古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:麻生太郎

 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。アメリカ政治と世界政治について俯瞰し、分析しました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。


bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 本日(2024年1月19日)、東京地検特捜部は、安倍派、二階派、岸田派の会計責任者たちを起訴し、立件した。既に逮捕された国会議員、起訴されている議員たちもいるが、これ以上の事件の拡大はないということになりそうだ。会計責任者たちが起訴された、3つの派閥の幹部たちが起訴されないということで、国民感情としては「ふざけるな」ということになっている。
 ここでより俯瞰的な見方をしてみたいと思う。特捜検察はどうして重要な国会議員たちを逮捕しないのかということであるが、特捜検察の目的は法律に基づいて、正義を行うということではない。特捜検察は、簡単に言えば、権力者にとって都合の良い、切れ味鋭い「刀」である。権力者の刀だというのなら、どうして岸田首相の派閥である岸田派が立件されたのか、ということであるが、それは、究極的には、日本の首相は日本の権力者ではないということだ。それでは、日本の権力者は誰であるが。それはアメリカだ。特捜地検はアメリカにとっての刀である。

 アメリカの日本支配を強めるため、より効率的、直接的に行うために、アメリカは日本政治と自民党の整理を行おうとしている。派閥という、アメリカからすれば訳の分からない機関が自民党を動かすのではなく、アメリカが育てた、教育した、息のかかった議員たちが主流派になり、当選回数や経験などに関係なく、指導的な立場に就けるようにする、そのために、派閥を解消するということがアメリカの意向であり、特捜検察はそのために動いた。政治家の逮捕など大きなことではないのだ。

 特捜検察の源流は、戦後直後の混乱期に、旧日本軍や官庁が個別に物資を隠匿していた事件(隠退蔵物資事件)を摘発する捜査部隊(隠匿退蔵物資事件捜査部)であり、この捜査部隊を作らせたのは、連合国軍最高司令官総司令部(General Headquarters, the Supreme Commander for the Allied PowersGHQ/SCAP)の民政局(Government SectionGS)次長を務めたチャールズ・L・ケーディスである。それ以来、特捜検察はアメリカの刀であった。田中角栄や小沢一郎といった、アメリカに唯々諾々と従うことをしなかった政治家たちは、特捜検察に襲い掛かられた。私たちは日本の戦後の属国としての歴史について知り、その現実を改善するための方策を国民的な議論の中で見出していかねばならない。

 アメリカは、中国の台頭という脅威に直面している。アメリカは中国に対峙するにあたり、日本を最前線だと考えている。その点で、日本の重要性は増している。アメリカが直接中国と戦うという訳にはいかない。そこで、日本を中国にぶつけて様子を見る、いざとなれば、日本を切って、中国との関係改善のために、共通の敵とするということまでやりかねない。日本にとって極めて重要なのは、中国と絶対に武力衝突を起こさないことだ。そのための人材として二階俊博元幹事長がいた訳だが、派閥解消で力を失う。アメリカにとっては狙い通りの動きである。

 アメリカの日本政治、自民党の整理は、安倍晋三元首相の暗殺が契機となった。安倍晋三元首相はアメリカにとって単純に称賛できない存在だった。アメリカにべったり、アメリカ従属の政治家であるが、同時に、太平洋戦争に関して修正主義、靖国神社参拝を行う、アメリカに反対する立場の政治家でもあった。安倍元首相の後ろ盾はマイケル・グリーンであったが、グリーンがワシントンDCからシドニーに都落ちをして、アメリカの対日管理の空気感が変わってきた。これが行きつく先が、安倍派にばかりスポットが当たった裏金問題である。

こうしたことは自民党所属の国会議員たちの大多数には知らされていない。最高幹部層だけの話だ。普通の自民党議員たちは、あれっと思っているうちに、裏金問題が大きくなり(マスコミを使って大ごとのように宣伝された)、選挙区に帰って有力な支持者たちとどうしてこうなったのかなどと話しているうちに、派閥解消まで話が進んで呆然としているという状態だ。これは「ショック・ドクトリン」の応用だ。災害などが起きて、人々が呆然としているうちに、新しい制度などが素早く導入されるというものだ。自民党議員たちは気づいたらこのようなことになっていた。金曜日なので選挙区に帰る議員たちがほとんどだろうが、皆、説明する言葉もなく、有権者たちと同様に呆然とするしかない。

 アメリカとしては、派閥という訳の分からないもので人事が決まるのではなく、親米派の議員たちが主流派を形成して、そこから指導者が出てくることが望ましい。派閥があることで物事がスムーズに進まないということがないようにしたい。こうしたことから、特捜検察を使って、自民党の整理の仕上げとして、派閥解消を実現させた。特捜検察は忠実にその目的のために動いた。自民党の派閥がなくなって嬉しい、と単純に喜べない状況にあると私は考えている。

(貼り付けはじめ)

●「安倍派幹部7人、立件断念 パー券問題で東京地検特捜部」

毎日新聞 1/19() 15:40配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/cb08c3775adc3c475e55c9734fe3faa20611a482

