古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:購買力平価

 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。世界構造の大きな転換について詳述しました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 2023年1月15日に「名目GDPで日本がドイツに抜かれて世界4位に転落」という報道がなされて話題になった。1968年に当時の西ドイツを抜いて世界第2位に躍進したが、2010年に中国に抜かれて第3位となり、今回ドイツに抜かれて4位に転落となった。このことは昨年から既に言われていたことだ。何故なら、最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)にこのことを書いたからだ。「日本は経済成長がない国であり、ドイツは高々2%の経済成長率なのに日本を抜く」ということを書いた。そのことを今更声高に叫ぶ必要もない。5位のイギリスに抜かれることはないだろうが、現在6位のインドにも抜かれて、5位に転落するのはここ10年から20年以内の出来事となるだろう。日本は残念なことだが衰退の道を着実に歩んでいる。
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(貼り付けはじめ)

●「日本のGDP4位転落、ほぼ確実に ドイツに抜かれる見通し」

朝日新聞 1/15() 18:13配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/3477c4492a7de21be7d26064cb879c2c9606c716

 2023年の名目国内総生産(GDP)で日本がドイツに抜かれ、世界4位に転落することがほぼ確実になった。米ドル換算で比べるため、日本のGDPが円安で目減りする一方、ドイツは大幅な物価高でかさ上げされることが要因だ。ただ、長期的にドイツの経済成長率が日本を上回ってきた積み重ねの結果という面もある。

 名目GDPはその国が生み出すモノやサービスなどの付加価値の総額。経済規模を比べる時に使う代表的な指標で、1位は米国、2位は中国だ。

 ドイツが15日発表した23年の名目GDPは、前年比63%増の41211億ユーロ。日本銀行が公表している同年の平均為替レートでドル換算すると、約45千億ドルとなる。

 大幅に伸びた要因は、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の高騰などで、日本以上に激しい物価上昇に見舞われたことだ。物価の影響を除いた実質成長率は03%減と、3年ぶりのマイナス成長になった。

 一方、日本の23年の名目GDPは来月発表されるが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの試算では591兆円(約42千億ドル)とドイツを下回る。円ベースでは前年比で57%増えるが、円安が進んだことでドル換算では12%減ると予測されている。

 日本はすでに19月期の実績で、ドイツに約2千億ドル(約28兆円)の差をつけられている。追いつくには1012月期に約190兆円を積み上げる必要があるが、前年同期が約147兆円だったことを踏まえると、実現はほぼ不可能だ。

 長期的にみるとドイツの成長率は日本を上回っており、経済規模の差は縮まってきていた。国際通貨基金(IMF)のデータから0022年の実質成長率を単純平均すると、ドイツの12%に対し、日本は07%にとどまる。

 各国の経済規模をめぐっては、日本は1968年に西ドイツ(当時)を国民総生産(GNP)で上回り、世界2位の経済大国となった。だが2010年にGDPで中国に抜かれて3位になっていた。(寺西和男=ダボス、米谷陽一)

(貼り付け終わり)

 日本はこれから貧しくなっていく。二極化が進むが、外国から見れば、いくら日本で勝ち組だ何だと威張ってみても、「負け組の船に乗るかわいそうな人たち」というひとくくりの評価だ。私の母方の曽祖父は戦前、アメリカのロサンゼルスに出稼ぎに行って、仕送りをして、子供たちを育て学校に行かせた。ガーデナーといわれる庭師、肉体労働をしていたそうだ。ハリウッドの映画スターの家で働きぶりが良いということで、お菓子をもらったり、子供たちの洋服のおさがりをもらったりして、それを日本に送ってもらって、それを皆で食べた、お古とは言えきれいな洋服を着て目立ってしまったという話を祖母から聞かされた。

そういうことがまた起きるだろう。しかし、今の日本人に何ができるだろう。外国語(英語や中国語など)ができなければ、デスクワークなどはできない。それなら肉体労働はどうだろうか。今の日本人に肉体労働ができるだろうか。はなはだ心もとない。そうなれば、使えない人間ということになる。元先進国の国民で体が動かないというのは、江戸幕府瓦解後の武士階級みたいなものだ。

