古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:防衛予算

 古村治彦です。

2025年11月21日に『<a  href="https://amzn.to/49jHIUC ">シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体</a>』(ビジネス社)を刊行します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

 ドナルド・トランプ大統領によるアジア歴訪が始まった。日本では、高市早苗首相と日米首脳会談を行った。特別な懸案事項もなく、簡単に言えば、「属国である日本がアメリカにお金を支払うことの約束と約束の履行の確認」以外に、アメリカ側に話すことはない。日本側は最大限のおもてなしをするが、そんなことはどうでもよい。「お前らはいくら払うんだ」ということでしかない。アメリカは中国と直接対峙する力を持っていない。日本に対して、中国の脅威を煽り立て、けしかける。アメリカ製の兵器をたくさん買わせる。敵愾心を燃え上がらせて、突発的な小規模衝突でも起きればよいと考えている。成り行きによっては、中国と一緒になって、「日本が先に仕掛けた」「日本の新政権はアブないと分かっていた」と、日本を「共通の敵」にしてしまうだろう。一番損をするのは日本ということになる。
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 日本は防衛予算の対GDP比の引き上げをアメリカに約束した。2027年度予算までの達成としていたが、「戦争屋」高市早苗首相は前倒しして2025年度中の実現を表明した。日本の防衛予算の対GDP比は1.3%程度であったが、引き上げの基調が始まってどんどんと伸びている。問題は、「2%」では終わらないということだ。これから、3%、3.5%、5%となっていく。そのことは新刊でも説明した。社会保障予算や教育予算がしゃんしゃんとお手盛りで2倍、3倍になっていくということはない。しかし、アメリカ肝いりの防衛予算ならば、赤字国債を発行してでも引き上げるということになる。

 「中国の軍事増強が著しい」「中国の軍事大国化は危険極まりない」という論調が盛んだ。対GDP比で見れば、中国は日本と変わらないが、これから日本は際限なく増加していく。日本の方が対GDP比の数字が高くなったら、私たちは「日本の軍事増強が著しい」「日本の軍事大国化は危険極まりない」と批判しなけれればならないし、他国からは軍事増強に疑いと批判の目を向けられつつ、「日本は哀れだな、アメリカの言いなりで国民の生活よりもアメリカの武器を買わされるのを優先させられて」という憐みの目で見られることになる。

 日本の池田勇人首相がヨーロッパ諸国を訪問した際に、「トランジスタのセールスマン」と揶揄された。トランプは「武器商人(arms dealer)」であり、高市は「戦争屋(warmonger)」と揶揄されるべきだ。両者の奇妙なランデヴー(rendez-vous)は日本国民と世界を不幸をもたらす。
(貼り付けはじめ)

●「日米首脳、同盟深化を確認 対面で初会談 高市首相「黄金時代つくりたい」」

時事通信 10/28() 10:08配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/7d533a863d085666571467fdc5455c25fceeb82f

 高市早苗首相と来日中のトランプ米大統領は28日午前、対面での初会談を東京・元赤坂の迎賓館で行った。

 東アジアの安全保障環境悪化を踏まえ、日米同盟を引き続き深化させる方針で一致。首相は「同盟の新たな黄金時代を共につくり上げたい」と提起し、トランプ氏は「日本は最も重要な同盟国だ」と応じた。経済分野の連携も確認した。

 会談後、両首脳は(1)レアアース(希土類)を含む重要鉱物の供給網確保での連携(2)日米関税交渉合意の着実な履行の二つの合意文書に署名した。

 就任から1週間の首相は、トランプ氏との間で個人的な信頼関係の構築を図った。中国、ロシア、北朝鮮の連携も念頭に、強固な同盟関係を内外にアピールした。

 冒頭、首相は「日米は世界で最も偉大な同盟だ。日本も米国と共に世界の平和と繁栄に貢献する」と強調。「自由で開かれたインド太平洋の進展に向け、さらに協力を進めたい」と呼び掛けた。

 これに対し、トランプ氏は日本政府による防衛費の増額や米国製装備品の購入に謝意を伝えた。日米関税合意については「非常に公平な協定になった」と評価。日米間の貿易が今後拡大するとの認識を示した。

 会談で首相は、防衛費を国内総生産(GDP)比2%へ積み増す目標を2年早め、今年度中に達成する意向を伝達。「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定を前倒しする考えも説明したもようだ。 

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●「防衛財源「できることは何でも」 赤字国債、否定せず―片山財務相」

時事通信経済部 202510261501分配信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025102600243&g=pol#goog_rewarded

 片山さつき財務相は26日のNHK番組で、防衛費を対GDP(国内総生産)比で2%に引き上げる目標を今年度に達成するための財源確保について「できることは何でもやる」と表明した。片山氏は「日本は世界でみても一番厳しい安全保障環境に置かれている。必要と思えるものを前倒ししなければならない」と強調した。

 高市早苗首相は24日の所信表明演説で、2027年度とした防衛費の対GDP比2%の達成時期を「補正予算と合わせて今年度中に前倒し」すると表明した。政府は27年度までの5年間で防衛費43兆円を確保し、財源は法人、所得、たばこ各税の増税や決算剰余金、歳出改革などで充当する計画だった。片山氏は赤字国債発行の可能性について「国家の存立が懸かっているので、財源は『これでいけない』『これでなければ』ということはない」と明確に否定しなかった。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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『人類を不幸にした諸悪の根源 ローマ・カトリックと悪の帝国イギリス』
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 日本は軍拡の姿勢を鮮明にしている。ミサイルによる敵基地攻撃能力を保持し、軍事予算も大幅に増額することを自民党政権は決定した。国力が減退し、衰退国家となっており、少子高齢化が猛烈なスピードで進んでいる日本が軍拡を行うのは合理的ではない。この軍拡は、対中国に向けたものであるが、日本の経済力は中国の3分の1弱程度しかない。また、中国との軍拡競争ということになれば最終的には核兵器保有まで進まねばならない。そのような状況に行くまでに経済が破綻する可能性もある。

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 日本はアメリカの強請によって、国防予算(軍事予算)を現在のGDP比1%から2%に引き上げる動きに出ている。これが実現されると10兆円以上規模となり、世界第三位の防衛予算(軍事予算)となる。先制攻撃用のミサイルなど兵器調達はアメリカから行うことになるだろう。世界第1位のアメリカと世界第3位の日本で、世界第2位の中国を抑え込むということを企図しているのだろうが、アメリカが中国と対峙する場合に、日本を先手として使おうとするのは当然だ。日本が貧乏くじを引いて大きなマイナスになってもアメリカは「それが属国の務めだ」ということにするだろう。私たちは、そのような馬鹿げた状況に陥ってはいけない。アメリカに利用されて中国とぶつかるのは日本で漁夫の利をアメリカが得るという状況は避けねばならない。
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 アメリカが日本をはじめとする同盟諸国に軍事予算の増額を求めているのは、ヨーロッパであればロシア、東アジアであれば中国と対峙させるためだ。しかし、ヨーロッパ諸国にしても日本にしても、そのロシアや中国とは経済的に深いつながりを持っており(ロシアとドイツ、中国と日本)、直接ぶつかって大きな損失を得ることは得策ではない。それでもアメリカは軍事予算増額を求め続けている。それは軍拡競争、国防予算増額競争の負担が大きくなっているからだ。

