパニックの中で実施された。

討論会の5つの特徴を書いていく。

(1)コロナウイルスが討論会を変えた(The coronavirus changed the debate)

世界を覆う大流行は討論会でも長い時間議題となった。そして、バイデンとサンダースのそれぞれの世界観の違いを浮き彫りにするものとなった。

バイデンは自分自身をシチュエーションルームから指導し、医療関係者の負担を軽くするために軍隊を動員して臨時の病院を開設することができる、経験豊かな政治家だとアピールした。

バイデンはオバマ前大統領時代のホワイトハウスでの経験を次々と述べ、エボラ出血熱の拡大という災害に対応した経験があることを強調し、エボラ出血熱を抑えたことは、自分が危機に陥ったアメリカが必要としている冷静で対応能力のある指導者であることを示す証拠だ、と述べた。

一方、サンダースは今回のウイルスはアメリカのシステムの「驚くべき弱点と機能不全」を暴露したと主張した。これに対応するにはアメリカ経済と医療分野の根本的に変更しかないとも述べた。

コロナウイルスに関する討論を通じて、両候補は聞きたくない質問に晒されることになった。両者ともに70代後半であり、コロナウイルスは特に高齢の人々にとって致命的に危険であるということが分かっている。

バイデンとサンダースは共に自身のリスクを最小化するために行っていることについて述べた。手をよく洗うこと、選挙集会を中止すること、選挙運動を実体の世界ではなく、インターネット上で行うようにしていることを挙げた。

討論会の雰囲気が違っているのは最初からであった。両者は登壇して握手をするのではなく、肘と肘をぶつけ合う挨拶を交わした時点で雰囲気はこれまでと違うものだった。

(2)バイデンは攻撃し、反撃した(Biden attacked and counterattacked)

ジョー・バイデンはサンダースに対して獲得代議員数で大きなリードをしている。そして、火曜日に予備選挙が実施されるアリゾナ州、フロリダ州、イリノイ州、オハイオ州でさらに勝利し、逆転不可能なリードを得ることができる強い立場にある。

バイデンは大勝ちすると見られており、日曜日の夜を最後にして、サンダースを押し出すために激しく立ち向かうとも見られていた。

討論会を前にして、一対一の形式で2時間にわたる攻撃をバイデンがしのげるかどうかという疑問があった。彼はこのような心配をよそに、攻撃的にもなり、バイデンの攻撃を切り返して自分の攻撃に利用するということも行った。

バイデンは危機の時代に、アメリカ国民は革命ということをひとまず置いておいて、政府と経済を安定化させるために大きな変化に集中したいと考えているのだと討論会の口火を切った。

2008年の金融危機の後に銀行救済を支持したことでサンダースはバイデンを攻撃した。これに対して、バイデンは銀行が大変なことになれば、「バーニーが気にかけていると述べている人々全員がとても、とても大変な状況になっていたことでしょう」とやり返した。

サンダースはバイデンの過去の投票について取り上げた。一方、バイデンは、連邦法による銃購入者に対する背景調査の義務化と銃が絡む事件の被害者たちが銃製造企業を訴えられるようにすることについてサンダースが反対投票を行ったと述べた。

討論の最後付近で、バイデンは、サンダースが過去にキューバ、中国、ロシアの各権威主義的な政権を称賛した発言を攻撃した。

専門家たちは今回の討論会でのバイデンのパフォーマンスはこれまでのベストだったと称賛した。火曜日の予備選挙でバイデンが党の指名候補にさらに近づくことに貢献する内容だったとも評価している。

(3)サンダースは討論会を通じて難しいバランス取りをうまくこなした(Sanders managed a difficult balancing act throughout the debate)

サンダースは日曜日の夜、難しい挑戦を行わねばならなかった。多くの民主党支持者を怒らせることなしに自分がバイデンに対する有力な対抗馬であることをアピールしなければならなかった。民主党支持者の多くは、党の指名候補となる可能性が高いバイデンが、11月の本選挙を前にして深刻に傷つけられることは、トランプ大統領を利することになるだけだという懸念を持っていた。

