古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:進歩主義派

 古村治彦です。

 8月17日から20日にかけてヴァーチャルで民主党全国大会が実施された。党の綱領が決定し、ジョー・バイデン前副大統領を大統領選挙本選挙候補者に、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)うぃ副大統領候補者にそれぞれ指名した。共和党全国大会も実施され、ドナルド・トランプ大統領、マイク・ペンス副大統領がそれぞれ党の候補者に指名され、選挙戦が最終盤を迎える。

 民主党全国大会では、様々な人物が演説を行った。バラク・オバマ前大統領、ミシェル・オバマ夫人(前ファーストレディ)、ビル・クリントン元大統領などが演説を行った。そうした中で、民主党進歩主義者を代表するバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州、無所属)も演説を行った。その中で、サンダースはバイデン支持を明確に表明し、自分の支持者たちにバイデンを支持するように訴えた。

 全国大会の慣例として、予備選挙で一定数の代議員を獲得した候補者に対しては推薦の言葉を支持する人物が述べることができ、サンダースはその対象者となり、サンダースを推薦する言葉はアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)が90秒間述べることを許された。

 今回の全国大会については、ラティーノ系(ヒスパニック系)の起用が少なかったという批判が出ていることは既に紹介したが、進歩主義派に対しても冷遇であったと私は感じた。AOCは民主党所属の政治家の中でも特に人気と知名度が高く、行動力もある。全国大会を多くの人々に見てもらいたいと思うならば、AOCにもっと長く自由な発言の機会を与える、そのことを広報する(何時ごろ出ますよと知らせる)、と私は考える。しかし、そんなことはなかった。

 ある意味では今回の全国大会はしゃんしゃん大会ということになる。しかし、進歩主義派はそれに満足している訳ではない。党の綱領について、「国民皆保険の道筋が不明確」としてAOCの同僚である進歩主義派の連邦下院議員たちが反対票を投じると述べていたように、不満は残っている。

 民主党内部の亀裂の修復への道のりは長くそして険しい。

(貼り付けはじめ)

サンダースが支持者にバイデン支持を促す:「失敗の代償は想像を絶するものとなる」(Sanders urges supporters to back Biden: 'Price of failure is just too great to imagine"

ジョーデイン・カーニー筆

2020年8月17日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/senate/512451-sanders-urges-supporters-to-back-biden-price-of-failure-is-just-too-great-to

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は月曜日夜、予備選挙で自身を支持した支持者たちに対して、ジョー・バイデン前副大統領を支持するように促した。そして、そうしなければ進歩主義的な価値観が11月には危機に瀕することになると警告を発した。

サンダースはヴァーチャルな民主党全国大会に参加し、演説を行った。その中で、トランプ大統領は「私たちを権威主義(authoritarianism)の奈落に続く道の上に導いている」とし、民主党が11月の選挙で敗れれば、「その失敗の代償は想像を絶するものとなる」と述べた。

ヴァーモント州選出の連邦上院議員であるサンダースは、「次の大統領として、私たちはジョー・バイデンを必要としている。ドナルド・トランプが再選されれば、私たちが成し遂げてきた前進の全ては危機に瀕することになるだろう」と述べた。

サンダースは次のように語りかけた。「私の友人の皆さん、私は皆さんに申し上げます。そして、今回の予備選挙でバイデン前副大統領以外の候補者たちを支持した皆さんにも申し上げます。そして、前回の選挙でドナルド・トランプに投票した皆さんにも申し上げます。我が国の民主政治体制の将来がかかっているのです。我が国の経済がどうなるか危機に瀕しているのです。私たちの住む惑星の将来がどうなるか、この選挙にかかっているのです。私たちは一つになり、ドナルド・トランプを倒し、ジョー・バイデンとカマラ・ハリスを私たちの次の大統領と副大統領に選ばねばなりません」。

月曜日夜のサンダースの演説は、今年4月に民主党予備選挙から撤退してすぐにバイデン支持を表明して以降、人々に最も見られる機会になった。

演説中、サンダースは、2016年と2020年の大統領選挙予備選挙で支持者たちがもたらしてくれた数々の勝利について特に言及し、支持者たちは「アメリカを大胆な新しい方向に進めるために団結」し、「その動きは今も継続し、毎日強さを増している」と述べた。

サンダースは特にバイデンが最低時給を15ドルにまで引き上げること、労働組合への支持、気候変動と戦いことを表明したことを強調した。これはここ数年民主党内の進歩主義派が主張してきたことの勝利を示していると述べた。

健康保険に関して合意書に署名ができなかったことについて、サンダースは、彼とバイデンは「国民皆保険実現のための最高の道筋」について合意はできなかったが、バイデンは、「健康保険の範囲を大きく拡大するための計画を用意している」と述べた。

サンダースは次のように述べた。「私たちはより平等な国家を建設しなければなりません。より思いやりにあふれ、より人々を見捨てない、そんな国です。ジョー・バイデンは大統領就任初日からそのための戦いを始めると確信しています」。

しかし、サンダースは約8分間の演説を行った。全国大会の中では最長の演説の部類に入る。サンダースは11月の選挙とトランプとバイデンとの間の選択を、アメリカの将来のための戦いと形容した。

サンダースは次のように述べた。「今回の選挙は我が国の近代史において最重要なこととなるでしょう。私たちはこれまでにないほどの一連の危機に直面していますが、私たちはこれまでにない対応をする必要があります。これまでにない人々の動きは民主政治体制と慎み深さを守るための準備を既にしています。この戦いは、強欲、オリガ―キー(少数独裁政治)、権威主義体制に対する戦いなのです」。

サンダースは更に、「このトランプ政権の下で、権威主義が私たちの国に根を下ろしつつあります」と述べ、バイデンは、「白人優越主義者たちを甘やかすこと、人種差別的な言葉遣い、宗教的な頑迷、女性に対する醜悪な攻撃」を終わらせると主張した。

進歩主義派を代表し激しい言葉遣いで知られるサンダースは、同僚である民主党の政治家たちを攻撃してきた。しかし、その舌鋒をトランプ大統領の数カ月にわたる新型コロナウイルス感染拡大対策に向けた。トランプ大統領は民主、共和両党の人々から新型コロナウイルス対応の遅さを批判されている。これまでに17万人以上のアメリカ国民が死亡し、500万以上の陽性が確認されている。

サンダースは、「ローマが炎に包まれている間、皇帝ネロは遊び惚けいていた。トランプはゴルフをしている」と述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 アメリカでも新型コロナウイルス感染拡大が進行しており、ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は非常事態宣言を発表し、ブロードウェイの演劇は中止となった。また、プロバスケットボールNBAもユタ・ジャズ(元々はニューオーリンズにあったためジャズという名前になったがその後にユタ州ソルトレイク市に移転)の選手たちにウイルス感染が確認されたため、リーグ戦中断を発表した。再開時期は未定としている。プロ野球メジャーリーグ・ベースボールもオープン戦(プレシーズンゲーム)を終了し、公式戦開幕を延期とした。

 こうした中で、アメリカ大統領選挙民主党予備選挙にも影響が出ている。ジョー・バイデン陣営、バーニー・サンダース陣営ともに選挙集会を中止した。選挙集会には多くの人々が参加し、時にはロックコンサートのような熱狂状態になる。また候補者や登壇した候補者を支持する政治家や有名人たちが支持者と握手をしたり、ハグをしたり、一緒にスマートフォンで写真を撮ったりといった行為が行われる。