 防衛予算や軍全体の構成や規模を見ればアメリカが最強であることは変わりない。しかし、中国の軍事的な伸び、ロシアの軍事的な精強さはアメリカにとって脅威である。アメリカにとってはこの2つの軍事的な脅威に独力で対抗することは難しくなっている。そのために同盟の引き締めを行おうとしている。西側世界の優位を守る戦いだという大義名分を掲げることになるだろう。実際にはアメリカの世界支配を守るための戦いである。その大きな嵐の中で、私たちは如何に損害を少なくして嵐をやり過ごすかということを考えるべきだ。調子に乗って「アメリカさまと中国征伐だ」「世界で最も重要な同盟関係が日米関係だ」などと馬鹿丸出しの言動や態度を取るべきではない。その点で、現在の日本の政治家たちの浮ついた、軽薄な、いささか酔っぱらいのような、国防への姿勢には失望せざるを得ない。

(貼り付けはじめ)

軍備拡張競争の技芸(The Art of the Arms Race

-災厄を避けるために、アメリカは冷戦からの重要な教訓をいくつも学びなおさねばならない。

2022年71

ハル・ブランズ筆

『フォーリン・ポリシー』

https://foreignpolicy.com/2022/07/01/arms-control-race-cold-war-geopolitical-rivalry/

軍備管理(arms control)は死につつあり、軍拡競争(arms races)は復活しつつある。この20年間で、冷戦時代に築かれた超大国の軍備管理体制(superpower arms control regime)のいくつかの主要な柱、対弾道ミサイル条約(Anti-Ballistic Missile Treaty)、ヨーロッパ通常戦力条約(Conventional Armed Forces in Europe Treaty)、中距離核戦力条約(Intermediate-Range Nuclear Forces Treaty)、オープンスカイ条約(Open Skies Treaty)と、次々と崩壊してきた。最も重要な米露協定である新START(戦略兵器削減条約)も、ウラジミール・プーティン大統領のウクライナ戦争の犠牲となるかもしれない。一方、中国は、太平洋地域とそれ以外の地域での支配を目指し、通常兵器と核兵器の戦力を急速に増強している。世界各地では、新技術が軍事力の劇的な向上を約束している。

緊張が高まり、軍事バランスについて激しく競われ、大国が振り回す武器の種類と量に対する制約がますます少なくなる世界は軍拡競争の好機である。この新しい世界は、実際、かつての対立の時代を彷彿とさせるような課題を多く含んでいる。災厄を避けるために、アメリカは冷戦時代に学んだこと、すなわち軍拡競争をいかにうまく行うかを学び直さなければならない。

確かに、軍拡競争は、2つ以上のライヴァル国が有利な軍事バランスを確保するために競い合うものでありその評判は高くはない。軍拡競争は、よく言えば、思慮のない兵器の集積、もしくは邪悪な軍産複合体(military-industrial complex)の産物として、悪く言えば、緊張の高まりや破滅的な戦争の主な原因として見られている。ドワイト・アイゼンハウアー大統領は1956年、国家安全保障会議において、「アメリカは、その究極の安全を決して提供できないことをよく承知している軍備を積み上げている。他にどうしたらいいかわからないから軍備を増強しているのだ」と発言した。

しかし、軍拡競争は不当に悪い評価がなされている。地政学的環境が厳しくなる中、状況をより客観的に見ることができるようになっている。

アメリカの冷戦時代についての最も鋭い思想家たちが理解していたように、軍拡競争は決して無謀なことではない。攻撃的な敵に対して有利な力の均衡(balance of power)を保つことは、戦争を抑止する最良の手段であり、戦争を誘発するものではない。更に、軍拡競争は戦略的な相互作用であり、賢明な投資によって形成され、時間の経過とともに自国に有利になるように導くことが可能である。軍備管理は、軍拡競争に代わるものではなく、競争優位を獲得するための戦略の重要な構成要素であると考えるのが適切である。しかし、そのためには、軍拡競争の技術(art of the arms races)を再認識することが必要である。

軍拡競争はいつの時代にも起きているが、この言葉が一般的になったのは20世紀初頭のことである。ドレッドノート戦艦(dreadnought battleship)や飛行機などの新技術が、軍事バランスを急速に変化させる可能性を生み出した。大国間の緊張が高まるにつれ、軍事的優位の追求はより緊急性を帯びてきた。例えば、第一次世界大戦前の数十年間は、イギリスと台頭するドイツとの間で、最も多く、最も優れた戦艦を建造するための熱き戦いが繰り広げられた。

しかしながら、軍拡競争に対する私たちの理解が本格的に深まったのは、核兵器の出現と戦略研究(strategic studies)が学問(academic discipline)として確立した冷戦時代のことである。サミュエル・P・ハンティントンやコリン・S・グレイなどの学者たちが軍拡競争の定義を明確にした。政府や学界では、米ソの軍備の発展や、一方の動きが他方の動きにどの程度影響を与えるかを研究していた。優越性(supremacy)をめぐる長い二極対立の中で、超大国の軍拡競争は知識人や政策立案者にとってまさに強迫観念(veritable obsession)のようなものとなった。

米ソの軍事競争はやがて恐るべき規模にまで至った。モスクワとワシントンがそれぞれ核兵器で人類文明を破壊する能力を獲得すると、「軍拡競争(arms race)」は非難のための言葉となった。核軍拡競争(nuclear arms race)は、安全保障の追求がかえって現実的な不安を引き起こすという不条理を思い起こさせるものと見なされがちであった。

1970年代以降の軍備管理協定は、超大国の核兵器に上限を設け、ミサイル防衛システムのような安全保障状況を不安定化させると考えられる能力を制限することで、この不安を軽減しようとするものであった。(一方が相手の報復ミサイルを撃ち落とす能力があれば、もう一方は核による先制攻撃をより慎重に検討するという理論である)。相互確証破壊(mutual assured destruction)という言葉、つまり、核兵器競争には誰も勝てないし、勝とうとするのは危険だという考え方が浸透していったのである。ロバート・マクナマラ米国防長官は1967年の演説で、「私たちはソ連との核軍拡競争を望んでいない。作用と反作用(action-reaction)の現象が、それを愚かで無益なものにしている」と明言した。

しかし、現実はそう単純ではなかった。アイゼンハウアーは1957年、ジョン・フォスター・ダレス米国務長官に対して、「軍拡競争は原因ではなく結果であった」と認めている。大国が武装したのは敵同士だったからであり、その逆ではない。軍拡競争に勝つこと、少なくとも負けないことが必要不可欠となった。戦争や西側の地政学的な崩壊の脅威は、拡張主義的なライヴァルが決定的な軍事的優位を獲得すれば確実に増大する。更に、賢明な観察者たちは、軍拡競争は愚かで思慮のない機械的な努力ではないことに気づいていた。軍拡競争は、創造的思考(creative thinking)と戦略的洞察力(strategic insight)に報われる学問だ。

このようなアメリカの軍拡競争に対するより洗練されたアプローチを象徴するのが、長年の防衛 知識人で、軍事バランスを厳密に評価する米国防総省の省内シンクタンクであるオフィス・オブ・ネットアセスメントの初代所長となったアンドリュー・マーシャルであった。マーシャルは、ロバート・マクナマラの「作用・反作用」モデルは単純すぎると主張した。ソ連とアメリカの軍備計画は、一触即発のプロセスと同様に、歴史的遺産と官僚的バイアスを反映していたからである。より重要なことは、ワシントンはモスクワとの軍事的競争は、責任を持って避けることができないため、その相互作用を自国に有利になるように形成する必要があるということである。1972 年、マーシャルは「アメリカはソヴィエト連邦を出し抜かなければならない」と書いている。その鍵は、「アメリカの比較優位の分野(“areas of U.S. comparative advantage)を特定し、戦略的軍拡競争(strategic arms competition)をこれらの分野に誘導することによって、ソ連のコストを上昇させ、困難を倍加させること」と指摘した。