討論会の壇上、サンダースは時にバイデンに激しく当たった。バイデンが支持する移民改革法案の内容を「奴隷制度」と同じだと激しく批判した。

しかし、討論会の大部分を通じて、サンダースの攻撃は個人的な内容ではなく、両者の間の政策の違いに焦点を絞ったものとなった。

サンダースは、貿易、イラクでの軍事行動への承認、財政赤字削減のために福祉予算の凍結、同性愛結婚に対して行った投票を取り上げてバイデンを攻撃した。そして、自分はリベラル派の人々が信頼でき、時代を先取りし、正しいことを行えると主張した。

しかし、サンダースは左派の多くがそのように望んだようには、バイデンに致命傷を与えようという姿勢を見せなかった。 It’s hard to see how this debate will fundamentally alter a primary race that has quickly moved against him.

討論会が終わり、バイデンの支持者たちはホッと胸をなでおろした。サンダースに関しては、サンダースが選挙戦の様相を大きく変えるために爆弾的な発言をするのではないかと懸念していた、批判的な人々からも称賛を得た。

(4)バイデンは左派への働きかけを行う(Biden makes overtures to the left)

多くの民主党員や民主党支持者が持っている大きな疑問は、進歩主義的左派は、バイデンが党の指名候補になった際にバイデンを応援するのかどうかということだ。

討論会の数時間前、バイデンはサンダースの主張の一部を取り入れ、年間12万5000ドル以下の収入の家庭の学生が公立大学に進学する際には学費を無料とするという計画を発表した。

これはリベラル派の多くを満足させるものではない。サンダースは討論会の多くの時間を使って、バイデンの過去の立場について質問し、バイデンが若い人たちと進歩主義的左派の支持を得ようとするならばより前向きなリベラル的な主張をすべきと訴えた。

サンダースは討論会の中で「ジョーはこれまで、私よりも多くの州で勝利を収めてきました。しかし、私たちはイデオロギー上の戦いで勝利しています」と述べた。

バイデンは、民主党支持の有権者のエネルギーが自分の選挙運動を支持し動かしていると述べ、その結果として、アフリカ系アメリカ人と郊外に住む穏健派の有権者が投票所に向かうことで投票参加者数の大幅な増加が見られたのだと主張した。

しかし、バイデンは自身の選挙運動にあらゆる考えを持つリベラル派の人々も取り込むことの重要性を認識していると述べた。

バイデンは次のように述べた。「もしバーニーが党の指名候補になれば、私は支持しますし、彼の選挙運動も支援します。バーニーを支持している方々も私と同じことをしてくれると確信しています。もし私が党の指名候補になればバーニーもまた同じことをしてくれることと希望しています。そして、彼の支持者の皆さんも私を支持してもらいたいと思います。それは私たち2人のことよりも大きなことだからです。私たちの国の特性が投票によって決められようとしているのです」。

(5)討論会の方式は討論会の夜に様々あった奇妙なことの中の一つだった(The debate format was one of many strange things about the night)

民主党は討論会の開催日の数日前にコロナウイルス感染拡大のリスクを最小化するためにいくつか変更を行った。

討論会は予定されていたフェニックスからワシントンDCに場所を移した。これは両選対とニュースメディアが長時間の移動をしないようにするためだった。ユニヴィジョンのキャスターであるホルヘ・ラモスは司会者の中にいなかったが、これは彼がウイルスを持つ人と濃厚接触をした可能性のある人物と接触を持ったと討論会後に発表された。その際に、ラモスの健康状態は通常通りだとも発表されている。

討論会の司会者たちは両候補からかなり離れた場所に座った。司会者たちの間も過去の討論会に比べてかなり離れていた。

しかし、人々が話していた大きな変化は、聴衆がおらず、候補者たちの発言に対する賞賛や批判の声が起きないことであった。討論会が音楽の入っていない映画のようになってしまった。