バイデン、サンダースは共に高齢者ということもあり(コロナウイルスで重症化しやすいのは高齢者と基礎疾患を持つ人々と言われている)、まず何より2人を守らねばならない。しかし、数多くの人々が関わっている選対やスタッフを完全に守り切ることは難しい。

 2020年3月15日にアリゾナ州フェニックス市で開催予定だった予備選挙最後の討論会は初めてのバイデン対サンダースの一騎打ちとなるものであるが、場所をワシントンDCに移し、聴衆も入れないで開催されることが決まった。聴衆を巻き込んで自分に有利な雰囲気作りが得意なサンダースにとっては不利な状況だ。

 こうした中で、「サンダースがまたバイデンを徹底的にこき下ろし攻撃するのは確実で、これはトランプ大統領の代わりにバイデンを攻撃しているのと同じだからもう討論会を止めたらどうだ」「予備選挙も大勢は決したのだから選挙中止も検討したらどうか」という声が民主党の一部から出ている。共和党の場合は、トランプ大統領の一人勝ちだが、対抗馬が出て細々とではあるが予備選挙を実施している。しかし、いくつかの州では元々予備選挙を実施しないと決めている。

 難しいのは今年7月下旬、8月下旬に予定されている民主党全国大会と共和党全国大会だ。それぞれ4日間開催され、大きなアリーナに数千人が一堂に会する。その間には有名人のミニコンサートもあり、お祭り気分で盛り上がる。最終日には代議員たちの投票で11月の本選挙の党の指名候補(正副両大統領候補)が決定する。老若男女数多くの人々が密閉した空間に集まる、という大変リスクの高い状態となる。この頃までに落ち着いていれば良いが、どうなるか分からない。「東京オリンピックを1年延期したらどうだと言ったトランプ大統領のことだから大統領選挙も1年延期したらと言い出すだろう」というジョークがインターネット上で語られている。

 こうした中で、サンダースは3月3日のスーパーチューズデーに続き、3月10日の6州での予備選挙でも退勢を挽回することはできなかった。サンダースは代議員配分数が最小のノースダコタ州で勝利したが、他州では惨敗もしくは僅差での敗北となった。獲得代議員数は更に差がついた。3月17日にはアリゾナ州、フロリダ州、イリノイ州、オハイオ州で10日よりも多い代議員数を争うことになるが、現在のところ、この4つの州ではいずれもバイデンが大量リードという世論調査の結果が出ている。全国規模の世論調査でもバイデンが大量リードという展開になっている。

 私が書いたように、サンダースは太平洋戦争で日本軍がサイパンを失陥した時と同じような状況で、既に勝負あったということになる。ここからは局地的に抵抗をして敗北を遅らせるということしかない状況だ。バイデンが15日の討論会で失言をする、サンダースが効果的な発言をする、バイデンに健康問題が出る、バイデンに金銭や女性関係でのスキャンダルが出るということがなければ、大逆転は難しいだろう。

 そうした中で、サンダースも含め、11月の本選挙に向けた民主党内融和の雰囲気作りがなされ始めている。サンダースは水曜日に演説を行い、選挙戦を継続する意思を表明したが、バイデンに対する攻撃は控え、政策で議論し合おうという姿勢を見せた。また、サンダース自身は「政策は良いと思うのだけど、選挙で勝つにはバイデンだ」という有権者の声があることを認め、党内融和と自身の支持者への11月の本選挙ではバイデンへ投票するように働きかけるというようなことを行っている。

 新型コロナウイルス感染拡大で選挙集会なども開けない中、ただ予備選挙を継続していくということが良いのかどうかは分からないが、サンダースがきれいさっぱりと諦めをつけて、支持者と共にバイデンに投票できるようにするためには予備選挙を続けることが良いように私には思われる。中途半端なところで圧力をかけて強引に止めさせると反発が大きい。それよりは自然の流れに任せることの方が反発は少ないように思われる。

 バイデンも進歩主義派の政策の一部を取り入れて融和を図ることになるだろう。11月の本選挙に向けての雰囲気作りが始まっている。

(貼り付けはじめ)

バイデンに対する気落ちする敗北を喫した後にサンダースは重要な時期に直面している(Sanders faces pivotal moment after dispiriting defeats to Biden

ジョナサン・イーズリー筆

2020年3月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487107-sanders-faces-pivotal-moment-after-dispiriting-defeats-to-biden

民主党の指名候補となるための戦いでジョー・バイデン前副大統領に失望感が漂う敗戦を喫したことでバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は岐路に立たされている。

予備選挙はまだ終了していない。バイデンはまだ党の指名を獲得するために必要な1991名の宣誓済み代議員数の半分にも達していない。しかし、スーパーチューズデーの14州の内10州、今週のミシガン州、ミズーリ州、ミシシッピ州で敗れたサンダースにとっては代議員獲得数の計算は厳しいものである。

CNNの分析によると、サンダースがバイデンに追いつくには残りの全州で平均10ポイントの差をつけて勝利しなければならない。しかし、これからの予定はサンダースにとってはより厳しい現実を突きつける。サンダースはこれから3月17日のフロリダ州、3月24日のジョージア州で大きな差をつけられて敗れるという予想となっている。

民主党の指導者たちの一部からは予備選挙を終える時期ではないかという声が出ている。これは、サンダースがあまりにも長い期間予備選挙を続けることで、11月のトランプ大統領との本選挙の戦いを前にして、バイデンを攻撃し、バイデンの評価を傷つけることになる。

水曜日、サンダースは選挙戦を続け、日曜日にアリゾナ州で開催される討論会でバイデンと討論をしたいと発言した。予備選挙における最後の討論会は初めてサンダースとバイデンの一騎打ちの形となる。

しかし、サンダースは彼の唯一の懸念はトランプを倒すことであることを明らかにし、トランプを倒すため、民主党の候補者を傷つけるようなことはしないということを強く発信した。

サンダースは「トランプ大統領は必ず倒さねばなりません。そのために私は出来ることは何でもします」と発言した。

サンダースの演説は政治について率直に語った内容で素晴らしいものであった。

サンダースは、進歩主義的左派は現在大きな政策の戦いで勝利を収めたと宣言した。しかし、民主党支持の有権者たちは、トランプとの一騎打ち対決で当選できる可能性が最も高い候補者はバイデンだと決めたのだとも述べた。

サンダースは「私はそのような考えに全く同意しませんが、これが数百万の民主党支持と無党派の有権者たちの主張です」と述べた。

バイデンの記録を攻撃するよりも、サンダースは討論会でバイデンに答えて欲しいと考える政策に関する疑問をいくつも提示した。バイデンが考える医療保険、移民政策、収入格差問題、刑法システムについての改革を述べて欲しいと訴えた。

特筆すべき点は、サンダースが、バイデンがイラクでの軍事行動に承認を与える投票をしたこと、批判者たちはこれでクレディットカード業界に大きな力を与えることになった破産法に賛成票を投じたこと、ソーシャルセキュリティーの凍結についてのバイデンの過去の発言などについて、これまで行ってきた攻撃を繰り返さなかったことだ。

サンダースはその代わりにバイデンに対して、左派が持つバイデンが大統領候補になるにあたっての懸念と、若くて熱心なサンダース支持者たちの支持をバイデンが一部得始めているということを述べた。

