古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:連邦下院

 古村治彦です。

 アメリカの中間選挙(Midterm elections)が近づいてきた。連邦下院の全議席、連邦上院の一部、州知事の一部の選挙が実施される。現在のところ、連邦下院では共和党の過半数が確実、連邦上院では共和党が過半数を獲得できるかどうか微妙な状況となっている。以下の図の通りだ。

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連邦上院の状況
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連邦下院の状況

 今回の全国規模の選挙は「中間」という名前がついている通り、大統領選挙と大統領選挙の間に行われ、現職の大統領に対する「評価」がなされる選挙である。大統領選挙を期末試験と考えると、中間選挙は中間テストということになる。アメリカでも日本と同様にエネルギー価格と食料価格の高騰により、生活が苦しい人々が多く出ており、経済問題が選挙の焦点となっている。

 それ以外にも、今回の中間選挙には2024年の大統領選挙の前哨戦として、いくつかの重要なテーマが存在する。それらは、(1)民主党はラティーノ系有権者の支持を確保できるか、(2)ドナルド・トランプ前大統領以外の有力な大統領選挙候補者は出てくるか、(3)トランプはどれくらい躍進するか、(4)2016年にトランプを当選に導いたブルーカラー、労働者たちの支持はどこに向かうか、である。そして、2016年、2020年の大統領選挙で激戦州となった、フロリダ州、ジョージア州、ペンシルヴァニア州、オハイオ州、ウィスコンシン州、ネヴァダ州、アリゾナ州が焦点となる。これら、選挙の結果が大きく変わるパープルステイト(共和党の赤色と民主党の青色が混ざって紫となり、激戦であることを示す言葉)、スイングステイトに注目が集まる。

 今回の選挙戦では共和党予備選挙の段階で、トランプ前大統領が支持する候補者が躍進し、共和党のエスタブリッシュメント、主流派は戦々恐々としている。トランプ派はマイノリティではなく、共和党で大きな勢力となる。2024年の大統領選挙にトランプ前大統領が出馬するのか、もしくは彼が支援する候補者が出るのかということは大きな焦点となる。連邦議会の上下両院で過半数を獲得することになれば、共和党はジョー・バイデン政権と共和党に対してより対決的な姿勢で臨むことになるだろう。バイデン政権の政権運営は厳しいものとなる。

 民主党側では、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州選出)やアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出)が率いる進歩主義派の「ジャスティス・デモクラッツ」は勢力を少し拡大しそうであるが、トランプ派のように民主党を動かすほどにはならないだろう。民主党はホワイトハウスを抑え、連邦議会上下両院で過半数を占める与党であるが守勢となっている。大型の財政出動を行おうとしてきたが、党内に「ブルードック」と呼ばれる財政規律重視派を抱え、それもうまくいっていない。現状ではなかなか厳しい結果となるであろう。

 バイデン政権1期目後半の政権運営が厳しいものとなる場合、人々の関心を国内から国外に向けるために、外交と防衛分野で何かしら大きなことを起こそうとするだろう。その相手となるのは、中国とロシアということになる。しかし、ここで舵取りを間違うと、世界大戦を引き起こすということにもなりかねない。バイデンが次の2024年に大統領選挙に出馬できるかどうも焦点となる。これから注目である。

(貼り付けはじめ)

今回の中間選挙の5つの選挙戦が2024年の選挙とそれ以降に対する教訓となるだろう(Five midterm races that will hold big lessons for 2024 and beyond

ナイオール・スタンジ筆

2022年11月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3713192-five-midterm-races-that-will-hold-big-lessons-for-2024-and-beyond/

選挙の投開票日まであと1週間となり、連邦上院の熾烈な争いの中でも、最も緊迫した複数のレースに注目が集まっている。

しかし、いくつかの選挙戦は、アメリカ政治の現状を知る上で重要なスナップショットを提供したり、2024年以降への教訓を提供したりと、別の意味でも重要である。

これからいくつかの重要な一対一の選挙戦について見ていく。

(1)ネヴァダ州とラティーノ系有権者たちの争奪戦(Nevada and the battle for Latino voters
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ネヴァダ州は、共和党が民主党から連邦上院の議席を奪う最大のチャンスとなる州だ。

現職のキャサリン・コルテス・マスト連邦上院議員(民主党)は、決して安泰とは言えない。最近の各種世論調査では、共和党の挑戦者であるアダム・ラクサルトがわずかに優勢となっている。月曜日の午後に発表されたリアル・クリア・ポリティックス(RealClearPoliticsRCP)の平均では、ラクサルトが1ポイントリードしているという状況だ。

レースがどちらの道に進むにせよ、政治の専門家たちは、ラティーノ系有権者たちの間での民主党支持の更なる低下、あるいは安定化の兆候を探るために、この結果に注目するだろう。

民主党は既に、フロリダ州南部やテキサス州のリオグランデヴァレーなど、国内の他の地域でラティーノ系支持の低下の兆しが見られることを懸念している。

コルテス・マストはアメリカ史上初のラティーノ系上院議員で、彼女の公約には包括的な移民制度改革への強い支持が含まれている。

祖父が連邦上院議員やネヴァダ州知事を務めたラクサルトは、共和党のテレビ広告で「国境の混乱(boarder chaos)」と称し、コルテス・マスト議員やバイデン大統領を非難している。

ラクサルトは、スペイン語の広告や「Latinos Con Laxalt」のイヴェントなど、ラティーノ系有権者たちに対して激しい支持獲得競争を行っている。彼は、「ラティーノ系有権者は経済成長と機会という共和党の公約に応えている」と主張する。

それでもコルテス・マストはラティーノ系有権者のほとんどを獲得するはずだが、ラティーノ系有権者の間での両者の獲得支持の差は極めて重要となるだろう。

過去2人の民主党大統領候補、2020年のバイデンと2016年のヒラリー・クリントンは、出口調査によると、ネヴァダ州でのラティーノ系有権者の支持率で、それぞれ26ポイント、31ポイント差をつけていた。

もしコルテス・マストがこれよりずっと小さい差しかつけられなければ、おそらく彼女にとって破滅を意味し、全米の民主党議員に混乱を引き起こすことになる。

(2)フロリダ州とデサンティスの2024年の希望(Florida and DeSantis’s 2024 hopes
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理論的には、フロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)は厳しい再選キャンペーンに直面していたかもしれない。

知事は様々な問題でリベラル派を激怒させ、最近の最も爆発的な例は、彼が組織したマサチューセッツ州マーサズ・ヴィンヤードへの移民を送る飛行機便だ。

デサンティスは学校での性教育の制限を定める法律を支持したが、それは別の批判を生み出した。デサンティスとバイデンはまた、新型コロナウイルス感染拡大をめぐって激しく対立した。

こうした状況にもかかわらず、デサンティスは民主党の対立候補であるチャーリー・クリスト前連邦下院議員を大きく引き離している。

クリストは元知事で、元共和党員だが、リアル・クリア・ポリティックスの平均ではデサンティスが12ポイント以上リードしている。

現職知事のデサンティスが圧勝すれば、2024年の大統領選挙への立候補の憶測が高まっている中、手ごたえを感じることになる。

デサンティスは、共和党の大統領選挙予備選挙でドナルド・トランプ元大統領に一矢報いることができる唯一の共和党員との見方が広がっている。トランプが出馬を見送った場合、デサンティスは即座に最有力候補に躍り出ることになるだろう。

フロリダ州は共和党優勢に傾き始めてはいるが民主党との差は僅かでしかない。2018年の州知事選挙でデサンティスは1ポイント以下の差で初当選し、2020年にはトランプがバイデンにおよそ3ポイント差をつけてフロリダ州を制した。

その中で、デサンティスが得票率で2桁の差をつけて勝利を収めれば、彼は2024年に全米で最も選挙に強い共和党員であると主張する上でそれを証明する強力なデータとなる。

デサンティスの強さを考えれば、デサンティスとトランプの間に緊張が高まるのは当然だ。

トランプは選挙の投開票日直前、2日前の11月6日にマイアミで集会を開く予定だ。民主党のヴァル・デミングス連邦下院議員が候補者になっている、連邦上院議員選挙において、再選を果たすと予想されるマルコ・ルビオ連邦上院議員(フロリダ州選出)もトランプ主催の集会に出席する予定だ。

複数のメディアは、デサンティスはこの集会に招待されていないと報じている。

(3)アリゾナ州と2020年大統領選挙否定論(Arizona and election denialism
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民主党は今回の選挙で、特に2020年の大統領選挙における選挙不正の虚偽の主張と、扇動的な言葉を好むトランプを争点にしようとしてきた。

今のところ、少なくとも民主党の支持層を超えて、その主張が多くの有権者たちに浸透することはなさそうだ。

その代表例が、アリゾナ州の共和党知事候補であるカリ・レイクだ。

熱心なトランプ支持者であるレイクは、2020年の大統領選挙は違法であると繰り返し主張している。彼女はまた、今年初めの自身の共和党予備選が何らかの形で汚染されている可能性を示唆した。それは彼女の予備選挙での勝利が明らかになるまで続いた。レイク最終的に「私たちは不正に勝った」と宣言した。

10月中旬、ABCニュースのジョン・カールとのインタヴューで、レイクは今年の選挙の結果を受け入れるかどうかについて、ひどく曖昧な態度を示した。

レイクは、もし敗北した場合、自分の敗北を認めるかどうかについてカールに質問され、「公正、正直、透明である限り」認めると答えた。

それでもレイクは、リアル・クリア・ポリティックスの平均で民主党の対立候補であるケイティ・ホッブス州務長官に4ポイント近く差を付けてリードしている。

レイクがリードしているのは、共和党予備選挙で彼女を支持したトランプとの親密さと、元TVニュースキャスターで鍛えたメディアスキルに助けられているからだ。

何より重要なのは、アリゾナ州におけるバイデンの支持率が低調で、9月下旬のマリスト大学実施の世論調査では、登録有権者の39%が支持、54%が不支持という結果になったことだ。

レイクの勝利は、トランプとトランプ主義にとって大きな追い風となるだろう。

また、レイクが勝利することは、アメリカの民主政治体制の道筋を懸念する民主党員たちなどの血を凍らせる結果ということになるだろう。

(4)オハイオ州とブルーカラー有権者からの支持強化を求める民主党の探求(Ohio and Democrats’ quest to shore up blue-collar support
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民主党にとって今年の数少ない明るい話題は、ティム・ライアン連邦下院議員(民主党)が共和党のJD・ヴァンスとの連邦上院議員選挙で、多くのワシントン政治専門家たちの予想以上に競争力を発揮したオハイオ州だ。

オハイオ州は数十年にわたり民主党にとって先導指標であったが、近年は急激に共和党に傾倒している。トランプ大統領は2016年、2020年ともに同州を約8ポイント差で制した。

ライアンは、世論調査の平均値でヴァンスに23ポイント以上離されないでついていっている。

ライアンは、ヤングスタウンエリアでの自身の平凡なルーツを強調し、特に「警察から予算をはく奪せよ(Defund the Police)」 という有害なテーマについて、自身が所属する民主党の進歩主義的な要素との違いを明確にすることで戦ってきた。

ライアンは「バイデンは2024年に大統領選挙に再出馬すべきだとは考えていない」とも発言しているのが特徴的だ。

ライアンが直面している逆風を考えると、いずれも勝利を切り開くには十分ではないかもしれない。

現在、リアル・クリア・ポリティックスの平均では2ポイント差、データ・世論調査サイト「ファイヴサーティエイト(FiveThirtyEight)」では、ヴァンスの勝率は80%近くとされている。

ライアンに近い人々は、ミッチ・マコーネル連邦上院院内総務(共和党)とつながりのあるスーパーPACがヴァンスを支援するために約2800万ドルを費やしたにもかかわらず、全米民主党がライアンにより多くの資金援助をしなかったことを不満に思っている。