ニュースメディアの多くが今回の方式を称賛している。今回の方式は、聴衆の中にいる支持者たちを喝采させる気の効いた言い回しをしようと腐心するよりも政策論争に候補者たちを集中させるものであったと考えられている。

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 古村治彦です。 
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 4回目のアメリカ大統領選挙民主党予備選挙候補者討論会がオハイオ州で開催された。出席者は12名で、ボイコットを示唆していたトゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)も出席した。今回の討論会は最近支持率を上げているエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)に対する攻撃が目立つ展開となった。

元々、「ウォーレン議員は計画立案者タイプであって、計画を実行するタイプではない」という批判が根強くある。ウォーレンは様々な政策提案を数多く行っている。前歴がハーヴァード大学法科大学院教授ということもあるのか、レポートや報告といったたぐいのものを出すのを苦にしないタイプなのかもしれない。しかし、それが「政治は実行することが大事だ」という批判を招いている。

 民主党予備選挙の争点は、「メディケア・フォ・オール」だ。これは簡単に言えば、国民皆保険を導入するということだ。連邦政府が健康保険を主管するということである。この計画の主導者であるバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は、単一支払者制度を主張している。これは政府が税金で資金を集めて健康保険を実施するというものだ。これに対して、民間の保険会社の制度も残すという主張を行っているのがインディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジだ。

 このような「社会主義的」な政策には、中道派や右派であるジョー・バイデン副大統領やエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)が非現実的だとして攻撃している。政府が健康保険分野で民間を圧迫するなという主張をしている。一方で、若者たちを中心に、高い保険料を徴収して、健康保険で莫大な利益を挙げている民間会社に任せるべきではない、という考えからサンダースを支持する人々も多い。「ヨーロッパ諸国や日本はそうやっているのに」という主張をしている。

 メディケア・フォ・オールを実施するとなるとコスト面が心配だ、結局増税につながるというのが反対派の主張であり、サンダースやウォーレンは、税金は上がるが、それまで払っていた保険料はなくなる訳で、家計全体で見ると負担は減ると反論している。

 アメリカのエネルギーを持続可能なものに移行させるという「グリーン・ニューディール」についても左派であるサンダースとウォーレンに対して、中間派や右派から非現実的だと批判が起きている。特に、連邦政府が雇用保障をするという点が夢物語だという批判に対して、サンダースは2000万人分の雇用が生み出されると主張している。

 アメリカ軍のシリアからの撤退というドナルド・トランプ大統領の決定については、アメリカ軍の撤退は支持するが、無計画性のためにクルド人が犠牲になっているという批判を各候補が行った。アフガニスタンでの従軍経験があるブティジェッジは少数の特殊部隊は残しておくべきで、アメリカは約束を破ったので名誉が傷ついたと主張した。一方、イラクとアフガニスタンで従軍経験があるギャバードは、そもそもシリアで政権転覆のための戦争をさせたことが問題なのだ、と述べた。

 ウクライナ疑惑に関しては、バイデンが討論会の壇上で、「自分も息子も何も間違ったことはしていない」と述べた。仕事についてはきちんと分けていたのだから、と述べている。しかし、バイデンの主張に対しての疑念はずっと残り続けるだろう。

 今回の討論会は左派対中道派・右派の構図で、トップとなったウォーレンに対する攻撃が激しかった。

 次回は討論会についてのより詳しい分析と評価についての記事をご紹介したい。

(貼り付けはじめ)

ウォーレンは、「メディケア・フォ・オール」のコストについてライヴァルたちから攻撃を受けた(Warren takes fire from rivals on cost of 'Medicare for All')

ピーター・サリヴァン筆

2019年10月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/healthcare/465979-warren-takes-fire-from-rivals-on-cost-of-medicare-for-all

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は火曜日夜の討論会で他の候補者たちから攻撃を受けた。ウォーレンの「メディケア・フォ・オール」政策と中流階級への税率を引き上げるかどうかについて答えを明確にしていないことについて批判を受けた。