サンダースの演説は民主党内部にある恐怖心を少し和らげるものとなった。民主党内部には、サンダースがバイデンに対して自分もろとも致命傷を与えるための攻撃を準備しているのではないかという懸念があった。本選挙を前にしてバイデンをぼろぼろにしてしまう、もしくはサンダースの支持基盤である若者たちに本選挙当日には家にいて投票所に向かわないようにと促すのではないかと見られていた。

バイデンがこれからも獲得代議員数でサンダースを引き離し続けると見られる中で、いつまで選挙戦を続けるのかということについて具体的な日程も示唆もサンダースは与えなかった。しかし、サンダースの演説については、長年にわたりサンダースを批判してきた民主党内の一部の人々からは好感をもって受け取られた。こうした人々は、サンダースの演説について、これは現在の政治状況に関する冷静な分析であり、11月の本選挙を前にして民主党をまとめるための第一歩となる可能性があると考えた。

ニューヨークを拠点とする民主党系のストラティジストであるジョン・レイニッシュは次のように述べた。「サンダースはジョーに対して、問題点を一つ一つ、疑問を一つ一つ、挙げていきました。私からの支持を得るそして、私の支持者からの支持を得る手始めとして、これらに答える必要がある、という意思表示です。サンダースは発言内容をよく整理しており、本当に素晴らしいと思います。サンダースはドナルド・トランプを倒すために私たちはいかにして団結するかということに今は集中しています。こうした発言は度量の大きさだけでなく、大変な賢さも感じさせてくれます」。

サンダースの演説はサンダース支持者たちにも肯定的に受け止められた。支持者たちは、支持する候補であるサンダースがトップに立っていないからということで進歩主義派がこれまで勝ち取ってきた業績を無駄にすることがないように、サンダースには予備選挙を戦い続けて影響力を保持し、発揮して欲しいと強く願っている。

進歩主義派のストラティジストでサンダース支持者のジョナサン・タシニは次のように述べた。「バーニーは予備選挙にとどまるべきです。そして、“ジョーは私の友人だが意見は一致しない”という調子を継続すべきです。そして、過去5年に民主党内の議論を深めさせた様々な考えを主張し続けるべきです。予備選挙の期間が全て終了するこの道の終わりで、数百万のサンダース支持者たちが真のグリーン・ニューディール政策の実現、大企業の権力との対峙、政府が提供する国民皆保険が実現する可能性があると考えることができれば、2016年の時もそうしたように、大多数の人々が本選挙で投票するでしょう」。

火曜日の夜に結果が次々と出て、バイデンが獲得代議員数で差を広げている中で、サンダースには選挙戦から撤退するように求める圧力がかかり始めた。

ジェイムズ・クライバーン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、民主党)がサウスカロライナ州の予備選挙直前にバイデンを支持したことが予備選挙におけるターニングポイントとなった。クライバーン議員は次の討論会は中止すべきだと述べた。

民主党系の2つのスーパーPACは、バイデンが実質的な党の指名候補に決したとし、今年の秋のバイデン当選に向けての努力を更に高めていくと宣言した。

サンダースをこれまで批判し続けてきた民主党系のストラティジストであるジェイムズ・カーヴィルはサンダースの選挙戦からの撤退を求めた。

カーヴィルは「予備選挙の大勢は既に決しています。予備選挙を一日でも長く続けることを正当化する理由はありません」と述べた。

しかし、サンダースの側近たちはこの種の発言はまさに全くもって良くないメッセージだと述べている。

サンダースの側近たちは、サンダース支持者たちがトランプ大統領を打倒するために11月の本選挙では民主党候補に入れると確信しているが、民主党候補者は、サンダース支持者たちが従属するように虐げられていると感じたままにさせるよりも、勝利のために必要な存在だと感じさせて支持させるようにする方がより良い方法だとも考えている。

2015年からサンダースを支持してきた進歩主義派の思想家ビル・プレスは次のように述べた。「民主党はトランプを追い落とすためにまとまらねばなりません。これが目標です。この目標を達成するためには、民主党にバーニー・サンダースと彼の支持者が必要です。民主党にはこうした若い人たちが必要です。もし若い人たちが過半数を占めていないとしてもです。若い人々を怒らせるもっとも簡単な方法はバーニーに圧力をかけて予備選挙から撤退させることです。これをもし民主党の人々がやったら最大級の間違いを犯したことになります」。

プレスは続けて次のように語った。「民主党予備選挙の戦いは醜いものになる必要もないし、個人攻撃なんてなってはいけません。マイナスなものになる必要なんてどこにもないと思っています。地位が高い人や役職にあるではなく、普通の人々に決めてもらう、これが予備選挙のあるべき姿です」。11月の段階で民主党をまとめることそしてバーニー支持者たちを本選挙で民主党候補に投票させるための最良の方法は、バーニー支持者たちが本当に必要な存在であることを分かってもらうことであって、排除することではありません」。

火曜日夜の勝利演説の中で、バイデンはサンダースの支持者に対して初めての呼びかけを行った。

バイデンはフィラデルフィアで次のように述べた。「私はバーニー・サンダースと彼の支持者の皆さんに疲れを知らないエネルギーと熱意に謝意を表します。私たちは共通の目的を持っています。一緒にドナルド・トランプを倒しましょう」。

(貼り付け終わり)

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 古村治彦です。
※このブログのオリジナルのタイトルは「、エリザベス・ウォーレン(とトゥルシー・ギャバ―ド)とマイケル・ブルームバーグはどうするんだ:はっきり言っていなくなってよ、ということに」でした。しかし、速報でマイケル・ブルームバーグが選挙戦から撤退し、バイデン支持表明が入ってきたのでタイトルを変更します。

 スーパーチューズデーの勝敗の結果はだいたい出揃ったが、正確な代議員の配分数は現在のところ決まっていない。ジョー・バイデンが大勝し、バーニー・サンダースは事前の各種世論調査の数字よりも悪く、事前にトップを取れると思われていた州でバイデンに敗北した。マイケル・ブルームバーグも期待外れの結果に終わった。バイデンが勢いを取り戻したためにそれにはじかれてしまった形だ。エリザベス・ウォーレンは地元マサチューセッツ州でバイデン、サンダースに敗れ3位に終わった。

 こうした中で、進歩主義派の中から「まとまろう(=ウォーレンとギャバ―ドを撤退させよう)」という動きが出そうである。アレクサンドリア・オカシオ=コルテスと同じく新人連邦下院議員であるイルハン・オマルがツイッター上で「進歩主義派でまとまろう、まとまっていたら勝てた」という糾弾を行った。その矛先は明言していないが、進歩主義派の候補者であるウォーレンとトゥルシー・ギャバ―ドである。ギャバ―ドはスーパーチューズデーでアメリカ領サモアにおいて2位に入り、代議員1名を獲得した。全く蚊帳の外の候補者であるが、2016年にはサンダースを応援した人物だ。彼女が取る1%くらいの得票でも今となっては重要だ。ウォーレンはもっと票を獲得するのだから、サンダース支持者からすれば更に邪魔である。

 ウォーレンもギャバ―ドも意志の強さは一級品である。サンダースの狂信的な支持者であるバーニー・ブラザーズから執拗な攻撃を受けてもひるむことはないだろう。ギャバ―ドは予備役ではあるがハワイ州軍の士官でイラクとアフガニスタンで軍務に就いた経験を持つ。しかし、ギャバ―ドはサンダースが説得すれば一本化に乗るかもしれない。問題はウォーレンだ。ウォーレン自身は民主党エスタブリッシュメント派、主流派との関係は悪くない。ここで選挙戦は撤退するが、誰にも支持表明しないということになれば、ウォーレンの支持者の一部はサンダースにはいかないこともある。ウォーレン支持者からすればサンダースこそが邪魔な存在なのだ。

