古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 最近、『タイム』誌が統一教会についての長い記事を発表した。統一教会が日本政界、特に自民党に深く浸透していたことを紹介しているが、後半は、統一教会内部の分裂や、アメリカ政界への浸透を紹介する内容になっている。安倍晋三元首相殺害から、日本では統一教会の政治からの排除まで進んだ。日本での霊感商法や莫大な献金が統一教会の主要な資金源であったことから、日本での活動が縮小することは統一教会にとっては痛手となるだろう。しかし、自民党が本当に統一教会と決別するのか、日本政界が統一教会の新党を排除し、浄化されるのかは不明だ。それほどに根深い問題である。
 今回、タイムが掲載した記事は、統一教会がアメリカ政界に浸透しているという内容だ。そして、「指桑罵槐(しそうばかい)」(ある人物を非難しているようで、実際には遠回しに別の人物を非難する手法)で、ドナルド・トランプ前大統領を非難している内容だ。ドナルド・トランプと統一教会が深い関係にあることをところどころに書いている。

 今回の記事について足りないと感じているのは、日本政界への浸透ぶりと、岸信介・安倍晋太郎・安倍晋三と続く血脈が、協力関係にあったアメリカのCIAと統一教会と深くかかわり、日本人と日本のお金をこれらに貢ぐことに貢献したということが書かれていないことだ。

 非常に長い論稿であるので、冒頭の紹介はこれくらいにして、中身を読んでいただきたい。この記事にもヴェクトルがかかっているので、トランプ批判のために書かれたということに注意しながらこのような統一教会と長年にわたりずぶずぶの協力関係にあった自民党は許しがたい存在であることだけはよく分かると思う。

(貼り付けはじめ)

統一教会は日本政府に浸透した。現在、その標的はアメリカに向けられている(The Unification Church Infiltrated Japan’s Government. Now Its Sights Are Set on the U.S.

チャーリー・キャンベル(東京発)筆

2024年4月4日

『タイム』誌

https://time.com/6961050/unification-church-ffwp-moonies-us-election/

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ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで演説する際に劇的な動きをする文鮮明(Sun Myung Moon)牧師。牧師の首席補佐役である朴普煕(Bo Hi Park)大佐(右)が韓国語から英語に翻訳している。

日本の西側にある奈良市の空は曇っていた。午前11時29分、安倍晋三首相にマイクが手渡された。紺のジャケットにパリッとした白いシャツを着た安倍元首相が、大和西大寺駅の小さな赤い台の上に立つと、集まった聴衆から割れんばかりの拍手が起こった。15メートルほど離れたところに山上徹也が立っていた。フェイスマスクを鼻の穴の下に下げ、両手を腰に当て、演説には全く無関心な様子だった。安倍元首相が地元選出の自民党議員を応援する演説を始めると、山上は演説場所から遠ざかり、数秒後に安倍の側近たちの真後ろに再び姿を現した。安倍がマイクを手にしてから2分25秒後、銃声が鳴り響き、現場は濃い白煙に包まれた。安倍は混乱した様子で、周囲を見回した。その3秒後、もう1発の銃声が安倍の首と胸を捉えた。安倍は倒れた。山上は警備員にタックルされ、逮捕された。路上から手製の銃器が回収された。

2022年7月8日の事件は、衝撃的であると同時に、間違いなく事実である。安倍はドクターヘリで奈良県立医科大学附属病院に搬送されたが、そこで死亡が確認された。山上被告(当時41歳)は殺人容疑で起訴され、今年末の裁判を控えている。山上は、安倍元首相が物議をかもしている統一教会(Unification Church)を支持していたことが殺害の動機だと主張している。統一教会は、山上の母親を説得して、1億円(67万ドル)以上を教団に献金させ、山上一家を破産と困窮に追い込んだ。釜山長神大学校教授で統一教会の専門家であるタルク・ジイルは、「ある意味、この青年は加害者ではなく被害者だ」と述べている。

安倍元首相が暗殺されてから数カ月後、内部調査によって自民党所属議員の約半数が統一教会と関係があることが明らかになり、日本政府の最高首脳部から辞任が続出した。しかし、「ムーニー(Moonies)」と呼ばれ、合同結婚式(mass weddings)や熱狂的な反共(anticommunist fervor)で知られる宗教的好奇心が、なぜこのような殺人的怒りを引き起こしたのだろうか? そして、当時世界第3位の経済大国であった日本の統治エリートたちに中に、粛清(purge)が必要なほど深く入り込んだのはなぜなのか?

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日本の奈良県で行っていた選挙運動の間に銃撃された後に地面に横たわる安倍元首相。2022年7月8日。

統一教会の真実は、1件の暗殺事件や日本よりもはるかに深い。統一教会はあらゆる大陸に広がる政財界の網の目のような存在であり、約200万人の会員(この数字には反対意見も多い)と10億ドル以上の資産を擁していると見られている。教団は、『ワシントン・タイムズ』紙、UPI通信、マンハッタンにあるニューヨーカー・ホテル、バレエ団、そしてアメリカの寿司業界に鮮魚を供給する最大手のトゥルー・ワールド・フーズ(True World Foods)を所有している。アメリカの諜報機関の報告によれば、第三世界のクーデターに資金援助をしている。共和党や民主党の有力者たちを招待して、保守的な大義を推進するイヴェントを開催している。リチャード・ニクソン、ロナルド・レーガン、ドナルド・トランプを含む歴代アメリカ大統領は、教団について熱心な支持を表明してきた。

統一教会は1954年に文鮮明牧師によって設立された。彼は、神の王国(God’s Kingdom)を地上に樹立し、世界平和をもたらすという任務を完遂するために、イエスから第二のメシア(second messiah)として託されたと主張した。文鮮明の神学(theology)は、エデンの園でアダムと寝る前にエヴァがサタンに誘惑されたという考え方に基づいている。信者は、文鮮明の選んだ配偶者と結婚し、塩をたっぷりまぶした部屋で文鮮明の肖像画の下で、あらかじめ決められたさまざまな体位でセックスするなどの一連の儀式を行うことで、この「原罪(original sin)」の血統を清めることができる。

このような特殊性は、神聖なふりをした、1人の指導者に焦点を当て、資金を積極的に収奪することに加えて、統一教会はカルトであるという非難を増大させてきた。文鮮明は自らを「完璧なアダム(perfect Adam)」、韓国を「アダム国家(Adam nation)」とし、「天使長(archangel)」国家アメリカの支援を得て、人類が発作前の純粋さを取り戻す手助けをするだろうと主唱した。一方、日本は、1910年から1945年の朝鮮半島植民地支配中に犯した罪の償いを求められる「イヴ国家(Eve nation)」に指定された。数多くの日本の元教会員の代理人を務める弁護士の山口隆は次のように述べている。「彼らは、日本人全ての資産は韓国に返還されるべきだと信じている。それが救いへ向かう道だ、と」。

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2022年8月10日、東京の首相公邸での写真撮影から退場する岸田文雄首相に頭を下げる閣僚たち。支持率の低迷を受け、岸田首相はこの日、政権から統一教会とのつながりを排除するために内閣を改造した。

しかし今日、統一教会は自らを苦境から救おうと奮闘している。 HBOのヒット作「サクセッション」の中に描かれたような、内紛(infighting)、悲劇(tragedy)、反社会的組織の陰謀が充満している。統一教会の資産が増加するにつれて、その資産をめぐる争いはより激しく、憎むべきものになった。文鮮明の末子ショーン(文亨進、SeanMoon Hyung-jin)は、タイム誌とのインタヴューで、安倍殺害の責任は、2012年の文鮮明の死後、統一教会の実権を奪った別居中の母親である韓鶴子(Hak Ja Han)にあると断言した。ショーンは、「これは、主である神と再来したイエスを裏切ってきた組織に対する裁きの鉄槌だ」と語っている。ショーンはペンシルヴァニア州の田舎に、分派の教会であるサンクチュアリ教会を設立した。ショーンは銃を携帯し、銃を前面に押し出している。1月6日には国会議事堂の外で親トランプ暴徒の中で催涙ガスを浴びた。ショーンは「盲目的なそして異端的な方向性がその組織(統一教会)に呪いをもたらした」と述べている。

確かに、安倍元首相の死は、統一教会にとって存在を揺るがす深刻な問題である。日本政府は10月13日、統一教会から宗教法人としての地位を剥奪するように裁判所に訴えた。宗教穂人の資格はく奪により、法人税と固定資産税が免除されなくなる。統一教会の世界的な資金源の70%は日本だと推定され、積極的な献金勧誘に加え、先祖の霊を「鎮める(appease)」とされる高値の「霊感(psychic)」人参茶や大理石の壺を販売している。全国霊感商法対策弁護団(Japan’s National Network of Lawyers Against Spiritual Sales)が実施した調査によると、1987年から2021年までに、全国の弁護士会や消費者センターに報告された統一教会の募金に関する被害件数は3万4537件に達し、被害総額は8億5000万ドルを超えている。カルト研究家のサラ・ハイタワーは「彼らは基本的に日本をATMとして利用している」と述べた。

その資金源が脅かされている今、統一教会は、積極的な資金調達戦術が憲法修正第1条によって守られている、アメリカに重点を移している。10月、ハク・ジャハンは4年ぶりにアメリカに戻り、ラスヴェガスで「真のお母様の心を理解する(understand True Mother's heart)」ための「特別ワークショップ(special workshop)」を開催した。17歳から40歳を対象としたこのイヴェントは、日本からの収入減を補うために寄付を増やす必要性に支配されていた。タイム誌が入手したリークされた電子メールには、「真のお母様に私たちがどれほど感謝しているかを伝えるために」、イリノイ州シャンバーグにある住所に100ドル札を送るようアメリカの信者たちに指示し、「文書に現金という文字を書かないように」と更に指示していた。

統一教会のアメリカ支部である世界平和統一家庭連合(Family Federation for World Peace and Unification InternationalFFWPUI)の会長、デミアン・ダンクリー牧師が主催した9月26日のZoom会議の映像がリークされた。この中では、同団体が直面している様々な危機について説明し、日本からの減少分を補うためにアメリカ人会員からの献金を3倍にするよう牧師たちに促した。「最も高い献金者から始め、徐々に下げていこう」とダンクリー牧師は述べた。今後の「主要な目的」は、「会員数の増加」と「財政的な成長」だと彼は言った。ダンクリー牧師は「もし、ネパールの食べるのに苦労している家族が、自分たちの子供たちを食べさせることができるかどうかも分からないのに、年に一度、真のお母様に真の愛の献金をすることができるのであれば、アメリカの家族にも同じことができるはずだ」と述べた。

