古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:ICE

 古村治彦です。

 第二次ドナルド・トランプ政権は国内外で不安定な状況を作り出している。ヴェネズエラ攻撃を利用して、他国に脅しをかけている。グリーンランドの領有の意思を隠さずに、堂々と主張している。グリーンランドにアメリカ軍を派遣するということになれば、対ロシアの防衛同盟としてのNATOが瓦解する。卑近なたとえをするならば、「みんなで防犯組織を作ったら、仲間内から泥棒が出た」ということになるからだ。

 国内ではICE(アメリカ移民関税執行局)による不法移民取り締まりがアメリカ国内の緊張を高めている。ミネアポリスでICEの捜査員による女性の射殺事件が発生し、ミシガン州知事ティム・ウォルツは州兵の出動待機命令を出した。ICEの捜査員と一般市民の小競り合いも各地で頻発している。これがいつ更なる暴力事件から武力衝突、内戦にまで発展するか分からない。私たちは世界の大きな構造転換に直面している。アメリカの衰退がそのきっかけである。

 そうした中で、私たちが住む日本、そして東アジアと隣接する東南アジアは平穏を保たねばならない。それは、世界の経済成長エンジンであり、今や世界を支える地域になっているからだ。そこで残念なのは日本の状況だ。高市早苗首相という地政学リスクを抱え、アジアに不安定な状況をもたらしている。その高市首相の支持率が70%超えという日本国民は客観的に見て、馬鹿でアホでどうしようもないということになる。自分の頭絵で考えることを知らず(教えられてこなかったのだから仕方がないとは言え)、上から言われたとおりに生きて死ぬだけの存在だ。高市首相は解散総選挙を選択したが、高市首相を退陣させることができるかどうか、期待はできない。日本もアメリカと一緒に衰退し、沈んでいくしかないようだ。世界は大きく変化しようとしている。残念なことだが、アメリカと日本はその変化で負け組として衰退するしかない状況だ。せめて、個人個人で自分の置かれた状況を考慮して最善の方策を選択するしかない。

(貼り付けはじめ)

ドナルド・トランプは世界にアメリカを恐怖することを教えている(Trump Is Teaching the World to Fear America

-数十年かけて築き上げてきた善意(goodwill)が今や無駄になっている。

ファリード・ザカリア筆

2026年1月9日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2026/01/09/trump-fear-united-states-alliances-global-power-balance/

歴史を通して、最も力強い国は往々にして友好国を見つけるのに苦労してきた。ある国が支配的になると、他国はそれに対抗しようとする。東ヨーロッパにあるロシアの隣国群を見れば、世界が認めてすぐに、NATOに加盟した。アジアにある中国の近隣諸国を見れば、日本、インド、オーストラリア、ヴェトナムなどが、北京の台頭を受けて、アメリカとの、そして互いの安全保障関係を着実に強化してきた。

しかし、アメリカを見てみると、この理論は揺らぎ始める。

アメリカは世界で最も強力な国だが、最も豊かで能力のある国の多くはアメリカに対抗するのではなく、同盟国となっている。彼らは核心的な安全保障問題においてはアメリカに従っている。アメリカの軍隊を受け入れている。自国の軍隊をアメリカと統合する。これは近代史の長い流れの中では普通のことではない。むしろ、非常に特殊なことだ。

それなぜか? それはアメリカが聖人のよう(saintly)だからではなく、しばしば古典的な覇権国(a classic hegemon)とは一線を画す行動を取ってきたからだ。第二次世界大戦後の80年間、アメリカは往々にして、その力強さを他国が受け入れ可能なもの、すなわちルール、制度、そして正統性(rules, institutions and legitimacy)へと変換しようと努めてきた。属国体制(tributary systems)ではなく同盟関係(alliances)を築き、たとえそれが不十分な場合であっても、集団安全保障、自決、自由な商業活動(collective security, self-determination, open commerce)といった諸原則を掲げてきた。

アメリカの一極主義の象徴としてしばしば挙げられるイラク戦争について考えてみよう。私はあの戦争の賢明さを擁護している訳ではない。国際システムに対するアメリカの姿勢について、より大きな視点で論じているのだ。ジョージ・W・ブッシュ政権は2002年に連邦議会の承認を求め、承認を得た後、国連に訴え、安全保障理事会決議1441号の成立に貢献した。また、この取り組みを支持する49カ国からなる連合も結成した。ワシントンは、この主張を表明し、パートナーを集め、他国に広く受け入れられる根拠を探る必要性を感じていた。

力を正当性へと変換しようとする努力こそが、アメリカの優位性の隠れた柱(the hidden pillar of American primacy)である。アメリカが脅迫者(a shakedown artist)ではなくルールメイカー(a rulemaker)として行動するとき、恐怖よりも価値のあるもの、すなわち同意(consent)を得ることになる。同意こそが覇権をリーダーシップへと、そしてリーダーシップを他国が他の選択肢よりも好ましいと考えるシステムへと変える。また、バランスを取ろうとする衝動を燃え上がらせないのも同意である。

そして、まさにヴェネズエラの出来事が今、危険に晒しているのはまさにこのことだ。ニコラス・マドゥロへの襲撃そのものではなく、アメリカ外交政策におけるこの断絶を特徴づけているのは、法、規範、同盟、そしてアメリカの外交政策に対する完全な無視(disregard for law, norms, alliances and diplomacy that mark this break in American foreign policy)である。

CNNのインタヴューで、ホワイトハウスのスティーヴン・ミラー大統領次席補佐官は、「アメリカ合衆国がヴェネズエラを統治している」と断言し、「国際的なお世辞(international niceties)」を一蹴し、世界は「強さ・・・力・・・権力」、つまり歴史の「鉄則(iron laws)」によって支配されていると主張した。一方、ドナルド・トランプ大統領は、ヴェネズエラが「移行(transition)」を迎えるまでアメリカが統治し、石油を奪取すると述べた。これは、アメリカの国庫を潤すための露骨な侵略行為(a naked act of aggression to benefit America’s coffers)だった。

もしあなたがカナダ人、ドイツ人、韓国人、あるいはメキシコ人なら、ミラーの言葉に恐怖を覚えるだろう。それはアメリカがオタワやベルリンに侵攻しようとしているからではなく、論理が変わった(the logic has changed)からだ。アメリカの力は、他国が受け入れることができるより広範な原則、民主政治体制、集団安全保障、ルールに基づく秩序(democracy, collective security, a rules-based order)のために使われるという主張はもはや存在しない。力には力に基づいた行動を取る権利がついてくるという主張だ。つまり、力があるから支配するのだ、という議論だ。これがまさに近隣諸国を不安にさせる大国の行動(great-power behavior)である。

トランプはこの作戦を正当化するためにモンロー主義(the Monroe Doctrine)を持ち出した。モンロー主義は1823年以降、反帝国主義的(anti-imperial)なもの、つまりヨーロッパによる西半球への植民地主義的な介入を阻止することを目的としていた(aimed at preventing colonial-style interventions by Europe in the Western Hemisphere)とよく考えられていたことを忘れてはならない。モンロー主義がラテンアメリカ全域へのアメリカの侵略を容認するものへと変化したのは、その後、特に1904年にセオドア・ルーズヴェルト大統領が同様の政策(President Theodore Roosevelt’s corollary)を採択したことによる。アメリカ帝国主義のこの栄華は長くは続かず、地域にとってもアメリカの評判にとっても良い結末にはならなかった。

過去40年間、共和党と民主党はラテンアメリカ地域に対する新たな超党派的アプローチを構築した。これはラテンアメリカ諸国が軍事政権から民主政治他一世へ移行する動きを後押しし、貿易・投資・制度改革支援を促進し、各国と連携して麻薬問題や移民問題に対処した。メキシコはこの転換の象徴だ。かつてワシントンへの深い不信感で定義づけられていた国が、密接なサプライチェインと日常的な法執行協力で結ばれた、アメリカにとって最も緊密な経済パートナーの1つとなった。(そして、21世紀の大半において、メキシコ人によるアメリカへの純移民数はほぼゼロに近い状態が続いている。)

メキシコ人による米国への純移民数はほぼゼロに近い状態が続いている。)

この数十年にわたり築き上げられた戦略的資本(strategic capital)が今、浪費されつつある。そして長期的には、国際舞台で完全なる利己的な捕食者のように振る舞うアメリカは強くなるどころか、孤立を深めるだろう。同盟諸国はヘッジし、パートナーは代替案を模索し、中立国は徐々に距離を置く。歴史が常に予見してきたバランシング(balancing)が遂に訪れるかもしれない。それはアメリカが弱体化したからではなく、自らの強さの真の源泉を忘れたからだ。

トランプ政権の志向は、アメリカをプーティンのロシアのように振る舞わせることにあるようだ。露骨に自国の利益を追求する攻撃的な国家として振舞う。そしてミラーが指摘するように、歴史の大半において強大国はそう行動してきた。アメリカを除いてはそうしてきた。アメリカは、紆余曲折と多くの過ちを伴いながらも、過去80年間にわたり異なる道を歩み、新たな世界を築き上げてきた。その世界が今、無謀にも解体されつつある。

※ファリード・ザカリア:CNN「ファリード・ザカリアGPS」司会者。著作も多く、最新刊は『』。『ワシントン・ポスト』紙に各週でコラムを掲載し、それは『フォーリン・ポリシー』誌にも掲載されている。Xアカウント:@FareedZakaria

(貼り付け終わり)

