古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。X accountは、@Harryfurumura です。ブログ維持のために、著作のお買い上げもよろしくお願いします。

タグ:貿易赤字

 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
trumpnodengekisakusencover001
『トランプの電撃作戦』←青い部分をクリックするとアマゾンのページに行きます。
 アメリカは日本に対して25%の高関税を課すことを決定したようだ。中国に対する100%を超える関税を課すということがあったので、案外高くないなと思ってしまうほどだが、日本経済に対しては影響が出る。アメリカの巨額の貿易赤字はアメリカの国内問題であり、日本だけが一方的に努力をしたり、我慢をしたり、犠牲になったりすするということはおかしい。自動車が日米間の重要な問題になっているようだが、それならば、アメリカの三大メーカーは日本で売れるような、日本人に選んでもらえるような自動車を作って輸出すべきだ。そもそも、戦後すぐからしばらくは日本国内でもアメリカ車が走っていたし、憧れの的だった。それは黒澤明監督のその頃の映画を見てみたら分かる。また、その頃の日本車は箱根の山を登り切れずにエンジンが焼けてしまって立往生をしている横をアメリカ車が颯爽と走り去っていったという逸話が残っている。高性能で価格が見合うなら、日本の消費者は買うだろう。それができないのはアメリカの怠慢だ。
trumptariffratesbycountries202508001001
 また、日本車に高関税をかけても、アメリカの消費者は壊れにくく、長持ちし、中古として売却するにしても高くで買い取ってもらえる日本車を選ぶだろう。アメリカのインフレの状態を考えると、25%の関税はあまり影響が大きくないということも考えられる(これは机上の空論であるが)。

 輸入品に関税を掛けてお金を徴収するのは政府だが、その支払いをするのは国民だ。トランプ政権の高官勢はアメリカ国内の製造業の保護や復活を企図したものだが、そのための「補助金」をアメリカ国民が支払うということになる。これまで、私たちはアメリカが最大の市場であり、アメリカで商売をして利益を上げて、ドルを獲得するということが最上のシステムであると考えてきた。ドルを獲得しなければ国際決済はできないし、何より石油を獲得することができないということであった(ペトロダラー体制)。

 しかし、今や西側諸国の国力の減退、西側以外の国々の発展があり、アメリカ依存は得策ではない。トランプ関税について、私は一定の評価をしてきたが、それは、アメリカ国内の支持者たちからの視点としてであった。トランプ支持者たちは、貧しい白人の労働者たちであり、高関税によって彼らの仕事が一部でも戻ってくる、新しくできるということを願っている。トランプとしてはそれをかなえてやりたいということになる。実際に少しは良くなるだろう。しかし、大きく見れば、アメリカは既に厳しい状況であり、「手遅れ」である。先の大戦における、サイパン陥落後の日本のようなもので、もうどうしようもないという状況だ。何とかしたい、しかし、もう有効な方法は残っていない。既にアメリカの覇権国としての寿命は尽きつつある。

(貼り付けはじめ)

トランプは貿易戦争に負けるだろう(Trump Will Lose the Trade War

-多面的な紛争は、それを誘発した国にとって決して良い結末を迎えたことがない。

ロバート・D・アトキンソン筆

2025年6月12日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/06/12/trump-us-trade-war-tariffs-china-canada-protectionism-isi/

第一次世界大戦の敗戦後、ドイツ軍最高司令部は重要な教訓を学んだ。それは、「決して二正面作戦を戦わない(Never fight a two-front war)」というものだ。だからこそドイツは1939年、ソ連とモロトフ・リッベントロップ協定(Molotov-Ribbentrop pact)を締結し、10年間は​​両国が互いに攻撃を仕掛けないことを約束した。しかし、アドルフ・ヒトラーは10まで数えることができず、ドイツは第二次世界大戦に突入した。これもまた二正面作戦であり、ドイツにとって悲惨な結末を迎えた。

貿易戦争にも同じことが言える。一正面戦争(a one-front war)なら問題ないかもしれないが、世界全体と戦うのは避けるべきだ。コメディアンのノーム・マクドナルドが2015年の「レイト・ショー」でジョークを飛ばしたように、「前世紀の初め、ドイツは戦争を決意した。そして、誰と戦ったか? 世界だ。・・・それから約30年が経ち、ドイツは再び戦争を決意した。そして再び、世界を敵に選んだ!」

現在、ドナルド・トランプ米大統領は貿易戦争の開始を決意した。そして、誰を攻撃対象に選んだのだろうか? それは世界だ。4月のいわゆる「解放記念日(Liberation Day)」に、トランプ大統領はペンギンのいる島国やアメリカとの貿易赤字を抱える同盟諸国も含む、ほとんどの国に関税を課した。

その結果、世界の他の国々はアメリカへの反感を募らせ、アメリカに代わる貿易体制の構築を模索し始めている。日本、韓国、中国、そして東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟諸国は、ヨーロッパ連合(EU)と中国と同様、貿易協力に向けた協議を行っている。カナダもまた、トランプ大統領の関税措置を受け、EUとの貿易・投資関係強化に期待を寄せている。

それにもかかわらず、トランプはアメリカが依然としてトップであり、ボスであり、主導権を握っていると考えているようだ。しかし、そろそろ事実を直視すべき時だ。アメリカは彼の貿易戦争によって甚大な損失を被るだろう。