いずれにせよ、ライアンが勝つにしても負けるにしても、他の民主党員たちは、ライアンが労働者階級の有権者にどれだけ受け入れられるか、この結果を鋭く観察することになる。

もしライアンが好成績を収めれば、今後の選挙戦の雛形(テンプレイト)となる可能性がある。

(5)ミシガン州と中絶権をめぐる戦い(Michigan and the fight over abortion rights
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ミシガン州知事選挙は現在のところ民主党が神経を尖らせている選挙の1つとなっている。

現職のグレッチェン・ウィットマー知事(民主党)は、共和党の対立候補チューダー・ディクソンが10月初旬に2桁つけられていたリードを少しずつ縮めているのを目撃している。

リアル・クリア・ポリティックスの平均ではウィットマーが4.2ポイントの差をつけてリードしている。最近のある世論調査では同率という結果が出た。

両候補者間の最も顕著な対立点の1つは人工妊娠中絶である。

ウィットマーは中絶の権利を断固として擁護し、ディクソンはウィットマーと正反対だ。

現職知事ウィットマーはこの問題について生々しい言葉で語っている。大学時代にレイプされ、その結果として妊娠するのではないかという恐怖を感じたことを公然と語っている。また、中絶の権利を守るための戦いを、成人した自分の2人の娘に言及して語っている。

対照的に、ディクソンは、レイプや近親相姦の場合でも中絶に反対する立場を示しており、ウィットマーの立場を「極めて過激だ」と評している。

ミシガン州では、中絶の権利を明記する州憲法改正案「プロポーザル3」に対して有権者が意見を述べる機会があるため、中絶問題は特に顕著になる。

世論調査では、ミシガン州民の多くは中絶が広く合法とされることを望んでいる。中絶権活動家たちは、夏に、より保守的なカンザス州で、自分たちの側(中絶合法化)がほぼ同等の票を獲得したことに注目している。

もしウィットマー知事がミシガン州で圧勝すれば、中絶問題の有効性を証明することになる。

しかし、もしレースが拮抗し続けるか、あるいは彼女が敗れるなら、選挙結果から得られる教訓は全く異なるものになるだろう。

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これら5つの選挙戦が連邦上院の過半数をどちらが制するかを決定することになるだろう(These five races will determine the Senate majority

マックス・グリーンウッド、アル・ウィーヴァー筆

2022年10月31日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3712941-these-five-races-will-determine-the-senate-majority/

連邦上院議員選挙は、有権者が投票に向かうまで残り1週間しかなく、誰が勝ってもおかしくない状況だ。

共和党は現状から1議席増を確保すれば良い状況だ。国内環境がますます共和党寄りになっていて、ジョージア州とネヴァダ州で共和党がリードしているとの調査結果もあり、その扉を叩いている最中だ。「ファイヴサーティエイト(FiveThirtyEight)」の最新予測によると、過半数をめぐる戦いは「デッドヒート(dead heat)」状態になっており、最後の数日間は有権者を投票に向かわせるための最後の全力疾走でのスパートを両党が行っている。

連邦上院の過半数を決めることになるだろう5つの選挙戦をこれから見ていく。

(1)アリゾナ州(Arizona
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このリストにある5州のうち、民主党がマーク・ケリー連邦上院議員の議席を維持する可能性はまだ高いが、共和党のブレイク・マスターズがここ数週間でその差を縮めてきている。

ケリー議員は、再選を目指す民主党現職議員の中で最有力とされてきたが、8月初旬の予備選で共和党候補が浮上した後、2ヶ月近くマスターズに対してかなりのリードを保っていた。その多くは、民主党の圧倒的な資金調達作戦の結果、広告の猛攻を行ったおかげだ。

しかし、ここ数週間で状況は一変し、ほとんどの調査でケリーのリードは誤差の範囲に収まっている。その理由の多くは、激戦州でのレースが自然に接戦になることと、共和党の州知事選挙候補カリ・レイクの存在が上院議員選挙の結果に影響することの2つであるとあるストラティジストは語っている。

全国の連邦上院選挙に携わっている民主党のある幹部は、「ケリーが扉をこじ開けるとは思うが、誰もが予想するよりも選挙戦は極めて厳しい」と述べた。

アリゾナ在住のある共和党幹部は本誌の取材に対し、月曜日に出た『ニューヨーク・タイムズ』紙とシエナ・カレッジの共同世論調査は「現実的」だとしながらも、現時点でマスターズが2、3ポイントの差をは予想の範囲内であるとし、逆転の可能性の原動力はレイクでも述べた。

このストラティジストは「レイクとマスターズが協力しているのは間違いない。彼女はティーム全体をゴールまで引っ張ろうとしている」と述べている。

最新のリアル・クリア・ポリティックスの平均によると、州知事選挙でレイク(共和党)はアリゾナ州務長官ケイティ・ホッブス(民主党)を3.8%ポイントリードしている。同様に、現職の連邦上院議員ケリー(民主党)はマスターズ(共和党)を2.4ポイント差でリードしている。

(2)ジョージア州(Georgia
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ラファエル・ウォーノック連邦上院議員(ジョージア州選出、民主党)は、共和党の対立候補ハーシェル・ウォーカーに対して優位に立っているように見えたが、元NFLのスター選手で初出馬のウォーカーは、連邦上院選挙の過程で個人的にも職業的にも多くの論争に巻き込まれている。

ウォーカーに関する最も衝撃的な事実の1つは、先月初め、『デイリー・ビースト』紙が報じたもので、ウォーカーが2009年に当時の恋人に中絶手術を受けさせるために金を支払ったという疑惑を詳細に報じたものだ。

しかし、ウォーカーは世論調査でこのスキャンダルからそれほど大きな打撃を受けていない。ウォーカーは、犯罪の増加や長引く経済的懸念について何度もウォーノック議員を非難し、スキャンダルについてほぼ嘘だと一蹴している。その結果、ウォーカーはウォーノックとの各種世論調査の差を着実に縮め、ファイヴサーティエイトの世論調査平均によると、現在1ポイント強の差でウォーノックがリードしている。

元州議会上院議員でジョージア州共和党委員長のチャック・クレイは、「実際問題、ウォーカーはこれまで見た中で最も多く攻撃されている。私たちがまだ知らないような恐ろしい話が潜んでいるのでなければ、彼はこれまでにかなり叩かれていると思う」と述べた。

ウォーノックとウォーカーのレースが特に不安定なのは、ジョージア州は、候補者が選挙に勝つために50%以上の得票を必要とする2つの州のうちの1つであるという事実だ。そして、今のところ、ウォーノックもウォーカーもその基準に達していない。

クレイは「ウォーカーは50%には達しないかもしれないが、全てのネガティブな要素が大きな影響を及ぼしているようには見えない。まだ迷っている最後の2、3パーセントの人たちに、全てがかかっている」と述べた。

(3)ネヴァダ州(Nevada
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再選を目指す民主党所属の連邦上院議員の中で、キャサリン・コルテス・マスト連邦上院議員(ネバダ州選出、民主党)は最も脆弱かもしれない。

民主党の選挙戦が最も盛り上がっていた時期でさえ、彼女は共和党のライバルである元州司法長官アダム・ラクサルトに対して、他の激戦区の民主党議員が持つような明確なリードを保ってこなかった。ニューヨーク・タイムズとシエナ・カレッジが月曜日に発表した新しい世論調査では、コルテス・マストとラクサルトは47%で拮抗している。

ネヴァダ州は、民主、共和両党にとって一連の課題を突きつけている。一方、民主党は近年、ネヴァダ州で連勝を続けており、2018年のディーン・ヘラー元連邦上院議員(ネバダ州選出)の落選とその2年後のジョー・バイデン大統領の勝利で頂点に立った。

他方、共和党がラティーノ系有権者の間で差を拡大していることは、民主党がネヴァダ州での勝利を推進するために長年頼ってきた支持基盤を削り取る可能性がある。また、ネヴァダ州は人口が流動的であるため、政治的に固定化することが特に難しい。

複数の連邦上院議員選挙に携わった経験を持つある民主党のストラティジストは、「ネヴァダ州は、色々な意味でつかみどころがない。ネヴァダ州は、私たちが見てきた様々な潮流やトレンドが集まる場所だ」と語った。

(4)ペンシルヴァニア州(Pennsylvania
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選挙戦最終週、メフメト・オズの背後にはしっかりと風が吹いているが、それが来週ジョン・フェッターマン副知事(民主党)を倒すのに十分かどうかはまだ分からない。

現段階では、明らかにオズ有利な状況である。オズの犯罪増加についての絶え間ない批判は、何ヶ月も前から有権者の共感を呼び、先週の討論会では、脳卒中のため苦戦を続けていたフェッターマンの恩恵に浴した。

しかし、オズの終盤の追い上げは、州司法長官ジョシュ・シャピロ(民主党)の支持者を知事選、特にフィラデルフィア近郊で十分に引き剥がせるかどうかにかかっている。シャピロは、任期満了のトム・ウルフ知事(民主党)の後任として、ダグ・マストリアーノ州上院議員(共和党)に対する最有力候補と目されている。

ミューレンバーグ大学政治学教授であるクリス・ボリックは、オズの最近のメッセージを分析して次のように述べた。「本当に厳しいレースで、このクロスオーヴァー集団(民主党支持から共和党支持へ移る人々)はインパクトがあるかもしれない。メフメト・オズはフェッターマンを叩きのめして自分を穏健派として売り込もうとしている。彼はトランプについて話しているのではない。マストリアーノのような軽薄な党派的なことは一切語っていない」。

ブリックは続けて「これはアピールだ。オズの売りは、彼は大丈夫だということだ。過激ではないということだ」と述べた。

リアル・クリア・ポリティックスの最新の調査平均によると、フェッターマンはまだ1.5ポイントリードしている。

誰が勝利しても、僅差で勝利する可能性が高く、選挙の夜には勝敗がつかず、次の連邦上院議員が決まるまで何日もかかる可能性が高まっている。リー・チャップマン州務長官代理(民主党)は先週、完全な結果を出すには「少なくとも数日かかるだろう」と述べた。

ペンシルヴァニア州のある共和党幹部は本誌の取材に対し、「もしこれが厳しい選挙だと言うならば、選挙の正当性が疑われるような、非常に危険なウサギの穴にまた入ることになるだろう。他の州では、このようなことが予定通りに行われているのを見ると、なぜペンシルヴァニア州ではできないのかという疑問が生じる」。

(5)ウィスコンシン州(Wisconsin
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2022年は全体的に厳しい政治環境にあるが、民主党はウィスコンシン州に目をつけ、論争の絶えない共和党現職のロン・ジョンソン連邦上院議員を有権者が納得して追い出してくれるかもしれないと考えた。

民主党側は、長期にわたる、時には厳しい予備選挙を経て、副知事のマンデラ・バーンズ(ウィスコンシン州、民主党)を指名した。初期の世論調査ではジョンソンが危ういとされていたが、バーンズも総選挙への出馬に苦戦し、彼を「急進左派」と決めつける攻撃に何週間も晒されることになった。

民主党は最後の数週間、バーンズに最後の追い風を吹かせようと、選挙戦に資金を注ぎ込んでいる。バラク・オバマ前大統領は、今でも民主党で最も人気のある人物の一人であり、週末にはウィスコンシン州で党勢を回復させるために奔走している。

また、ファイヴサーティエイトの平均値では、ジョンソンがバーンズに3.4ポイントの差をつけており、レースは依然として接戦であることは確かだ。それでも共和党は、バーンズの見込みが過大評価され、民主党はジョンソンの強さを過小評価していると主張する。

共和党系のストラティジストのダグ・ヘイは、今年初め、「候補者の質」を理由に同党の連邦上院選勝利の見通しを軽視したミッチ・マコーネル連邦上院少数党(共和党)院内総務(共和党)の言葉を引用して発言した。