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2020年2月7日、韓国・加平の清心平和国際センターで行われた世界平和統一家庭連合の祝福式で、新婚カップルたちの中に立つ統一教会創始者である故文鮮明の妻、韓鶴子。

会議の中でダンクリーは、「日本の人口の90%が統一教会解散に賛成している」ことを認め、友好的な「首相周辺の国会議員たち(parliamentarians around the prime minister)」(彼はこれを「私たちの仲間(our people)」と表現している)は、「おそらくこれを逃れる方法はないだろう」と述べていると語った。日本におけるこのような逆風を考慮すると、アメリカの牧師たちは「若者」の勧誘に力を入れるべきであり、また「お母様に会うように言われた億万長者や大富豪たち」を参加させれば、これらの問題を迅速に解決できるとダンクリーは指示した。

統一教会の中で育ち、現在は回復した元会員たちを助けるために「フォーリング・アウト」というポッドキャストを主催しているエルゲン・ストレイトにとって、このメッセージは非常に明確だ。そして、秋には接戦が予想される大統領選挙が近づいており、統一教会の政治的、財政的な力は、統一教会のアジェンダに最も適した人物たちに握られている。

統一教会は長い間、定義づけを拒んできた。統一教会は、1960年代から1970年代にかけて西側諸国を席巻したハレ・クリシュナ(Hare Krishna)や超越瞑想(Transcendental Meditation)などの新宗教運動の津波の一部ではあるが、その持続性と影響力の両方において際立っている。それでも今のところ、ISISやマンソン・ファミリー、ジム・ジョーンズの人民寺院(People’s Temple)のような殺人志向は見受けられない。統一教会の信者の多くは、何十年もの間、統一教会を出たり入ったりしている。統一教会が与えるいかなる害も、より陰にこもったものだ。

1920年、現在の北朝鮮北西部に生まれた文鮮明は、残忍な日本統治時代に藁葺き小屋で育った。10歳の時、彼の家族はキリスト教に改宗し、16歳の時、彼はイエス・キリストの訪問を受けたと主張した。1945年に連合軍が朝鮮半島を解放した後、彼はソ連が支配する平壌に移り住んだが、3年後に逮捕され、共産主義者が運営する収容所で5年間を過ごした。

朝鮮戦争勃発後、文鮮明は国境を越えて逃亡し、韓国の釜山に定住し、一間の掘っ立て小屋に住んでいた。彼は、キリスト教(Christianity)、儒教(Confucianism)、シャーマニズム(shamanism)、反共産主義の辛辣さ(anti-communist vitriol)を混ぜ合わせた神学的信条を土壁に走り書きし始めた。1950年代には、文鮮明の献身的な信奉者の一団が成長し、文鮮明が教会関連の財団や企業を多数設立するのを支援した。1960年、文鮮明は40歳のときに、当時まだ17歳だった2番目の妻、料理人の娘、韓鶴子と結婚した。文鮮明はまた、1963年に複合企業「統一グループ(Tongil Group)」を設立し(「統一(Tongli)」とは韓国語で「統一」を意味する)、武器、農業、高麗人参、造船、航空、観光、鉱物などの事業に進出し、急速に多角化(diversified)した。

元統一教会信者で文鮮明の非公式伝記を書いたマイク・ブリーンは、「間近で見る文鮮明は、とても謙虚な印象を受けた。とても、とても気配り上手で、向き合っているその瞬間、本当に相手に集中している人という感じがした」と述べた。

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2012年8月14日、ソウルで開催された日本の植民地支配からの解放記念行事に先立つ集会で、日本軍によって行われた戦争時の朝鮮人性奴隷に対する謝罪の行為として頭を下げる統一教会の日本人信者たち。

1973年までに、文鮮明は自分の使命をアメリカに持ち込み、ニューヨーク州タリータウンのイースト・ガーデンと呼ばれる18エーカーの森林地帯に居を構えた。そこでは、アルコールとドラッグが禁止され、結婚以外のセックスをすると罪人として燃えるような天罰を受けるという新しいコミュニティを設立した。1974年までに、アメリカの統一教会は年間800万ドルの収益を上げ、文鮮明はその2年後にニューヨーカー・ホテルと隣接するマンハッタン・センターを購入することができたと言われている。アールデコ調の建物は、統一教会のアメリカでの活動拠点となり、統一教会の信者たちの子供たちが共同保育される場所となった。前述のストレイトは3歳になるまでニューヨークで育ったが、両親が大学のキャンパスを探し回る勧誘員から「愛の爆撃(love bombed)」を受けた後だった。ストレイトは、「多くの家族があのホテルに住んでいた。そこから、人々が資金集めや布教活動に出かけた」と回想する。

統一教会は、若い男女を家族から引き離し、「洗脳(brainwashed)」されたとされる隔離されたキャンプに送り込むことで悪名高い存在となった(教会はこれを否定している)。しかし、改宗の熱意(zeal of conversions)は、心配した親族が「ディプログラミング(deprogramming)」と呼ばれる連れ出しを開始することを促し、双方に訴訟が相次いだ。文鮮明はまた、保守的な政治活動を支援し始めた。ウォーターゲート事件の最中には、全米の新聞にニクソン支持の全面広告を掲載し、連邦議事堂で「神はリチャード・ニクソンを愛している(God Loves Richard Nixon)」集会を開いた。文鮮明は魅力的な女性信者たちを派遣し、連邦上院議員たちを篭絡させ、情報を収集させた。そうした信者の1人は、カール・アルバート連邦下院議長の側近にまでなった。

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1974年、ホワイトハウスでリチャード・ニクソン米大統領と会談する文鮮明牧師。

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1981年10月22日、文鮮明牧師の巨大なポスターが経っている間にアメリカ国旗がいくつも立てられている。彼の信者たちが一団となってアメリカ連邦地方裁判所の外の公園でデモを行っ写真7た。

1976年、米連邦議会の調査により、文鮮明が、アメリカの対北朝鮮政策に揺さぶりをかけようとする韓国の諜報活動に関与していたことが明らかになった。1982年、文鮮明は脱税で有罪判決を受け、18カ月の禁固刑を言い渡された。文鮮明は自らを型破りな信仰のために迫害された殉教者に仕立て上げ、ジェリー・ファルウェルやティム・ラヘイなど、さまざまな市民的自由主義者や宗教保守派から支持を集めた。影響力を高めるため、文鮮明はワシントン・タイムズ紙を創刊し、その創刊号は文鮮明が有罪判決を受ける前日に発行され、ロナルド・レーガン大統領を含む保守派の間で必読の新聞となった。

文鮮明は信教の自由と反共の熱意を訴え、当時の冷戦の熱気の中で幅広い支持を得た。ラテンアメリカでは、米州社会統一連盟(Confederation of the Associations for the Unification of the Societies of the AmericasCAUSA)を設立した。アメリカ政府の情報筋によれば、CAUSAはコントラ反乱軍に現金と物資を送り、1980年に民主的に選出されたボリヴィア政府を転覆させた右派クーデターを画策した準軍事組織、コカインカルテル、逃亡中のナチス戦犯クラウス・バービー(「リヨンの虐殺者(Butcher of Lyon)」)といった多様な一団に資金を提供した。

冷戦が終結しても、文鮮明の並外れた政治的影響力を妨げることはなかった。1995年、ジョージ・HW・ブッシュ元大統領とバーバラ夫人は韓国の統一教会で、一連の有料講演を行い、その1年後、ブッシュはブエノスアイレスを訪れ、文鮮明が設立した新しい地域日刊紙『ティエンポス・デル・ムンド』の創刊式で演説した。その他の著名な仲間には、ジェラルド・R・フォード元大統領、共和党のジャック・ケンプ連邦上院議員、ミハイル・S・ゴルバチョフ、そして現在不祥事を起こしている芸能人のビル・コスビーなどがいる。2000年、文はパラグアイにデラウェア州とほぼ同じ広さの土地を購入した。地元の警察当局は、統一教会が武器や麻薬の密輸を容易にするためにこの土地を使用していると非難している。統一教会は、その土地での違法行為を認識していると述べているが、関与は否定しており、警察当局に協力していると主張している。

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2005年7月16日、パラグアイのタクアラで、プエルト・カサドの町のパラグアイ人たちが、文鮮明の統一教会が自分たちの地域で取得した土地の一部を、自給自足農業のために自分たちに引き渡すよう政府に圧力をかけるため、自宅から首都アスンシオンまで148km(91マイル)の行進に参加した。

統一教会の政治的結びつきが強まるにつれて、そのプロパガンダも直接的になっていった。2003年、ワシントン・タイムズ紙は見開き2ページで、亡くなった36人のアメリカ大統領全員が文鮮明の卓越性を認めていたと主張した。一方、トーマス・ジェファーソンは、墓の中から「全ての人々にとっての救世主である文鮮明師の教えに従え」という個人的な推薦文を書いた。翌年、ダークセン記念連邦上院議員会館で行われた華やかな式典には、少なくとも12人の米連邦議員が出席した。式典の中で、文鮮明は「戴冠式(crowned)」を行い、自らを「人類の救世主、救世主、帰天の主、真の親」と宣言した。また、数百名のゲストを前にして、イエス、仏陀、ヒトラー、スターリンは文鮮明の教えを通じて「生まれ変わり、新しい人間となった」と報告された。共和党のロスコー・バートレット議員は文鮮明と韓鶴子の前で一礼し、民主党のダニー・デイビス議員は文鮮明の頭に金の王冠を載せた枕を差し出した。2006年、ジョー・バイデン大統領の弟のジェームズは、甥にあたるジョー・バイデンの息子ハンターとともに、文鮮明の義理の息子であるジェームス・パークが設立したヘッジファンドを購入した。

しかし、舞台裏で全てが順調だった訳ではない。

1984年、文鮮明の次男文興進(Heung Jin Moon)が自動車事故による負傷がもとで亡くなった。17歳だった。1999年、もう一人の息子文榮進(Young Jin Moon)がリノの17階建てのホテルの部屋から飛び降り自殺した。一方、文鮮明の長男で後継者と目されていた文孝進(Hyo Jin Moon)は、飲酒、麻薬、無差別暴力を好む気まぐれな人物として知られていた。1995年、妻のナンスク・ホンさんは家族と決別し、文孝進をコカインとポルノ中毒の不倫女たらしで、妊娠7カ月の時も含め定期的に暴力を振るったとして非難する本を書いた。文孝進は2008年に心臓発作で亡くなった。45歳だった。両親が指導的立場の信者で、イースト・ガーデンの近くで育ち、現在は脱会した元信者であるテディ・ホースは、「成人した大人たちが、文鮮明の子供たちに頭を下げてかしずいてきたので、文鮮明の子供たちは、人々をおもちゃのように扱っていた。彼らはまさに反社会的家族だった」と述べている。