その理由は単純だ。特に先進産業においては、多くのアメリカ企業が生き残り、繁栄するために世界市場へのアクセスを必要としている。トランプが模範とする企業は、低中程度の技術水準で非上場のアメリカ企業であり、生産物のほぼ全てを国内で販売している。包丁メーカー、家具メーカー、ゴルフクラブメーカーなどを思い浮かべてみよう。(トランプは、自分やカントリークラブの仲間たちが、間もなく新しいアイアンセットに高額なお金を使うことになることを知っているのだろうか?)自分がこれらの企業を海外の競争から守れば、これらの企業は繁栄するだろうというのがトランプの考えだ。保護された巨大な市場があれば、繁栄しないはずがない。

話はそんなに早くは進まない。アメリカは、力強い先進産業なしには強大な力を持つことはできない。そして、これらの産業はトランプの新しい世界では深刻な苦戦を強いられるだろう。

課題には複数のベクトルがある。1つ目は、輸出向けに生産するアメリカ企業(ボーイング、メルク、ゼネラル・エレクトリックなど)は、輸入部品や材料に関税を支払うため、投入コストが大幅に増加することだ。

第二に、他国が相互関税を課すと、これらの企業の製品は価格的に海外市場から締め出されることになる。他国の企業は、マイクロン製のメモリチップではなく、韓国製のメモリチップを購入するだろう。ボーイングではなくエアバス製のジェット機、キャタピラーではなく、日立製の機械類を使うだろう。これはお分かりいただけるだろう。

さらに、トランプ大統領はアメリカ企業に対する露骨な差別への扉を開こうとしている。EUはトランプ大統領の攻撃的な姿勢を利用して、「ユーロスタック(EuroStack)」計画を正当化しようとしている。これは、コンピューターチップからサーヴァーに至るまで、ほぼ全てのアメリカ製ハイテク製品を最終的にヨーロッパ製の製品に置き換える計画である。そして、EUはついに軍事費増額計画を発表したが、それはヨーロッパ製の兵器を購入することによって行われることになる。

これは関連する課題につながる。トランプ大統領の貿易戦争下で、アメリカの輸出企業はますます海外市場から締め出されることになる一方で、競合他社はアメリカ抜きではあるものの、グローバルに統合された市場に参入することになるだろう。特に、他国が新たな貿易協定を通じてより統合された市場の構築に着手する中で、この傾向は顕著になるだろう。外国企業は革新と繁栄に必要な規模を獲得するだろう。一方、比較的小規模なアメリカ市場に依存しているアメリカの生産者たちは、徐々に縮小し、最終的には消滅する可能性もある。

トランプ氏の輸入代替産業化戦略(import substitution strategyISI)は、過去にも他国で試みられてきたが、失敗に終わった。国際開発コミュニティは1950年代から60年代にかけて、成長戦略として輸入代替工業化(Import substitution industrializationISI)を広く採用し、多くの発展途上国は1980年代以降もそれを維持した。失敗の理由の1つは、ブラジルのような比較的規模の大きい国でさえ、ますます複雑化する製品を効率的に生産できるだけの市場規模を持っていなかったことにある。国際通貨基金(International Monetary FundIMF)による最近の世界産業政策分析によると、繁栄したのは韓国や台湾のように輸出戦略(export strategies)を採用した国であり、ISIを推進した国ではないことが明らかになった。

アメリカ経済は、例えば韓国経済よりもはるかに大きいものの、今日の先進産業は、継続的な研究開発費を賄うために必要な収入を生み出すだけでも、アメリカが提供できる以上の大きな市場を必要としている。

しかし、それだけではない。世界貿易の覇権国としてのアメリカの役割が衰退するにつれ、中国が確実にその地位を奪うだろう。中国は過去15年間、あらゆる国際機関に浸透してきた。トランプ大統領が主導権を握り、世界保健機関(WHO)、パリ協定、国連人権理事会など多くの機関からアメリカが離脱したことで、勝利は中国のものとなった。

すでに多くの国々が北京を訪れ、習近平国家主席に媚びへつらって貿易協定を締結するのを目にしており、今後もこうした動きが続く可能性が高い。かつて南米で最大のアメリカからの経済支援の受取国であったブラジルとコロンビアは、すでにその道を歩んでいる。中国の先進産業は貿易戦争後、アメリカ市場へのアクセスを失うかもしれないが、世界の他の国々の市場へのアクセスは確保されるだろう。一方、アメリカ企業はアメリカ市場の残りかすを残されることになるだろう。

トランプ大統領が対外援助を削減した後、中国は他国の心を掴むためにアメリカよりもはるかに多くの資金を費やしている。風向きが東であることは、気象予報士でなくても分かる。習近平国家主席が最近ロシアの新聞に寄稿した記事にあるように、「一極主義、覇権主義、そして威圧的な行為が世界中で深刻な被害をもたらしている」。中国を自由貿易と連帯の守護者として見せることができるのは、トランプ大統領だけである。

明確にしておくと、トランプはフェアプレーをしない国々に(貿易)戦争を仕掛ける必要があった。最大の加害者は中国であり、2006年頃に世界的な貿易戦争を開始し、習近平国家主席の就任以降、これを激化させてきた。中国は他のいくつかの国と共に、体系的な重商主義的慣行(systemic mercantilist practices)に従事し、アメリカの製造業の空洞化を助長し、巨額の貿易赤字につながっている。