その実例がアメリカの戦略爆撃機計画(U.S. strategic bomber program)である。モスクワは、1941年にアドルフ・ヒトラーのドイツ空軍が地上のソ連空軍の多くを破壊したため、空からの 攻撃を過剰に恐れていたとマーシャルは指摘している。ささやかな爆撃機の部隊を作ることで、アメリカはクレムリンに防空システムに多額の投資をさせ、西側諸国にとってより脅威となる攻撃能力から資源を振り向けさせることができたし、実際にそうしたのである。そして、冷戦の決定的な最後の10年間、マーシャルの論理は浸透していた。それは、モスクワが莫大なコストをかけて構築した計画と能力を否定することで、ソ連に大きな負担をかけるというものであった。

精密誘導弾(precision-guided munitions)、低空飛行巡航ミサイル(low-flying cruise missiles)、ステルス戦闘機(stealth aircraft)の開発により、米国防総省は敵の後方奥深くで大惨事を引き起こす能力を得て、ソ連のヨーロッパでの作戦概念をくつがえした。高精度の大陸間弾道ミサイル(intercontinental ballistic missilesICBM)の配備と照準能力の向上は、モスクワが核戦争中に指導者たちを高額の資金をかけて建設したバンカーに避難させて生存させるという計画を脅かした。ロナルド・レーガン大統領の戦略防衛構想は、宇宙を拠点とするミサイル・シールド計画であり、モスクワが何十年もかけて開発した陸上ミサイル部隊の有効性を、遠からず脅かす可能性があった。1982年の米国防省の計画文書には、アメリカの防衛計画は「不釣り合いなコストを課し、主要な軍事競争の新たな分野を開拓し、ソ連のこれまでの投資を陳腐化させる」はずだと記されている。

多くの予想に反して、積極的な軍拡競争は、実際には歴史的な軍備管理を可能にした。ロナルド・レーガン大統領の戦略的増強は、モスクワに中距離弾道ミサイルと大型ICBMの兵器を大幅に削減させるインセンティヴを与えた。また、経済的にも技術的にも衰退していたソ連は、競争力が著しく低下し、指導者は最終的に和平を求めることを選択した。ソ連のミハイル・ゴルバチョフ書記長は1986年、「長い間守ってきた立場を崩さないなら、結局は負けることになる。私たちは管理できない軍拡競争に巻き込まれるだろう」と断言した。アメリカにとって、超大国の軍事競争に勝つことは、より大きな冷戦に勝つための前提条件(prerequisite)であった。

しかし、冷戦終結後、アメリカの軍拡競争への適性は低下した。アメリカは軍事的に優位に立ったので、創造的で非情な戦略をとる必要がなくなったように見える。しかし、そのような余裕のある安全保障が失われた今、アメリカは新たに古い規律を習得しなければならない。

ロシアのウクライナ侵攻は、20年にわたる通常兵器と核兵器の増強の集大成であり、これによりモスクワは近隣諸国を打ちのめす一方で、核兵器によるエスカレーションの脅威を利用してワシントンを抑え込むことができるようになった。ロシアの軍隊はウクライナで酷い目に遭ったかもしれないが、通常兵器と核戦力の増強は、ウラジミール・プーティンの攻撃的な行動と相まって、今後何年にもわたってNATOを脅かすことになるだろう。中国は、近隣諸国を威圧するための戦力投射能力(power-projection capabilities 訳者註:軍事力の準備、輸送、展開能力)、アメリカ軍を遠ざけるための接近阻止・領域拒否能力(anti-access and area denial capabilities)、アメリカの政策立案者たちの介入をそもそも阻止するための核兵器の増強など、同様の作戦書(playbook)に従って開発を進めている。ロシアと中国は、地政学的修正主義(geopolitical revisionism)からの決意に基づいた計画を支えるために武装しており、アメリカが忘れてしまった軍拡競争に関する多くの教訓を吸収している。

長年にわたり、北京は、アメリカの軍事的なプラットフォーム対プラットフォームの形で対抗しようとはしなかった。対艦ミサイル(anti-ship missiles)、防空防衛(air defenses)、対衛星兵器(anti-satellite weapons)など、アメリカが世界中に力を及ぼすために使用している空母(aircraft carriers)、通信衛星(communications satellites)、地域基地(regional bases)を脅かす特定の能力に投資した。つまり、北京はマーシャルの忠告を真摯に受け止めている。1980年代にワシントンがモスクワの戦争方式を陳腐化させたように、中国の戦争方式はアメリカの戦争方式を陳腐化させる可能性がある。

激化する軍事的対立の中でアメリカが繁栄するチャンスはあるが、そうするためには、ワシントンが軍拡競争の技芸(art of the arms race)を再認識しなければならないということになる。

しかし、そのためには軍拡競争というものを再認識する必要がある。現在の傾向が続けば、米国は10年後までに1つではなく、2つの核兵器保有国との競争に直面することになる。ウクライナでのロシアの敗北にかかわらず、アメリカの同盟システムのユーラシア周辺地域における通常戦力のバランスは、不利とまではいかないまでも、不安定なものになるだろう。冷戦時代と同様、危険な軍事的不均衡はアメリカのライヴァルを誘惑して現状を強引に打破する可能性もあるし、アメリカの同盟ネットワークが依拠する信頼の基盤を単に蝕む可能性もある。アメリカの利益を守るためには、再び軍拡競争を展開し、それに勝利することが必要となる。

勝利は一部には金銭の問題である。最も優れた頭脳をもってしても、ドル不足を補うことはできない。米国防総省は、中国とロシアに対して同時に通常兵器の優位性を維持するために、より多くの防衛費を必要とする。また、1つの核兵器保有大国ではなく2つの核兵器保有大国を抑止するために、より大きな核兵器貯蔵が必要になる。人工知能(artificial intelligence)、量子コンピュータ(quantum computing)、合成生物学(synthetic biology)など、魅力的な技術を大規模に展開できる能力にするためには、大規模な投資が必要になるかもしれない。アメリカが現在軍事関連に投じている予算は、GDPの3.5%未満であるのに対し、少なくとも5%に相当する軍事費を投じることが、この10年間とそれ以降の平和のための最低条件となるだろう。

しかし、資金が流れても、ライヴァルに勝つためには、ライヴァルを上回ることも必要だ。

ライヴァルを上回るためには、まず自らを欺かないことだ。軍備管理論者は、1950年の熱核兵器(thermonuclear weapons)の開発であれ、今日のAIの軍事的応用であれ、敵が同じようにすることを期待し、アメリカが一方的に自国の能力を制限すべきであると主張することがある。しかし、これはほとんどうまくいかない。

1950年代初頭にアメリカが水爆(hydrogen bomb)の製造延期を決定していれば、ソ連が先に水爆を製造するのを許すだけだったことが、今では分かっている。1960年代にロバート・マクナマラがアメリカの戦略的蓄積を停止させると、モスクワは同等な立場を主張するために前進を始めた。「こちらが作れば、向こうも作る。1979年、ハロルド・ブラウン米国防長官は、「私たちが削減すれば、彼らは構築する」と主張した。特殊な技術は変わっても、厳然たる真実は変わらない。独裁的な敵国から自制を得るには、通常、軍拡競争に対抗できないことを示す必要がある。

第二に、効果的な軍拡競争のためには敵を熟知していることが必要である。マーシャルの洞察の1つは、ソヴィエトの動向を把握することは、ソヴィエトのバランスを崩すために不可欠であるということであった。同様に、ロシアと中国が何を望み、何を恐れ、どのように行動しようとしているのかを把握せずに、現在のアメリカの軍事計画を決定するのは良い方法ではない。残念ながら近道はない。冷戦時代、敵の頭の中を理解するためには、世代を超えて長期間にわたりソヴィエト学(Sovietology)への投資が必要だった。

