古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:貿易戦争

 古村治彦です。

 民主党の副大統領候補に選ばれたミネソタ州知事ティム・ウォルツは、大学院生時代の1980年代後半から中国との関係を保っている。生まれ故郷のネブラスカ州の隣にあるミネソタ州の田舎町(妻の故郷でもある)で高校の社会科教師となってからも、中国との関係が続き、学生のグループを引率して、中国訪問を行っている。そのうちの1回は、妻との新婚旅行を兼ねてのものとなった。
timwalzkamalaharris001
timwalzonchina001
 ミネソタ州は、アメリカでも有数の農業州である。アメリカの農業は連邦政府からの補助金もあり、かつ大規模農業ということで、世界的な競争力を持つ産業分野となっている。農業州は全体として、共和党優勢州であり、農業州出身の連邦議員たちや州知事たちは共和党所属が多く(ウォルツは民主党ではあるが)、彼らは自由貿易を志向している。最大の貿易相手国である中国との関税をめぐる争いが起きると、農業州は困ってしまう。アメリカ産農産物に高い関税をかけられてしまうと、競争力が落ちてしまい、市場シェアをオーストラリアやブラジルといった競争相手に奪われてしまう。農業州は、共和党支持で、反中国的な気質を持っているが、商売としては、中国との関係を重視している。その代表例がティム・ウォルツということになる。

 カマラ・ハリスが大統領になれば、「ヒラリー2.0」のような存在ということになる。対中強硬姿勢を鮮明に打ち出すことになる。その時に、中国とのパイプとしてウォルツがいるということが重要だ。パイプ役として話ができる人物がいてこそ、対立を「管理する」ことができる。対立をエスカレートさせてしまう一方では、最悪の場合には戦争勃発の危険がある。ウォルツの存在は民主党とハリス陣営からの一種のメッセージである。

 日本でも、ただただあほだら経のように、反中国を唱え続ければよいという単純な思考の人々がいるが、それでは世界政治は動いていかないのだ。日中議連の二階俊博会長が訪中して、中国共産党序列3位の全国人民代表大会常務委員会委員長の趙楽際と会談を持っているが、意見を交換し、チャンネルをきちんと整備しておくこと、それを次世代に引き継いでいくことが重要なのだ。アメリカでも、民主党にリアリズム系統がいて、ウォルツを副大統領候補に選んでいるということを受けて、民主党もまだまだ捨てたものではないということを私は感じている。

(貼り付けはじめ)

ティム・ウォルツは常に中国に関して一貫した姿勢を保っている(Tim Walz Has Always Been Consistent on China

-地元紙は、民主党の副大統領候補となったティム・ウォルツが全国的な注目を集めるずっと前に何を考えていたかを明らかにしている。

ポウル・マスグレイヴ筆

2024年8月12日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/08/12/tim-walz-china-record-us-election-harris-trump/

ミネソタ州知事ティム・ウォルツがカマラ・ハリス副大統領の副大統領候補として全国の舞台に登場したことで、彼はにわかに注目を集めた。ウォルツは、舞台裏の戦略が成功し、突然空席となった民主党の2番目の候補者として検討されるまで、全国的な知名度は低かった。

ウォルツの半生の印象的な要素の1つは、中国との大変に深いつながりだ。ウォルツは天安門広場の抗議活動から数カ月後の1989年に初めて中国を訪問し、その後約30回訪問した。教育者として、そして中小企業の経営者として、彼は学生グループの中国旅行を促進した。連邦下院議員として、中国の人権と法の支配を監視する連邦議会対中国執行委員会の委員を務め、民主活動家の劉暁波の釈放と天安門事件の犠牲者への追悼を求める決議案の共同提案者となった。

ウォルツの中国での記録に対する注目が全て肯定的だったことはない。共和党や保守派の人々はウォルツの中国との関係を危険なものとして描写しようとしてきた。例えば、マルコ・ルビオ連邦上院議員はXに投稿した文章の中で、ウォルツが中国にとっての資産のような存在であり、「中国が将来のアメリカ指導者をどのように辛抱強く育てているかの一例(an example of how Beijing patiently grooms future American leaders)」であり、ウォルツが「中国が私たちの雇用と工場を奪い、アメリカに麻薬を氾濫させることを許す(allow China to steal our jobs & factories & flood America with drugs)」ことになるだろうと非難した。

しかし、ルビオの攻撃はまさに実態は逆だ。ウォルツの経歴は、中国共産党に対する慎重な批判者としての経歴であり、誇張や融和の傾向がない。これはスピンドクターがここ数週間で作り上げたイメージでもない。ネブラスカ州の小さな町の新聞記事はウォルツが政治的野心を抱くよりもずっと前に発行されたもので、ウォルツが公言していた中国人民と文化に対する愛情が、中国の支配者に対する長年の批判と一致してきたことを示している。

1980年代と90年代には、地方紙に取り上げられることはそんなに大変なことではなかった。例えばウォルツはかつて、「ボックスビュート郡唯一の家族経営新聞」である『アライアンス・タイムズ・ヘラルド』紙に、町の中心部のゴミ箱の塗装と修理という州兵プロジェクトの写真を撮られたことがある。(写真は説明が示唆するのと同じくらい重要だ。)

集まり、4-Hクラブのイヴェント、教会のお知らせなどは、小さな町のニューズ報道ではお決まりの内容だが、時折、例外的な出来事に関する記事で盛り上がることがあった。マサチューセッツを拠点とする非営利団体「ワールド・ティーチ」が運営するプログラムの一環として、ウォルツが中国派遣に選ばれたを決めたのもそのひとつだった。(当時もその後も、多くのニューズ記事ではワールド・ティーチはハーバード大学が運営するプログラムだと説明されているが、ハーバードの学生たちによって設立されたと言った方が正確だ)。

チャドロン州立大学の4年生だったウォルツは、1989年に『チャドロン・レコード』紙に掲載された派遣決定発表の記事で、「私はいつも旅に興味を持っていて、今回の機会は3000年前の文化を見る絶好の機会だと感じている」と語っている。

ウォルツは、決して華やかとはいえない条件下で教員として派遣され働くことになった。ワールド・ティーチが中国に教員を派遣するのはその年が初めてで、参加者は臨機応変に対応しなければならない、とチャドロン・レコードは報じた。ウォルツは「基本的に自分たちで問題を解決しなければならないと言われました」と語っている。交通費、健康保険、オリエンテーションの費用として2500ドルを捻出しなければならず、中国に入れば、月給は100ドルにしかならないと報じられた。