中国は大規模な知的財産窃盗を行った。外国企業を恫喝し、中国国内での生産と技術移転を強要した。そして、特定の産業で生産能力を獲得すると、市場を閉鎖した。

アメリカが世界貿易機関(World Trade OrganizationWTO)を通じて中国の不正行為に対処しようと試みた事例はごくわずかだ。その理由の1つは、WTOの構造上、そのような行為を効果的に訴追することがほぼ不可能なためだ。アメリカ企業もまた、中国政府の報復を恐れて、WTOへの協力をほとんど拒否した。EUも同様だ。

アメリカが提訴し勝訴した訴訟は比較的少数で、レアアース輸出割当や風力発電補助金といった、ほとんどがピュロス的な勝利(pyrrhic victories、訳者註:勝利ではあるものの、その代償が大きすぎて、実質的には敗北と変わらないような状況を指す)に終わった。これらはいずれも競争の実態を変えることはなかった。そして、ほとんどの場合、中国はアメリカの訴訟に対して反訴を起こした。トランプは正しかった。宣戦布告すべき時だった。しかし、マクドナルドが言うように、世界に対して一度に宣戦布告するべきではない。

それでは、希望はあるのだろうか? おそらくないだろう。しかし、トランプに関しては予測不可能だ。

トランプがなすべきだったのは、まずヴェトナム、インドネシア、インドといった、世界貿易ルールの最も深刻な違反国に焦点を絞ることだった。関税を課す前に、これらの国々に協議を促し、アメリカの主要な要求事項を列挙し、90日以内に是正するよう求める。そして、相手が応じない場合のみ関税を課すのだ。そして、その際には、先進産業におけるアメリカの競争力にとって最も重要な貿易障壁や阻害要因に焦点を当てるべきだった。

これらの国々がエビの輸出を拡大したいなら誰が気にするだろうか? アメリカ産ウイスキーの市場を閉鎖したいなら争う価値はない。しかし、アメリカのハイテク企業を攻撃し、先進的なアメリカ製品・サービスへのアクセスを制限することなら、徹底的に抗戦する(going to the mattresses over)価値がある。

次に、ヨーロッパに軸足を移し、その後、日本、韓国、台湾に軸足を移す。お分かりだろう。しかし、世界全体と同時に戦争を仕掛けるべきではない。それがもたらすのは、世界的な反米同盟(a worldwide anti-American alliance)の形成だけだ。

中国は貿易戦争を仕掛ける際、全ての国を一度に攻撃しないだけの分別を持っている。北京は特定の国に貿易攻撃を仕掛け、しばらく様子を見て外国の反応を伺う。そして、怒りが収まると、また別の攻撃を仕掛ける。そして、沸騰した湯の中の蛙のように、他の国々は中国の攻撃をほとんどすすり泣くことなく受け止めてきた。

中国は依然として、アメリカ、そして西側諸国の先端技術産業を破壊する意志と手段を持つ唯一の国である。トランプの貿易戦争は、北京の勝利を阻止することを目的として設計されるべきである。何よりも、それはアメリカの同盟諸国と協力することを意味する。しかし、アメリカに対する敵意の高まりと国力の低下を目の当たりにすると、多くの国は北京との取引をより容易にしている。

同盟諸国がいなければ、いかなる戦争も敗北に終わる。トランプが同盟諸国との交渉に意欲を示さない限り――5月にカナダ首相マーク・カーニーと会談した際には、彼はこれを拒否した――アメリカは第一次世界大戦以前と同様に、世界的に孤立したままになるだろう。しかし、当時と現在との大きな違いは、アメリカ企業が生き残るためには技術面で世界的規模に到達する必要があり、中国がアメリカを凌駕する競争力を持つようになったことである。

アメリカがドイツよりもうまく、多面的な紛争から脱却することを願うばかりである。

※ロバート・D・アトキンソン:情報技術イノベーション財団(Information Technology and Innovation FoundationITIF)の創設者兼理事長、ジョージタウン大学エドマンド・A・ウォルシュ外交大学院の非常勤教授。クリントン、ジョージ・W・ブッシュ、オバマ、トランプ、バイデン政権で顧問役を務め、『技術革新経済学:グローバル優位をめぐる競争(Innovation Economics: The Race for Global Advantage)』を含む4冊の著書がある。Xアカウント:@RobAtkinsonITIF
(貼り付け終わり)
(終わり)

trumpnodengekisakusencover001

『トランプの電撃作戦』
sekaihakenkokukoutaigekinoshinsouseishiki001
世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になります。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
trumpnodengekisakusencover001
『トランプの電撃作戦』←青い部分をクリックするとアマゾンのページに行きます。

トランプ関税は世界を震撼させた。そのショックから世界はだいぶ回復している。最近、本のおかげもあって、色々な人に「トランプ政権やアメリカはどうなるんですか」「トランプはどうしたいんですか」という質問を受けることがある。ドナルド・トランプは有言実行の人物であり、発言したことをそのまま実行している。その点で非常に分かりやすい。そして、トランプは、ロナルド・レーガン政権をモデルとしているので、レーガン政権の政策も考えれば、トランプ政権の基本の柱は「2つの赤字、財政赤字と貿易赤字の解消」である。そのために、連邦政府の職員の大量解雇や政府機関の閉鎖を進めているし、高関税(とドル安誘導)もその一環だ。