 各国の経済力や経済成長を見てみると、やはり、非西側諸国(the Rest、ザ・レスト)の勢いが凄まじい。その中核であるBRICSのさらに中核BRIC(ブラジル、ロシア、インド、中国)は、名目GDPで見てみると世界トップ20位以内に入っている。更に、ジョコ・ウィドド大統領の下で進境著しいインドネシアも躍進している。

 名目GDP以外に、購買力平価(purchase power parity)によるGDPという指標もある。購買力平価とは「一つの物品の価格は一つ(一物一価)」という考えから、例えば、ハンバーガーがアメリカでは1ドルで買えて、日本では120円で買えるとすると、1ドル=120円という為替価値が妥当だとする考えだ。購買力平価は短期的な為替ではなく、長期的な動きを示すということになる。そして、この購買力平価によるGDPの評価ということもなされている。こちらの方が実態に近いという説もあるが、名目GDPの方がまだよく使われる指標になっている。購買力平価GDPで見てみると、名目GDPよりもより驚くべき順位が出る。中国がアメリカを抜いて世界第1位であること、インドが既に世界第3位で、日本は4位であること、7位にインドネシアが入っていること、トップ10にBRICが全ては言っていることなど、下記の順位を見て驚く人も多いだろう。これがある側面で見た世界の現実である。
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 ここで重要なのは、インドネシアである。インドネシアは、世界第4位の2億7000万の人口を誇り、名目GDPは世界16位、購買力平価GDPは世界7位となっている。名目GDPが1兆ドル(約143兆円)を突破し、「1兆ドルクラブ」入りを果たした。インドネシア国民の平均年齢は約31歳(日本は約48歳)、これから消費者、生産者として活発に活動していく人々が多く存在する。これを「人口ボーナス」と呼ぶ。一方日本は「老人ホーム」となっていく。日本はこれから旺盛な経済活動を行う、西側以外の国々に抜かされていくだろう。ドイツに抜かされたくらいで悲観的になっていては身が持たない、これからこのようなニューズに何度も何度も接することになるのだから。
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(終わり)


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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 

 今回は2018年の世界経済GDPについての記事をご紹介する。世界各国のGDPを大きさに比例させて、見やすくしたヴィジュアルがあり、「この国はこれくらいなのか」と興味を持ってみることが出来る。

 ここで使われているのは、購買力平価GDPと一般的なGDPだ。 

購買力平価(Purchasing Power Parity)は、為替レートは自国通貨と外国通貨の購買力の比率によって決定されるという理論だ。有名なのは、ビックマック指数だ。これは世界各国に展開しているハンバーガーのマクドナルドで売っているビックマックの値段がいくらになっているのかを基準にして計算している。購買力平価GDPは各国の物価を計算に入れた為替レートの対ドルで計算をしたものだ。

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 購買力平価のレートと市場でのレートで米ドルと人民元を見てみると、人民元は実際以上に安く誘導されているということになる。購買力平価GDPで計算すると、2014年以降は、中国がアメリカを抜いて世界最大の経済大国ということになる。しかし、実際のレートで計算すると、アメリカが最大の経済大国であることは変わらない。

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 中国も経済成長をし、物価が上がり、人々の生活水準も上がっていくとなると、通貨の力も強くなるし、そうなればいつまでも安い方向を維持することは難しい。日本がそうであったように、通貨の価値は上がっていく。対ドルで元高になっていく。
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 中国の経済成長率が鈍化していると言っても6%以上を維持している。経済規模を考えると、アメリカは4%以上の経済成長をしなければ、中国に差を縮められる。アメリカの最近の経済成長率は2%台なので、中国が差を縮めている。

 日本を見てみれば一般的なGDPでは3位(5.79%)で4兆9700億ドル(約537兆円)、購買力平価GDPでは4位(4.02%)で5兆4800億ドル(約592兆円)である。購買力平価GDPの方が高いということは、円が安く誘導されているということを示している。日本は世界第2位の経済大国(1968年に当時の西ドイツを抜いて2位に)で、アメリカを凌駕すると言われていたバブル時代はもう30年も前の話で、それから衰退が続いている。