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で、東京地検特捜部は19日、清和政策研究会(安倍派)の幹部議員7人について政治資金規正法違反容疑での立件を断念した。パーティー券収入のノルマ超過分を派閥や自身の政治団体の政治資金収支報告書に記載していない疑いが持たれていたが、いずれも会計責任者との共謀が立証できないと判断したとみられる。

 松野、西村、高木、世耕、萩生田の5氏は安倍派の「5人衆」と称され、座長の塩谷氏とともに派閥の集団指導体制をとるメンバー。下村、松野、西村、高木の4氏は公訴時効にかからない2018年以降に派閥の事務を取り仕切る事務総長を務めた。

 一方、特捜部は、安倍派と、志帥会(二階派)の会計責任者ら2人を同法違反で在宅起訴し、宏池会(岸田派)の元会計責任者を略式起訴した。一連の事件では、自民の主要5派閥が同法違反容疑で刑事告発されたが、うち3派閥が立件される形となった。

【井口慎太郎、北村秀徳、岩本桜、山田豊】

=====

●「安倍、二階、岸田3派閥の会計責任者らを立件 政治資金規正法違反」

毎日新聞 1/19() 14:22配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/30040cadf66ce588899df6217a5cdcfc23af5a18

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で、パーティー券収入のノルマ超過分に関する収支を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、東京地検特捜部は19日、清和政策研究会(安倍派)と、志帥会(二階派)の会計責任者ら2人を政治資金規正法違反(虚偽記載)で在宅起訴し、宏池会(岸田派)の元会計責任者を略式起訴した。

 一連の事件では、自民の主要5派閥が同法違反容疑で刑事告発されたが、うち3派閥が立件される形となった。

 在宅起訴されたのは、安倍派の会計責任者の松本淳一郎被告(76)と、二階派の元会計責任者の永井等被告(69)。略式起訴されたのは、岸田派の元会計責任者の佐々木和男元職員(80)。3派閥とも幹部議員は刑事訴追されなかった。

 起訴状によると、安倍派では2018年からの5年間でパーティー券に関する収入約67500万円、支出約67600万円が記載されず、二階派では18年からの5年間で収入約26400万円、支出約11600万円が不記載になっていたとされる。岸田派では18年からの3年間で収入約3000万円が不記載になっていたとしている。

 3派閥ではパーティー券収入のノルマ超過分を議員側にキックバック(還流)する運用が続けられていたとされる。安倍派では還流資金に関する収支が派閥側と議員側の両方の収支報告書に記載されておらず、二階、岸田両派では議員側への支出は記載されているものの、パーティー券収入の総額が過少記載されていた疑いが持たれていた。

 安倍、二階両派ではノルマ超過分を派閥に報告せず、事務所でプールしていた議員が複数いるとされていた。【井口慎太郎、北村秀徳、岩本桜、山田豊】

=====

●「岸田派解散検討 首相他派閥の対応 言及する立場にない

NHK 2024119 1406

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240119/k10014326701000.html

自民党岸田派の解散の検討を表明したことをめぐり、岸田総理大臣は19日午前、ほかの派閥の対応に言及する立場にないとした上で党としては、国民の信頼回復に向けた派閥のルールの議論を続ける考えを示しました。

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受け、岸田総理大臣が、18日夜、みずからが会長を務めていた「宏池会」=岸田派の解散を検討していることを明らかにしたのを受け、今後は、ほかの派閥に同様の動きが広がるかが焦点となる見通しです。

岸田総理大臣は19日午前、総理大臣官邸で記者団に対し「政治の信頼回復のために『宏池会』を解散するということを申し上げた。ただ他の派閥のありようについて何か申し上げる立場にない」と述べました。

また、自民党の政治刷新本部で議論の焦点となっている派閥のあり方について、どう道筋をつけていくのか問われ「国民から派閥がカネやポストを求める場になっているのではないかとの疑念の目が注がれている。こうした疑念を払拭して、信頼を回復するため、政策集団のルールについては考えていかなければならない」と述べました。

一方、一連の政治資金をめぐる問題の実態解明などへの対応について「現在、検察の捜査が続けられている。その結果を見た上で適切なタイミングで対応を考えていきたい」と述べました。

林官房長官「総理の判断 重く受け止めた」

林官房長官は閣議のあとの記者会見で「きのう、岸田総理大臣から『宏池会』の解散を検討していると伝えられ、私としても総理の判断を尊重したいと申し上げた」と述べました。

そのうえで「岸田総理大臣とは日頃より密に意思疎通を行っていて、『宏池会』への思いの強さはじゅうじゅう承知している。そのうえでの判断ということで重く受け止めた」と述べました。

一方、記者団から自民党のほかの派閥はどうあるべきか問われ「それぞれの政策集団のありようについて申し上げる立場にないが、自民党の政治刷新本部で政策集団の在り方に関するルール作りを含めて議論が深められるものと考えている」と述べました。

また、派閥を離脱した岸田総理大臣が今回の判断に関わったプロセスを問われたのに対し「現在『宏池会』の会長が不在な中で、直近まで会長を務めていた岸田総理大臣が、私を含む派閥のメンバーに考えを述べ、その考えで一致したということだ」と説明しました。