 トランプ大統領の経済アドヴァイザーで、大統領経済諮問会議議長のスティーヴン・ミランの「マール・ア・ラーゴ合意(協定)」については以前にもこのブログでご紹介した。高い関税とドル安合意(1985年のプラザ合意の同様の)は各国経済に大きな影響を与えるが、各国はアメリカからの安全保障を受けているので、それを取引材料にして、それを受け入れるという考えになっているようだ。アメリカが国を守ってやる代わりに(それでも自分たちでも防衛費を増額せよということはある)、その代償を支払うのが当然だということになる。

先日、赤沢亮正経済産業大臣が訪米し、トランプ大統領とも会談を持ったが、席上で、日本のアメリカ軍駐留経費負担の5倍増(年間約2600億円から年間約1兆3000億円への増額)を求められたというのは、日本からは、なんでも搾り取ろう、それができる相手だというアメリカの意向がはっきりと見えて、属国の悲哀を感じる。それなら、今まで貯め込んできたアメリカ国債(世界で第1位の保有額を誇る)を売って資金を調達しますと言えないのが辛いところだ。他国であればそれくらいの交渉をするだろう。しかし、アメリカの衰退ぶりをトランプ政権が見せてくれていることは象徴的な出来事であり、にほんもいつまでも「従米一辺倒」では国益を大きく損なうことになる。

 アメリカが抱える深刻な問題である、財政赤字と貿易赤字は、アメリカが「強いドル」で、世界中から安い価格で物品を購入、それをドルで支払い、外国に支払ったドルは米国債という形でアメリカに戻るというシステムが生み出した結果である。結局、アメリカは借金で生きる国柄となった。トランプ大統領はそこを何とかしようとしている。彼が「製造業の国」という言葉を大統領就任式の演説で使ったのは極めて重要である。しかし、残念ながら、アメリカが製造業の国として復活するにはもう手遅れである。それだけのインフラも質の高い、生産性の高い労働者も既にアメリカには存在しない。

 歴史的に見ても、貿易や製造業で大きく発展した国では、成功者たちは金融の投資によって、安定的な収入を得られる形にして、富裕層となっていく。そして、金融の割合が大きくなり、貿易や製造業は衰退していく。アメリカも既にその段階になっている。汗水たらして働くのが尊い、それが正しい生き方だという倫理感もなくなっている。日本も既にそうなっている。それは国家の衰退に兆候なのである。

 ドナルド・トランプはアメリカの衰退を象徴する人物として、後の歴史書に記録されるだろう。彼が衰退を招いたということではなく、アメリカが衰退していることを初めて明確にした人物として、そして、その時代の時代精神、心性を象徴する人物として記録されるだろう。

(貼り付けはじめ)

トランプ大統領の貿易に関する矛盾が現実のものとなった(Trump’s Trade Contradictions Come Home to Roost
-ドルは上昇するどころか下落している。これは関税に関する理論に反する行動であり、投資家たちがアメリカへの信頼を失っていることを示している。

ピーター・コイ筆

2025年4月8日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/04/08/trump-trade-tariff-dollar-markets-confidence/

ドナルド・トランプ米大統領は、長らくドルについて2つの考えを抱いてきた。世界市場でアメリカ製品を安くするためにドルを弱めたいと述べる一方で、世界の主要な準備通貨(reserve currency)としての地位を維持するためにドルを強くしたいとも主張してきた。

これら2つの目標は決して両立しない。そして今、彼の関税戦争(tariff war)がアメリカ経済を脅かす中、現実が厳しくなっている(we’re seeing reality bite)。トランプは望んだ通りドル安を実現している。1月の就任以来、ドルは主要通貨に対して5%下落している。しかし、彼が約束したドル高はどこにも見られない。

昨年、トランプの主要アドヴァイザーの1人であるスティーヴン・ミランは、いわゆる「マール・ア・ラーゴ協定(Mar-a-Lago Accord)」を構想した。これは、アメリカが貿易相手国に対し、事実上ドルの価値下落への協力を求めるというものだ。理論的には、これは強い立場から切り下げを画策することになる。

むしろ、ドルが下落しているのは、アメリカの弱体化に対する認識によるものだ。投資家たちは、短期的には貿易戦争(trade war)がアメリカの景気後退を引き起こし、長期的にはアメリカへの信頼の喪失が世界貿易の中心であるドルの役割を危うくするのではないかと懸念している。INGのグローバル市場責任者であるクリス・ターナー氏は顧客向けメモの中で、「アメリカの関税がアメリカ経済に逆風を吹き込むことで、ドルは無防備な状態になっている」と述べた。

トランプは、強いドルは一長一短(mixed blessing)だと正しく指摘している。輸入品は安く、輸出品は高くなるため、グローバル市場で競争する企業の労働者たちは打撃を受ける。トランプは、自ら「アメリカ経済の空洞化(the hollowing out of the American economy)」と呼ぶ状況を逆転させると公約しており、関税と並んでドル安は彼の政策の重要な柱となっている。

しかし、強いドルはアメリカの消費者たちにとって物価も下げることになる。そして、アメリカがドルの価値を維持するという確信こそが、他国が緊急時の準備金(emergency reserves)としてドルを保有し、国際取引で米ドルを使用することに積極的かつ熱心に取り組んできた主な理由である。

ブルッキングス研究所の昨年の分析によると、ドル資産は世界の外貨準備高の59%を占め、ユーロ圏内の決済を除く国際決済の58%でドルが利用されている。これは、世界の経済生産高に占めるアメリカのシェアが約4分の1に縮小しているにもかかわらず、準備高と決済の割合は大きい。