ヘイは「候補者の質が重要だと言って、マコーネルを非難しようとした人もいた。しかし、それは民主党の側でも重要なことだ。これはマンデラ・バーンズがあれほど期待はずれだった理由の1つだ」と語った。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 このブログでも以前に取り上げ、拙著『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』でも取り上げたリズ・チェイニー連邦下院議員(ワイオミング州選出、共和党)が今年11月の中間選挙での共和党議員選挙の共和党予備選挙(共和党の候補者を決める選挙)で、ドナルド・トランプが支持する挑戦者に敗れて、本選挙に共和党候補者として出馬できないことになり、下院議員の議席を失うことになった。
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リズ

 連邦下院議員は2年ごとに全員が選挙ということになり(任期が2年)、選挙に追いまくられる生活を強いられる。また、2年おきに選挙があるので、野心がある人間が常に挑戦者となって迫ってくる。勝ち続けるということは難しい。しかし、リズの父親ディック・チェイニーもワイオミング州選出の連邦下院議員を務め、その後は国防長官や副大統領(ジョージ・W・ブッシュ政権で実質的な指揮を執った)を務め、「王朝(ダイナスティ、dynasty)」と形容されるほどの地盤を誇った。また、政治資金集めも親の七光りもあって成功していた。しかし、今回脆くも敗れ去った。

 リズ・チェイニーは元々ドナルド・トランプに好意的な人物であった。2016年の大統領選挙ではいち早く支持を表明し、トランプが女性スキャンダルに見舞われた際にも指示を変えなかった。トランプ政権下での連邦下院での法案への投票行動の記録では、トランプの意向に沿った形で、93%の割合でトランプの望むような投票行動を取った。トランプがリズについて「ワイオミングの人々は素晴らしい政治家を持っている」と称賛したこともあった。
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リズとドナルド・トランプ
 しかし、2020年の大統領選挙でトランプが敗北とされたことに対して異議を申し立てたあたりから、2人の関係は変わり、リズ・チェイニーはトランプ批判を行うようになった。そして、2021年1月6日の連邦議会にトランプ支持派が進入するという事件が起きてから、そのトーンは激しくなった。連邦下院でトランプ弾劾に関する投票が行われ(結果は否決)、共和党からは10名が賛成に投票した。その中にリズが含まれていた。

 トランプはリズに対する批判を強めた。そして、今年の中間選挙に関して、各地で自身が誰を支持するかということで、賛成派を増やし、反対派を議会から追い出すという戦略を取っている。リズに関しては議会から追い出すということで、トランプが支持する挑戦者が共和党予備選挙に出馬し、現職であり、チェイニー王朝の当主リズ・チェイニーを破った。連邦下院でトランプ弾劾に賛成した10名の共和党所属の下院議員のうち、4名は元々引退を決めていた。4名が再選を目指していたが共和党予備選挙で敗退した(ここにリズも含まれる)。2名が共和党予備選挙を突破したが、1名は選挙区の区割りが変わり、民主党が優勢となったために本選挙で敗れる可能性が高い。そうなると、1名だけが来年の議会に戻ってくるということになる。

 リズ・チェイニーを反トランプの結集軸、象徴にしようという声が出ている。リズの知名度と反トランプ姿勢を評価してのことだ。具体的には2024年の大統領選挙に向けて、2023年から具体的に始まる大統領選挙の共和党予備選挙に出馬すべきだという声だ。現在、各種世論調査で「2024年の大統領選挙の共和党候補者は誰が良いか」という設問に対して、ドナルド・トランプが1位という結果が出ている。トランプ自身はまだ何も言っていないが、共和党員や共和党支持者の間でトランプ待望論が根強い。これは現在、共和党内部で清新なリーダーが見当たらないということもある。
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リズとディック・チェイニー
 こうした動きを阻止するために、「トランプに共和党の候補者指名を受けさせないために邪魔をする」ということでリズ・チェイニーの待望論が出ている訳だ。しかし、チェイニーは反トランプの結集軸となり得るだろうか? 私はあまりにも「タマが悪い」と考える。リズの後ろにはアメリカを泥沼の対外戦争に引き込んだネオコン派がいる。そもそも父親ディック・チェイニーがネオコン派の総帥なのだ。また、トランプ政権下ではトランプと蜜月の関係にあった。そのことから、反トランプ派(共和党内部、民主党、無党派)がどれだけリズを一枚岩で押し上げるというのは難しいと私は考えている。

2024年の大統領選挙の共和党予備選挙で、2020年の大統領選挙本選挙でトランプが敗れた各州でリズが勝利すれば、トランプの候補者指名を阻止できる可能性はある。しかし、そう言うことになれば共和党は深刻な分裂状態、共和党が優勢な南部とそれ以外の地域で分裂が起きる。そうなれば漁夫の利を得るのは民主党側だ。トランプの候補者指名を阻止するために出るという後ろ向きの立候補は共和党に深刻なダメージを与えることになる。そうなれば共和党エスタブリッシュメント派でもあるリズ・チェイニーは、共和党破壊の張本人となってしまう。彼女にそれを甘受できるほどの覚悟はできないのではないかと思う。

 今年の中間選挙では共和党が連邦下院で過半数を獲得すると見られている。そして、共和党予備選挙ではトランプが支持する候補者たちが勝利している。来年の連邦議会はより反バイデン姿勢を取るようになり、バイデン政権の活動はより厳しくなるだろう。

(貼り付けはじめ)

ワイオミングでのチェイニーの敗北の重要なポイント(Key takeaways from Cheney’s loss in Wyoming

マックス・グリーンウッド筆

2022年8月17日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3604803-key-takeaways-from-cheneys-loss-in-wyoming/

リズ・チェイニー連邦下院議員(ワイオ州選出、共和党)が火曜日にドナルド・トランプ前大統領の支持する予備選挑戦者に敗れた。この出来事は、前大統領が党内から批判者を排除しようとする努力の重要な一里塚の1つとなった。

チェイニーは、2021年1月6日の連邦議会議事堂での暴動に関与したトランプ前大統領の弾劾において、昨年連邦下院で行われた弾劾に賛成投票を行った数少ない連邦下院共和党議員の1人で、前大統領への批判の手を緩めることなく、「トランプは依然として法の支配とアメリカの民主政治体制に対する脅威である」と最後まで主張した。

しかし、チェイニーの連邦下院議員選挙共和党予備選は、トランプがホワイトハウスから追放されてから約2年後の共和党の未来と、その有権者の立ち位置について、いくつかの示唆を与えてくれるものだ。

チェイニーの選挙からの5つのポイントについて見ていく。

(1)トランプの共和党への支配力と掌握力はこれまでと変わらずに強い(Trump’s grip on GOP as strong as ever

火曜日にチェイニーが敗れたことで、トランプの批判者たちの間に残っていた、党の有権者たちが前大統領に逆らい、自分たちの進むべき道を切り開く準備ができたかもしれないという希望は打ち砕かれた。

また、少なくとも共和党優勢州の共和党員たちの間で、トランプの影響力がこれまでと同様に強いことが明確に認識されることになった。

トランプ前大統領はホワイトハウスから何百マイルも離れているが、共和党の有権者を自分の好む候補者に誘導し、不誠実とみなす人物からは遠ざけることができることをこれまでに繰り返し証明してきた。もちろん、例外もある。たとえば、ジョージア州知事のブライアン・ケンプは、トランプが支援する予備選挑戦者を簡単に敗退させた。

しかし、トランプが現代の共和党においておそらく最も強力な存在であることに疑いの余地はなく、この事実は、2024年にホワイトハウスへの復帰を検討しているトランプにとって特に好都合な兆候である。

(2)弾劾賛成派の共和党員たちは減少し続けている(Pro-impeachment Republicans are dwindling

来年、第118回連邦議会が召集される時、一つだけ確かなことがある。昨年、トランプ弾劾に賛成投票した共和党所属の連邦下院議員の大半は、その場にいないことになる。

トランプ前大統領の弾劾に賛成した連邦下院共和党議員10名のうち、4名は今年の選挙に立候補しないと発表している。チェイニーを含む別の4名は再選に挑戦したが、トランプが支持する予備選挙挑戦者たちに打ち負かされた。

共和党予備選で生き残ったのは2名だけとなった。デイヴィッド・ヴァラダオ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)と、ダン・ニューハウス(ワシントン州選出、共和党)である。

ニューハウスの地元は共和党が強い選挙区であることから、今年の再選は間違いなさそうだが、ヴァラダオは政治的にかなり不安定な立場にある。今年6月の予備選を辛うじて突破したが、現在は区割り変更のおかげで、民主党支持が多い選挙区からの出馬となる。

新しい選挙区割りによって、民主党は攻勢を強めており、ヴァラダオは民主党議会選挙委員会(Democratic Congressional Campaign CommitteeDCCC)の2022年中間選挙のターゲット者名簿に名前が載ってしまい、来年議会に戻ることを望むであろうが、厳しい戦いになることを示唆している。

ヴァラダオが仮に当選しても、これまでで最も親トランプ的な連邦下院共和党の中に身を置くことになる。

(3)反トランプの共和党内での戦略には限界がある(There are limits to the anti-Trump GOP strategy

反トランプ派の共和党所属の議員たちはトランプの猛烈な攻撃に耐えられるだけの幅広い有権者層をまとめられるはずだと期待していた人たちにとって、チェイニーの敗北は明らかな失望となってしまった。

しかし、そのような戦略の限界を思い知らされるものでもあった。チェイニーは、トランプ自身と彼による2020年の選挙は盗まれたものだという虚偽の主張を痛烈に批判したため、共和党の保守基盤となる人々の間で孤立し、不人気となった。

しかし、彼女のレトリックは、無党派層や民主党議員をしっかりと味方につけるには不十分だった。穏健派の多くは、共和党で最も強力な人物に挑む彼女の意志を賞賛したかもしれないが、他の問題についての彼女の保守的な投票記録は、彼女への投票を厳しいものにしたようだ。

しかし、チェイニーは民主党員や民主党支持者に自信に投票するよう働きかけなかった訳ではない。この夏の初め、彼女の選挙キャンペーンは、ウェブサイトや郵便物を通じて指示を出し始めていた。

(4)チェイニー氏は傷ついたが、めげずに頑張る(Cheney may be bruised, but she’s undaunted

敗北を認める前から、チェイニーの運命は明らかだったようだ。

彼女はトランプに償いをしようとはしなかったし、トランプの支持者に自分がまだ味方であることを訴えようともしなかった。彼女の締めくくりの選挙広告の一つには、父親であるディック・チェイニー元副大統領がトランプを激怒させる様子が描かれていた。

火曜日に敗北を認めた際も、チェイニーは断固として自分の信念を貫いた。リズ・チェイニーは、2020年の選挙の余波でトランプに味方していれば、予備選に勝てたかもしれないが、単にそうする気がなかったと述べた。

ただ、注目すべきは、彼女の敗北受諾演説には、次に何が起こるかについての潜在的なヒントが含まれていたことだ。彼女は、トランプを再び大統領にしないために「必要なことは何でもする」と誓い、リンカーン元大統領に言及し、彼もホワイトハウスを手に入れる前に選挙に負けたことを指摘したのである。

この言及と、トランプとトランプ主義に対する十字軍を続けるというチェイニーの誓いは、彼女がまだ政治のスポットライトから降りる準備ができていないことを示唆しており、彼女自身がホワイトハウスへの立候補を検討しているという憶測を更に掻き立てるかもしれない。

(5)トランプ氏の総選挙でのアピールポイントに焦点(Focus shifts to Trump’s general election appeal

チェイニーの敗北は、トランプが共和党から批判者を一掃しようとするドラマのクライマックスのようなものであった。彼女は、今年、予備選に臨む弾劾に賛成投票をした最後の下院共和党議員だった。