木原防衛相「政治資金の透明性高めることが必要」

自民党茂木派に所属する木原防衛大臣は閣議の後の記者会見で「一部の政策グループの政治資金パーティーの収支で不適切な会計処理が行われたことが発端だと理解している。政策グループの存在自体に問題があるのか、政策グループの不適切な行為に問題があるのか、私の所属するグループが対象ではないので判断がつかないが、政治資金の透明性を高めることが必要で、不適切な行為に対しては厳格な責任体制を確立することも必要だ」と述べました。

松本総務相「信頼回復へ強い決意で発言したのでは」

自民党麻生派に所属する松本総務大臣は閣議のあとの記者会見で「私も国民の政治不信には強い危機感を抱いている。岸田総理大臣も何としても信頼を回復しなければならないという強い決意を持って、自民党総裁として発言したのではないか」と述べました。

そのうえで「具体的な信頼回復の道筋については、自民党の政治刷新本部で議論が重ねられている。方向が定まれば所属議員として従っていく」と述べました。

齋藤経産相「大変重い発言 深い感慨で受け止め」

岸田総理大臣が自民党岸田派の解散の検討を表明したことについて、齋藤経済産業大臣は、19日の閣議のあとの会見で「長い伝統ある宏池会を解散することを検討しているという昨晩の発言については、大変重い発言であったと、自民党の一国会議員としてある種の深い感慨を持って受け止めている」と述べました。

そのうえで「政策集団の在り方についても党の政治刷新本部において議論が深められていくということで、期待しながら見守っていきたい」と述べました。

盛山文科相「派閥の解散 信頼を得るために必要かも」

自民党岸田派に所属する盛山文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で「大臣の立場でコメントすることはない」としたうえで「きのうの岸田総理大臣の発言を夜のニュースで見たが、『とうとうここまで言ったのか』と思った。一議員として、国民の政治に対する信頼を取り戻していくことは不可欠で、実効性のある対策を講じることが重要だと考える」と述べました。

また、派閥の解散が実効性のある対策なのかと記者団から問われ「派閥はあっておかしくないと私は思う。ただ国民からすると、派閥があるからこういう事態が起こっているという批判もあると思う。いったん派閥を解消して活動していくというのも、国民の信頼を得るために必要なやり方かもしれない」と述べました。

高市経済安保相「改革への強い思いで述べたのでは」

かつて安倍派の前身の派閥に所属し、今は無派閥の高市経済安全保障担当大臣は、閣議のあとの記者会見で「岸田総理大臣は自民党総裁の立場にもあり、改革への強い思いとして述べたのではないか。国民の信頼を得られるよう党の政治刷新本部で議論が行われており、私の立場としては、閣僚として一つでも成果を挙げ、岸田内閣の実績を作れるようコツコツと働いていきたい」と述べました。

公明 石井幹事長「潔い判断」

公明党の石井幹事長は記者会見で「岸田総理大臣は宏池会に強い思い入れがあると思うので、そういう意味では潔い判断だ。岸田総理大臣の判断がほかの派閥にどれだけ影響を及ぼすか見守っていきたい。派閥の問題は自民党自身が考えることで今回の再発防止策のすべてではなく、あわせて政治資金規正法の改正が必要になる」と述べました。

立民 泉代表「指導力も責任感もない」

立憲民主党の泉代表は記者会見で「岸田総理大臣は自分の派閥のことしか言っておらず、他の派閥のことを言わないなら自民党総裁としての責任を全く果たしていない。各派閥で億円単位の裏金が発覚しても、とりつぶしをしようとせず、指導力も責任感もない」と述べました。

また「岸田総理大臣は派閥を離脱していたのではないか。離脱はフェイクであり、実際の運営権は岸田総理にあったことが今回の『岸田派解散宣言』で明らかになった」と述べました。

一方、東京地検特捜部が、安倍派や二階派の幹部について立件しない見通しとなっていることに関連して「東京地検には捜査権限があり、国民が納得する結果を出してもらいたい。収支報告書に記載されていない金額が4000万円や5000万円だったら立件され、1000万円だったら大丈夫という理屈があるのか。納得できないという人がほとんどではないか」と述べました。

=====

●「【速報】志帥会・二階元幹事長「派閥を解消したい」派閥の政治資金事件受け議員総会で言及」

TBS NEWS DIG 1/19() 15:54配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/a826d7ec7fe6cc1ae8c23c0b4db3871ceddfce3c

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件を受け、二階派の会長を務める二階俊博元幹事長は議員総会で「派閥を解消したい」と話したことが分かりました。議員総会に出席した議員が明らかにしました。

二階派の政治資金パーティーをめぐっては、おととしまでの5年間でおよそ2億円が裏金となり、政治資金収支報告書に記載されていなかった疑いがもたれています。

東京地検特捜部は二階派の元会計責任者を政治資金規正法違反の罪で在宅起訴したほか、二階氏の事務所では派閥に納めていない「中抜き」とよばれる不記載の資金が3000万円以上あったとして秘書が略式起訴されています。

(貼り付け終わり)