この優位性は、アメリカに重要な地政学的影響力を与えている。2024年11月30日のTruth Socialへの投稿で、トランプ大統領はブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカに対し、ドルに挑戦しないよう警告した。トランプは、「彼らは新たなBRICS通貨を創設することも、強力な米ドルに代わる他の通貨を支持することもないだろう。もしそうするならば、100%の関税に直面することになるだろう」と書いている。

トランプ大統領の目標は、強いドルの良い部分は維持しつつ、その負担を軽減することだった。しかし、負担軽減は決して痛みを伴わないものではなかった。輸入価格は上昇し、貿易相手国はアメリカの輸出品に対して報復措置を取っており、トランプ大統領は「貿易戦争は良いことだし、勝つのも簡単だ(trade wars are good, and easy to win)」という1期目の任期中のメッセージから、偉大さへの道には「多少の混乱はあるだろう(there’ll be a little disturbance)」という警告へと方向転換した。

過去の経済混乱期において、アメリカ金融市場は比較的好調だった。それは、アメリカが投資家たちにとって安全な避難先とみなされていたためだ。世界的な金融危機のように、アメリカが問題の主因となった局面でさえも同様だった。しかし、今回はそうではない。アメリカの株価指数は、ヨーロッパ、中国、日本の株価指数と足並みを揃えて下落している。これは、アメリカが国際金融における特権的な地位を失いつつあることを改めて証明している。投資家や政府は、もはや信頼できる富の貯蔵庫ではないドル資産を保有したがらない。

確かに、これまでのドルの下落幅は株価の下落幅よりも小さいが、驚くべきことにドルは下落している。経済理論によれば、国が関税を引き上げると、通常はその国の通貨が上昇するはずだ。

なぜ関税がドルを押し上げるのだろうか? それは需要と供給(supply and demand)だ。関税は当初、アメリカの輸入需要を減少させるため、海外に流出するドルは減少する。ドルが比較的不足しているとき、他の通貨に対するドルの価格は上昇する。ドル高は輸入品を安くすることで、関税の初期効果を部分的に相殺する。経済学者のオリヴィエ・ジャンヌは2020年に、関税関連のニューズが2018年の中国人民元の下落の約3分の1を説明すると推定した。

貿易介入が通貨市場に相殺効果をもたらすという考えは、決して新しいものではない。1752年、スコットランドの哲学者であり、経済学者でもあるデイヴィッド・ヒュームは、輸出制限(restrictions on exports)は「それらに対する為替レートを上昇させる以外に何の目的も持たない」と記した。

貿易理論に反して、今回の件でドルが上昇していない理由は、アメリカ経済の健全性に対する懸念がドルに下押し圧力(downward pressure on the dollar)をかけており、それが予想される貿易フローから生じる上昇圧力(the upward pressure)を圧倒しているためである。

トランプのドル高に対する複雑な感情は、彼の貿易政策における唯一の矛盾ではない。トランプは、関税によって歳入が増加し(おそらく所得税を廃止するのに十分な額になるだろう!)、製造業の雇用がアメリカに戻ってくると約束している。

しかし、ドル安・ドル高のディレンマと同様に、これら2つの目標を同時に達成することは不可能である。関税によって多額の収入が生まれるのは、外国製品が依然としてアメリカに流入しているからに過ぎない。その場合、関税によって製造業の雇用が回復することはない。逆に、関税によって製造業の雇用が回復するとすれば、それは輸入が枯渇するからに過ぎず、つまり関税によって多額の収入が戻ってくる訳ではない。経済の基本原則は、(イギリスの元首相ボリス・ジョンソンの発言にもかかわらず)ケーキを食べて、それをまた食べることはできない、ということだ。

オランダの経済学者ヤン・ティンベルゲンがまだ生きていたら、トランプ大統領に対し、関税で一度に多くのことを達成しようとしていると指摘できただろう。1969年に第1回ノーベル経済学賞を受賞したティンベルゲンは、それぞれの政策目標にはそれぞれ独自の手段が必要だと述べた。パイロットが2つの空港の平均に着陸することはできないという直感的な理解だ。

(最近CNNに出演したスコット・ベセント米財務長官は、この難問は段階的に解決できると述べた。当初は関税による収入は多額になるだろうが、それは「縮む氷の塊(shrinking ice cube)」のようなものだ。時間が経つにつれて輸入は減少し、国内製造業が成長していく。そして、その経済活動への課税が関税収入に取って代わるだろう。まあ、そうかもしれない。)

さらに、トランプ関税のコストを負担するのはアメリカ人か外国人かという永遠の疑問がある。関税は輸入時点で支払われることになっているが、それでは最終的に誰がそのコストを負担するのかという疑問には答えられない。ベセントはその答えを知っていると考えている。ベセントはボスであるトランプの発言に同調し、3月初旬にCBSニューズに対し、中国は「いかなる関税も負担するだろう(will eat any tariffs that go on)」と語った。

しかし、経済学者たちは、それはどちらが市場力(market power)を持っているかにかかっていると指摘する。もし中国の各メーカーがアメリカの顧客を維持するために関税コストを負担しなければならないと感じれば、関税コストの全額を負担することになるだろう。これがベセントのシナリオだ。一方、もし中国のメーカーが関税コストを顧客に押し付けることで済むなら、最終価格は関税分だけ上昇し、アメリカ人がそのコストの全額を負担することになるだろう。