(終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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 第2次ドナルド・トランプ政権の重要政策は南部国境警備で、不法移民対策だ。その一環として、政権発足直後から、米移民・関税執行局(ICE)による大規模な捜査、摘発、強制送還を行っている。これに対して、最近になって、ロサンゼルスでの抗議活動が行われ、トランプ政権自体に対する抗議活動が全米に広がっている。トランプの政策は軒並み不支持率が高いが、移民対策だけは支持率が高い。そのために、厳しい取り締まりを続けると私は考えていた。

 しかし、アメリカで生活をしてみると分かるが、不法移民がいなければビジネスが立ち行かないという産業分野がある。レストランの下働きやホテルでシーツを替えたり、部屋の掃除をしたりするメイド、農場で農作業を行う人々、建設現場で働く人々など、低賃金で、長時間の労働を強いられる厳しい労働において、不法移民は重要な労働力となってきた。不法移民が低賃金で働くことで、サーヴィスや物の値段が抑えられている。

私がロサンゼルスに住んでいた時、毎朝、あるホームセンターの一角にヒスパニック系の人々がたむろしている様子を見ていた。それは、その日にそこで仕事を得ようとしている人々だった。彼らは不法移民だった。彼らは偽造されたソーシャル・セキュリティ・ナンバー(社会保障番号)のカードを持っていて、それで仕事をしようとしていた。アメリカでは何にでもソーシャル・セキュリティ・ナンバーが必要で、私もティーチング・アシスタントをする際に取得した。

 トランプ大統領はこうした特定のビジネス分野に関して、不法移民の捜査の一時停止を示唆した。それに対して、厳しい取り締まりを行うべきだと主張する政治家たちもいる。第2次トランプ政権の国境問題担当の責任者トム・ホーマンは、「良い暮らしをしたいということで人々がやってくるのは理解できる。ここに仕事がなければ来なくなる」という趣旨の発言をしている。アメリカ人が不法移民と同じ条件で働くならば、事業者たちもアメリカ人を雇うだろう。それでは実際にはどうだろうか。それは無理だ。厳しい労働環境で仕事を続けられる人は少ないだろうし、そもそも低賃金だ。アメリカ人が働いてくれない以上、不法移民に頼らざるを得ない。

 私は、アメリカ大統領選挙期間中、トランプはアメリカ人にきちんと働けということを言っているのだと感じた。トランプは「自分が製造業で仕事を作ってやる。みんなが働きたいと言うから。仕事があるのだから文句を言わずに働いてきちんと生活しろ」と述べていると感じた。しかし、それも限界がある。非常に厳しい仕事をアメリカ人はやりたがらないし、そもそもできない。ここに大きな矛盾がある。大きな声でスローガンだけを叫ぶ時期は過ぎつつある。アメリカ人は楽に稼ぐと考えを改めねばならないだろうが、おそらく無理だろう。そして、そうやって国は衰退していく。近代ヨーロッパの世界支配が始まって、覇権国となった国々に共通しているのは、最後には金融や投資に向かって、衰退していったということだ。アメリカもそうなっているし、日本もそうなっている。そうやって衰退していく。

(貼り付けはじめ)

ドナルド・トランプ政権によるICEの特定産業への捜査一時停止についてコットン議員は次のように述べた:「いかなる種類の執行も撤回すべきではないと思う」(Cotton on Trump ICE pause on select industries: ‘I don’t think we should pull back on any kind of enforcement’

エルヴィア・リモン筆

2025年6月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5351853-tom-cotton-trump-ice-pause-select-industries/?tbref=hp

トム・コットン連邦上院議員(アーカンソー州選出、共和党)は日曜日、ドナルド・トランプ政権が米移民・関税執行局(Immigration and Customs EnforcementICE)に対し、農業、ホテル、飲食業界の労働者に対する強制捜査の一時停止を指示したことを受け、ICEは「いかなる種類の執行も手控えるべきではない」と述べた。

コットン議員はCBSニューズの「フェイス・ザ・ネイション」に出演し、マーガレット・ブレナンに対して、アーカンソー州内の農業産業の状況を考え、この措置に賛成かと問われた際、「職場における強力な執行が必要だ(we need to have robust worksite enforcement)」と述べた。

コットン議員は次のように述べた。「いかなる種類の執行も手控えるべきではないと思う。あらゆる産業における職場における執行は前進していく必要がある。そして、最前線で働くICE職員は、政治指導者たちの支援を必要としている」。

国土安全保障省(Department of Homeland SecurityDHS)は土曜日、ニューズネイション(NewsNation)への声明で、強制送還政策の転換を認めた。これはトランプ大統領がトゥルース・ソーシャル(Truth Social)への投稿で「変化は起こる(changes are coming)」と示唆してから数日後のことだ。

トランプ大統領は木曜日に「我が国の偉大な農家やホテル・レジャー産業の人々は、我が国の非常に積極的な移民政策によって、非常に優秀で長年働いてくれる労働者が奪われており、それらの仕事の代わりはほとんど不可能だと主張している」と書いた。

トランプはさらに「これは良くない。農民を守らなければならないが、犯罪者たちをアメリカから追い出さなければならない。変化は起きる!」と付け加えた。

『ニューヨーク・タイムズ』紙の報道によると、国土安全保障省当局者たちは、強制退去と拘留に関してはホワイトハウスの指示に従うと述べた。

国土安全保障省(DHS)のトリシア・マクラフリン報道官は、「大統領の指示に従い、最悪の犯罪者である不法移民たちをアメリカの街から排除するために引き続き取り組んでいく」と述べた。

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トランプ大統領がICEに特定産業への捜査を一時停止するよう指示した(Trump directs ICE to pause raids against certain industries

アシュレイ・フィールズ筆

2025年6月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5350734-trump-ice-hotel-agriculture-restaurant-raids/

ドナルド・トランプ政権は、米移民・関税執行局(ICE)に対し、農業、ホテル、飲食業界の労働者に対する強制捜査を一時停止するよう指示したとニューズネイション(NewsNation)が確認した。

『ニューヨーク・タイムズ』紙が最初に報じたところによると、ICEの上級職員であるテイタム・キングは木曜日、地域の指導者たちに宛てたメッセージで、「本日より、農業(水産養殖および食肉加工工場を含む)、レストラン、そしてホテル経営における全ての現場強制捜査・捜査活動を一時停止するように」と述べた。

国土安全保障省(DHS)は、トランプ大統領がトゥルース・ソーシャル(Truth Social)への投稿で「変化が起きる」と示唆した数日後、ニューズネイションへの声明で、国外退去政策の転換を認めた。

トランプ大統領は木曜日に「我が国の偉大な農家やホテル・レジャー業界の人々は、我が国の非常に積極的な移民政策によって、非常に優秀で長年働いてきた労働者の職が奪われており、それらの仕事の代わりを見つけることはほぼ不可能だと主張している」と書いた。

トランプ大統領は「これは良くない。農民を守らなければならないが、犯罪者たちをアメリカから追い出さなければならない。変化は起きる!」と付け加えた。

ニューヨーク・タイムズの報道によると、国土安全保障省当局者たちは、強制退去と拘留に関してはホワイトハウスの指示に従うと述べた。

国土安全保障省のトリシア・マクラフリン報道官は「大統領の指示に従い、最悪の犯罪者である不法移民たちをアメリカの街から追放するために引き続き尽力する」と述べた。

当局はここ数日、カリフォルニア州全域で複数の職場への家宅捜索を実施しており、一部の従業員が米移民・関税執行局(ICE)によって迅速に拘留されたため、事業主たちは動揺している。

カリフォルニア州の収容施設における非人道的な環境と過密状態への懸念が高まる中、家宅捜索を受けて全米で大規模な抗議活動が勃発している。

トランプ大統領は、ロサンゼルスで騒乱が続く中、州兵と海兵隊をカリフォルニア州に派遣した。
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ホーマンはドナルド・トランプ政権が職場における移民執行を強化すると述べている(Homan says Trump administration to ramp up workplace immigration enforcement

アシュレイ・フィールズ筆

2025年6月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5347195-homan-says-trump-administration-to-ramp-up-workplace-immigration-enforcement/

ドナルド・トランプ大統領の国境担当責任者トム・ホーマンは水曜日、「セマフォー」とのインタヴューで、職場における移民操作執行が「大幅に拡大する(massively expand)」と述べた。

ホーマンの発言は、ロサンゼルスの抗議者たちがトランプ政権による広範な国外追放推進に抗議するデモを続ける中、米移民・関税執行局(ICE)の職員たちがネブラスカ州の食肉加工工場で働いていたとされる不法移民数十人を強制送還した数日後に行われた。

ホーマンはセマフォーに「彼らはより良い生活と仕事を求めてここに来ており、その気持ちは理解できる」と語った。

ホーマンは「こうした磁石を取り除けば取り除くほど、来る人は減る。仕事が見つからなければ、ほとんどの人は来ないだろう」と付け加えた。

移民研究センターによると、合法的な滞在資格を持たない移民のほとんどは、配達ドライヴァー、農業、サーヴィス業などの分野で仕事を見つけることができる。

農家や食品配達会社は、合法的な滞在資格を持たない移民の強制送還に不満を表明し始めており、強制送還は労働力と事業運営を脅かすと主張している。

トランプは木曜日のトゥルース・ソーシャル(Truth Social)への投稿で、「我が国の偉大な農家やホテル・レジャー産業の人々は、我が国の非常に積極的な移民政策によって、優秀で長年働いてきた労働者の職が奪われ、その仕事の代わりはほとんどいないと主張している」と述べた。