ウォーレンは、ここ数週間、多くの世論調査で支持率の数字を伸ばしている。ウォーレンは自身の「メディケア・フォ・オール」政策の財源として中流階級への税率を引き上げるのかという質問にはっきりと答えなかった。ウォーレンは自分のスタンスは保険料と控除が廃止されることで中流階級のコストは下がるということを考慮に入れていると繰り返した。

しかし、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジは、「イエスかノーかの質問でイエスともノーとも答えない」と批判した。ブティジエッジは民間保険と公的保険を選べる選択制の制度を主張し、進歩主義派の支持者たちを取り込もうとしている。

ブティジェッジは「ウォーレン上院議員は全てのことに対して計画を持っていはいるが、メディケア・フォ・オールのように署名だけしている、実際には自分では作っていない計画というものがある」と述べた。ウォーレンは、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の作ったメディケア・フォ・オール計画を支持はしているが、自分自身の計画を作っていないと攻撃した。

ブティジエッジはメディケア・フォ・オールによって「民間の保険は消えてなくなってしまう」だろうと述べた。

ウォーレンは完全なメディケア・フォ・オール計画を強く擁護することで反撃した。ウォーレンはブティジエッジの選択の余地の残すアプローチについて「支払いが出来る人だけのメディケア・フォ・オール」と揶揄した。

ウォーレンは「メディケア・フォ・オールは譲れない基礎だ」と述べ、「支払いが出来る人だけのメディケア・フォ・オールを支持しない」と付け加えた。

一方、中間派のエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)はメディケア・フォ・オールを「煙のように消えてしまう夢」と切って捨てた。

メディケア・フォ・オールの作成者であるサンダースは、ウォーレンから話を引き取って「税金が上がるであろうということを分かっておくのは重要だ」と述べた。しかし、サンダースは同時に保険料と控除が廃止されると中流階級のコストは下がることになるとも付け加えた。

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バイデンはウクライナでの息子の仕事を強く擁護した(Biden forcefully defends son's work in Ukraine)

ジョナサン・イーズリー筆

2019年10月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/465977-biden-forcefully-defends-sons-work-in-ukraine

ジョー・バイデン前副大統領は火曜日、トランプ大統領からの攻撃の最中にある、息子のウクライナでの仕事について強く擁護した。トランプ大統領はウクライナの検事総長の更迭をバイデンが促したのではないかと疑義を呈している。

オハイオ州ウエスタ―ヴィルで開催された4回目の民主党予備選挙候補者討論会で、バイデンは「いいですか、私の息子は何も間違ったことはしていません。私もまた何も間違ったことをしていません」と述べた。

バイデンは「私は、ウクライナの腐敗を根絶するというアメリカ政府の政策を実行したのです」と続けた。

ハンター・バイデンは火曜日、父ジョー・バイデンがオバマ政権の対ウクライナ政策の中心人物であった時に、ウクライナのエネルギー関連企業の取締役に就任するという誤った判断をしてしまったと述べた。

利益相反について批判している人たちがいるが、ジョー・バイデンとハンター・バイデンが何か間違ったことをしたことを示す証拠は存在しない。

バイデンは次のように述べた。「私が息子とウクライナについて何かを議論したことなども1回もありません。私が息子と議論したこととする証拠を示している人は誰もいません。私たちは親子の間で仕事の面で完全に分離していました。利益相反の可能性など起こるはずもありません。私の息子は彼自身で判断しました。私は彼が述べたことを誇りに思います。皆さん、重要な問題に目を向けましょう。トランプの腐敗こそが重要な問題なのです。私たちはこの問題にこそ集中すべきです」。

バイデンはトランプがバイデンの疑惑を集中的に取り上げているのは、大統領選挙本選挙でバイデンと戦うことを恐れているからだと述べた。

バイデンは「トランプ大統領は私が民主党候補者になって欲しくないのです。彼は、私が民主党の指名候補となったら、彼を完膚なきまでに叩きのめすことを分かっているのです」と述べた。