この知識は非常に重要だ。それは、軍拡競争はあらゆる場所で平等に競争する必要も報酬もないからだ。アメリカは、極超音速兵器における中国の全ての発展を模倣する必要はない。これらの兵器は、妥当なコストでは、ワシントンが西太平洋で必要とする火力の量を提供することはできない。米国防総省はまた、クレムリンの膨大な短距離核兵器に匹敵する量を整えるべきではない。アメリカは、敵がアメリカの通常戦力と戦略的核兵器の間の空間を調査することに大胆さを感じさせないようにするために、十分な限られた核の選択肢を単に必要としている。

より良いアプローチは、非対称的に(asymmetrically)考えることである。つまり、アメリカの明確な優位性を利用して、敵が掲げる勝利のための理論を混乱させ、そのコストを上昇させることだ。例えば、台湾に対する中国の軍備増強の価値を下げるには、アメリカとその同盟諸国が重要な優位性を利用することである。荒波に囲まれた島を防衛することは、征服するよりもはるかに容易である。対艦ミサイル、機雷(sea mines)、無人航空機(unmanned aerial)、水中走行車(underwater vehicles)など、中国軍にとって侵略を血みどろの悪夢に変えることができる安価な兵器を大量に配備して、台湾防衛は実現可能となる。同様に、北京が中距離ミサイルの競争を望むなら、ワシントンは同盟諸国間のネットワークを利用して、現在の中国の優位を将来の負債に変えることができる。結局のところ、同盟諸国の領土にあるアメリカの中距離通常ミサイルは中国本土に容易に到達できるが、中国の中距離ミサイルはアメリカに到達できない。また、中国が空母やその他の大型艦艇に資金を投入する中、ワシントンは海中戦の優位性を維持することで、一世代分の海軍近代化を危うくすることができる。北京の計画に一貫して挑戦し、その能力を低下させることによって、ワシントンは最終的に中国の指導者に軍拡競争が何を達成するのか疑問を抱かせることができるのである。

ここでは、関連するルールが参考になる。軍拡競争の防御的側面も忘れてはならない。今日、かつてと同様、軍備管理論者はしばしば、弾道ミサイル防衛は不安定だ、あるいは単に無駄だと主張するが、それは安価な対抗手段で打ち負かすことができるからである。しかし、アメリカのミサイル防衛は急速に改善されており、レーザーなどの指向性エネルギー兵器(directed energy weapons)やその他の新技術の利用により、迎撃ミサイル(interceptors)の割高のコストや数量制限などの問題がまもなく緩和される可能性がある。北朝鮮のような、ならず者国家(rouge states)だけでなく、ロシアや中国に対して限定的な弾道ミサイル防衛を行うことは、モスクワや北京の核強制のドクトリンを複雑にする可能性があり、少数の核攻撃で地域紛争へのアメリカの介入(U.S. intervention)を妨害または抑止することを想定している。また、核兵器搭載の潜水艦やプーティンが開発した終末装置(doomsday-device)のような兵器など、ミサイル防衛を破るには非常に高価で斬新な核運搬手段への投資を増やすことで、ロシアと中国のコストを押し上げる可能性もある。

もちろん、軍拡競争には質的な側面と量的な側面がある。このことは、もう1つの原則、すなわち、数字だけが重要なのではないということを思い起こさせる。1980年代、アメリカが達成した重要な成果は、数的に同等な状況下でも先手を打った。米国のICBMの精度の革命的な向上は、ソ連当局に核戦力の存続を危ぶませた。今後、核兵器の増強が必要なのは明らかだが、均衡を保つには、ミサイルの精度やISR(比類のない国際的な認識を提供する情報・監視・偵察能力)などの質的優位を生かす必要がある。

しかし、抑止力(deterrence)とは心の持ちようだ。一方が相手に対して何ができるか、何をするかということにかかっている。従って、アメリカの政策立案者たちは、認識が現実と同じくらい重要であることを忘れてはならない。1980年代、米国防総省はステルス技術に関するニューズを垂れ流し、ソ連の核ミサイル潜水艦を沈める能力を喧伝し、精密誘導弾の効果を劇的に明らかにし、かつ時には誇張し、モスクワの軍事バランスに対する認識を操作する、巧妙な情報戦略を使っていた。今回、アメリカはロシアや中国に警戒心を抱かせるために、高度な新能力を誇示したり、実際には起こっていない技術的飛躍を恐れさせ、報われない領域に誘い込んだりする可能性がある。新技術は新たな可能性を生み出し、特にサイバー分野は能力の真のバランスを知ることが難しいため、欺瞞の対象となりやすい。

このことは、競争がより鋭く、より緊迫したものになることを意味している。しかし、過去から得た最後の教訓は、軍拡競争は軍備管理と一緒に行われ得るということである。軍備管理が軍拡競争を助長することもある。1970年代、アメリカはヴェトナム戦争から立ち直り、準備が整うまで、対弾道ミサイル条約を利用して防衛的な軍拡競争を遅らせた。1980年代におけるレーガン大統領の経験が示しているように、軍備管理は軍拡競争につながる可能性もある。

軍備管理はそれでもまだ良い考えだ。2021年の新START延長は軍拡競争の観点からは理にかなっている。なぜなら、経済的に優位に立つアメリカを上回るには時間がかかるとしても、モスクワは短期的に戦略核戦力を増強するのに有利な立場にあるからだ。そして、増強から削減へというのは今でも正しい方式である。中距離ミサイル(intermediate-range missiles)や戦略核戦力(strategic nuclear forces)、あるいはAIやその他の新技術の不安定な応用を制限する米中露3カ国間協定はいずれ可能になるかもしれないが、そのためにはまずアメリカが、無制限の軍拡競争は最終的にライヴァル諸国をより貧しく、より脆弱にすることを証明しなければならないだろう。

コリン・S・グレイは、『フォーリン・ポリシー』誌の1972-73年冬号で、「軍拡競争という言葉は、敵意、危険、高い税金を連想させる」と書いている。しかし、軍拡競争は、戦争での敗北や軍事的劣位から生じる影響力の漸進的喪失など、より醜い結果を回避するために必要な場合もある。また、知的な戦略によって、修正主義的な敵対勢力にアプローチを修正させ、おそらくは長期目標を再考させることができれば、軍拡競争から得られる報酬は大きなものになる。利害関係の強い軍拡競争は、今日既に繰り広げられており、アメリカはそれを形成することが強く求められている。軍拡競争は、負ければ無駄になるだけだ。

※ハル・ブランズ:ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院ヘンリー・A・キッシンジャー記念教授、アメリカン・エンタープライズ研究所上級研究員。ツイッターアカウント:@HalBrands

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 今回はアメリカの国防予算と日本の防衛予算についての記事をご紹介する。アメリカはこのところ国防予算が増加している。日本では長く対GDP比1%以内という不文律が守られてきたが、それが反故にされて、防衛予算の倍増ということも検討されているようだ。

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アメリカ国防予算の推移(上:金額、下:対GDP比) 

2020年のアメリカの実質GDPは約18兆5000億ドル、日本円にすると、約2050兆円である。日本の実質GDPは約525兆円である。アメリカの国防費の対GDP比は、約4.3%となる。日本は1%以下の状態が続く。先進諸国は2%内外となっている。G7諸国の平均は1.7%、G20諸国の平均は2.1%程度となっている。NATO加盟諸国の平均は1.6%、EU諸国の平均は1.4%程度だ。ロシアは3.9%、韓国は2.4%、中国は1.9%となっている。アメリカの国防予算は

