古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:麻生太郎

 古村治彦です。

2025年11月21日に『<a  href="https://amzn.to/49jHIUC ">シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体</a>』(ビジネス社)を刊行します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

 現在を理解する際に、歴史上の出来事や過去から類推する方法がある。類推(analogy)は、政治学や国際関係論において有効な手段である。現在の世界と日本の状況を類推するならば、1930年代、第二次世界大戦前と似ているという指摘がある。こうした指摘は、しかしながら、残念なことに多くの人々の耳に届かない。

 1930年代から後の時代を経験し、記憶していた人々は多くが鬼籍に入った。世界も日本も第二次世界大戦、太平洋戦争を実際に体験し、その悲惨さを記憶し、警鐘を鳴らし続けた世代が消え去りつつある。人間は世代交代によって、重要な記憶を「忘却」していく。そして、この忘却によって、悲惨な歴史を繰り返すことになる。アメリカの作家マーク・トウェインの言葉を借りれば、歴史は繰り返すのではなく、韻を踏むということになる。確かに、全く同じことは起きないが、似たようなことは起きる。トウェインはそれを「韻を踏む(rhyme)」と表現している。人類は世代交代をして、社会全体で「忘却」することで、悲惨な出来事を繰り返す。その内容は多少の違いがあれど、本質は変わらない。1930年代からの悲惨な歴史の教訓を今の私たちは忘れているのである。

 ここで重要なことは、歴史を学ぶことだ。歴史を学ぶというのは、YouTubeで、専門家でもないどこの馬の骨かも分からないインフルエンサーの番組を見ることではない。何事にも通じることだが、専門家が地道な努力を積み重ねて得た知見の発表を読むことである。多くの場合、読みやすい一般書、入門書がある。私はある分野の入門として、岩波のジュニア新書を読む。ジュニアとついてしまっているので、大人、しかも中高年は手に取りにくいが、内容は簡潔で充実している。歴史を学ぶということは人類が種として残してきた教訓を知ることであり、生活を防衛することである。それを怠ってしまえば、悲惨な出来事を繰り返してしまう。たゆみない努力は現在の基準で言えば、タイパもコスパも悪いということになるだろう。しかし、そうした営為を忘れた時、私たちは大いなる後悔を伴う結末を迎えることになる。「後悔先に立たず」という警句もある。高市早苗麻生太郎傀儡・対米隷属政権を迎えた今こそ、歴史から教訓を得るべきである。

(貼り付けはじめ)

崩壊しつつある私たちの世界は歴史の繰り返しだ(Our unraveling world is history repeating itself

ロバート・A・マニング筆

2024年3月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/international/4557568-our-unraveling-world-is-history-repeating-itself/

モスクワでの恐ろしいテロ行為、ガザ地区とウクライナでの残虐な暴力、そして世界中で激化する戦争と危機を目の当たりにし、私は歴史家ウィル・デュラントの言葉を思い出す。

「野蛮さ(barbarism)から文明(civilization)へは1世紀の期間がかかるが、文明から野蛮へはたった1日しか必要ではない」。

ガザ地区とウクライナにおける、一見不運で、代理戦争のように思えるアメリカの関与だけが、終息と解決に向けた24時間体制の努力を逃れ続けている訳ではない。西アフリカから東アフリカにかけての様々な紛争、ナゴルノ・カラバフ紛争やバルト諸国におけるセルビアの動乱といった紛争の波だけが、この紛争の波を逃れている訳ではない。そして、国際通貨基金(International Monetary FundIMF)が「地経学的な分断geoeconomic fragmentation)」を警告するに至ったのは、不安を掻き立てる経済ナショナリズムや保護主義の高まりだけではない。

むしろ、これら全てが複合的に作用し、「ポリクライシス(a polycrisis)」と呼ばれる現象が起きた。すなわち、災害事象(ウクライナ情勢、食糧不足、気候変動)が連鎖的に同時発生し、その影響が相乗的に増幅される(calamities cascading against each other)事態である。この複合的な危機は、第二次世界大戦以来最も不確実で紛争に満ちた時代(the most uncertain and conflict-riven period since World War II)を浮き彫りにし、制御不能に陥る世界の亡霊(the specter of a world spinning out of control.)を映し出している。

しかし、私の言葉を鵜呑みにしないで欲しい。先月発表された年次世界脅威評価において、インテリジェンス・コミュニティ(IC)は41ページにも及ぶ、気が遠くなるような詳細を記している。その要点は次の通りだ。

「アメリカは、大国間の戦略的競争の激化(accelerating strategic competition among major powers)、より激化し予測不可能な国境を越えた諸課題(more intense and unpredictable transnational challenges)、そして広範囲にわたる影響を及ぼす複数の地域紛争(multiple regional conflicts with far-reaching implications)によって、ますます脆弱化する世界秩序(an increasingly fragile global order)に直面している。」

インテリジェンス・コミュニティ報告書は、アメリカの政策立案者たちが直面する問題について次のように詳述している。「地域的・局地的な紛争と不安定性・・・国家と非国家主体が、大国間の競争や共通の越境課題をめぐり、この変化する世界秩序の中で苦闘する中で、アメリカの関心は高まるだろう。」