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サンダース:「私たちは全てのアメリカ人に仕事を与えることができる」(Sanders: 'Damn right we will' have a job for every American)

ジョン・バウデン筆

2019年10月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/465983-sanders-damn-right-we-will-have-a-job-for-every-american

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は火曜日の民主党予備選挙候補者討論会で、全国民向け雇用保障を求めていることを擁護した。サンダースは視聴者たちに対して、彼が推奨している「グリーン・ニューディール」計画は、仕事を探しているアメリカ人のために雇用を創出すると訴えた。

労働力となっている全ての成人に連邦政府が仕事を与えることが出来るのかと質問され、「私たちは当然できる」と答えた。

「私たちは当然できる」とサンダースは答えた。続けて「私が訴えているグリーン・ニューディールで、化石燃料から持続可能性に移行することで、2000万人分の雇用を創出できる」と述べた。

サンダースは民主党予備選挙候補者の中でグリーン・ニューディール計画を支持している一人だ。グリーン・ニューディール法案は、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)とエド・マーキー連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が提出したものだ。この計画では、アメリカ国内のエネルギー網を持続可能的な形式に急速に移行させ、同時にアメリカ国内のインフラを改良し、アメリカ国内の交通網をエネルギー効率の良い形に向上させるというものだ。

グリーン・ニューディール計画は今年初めに発表された。その中には連邦政府による雇用保障も含まれている。これについてアンドリュー・ヤンが批判した。ヤンはユニヴァーサル・ベイシック・インカムの支持者である。

ヤンは討論会でサンダースを批判した。ヤンはサンダースの計画は専業主婦である自分の妻のような人たちについて考慮していないと述べた。ヤンの妻は自閉症の男の子を含む、子供たちの世話をするために専業主婦になっているということだ。

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 古村治彦です。

 今回はアメリカ大統領選挙民主党予備選挙に現在まで残っている候補者15名についての記事をご紹介する。

 現在15名が立候補しているが、日本で報道されるのは上位3名のジョー・バイデン前副大統領、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)だ。それ以外にも12名が選挙運動を行っているが、その姿は見えてこない。

 2019年10月15日に開催される4回目の討論会に出席するのは上位12名だ。下の記事のグループ分けでは第4集団までの人々だ。意外な検討を見せているのは、大富豪のトム・ステイヤーとIT実業家アンドリュー・ヤンだ。この2人は大物政治家たちを抑えて支持率を伸ばしている。昨年の中間選挙で注目されたビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)は支持率を下げている。上位から中位に下がっている。

 このグループ分けで第1集団に入っている上位3名が有力で、後の集団に入っている12名は、実際に予備選挙が始まって大逆転を目指すしかない。そのために早期に予備選挙が実施される各州、オハイオ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、ネヴァダ州に重点を置いて選挙運動を行っている候補者も出ている。

 「へー、こんな人たちが出ているんだ」という興味本位で良いので、ざっと顔ぶれを見ていただければと思う。

(貼り付けはじめ)

2020年大統領選挙民主党予備選挙候補者15名をランキングにし、いくつかの集団に分けた(The top 15 Democratic presidential candidates of 2020, ranked and tiered)

アーロン・ブレイク筆

2019年10月11日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/politics/2019/10/11/top-democratic-presidential-candidates-ranked-tiered/

4回目の大統領選挙民主党予備選挙候補者討論会が火曜日に開催される。この日は2019年第三四半期の政治献金に関する報告書を連邦選挙管理委員会に提出する期限となっている。

このような重要な週を控え、私たちは通常通りに15名の民主党候補者たちのランキングを作成した。これまでと同様、党の指名を勝ち取る可能性の順番になっている。今回からいくつかの集団に分けるという作業を行った。

第5集団(Tier 5)