これでトランプの関心は今年11月の中間選挙に移り、共和党員や共和党支持者だけでなく全ての有権者がトランプが推薦する候補者たちに評決を下すことになる。

ワイオミング州は強固な共和党優勢州なので、ヘイグマンが次期連邦下院議員になることはほぼ確実だが、トランプが推薦した他の候補者はもっと厳しい戦いになると見られている。

例えばペンシルベニア州は、上院議員選挙の激戦区で、民主党のジョン・フェッターマン副知事が、トランプが支持する共和党の競争相手である、著名な医師メフメト・オズに大差をつけてリードしているとの世論調査結果が出ている。

ジョージア州でも同様の状況が展開されており、上院議員のラファエル・ウォーノック(民主党)が、トランプが選挙戦序盤に支持した元NFLのスター選手ハーシェル・ウォーカーに対して優位を保っている。

問題は、トランプの影響力が今年の共和党予備選のように、中間選挙で発揮されるかどうかだ。

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リズ・チェイニーの政治的な将来に関する5つの疑問(Five questions about Liz Cheney’s political future

マイケル・シュニール、ジュリア・マンチェスター筆

2,022年8月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3604524-five-questions-about-liz-cheneys-political-future/

リズ・チェイニー連邦下院議員(ワイオミング州選出、共和党)は、火曜日に行われた連邦下院議員選挙共和党予備選挙で、トランプが推薦する弁護士ハリエット・ヘイグマンに敗れ、新たな政治的将来に向かうことを余儀なくされた。

共和党内部の政治的な王朝出身で、3期目の連邦下院議員を務めていたチェイニーは、連邦議会での任期が終了したら何をするのかということに関する憶測は着実に大きくなっており、2024年の大統領選挙に出馬するのかどうか、明確に示していない。

チェイニーは火曜日の夜、反抗的な演説を行い、トランプ前大統領と彼が作り出した運動、そして2020年の選挙について彼の主張を繰り返す候補者たちを非難した。それは同時に、敗北を受け入れる演説であり、これからも公職に関わる将来を約束するものとなった。

チェイニーは「だから、今夜皆さんにお願いしたいことがある。それは、ここを去るとき、私たちの共和国を破壊する者たちに対して、共和党員、民主党員、無党派層が共に立ち上がることを決意するというものだ」と語った。

しかし、「ドナルド・トランプが二度と大統領執務室に近づかないようにするために必要なことは何でもする」と誓いながらも、チェイニー自身が次に具体的に何をするのかについてはほとんど言及しなかった。

チェイニーは「この予備選挙は終わったが、これからが本当の仕事の始まりだ」と述べた。

リズ・チェイニーの政治的な将来については5つの疑問が存在する。

(1)チェイニーは2024年大統領選挙に出馬するだろうか?(Does she launch a 2024 presidential campaign?

ディック・チェイニー元副大統領の娘であるリズ・チェイニーは、2024年の大統領選挙出馬の可能性についての質問をかわし、トランプをホワイトハウスから締め出すという彼女の主な目標に話を戻したがった。

チェイニーはこれから、ケーブルテレビで仕事をする、シンクタンクに入る、本を書くといったことができるが、ジョージ・W・ブッシュとチェイニーのホワイトハウスで働いた共和党所属のストラティジストであるスコット・ジェニングスは、チェイニーがその目標を達成するための「次の論理的」ステップは2024年の大統領選挙への立候補であると語った。

ジェニングスは「できることは色々とあるだろうが、選挙戦を行うこと以上に良いプラットフォームがあるだろうか?」 と本誌とのインタヴューの中で述べている。

ジェニングスは続けて次のように述べた。「リズ・チェイニーが大統領選挙に出馬すれば、彼女が受ける報道の量、メディアの注目度は、世論調査での彼女の地位を大きく押し上げることは間違いないところだろう。もし、共和党支持の人々に、自分が重要だと思う考えを話したいと思っているのなら、大統領選の時期にそれをするのが最良の方法だと私は考える」。

論理的に言えば、チェイニーの大統領選挙出馬は可能だ。

チェイニーは連邦下院議員として、2021年1月6日の連邦議事堂襲撃事件を調査する連邦下院特別委員会の副委員長としての仕事を通じて、全国的な知名度を急上昇させた。NBCニューズによると、彼女は高い知名度を誇り、共和党内部に強いコネを持ち、3週間前の時点で選挙口座には740万ドルの資金が残っている状態であった。

そしてチェイニーは、パターン通り、火曜日の演説の多くをトランプとトランプ主義に集中させたが、2024年については何も否定しなかった。

(2)彼女はホワイトハウスを勝ち取るために出馬するのか、それともトランプを排除するために出馬するのか?(Does she run to win the White House — or keep Trump out of it?

2024年の共和党大統領選挙候補の座を勝ち取ることは、チェイニーにとって苦しい戦いになるだろうというのが関係者の共通認識だ。

「2024年の大統領選挙で共和党の候補者は誰が良いか」という世論調査のほとんどで、トランプが首位をキープしている。トランプ氏の政策を推進するフロリダ州知事ロン・デサンティス(共和党)が2位となっている。そして、まだ予備選挙の開票作業中ではあるが、チェイニーはトランプから30ポイント以上の差をつけられているようだ。

しかし、勝てる見込みがほとんどなくても、チェイニーは大統領選挙の共和党予備選挙の結果を左右するために出馬するかもしれない。

ジェニングスは次のように語った。「“成功の定義をどうするか?”ということになる。彼女にとっては、指名を獲得することよりも、トランプを指名させないようにすることの方が重要かもしれない。だから、成功をどう定義するか次第だと思う」。

彼女の存在は、トランプと彼の政策やレトリックを信奉する人々によって支配されている大統領選の会話からほとんど締め出されている反トランプの共和党員や死者たちに声を与えることにもなる。

マイク・ペンス元副大統領の補佐官を務めたオリヴィア・トロイは、「“アメリカを再び偉大に(MAGA)”運動全体に参加していない人、共和党の方向性に満足していない人、私のように昔ながらの伝統的な保守的共和党員にとって、リズ・チェイニーはより魅力的な選択肢に思える」と語った。

トロイは「彼女のような人が、政治の世界で、起きていることについて主張をし、真実を伝え続けようとする姿勢が重要だと思う」と述べた。

チェイニーは火曜日、米国の統一を維持するために戦ったリンカーン元大統領に言及した。

「私たちの党の偉大な勝利者、エイブラハム・リンカーンは、最重要な選挙に勝つ前に、連邦上院と連邦下院の選挙で敗れたのである。リンカーンは最終的に勝利を収め、連邦を救い、歴史に残るアメリカ人としての義務を定義した」と彼女は語った。

(3)彼女は残された任期で何をするのか?(What does she do with her time left in office?

2021年1月6日の連邦議事堂襲撃事件を調査する連邦下院特別委員会は、11月に共和党が議会の主導権を握ることを見越して、今後数カ月以内に調査を終結させようと、既に時間との戦いに突入している。

しかしそれ以前に、委員会はさらに公聴会を開き、トランプが自身の権力を維持するための計画の中心にいたという主張を補強するための追加情報を提示することを明確に誓っている。チェイニーはこのプレゼンテイションにおいて、おそらく大きな役割を果たすであろう。

アダム・キンジンガー連邦下院議員(イリノイ州選出、共和党)は先月、連邦議事堂で記者団に次のように語った。「私たちは現在負けてはいない。証言を名乗り出る人々が殺到しているのを見るのは素晴らしいことだ。退く時ではない」。

チェイニーはこれまでにも委員会の公聴会で中心的な役割を果たし、開会宣言や閉会宣言を行い、委員会で証言する証人たちに質問を行ってきた。

その際、トランプや共和党の同僚を批判することも臆することなく行っており、このやり方は残り数カ月の任期中も、強化はしないまでも、続けることになりそうだ。

共和党所属のストラティジストであるダグ・ヘイは、リズ・チェイニーが共和党予備選挙敗北後にどのような道を歩もうとも、委員会での仕事をスタートに、アメリカ政治における発言力のある存在であり続けることを確認すると『ザ・ヒル』誌に語った。

ヘイは「はっきりしているのは、彼女の声がどこにも届かないということだ。そしてそれは、16日調査委員会の次の公聴会から始まり、その後、彼女が決めたどんな形であれ、続けていくことになる」と述べた。

(4)今後、彼女はどのようなサポートを受けるのだろうか?(What kind of support does she have for future moves?

チェイニーは予備選挙で敗れたものの、全国に広大な支持者と献金者のネットワークを持っており、今後の政治活動に役立てることができるだろう。

リズ・チェイニー議員は、今年の第1四半期に自身の記録を更新し、300万ドル近くを集め、第2四半期には290万ドルという途方もない額を記録した。

チェイニーは、草の根の寄付に加えて、ジョージ・W・ブッシュ元大統領、ブッシュ元大統領の補佐官を務めたカール・ローブ、映画プロデューサーのジェフリー・カッツェンバーグ、億万長者のヘッジファンドマネージャー、セス・クラーマンなど全米の共和党・民主党の著名な寄付者たちからも資金を得ている。

しかし、共和党の大統領予備選挙では、チェイニーは共和党の予備選挙に参加できる有権者たちにアピールする必要がある。そして、反トランプの共和党員は彼女だけとは限らない。メリーランド州知事のラリー・ホーガン(共和党所属)は、2024年の共和党の希望として繰り返し浮上しており、まだ出馬を否定していない。

トロイは「より穏健な有権者にどのようにアプローチするかが重要になると思う」と述べた。

トロイは続けて「彼らは長年にわたり共和党で尊敬を集めてきた人物だ。そして、彼らの声は、多くの人ができない方法で聴衆に届けることができる」。

(5)大統領選出馬以外にできることは何か?(What could she do besides run for president?

2024年の大統領選挙への出馬が最も話題になっているが、チェイニー連邦下院議員には、トランプ大統領に対する闘争を続けるために追求できる別の道もある。

1つは、ケーブルニューズのコメンテイターやアナリストとして参加し、トランプ前大統領に対抗し、2020年の大統領選挙が盗まれたという彼の誤った主張を糾弾するための大きなプラットフォームを手に入れることであろう。

このルートは、元議員に人気のあるルートだ。2018年に当時のミズーリ州司法長官ジョシュ・ホウリー(共和党)に落選させられたクレア・マッカスキル元連邦上院議員(ミズーリ州選出、民主党)は、選挙の数カ月後に政治アナリストとしてNBCニューズとMSNBCに入社し、ジェイソン・チャフェッツ元連邦下院議員(ユタ州選出、共和党)は2017年に連邦下院を辞めた翌日に寄稿者とコメンテイターとしてフォックス・ニューズに採用された。

チェイニーは、今年11月の中間選挙に出馬しないキンジンガーのように、シンクタンクに参加したり、自身の政治行動委員会(PAC)を設立したりすることも可能である。

キンジンガー(トランプ批判のもう1人のトップで、1月6日事件調査委員会ではチェイニーの同僚の共和党議員)は、トランプを受け入れる共和党に異議を唱える運動として、「カントリー・ファースト(Country First)」と称する政治行動員会(PAC)を立ち上げた。

チェイニーにとってもう1つの選択肢は、ワシントンを去るトップ政治家がよくやる、本の執筆だ。2020年の選挙で3期目出馬を取り止めたウィル・ハード前議員(テキサス州選出、共和党)は、トランプを何度も批判した後、『アメリカの再起動:大きな問題を終わらせる(American Reboot: An Idealist's Guide to Getting Big Things Done)』と題した本を執筆した。

チェイニーが次の行動に何を選ぶかはまだ分からないが、ジェニングスによれば、チェイニー議員は最近の、そして今後の政治的な動きを推進する計画を持っている可能性が高いと語っている。