マーク・トウェインの言葉に「歴史は繰り返さないが、しばしば韻を踏む(History doesn’t repeat itself, but it often rhymes)」というものがある。残念ながら、大国間の競争(great power competition)、関税戦争(tariff wars)、そして国家の利益を目的とした相互依存の武器化(weaponized interdependence for national advantage)といった傾向を見ると、1930年代との類似性を見ずにはいられない。これは、『フォーリン・アフェアーズ』誌に最近掲載された論文が説得力を持って主張している通りである。

徐々に強固になりつつある2つのブロック――アメリカとそのヨーロッパ・アジアの同盟諸国、そして中露ユーラシア協商(Sino-Russan-Eurasian entente――には、過去の残影がはっきりと見て取れる。ウクライナと台湾海峡で摩擦が激化している。

同様に、経済面でも、米中間の関税戦争、制裁措置、そして競合する大国によるその他の経済的圧力手段(other tools of economic coercion)は、1929年の銀行破綻と同様に1930年代の世界恐慌の引き金となったスムート・ホーリー法のような影響力を持つには、まだ程遠い状況だ。制度やルールは揺らぎつつあり、貿易の伸びは鈍化し、より地政学的な要因に左右されるようになっているが、崩壊には至っていない。

しかしながら、IMFは、こうした傾向が強まれば、長期的には世界経済の成長率が最大7%低下する可能性があると懸念している。そして、1930年代に起こったように、経済の不安定さは世界を紛争に陥れやすくする傾向がある。

おそらく最も憂慮すべきは、地政学的にも経済的にも、歴史的忘却(a historical amnesia)が進んでいるように見えることだ。例えば、台湾をめぐる米中間の緊張を見ると、冷戦の教訓は忘れ去られているように思われる。

それはどのように忘れられているか? 現在と1930年代の大きな違いは、核兵器の存在リスク(the existential risk of nuclear weapons)だ。台湾の窮状は、1962年のキューバ危機を思い起こさせる。当時、アメリカとソ連は間一髪で破局(catastrophe)を回避した。米ソ両国の公文書の公開によってさらに深まったこの画期的な出来事に関する最近の研究は、ケネディとフルシチョフの両指導者が核戦争の勃発を恐れていたことを示唆している。

しかし、現在アメリカと中国は互いに悪者と呼んでおり(demonization)、台湾をめぐる白熱した言論には、潜在的な核破壊(potential nuclear destruction)の制約が欠如しているように見える。米中両国は時折、戦争の必然性と、戦争への備えへの熱意を感じているように見える。

キューバ危機は、アメリカとソ連が、自国の脆弱性(vulnerabilities)を克服するには、戦略的競争を管理する手段となる何らかの抑制が必要であることを徐々に認識するに至った、いくつかの重要な出来事の1つだった。これが軍備拡張競争を抑制するための軍備管理体制の構築((an architecture of arms control to limit the arms race))につながった。

しかし、ロシアと中国との大国間の対立が再燃(the resurgence of great power rivalry with Russia and China)するにつれ、軍備管理体制全体が崩壊した。最後に残った痕跡、アメリカとロシアの核兵器を制限する新戦略兵器削減条約(START)は2026年に失効するが、プーティン大統領はモスクワが新戦略兵器削減条約への参加を停止すると発表した。アメリカは中国と核協定を結んでいない。しかし、三大国はいずれも核兵器の近代化と増強を進めている。

マーク・トウェインは何かに気づいていたのかもしれない。ピーター・ターチンのような歴史家たちは、現代の不協和音、興亡、統合と崩壊(the discord of our times, rise and falls, integration and disintegration)の中に、歴史の繰り返されるサイクルを見出している。彼らは、人間には主体性があるという点で、何事も必然ではないと認めているが、ここで描かれている傾向は憂慮すべきものだ。

1930年代とその後の紛争を振り返ると、歴史の教訓は明白に思える。積極的な外交によって、力の均衡(balance of power)、中国との競争的共存を管理するための枠組み(a framework to manage a competitive coexistence with China)を見出すことはできるだろうか? 第二次世界大戦後の秩序を形成した機関、すなわち、世界銀行、IMF、世界貿易機関は、現代の課題に対応できるよう改革・更新できるだろうか?

どちらも可能だ。しかし、歴史は、そこから学ぶことは例外(the exception)であり、一般的ではないことを示唆している。

※ロバート・A・マニング:スティムソン・センター特別研究員。国務次官補(グローバル問題担当)上級顧問、国務長官政策企画スタッフメンバー、国家情報会議戦略未来グループメンバーを務めた。X(旧Twitter)アカウント:@Rmanning4

(貼り付け終わり)

(終わり)
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『人類を不幸にした諸悪の根源 ローマ・カトリックと悪の帝国イギリス』
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 本日、2025年10月21日に臨時国会が召集され、首班指名が行われる。現在のところ、自民党総裁の高市早苗議員が首班指名される見込みだ。自民党と日本維新の会は「連立」と称する「閣外協力」の形を取ることで合意した。両党だけでは過半数に少し足りないので、極右的な日本保守党、NHK党、更には有志の会といった政党が協力することで、過半数を超える見込みだ。
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自維「連立」政権という表現について、アメリカのノーステキサス大学の前田耕教授は、「言葉(用語)の正しい使い方」について、X上で私たちに次のように教えてくれている。私たちは改めて、言葉の正しい使い方を意識していかねばなならない。
https://x.com/MaedaPoliSci/status/1980246319580291576