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15.マイケル・F・ベネット(Michael F. Bennet)連邦上院議員(コロラド州選出):このリストに掲載されている候補者たちの中で、世論調査の数字の点でベネットよりも悪化している人物はいない。ウェブサイト「リアルクリアポリティックス」が出している各種世論調査の数字の平均を見ると、ベネットは0.5%である。アイオワ州とニューハンプシャー州の世論調査の平均は0.0%だ。ベネットは2019年第三四半期で210万ドルの政治資金を集めており、選挙戦を継続するには十分だ。しかし、討論会に登壇できない状況では、選挙戦はいつまで続くだろうか?(前回順位:15位)

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14.ジョン・ディレニー(John Delaney)前連邦下院議員(メリーランド州選出):ディレニーは各種世論調査の支持率ではベネットよりもやや良いという程度だ。アイオワ州での平均は0.7%を記録している。ディレニーはアイオワ州で何とか出来ると考えているようだ。しかし、彼は自分自身の資金も含め、多くの資金を投入しているが支持は伸び悩んでいる。(前回順位:13位)

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13.モンタナ州知事スティーヴ・ブロック(Steve Bullock):面白い事実がある。ブロックは2020年米大統領選挙民主党予備選挙に残っている最後の州知事だ。第3回、第4回の討論会に参加できなかったが、選挙戦で最後の州知事となっているブロックはいつまで選挙背を続けられるかという疑問が出てくる。(前回の順位:14位)

第4集団(Tier 4)

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12.トゥルシー・ギャバード(Tulsi Gabbard)連邦下院議員(ハワイ州選出):ギャバ―ドは第3回の討論会に出席できなかったが来週開催の4回目の討論会には出席できるようになった2名の候補者のうちの1人だ。しかし、現在のところ、ギャバードは、民主党の「捻じ曲げられた」予備選挙プロセスを理由にして、討論会をボイコットすると激しく主張している。しかし、彼女が実際に登壇しないとなれば私は驚かざるを得ない。結局のところ、討論会に出ないという選択肢が彼女の側にあるだろうか?(前回順位:12位)

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11.実業家トム・ステイヤー(Tom Steyer):4回目の討論会がステイヤーにとって最初の討論会となるだろう。以上終わり。面白いこぼれ話がある。彼は、多くの候補者が訴えるよりも前にこれまで数カ月にわたって大統領弾劾を強く訴えてきた。TVコマーシャルも打ってきた。そして、現在公式な調査が始まっている。それでは彼は次に何を訴えるのだろうか?気候変動についてだろうか?それとも更に大統領弾劾についてだろうか?(前回順位:11位)

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10.アンドリュー・ヤン(Andrew Yang):アンドリュー・ヤンは、アジア系に関するステレオタイプを利用しているとして批判を受けている。彼はこのようなステレオタイプと戦おうとしてきたが、ジョークとして使っていることについてきちんと謝罪はできていない。『ロサンゼルス・タイムズ』紙の報道によると、アジア系アメリカ人であることについての自虐的なジョークをいうことについて、「私にとってこれまでもそして現在も競うためには最善の方法なのだ」と述べた。(前回順位:10位)

第3集団(Tier 3)

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9.ビトー・オローク(Beto O’Rourke)前連邦下院議員(テキサス州選出):オロークは民間に出回っている軍隊が使用するような武器の没収を強く訴えている。これが計算された政治的な動きかどうかは別にして、彼の沈滞した状況を変えるまでには至っていない。共和党側は、オロークの主張を利用して、「民主党があなたの銃を奪いに来る」と自分たちの支持者たちに訴えている。(前回順位:9位)

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8.フリアン・カストロ(Julián Castro)前住宅・都市開発長官:カストロは選挙戦の中で、攻撃的な言動を見せている。同僚である候補者たちを躊躇なく批判しているし、トランプ大統領を厳しい言葉を使って非難している。しかし、今週の『ニューヨーク・タイムズ』紙が報じているように、彼自身はこのような批判を得意とするタイプの政治家ではない。(前回順位:7位)