現実はおそらく、これらの両極端の間のどこかにあるだろう。トランプ氏が前回大統領を務めた際、中国やその他の輸出国は関税の恩恵を受けなかった。受けたのはアメリカ国民だ。経済学者のメアリー・アミティ、スティーブン・J・レディング、そしてデビッド・E・ワインスタインは、2018年と2019年に課された関税に関する、2020年の記事の中で、「アメリカの関税は、依然としてほぼ全額をアメリカ企業と消費者が負担し続けている(U.S. tariffs continue to be almost entirely borne by U.S. firms and consumers)」と述べている。

多くの主流派経済学者たちは、関税が特定の状況下では正当な手段となり得ることに同意している。例えば、世界貿易機関(World Trade OrganizationWTO)は、貿易相手国による補助金などの不公正な慣行から自国を守るために、各国が関税を課すことを認めている。また、成長過程にある「幼稚産業(infant industries)」、つまり、競争(competition)から保護する必要がある産業を保護する関税を擁護する経済学者もいる。

しかし、トランプは、関税を必要悪(necessary evils)ではなく、それ自体が善であると考えている。最近NBCニューズに対し、輸入車への25%の関税は「完全に」恒久的だと語った。また、不法移民やフェンタニルの密売の削減など、貿易とはかけ離れた目標を達成するために関税を利用することも志向している。最近では、ロシアがウクライナ停戦への取り組みを妨害した場合、ロシア産原油を購入する国に関税を課すと警告した。

トランプの思考に一貫した方向性を見出すのは難しいがアドヴァイザーたちの一部は試みている。

前述のミランは、トランプ大統領の大統領経済諮問委員会(Council of Economic Advisors)の委員長を務めており、11月にトランプの広範な関税政策の少なくとも一部、すなわち「マール・ア・ラーゴ合意」の枠組みを示した。そこにはドルの評価を正す試みも含まれており、準備金や取引の主要通貨であり続けながらドルをいかに安くできるかを示した。

ミランは、他国がアメリカ資産への投資のためにドルを蓄積しているため、ドルが過大評価されており、その結果、アメリカ製品の価格が高騰し、産業が空洞化していると主張した。

ミランは論文の中で、貿易赤字の削減はドルを弱めるのではなく、上昇圧力をかけることを認めている。彼の解決策は、市場の力に逆らってドルを押し下げるために介入する意思のある国々の連合を形成することだ。これは、1985年のプラザ合意の現代版であり、日本円、西ドイツのドイツマルク、その他の通貨に対するドルの価値を下落させた。

ミランは、高関税(high tariffs)はアメリカに貿易相手国からドルを押し下げるための協力を得るための「交渉力(negotiating leverages)」を与えると記している。それでも通貨切り下げ計画に同意しない貿易相手国は、高関税に直面し、アメリカ軍の保護を失うリスクを負うだろうとミランは付け加えた。この華々しい発言は、トランプへの支持を一層高めたかもしれない。

ミランは、ドル操作(dollar manipulation)のいかなるシナリオも「友好国、敵国、そして中立貿易相手国の間のより明確な線引き(a much stronger demarcation between friend, foe and neutral trading partner)」を必要とすると述べた。ベセントも同様の表現を用い、アメリカの要求に従う意思に応じて各国を緑、黄、赤の「バケツ(buckets)」に分類することについて言及した。

この春、経済学者モーリス・オブストフェルドは、3月27日に開催されたブルッキングス研究所の経済活動に関する論文会議で発表した論文の中で、トランプ政権の関税政策とドル政策を分析した。カリフォルニア大学バークレー校のオブストフェルド教授は、国際通貨基金(International Monetary FundIMF)の元チーフエコノミストである。

オブストフェルドは、提案されているマール・ア・ラーゴ協定をあまり高く評価していない。オブストフェルドは次のように書いている。「約束されたマクロ経済のファンダメンタルズの変化が実現しない限り、為替レートへの影響は短命に終わる可能性が高い。また、他国がなぜ同調するのかは不明だ。それは、自国通貨が過小評価されていると考える国はほとんどないからだ」。

アメリカの貿易相手国との関税戦争を煽ったことで、トランプ大統領は意図せぬ結果の渦に巻き込まれた。それは、経験の浅い旅人にとっては方向感覚を失わせる場所であり、行き止まりや曲がり角、そして上っているように見えて実際には下っているエッシャーの絵にある階段が数多く存在する。トランプ大統領は、抜け出す道を見つけるために専門家たちの指導を受けることができるかもしれない。

※ピーター・コイ:経済を専門とするジャーナリスト。

(貼り付け終わり)

(終わり)
trumpnodengekisakusencover001

『トランプの電撃作戦』
sekaihakenkokukoutaigekinoshinsouseishiki001
世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 

 国連総会に伴い、安倍晋三首相がニューヨークを訪問、アメリカのドナルド・トランプ大統領と首脳会談を行いました。焦点は貿易赤字問題。簡単に言うと、アメリカは現状の対日貿易赤字状態を何とかしたい、減らしたい、日本は現状からあまり変更を加えたくないということになります。

 

 1980年代、私が子供の頃、日米貿易戦争などと呼ばれ、対日貿易赤字に業を煮やしたアメリカは厳しい要求をしていました。子供なのでよく分からなかったのですが、「日本が自動車やテレビを作って、それをたくさん輸出するんだけど、アメリカからは何も買わないのでアメリカが怒っている」という程度の理解でした。

 