 進歩主義派としては一本化して、来週のミシガン州でなんとしてもサンダースを勝利に、できれば大勝利に導きたい。これができれば、サンダースが巻き替えることも可能だ。前回の大統領選挙で民主党が敗北し、トランプを当選させることになったミシガンで勝つ、ということは大きなアピールになる。

 一方、中道派からすると、マイケル・ブルームバーグの動向は重要だ。ブルームバーグは豊富な資金力でテレビ広告を放映し、多くのスタッフを雇って選挙運動を展開し、一気に有力候補にまで台頭した。しかし、ネヴァダ州とサウスカロライナ州での討論会で弱い姿を晒した上に、バイデンが勢いを取り戻したために、スーパーチューズデーで予想を下回る結果しか得られなかった。


 日本時間2020年3月5日0時10分頃に、マイケル・ブルームバーグの選挙戦のsuspend(サスペンド、一時停止する)が報道された。ここで使われるsuspension(サスペンション、一時休止)とwithdraw(ウィズドロー、撤退する)の名詞withdrawal(ウイズドロウアル、撤退)は厳密には意味が違うのだが、選挙戦からの撤退ということになる。また、ブルームバーグがバイデン支持を表明という報道も入ってきた。これで中道派は一本化された。進歩主義派はこの1週間でまとまる、つまりウォーレンとギャバードを選挙戦から撤退させられるか、しかもあまり揉めることなく、ということが焦点になる。

(貼り付けはじめ)

バイデンが火曜日の夜に大勝を収めた時、オマルは「統一された進歩主義派の運動」の欠如を声高に糾弾する(Omar calls out lack of 'united progressive movement' as Biden wins big on Super Tuesday

レベッカ・クレアー筆

2020年3月4日

『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/campaign/485868-omar-calls-out-lack-of-united-progressive-movement-as-biden-wins-big-in

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の選挙運動を支えているイルハン・オマル連邦下院議員(ミネソタ州選出、民主党)は、「統一された進歩主義派の運動」があれば、彼女の地元ミネソタ州でサンダースに勝利をもたらすことができただろうがそれができなかったと示唆した。火曜日にジョー・バイデン前副大統領がミネソタ州で予想外の逆転勝利を収めた後にオマルの発言はなされた。

オマルは火曜日夜にツイッター上に次のように投稿した。「昨夜穏健派がまとまったように進歩主義派がまとまっていたらどうなったかを想像しよう。誰が勝利を収めていただろうか?これこそ私たちが分析すべきことである。統一された進歩主義派の運動があれば「一緒に構築する」ということができ、僅差で敗れたミネソタ州や他の州で勝利を収めることができたのだ」。

イルハン・オマルのツイート

スーパーチューズデーでバイデンはミネソタ州において予想外の勝利を収めた。最新の世論調査では4位に沈んでいたのに大逆転で勝利した。

エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)が月曜日の夜に選挙戦を停止してバイデン支持を表明した後、バイデンの驚きの勝利がもたらされた。インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジもまた選挙戦を終えた後にバイデン支持を表明した。昨年11月に選挙戦から撤退したビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)もそれに倣った。

2016年の大統領選挙民主党予備選挙でサンダースはミネソタ州で勝利したが、火曜日の選挙ではバイデンに続く2位となった。

サンダースはエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)と共に選挙戦に残っている進歩主義派の候補者である。ウォーレンは選挙戦を続け、火曜日には地元マサチューセッツ州で勝利を収めることができなかった。

 マサチューセッツ州で勝利したのはバイデンで、続く2位にはサンダースが入り、ウォーレンは3位となった。

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スーパーチューズデーでの不振を受けてブルームバーグは選挙運動を見直す(Bloomberg to reassess campaign following lackluster Super Tuesday showing

マックス・グリーンウッド、エイミー。パーネス筆

2020年3月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485856-bloomberg-to-reassess-campaign-following-lackluster-super-tuesday-showing

ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグは水曜日、スーパーチューズデーで実施された各州での予備選挙の結果が不振だったことを受けて、民主党予備選挙全体について見直すことを決めた。ブルームバーグ選対に近い複数の関係者の証言で明らかになった。

ブルームバーグは昨年11月に選挙戦を始めたばかりで、自身の財産から数億ドルを投じてテレビ広告を放映し、スーパーチューズデーで予備選挙の投開票が実施される14州に選挙運動のための組織を構築した。

火曜日に投開票が実施された各州での予備選挙はブルームバーグが初めて候補者登録された選挙となった。ブルームバーグはアイオワ州、ニューハンプシャー州、ネヴァダ州、サウスカロライナ州での予備選挙に立候補者登録をせず、スーパーチューズデー以降に集中するという戦略を採用した。

しかし、結果は彼自身の期待を大きく下回るものとなった。ヴァージニア州とノースカロライナ州を含む彼が特に資金を多く投入した各州で期待外れとなった。

ジョー・バイデン前副大統領がこれらの州に加えてアラバマ州、アーカンソー州、テネシー州、ミネソタ州で勝利を収めた。一方、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)はヴァーモント州、コロラド州、ユタ州で勝利を収めた。

こうした結果はブルームバーグに失望をもたらした。ブルームバーグの選挙戦は、先月から始まった予備選挙でバイデンの支持が下落することを前提にして行われてきたものだった。

ジョー・バイデンはアイオワ州、ニューハンプシャー州、ネヴァダ州で期待を大きく下回る惨敗を喫したが、週末のサウスカロライナ州で圧勝し、スーパーチューズデーに向かって大きな勢いを得ることになった。

ここ数日のうちに起きた穏健派のライヴァルたち、インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)の決心によってバイデンの勢いが増した。2人は選挙戦から撤退し、バイデン支持を表明した。

穏健派のバイデンを中心とした合同は、バイデンの民主党の候補者指名獲得への道のりを複雑なものにした。火曜日に発表した声明の中で、ブルームバーグ選対の責任者ケヴィン・シーキーは、ブルームバーグが選挙戦に出馬表明してからほんの数カ月で有力候補にまで台頭した実績を強調した。

しかし、シーキーは予備選挙におけるブルームバーグの次の一手はどのようなものになるかについては語らなかった。

シーキーは次のように述べた。「今夜、3分の1の代議員が配分されたに過ぎない。マイクが今夜述べたように、今夜私たちがどれだけの数の代議員を勝ちとる結果になっても、これまで誰も可能だなどと考えたこともなかったことを私たちは成し遂げたのだ。わずか3カ月の選挙運動で、最初支持率1%のところから民主党の候補指名を争う有力候補にまでなることができたのだ」。

シーキーは更に「私たちにとっての最重要の課題は変わらない。今年11月にドナルド・トランプを倒すことだ」とも語った。

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 古村治彦です。

 

 ジョー・バイデン前副大統領が出馬表明を行いました。早速、民主党所属の連邦議員たちや各州知事経験者などからendorsement(推薦、推奨)が寄せられています。また、フィギアスケートでオリンピックのメタリストであるミシェル・クワンが選対にスタッフとして参加することも発表されています。バイデンの出馬表明で選挙戦が一気に加速した感じがあります。様子見をしていた人々がスタッフとして参加したり、献金をしたりということを始めるようです。