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1986年に撮影された文鮮明の家族写真。

文鮮明地位族の偶像崇拝(idolatry)は、一般信者の経験とは対照的である。攻撃的な資金集めは日本で最も深刻であるが、山上徹也の貧しい子供時代と似たような話は、統一教会の信者がいるところならどこでも見られる。ノルウェーのオスロでリリアン・ホルドフスが「本当に、本当に貧しく」育ったのは、母親が文鮮明に対して献身的に献金していたからだと彼女は言う。

文鮮明は、全ての先祖は地獄におり、信者たちは各世代の先祖を解放するために金を払わなければならないと教えていた。「天元(Cheon Won)」として知られる統一教会の韓国本部の公式ウェブサイトには、国に応じて価格が異なる「祖先解放」計算ツール(“ancestor liberation” calculator)さえある。先祖たちがいる世界は明らかにウェストファリア的な国家概念と現代のGDP指標に固執しているようだ。父系と母系の430世代の家族全員を解放するには、ノルウェーやアメリカでは1万2420ドルが必要だが、スーダンではわずか2280ドルで済む。ちなみに、日本では同じ偉業を達成するには652万円(約4万4800ドル)が必要だ。先祖を祝福したり、流産や中絶で失われた胎児の魂を解放したり、死ぬ前に自分の魂を事前に解放する機会には追加料金がかる。 ただし、先祖全員が既に救われている場合に限られる。

ホルドフスの母親は、先祖を救うことに執着し、リリアンが8歳から15歳までの間、毎晩学校が終わると子供たちを新聞配達に行かせ、家族のために現金を稼がせた。日曜日には、礼拝の前に新聞を配達するため、ホルドフスとその兄弟は朝4時にベッドから引きずり出された。そのお金は全て統一教会に献金された。リリアンは「学校では、教科書を読むのがとても遅かったことを覚えている。働いた後だったので、疲れて宿題をする気にもなれなかった」と述べている。

攻撃的な資金集め以外に、統一教会は手配された合同結婚式で最もよく知られている。1982年、マディソン・スクエア・ガーデンで2075組のカップルが文鮮明によって結婚式を挙げられ、花嫁はレースとサテンのガウンを、花婿は同じコバルト色のスーツを身にまとった。2012年、彼女がまだ17歳だったとき、リリアンの番が回ってきた。彼女は天元に送られ、文鮮明が生前に個人的に行った最後の集団「祝福」に参加することになった。文鮮明は彼女をドイツのニュルンベルクに住む20歳のイタリア人男性と引き合わせた。一目惚れという訳にはいかなかった。リリアンは「彼はすぐに私に悪い印象を与えた。『こんな人と結婚するなんてありえない』という感じだった」と語った。

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統一教会の指導者である文鮮明とその妻韓鶴子。1982年の元旦にマディソン・スクエア・ガーデンで2075組の信者の合同結婚式を挙行した。

しかし、リリアン・ホルドフスが結婚を取り止めようとしたとき、統一教会の関係者の一人が、リリアンがサインしたイヴェント参加の意思を示す契約書を見せた。リリアンは「彼女は私に腹を立て、私はとてもプレッシャーを感じた。だから、私は結婚の儀式に参加すると言わざるを得なかった」と述懐している。今日、リリアンは何が起こったかについてはっきりと語った。「私は人身売買された(trafficked)のです。私は成人として法的に自分のことを決めることができなかった。人身売買の疑惑について尋ねられたダンクリーは、強制的な行為の責任は参加者の親にあるとし、「大多数は信じられないよう茄子払い井経験をしている」と主張している。

リリアンは高校を卒業するためにオスロに戻ったが、卒業後、母親からドイツにいる新しい夫のもとに行くよう命じられた。リリアンは、「彼は精神的な虐待をする人で、私のことを馬鹿だ、ノロマだとの常に罵声を浴びせてきた。彼はまったく協力的でも共感的でもなかった」と述べている。

結婚後もリリアンの苦労は続いた。新しい夫に言われるまま、ホルドフスは8人のティーンエイジャーと一緒にヴァンに乗ってイタリア、スロヴェニア、ドイツを3ヵ月間にわたって回り、教会の資金を稼ぐために、グリーティングカードやろうそくなどの小物を一軒一軒売り歩いた。車内で寝ることもあれば、コミュニティセンターの床で寝ることもあり、まれにホステルの一室に詰め込まれることもあった。食料は、チームリーダーがスーパーマーケットで安いパン、ハム、チーズを買ってきて作ったサンドイッチだった。

リリアンは、「北イタリアの何もない小さな村で、文章が書かれた小さな紙切れ1枚ヲ渡されて、ヴァンから降ろされたことを覚えている。言葉も分からないし、本当にパニックになってしまった」と述べた。

毎朝、参加者全員がその日の自分の目標を述べさせられた。そして毎晩、リーダーたちに渡す前に、グループの前で自分の稼いだお金を数えなければならなかった。リリアンは次のように述べている。「私はたいてい1日に200ユーロ(230ドル)ほど稼いだ。私は稼ぎが良い方ではなかった。稼ぎが少ない人はティームの前で恥をかかされた。だから、もっともっと稼がなければならないというプレッシャーがあった」。資金集めに重点を置いたこの計画について尋ねられたダンクリーは、「実際はお金のためでもなく、むしろ、教育のためだ」と主張している。

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2022年7月29日、東京の日本外国特派員協会で行われた統一教会の活動に関する記者会見で、統一教会の歴史書と教団の聖典を提示する、全国霊感商法対策弁護団の山口広弁護士(左)と川井康雄弁護士(右)。

リリアンの経験は決して特別なものではない。ストレイトやホースを含め、アメリカの統一教会で育った子供たちは、高校卒業後1、2年の間、キーホルダーや風鈴のような意味のない小物を売る、当初は特別任務部隊(Special Task Force)と呼ばれた同様の計画に参加する。これは危険な仕事だ。2002年、18歳のジン・ジュ・バーンは、教会のためにコスチューム・ジュエリーを売っている最中に、シャーロットのアパートで性的暴行を受け殺害された。数年後、特別任務部隊はジェネレーション・ピース・アカデミー(Generation Peace Academy)に改名されたが、新型コロナウイルス感染拡大による封鎖中でさえ、毎年全米だけで約200人の若者を派遣し、高値のカレンダーや立体的な猫の写真を売り続けている。このアメリカのプログラムは、年間1000万ドル以上を売り上げていると推定されている。リリアン・ホルドフスは、「彼らはこのプログラムをとても美化している。私は、これが単なる労働者人身売買(labor trafficking)だと気づいた」と述べている。タイム誌の取材に対し、ダンクリーは再び人身売買の非難を否定し、集まった資金は「プログラムに投資されるか、地域社会に還元される」と述べた。

山口弁護士は、「統一教会がこうしたプログラムを行っているのは、若者はそれほどお金を持っていないので、代わりに自分の労働力を求めているからだ。害となるのは、若者たちが最も実り豊かな年月を無駄にさせられていることだ」と述べている。

不安障害や広場恐怖症などの精神的健康状態の悪化が5年続いた後、リリアンは夫に別れを告げてオスロに戻った。しかし、母親は大いに困惑した。リリアンは「母は私に『彼とよりを戻すべきだ』と言い続けた」と述べている。しかし、しばらくすると、母親は折れた。 「しかし、私が教会に行くたびに、母は私を単なる商品であるかのように、適当な年上の人と私を結び付けようとする」とリリアンは述べている。

リリアン・ホルドフスの精神状態は悪化し続けた。「彼らは、悪霊のようなおかしなものがあなたをコントロールしようとしていると信じている」とリリアンは述べている。「アルコールを一口飲むと、それはあなたの体への悪霊の侵入を招くことになると言ってくる。もう我慢できなかった」。結局、新型コロナウイルス感染拡大が彼女を助けてくれた。ロックダウンは物理的に教会の礼拝に出席しない口実を与え、オンラインで組織について調べ始める心の余裕を彼女に与えた。リリアンは、「統一教会は、なぜメンバーからそんなにお金が欲しいのか、疑問を持った。子どもの頃は『文鮮明一族の方々に私たちのお金が必要だ!』ということしか言われなかった」と述べている。

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1976年9月18日、韓国の伝道者である文鮮明牧師と統一教会が主催する「ゴッド・ブレス・アメリカ・フェスティバル」のためにワシントン記念塔の敷地に集まる群衆。

家族間の内紛で金庫の中の資金が目減りする中、統一教会は献金に重点を置いている。1998年、文鮮明は文顕進(プレストン、Hyun Jin Moon)に愛情を注いだ。プレストンは現在生き残っている彼の長男であり、元オリンピック馬術選手で、世界平和統一家庭連合(FFWPUI)の副会長である。2006年には、教会の資産を管理するためにワシントン D.C. に設立された非営利団体である国際統一教会 (Unification Church International UCI) の会長にも指名された。後継者としてのプレストンの将来は確実視されていた。

しかし、2008年、文顕進は両親に統一教会の方向性を批判する書簡を送った。これに応じて、文鮮明は文顕進(プレストン)に代わって、文亨進(ショーン・ムーン)をFFWPUIの副会長に任命した。同年、文鮮明の三女文仁進(タチアナ、In Jin Moon)がアメリカ統一教会総会長に任命された。文顕進は主流の組織から外れ、代わりに「平和構築への革新的で価値観に基づくアプローチ(an innovative, values-based approach to peacebuilding)」を促進するという明言された使命を掲げ、世俗的な非営利団体であるグローバル平和財団(Global Peace Foundation)を設立した。しかし、彼は個人的に厳選された理事会のおかげでUCI会長に留まり、2011年には関連のないスイスの財団に約5億ドルの資産を寄付したとして母親から訴訟を起こされた。この訴訟はアメリカの法廷で続けられており、9月26日にリークされたダンクレー牧師のズーム会議では、現在の「危機(crisis)」の1つとして挙げられていた。ダンクレーは、「これは家族の問題なので、私たちは時には態度を静観していたが、これ以上は沈黙を守っていられない」と述べた。