 ドナルド・トランプ前大統領は、NATO加盟諸国の防衛費引き上げを求め、「各国が2%程度にまで引き上げねば、アメリカ軍を引き揚げさせる」と脅した。これは日本にも同じ要求がなされ、日本の防衛予算の対GDP比2%まで引き上げるように求められた。民主党のジョー・バイデンに大統領が代わっても、これはアメリカにとっての利益となるので、対GDP比2%の要求を取り下げることはない。また、5年間で1兆円を超える規模の思いやり予算(host nation’s support)という「上納金」の更なる増額もアメリカは狙っている。

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『しんぶん赤旗』から
 日本の場合、
GDPが増加することは難しくなっていく。そうなれば、対GDP比1%以内という不文律があると、防衛予算は縮小していく。日本の現在のGDPが約525兆円であるが、これでは1%で約5兆2500億円程度ということになる。それが500兆円程度となれば約5兆円となる。「マイナス成長」という奇妙な言葉(実際には縮小)の時代となれば、日本の防衛予算は減少せざるを得ない。現在の5兆円程度を守るためには対GDP比1%以内という不文律を撤廃しなければならない。

 そこに、アメリカから2%にせよという「ガイアツ」がかかった。それに渡りに船とばかりに、「2%までにしましょう」という声が自民党内から上がっている。日本のGDPがこれから減少し続けても、防衛予算は減らさないように、いやもっと増加させるように、このような措置が取られることになる。しかし、タガが一度外れると、見境のない膨張が待っている。それは歴史が証明している。

(貼り付けはじめ)

バイデンは7680億ドル規模の国防法に署名(Biden signs $768 billion defense bill

ジョーダン・ウィリアムス筆

2021年12月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/defense/587381-biden-signs-768-billion-defense-bill

バイデンは月曜日、7680億ドル規模の巨大な国防法に署名した。バイデンはこれで国防総省の予算上限と政策を設定したとホワイトハウスは発表した。

バイデンは、連邦議会が今月初めに連邦議会が急いで可決した、2022年度国防権限法(National Defense Authorization Act NDAA)に署名した。

声明の中で、バイデン大統領は、「軍人とその家族に重要な利益を提供し、司法へのアクセスを強化し、わが国の国防を支援するための重要な権限を含んでいる」と述べた。

12月上旬に連邦下院は超党派の363対70の圧倒的多数の賛成で法案を可決し、その後連邦上院も超党派の88対11の賛成で法案を可決した。

連邦下院軍事委員会委員長のアダム・スミス連邦下院議員(ワシントン州選出、民主党)は声明の中で、「この法案に盛り込まれている内容に誇りを持っている」と述べた。

連邦上院での法案通過の努力は、どの修正案が議場で投票されるかの合意に達しないなど、いくつかの難問に直面した後、7682億ドルの妥協案が提出された。

国防権限法は国防総省に7400億ドルを与えることになる。これは大統領が2022年度に要求した金額より250億ドルも多い。また、エネルギー省の防衛関連活動に278億ドル、加えて、その他の防衛関連活動に3億7800万ドルが与えられる。

国防権限法の通過は重要な一歩だが、この措置はいかなる支出も承認しないため、議会はまだ予算法案を通過させる必要がある。

今月初め、米国連邦議会は2022年2月18日までの短期継続決議を採択し、政府資金を確保した。

ロイド・オースティン国防長官は今月初め、通年の予算案ではなく、通年の継続決議を通すことは、「前例のない動きで、幅広い超党派の優先事項に、取り返しのつかないとまではいかないまでも、甚大な損害を与えるだろう」と述べた。

連邦上院歳出委員会委員長パトリック・リーヒー上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)は、通年の継続決議では国防費が国防権限法の規定より350億ドル少なくなると警告を発していた。

リーヒーは声明の中で次のように述べた。「私たちは皆、連邦上院の議場でも自宅でも、軍隊とその家族への揺るぎない支援を宣言し、強力な国防を支持すると主張する。しかし、私たちの口をついて出たお金を、私たちが支持すると言った資金を提供しない限り、その言葉は空虚なものとなってしまう」。

今回の国防権限法の関連条項の中には、ホワイトハウスが推奨する軍の基本給の2.7%の引き上げが含まれている。

今年の国防政策法案には、性的暴行など特定の犯罪を軍が起訴する方法についての大きな変更も含まれている。レイプや殺人、殺人などの犯罪については、起訴するかどうかの判断が指揮系統の外で行われることになる。

しかし、裁判の実施、陪審員の選定、証人の承認、免責の許可などは、これまで通り指揮官が権限を持つことになる。

また、今回の法案には、アメリカ軍のワクチン義務化にも重点を置いている。新型コロナウイルスワクチンを接種しないことを理由に除隊する軍人には、少なくとも名誉ある条件で一般除隊として対処するように指示している。

しかし、バイデンは声明の中で、今回の法案の中のいくつかの条項について、反対であることを指摘した。その中には、米軍グアンタナモ基地の拘留者たちを移送するための資金使用を制限する条項を排除するよう議会に求めた。

バイデンはまた、アメリカ軍のアフガニスタンからの撤退や、イランに支援された民兵がイラクや中東のアメリカ軍将兵に与える脅威に関する情報を議会と共有することを義務付ける条項にも反対した。

この措置には「重要な情報源や軍事作戦計画を明らかにしてしまう可能性がある。非常に機密性の高い機密情報が含まれる」とバイデンは述べた。

=====

しんぶん赤旗

20211023()

自民党選挙政策

●「軍事費GDP比2%超→総額11兆円超の大軍拡」

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-10-23/2021102305_01_0.html

 自民党は総選挙向けの政策集(9日公表)に、軍事費をGDP(国内総生産)比2%以上を念頭に増額を目指すと明記しました。歴代政権が軍事費の目安としてきた「GDP比1%枠」の倍増を目指すもので、これが実行されれば、日本は米中に次ぐ世界有数の軍事大国に変容します。

 2021年度当初予算の軍事費は5兆3422億円で、GDP比0・96%でした。仮に21年度の軍事費をGDP比2%まで増額すると11兆1900億円に膨張し、国債費を除く政策経費(約82兆8500億円)の8分の1を軍事費が占める大軍拡となります。この増額分の軍事費は、文教・科学関係予算(5兆3969億円)を大きく上回ります。この公約が実行されれば、コロナ禍で経済的な苦境に立つ国民の暮らしをさらに破壊するのは明らかです。

■米国の要求

 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が実施している世界の軍事費に関する調査では、20年の日本の軍事費は世界9位でした。仮に軍事費をGDP比2%に増額すれば、日本は米国、中国に次ぐ世界3位の軍事大国となります。

 「軍事費GDP比2%超」は、元をたどれば米国の要求です。トランプ前政権は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に「米軍撤退」の脅しでGDP比2%の軍事費拠出を要求。米国に“見捨てられない”ため、日本も2%に踏み切るべきだという声が自民党内から上がっていました。

■破滅への道

 自民党は、桁違いに増やした軍事費で、F35戦闘機など米国製武器の爆買いを継続。さらに敵基地攻撃能力など専守防衛を逸脱した違憲の攻撃的兵器や、極超音速兵器、無人兵器など最先端技術の導入を狙っています。

 自民党は中国の軍備増強を念頭に軍拡を狙っていますが、倍増しても中国の軍事力に追いつきません。そもそも「軍事対軍事」の道を歩めば、その先には破滅しかありません。

 「安全保障=軍事力」という短絡的な発想から抜け出すことが不可欠です。日本共産党は、軍拡競争の悪循環から転換し、国連憲章と国際法に基づき、北東アジアに平和の地域協力の枠組みをつくるよう訴えています。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 11月下旬となるとスポーツの話題としてプロ野球選手の契約更改が良く取り上げられる。ストーブリーグとも呼ばれ、活躍した選手は大幅アップ、そうでもなかった選手は減俸となり、中には減俸額を抑えようと何度も交渉をするような選手も出てくる。プロ野球選手が活躍すれば年俸は大幅アップとなる。新聞紙上には倍増だ、3倍だ、4倍だ、という言葉が躍るし、昔イチロー選手が彗星のように登場した時には10倍ということもあった。何とも景気が良い話だ。