(終わり)
bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 今回は、林芳正外相起用に関する優れた分析記事をご紹介する。私は、岸田首相はかなりしたたかな人物であると見ている。「岸田は3A(安倍、麻生、甘利)の傀儡(かいらい、操り人形)だ」という主張が多くなされていたが、私はそうだろうかと思っていた。甘利明を幹事長に持ってきたときには、「それ見ろ、3Aの言いなりじゃないか」ということになったが、私は「幹事長は総選挙の最高責任者であり、総裁に責任を負わせないために、選挙で負けたら(自民党が議席を減らしたら)、辞任もある。だから短命で終わるかもしれない」と考えていた。実際には、自民党は大敗ということではなかったが、甘利明は自身が小選挙区で落選し、結果として幹事長を辞任することになった。大物が小選挙区で落選するということは、それだけで政治生命に大ダメージを与えることだ。甘利の浮上は難しい。3Aの一角が崩れた。
kishidafumiohayashiyoshimasa505

林芳正(左)と岸田文雄
 麻生太郎を自民党副総裁という形で遇した。副総裁と言えば何かかなり偉いポジションのようだが、実際は何の権限もないし、お飾り、盲腸のようなもので、「上がり」ポジションだ。「上がり」ポジションとしては、議長というものもあるが、麻生太郎は首相を経験しており、慣例的にそして伝統的に、首相経験者が議長を務めることはないし、その逆もない。ただ、自民党副総裁が脚光を浴びる時、それは、党内で次の総理総裁を決める時に揉めに揉めて、どうしようもない時だ。副総裁は調停役ということになる。椎名悦三郎の「椎名裁定(田中角栄の後に三木武夫を指名した)」や西村英一の「西村裁定(大平正芳首相の急逝を受け鈴木善幸が指名された)」が思い出される。麻生副総裁が存在感を増すとすれば、ポスト岸田で党内が混乱する時だ。調停役となると、派閥的な動きはしにくくなる。麻生副総裁が麻生派を動かしてどうこう言うことも難しくなる。そうこうしているうちに、河野太郎への禅譲ということになる。大宏池会復活のために、岸田派と河野派の合流ということも視野に入ってくる。

 前置きが長くなったが、下の記事にあるように、甘利幹事長辞任を受け、岸田首相は、外相だった茂木敏光(竹下派を継承して茂木派に)を幹事長に据え、後任の外相に林芳正を起用した。これは極めて重要な動きだ。林は長らく参議院議員を務めたが、今回の総選挙で衆議院議員として初当選した。これで、林芳正は総理総裁候補に浮上した。岸田派のプリンスの座を確保した。大臣経験は豊富であり、手堅い手腕は知られているので、後は党務、党三役をこなせば、一気に総理総裁の有力候補となる。年齢が60歳なので、残された時間は10年もないが、65歳までに条件が整えばということになる。

 山口県は安倍晋三元首相のお膝元である。そこで、長年にわたり林芳正は我慢をし続けて、準備をし続けた。林芳正は単純に「中国とぶつかれ」ということにはならない。また、今回、外相起用となったのは、アメリカ政界との深いつながりがあるということもあるだろう。アメリカ時代が馬鹿みたいに中国と対立するという路線を採用しないということになっている。そうした中で、林外相というのは、英語で意思疎通(議論も含めて)ができて、アメリカの意向を掴みやすく、かつ中国から嫌われていないという重要な人物ということになる。

 林芳正外相起用は岸田首相のしたたかさを示している。このしたたかさこそが、自民党保守本流(吉田茂からの流れ、田中角栄と大平正芳の盟友関係を経て、竹下登・宮澤喜一のニューリーダー時代を経ての現在)の真骨頂である。保守本流の、保守傍流に対する新規巻き直しということになる。

(貼り付けはじめ)

日本の外相は中国に対する厳しい姿勢を取ることに直面している(Japan’s Foreign Minister Faces Tough Calls on China

林芳正は派閥を基盤とする人事パターンを壊した

ウィリアム・スポサト筆

2021年11月11日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2021/11/11/yoshimasa-hayashi-japan-new-foreign-minister-qualified-china/

先の総選挙で驚くほどに良い結果を出したことを受けて、日本の岸田文雄新首相は、与党自民党内の派閥政治よりも、経験と国際的な経歴を重視した外務大臣人事を行い、外交政策に影響を与えようとしている。これは日本では珍しいことだ。そして、これに対しては多くの批判が起きている。

日本の内閣人事は、伝統的に自由民主党(Liberal Democratic PartyLDP)内の各派閥に対して便宜を図る形で実施されてきた。自民党は1955年に結党されて以来、ほぼ継続的に日本を統治してきた。内閣の大臣ポストは、大臣が実際に意味のある政策を実行できるようになるずっと前に頻繁に交代させられる。そして、そうした中で、いくつかの伝説的な恥ずべき出来事がいくつも起きた。任命された大臣にしばしば必要な専門知識が欠けていたことが明らかになった。最近で最も際立ったケースとしては、2018年に任命されたサイバーセキュリティ担当大臣が、これまで自分自身でコンピュータを使ったことがないと認めたことだ。