 さて、その頃に比べて、日米の貿易関係はどうなっているかと言うと、アメリカの貿易赤字の額で言えば、中国やメキシコの方が大きくなっています。中国は年間で約38兆円も黒字(アメリカからすれば赤字)なので何ともすさまじいものです。貿易額の合計で言えば、中国とメキシコが群を抜いています。日本は対アジアでの貿易が活発になっているようです。

 

(貼り付けはじめ)

 

■2017年のアメリカの貿易赤字上位5か国(アメリカからの輸出額―その国からの輸入額、概数)

 

    中国 1700億ドル 5200億ドル -3500億ドル(約38兆5000億円)

    メキシコ 2400億ドル 3200億ドル -800億ドル(約8兆8000億円)

    日本 690億ドル 1390億ドル -700億ドル(約7兆7000億円)

    ドイツ 535億ドル 1130億ドル -595億ドル(約6兆5500億円)

    イタリア 185億ドル 500億ドル -315億ドル(約3兆4700億円)

 

ソース:http://honkawa2.sakura.ne.jp/8782.html

 

■年別の貿易赤字のグラフ


ustradedeficitgraphyearbyyear001
 ソース:http://honkawa2.sakura.ne.jp/8782.html

 

(貼り付け終わり)

 

対日赤字の約80%は自動車関連となっています。アメリカ側には、自動車こそはアメリカのお家芸、アメリカの自動車は世界一、だから日本で売れないのはおかしい、という意識があるかもしれませんが、今の日本でアメリカ車を積極的に買いたいという人は少数だと思います。日本で外国産車と言えば、ドイツ、イギリス、イタリア、フランス、スウェーデンといったヨーロッパの国々の自動車となります。アメリカ車は、燃費が悪く、故障が多く、大型車ばかりで日本の狭い道にはそぐわないという考えが日本の消費者の側にあります。戦後しばらくアメリカ車は憧れの対象で、古い日本映画では主人公がアメリカ車を運転している場面が良く出てきます。しかし、私がアメリカで生活しての経験を踏まえて、アメリカの自動車を買うかと質問されればとノーと答えます。

 

 アメリカ側が日本側にいくら「アメリカ車を買え」と要求しても、それは理不尽な要求で、消費者の要求に沿った自動車づくりをしてからそのように言えということになります。アメリカでは景気が良くなっているということで、購買意欲が高まり、その購買意欲が、アメリカ車ではなく、日本車に向かっていることで、貿易赤字が増えているという側面があります。日本車は故障しにくく、大切に乗っていれば、中古車として売却する際には高い値段で売れるというのがアメリカ国内での常識ですから、お金があったら日本車を買うということになります。

 

ですから、アメリカとしては日本の自動車関連輸出に対して高関税をかけることで、アメリカ国内での日本車の売り上げを下げ、アメリカ車が競争できるようにするという動きに出ようといのが現在の状況です。今回の日米首脳会談では更なる関税はかからないということになりましたが、今後はどうなるか分かりません。日本の対米貿易黒字(アメリカの対日貿易赤字)の8割近くは自動車関連なのですから。

 

アメリカから日本への輸出、日本から見ればアメリカからの輸入の主要な品目を見てみると、化学品等(18.8%)、食料品・農水産物(18.6%)、航空機・同部品(12.6%)、光学機器・医療機器(10.9%)、一般機械(10.0%)となっています。食料品・農産物がやはり大きな割合を占めます。日本は稲作を守るために高い関税障壁を設けているように思われていますが、他国と比べても農産物や食料品にかかる関税は高くありません。食料自給率の低下は私が子供の頃から叫ばれていますが、既に低廉な外国産の食品が入っており、日本農業の拡大はなかなか難しい状況です。

 

 こうした自動車や農産物の交渉を日本側では「TAGTrade Agreements on Goods)」と呼んでいます。問題は、共同宣言で、TAGが終了後、更に貿易と投資について話し合いを行うという文言が入っていること、更にトランプ大統領が「日本側は更に防衛関連でアメリカからの購入を増やすと述べた」と主張していることです。

 

 今回はあまり大きな変更はなくて済みそうですが、アメリカは日本側に更なる過大な要求をしてくることは明らかなようです。属国・日本はそれでますます疲弊していきそうです。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「日米貿易協議 通商交渉「新枠組み」 首脳会談で詰めへ」

 

毎日新聞2018925 2347(最終更新 926 0057)

https://mainichi.jp/articles/20180926/k00/00m/020/175000c

 

 【ニューヨーク中井正裕、清水憲司】日米両政府は25日、ニューヨークで第2回の閣僚級貿易協議(FFR)を行い、関税を含めた2国間の通商交渉入りについて協議した。貿易赤字削減を目指すトランプ米政権が米産品の輸入拡大などを強く求めているのに対し、日本政府は米国による自動車・同部品の輸入制限を回避したい考え。26日(日本時間27日未明)の日米首脳会談でも交渉入りについて議論した上で、合意文書の公表を目指す。

 

 茂木敏充経済再生担当相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が同市内のホテルで協議した。終了後、茂木氏は「議論のベースを日本から提案した。両国の貿易を促進する方策、枠組みについて基本的な認識は一致した」と語り、協議が前進していると強調。ただ、具体的な内容は明らかにせず、「個別項目は首脳会談で合意した上で発表したい」と語った。

 

 8月に開いた第1回FFRでは、米国が2国間の通商交渉を迫る一方、日本は米国に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への復帰を促し、議論は平行線に終わった。しかし、トランプ米大統領は2国間交渉を拒む日本に対し「米国と取引しなければ大問題になる」といらだちをみせ、自動車・同部品の輸入制限の発動をちらつかせるなど通商圧力を強めてきた。