 アメリカのトランプ政権が日本政府に対して、日本に駐留する米軍に対する費用(host nation’s support、ホスト・ネイションズ・サポートと言う)を4倍にしろ、現在の約2200億円(年間)を約8800億円にしろと要求しているという報道が出た。プロ野球選手の年俸ではあるまいし、国家予算に関わることで気軽に4倍などという数字を言い出すトランプ政権には驚くばかりだ。

 もっともこれはトランプ流の交渉術なのだろう。高く吹っ掛けておいてそれから金額を下げていく。2倍で合意できれば御の字というところだろう。それ以上で合意できれば儲けもの、4倍を日本側が呑んだら、「あいつらはバカだ」と言って大喜びだろう(トランプは酒もたばこもやらないのでシャンパンで乾杯、とはいかないだろうが)。

 ちなみにホスト・ネイションズ・サポートを「受け入れ国からの支援」ではなく、「思いやり予算」と訳したのは金丸信だ。金丸は、ワーテルローの戦いでナポレオンを破った、初代ウェリントン公爵アーサー・ウェルズリーの言葉「偉大なる将軍はただ良いだけではなく、兵士の靴のことまで思いやるものだ」から思いやり予算という言葉を思いついたという話が残っている。日本はウェリントン公爵の立場ではなく、思いやられる方の兵士の立場だと思うが、それを目くらましするための金丸流の言葉遊びと実態隠しの表現が「思いやり予算」だ。実態は米軍が贅沢するためのショバ代、カツアゲ代である。

 日本の防衛予算は対GDP比1%以内を堅持してきた。大体5兆円以内に収まってきたが、第二次安倍政権下では大幅な伸びを示し、5兆円を突破している。GDPが伸びれば防衛予算も伸びるのだが、これから縮小し続ける日本ではGDPも減っていくので、1%以内という数字を堅持すると、防衛予算も減っていかざるを得ない。防衛予算を維持もしくは増加させるには対GDP1%を突破しなければならない。トランプ政権としては日本には、ヨーロッパ先進諸国並みの2%から3%の間にまで増額させたいと考えている。そうなると、アジアの周辺諸国やロシアは日本を警戒するようになる。

 日本の防衛予算と思いやり予算を増額させて、アメリカの軍事産業からの買い付けを増加させて、日本の対米貿易黒字を減らしたいというのがアメリカ政府、そしてトランプ政権の考えだ。日本は防衛装備の9割以上をアメリカら購入している大口の大得意客だ。防衛予算が増額され、思いやり予算が増額となれば、アメリカに貢ぐ金は軽く防衛装備購入と思いやり予算で軽く1兆円を超える規模になるだろう。アメリカ軍にしてみれば死んでも手放したくない夢の国、打ち出の小槌、日本となる。アメリカ軍が外国に駐留して経費の一部でも負担してもらえれば(負担させてやれば)、米軍がアメリカ国内にとどまるよりも安上がりということにもなるようだ。自分の国で養えない軍隊を外国の金で維持するというのは何とも本末転倒であり、ローマ帝国の衰亡でも分かるように、亡国の第一歩と言わざるを得ない。

 韓国も日本と同じく駐留米軍に思いやり予算を支出している。トランプ政権は韓国に対して思いやり予算の5倍増を要求している。米韓は毎年思いやり予算などについて話し合いを持つが、来年度分に関しては交渉が決裂したという報道が出た。韓国政府は何と立派な態度であろうか。米韓同盟は朝鮮戦争で共に共産主義と戦ったということで、対等とまではいかないが、完全に従属的な日米安保体制とは異なるものだ。だから韓国側は言うべきことは言う、という態度に出ることができる。日本側には不可能な態度の取り方だ。

 また、韓国は中国との関係を良好に保つことで、北朝鮮との関係をうまくマネイジメントしている。韓国にとっては北朝鮮に攻撃されないということが重要であるが、その目的のために中国とアメリカをうまく利用している。韓国の経済力は世界トップ10に入るほどのものであり、韓国が北朝鮮から攻撃を受けて経済がダメージを受ければ困るのは米中であり、ロシアということになり、北朝鮮にとっては中露から頭を押さえつけられている格好になる。

 日本は大変守りにくい国だ。昔は海に囲まれており、それが天然の要害ということになったが、戦艦の時代、航空機の時代、ミサイルの時代となっていき、防衛しにくい国になった。防衛予算をいくら増額しても完璧に守り切るということは難しい。それであれば米中韓露の間をうまくマネイジメントして物理的な防衛力に頼らない、経済力と外交力を混合した形で国を守る方策を採らねばならない。

 しかし、にほんがやっていること、やらされていることはアメリカ軍の下請けとなるということだ。アメリカから武器を買わされ、アメリカで訓練を受け、アメリカ軍と共同の司令部を持つ(実態はアメリカ軍の指揮の下に入る)というのは、アメリカ小久保総省が進めるinteroperability(相互運用性)を高めるということであり、2015年の安保法制で自衛隊は世界各地に進出できるようになったことで、アメリカ軍と共に戦うことになる。完全にアメリカ一択の、アメリカの完全な従属国になるという安倍政権の選択は、しかし世界の情勢を見れば何とも馬鹿げた選択だ。リスクヘッジという考え方がゼロなのだ。アメリカと一緒に沈んでいくことを選んでいる。アメリカが沈んでいきつつある証拠は、駐留米軍にかかる経費負担に耐えることができずに、同盟諸国に支払うように求めている態度でも明らかだ。昔は景気が良かったお金持ちが凋落して金をせびって回っているようなものだ。

「沈む船から逃げ出すネズミ」という言葉には肯定的、否定的両方の評価があるが、国際社会で生き抜いていくためには道徳的にはどうであろうと常に逃げ出す準備をしておかねばならない。その準備さえしていないとなると、ネズミ以下の存在ということになる。

(貼り付けはじめ)

トランプ大統領がアメリカ駐屯米軍将兵のための支払いを4倍に増額するように要求(Trump Asks Tokyo to Quadruple Payments for U.S. Troops in Japan

―この動きはトランプ政権のアジア地域の同盟諸国に対して防衛に関して更に予算を割くようにさせようという動きの一環である。韓国に対しても更に支払いをするように求める

ララ・セリグマン、ロビー・グラマー筆

2019年11月15日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2019/11/15/trump-asks-tokyo-quadruple-payments-us-troops-japan/

アメリカ政府は北朝鮮政府との非核化交渉を刷新しようとしている中で、ドナルド・トランプ大統領は、北東アジア地域の安定に関して依存してきた長年の同盟国日本政府に対して、日本に駐屯するアメリカ軍にかかるコストを補填するために予算を劇的に増額するように要求している。

トランプ政権は日本政府に対して日本に駐屯する5万人以上の米軍将兵の駐屯にかかるコストを相殺するためにこれまでの4倍を支払うように要求している。この問題について詳しい現役と元のアメリカ政府高官たちは本紙の取材に対して一様に語った。最近まで国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたジョン・ボルトンとこちらも最近まで国家安全保障会議アジア担当部長を務めたマット・ポッティンガーが7月の北東アジア訪問時に日本政府高官たちに予算の4倍増額を要求したとアメリカ政府高官たちは述べている。