 今回の政権は「連立」政権ではない。日本維新の会が「閣外協力」をする自民党政権ということになる。連立政権は閣議に出席する大臣を出すことで、責任を明確にする。内閣について共に責任を持つということだ。「閣外協力」はそうではない。その点で、「責任」のレヴェルが大きく違う。簡単に言ってしまえば、いつでも逃げられる、おいしいところ取りで、うまくいったものは自分たちの手形、失敗は相手の責任と言うことができる。非常に中途半端と言うしかない。私は今回の政権については「野合(collusion)」と呼ぶべきだと考える。

 自維「野合」は、国会の定数削減を、国民民主党も巻き込んで通過させようとしている。国会議員の議席は民意の反映させる重要なものであり、その数を党利党略で云々する、しかも、国民生活にとってより重要な景気対策と物価対策、少子化対策、与党政治家にとって痛手となる政治とカネの問題を後回しにして進めようというのは、究極の無責任である。

 今回の高市自民党執行部は、麻生傀儡であり、統一教会の影響が大きい旧安倍派清和会の復権のための存在である。極言すれば、今回の高市政権は第二次麻生政権である。麻生太郎という人物は究極の貴族主義であり、一般国民などは下僕くらいにしか思っていないだろう。家柄(と言っても平安時代以来の貴族の家柄と比ぶべくもないが)と資産くらいしか誇るものがない小人物である麻生太郎が、アメリカの言いなりになる政権をつくったということでしかない。国民生活に何の責任感も持っていない。

 究極の「無責任」の集合体である高市早苗政権の誕生を前にして、私は暗澹たる気持ちになっている。日本はこれからどれくらい衰退していくだろうか、と。

(貼り付けはじめ)

●「自民・維新の連立合意、焦点の政策で留保や先送り…定数削減「目指す」献金は「検討」」

読売新聞オンライン 10/20() 23:34配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/eae91468ad756c69c5ccc834e6c0b7c5bab76200

 自民党と日本維新の会の連立政権合意書は、国会議員定数の1割削減の目標は「目指す」との文言を付け加え、企業・団体献金、消費税減税については「検討」との言葉を盛り込んだ。いずれも維新の要求に対し、自民内に慎重論があったためで、今後に火種を残した格好だ。

 合意書では、焦点の一つだった議員定数削減の文言に腐心し、「1割を目標に衆院定数を削減するため、臨時国会において法案を提出し、成立を目指す」とした。維新の吉村代表(大阪府知事)は定数削減を「改革のセンターピン」と訴え、臨時国会で1割を目標に削減すべきだと強調したが、「目指す」とすることで実現に一定の留保を付けた。

 定数削減では、自民執行部に「比例定数の削減なら比較的容易だが、比例選を重視する公明党に配慮が必要」との声があった。公明は自民との連立解消を決めた一方、国政選挙では連携の可能性を示唆していたためで、自民側の思惑が合意書に反映されたとみられる。

 企業・団体献金を巡っては、維新は完全禁止を主張し、自民は透明性と公開性を高めることが重要との立場を取った。合意書では「(両党は)課題意識は共有しつつも最終結論に至っていない」と指摘。臨時国会中に協議体を設置して自民の高市総裁の任期中に「結論を得る」とした。高市氏の任期は2027年9月までで、結論を約2年後に先送りする形となった。

 消費税減税は、維新が物価高対策として食品を対象に2年間ゼロを求めたが、自民は社会保障財源として減税に慎重だ。協議の結果、「飲食料品について、2年間に限り消費税の対象としないことも視野に検討を行う」と、現時点で実施を明言しない表現で決着した。両党はそれぞれの協議を続ける見込みだが、議論の進展次第では連立にきしみが生じる可能性もある。

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自民・高市総裁、首相指名1回目で選出の公算大 過半数超の見通し

毎日新聞 10/20() 16:35配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/69bf77040fd2af9fbf4714d3865ae4cba639a3d1

 無所属議員でつくる衆院会派「有志・改革の会」に所属する3衆院議員が21日召集の臨時国会で行われる首相指名選挙で、自民党の高市早苗総裁に投票する見通しであることがわかった。自民(196議席)、日本維新の会(35議席)と合わせると計234議席となり、維新から離脱者が出なければ、高市氏が1回目の投票で過半数(233議席)を超えて選出される公算が大きくなった。関係者が20日、明らかにした。

 3衆院議員は維新から除名処分を受けた斉木武志氏ら。有志・改革の会は首相指名選挙を巡る対応で調整がつかず、会派を解消する見通し。【富美月】

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※2025年11月に新刊発売予定です。新刊の仮タイトルは、『「新・軍産複合体」が導く米中友好の衝撃!(仮)』となっています。よろしくお願いいたします。
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『トランプの電撃作戦』
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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 古村治彦です。
 ※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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 7月28日、自民党は両院議員懇談会を開催した。4時間にわたる会議となったが、石破茂総裁と執行部は、ほぼ全員からの発言を聞き取った。懇談会後、石破茂総裁は改めて続投の意思を示した。執行部は8月7日に両院議員総会を開催する予定だ。今回の参議院議員選挙についての自民党内の報告書は8月前半をめどに出されるとされているが、総会までに発表されるかは微妙なところだ。