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言葉遣いが難しいのですが、endorsement(推薦、推奨)とsupport/supportive(支持、支援)は違うようです。Endorsementの方が強い意味を含むようです。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)はバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)について、「endorsementはしないが、very supportiveである」という旨の発言をしています。


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 下の記事に出てくる、「ジャスティス・デモクラッツ(Justice Democrats)」2018年の中間選挙で民主党から7名の進歩主義派の下院議員を当選させたグループです。今やすっかり有名人のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)もその一員です。

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 このグループの代表はまだ若い女性たちで、訴えている政策は、進歩主義的なものです。国民皆保険(メディケア・フォ・オール)、グリーン・ニューディール(雇用保障を含む)、大学学費無料化、最低時給15ドル、移民対策の厳罰化への反対といったものです。ジャスティス・デモクラッツには連邦上院議員は加盟していませんが、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が総元締めと言っても良い存在です。


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 ジャスティス・デモクラッツはツイッターを通じて、バイデンを批判しました。「民主党エスタブリッシュメント」「保守派(old guard)」には用はない、という内容です。


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 バイデンは各種世論調査において支持率トップ、サンダースは2位につけています。この構図は2016年の時と同じです。この時は若い人々(ミレニアル世代)を中心に、サンダース支持が盛り上がり、ヒラリー・クリントンは追い込まれ、最終的に本選挙で落選することになりました。

 

 バイデンが党の指名候補になる可能性は高いのですが、サンダースの熱心な支持者たちをどのように説得して協力させるかということが大きな課題となりそうです。

 

(貼り付けはじめ)

 

進歩主義派グループはバイデンの大統領選挙出馬に反対を表明(Progressive group comes out against Biden's White House bid

 

タル・アクセルロッド筆

2019年4月25日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/440597-progressive-group-comes-out-in-opposition-to-biden-candidacy

 

進歩主義派の有力グループ「ジャスティス・デモクラッツ」は民主党内部を揺さぶっているが、ここ数か月存在感を増している。木曜日、ジョー・バイデン前副大統領が大統領選挙民主党予備選挙への出馬を正式に発表した後、ジャスティス・デモクラッツはバイデンを批判した。

 

ジャスティス・デモクラッツは、有名なアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)と大統領選挙の有力候補バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)を支えているグループだ。このグループは、バイデンが、進歩主義的な支持者たちが求める諸政策に反対する「保守派(old guard)」の遺物(relic)だ、と非難した。

 

ジャスティス・デモクラッツは声明の中で次のように述べた。「民主党の保守派はトランプを止めることに失敗した。民主党保守派はトランプ大統領が現在行っている“分断して統治する”政治に対峙する戦いの指導を委ねることなどできない。2016年に投票に行かなかった民主党支持基盤に属する有権者たちを行動させる大胆な考えを持つ新しい指導者を必要としている」。

 

「民主党は、メディケア・フォ・オール、グリーン・ニューディール、大学無償化、大企業の資金の拒絶、不法移民の大規模な収監と国外通報のような進歩主義的ポピュリスト政策にまとまりつつある。私たちには、イラク戦争開戦、大規模な収監、改正破産法に賛成し、同性愛婚姻、性と生殖に関する権利、学校における人種差別廃止に反対した人物など必要ではない」。

 

ジャスティス・デモクラッツは、今年1月の『ヴォックス』誌の記事を持ち出した。この記事は、バイデンと2016年大統領選挙民主党候補者ヒラリー・クリントンを比較し、バイデン前副大統領は2020年の米大統領選挙本選挙で勝利することが出来ないと分析している。

 

バイデンはこれまで数カ月間、大統領選挙に出馬すると噂されていた。そして、水曜日の朝、正式に出馬表明した。バイデンは自身の立候補について、トランプ大統領への反対がその最大の理由であるとし、「トランプ大統領はアメリカの特性にとっての脅威である」と述べた。

 

バイデンは出馬宣言を収録したヴィデオ映像の中で次のように述べた。「私は、後世の人々が歴史としてトランプ大統領として彼が全てを掌握していた4年間を振り返り、この時代は異常な時代であったと評価するだろうと私は確信しています。もし私たちがドナルド・トランプ氏にホワイトハウスを8年間預けるとなると、彼はこの国の特性、私たちは何者であるかということを、永久にかつ根本的に変えてしまうでしょう。私はこれに対して何もせず、動いていくのを見ているだけということはできません」。

 

バイデンは続けて次のように述べた。「アメリカをアメリカたらしめてきた全てが危機に瀕しています。これが今日、私がアメリカ合衆国大統領選挙に立候補表明をする理由です」。

 

バイデンは、民主党エスタブリッシュメント派からの支持(support)と現職の連邦議員たちからの推薦(endorsement)に頼ることになるが、中道派であるという評価と、連邦上院司法委員会委員長時代の1991年に行われたアニタ・ヒルに対する公聴会について、これから何カ月にもわたって、進歩主義派の諸グループからの批判に直面することになる。

 

しかしながら、バイデンは、ペンシルヴァニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州といったラストベルト地帯に対するアピールに賭けることになるだろう。民主党は2016年の大統領選挙でこれらの州で敗北を喫した。最近の各種世論調査では、民主党支持の有権者たちは、厳密なイデオロギー的主張よりも、選挙での勝利可能性を重視すると答えている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 少し遅くなりましたが、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスを中心とする民主党内の動きについての記事をご紹介します。

 

 簡単に言うと、(1)アレクサンドリアの出現と行動に対して不快感や怒りを持っている人たちがいる、(2)アレクサンドリアと彼女と関係が深い左派グループ「ジャスティス・デモクラッツ」が進歩主義派を連邦議員選挙の民主党予備選挙に立候補させようとしており、ターゲットなる現職たちが苛立っている、ということです。

 

 そこで、民主党内に、アレクサンドリアを次の選挙で落選させるために、対抗馬を出そうという動きが出て来ているということがアメリカで報じられました。連邦下院議員は2年おきに全議席が選挙の対象となります。連邦下院議員は選挙の準備に多くの時間と労力を割かれることになります。また、新人からすれば挑戦しやすく、現職の有力者でもあっさり負けてしまうことが頻繁に起きます。連邦上院議員は6年おきに選挙となりますが、選挙区が州全体ということになり、こちらもまた大変ですが、一度なってしまえば再選はしやすいということが言えます。

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 しかし、現在のところ、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスに挑戦して勝てる人物というのはいないでしょう。そもそもアレクサンドリアは、まったくの無名の政治にはまったく関係してこなかった人物で、いわば政治の素人が、連続10期当選、次はいよいよ連邦下院議長だと見られていたジョセフ・クローリーを破ったのであって、民主党のインサイダー、主流派が自分たちの言うことを聞く人物を出してきても、クローリーの二の舞になる、ということになります。

 

 ニューヨーク州は、ヒラリー・クリントンが連邦上院議員の時に地盤としていた州です。そうなると、ヒラリーと関係の深い民主党関係者や地元政治家が多くいるということになります。ヒラリーは2016年の大統領選挙で民主党候補者となりましたが、予備選挙でバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に苦戦し、それが本選挙での敗北につながりました。ですから、ヒラリー派は民主党左派を不倶戴天の敵だと考えています。当時、共和党ではドナルド・トランプが候補者となり、それに対して、共和党エスタブリッシュメントやネオコン派はヒラリーを支持する動きをしていました。