これらの出来事とは対照的に、国際的に名前を知られている林芳正の外相への指名において、岸田首相は自分が外交政策をどのように実行したいと望んでいるかを示すシグナルを送っている。それと同時に、自民党内で最大級の力を誇る2人の重要人物の警告を無視することを示している。その2人とは元首相の安倍晋三と麻生太郎だ。

林の外相になる資格に疑いの余地はない。彼は名門東京大学の出身であり、ハーヴァード大学ジョン・F・ケネディ行政学大学院で修士号を取得した。英語に極めて堪能であり、ワシントンでスティーヴン・ニール連邦下院議員(ノースカロライナ州選出)とウィリアム・ロス連邦上院議員(デラウェア州選出)のスタッフを務めた経験を持つ。最近、林はアメリカの外交政策に関する多くのイヴェントに出席し、演説を行ってきた。彼は1995年に参議院議員に初当選し、多くの内閣ポストを経験してきた。スキャンダルの後、手堅い手腕が必要とされた際によく起用された。彼は経済財政相、農林水産相、防衛相、文部科学相を歴任した。

日本の複数のメディアの報道によると、自民党の2人の大物議員が林の外相起用に反対した理由は、大きく分けて2つある。党内政治のレヴェルでは、安倍と麻生が「林は衆議院議員に初当選した人物だ。それまでの26年間は参議院議員を務めて、今年になって衆議院議員になったばかりだ」と不平を述べた。これは、伝統的に日本の政治とビジネスを主導してきたヒエラルキーを重視する世界では、林は彼の順番が来るまで待たねばならないということになる。

2つ目の不満はより本質的なものだった。2人は、林が中国に対する弱腰市政だと考えている。中国は、自国がアジア地域内最大の大国であり、アメリカとは対等な関係にあるという確信を持っている。そのために、日本の中国に対抗するという熱望が高まっている。中国政府の好戦的な発言の増加、アジアの広大な水域における領有権の主張、敵対する相手に対して経済力で懲罰を加えようとする意欲など受け、日本の政治家の間では反中ムードが高まっている。これに比例して台湾を支持する声は高まっている。台湾は、世界のテクノロジー産業を支える高性能のコンピューターチップを独占的に生産することで経済的な影響力を保有している。このようなアプローチはアメリカ国内でも支持されている。

しかし、林は中国政府に対して柔らかい姿勢を取らないだろうと主張する人たちもいる。東京の上智大学で政治学を教える中野晃一教授は「林は岸田よりも原則的なリベラル派だが、親米派でもある。米国の対中政策に全面的に矛盾するような行動を取ることはないと私は考える」と述べた。

噺自身がこの問題から正面から取り組んだ。2021年11月11日、林は記者会見の席上、日中友好議員連盟(Japan-China Friendship Parliamentarians’ Union)会長職から退くと発表した。日中友好議員連盟は中国政府との友好関係を目指す超党派の国会議員の集まりである。彼は、会長職から退くことについて、外相としての役割において「無用な誤解」を避けることが目的だと述べた。彼もまた中国の様々な行動についての日本の懸念を表明した。林は日本政府が不満や不安を表明する際の言葉遣いを使って次のように述べた。「世界共通の普遍的な価値観に対する深刻な挑戦を目にする機会がどんどんと増えている。この価値観によって平和と国際共同体、国際的秩序の安定が保たれてきたのだ」。

林の外相起用によって中国政府は安堵感を持っているかもしれない。しかし、岸田首相は同時に中国国内の人権状況についての、日本の新しい、より厳しい姿勢を維持することもシグナルで示した。岸田首相は今週、中谷元元防衛省を人権関連諸問題についての特別補佐官に任命した。中国のウイグル族やその他の少数民族、香港の民主活動家たちに対する取り扱いを担当する。中谷は人権侵害を行っている国々に対して制裁を科すことが可能となる法律制定を目指す超党派の議員連盟のメンバーである。日本は中国の人権侵害について話はしているが、アメリカによる中国政府高官に対する制裁や新疆ウイグル自治区からの製品の輸入禁止のような具体的な行動を取るまでには至っていない。

専門家の中には、岸田首相の今回の人事の目的は、タカ派の安倍元首相よりも、より微妙な内容の政策を行うということだと主張している人たちがいる。安倍元首相は2019年に辞任したが、日本史上最長の在任期間を記録した。上智大学の中野教授は次のように述べている。「今回の林外相の起用は、日本政府が中国政策において米国と概ね同調していることを示している。しかし、中谷の起用は、林の外相起用と同様に、岸田が安倍元首相、安倍元首相のよりイデオロギー的で強硬な反中国政策のスタンスにとってのメッセンジャーボーイになりたくないということを示している」。

同時に、中国に対する政治的態度と緊密な貿易関係を切り離すという、これまでの日本の政策方針にも綻びが生じているように見える。

テンプル大学日本校現代アジア研究所長のロバート・ドゥジャラクは次のように述べている。「日本政府には、中国が“問題(problem)”であり、いくつかの点で脅威(threat)であるというコンセンサスが存在する。中国を巨大で差し迫った危険だと考える人もおり、また多少の懸念を持っている人たちもいる。しかしながらそのような人達も北京を全く善良なアクターと見なしていることはない」。