2012年の文鮮明の死後、権力闘争はエスカレートした。三女文仁進(タチアナ)は、不倫関係で子供を産んだことが明らかになり、母親韓鶴子から辞任を強要された(中傷者は韓鶴子がスキャンダルをリークしたと非難している)。翌年、韓鶴子はまた、ペンシルヴァニア州の田舎に世界平和統一サンクチュアリ教会[World Peace and Unification Sanctuary Church](ロッド・オブ・アイアン・ミニストリーズ[Rod of Iron Ministries]として知られる)を設立した文亨進(ショーン)の追放にも成功した。現在、サンクチュアリ教会で、文亨進(ショーン)は母親を「バビロンの売春婦(whore of Babylon)」と非難している。文顕進(プレストン)と韓鶴子は、タイム誌からの複数回のインタヴュー要請を断っている。しかし、文亨進(ショーン)は喜んでZoom通話に応じた。「父(文鮮明)は、後継者が誰であるかを明確にするためだけに、韓国で2回、アメリカで1回、計3回も私に王冠をかぶせた」と文亨進(ショーン)は憤慨する。

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2018年4月26日、ペンシルヴァニア州グリーリーのカー・アベニューにあるカー・アームズ社のトミー・ガン倉庫で撮影のためにポーズを取るカー・アームズ社のオーナー文國進(ジャスティン・ムーン、Justin Moon)。

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2018年4月26日、ペンシルヴァニア州マタモラスにある自宅で、金色のAR-15「鉄の棒」を持ってポーズを取る文亨進(ショーン)牧師。

韓鶴子の権力強化(consolidation of power)は友情、結婚、家族を引き裂く分裂を生み出した。信者のほとんどは、韓鶴子が率いる主流の統一教会に留まったが、文顕進(プレストンに従う者もいたし、文亨進(ショーン)の分派に加わった者もいた。文亨進(ショーン)はカール・アームズと呼ばれる小型武器会社の創始者であるもう一人の兄弟文國進(ジャスティン)と同盟を結んだ。2016年に開業したカール・アームズ社の、トミー・ガン倉庫ショールームでの開業式の主賓はエリック・トランプだった。文國進(ジャスティン)はこのイヴェントを利用して、出席者たちに「ヒラリー・クリントンは決して米大統領になるべきではないことに全員が同意できることを願っている」と語り、盛大な拍手を浴びた。

銃は、合衆国憲法修正第2条を神の祝福にまで高める、世界平和統一サンクチュアリ教会(ロッド・オブ・アイアン・ミニストリーズ)において決定的な役割を果たしている。老若男女の信者たちが礼拝中に銃器(通常はAR-15)を握りしめる一方、文亨進(ショーン)は弾丸の冠をかぶるようになった。彼は、父親(文鮮明)が1960年代から韓国の武器製造に投資していたと指摘する。それでも、子供たちに「同性愛の政治的課題(the homosexual political agenda)」を教え込む公立学校を非難する文亨進(ショーン)による、良く準備された派手な内容の説教は、南部貧困法律センターのヘイトウォッチから、ヘイトスピーチ指定を受けた。文亨進(ショーン)にとって、自由に対する最大の敵は国家であり、2020年の選挙はトランプから盗まれたものだと今でも堅く信じている。文亨進(ショーン)は、「歴史上、地球上で最大の虐殺を行った最も暴虐な勢力は、実際には中央集権的な全体主義政府である」と述べている。

現在、文亨進(ショーン)の分派は、政治的影響力においてその著名な前身団体に匹敵する存在となっている。定期的にフリーダム・フェスティヴァルを開催しており、保守的な共和党員からソーシャルメディア陰謀論者の著名人まで、右翼の講演者が多数集まる。極右過激派グループ「プラウド・ボーイズ(Proud Boys)」がブースを出展した10月7日と8日の最新イヴェントで、文亨進(ショーン)はステージ上で小児性愛者たち(pedophiles)を「木材破砕機(the wood chipper)」に入れることについて歌ったラップを披露した。このイヴェントでは、全性愛(pansexual)のプライド旗の焼却式と、元トランプ高官セブ・ゴルカのスピーチも行われた。これまでには、トランプ大統領顧問のスティーヴ・バノン、元NRA報道官のダナ・ロエシュ、ペンシルヴァニア州上院議員のダグ・マストリアーノが登場した。世界平和統一サンクチュアリ教会(ロッド・オブ・アイアン・ミニストリーズ)は最近、テキサス州ウェイコ近郊の30エーカーの土地と、テネシー州東部の山にある130エーカーの「トレーニングセンター」を購入したが、文亨進(ショーン)によると、そこが将来の本部となるということだ。1月26日、文亨進(ショーン)はトランプタワーのパーティーで、ドナルド・トランプ・ジュニアと元共和党大統領候補のヴィヴェク・ラマスワミと談笑する自分と文國進(ジャスティン)の動画をXに投稿した。

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2023年10月7日、ペンシルベヴァニア州ジーリーで毎年開催されるロッド・オブ・アイアン(鉄の棒)・フェスティバルの文國進(ジャスティン・左)と文亨進(ショーン・右)。このフェスティバルでは銃、トランプ前大統領、憲法修正第2条を祝う。

今日、統一教会の主流派とその分派は、アメリカの右派からの支持を競っている。リークされたダンクリーのズーム画像はまた、「ワシントン・タイムズの仕事を中心としたアメリカ における政治的影響力活動の活発化」を明らかにした。2022年8月12日、マイク・ポンペオ元CIA長官・元国務長官とニュート・ギングリッチ元連邦下院議長は、ソウルで開催された統一教会のフロント組織である万国平和連合(Universal Peace FederationUPF)のイヴェントで、文鮮明の没後10周年を記念して演説を行った。一方、トランプ元大統領はヴィデオメッセージを送り、文鮮明を「真のインスピレーション(true inspiration)」、韓鶴子を「驚くべき素晴らしい女性(amazing and wonderful woman)」と評した。財務記録によると、トランプは2021年から2022年にかけて、このヴィデオメッセージと他の2つのビデオ出演のために約250万ドルを受け取っており、マイク・ペンス前副大統領はUPFのイヴェントで講演するために55万ドルを受け取っていた。5月にも、トランプはUPFのイヴェントにヴィデオメッセージを送った。

ストレイトは、統一教会の指導者たちはこのようなお礼を払って受ける支持を「宣教の神性の証明(as proof of the divinity of mission)」と捻じ曲げて主張し、信者たちからより多くの献金を強要していると述べている。その効果は循環している。つまり、教会が寄付を募れば募るほど、知名度の高い後援者を集めるためにお金を費やすことができるという循環が出来上がっている。

これは日本から直接借用した戦略であり、犯罪も銃器もほとんどない日本で、統一教会のエスタブリッシュメントたちに守られた資金集めが安倍殺害に関与していると日本では言われている。現在、文鮮明一族は、世界で最も銃所有率が高く、一人当たり殺人率が日本の20倍を超えるアメリカで、同様の政治的隠れ蓑(political cover)、富、そして最も重要なことに人材の採用を進めている。ストレイトは次のように疑義を呈している。「力を行使できる人々が自分たちの人生をめちゃくちゃにしたことに子供たちが気づいたら、20年後には何が起こるだろうか? 更に大きな目標を狙った怒りの爆発が再び起こるだろうか?」

文鮮明一族の行く先々には悲劇がつきまとう。彼らの新しいアメリカでの冒険にも悲劇がつきまとうとしても、誰も驚かないだろう。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 日本の原子力政策は日本政府が独自に、単独で行っているというのは幻想だ。原子力エネルギー利用は、アメリカで、当時の若手議員だった中曽根康弘が習ってきて、日本でスタートさせることになった。2011年に東日本大震災が発生し、福島第一原発で爆発事故が起きた。その際も、首相官邸にはアメリカ政府関係者が詰めていた。日本が何かを行う場合に、アメリカに相談しなければならない。この表現はまだ甘いもので、実際にはアメリカが命令し、日本はそれに従う、ちょっとした意見具申ができるというのが実態だ。第二次世界大戦後、アメリカの世界支配が確立したが、日本はアメリカにとっての「優等生的属国」「モデル属国」である。そうやって70年以上が過ぎた。属国根性は代を継いで日本国民の中に根を下ろしている。

 事故が起きた福島第一原発の原子炉を冷却するために、膨大な量の水が必要である。原子力燃料に直接触れて、直接冷却する。燃料に触れた水をそのまま川に流したり、海に流したり、地面に流したりできない。それは様々な核物質が入っており、汚染してしまうからだ。そのために、ALPS処理を施して、薄めて海に放出するということを日本政府は決定した。冷却に使った水が大量に保存されて、それが大きな負担になっているからだ。

 薄められた水の海洋放出を受けて、韓国や中国では反対の動きが起きた。日本産の海産物の買い控えということが起きている。韓国政府は冷静な対応、中国政府は批判を行っているが、過剰な反応というところまでは至っていない。
 処理水(汚染水)の海洋放出を日本政府に命じたのはアメリカだ。中国が嫌がることは進んでやるというのが今のアメリカだ。日本の福島第一原発の汚染水の放出は、日本政府がそこまで強硬に進める必要がないものだったし、他にも方法があったと考えられる。近隣のアジア諸国との関係を考えても、海洋放出はあまり上策ではなかった。それでも、アメリカに命令されればそれに従うしかない。

 日本の国益にならない政策を近隣諸国に十分な説明もせずに行ったことは外交の失敗である。しかし、日本政府だけを責めることはできない。日本政府に外交において自主的な判断や決定を行うことはできない。アメリカの意向にあくまで従うしかできない。それがもう80年近く続き、属国根性がもう「習い性になっている」。親子どころか、三代、四代にわたって属国を続けてしまった日本。世界の大きな構造転換の時期に直面し、アメリカと一緒に没落していくしかできないのだろうかと思えば、何とも悲しくなってくる。

(貼り付けはじめ)

●「東大准教授、処理水の風評被害500億円補正予算「ナショナリズムに話をスライド」中国の反応は「外交の失敗」」

9/17() 13:51配信 デイリースポーツ

https://news.yahoo.co.jp/articles/ddd3f52ad805f4d04edf390160ced9f37e92edfe

 拓殖大学の富坂聰教授が17日、テレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」に出演し、福島第1原発の処理水の海洋放出について中国のスタンスを解説した。

 処理水に含まれるトリチウムは中国の原発が排出するものよりも少ないというデータが示されている。MCのビートたけしが一般的な中国人は自国の原発については「分かってないの?」と質問。東国原英夫が「分かってないでしょうね」と語ったが、富坂氏は「分かってますよ。上の方のいろんなことを理解してる人たちとか、都会の人とかそういう人たちは知ってるけど、いいかげんに騒いでる人も多い」と知識のある人もいると反論した。