 麻生太郎元首相、麻生派、高市早苗議員、元安倍派四人衆、おまけで書くと自民党組青年局といった自民党裏金・極右勢力が、石破首相退陣を求めて動いている。両院議員総会で、石破首相の退任を求める決議を通そうとして動いている。自分たちが安倍晋三政権下でしてきた失政や違法行為の責任を石破首相におっかぶせて、なかったことにして、復権しようという私利私欲にまみれ尽くした、旧態依然の、統一教会やカルト集団に汚染され尽くした自民党極右勢力の動きは断じて許されるものではない。野党支持者の中には、石破首相が退陣してのちのことを考え、高市早苗総理総裁や小泉進次郎総理総裁になるシナリオが実現することはとんでもないと考え、石破首相続投を求める人たちが出ている。

 最悪のシナリオは、自民党が参政党(加えて国民民主党)と連立を組む、あるいは閣外協力をすることだ。現在、衆参両院で自公連立政権は過半数を握っていない。野党勢力が数字上は過半数を握っている。しかし、野党は数が多く、限られたテーマでしか一致協力することができない。自公政権と部分的な協力を各党が模索していくことになる。私はそれでよいのではないかと思う。問題は参政党、国民民主党といった排外主義手的な極右政党が自公(公明は抜けるかもしれないが)と連立政権を組んで、極右的な政策を進めることだ。野党支持者を含む多くの人々がこのことに懸念を持っている。安倍政権下で進んだ日本政治の劣化を繰り返すことに懸念を持っている。特に、参政党について、その十互い知られるようになって、懸念や忌避感は大きい。7月27日に毎日新聞が発表した世論調査の数字によると、参政党に期待できると答えた19%、期待できないと答えたのは46%だったということだ。期待できると期待できないの、2つの数字の差はこれから大きくなっていくだろう。

 石破政権で保守本流による自民党の立て直しこそが、日本政治の再スタートの前提となる。それらが整ってからが、全ての政党による政権を目指すレースのスタートである。残念なことに、立憲民主党執行部は今回の選挙で議席数を増やすこともできていない上に、石破降ろしに加担するかのような発言をする幹部クラスがいる。立憲民主党もまた、内部をしっかりと整えて、日本政治の再スタートができるようにすべきだ。保守傍流・安倍政治の誕生と隆盛を許した旧民主党執行部の面々が今でも大きな顔をして闊歩しているようでは、「立民に是非政権を担って欲しい」という声が国民から澎湃として湧き上がるということは絶対に起きないとここに断言しておく。私は断言することは好まないが、このことに関しては断言しておく。立民もまた内部を改革し、中身を変えていくべきだ。

 秋からの国会で、旧安倍勢力と結んだ参政党や国民見主党が石破政権打倒、高市政権樹立のために様々な画策を行い、国益を毀損する行動に出るだろう。しかし、私利私欲にまみれた動きは国民世論の後ろ盾を得られないだろう。そして、次の選挙で審判を受けることになる。

(貼り付けはじめ)

極右の挑戦者の出現で日本の自民党は揺らぎつつある(Japan’s LDP Is Teetering as Far-Right Challenger Emerges

-与党はソーシャルメディア時代への備えができていないのかもしれない。

ウィリアム・スポサト筆

2025年7月28日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/07/28/japan-election-ishiba-sanseito-ldp/

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日本の野党である参政党の指導者である神谷宗弊がメディアに話している(7月20日、東京)

日本の国会議員選挙の惨憺たる結果を受け、日本の議員や政治アナリストの間では、石破茂首相の余命は僅かだという見方が広がっている。しかしながら、続投を誓っている石破首相に直接そう告げた者はいないようだ。

現在の政治危機は、7月20日に行われた参議院選挙の結果である。参議院は国会の中では比較的権限の少ない議院である。参議院選挙は首相の選出に直接的な役割を果たさないものの、与党は堅固である一方で、個々の指導者の基盤が概して不安定な日本の政局を象徴するものだ。

1955年の結党以来、70年間のうち64年間政権を握ってきた石破首相率いる自由民主党は、宗教色の強い連立政権を組む公明党の支持を得ても、過半数の議席を失った。与党連合は現在、参議院の248議席のうち122議席を握っているが、衆議院の465議席のうちわずか220議席しか握っておらず、政権の掌握力は不安定だ。

しかし、この衰退は主要野党の勢いを全く押し上げることができていない。2017年に合流して誕生し、前身の政党が2009年から2012年にかけて政権を握った立憲民主党は、衆議院で148議席、参議院ではわずか38議席しか獲得していない。

日本は、若い有権者、特に男性がソーシャルメディアで世界観(view of the world)を構築し、そこで目にする情報に満足していないという、西側諸国で増加している勢力の仲間入りを果たしつつある。他の国々と同様に、物価高や外国人といった安易な標的に対する怒りが高まっている。しかし、その結果台頭してきたポピュリストたちは、明確な政策を提示していない。怒りのユーチューブチャンネルから誕生し、「日本人ファースト(Japanese First)」という耳になじみがある、漠然とした理念を掲げ、テレビ映りの良い参政党(Sanseito)は、今回の選挙で大勝し、前回の1議席から15議席に増え、二段階選挙の比例候補者の得票率も15%と、まずまずの成績を収めた。少なくとも今のところは、彼らは依然として少数政党のままである。