林は、国際的に緊密な人脈を持っている。米国との同盟関係を維持しながら、中国との貿易を維持するという難しい問題を解決するのに有利な立場にあると考えられる。しかし、そのためには彼が十分な任期を持つことが前提となる。

(貼り付け終わり)

(終わり)
bigtech5shawokaitaiseyo501

ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 2020年8月28日、安倍晋三内閣総理大臣が辞任の意思を表明した。午後2時過ぎにマスコミ各社がほぼ一斉に「安倍首相辞任へ」「体調の悪化のために国政に迷惑をかけられない」という速報を出した。昨日は元々午後5時に安倍首相による久しぶりの記者会見が予定されていた。この記者会見をめぐっては、体調悪化のことを説明しつつ、新型コロナウイルス感染拡大と経済対策について発言がある、という憶測や、いや首相辞任の発表だという憶測が飛び交っていた。結局、昨日の記者会見は新型コロナウイルス感染拡大対策のパッケージの概要の説明が冒頭にあり、その後、首相辞任の意思表明が行われた。

 安倍首相は17歳の頃に、潰瘍性大腸炎を発症したということだ。現在65歳であるので、約50年間にわたり、この病気と向き合い、対処してきたということになる。その間にはアメリカ留学、神戸製鋼への就職、父安倍晋太郎議員の秘書への転進、父の地盤を受け継いでの国会議員、小泉純一郎内閣での官房長官、首相を二度務めるという経歴だ。この50年の間には大腸の全摘出も検討されたこともあったそうだが、薬剤の劇的な進歩もあり、コントロールをしながら、仕事や社会生活を営むことができたようだ。この点は、レガシーとして日本社会に定着して欲しい。持病がある人でも、通院しながら、仕事や社会生活を積極的に行える社会になって欲しい。これは甘すぎる考えかもしれないが、病気の治療や検査のために、時に休みを取る、もしくは通院のために1週間のうちに半日でも休みが取れる、それが当然のようになって欲しい。

 安倍首相、安倍政権に関して、私は全く支持してこなかった。選挙のたびに安倍首相が退陣するような結果になることを期待したが、結局国政選挙は6連勝という形で終わった。安倍首相を選挙の結果によって退陣に追い込めなかったのは、安倍首相を支持しない人々や野党にとっては敗北である。今回の辞任表明を私は素直に喜ぶことができない。

 安倍首相は昨日の会見で「政治は結果だ」と述べた。その結果であるが、惨憺たるものだ。一言で言えば、アメリカによる属国化がますます深まり、東アジアの平穏を乱す要因が日本ということになり、北方領土が返還される見込みはほぼなくなり、経済を見ると、実質賃金は上がらず、GDPは拡大せず、中国にはますます置いていかれ、ドイツには迫られる、格差は拡大し、少子高齢化に歯止めがかけられなかったということになる。安倍首相は在任中に雇用を生み出したとは述べたが、デフレ脱却には至らなかったと反省の弁を述べた。8年間でできることは限られていると言えばそれまでだが、好転する兆しすら見えなかった。安倍首相は自著のタイトルにした「うつくしい国」を実現したとは思えない。

 安倍首相の長期政権についてはこれから様々な分析がなされるはずだ。功罪様々なことが言われるだろう。私が思う安倍長期政権のレガシーは「忖度」と「私物化」であり、安倍政権が長期にわたって続いたのは、「惰性」であったと思う。「忖度」と「私物化」はセットである。森友学園問題(安倍晋三記念小学校開学問題)、加計学園岡山理科大学獣医学部開設に絡む問題、公文書保存に関する問題、など、権力の私物化とその後始末のために官僚たちに無駄に労力と気遣いを使わせた形になった。なぜそこまでして安倍政権を守らねばならなかったのか、守られることになったのか、政治史を少しでもかじった人なら不思議であっただろう。全く有能ではなく、成果も挙げていない、そんな人物が何度もスキャンダルや危機をうやむやな形ではあったがやり過ごしてきた。自民党内から反対の動きも出ることなく、国民も無関心という状況が続いたこれまでの8年間だった。

 それはやはり、「現状のままで良いや」「安倍首相以外には考えられない」という「惰性」が続いた結果である。そのために、安倍首相も辞め時を逸したという感さえある。安倍政権下では、成果よりも「道半ば」「うまくいっているがまだ全体に行きわたっていない」という言葉が強調され続けた。「やっていてある程度の成果は出ているが、目指している結果には達していない」ということを言い続けた。それならば、安倍政権が続いていくしかない。しかし、安倍政権が続いても、それらの結果を得ることは不可能である。そのために「道半ば」「いまだ遠し」ということになって、だらだらと政権が続いていくことになった。何かしらの成果が出れば、その時点で辞めるというのは日本のこれまでの首相の身の引き方の一つのモデルである。「一内閣で一つの課題」解決ということだ。しかし、安倍首相は、何事もなさなかったが故に、身を引く機会もなかったということになる。