「多くの場合、非常に愚かなバイデンの国境開放政策によって我が国への入国を許可された犯罪者が、これらの仕事に応募している。これは良くない。私たちは農家を守らなければならないが、犯罪者たちをアメリカから追い出さなければならない。変化は必ずやってくる」と付け加えた。

しかしながら、3月にドアダッシュ(DoorDash)は、移民政策の変更が自社のビジネスモデルに悪影響を及ぼす可能性があると警告した。

ドアダッシュは米証券取引委員会(SEC)への提出書類の中で、「移民法、労働法、雇用法を含む特定の法律や規制の変更、あるいはプラットフォームへのアクセスを制限し、アクセスを低下させるような変更(プラットフォームへのアクセスを制限、または特定の法域におけるダッシュ利用者(Dasher)への柔軟性提供を制限する変更を含む)は、ダッシュ利用者のプール減少につながり、ダッシュ利用者獲得の競争激化や採用・雇用コストの上昇につながる可能性がある」と述べている。

さらに、「ダッシュ利用者の獲得、既存の​​ダッシュ利用者を有利な条件で維持、または既存のダッシュ利用者によるプラットフォームの利用維持・増加に失敗した場合、加盟店や消費者の需要に応えられなくなり、当社の事業、財務状況、および業績に悪影響が及ぶ可能性がある」と付け加えている。

火曜日にICEの強制捜査を受けたネブラスカ州の事業主は、従業員たちの身元確認のため、国土安全保障省が管理するシステムであるE-Verifyを利用して、従業員たちが合法的にアメリカに滞在していることを確認するよう努めていると語った。

しかしながら、当局は家宅捜索の後、システムが「壊れている(broken)」と告げ、求職者たちを適切に処理する方法が分からなくなってしまった。

グレン・バレー・フーズのチャド・ハートマン社長はAP通信の取材に「一体どうすればいいのか? これは政府によって運営されている、あなたたちのシステムだ。なのに、システムが機能していないから私を家宅捜索するのか?」と語った。

米移民・関税捜査局(ICE)の職員は、採用の最善の方法を見つけるのを手伝うと彼に伝えた。一方、トランプ大統領は木曜日、強制送還によって混乱を招く可能性のある農場労働者たちのための「常識的な(common sense)」政策を保証する大統領令に署名すると約束した。

トランプ大統領は記者団に対して、「私たちの農家は大きな打撃を受けている。彼らには非常に優秀な労働者がいる。彼らは20年間、私たちのために働いてきた。彼らはアメリカ市民ではないが、素晴らしい人材に成長した」と語った。

トランプは「農民とその住民全員を連れ戻し、彼らを送還することはできない。なぜなら、彼らは持つべきものを持っていないかもしれないし、持っていないかもしれないからだ」と述べた。
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 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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 ロサンゼルスで実施された米移民・関税執行局の不法移民一斉摘発に対して、抗議活動が展開され、参加者の一部が暴徒化し、暴力、器物損壊、略奪行為を行い、多くの逮捕者が出た。また、ロサンゼルス市のカレン・バス市長は夜間外出禁止令を出した。

今回のロサンゼルスでの抗議活動を契機にして、全米の拡大都市でも抗議活動が行われているが、これらはICEに対する抗議だけではなく、トランプ政権の施策全般に対する抗議活動となっている。抗議活動を主導しているのは「ノーキングス(No Kings)」という団体だ。
 今回の抗議活動について、アメリカ国内では意見が分かれている。トランプ大統領が州兵を動員したことについては反対が多い。州兵に指揮権は州知事にあるが、特別なケースでは大統領が指揮権を連邦化(federalize)することができる。一方で、抗議活動については、支持が36%、不支持が45%となった。メキシコや他の中南米諸国の国旗を掲げること、略奪が発生するまでに事態がエスカレートしたことが拒否反応を惹起したということが考えられる。

トランプ大統領の支持率について見てみると、興味深い。全体として不支持が高く、重要問題について調べてみても不支持が高いのであるが、移民問題だけは支持が不支持を上回っている。トランプ政権としては移民問題が政権の支持を支えるための重要な要素となっている。そのために強硬な手段を選択しているが、人手不足に陥っている業界もあり、政策の一部変更を示唆している。農業や建設など厳しい肉体労働において、不法移民は重要な労働力となっている。トランプ自身は柔軟性のある対応を行いたいが、政権内の強硬派の存在にも配慮しなければならない。おそらく、犯罪歴がある不法移民やギャングメンバーたちから捜索・逮捕し、強制送還するように変更することになるだろう。内憂外患の状態であり、トランプとしては舵取りが難しいところだ。
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トランプは自分が優位に立っている間は決して辞めることができないように見える。ロサンゼルスの抗議活動がそれを証明している。(Trump never seems able to quit while he's ahead. The L.A. protests prove it.

-トランプは危機を利用できると考えた。しかし、どこまでが行き過ぎなのだろうか?

スーザン・デル・ペルシオ(共和党系ストラティジスト)筆

2025年615

MSNBC

https://www.msnbc.com/opinion/msnbc-opinion/trump-poll-los-angeles-protests-immigration-rcna212751

2008年、バラク・オバマ次期大統領の首席補佐官ラーム・エマニュエルは、「深刻な危機を決して無駄にしてはならない(You never let a serious crisis go to waste)」という有名な言葉を残している。

ドナルド・トランプ大統領の言い方は、「危機を作り出し、煽り立て、そしてその危機を自らの利益のために利用する(Create a crisis, stoke the crisis and then use that crisis to your advantage)」と考えているように見える。

そして、ロサンゼルスで抗議活動が運転者のいない自動車に放火し始めた時、トランプはまさにその危機を利用できると確信した。

今度もまた、トランプは議論の論点を変えようとしている。つい最近、私たちは予算削減とイーロン・マスクとの確執について話していた。しかし、今は違う。

彼は、略奪と混乱という暴力的な映像(比較的限定的だったとはいえ)を用いて州兵を派遣し、続いて700人の海兵隊員を派遣した。明らかにトランプは、ロサンゼルスが実際に支援を必要としていたかどうかに関わらず、軍隊を使って力を見せつけようとしていた。物語は明白だった。アメリカは守られる必要があり、彼はそれを守るためにそこにいるということだ。一方、民主党は弱腰で、アメリカ国民よりも移民のことを気にかけている。今度もまた、トランプは議論を変えることができる。つい最近まで予算削減とイーロン・マスクとの確執について語っていたのに、今はそうではない。

ホワイトハウスのスタッフは、少なくとも当初は、この幸運が信じられなかった。アクシオス誌によると、ホワイトハウスとその支持者たちは、抗議活動をトランプ大統領の移民政策と「大きくて美しい予算案」を推進する政治的機会と捉えていたという。「これは大きくて美しい予算案のマーケティングとしては史上最高だ。国境対策予算の増額と移民執行の重要性を前面に押し出した」と「ターニングポイントUSA」の広報担当者アンドリュー・コルヴェットは述べた。

トム・ホーマンとトランプは、カリフォルニア州知事ギャヴィン・ニューサムを逮捕すべきかどうかについてアドリブで(ad-libbing)語り始めた。マイク・ジョンソン連邦下院議長はトランプへの忠誠心を示すことに躍起になり、ニューサムに「タールを塗られ、羽根を被せられるべきだ(ought to be tarred and feathered)」と発言した。

しかし、暴力的な抗議活動や路上での略奪行為は民主党にとって勝利をもたらす選挙メッセージではないが、トランプのますます過激化するレトリックとエスカレーションへの執着は、それ自体が政治的リスクを伴う。

移民問題は、少なくとも最近までは、トランプが確実に支持を得ていた問題だった。2025年1月にキュニピアック大学が登録有権者を対象に行った世論調査では、トランプの移民問題への対応を支持する有権者は47%、不支持は46%だった。しかし、先週の木曜日から月曜日にかけて実施されたキュニピアック大学の最新の世論調査では、トランプの移民問題への対応を支持する登録有権者はわずか43%で、不支持は8ポイント上昇して54%に達した。(日曜日にSurveyMonkeyが実施したNBCニューズのDecision Desk Pollでは、国境警備と移民問題への対応を支持する人が依然として51%と、僅差で過半数を占め、トランプがこの問題で優位に立っている。)

一方、YouGov(ユーガヴ)が火曜日に実施した4300人の成人を対象とした世論調査では、トランプ大統領による州兵派遣に反対する人が45%、賛成する人が38%だった。海兵隊派遣には反対する人がさらに多かった。

トランプ大統領はほぼ常に、できる限りのことをしようとしてきた。自らの権力の限界を試すのは彼がいつも選ぶ手段だ。しかし、最初の任期中は、周囲からしばしば抑制されてきた。『ニューヨーク・タイムズ』紙は、2019年の大統領執務室での会合で、トランプ大統領は移民のアメリカ入国を阻止する方法に関する自身のアイデアで側近たちを驚かせ、「移民が石を投げたら兵士が射殺すべきだと公に示唆した後、スタッフからそれは違法だと指摘されると、大統領は撤回した」と報じている。
トランプ大統領の元国防長官マーク・エスパーは、2020年にトランプ大統領がホワイトハウスの外から「ブラック・ライヴズ・マター」の抗議者たちを排除しようとした際、「撃てないのか? 足や他の場所を撃つだけでいいだろう(Can’t you just shoot them? Just shoot them in the legs or something)」と尋ねたと振り返った。