アメリカ政府がアメリカ軍の駐屯の継続のためにさらに予算を増額するようにアメリカ政府が求めているのは日本だけではない。他のアジア地域の同盟国にも増額を求めている。アメリカ政府高官たちは、7月の訪問の際に、ボルトンとポッティンガーが同様の要求を韓国に対しても行ったことを認めた。韓国には2万8500名の米軍将兵が駐屯しているが、両者は韓国政府に対して予算の5倍増額を求めた。CNNとロイター通信は以前にもトランプ大統領が韓国政府に対して更なる貢献、予算提供を求めたと報じた。

アジア諸国に対して北東アジア地域の米軍の存在を継続するために必要な予算を出すようにトランプ政権が圧力をかけているが、これはアメリカとアジア地域の同盟諸国との間の緊張を高め、中国や北朝鮮のようなライヴァル陣営にアジア諸国を走らせることになると専門家の中には懸念を表明している人たちもいる。

シンクタンクのヘリテージ財団研究員でCIAの分析官を務めた経験を持つブルース・クリングナーは次のように述べている。「このようなアメリカ政府からの要求は金額が過大過ぎるだけではなく、要求の方法のせいもあり、反米主義を引き起こす可能性が高い。もし同盟関係が弱体化し、抑止力と在留米軍の削減ということになったら、北朝鮮、中国、ロシアにとっての利益となる。これらの国々はこうした状況をアメリカの影響力とアメリカらの同盟諸国への支援の減少につながると考える」。

ある現役の政府高官は更に明確に述べている。「アメリカからの過大な要求は同盟関係の価値を全く分かっていないことが原因であり、ロシアと中国とのいわゆる大国間競争にアメリカが集中するためにこれまでのやり方を変更するというトランプ政権の戦略にとって逆効果になる」。

アメリカ政府が日本政府と韓国政府に圧力をかけているというニュースは、トランプ政権が進めている、同盟諸国に対して圧力をかけて防衛のために更なる予算を支出させる動きの一環である。トランプ大統領は長年にわたりヨーロッパ地域の同盟諸国に対して軍事予算を十分に支出していないとして批判してきた。トランプ大統領の努力は実を結びつつある。来年末までにNATO加盟のヨーロッパ諸国とカナダは2016年に比べて1000億ドル以上も軍事予算を増額することになっている。

現在、トランプ大統領は中国の軍事力増強と北朝鮮からの脅威の中での太平洋地域の情勢に関心を向けていると考えられる。日本と韓国は数万名規模の米軍将兵の駐屯にかかるコストのために数億ドル規模の予算を支出している。両国はそれぞれアメリカとの二国間の特別措置協定に基づいて支出をしている。これらの協定はこれまで5年おきに交渉がもたれ内容が決定されてきた。

アジア太平洋政策担当国防次官補ランドール・シュライヴァーはマーク・エスパー国防長官のアジア地域訪問に先立つ今週、「トランプ大統領が世界各地で強調してきたように、同盟諸国はさらなる負担を進んで負わねばならない。これは韓国にだけ限ったことではない」と発言した。

2021年3月に期限を迎える現在の日本との特別措置協定の下では、日本政府は54000名の米軍将兵の駐屯にかかるコストを相殺するために約20億ドルを支出している。日本駐屯の米軍将兵の約半数は沖縄にある米空軍基地に駐屯している。3名の国防総省高官経験者たちは、期限を迎える前に、トランプ大統領は予算の増額、300%増額となるおよそ80億ドルの支出を要求していると認めた。

トランプ大統領は韓国政府に対しても同様の予算増額を求めている。しかし、韓国政府との交渉期限は日本政府とよりも早くやってくる。昨年、韓国との5年の特別措置協定が期限を迎えた際に、トランプ大統領は韓国政府に対して50%の増額を求めた。これまでの特別措置協定に基づき、韓国政府は駐留する2万8500人にかかる経費を相殺するために年間約10億ドルを支出している。その後の拡大交渉で、米韓両政府は、韓国側が前年よりも8%増額した額を支出するが、毎年支出額について交渉するということで合意に達した。

元国防総省関係者の1人は、今年中に韓国との協定が期限を迎えることになるが、トランプ大統領は約50億ドルの予算増額を求めており、これは400%増額となることを認めた。

あるトランプ政権幹部は「トランプ大統領は日本や韓国を含む世界中の同盟諸国が更に貢献することができるし、そうすべきだということを明確に期待している」と述べている。

トランプ政権の高官は続けて次のように述べている。「日韓以外の同盟諸国も近い将来に両国に対するのと同じ要求に直面する可能性が高い。

この幹部は「韓国に対する要求は同盟諸国に対するアメリカの要求に関する新たな型板の第一歩ということになる。最初に韓国に適用され、次に日本、そしてアメリカ軍が駐留するほかの同盟諸国に適用されるだろう」と述べている。

日本政府は軍事協定に関する交渉のために韓国政府よりも多くの時間を持つ。そのため日本政府は韓国政府の動向を注視している。アメリカ政府と韓国政府との間の合意の形が、日本政府とアメリカ政府との交渉の形のひな型となると日本政府は考えているだろう。国防総省の元高官は「日本政府は韓国政府よりも少しは有利な立場に立っている。日本政府は“韓国さん、お先にどうぞ。私はあなたと同じ合意を結ぶようにしますからね”と言うだろう」と語っている。

今年9月の貿易協定の合意文書に署名する中で、日本側は影響力を失うことになった。トランプ大統領と日本の安倍晋三首相が9月25日に署名した合意文書で、日本政府はアメリカ産農産物への関税を引き下げることに合意した。

アメリカ政府が同盟諸国に対して防衛支出の増額を要求し続けている中、日本政府は「負担の分担について創造的な考え」をしようとしている。元国防総省高官によると、その具体例としては、日本にある米軍基地内の新しい施設への予算支出や新たにアメリカの地上配備ミサイルを国内に受け入れるといったことになる。

専門家や元政府高官が指摘しているように、次期特別措置協定に関するアメリカ側との予備交渉において、日本側は防衛予算の大幅増額を強調している。日本政府高官たちは、高額なアメリカ製の軍事装備を購入する決定を下したと述べている。その中にはF-35戦闘機やV-22オスプレイ、ティルトローターが含まれている。また、沖縄の米軍基地再編についてスピードアップを図るために更なる予算支出も決めたとも述べている。

元アメリカ政府高官たちは、日本からの米軍撤退は長期的に見てアメリカにとって大きな財政負担を強いることになると指摘している。もちろん特別措置協定に合意がなされなくてもすぐに米軍撤退ということにはならない。

元外交官で現在は日米関係を専門とする非営利組織の笹川平和財団の非常勤研究員を務めるジェイムズ・ズムワルトは次のように述べている。「アメリカ政府が米軍を日本から撤退させ、アメリカ本国に帰還させたならば、アメリカ国民は更なる税金負担を追うことになるだろう。現在、日本政府は米軍基地勤務の軍属2万40000人の給料と米軍将兵家族の光熱費などを支出しているが、それをアメリカ政府が支払わねばならなくなる」。

日本政府と韓国政府は北東アジア地域におけるアメリカ軍の軍事プロジェクトに多額の予算を支出している。連邦議会調査部の2018年の報告書によると、日本政府は第二次世界大戦後におけるアメリカ軍の海外基地建設に関し、最大規模となる3つの基地建設のコストの50%以上を支払っている。それらは、沖縄の普天間基地の代替基地(辺野古、日本政府は121億ドルの経費の100%を支出)、岩国の海兵隊航空基地(日本政府は48億ドルの経費の94%にあたる45億ドルを支出)、グアムの沖縄から4800人の海兵隊員が移動するための施設(日本政府は経費の36%にあたる31億ドルを支出)だ。

韓国政府はハンフリーズ基地の増設費用の93%にあたる100億ドルを支出する。

日本政府も防衛装備の90%以上をアメリカ企業から購入する。連邦議会調査部の資料によると、日本政府はロッキード・マーティン社のF-35戦闘機とボーイング社のKC-46タンカーを購入する。