 

 アレクサンドリア・オカシオ=コルテスはサンダース派です。彼女は2016年のサンダースの選挙運動に参加して、そこから政界進出しましたし、昨年の中間選挙では、サンダース派の仲間を助けるためにサンダースと一緒に全国を遊説して回っていました。その中で、民主党予備選挙で中道派や民主党主流派に喧嘩を売る形になり、恨みも買っているようです。左派は中道派や主流派を「ウォール街民主党」と非難し、それに対して、中道派や主流派は、左派では選挙に勝てない、特に共和党の強い田舎では絶対に勝てないと反撃しています。

 

 サンダース派、ジャスティス・デモクラッツをはじめとする進歩主義派は、自分たちの勢力を増大させようと、民主党の予備選挙に自分たちがリクルートした人物を挑戦させようとしています。特に中道派や主流派の議院の選挙区をターゲットにしているようで、これが現職たちを苛立たせています。現職同士は仲間意識がある中で、進歩主義派はそんなことはお構いなしで立候補ウ社を立ててくる、それを人気と知名度が高いアレクサンドリアが支援しているとなれば、怒りを募らせるのは当然のことでしょう。

 

 「そちらが予備選挙に対抗馬を出して自分を落選させようと言うならば、こちらもおなじことをしてやる」ということになるでしょう。選挙には誰が立候補しても良い訳ですし、予備選挙があった方が有権者の意思に沿った候補者が党の候補者となることができる、というのは建前で、現職たちにしてみれば、「人気と知名度がある政治の素人がかき回しに来やがった」というのが本音ということでしょう。

 

 大統領選挙であれば、大統領だけのことなので、自分には関係ないので、政治の素人でも仕方がないと受け入れられても、自分の議席が危ないということになれば、本音に沿った行動が出てくるようになります。今はアレクサンドリアの人気が高く、誰も表立って敵対できない状態ですが、彼女の人気が落ちるようなことが起きれば、袋叩きということも起きる可能性はあります。

 

(貼り付けはじめ)

 

ニューヨークの民主党政治家たちはオカシオ=コルテスに挑戦する可能性について報じた記事の内容を否定した:「これらは全て狂っている」(New York Dems refute report of possible Ocasio-Cortez challenge: 'This whole thing is crazy'

 

ジョン・ボウデン筆

2019年1月31日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/427799-new-york-dems-refute-report-they-might-challenge-ocasio-cortez-this-whole

 

右派メディアがアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)の予備選挙の挑戦者となる可能性があると報道したニューヨークの民主党員たちが、2020年の選挙で新人議員オカシオ=コルテスに対抗して出馬する意図はないと述べた。

 

『デイリー・コーラー』誌がオカシオ=コルテスの挑戦者になり得ると報じた、ニューヨーク州の民主党政治家たちはこぞってツイッターで記事に反応した。デイリー・コーラー誌は、進歩主義派のライジングスターであるオカシオ=コルテスが、「ジャスティス・デモクラッツ」を支援していることに対して怒りを募らせていると報じた。ジャスティス・デモクラッツは左派グループで、民主党内の中道派メンバーに対して予備選挙で挑戦する人々を支援している。

 

報道内容を否定したのは、ニューヨーク市会議員ジミー・ヴァン・ブレマーである。彼は水曜日にツイッター上で、「連邦下院議員の議席を欲したことは無いし、オカシオ=コルテスの議席を欲したことは無い」と述べた。

 

「アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは出馬して挑戦する勇気を持っていた。そして、彼女は勝利した。私は、クイーンズをはじめとする多くの場所を変えようとする試みを私は支持している。報道内容は狂っている。私はアレクサンドリア・オカシオ=コルテスが私の住む選挙区の連邦下院議員であることを気に入っている!私が彼女の代わりになることは無い。私は彼女を支持している!」。

 

ニューヨーク州上院議員ジュリア・サラザールはデイリー・コーラー誌で挑戦者となる可能性があると報じられた。サラザールはツイッター上で、自分がオカシオ=コルテスが代表している選挙区に住んでもいないと述べ、デイリー・コーラー誌を「ゴミ」と非難した。

 

サラザールはツイッター上で次のように述べた。「デイリー・コーラー誌はゴミだ。その理由。1.私が彼女の選挙区に住んでいるとしても、予備選挙で挑戦することはない(私は彼女の選挙区に住んでいない)。2.私は連邦議員選挙に出る意図は持っていない。3.ジミー・ヴァン・ブレマーのことを“ジェイムズ”と呼ぶ人などいないのに、記事ではジェイムズとなっていた。誰が取材に応じたのか?」。

 

三期目のニューヨーク州下院議員カタリナ・クルズもデイリー・コーラー誌で名前を報道された。クルズもツイッター上でアレクサンドリア・オカシオ=コルテスとの写真をアップし、「デイリー・コーラー誌は事実をチェックする部門を持っていないことは明らかだ。デイリー・コーラー誌はゴシップを垂れ流すが、私たちはアレクサンドリア・オカシオ=コルテスと共に仕事をするだけのことだ」と書いた。

 

デイリー・コーラー誌の記事は本紙の記事で匿名の民主党所属連邦下院議員の発言を後追いするものであった。この議員は、民主党の連邦議員たちがニューヨークの民主党関係者たちと、2020年の連邦下院議員選挙の民主党予備選挙でオカシオ=コルテスに対抗馬を出す可能性について話し合ったと述べた。

 

その民主党所属の連邦下院議員は本誌に対して次のように語った。「私がニューヨーク州の民主党支部に勧めたのは、オカシオ=コルテスに対抗する候補者を見つけ、彼女を一期だけの連邦下院議員にしてしまうということだ。連邦下院議員の議席を20年も待っているニューヨーク市会議員やニューヨーク州議会議員がたくさんいる。彼女の選挙区で議席を得たいという人物はたくさん見つけることが出来るのは確かだ」。

 

オカシオ=コルテス自身は水曜日、本誌の記事に対して反撃を行った。匿名の民主党所属の連邦下院議員に対して、連邦議員の議席について「壊れた精神」を持っていると非難した。

 

オカシオ=コルテスはツイッター上で、匿名の連邦下院議員の言葉を引用しながら、次のように述べた。「議席を20年も待ち続けている市会議員がいるそうだ。公の議席を、一生懸命人々を組織してその上で獲得するのではなく、列に並んで待つ類のものと考える壊れた精神こそが、有権者が変えたいと望んでいるものそのものだ。有権者とつながっていない政治家が複数いることが明らかになった」。

 

=====

 

民主党の中に予備選挙でオカシオ=コルテスに挑戦するという考えを流布させている人々がいる(Some Dems float idea of primary challenge for Ocasio-Cortez

 

スコット・ワン筆

2019年1月29日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/427364-some-dems-float-idea-of-primary-challenge-for-ocasio-cortez

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、進歩主義者のグループと一緒になって予備選挙で楽に勝ってきた現職の民主党所属の議員たちに脅威を与えているとして、同僚の議員たちから恨まれている。現在、こうした議員たちの中には、攻守所を変えて、ソーシャルメディアを駆使して知名度を高めたオカシオ=コルテスに対抗馬を出すために、候補者をリクルートしている。

 