1989年6月のデモ隊の弾圧で、ウォルツはこの旅が続けられるかどうか不安になったが、プログラムは実施された。香港と広州でオリエンテーションを受けた後、ウォルツは教育現場である中国南部の広東省中部に移動し、当時急速に発展していた佛山の高級中学校に赴いた。チャドロン・レコードの1990年の記事によると、彼はそこで1989年12月から1990年12月まで、65人ずつの生徒に、アメリカの歴史と文化、そして英語を教えた。(1994年の『スコッツブラッフスター・ヘラルド』紙の記事によると、ウォルツの中西部訛りのアメリカ英語は、前の教師がイギリス人だった生徒たちにとっては新鮮な変化になったようだということだ)。

彼の旅行は、ウォルツが海外にいる間にシャドロン州立大学の教員に宛てて書いた手紙の抜粋を新聞が記事とs知恵掲載するほど大きなニューズとなった。ウォルツは自分が「王様のように扱われていた」と書いている。彼は「私はカリキュラムに全責任を負っていて、私が管理している」とも述べている。

帰国後、ウォルツは母校チャドロン州立大学で中国滞在ついての講演のために招待された。ほぼ同じ頃、中国での1年間についてのインタヴューが地元紙に掲載された。彼の熱意は明らかだった。「私がどれだけ長く生きても、私がこれほどよく扱われることは二度とないだろう。素晴らしい体験だった」とウォルツは1990年のチャドロン・レコードに対して語った。(2024年、『ニューヨーク・ポスト』紙はウォルツが「共産主義中国に媚びている」証拠としてこの文章をねじ曲げて報じた。)

しかし、文脈を見れば、ウォルツが騙されたのではないことは明らかだ。チャドロン・レコードによれば、彼は教職に就いていた年に北京を訪れ(鉄道で40時間の旅)、天安門広場を見たという。ウォルツは中国と中国人を愛していたが、中国共産党に対する態度は露骨に批判的だった。ウォルツはチャドロン・レコードに対して、天安門広場は「人々にとって常に苦い思い出となるだろう」と述べた。(ウォルツの配偶者によると、ウォルツはその後、天安門事件の日付を忘れないために、結婚の日取りを6月4日に決めた。)

ウォルツは、中国の問題は国民ではなく政府にあると指摘した。彼は次のように述べている。「適切なリーダーシップがあれば、(中国人が)成し遂げられることに限界はない。彼らはとても親切で、寛大で、有能な人々だ。彼らはただひたすら私に与え、与え、与えてくれた。中国に行ったことは、私がこれまでに行ったことの中で最高のことの1つだ」。

ウォルツは、中国の人々が共産主義社会から離れたがっていると見ている。ウォルツはチャドロン・レコードに対して次のように述べている。「学生の多くはアメリカに留学したがっている。彼らは中国にはあまりチャンスがないと感じている」。当時はまだポルトガルの植民地であったマカオをウォルツが旅行した際、マカオ政府がマカオに不法滞在していた中国人移民に恩赦を与えたため、西側諸国での居住を希望する何万人もの中国人が押し寄せたという。

中国訪問が、ウォルツの教育者としてのキャリアを形成した。帰国後数カ月で、ウォルツは当時人口1万人弱だったネブラスカ州アライアンスで社会科教師の職を見つけた。ウォルツは、自分の生徒と、友人の勤め先であった学校の中国人中学生とのペンパル・プログラムを立ち上げた。このプログラムは1991年の『アライアンス・タイムズ・ヘラルド』紙の一面を飾った。

ウォルツは行動的な教師であったと言えるだろう。ウォルツは文化的なギャップを埋めるだけでなく、当時蜜月であった米中政府関係の利害関係を生徒に示すために手紙のやり取りを利用した。ウォルツは『タイムズ・ヘラルド』紙に対し、当時の両国の貿易不均衡(現在の数分の一の機微)について次のように指摘した。「中国政府は、自分たちが売るものを私たち(アメリカ)に買って欲しいが、私たちが売るものは買ってくれない」。

それからすぐに、ウォルツは学生グループを率いて中国を訪れるようになった。最初の訪問は1993年7月で、アライアンス高校の生徒25人を連れて中国政府から一部資金援助を受けて訪問した。中国共産党ではなく、中国文化の一面を批判した珍しい例として、ウォルツは中国オペラを聴きたいというある学生に対し、他の中国オペラを見るくらいなら「ガラスを食べた方がましだ」と答えたということだ。スター・ヘラルド紙によると、翌年、ウォルツは同僚の教師である妻との新婚旅行で、中国への2回の学生旅行を企画した。その後、彼と彼の妻は同様の交流を促進するためのビジネスを始めることになった。

ウォルツは中国に好意的であったが、中国の人々に関する記述は、時に当時の一般的なステレオタイプを反映していた。1989年にレコード紙に掲載された中国からの手紙の中で、彼は「学生たちは行儀が良すぎるくらいだ」と書いている。中国での新婚旅行を前にした1994年のプロフィールの中で、ウォルツは、スター・ヘラルド紙に対し、生徒の名前を覚え、それぞれを見分けるのが大変だったと語っている。ただし、中国の生徒たちはアメリカ人なら誰でも同じように見えると思っていたとも述べている。1993年のタイムズ・ヘラルド紙の取材に対して、彼は自分の生徒たちを、過度に創造的ではなかったが勤勉だったと語っている。そして、小さな町での生活に慣れていたウォルツにとって、中国のスケールの大きさには驚かされたと述べている。

ウォルツの中国滞在が彼にどのような影響を与えたかについての同時代の(そして驚くほど広範な)記録は、ウォルツが中国滞在中に手なずけられたとか、そうでなければ幻惑されたという考えを明確に否定している。彼は、自分とはまったく異なる社会と政府を真摯に観察する若い観察者であった。しかし、何度も中国に接しているうちに、中国は彼にとってますます身近なものになっていった。中国人とその政府についての彼の意見は、自分の経歴と読書によって濾過された、直接の観察から導き出されたものだ。

タカでもハトでもないウォルツは、生徒であり教師でもある、例えるならフクロウのような存在として中国に近づいた。この初期のインタヴューを通じて、彼は国民と政府の分離を主張し、中国政府を繰り返し批判した。また、民主政治体制の重要性を強調し、アメリカに欠けている部分を認識していた。

人は変わるものであり、高校教師のウォルツがどのように授業に取り組んだかから、ウォルツ副大統領候補がどのように行動するかを探るのは明らかに危険である。それでも、ウォルツが理論やイデオロギーよりも事実、特に経験を重視すること、天安門の時代に確立された中国国民と政府に対する信念を深く持っていること、人権の促進と貿易交渉におけるアメリカの経済的利益への関与が長年にわたるものであることは明らかだ。

このような背景があり、さらにその後の下院議員としての中国問題での経験も加われば、ウォルツが北京との関係について、無条件に敵対することも、徹底的にナイーヴになるということもないだろう。

※ポウル・マスグレイヴ:マサチューセッツ大学アマースト校政治学講師。

(貼り付け終わり)