 また、安倍首相を支える人々はそれぞれ65歳の安倍首相よりも年上、70代後半の麻生太郎財務大臣兼副首相であり、二階俊博自民党幹事長、70代前半の菅義偉官房長官である。以前であれば、それぞれの派閥内部で内部闘争が起き、跡目相続や現在の領袖の追い落としがあった。しかし、長期政権を支える、惰性を言い換えた「安定」のために、これらの人々は世代交代の恐れを抱くことなく、権力をふるうことができた。そして、自分たちの派閥を大きくすることに成功した。しかし、結果として、自民党内部にはニューリーダーは育たず、世代交代もうまくいっていない。また、急激に議員数が増えたために、いわゆる入閣適齢期と言われる議員たちが60名もいる状態で、沈滞ムードである。自民党も日本も惰性の中で、ある種の安眠を貪り続け、活気と成長力を失った。

 安倍首相は総理の座からは退くが、国会議員は続けるという意向を示した。キングメイカーとして影響力を残すということが一般的に考えられるが、まだ65歳ということを考えると、再登板ということも視野に入れているのではないかと思う。今回は「政権投げ出し」という批判が起きないように、きちんと病気について説明した。病気が絡むと批判がしにくくなることも狙ってのことだろう。心身ともにボロボロになってどうしようもなくなっての退陣という感じは昨日の会見からは受け取れなかった。余力を持って辞めることで、キングメイカー、上皇として院政を敷く、また、再登板も狙うということもある。自民党内部の世代交代が成功しておらず、人材も育っていない現状もある。

 次期自民党総裁、首相選びについては、党員票の比率が高い総裁選挙方式なのか、議員票の比率が高い両院議員総会方式なのか、で割れている。下の記事にあるように、二階幹事長は両院議員総会方式を考慮している

(貼り付けはじめ)

●「自民、後継首相を15日にも選出へ 両院議員総会の方向 石破氏は31日に出馬表明へ」

8/28() 19:58配信 産経新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/8c178f5e2968c38ad65ecba56e4ffc9e201f5367

 自民党は安倍晋三首相(党総裁)の後継を選ぶ総裁選について、手間のかかる党員・党友らの直接投票は行わず、国会議員らの投票で決める両院議員総会で選ぶ方向だ。党幹部は、15日の投開票を軸に調整していることを明らかにした。党内では、首相を一貫して支えてきた菅義偉官房長官の登用を求める声があるほか、知名度の高い石破茂元幹事長は31日に出馬表明する方向だ。首相が本命視してきた岸田文雄政調会長も出馬準備を進めている。

 総裁選の方法は、9月1日の総務会で正式決定する見通しだ。二階俊博幹事長は、今月28日のTBSの番組収録で、「そのときの状況によって緊急の手段を講じていく」と述べ、両院議員総会での選出もあり得るとの見方を示した。

 党則では、総裁が任期中に辞任した場合は、両院議員総会での選出が認められ、選挙人は国会議員と都道府県連の代表3人とされている。任期は前任の期間を引き継ぐ。今回のケースは来年9月までとなる。

 党員投票まで含めた総裁選は、候補者による大規模な全国遊説を行うことが通例で、準備にも一定の時間を要する。逆に、両院議員総会で選ぶ場合は簡素化が可能で、平成20年の総裁選では、福田康夫首相(当時)の辞任表明から麻生太郎新総裁(同)の選出までを約3週間で済ませた。

 ある党幹部は新型コロナウイルス対策も念頭に「党員投票まで含めた総裁選をする余裕はない」と語る。

 後任は、新型コロナ対策に継続性を持たせるため「菅氏をワンポイントリリーフとして登板させればいい」(閣僚経験者)との声がある。岸田氏も、前回の30年総裁選で出馬を見送っただけに、今回は不退転の決意で手を挙げる考えだ。

 ただ、石破派(水月会)幹部は、石破氏が世論調査で高い支持を得ていることから「党員投票も含めた総裁選を行い、堂々と勝った人が首相をやるしかない」と両院議員総会での選出に異論を唱えた。

(貼り付け終わり)

 現在のところ、次期総理総裁の候補者としては、岸田文雄自民党政調会長、石破茂元自民党幹事長、河野太郎防衛大臣の名前が挙がっている。二階氏が主導して両院議員総会方式でということになれば、派閥の意向が大きく影響することになる。現在、自民党の最大派閥は、細田派(実質安倍派)、麻生派、竹下派、二階派、岸田派、石破派、石原派という順番になっている。細田派、麻生派、二階派で岸田氏を擁立して両院議員総会で決めるということが考えられる。石破氏は国民的人気の高さから党員票の割合が高い総裁選挙方式を主張している。麻生氏と二階氏が話しをつけて、両院議員総会で岸田氏選出という形が今のところ考えられる。岸田氏は人と喧嘩をするタイプではなく、派閥の岸田派、宏池会も伝統的に「お公家様集団」と呼ばれるように武闘派は少ない。そうなれば、麻生氏と二階氏の院政ということになる。そうなれば国民的な支持を得られないということになる。そのような古臭い決め方では国民が納得しないだろう。