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7.エイミー・クロウブシャー()連邦上院議員(ミネソタ州選出):クロウブッシャーは第3集団ではトップに位置づけられる。それはアイオワ州での支持率が高いからだ。リアルクリアポリティックスの平均の数字では4.7%である。しかし、アイオワ州は彼女の地盤ミネソタ州の隣の州であり、この数字は当然だ。彼女に必要なのは全国規模でのアピールだ。(前回順位:8位)

第2集団(Tier 2)

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6.コーリー・ブッカー(Cory Booker)連邦上院議員(ニュージャージー州選出):ブッカーは支持者に対して選挙運動を続けるには更なる政治資金が必要だと訴えた。そして、彼は必要な政治資金を手に入れた。現在、ブッカーはアイオワ州に注力している。今週、ブッカーはCBSニュースの取材に対して次のように述べた。「私はアイオワ州の党員集会で1位になれるように注力している。1位になるために戦っている。私は勝利を収めることが出来ると確信している。勝利を収めるために100日以上ある」。しかし、アイオワ州での各種世論調査でのブッカーの平均支持率は2.3%だ。(前回順位:5位)

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5.インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg):ブティジエッジが各種世論調査で獲得する支持率の数字で私が気になることがある。彼は民主党支持の有権者の中で最も人気の高い候補者の一人であり、アイオワ州とニューハンプシャー州での世論調査ではエリザベス・ウォーレンに次いで人気では2位につけることもある。彼は多額の選挙資金を集めている。それなのに世論調査の支持率は伸び悩んでいる。(前回順位:6位)

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4.カマラ・ハリス(Kamala Harris)連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党):アイオワ州に限って言えば、ハリスは上位につけているのは明らかだ。ブッカーと同様、選挙戦で生き残るためにはアイオワ州の党員集会で勢いをつけることしかないという考えに基づいて選挙戦を展開している。1回目の討論会で勢いづいたが、現在までにその勢いも失われ、世論調査が始まった頃の支持率に戻ってしまっている。(前回順位:4位)

第1集団(Tier 1)

berniesanders101 

3.バーニー・サンダース(Bernie Sanders)連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属):サンダースについて大きなニュースといえば先ごろ彼が心臓発作で倒れたというものだ。78歳の候補者にとってそれは大した問題ではないと私たちはおためごかしを言うことはできない。また、選対がこの事実を数日後に公表したのは何故か、ということも疑問として残る。サンダースは、心臓発作で倒れた事実を選対が隠したと言われていることに苛立ち、何が起きたのかを把握するのに時間がかかったのだ、と発言している。支持率の数字が下がっているが、それでも他の候補者を圧倒しており、第1集団に入っている。ウォーレンが支持率を伸ばしている状況であり、サンダースも上昇するための要素を見せる必要がある。(前回順位:2位)

joebiden101 

2.ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領:先月に比べて順位を上げた。これはサンダースの順位が下がったおかげである。順位は上がったが、それはバイデン自身の力ではない。バイデンはトランプからのウクライナ疑惑をめぐる攻撃に対して反撃として有効な答えをしていない。ジョー・バイデンの行動についての疑惑に証拠がないとしても、有効な反撃が出来ていないということは彼の選挙戦に影響を与える可能性が高い。ハンター・バイデンがウクライナのエネルギー関連企業の取締役に就任し法外な報酬を受け取っていたことはジョー・バイデンにとって少なくとも有利には働かない。バイデンはこのことについて話さねばならないことについて不快に感じているだろうが、だから取って避けて通る訳にもいかないし、自然に消えてしまうこともない。大統領弾劾の調査に焦点が集まっている現在、彼は明確なメッセージを出すべきだ、それもなるべく早くに。(前回順位:3位)