トランプが軍隊を象徴的にも実際的にも強力な道具だと考えていることは疑いようがない。

今回、トランプは自身の意思決定を容認し、容認するイエスマンや追従者たちを周囲に集めている。一方、共和党議員たちは、メイン州選出のスーザン・コリンズ連邦上院議員とアラスカ州選出のリサ・マーカウスキー連邦上院議員というわずかな例外を除き、彼の軍事介入主義(military interventionism)について沈黙を守っている。そうなると、最終的なチェック役は裁判所だけになる。トランプは、自分が実際にどれほどの権力を持っているのかを確かめ、どれだけの権力を行使できるかを見極めようとしている。

トランプが軍隊を象徴的にも実際的にも強力な道具だと考えていることは、疑いようがない。彼はまた、明らかに憂慮すべき新たな権利意識を抱き、最初の任期で示した法と秩序の姿勢をさらに強めている。しかし、強力な象徴でさえも悪用される可能性がある。

中間選挙まで1年以上あり、それから2年も経つと大統領選挙はほぼ不可能に思えてくる。その時までに、この出来事は何か意味を持つのだろうか? 推測することさえ愚かな気がする。しかし短期的には、トランプが先週獲得したはずの政治的資本は、リードしているうちに諦めることができない彼の無力さによって無駄になってしまうかもしれない。

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ある世論調査によると、ICE(米移民・関税執行局)の捜査に対するロサンゼルスの抗議活動を支持するアメリカ人はわずか3分の1にとどまっている(Only a third of Americans are backing the LA protests over the ICE raids, poll finds

-ドナルド・トランプ政権は、週末にロサンゼルス全域で大規模な移民対策に反対する抗議活動が勃発したことを受け、対応を強化している。

ライアン・ルビン筆

2025年6月10日

『インディペンデンス』紙(イギリス)

https://www.independent.co.uk/news/world/americas/us-politics/la-protests-response-approval-rating-b2767215.html

最新の世論調査によると、アメリカ人はロサンゼルスの抗議活動を支持しておらず、米移民・関税執行局(ICE)による強制送還強行に反対する人々の側に立つのはわずか3分の1にとどまっている。

YouGov(ユーガヴ)が4200人以上のアメリカ人成人を対象に行った世論調査によると、約3人に1人(36%)がICEに対する抗議活動を支持し、不支持は45%だった。回答者の19%は「分からない」と回答した。

これは、週末にロサンゼルス全域で大規模な移民政策に対する抗議活動が勃発したことを受け、トランプ政権が対応を強化している中でのことだ。

ドナルド・トランプ大統領は、ロサンゼルスでのデモ鎮圧のため、州兵を含む数千人の軍人を派遣し、ピート・ヘグゼス国防長官は最大700人の海兵隊員を動員した。

抗議活動への対応において誰が主導権を握るべきかとの質問に対し、回答者の56%が州および地方当局の責任だと回答し、連邦政府の介入を支持したのは25%だった。

抗議活動参加者の行動が概ね平和的か暴力的かという点でも、回答者の意見は分かれ、平和的だと答えたのは38%、暴力的だと答えたのは36%だった。

トランプ政権がデモへの対応としてロサンゼルス地域に海兵隊を派遣したことについては、不支持が47%、支持は34%だった。

また、今回の世論調査では、民主党支持者の58%が抗議活動を支持しているのに対し、共和党支持者ではわずか15%だった。

多くの民主党員がトランプ政権の抗議活動への対応を非難する中、民主党のジョン・フェッターマン連邦上院議員は、党が暴力行為を非難していないと非難した。

フェッターマン議員はXへの投稿で次のように述べた。「自動車への放火、建物の破壊、そして法執行機関への襲撃を非難しないということは、我が党が道徳的な優位性を失うことを意味する。私は言論の自由、平和的なデモ、そして移民問題を容赦なく支持する。しかし、これはそれではない。これは無政府状態(anarchy)であり、真の混沌(true chaos)だ」。

日曜日、移民を標的とした米移民・関税執行局(ICE)の襲撃に抗議するデモ参加者と法執行機関が衝突した。ロサンゼルスのダウンタウンでは、自動車への放火や略奪(looting)が報告された。抗議活動は月曜日まで続き、100人以上が逮捕された。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

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 2025年6月7日にロサンゼルスで始まった、米移民・関税執行局(ICE)による不法移民の一斉摘発(6月6日)に対する抗議活動、抗議デモは一部が過激化し、暴力行為や器物損壊、略奪が行われるようになり、ロサンゼルスのカレン・バス市長はダウンタウンの一部地域に夜間外出禁止令を出した。トランプ大統領は州兵と海兵隊を派遣した。トランプ大統領の決定に対して、かりいふぉるニア州のギャヴィン・ニューサム知事とバス市長は反発し、この措置が辞退を悪化させており、挑発的だと批判している。死者が出ていないのは幸いだが、負傷者や逮捕者が出ている。

 「ノーキングス」という組織団体が、抗議活動を全米に拡大することを計画し、参加を呼び掛けている。ニューヨークやシカゴ、シアトル、サンフランシスコなどのアメリカの大都市での抗議活動が計画されている。テキサスでも予定されているが、テキサスのグレッグ・アボット知事は州兵の派遣を明言している。暴力や器物損壊、略奪にまで至らないことを祈るのみだ。

 下記記事にあるが、ロサンゼルスの抗議活動には、「プロ暴徒(professional rioters)」と呼ばれる人間たちが参加して、事態を悪化させたようだ。CNNの記事には次のようにある。「しかし諜報(ちょうほう)分野の情報筋によれば、一部のデモ参加者は法執行機関が俗に「プロ暴徒」と定義する人々に合致する。こうした人々は法執行機関との衝突の機会を常に探しているという」。アメリカで常に暴動が起きて、それに乗じて略奪が行われている訳ではないが、そのような機会を狙う、もしくは醸成して、略奪行為を行うことを仕組む人々がいるようだ。今回の抗議活動もそのようなプロ暴徒によって利用されてしまったということのようだ。
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 今回の抗議活動で目立つのは、このブログでも取り上げたが、メキシコや他の中南米の国々の国旗を振り回す姿だ。このことはアメリカのメディアでも取り上げられている。私が書いたように、そのような行為は、一般のアメリカ国民にとって受け入れがたいことになるし、「盗まれた土地」についての議論になれば、大きな矛盾を抱えていることが明らかになる。共和党内部の反トランプ派の連邦下院議員で、カリフォルニア州選出のデイヴィッド・ヴァラダオ議員の主張が穏健なアメリカ国民の考えに近いだろうが、メキシコ国旗を振り回してアメリカ連邦政府の関連施設を取り囲む姿は、このような穏健な考えを持つ人々を強硬な態度にしてしまう可能性はある。

 ヴァラダオ議員はカリフォルニア州でも農業が盛んな地域の選出である。カリフォルニア州の農業にとって不法移民は、低賃金の厳しい労働を支えてくれる貴重な存在だ。不法移民たちがいるので、食品価格が抑えられているということも言われている(これによって海外との競争力も保たれることになる)。穏やかに、犯罪に関わらないで、労働にいそしんでいる不法移民はお目こぼしで、犯罪傾向の強い、もしくは既に犯罪をしてしまった不法移民から逮捕・強制送還せよ(捕まえやすいところで大量に捕まえて実績アピールをしても仕方がない)ということになるだろう。カリフォルニア州では州独自の休日として、3月31日の「シーザー・チャヴェス・デー」がある。これは、労働運動家であり、ヒスパニック・コミュニティのリーダーとして活躍した、シーザー・チャヴェスを記念する日だ。チャヴェスは10代から農場労働者として家族を支え、1962年に全国農場労働者協会(NFWA)を結成し、1966年に米国農場労働者連合(UFW)に拡大した。農業関連労働者の組織化を進めた人物だ。彼自身は不法移民ではないが、このように、アメリカの農業において、ヒスパニック、そして不法移民は重要な存在となっている。

 不法移民対策について議論があり、抗議活動があることは良いことであるが、それがプロ暴徒なる存在に利用されてしまっては本来の意義が見えなくなってしまう。また、下記記事にあるように、「ノーキングス」は、抗議活動の目的を、ICEに対するというよりも、「腐敗は行き過ぎだ」として、トランプ政権自体に向けるようになっている。これにメキシコ国旗が振られるようなことが起きれば、内戦(civil war)に、メキシコが後押ししているという印象を持たれて、「内政干渉(intervention)」や「侵略(invasion)」ということになってしまう。これは非常に危険な状態ということになる。アメリカの分断は深刻な状態を迎えている。

(貼り付けはじめ)
●「ロサンゼルスで抗議しているのはどんな人々なのか」

CNN日本版 2025.06.10 Tue posted at 18:50 JST

https://www.cnn.co.jp/usa/35234069.html

(CNN) エストレラズル・コーラルさんは週末、ロサンゼルス中心部にある勾留センター外での抗議活動に連日参加し、数十人の移民らへの正義を求めた。これらの移民は、武装した移民税関捜査局(ICE)の職員に勾留されている。装甲車両に乗った職員らは、中南米系の多い市内のオフィスを標的にしていた。

コーラルさんによれば、平和的なデモが数時間続いた後、州兵が反撃を始めた。コーラルさんはソーシャルワーカーで、主に住居や適切な書類を持たない住民のために活動している。

「彼らは催涙ガスをこちらへ投げてきた。私たちは言われたとおりにしていただけだった」「それで人々は本当に動揺し、怒った。そこから事態がエスカレートしたと思う」

8日の日暮れ時、CNNの特派員はデモが暴力に変わる様子を記録した。デモ参加者の一部は自動運転車に放火。幹線道路の高架下に逃げ込んだ警官隊に石を投げる参加者もいた。交通はデモ行進で封鎖されていた。別の参加者らはスプレーで法執行機関に反対するスローガンを連邦政府の建物に書いていた。ロサンゼルス市警によると、8日には少なくとも21人が逮捕された。