少なくとも民主党所属の連邦下院議員1名が非公式に、民主党のニューヨーク支部のメンバーに対して、ブロンクスかクイーンズの地元政治家をリクルートして、オカシオ=コルテスに挑戦させるように求めた。

 

その連邦下院議員は匿名を条件に本誌に対して次のように述べた。「私がニューヨーク州の民主党支部に勧めたのは、オカシオ=コルテスに対抗する候補者を見つけ、彼女を一期だけの連邦下院議員にしてしまうということだ。連邦下院議員の議席を20年も待っているニューヨーク市会議員やニューヨーク州議会議員がたくさんいる。彼女の選挙区で議席を得たいという人物はたくさん見つけることが出来るのは確かだ」。

 

民主党のニューヨーク支部は昨年夏からオカシオ=コルテスに対して懐疑の目を向けていた。29歳の民主社会主義者を自認するオカシオ=コルテスは政界に衝撃を与えた。当時の現職ジョセフ・クローリー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)を予備選挙で破ったのだ。多くの人々はクローリーが容易に勝つ、退屈な予備選挙になるだろうと考えていた。クローリーは、地元クイーンズの有力者で、連邦下院民主党議員連盟の会長で、将来は連邦下院議長になると見られていた。

 

『ポリティコ』誌は、オカシオ=コルテスと彼女と提携する「ジャスティス・デモクラッツ」がニューヨーク州選出の同僚ハキーム・ジェフリーズに予備選挙で対抗馬を立てることを検討中であると報じた。このことについて、ニューヨークを地盤とする政治家たちと連邦議会アフリカ系アメリカ人議員連盟のメンバーたちの多くは、怒りを募らせている。ジェフリーズはアフリカ系アメリカ人議員連盟のメンバーであり、クローリーから民主党連邦議員連盟の会長職を引き継いだ、エスタブリッシュメント派であり、政治のインサイダーである。

 

オカシオ=コルテスとジャスティス・デモクラッツはそのような報道を否定した。しかし、過激な進歩主義者たちのグループであるジャスティス・デモクラッツは、中道派のヘンリー・クエラー連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)をはじめ、複数の選挙区の予備選挙で2020年の選挙で進歩主義派を対抗馬として出すことを検討している。

 

現在、ニューヨーク出身の民主党所属の連邦議員たちは、オカシオ=コルテスと彼女の260万人のフォロワーたちに敵対するような姿勢は取っていない。議員たちは、ニューヨーク民主党では現在のところ、予備選挙でオカシオ=コルテスに対抗馬を出すという考えはないと述べている。

 

グレゴリー・ミークス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)の選挙区にはクイーンズの一部が含まれている。ミークスはあるインタヴューの中で次のように述べている。「私たちは事態がどうなるかを見続けるようにしたい。私はとりあえずアレクサンドリアやジャスティス・デモクラッツが言っていることを信じることにする。疑わしきは被告の有利に、推定無罪という言葉もある。何も分からないままで何かを言うことはできる。そして、実際に当事者たちと話し、何が起きているかを観察し、どのように動いているかを見た後で、物事が違っていれば、何が起きているかを把握することになる」。

 

ミークスはまた次のように述べた。「私がアレクサンドリアと話す時、彼女がニューヨーク民主党の会議に出席する時、彼女は協力的であり、ティームプレイヤーであろうとしている。彼女はいつもそのように語っている。だから、何か事態が変化するまでは、彼女の言葉はそのまま受け取るようにする」。

 

ジェフリーズは連邦下院民主党では序列第四位の幹部であり、将来連邦下院議長になれると評価する人たちもいる。ジェフリーズは、同僚である連邦下院議員は誰も自分にオカシオ=コルテスの対抗馬として出馬するようにと言ってきていないと述べている。48歳になるジェフリーズは、ニューヨーク民主党の幹部たちは1月になって民主党本部の幹部たちを訪問し、オカシオ=コルテスを連邦下院財政委員会、行政監視・改革委員会の委員にするように配慮してくれるようにロビー活動を行った、と述べている。オカシオ=コルテスはこれらの委員会の委員になることを希望していた。

 

ジェフリーズは本紙の取材に対して「オカシオ=コルテスの対抗馬を出すということをニューヨーク民主党は考えてはいないと思う。御覧の通り、私たちはお互いを支えるために団結している。ニューヨークの民主党は団結している」と述べた。ジェフリーズはまた、オカシオ=コルテスが、彼に向けて対抗馬を出すことを支持しているとする報道内容を否定したとも述べた。ジェフリーズは「何か自体が動いているということはない。予備選挙の対抗馬が出ている様子もない。だから、私は彼女が否定したことはその通りなのだと認識している。彼女の言っていることは正確で、何事も起きていないのだ」と述べた。

 

オカシオ=コルテスに対する挑戦者はまだ現れていない。しかし、ニューヨーク政界のインサイダーのある人物は、クイーンズとブロンクスの選挙区は、前職のクローリーと関係の近い、野心的な人々が住んでいると指摘している。こうした人々は政治のアウトサイダーであったオカシオ=コルテスが議席を獲得したことを嫌悪している。

 

この人物は、クローリーのいとこで、元ニューヨーク市議会議員エリザベス・クローリーに言及しながら次のように語った。「アレクサンドリアは多くの人たちをイラつかせている。敵ばかり作っている。彼女に怒りを募らせているのは、ジョセフに近い人たちだ。その中にはクローリーの親族も含まれている。エリザベスは女性で、左派によっている。彼女は興味深い存在だ」。

 

41歳になるエリザベス・クローリーにはコメントを求めたが、返事はなかった。しかし、エリザベスは2021年にクイーンズ行政区区長を狙っていると発言したことがある。エリザベス・クローリーはクイーンズの選挙区内に住んでいる。

 

オカシオ=コルテスは予備選挙で挑戦を受けることについて特に心配していない。彼女は新たに名声を築き上げた。そして、2020年の選挙では有力候補となり、資金集めにも大きな力を発揮することになるだろう。オカシオ=コルテスは2018年に政界に現れた彗星のような存在だ。選挙資金収支報告書によると、彼女は2018年の選挙で200万ドルを集め、40万ドルを手元に残している状態だ。

 

オカシオ=コルテスの報道担当コービン・トレントは、どんな人がオカシオ=コルテスの対抗馬として立候補しても、彼女はそのことについて文句を言うことはないだろうと述べた。

 

コービン・トレントは「予備選挙を行うことは素晴らしい考えだと確信している。予備選挙の洗礼を受けることを不満に思うようなこともない。私たちが予備選挙に反対する立場を取ることはない。予備選挙は党にとって良い制度だ」と述べた。トレントはオカシオ=コルテスの選挙陣営の報道担当を務め、ジャスティス・デモクラッツの創設者の一人である。

 

トレントは続けて次のように述べた。「有権者が自分たちにとってより良い代表者になると感じたら、予備選挙の日にその人物が選ばれることになる。一方、私たちは選挙区民のニーズと希望を代表できるように努力をし続けるだけのことだ」。

 

ジャスティス・デモクラッツの報道担当ワリード・シャヒードは、オカシオ=コルテスに挑戦する人は誰でも惨敗するだろうと予測している。

 

シャヒードは「オカシオ=コルテスは、民主党予備選挙に出馬表明している人たちの中の数名よりも人気があり、知名度もある。そのことを考えると、彼女に挑戦する人は誰であっても大差で敗れることになるだろう。ワシントンDCとウォール街のコンサルタントにとってはコンサルタント料をふんだくるだけの仕事ということになる」と述べた。