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1.エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)連邦上院議員(マサチューセッツ州選出):私はしばらくの間のつもりで、ウォーレンをトップに据えた。しかし、彼女に対しては以前に比べて好意的な評価をするようになっている。ウォーレンはいくつかの全国規模の世論調査の支持率と早期に予備選挙が実施される各州での各世論調査の支持率でトップに立つことがある。これはライヴァルたちが足踏みをしているということもあるが、選挙運動を強力に進めていることも理由として挙げられる。ウォーレンが党の指名を受ける候補者になる可能性が高まっているという考えを民主党員や民主党支持の有権者が持ち始めているが、彼女はこの考えをいかにして人々に持続して持ってもらえるようにするか注目される。(前回順位:1位)

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。 

 2019年10月15日に民主党予備選挙候補者による4回目の討論会が実施される。次は2019年11月20日に開催されることが決定した。参加条件はぐっと厳しくなっているが、既に8名が条件をクリアしている。

2019democraticpresidentialdebatenovemberqualification001

 上位5名のジョー・バイデン前副大統領、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジは順当に条件をクリアした。また、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、実業家トム・ステイヤー、IT実業家アンドリュー・ヤンが条件をクリアした。

 ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)、エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、フリアン・カストロ前住宅・都市開発長官といった第2、第3集団に入っている全国的にも知名度がある政治家たちがまだ条件をクリアしていない。トム・ステイヤーとアンドリュー・ヤンはよく健闘しているということになる。

 参加条件は献金者数16万5000名以上で、全国規模の世論調査で支持率3%以上を4回以上記録するか、早期に予備選挙が実施される各州での世論で支持率5%以上を2回以上記録するということになっている。献金者数の条件をクリアしているが、世論調査の支持率で苦戦している候補者が多い。民主党全国委員会が認定した各種世論調査が使われるため、認定されない世論調査で出した数字は認められない。これに不満を持ち、批判しているのがトゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)だ。

 民主党予備選挙は来年2月に始まる。予備選挙の形式には2種類あって、党員集会(caucus)と予備選挙(primary)がある。全米で最初に始まるアイオワ州では党員集会が実施される。現在、苦戦中の候補者たちは、アイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、ネヴァダ州で番狂わせを起こして、選挙の流れを変えようと躍起になっている。実際の選挙で状況を変えることが出来れば、それまでの世論調査の結果などは意味がないということになる。しかし、それはなかなか難しいことでもある。

 民主党予備選挙はだんだん人数が絞られていく。年末までに更なる撤退や転進が出るだろう。現在の上位5名+5名ほどは年を越して選挙を続けられるだろうが、それ以外の候補者たちは厳しい状況になるだろう。

(貼り付けはじめ)

11月の民主党予備選挙候補者討論会の参加条件をクリアしたのはヤンで8人目に(Yang becomes eighth Democrat to qualify for November presidential debate)

マックス・グリーンウッド筆

2019年10月8日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/464882-yang-becomes-eight-democrat-to-qualify-for-november-presidential-debate

IT実業家アンドリュー・ヤンが来月開催される5回目の民主党討論会の条件をクリアした。これで8人が条件をクリアしたことになる。火曜日に発表された世論調査の結果、ヤンは全国規模で3%の支持率を記録した。

11月の討論会に出席するためには、候補者たちは少なくとも16万5000名以上の献金者を集め、全国規模の世論調査で支持率3%以上を4回以上、もしくは早期に予備選挙が実施される各州での世論調査で支持率5%以上を2回以上記録しなければならない。

ヤンは既に献金者の条件をクリアしている。ヤン選対は先週、既に30万名以上が彼の選挙運動に資金を献金していると発表した。

キュニピアック大学が火曜日に発表した世論調査で、ヤンは11月の討論会参加条件クリアに必要な4回目の支持率3%以上を超えた。この世論調査で、ヤンは支持率3%を獲得し、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)と同率で5位となった。

火曜日、ヤンはツイッター上で討論会参加条件クリアを祝った。その中で、「私の選挙運動は日々局面を好転させている」と書いている。

11月の討論会の参加条件をクリアした彼を除く他の7名は次の通りだ。ハリス、ジョー・バイデン前副大統領、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジ、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、大富豪の社会事業家トム・ステイヤーだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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