外国嫌いの右翼政党の台頭は、日本、そして自民党は既に広く外国嫌いが広がっているとみなされているので、やや過剰に思われる。2018年、自民党保守派の代表格であった当時の安倍晋三首相は、国会で「いわゆる移民政策を取るつもりはない(no intention of taking a so-called immigration policy)」と述べた。近年、低賃金労働の補充を目的とした移民の流入が見られるものの、外国人人口は日本の人口の3%を占めており、これは経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も低い水準であり、アメリカの14%を大きく下回っている。もちろん、永住者(permanent residents)は約半数に過ぎない。

怒りの多くは、東京や京都といった人気都市に大勢の外国人観光客が押し寄せていることに向けられているようだ。もちろん、これは移民問題とは全く関係ないが、参政党にとって、日本の土地を買い漁り、犯罪を実行しているという外国人の悪事を語る格好のネタとなっている。参政党の主要な政策論点には、かつて「狂信的な過激派(unatic fringe)」と呼ばれていた人々が常々主張する陰謀論や虚偽が含まれており、それらは政治の片隅から中心へと躍り出る恐れがある。彼らは、新型コロナウイルスは製薬会社が仕組んだものであり、第二次世界大戦中、日本は単に他のアジア諸国の解放を目指しただけであり、グローバライゼイションは日本の輸出主導型経済(Japan’s export-driven economy)に何らかの形で打撃を与えたと主張している。

平均的な日本人にとってより顕著なのは、インフレ率が依然として緩やかであることだ。インフレ率は、物価の構成要素によって異なるが、2.5から3.5%だ。しかし、この抑えられる数字の中には、日本文化において神話的な地位を占める主食である米の小売価格が倍増しているという現実がある。

米不足は計画経済の落とし穴を明らかにした(ドナルド・トランプ米大統領は留意すべきだ)。その責任の多くは、食生活の変化に合わせて年間米生産量を削減するという、長年にわたる政府の政策にある。卸売価格と生産量が政府によって固定されていたため、日本では米備蓄が増大し、管理コストが増大した。しかし、気温上昇と戦後世代の農家の大量退職により、この状況は急激に悪化し、米の生産に利用可能な土地が減少した。これに対し、政府は価格低下を促すため、備蓄の放出と輸入の増加に着手したが、効果は鈍いままだ。

インフレの復活は、政府と中央銀行の長年の目標であり、日米両国ともデフレ圧力が経済の足かせになっていると認識していた。しかし、2024年のアメリカ大統領選挙で見られたように、たとえそれが賃金の停滞を意味するとしても、消費者はデフレを好む。

その影響は心理的なものも一部にあるが、測定可能なものでもある。インフレ環境では、物価は着実に上昇する一方で、賃金の上昇は(たとえ同じ水準であっても)緩やかになり、どんなに速く走っても追いつけないという「トレッドミル」感覚(a “treadmill” feeling)につながる。データもこの認識を裏付けており、日本の労働者の実質賃金(インフレ調整済み)は過去2年間の大半で低下している。5月には、前年同月比で2.9%下落した。

賃金の上昇も一様ではない。大企業は円安の中で増加した利益の一部を賃金の引き上げに充てることができたが、日本の労働者の70%を雇用する中小企業は圧迫されており、賃金の引き上げに苦闘している。

 

 

こうした不満はソーシャルメディアを通じて「メガホン効果(megaphone effect)」を帯びている。参政党の経済政策は漠然としており、実現可能性は低いだろうが、だからと言って、国民の支持が薄れる訳ではない。参政党のカリスマ的な指導者であり、共同創設者でもある神谷宗弊は、日本の労働力人口の減少と、対GDP比230%を超える債務比率(アメリカの約2倍)といった問題を抱えながらも、日本の経済問題は外国人労働者の削減と減税によって解決できると述べた。

「新聞を読み、それに基づいて意思決定をする人々は、伝統的な政党に投票している。一方、ブログやソーシャルメディアの投稿、YouTubeを多く見て意思決定をする人々は、反エスタブリッシュメント政党に投票する傾向がある」と、参政党の台頭を研究している、東京の早稲田大学の研究者ロメオ・マルカントゥオーニは最近ロイター通信に語った。

しかし、不満を抱える有権者に金銭を分配しようとしているのは、参政党だけではない。他の政党も所得税減税や、現在10%である消費税の減税を提案している。自民党は財政債務の悪化を懸念し、より限定的な一時金支給(more limited once-time cash payments)を提案している。

自民党は、その危機的な状況に対する対応が鈍い。党の再構築と意思決定の透明性を求める声があるにもかかわらず、焦点は石破首相の後任に誰を据えるかに移っており、最も有力視されているのは、2024年10月の党総裁選での石破以外の他の候補者たちだ。これらには、極右派(far-right)の高市早苗、小泉進次郎農水相、麻生太郎元首相などが含まれる。しかし、いずれも斬新なイメージを醸成するものではなく、それぞれに問題を抱えている。高市は過激すぎると見られ、党内のリベラル派を懐柔できない。小泉はその役割において精彩を欠き、元総裁である小泉純一郎の息子であることで知られている。一方、84歳の麻生は、頻繁な失言で知られている。