 世界経済の全体像をつかむということで今回ご紹介する記事は役立つものになっている。

(貼り付けはじめ)

購買力を考慮しながら世界経済を可視化する(Visualizing The World Economy When Purchasing Power is Taken into Account

2019年9月12日

https://howmuch.net/articles/the-world-economy-ppp-2018

異なる国々の経済を比べる際に、最も一般的な方法は「購買力平価(purchasing power parity)」を使うことだ。購買力平価(PPP)は世界各国の経済を「財のバスケット」内部の様々な価格を平準化することで比較することだ。言い換えるならば、購買力平価は、国家間の生産を比較する際に、生活水準の違い(1カートンのミルクの値段の違いなど)を考慮に入れるということだ。これを一歩進め、購買力平価GDPで世界各国のGDPを可視化する。このチャートでは、国際的なドルを使用する。これはアメリカ国内のドルの購買力と同じ購買力を持っている。

・購買力平価GDPの測定は、各国の経済を比較するために、市場の為替レートではなく、世界中の生活費のコストを考慮に入れている。

・2018年の世界の購買力平価GDPは136兆4800億ドルだ。

・アジア諸国は購買力平価GDPで世界の40%以上を占めている。

・米中両国は購買力平価GDPで世界の3分の1を占めている。

・今回の可視化に使われている情報は世界銀行からのものだ。最新の数値は2018年のものだ。各国のサイズは購買力平価GDPの大きさに比例している。各国は属する大陸で色分けされている。そして、世界の生産に対してとの地域がどれくらい寄与しているかがわかる。

●購買力平価GDPから見る世界トップ10

1. 中国:25兆3600億ドル(約2739兆円)[18.58%]

2. アメリカ:20兆4900億ドル(約2213兆円)[15.02%]

3.インド:10兆5000億ドル(約1134兆円)[7.69%]

4.日本:5兆4800億ドル(約592兆円)[4.02%]

5.ドイツ:4兆5100億ドル(約488兆円)[3.30%]

6.ロシア連邦:3兆9900億ドル(約431兆円)[2.92%]

7.インドネシア:約3兆4900億ドル(約377兆円)[2.56%]

8.ブラジル:約3兆3700億ドル(約364兆円)[2.47%]

9.イギリス:約3兆700億ドル(約332兆円)[2.25%]

10.フランス:約3兆700億ドル(約332兆円)[2.25%]

先月、私たちは現在のアメリカ・ドル表示の各国のGDPをイラストと示す可視化したものを発表した。このGDPは生活にかかるコストを入れていない。また、それぞれの国家の生産高を比較するために市場における為替レート使用している。世界の名目GDP(右側)と購買力平価GDP(左側)のいくつかの違いに気づくだろう。明らかなことは、アメリカは世界の名目GDPで最大のシェアを占めているが、中国は購買力平価GDPで最大のシェアを占めている。

世界銀行のデータは、アメリカの購買力平価GDPは、大恐慌時代以来毎年成長していることを示している。しかし、ここ10年間の拡大の後、アメリカの経済成長は鈍化している。しかし、雇用の成長によって経済の安定は保たれ、GDPは拡大し続けると見る専門家たちもいる。

同様に、中国の景気後退は国際的な関心を集めている。特に輸出量の減少に人々の目が向いている。中国の中央銀行は貸出を促進し、生産を増加させるために預金準備率を低下させることで対応を行っている。世界規模の景気後退を示す兆候はより多くなっている。日本とインドのような国々の経済指標は私たちに印象を残すことに失敗している。世界経済は成長を続けているが、様々な指標の動向は変化の兆しを示している。

世界経済のGDPと購買力平価GDPの違いについて読者の皆さんは驚いただろうか?コメント欄で教えて欲しい。

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世界の86兆ドル経済を一つのチャートで可視化する(The World’s $86 Trillion Economy Visualized in One Chart