 「上の方の人」の見解は「冷却水と今回の処理水は違うものだ」と解説。中国では「冷却水はゆで卵をゆでた水、処理水は途中で卵がはじけた水を」と説明されているとした。

 東京電力は処理水の放射性物質の含有量などのデータを公表しているが、富坂氏は「東電に対する信用がないわけですよ」とした。元衆院議員の宮崎謙介氏は東電は中国にも何度も説明しているとした上で、ALPSで放射性物質の多くは取り除かれているとした。富坂氏は「ALPSで本当に取りきれているのかという証明を中国の専門家を入れてやればいい」と返した。

 東京大学の斎藤幸平准教授は「中国とかが反対するっていうことを日本政府も分かってたわけですよね。それを説得できないまま流しちゃってるっていうのが外交の失敗」と科学ではなく外交の問題だと分析。富坂氏も「仰るとおり」と同意した。

 斎藤氏は国が漁業者支援に500億円の補正予算を付ける方針であることに「わたしたちの税金なわけであって、最終的には『食べて応援しよう』みたいな、外交のツケをナショナリズムで話をスライドさせて」と指摘。富坂氏は「本当に仰るとおり」と再度同意した。

 さらに東電の説明についても「放出するという前提でやられたら、そういう場所に行って『話を聞いたからあなたOKね』って言われても困るから『行きたくない』って言ったんですよね」と解説。「ALPSで本当に取りきれているのかという証明を中国の専門家を入れてやる」には中国側のハードルがあることも語った。

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(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 「韓国が核武装する」という話を聞いて、「そんな馬鹿なことはあり得ない」「アメリカが許すはずがない」という反応をする人たちがほとんどだろう。朴正熙大統領が最後暗殺されたのも核武装を目指した彼をアメリカが許さずに最後はCIAが殺害指令を出したからだという話もあるほどで、日本と同じくアメリカの属国である韓国の核武装は、日本がそうであるように許されるはずがないというのは常識的判断である。

 朝鮮半島の非核化はドナルド・トランプ政権時代に動くかに見えた。トランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員化委員長が会談を行い、「CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄、complete, verifiable, irreversible dismantlement)」で合意した。しかし、その後は何の進展もなかった。北朝鮮は核開発を進めている。旧ソ連時代からの関係でロシアが支援しているという話もある。

 北朝鮮がアメリカ本土を射程に収めるミサイルと核兵器を保有することになれば、「アメリカは本土攻撃を受けるリスクを冒してまで韓国を守ってくれるだろうか」という疑問が韓国側に生じてくるのは当然のことだ。特に現在のウクライナ戦争の状況を見れば、「アメリカはロシアの核攻撃を怖がってウクライナを本格的に防衛するということを行わない」ということになる。そうなれば韓国としては北朝鮮との対抗上、自国で核兵器を所有しなければならなくなると。

 朝鮮半島を西洋的な考えから見ればそういうことになるだろう。しかし、大前提として、北朝鮮の核兵器とミサイルは韓国向けに建造されたものではない。中国、ロシア、アメリカ、日本という大国の間で生きていくための抑止力である。北朝鮮のミサイルはアメリカと日本にだけ向いているのではない。ロシアと中国にだって向いている。勧告はそのことを知っている。「北朝鮮の核兵器」とは「朝鮮半島の朝鮮民族が持つ核兵器」である。韓国は自分たちで核兵器を開発して保有する必要はない。韓国が自国で核兵器を持ったとして、どこに照準を合わせるのか。北朝鮮ではあるまい。やはり中国、ロシア、アメリカ、日本ということになる。

 このようなことを書けば身もふたもないということになる。「韓国と北朝鮮が赤の他人で仇敵」ということであれば、韓国の核武装も現実味を帯びる。しかし、両国は共に言葉も同じ民族だ。そのことをよくよく考慮しなければならない。

 アメリカにとってそんな危険な状況を作り出すことは得策ではない。韓国は日本とは立場の違うアメリカにとっての属国である。韓国の核兵器とミサイルがアメリカに向かうということを起こしてはならない。だから、アメリカはそのようなことを許すことはない。しかし、このような議論が出てくるというのは、アメリカの信頼性が低下し、国力が減退し、衰退国家となっている証拠ということになる。

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ワシントンは韓国に原爆を持たせる許可を与えるかもしれない(Washington Might Let South Korea Have the Bomb

-北朝鮮の核武装によりかつてタブーとされていた選択肢が考えられるようになっている。

ダグ・バンドウ筆

2023年1月17日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2023/01/17/us-south-korea-nuclear-weapons-denuclearization/

北朝鮮の核武装の野望を抑えようとするワシントンの試みは行き詰まりを見せている。北朝鮮は核保有国(nuclear state)である。北朝鮮の核兵器は規模と精巧さを増している。アメリカへの先制攻撃(preemptive strike)はできないだろうが、アメリカが韓国防衛に関与していることに対して報復することはできるようになるかもしれない。

このバランスの変化は、アメリカと韓国の間で核政策をめぐる深刻な議論を巻き起こしている。まず、北朝鮮が既に爆弾を持っているのに、非核化(denuclearization)、有名なCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄、complete, verifiable, irreversible dismantlement)を追求することに意味があるのかという疑問である。金正恩委員長に核廃棄を説得、もしくは強要できると考える楽観主義者たち(Panglossians)はまだ少数派である。ワシントンの公式政策は、北朝鮮を核保有国として断固として認めないが、現実はいずれ政策の後退を余儀なくされるかもしれない。

更に重要なことは、韓国のエスタブリッシュメント派がアメリカの核兵器を手に入れたい、あるいは少なくともそれに近づきたいと考えていることである。あるいは、韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、ソウルが独自に核兵器を開発する可能性を示唆した。多くの韓国政府関係者は、半島に「戦略的資産(strategic assets)」を駐留させ、ヨーロッパのような「核の共有(nuclear-sharing)」を望んでいる。韓国の冷笑主義者、もしくはリアリストたちは、アメリカの関与の持続性と約束の誠実さを疑っており、自国(韓国)独自の核兵器を欲しがっている。アメリカの政策立案者の中には、その可能性に前向きな人もいるようだ。

北朝鮮の核戦力の増強は、朝鮮半島の安全保障の現状に脅威を与えている。1953年の米韓相互防衛条約(Mutual Defense Treaty)の批准(ratification)以来、アメリカは韓国の防衛を約束した。アメリカの責任は戦場に限られていたため、初期のころは比較的簡単に約束できた。朝鮮戦争(Korean War)は激烈で破壊的であったが、これまでの世界的な紛争と同様に、その暴力はアメリカ本土にはほぼ及ばなかった。そして最近まで、北朝鮮はアメリカや太平洋の領土にさえ到達する術を持たなかった。例えば、1953年に韓国の李承晩大統領(当時)が休戦協定への署名を拒否したにもかかわらず、半島統一(to unify the peninsula)のために戦わないという選択をしたように、アメリカは自国に有利なように政策を調整することが容易にできた。

しかしながら、ソウルの政策立案者たちは、通常兵器と核兵器の両方による拡大抑止力(extended deterrence)の実行可能性(viability)について、ますます神経質になっているように見える。昨年(2022年)、北は90回を超える弾道ミサイル(ballistic missiles)実験を行い、世界的な注目を浴びた。平壌は大陸間弾道ミサイル(intercontinental ballistic missiles)に核弾頭(nuclear warheads)を搭載し、アメリカの諸都市を危険に晒すことに精力的に取り組んできた。もし、金正恩がアメリカ本土に「炎と怒り(fire and fury)」をもたらすことができたら、ワシントンは韓国との約束を守れるだろうか?

ウクライナはアメリカの条約上の同盟国ではないが、それでもこうした懸念は強まっている。ジョー・バイデン政権はロシアのエスカレーション、特にモスクワの核兵器使用の可能性に懸念を示しているが、高度化する兵器移転(arms transfers)を止めるのではなく、減速させている。結果として、北朝鮮がロシアと同様の(ロシアよりも規模が小さいのではあるが)核兵器能力を持つ場合のアメリカの対応に対する疑問を生じさせる。

尹大統領は次のように説明した。「拡大抑止力と呼ばれるものは、アメリカが全て面倒を見るから心配するなということでもあった。しかし、今はそれだけでは国民を納得させるのは難しい」。尹大統領は、アメリカの核兵器の使用について、ソウルが手を貸す考えを示した。大統領は「核兵器はアメリカのものだが、計画や情報の共有、演習、訓練はアメリカと米国が共同で行うべきだ」と述べた。

これは合理的な懸念である。もちろん、アメリカの政府当局者たちは、韓国に対する深くかつ永遠の関与を表明することで韓国側の懸念に応えた。ホワイトハウスは2022年5月、韓米同盟について「磐石な基盤(rock solid foundation)」と形容した。バイデン政権は更に、バイデン大統領訪韓を次のように称賛した。「ジョー・バイデン大統領は、核、通常兵器、ミサイル防衛能力を含むアメリカの防衛能力の全範囲を使用して、韓国に対するアメリカの拡大抑止の約束を確認する」と述べた。

しかしながら、一般的な保証はほとんど意味をなさない。ウクライナ人は、キエフがソ連時代の核兵器を放棄することと引き換えに提示された、歯切れの悪い、内容があいまいな1994年のブダペスト・メモランダムについて覚えている。

将来、米韓両軍が北上し、北朝鮮が最後通牒(ultimatum)を出し、同盟諸国軍が北朝鮮の領土から撤退しなければ、あるいはワシントンが紛争から完全に撤退しなければ、アメリカ本土を核攻撃すると脅している紛争を想像してみるといい。ワシントンの視点に立てば、韓国にはアメリカの多くの都市と何百万人ものアメリカ人を犠牲にする価値のあるものは何もないだろう。未来のアメリカ大統領ならどうするだろうか?