一方、石破氏、7月28日に230人を超える自民党国会議員と4時間にわたる緊迫した会合を行った後、総裁職にとどまらねばならないという立場を繰り返した。選挙後、石破には辞任を求める声が広く上がっているものの、世論調査では一定の支持も得られており、即時退陣は不透明になっている。

石破はまた、土壇場でアメリカとの貿易協定を驚異的な形で締結したことを誇示している。この協定により、少なくとも日本の輸出品、特に自動車部品への関税によるダメージは限定的なものとなる。しかし、反対派はこれを逆手に取り、合意が成立した以上、石破は辞任できると主張している。政治において、感謝の気持ちは決して余剰物にはならない。

これらは、自民党をはじめとする日本の既存政党が直面する構造的な問題を解決するものではない。慶應義塾大学産業研究所の政治問題エキスパートである茂垣昌宏は、「自民党のような包括的政党(catch-all parties)が、新興の社会課題に対応できるかどうかは不明だ。物事がうまくいかない状況下で、人間が過激化するのは自然な反応かもしれません」と語った。茂垣を含むアナリストたちは、自民党がインフレ、低経済成長、高齢化社会といった課題を受け入れ、それらに対処するための国民的な合意を模索すべきだと指摘した。ソーシャルメディアが注目するかどうかとはまた別の問題だ。

※ウィリアム・スポサト:2015年から『フォーリン・ポリシー』誌に寄稿する東京在住のジャーナリストだ。20年以上、日本の政治と経済を追跡し、ロイター通信とウォールストリート・ジャーナル紙で働いてきた。また、2021年に発行されたカルロス・ゴーン事件とそれが日本にもたらした影響に関する著作の共著者でもある。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 2025年7月20日の参院議員選挙後、参院で与党過半数を割り込んだことを受けて、自民党内から、石破茂総裁の退陣を求める声が出ている。石破降ろしの震源地は麻生太郎元首相、高市早苗代議士、萩生田光一代議士をはじめとする旧安倍派裏金四人衆だ。そこに茂木敏光代議士も加わっている。

この人物たちに共通しているのは、故安倍晋三政権下に我が世の春を謳歌しながら、その悪事や危険な思想、無能力がばれてしまい、すっかり見限られてしまったということだ。この人々が安倍政権下で行ったことが原因で引き起こされた事件や国民生活の苦難について、恬として恥じ入ることもなく、議員の職を辞することもなく、居座り、税金を原資と売る歳費を貪り食っている。自分たちが引き起こした苦難が原因での、自民党の選挙の敗北を「最高指揮官が責任を取るのが筋」と主張して、自分たちの責任を免れ、なかったことにしようとしている。

(貼り付けはじめ)

石破首相の進退巡り自民内に亀裂 旧安倍、茂木派が辞任圧力強める

7/24() 18:52配信 共同通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/6a75afd4a588aee9ad31ac7735407c854199a81c

参院選で大敗した石破茂首相の進退を巡り、自民党内で亀裂が生じている。退陣が不可避な情勢となりながら続投を重ねて表明した首相は24日、日米関税交渉合意への対応に意欲を示した。一方、旧安倍派と旧茂木派、麻生派の有志議員らが首相の責任を問うため、両院議員総会の開催へ署名活動を展開し、辞任圧力を一層強めた。麻生太郎最高顧問や岸田文雄前首相が23日の石破首相との会談で続投に難色を示したことも判明した。関係者が明らかにした。

首相は24日、官邸で開いた都道府県議会議長との懇談会で、関税合意を踏まえ「影響を見定めつつ、地方の声を聞きながら一つ一つ課題に必要な対応を行う」と述べた。自民内では、合意により続投する理由が薄まったとの見方がある。だが首相は、影響を受ける事業者への追加支援に今後も全力を挙げるとしている。

同懇談会の終了後、官邸に首相を訪ねた鈴木宗男氏によると、首相は退陣論に関し「いろいろな意見があっていい」と語った。関税合意に基づき「日米関係をまた発展させたい」とも強調した。

(貼り付け終わり)

 麻生、高市、旧安倍派の復活は衰退亡国への一里塚である。統一教会をはじめとするカルトと親和性の高い自民党保守傍流の安倍派の復活は東アジアの安定を大きく損なう。また、今回の参議院議員選挙で躍進した参政党や国民民主党は安倍派と親和性が高い。現在少数与党の自公政権であるが、これらが協力することで、高市早苗議員を首班指名することができる。この2つの「極右(狂右)」勢力の発言力が高まることで、排外主義、対中今日姿勢が高まることは間違ない。そうなれば、国民生活は圧迫され、経済的にも苦しい状態に追い込まれる。このようなシナリオを避けることが極めて重要だ。