2019年8月15日

https://howmuch.net/articles/the-world-economy-2018

世界のGDPは堅調に成長し、2018年には6.9%の成長率を記録した。全体で2017年の80兆2000億ドルから85兆8000億ドルに増加した。この成長の半分は世界最大の経済大国2か国から来ている。アメリカは20兆5000億ドル(2017年に比べて5.4%増)、中国は13兆6000億ドル(10%増)となった。しかし、世界規模での景気後退の恐怖は高まっている。世界第1位と第2の経済大国同士が経済における緊張関係を深刻化させていることがその原因となっている。

・アメリカは今でも世界最大の経済大国であり、世界のGDPの23.9%を占めている。

・中国は世界第2位の経済大国であるが、最近の四半期においては約30年間で最も遅い経済成長ペースを記録した。

・最新の世論調査で、経済学者の半分が来年までにアメリカ経済は後退すると予測している。

・アメリカと中国との間の貿易摩擦は解決しておらず、投資家たちは世界経済の成長について悲観的になっている。

・私たちのデータは世界銀行の2018年版世界GDP数値から取っている。それぞれの国はGDPの大きさで示されている。それぞれの国は地域別にまとめられ、色分けされている。2017年からどのように変化死体を見る場合には、HowMuch’s 2017 analysis of world GDP.をチェックして欲しい。

GDPから見る世界のトップ10

1. アメリカ:20兆4900億ドル(約2200兆円)[23.89%]

2. 中国:13兆6100億ドル(約1470兆円)[15.86%]

3.日本:4兆9700億ドル(約537兆円)[5.79%]

4.ドイツ:4兆ドル(約432兆円)[4.66%]

5.イギリス:2兆8300億ドル(約306兆円)[3.29%]

6.フランス:2兆7800億ドル(約300兆円)[3.24%]

7.インド:2兆7300億ドル(約295兆円)[3.18%]

8.イタリア:2兆700億ドル(約224兆円)[2.42%]

9.ブラジル:1兆8700億ドル(約202兆円)[2.18%]

10.カナダ:1兆7100億ドル(約185兆円)[1.99%]

アメリカと中国両国で世界GDPの約40%を占めている。それぞれ20兆5000億ドルと13兆6000億ドルを記録し、世界経済の23.9%と15.9%をそれぞれ占めている。両国の経済力と深刻化する緊張のために、私たちのアナリストたちは両国に注意を払っている。

全米ビジネス経済学会は280名のビジネス経済学者を対象に調査を実施した。調査対象者の半数は来年末までにアメリカ経済は後退すると予測していると答えた。ゴールドマンサックスとJPモルガンに所属しているアナリストたちは2019年第二四半期の経済成長は2%以下に減速すると見ている。景気後退が予測される理由は何だろうか?経済学者たちは景気減速が予想される多くの要素を指摘している。現在のアメリカ経済において労働市場は堅調であったが、後退の兆候が見え始めている。連邦準備制度理事化による予想される金利引き上げも景気後退の兆候となっている。アメリカにおける経済格差の拡大もまた後退を示す要素となっている。1989年から2018年にかけてアメリカ国民の下半分は9000億ドルを失った。これは経済全体に大きな影響を与えている。

しかし、世界中の報道機関が報じている要素は関税が与える衝撃と中国とアメリカとの間での貿易戦争勃発の可能性である。米中両国の経済は既に影響を受けている。数字がそれを示している。中国の2019年第二四半期のGDP成長率は6.2%に鈍化した。この数字は1992年以降最も小さい成長率となった。今年7月の中国の工業生産高の成長率は、昨年に比べて4.8%に鈍化した。この数字は2002年2月以降で最も弱いペースとなった。アメリカと中国が貿易面での相違をすぐに乗り越えることが出来るか確かではない。そして、市場は長期の難局を示しているように見える。このように先行き非案の兆候はあるが、経済学者の中には景気後退が不可避だと確言できないとしている人々がいる。こういった人々は、オーストラリアとイギリスのような国々の経済は何十年単位で安定的に成長していると述べている。

各国や各地域のGDPについて読者の皆さんを驚かせたのはどんなことだろうか?アメリカもしくは中国は景気後退に向かって進んでいると考えるだろうか?景気後退は世界経済全体にどのような影響を与えるだろうか?コメント欄で考えを教えて欲しい。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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