(終わり)

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 アメリカ通商代表(U.S. Trade Representative)は、アメリカの通商政策を担う役職であり、閣僚級とされている。そして、外交交渉を行う権限を持ち、大使として扱われる。各国との貿易に関する取り決めについてアメリカを代表して交渉を行う。「自由で公正な貿易」を実現するという建前を持っているが、本音はアメリカにとって有利な貿易上の取り決めを行うことが仕事である。

 下の記事では、ジョー・バイデン政権の米通商代表であるキャサリン・タイのインタヴューが掲載されている。キャサリン・タイは両親が台湾からの移民でアリ、彼女自身も中国を流ちょうに話す。中国側と交渉する際には、中国語を使うことはないだろうが、米通商代表が中国語を理解できるということは、中国に対しての大きなプレッシャーとなり、アドヴァンテージとなる。

katherinectaijoebiden001

キャサリン・タイ

 キャサリン・タイはインタヴューの中で、産業政策の重要性について述べている。アメリカが自由貿易体制を守りながら、経済成長をしていくためには、産業政策で、アメリカの各産業、特に最先端の産業分野を守り育てることが重要ということになる。このような主張に対しては、特定の企業に対する保護、税制優遇や補助金は非効率を生み出し、技術革新が阻害されるという反論がなされる。これに対して、キャサリン・タイは中国を例に挙げて、競争を阻害しない形での税制優遇や補助金供与ができるとしている。新自由主義、市場至上主義の時代ではまず考えられなかったことである。アメリカは、競争相手である中国の産業政策を学ぼうとしているのである。

アメリカは日本の産業政策については、叩き潰そうとしてそれに成功した。それは、究極的には、日本がアメリカの属国であり、日本はアメリカの指令を拒むことができなかったからだ。しかし、時代は変わった。アメリカは中国の真似をしようとしている。そして、米通商代表を、中国語に堪能な移民2世であるキャサリン・タイが務めていることは、大きな意味がある。

(貼り付けはじめ)

産業政策についてホワイトハウスが正当化する根拠(The White House’s Case for Industrial Policy

-キャサリン・タイ米通商代表はアメリカが不公正な競争を助長しているという批判に反論している。

ラヴィ・アグロウアル筆

2023年3月2日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2023/03/02/live-industrial-policy-katherine-tai-trade-economy-chips-inflation/?tpcc=recirc_carousel091023

国際貿易が激動に見舞われているのは当然のことだ。2007年に始まった世界金融危機(global financial crisis)の後、グローバライゼーション(globalization)の進展という数十年来のトレンドは、まず減速し、その後逆行し(reverse course)始めた。2020年には新型コロナウイルス感染拡大が発生し、サプライチェーンが一瞬にして寸断された。国や企業はいわゆる 「ニアショアリング(nearshoring)」や 「フレンドショアリング(friendshoring)」に注力した。その後、ロシアがウクライナに侵攻し、地政学(geopolitics)が貿易に更に影響を及ぼし始めた。米中冷戦の勃発や世界的なナショナリズムの波が加われば、世界が産業政策の時代に乗り出したように見える理由が分かるだろう。アメリカから中国、インド、ヨーロッパ、そしてその他の国々まで、主要な経済は内向きになっており、自由貿易やグローバルなモノの流れよりも国内の拡大(domestic expansion)を優先している。

今年2月の一般教書演説(State of the Union)で、ジョー・バイデン米大統領は「バイ・アメリカン(Buy American)」という言葉を展開し、大きな拍手を浴びた。バイデン政権はインフレ削減法(Inflation Reduction ActIRA)やCHIPS・科学法CHIPS and Science Act)などの画期的な法案を成立させ、クリーンエネルギーや半導体に4000億ドル以上の補助金を提供している。しかし、このような誘導策はアメリカ企業に国内投資のみを奨励し、他国への投資は奨励しない。アジアやヨーロッパの好機到来を迎えている各企業は、既にアメリカに投資を移し始めている。世界の他の地域からは抗議の声が上がっている。各国の大合唱は、ワシントンが不公正な競争(unfair competition)を助長していると非難している。

米国が保護主義に転じていると言っても、他国よりも自国の利益を優先する唯一の国とは言い難い。しかし、これは補助金競争(subsidies race)が健全な経済学を代表しているのかどうかという問題を提起している。最初の一時的な興奮状態(sugar high)の後、世界は結局、効率と技術革新(efficiency and innovation)の恩恵を犠牲にすることになるのだろうか? 大国間競争(great-power competition)の新時代から恩恵を受けるのは誰か?

産業政策の促進におけるワシントンの役割を理解するために、私はホワイトハウスの通商政策の策定と実施を任務とする、バイデン政権の最高当局者であるキャサリン・タイ米通商代表に話を聞いた。私たちの会話は、本誌のライブジャーナリズムフォーラムであるFP Liveで放送された。 FP購読者はFP Liveでヴィデオインタヴューを視聴できる。以下は、編集され要約されたトランスクリプトだ。

フォーリン・ポリシー:タイ大使、ヨーロッパの政策立案者たちは、インフレ削減法やCHIPS・科学法を見て、不公正な競争(Unfair competition)と保護主義(protectionism)の匂いを嗅いでいる。彼らの批判にどう答えるか?

キャサリン・タイ:CHIPS・科学法とインフレ削減法は重要な成果だ。長年の不手際や怠慢を経て、ようやく私たちは自分たちに投資している。非常に長い間、私たちは世界に溶け込むために自由化政策を進めてきたが、その一方で、我が国が必要としているものには目を向けてきなかった。

あなたが言うような批判は、私がその場で耳にしたものというより、むしろ報道で読んだものだ。それはパートナーからの懸念として私に届けられたものだ。これは重要な違いだ。

私たちは、パートナーや同盟国が私たちと共有している懸念を非常に深刻に受け止めている。

インフレ抑制法について考えてみよう。ヨーロッパのパートナーやカウンターパートとの会話はいつも、バイデン大統領の信じられないほどの成果、つまり気候危機との闘いにおいて私たちがこれまでに行った最大の貢献を祝福することから始まる。なぜ会話がそこから始まるのかというと、心に留めておくべき重要な事実がある。つまり、アメリカとヨーロッパは、気候変動とその持続可能性への影響、そして、私たちの経済の将来に関して、私たち全員が地球全体として直面している重大な課題を認識するという点で完全に一致している。