だからこそ、独立した抑止力に対する韓国の強力な後押しがある。国民の支持も強い。しかし、ほとんどの人は避けられない複雑な事態を考慮していないのではないだろう。現在、レ任浩永(イム・ホヨン)退役陸軍大将や国会議員の趙慶泰(チョ・ギョンテ)など、この考えを推し進めようとしている人物もいる。既に述べたように尹大統領も可能性を示唆している。しかし、ソウルの公式政策は一般的にワシントンから兵器を提供されることを望んでいる。

ワシントンは韓国製の原子爆弾については徹頭徹尾反対している。その理由の1つは、原則としての核不拡散(nonproliferation in principle)に忠実であることだ。また、通常は明言されないが、友好諸国間での核の独占を維持することで、アメリカのアジアにおける優位性(America’s Asian predominance)を維持したいとの考えもある。

しかし、この政策的な難問については、一部の人々の考えを変えつつあるようだ。例えば、フーヴァー研究所のマイケル・オースリンは早くからこの問題を提起している。彼は次のように書いている。「金正恩がいわれのない核攻撃を行うとは考えにくいが、経験豊富な韓国ウオッチャーたちは、戦争が起きれば負けが明らかになった時点で、間違いなく核兵器を使用すると私は考えている。このようなリスクが高まるにつれ、アメリカは韓国との数十年にわたる同盟関係を見直すことを避けられなくなるだろう。ワシントンが韓国を助けると約束し続けるだけで、アメリカの民間人に対する脅威はグロテスクなまでに拡大するだろう」。

オハイオ州選出の連邦下院議員を長年務めたスティーヴ・シャボットは最近、「ワシントンが 日本と韓国の両方と核兵器プログラム自体を検討するための話し合いに入るべきだ」という驚くべき提案を行った。彼は、この道を進む必要がないことを望むが、「韓国と話すだけでも中国の注意を引くことができ、もしかしたら彼ら(中国)は初めて北朝鮮を抑制するために積極的に行動するかもしれない」と主張した。

かつて、私を含む一部の専門家は、少なくともこのような議論を始める理由として、この可能性を提示していた。しかし、北朝鮮の核兵器が増え続けている現状では、北朝鮮の核武装を阻止するタイミングはほぼ確実に過ぎている。仮に北京がその気になったとしても、パンドラの箱に詰め物をするようなものだ。いずれにせよ、中国は以前にも増して国境の安定を維持することに関心を持ち、アメリカが軍事封じ込め(military containment)だけでなく経済的封じ込め(economic containment)に動いた後は、アメリカに便宜を図ることには以前に比べて関心が薄くなっている。

その場合、シャボットの主張は明白な疑問をもたらすだろう。アメリカは同盟諸国の核兵器製造を容認するのか? 特に岸田文雄内閣は軍事費の大幅増を約束しており、同時に2050年までに約2000万人(約17%)の日本の人口が減少すると予想され、大規模な軍備を整えることが難しくなっているため、韓国の原爆は日本国内で議論を引き起こすことは必至であろう。

拡大抑止を止めれば、金正恩がアメリカ本土を人質(hostage)に取ることはできなくなる。北朝鮮以外の国にも利点がある。北京は、軍事的に領有権を主張する際に、これまでとは異なるリスク計算に直面することになる。台湾への核技術移転も考えられる。ただし、中国のアメリカへの先制攻撃を防ぐために、アメリカが直接兵器を台湾に提供しなければならなくなるかもしれない。

しかしながら、このような政策の欠点も明らかである。核兵器が増えれば、事故(accidents)や漏えい(leaks)、脅威(threats)の機会が増え、戦争が起きれば事態が悪化する可能性がある。中国は核開発を加速させることで対抗するかもしれない。北朝鮮は、核兵器の制限に関する交渉に消極的になるだろうが、いずれにしても交渉には応じないかもしれない。アメリカが核武装した北朝鮮と対峙することを望まないのであれば、核武装したイランやロシアと戦争するリスクを冒すだろうか。他の同盟諸国も核武装の選択肢を検討するかもしれない。

しかし、友好諸国への核拡散(friendly proliferation)を許す、あるいは助長する可能性はもはや否定できない。特に韓国は、ワシントンの承認なしに核武装を進めることを決定する可能性がある。もしアメリカがイスラエルへの制裁を望まず、インドとパキスタンへの処罰を諦め、北朝鮮を阻止できなかったら、ソウルやおそらく東京の核開発を阻止できるのだろうか? そうすることの代償は見合うのだろうか? そうすることは可能なのだろうか? アメリカは、特に中国を封じ込めようとしている間は、同盟を解消したり、制裁を課したりすることはないだろう。

長年にわたり、同盟諸国の核武装を認めることは考えられなかった。それゆえ、韓国と台湾の核開発に対してアメリカは圧力をかけてきた。しかし、それは北朝鮮が実質的な核保有国になる前のことである。アジアにおける拡大抑止力は、アメリカ国民にとってそれほどリスクにはならない。韓国のために全てを賭ける覚悟がない限り、アメリカの政策立案者たちは、これまで考えられなかったようなこと、つまり韓国の各爆弾所有について考えなければならない。

※ダグ・バンドウ:ケイト―研究所上級研究員。ロナルド・レーガン大統領の特別補佐官を務めた。複数の著作があり、最新作は『仕掛け線:変化した世界における韓国とアメリカ外交政策(Tripwire: Korea and U.S. Foreign Policy in a Changed World)』である。

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 古村治彦です。

 安倍晋三元首相とは日本政治にとってどんな存在であったか。憲政史上最長の在任期間を記録した安倍元首相は対米従属の深化と日本の海外での戦争を行う条件づくりに狂奔したと私は考える。国民が安倍政権下での国政選挙で自民党を勝たせ続けたことで、彼に正当性を与える結果になった。アベノミクスによって経済格差は拡大し、国民の平均年収も下がり続けた。日本は貧しくなり続けた。とても「国葬」にふさわしい人物ではないと考える。

 安倍元首相は根本的に大きな矛盾を抱える存在だった。それは、「極めて親米的でありながら、アメリカが嫌がる歴史修正主義に邁進した」ということである。アメリカからすれば、日本の防衛予算の増額やアメリカの軍需産業からの武器購入を進める、在日米軍への思いやり予算を増額する、自衛隊がアメリカ軍の下請けとして海外で戦争ができるように進める、ということは大変に「御意にかなう」ことであった。この点では「愛い奴」ということになる。

しかし、一方で、太平洋戦争に関して、アメリカが正しいとする史観に異議を唱える。アメリカから見れば、「フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領は真珠湾攻撃が実施されることを知っていて放置して日本から先に手を出させる形にした」ということは受け入れられない。安倍元首相が参拝してきた靖国人社の歴史資料館遊就館にはそのように展示されている。「日本はアジア諸国に良いことをした、中国や韓国にいつまでもごちゃごちゃ言われる筋合いはない」ということもアメリカからすれば目障りだ。こうした日本の右翼による主張を受け入れてしまえば、アメリカの正当性は揺らいでしまう。そして、日本の右翼(ネトウヨを含む)にとっての最大は皮肉にも当代きっての親米派安倍元首相ということになった。

 核武装、核シェアリングを言い出したことでアメリカは安倍元首相を見限ったのだろうと私は考える。「こいつはなかなか役に立ったけども、一枚めくればいつアメリカの正当性に挑戦してくるかもしれない、もしくはそうした勢力に担ぎ上げられてしまうかもしれない」「中国との対決ばかりを言う奴らを甘やかし過ぎたな」ということになったのだろう。

 安倍元首相の抱えた矛盾とは戦後日本が抱えた矛盾である。この矛盾を自分の中に抱えながらうまくバランスを取ることが現実的な保守政治家ということになる。安部元首相はそのバランスをうまく取れなくなっていたように思う。彼は親米派として葬られるのか、それとも歴史修正主義者として葬られるのか、後の世の歴史家たちがどう判断するのかが今から楽しみだ。

(貼り付けはじめ)

安倍晋三をめぐる数多くの矛盾(The Many Contradictions of Shinzo Abe

-日本の元首相はアメリカとの関係を緊密にしようとしながらも、日本による征服の正当性への信念に固執していた。

ハワード・W・フレンチ筆

2022年7月18日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2022/07/18/shinzo-abe-history-japan-diplomacy-contradictions/

最近暗殺された日本の元指導者安倍晋三との最初の緊密な出会いから彼が特別な政治家であることは私にとって明らかだった。批評家による「金属疲労」の患者の診断だけでなく、私のキャリアにおいて私が精通していた世界の舞台の基準でも特別な政治家だった。安倍元首相は、古ぼけた見た目の指導者たちが次々と交代し、批評家たちが「金属疲労(metal fatigue)」に苦しんでいると評価する国の基準からだけではなく、私がキャリアを通じて親しんできた国際舞台の基準からも、特別な政治家であった。

2000年代初頭、官房副長官として初めて見た安倍元首相には、既にダイナミズムと自信、そして野心のオーラが漂っていた。戦後間もない時期に強力な総理大臣を務めた岸信介の孫という、日本の保守政治の世界では最も高貴な血(blue blood)を引く人物だった。しかし、安倍首相を取り巻く権威の力は、継承されたものというより、むしろ彼個人の属性に近いように感じられた。

記者会見で、即興的かつ激しい言葉遣いで、自信たっぷりに話す姿にそれを感じた。また、2002年に北朝鮮の平壌で行われた小泉純一郎首相と金正日総書記の首脳会談では、より身近なところからそれを感じ取ることができた。

1970年代後半から1980年代初頭にかけて北朝鮮に拉致されたとされる日本人たちの運命や、北朝鮮で死亡した拉致被害者の遺骨の回収など、外交分野における最も困難な問題のいくつかを安倍元首相は自ら担当した。官房副長官という立場を考えれば、他の多くの政治家はスポットライトを浴びないように配慮しただろう。しかし、安倍元首相はカメラに映ることを楽しんでいるようで、注目を浴びすぎないようにすることが課題となった。

安倍元首相は、私が初めて取材した、私とほぼ同世代の世界のリーダーの1人である。2006年、戦後最年少の52歳で総理大臣に就任し、その野望を実現する。しかし、その最初の任期は、他の多くの先輩たちと同様、健康上の問題からわずか1年後に終了するという短いものとなってしまった。しかし、5年後の2012年に再び首相に返り咲き、2020年には歴代最長の首相としてその任を終えることができたのは、彼の並々ならぬ意欲の表れであったと言える。

このように、単独の銃撃犯の凶弾に倒れた稀代の政治家が体現することになる多くの深い矛盾を、私たちは既に見ることができる。安倍首相の夢は日本を近代的にすることであり、それは政治の近代化によって実現される。しかし、安倍首相が常に考えていたのは、より根本的かつ避けらないことだった。それは自分が率いる、長年にわたって日本を支配する自民党の立場を強化することだった。自民党(Liberal Democratic PartyLDP)は「リベラルでも民主主義でもない(neither liberal nor democratic)」という古くからの定説ほど、正確なものはない。