 

 トランプ氏は9月23日の安倍晋三首相との夕食会でも通商問題に言及。26日の日米首脳会談で、トランプ氏が通商問題で具体的な成果を求めるのは必至の情勢だ。一方、国内経済への影響が大きい米国の自動車・同部品輸入制限を回避することは日本政府の最重要事項。今回の協議で茂木氏は車の輸入制限回避に向け、農産物など一定の分野での関税交渉入りなどを幅広く議論した模様だ。

 

 北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉では米国はメキシコに、通貨政策を制限しうる為替条項や、自動車の数量制限など自由貿易を制限する条項を認めさせた。2国間交渉は、幅広い通商分野をカバーする自由貿易協定(FTA)につながる可能性もある。日本には警戒感が残っているものの、トランプ氏の強い要請を踏まえ、2国間交渉は避けられないとの判断に傾いた。

 

 

=====

 

●「トランプ氏、安倍首相との友好関係「終わる」 米紙報道」

 

朝日新聞 ワシントン=土佐茂生2018971049

https://www.asahi.com/articles/ASL972C1VL97UHBI009.html

 

 米紙ウォールストリート・ジャーナルは6日、トランプ大統領が同紙コラムニストとの電話で、日本との貿易赤字を問題視し、安倍晋三首相との友好関係が「終わる」と語ったと報じた。日米は今月25日に首脳会談を行う方向で調整しており、トランプ氏が日本に二国間の自由貿易協定(FTA)の締結など、厳しい態度で交渉に臨む可能性がある。

 

 コラムニストのジェームス・フリーマン氏はトランプ氏と電話した内容を踏まえ、同紙で「北米や欧州の友好国との交渉をまとめたとしても、貿易をめぐる不確実性は必ずしも終わらない。トランプ氏はなお、日本との貿易の条件で悩んでいる」と指摘した。

 

 トランプ氏は電話の中で安倍首相との良好な関係に触れた上で、貿易赤字の解消のために「日本がどれだけ(米国に)払わなければならないかを伝えた瞬間、(良好な関係は)終わる」と語ったという。

 

 両国政府は、安倍首相が自民党総裁選で3選された場合、国連総会に出席するのに合わせてニューヨークで首脳会談を行う方向だ。これに先立ち、閣僚級の通商協議「FFR」の2回目の会合も行う見通し。トランプ氏は11月の中間選挙を控え、日本との貿易赤字の解消も成果にしたい考えで、輸入車への高関税措置をちらつかせて、日本側に妥協を迫る可能性がある。(ワシントン=土佐茂生)

 

=====

 

●「米貿易赤字9年ぶり高水準 17年、対中国が過去最大」

 

日本経済新聞 2018/2/6 22:47

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26613280W8A200C1FF2000/

 

 【ワシントン=鳳山太成】米商務省が6日発表した2017年の貿易統計(通関ベース)によると、モノの貿易赤字は7962億ドル(約86兆8千億円)と前年比8.1%増えた。2008年以来、9年ぶりの大きさだ。全体の約半分を占める対中赤字が過去最大に膨らんだほか、対メキシコも増えた。対日赤字は横ばいだった。

 

 トランプ米大統領は米国人の雇用が外国に奪われたとして貿易赤字を敵視する。赤字削減を公約に掲げているが、政権発足1年目は赤字幅が広がる結果となった。中国などに一段と圧力をかけて通商摩擦が激しくなる可能性がある。

 

 米国のモノの貿易収支のうち、世界主要国の同時成長を受けて輸出が1兆5468億ドルと6.6%増えた。一方で堅調な米国経済を追い風に輸入も2兆3429億ドルと7%増えた。旺盛な個人消費を受けて部品を含む自動車や飲食料品の輸入が過去最高を記録した。企業の設備投資も堅調で、コンピューターや産業機械など資本財の輸入も大きく増えた。

 

 国際収支ベースでみたサービス収支は2440億ドルの大幅な黒字だった。モノとサービスを合わせた貿易収支は5660億ドルの赤字にとどまり、サービスで稼ぐ構造が続いている。

 

 米国のモノの貿易赤字で最も大きい対中赤字は3752億ドルと8.1%増えた。1月に発表された中国側の統計でも、米国の対中赤字は過去最高となった。トランプ氏は同月、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と電話で協議し、対中貿易赤字の拡大を「持続的ではない」と指摘し失望したと伝えている。トランプ氏は鉄鋼やアルミニウムへの輸入制限、知的財産の侵害への制裁措置を検討しており、赤字拡大を受けてさらに強硬姿勢に出る可能性がある。

 

 対日貿易赤字は横ばいの688億ドルだった。国別では3位で、前年の2位から1つ順位を下げた。米政権は日本の自動車貿易の非関税障壁などに不満を持っており、日米自由貿易協定(FTA)に関心を示す。環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰検討も表明し、日本を含む協定参加国の市場開放に向けた交渉に乗り出す考えをちらつかせている。

 

 中国と並んで貿易赤字が大きく広がったのがメキシコだ。10.4%増えて国別では前年の4位から2位に浮上した。トランプ氏はメキシコから自動車関連の輸出が増えてきたことに不満を抱いており、昨夏からカナダも含めた北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を進めている。米国は自動車貿易を中心に厳しい要求を続けそうだ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