国防総省元高官は「これは日韓両政府にとって計算の合わない、過大な支出ということにはならない」と述べた。

同盟諸国から駐留米軍のコストを相殺するために更なる予算を分捕ろうというトランプ政権の計画に沿った動きは今回が初めてのことではない。今年3月、トランプ政権は同盟諸国に対して駐留米軍の経費全額を支出することを望んでいるという報道が出て、その後は更に50%をプラスした支出を望んでいるという報道が出た。当時の国防長官代理パトリック・シャナハンは連邦議員たちに対して、トランプ政権は「コスト・プラス・50」計画を進めることはなく、こうした報道は誤ったものだと述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 いよいよ2016年も最後の週に入ります。今年はイギリスで国民投票が行われ、イギリスのEUからの離脱が過半数の支持を得ました。また、アメリカではドナルド・トランプが大統領選挙で勝利を収めました。

 

 ドナルド・トランプが大統領になることで、世界はどうなるかということがやかましく言われています。「どうなるか」というのは受け身です。「どうするか」ということが重要だと思いますが、日本はどうしても主体的に動けるアクターではなく、どうしてもアメリカの意向や状況から影響を受けてしまいますから、「どうなるか」という思考になります。

 

 以下の記事は、日本の防衛予算が5年連続で増加していること、そして、日本版国家安全保障会議(NSC)が自衛隊の活動範囲を増大させることを決めたということを紹介しています。そして、日本のこうした動きは、トランプ政権誕生に合わせたものだと分析しています。もっとも防衛予算の今年の増加はトランプ政権誕生と関連があるかもしれませんが、5年連続増加というのは、トランプ政権誕生とは関係ありません。

 

 今回のトランプ政権誕生をどのように「利用」するか(「どうするか」)では、2つの考えがあるようです。トランプは同盟諸国がアメリカに対して十分なことをしていないとし、日米同盟見直し、在日米軍撤退論までぶち上げています。これに対して、「それならば彼の主張を利用して、これまでの日米同盟を見直して、在日米軍を縮小してもらいましょう」というものと、「日米同盟見直しは大変だ、日本はもっとお金と実際の行動でアメリカにもっと貢献しないといけない」というものの2つの考えが出ています。

 

 日本の予算決定の過程を考えると、トランプが大統領選挙に当選したから、あわてて防衛予算を増額したということは考えられません。今回の国防予算の増加はヒラリーが当選しようが、トランプが当選しようが、決まっていたことです。そして、日本政府はヒラリー当選を予想していたようですから、この場合には、「アメリカが人道的介入をする場合にその手助けができるように、また、中国に対する牽制」ということが理由としてアメリカ側に説明されて、「愛い奴じゃ」ということになったでしょう。

 

 トランプ政権が誕生しても、安倍政権は続けて国防予算の増額を続けるでしょう。「日本はきちんとお金と人員を出して、アメリカに貢献しますし、アメリカから武器を購入することでアメリカ国内の軍需産業にも貢献します」ということをお題目にするでしょう。トランプ大統領が日米同盟見直しということを言っているのなら、更に貢いで満足してもらわねばならない、ということを理由にするでしょう。そこには、「日米同盟見直しということなら、日本の負担を減らすための動きができるはずだ」という思考は全くありません。

 

 このような単純極まりない、危険なリーダーを抱えて、私たちは年を越して新しい年を迎えねばなりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

国防費の歴史的な上昇によって、日本は更に平和主義から遠のく(With Historic Defense Spending Boost, Japan Turns Further Away from Pacifism

 

ロビー・グラマー筆

2016年12月22日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2016/12/22/with-historic-defense-spending-boost-japan-turns-further-away-from-pacifism-tensions-south-china-sea-senkaku-islands-dispute/

 

木曜日、日本の内閣は5年連続で国防予算の増額を認めた。日本は中国との緊張関係を高め、また、近隣には好戦的な北朝鮮が存在する。こうした状況の中で国防予算を増加させ続けている。同時に、日本の国家安全保障会議(NSC)は平和時に同盟諸国を防衛するために自衛隊(SDF)の能力の範囲を拡大させるという決定を下した。現状を考えると、これらの動きは、第二次世界大戦以降の70年間の軍事上の平和主義から日本が遠のくことを強く打ち出す動きということになる。

 

国防予算の総計は5兆円超、約440億ドルとなり、国防費の増大分は、新しい潜水艦の導入、アメリカからF-35の6機購入、ミサイル防衛システムの改良などに割り当てられることになった。この国防予算が決定されたのは、安倍晋三首相が尖閣諸島における日本の沿岸警備隊(海上保安庁)の存在を強化すると発言した次の日のことであった。尖閣諸島は中国もまた領有を主張している地域である。

 

2012年の就任以来、安倍首相は自衛隊の能力と活動範囲の拡大に努力してきた。彼の努力は文化的に平和井主義を堅持してきた日本国内での政治的な戦いを激化させている。

 

日本は第二次世界大戦終結以降、正式な軍隊を保持していない。1947年にアメリカの占領下で作られた日本国憲法は、日本は「国の主権としての戦争を永久に放棄」し、「陸海空の軍隊や戦力を保持」しないと宣言した。

 

軍隊に代わり、日本は自衛隊を保持している。これは他国における軍隊と同じ存在だ。しかし、いつ、どこで、どのように実力を行使するかについては厳格な規則が定められている。しかし、第二次世界大戦が歴史上の記録となるほど遠ざかり、近隣諸国との地政学的な緊張が高まる中で、安倍首相率いる日本政府は、2015年に半軍隊的存在である自衛隊の地位を再解釈するための法律を国会で通過させた。この法律では、アメリカやその他の軍事同盟を結んでいる同盟諸国が攻撃を受けた場合に自衛隊がそれを援助することが可能となった。

 

そして、木曜日、自衛隊は活動範囲を広げることになった。日本の国家安全保障会議は、平和が保たれている時であっても、自衛隊がアメリカの海軍部隊を防衛することを可能とする新たなガイドラインを認めた、と朝日新聞は報じている。

 

この発表の後に行われた記者会見で稲田朋美防衛大臣は「日米同盟の抑止力は更に強化されるだろうし、日本の平和と安全は更に確実なものとなるだろう」と語った。

 

日本は、最大の同盟国であるアメリカと中国との間の外交的な十字砲火の真っただ中に置かれる可能性がある。特にドナルド・トランプ次期大統領が正式に大統領に就任した後はそうなる可能性が高い。トランプは台湾と貿易問題について早速中国と外交的な鞘当てを開始した。これは結果的にアジア太平洋地域における緊張を高めることになる。

 

日本政府が自衛隊に更なる能力を与える決定をしたことはトランプ次期政権の要求を満たすことを意味している可能性がある。トランプは選挙期間中に、アメリカの同盟諸国は自国の防衛について十分なことをやっておらず、アメリカによる防衛に対して更にお金を支払うべきだと主張した。専門家の中には、トランプのこうした発言を受けて、日本がトランプ大統領の下でのアメリカとの関係について懸念を持っていると指摘している人々もいる。

 

テンプル大学教授ジェフ・キングストンは、11月に安倍首相とトランプの初会談が行われた後にCNBCに出演して次のように語った。「アジア地域に住む人々の多くは、アメリカが頼りにならない同盟国だと考えている。トランプはこのような認識をさらに強めることになるだろう。トランプは更にアジア地域における外交に多くの不確実要素を導入してしまうだろう。アジア地域は多くの緊張を抱えている。だから、安倍首相はニューヨークに行き、トランプとの連帯を示したのだと思う」。

 

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アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22





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