 自民党は結党以来、70年の間で、何度も政局を起こし、党内の激しい闘争を経験してきた。私が思い起こすのは1979年の「四十日抗争」だ。1979年の衆議院銀選挙(総選挙)で、自民党を率いる大平正芳総裁が一般消費税導入を訴えたが、自民党内でも反発が大きく、自民党が過半数割れを起こす事態となった。この結果に対して、三木武夫元首相、福田赳夫元首相が反発し、大平正芳の退陣を求める。田中角栄はロッキード事件で自民党を離党していたが、田中派は健在で、田中角栄は大平正芳を支援した。ここに、自民党保守本流(吉田茂を源流とする、自由党系の池田勇人と佐藤栄作の流れ)と自民党保守傍流(鳩山一郎や岸信介、三木武夫の日本民主党系の流れ)の争いが勃発した。大平・田中対福田・三木・中曽根という構図になった。中曽根はやや中間的な立場だった。大平・田中は自民党本部で両院議員総会を開催しようとし、反対派がホールをバリケード封鎖し、そこに浜田幸一が乗り込んで、大暴れして、「いいか断っとくけどな、かわいい子供達の時代のために自民党があるっちゅう事を忘れるな!?お前らの為にだけ自民党があるんじゃないぞ!?」と凄むシーンはこれまでに何度もテレビで流されてきたので、見たことがある人も多いだろう。

 選挙後の国会での首班指名で、自民党の候補を決めることができずに、本会議となってしまう。結局、大平正芳と福田赳夫の2名が候補となる事態となった。

 衆議院の1回目の投票では大平135票、福田125票、他は各野党の党首などとなり、過半数を得る候補者が現れず(議席数は511)、決選投票では大平138票、福田121票、無効票252票となり、大平が首班指名された。参議院でも同様となり、1回目の投票で大平78票、社会党の飛鳥田一雄委員長51票、福田赳夫38票となり(議席数は235)、決選投票で大平97,飛鳥田52票、白票87票となり、大平が指名された。ここから党内にしこりが残ることになった。1980年の予算審議で、自民党側が野党の予算修正の申し入れを拒否したことで、社会党、公明党、民主党が態度を硬化させた。そして、5月に内閣不信任案が提出された(社会党単独提出、公明、民社が参政を確認、共産党も同調)。自民党内の反州流派の動きによっては内閣不信任案が可決されてしまうという状況となった。

 本会議での採決では、中曽根派が反対に回り、福田派や三木派からも一部反対が出た。しかし、大半は本会議を欠席した。結果として、賛成243票、反対187票で不信任案が可決された。大平内閣に残された道は内閣総辞職か、衆議院の解散総選挙で、大平首相は解散総選挙を選んだ。これは「ハプニング解散」と呼ばれる。衆参同日選挙が決まったが、選挙期間中に大平正芳首相が急死し、弔い合戦ムードとなって、争いは収まり、選挙は大勝となった。

 長くなったが、これは1979年の四十日抗争と1980年のハプニング解散の概略である。今回の石破降ろし政局もまた、保守本流と保守傍流の争いである。「茂木派は旧田中派、旧竹下派の流れをくむから保守本流なのに、石破降ろしをしているではないか」という指摘もあるだろう。その通りではあるが、茂木氏はかりそめの、一時的な派閥の領袖に過ぎなかった。田中・竹下の流れは小渕優子に行くべきもので、それまでのつなぎだった。小渕優子と青木一彦は派閥を退会している。茂木は持ち慣れない派閥を持ち、安倍晋三元首相に忠誠を誓い、浮かれに浮かれて、人望を集めるということができず、次の首相候補にも名前が出ないほどだった。茂木派という名称は一時的、かつ、不規則なものだ。

 保守本流は吉田茂を源流としているが、吉田の孫である麻生太郎は宏池会から、河野洋平と共に脱退している。河野洋平は父である河野一郎の河野派に所属していたが、河野派は中曽根派となった。中曽根は河野に派閥を譲る思惑などなく(そもそも子分を作って大事にするというタイプでもなく)、河野洋平が新自由クラブを作って自民党を離党するようにある意味では仕向けることに成功した。河野洋平は自民党に戻る時に、保守本流の宏池会に入ったが、宏池会の跡目争いで加藤紘一に敗れて、宏池会を出て河野グループを結成した。反加藤ということで、麻生も一緒に出て、後に麻生派となった。加藤のハト派色が受け入れられなかったという、単純粗雑な、「ゴルゴ13」でしか国際関係を学べなかった麻生は(「ゴルゴ13」自体は素晴らしい作品であることは言うまでもない)、祖父や父親の名前を汚す、駄目な三代目であり、川柳で言う「売り家と唐様で書く三代目」である。色々と入り組んでいるが、現在、石破降ろしをしているのは保守本流に反旗を翻す保守傍流と認定していいと考える。

 石破降ろしは、おごり高ぶった、安倍晋三政権下の我が世の春を謳歌したい者たちが責任を取らないで済ませるために、最高指揮官に責任を代わりに取ってもらおう、それで自分たちは免罪してもらおうというふざけ切った態度でしかない。自民党の中身を変えずに、党の顔を変えてイメージを変えて人気を回復しようなどという姑息な弥縫策を進めても自民党に未来はない。自民党を正気に戻し、これまでの負の遺産を清算することが何よりも重要だ。石破茂首相の粘り腰と周囲の支えを強く願うものである。

(終わり)

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 2025年7月20日に投票が実施され、開票作業は本日21日まで続いた参議院選挙は全議席が確定した。選挙に関わった全ての皆さんに感謝を申し上げます。私が支持できない、考えが合わない皆さんも、暑い中の選挙で支持を訴えたということに関しては、感謝と敬意を表します。