私たちは、パートナーや同盟国が私たちと共有している懸念を非常に真剣に受け止めている。インフレ抑制法は、気候変動との闘いへの署名であり、重要な貢献であると同時に、ここにある民主的な法の支配システムの産物でもあることを認識することが重要だ。私たちが最も緊密に対話し、協力しているパートナーも民主政体国家だ。民主政体諸国は私たちが取り組んでいる活動において団結しており、どのように協力してこれを実現できるかを考えるために、私たちが直面している課題に真剣に取り組んでいる。その全体的な文脈において、インフレ抑制法は(経済的持続可能性の課題を)解決するものにはならない。これは、技術と経済がこの課題に対処するよう奨励する重要な動機となる。これは、最初かもしれないが、行う必要がある最後の重要な政策貢献ではない。

フォーリン・ポリシー:あなたは、ヨーロッパからの批判に対処しているが、マクロ経済的な側面からの批判もある。経済学者たちは、世界が産業政策の時代に突入することを懸念している。自由貿易とは異なり、産業政策は長期的には非効率になりかねないという主張がある。また、大企業に補助金を出すと、技術革新が阻害されるとも言われている。

キャサリン・タイ:インフレ抑制法が対応している最初の課題は気候危機だが、世界経済の大きな混乱と不安定性の中で、私たちはこの危機の緊急性に直面している。新型コロナウイルス感染拡大やロシアのウクライナ侵攻決定を通じて私たちが目にしたのは、私たちが乗り越えなければならない世界経済の脆弱さだ。

世界経済もまた、世界経済において非常に重要な役割を担っているにもかかわらず、構造的に我が国の経済のような形で運営されていない、非常に大規模かつ成長を続ける経済の台頭による重大な歪みを経験している。

フォーリン・ポリシー:あなたは中国について話している。

キャサリン・タイ:そう、私は中国について話している。これは、過去数十年にわたって進められてきたグローバライゼーション・プロジェクトの基本的な前提に対する挑戦という点で、絶対に無視できない要素だ。

補助金が非効率的であるというあなたの指摘についてだが、私たちが補助金(subsidies)や税制上の優遇措置(tax incentives)を提供している限りにおいて、補助金は市場システムの中で運営され、企業の行動に影響を与えることを目的としている。中国経済を動かしていると私たちが見ている補助金や国家支援の種類は、まったく異なる規模のものだ。実際、それらは経済を動かしている。市場システムにインセンティヴを生み出すことが目的ではない。経済における国家と表現の間には直接的な境界線がある。そしてこれは、経済成長と発展への持続可能な道という観点から、ヨーロッパの友人や世界中の他のパートナーと私たちが共有するもう1つの課題の非常に重要な側面だ。分野が平等でないヴァージョンのグローバライゼーションでは、私たちは適応する方法を見つけなければない。私たちは一緒に適応する必要がある。

フォーリン・ポリシー:アメリカの内政・外交政策の多くは、中国との競争というプリズムを通してフィルターがかけられているようにいつも感じている。アメリカは既に中国から切り離されている(ディカップリング、decoupling from China)のか?

キャサリン・タイ:私がよく質問される中で、使われている言葉がいくつかあり、私はいつもそれと戦っている。ディカップリングもその1つであり、脱グローバル化(deglobalization)もその1つだ。ディカップリングという言葉が、経済を完全に切り離そうとしているという意味であれば、たとえそれが望ましい目標だったとしても、それを実現するのは非常に難しいと考える。

私たちがやろうとしているのは、現在見られるグローバライゼーションのヴァージョンにおいて、リスクと脆弱性がどこにあるのかを確認し、特定することだ。私たちが新型コロナウイルス感染拡大を通じて経験したサプライチェーンの課題は、示唆に富んでいる。感染拡大初期の個人防護具、マスク、手袋、人工呼吸器であれ、私たち全員に影響を与えた半導体チップの不足であれ、私たちは、供給と生産の集中が重大なリスクと脆弱性を生み出すことを認識することなく、最低コストを追い求め、効率性を追求して設計されたグローバル・サプライチェーンを目の当たりにしている。

私たちが焦点を当てているのは、ヨーロッパの友人たちがリスク回避と呼んでいるもので、これは実際に物事を考えるのに非常に役立つ考え方だ。私の観点からすると、それはサプライチェーンの回復力を構築し、経済の回復力を確保するためのインセンティヴを生み出すことだ。なぜなら、それが地政学的であれ、気候関連であれ、疫病であれ、私たちが遭遇する危機は更に大きくなるからだ。この期間を建設的かつ生産的に過ごすために私たちがしなければならないことは、将来のショックに耐え、和らげることができるように世界経済を適応させ、備える方法を見つけ出すことだ。それをディカップリングとは呼ばない。それは、まさに、私たち全員がより多くの選択肢を持てるようにすることなのだ。

フォーリン・ポリシー:私もディカップリングという言葉に満足していないので、あなたの前任者のロバート・ライトハイザーを含む数名のアメリカ政府当局者たちがこの言葉を使用し、アメリカの政策としてディカップリングを主張していることは指摘しておきたい。

しかし、中国と関係を持つことも重要だ。アメリカの政策の一部が中国を封じ込めたり、中国の台頭を遅らせたりすることであるなら、それは世界経済そのものに悪影響を与えるのではないだろうか?

キャサリン・タイ:私の観点からすると、少なくとも貿易と経済分野では、中国を封じ込めることがバイデン政権の政策の目的ではない。それはアメリカを引き上げることである。世界経済統合における効率性の追求において、自分たちはあまり目立たないと感じていた特定の分野の労働者を元気づける。実際には数世代前に行った投資にまだ依存しているインフラを整備する。そして、より速く走れ、より高くジャンプできるように自分自身を鍛え上げる。それはおそらく、通商政策を含む経済政策を見る上で最も有用なレンズだ。

フォーリン・ポリシー:もちろん、あなたの役割はアメリカの利益を第一(America’s interests first)に考えることだ。しかし、繰り返しになるが、大国が自らの回復力(resilience)、つまり独自の産業政策を構築している世界では、最終的には小規模な経済が苦しむことがよくある、と言う経済学者たちもいる。アメリカ、中国、ヨーロッパが内向き(looking inward)になっている時代に、グローバルサウスは勝てない。あなたの役割においてそれをどのように考えているか?

キャサリン・タイ:あなたは「アメリカの利益が第一(America’s interests first)」と述べたが、それがアメリカ・ファースト[America First](ドナルド・トランプ前大統領の政策)に関しての、不愉快な思いを引き起こす。どの国も自分たちの利益を大事にしているではないか? しかし、私はバイデン政権のアプローチをそれらと区別したいと考えている。アメリカ第一主義だけのことではない。それはまた、アメリカがどのようにリードし、どのように提携できるかということでもある。私たちは自分自身に投資する必要があるが、それを1人で行わないようにするにはどうしたらよいか? なぜなら、それは私たちが生きたい世界、つまり私たちが1人で何かをするような世界ではないからだ。

小国や発展途上国に何が起きているかかというあなたの質問に対しての答えは次のようになる。発展途上国から中所得国に至るまで、世界最大の経済大国にふさわしいリーダーになるためには、必然的に次のことを行わねばならない。それは、自分自身を大切にしながら、良きパートナーである必要性を決して忘れないということだ。

グローバライゼーションのより強靭な新ヴァージョンの創造を促進するために、私たちが革新しなければならない重要な要素がある。それは、大規模な先進経済国と小規模な発展途上国とのパートナーシップのこれまでのモデルを、アメリカがどのように改善できるかということだ。

あなたが世界経済を流動的であるように感じているのはその通りだが、変化は恐ろしいものであり、変化がどのようなものになるかという保証はないため、私たちは皆、変化に対してある種の偏見を持っている。

フォーリン・ポリシー:中国に関するアメリカの通商政策の長期目標は何か?