ジェニングスは次のように語った。「私はチェイニー家のことをよく知っているし、彼らがいかに賢く、どのように行動しているかも知っている。リズ・チェイニーは、ドナルド・トランプをホワイトハウスから締め出すことが自分の使命だと考えているのだろう。だから、それが使命なら、その使命を達成しようとする計画を構築するような人たち、それがチェイニー家なのだ」。

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リズ・チェイニーがワイオミング州での予備選挙で敗北(Liz Cheney defeated in Wyoming primary

マックス・グリーンウッド筆

2022年8月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3604628-liz-cheney-defeated-in-wyoming-primary/

ドナルド・トランプのかつての盟友で、彼の最も熱心な共和党内部の批判者の1人となったリズ・チェイニー下院議員(ワイオミング州選出、共和党)は、トランプ前大統領と彼の共和党有権者への影響力に逆らって生き残るための長丁場の戦いの末、火曜日の予備選挙で敗れる見通しとなった。

NBCニューズとCBSニューズは、いずれも東部時間午後10時過ぎに選挙戦の結果を報じた。

チェイニーは、弁護士で共和党全国委員会(Republican National Committee RNC)委員を務め、昨年トランプから支持を受けたハリエット・ヘイグマンに大敗した。ヘイグマンは来年、共和党が圧倒的優勢な州の唯一の連邦下院議員としてチェイニーの後を継ぐ大本命となる。

選挙結果が決まった後、チェイニーは支持者たちに対して、ヘイグマンに電話で選挙の敗北を受け入れると伝えたと述べた。

「私たちの共和国は、選挙結果を誠実に受け入れるという、全ての候補者の善意に依拠している。そして今夜、ハリエット・ヘイグマンがこの予備選挙で最も多くの票を獲得した。彼女は勝ったのだ」と、チェイニーは熱弁をふるった。

火曜日のヘイグマンの勝利は、2021年16日の連邦議会議事堂襲撃事件で、昨年トランプ弾劾に賛成投票した10名の共和党議員を連邦下院から排除しようとするトランプの努力における最後の、そしておそらく最も重要な一里塚であった。

その10名のうち、4名は今年の選挙に出馬しないことを選択し、チェイニーを含む4名はトランプが支持する挑戦者に共和党予備選挙で敗れている。これまで予備選の挑戦者に買って生き残ったのは2名だけだ。デイヴィッド・ヴァラダオ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)とダン・ニューハウス(ワシントン州選出、共和党)である。

チェイニーの共和党予備選敗北は、特にトランプにとって象徴的な勝利である。チェイニーは昨年、前大統領の弾劾に賛成した後、トランプについて「アメリカ合衆国憲法をほとんど顧みない反民主政治体制の強者」と頻繁に批判し、トランプ主義に対する共和党の防波堤として台頭してきた。

そうした批判によって共和党の同僚たちと揉め、連邦下院共和党議員会会長を解任されることになった。

しかし、事態はそれだけにとどまらなかった。

共和党全国委員会とワイオミング州共和党は昨年、チェイニーの問責決議案を提出し、多くの同僚共和党議員たちがヘイグマンに賛同してチェイニーを更迭しようとした。

しかし、チェイニーは反抗的な態度を維持した。チェイニーは、2021年1月6日の暴動を調査する下院特別委員会のメンバーに選ばれた2名の共和党員のうちの1名であり、最終的には副委員長に昇格した。

その間、チェイニーは予備選挙で厳しい逆風に直面し、トランプはワイオミングでのレースに特に強い関心を寄せていた。彼のティームは数カ月かけてチェイニーに対する共和党の予備選挙挑戦者候補を面接し、元大統領自身も何人かの候補者と面接を行った後、ヘイグマンを予備選挙挑戦者に選んだ。

その結果、予備選挙の候補者は大幅に絞られ、不動のトランプ前大統領の同盟者かとチェイニーかという明確な二者択一となった。

火曜日の夜の演説でチェイニーは、2020年の選挙に関するトランプの虚偽の主張と投票を覆す努力に付き合っていれば、自分が予備選で勝っていただろうと訴えた。結局のところ、そうする気になれなかったとも述べた。

チェイニーは次のように語った。「2年前、私はこの予備選挙で73%の得票率で勝利した。また同じことをするのは簡単なことになるはずだった。道は明らかだった。しかし、そのためには、2020年の選挙に関するトランプ大統領の嘘に、私が1人で付き合わなければならなかっただろう。民主政治体制を崩壊させ、共和国の根幹を攻撃しようとする彼の継続的な努力を無視しなければならなかっただろう。それは私にはできないし、しない道だった」。6年前の2016年のホワイトハウス立候補の際、チェイニーはトランプを支持し、トランプが女性について下品な発言をしている録音が公開され、多くの共和党議員がトランプと距離を置く中でもその支持を維持した、チェイニーのトランプ前大統領への痛烈な批判は、ワイオミング州選出の3期連続の連邦下院議員として、異例の展開となった。

データ専門ウェブサイト「ファイヴサーティーエイト(FiveThirtyEight)」によると、チェイニーは連邦下院議員として、約93%の割合でトランプの立場に沿った票を投じていたということだ。

しかし、2020年大統領選の余波と、選挙が自分に不利に操作されているというトランプの主張が、チェイニーを二度と戻れない限界点まで追い詰めることになった。

火曜日の予備選に向けて、世論調査でヘイグマンに大差をつけられていても、チェイニーはトランプを堂々と批判していた。今月初め、彼女の父親であるディック・チェイニー元副大統領は、彼女のために選挙広告に出演し、トランプを「私たちの共和国に対する脅威」と激しく非難した。

リズ・チェイニーもまた、保守派を自分の大義に結集させることはほとんどしなかった。ワイオミング州選出連邦下院議員リズ・チェイニーは、予備選挙で行われた唯一の討論会で、最後の発言で有権者に対し、自分の政治方針に同意できないのであれば、他の候補者に投票すべきだと述べた。

チェイニーは次のように語った。「私が連邦下院議員に就任する際の宣誓の言葉を破ることは決してないということを皆さんに理解して欲しい。もし私の宣誓とは異なる考えを持つ人を探しているのなら、このステージにいる他の人に投票して欲しい」。

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 古村治彦です。

 アメリカ国内でも日本国内でも絶対的多数は対ロシア強硬姿勢となっている。それは当然のことであるが、今回はアメリカ国内でごく少数ではあるが、慎重な声が出ていることをご紹介したい。

 アメリカがウクライナ国内のレジスタンス(一般市民が武器を取ってロシア軍を攻撃すること)に武器支援を行えば、ロシア側は「アメリカをウクライナの共闘者(co-combatant)と見なす」という主張を行うことが考えられ、そうなれば米露間の緊張関係がさらに悪化して、不測の事態が起きるのではないかという主張がバイデン政権内の一部高官たちから出ていたということだ。そうした慎重論を主張したのは、ジェイク・サリヴァン国家安全保障問題担当大統領補佐官ではないかと私は考える。

 2014年以上、アメリカ軍の特殊作戦部隊とCIAがウクライナ軍を訓練してきたということが報じられている。そのため、国防総省のある元関係者はウクライナ軍の抵抗に自信を持っているということだ。ウクライナ国内での待ち伏せ戦術など、非正規的な戦術でロシア軍を悩ませることができるとしている。アメリカ軍とCIAがウクライナ軍を訓練していたということを私は寡聞にして知らなかった。ロシアはこの事実を掴んでいただろう。これではロシアが不安感を募らせるということは理解できる。アメリカと西側諸国はとんだ火遊びをして、ウクライナを弄んだということも言えるだろう。

 日本の国会と同じく、アメリカ連邦下院でもロシアのウクライナ侵攻に対する非難決議が可決された。426名が賛成、3名が反対に票を投じた。反対した3名は全員が共和党所属の議員たちだった。ケンタッキー州選出のトーマス・マッシー議員は、今回の制裁によって、ロシアの無辜の人々が苦しむことになり、恨みがアメリカに向かうことになるのではないかという疑念を理由として挙げている。戦争になり犠牲になるのは偉い人々ではない。そのことを考える時、私は感情に任せて、単純にかつ短絡的にロシアをやっつけろ、ロシアに制裁を科せと言うことに躊躇してしまう。ウクライナ国民の苦しみもロシア国民の苦しみにも思いを致すなどということはセンチメンタリズムが過ぎると今の日本では叱られてしまうだろう。

 アメリカのバイデン政権内部でもウクライナのレジスタンスに対する武器支援に対して慎重な主張があり、連邦議会での対ロシア非難決議に反対する投票があった。全員一致ということは一見すると非常にきれいなことであるが、非常に危険なことだ。日本はとりわけ「進め一億火の玉だ」ということにすぐになってしまうお国柄であり、同調圧力も非常に厳しい場所だ。そういう場所だからこそ、私は敢えて少数派の意見、主流派から見れば異端の意見ということも大事にすべきではないのかと思う。アメリカでのごく少数の動きからそのようなことを考えた。

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●「ロシア非難決議棄権の中国とインド 米大統領が名指しでけん制」

毎日新聞 3/3() 11:16配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/a517108ae094d0069abb14e91fadbce6c84e5066

 バイデン米大統領は2日、中西部ウィスコンシン州で演説し、ロシアのウクライナ侵攻を非難する決議が国連総会で採択されたことに関して「プーチン(ロシア大統領)を非難する決議に141カ国が賛成した。中国は棄権した。インドも棄権した。彼らは孤立している」と中印両国を名指しでけん制した。

 ウクライナ情勢を巡って、中国やインドは関係が深いロシアへの非難を避けている。バイデン氏は侵攻開始直後の224日に「インドとは対応を協議している。完全には解決していない」と記者団に語っていた。

 米印両国は今年前半に日本、オーストラリアとの4カ国(クアッド)首脳会議を日本で開く予定になっているが、ウクライナ情勢を巡るインドと他の3カ国との温度差が課題になりそうだ。【ワシントン秋山信一】

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バイデン政権はウクライナのレジスタンスの武装化の合法性について議論(Biden Administration Debates Legality of Arming Ukrainian Resistance

-ロシアはアメリカが共闘者と主張することが可能になる場合がある。

ジャック・デッツ、ロビー・グラマー筆

2022年2月24日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2022/02/24/biden-legal-ukraine-russia-resistance/

アメリカは、ロシアが大規模な侵攻を実施している中、武装したウクライナのレジスタンスを支援する計画について議論している最中だ。複数のアメリカ政府高官は今回の侵攻はウクライナ政府を瓦解させることが目的だと確信していると述べた。ワシントンは、数万人規模のロシア軍将兵による攻撃でウクライナ軍が腰砕けになるのではないかとの懸念を強め

政府高官と連邦議会補佐官3名によると、バイデン政権内部での議論は白熱している。政権幹部の中には、「ウクライナのレジスタンスを武装化すれば、アメリカがロシアとのより広い戦争に法的にも共闘すること(legally co-combatant)になり、米露という核保有国の間で緊張が高まる」との警戒感を示す者も出ている。

2021年、政権高官の一部は、モスクワとの緊張を不用意にエスカレートさせるような軍事的な動きに対して繰り返し警告を発してきた。このため、ジョー・バイデン大統領は、他の政府機関の賛同はあったが、ウクライナへのアメリカ軍による防衛的軍事援助の派遣を一時的に保留することに決定した。

この議論は、アメリカ大統領の戦時権限に関する法的根拠を中心に行われており、ウクライナ政府が速やかに崩壊することをアメリカ政府内の国家安全保障計画立案者たちがいかに懸念しているかを浮き彫りにしている。アメリカ国防省のある高官は木曜日に、ロシアはウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領政権を瓦解させ、「ロシア独自の統治方法(their own method of governance)」を導入するために「キエフに動き始めている」と述べた。