米政権は不法移民を強硬に取り締まっているが、1992年以降で初めて米国市民に対し州兵を派遣するとしたトランプ米大統領の決定は即座に反発を招き、やがて暴力へと発展した。

実際のところ、抗議デモは異なる集団に別れていたようだった。一方は適切な書類を持たない人々の保護を目的とする進歩派の住民。それに対しもう一方のデモ参加者は、街を暴力的な混乱に引きずり込もうとしているように見えた。

■「ララサ」を守る

米国内の「ララサ(メキシコ人や先住民)」の権利擁護に取り組む団体、ウニオン・デル・バリオは、ICEをはじめとする各機関に対抗する取り組みを称賛。広報担当者はソーシャルメディアへの声明で、ロサンゼルスのコミュニティーには「拉致や家族の引き離しから人々を守る道徳的権限と普遍的権利がある」と主張した。

「この数日で起きているのは破壊行為や犯罪行為ではなく、政府に対する抵抗運動だ。政府は我々の父や母、妻、夫、子どもたちを拉致している」「人々は家族や同胞に対する深い愛と正義感からこうした行動に出た」と、広報担当者は述べた。

しかし、ある郡当局者は8日の様子を、ロサンゼルスでの「最も危険な夜の一つ」だったと振り返った。

ロサンゼルス市警のジム・マクドネル本部長は、警官らへの暴力的な攻撃を非難すると同時に、平和的な抗議を行った昼間の人々と暴力を扇動した夜の人々とを区別する見解を示した。

警察幹部のある情報筋はCNNの取材に答え、8日夜に集まった群衆については情報分析が行われていることを明らかにした。

分析の結果、抗議デモ参加者の多くは最近の移民摘発を動機としており、連邦政府によるロサンゼルスへの州兵派遣にも不満を抱いていることが分かった。

しかし諜報(ちょうほう)分野の情報筋によれば、一部のデモ参加者は法執行機関が俗に「プロ暴徒」と定義する人々に合致する。こうした人々は法執行機関との衝突の機会を常に探しているという。

■暴力の負担は弱い立場のコミュニティーへ

ICEの職員がパサデナ・ホテルの従業員を取り調べていることを知り、全米日雇い労働者ネットワーク(NDLON)の共同執行取締役を務めるパブロ・アルバラード氏は抗議デモの呼び掛けを開始した。パサデナにある弱い立場の移民のコミュニティーを守るためだった。

「パサデナでは大勢の人が集まり、メッセージを声高に叫んだ。我々は装甲車や覆面姿の男たちがコミュニティーへやって来て人々を連れ去り、家族をばらばらにするのを望まないと、明確に伝えた」(アルバラード氏)

ただ同氏が付け加えたところによると、摘発への反応として暴力が市全体に広がり、本来の目的が汚されたとも感じたという。

「暴力が発生するたび、最も弱い立場にあるコミュニティーが代償を支払う。暴動で焼き打ちに遭うのは、決まって所得の低いコミュニティーの店舗だ」(同氏)

デモ参加者の怒りは理解できるが、暴力の言い訳にはならないとアルバラード氏。「誰かを襲撃しなくても、必要なメッセージを発することはできる」と訴えた。

■混乱に巻き込まれた家族

焼け焦げた自動運転車や落書きされた建物から数区画離れた地点では、週末の移民摘発で拘束された人々の家族が9日午前に記者会見を開いた。家族らは愛する人々をICEの拘留センターから釈放するよう求めた。

親族の写真を貼ったプラカードを握りしめ、一人ずつマイクの前に立ち、拘留された人々の権利の保護と法的手続きの尊重を呼び掛けた。

ジュリアンと名乗る若い女性は、父親が足かせで拘束され、ICE職員に連れ去られた光景を見て家族全員が精神的なショックを受けたと訴えた。とりわけ障害を持つ4歳の弟にとっては衝撃が大きく、父親について繰り返し尋ねる弟には「お父さんは仕事をしている」と答え続けているという。

冒頭のコーラルさんは、再三催涙ガスを浴びせられても抗議には足を運ぶと語る。誰かが自分たちのために立ち上がっていることを拘束されている人々に伝えたいからだという。

それでも連日唐辛子スプレーを吸い込んだ後、武装した州兵の列と対峙(たいじ)した8日には、自分の国で一体何が起きているのかという思いに駆られた。

州兵らは抗議デモの現場にそぐわない武器を携帯していたが、「私たちは一歩も引かなかった。『威嚇されてたまるか』という気持ちだった」とコーラルさんは振り返った。
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全米に広がるICE(移民税関捜査局)の襲撃に対する抗議活動Protests of ICE raids spread across US
アシュリー・フィールズ筆

2025年6月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/state-watch/5343883-protests-of-ice-raids-spread-across-us/

ドナルド・トランプ政権による移民取り締まりへの抗議活動が全米に広がり、複数の団体が土曜日にデモを開始する予定だ。これは、大統領の79歳の誕生日にワシントンDCで行われる軍事パレードと時期を合わせたものだ。

「ノーキングス(No Kings)」と「50501」は、ニューヨーク、ペンシルヴァニア、ウィスコンシン、テネシー、フロリダ、アラバマ、ジョージア、カリフォルニアなど、幅広い州で抗議活動を主催するために提携している。

テキサス州オースティンでも抗議活動が予定されており、グレッグ・アボット知事(共和党)は州兵の出動を表明している。

これらの抗議活動は、ロサンゼルスでの移民・関税執行局(ICE)の捜査に抗議する最初のデモに続くものだ。デモの一部は器物損壊につながり、トランプ大統領はカリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事(民主党)とロサンゼルスのカレン・バス市長(民主党)の反対を押し切って州兵の出動を要請した。

国防総省は今週、700人の海兵隊員をロサンゼルスに派遣した。ニューサム知事はこれを挑発的(provocative)だと批判した。

この戦いは法廷闘争に発展し、現在では全米各地で新たな抗議活動を引き起こしているようだ。

「彼ら(トランプ政権)は私たちの裁判所を無視し、アメリカ人を国外追放し、街頭から人々を追い払い、私たちの公民権を侵害し、公共サーヴィスを削減した。腐敗は行き過ぎだ。王座も、王冠も、王もいない(No thrones. No crowns. No kings)」と、議活動の主催者はウェブサイト上の声明の中でこのように述べた。

主催者たちは、土曜日までの数日間にZoom会議を開催し、トランプ大統領による不法移民取り締まりに対抗するための計画、準備、そして街頭での動員を進めている。

「ノー・キングス」は、トランプ大統領が陸軍創立250周年を祝う大規模な軍事パレードを行う際、ワシントンで抗議活動を行う代わりに、フィラデルフィアでイヴェントを開催すると発表した。

「この記念パレードを重心の中心に据えるのではなく、私たちは他のあらゆる場所で、その日のアメリカの物語となる行動を起こす。全国のコミュニティで人々が結集し、ストロングマン政治(strongman politics)と腐敗(corruption)に反対する」と「ノーキングス」はウェブサイトに掲載している。

「そうした理由から、『ノー・キングス』はワシントンDCではイヴェントを開催しない。その代わりに、フィラデルフィアで大規模な中心となる行進と集会を開催し、市民主導の私たちの運動と、ワシントンで行われる費用がかさみ、無駄が多く、非アメリカ的な(un-American)記念日パレードとの明確な対比を示す」

トランプ大統領は、ノースカロライナ州フォートブラッグでの演説でデモ参加者を「動物(animals)」と呼んだが、その前に、ソーシャルメディアへの投稿で、ワシントンでの軍事パレードを妨害しようとする抗議者には「非常に大きな力(very big force)」が向けられると述べた。

トランプ大統領は兵士たちを前にして、「彼らは動物だが、他国の国旗を誇らしげに掲げている。アメリカ国旗は掲げていない。ただ燃やしているだけだ。たくさんの国旗が燃やされているのを見たか?」と述べた。

「燃やしていたのは、私たちの国の人間でも、私たちの国を愛する人間でもない。アメリカ国旗を燃やす者は1年間刑務所に入るべきだ」とトランプ大統領は続けた。

彼の発言は、ロサンゼルスで数日にわたって行われたデモと大規模な抗議活動の後になされた。
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カリフォルニア州選出の共和党連邦議員がドナルド・トランプ大統領の移民政策に反対(California Republican pushes back against Trump immigration enforcement

エミリー・ブルックス筆

2025年6月10日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/5342298-california-republican-valadao-trump-immigration-enforcement/

共和党穏健派のデイヴィッド・ヴァラダオ連邦下院議員(カリフォルニア州選出)は、ドナルド・トランプ政権によるカリフォルニア州での移民執行措置に反発している。

ヴァラダオ議員はソーシャルプラットフォーム「X」への投稿で「カリフォルニア州全域で継続中の米移民・関税捜査局(ICE)の活動について、私は依然として懸念を抱いており、トランプ政権との対話を継続し、長年にわたりこの渓谷で平和に暮らしてきた勤勉な人々よりも、既知の犯罪者の国外退去を優先するよう強く求めていく」と述べた。