キャサリン・タイ:私は1年少し前に米中貿易関係についてスピーチをした。私はその内容全てを承認する。それは、私たちが共存し、公正に競争し、繁栄し続けることができる方法を見つける必要があるということ、そして、私たちの政治的・経済的DNAの核となる制度や原則を守る必要があるということだ。そして、市場競争の原則に基づき、強力な民主政治体制と繁栄する経済を継続するためのスペースを確保することである。

世界で第2位の経済大国が全く異なるシステムで運営され、大きな影響力を持ち、独自の主権を持ち、独自の決定を下していることを考えると、どのようにしてこれらの目標を達成できるのだろうか? これは、私たちのありのままを守り、繁栄するための空間を創造しようとしているアメリカ、そしてパートナーや同盟国として、私たちが取り組む最も重要な問題の1つだ。

フォーリン・ポリシー:最後に質問がある。個人的な質問をさせて欲しい。私はアジア系アメリカ人だ。あなたはアジア系アメリカ人だ。これは、私が自分自身に取り組んでいる質問だ。自分の文化的伝統、自分の複数のアイデンティティ、そして自分が身に着けているさまざまな帽子について、どのように考えているか? あなたは政権内でも数少ない、流暢な中国語話者でもあることを付け加えておく。あなたが守るために雇われたのはアメリカの国益でありながら、あなたの立場にいる人々には必ずしも当てはまらない世界的な展望も持っているということを考えると、これら全ての要素はあなたの政策決定にどのように影響するだろうか?

キャサリン・タイ:移民の子供で、家庭では違う言語を話して育ってきたので、私は言語を学ぶのが大好きだ。私はたくさんの言語で、「お手洗いはどこですか?」と聞けると思う。そして、私は、少なくとも2つか、3つの言語での答えを理解できるかもしれない。これは、私たちが米通商代表部で行っている仕事の重要な側面を強調しているだけでなく、コミュニケーションと理解における橋を架け、溝を埋めることができなければならないというバイデン政権の国際的な見通しも強調している。私は、皆さんとの今回のような機会を捉えて会話をし、私たちの考え方や何を達成しようとしているのかを詳しく説明することに多くの時間を費やしている。

中国を含むアジアのパートナーに関しては、非常に複雑な関係にあり、非常に大規模で重要なパートナーであるため、常に自分の視点を伝えることから始め、次にそれらの国々の意見に耳を傾けられるように、コミュニケーションする必要がある。これは、国内側の政策立案にとっても非常に重要なスキルセットとなる。こうした違いは、国家観だけにとどまらない。私が特に誇りと責任感を持っていることは、アメリカの通商政策をどのように推進するかについて超党派の見解を維持することだ。なぜなら、それが実際に私の職名と私たちの機関の肩書に入っているからだ。その肩書こそは「私たちは米通商代表だ」というものだ。米通商代表として、私たちが政策を推進し、策定する必要があるのは、アメリカ全体、経済、コミュニティ、地域、全ての構成要素の利益のためだ。

※ラヴィ・アグロウアル:『フォーリン・ポリシー』誌編集者。ツイッターアカウント:@RaviReports


bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

>
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)が発売になりました。米中関係についても書いておりますので、是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 米中貿易戦争はドナルド・トランプ前政権から始まった。制裁的な関税をかける競争を行ったが、こうした状況はジョー・バイデン政権でも変更がない。バイデン政権は対中強硬姿勢という点ではトランプ前政権を踏襲しているということになる。

アメリカ連邦議会は、米中経済安全保障評価委員会という委員会を設置し、中国の経済や貿易に関する評価を依頼したそうだ。そして、委員会は勧告書を発表し、更なる制裁的な対応を行うように勧告している。アメリカ経済は中国経済に依存し、結果として中国をここまで大きくした。そして今頃になって、中国経済や貿易の慣習はおかしいとして、制裁を加えようとしている。

 一方、中国はアメリカ依存からの脱却を目指している。中国は基本的に、アメリカにとっての「工場」として機能してきたが、重要な部品は中国国内で開発できず、「組み立て工場」の地位に甘んじてきた。それでは先はないということを分かっていた。そこで、重要な部品の研究開発を2010年代から始め、その成果が出つつある。そのことを最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)で書いた。是非お読みいただきたい。

 アメリカは逆に国内での工業生産を復活させようとしているが、それはうまくいっていない。アウトソーシングしつくしたアメリカ国内に工業生産を復活させる力は残っていない。ウクライナ戦争において、アメリカは大量の武器や装備をウクライナに支援してきたが、そのために、アメリカ軍自体が武器や装備不足に落ちっているが、その回復の見込みは立っていない。厳しい状況だ。

 アメリカは中国に依存すべきではなかった、「アメリカと経済的に接近すれば中国は変化する」という理由付けは間違っていたということになるが、それは今更の話である。それではアメリカはどうすべきなのかということで、アメリカは解決策を見いだせないでいる。中国が一枚上手だったのである。

(貼り付けはじめ)

米中貿易戦争はヒートアップする可能性が高い(U.S.-China Trade War Could Heat Up

-米連邦議会委員会はバイデンに対して中国との貿易関係を再考するように望んでいる。

ジャック・ディッチ筆

2022年11月15日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2022/11/15/u-s-china-trade-war-wto-sanctions-xi-jinping-biden-trump/?tpcc=recirc_latest062921

米連邦議会が委任した委員会は、バイデン政権に対し、中国が略奪的な貿易慣行に従事しているかどうかを評価するよう求めており、この評価が、最終的に、アメリカが中国との通常貿易関係を永久に停止させることにつながる可能性がある。

もしこの勧告の内容が採用されれば、米中経済安全保障評価委員会(U.S.-China Economic and Security Review Commission)が火曜日に発表した連邦議会への年次報告書は、20年にわたる貿易関係をひっくり返し、2つの超大国の間の既に乱れた力学をさらに揺るがすことになるだろう。中国が世界貿易機関(World Trade OrganizationWTO)への加盟を推進する中、2000年に連邦議会が承認したいわゆる恒久的な通常貿易関係を撤回することで、アメリカは中国の輸入品に対する関税を更に引き上げるための舞台を整えることができる。トランプ政権は2019年、様々な中国製品に25%の関税をかけた。