もしこのようなことが起きる場合には、バイデン大統領はウクライナ軍に武器やその他の軍事援助を送る前に、議会の承認を求めるべきだと考える連邦議会補佐官もいる。国際法の専門家の中には、戦争が活発化している最中にそのような武器を送れば、ロシアがアメリカを「法的に見て紛争の当事者(legally a party to the conflict)」であると主張し、二大核保有国の間で不用意なエスカレーションを引き起こすことになると考える者もいる。

国務省の顧問弁護士を務め、現在はワシントンにあるシンクタンクのブルッキングス研究所の客員研究員を務めるスコット・アンダーソンは、「率直に言って、どちらがどのように降りるかという、本当のチキンゲームになるだろう。ロシアは、アメリカやヨーロッパがウクライナ人を武装させることで、紛争の当事者になっているという主張をどこまで押し通すつもりなのだろうか?」

複数の政府高官や議会補佐官は、ウクライナのレジスタンスを武装化する計画は初期段階にあり、バイデン政権は、必要に応じてレジスタンスに武器を提供する方法についてまだ議論していると述べた。この問題について説明を受けたある関係者は、バイデン政権内部で激しい議論が交わされたと述べている。

ロシアが木曜日にウクライナ領土にミサイルを発射し、爆弾を落とし始める前に、国防総省は、地上経路を使って武器をウクライナに輸送する方法を検討していたと考えられる。「支援には多種多様な方法があり、空輸が不可能な場合に備えて、そうした方法を探っている」と、国防総省のある高官は今週初めに述べた。ロイド・オースティン国防長官は、ウクライナへの武器支援を継続することを公言している。

一部の関係者によると、国家安全保障会議(National Security CouncilNSC)では、国防総省によるウクライナ人の武装化計画を否定しているのではなく、むしろ支援をいつ、どのように提供するか、アメリカはそのためにどんな法的権限を行使できるか、なぜウクライナ人が武器を必要とするのか、といった標準的な質問が出ているということだ。バイデン政権は、ロシアが2021年に初めて大規模な軍備増強を開始して以来、ウクライナに6億ドル以上の防衛的軍事援助を提供してきた。

しかし、アメリカ政府内である疑念が大きくなっている。それは、あるパターンの一部であると懐疑的な見方が出ていることだ。国家安全保障会議はこの1年間、ウクライナ人に対する防衛的な支援に背を向け、「そうした支援の動きはエスカレートしてしまい、ロシアとの緊張を悪化させるだけのことだ」と考えられるとしてきた。昨年(2021年)4月と12月の2回、軍事支援を延期したが、最終的には2回とも承認された。

国家安全保障会議のある報道官は、機密性の高い政策について話すので匿名を条件にメールを送り、バイデン大統領の複数の補佐官たちは、安全保障環境が変化する中で「包括的で厳格な政策検討プロセス(inclusive and rigorous policy review process)」を行うことに集中していると述べた。バイデン大統領の複数の補佐官は、既に許可されている安全保障支援を提供するなど、ウクライナ政府を引き続き支援することに集中しているとこの報道官は述べている。

アメリカは、ロシアの侵攻に直面してウクライナの人々にどのように支援を提供するかについて、安全保障、経済、人道支援の規定を含む「様々な不測の事態を想定(planning for a range of contingencies)」していると前出の報道官は述べた。

一方、ウクライナ政府は、チェルノブイリ原子力発電所とキエフ郊外の飛行場が占領された後も、ロシア軍と戦うことを明確に表明した。木曜日の朝の演説で、ウクライナのゼレンスキー大統領は、国を守ることができる市民には武器が支給されると述べた。国防省はその後、ウクライナ国民はパスポートを提示することで政府から武器を入手できるとツイートしている。今週初め、ウクライナのドミトロ・クレバ外相は、外交が失敗した場合のウクライナの計画は、「国土の隅々、全ての都市、全ての村のために戦うことだ。もちろん、勝つまで戦う」と語った。木曜日の記者会見で、ウクライナの駐米大使は、ロシアの最初の攻撃でウクライナの軍人が40人死亡したと述べた。

連邦議事堂にいる共和党所属の連邦議員の多くは、危機がエスカレートすれば紛争が長引くと予想し、バイデン政権に対して、ロシア軍がウクライナ国内の広大な地域を保持しようとした場合にウクライナ人がロシア軍に出血を強要する準備をもっとすることを望んでいる。連邦議会共和党によって提案された立法パッケージは、「ヨーロッパの領域を決してあきらめない(Never Yielding Europe's TerritoryNYET)法と呼ばれ、アメリカがロシアの占領の可能性に対してウクライナのレジスタンスを支援するための政策の枠組みを作るものだ。ある議会関係者が匿名を条件に本誌に語ったところによると、ウクライナのレジスタンスは、ロシアの襲撃をかわすためにスティンガーミサイル、地雷、ライフル、通信機器、そしてアメリカの情報網へのアクセスを必要とするであろうとのことである。

ロシアが2014年にウクライナからクリミアを不法に併合し、ウクライナ東部で分離主義勢力を煽動して以来、アメリカの特殊作戦部隊とCIAがウクライナ軍の訓練に取り組んでいるとヤフー・ニューズが先月報じた。アメリカ軍関係者は、2014年以降に大幅に向上したウクライナの軍事力に自信を深めている。

アメリカ軍によるウクライナ軍支援に詳しい、ある元国防総省関係者は、「私たちは塹壕(trenches)の中で彼らと肩を並べて訓練してきた。私たちは彼らが誰であるか、彼らが何であるか、彼らに何ができるか、そして彼らが何をする意図を持っているかを知っている」と述べた。

ウクライナ軍の非正規軍事戦術(irregular military tactics)の訓練を直接見てきたヨーロッパの高官たちは、「ベラルーシから入ってくるロシアの侵略軍は、敵が深い森から飛び出してきて、対戦車兵器で待ち伏せしているのを見ることができるだろう」と語った。

軍事的なことを率直に話すために匿名を条件にこの関係者は本誌に次のように語った。「道路の両脇には深い森が数十キロも続いている。そこかしこで待ち伏せをするのはとても簡単だ。敵は道路を使って進むしかないし、森には入ってこないのだ」。

バイデン政権とNATOの同盟諸国は、一貫してウクライナへの支援を約束し、ロシアのウラジミール・プーチン大統領がウクライナの2つの分離した州の独立を承認し、そこにいわゆる平和維持軍を派遣する決定を行ったことについて、即座に非難している。

アメリカはロシアに対する制裁の第一弾を発動し、今後更に制裁を強化すると警告しているが、NATOに加盟していないウクライナに、ウクライナの首都キエフにある政府を守るために軍隊を派遣することまでは考えていないことも明らかにした。

近年、連邦議員たちの間では、大統領が連邦議会の承認なしに海外で軍事行動を起こすことを制限するかどうかという議論が活発化している。制限に賛成する議員たちは、ここ数十年の間に、ホワイトハウスが連邦議会の同意なしに戦争を行う権限を、合衆国憲法が許容する以上に、徐々に獲得してきたと主張している。

火曜日には、ピーター・デファジオ連邦下院議員とウォーレン・デイヴィッドソン連邦下院議員は、「アメリカは、合衆国憲法で認められている以上に、連邦議会の同意なしに戦争ができるようになった」と発言した。ピーター・デファジオ議員とウォーレン・デイヴィッドソン議員は、他の40名以上の議員とともにバイデン大統領に書簡を送り、ウクライナへのいかなる形でも軍隊の派遣を許可する前には連邦議会に諮詢(しじゅん)するよう促した。ウクライナへの派兵は予定されていないが、この書簡は、ホワイトハウスに対して、連邦議会の同意がない限り、限られた戦力の権限しかないことを忘れないようにとのシグナルを送ることになった。

戦争権限に関する議論の大部分は、イエメンでイランの支援を受けるフーシ派反乱軍と戦うサウジ主導の連合軍に対する、アメリカの弾薬や後方支援などによるアメリカの支援が物議を醸していることに起因している。しかし、イエメンでの戦争とは異なり、ロシアの侵攻に直面したウクライナを支援することについては、議会で超党派の幅広いコンセンサスが得られている。

しかし、ウクライナ支援は全会一致ではない。連邦上院民主党のある幹部補佐官によれば、超党派のいくつかの議員グループの中では、ウクライナのレジスタンスを武装化することの潜在的な戦力的意味を検討しているが、正式な法案の作成には至っていないという。

共和党主導のNYET法案に署名することを拒否した共和党上院議員は10名以上になる。この分裂は、特にロシアが全面的に侵攻した場合やウクライナ政府が崩壊した後に戦闘が起きた場合に、バイデン大統領がウクライナに更なる軍事援助を提供する権限を抑制するかどうかについて、連邦議会での議論を予感させるものだ。

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連邦下院ウクライナ支持の決議を可決:共和党所属の連邦下院議員3名が「ノー」に投票(House passes resolution backing Ukraine; Three Republicans vote 'no'

クリスティーナ・マルコス筆

2022年3月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/596601-house-passes-resolution-backing-ukraine

連邦下院は2日、ロシアのウラジミール・プーティン大統領が命じた侵略に直面するウクライナの主権(sovereignty)を支持することを宣言し、同時に「即時停戦(immediate cease-fire)」を促す決議案を可決した。

民主、共和両党所属の連邦下院議員たちは、426対3でほぼ満場一致でこの決議に賛成した。反対票を投じたのは共和党所属の議員3名だけだった。反対したのは共和党所属の3議員は、ポール・ゴーサー議員(アリゾナ州選出)、トーマス・マッシー議員(ケンタッキー州選出)、マット・ローゼンデール議員(モンタナ州選出)だ。

アダム・キンジンガー連邦下院議員(イリノイ州選出、共和党)は、共和党所属議員3名がこの決議に反対したことは「非現実的(unreal)」だと述べた。

「我が国の国境が安全になってから言え」とゴーサー議員はツイッター上で反論した。

マッシー議員は、この決議がウクライナへの防衛支援などを過度にかつ広範に謳っていると考え、反対したという。また、ロシアを経済的に孤立させようという呼びかけは、厳しい制裁で「ロシアの罪なき人々」が苦しみ、アメリカに対する恨みを募らせ、結果的に逆効果になる可能性があると主張した。

「私は、ウクライナの人々が自己決定(self-determination)をする権利を全面的に支持する。しかし、本日連邦下院を通過した7ページの決議案に投票できない理由がたくさんある」とマッシーは一連のツイートで書いている。

この決議には拘束力はないが、連邦下院は決議の中で、「権威主義的なプーティン政権と戦うウクライナ国民を、確固として、堅固に、誇らしく、そして熱烈に支持する」と述べている。

また、アメリカと同盟諸国の各国政府に対して、「ウクライナが現在直面しているロシア軍からの機甲軍団と空挺軍団などの脅威に対処するために、追加的かつ即時の防衛的安全保障支援を提供する」ことを求めている。

この決議は更に、「アメリカの連邦下院議員たちは、武力行使によって擁立されるであろう、ロシアがコントロールするウクライナの非合法な指導者や政府を決して認めないし、支持しない」と主張している。

連邦下院外交委員会のグレゴリー・ミークス委員長(ニューヨーク州選出、民主党)は、今回の採決は、先週ロシア軍がウクライナへの攻撃を開始した後、下院議員たちが正式にウクライナへの支援を表明する機会を提供するものだと述べた。 

三―クスは連邦下院議場で「この決議によって次のことを明確にする。それは、“プーティン氏よ、あなたは勝てない”ということだ。私たちは、あなたに対抗し、民主政治体制を維持するつもりだ。なぜなら、民主政治体制が危機に瀕しているからだ」と発言した。

水曜日の連邦下院での決議案の採決は、国連総会がロシアのウクライナ侵攻を非難する決議案を圧倒的多数で可決した数時間後に行われた。国連総会の採決では、ベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、シリアだけがロシアを支持した。