この発言は、ロサンゼルスの一部地域で発生した移民執行措置に対する抗議活動で発生した暴力行為をヴァラダオ議員が非難した後に出されたものだ。

「私はアメリカ合衆国憲法修正第1条に定められた平和的な抗議活動の権利を支持するが、ロサンゼルスで発生している暴力行為(violence)と破壊行為(vandalism)は容認できない。人々を守り、状況を再びコントロールするために尽力している法執行官たちを支持する」とヴァラダオ議員は述べた。

ヴァラダオ議員は、農業が盛んな、競争の激しい選挙区を代表している。彼は、2021年1月6日の連邦議事堂襲撃事件後、トランプ大統領の弾劾に賛成票を投じた残り2人の共和党下院議員のうちの1人だ。トランプ大統領はこれに注目し、昨年夏の2024年大統領選期間中に連邦下院共和党議員たちに演説した際に、ヴァラダオを特に名指しし、「私は彼を一度も愛したことがない」と述べた。

ヴァラダオの発言は、トランプ政権の移民執行措置と、地元民主党指導者の反対を押し切って行われている抗議活動に対応するために州兵を派遣したトランプ大統領の措置を、共和党指導部が概ね擁護している状況とは大きく異なる。

マイク・ジョンソン連邦下院議長(ルイジアナ州選出、共和党)は、抗議活動と移民逮捕を、トランプ大統領の減税と歳出優先事項の中で「大きくて素晴らしい法案」を可決する理由として挙げた。この法案には、移民執行措置と強制送還への予算の大幅増額が含まれている。

ジョンソン下院議長は記者会見で次のように発言した。「移民・関税局(ICE)の収容能力拡大に450億ドル、そして毎年少なくとも10億件の強制送還を実施するために、航空輸送と陸上輸送に144億ドルを予算計上する。これはかなり長期間にわたって実施する必要があるだろう。彼らはあまりにも多くの人々を入国させている。私たちは危険な不法移民から対策を始める。そして、カリフォルニアの暴徒と政治家たちがまさに守ろうとしているのは、まさに彼らなのだ」。

しかし、抗議者や民主党からの反対の多くは、トランプ政権が暴力犯罪で有罪判決を受けておらず、犯罪歴もない人々を逮捕し、国外追放しているという事実に集中している。

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メキシコ国旗がロサンゼルスの抗議活動のシンボルに:知っておくべきこと(Mexican flag becomes L.A. protest symbol: What to know

エリザベス・クリスプ筆

2025年6月9日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/international/5340119-mexican-flag-protests-la-trump/

緑、白、赤の縞模様のメキシコ国旗は、ドナルド・トランプ政権による移民取り締まりへの継続中の抗議活動が週末にロサンゼルスで勃発し、抵抗の象徴(an emerging symbol of resistance in ongoing protests)としてどんどん存在感を増している

メキシコ国旗を掲げる抗議活動参加者たちが、炎が燃え盛る中で、タクティカルギア(装備品)を身に着けた警察官たちが立ちはだかっている。この様子の写真や動画がオンラインや既存メディアで拡散し、トランプ大統領政権の主要メンバーたちの怒りを買っている。

特に目立った映像の1つは、覆面をしたメキシコ国旗の旗を持った人がダートバイクに乗り、炎上する車の周りをぐるぐると回る様子だ。

ヴァンス副大統領は土曜日、ソーシャルメディアプラットフォーム「X」に「外国国旗を掲げた反乱分子たち(insurrectionists)が移民執行官たちを攻撃している一方で、アメリカの政治指導者の半数は国境警備を悪(evil)と決めつけている」と書き込んだ。

トランプ大統領の最側近の補佐官で移民問題強硬派のスティーヴン・ミラーは日曜日、ソーシャルメディアにメキシコ国旗を振る抗議者の複数の画像を投稿し、ロサンゼルスでの混乱を「反乱(insurrection)」と表現した。

ミラーはXへの投稿で、「外国人が外国国旗を振り、反乱を起こし、不法な外国侵略者を追放しようとする連邦法執行機関を妨害する様子を、何と表現するのが正しいのか」と述べている。

ミラーは別の投稿で、「たくさんの外国国旗を見てみよう。ロサンゼルスは占領されている地域だ」と付け加えている。

(1)抗議活動はどのように起きたか(How protests got here

移民人口が多く、民主党の牙城であるロサンゼルスでは、数千人が街頭に繰り出し、トランプ政権による大量不法移民国外追放の一環として、金曜日に約40人の逮捕者を出した連邦移民関税執行局(Immigration and Customs EnforcementICE)の職場への強制捜査に抗議した。

トランプ大統領は、カリフォルニア州で高まる抗議活動を鎮圧するため、週末に2000人の州兵を派遣した。ホワイトハウスによると、州兵は60日間、あるいはピート・ヘグゼス国防長官が撤退を命じるまでロサンゼルスに派遣される予定で、今後数日中に数百人の海兵隊員が援軍として派遣される可能性がある。

トランプ大統領は日曜日のトゥルース・ソーシャル(Truth Social)への投稿で、政権関係者たちに対し「ロサンゼルスを移民の侵略から解放し、移民暴動に終止符を打つために必要なあらゆる措置を講じる(take all such action necessary to liberate Los Angeles from the Migrant Invasion, and put an end to these Migrant riots)」よう指示したと述べた。

トランプ大統領は「秩序は回復され、不法移民は追放され、ロサンゼルスは解放されるだろう(Order will be restored, the Illegals will be expelled, and Los Angeles will be set free)」と付け加えた。

ロサンゼルス市長カレン・バス(民主党)は、日曜に勃発した警察官と抗議者との間の緊張の「無秩序なエスカレーション(chaotic escalation)」はトランプ大統領の軍隊派遣のせいだと非難し、カリフォルニア州知事ギャヴィン・ニューサム(民主党)は、自身の反対を無視して軍隊を派遣した連邦政府を州が訴えると述べた。

(2)メキシコ国旗が振られる(Mexican flags fly

過去の移民抗議活動では、デモ参加者たちに対し、アメリカの価値観への支持を象徴するため、アメリカ国旗を掲げるよう促してきた。

しかし、メキシコ国旗、他のラテンアメリカ諸国の国旗、そしてアメリカ国旗をあしらったメキシコ国旗の画像がロサンゼルスの抗議活動の中心となり、トランプの支持者たちから頻繁に非難の的となっている。

『アリゾナ・リパブリック』紙のコラムニストであるフィル・ボアスは今年初めの記事で、メキシコ国旗を振る抗議活動は彼らの主張に反する行為になっている可能性があると警告した。

ボアスは2025年1月にトランプがホワイトハウスに戻った直後にICE反対デモが勃発した際に次のように書いている。「若者のエネルギーと熱意は理解できるが、フェニックスとロサンゼルスのラテン系コミュニティの冷静な判断力を持つ人々は、若い抗議活動家たちへの介入を望むかもしれない。MAGAの顔にメキシコ国旗を振るのは気分がいいかもしれないが、MAGAではない多くのアメリカ人にとって、それがどれほど嫌悪感を抱かせるかを理解しきれていない」。

しかし、移民抗議活動で他国の国旗を見ることは、人々を団結させる共通の行為だと反論する人もいる。

『ロサンゼルス・タイムズ』紙のコラムニストであるグスタボ・アレジャノは2025年2月に次のように書いた。「抗議活動で外国の国旗を振るのは良いトラブルだ。勇敢な人々が団結し、混乱しか理解しない最高司令官(大統領)に毅然と立ち向かうための合図だ」。

(3)メキシコが対応し国外追放を認める(Mexico responds, acknowledges deportations

メキシコの指導者たちは月曜日の記者会見で、金曜日のロサンゼルス移民税関捜査局(ICE)による捜査で42人のメキシコ人(男性37人、女性5人)が拘束されたことを認めた。4人は国外追放されたという。

メキシコのフアン・ラモン・デ・ラ・フエンテ外相は、「ロサンゼルスの収容施設に収容されているメキシコ人の状態を監視するため、引き続き訪問を続ける」と述べた。

メキシコのクラウディア・シャインバウム大統領は、抗議活動における暴力行為を非難したが、デモ参加者に退去は求めなかった。

「メキシコ系コミュニティに対し、挑発(provocations)に載せられることなく、平和的に行動するよう求める」とシャインバウム大統領は述べた。

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 ロサンゼルスで、米移民・関税執行局(ICE)の一斉摘発が実施され、それに抗議するために連邦政府施設前に人々が集まり、反ICE抗議デモが実施された。参加者の一部が先鋭化し、高速道路を封鎖したり、連邦政府施設に対して侵入を試みようとしたりという行動に出た。地元警察が沈静化させようとしてもうまくいかず、トランプ大統領は州兵をロサンゼルス市内に派遣した。州兵は通常であれば州知事の指揮下に入り、治安維持や災害対応に従事するが、戦時では大統領の指揮下に入り、予備部隊としてアメリカ軍を支援する形になる。今回は大統領令で派遣されたが、これに対して、カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事とロサンゼルスのカレル・バス市長が、事態を悪化させるだけだと非難している。

 抗議者たちが物を投げたり、メキシコや他の中南米諸国の国旗を振り回したりという様子、警察の機動隊が催涙弾を発射したり、抗議者を拘束したりしている様子から、「映画の『シビル・ウォー』を見ているようだ」という感想がインターネット上に多く出ている。トランプ大統領は「現状はまだ反乱(insurrection)の状態までには至っていない」と述べている。