超党派の委員会は、基本的にトランプ時代の中国との経済対決をさらに推奨しており、ワシントンの多くの人々は、ここ数十年のアメリカ国内の製造業の雇用喪失と、アメリカの経済競争力の浸食の原因を中国に求めているのだ。

米中経済安全保障評価委員会委員長で、トランプ政権時代の国務省元高官であるアレックス・ウォンは次のように語った。「これはバイデン政権にも連邦議会にも権限を与え、連邦議会にも、うまくいかない、アメリカの利益に役立たない貿易関係を再調整するためのものだ。この委員会は、米中関係に影響を与えるだろうか? もちろんそうなるだろう。しかし、そこが重要だ。私たちは、対中貿易関係を評価し、適切に再均衡するために、連邦議会とバイデン政権がこの仕組みを検討することを推奨している」。

アメリカはWTOの最恵国待遇貿易規則(WTO’s most-favored-nation trade rules)を広く適用しており、この規則は加盟諸国に対し、他のすべての加盟国に同じ条件を適用するよう求めている。ヨーロッパ連合(EU)やアメリカ・メキシコ・カナダ協定など、自由貿易協定には例外もあるが、アメリカはキューバと北朝鮮を除くほとんどの国に自由な地位を与えている。WTOの規則によれば、アメリカは国家安全保障の例外として、中国の最恵国待遇を取り消すことができる。これはまた、中国が20年来の貿易関係において、その取り決めを守っていないことを認めることにもなる。具体的には、委員会は中国がWTOの誓約に違反し、産業補助金(industrial subsidies)を制定し、知的財産を盗み、保護主義的な政策を実施し、アメリカ企業に損害を与えていることを指摘した。

特恵貿易ステータスの取り消しが決定されれば、連邦議会は貿易関係の再評価を迫られることになる。これまでのところ、バイデン政権はドナルド・トランプ前大統領が最初に導入し、中国政府からの数十億ドルの報復関税につながった一連の関税をほぼ維持している。中国の略奪的な貿易慣行を見直す動きは、この問題への対応が遅れているアメリカの官僚機構を混乱させる可能性もある。『フォーリン・ポリシー』誌は9月、キャサリン・タイ米通商代表部が中国からの輸入品に関する4年間にわたる見直しを来年まとめる予定だと報じた。

しかし、たとえバイデン政権と連邦議会が、ホワイトハウス部局の設置からアメリカのサプライチェーンの強化、対中エネルギー封鎖の実現可能性まで、すべてを網羅する報告書の、39点の広範な勧告の実施を決定しなかったとしても、この報告書は、ワシントンが政治的通路の両側で中国に対してよりタカ派的なスタンスを採用することに拍車をかけている。

2022年10月、ジェイク・サリヴァン国家安全保障問題担当大統領補佐官は、バイデン政権の国家安全保障戦略を発表したジョージタウン大学でのスピーチで、冷戦後の時代は「最終的に終わった(definitively over)」と宣言した。中国のWTO加盟後、議会法に基づいて設置された委員会は、北京の貿易慣行に対して、より厳しい姿勢を取り、中国が組織的に自国通貨を過小評価し、不公正な貿易慣行に関与することでアメリカの貿易赤字を膨らませてきたという主張を20年近く続けてきた。

一方、中国もアメリカへの経済依存(economic dependence)からの脱却に向けた動きを見せている。 2022年9月の第20回中国共産党大会で歴史的な3期目の任期を与えられた中国の指導者である習近平は、アメリカおよび西側諸国からの輸​​入、特に重要技術に対する中国の依存度を減らすことを目的とした「二重循環(dual circulation)」戦略を推し進めてきた。バイデン政権は、ウクライナへの本格的な侵攻に対抗して、ロシア国内のコンピューターチップを減少させようとしており、半導体生産をアメリカに戻すことを目指すCHIPS法など、最近のアメリカの法律は中国のハイテク分野を脅かしている。報告書はまた、台湾に対する中国の軍事行動に対抗するための制裁やその他の経済措置を検討する常設のアメリカ政府委員会の設置を議会に求めている。

WTOが中国の貿易慣行を取り締まることができない中で、トランプ政権がWTOを意地でも中途半端にしていることもあり、米中経済安全保障評価委員会はワシントンの政策立案者たちに立ち上がるよう働きかけている。

ウォンは、「1999年の投票にさかのぼれば、それは本質的に、このステータスを付与することが私たちの貿易関係を繁栄させるだけでなく、中国との関係全般の改善につながり、中国を国際システムに引き入れ、より大きな安定を生み出すという、アメリカ側の情報に基づいた賭けだった。そして20年後、私たちの賭けがうまくいったのか、それともそれによって私たちが傷ついたのかが強く問われている」と述べている。

※ジャック・ディッチ:『』誌米国防総省・安全保障分野担当記者。ツイッターアカウント:@JackDetsch
(貼り付け終わり)
(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 米中貿易戦争は出版の分野にも影響を及ぼしている。アメリカで発刊された書籍の中国への輸入・出版が差し止め状態にあるということだ。もちろん書籍であるので、その中身や著者の思想が中国当局に忌避されて差し止めとなっている場合も多いだろう。不思議なのは、エズラ・ヴォーゲル博士の書籍が出版差し止めとなっている点だ。ヴォーゲルといえば『新版 ジャパンアズナンバーワン』で日本でも有名だ。日本研究分野で一番売れた本である。社会学者であるヴォーゲルは奥さんと子供たちを連れて日本の柏市に住んで、日本について研究してこの本を書いた。

ezravogel010

ヴォーゲル博士は日本研究家として知られているが、実はもともと日本語も中国語も堪能で、2000年代には既に中国に研究の重点を移していた。そのような人物の著作が出版差し止めというのは気になるところだ。日本では最近『リバランス 米中衝突に日本はどう対するか』という本を出した。「中国で一番有名な日本人」として知られる加藤嘉一氏が聞き手として参加している。

 世界の出版市場に占める割合はアメリカが30%、中国が10%、ドイツが9%、日本が7%、フランスが4%、イギリスが4%となっている。日本の出版の売り上げが約1兆5000億円となっているので、アメリカは6兆円超、中国は2兆円超であることが推計される。

publishingmarketsharebycountries001 

 誰もが名前を耳にしたことがある日本の大手出版社の売り上げは1000億円超から1500億円くらいだ。その多くが漫画、コミックの出版のおかげで何とかなっている。一般書の売り上げは落ち込んでいる。日本の子供、若者も大人も皆日々の生活に忙しくてなかなか本を手にすることはない。電車で熱心に本を読んでいる人を見かけることもあるが、スマホの画面を眺めている人がほとんどだ(電子書籍を読んでいる人はいるかもしれない)。