 自民党と公明党の与党は、19議席を減らして、122議席となった。自民党は39議席獲得となったが、52議席から13議席減らした。非改選と合わせると101議席となった。公明党は8議席獲得となったが、14議席から6議席減となった。非改選と合わせると、21議席となった。与党は過半数を割る敗北となった。
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 野党第一党の立憲民主党は22議席獲得となった。選挙前からの増減はなかった。非改選と合わせると38議席となった。日本維新の会は7議席獲得となり、6議席から1議席増となった。新勢力は19議席となった。国民民主党は17議席獲得となり、13議席の大幅増となった。現有議席は22議席となり、維新を抜く形になった。参政党は14議席獲得となり、13議席の大幅増となった。新勢力は15議席となった。日本共産党は4議席減の7議席、れいわ新選組は1議席増の6議席、社民党は1議席獲得しての2議席となった。また、得票率も2%を超えて、政党要件を満たした。

 自民党内部では、石破茂総裁の責任を問う声が出ている。その震源地は、麻生派を解散せずに今でもゴッドファーザー、元老を気取って、老醜をさらしている麻生太郎元首相、故安倍晋三元首相の後継者を自認しながら、旧安倍派からは嫌われていた高市早苗議員、自分たちが裏金問題で当夜執行部に迷惑を掛けながら処分を受けて逆切れ、逆恨みの旧安倍派の議員たちと言ったところだろう。「前回の総選挙、東京都議会議員選挙、今回の参議院選挙で敗北したのだから3アウトで交代だ」という野球を譬えにした声が上がっているそうだ。

 今回の参院選挙では、保守傍流系、統一教会やキリストの幕屋と言ったカルトと親和性の高い故安倍晋三元首相を崇敬するグループが大勝ちしたということだ。彼らは愛国やら日本の伝統やらをことさらに訴えながら、日本社会を破壊する勢力だ。外国勢力の走狗となって、日本を売る売国奴であり、買弁だ。そして、何よりも、日本国憲法を改悪して、台湾有事を演出して、中国との戦争を望む危険な勢力だ。こうした勢力を利用し羽陽とする外国勢力は多い。具体的には、アメリカ国内の対中強硬派で、その代表格がエルブリッジ・コルビー国防次官だ。こうした勢力は石破茂首相を降ろして、高市早苗議員を首相にし、憲法改悪勢力を糾合させて、「戦争内閣」を作らせようとする。参政党の神谷宗弊党首や各候補者たちの発言から明らかになっているように、この人々は、好戦主義者(jingoistswarmongers)だ。決して緻密な論理構成をしている訳ではないが、単純な言葉遊びが一定の有権者に響くという点で非常に厄介だ。

 日本の国益のために、石破茂政権は継続されるべきだ。自民党は政局にすべきではないと言ってみても、政局にするだろう。故安倍晋三元首相を崇敬するグループ(統一教会やアメリカの対中強硬派に利用されることを良しとする)は、復讐を果たすために、石破茂首相に狙いを定めて倒閣運動を行うだろう。麻生太郎と高市早苗という醜悪なコンビで石破降ろしに奔走するだろう。万が一、石破政権が退陣し、高市・麻生勢力が勝利し、高市議員が総裁となれば、国会の首班指名で算政党や国民民主党は高市氏に投票し、閣内に入っての連立、閣外での協力ということになるだろう。首相となった高市早苗は連立の組み換えで、公明党を排除し(既に支持層の高齢化などで力が落ちていて利用価値がない)、もしくは条件を付けて与党に残らせるが、主に国民民主、参政、更には維新を取り込む形をとるだろう。故安倍晋三元首相を崇敬する勢力による、戦争賛美翼賛会ということになるだろう。こういうシナリオだけは許してはいけない。戦後80年である今年、そのまま戦後100年、戦後200年となっていくことと目指すのが先人に応える責任ある行動だ。

 野党第一党の立件民主党を中心とした野党勢力の結集による政権交代は不可能だ。1993年の非自民・非共産の細川連立内閣を思い出してみれば、現在の多党分立状況では政権を担うことなどできない。何よりも、立憲民主党は自公の敵失がありながら、議席を増やすことができなかったことを深刻に受け止めるべきだ。立民は敗北したのだ。現在の立件民主党執行部に対する国民の不信任に値する。旧民主党政権時代に、国民を裏切り、安倍晋三政権誕生をアシストし、増税に狂奔した、現在の立民執行部は私欲を捨てて退陣し(総理大臣になりたいなどと軽々しく言うことを止めて)、党運営から察しすべきだ。立民の刷新は喫緊の課題であり、それこそが日本政治の大きな課題である。国会の議席数を見てみても、非自民、非公明の連立政権は無理筋の話であり、立民の野田佳彦代表の首班指名の可能性はない。私はその点を慶賀する。
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 物価対策や社会保障負担に関して、自民党は無策であることについて、自民党は今回の選挙の結果を受けて、法人税や所得税を含めての税制見直し、消費税減税と給付を真剣に検討すべきだ。負担できるところにお願いをするということから始めていく。対米交渉も粘り強く続けていく。「大国を治むるは小鮮(しょうせん)を烹(に)るがごとくす」である。ぐずぐずに煮崩れを起こすまでかき回され続けた失われた30年からの回復を目指すのは同じくらいの時間が必要となるだろう。石破茂政権の継続、そして、自民党内の保守本流の継続を望む。

(終わり)

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