連邦上院も先月、ロシアの侵攻に先立ちウクライナを支持する同様の決議を可決した。

連邦上院議員たちは、ウクライナ国境に軍隊を集結させているロシアに制裁を加えるための包括的なパッケージで合意に至らない中、この超党派の決議案を可決させた。

アメリカと他のヨーロッパの同盟諸国は、世界の金融機関を結ぶメッセージングサービスへのロシアの銀行のアクセスを遮断し、ロシアの中央銀行を標的にするなど、ここ数日でより厳しい制裁措置を次々と発表している。

バイデン大統領は火曜日夜の一般教書演説で、欧州連合(EU)やカナダに続いて、アメリカもロシア航空機のアメリカ領空への立ち入りを禁止すると発表した。

しかし、軍事・人道支援のための資金という形でのウクライナへの具体的な支援は、連邦議会でまだ結論が出ていない。

バイデン政権は連邦議会に対して、ウクライナ危機対応に64億ドルの予算案を認めるように求めた。しかし、連邦議会は更なる予算を承認する可能性もある。

この予算案には、国務省と米国国際開発庁(USAID)による人道的救済活動や、ウクライナ、ポーランド、バルト諸国、NATOの同盟諸国に対する安全保障支援として合計29億ドルが含まれている。残りの35億ドルは、国防総省の追加予算に充てられる。

連邦下院議員たちは、ウクライナ支援を総括的(オムニバス、omnibus)として知られる、より幅広い政府予算案に含めることを視野に入れている。連邦政府の現行予算は来週の金曜日、3月11日に期限が切れる。つまり、オムニバス・パッケージは、いずれにしても今後数日のうちに議会で可決されなければならない立法手段ということになる。

ナンシー・ペロシ連邦下院議長(カリフォルニア州選出、民主党)は水曜日、下院議員たちがウクライナへの支援策について合意に近づいていることを明らかにした。

ペロシ議長は記者団に対し、「総括的予算案の審議のスケジュールをこなさなければならないので、おそらく今日中に全てを終わらせるべきだ。駅から出発間際の電車といったところだ」と述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)


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 古村治彦です。

 ジョー・バイデン大統領の支持率が低迷しているということはこのブログでも何度もご紹介した。今年の中間選挙では民主党が連邦上下両院での過半数を失うのではないかという見通しもご紹介している。また、2024年の大統領選挙については「トランプが出馬してくるのではないか、そうなるとバイデンでは勝てない」という考えが広がっている。

ヒラリー・クリントンが色気を出してきて、「自分が読むはずだった2016年大統領選挙の勝利演説」を読むという前代未聞の、錯乱しているとしか思えない行動をし、『ニューヨーク・タイムズ』紙のコラムニストであるトーマス・フリードマンは「バイデンが大統領候補となり、副大統領候補には共和党のリズ・チェイニー連邦下院議員がなるべきだ」などと馬鹿なことを言い出している。このこともブログでご紹介した。皆口をそろえて異口同音に、「民主政治体制(デモクラシー)の危機だ」などと言っているが、自分たちがデモクラシーの破壊を行っていることに気付かない。

 それもこれもバイデンの支持率が低迷していることが原因であるが、それでは、どうしてバイデンの支持率が低迷しているのか、ということになるが、それを以下の記事では、「バイデンができないことを過度に約束してしまい、現実にはできていないことばかりで、人々の期待を裏切っている。人々はバイデンについて物足らないと思っている」と分析している。

 ドナルド・トランプ前大統領時代に始まった新型コロナウイルス感染拡大について、すぐに求められるかのような幻想を人々に与えて当選してみたものの、結果は期待外れであった。経済面で言えば、現在アメリカは高いインフレーション率に苦しんでいる。国内での不満を外に逸らすというこれまで多くの国家が採用してきた常套手段をバイデン政権も使い、人々の不満を対ロシアとの戦争直前までの緊張関係に向けさせようとしている。本当にぶつかる前に寸止めで終わらせようとしているのかもしれないが、突発的、偶発的に何かが起きれば、制御不可能な状態になることも考えられる。

 お膝元の民主党内部の対立も激しく、せっかく上下両院で過半数を握っているうちに目玉法案のビルド・バック・ベター法案を可決させたいと思っていたら、民主党内から反対者(ジョー・マンチン連邦上院議員)が出たために、先行きは不透明になっている。バイデンの置かれている状況は厳しさを増すばかりだ。

 2024年まで彼自身の健康状態が持つのかどうかということも含めて、これから注目していかねばならない。

(貼り付けはじめ)

バイデンの過度に約束した問題(The Memo: Biden's overpromising problem

ナイオール・スタンジ筆

2022年1月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/589478-the-memo-bidens-overpromising-problem

バイデン大統領が抱える問題は、一つの大きな問題に集約されつつある。それは、彼が実際に達成したこと以上のことを約束してしまったという人々の認識だ。

バーニー・サンダース上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)のような左派が、バイデンはフランクリン・デラノ・ルーズヴェルト以来最も進歩的な大統領になるだろうと予測した時期もあったが、それはとうに過ぎ去ってしまったようだ。

バイデン自身が、6ヶ月前に新型コロナウイルス感染拡大を打ち負かす寸前まで来ていると主張したが、これもまた全くの時代錯誤に聞こえるようになってしまった。

マサチューセッツ大学アマースト校・YouGovが火曜日に発表した共同世論調査の結果では、成人の55%がバイデンについて「期待以下だ」と感じているということだった。2021年4月の段階での調査の数字36%から上昇している。

状況が好転する気配は全くない。バイデンが掲げる最優先課題は困難に陥っている。いや、もっと悪い状況になっている。

この数十年の間で最大の社会的セーフティネットの拡充を実現しようとするバイデンの努力は、Build Back Better計画として示されているが、この計画は何とか命脈を保っているという厳しい状況にある。最終的にビルド・バック・ベター法案が通ったとしても、かつて想定されていたものよりはるかに小規模なものになるだろう。

デルタ変異株とオミクロン変異株に出現によって、新型コロナウイルスは打ち負かされつつあるという考えは現在消え去ってしまった。

これまでバイデン政権を擁護する傾向にあった論客たちも、検査やマスクのガイドライン、コミュニケーション戦略に対する行政のアプローチに批判的な見方を示し始めている。火曜日には、アンソニー・ファウチが、「ほぼ全ての人が」いずれコロナウイルスに感染すると予測した。

バイデンは投票権補償法案を守ろうとする動きを見せているが、多くの民主党所属の連邦議員たちは、バイデンが戦う意志を示しているだけで、成功のための現実的な戦略を練っている訳ではないのではと疑っている。

投票券保護活動を行っている活動家たちの多くは、火曜日にアトランタで行われたバイデンの大規模な演説に出席することを拒絶した。拒絶した活動家の中で最も注目されているのは、ジョージア州知事選挙候補者ステイシー・エイブラムスだ。彼女はスケジュールの都合を理由にして欠席した。

民主党の支持層の多くは、気候変動や警察改革など、他の重要な目標もないがしろにされていると感じている。気候変動は活動家が望むほど広範囲に及んでおらず、警察改革については可能性が全くなくなってしまったように見える。

これらを総合すると、進歩主義的な政治家たちと支持者たちは苦悩し、一般国民はバイデンに幻滅している。この結果は驚くにはあたらないだろう。

サンダースは最近の『ガーディアン』紙とのインタビューで、「重要な軌道修正」を呼びかけ、民主党が「労働者階級に背を向けている」と非難した。

今週初め、コーリー・ブッシュ連邦下院議員(モンタナ州選出、民主党)は本誌の取材に対して次のように述べた。「選挙に勝つということは、見栄えを良くすることではない。善良であり正直であることだ。進むべき道は、痛みが存在しないふりをするのではなく、国中で人々が感じている痛みに対処する政策を実際に制定することだ」。

著名な公民権運動家であるジョネッタ・エルジーは、バイデンの投票権に関する取り組みは「確実に遅れている」、もっと前から「最優先事項」として認められるべきだった、と本誌に述べている。

より広い視野で見ると、バイデンは、連邦上院議員時代30年間に特徴的だった穏健な漸進主義に回帰している、とエルジーは評した。これは、2020年の民主党予備選の過程で左派がバイデンを非常に警戒したのと同様だ。

エルジーは、2020年大統領選挙に向けて、バイデンは「実際よりも進歩的であるということを示すある種のパフォーマンス」を行ったと主張した。穏健派のバイデンに戻っただけで、進歩的な政策はその変わり身の完全に道連れになりそうだ、と述べた。

人々が持つそういう感情は、大統領にとって大きな問題だ。

中間選挙まであと10ヶ月となった。バイデンは、支持率が低迷していること、新大統領の政党が最初の中間選挙で議席を失うという強力な歴史的傾向があることを考えると、厳しい逆風に直面している。

そのような運命を避けるために、あるいは民主党の敗北を破滅的でないレベルに抑えるために、バイデンは何とかして一般国民を味方につけ、彼の基盤を活性化させ続ける必要がある。

若者向けの進歩主義的な団体であるサンライズ・ムーヴメントの全国広報担当者ジョン・ポール・メヒアは、「もし民主党が、“私たちは努力しました、もう一度努力するから私たちに投票して下さい”というメッセージで中間選挙に臨んだら、彼らは負けるだろう」と述べた。若者向けの進歩主義的な団体であるサンライズ・ムーヴメントの全国広報担当者であるジョン・ポール・メヒアは、「民主党はこれから、アメリカ国民の多数派に本当に約束を果たすことができることを示す責任がある」と述べた。

ホワイトハウスは、これらの批判に対して精力的に反撃している。

ここ数週間、ホワイトハウスのロン・クレイン首席補佐官やジェン・サキ報道官などの側近の補佐官たちは、バイデンの大統領就任1年目に600万以上の雇用を創出したことを含む経済実績を強調してきた。

バイデン政権擁護派はまた、バイデンの2つの大きな立法成果である、昨年3月に可決された新型コロナウイルス感染救済法案と11月に可決されたインフラ法案は重要だと主張している。

前者は何百万人ものアメリカ人に必要な救済を提供し、後者はここ数十年で最も大規模な投資であり、これらを合わせると約3兆ドル規模にもなる。

しかし、問題はバイデンが何もしていないことではない。彼に投票した人々の多くが、もっと多くのことを望んでおり、その期待を彼自身の言葉で裏切ってしまったことが問題だ。

投票権に関する法案について、このパターン(期待を裏切る)を再現する危険性が高そうだ。

バイデンはアトランタでの演説で、連邦上院のフィリバスター(議事妨害)に対する阻止行動を支持した。また、南北戦争や1950年代から1960年代にかけての人種差別との戦いなど、過去の世代の画期的な闘争と法案をめぐる闘争を比較した。

しかし、民主党の主要な連邦上院議員たちは、阻止行動の可能性は低いと考えられる。ジョー・マンチン連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)とカーステン・シネマ連邦上院議員(アリゾナ州選出、民主党)は、フィリバスター改革への反対から離脱することを示す公のサインは出していない。

投票権法案の進行は混迷を深めている。

「バイデンは交渉まとめ役として立候補したが、これまでのところ、彼がやったことは、自分の計画のために、持っていた影響力を低下させることだけだ」とメヒアは述べている。

中道派の民主党議員たちは、このような批判は不当であり、バイデンが議会のわずかなリードを保っている多数派に関して、数学の法則に逆らうことができるという考えを前提にしていると主張する。

しかし、公平であろうとなかろうと、「バイデンは物足りない」という疑念が忍び寄ることは、政治的に致命的な結果を招きかねない。

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 古村治彦です。

 ジョー・バイデン大統領の支持率の低迷が止まらない。以下に11月に入ってからのバイデン大統領の支持率に関する記事を3本ご紹介する。その原因は経済対策の不満だ。アメリカでは物価高が起こり、人々の生活は苦しくなっている。特にガソリン価格上昇に対して人々の不満が高まっている。11月末の感謝祭と12月のクリスマスはアメリカ国民にとって楽しみな「ホリデーシーズン」だ。家族と過ごすために車や飛行機で大移動ということになるが、燃料費が高くなればそれだけ支出を強いられることになり、不満が高まる。