安倍首相は自民党の政権をほぼ維持し、更に強化することに成功したが、自民党は決して大胆な改革に熱心ではなかったし、それは安倍首相自身にも当てはまる面がある。例えば、安倍首相は「女性が輝く日本(a place where women shine)」を実現するために「ウーマノミクス(womenomics)」と名付けた公約を掲げた。経済的そして人口的に女性の社会進出は急務であり、賃金や地位の平等、更には国防軍への登用も必要だが、その進展は鈍く、自民党の有力政治家の中にはは公の場でしばしば下品な性差別を口にする人々も出ている。

安倍首相は「~ノミクス(-nomics)」という言葉を好み、「アベノミクス(Abenomics)」として広く知られる自国の競争力強化を目指した一連の政策とさらに深い関わりを持っていた。確かに、長い間低迷していた株式市場は、安倍首相在任中に飛躍的に上昇したが、経済格差は彼の在任中に大幅に拡大した。また、韓国や中国など、産業が活発な近隣諸国に対抗するために、日本がどのような位置づけにあるのか、その判断ははっきりしないものとなっている。

純粋に政治的な観点からすれば、安倍首相の2期目の長期在任によって、首相に就任してはすぐに退陣する刹那的な自民党指導者たちが後を絶たないサイクルと決別できるかもしれないと思われた。しかし、安倍首相が選んだ後継者の菅義偉は、表現力に乏しく、目立たない人物で、2020年9月から翌年9月までしか在職しなかった。安倍元首相は、小泉政権時代の官房長官時代のように、ゴッドファーザーとして、また、常に政治の中心にいる黒幕(éminence grise、エミネンス・グライズ)として、最大限の影響力を培うことによって、日本政治における慢性的な短期交代がもたらす影響を緩和することを明らかに望んでいた。しかし、彼の死によって、その夢も消えた。

1980年代に5年間首相を務め、世界の指導者の中でも特にロナルド・レーガン元米大統領と親密な関係を築いた中曽根康弘以来、外交関係において安倍首相は少なくとも最も活発でダイナミックな日本の政治家であった。安倍元首相は、すぐに飛行機に乗り、精力的に個人として外交を行った。当時、当選したばかりのドナルド・トランプ米大統領とニューヨークのトランプタワーで面会した最初の外国首脳となり、ロシアのウラジミール・プーティン大統領とは他のどの国の首脳よりも多く面会した。

そして、その執念によって、中国の習近平国家主席の仰々しい安倍元首相への蔑視を克服した。2014年、北京で開かれたアジア太平洋経済協力会議首脳会議で、ついに2人は初対面を果たした。この初対面の写真は名作で、いろいろな読み方ができる。私には、安倍首相が疲労困憊の表情とは裏腹に、「隣の巨人の強力な指導者とついに一騎打ちの機会を得た」という満足感に満ちているように見えるのに対し、習近平の顔は、まるで「この人と握手をさせられるなんて」と思っているような、羊のような顔をしているように見える。

しかし、結局のところ、安倍元首相の執念と人柄の強さは、日本に何をもたらしたのだろうか?

安倍元首相の死後、アメリカの外交・安全保障関係者の多くは、安倍元首相を讃えようと躍起になった。アメリカとの防衛同盟を強化し、アジア太平洋地域でより積極的で力強い存在となり、日本国憲法を改正し(戦後の日本占領中にアメリカ人たちによって書かれた)、そして何よりも、これらの各項目に関連するが、中国の台頭に対する防波堤としてより直接的にアメリカを支援しようとする彼の粘り強い努力を称えている。

しかし、外交分野ほど安部元首相が矛盾を残した分野は他にない。日本が安全保障を向上させるためにできる最善のことは、粘り強さと規律をもって韓国との深い和解を実現することであることは間違いない。しかし、安倍首相の家系は、特に戦犯としてかろうじて裁かれることを免れた岸信介の孫であることから、それが不可能であるように思われた。

安部元首相の夢は彼が韓国との「前向きな(forward-looking)」関係と彼の国の過去に対する謝罪のない態度を作り出すことだった。これは、彼と将来の日本の指導者が、日本の戦争での戦死者たちの霊が祀られている東京の靖国神社に参拝することができるという希望を決して捨てることを意味しなかった。靖国神社に祀られている死者の中には、20世紀の日本の帝国主義戦争で重要な役割を果たした戦争犯罪者たちが含まれている。

安倍元首相は、アメリカとの関係を緊密化する一方で、日本の征服の背後にある崇高な意図と正当性についての信念に固執した。したがって、戦後の東京裁判の違法性、ひいてはアメリカによる占領と、日本が攻撃的戦争目的を追求するための軍隊を保有することを永遠に禁止する、アメリカによって書かれた日本国憲法の非合法性についても確信を持っていた。しかし、安倍元首相を長く政権に留まらせた同じ日本国民が、そのような道を歩むことは決してなかった。安倍元首相は、いわゆる平和憲法の改正を推し進めたまま亡くなり、この点では不満の残る死を遂げた。

どの程度までアメリカとの同盟にこだわるかは、後世の日本人が決めることだろう。いずれにせよ、中国は日本にとってより大きな、そして当分の間は経済的にも軍事的にも強力な隣国であることに変わりはない。日本はアメリカよりも中国との貿易が多く、紛争になれば、ウクライナに侵攻したロシアを罰するためにアメリカやヨーロッパ諸国が主導しているような欧米諸国による対中制裁体制によって壊滅的な打撃を受けるだろう。アメリカが中国と撃ち合いになれば、日本は更に恐ろしい選択を迫られることになるだろう。ワシントンとの同盟を結んでいることで、中国のミサイルが日本の領土に降り注ぎ、海上で日本の船舶を沈めるような事態が起きるならば、その同盟には価値があるだろうか?

私たちはこのような事態にならないことを願わなければならないが、希望は戦略ではない。私が2017年に出版した『天の下の全て:過去が中国の世界的権力の推進を形作るのにどのように役立つか(Everything Under the Heavens: How the Past Helps Shape China's Push for Global Power)』で主張したように、東アジアで戦争のリスクが最大になる時期は、今後数十年に及ぶというケースがある。その後、中国の人口動態が大きく変化し、北京はますます多くの富を国内の退職金や社会福祉に充て、近くて遠い海外での野望を後退させるだろう。

このようなシナリオの下では、安倍首相が掲げる日本のヴィジョンは、いくつかの論理のうちの1つに過ぎない。過去と折り合いをつけ、近隣諸国に接近する(アメリカに背を向けるという意味ではない)ことも、同様に明白な代替案であるように思われる。

※ハワード・W・フレンチ:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト、コロンビア大学ジャーナリズム大学院教授。長年にわたり海外特派員を務める。最新刊は『;アフリカ、アフリカ人、そして近代世界の構築、1471年から第二次世界大戦まで』。ツイッターアカウント:@hofrench
(貼り付け終わり)

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 安倍晋三元首相の銃撃暗殺事件から約2週間が経過した。岸田文雄首相は安倍元首相の「国葬」を9月に執り行うと発表した。自民党の茂木敏充幹事長は国葬反対の国民の声を「承知していない」と切り捨てた。根拠となる法律もなく、国会で審議を行うこともなく、閣議決定のみで国葬を強行している。そのような強行突破での実施が死者を悼む行事となるのかどうか甚だ疑問だ。

 安倍元首相を銃撃したとして殺人容疑で逮捕された山上徹也容疑者の供述から、自民党と統一教会の関係に人々の関心が集まった。強引な勧誘や実質的な献金強制、それに合同結婚式などが日本で報道されたのは1980年代から90年代にかけてであった。その当時、一家離散の悲劇に苦しむ人々や全財産を失って悲嘆にくれる人々の姿が報道された。現在、「信教の自由で不幸になるのは自己責任だ(自由権)」という一般論を並べ立てながら、統一教会を遠回しに擁護する論調がマスコミ(五大新聞社と五大テレビ局)でも流されていたが、その実態に再び焦点があてられることで少しずつ消えているようだ。

 統一教会の問題点はそのカルト性と政治への接近の2つが挙げられる。カルト性については1980年代からずっと報じられてきた。しかし、実生活では、統一教会と名乗らずに別の名前の団体として人々を勧誘し、最終的には信者にしてしまうということが起きている。私の学生時代には過激派(革マル派)が学生自治会を牛耳っており、立て看板、ビラを通じて、「統一教会、原理研には気をつけろ」という警告を盛んに出していた。私は「革マル派に入るのだって危ないではないか」と思いながら、ビラを流し読んでいた。ただ、当時の報道(1990年代)もあって気を付けるようにはしていた。

 統一教会の政治との関わり、特に自民党との関わりは、「政治の玄人」「政治のプロ」のような人々からの話からの知識として知っていた。「自民党の議員事務所には統一教会系の統一日報が置いてある」「無給のスタッフを各議員事務所に派遣している」「選挙の動員などにも協力している」といったことは聞いていた。また、アメリカの日本研究分野の大物であるリチャード・J・サミュエルズの『マキァヴェッリの子どもたち』という日本とイタリアの19世紀以降の歴代指導者の比較研究では、岸信介、文鮮明、笹川良一の関係について言及されている。

 韓国発祥の統一教会が現在のような巨大な宗教帝国となったのは、日本の資金のおかげである。日本からの資金が全体の7割を占めるということは、日本以外の国々では強引な献金や霊感商法は行っていないということになる。日本の統一教会は集金マシーンとなっている。そこには日本による植民地支配の歴史を絡めての「贖罪意識」を刺激しての集金ということもあるようだ。そして、自民党との大物政治家たちのつながりを誇示することで、統一教会はその「正当性」を人々にアピールしてきた。その代表格が安倍晋三元首相だ。

 山上徹也容疑者のものと思われるツイッターアカウントが発見され(現在は凍結中)、その中で、山上容疑者が安倍晋三元首相を支持する「ネトウヨ」的な書き込みが多くなされていることが明らかにされた。それなのにどうして安倍元首相を銃撃するに至ったのかということであるが、自分の家族を崩壊させた統一教会と安倍元首相との間に緊密な関係があることを知った、最初は教団の最高幹部を狙ったが攻撃が不可能なので安倍元首相に標的を変えたということになっている。ここのところはより緻密な分析が必要であろう。

 統一教会にとって日本と自民党という存在は宗教帝国として拡大していく上で欠くことができない存在となった。結果として、統一教会が自民党に対する影響力を持つまでに至ったということも言われている。しかし、より直接的に言えば、日本人の膏血を絞ることで肥え太った統一教会との関係を清算せずにずっと持ち続けた日本人が日本の国民政党たる資格があるのか、ということだ。彼らが述べる「家族・家庭の重要さ」「国民の生命財産を守る」という言葉は何の意味もなく、空虚なものでしかないということになる。