 安倍首相は記者会見の中で、次の方が決まるまではしっかりとやれるということを述べていた。臨時代行(麻生副総理)を置くことなく、最後までやると明言した(この点から私は安倍首相が余力を持って辞めるという印象を受けた)。また、次期総裁選びについても、時間をかけて制作孫朗をしても大丈夫、その間は私がきちんとやれるという発言もあった。私はこの発言から、安倍首相は麻生氏と二階氏をけん制していると感じた。ポスト安倍の動きにおいて、安倍首相自身が影響力を保持しようとしているとも感じた。

 長期政権となった安倍政権と安倍首相を総括すると、惰性という言葉しかない。その間に日本が酷い状況になったが、「安定」という惰性の裏返しの言葉のために、安倍首相は存在し続けた。全くもって無意味な8年間であった。

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック




アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


 

 古村治彦です。

 

 いよいよ、明日、第二次安倍内閣初めての内閣改造が行われます。焦点は幹事長人事と石破茂・現自民党幹事長の処遇でした。

 

 現在、大方のマスコミは、石破氏が地方創生相で入閣、幹事長には谷垣禎一が内定していると報じています。麻生太郎財務相、岸田文雄外相、甘利明経済再生担当相は留任のようです。この他、小渕優子氏や山谷えり子氏の入閣も内定しているようです。

 

 安倍首相の大叔父は、佐藤栄作元総理です。岸信介元総理の弟。岸信介も元々佐藤姓で、戦前の山口県で佐藤三兄弟と言えば、秀才兄弟として有名でした。長兄の佐藤市朗は、海軍中将まで昇進、海兵、海大を優秀な成績で卒業したエリート軍人でした。

 

 佐藤栄作元総理は、長期政権を維持しましたが、それは、彼が「人事の佐藤」と呼ばれる程に、人間の心理に長け、憎いほどのバランス感覚で人事を行ったからです。ライヴァル同志をぶつけながら、最大の努力を引き出し、成果は自分のものとしてしました。

 

 今回の内閣改造に伴う人事を見てみると、「ポスト安倍」と目される各氏をうまく取り込んでいます。総裁経験者の谷垣氏が幹事長というのは驚きですが、谷垣氏は外相、財務相といった内閣での重要ポストは経験していますが、幹事長は経験していませんでした。これに幹事長の経験が加わることで、一気にポスト安倍に躍り出たということが言えます。

 

 谷垣幹事長の仕事は福島、沖縄での地方選挙での勝利が課題です。これが達成された時、谷垣氏は次期総裁、次期首相の目が出てきます。麻生氏は財務相として、消費税10%を何とか実現させる、石破氏は、反安倍氏の旗頭にならないことが最大の貢献ということになります。

 

 「ポスト安倍」では石破茂、麻生太郎の両氏がリードしていましたが、ここに谷垣氏も加わってきた訳です。更に、宏池会系のプリンスである岸田文雄氏も留任となり、同じ宏池会系の谷垣氏の抑えという効果も狙えます。

 

 ライヴァルたちをうまく使って、最大の効果を得る、この点で、今回の人事はなかなかのものです。この点は評価をしなくてはならないと思います。

 

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「自民幹事長に谷垣氏=地方創生相は石破氏-3日に内閣改造」

 

2014年9月2日 時事通信

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2014090200763

 

 安倍晋三首相は2日、自民党幹事長に谷垣禎一法相(69)を起用する意向を固めた。首相は3日、第2次政権発足後初めてとなる内閣改造・自民党役員人事を断行する。総裁経験者の幹事長起用は前例がなく、首相は重厚な布陣により挙党態勢の強化を目指す。新設する地方創生担当相には、石破茂幹事長(57)が内定した。

 

 谷垣氏は当選11回。自民党が野党に転落した2009年、総裁に就任。消費税率の引き上げに関しては野田佳彦前首相に協力したが、民主党政権への対決姿勢を貫き、政権復帰に貢献した。ただ、首相が勝利した12年の党総裁選では、最終的に出馬を断念した。

 

 谷垣氏はリベラル色が強く、保守的な首相と思想的には距離がある。日中関係の改善なども課題となる中、党の結束を重視し、谷垣氏起用に踏み切ったとみられる。

 

 党人事ではこのほか、政調会長に稲田朋美行政改革担当相(55)、総務会長に二階俊博衆院予算委員長(75)を起用する方針。高村正彦副総裁(72)、細田博之幹事長代行(70)、河村建夫選対委員長(71)は続投させる。選対委員長ポストは存続させるが、これまで通り三役級とするかは調整する。

 

 一方、参院側の閣僚ポストの調整は難航。従来、参院の閣僚枠は二つで、山谷えり子参院政審会長(63)の起用が固まったが、参院自民党が推薦している脇雅史参院幹事長が入閣を固辞しており、最終的に1枠にとどまる可能性もある。

 

 政権の中枢を担う麻生太郎副総理兼財務相(73)、甘利明経済再生担当相(65)、菅義偉官房長官(65)は留任。岸田文雄外相(57)も続投させる。

 

 首相は3日午前に党三役を決定。午後に菅官房長官が新たな閣僚名簿を発表する。皇居での認証式を経て、同日夕に第2次安倍改造内閣が発足する。(2014/09/02-22:07

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)








 

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