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ギャロップ社によるバイデン大統領支持率の推移

 下の記事にあるが、新型コロナウイルス感染拡大対策についても、就任当初は支持が高かったものが、今では不支持が支持を上回っている。また、アフガニスタンからの完全撤退に対する人々の不満ということもある。これに関しては、「アメリカ国民の皆さん、気づいて欲しい。アメリカはもはや世界の帝国ではないのですよ。そもそもなぜあなたたちが重税に苦しんでいるのかを考えて下さい」と言いたい。

 来年2022年にはアメリカでは中間選挙(mid-term election)がある。これは大統領選挙と大統領選挙の間に行われる、連邦上下両院議員選挙と一部の知事選挙だ。「mid-term」という言葉は、学校で言えば「中間試験」という意味もあり、大統領と大統領を出している政党(与党)にとっての「中間試験」ということになる。今のところ、この中間試験で、バイデン大統領と民主党の成績は良くないということが予想されている。

 そのために、バイデン政権と連邦議会民主党は、大幅な支出法案の可決を目指している。既に1兆2000億ドル(約140兆円)規模のインフラ整備法案は可決した。あとはバイデン大統領が署名をして法律にするという作業が残っている。しかし、市中にお金を流す計画によって物価高がどのように推移するかを見なければならない。インフレ率をどこかで止めねばならないが、そのかじ取りが難しい。

 来年2022年の中間選挙での民主党側の敗北の予想が高まっている。現在連邦上院は50対50(副大統領が議長役となるので民主党が優位)、連邦下院は民主党221対共和党213(欠員1)という状況だ。民主党が上下両院で過半数という現状であるが、それが逆転して、上下両院で共和党が過半数を握るという可能性も高まっている。もしそうなれば、バイデン政権の政策遂行にも影響が出る。そして、2024年の大統領選挙でバイデンの再選という可能性も小さくなっていく。中間選挙まで1年を切っているがこれからが非常に重要ということになっていく。

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キュニピアック大学の最新の世論調査によると、バイデンの支持率は36%に下落(Biden's approval dips to 36 percent in new Quinnipiac poll

マックス・グリーンウッド筆

2021年11月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/582109-bidens-approval-dips-to-36-percent-in-new-quinnipiac-poll

最新のキュニピアック大学の世論調査によると、バイデン大統領の支持率は36%にまで下落した。2022年の中間選挙に向けて民主党側にとってはトラブルを示している。

世論調査によると、バイデン大統領の支持率の数字は先月の37%から下落している。不支持率は10月の52%から53%に微増した。

バイデンは経済政策と外交政策の対応に関して最悪の評価を受けている。経済政策への支持は34%、外交政策に関しては33%の支持率しかない。回答者の59%が経済政策への対応に不支持を示し、55%が外交政策への対応に不支持を示している。

怪盗者の37%がバイデン大統領は優れた指導者としての技量を持っていると答えたが、57%はそうではないと答えた。ぎりぎり過半数の51%の回答者は大統領が正直ではないと考えており、42%が彼は正直だと考えている。

バイデンが平均的なアメリカ国民を大切に扱っているかということになると、回答者は47%対47%に分裂している。

バイデンの新型コロナウイルス感染拡大に対する対応については、アメリカ国民の45%は彼の仕事ぶりを評価し、50%が評価していない。同様に、41%が気候変動についての仕事ぶりを評価する一方で、48%が評価していない。

キュニピアック大学の全国規模の世論調査の数字は民主党側にとっては憂鬱になるものとなった。民主党は2022年の中間選挙で、現在連邦上下両院で保っている僅差の優位を守るために準備を進めている。

民主党は中間選挙に向けてこれまでにない歴史的な逆風(headwinds)に直面することになるだろうと見られている。しかし、バイデン大統領の下落している支持率は、アメリカ国民が来年の選挙でワシントンでの民主党のコントロールに対して選挙で打撃を与える可能性が高いということを示す更なる証拠となっている。

確かに、2022年の中間選挙に向けてまだ約1年の期間がある。その間にバイデンと民主党は共和党の差を縮める努力ができる。民主党側は最近可決させた1兆ドル規模のインフラ整備法案と、審議が止まっている1兆7500億ドル規模の社会政策と気候変動に関する法案が、民主党側に息をつけるために必要であり、これらによって勢いがつくだろうという希望を持っている。

キュニピアック大学の世論調査では、これらの法案はアメリカ国民の中で人気があるようだ。回答者の57%はインフラ整備法案を支持し、37%は支持しないと答えた。58%がより大規模な支出法案を支持し、38%が支持しないと答えた。

キュニピアック大学の世論調査は11月11日から15日にかけて、1378名の成人、その中には1262名の登録済の有権者が含まれていたが、それらを対象に実施された。1378名の成人に関しては誤差2.6ポイント、1262名の登録済身の有権者に関しては誤差2.8ポイントだ。

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ワシントン・ポストとABCニューズ共同世論調査でバイデンの支持率が低迷(Biden job approval at record low in Washington Post-ABC News poll

マイケル・スクネル筆

2021年11月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/581450-biden-job-approval-at-record-low-in-washington-post-abc-news-poll

最新の世論調査の結果、バイデン大統領の支持率が41%という低率で不振に陥っている。これは、民主党支持者と無党派層の間での不支持が拡大していることが主な理由となっている。

今回の世論調査は、『ワシントン・ポスト』紙とABCニューズによって実施された。アメリカ国民の53%がバイデンの大統領としての仕事ぶりを評価しないと答えた。6%は意見なしと答えた。

バイデン大統領の支持率の数字41%は9月の調査での44%から微減となった。しかし、6月の調査での50%からは大幅な下落となった。今年4月、大統領に就任してからわずか3カ月後の段階では、アメリカ国民のバイデン大統領に対しての支持率は52%だった。

11月の調査では、民主党支持者と無党派層の間でのバイデンの支持率が下がっていることが明らかになった。民主党支持者の80%がバイデン大統領の仕事ぶりを評価していると答えた。この数字は6月の94%から大幅な下落となった。今回の調査では、民主党支持者の16%がバイデン大統領の仕事ぶりを評価しないと超えた。

無党派について言えば、35%がバイデン大統領の仕事ぶりを評価し、58%が評価しないと答えた。

バイデン大統領の下落している支持率は、アメリカ全体で国民が経済的苦境に陥っていること、その中には物価上昇とインフレ率の上昇が含まれているが、それらの結果という可能性が高い。

今回の世論調査では、回答者の39%がバイデン大統領の経済運営を支持すると答え、47%がバイデン大統領の新型コロナウイルス感染拡大対策を支持すると答えた。

しかし、今回の世論調査は、バイデン大統領にとって明るいニューズをいくつか示している。今回の世論調査に応えたアメリカ国民の過半数はバイデン政権の1兆2000億ドル規模の超党派によるインフラ整備パッケージを支持すると答えた。バイデン大統領は月曜日に法案に署名することになる。加えて、1兆7500億ドル規模の再生パッケージについては、民主党側で議論が続いている。

回答者の63%が連邦政府の「道路、橋梁、その他のインフラへの1兆ドルの支出」を支持すると答え、58%が連邦政府の「気候変動に対応し、幼児教育、医療、その他の社会プログラムを創設もしくは拡大するための2兆ドル規模の支出」を支持すると答えた。

今回の世論調査は11月7日から10日にかけて、1001名の成人を対象に電話を通じて実施された。誤差は3.5ポイントだ。

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世論調査:バイデンの支持率が新たに38%の低率を記録(Biden approval rating drops to new low of 38 percent: poll

マイケル・スクネル筆

2021年11月7日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/580460-biden-approval-rating-drops-to-new-low-of-38-percent-poll

日曜日に発表された最新の世論調査の結果によると、バイデン大統領の支持率は下落し続けている。これまでの数週間、連邦議会ではバイデン政権の最重要法案に関しての激しい動きがあり、火曜日にはヴァージニア州での民主党の敗北があるなど、ドラマがあった。

今回の世論調査は『USAトゥデイ』紙とサフォーク大学が共同して先週水曜日から金曜日にかけて実施された。今回の世論調査は民主党がインフラ整備法案を連邦下院で可決させ、社会支出パッケージを前進させる前に実施された。

今回の調査では支持率は38%にまで下落した。これまでの複数の世論調査の結果では支持率は40%台前半を保っていた。

連邦下院は金曜日夜に、最終的に超党派による1兆2000億ドル規模のインフラ整備パッケージを可決した。そして、法案に最終的な承認を得るために、バイデンのデスクに送った。一方、同日に10月の雇用統計が発表され、アメリカ国内では53万1000件の雇用が増加した。これは予想を超える数字となった。

バイデン大統領の支持率は、デルタ変異株が新型コロナウイルス感染拡大防止策の進展を妨げたことや、アフガニスタンからの撤退が超党派の反発を招いたことから、ここ数週間下落傾向にある。

ハーヴァード大学CPAS・ハリス共同世論調査は10月末に実施され、バイデン大統領の支持率が43%に下がっていることが明らかになった。9月の調査から5ポイントの下落となった。

USAトゥディ・サフォーク大学共同世論調査では、回答者の46%が「バイデン大統領は期待よりも仕事ぶりが良くない」と答えた。昨年の選挙でバイデンに投票した人の16%がその中に含まれていた。無党派の44%はバイデン大統領の仕事ぶりは期待外れだったと答えている。

不支持の拡大は、2024年の大統領選挙でのバイデン大統領の再選可能性に大きな影響を与えるようになっている。今回のUSAトゥディ・サフォーク大学共同世論調査では、回答者の64%がバイデン大統領の再選を支持しないと答えた。その中には民主党支持者の28%が含まれていた。

対照的に、回答者の58%はトランプ前大統領が共和党の候補者のトップに来ることを見たくないと答えた。その中には共和党支持者の24%も含まれていた。

今回の世論調査の結果は、ヴァージニア州で民主党が惨敗を喫した後に発表された。ヴァージニア州で共和党は州知事、副知事、州司法長官の全ての座を獲得した。共和党候補者のグレン・ヤンキンが民主党候補者のテリー・マコーリフ元州知事を約6万8000票差つけて破った。今回の知事選挙は来年の中間選挙の前哨戦と見られていた。

しかし、ホワイトハウスは金曜日、連邦上院が可決した超党派のインフラ整備法案を連邦下院が可決したことで、重要な勝利を得た。

民主党は現在、1兆7500億ドル規模の社会支出法案の可決に注意を向けている。この法案は「より良い復興法案(Build Back Better Act)」と名付けられている。この法案はバイデン政権の最重要法案の2つ目ということになる。この支出法案には、医療プログラムと教育プログラムへの支出拡大と気候変動対策への5億ドルの支出が含まれている。

連邦下院は金曜日、このパッケージについて前進させるためのルールを決定した。しかし、連邦議会予算局が法案の数字的な効果を発表するまでは最終投票を行うことはできない。民主党穏健派は、支持する前提条件としてホワイトハウスによる概算の発表を求めている。

先週、バイデン大統領は不振を示す世論調査の数字について答えた。記者会見の席上、記者たちに向けて次のように述べた。彼は世論調査の数字は上下しやすいものだという見解を示し、「私は支持率の数字のために選挙に立候補したのではない。世論調査の数字を上げたいと思って選挙戦を戦ったことはない」。

USAトゥディ・サフォーク大学共同世論調査は固定電話と携帯電話を使って1000名の登録済有権者を対象に実施された。誤差は3.1ポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)
bigtech5shawokaitaiseyo501

ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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