 私が現場の映像を見ていて、これは非常に危険だと感じたのは、抗議者たちの中に、メキシコ国旗や他の中南米諸国の国旗を掲げ、振り回している人たちが多くいたことだ。このような行為がなされれば、アメリカ国内では、「不法移民の一斉検挙に抗議する人たち」が「外国から支援を受けているのではないか、非アメリカ的(un-American)ではないか」という印象を持たれると、一般国民の間に支援は広がらない。それどころか、「彼らは外国の侵略を企図し、支援しているのではないか」ということまで考えられるようになれば、地域間や国民間の分断は深刻になる。

 カリフォルニア州は、元々はメキシコ領で、米墨紛争の後、1850年にアメリカ領になった。人口をどんどん増やしているヒスパニックたちの中には少数であるが、「いつかはメキシコ領に」「アメリカのお金でインフラを整備させて、人口で過半数になったらメキシコ領に」などと主張する人たちもいる。私がロサンゼルスに居住していた2000年代、1862年にメキシコがフランスとの戦争で勝利した日を記念する「シンコ・デ・マヨ(Cinco de Mayo、5月5日の意味)」となると、ロサンゼルスの一部地域の高校で、アフリカ系アメリカ人学生とヒスパニック系の学生たちが衝突するという事件も起きていた。アフリカ系アメリカ人からすれば、勢力を伸ばすヒスパニック系が気に入らないところに、他国のお祭りで盛り上がるということでスイッチが入ってしまうということであった。

 マイノリティの間でも、色々と分断がある。非常に繊細な問題である。不法移民がいることで、カリフォルニア経済は回るという側面もある。肉体的に厳しい農作業や建設業などに、不法移民が安い賃金で従事することで、食料価格や住宅価格が抑えられるということはある(インフレでそれも厳しいが)。しかし、トランプ大統領が訴える製造業の国アメリカの復活ということであれば、彼を支持したアメリカ人たちは、昔のように厳しい労働に従事しなければならない。外国からの安い製品に頼らずに、自分たちで物品を製造しなければならない。それが可能かどうかは甚だ疑問であるが、トランプを選んだのだから、このようになる。

 違法移民について、かわいそうというだけでは済まない。アメリカもそして先進諸国各国も、国力が衰え、支援をすることは難しい。国境の守り(国境警備の強化と高関税)はトランプ政権の柱である。そして、この問題はアメリカの地域間の分断をますます深刻化させるだろう。

(貼り付けはじめ)

ニューサム知事がカリフォルニア州は州兵派遣の件でドナルド・トランプを訴えると述べ、ホーマンに対して自分を逮捕しろと挑発(Newsom says California will sue Trump over National Guard, dares Homan to arrest him

サラ・フォーティンスキー筆

2025年6月8日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/regulation/court-battles/5339718-california-lawsuit-trump-national-guard/

カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事(民主党)は、米連邦政府による移民強制捜査に抗議するロサンゼルスの抗議活動を鎮圧するため、州兵を派遣したトランプ政権を月曜日に提訴すると発表した。

日曜日夜に出演したMSNBCのインタヴューで、ニューサム知事は、この訴訟は、トランプ大統領が州の同意なしにカリフォルニア州兵を連邦軍化して派遣したこと、つまりアメリカ史上ほとんど前例のない措置に異議を唱えるものだと説明した。

ニューサム知事は「ドナルド・トランプは、今夜あなた方がテレビで見ているような状況を作り出し、さらに悪化させた。いわば、火に油を注いだ。州兵を掌握すると発表したときから、彼は火に油を注いでいる。これは違法行為であり、不道徳であり、違憲行為だ」とMSNBCで述べた。

ニューサム知事はさらに「そして、私たちは明日、訴訟を起こしてこの主張を検証するつもりだ」と付け加えた。

この訴訟について詳しく質問されたニューサム知事は、トランプ大統領の大統領令には「特に(国防総省が)行ったこととして、州知事と調整しなければならないと記されている。彼らは州知事と調整したことはない」と述べた。

ニューサムは、これまでも様々な緊急事態に対応するために、州兵を派遣してきたと指摘した。

ニューサムは、「地方の法執行機関と相互援助システムで協力することに何の問題もない。しかし、そこには手順があり、プロセスがある。彼はそれを気に留めなかった。そして最悪なのは、彼が完全に嘘をついたことだ」と述べた。

ニューサム知事は、トランプ大統領が日曜日にトゥルース・ソーシャル(Truth Social)に投稿した、州兵が「素晴らしい仕事をした」という投稿を指摘した。ニューサム知事は、当時州軍は配備すらされていなかったと述べた。

ニューサムは「まるでジョージ・オーウェルが描いた世界のようだ。国民に嘘をついて、違憲で違法な行為をしているだけだ。今回のことはトランプの仕業だ。我々はそれを片付けようとしている」と付け加えた。

インタヴューの後半で、ニューサム知事は、国境問題対策責任者のトム・ホーマンが、もしニューサム知事やロサンゼルス市長のカレン・バス氏が知事の活動を妨害した場合、逮捕の可能性も否定しないと示唆したことについて質問された。

ニューサムは「私を追いかけて、逮捕しろ。さっさと終わらせよう、タフガイ。そんなことはどうでもいい。でも、自分のコミュニティは大事だ。このコミュニティが大事だ」と述べた。

ニューサム知事は次のように述べた。「奴らは一体何をしているのか? 彼らは大人になるべきだ。彼らはもう終わりにすべきだ。そして私たちは反撃する必要がある。はっきり言って申し訳ないが、ああいう大言壮語には飽き飽きだ。だからトム、私を逮捕してみろ。さあ行こう」。

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ホーマンが、カリフォルニア州政府高官たちがICEの捜査を妨害した場合、逮捕される可能性があると警告を発した(Homan warns California officials can be arrested if they disrupt ICE raids

エルヴィア・リモン筆

2025年6月8日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/state-watch/5339287-trump-national-guard-california-immigration-protests/

国境問題責任者トム・ホーマンは日曜日、トランプ大統領がロサンゼルスで進行中の移民抗議デモを鎮圧するため州兵を派遣したことを受け、カリフォルニア州政府高官たちが「一線を越える(cross the line)」場合、逮捕や起訴に直面する可能性があると警告した。

トランプ大統領は、デモ参加者との2日間にわたる衝突を受け、州および市の指導者たちが支援を求めていないと述べているにもかかわらず、少なくとも2000人の州兵に対し、移民関税執行局(Immigration and Customs EnforcementICE)職員への支援を命じた。

ホーマンは、トランプ大統領の命令は法執行官を守るためだけでなく、「このコミュニティを守るため(protect this community)」でもあると述べた。

ホーマンは日曜日夜に放送予定のNBCニューズのジェイコブ・ソボロフのインタヴューを受け、その中で、「この街ではICE職員に対する非難が高まっており、誰かが重傷を負うのは時間の問題だ。私たちは支援を要請しており、職務を遂行し、今後もその職務を継続していく」と述べた。

カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事とロサンゼルス市のカレン・バス市長(両者には民主党)は、トランプ大統領の州兵動員決定を批判し、緊張が高まるリスクがあると警告した。両者はまた、トランプ大統領が州兵の「素晴らしい仕事(a great job)」について、ロサンゼルスに部隊が到着する前に投稿していたことを日曜日に指摘した。

ソボロフが、ホーマンが過去にトランプ大統領の執行活動の邪魔をする者を逮捕すると脅迫していたのは、ニューサム知事とバス市長に向けられたものなのかと尋ねると、ホーマン氏は「誰に対してもそう言う(say that about anybody)」と明言した。

ホーマンは、「違法外国人を故意に隠匿し、かくまうことは重罪だ(It’s a felony to knowingly conceal and harbor an illegal alien)。法執行機関の職務を妨害することも重罪だ(It’s a felony to impede law enforcement from doing their job)」と述べた。

ホーマンは、バス市長が「まだ一線を越えた(crossed the line yet)」とは考えていないと述べたが、必要であれば「司法省に訴追を要請する(we will ask DOJ to prosecute)」と付け加え、司法省に言及した。

ホーマンは「私たちが言いたいのは、我々の警官を攻撃する者を容認しないということだ」と付け加えた。

日曜日の朝、ニューサム知事はソーシャルプラットフォーム「X」への投稿で、連邦政府が「カリフォルニア州兵を乗っ取ろうとしている(taking over the California National Guard)」のは「見せ物が欲しいからだ(they want a spectacle)」と主張した。

ニューサム知事は「見せ物を与えてはならない。決して暴力を用いてはならない。平和的に声を上げよう」と付け加えた。

NBCニューズのインタヴューで、ホーマンはニューサム知事の発言を激しく非難し、「週にとっての恥(an embarrassment for the state)」と呼んだ。

ホーマンは次のように述べた。「私はこの知事を全く尊敬していない。彼の政策のせいで、罪を犯した外国人が毎日この州を闊歩している。知事が私のことをどう思っているかなど気にしない。私は人気投票をしているわけではない」。

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ロサンゼルスで警察が「違法な」集会を宣言し緊張が高まる(Tensions rise in Los Angeles as police declare ‘unlawful’ assembly

コリン・メイエン筆

2025年6月8日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/state-watch/5339627-protesters-arrested-in-la-tensions-rise/

日曜日の午後、ロサンゼルスでは警察が高速道路で抗議者たちと衝突し、メトロポリタン拘置所前での別の抗議活動を「違法(unlawful)」と宣言したことで緊張が高まった。

一日だけで数十人のデモ参加者が逮捕された。ドナルド・トランプ大統領が 「暴徒化した暴徒(insurrectionist mobs)」に対抗するために軍を派遣するという異例の決定を下したため、約300人の州兵が市内に配備された。