※出版社の売り上げについてはこちらからどうぞ。

 日本語の壁に守られている日本の出版市場であるが、人口が減っていくということになれば売り上げはまた落ちていく。本を買って読まないということが習慣化されつつあり、これもまた痛手となる。日本の出版物を翻訳しての海外展開はこれから重要になってくる。私は今年夏に深圳を訪問したのだが、そこで書店に入った。書店には日本の書籍の翻訳が多数置いてあったが、一番人気はミステリー作家の東野圭吾氏だと感じた。東野氏だけ、書籍の棚に「東野圭吾」コーナーがあったからだ。また、学生や若い人たちを中心に村上春樹氏やよしもとばなな氏の小説が人気だという話も聞いたことがある。書店は人とすれ違うのが大変なほどに混みあっていた。その様子が下の写真だ。

bookstoreinchina001
zentaishuginochugokugaamericawouchitaosu001
全体主義の中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界

 学習教材のところには親子連れが多くいたが、それ以外に場所にも多くの子供たちや若者たちが熱心に「座り読み(日本だったら立ち読みになるだろう)」をしていた。座り読みをされたくない本にはビニールでラップがしてあった。出版にとって中国市場はこれから有望である。日本の書籍の人気ぶりを考えると、これからどんどん日本の書籍が翻訳されて紹介されていくだろうし、また逆のことも起きるだろう。実際に、中国発のSF小説・劉慈欣(りゅうじきん)著『三体』が日本でも人気となっている(『三体』は世界的にも評価が高いのではあるが)

 米中貿易戦争は意外なところで影響を及ぼしている。

(貼り付けはじめ)

貿易戦争によって中国国内でのアメリカの書籍出版に打撃(Trade war hits U.S. books in China

レイチェル・フラジン筆

2019年12月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/finance/trade/476089-trade-war-hits-us-books-in-china

米中両国で貿易戦争が戦われている中、中国国内でアメリカの書籍出版が停止されたと報じられている。

『ニューヨーク・タイムズ』紙は、今年に入り貿易戦争が激化したことで、数百冊のアメリカの書籍の出版が中国当局によって差し止められている、と報じた。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、リストには、ボブ・ウッドワード著『恐怖の男:ホワイトハウスのトランプ』、1973年発刊のコーマック・マッカーシー著『神の子供』の翻訳、リサ・ハリディ著『非対称』、ステファニー・クーンツ著『婚姻の歴史』、エズラ・ヴォ―ゲル著『中国と日本』、中国語版のマイケル・J・サンデル著『公共哲学:政治における道徳性緒論』が含まれている。

ニューヨーク・タイムズは次のように報じている。それぞれの書籍の販売が停止されている理由は明確になっていない。ウッドワードの書籍に関しては、貿易戦争よりも政治的な内容がその理由であろうという憶測が流れている。

しかし、ニューヨーク・タイムズは、アメリカの書籍出版の証人はほぼストップしており、そのために出版社はアメリカの書籍から別の書籍に関心を移している、と報じた。

北京のある出版社に勤める編集者アンディ・リューはニューヨーク・タイムズの取材に次のように語っている。「アメリカの書籍を出版するのは現在ではリスクの高いビジネスとなっている。海外の書籍を紹介しようとするにあたっての前提が揺らいでいる」。

中国は検閲があるという評判が立っているがそれでも世界の書籍市場で主要な市場となっている。国際出版業協会によると、2015年の時点で、中国はアメリカに続いて世界第2位の書籍市場となっている。

今月、中国とアメリカは「第一段階」の貿易合意に達した。これによって米中両国は関税を引き下げることになる。

(貼り付け終わり)

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 

 いよいよ本日2019年2月27日から明日にかけて、ヴェトナムのハノイでドナルド・トランプ米大統領と金正恩北朝鮮国務委員会委員長との2度目の首脳会談が行われます。何か具体的な成果、非核化に向けたロードマップが出るのかどうか不明ですが、期待は低いものです。ただ、こうして首脳会談が継続されているということは、その間は何事も起きない、というだけのことですが、それが重要なのでしょう。

 

 北朝鮮の後ろには中国、更にはロシアがいるのですから、北朝鮮としては強気で出られますし、できるだけたくさんの好条件を獲得しようと駆け引きをしてくる、アメリカは攻撃をしないということを言ってしまっているので、なかなかうまくいかないということになります。トランプ大統領はWTOやNAFTAに関して、アメリカの交渉者たちが全くダメだったと批判してきましたが、アメリカは超大国であるがゆえに、交渉がうまくいかないということもあるのでしょう。

 

 トランプ大統領は中国との交渉と同意の期限を3月1日にまでとし、それ以降は中国からの輸入品にかける関税率を10%から25%に引き上げるとしていましたが、この期限を延長しました。関税率を引き上げれば必然的に、中国からの輸入品を使ったアメリカで販売される物品の価格は上がります。そうなれば企業の売り上げは落ちるでしょうし、人々の不満が大きくなります。物価が上がらずに給料だけが上がる、物価上昇率よりも狭量の増加率の方が高い、というのが理想ですが、そうはうまくはいきません。

 

 中国との貿易戦争は、1980年代の日本との貿易戦争の時のようにはうまくいきません。アメリカの属国である日本との貿易戦争は言ってみれば、最後は恫喝で解決が出来るものでしたが、中国に対しては、恫喝など効果はありません。

 

 そうなると、アメリカにとって麻薬のような奥の手が出てきます。それは、独裁者に苦しむ人々を助ける、というものです。その対象が現在はヴェネズエラということになります。ヴェネズエラに対して強硬な姿勢を取り続けるとそれだけで称賛される、という状態で、アメリカは全く変わらない、学ばない、進歩がないと思わせられます。ここに社会主義に対する言葉を入れると完璧で、社会主義は20世紀に人々の支持を失い、アメリカ型のデモクラシーと資本主義が勝利したはずなのに、やっぱり困ったら社会主義攻撃を行うのです。今年の一般教書演説でも唐突に社会主義という言葉がトランプ大統領の口から出て来て、批判が展開されましたが、これがかえって、アメリカはよほど困っているんだろう、アメリカ国内に社会主義を求める声(その内容は他の先進諸国で既に導入されているもの)が大きくなっているんだろうということを印象付けてしまうものでした。

 

 トランプ大統領は国内政治でうまくいっていないので、外交面で成果を出す、中国との交渉がうまくいけば経済も上向くということになります。しかし、それは逆に見れば、中国に譲ってもらって成立するもので、アメリカの国力と威信の低下を印象付けるものです。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ大統領は外交政策に目を向けさせようと新たな動きを起こしている(Trump seeks new momentum with pivot to foreign policy