 

オカシオ=コルテスに神経を逆なでされているのはアフリカ系アメリカ人議員連盟のメンバーたちだけではない。オカシオ=コルテスの母親はプエルトリコ生まれであるが、ヒスパニック議員連盟のメンバーたちも困惑させている。オカシオ=コルテスは議員連盟のメンバーの一人をターゲットにしている。それがクエラーである。2019年1月初頭、ジャスティス・デモクラッツの広報ヴィデオに報道担当のコービン・トレント、首席スタッフのサイカト・チャクラバーティと共に出演し、連邦議会議員選挙に出馬する進歩主義的な考えを持つ人を勧めるプログラムを宣伝した。

 

ジャスティス・デモクラッツは予備選挙でクエラーの対抗馬となる進歩主義者を探している。ヒスパニック議員連盟のメンバーたちはこうした試みを不快に思っている。しかし、1月になってヒスパニック議員連盟に参加したばかりのオカシオ=コルテスとやり取りをする前なので、静観の姿勢を取っている。

 

ヒスパニック議員連盟の幹事長を務めた中道派のピート・アグリア連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は次のように述べた。「私たちは私たちのメンバーを守るだろうし、自分たち自身を守る。それ以上でも以下でもない。共和党から民主党へと議席が変わる可能性が高い選挙区が多くある。私たちはそこに力と資源を注ぎたいと思っている」。

 

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 古村治彦です。

 

 スターバックスと言えば、今や日本中で展開するアメリカのコーヒーショップチェーンです。今から20年ほど前に日本に進出してきましたが、最初、どうやって注文して良いのかよく分からずに恥ずかしい思いをしたことを今でも覚えています。

 

 そのスターバックスを現在のような規模にまで育て上げたのがハワード・シュルツ(Howard Schultz、1953年―)です。昨年スターバックス社のCEOを退任しました。

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 ハワード・シュルツ

 シュルツが最近ツイッターを始めたのですが、そのツイッター、並びに『ニューヨーク・タイムズ』紙とのインタヴューで、2020年の大統領選挙に出馬する可能性を示唆しました。現在、「真剣に考慮」しているということです。シュルツが実業家として成功していること、ツイッターを駆使して自分の考えを発信しようとしていることは、トランプ大統領と共通していますが、シュルツはトランプ大統領に比べてリベラルな考えを持っています。

 

 シュルツは民主党、共和党どちらの予備選挙にも出ずに、無所属(independent)として立候補するということを述べています。正確には「中道派無所属(centrist independent)」として出馬する可能性を示唆しています。その理由が興味深いのですが、民主党も共和党も極左(far-left)、極右(far-right)に飲み込まれてしまっているから、ということで、中道派として出るのだ、ということを述べています。シュルツが述べている、極左は、民主党内のバーニー・サンダース派、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスたちを指しています。一方、極右は、共和党内のドナルド・トランプを支持する人たちということになります。この2つは共に「ポピュリズム(Populism)」という言葉でくくられます。

 

 シュルツは民主、共和両党がポピュリズムに飲み込まれて、より過激な主張をするようになっていると考え、それに危惧を持っているようです。リベラルな考えを持つ大富豪、ということになりますから、本来であれば民主党から出馬することを考えるはずですが、シュルツは、サンダースやオカシオ=コルテスが主張している、大学無償化や政府が全額健康保険を負担することといったことには反対しています。民主党リベラル・進歩主義派が大富豪に多額の税金をかけると主張していることも気に入らないのでしょう。

 

 面白いのは、シュルツが出馬するのは、「民主党で左派進歩主義的な候補者が一番手になる場合には」という条件を付けている点です。これは、そんな奴が当選する可能性を減らすために出馬する、裏を返せば、そんな奴が当選するくらいならトランプの方がましだ、ということになります。シュルツが左派進歩主義的ではない、もしくはその度合いが著しく低いと考える人物が最有力となったら出馬しないということになります。しかし、現在までに出馬表明している人物たちは、自分が少しでもリベラルに見えるように振舞うはずです。

 

 シュルツの出馬表明は民主党内の亀裂、分裂を露(あら)わにしています。

 

(貼り付けはじめ)

 

ハワード・シュルツは、「中道派無所属」として大統領選挙へ出馬することを「真剣に考慮中」と発言(Howard Schultz says he's 'seriously considering' 2020 bid as 'centrist independent'

 

エミリー・バーンバウム筆

2019年1月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/427190-howard-schultz-says-hes-seriously-considering-2020-bid-as-centrist

 

元スターバックスCEOハワード・シュルツは日曜日、2020年米大統領選挙に「中道派無所属(centrist independent)」として出馬することを「真剣に考慮中」であると述べた。

 

シュルツは日曜日にツイッターを開始した。そして、「私は私たちの国を愛している。大統領選挙に中道派無所属として出馬することを考慮中である」と述べた。

 

シュルツは自身のウェブサイトへのリンクを張りながら、「現在は歴史上、前例がない状況にある。我が国の2つの政党はこれまでにないほど分裂している。より多くの人々のための機会を作り出すために私たちはどのように団結できるかについて議論しよう」と述べた。

 

日曜日に『ニューヨーク・タイムズ』紙に掲載されたインタヴュー記事の中で、シュルツは大統領選挙出馬を準備していることを認めた。シュルツはこれから3か月間、本の宣伝ツアーを行うが、その終了後に最終決定を行う予定だと述べた。

 

シュルツはニューヨーク・タイムズ紙に対して次のように述べた。「共和党と民主党には共に、極右(far-right)と極左(fa-left)の一部になり果てているという自覚がない。それでも両党は帰るべき家を探している。“無所属”という言葉は私にとってただ単に投票用紙に書かれた呼称でしかない」。

 

シュルツはインタヴューの中で、民主党側からの「シュルツが無所属で出ることでトランプに大統領を渡すことになる」という批判に対して、反論した。シュルツは大統領選挙に「妨害者・壊し屋(spoiler)」として出馬することはないと述べた。

 

民主党の大物政治家たちからの批判に対して、シュルツは次のように述べた。「あなたに出馬などできないと述べる冷笑者といつも否定論を展開する人物たちに反論する用意が出来ている。私は彼らに同意しない。出馬が出来ないなどと言うことは極めてアメリカ的ではない発言だと私は考える」。

 

シュルツは民主党の予備選挙に出馬しなくない、それは民主党の予備選挙に出ると“不誠実”にならざるを得ないからだ、とも述べた。

 

大富豪であるシュルツはニューヨーク・タイムズに対して、「私が民主党の候補者として出馬したら、自分に嘘をつくことになる、自分が信じてもいないことを言うことになると思う。それは、民主党が左に寄り過ぎているからだ」と述べた。

 

シュルツは次のように述べた。「21兆ドルの負債があるにもかかわらず、政府がお金を出す大学無償化、健康保険無償化、全ての人を政府職員に採用するという政策を主張する人々がいる。疑問に思うのは、国が破産しないようしながら、それら全てに金を出すにはどうしたらよいのか、ということだ」。

 

シュルツの純資産は34億ドル(約3700億円)と推定されている。

 

シュルツはニューヨーク・タイムズ紙に対して、穏健派の候補ではなく、左派進歩主義的(left-wing progressive)な候補が一番手になるようであれば、大統領選挙に出馬すると述べた。

 

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