(貼り付けはじめ)

安倍元首相と日本が文鮮明の統一教会にとっていかに重要な存在になったか(How Abe and Japan became vital to Moon’s Unification Church
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安倍晋三元首相を暗殺した容疑者は、安倍元首相が母親の金銭トラブルの原因とされる宗教団体と関係があったため、恨んでいると警察に語ったとメディアは報じている。(キヨシ・オオタ/ブルームバーグ・ニューズ)

マーク・フィッシャー筆

2022年7月12日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/world/2022/07/12/unification-church-japan-shinzo-abe/

悲嘆にくれる高齢者たちをターゲットにした訪問販売戦術を用いて、そして著名な政治家の育成などで、統一教会は何十年もかけて、日本を最も信頼できる利益の中心地として確立してきたと、故文鮮明牧師の多くの部門を持つ精神的・経済的世界帝国を調査分析する捜査官たちは口々に語る。

今、安倍晋三元首相を暗殺した容疑者は、自身の母親の破産を宗教団体のせいだと考えていると警察に話し、統一教会が犯人の母親が日本支部の会員だったことを確認した後、日本において長い間論争の的になっていた統一教会の役割について再び精査される状況になっている。

日本国内での報道によれば、銃撃の容疑者である山上徹也は、母親が宗教団体に大金を寄付するよう圧力をかけられ、経済的に破綻したと警察に供述しているということだ。

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7月8日の奈良での暗殺現場で、警備員にタックルされる安倍元首相狙撃容疑者の男。(読売新聞社/ロイター経由)。

統一教会の日本支部を運営する田中富広会長は月曜日の記者会見で、山上容疑者の母親は1998年に入信し、その後一時的に退会し、今年になって復帰したと述べた。教会幹部は、母親が団体に献金していたという情報はなく、山上容疑者自身が教会に所属していたという記録もないと述べた。警察はまだその宗教団体名を明らかにしていない。

火曜日、日本のメディアは、奈良の統一教会の建物のファサードから弾痕が発見されたと報じた。日本のテレビ局であるフジニューズネットワークによると、山上容疑者は安倍元首相を撃つ前にそこで銃のテストをしたと捜査当局に語ったという。

統一教会は日本で数十の教会を管理しており、奈良の教会もその一つで、安倍元首相が金曜日に銃撃された場所から数百メートルしか離れていない。

安倍元首相は他の多くの世界的指導者と同様に、統一教会関連のイヴェントに有料スピーカーとして出演していたが、最近では9月にドナルド・トランプ元大統領も出演した番組に出演し、ヴィデオリンクを通じて講演を行った。

トランプ前大統領は文鮮明の未亡人であり、統一教会で「真の母(True Mother)」として知られる韓鶴子が主催した「希望の集会」で、彼女を「偉大な人物」と呼び、「世界中の平和のための彼女の驚くべき仕事」を賞賛した。彼は文鮮明夫妻に感謝の言葉を述べた。「彼らが地球全体に引き起こしたインスピレーションは信じられないほどだ」。 文鮮明は2012年に死去し、それ以来、彼の妻と子供たちは彼のビジネスや他の組織の支配権をめぐって争ってきた。

安倍首相はトランプ大統領が出演した同じ番組で、韓鶴子に「世界の紛争解決、特に朝鮮半島の平和的統一に向けたあなたのたゆまぬ努力に深く感謝する」と表明した。

自らを救世主(messiah、メシア、メサイア)と称する文鮮明は、イエスから地上での活動を継続するよう指示されたと説いた。

その歴史を通して、文鮮明の教会とその関連団体は、世界の政治指導者、有名人、他の宗教の著名な聖職者たちを講演に招くために高額の謝金を支払ってきた。これは、統一協会を有名で尊敬される人物と関連づけることによって信用を勝ち取るための長年のキャンペーンの一部である。

アメリカ国内と世界各地で文鮮明のビジネスと政治的な行動について長年研究してきたラリー・ジリオックスは土曜日に次のように述べた。「彼らは自分たちに正当性を与えてくれる人になら誰にでも金を出す。大きな名前(有名性)は小さな名前を次々と引きつけ、地元のベンチャー企業を助けることができる」。

具体例を挙げる。1990年代半ば、ジョージ・HW・ブッシュ元大統領やジェラルド・フォード元大統領、コメディアンのビル・コスビー、ソ連のゴルバチョフ元書記長などが、日本とワシントンで開かれた文明性主催の会議で講演を行った。ブッシュは、あの世での愛する人の幸せを保証するために何百万ドルも寄付するよう圧力をかけられたとして、統一教会と文氏が経営するハッピーワールド社を訴えた何千人もの日本人に対して、日本の裁判所が1億5000万ドル以上の賠償金を認めた数ヶ月後に講演を行った。

(ワシントン・ポスト紙が彼の出演について報じた後、ブッシュは当時一般的に8万ドル程度だった講演料を慈善団体に寄付することにした)

学者や政府の調査員たちによる統一教会に関するいくつかの研究によれば、60年代以上にわたり、統一教会とその様々な分派は、アメリカを含む世界各地の事業を助成する収益センターとして日本に依存してきたという。

『ワシントン・タイムズ』紙や他の多くの国でのメディア事業など、文鮮明の最も有名な構想のいくつかが損失を出しても、統一教会は主に「霊的販売(spiritual sales)」と呼ばれるものに基づく強力な収益源を日本部門に期待することができた。

かつて統一教会員で、その後精神衛生カウンセラーになり、破壊的カルトについての本の著者でもあるスティーヴ・ハサンは土曜日次のように述べた。「日本の統一教会員たちは、死亡記事を詳しく調べ上げ、亡くなった人の家族の家のドアをノックして、『亡くなったあなたの愛する人が私たちと通信している。その人は銀行に行って、あなたの愛する人が霊界で昇天できるように統一教会にお金を送ってほしい』と述べた。このような行動をしてきたの

統一教会のルーツは韓国だが、統一教会を研究してきた複数の歴史家の研究によれば、伝統的に教会の富の70%を提供してきたのは日本であったという。日本の元教会幹部はかつてワシントン・ポスト紙に、文鮮明の組織が1970年代半ばから80年代半ばにかけて、日本からアメリカに8億ドルを送金したと語った。

統一協会の元幹部ロン・パケットは1997年にワシントン・ポスト紙に次のように語っている。「文鮮明は韓国と日本からマンハッタン・センター(ニューヨーク市にある教会の主要施設の一つ)に現金の入った袋を何百と送ってきた。そのお金がどこから来るのかと尋ねるといつも答えはただ『お父様から』というものだった。統一教会員たちが使う「お父様」とは文鮮明を意味する。

日本では長年、統一教会信者たち(Unificationists)が高麗人参や、文鮮明が韓国で経営する会社で作られた石塔のミニチュアなどの宗教用品を売る光景をよく目にした。統一教会信者たちは、その商品に霊的な力が宿っていると主張し、日本では集団訴訟に発展し、数百人が示談を勝ち取った。

日本の小政党であるNHK党の黒川敦彦代表は、先月のテレビ放送で、統一教会は「反日カルト」であり、1958年に統一教会が日本に最初に進出したのは安倍首相の祖父である岸信介元首相のせいであると述べた。文鮮明は1975年に日本で最初の新聞を創刊し、その後すぐに彼の特徴である信者の集団結婚を日本に持ち込んだ。

前述のハッサンによると、文鮮明の神学では、彼の母国である韓国は世界を支配する運命にある支配者民族の故郷である「アダム」の国であり、日本は韓国に従属する「イヴ」の国であるという。統一教会では、イヴがサタンと性的関係を持ち、人類を堕落させ、文鮮明が人類を救済するようになったと教えられている。

文鮮明の未亡人である韓鶴子は現在、統一教会の正式な後継団体である「世界平和統一家庭連合(Family Federation for World Peace and Unification)」を統括している。文氏の息子亨進(ヒョンジン、通称:ショーン)が立ち上げた対抗組織も、日本に進出している。ペンシルヴァニア州ニューファンドランドに拠点を置く世界平和統一神殿(World Peace and Unification Sanctuary)は、「鉄の棒の牧師たち(Rod of Iron Ministries)」として知られ、AR-15アサルト銃は「攻撃的な悪魔の世界から身を守るため」の宗教儀式に重要な役割を果たすと説いている。

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2018年2月、ペンシルヴァニア州ニューファンドランドにある世界平和統一聖堂で、装填されていない武器を手にする礼拝者たち。

ヒョンジンの兄クックジン(國進、通称ジャスティン)は教会界で「真の息子(True Son)」と呼ばれ、ペンシルヴァニア州グリーリーに武器製造会社カー・アームズ社(Kahr Arms)を所有し、2010年に父親から日本に派遣され、教会の法的地位を剥奪しようとする動きに反発した。

國進はその年の演説で次のように述べた。「警察が私たちの教会に対してかなり大規模な捜査を行っていたので非常に困難な時期だった。警察は私たちの教会を徹底的に調査した。彼らは私たちの教会のメンバーを逮捕し、私たちの教会を捜索していた。それも1つや2つの場所だけでなく、多くの場所で捜索が行われた」。

演説の中で、國進は、教会が日本人に、亡くなった、愛する人の霊を救うために多額の寄付をするよう圧力をかけていたことを否定した。彼は、日本における教会の大口献金者の多くにインタヴューしたことがあると述べた。國進は「私は彼らに、“何があなたをそんなに寄付する気にさせるのですか”と尋ねた。そして、非常に多くのケースで、兄弟姉妹は、先祖がやってきて、そうするようにと言ったと私に言ってくれたのだ」と述べた。

※東京を拠点とするジュリア・ミオ・イヌマは本記事の作成に貢献した。

※マーク・フィッシャー:上級編集員。様々なテーマを網羅。ワシントン・ポスト紙のエンタープライズエディター、ローカルコラムニスト、ベルリン支局長を経て、メトロ、スタイル、ナショナル、海外デスクで30年にわたり、政治、教育、ポップカルチャーなど、さまざまな分野を取材してきた。 ツイッターアカウント:@mffisher

(貼り付け終わり)

(終わり)※6月28日には、副島先生のウクライナ戦争に関する最新分析『プーチンを罠に嵌め、策略に陥れた英米ディープ・ステイトはウクライナ戦争を第3次世界大戦にする』が発売になります。


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