抗議者たちは、トランプ政権によるロサンゼルス市内への移民強制捜査に反発し、午後3時半頃から101号線高速道路を封鎖した。警察官は群衆に向けて催涙ガス弾などの弾丸を発射し、午後5時までに高速道路の封鎖を排除した。その後も数百人が周辺の道路に残留し続けた。

午後3時過ぎ、ロサンゼルス市警察(LAPD)は、アラメダにある市内刑務所前で活動していた別の抗議者集団を違法とし、逮捕活動を行っていると発表した。

ロサンゼルス市警察は「アラメダ地区2番街とアリソ通りの間の地域で“違法集会(An UNLAWFUL ASSEMBLY)”が宣言された。“解散命令(A DISPERSAL ORDER)”が発令された。逮捕者も出ている」とソーシャルプラットフォームXに投稿した。

CNNは、警察官たちが抗議者を殴ったり押したり、閃光弾や催涙ガスを群衆に向けて発射する様子が見られたと報じた。

ロサンゼルス市長カレン・バス(民主党)は、トランプ大統領による州兵派遣の決定を強く非難し、平和的な対応を取らない抗議者たちに対し警告を発した。

バス市長は「ロサンゼルス市民が平和的に抗議活動を行う憲法上の権利は、常にわしたちの手で守られる。しかしながら、暴力、破壊、そして器物損壊は、私たちの街では容認されない。責任がある人たちは、完全な責任を問われることになる」とXに投稿した。

バス市長は後に、日曜日の混乱は「政権によって引き起こされた(provoked by the administration)」と述べた。

ダン・ボンジーノFBI副長官も、午後になって緊張が高まる中、警告を発した。

ボンジーノ副長官は「もし今夜、暴力を選択するなら、このメッセージはあなたに向けたものとなる。私たちは、既に多くの逮捕者を出しているだけでなく、連邦職員への暴行に関するあらゆる手がかりを捜査・追及していく」とXに投稿した。

23人の民主党所属の州知事全員が日曜日の午後、数十年も適用されていなかった法律を用いてカリフォルニア州の州兵を連邦軍化するというトランプ大統領の決定を非難する声明を発表し、この対応は不必要であり、事態をエスカレートさせるものだと主張した。

カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事(民主党)の知事室は日曜日、ピート・ヘグセス国防長官に書簡を送り、市内への軍部隊派遣命令の撤回を求めた。

トランプ大統領は日曜日午後、キャンプ・デイヴィッドに向かうエアフォースワンに搭乗する前に記者団に短時間語った。大統領は大統領別荘で軍幹部と面会する予定だが、会談内容については明らかにしなかった。

国家安全保障上の危機に際して大統領の権限を拡大する反乱法(the Insurrection Act)を発動するかどうか記者団に問われると、トランプ大統領は、今回の抗議活動(the protests)はまだ「反乱(insurrection)」には当たらないと述べた。

しかし、その直後、トランプ大統領はトゥルース・ソーシャル(Truth Social)への投稿で、抗議者たち(the protesters)を「反乱暴者の集団(insurrectionist mob)」と表現した。

「クリスティ・ノーム国土安全保障長官、ピート・ヘグゼス国防長官、パム・ボンディ司法長官に対し、関係省庁および機関と連携し、ロサンゼルスを移民の侵略から解放し、移民暴動に終止符を打つために必要なあらゆる措置を講じるよう指示する」とトランプは投稿した。

トランプは更に「秩序は回復され、不法移民は追放され、ロサンゼルスは解放されるだろう」と書いた。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 

 日本でもそうですが、アメリカでもマスコミや大学、研究所(シンクタンク)などが様々な世論調査を行っています。今回は最近の世論調査の結果について報じた記事をご紹介します。

 

 今年秋の中間選挙(連邦下院全議席、連邦上院一部議席、州知事の一部)のテーマとなりそうなのが、「メディケア・フォ・オール(Medicare for All)」の導入、公立大学の無償化、そして、アメリカ合衆国入国税関管理局(ICE)廃止です。

 

「メディケア・フォ・オール」とは単一支払者健康保険システム(single payer health care system)の別名で、政府が保険料を徴収し、国民の医療にかかるお金を全て支払うというものです。アメリカでは健康保険は常に論争のテーマとなっています。ヨーロッパや日本といった先進諸国では国民皆保険制度(各国で違いはありますが)ですが、アメリカはそうではありませんでした。オバマケアの導入で国民の大部分が健康保険に入れるということになりましたが、増税などで大きな批判があります。

 

 アメリカでは長きにわたり、国民皆保険制度は共産主義と同じだ、という主張がなされ、国民皆保険制度を評価する人間に対して批判が寄せられることが続きました。

 

 現在、民主党急進派は、「メディケア・フォ・オール」という制度の導入を主張しています。これは、政府もしくは公的機関が保険料を徴収し、そこが医療費コストを支払うという制度です。アメリカで長年にわたり批判されてきた共産主義的なシステムです。

 

 この制度について、民主党支持者の85%が賛成しているというのは分かりますが、共和党支持者の52%が賛成しているのは注目されます。今回の世論調査の結果は、アメリカ国民の多くが国民皆保険を支持しているということを示す一つの数字となります。

 

アメリカ合衆国入国税関管理局(ICE)は、国土安全保障省(Department of Homeland Security)に所属し、不法移民の取り締まりなどを行っています。最近、不法移民の親子を別々に収容して、「親子を引き離すとは何事だ」という批判に晒され、ドナルド・トランプ第登用が親子を別々に収容しないようにせよという命令を出しました。

 

 ICEについて、共和党支持者の7割は廃止に反対(存続に賛成)で、民主党支持者では44%が廃止に賛成、44%が廃止に反対という世論調査の結果が出たということです。アメリカ国民の過半数はICEの廃止に反対しているということになります。

 

 興味深いのはリベラルであろう民主党支持者たちの間でICEの廃止について意見が割れている点です。民主党支持者でもICEの存続を求める声が多いのは、不法移民に対する否定的な感情がアメリカ国民に多くあるということであろうと思います。こうした不法移民が低賃金の重労働を担っているという現状がありますが、一方で、移民たちが自分たちの仕事を奪っている、更には外国の安い労働力がアメリカの仕事を奪っているという不満が人々の間で高まっています。

 

 これはアメリカ国民の多くが不法移民を拒絶しているということになります。不法移民でやってくる人々がいなければ、低賃金の肉体労働は成り立たないほどになっていますが、不法移民流入に伴うマイナス、麻薬の流入や社会保障の負担増大などについて、リベラルな民主党支持者も辟易しているということになります。

 

 アメリカ国民は富の再分配を求め、同時に、これ以上の不法移民の流入は阻止したいという考えを持っているということになります。自分たちに対してはリベラルな政策を求め、自分たち以外の存在には厳しい政策を求めているということになります。人々のこのような考えを実行しているのがトランプ大統領です。トランプ大統領のやることは、ワシントンやニューヨークにいるエリートたちには訳の分からないものだと思いますが、人々の気持ちに合っているので、支持率が下がっていないということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

最新の世論調査によると、アメリカ国民の70%が「メディケア・フォ・オール」を支持している(Seventy percent of Americans support 'Medicare for all' in new poll

 

ミーガン・ケラー筆

2018年8月23日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/healthcare/403248-poll-seventy-percent-of-americans-support-medicare-for-all

 

多数のアメリカ国民、7割のアメリカ国民が「メディケア・フォ・オール」を支持しているということが最新の世論調査で分かった。「メディケア・フォ・オール」は、単一支払者健康保険システム(訳者註:政府、もしくは公的機関が保険料を徴収し、政府が医療費を全て支払う)である。

 

ロイター通信・イプソス実施の世論調査によると、民主党支持者の85%が「メディケア・フォ・オール」を支持し、共和党支持者の52%が支持している。

 

リバータリアニズム系のシンクタンクであるジョージメイソン大学メルカトス研究所が、「メディケア・フォ・オール」を導入すると10年間で連邦政府の支出が32兆6000億ドルを増加させるだろうという研究結果を発表した。この後、「メディケア・フォ・オール」は連日報道されるようになった。

 

研究結果を発表したチャールズ・ブラハウスは、2018年8月初旬に『ウォールストリート・ジャーナル』紙に寄稿し、その中で、税率を2倍にしても単一支払者健康保険システムの予算を賄うことはできないと主張した。

 

一方、「メディケア・フォ・オール」導入を主張する人々は、「メディケア・フォ・オール」を法律として成立させれば、2031年までに健康保険にかかる予算を2兆ドル削減できると述べている。

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は、メルカトス研究所の研究結果は「人々を間違った方向に誘導し、バイアスがかかったものだ」と述べた。

 

ロイター通信社の最新の世論調査によると、アメリカ国民の過半数は大学学費の無料化を支持している、ということだ。共和党支持者の41%、民主党支持者の79%が支持している。

 

アメリカ合衆国入国税関管理局(ICE)廃止の動きに対しては、世論調査の対象者の過半数が反対している。共和党支持者の70%が、創設15年の政府機関ICEの廃止に反対し、民主党支持者の中は半々に割れている。約44%が廃止に賛成し、44%がICEは存続させるべきだと答えた。

 

ロイター通信の世論調査はアメリカ国内の成人に対して今年6月と7月を通じて行われた。ロイター通信は2989名に対して「メディケア・フォ・オール」について、5339名に対して大学無償化について、7737名に対してアメリカ合衆国入国税関管理局(ICE)廃止について質問した 「メディケア・フォ・オール」と大学無償化に関しての誤差は2ポイント、ICE廃止に関しての誤差は1ポイントの誤差だった。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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