 

ブレット・サミュエルズ筆

2019年2月21日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/430847-trump-seeks-new-momentum-with-pivot-to-foreign-policy

 

トランプ大統領は自身の任期の中で最も厳しい状況に陥っているが、これからの数週間で外交政策の面で新たな動きを起こし、好意的な報道がなされるように仕向けるための機会がやってくる。

 

トランプ大統領は来週北朝鮮の最高指導者金正恩と会談を持つ予定となっている。これは昨年6月にシンガポールで開催された金委員長との歴史的な会談に続くもので、シンガポールでの米朝首脳会談はトランプ大統領にとって大統領在任中のハイライトとなるものだ。

 

それとは別に、トランプは中国との貿易交渉で合意するための期限である3月1日に直面している。これがうまくいかなければ中国からの輸入にかける関税を大幅に引き上げることになる。現在、米中間の緊張は高まるという危険な状態が続いている。別の局面では、ヴェネズエラ政府が西側からの支援物資の国内受け入れを禁止しているが、トランプ大統領はこれを止めさせようと圧力をかけている。ホワイトハウスは国際舞台でヴェネズエラに対する攻勢を強めている。

 

報道の対象が変化することはトランプ大統領にとっては歓迎すべきことである。国内状況に目を向けてみれば、2019年という年は政府機能の一部閉鎖が続いている状況で始まり、そのために一般教書演説の実施も遅れ、大統領に対する支持率も低下してしまった。

 

一週間前、トランプ大統領は国境地帯に関する非常事態宣言をめぐる争いを終結させたが、それは政治的な後代を印象付け、共和党内の分裂をもたらした。トランプは国境の壁建設のために連邦議会に要求していた予算額の一部しか獲得できなかった。そこで更に予算を獲得するために非常事態宣言を行った。非常事態宣言をめぐる争いは法廷に持ち込まれようとしている。

 

トランプ大統領は連邦議会、特に民主党が過半数を握っている連邦下院によって動きを封じられてしまっている。そうした中で、外交政策に関してはより自由にできる行動範囲が遺されている。まずは2019年2月27日と28日にヴェトナムのハノイで金委員長との2度目の首脳会談がそれである。

 

トランプ大統領は首脳会談について自信を示しているが、何が期待できるかを具体的に述べている訳ではない。昨年のシンガポールでの首脳会談の後に具体的な進展はほぼなかった。トランプ大統領は、今回の会談の成功について昨年の会談の時と同じ内容を挙げている。

 

水曜日、トランプ大統領はオーストリア首相との会談を行い、その中で記者団に対して次のように述べた。「私たちは金委員長と2日間にわたって会談を持つ。私たちは多くの成果を上げることが出来ると考えている。私たちは最初の会談をうまくスタートさせることが出来た。その線に沿って会談を継続させることが出来ると思う。今回が最後の会談になるということはないし、私たちの間の関係は強固だと考えている」。

 

この前日、トランプ大統領は記者団に対して、最終目標は朝鮮半島の非核化であるが、その実現を「急がない」と述べた。

 

「アームズ・コントロール・アソシエーション」の上級部長ダリル・キンボールは、来週の会談で非核化に向けたより具体的なロードマップが出てくるようにする必要があると述べている。

 

キンボールは次のように述べた。「北朝鮮のミサイル開発プログラムの停止と放棄のための外交的な合意が形成される機会は永遠に存在し続ける訳ではない。今回の会談は、トランプ大統領が二国間の進む方向を正しいものへと設定するための最後のそして最良の機会となるだろう」。

 

朝鮮半島の非核化というトランプ大統領の目標は彼の政権第一期目の中間で具体的に姿を現したもので、貿易に関する合意内容を改善するという公約は選挙戦の時期に既に発表していたものであった。

 

米中両国は3月1日までに包括的な貿易に関する合意に達しなければ、中国からアメリカへの輸入品に欠ける関税を10%から25%に引き上げることになる。しかし、多くのことをなすためには残された時間が少なすぎる。特に、トランプ大統領は合意に署名する段階になる前に中国の習近平国家主席と会談を行いたいという主張を行っているが、これは難しい。

 

トランプ大統領はここ数週間、最終的な合意に達するという楽観的な姿勢を保ってきた。両国の交渉者たちは木曜日にワシントンDCで会談を持つ予定になっている。大統領はまた、交渉の期限を延長しても良いという考えも示唆している。火曜日には3月1日の期限は「絶対的なものではない」と発言した。

 

トランプ大統領の非公式の経済アドヴァイザーであり、ヘリテージ財団の上級研究員も務めているスティーヴン・ムーアは本誌の取材に対して、中国との合意に成功することは、トランプ大統領が選挙公約を果たすことであり、それによって経済に対する人々の信頼を高め、結果として2020年の米大統領選挙での勝利をもたらすだろうと述べた。

 

本誌に論説を寄稿しているムーアは「中国との貿易交渉はトランプ大統領が大統領になるにあたって最もこだわっているものだ」と述べた。

 

ムーアは更に、「中国との貿易交渉をうまく行い、合意に達したら、それ以外のこともうまくいくと思う」とも述べている。

 

トランプ大統領は中国と北朝鮮については注意深く待ち、観察をしなければならない。一方、ヴェネズエラに対する姿勢に関しては超党派の称賛を集めている。トランプ大統領は、反政府派の指導者フアン・グアイドをヴェネズエラの正統な指導者だと認め、ニコラス・マドゥロ大統領を辞任させようと圧力をかけている。

 

トランプ大統領は月曜日、舞網市内で演説を行い、その中で社会主義を非難し、マドゥロに対して権力に拘泥しないようにと警告を発した。

 

トランプ大統領は「私たちは権力の平和的な移行を求めているが、全ての手段を有している」と述べた。

 

マドゥロが国境を閉鎖している状況で、いつ、どのようにして食料や医薬品をヴェネズエラ国内に運び入れることが出来るのかは明確になっていない。しかし、トランプ大統領の強硬な姿勢は国内外で多くの支持を集めている。

 

コロンビア大統領イヴァン・ドゥケは、ヴェネズエラ国内でグアイドを支持する諸勢力の結集が進んでいることを称賛し、アメリカをはじめとする諸外国がヴェネズエラに対して人道援助をする際に、コロンビアがそうした援助物資を受け取り、ヴェネズエラに仲介、つなぐことを約束した。

 

ドゥケ大統領は先週ホワイトハウスを訪問し、その際、次のように述べた。「ヴェネズエラ国民に悪影響を及ぼしている暴力的な独裁政治を終わらせるために協力したいと思う。外交上の封鎖策はこれまでにないほどの成果を上げていることを嬉しく思う。ヴェネズエラの独裁政治の残された日はほぼないと私は考えている」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